JP2010190387A - トロイダル無段変速作業車両 - Google Patents
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Abstract
【課題】アクセルレバーに基づく一定車速の作業走行を可能とする前後進無段変速伝動装置の定速走行制御において、簡易なブレーキ操作による減速調節を可能とするトロイダル無段変速作業車両を提供することにある。
【解決手段】トロイダル無段変速作業車両は、ブレーキペダル(M)の操作に応じて制動減速する制動装置と、バリエータ比制御により停止速伝動(GN)を含む無段変速伝動をする前後進無段変速伝動装置(2)と、この前後進無段変速伝動装置(2)を制御することにより、前後進切替レバー(K)とアクセルレバー(L)の指示に基づく定速走行制御により一定車速走行を可能とする制御装置(61)とを備えて構成され、この制御装置(61)は、定速走行制御の際に、ブレーキペダル(M)の操作に応じて停止速伝動(GN)に向けて制御する減速制御に切替えるものである。
【選択図】図4
【解決手段】トロイダル無段変速作業車両は、ブレーキペダル(M)の操作に応じて制動減速する制動装置と、バリエータ比制御により停止速伝動(GN)を含む無段変速伝動をする前後進無段変速伝動装置(2)と、この前後進無段変速伝動装置(2)を制御することにより、前後進切替レバー(K)とアクセルレバー(L)の指示に基づく定速走行制御により一定車速走行を可能とする制御装置(61)とを備えて構成され、この制御装置(61)は、定速走行制御の際に、ブレーキペダル(M)の操作に応じて停止速伝動(GN)に向けて制御する減速制御に切替えるものである。
【選択図】図4
Description
本発明は、トロイダル変速機構を内設して停止速伝動を含む前後進走行のための無段変速伝動部を備えたトロイダル無段変速作業車両に関するものである。
特許文献1に示すトロイダル無段変速作業車両は、バリエータ比の制御により低速時の大トルク伝動と正逆転の範囲に及ぶ高効率の無段変速伝動とを可能とするトロイダル変速機構による前後進無段変速伝動装置を備え、この前後進無段変速伝動装置の変速制御により、アクセルペダルの操作に応じた無段変速走行を可能とし、また、一定車速に維持するためのアクセルレバーの操作に基づく定速走行制御により、幅広い負荷変動に対抗して圃場における一定車速の作業走行を行うことができる。
しかしながら、一定車速に維持される上記定速走行制御による作業走行において、停車を含む減速調節をするためには、クラッチペダルの操作によりエンジン動力を遮断した上でブレーキペダルを操作する必要があり、いわゆるマニュアル変速相当の煩わしい操作を強いられるという問題があった。
解決しようとする問題点は、アクセルレバーに基づく一定車速の作業走行を可能とする前後進無段変速伝動装置の定速走行制御において、簡易なブレーキ操作による減速調節を可能とするトロイダル無段変速作業車両を提供することにある。
請求項1に係る発明は、ブレーキペダルの操作に応じて走行装置に制動力を作用する制動装置と、トロイダル変速機構のバリエータ比を制御することにより停止速伝動を含む正逆転に及ぶ無段変速伝動を可能とする前後進無段変速伝動装置と、この前後進無段変速伝動装置を制御することにより、前後進切替レバーとアクセルレバーの指示に基づく定速走行制御により一定車速走行を可能とする制御装置とを備えるトロイダル無段変速作業車両において、上記制御装置は、定速走行制御による一定車速走行の際に、ブレーキペダルの操作に応じて前後進無段変速伝動装置のバリエータ比をその停止速伝動に向けて制御する減速制御に切替え制御することを特徴とする。
上記トロイダル無段変速作業車両は、前後進切替レバーとアクセルレバーの指示に沿って前後進無段変速伝動装置のバリエータ比を制御することにより幅広い負荷変動に対抗して一定車速走行を行い、このとき、ブレーキペダルの操作に応じて停止速に向けてバリエータ比を制御することにより、前後進無段変速伝動装置のまでの範囲で車速を漸減する減速制御を行うことにより車速が漸減される。
請求項2に係る発明は、請求項1の構成において、前記制御装置は、定速走行制御から切替えた減速制御の間において、ブレーキペダルの復帰と前後進切替レバーの前後進選択のいずれか最先の操作により、定速走行制御を即時再開することを特徴とする。
上記減速制御は、ブレーキペダルの復帰と前後進切替レバーの前後進選択のいずれか最先の操作によって終了し、一定車速走行が即時再開される。
