JP2010188588A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】用紙の幅方向の前後に配置された2つのヘッドをオーバーラップさせた部分における画像の品質を向上させることのできる技術を提供する。
【解決手段】複数のヘッド8を有し、用紙幅方向に対して前後に配置された2つのヘッド8は、端部8A、8Cにおいて、双方のノズル80が用紙幅方向の同一の領域における画像形成可能となっており、2つのヘッド8の端部8A、8Cにおける双方のノズル80の用紙幅方向の位置がずれている場合に、所定の階調値に対応するドットとして、用紙幅方向の所定の位置を単独で担当するノズルにより形成される所定の階調値のドットよりも用紙幅方向の幅が短く、且つ搬送方向に対して伸びた形状のドットを作るようにSPデータを決定するSPデータ決定部16cを備えるようする。
【選択図】図5
【解決手段】複数のヘッド8を有し、用紙幅方向に対して前後に配置された2つのヘッド8は、端部8A、8Cにおいて、双方のノズル80が用紙幅方向の同一の領域における画像形成可能となっており、2つのヘッド8の端部8A、8Cにおける双方のノズル80の用紙幅方向の位置がずれている場合に、所定の階調値に対応するドットとして、用紙幅方向の所定の位置を単独で担当するノズルにより形成される所定の階調値のドットよりも用紙幅方向の幅が短く、且つ搬送方向に対して伸びた形状のドットを作るようにSPデータを決定するSPデータ決定部16cを備えるようする。
【選択図】図5
Description
本発明は、画像形成媒体の搬送方向と直交する媒体幅方向の印刷範囲に対して複数のヘッドを有し、各ヘッドは、媒体幅方向に対して前後に配置された他のヘッドの端部のノズルと、幅方向の同一の領域に対して画像形成できるように配置されている画像形成装置に関する。
例えば、産業用途向けのプリンターにおいては、印刷速度に対する要求が高く、ヘッドを画像形成媒体(例えば、用紙)の幅方向に移動させて印刷させるようなコンシューマープリンターでは、その印刷速度に対する要求を満たすことができない。そこで、用紙の幅方向の一列全体の範囲に対してインクを吐出させることのできるラインヘッドを備え、ヘッドの移動を伴わずに用紙の幅方向の印刷が可能なラインインクジェットプリンターが採用されるようになっている。
このようなラインインクジェットプリンターにおいて、より大きな幅の用紙に対応するためには、用紙の幅に対応する長さの長い1つのヘッドを備えたり、用紙の幅よりも短い長さのヘッドを用紙幅の方向に複数配置したりする必要がある。現状では、後者の方がコストパフォーマンスの面で優れている。
複数のヘッドを用紙の幅方向に配置する場合には、ヘッドとヘッドとのつなぎ目が問題になる場合がある。例えば、ヘッドの配置精度が悪ければ、ヘッドとヘッドとの間が広く空いてしまって、印刷時に、用紙に印刷されない部分(白スジ)が発生してしまう。
これに対して、用紙の幅方向に前後するヘッドの端部をオーバーラップ(重ね)させ、オーバーラップさせた部分のノズルが用紙の幅方向の同一の領域に対して印刷できるように調整しておくことにより、白スジの発生を低減することが行なわれている。
しかしながら、ヘッドの端部のノズルを正確に位置調整することは困難であり、例えば、メンテナンス時に1つのヘッドを交換した場合に、ヘッドの端部のノズルの位置を他のヘッドのノズルの位置と調整することは非常に困難である。このため、同一の領域に対して印刷できるようにさせておくべきノズル同士の位置が用紙の幅方向にずれてしまう場合がある。このような場合には、印刷の精度を低下させる種々の問題が発生する。
図1は、ヘッド間における端部のノズルの位置関係及びそのときの印刷状態を説明する図である。
図1Aに示すように、各ヘッド101の端部101Aのノズル102の位置が正確に調整されている場合には、端部101Aにおいては、各ノズル102のいずれか一方によりドットを吐出することにより、ドットが用紙に均一に印刷される。
一方、各ヘッド101の端部101Aのノズル102同士が用紙の幅方向にずれている場合には、以下のような問題が発生する。
例えば、端部101Aについては、前段(図面左側)のヘッド101のノズル102のみにより印刷するようにした場合には、図1Bに示すように、前段のヘッド101により形成されるドットと、後段のヘッド101により形成されるドットとの間が広くなって白スジ103が発生してしまう。
これに対して、例えば、前段のヘッド101の最端のノズル102とオーバーラップさせておくべき後段のヘッド101のノズル102からもドットを形成させるようにしておくと、図1Cに示すように、濃度の濃いスジ104が発生してしまう。
