JP2010190990A - インパルス応答加工装置、残響付与装置およびプログラム - Google Patents

インパルス応答加工装置、残響付与装置およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】雑音を抑制しながらインパルス応答の残響時間を変化させる。
【解決手段】第1加工部21は、関数値が経時的に増加する調整関数f(t)と初期インパルス応答H1との乗算処理で第1加工波形W1を生成する。第2加工部22は、時間軸の方向に沿った初期インパルス応答H1の伸長処理で第2加工波形W2を生成する。波形連結部23は、初期インパルス応答H1の区間S1に乗算処理を実行した第1加工波形W1に、区間S1の後方の区間S2に伸長処理を実行した第2加工波形W2が後続する新規インパルス応答H2を生成する。
【選択図】図6

Description

本発明は、残響の付与に使用されるインパルス応答を加工する技術に関する。
インパルス応答の畳込み演算で音響信号に残響を付加する装置において、残響が継続する時間(以下「残響時間」という)を変化させる技術が従来から提案されている。例えば特許文献1には、2種類のインパルス応答の各々に指数関数を乗算してから加算(線形結合)することで、所望の残響時間の新規なインパルス応答を生成する技術が開示されている。
特開2004−294712号公報
しかし、特許文献1の技術においては、インパルス応答の全区間にわたる強度が指数関数の乗算で上昇するから、インパルス応答に重畳された雑音(暗騒音)の強度が増幅される。したがって、加工後のインパルス応答の残響音の音質が低下するという問題がある。以上の事情を考慮して、本発明は、雑音を抑制しながら残響時間を変化させることを目的とする。
以上の課題を解決するために、本発明に係るインパルス応答加工装置は、関数値が経時的に増加する調整関数とインパルス応答との乗算を含む第1処理を実行する第1加工手段と、時間軸の方向に沿ったインパルス応答の伸長を含む第2処理を実行する第2加工手段とを具備し、第1インパルス応答の第1区間に第1処理を実行した第1加工波形に、第1区間の後方の第2区間に第2処理を実行した第2加工波形が後続する第2インパルス応答を生成する。
以上の構成においては、第1インパルス応答の第2区間が時間軸に沿って伸長される。したがって、第1インパルス応答の全区間に調整関数を乗算する構成と比較すると、第2インパルス応答の後部残響音における雑音が抑制される。他方、第1インパルス応答の第1区間には調整関数が乗算される。したがって、第1インパルス応答の全区間を伸長する構成と比較すると、第1インパルス応答と第2インパルス応答との音響的な特性(直接音や初期反射音の時点)の相違が抑制される。すなわち、第2インパルス応答における雑音の抑制と第1インパルス応答の音響的な特性の維持とを両立しながら残響時間を変化することが可能である。
本発明の第1の態様において、前記第1加工手段は、前記第1インパルス応答の前記第1区間に前記調整関数を乗算するとともに前記第1インパルス応答の前記第2区間に所定値を乗算することで中間インパルス応答を生成し、前記第2加工手段は、前記中間インパルス応答の第2区間を時間軸の方向に伸長することで前記第2インパルス応答を生成する。第1の態様の具体例は第1実施形態として後述される。
本発明の第2の態様に係るインパルス応答加工装置は、第1加工手段が第1インパルス応答に対する第1処理で生成した第1加工波形と、第2加工手段が第1インパルス応答に対する第2処理で生成した第2加工波形とを連結することで、第2インパルス応答を生成する波形連結手段を具備する。第2の態様の具体例は第2実施形態として後述される。
第2の態様に係るインパルス応答加工装置において、波形連結手段は、第1加工波形と第2加工波形とのクロスフェードで第2インパルス応答を生成する。以上の態様においては、第1加工波形と第2加工波形とがクロスフェードされるから、第1加工波形と第2加工波形とにおける音響的な特性(音色)の相違を知覚され難くすることが可能である。
本発明の好適な態様における第2加工手段は、第1インパルス応答を時間軸上で複数の基礎ブロックに区分する波形区分手段と、相前後する各基礎ブロックの時間差を拡大する時間調整手段と、補間ブロックを生成する補間処理手段と、時間調整手段による調整後の各基礎ブロックの間に補間ブロックを配置して各基礎ブロックと各補間ブロックとを合成する波形合成手段とを含む。以上の態様においては、各基礎ブロックの間に補間ブロックが配置されるから、単純に各基礎ブロックの間隔を拡大して第2インパルス応答を生成する場合と比較して、聴感的に自然な残響音の第2インパルス応答を生成することが可能である。