上記減速制御は、ブレーキペダルの復帰と前後進切替レバーの前後進選択のいずれか最先の操作によって終了し、一定車速走行が即時再開される。
本発明のトロイダル無段変速作業車両は、以下の効果を奏する。
請求項1の発明の作業車両は、前後進切替レバーとアクセルレバーの指示に沿って前後進無段変速伝動装置のバリエータ比の制御により幅広い負荷変動に対抗する一定車速走行において、ブレーキペダルの操作に応じて停止速伝動に向けたバリエータ比制御により車速を漸減する減速制御を行うことにより、アクセルレバーによる定車速走行によって一定車速の作業走行を確保した上で、クラッチペダルを用いない簡易な構成により、ブレーキ操作による簡易な減速調節が可能となる。
請求項1の発明の作業車両は、前後進切替レバーとアクセルレバーの指示に沿って前後進無段変速伝動装置のバリエータ比の制御により幅広い負荷変動に対抗する一定車速走行において、ブレーキペダルの操作に応じて停止速伝動に向けたバリエータ比制御により車速を漸減する減速制御を行うことにより、アクセルレバーによる定車速走行によって一定車速の作業走行を確保した上で、クラッチペダルを用いない簡易な構成により、ブレーキ操作による簡易な減速調節が可能となる。
請求項2の発明の作業車両は、請求項1の効果に加え、ブレーキペダルの復帰と前後進切替レバーの前後進選択のいずれか最先の操作によって減速制御が終了し、一定車速走行が即時再開されることから、ブレーキペダルを開放することによって定車速走行を再開でき、また、前後進切替レバーを中立位置から操作することによってその方向の定車速走行を開始することができる。
本発明の実施の形態について、以下に図面に基づいて詳細に説明する。
図1は作業車両の一例として農業機械であるトラクタの側面図を示している。トロイダル無段変速作業車両は、4輪駆動走行が可能な走行装置A,Bを備えた機体の後部にロータリ等の圃場作業機Fを昇降可能に連結して使用され、これらの圃場作業を行うための各種機器を操作するための操作具を配置した操縦部Dを備えるほか、機器を駆動するための原動機C、その動力を変速伝動する前後進無段変速伝動装置2、各種の操作具によって各機器の動作を制御する制御装置61を備えて構成される。この作業車両は、特に、クラッチペダルを排し、単一のブレーキペダルMで減速調節可能に構成する。
図1は作業車両の一例として農業機械であるトラクタの側面図を示している。トロイダル無段変速作業車両は、4輪駆動走行が可能な走行装置A,Bを備えた機体の後部にロータリ等の圃場作業機Fを昇降可能に連結して使用され、これらの圃場作業を行うための各種機器を操作するための操作具を配置した操縦部Dを備えるほか、機器を駆動するための原動機C、その動力を変速伝動する前後進無段変速伝動装置2、各種の操作具によって各機器の動作を制御する制御装置61を備えて構成される。この作業車両は、特に、クラッチペダルを排し、単一のブレーキペダルMで減速調節可能に構成する。
前後進無段変速伝動装置2は、変速特性図を図2に示すように、レジーム制御と合わせたトロイダル変速機構のバリエータ比の制御により、エンジン定格回転において、ギヤードニュートラルによる停止速GNから正逆転に及ぶ無段変速伝動を可能とし、この前後進無段変速伝動装置2を介して走行装置A,B、作業機器Fに動力を伝動し、制御装置61により各種操作具に基づいて無段階の変速制御をすることにより、走行装置A,B、作業機Fを動作させる。走行装置A,Bに至る伝動系およびトロイダル変速機構を含む前後進無段変速伝動装置2については別途詳述する。
制御装置61は、前後進無段変速伝動装置2の変速制御に関するシステム構成図を図3に示すように、前後進レバーK、アクセルレバーL、アクセルペダルN、ブレーキペダルM等の走行調節の操作具センサーの信号を入力し、これら入力信号を条件として無段階の変速比による伝動制御および作業機の動作指令を行う。
この制御装置61は、トロイダル無段変速制御に関し、幅広い走行負荷変動によることなく作業車両が一定車速走行を行うように、前後進切替レバーKとアクセルレバーLの指示に基づく後述の定トルク制御による定速走行制御を備えるとともに、単一のブレーキペダルMの操作で減速調節を可能とする操作性を実現するために、定速走行制御について以下のブレーキ対応制御を付設する。
