JP2010189289A - 撥水撥油性顔料およびそれを含有する化粧料 - Google Patents

撥水撥油性顔料およびそれを含有する化粧料 Download PDF

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Abstract

【課題】PFOA(パーフルオロオクタン酸)を含有しないフッ素化合物により撥水撥油性を示す表面処理顔料を提供し、併せてその顔料を含有する化粧料を提供する。
【解決手段】下記化学式(1)で示されるフッ素化合物であって、該化合物中に不純物としてのパーフルオロオクタン酸の含有量が500ppb以下であるフッ素化合物ホスホン酸あるいはその塩を顔料粉体に表面処理してなる。
【化4】
Figure 2010189289

【選択図】なし

Description

本発明は、ファンデーション、アイシャドー、ほほ紅等に代表されるメークアップ化粧料あるいはサンスクリーン化粧料に配合して好適な撥水撥油性顔料およびそれを含有する化粧料に関するものである。
従来、ファンデーション、アイシャドー、ほほ紅、口紅等に代表されるメークアップ化粧料あるいはサンスクリーン化粧料に撥水および撥油性を付与するために、下記一般化学式(2)で示されるパーフルオロアルキルリン酸エステル化合物で顔料粉体を表面処理してなる撥水撥油性顔料を配合することが行われている(特許文献1〜3参照)。
Figure 2010189289
一般化学式(2)で示されるフッ素化合物においては、一般的に工業化工程(一般的にテロマー法といわれる。)で製造される際に、その化合物中に不純物として、その原料となる1H,1H,2H,2H−パーフルオロデカノールから誘導されたパーフルオロオクタン酸(以下、「PFOA」と略して記す。)を含有している。一般的に、このPFOAの含有量は数万ppb以上のレベルとなっている。このため、このフッ素化合物で表面処理された顔料粉体は数百ppb以上の濃度でPFOAを含んでいた。PFOAは自然環境中で非常に残留性があることが米国環境省(以下、「EPA」と略して記す。)により報告されており、日本においても、これに関する文献は、非特許文献1などで見ることができる。また、種々の官庁、大学などにおいて、河川中のPFOAの濃度、人体血液中での濃度が測定され報告されている。これらの報告によれば、その濃度は、数十ppbから数百ppbの範囲である。現在、PFOAの原因による健康被害例は報告されていないが、EPAにより現在調査検討が行われている段階である。
一方、EPAはテロマー法により1H,1H,2H,2H−パーフルオロデカノールを原料とする製品についてPFOAの含有量を2015年までにゼロにすることを宣言している。このように、上記化学式(2)にて示されるパーフルオロアルキルリン酸あるいはその塩で表面処理された顔料粉体は自然界で検出されるより高いレベルでPFOAを含有している。このため、PFOAを含有しないフッ素化合物で、撥水撥油性を示す表面処理顔料を得るための開発が化粧品分野で強く求められている。
特公平5−86984号公報 特開平3−246210号公報 特開平4−330007号公報
Journal of Occupational Health,46(1),49−59(2004)
本発明は、前述のような問題点に鑑みてなされたもので、PFOA(パーフルオロオクタン酸)を含有しないフッ素化合物により撥水撥油性を示す表面処理顔料を提供し、併せてその顔料を含有する化粧料を提供することを目的とするものである。
本発明者は、フッ素化合物におけるパーフルオロアルキル基部分の炭素数を6に規定し、これによって1H,1H,2H,2H−パーフルオロデカノールを原料としない化合物、つまり下記化学式(1)で示されるフッ素化合物ホスホン酸、またはその塩に限定することにより上記課題を解決するに至った。
要するに、本発明による撥水撥油性顔料は、
下記化学式(1)で示されるフッ素化合物であって、該化合物中に不純物としてのパーフルオロオクタン酸の含有量が500ppb以下であるフッ素化合物ホスホン酸あるいはその塩を顔料粉体に表面処理してなることを特徴とするものである。
Figure 2010189289
本発明においては、上記化学式(1)のフッ素系ホスホン酸あるいはその塩のようにパーフルオロアルキル基の炭素数を6に規定することで、表面処理後のPFOAの含有量を自然界でのレベルまでに抑えることができる。また、本化合物によれば、わらに本構造により撥水および撥油性を有するのに十分なパフルオロ基の炭素鎖数であり、従来の一般式(2)で示されるパーフルオロアルキルリン酸エステル化合物で表面処理された顔料粉体と同等性能の化粧料を提供することができる。