さらに好適な態様において、第2加工手段は、基礎ブロック毎に相異なる補間長を設定する補間長設定手段を具備し、時間調整手段は、複数の基礎ブロックの各々と当該基礎ブロックの直後の基礎ブロックとの時間差を、補間長設定手段が設定した補間長に拡大する。以上の態様においては、時間調整手段による処理後の各基礎ブロックの時間差(補間長)が相違するから、基礎ブロックと補間ブロックとの配列の周期に起因した周波数の成分が分散される。したがって、各基礎ブロックの時間差が共通の補間長だけ拡大される構成と比較して、基礎ブロックと補間ブロックとの配列の周期に起因した残響音の音程感が軽減されるという利点がある。さらに好適な態様において、補間処理手段は、相前後する2個の基礎ブロック毎に、当該2個の基礎ブロックの補間長に等しい時間長の補間ブロックを生成する。以上の態様によれば、時間調整手段による調整後の各基礎ブロックの時間差と補間ブロックの時間長とが合致するから、基礎ブロックと補間ブロックとを連続的に配列される。したがって、聴感的に自然な残響音の第2インパルス応答を生成できるという利点がある。また、波形区分手段による区分後の基礎ブロックから補間処理手段が補間ブロックを生成する構成によれば、基礎ブロックに依拠した補間ブロック(典型的には音響特性が基礎ブロックに類似する補間ブロック)が生成されるから、聴感的に自然な残響音の第2インパルス応答を生成できるという利点がある。
本発明に係る残響付与装置は、以上の各態様に係るインパルス応答加工装置と、インパルス応答加工装置が生成した第2インパルス応答と音響信号との畳込み演算を実行する残響付与手段とを具備する。本発明の残響付与装置によれば、以上の各態様に係るインパルス応答加工装置と同様の作用および効果が実現される。
また、以上の各態様に係るインパルス応答加工装置は、インパルス応答の加工に専用されるDSP(Digital Signal Processor)などのハードウェア(電子回路)によって実現されるほか、CPU(Central Processing Unit)などの汎用の演算処理装置とプログラムとの協働によっても実現される。本発明に係るプログラムは、関数値が経時的に増加する調整関数とインパルス応答との乗算を含む第1処理と、時間軸の方向に沿ったインパルス応答の伸長を含む第2処理とをコンピュータに実行させることで、第1インパルス応答の第1区間に第1処理を実行した第1加工波形に、第1区間の後方の第2区間に第2処理を実行した第2加工波形が後続する第2インパルス応答を、コンピュータに生成させる。以上のプログラムによれば、本発明に係るインパルス応答加工装置と同様の作用および効果が奏される。本発明のプログラムは、コンピュータが読取可能な記録媒体に格納された形態で利用者に提供されてコンピュータにインストールされるほか、通信網を介した配信の形態でサーバ装置から提供されてコンピュータにインストールされる。
本発明の第1実施形態に係る残響付与装置のブロック図である。 インパルス応答加工部のブロック図である。 インパルス応答加工部の動作を説明するための概念図である。 第2加工部のブロック図である。 第2加工部による伸長処理を説明するための概念図である。 本発明の第2実施形態に係るインパルス応答加工部のブロック図である。 インパルス応答加工部の動作を説明するための概念図である。 本発明の第3実施形態における加重値のグラフである。 本発明の第4実施形態における第2加工部のブロック図である。 第2加工部による伸長処理を説明するための概念図である。 変形例に係る加重値のグラフである。
<A:第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る残響付与装置のブロック図である。図1に示すように、残響付与装置100には信号供給装置92と放音機器94とが接続される。信号供給装置92は、音響(楽音や音声)の波形を表す音響信号SINを残響付与装置100に供給する。例えば、周囲の音響に応じた音響信号SINを生成する収音機器や、記録媒体から音響信号SINを取得して出力する再生装置が信号供給装置92として採用される。残響付与装置100は、音響信号SINに残響を付加した残響音信号SRを生成および出力する。残響音信号SRは、放音機器(例えばスピーカやヘッドホン)94に供給されることで音波として再生される。
図1に示すように、残響付与装置100は、演算処理装置12と記憶装置14とで構成されるコンピュータシステムである。記憶装置14は、演算処理装置12が実行するプログラムや演算処理装置12が使用するデータを記憶する。例えば初期インパルス応答H1の波形を表すサンプル系列(畳込み演算の係数列)が記憶装置14に格納される。初期インパルス応答H1は、例えば特定の音響空間内でインパルス音を発生させたときの残響音を採取することで事前に生成される。半導体記憶装置や磁気記憶装置などの公知の記録媒体が記憶装置14として任意に採用される。
演算処理装置12は、記憶装置14に格納されたプログラムを実行することで複数の要素(インパルス応答加工部20,残響付与部24)として機能する。なお、演算処理装置12の各要素を複数の装置(集積回路)に分散的に搭載した構成や、音響信号SINの処理に専用される電子回路(DSP)が各要素を実現する構成も採用される。
インパルス応答加工部20は、記憶装置14に格納された初期インパルス応答H1を加工することで、初期インパルス応答H1とは残響時間が相違する新たなインパルス応答(以下「新規インパルス応答」という)H2を生成する。具体的には、新規インパルス応答H2は、残響時間を初期インパルス応答H1のR倍(1<R≦2)に伸長した波形のサンプル系列である。残響付与部24は、インパルス応答加工部20が生成した新規インパルス応答H2を利用したフィルタ処理(畳込み演算)を音響信号SINに対して実行することで残響音信号SRを生成する。残響付与部24による残響音信号SRの生成には公知の技術が任意に採用される。