例えば、特許文献1には、異なる記録素子により記録可能である同一領域に対して、各記録素子の駆動割合を変化させることにより、ヘッドのつなぎ目において高品位な記録を行う技術が開示されている。
例えば、各ヘッド101の端部101Aのノズル102同士が用紙の幅方向にずれている場合には、特許文献1に記載の技術を用いた場合には、前段と後段のヘッドとで、濃度を調整して理想的な濃度状態で印刷することができるが、濃度を調整した場合には、インクの径が小さくなってしまうので、図1Dに示すように、印刷部分に線が細くなった部分105が生じてしまう問題がある。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、用紙の幅方向の前後に配置されたヘッドをオーバーラップさせた部分における画像の品質を向上させることのできる技術を提供することにある。
上記目的達成のため、本発明の第1の観点に係る画像形成装置は、画像形成媒体の搬送方向と直交する媒体幅方向の印刷範囲に対して複数のヘッドを有し、媒体幅方向に対して前後に配置された2つのヘッドは、その端部において、双方のノズルが媒体幅方向の同一の領域における画像形成が可能となるように配置されている画像形成装置において、2つのヘッドの端部における双方のノズルの媒体幅方向の位置がずれている場合に、所定の階調値に対応するドットとして、媒体幅方向の所定の位置を単独で担当するノズルにより形成される所定の階調値のドットよりも媒体幅方向の幅が短く、且つ搬送方向に対して伸びた形状のドットを作るように双方のノズルからインクを吐出させる制御を行う吐出制御手段を備える。係る画像形成装置によると、2つのヘッドの端部における双方のノズルの媒体幅方向の位置がずれている場合に、双方のノズルからは、媒体幅方向の所定の位置を単独で担当するノズルにより形成される所定の階調値のドットよりも媒体幅方向の幅が短く、且つ搬送方向に対して伸びた形状のドットが形成されるので、双方のノズルによるドットの媒体幅方向における重なりを低減すると共に、ドットの搬送方向の長さを適切に確保することができる。このため、ヘッドの重なっている部分の画質を向上させることができる。
上記画像形成装置において、所定の階調値に対応するドットは、複数のインク滴によって構成可能であり、吐出制御手段は、所定の階調値に対応するドットを形成する際に、媒体幅方向の所定の位置を単独で担当するノズルにより形成される所定の階調値のドットを構成するためのインク滴の吐出間隔に比して、双方のノズルのそれぞれにより吐出される複数のインク滴の吐出間隔を長くするように制御するようにしてもよい。係る画像形成装置によると、複数のインク滴によって搬送方向に長いドットを適切に形成することができる。
係る画像形成装置によると、媒体幅方向の所定の位置を単独で担当するノズルにより形成される所定の階調値のドットを構成するためのインク滴の吐出間隔に比して、双方のノズルのそれぞれによるインク滴の吐出間隔を長くするように制御しているので、搬送方向の長さを適切な長さに形成することができる。
また、上記画像形成装置において、吐出制御手段は、所定の階調値に対応するドットを形成する際に、媒体幅方向の所定の位置を単独で担当するノズルにより形成される所定の階調値に対応するドットを構成するためのインク滴よりも小さいインク滴を、双方のノズルにより吐出させる制御を行うようにしてもよい。係る画像形成装置によると、各ノズルにより形成される媒体幅方向の長さを、媒体幅方向の所定の位置を単独で担当するノズルにより形成される所定の階調値に対応するドットよりも短くすることができ、双方のノズルにより形成されるドットの重なりを適切に低減することができる。
また、上記画像形成装置において、ノズルのそれぞれに対応して設けられ、供給される駆動パルスに応じて前記ノズルからインク滴を吐出可能な圧電振動子と、媒体搬送方向の所定の範囲を複数のノズルにより担当するノズルによるインクの吐出に必要な複数の駆動パルスを含む駆動信号とを出力する駆動信号出力手段と、駆動信号から圧電振動子に供給する駆動パルスを選択する選択手段とを備え、吐出制御手段は、2つのヘッドの端部における双方ノズルの媒体幅方向の位置がずれている場合に、選択手段に、駆動信号から、所定の階調値に対応するドットとして、搬送方向に対して伸びた形状のドットに必要なインク滴を吐出するための駆動パルスを選択させて双方のノズルに対応する圧電振動子に供給させるようにしてもよい。係る画像形成装置によると、駆動信号から必要な駆動パルスを選択することにより、搬送方向に対して伸びた形状のドットを適切に形成することができる。
