JP2010189996A - 開放型トンネル掘削機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】開放型トンネル掘削機の切羽側開口部に扉板21を押さえる複数のストッパー27が所定の間隔をあけて設けられている。閉鎖時の扉4をストッパー27で押さえる場合には、ジャッキ32を伸張、回転させて、押さえ部31を回転させ、ジャッキ32および押さえ部31を壁部17から突出させる。そして、押さえ部31の直線部31aを扉板21の後面21b接触させ、ジャッキの32が収縮しないようにロックして扉4を押さえる。また、ストッパー27を解除するには、ジャッキ32を収縮、回転させて、押さえ部31を回転させ、押さえ部31およびジャッキ32を壁部17に沿った状態にする。
【選択図】図6
Description
そこで、矩形断面のトンネルを掘削できるシールド掘削機が使用されているが、矩形断面のシールド掘削機は高価で、特に矩形断面の密閉型シールド掘削機はカッター機構が複雑でより高価であった。また、矩形断面の密閉型シールド掘削機に比べて矩形断面の開放型のシールド掘削機ではコストを下げることができるが、地表面の沈下が矩形断面の密閉型シールド掘削機に比べて2〜3倍ほど大きくなるという問題があった。
また、特許文献1によれば、切羽に対し膨張状態で接触するエアバッグを背面から押さえて、切羽に対し開閉可能な押さえ部材を備えた掘削用エレメントが提案されている。この掘削用エレメントによれば、掘削休止時などにおいてエアバッグが切羽を抑えることによって切羽崩落を防止している。
複数の小断面掘削区画に分割された矩形断面の開放型シールド掘削機に備える扉は、扉が閉められて膨張袋体が膨張して切羽を押圧する状態において膨張袋体からの圧力を受ける。そして、蝶番が扉の上端にあって扉の下端を掘削機側へ引き上げて開く構造の扉では、小断面掘削区画の開口を閉鎖する際に、扉の両側下端部と、扉の両側下端部に対向する壁部とに備えられた部材で構成されるかんぬきによって固定されている。しかし、膨張袋体から扉へかかる圧力が、かんぬきの部材へ集中し、かんぬきの部材が変形してかんぬきが抜けなくなり、扉の開閉にも支障が生じるという問題があった。
また、特許文献1による掘削用エレメントに備える押さえ部材(本発明の扉に相当する)においても、掘削用エレメントの底部に設けられて、押さえ部材に設けられた被固定部をキャッチする固定部材は揺動式のため、被固定部材や固定部材が故障した場合には押さえ部材を支持できないという問題があった。
本発明では、壁部に閉鎖時の扉を押さえる進退可能なストッパーを備えているので、ストッパーが閉鎖時の扉を支持できると共に、切羽側から扉にかかる圧力をストッパーを介して開放型トンネル掘削機の壁部に伝達させることを防ぐことができる。
本発明では、開放型トンネル掘削機の壁部にジャッキ構造のストッパーを設けることにより、閉鎖時の扉を強固に支持することができる。また、ジャッキ構造のストッパーなのでストッパーの設置と解除の切り替えが容易にできる。
本発明では、第一の車輪が第一のレール上を移動し、第二の車輪が第二のレール上を移動することで、切羽側開口部を閉鎖する扉は扉の下側が上下方向に移動し、扉の上側が前後方向に移動するので、上下方向に回転して切羽側開口部を開閉することができる。そして、切羽側開口部を閉鎖する扉の切羽側に設けられて、流体が充填された膨張状態で切羽を押圧し、扉の開放時および開閉作業時には収縮させる膨張袋体が扉に備えられている場合に、扉の開閉時に収縮した膨張袋体が開放型トンネル掘削機の床部と接触し摩擦を生じることがなく、扉の開閉を円滑に行えると共に膨張袋体の損傷を防ぐことができる。
また、第一のガイドおよび第二のガイドの位置を調整することによって、扉が移動する動線や、扉の収容位置を自由に設定することができる。
図1に示すように、本実施の形態による開放型トンネル掘削機1は、例えば道路トンネルやアンダーパス、共同溝といった用途で構築される矩形断面のトンネルを掘削するため開放型のトンネル掘削機であって、比較的地盤中の水が少なく且つ浅い深度のトンネルに採用されている。