残響付与装置100には入力装置16が接続される。入力装置16は、残響付与装置100に対する指示の入力のために利用者が操作する操作子で構成される。利用者は、入力装置16に対する操作に応じて残響時間の伸長率Rを可変に指定することが可能である。
図2は、インパルス応答加工部20のブロック図である。図2に示すように、インパルス応答加工部20は、第1加工部21と第2加工部22とを含んで構成される。第1加工部21および第2加工部22は、相異なる処理で初期インパルス応答H1の残響時間を変化させる。第1加工部21は、初期インパルス応答H1に所定の関数(以下「調整関数」という)f(t)を乗算する処理(以下「乗算処理」という)を実行する。第2加工部22は、初期インパルス応答H1(中間インパルス応答Hm)を時間軸に沿って伸長する処理(以下「伸長処理」という)を実行する。
図3は、第1加工部21および第2加工部22の作用を説明するための概念図である。図3の部分(A)に示すように、時間軸上の原点は初期インパルス応答H1の始点t0に相当する。図3の各グラフの縦軸は対数値(dB)である。
第1加工部21は、所定の関数F(t)を初期インパルス応答H1に乗算することで図3の部分(C)の中間インパルス応答Hmを生成する。図3の部分(B)に示すように、初期インパルス応答H1の始点t0から所定の時間が経過する時点tpまでの区間S1内において、関数F(t)は、時間tの経過とともに関数値が増加する調整関数f(t)として定義される。また、時点tpの経過後の区間S2内において、関数F(t)は、調整関数f(t)の時点tpでの関数値f(tp)に維持される。時点tpは、初期インパルス応答H1のうち直接音や初期反射音が存在する区間(すなわち、初期インパルス応答H1の聴感上の印象を特徴づける区間)が区間S1に包含されるように、初期インパルス応答H1の特性に応じて事前に選定される。例えば、初期インパルス応答H1のうち直接音や初期反射音が存在する区間と後部残響音の区間との境界が時点tpとして好適である。
区間S1内の調整関数f(t)としては、例えば以下の数式(1)で定義される指数関数が採用される。数式(1)の符号RT60は、初期インパルス応答H1の残響時間を意味する。残響時間RT60は、初期インパルス応答H1の強度(エネルギ)が始点t0から60dBだけ減衰するまでの時間長である。また、符号Rは、前述の通り残響時間の伸長率Rに相当する。
Figure 2010190990
図3の部分(C)は、初期インパルス応答H1と関数F(t)との乗算で第1加工部21が生成する中間インパルス応答Hmのグラフである。中間インパルス応答Hmのうち調整関数f(t)の乗算処理で生成された区間S1の波形(以下「第1加工波形」という)W1は、数式(1)から理解されるように、初期インパルス応答H1の各強度(サンプル)に対する増分が経時的に増加するように初期インパルス応答H1の各強度に応じて数値が設定された数値列である。伸長率Rが大きいほど数式(1)の関数値は大きい数値となるから、伸長率Rが大きいほど第1加工波形W1における強度の経時的な変化は減少する(すなわち中間インパルス応答Hmの残響時間は増加する)。他方、中間インパルス応答Hmの区間S2の波形は、初期インパルス応答H1の区間S2と数値f(tp)との乗算値(対数値としては初期インパルス応答H1と所定値f(tp)との加算値)に相当する。
第2加工部22は、図3の部分(D)に示すように、中間インパルス応答Hmの区間S2に対する伸長処理で第2加工波形W2を生成する。中間インパルス応答Hmの区間S1(第1加工波形W1)に伸長処理は実行されない。したがって、初期インパルス応答H1の区間S1を調整関数f(t)の乗算処理で加工した第1加工波形W1と、初期インパルス応答H1の区間S2を伸長処理で加工した第2加工波形W2とが時間軸上で連続する新規インパルス応答H2がインパルス応答加工部20にて生成される。
図4は、第2加工部22のブロック図であり、図5は、第2加工部22による処理の具体例を説明するための概念図である。図4に示すように、第2加工部22は、波形区分部32と窓掛部34と時間調整部36と補間処理部42と波形合成部44とを含んで構成される。
波形区分部32は、図5の部分(A)に示すように、中間インパルス応答Hmの区間S2を時間軸上で(M+1)個の基礎ブロックBa[1]〜Ba[M+1]に区分する(Mは自然数)。基礎ブロックBa[1]〜Ba[M+1]の各々の時間長(サンプルの個数)は、初期インパルス応答H1のサンプルの2N個分(例えばN=64)に相当する。また、時間軸上で相前後する基礎ブロックBa[i](i=1〜M)と基礎ブロックBa[i+1]との時間差はサンプルのN個分に相当する。したがって、基礎ブロックBa[i]と基礎ブロックBa[i+1]とは部分的に重複する。