ブレーキ対応制御は、図4のフローチャート(1)に示すように、ブレーキペダルMの踏込み操作の継続時間を判定する処理ステップ1(以下においてS1の如く略記する。)を設け、踏込み操作が所定時間を継続した場合は目標速を0まで段階的に変更して走行停止までの範囲で車速を漸減する減速制御を行う(S2)。この減速制御の過程において、ブレーキペダルMの踏込み操作が解除された場合または前後進切替レバーKが中立位置から前後進位置が選択された場合は、そのいずれか最先の操作によって目標速を元の設定車速に戻す(S3、S4)ことにより、一定車速走行を再開(S5)する制御処理を設ける。なお、旋回走行対応のブレーキ制御は、旋回操作の検出に基づいて行う。
上記制御により、トロイダル無段変速作業車両は、前後進切替レバーKとアクセルレバーLの指示に沿って前後進無段変速伝動装置2のバリエータ比を制御することにより幅広い負荷変動に対抗して一定車速走行を行い、このとき、ブレーキペダルMの操作に応じて減速制御を行うことにより、走行停止までの範囲で車速が漸減されることから、アクセルレバーLによる定車速走行によって一定車速の作業走行を確保した上で、ブレーキ操作による簡易な減速調節が可能となる。したがって、いわゆる「半クラッチ」制御が困難なクラッチペダル式のトロイダル変速作業車両の問題点が解消され、クラッチペダルレス構成及び単一のブレーキペダルMによる減速調節操作およびブレーキペダル操作による「半クラッチ」相当の操作が可能となる。また、ブレーキペダルは単一の構成としているので、旋回半径を小さくして旋回する場合においては、ステアリング操作角に応じて旋回内側の車輪に自動的にブレーキを作動させるように構成している。特に、農業機械であるトラクタにおいては、小さい半径で旋回するときには作業機Fを上昇させて旋回を行うので、ステアリングの操作角度の検出と共に作業機F上昇の要件も旋回内側の車輪にブレーキをかける要件としている。
また、ブレーキペダルMによる減速制御の間において、ブレーキペダルMの復帰または前後進切替レバーKの前後進選択があった場合は、そのいずれか最先の操作により一定車速走行が即時再開されることから、オペレータの意に沿った対応、すなわち、ブレーキペダルMを開放することによって定車速走行を再開でき、また、前後進切替レバーKを中立位置から操作することによってその方向の定車速走行を開始することができる。
また、上記一定車速走行の再開(S5)は、ブレーキペダルMの復帰等(S3,S4)に代えて、アクセルペダルKの踏込み操作に基づいて行うことにより、アクセルペダルKを踏んで加速するというオペレータの意図を反映することができる。上記アクセルペダル操作は、目一杯の踏込み操作に限定することによっても効果は同様である。
また、一定車速走行の再開をアクセルペダルKの踏込み操作に基づいて行う場合については、図5のフローチャート(2)に示すように、踏込み量Bがある量Aになることを条件に元の設定車速Cに戻し(S11,S12)、それまでは、アクセルペダルの踏込み量Bに応じて、例えば、B/AxCの演算式により、目標速を徐々に戻す(S13)ように制御処理を構成することにより、車速を元に戻す際もオペレータの微妙な意図を反映することができる。
次に、左右のブレーキペダルを備える作業車両にあっては、前述のブレーキペダルの操作に代えて、両ブレーキペダルの操作による制御処理を構成することにより、一定車速走行時に前記同様の操作性を実現することができる。また、両ブレーキペダルの連結を条件に加えることによっても効果は同様である。
次に、トルク制御による走行におけるブレーキ対応制御処理について説明する。
左右のブレーキペダルを備える作業車両を例にとると、図6のフローチャート(3)に示すように、トルク制御で両ブレーキペダル連結状態において、一定時間のブレーキペダル踏込みの検出(S21)により、以降の踏込みの継続に応じて目標速を0まで段階的に変更し、走行停止までの範囲で車速を漸減する減速制御を行うとともにトルク制御を停止(S22)し、踏込み解除(S23)によって目標速を元の設定車速に戻すとともにトルク制御を再開(S24)する制御処理を設ける。
左右のブレーキペダルを備える作業車両を例にとると、図6のフローチャート(3)に示すように、トルク制御で両ブレーキペダル連結状態において、一定時間のブレーキペダル踏込みの検出(S21)により、以降の踏込みの継続に応じて目標速を0まで段階的に変更し、走行停止までの範囲で車速を漸減する減速制御を行うとともにトルク制御を停止(S22)し、踏込み解除(S23)によって目標速を元の設定車速に戻すとともにトルク制御を再開(S24)する制御処理を設ける。