そして、基本的には周知のシールド掘削機と同様に、1サイクル分の地山を掘削しつつ適宜な搬送手段によって掘削土砂を坑外に搬出し、開放型トンネル掘削機1の後方で例えばコンクリート、スチール等のセグメントS(覆工体)を組み立て、そのセグメントSから反力を取って推進するものである。1サイクルの掘進距離とは、1リング分のセグメントSを設置することが可能な距離とされる。
なお、本実施の形態では、トンネルの掘削方向を「前方」、「前端」とし、その反対方向を「後方」、「後端」として以下説明する。
外殻体3の前端部は、上部が下部より切羽側に突出するように所定の傾斜角度で傾斜しており、上段の小断面掘削区画2A、2Cにおける掘削面(切羽)の位置は、下段の小断面掘削区画2B、2Dより開放型トンネル掘削機1の前進方向で前方側に位置している。
なお、本実施の形態では、閉鎖時の扉4の扉板21において、切羽に対向する面を前面21aとし、反対側を後面21bとする。
そして、図3および図4に示すように、各小断面掘削区画2A〜2D内の側方のスキンプレート11または仕切り板12で形成される壁部17には、上側車輪22が滑走する上側車輪用レール(第一のガイド)25と下側車輪23が滑走する下側車輪用レール26(第二のガイド)と、閉鎖時に扉板21を押さえる複数のストッパー27とが設けられている。
上側車輪22は閉鎖時の扉板21の上部側に、下側車輪23は扉板21の下部側に、扉板21の側面から突出して設けられている。そして、上側車輪22は下側車輪23よりも扉板21の後面21b側に位置するように配設されている。
下側車輪用レール26は、閉鎖時の下側車輪23の位置から上方に鉛直に伸びて、閉鎖時の上側車輪22よりも高い位置から開放型トンネル掘削機1の後方に曲がり、上向きの勾配で伸びる略L字型形状のレールである。
閉鎖状態の扉4を開放状態とするには、上側車輪22および下側車輪23を移動させて、扉板21の下端部21dを上方へ移動させると共に扉板21の上端部21eを後方へ移動させる。そして、扉4を天井部16の下側に収容することで、切羽側開口部は開放状態となる。このとき、開放状態の扉4を押さえるストッパーやフックなどは適宜設置される。そして、開放状態の扉4を閉鎖状態とするには、上述した閉鎖状態の扉4を開放状態とする手順の逆を行えば閉鎖状態となる。
ジャッキ32の端部32bは、壁部17に固定された第二の固定部34に保持されているので、ジャッキ32が伸縮すると他方の端部32cの位置が移動する。そして、このジャッキ32の端部32cは押さえ部31の端部31cと連結しているので、押さえ部31の端部31cと共に図中の矢印A1の方向に移動する。そして、ジャッキ32が伸縮すると共に端部32cが図中の矢印A1の方向に移動すると、ジャッキ32は端部32bを支点として図中の矢印A3の方向に回転する。
第一および第二の固定部33、34は、水平方向に所定の間隔をあけて壁部17に固定されている。
そして、閉鎖時の扉4をストッパー27で押さえる場合には、図6示すように、ジャッキ32を伸張、回転させて、押さえ部31を回転させ、ジャッキ32および押さえ部31を壁部17から突出させる。そして、押さえ部31の直線部31aを扉板21の後面21b接触させ、ジャッキ32が収縮しないようにロックして扉4を押さえる。
また、ストッパー27を解除するには、図7に示すように、ジャッキ32を収縮、回転させて、押さえ部31を回転させ、押さえ部31およびジャッキ32を壁部17に沿った状態にする。このとき、ストッパー27は扉4の開閉の弊害とならないように、ストッパー27の壁部17からの出幅37は、壁部17と扉板21の側面21cとの隙間よりも小さい寸法とする。
このようなエアバッグ5は、各小断面掘削区画2A〜2Dにおいて切羽を掘削した後の扉4が閉じた状態で空気が流入されて膨張し、掘削部分の土水圧に対応できる圧力で切羽を押圧して押さえる。このとき、扉4はエアバッグ5の圧力を受けるが、扉板21およびストッパー27はこの圧力に耐えられる強度を有するものとする。
また、図4に示すように、扉4の開閉作業時および開放時には、エアバッグ5は収縮状態とする。
本実施の形態による開放型トンネル掘削機1では、扉4はその前面に設けられた膨張状態のエアバッグ5を介して切羽を押圧するものであるが、壁部17に固定されたジャッキ構造のストッパー27は、切羽圧力を受ける扉4をその扉板21の後面21bで確実に支持して切羽圧力を壁部17に伝達できる。