また、上記画像形成装置において、駆動信号出力手段は、各ノズルから吐出すべき全ての種類のインク滴を吐出可能にする複数の駆動パルスを含む駆動信号を出力するようにしてもよい。係る画像形成装置によると、駆動信号から必要な駆動パルスを選択することにより、ノズルから所望するインク滴を適切に吐出させることができる。
また、上記画像形成装置において、階調値と、媒体幅方向の位置がずれている2つのヘッドの端部における双方のノズルに対応する圧電振動子に供給するために選択すべき駆動パルスとの対応関係を示す補正用パルス選択情報を記憶する記憶手段を更に有し、吐出制御手段は、2つのヘッドの端部における双方のノズルの媒体幅方向の位置がずれている場合に、選択手段に補正用パルス選択情報を送信し、選択手段は、補正用パルス選択情報に基づいて、双方のノズルに対応する圧電振動子に供給する駆動パルスを駆動信号から選択するようにしてもよい。係る画像形成装置によると、補正用パルス選択情報に基づいて、駆動信号から2つのヘッドの双方のノズルに対応する圧電振動子に供給する駆動パルスを適切に選択することができる。
また、上記画像形成装置において、ヘッドの端部のノズルが、媒体幅方向の前又は後のヘッドの端部のノズルと媒体幅方向の位置がずれているか否かを示す位置ずれ情報を記憶する位置ずれ情報記憶手段を更に備え、吐出制御手段は、位置ずれ情報が双方のノズルが媒体幅方向に位置ずれしていることを示している場合に、補正用パルス選択情報を送信するようにしてもよい。係る画像形成装置によると、位置ずれ情報に基づいて、補正用パルス選択情報を適切に送信することができる。
また、上記画像形成装置において、所定の階調値について、媒体幅方向の所定の位置を単独で担当するノズルにより形成されるドットの面積と、媒体搬送方向の所定の範囲を担当する複数のノズルにより形成されるドットの面積は、略同じ面積であってもよい。係る画像形成装置によると、所定の階調値について、媒体幅方向の所定の位置を単独で担当するノズルにより形成されるドットと、媒体搬送方向の所定の範囲を担当する双方のノズルによって形成されるドットとが略同じ面積であるので、画像におけるドットの見え方を略同じにすることができ、画像の品質を向上することができる。
本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている諸要素及びその組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
まず、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の一例としてのラインインクジェットプリンター(以下、プリンターという)を含む画像形成システムを説明する。
図2は、本発明の一実施形態に係る画像形成システムの構成図である。
画像形成システム1は、PC(Personal Computer)2と、プリンター3とを有する。
PC2は、PC本体部4と、転送部5とを有する。PC本体部4は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を有し、プリンター3に印刷させる画像の画像データを生成し、転送部5に渡す処理を実行する。また、PC本体部4は、プリンター3の各ヘッド8の各部(上部オーバーラップ部8A、単独部8B、下部オーバーラップ部8C:図4参照)における制御に使用するパルス選択情報の種類を管理するパルス種類管理テーブル(位置ずれ情報記憶手段)を記憶する。このパルス種類管理テーブルは、例えば、プリンター3のサービスマンにより、各ヘッド8の配置状態に応じて設定される。
図3は、本発明の一実施形態に係る各ヘッドの各部における制御に使用するパルス選択情報種類を管理するパルス種類管理テーブルを示す図である。
パルス選択管理テーブルは、ヘッド名と、ヘッド8の部位と、そのヘッド8の部位における制御に利用するパルス選択情報の種類(パルス選択種類)とを対応付けて記憶する。ヘッド名には、各ヘッド8を示す名前が格納される。ヘッド8の部位には、上部オーバーラップ部8A、単独部8B、又は、下部オーバーラップ部8C(図4参照)のいずれかが格納される。パルス選択種類には、画像データの1ドットを1つのノズルにより形成する場合に使用する通常SPデータ(通常パルス選択情報)、ヘッド8同士が重なり合うオーバーラップ部分において、対応すべきそれぞれのノズルが用紙幅方向(用紙搬送方向と直交する方向)にずれている場合において、画像データの1ドットを対応する2つのノズルにより形成する場合に使用する補正用SPデータ(補正パルス選択情報)、又は、ノズルによりインクを吐出しない場合に使用する不吐出SPデータ(不吐出パルス選択情報)のいずれかの種類を示す情報(名称)が格納される。なお、補正用SPデータの名称が格納されていることは、オーバーラップ部分において、ヘッド8のノズルと、対応する他のヘッド8の対応するノズル80との用紙幅方向の位置がずれていることを示している。