図4の窓掛部34は、図5の部分(B)に示すように、波形区分部32が区分した各基礎ブロックBa[1]〜Ba[M+1]に窓関数FWaを乗算することで(M+1)個の基礎ブロックBb[1]〜Bb[M+1]を生成する。基礎ブロックBb[1]〜Bb[M+1]の各々の時間長はサンプルの2N個分に相当する。両端部に接近するほど関数値が減少する関数(例えばハニング窓)が窓関数FWaとして好適である。図5の部分(B)においては、窓関数FWaの乗算後の基礎ブロックBb[1]〜Bb[M+1]が、窓関数FWaの形状を表す図形で代替的に図示されている。また、偶数番目の基礎ブロックBb(Bb[2],Bb[4],……)は、実線で図示された奇数番目の基礎ブロックBb(Bb[1],Bb[3],……)との区別のために便宜的に破線で図示されている。
図4の時間調整部36は、相前後する基礎ブロックBb[i]と基礎ブロックBb[i+1]との時間差(間隔)が拡大するように各基礎ブロックBb[1]〜Bb[M+1]の位置を調整する。具体的には、時間調整部は、図5の部分(C)に示すように、基礎ブロックBb[i]の時間軸上の中点C[i]と直後の基礎ブロックBb[i+1]の時間軸上の中点C[i+1]との間隔が所定の時間長(以下「補間長」という)Lとなるように各基礎ブロックBb[1]〜Bb[M+1]の位置を調整(遅延)する。補間長Lは、初期インパルス応答H1のN個のサンプルに相当する時間長(調整前の時間差)に対して伸長率Rを乗算した時間長(N・R)に相当する。
図4の補間処理部42は、M個の補間ブロックP[1]〜P[M]を生成する。図5の部分(D)に示すように、補間ブロックP[1]〜P[M]の各々は補間長Lのサンプル系列(N・R個のサンプルの集合)である。補間ブロックP[i]は、波形区分部32による区分後の基礎ブロックBa[i]と基礎ブロックBa[i+1]とから生成される。
図4に示すように、補間処理部42は、波形併合部421と波形調整部422とを含んで構成される。波形併合部421は、時間軸上で相前後する基礎ブロックBa[i]と基礎ブロックBa[i+1]とを併合することで補間ブロックPa[i]を生成する。具体的には、補間ブロックPa[i]は、基礎ブロックBa[i]のサンプルと基礎ブロックBa[i+1]のサンプルとの平均値(すなわち、基礎ブロックBa[i]と基礎ブロックBa[i+1]とにおいて相対応する時間のサンプルの数値の平均値)に相当する2N個のサンプルで構成される。
波形調整部422は、補間ブロックPa[i](2N個のサンプルに相当する時間長)を補間長Lに調整することで補間ブロックP[i]を生成する。具体的には、波形調整部422は、窓幅が補間長Lに設定された窓関数FWb(例えばハニング窓)を補間ブロックPa[i]に乗算することで補間ブロックP[i]を生成する。
図4の波形合成部44は、図5の部分(E)および部分(F)に示すように、時間調整部36による調整後の各基礎ブロックBb[1]〜Bb[M+1]の間に、補間処理部42が生成した補間ブロックP[1]〜P[M]の各々を配置することで第2加工波形W2(区間S2)を生成する。補間ブロックP[i]は、基礎ブロックBb[i]と基礎ブロックBb[i+1]との間に配置される。図5の部分(E)に示すように、補間ブロックP[i]の始点が基礎ブロックBb[i]の中点C[i]に合致し、かつ、補間ブロックP[i]の終点が基礎ブロックBb[i+1]の中点C[i+1]に合致するように、補間ブロックP[i]の時間軸上の位置が選定される。
波形合成部44は、以上のように時間軸上に配置された各基礎ブロックBb[1]〜Bb[M+1]と各補間ブロックP[1]〜P[M]とについて、同じ時点に対応する各サンプルの数値を加算する。図5の部分(F)に示す第2加工波形W2は(区間S2)は、各基礎ブロックBb[1]〜Bb[M+1]のサンプルと各補間ブロックP[1]〜P[M]のサンプルとの加算値の時系列である。
なお、以上のように第2加工波形W2は基礎ブロックBb[1]〜Bb[M+1]と補間ブロックP[1]〜P[M]との加算で生成されるから、図4の波形調整部422が補間ブロックPa[i]の時間長を単純に補間長Lに調整しただけでは、第2加工波形W2のうち補間ブロックP[i]に対応する区間の振幅が過大となる可能性がある。さらに、基礎ブロックBb[i]と基礎ブロックBb[i+1]とが時間軸上で重複する区間が長いほど(すなわち、伸長率Rが低いほど)、第2加工波形W2の振幅の増大は顕著となる。そこで、図4の波形調整部422が使用する窓関数FWbは、補間ブロックPa[i]の振幅(各サンプルの数値)が低減されるように選定される。具体的には、補間長Lが小さい(伸長率Rが低い)ほど窓関数FWbの乗算後の補間ブロックP[i]の振幅が減少するように窓関数FWbを選定した構成が好適である。
以上の形態においては、初期インパルス応答H1の区間S1に対する乗算処理後の第1加工波形W1と、初期インパルス応答H1(中間インパルス応答Hm)の区間S2に対する伸長処理後の第2加工波形W2とで新規インパルス応答H2が構成される。したがって、初期インパルス応答H1の全区間に数式(1)の調整関数f(t)を乗算することで新規インパルス応答H2’を生成する構成(以下「対比例1」という)や、初期インパルス応答H1の全区間を時間軸上で伸長することで新規インパルス応答H2’を生成する構成(以下「対比例2」という)と比較して、新規インパルス応答H2における雑音の抑制と初期インパルス応答H1の音響的な特性の維持との両立が容易であるという効果が実現される。以上の効果について詳述する。