また、ストッパー27はジャッキ構造なので、ストッパー27の設置および解除の切り替えを容易に行うことができる。
また、上側車輪22および下側車輪23はそれぞれ上側車輪用レール25および下側車輪用レール26を滑走するので、上側車輪用レール25および下側車輪用レール26の位置を調整することで、移動する扉4の動線や開放時の扉4が収容される位置を自由に設定することができる。また、壁部17に設けられたストッパー27が上側車輪用レール25および下側車輪用レール26と干渉しないように、上側車輪用レール25および下側車輪用レール26の位置を設定することができる。
例えば、上述した実施の形態では、開放型トンネル掘削機1は4つの小断面掘削区画2A〜2Dに分割させた外殻体3を備えて、小断面掘削区画2A〜2Dの切羽側の開口部に扉4を設けているが、トンネル断面の大きさに対して上下または左右に2区画以上に設置してもよい。あるいは小断面掘削区画に分割されていない外殻体の切羽側の開口に扉4を設けてもよい。
また、上記の実施の形態では、ストッパー27の押さえ部31およびジャッキ32は、第一および第二の固体部33、34に壁部17に直交する水平面内で回転可能に保持されているが、完全に直交せずに、壁部17にほぼ直交する面内で回転可能に保持されていてもよく、また、水平面内でなくてもよい。
また、上記の実施の形態では、扉4には切羽側にエアバッグ5が設けられているが、エアバッグ5を設けずに切羽を押さえる扉4を本実施の形態によるトンネル掘削機の扉の構造としてもよい。また、エアバッグ5に代わって、液体が封入されて膨張状態となる膨張袋体を扉4に設置してもよい。
例えば、上述した実施の形態では、上側車輪用レール25に上側車輪22を滑走させて、下側車輪用レール26に下側車輪23を滑走させて扉4を開閉しているが、例えば、壁部17にL字型の一対のレールを設けて、上側車輪および下側車輪を同じレール上に滑走させて扉4を開閉してもよい。
また、上述した実施の形態では、下側車輪用レール26は、閉鎖時の下側車輪23の位置から上方に鉛直に伸びて、閉鎖時の上側車輪22よりも高い位置から開放型トンネル掘削機1の後方に曲がり、上向きの勾配で伸びる略L字型形状のレールであるが、閉鎖時の下側車輪23の位置から上方に伸びるレールで、開放型トンネル掘削機1の後方へ曲がらない形状としてもよい。
要は、本発明において所期の機能が得られればよいのである。
4 扉
17 壁部
21 扉板
22 上側車輪(第一の車輪)
23 下側車輪(第二の車輪)
25 上側車輪用レール(第一のガイド)
26 下側車輪用レール(第二のガイド)
27 ストッパー
31 押さえ部
32 ジャッキ
Claims (3)
- 開放型トンネル掘削機の切羽側開口部に、開閉移動する扉を有する開放型トンネル掘削機であって、
前記開放型トンネル掘削機の壁部に、閉鎖時の前記扉後面を押さえる進退可能なストッパーを備えることを特徴とする開放型トンネル掘削機。 - 前記ストッパーは、前記開放型トンネル掘削機の壁部に前記壁部の壁面とほぼ直交する面内で回転可能に保持されて閉鎖時の前記扉を押さえる押さえ部と、
前記壁部に前記壁部の壁面とほぼ直交する面内で回転可能に保持されると共に前記押さえ部と回転可能に連結されてなる、長さ方向に伸縮するジャッキと、からなることを特徴とする請求項1に記載の開放型トンネル掘削機。 - 前記扉は前記開放型トンネル掘削機の壁部に設けられたガイドに沿って移動する構造であって、
前記切羽側開口部を開閉する扉板と、
前記扉板の上部側に設けられた第一の車輪と、
前記扉板の下部側に設けられた第二の車輪と、を備えて、前記開放型トンネル掘削機の壁部には、前記扉の閉鎖時の前記第一の車輪の位置から前記開放型トンネル掘削機の後方に伸びる第一のガイドと、
前記扉の閉鎖時の前記第二の車輪の位置から上方に伸びる第二のガイドと、が設けられて
前記扉は前記第一の車輪が前記第一のガイドに沿って移動し、前記第二の車輪が前記第二のガイドに沿って移動することで開閉可能としたことを特徴とする請求項1または2に記載の開放型トンネル掘削機。
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