次に、本発明による撥水撥油性顔料およびそれを含有する化粧料の具体的な実施の形態について説明する。
本発明に用いられる上記化学式(1)で示されるフッ素化合物の顔料粉体への表面処理方法としては、例えば以下のような方法が挙げられる。
化学式(1)で示されるホスホン酸を、例えばアルコールのような極性のある適当な有機溶剤に適当な濃度で溶解し、ミキサー内で滴下または添加する方法で顔料粉体と混合した後、溶剤を蒸発除去し、熱処理を行い、必要に応じて解砕することにより、化学式(1)で示されるフッ素系化合物で表面処理された顔料粉体を得ることができる。
また、化学式(1)で示されるフッ素化合物のホスホン酸塩を用いる場合には、そのフッ素化合物が水エマルジョンである場合が多いので、顔料粉体を水のスラリーにしておき、そこに適当な濃度の水エマルジョンとした該フッ素化合物を添加し、加温した後(酸性にしてもよい)、水洗乾燥後解砕することにより化学式(1)で示されるフッ素化合物で表面処理された顔料粉体を得ることができる。
本発明における化学式(1)で示されるフッ素化合物については、特に、2−(パーフルオロヘキシル)エチルホスホン酸あるいはその塩が好ましく、特に2−(パーフルオロヘキシル)エチルホスホン酸による表面処理は工程が用材を使用する方法で簡易であるので好ましい。
また、本発明における化学式(1)で示されるフッ素化合物のPFOAの含有量は自然界とほぼ同じ量の500ppb以下であり、好ましくは100ppb以下、さらに好ましくは50ppb以下である。また、本発明の化学式(1)で示されるフッ素化合物で表面処理されたあとの顔料粉体に含有されるPFOAの量は、100ppb以下であり、好ましくは50ppb以下、さらに好ましくは10ppb以下である。
PFOAの含有量の測定については、Analytical Biochemistry,118,336−343(1981)に開示される方法で、液体クロマトグラフィーによる質量分析方法で測定するのが最も良いが、現状検出限界は数ppbである。
本発明における化学式(1)で示されるフッ素化合物の処理量は顔料粉体によって異なるが、顔料粉体質量に対して0.05〜30質量%の範囲であり、好ましくは0.1〜20質量%の範囲である。処理量が顔料粉体質量に対して0.05質量%未満であると、撥水あるいは撥油性もしくはその両方が発現しにくくなる。また処理量が顔料粉体質量に対して30質量%を超えると、化学式(1)で示される化合物の過剰物が表面処理されずに単体として残り、処理顔料粉体の感触や流動性に問題が生ずる。
本発明において、化学式(1)で示されるフッ素化合物により表面処理される顔料としては、無機顔料、有機顔料、プラスチック粉体顔料などが挙げられる。このうち無機顔料としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化マグネシウム、マイカ、セリサイト、タルク、シリカ、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、チタン被覆雲母、窒化ホウ素、硫酸バリウム等が挙げられる。また、有機顔料としては、リソールルビンB、レーキレッドC、リソールレッド、ローダミンB、ヘリンドンピンクCN、ベンジンオレンジG、フロシタニンブルー等が挙げられる。また、プラスチック粉体顔料としては、ナイロンパウダー、アクリルパウダー、シリコンパウダー、ウレタンパウダー、ポリテトラフルオロエチレンパウダー等が挙げられる。
本発明の撥水撥油性顔料が配合される化粧料においては、その表面処理顔料以外に、通常の化粧料に用いられる油剤、粉体(顔料、色素、樹脂)、フッ素化合物、樹脂、界面活性剤、粘剤、防腐剤、香料、保湿剤、生理活性成分、塩類、溶媒、キレート剤、中和剤、pH調整剤等の成分を同時に配合することができる。
ここで、前記粉体としては、例えば、赤色104号、赤色201号、黄色4号、青色1号、黒色401号等の色素、黄色4号アルミニウムレーキ、黄色203号バリウムレーキ等のレーキ色素、ナイロンパウダー、シルクパウダー、ウレタンパウダー、テフロン(登録商標)パウダー、シリコンパウダー、セルロースパウダー、シリコーンエラストマー等の高分子、黄酸化鉄、赤色酸化鉄、黒酸化鉄、酸化クロム、カーボンブラック、群青、紺青等の有色顔料、酸化チタン、酸化セリウム、等の白色顔料、タルク、マイカ、セリサイト、カオリン等の体質顔料、雲母チタン等のパール顔料、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム等の金属塩、シリカ、アルミナ、窒化ホウ素等の無機粉体、微粒子酸化チタン、微粒子酸化鉄、アルミナ処理微粒子酸化チタン、シリカ処理微粒子酸化チタン、ベントナイト、スメクタイト等が挙げられる。これらの粉体の形状、大きさに特に制限はない。また、これらの粉体は従来公知の各種の表面処理がされていてもいなくても構わない。表面処理の例としては、例えばアクリルシリコーン処理、メチルハイドロジェンポリシロキサン処理、シリコーンレジン処理、オクチルトリエトキシシラン処理、片末端反応性シリコーン処理、N−アシル化リジン処理、有機チタネート処理、シリカ処理、アルミナ処理、セルロース処理、パーフルオロポリエーテル処理、フッ素化シリコーンレジン処理など親水性、親油性、撥水性の各種の処理を用いることが可能である。