上記制御は、片側のブレーキにスイッチを設け、ブレーキ連結スイッチがオンでブレーキが踏まれた時間に応じて目標速を低下させるとともにトルク制御をやめることによって手動力を得ることができる。したがって、制動に対抗して制御するトルク制御によって制動力が弱まり、急停止時等において止まりにくいとうトロイダルトランスミッションの問題点が解決され、両ブレーキが踏まれた時に限ってトルク制御を停止することにより、急制動の場合等においても確実な制動が可能となる。
また、上記トルク制御における別の制御例として、図7のフローチャート(4)に示すように、一定時間以上のブレーキペダル操作に対応するトルク制御の停止に代えて逆トルク制御を適用(S31)し、ブレーキ解除時に上記逆トルク制御を停止(S32,S33)する制御処理を構成することにより、逆トルク制御による大きな制動力を得ることができる。
次に、前後進無段変速伝動装置のレジームチェンジ制御について説明する。
レジームチェンジの途中においては、アクセルペダル操作が反対方向のときにそれに追従させるようにするとクラッチ判定等で時間を要し、走行状態の不安定化を招くことがあるので、そのような場合は、図8のフローチャート(5)に示すように、レジームチェンジが終了するまでの間にアクセルペダルが反対方向の要求を出した場合は、それを無視する制御処理(S41,S42)を設けることによって上記問題が解消され、操縦性を向上することができる。
レジームチェンジの途中においては、アクセルペダル操作が反対方向のときにそれに追従させるようにするとクラッチ判定等で時間を要し、走行状態の不安定化を招くことがあるので、そのような場合は、図8のフローチャート(5)に示すように、レジームチェンジが終了するまでの間にアクセルペダルが反対方向の要求を出した場合は、それを無視する制御処理(S41,S42)を設けることによって上記問題が解消され、操縦性を向上することができる。
また、レジームチェンジの途中においては、なにかと判定等に時間がかかり、緊急対応が難しいことから、レジームチェンジの途中において両ブレーキペダルの踏込みがされた場合は、図9のフローチャート(6)に示すように、ハイクラッチとロークラッチをともに圧を立てないように制御(S51)することによって緊急停止に向かうことにより緊急対応が可能となる。
具体的には、ブレーキ操作に応じて即座に両クラッチ圧を抜き(S51)、一方、トロイダル変速機構のパワーローラを停止速であるGN位置に向けて制御を急速に開始し、全レシオと実車速が一致した時点(S52)でロークラッチの圧をたて、その後急速にGN位置まで制御する(S53)ことによって減速する。
次に、アクセルペダルを戻した際の制御について説明する。
トロイダル変速機構による前後進無段変速伝動装置は逆トルクがたちにくく、そのままではエンジンブレーキが効きにくいことから、図10のフローチャート(7)に示すように、アクセルペダルを戻した時に、車速に応じた大きさの逆トルクをかける(S61)ように制御処理を構成する。車速が大きいほど逆トルクを大きくすることにより、トロイダル無段変速作業車両によるトレーラ作業の際の牽引作業や下り坂の安全走行が可能となる。
トロイダル変速機構による前後進無段変速伝動装置は逆トルクがたちにくく、そのままではエンジンブレーキが効きにくいことから、図10のフローチャート(7)に示すように、アクセルペダルを戻した時に、車速に応じた大きさの逆トルクをかける(S61)ように制御処理を構成する。車速が大きいほど逆トルクを大きくすることにより、トロイダル無段変速作業車両によるトレーラ作業の際の牽引作業や下り坂の安全走行が可能となる。
また、上記逆トルクの大きさの決定については、アクセルペダルKの戻し速度の大きさに応じて大きくする制御例、実車速とエンジン回転数の双方の大きさに応じて大きくする制御例についても効果は上記同様である。また、後退走行の場合については、逆トルクが効きやすいことから、後退走行に限って逆トルクをかけないように制御することにより、上記同様の効果を得ることができる。また、前後傾斜センサを設けた上で傾斜の大きさに応じて大きくする制御例についても効果は上記同様である。
また、下り坂で車速が増速されていくその度合いに応じて逆トルクを大きくするように、実車速の変化具合に応じて逆トルクを変更する制御例、トレーラ牽引杆の押し力センサを設け、その押し力の度合いに応じて逆トルクを大きくする制御例についても効果は上記同様である。