数式(1)の調整関数f(t)において、初期インパルス応答H1の強度に対する新規インパルス応答H2の強度の増幅率は初期インパルス応答H1の後部ほど指数的に増加するから、初期インパルス応答H1のうち後部残響音の区間を含む全区間に調整関数f(t)を乗算する対比例1のもとでは、初期インパルス応答H1の後部に重畳された雑音(暗騒音)の強度が新規インパルス応答H2’にて顕在化する。したがって、新規インパルス応答H2’の残響時間を初期インパルス応答H1と比較して伸長するほど残響音の音質が低下するという問題がある。
第1実施形態においては、初期インパルス応答H1のうちの後方の区間S2が時間軸の方向に伸長される(つまり強度の増幅ではない)から、初期インパルス応答H1の区間S2に重畳された雑音が第2加工波形W2にて顕在化することは防止される。したがって、第1実施形態によれば、対比例1と比較して、雑音を有効に低減した自然な残響音の新規インパルス応答H2が生成されるという利点がある。
他方、対比例2のもとでは初期インパルス応答H1が全区間にわたって伸長されるから、残響音における直接音や初期反射音の時点が初期インパルス応答H1と新規インパルス応答H2’とで相違する。したがって、初期インパルス応答H1の音響的な特性(例えば残響音の受聴者が知覚する音響空間の広さ)を維持した新規インパルス応答H2’の生成は困難である。
第1実施形態においては、初期インパルス応答H1のうち前方の区間S1については数式(1)の調整関数f(t)の乗算で強度が調整される(時間的な伸長は実行されない)から、初期インパルス応答H1の区間S1における残響音の直接音や初期反射音の時点は第1加工波形W1でも維持される。すなわち、第1実施形態によれば、対比例2と比較して、初期インパルス応答H1の音響的な特性が有効に維持された新規インパルス応答H2を生成できるという利点がある。
<B:第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、以下の各形態において作用や機能が第1実施形態と同等である要素については、以上と同じ符号を付して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
第2実施形態の残響付与装置100は、図2のインパルス応答加工部20に代えて、図6のインパルス応答加工部20Aを具備する。図6に示すように、インパルス応答加工部20Aは、第1加工部21と第2加工部22と波形連結部23とを含んで構成される。
第1加工部21は、図7の部分(A1)に示すように、初期インパルス応答H1の全区間を対象として調整関数f(t)の乗算処理を実行することで第1加工波形W1を生成する。対比例1について前述した通り、第1加工波形W1のうち後方の区間では初期インパルス応答H1の雑音が顕在化する。
第2加工部22は、図7の部分(B1)に示すように、図5を参照して説明した伸長処理を初期インパルス応答H1の全区間に対して実行することで第2加工波形W2を生成する。対比例2について前述した通り、第2加工波形W2のうち前方の区間における直接音や初期反射音の時点は初期インパルス応答H1から変化する。
図6の波形連結部23は、第1加工部21が生成した第1加工波形W1と第2加工部22が生成した第2加工波形W2とを時間軸上で連結することで新規インパルス応答H2を生成する。図6に示すように、波形連結部23は、第1加重部231と第2加重部232と合成部233とを含んで構成される。
第1加重部231は、第1加工部21が生成した第1加工波形W1に加重値G1(t)を乗算する。加重値G1(t)は、図7の部分(A2)に示すように、初期インパルス応答H1の始点t0から時点tpまでの区間S1内で所定値(本形態では1)に設定され、時点tpの経過後にはゼロに設定される。すなわち、第1加重部231は、第1加工波形W1の区間S1を抽出する(第1加工波形W1のうち時点tp以降の区間が除去される)。
第2加重部232は、第2加工部22が生成した第2加工波形W2に加重値G2(t)を乗算する。加重値G2(t)は、図7の部分(B2)に示すように、初期インパルス応答H1の始点t0から時点tp'までの区間内でゼロに設定され、時点tp'の経過後の区間S2'内で数値g(詳細は後述する)に設定される。すなわち、第2加重部232は、第2加工波形W2の区間S2'を抽出する(第2加工波形W2のうち時点tp'以前の区間が除去される)。時点tp'は、初期インパルス応答H1における時点tpのサンプルが伸長処理で移動した時点である。したがって、区間S2'は、初期インパルス応答H1のうち時点tp以降の区間S2を時間軸上で伸長した波形に相当する。
図6の合成部233は、図7の部分(C)に示すように、第1加重部231が第1加工波形W1から抽出した区間S1と第2加重部232が第2加工波形W2から抽出した区間S2'とを時間軸上で連結することで新規インパルス応答H2を生成する。すなわち、合成部233は、区間S1の終点と区間S2'の始点とを合致させる。