本表面処理顔料粉体を用いて化粧料とする場合、硫酸バリウム、窒化ホウ素などの滑りのよい板状の粉体や、樹脂または、無機の球状粉体を合わせて配合することで感触のよい、滑り性に優れる化粧料となる。これらの内、特に前記フッ素化合物ポリマーを顔料表面に2〜6質量%の量にて被覆した粉体の質量100質量部に対して、球状粉体を0.1〜5質量部の範囲で配合することにより、塗布感が向上し、塗布後の肌感触も向上させることができる。球状粉体の配合量が0.1質量部未満では塗布感が向上せず、5質量部を超えると、製剤の剤型によっては、化粧料が肌にうまく密着せず、化粧が汚くなったり、何度も化粧料を肌に馴染ませたりする必要が発生する場合がある。
本発明でいう球状粉体の例としては、例えばシリコーンレジン、シリコーンエラストマー、ウレタン、ポリスチレン、ポリプロピレン、アルギン酸塩、ナイロン、アクリル樹脂等の樹脂製粉体や、シリカ、アルミナ、ジルコニア等の無機製粉体が挙げられる。ここで言う球状とは、真球状〜略球状の形態を持つものを指し、滑り性に優れる特徴を持つ。また、球状粉体の大きさとしては、その最大径において、1〜20μmの範囲にある粉体が挙げられ、特に好ましくは1〜10μmの範囲にある粉体が挙げられる。
前記油剤としては、例えばセチルアルコール、イソステアリルアルコール、ラウリルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オクチルドデカノール等の高級アルコール、イソステアリン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸等の脂肪酸、グリセリン、ソルビトール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等の多価アルコール、ミリスチン酸ミリスチン、ラウリル酸ヘキシル、オレイン酸デシル、ミリスチン酸イソプロピル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、モノステアリン酸グリセリン、フタル酸ジエチル、モノステアリン酸エチレングリコール、オキシステアリン酸オクチル等のエステル類、流動パラフィン、ワセリン、スクワラン等の炭化水素、ラノリン、還元ラノリン、カルナバロウ等のロウ、ミンク油、カカオ油、ヤシ油、バーム核油、ツバキ油、ゴマ油、ヒマシ油、オリーブ油等の油脂、エチレン・α−オレフィン・コオリゴマー等が挙げられる。また、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン、フルオロアルキル・ポリオキシアルキレン共変性オルガノポリシロキサン、アルキル変性オルガノポリシロキサン、フッ素変性オルガノポリシロキサン、アモジメチコン、アミノ変性オルガノポリシロキサン、シリコンゲル、アクリルシリコーン、トリメチルシロキシケイ酸、シリコーンRTVゴム等のシリコーン化合物、パーフルオロポリエーテル、フッ化ピッチ、フルオロカーボン、フルオロアルコール、フッ素化シリコーンレジン等のフッ素化合物が挙げられる。
また、前記界面活性剤としては、例えばアニオン型界面活性剤、カチオン型界面活性剤、ノニオン型界面活性剤、べタイン型界面活性剤を用いることができる。
前記溶媒としては、精製水、エタノール、軽質流動イソパラフィン、低級アルコール、エーテル類、LPG、フルオロカーボン、N−メチルピロリドン、フルオロアルコール、パーフルオロポリエーテル、代替フロン、揮発性シリコーン等が挙げられる。
本発明の化粧料の具体例としては、例えば、ファンデーション、白粉、コンシーラー、フェイスパウダー、ほほ紅、アイシャドー、アイライナー、チーク、口紅、ネイルカラー等のメークアップ化粧料、乳液、クリーム、ローション、カラミンローション、サンスクリーン剤、サンタン剤、アフターシェーブローション、プレシェーブローション、パック料、クレンジング剤、洗顔料、アクネ対策化粧料等の基礎化粧料、ヘアカラー、ボディーパウダー、デオドラント、石鹸、ボディーシャンプー、入浴剤、香水等が挙げられる。
本発明の化粧料に配合される前記撥水撥油性顔料の配合量としては、化粧料の総量に対して、0.1〜80質量%が好ましく、さらに好ましくは1〜60質量%である。なお、抗酸化剤の配合量としては0.001〜10質量%が好ましい。