また、アクセルペダルKの戻り量が大きいときに限り、その戻り量に応じた大きさの逆トルクに制御することにより、小さなペダルの動きによるギクシャク走行を回避することができ、さらに、アクセルペダルの戻り量およびステアリングの切れ角に応じて逆トルクを大きくすることにより、旋回中の車速をより落すことにより安全な走行が可能となる。
(前後進無段変速伝動装置)
ここで、あらためて前後進無段変速伝動装置について説明する。
トロイダル無段変速作業車両の前後進無段変速伝動装置は、走行系を含む伝動系統線図を図11に示すように、エンジンCから動力を受ける入力軸11を前段に備え、この入力軸11から走行伝動軸12に走行系動力をギヤ伝動する。この走行伝動軸12の入力回転を受けて変速動力を出力するフルトロイダル型の変速機構のバリエータ13を設け、その変速動力と走行伝動軸12とを入力として高低の差動動力を出力する遊星伝動部14と、その高低の差動動力の伝達を切替えるHi−Loクラッチ15を介してその出力となるドライブピニオン軸15dまでを1線上に構成し、後輪差動部16から左右の後輪B,Bに走行動力を伝動する。また、ドライブピニオン軸15dから走行動力を前輪伝動軸17に分岐し、増速伝動制御する前輪増速クラッチ18を介して前輪差動部19と連結し、左右の前輪Aに走行動力を伝動する。
ここで、あらためて前後進無段変速伝動装置について説明する。
トロイダル無段変速作業車両の前後進無段変速伝動装置は、走行系を含む伝動系統線図を図11に示すように、エンジンCから動力を受ける入力軸11を前段に備え、この入力軸11から走行伝動軸12に走行系動力をギヤ伝動する。この走行伝動軸12の入力回転を受けて変速動力を出力するフルトロイダル型の変速機構のバリエータ13を設け、その変速動力と走行伝動軸12とを入力として高低の差動動力を出力する遊星伝動部14と、その高低の差動動力の伝達を切替えるHi−Loクラッチ15を介してその出力となるドライブピニオン軸15dまでを1線上に構成し、後輪差動部16から左右の後輪B,Bに走行動力を伝動する。また、ドライブピニオン軸15dから走行動力を前輪伝動軸17に分岐し、増速伝動制御する前輪増速クラッチ18を介して前輪差動部19と連結し、左右の前輪Aに走行動力を伝動する。
作業機系動力は、入力軸11からPTO伝動軸21に増速ギヤ伝動し、ベベルギヤー22を介して油圧ポンプ23に分岐伝動し、PTO伝動軸21の後段にPTOクラッチ24と逆転クラッチ25を備え、伝動比切替部26を介してPTO軸Eに伝動する。
上記バリエータ13は、走行伝動軸12の回転動力を受ける前後の入力ディスク31、31の中間に出力ディスク32を配置し、それぞれの間に前後のパワーローラ33、33を介設して構成し、これをトランスミッションケース内の専用区画に配置する。
遊星伝動部14の差動出力は、バリエータ13の入力側回転を受けるプラネタリキャリヤと出力側回転を受けるサンギヤーとの間で差動するプラネタリギヤーにより、停止速を含む正逆の回転速をバリエータ13の変速比に応じて出力する。機体の走行を停止する際は、停止速と対応する変速比となるギヤードニュートラル位置にバリエータ13のパワーローラ33を進退制御することにより、主クラッチを要することなく、変速伝動装置を構成することができる。また、エンジン始動時においては、ギヤードニュートラル位置への進退制御を含む始動制御を行う。
バリエータ13の油圧制御系は、その系統図を図12に示すように、油圧ポンプ23からパワーローラ33の進退動作をシリンダ33cのS1側とS2側について電磁比例減圧弁41および可変レデュースバルブ42をそれぞれ介設して油圧制御する。制御油圧は、所定の絞り43,43を通して複数のシリンダ33cに供給し、その筆頭をマスターシリンダ、他をスレーブシリンダとしてエンドストップ制御する。
このエンドストップ制御は、ピストンの後退側ストロークエンド位置で閉じられる油孔をマスターシリンダのライナー側壁に形成してスレーブシリンダの油流を制御することにより、メカストップによることなく、油圧による緩やかなエンドストップが実現され、急激な外乱変動によるトラクション欠落を防止することができる。この場合において、少なくとも1つのパワーローラ33のシリンダ33cの押し引きを他と逆方向とし、エンドストップをヘッド側に構成することにより、S1側およびS2側についての確実な油圧エンドストップを得ることができる。