例えば、第1ヘッド8−1の下側オーバーラップ部8Cと、第2ヘッド8−2の上側オーバーラップ部8Aとは、オーバーラップしている部位であるが、これら部位のノズルの用紙幅方向の位置はずれておらず、このため、第1ヘッド8−1の下側オーバーラップ部8Cには、通常SPデータが対応付けられ、第2ヘッド8−2の上側オーバーラップ部8Aには、不吐出SPデータが対応付けられている。したがって、第1ヘッド8−1の下側オーバーラップ部8Cのノズル80により通常のインクの吐出が行なわれ、第2ヘッド8−2の上側オーバーラップ部8Aのノズルは、インクの吐出を行なわないこととなる。
また、例えば、第2ヘッド8−2の下側オーバーラップ部8Cと、第3ヘッド8−3の上側オーバーラップ部8Aとは、オーバーラップしている部位であるが、これら部位のノズル80の用紙幅方向の位置はずれており、このため、第2ヘッド8−2の下側オーバーラップ部8Cには、補正用SPデータが対応付けられ、第3ヘッド8−3の上側オーバーラップ部8Aには、補正用SPデータが対応付けられている。したがって、第2ヘッド8−2の下側オーバーラップ部8Cのノズル80と、第3ヘッド8−3の上側オーバーラップ部8Aのノズル80とは、それぞれ用紙幅方向の位置がずれている場合用のインクの吐出が行なわれることとなり、これら2つのノズルからのドットにより、画像データの1ドットが形成されることとなる。
図2の説明に戻り、転送部5は、PC本体部4から受け取った画像データに基づいて、プリンター3用の画像データを生成する。転送部5は、例えば、プリンター3により形成する1枚の画像の全体についての、例えば、ブラックの画像データ(ドットパターンデータ、ビットマップデータ)を生成する。また、転送部5は、画像データをプリンター3に送信する。また、転送部5は、各ヘッド名及びヘッドの部位と、そのヘッドの部位における制御に利用するパルス選択種類とをプリンター3に送信する。
プリンター3は、分配コントローラー6と、複数(例えば、12個)のヘッドコントローラー7−1〜7−12(特定のヘッドコントローラーを示さない場合には、ヘッドコントローラー7と記載する場合がある)と、複数(例えば、12個)のヘッド8−1〜8−12(特定のヘッドを示さない場合には、ヘッド8と記載する場合がある)とを有する。
分配コントローラー6は、複数のヘッドコントローラー7−1〜7−12と接続されている。分配コントローラー6は、PC2の転送部5から送信される画像データを取得し、当該画像データのうち各ヘッドコントローラー7に必要な部分の画像データを各ヘッドコントローラー7に分配する。また、分配コントローラー6は、転送部5から送信される各ヘッド名及びヘッドの部位と、そのヘッドの部位における制御に利用するパルス選択種類とを受信し、各ヘッドコントローラー7に、当該ヘッドコントローラー7が担当するヘッドについての部位及びその制御に利用するパルス選択種類を送信する。各ヘッドコントローラー7は、例えば、1つのヘッド8が接続され、当該ヘッド8を制御するようになっている。なお、各ヘッドコントローラー7に複数のヘッド8を接続し、複数のヘッド8を制御するようにしてもよい。
図4は、本発明の一実施形態に係るヘッドの配置及び構成を説明する図である。図4Aは、ヘッドの配置を示すプリンター3の上面図であり、図4Bは、一部のヘッドの上面図である。なお、図4A、図4Bにおいては、各ノズルについては、上面から透視した様子を示している。
プリンター3には、図示しない給紙トレイから供給される紙、OHPシート、布等の用紙(画像形成媒体)を搬送するベルト10が備えられている。ベルト10は、図示しないモータにより駆動される。ベルト10は、用紙に印刷(画像形成)を行う際には、用紙を搬送方向、すなわち、上流側(図4A左側)から下流側(図4A右側)に略一定の速度で搬送する。
プリンター3においては、複数のサイズの用紙に印刷を行うことができるようになっている。本実施形態では、プリンター3においては、図4Aに示すように幅W(最大印刷可能幅)までの種々のサイズの用紙の印刷が可能である。本実施形態のプリンター3は、用紙のサイズによらず、用紙の搬送方向に垂直な方向(用紙幅方向:媒体幅方向)の略中央がベルト10の用紙幅方向の略中央を搬送されるように構成されている。