本発明の化粧料の剤型としては、二層状、油中水型エマルション、水中油型エマルション、ジェル状、スプレー、ムース状、油性、固型状等、従来公知の剤型を使用することができる。特に、サンスクリーン剤の用途には、二層状、油中水型エマルション、ジェル状、水中油型エマルション、油性、ムース状等が好ましい。
次に、本発明による撥水撥油性顔料およびそれを含有する化粧料の具体的な実施例について説明する。なお、本発明は以下に述べる実施例に限定されるものではない。
(製造実施例1)
PFOAの含有量が250ppbの2−(パーフルオロヘキシル)エチルホスホン酸を5%となるようにイソプロピルアルコールに溶解した。ヘンシェルミキサーに酸化チタン1kgを入れ、続いて2−(パーフルオロヘキシル)エチルホスホン酸の5%イソプロピルアルコール溶液を酸化チタンに対して2−(パーフルオロヘキシル)エチルホスホン酸が5%となるようにヘンシェルミキサー内に入れ、酸化チタンとよく混合した。その後ヘンシェルミキサーに熱をかけ、必要ならばヘンシェルミキサー内を減圧し、イソプロピルアルコールを除去した。顔料粉体をヘンシェルミキサーから取り出し、130℃で6時間加熱した後解砕して2−(パーフルオロヘキシル)エチルホスホン酸が5質量%処理された酸化チタンを得た。
(製造実施例2)
製造実施例1と同様にして酸化チタンの代わりにセリサイト、タルク、マイカを用いて2−(パーフルオロヘキシル)エチルホスホン酸が5質量%処理されたそれぞれの表面処理顔料粉体を得た。
(製造実施例3)
製造実施例1のヘンシェルミキサーから取り出した後の加熱温度を130℃から110℃と変更した以外は同様にして酸化チタンの代わりにベンガラ、黄酸化鉄および黒酸化鉄を用いてトリデカフルオロオクチルトリエトキシシランが3質量%処理されたベンガラ、黄酸化鉄および黒酸化鉄のそれぞれを得た。
(製造比較例1)
酸化チタン1kgに対して前記一般化学式(2)で示されるパーフルオロアルキルリン酸エステル化合物として数平均で炭素数が13、PFOA含有量が12000ppbのものを固形分として50gのパーフルオロアルキルリン酸エステルアンモニウム塩溶液をイソプロピルアルコール200gに混合し、その混合液と酸化チタン1kgとをヘンシェルミキサーで混合した。その後ヘンシェルミキサーに熱をかけ、必要ならばヘンシェルミキサー内を減圧し、イソプロピルアルコールを除去した。その後、顔料粉体をヘンシェルミキサーから取り出し、130℃で6時間加熱した後解砕して数平均で炭素数が13のパーフルオロアルキルリン酸エステルアンモニウム塩が5質量%処理された酸化チタンを得た。
(製造比較例2)
製造比較例1と同様にして酸化チタンの代わりにセリサイト、タルクおよびマイカを用いて数平均で炭素数が13のパーフルオロアルキルリン酸エステルアンモニウム塩が5質量%処理されたセリサイト、タルクおよびマイカのそれぞれを得た。
(製造比較例3)
製造比較例1のヘンシェルミキサーから取り出した後の加熱温度を130℃から110℃と変更した以外は同様にして酸化チタンの代わりにベンガラ、黄酸化鉄および黒酸化鉄を用いて数平均で炭素数が13のパーフルオロアルキルリン酸エステルアンモニウム塩が5質量%処理されたベンガラ、黄酸化鉄および黒酸化鉄のそれぞれを得た。
製造実施例1〜3および製造比較例1〜3で得られた表面処理顔料の水および流動パラフィンでの接触角とPFOAの含有量を表1に示した。これらの結果より、化学式(1)で示されるフッ素系ホスホン酸あるいはその塩で表面処理された顔料粉体は、これまでのパーフルオロアルキルリン酸エステル化合物と同様の撥水および撥油性を有し、しかも化学式(2)で示されるフッ素系化合物に比べてPFOAの含有量が非常に少ない表面処理顔料粉体となっていることがわかる。
Figure 2010189289
ここで、PFOAの測定方法は、前述の文献による測定方法を用いるが、簡単には以下のような方法で測定する。すなわち、一定量の試料(フッ素化合物そのもの、あるいは表面処理粉体)をメタノール中で抽出し濃縮した後に、リキッドクロマトグラフィー/質量分析法により測定する。
次に、本発明による表面処理顔料を用いてパウダーファンデーションを作製した。
(実施例1)
製造実施例1および製造実施例2で得られた表面処理粉体を用いて以下の配合にてパウダーファンデーションを調製した。
はじめにパウダーベースを以下の配合にて調製した。
<パウダーベース配合>
表面処理セリサイト 60.0
表面処理タルク 27.0
表面処理酸化チタン 10.0
表面処理黄酸化鉄 2.0
表面処理ベンガラ 0.7
表面処理黒酸化鉄 0.2
メチルパラベン 0.1
合計100.0