また、上記絞り43,43の上流側のS1側とS2側の間に第一のシャトルバルブ44を設け、その高圧側をパイロットとして受けるメインリリーフ45でパワーローラ33の潤滑を行う。マスターシリンダの下流側に設けた第二のシャトルバルブ46によってその高圧側を入力ディスク31のエンドロードに供給することにより、エンドロード圧の追従性を向上することができる。この場合、油圧ポンプ23および第二のシャトルバルブ46の出力側にそれぞれリリーフバルブ47,48を設けることにより、過大負荷時の安全を確保することができる。
他の油圧機器制御については、その油圧制御系統図を図13に示すように、エンジン本体部に取付けた油圧ポンプ51から一般作動油を供給し、Hi−Loクラッチ15、前輪増速クラッチ18、PTOクラッチ24をそれぞれのHi、Loの電磁比例制御弁15p、15p、4WD電磁切替弁18v、PTO電磁比例制御弁24pによって動作制御し、また、機体に搭載した左右のブレーキシリンダ52、52、ローリング調整シリンダ53、作業機昇降シリンダ54等をそれぞれ油圧制御可能に構成する。
Hi−Loクラッチ15は、ギヤー比と対応して8〜10km/hの車速で切替えるように設定する。これは、殆どの作業速が8km/h以下であり、その切替速度での作業は少ないので、変速時のショックや複雑なクラッチ制御による遅れ等をなくすことができる。また、シンクロレシオ時には、ハイとローの両クラッチを一時的に同時接続するように構成することにより、伝達不足を招くことなく、スムーズなレジームチェンジが可能となる。これは、ローレジームとハイレジームについて、加速方向が同じでもレシオ変更の方向が違うので、シンクロレシオを越えるレシオ変更の場合にシリンダ33cの伸縮のS1S2圧の加圧方向が異なり、パワーローラ33の制御が複雑になることによる。
ブレーキシリンダ52、52は、切替弁52vと電磁比例制御弁52pとにより、左右のブレーキを個別に制御可能に構成する。ローリング調整シリンダ53は、切替弁53vによって左右方向傾斜を調節する。作業機昇降シリンダ54は、リフトアーム制御弁によるバルブブロック54bを構成して昇降制御する。
以上の各機器動作を制御する制御装置61は、入出力ブロック図を図14に示すように、走行用制御部61aと作業機制御部61bとにより構成する。
走行用制御部61aは、スタータスイッチ62、圧力センサ64、出力ディスク回転センサ66、変速レバー位置センサ68等の信号を入力とし、パワーローラ33の進退操作用の制御弁41,41、Hi−Loクラッチ15の各制御弁15p、15p、4WD用前輪増速切替弁18v、左右のブレーキ制御弁52p、52pを制御出力として構成する。
走行用制御部61aは、スタータスイッチ62、圧力センサ64、出力ディスク回転センサ66、変速レバー位置センサ68等の信号を入力とし、パワーローラ33の進退操作用の制御弁41,41、Hi−Loクラッチ15の各制御弁15p、15p、4WD用前輪増速切替弁18v、左右のブレーキ制御弁52p、52pを制御出力として構成する。
作業機制御部61bは、制御モード設定器71、旋回制御入切スイッチ76等の信号を入力とし、バルブブロック54bを介して作業機昇降シリンダ54の上昇下降動作、PTO電磁比例制御弁24pによってPTOクラッチ24を操作してPTO軸Eの出力を制御するべく構成する。制御モード設定器71は、トルク制御、レシオ制御、自動切替制の中から選択した設定を指令する。トルク制御は主として路上走行用、レシオ制御は主として散布作業やロータリ作業用、自動切替制御は主としてドラフト作業用に適用される。
(制御処理)
制御装置61における変速伝動装置の制御処理について説明すると、制御部61a,61bによる制御処理は、トルク制御とレシオ制御とによる2つの制御方式を条件に応じて切替え可能に構成する。
詳細には、トルク制御は、図15(a)のフローチャートに示すように、エンジン回転63と変速出力回転のセンサ信号66を受け(S11)、両者の対比(S12)により、対応関係が一定となるようにパワーローラ33…を進退して回転伝動比を調節するべく流量制御弁41,41を制御(S13)することにより、オペレータ設定によるエンジン回転数に応じた出力回転に制御する定トルク制御を行う。
制御装置61における変速伝動装置の制御処理について説明すると、制御部61a,61bによる制御処理は、トルク制御とレシオ制御とによる2つの制御方式を条件に応じて切替え可能に構成する。