第2実施形態においても、初期インパルス応答H1の区間S1に対する乗算処理後の第1加工波形W1(区間S1)と、初期インパルス応答H1の区間S2に対する伸長処理後の第2加工波形W2(区間S2')で新規インパルス応答H2が構成される。したがって、第1実施形態と同様に、新規インパルス応答H2における雑音の抑制と初期インパルス応答H1の音響的な特性の維持との両立が容易であるという効果が実現される。
ところで、図7の部分(A1)の第1加工波形W1における時点tp(区間S1の終点)の強度は、初期インパルス応答H1における時点tpの強度と調整関数f(tp)との乗算値(初期インパルス応答H1の強度よりも大きい数値)であるのに対し、第2加工波形W2における時点tp'(区間S2の始点)の強度は、初期インパルス応答H1における時点tpでの強度と同値である。したがって、加重値G2(t)の数値gを例えば1に設定した構成では、新規インパルス応答H2の波形が区間S1と区間S2'との境界の時点で不連続となる。
以上のような波形の不連続を防止するために、加重値G2(t)の数値gは、第2加工波形W2のうち区間S2'の始点における強度が、第1加工波形W1のうち区間S1の終点における強度と略同等となるように設定される。数式(1)から理解されるように、第1加工波形W1の時点tpにおける強度は、初期インパルス応答H1の時点tpにおける強度のf(tp)倍(103tp(R−1)/R・RT60倍)である。したがって、数値gを、時点tpでの調整関数f(t)の関数f(tp)に設定すれば、新規インパルス応答H2の波形を区間S1と区間S2'とで連続させることが可能である。
<C:第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態について説明する。第2実施形態の波形連結部23は、第1加工波形W1の区間S1と第2加工波形W2の区間S2'とを連結することで新規インパルス応答H2を生成した。第3実施形態の波形連結部23は、第1加工波形W1と第2加工波形W2とのクロスフェードで新規インパルス応答H2を生成する。
図8の部分(A)は、第1加重部231が使用する加重値G1(t)のグラフであり、図8の部分(B)は、第2加重部232が使用する加重値G2(t)のグラフである。図8の部分(A)には第2実施形態の加重値G1(t)が破線で併記され、図8の部分(B)には第2実施形態の加重値G2(t)が破線で併記されている。
図8の部分(A)に示すように、加重値G1(t)は、時点tpを中点とする所定長の区間δ1内で1からゼロに減少するように設定される。具体的には、加重値G1(t)は、初期インパルス応答H1の始点t0から区間δ1の始点t1_sまで1に維持され、区間δ1の始点t1_sから終点t1_eにかけて1からゼロまで直線的に減少し、終点t1_e以降はゼロに維持される。他方、図8の部分(B)に示すように、加重値G2(t)は、時点tp'を中点とする区間δ2内でゼロから数値gに増加するように設定される。具体的には、加重値G2(t)は、初期インパルス応答H1の始点t0から区間δ2の始点t2_sまでゼロに維持され、区間δ2の始点t2_sから終点t2_eにかけてゼロから数値gまで直線的に増加し、終点t2_e以降は数値gに維持される。区間δ1および区間δ2の時間長は等しい。
波形連結部23の合成部233は、第1加工波形W1における時点tpと第2加工波形W2における時点tp'とが合致するように第1加重部231による処理後の第1加工波形W1(G1(t)・W1)と第2加重部232による処理後の第2加工波形W2(G2(t)・W2)とを部分的に重複させて合成(すなわちクロスフェード)する。
初期インパルス応答H1の乗算処理で生成された第1加工波形W1と、初期インパルス応答H1の伸長処理で生成された第2加工波形W2とは、音響的な特性(例えば音色)が微妙に相違する場合がある。したがって、第2実施形態のように第1加工波形W1の区間S1の終点と第2加工波形W2の区間S2'の始点とで強度を合致させた場合であっても、新規インパルス応答H2の残響音の受聴者は、区間S1と区間S2'との境界の前後で音響的な特性の変化を知覚する場合がある。第3実施形態においては、第1加工波形W1と第2加工波形W2とがクロスフェードされるから、第1加工波形W1と第2加工波形W2とにおける音響的な特性の相違を受聴者に知覚され難くすることが可能である。
<D:第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態について説明する。第1実施形態においては、基礎ブロックBb[i]と基礎ブロックBb[i+1]との時間差を基礎ブロックBb[1]〜Bb[M+1]にわたって共通の補間長Lに拡大し、かつ、補間長Lに設定された補間ブロックP[i]を基礎ブロックBb[i]と基礎ブロックBb[i+1]との間に配置した。以上の構成では、基礎ブロックBb[1]〜Bb[M+1]と補間ブロックP[1]〜P[M]とが等間隔で時間軸上に交互に配列されるから、新規インパルス応答H2の第2加工波形W2においては、基礎ブロックBb[1]〜Bb[M+1]と補間ブロックP[1]〜P[M]との配列の周期に対応した周波数の成分の強度が顕在化する。したがって、基礎ブロックBb[1]〜Bb[M+1]と補間ブロックP[1]〜P[M]との配列の周期に応じた音程感(ピッチ感)が残響音信号SRの残響音の受聴者に知覚される可能性がある。第4実施形態においては、基礎ブロックBb[1]〜Bb[M+1]と補間ブロックP[1]〜P[M]との配列の周期を刻々と変動させることで以上の問題を解消する。