次に、バインダーベースを以下の配合で調製した。
<バインダーベース配合>
ジメチルポリシロキサン(20CS) 70.00
ジメチルポリシロキサントリメチルシロキシシリケート 29.85
フェノキシエタノール 0.10
トコフェノール 0.05
合計100.00

前記パウダーベースおよびバインダーベースをそれぞれ90%および10%になるようにミキサーで混合しパウダーファンデーションを得た。
(比較例1)
製造比較例1および製造比較例2で得られた表面処理粉体を用いて実施例1と同様にしてパウダーファンデーションを作製した。
実施例1および比較例1のパウダーファンデーション評価およびPFOA含有量を表2に示した。この表2より化学式(1)の2−(パーフルオロヘキシル)エチルホスホン酸で表面処理された顔料粉体と従来の化学式(2)で示されるパーフルオロアルキルリン酸エステル化合物で表面処理された顔料粉体とで仕上がりや安定性において差がない同等性能のパウダーファンデーションを得ることができた。
Figure 2010189289
本発明の撥水撥油性顔料は、ファンデーション、アイシャドー、ほほ紅等に代表されるメークアップ化粧料あるいはサンスクリーン化粧料に配合して好適である。

Claims (3)

  1. 下記化学式(1)で示されるフッ素化合物であって、該化合物中に不純物としてのパーフルオロオクタン酸の含有量が500ppb以下であるフッ素化合物ホスホン酸あるいはその塩を顔料粉体に表面処理してなることを特徴とする撥水撥油性顔料。
    Figure 2010189289
  2. 前記不純物としてのパーフルオロオクタン酸の含有量が100ppb以下であることを特徴とする請求項1に記載の撥水撥油性顔料。
  3. 前記請求項1または2に記載の撥水撥油性顔料を含有することを特徴とする化粧料。
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