詳細には、トルク制御は、図15(a)のフローチャートに示すように、エンジン回転63と変速出力回転のセンサ信号66を受け(S11)、両者の対比(S12)により、対応関係が一定となるようにパワーローラ33…を進退して回転伝動比を調節するべく流量制御弁41,41を制御(S13)することにより、オペレータ設定によるエンジン回転数に応じた出力回転に制御する定トルク制御を行う。
また、レシオ制御は、図15(b)のフローチャートに示すように、変速レバー位置68と変速出力回転のセンサ信号66を受け(S21)、両者の対比(S22)により、対応関係が一定となるようにパワーローラ33…を進退して回転伝動比を調節するべく流量制御弁41,41を制御(S23)することにより、オペレータ操作による変速レバー位置に応じた出力回転に制御する定レシオ制御を行う。
2 前後進無段変速伝動装置
61 制御装置
A,B 走行装置
C 原動機
F 圃場作業機
GN 停止速伝動
K 前後進切替レバー
L アクセルレバー
M ブレーキペダル
N アクセルペダル
61 制御装置
A,B 走行装置
C 原動機
F 圃場作業機
GN 停止速伝動
K 前後進切替レバー
L アクセルレバー
M ブレーキペダル
N アクセルペダル
Claims (2)
- ブレーキペダル(M)の操作に応じて走行装置(A,B)に制動力を作用する制動装置と、トロイダル変速機構(13)のバリエータ比を制御することにより停止速伝動(GN)を含む正逆転に及ぶ無段変速伝動を可能とする前後進無段変速伝動装置(2)と、この前後進無段変速伝動装置(2)を制御することにより、前後進切替レバー(K)とアクセルレバー(L)の指示に基づく定速走行制御により一定車速走行を可能とする制御装置(61)とを備えるトロイダル無段変速作業車両において、
上記制御装置(61)は、定速走行制御による一定車速走行の際に、ブレーキペダル(M)の操作に応じて前後進無段変速伝動装置(2)のバリエータ比をその停止速伝動(GN)に向けて制御する減速制御に切替え制御することを特徴とするトロイダル無段変速作業車両。 - 前記制御装置(61)は、定速走行制御から切替えた減速制御の間において、ブレーキペダル(M)の復帰と前後進切替レバー(K)の前後進選択のいずれか最先の操作により、定速走行制御を即時再開することを特徴とする請求項1記載のトロイダル無段変速作業車両。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009037884A JP2010190387A (ja) | 2009-02-20 | 2009-02-20 | トロイダル無段変速作業車両 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009037884A JP2010190387A (ja) | 2009-02-20 | 2009-02-20 | トロイダル無段変速作業車両 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010190387A true JP2010190387A (ja) | 2010-09-02 |
Family
ID=42816637
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2009037884A Withdrawn JP2010190387A (ja) | 2009-02-20 | 2009-02-20 | トロイダル無段変速作業車両 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2010190387A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017055740A (ja) * | 2015-09-18 | 2017-03-23 | 川崎重工業株式会社 | グランド整備車両の駆動システム |
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2009
- 2009-02-20 JP JP2009037884A patent/JP2010190387A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2017055740A (ja) * | 2015-09-18 | 2017-03-23 | 川崎重工業株式会社 | グランド整備車両の駆動システム |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20120501 |