第4実施形態の残響付与装置100は、図4に例示した第2加工部22に代えて、図9の第2加工部22Aを具備する。第2加工部22Aは、図4の第2加工部22に補間長設定部38を追加した要素である。
図9の補間長設定部38は、相異なるM個の補間長L[1]〜L[M]を設定する。例えば、補間長設定部38は、M個の乱数(例えば一様乱数や正規乱数)を発生し、各乱数を変数とした所定の演算で補間長L[1]〜L[M]を算定する。補間長設定部38が設定した補間長L[i]は、時間調整部36による各基礎ブロックBb[i]の位置の調整と、補間処理部42による補間ブロックP[i]の生成とに使用される。
図10は、第2加工部22Aの動作を説明するための概念図である。図10の部分(B)に示すように、基礎ブロックBb[i]と基礎ブロックBb[i+1]との時間差(基礎ブロックBb[i]の中点C[i]と基礎ブロックBb[i+1]の中点C[i+1]との間隔)が、窓掛部34による処理後の時間長N(図10の部分(A))から補間長L[i]に拡大するように、時間調整部36は基礎ブロックBb[1]〜Bb[M+1]の時間軸上の位置を調整する。また、補間処理部42は、図10の部分(C)に示すように、補間長L[i]の補間ブロックP[i](P[1]〜P[M])を生成する。
波形合成部44の動作は第1実施形態と同様である。すなわち、波形合成部44は、図10の部分(D)に示すように、時間調整部36による調整後の各基礎ブロックBb[1]〜Bb[M+1]の間に補間ブロックP[1]〜P[M]の各々を配置して加算することで新規インパルス応答H2を生成する。
第4実施形態においては、基礎ブロックBb[1]〜Bb[M+1]と補間ブロックP[1]〜P[M]との配列の周期(補間長L[i])が変動するから、特定の周波数に対する強度の集中が緩和(分散)される。したがって、基礎ブロックBb[1]〜Bb[M+1]と補間ブロックP[1]〜P[M]とが時間軸上に等間隔で配列される構成(例えば第1実施形態)と比較して、残響音の音程感が軽減されるという利点がある。
<E:変形例>
以上の各形態には様々な変形が加えられる。具体的な変形の態様を以下に例示する。なお、以下の例示から2以上の態様を任意に選択して組合わせてもよい。
(1)変形例1
区間S1と区間S2との境界となる時点tpは任意に選定される。例えば、初期インパルス応答H1のうち直接音や初期反射音が存在する区間内に時点tpを設定した構成や、初期インパルス応答H1のうち後部残響音の区間内に時点tpを設定した構成が採用される。乗算処理による雑音の顕在化を抑制するという観点からすると、例えば、乗算処理後の時点tpでの強度が所定の閾値を下回るように時点tpを算定する構成が好適である。
(2)変形例2
以上の各形態においては、第1加工部21が初期インパルス応答H1の区間S1に乗算処理のみを実行する場合を例示したが、乗算処理および伸長処理の双方を区間S1に対して実行する構成も好適である。ただし、区間S1の伸長の度合は、初期インパルス応答H1と新規インパルス応答H2との音響特性の相違が過大とならない程度(例えば、所望の伸長率Rよりも低い倍率)に抑制される。第2加工部22についても同様であり、伸長処理に加えて他の処理(例えば増幅の程度を第1加工部21よりも抑制した乗算処理)を第2加工部22が実行する構成も採用される。以上のように、第1加工部21は、乗算処理を含む第1処理を実行する要素として包括され、第2加工部22は、伸長処理を含む第2処理を実行する要素として包括される。また、第1加工部21による乗算処理と第2加工部22による伸長処理との順序は任意である。例えば、第1実施形態において、初期インパルス応答H1の区間S2に対する伸長処理で第2加工部22が中間インパルス応答Hmを生成し、中間インパルス応答Hmの区間S1に対する乗算処理で第1加工部21が新規インパルス応答H2を生成する構成も採用される。
(3)変形例3
第2実施形態においては、初期インパルス応答H1の全区間に対して乗算処理や伸長処理を実行したが、初期インパルス応答H1のうち合成部233による合成後に使用されない区間については乗算処理や伸長処理が省略される。例えば、第1加工部21は、初期インパルス応答H1のうち時点tp以前の区間S1についてのみ乗算処理を実行し、第2加工部22は、初期インパルス応答H1のうち時点tp以後の区間S2についてのみ伸長処理を実行する。以上の構成によれば、インパルス応答加工部20の演算量が削減されるという利点がある。
(4)変形例4
第3実施形態において、区間δ1内での加重値G1(t)の変化の態様や区間δ2内での加重値G2(t)の変化の態様は適宜に変更される。例えば、図11の部分(A)に示すように、加重値G1(t)が区間δ1内で曲線的(円弧状)に1からゼロに変化する構成や、図11の部分(B)に示すように、加重値G2(t)が区間δ2内で曲線的(円弧状)にゼロから所定値gに変化する構成が採用される。
(5)変形例5
以上の各形態においては、基礎ブロックBb[i]と基礎ブロックBb[i+1]との時間差を拡大して補間ブロックP[i]を間挿する伸長処理を例示したが、伸長処理の具体的な内容は適宜に変更される。例えば、初期インパルス応答H1にて相前後する各サンプルの間隔を拡大するとともに拡大後の各サンプルの間を補間する処理も伸長処理として採用される。また、補間ブロックP[1]〜P[M]を生成する方法は任意である。例えば、基礎ブロックBa[i]と基礎ブロックBa[i+1]との加算や加重和を波形併合部421が補間ブロックPa[i]として生成する構成や、基礎ブロックBa[i]または基礎ブロックBa[i+1]を補間ブロックPa[i]として使用する構成や、相連続する3個以上の基礎ブロック(例えば、基礎ブロックBa[i-1],Ba[i],Ba[i+1])を加算または平均することで補間ブロックPa[i]を算定する構成も採用される。
(6)変形例6
第4実施形態においては乱数から補間長L[1]〜L[M]を算定したが、補間長L[1]〜L[M]の算定に乱数を使用する構成は必須ではない。例えば、相異なる複数(M個)の数値が順番に配列された数値列を事前に用意し、補間長設定部38が、数値列の各数値を配列順で選択するとともに当該数値から補間長L[i]を算定する構成も好適である。また、M個の補間長L[1]〜L[M]の各々が相違する必要は必ずしもなく、補間長L[1]〜L[M]のうち2以上の補間長L[i]が共通する構成も採用される。
(7)変形例7
以上の形態においてはインパルス応答加工部20と残響付与部24とを具備する残響付与装置100を例示したが、図1の残響付与装置100から残響付与部24を省略したインパルス応答加工装置(インパルス応答加工部20)としても本発明は成立する。インパルス応答加工装置が生成した新規インパルス応答H2は、例えば、可搬型の記録媒体や通信網を介して別個の残響付与装置100(残響付与部24)に提供されて残響音の生成に使用される。
100……残響付与装置、12……演算処理装置、14……記憶装置、16……入力装置、20,20A……インパルス応答加工部、24……残響付与部、21……第1加工部、22,22A……第2加工部、23……波形連結部、231……第1加重部、232……第2加重部、233……合成部、32……波形区分部、34……窓掛部、36……時間調整部、38……補間長設定部、42……補間処理部、421……波形併合部、422……波形調整部、44……波形合成部、SIN……音響信号、SR……残響音信号、Ba[1]〜Ba[M+1],Bb[1]〜Bb[M+1]……基礎ブロック、H1……初期インパルス応答、H2……新規インパルス応答、P[1]〜P[M],Pa[1]〜Pa[M]……補間ブロック、R……伸長率、W1……第1加工波形、W2……第2加工波形。

Claims (6)

  1. 関数値が経時的に増加する調整関数とインパルス応答との乗算を含む第1処理を実行する第1加工手段と、
    時間軸の方向に沿ったインパルス応答の伸長を含む第2処理を実行する第2加工手段とを具備し、
    第1インパルス応答の第1区間に前記第1処理を実行した第1加工波形に、前記第1区間の後方の第2区間に前記第2処理を実行した第2加工波形が後続する第2インパルス応答を生成する
    インパルス応答加工装置。
  2. 前記第1加工手段は、前記第1インパルス応答の前記第1区間に前記調整関数を乗算するとともに前記第1インパルス応答の前記第2区間に所定値を乗算することで中間インパルス応答を生成し、
    前記第2加工手段は、前記中間インパルス応答の前記第2区間を時間軸の方向に伸長することで前記第2インパルス応答を生成する
    請求項1のインパルス応答加工装置。
  3. 前記第1加工手段が前記第1インパルス応答に対する前記第1処理で生成した前記第1加工波形と、前記第2加工手段が前記第1インパルス応答に対する前記第2処理で生成した前記第2加工波形とを連結することで、前記第2インパルス応答を生成する波形連結手段
    を具備する請求項1のインパルス応答加工装置。
  4. 前記第2加工手段は、
    前記第1インパルス応答を時間軸上で複数の基礎ブロックに区分する波形区分手段と、
    相前後する各基礎ブロックの時間差を拡大する時間調整手段と、
    補間ブロックを生成する補間処理手段と、
    前記時間調整手段による調整後の各基礎ブロックの間に前記補間ブロックを配置して前記各基礎ブロックと前記各補間ブロックとを合成する波形合成手段とを含む
    請求項1から請求項3の何れかのインパルス応答加工装置。
  5. 請求項1から請求項4の何れかのインパルス応答加工装置と、
    前記インパルス応答加工装置が生成した第2インパルス応答と音響信号との畳込み演算を実行する残響付与手段と
    を具備する残響付与装置。
  6. 関数値が経時的に増加する調整関数とインパルス応答との乗算を含む第1処理と、時間軸の方向に沿ったインパルス応答の伸長を含む第2処理とをコンピュータに実行させることで、第1インパルス応答の第1区間に前記第1処理を実行した第1加工波形に、前記第1区間の後方の第2区間に前記第2処理を実行した第2加工波形が後続する第2インパルス応答を、前記コンピュータに生成させるプログラム。
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