プリンター3には、複数のヘッド8−1〜8−12から構成されるヘッド列9が備えられている。ヘッド列9は、用紙幅方向の最大印刷可能幅Wの全体に亘って所定の解像度(例えば、360dpi)によりインクを噴射できるようになっている。
ヘッド8には、図4Bに示すように、インクを噴射する複数個(例えば、180)のノズル80が用紙幅方向に並んで設けられ、各ノズル80は、用紙の搬送される側(図面奥行き方向)に向けられている。ヘッド8においては、各ノズル80に対応するように、供給される駆動信号に応じて伸縮する圧電振動子30(図5参照)が設けられており、圧電振動子30の伸縮を制御することにより、各ノズル80からのインクの吐出を制御できるようになっている。
ヘッド列9は、図4Aに示すように、複数のヘッド8が用紙幅方向に対して、千鳥状(互い違い)に並ぶように構成されている。ヘッド列9の上流側に配置された複数のヘッド8(8−1、8−3、8−5、8−7、8−9、8−11)は、所定の間隔をあけて用紙幅方向に沿って配列されている。下流側に配置された複数のヘッド8(8−2、8−4、8−6、8−8、8−10、8−12)のそれぞれは、最大印刷可能幅Wにおいて上流側のヘッド8によって印刷できない部分(例えば、各ヘッド8の間)の印刷を補うように配置されている。このように、複数のヘッド8を配置することによって、用紙幅方向の最大印刷可能幅Wの全体に亘って所定の解像度によりインクを噴射できるようになっている。
本実施形態では、各ヘッド8は、用紙幅方向の前後(上下)のヘッド8と用紙幅方向の一部の範囲で重なる(オーバーラップする)ように配置されている。各ヘッド8は、用紙幅方向の前(上)のヘッド8とオーバーラップする上側オーバーラップ部8Aと、他のヘッド8とオーバーラップしない単独部8Bと、用紙幅方向の後(下)のヘッド8とオーバーラップする下側オーバーラップ部8Cとがある。本実施形態では、上側オーバーラップ部8A及び下側オーバーラップ部8Cにおいては、例えば、それぞれ3つのノズル80が配置されている。
用紙幅方向の上下方向に並ぶ2つのヘッド8のオーバーラップ部(8A、8C)のノズル80同士は、理想的には用紙幅方向の同一位置となるように配置されている。しかしながら、ヘッド8の配置によっては、一方のヘッドのオーバーラップ部(8A、8C)のノズル80と対応するヘッド8のオーバーラップ部(8C、8A)のノズル80との用紙幅方向の位置がずれてしまっている場合がある。
図5は、本発明の一実施形態に係るヘッドコントローラー及びヘッドのハードウエア構成図である。
ヘッドコントローラー7と、ヘッド列9のヘッド8とは、それぞれ、例えば、フレキシブルフラットケーブル(FFC)18を介して接続されている。
ヘッド8には、複数のノズル80が用紙幅方向に並んだノズル列が1列設けられている。ヘッド8において、各ノズル80に対応するように、圧電振動子(駆動素子)30が設けられており、圧電振動子30に駆動パルスを供給することにより圧電振動子30の伸縮を制御し、対応するノズルからのインクの噴射を制御できるようになっている。
ヘッドコントローラー7は、I/F(インターフェース)12、15と、パルス選択情報記憶手段の一例としてのメモリー13と、駆動信号出力手段の一例としての駆動波形生成部14と、制御部16と、発信回路17とを有している。
IF12は、分配コントローラー6と、ヘッドコントローラー7との間のデータ、信号の送受信を仲介する。IF15は、ヘッドコントローラー7とヘッド8との間のデータ、信号の送受信を仲介する。
メモリー13は、プログラムやデータを記憶する領域として、或いは、制御部16による処理に使用しているデータを格納する作業領域として利用される。本実施形態では、メモリー13には、例えば、ブラックのSIデータが格納される。SIデータは、印刷する画像における各ドットの階調値を示すデータである。本実施形態では、各ドットを階調値1〜4(2進数で、00〜11)で表しており、ドット毎に2bit(ビット)のデータとしている。また、メモリー13には、複数のSPデータ(パルス選択情報)が格納される。本実施形態では、SPデータには、画像データの1ドットを1つのノズルにより形成する場合に使用する通常SPデータ(通常パルス選択情報)と、ヘッド8同士が重なり合うオーバーラップ部分8A、8Cにおいて、それぞれのノズル80が用紙幅方向にずれている場合において、画像データの1ドットを2つのノズルにより形成する場合に使用する補正用SPデータ(補正パルス選択情報)と、ノズルによりインクを吐出しない場合に使用する不吐出SPデータ(不吐出パルス選択情報)とがある。SPデータは、各階調値に対応して選択すべき後述する駆動信号COMの駆動パルスを示すデータである。なお、SIデータ及びSPデータの詳細については、後述する。
駆動波形生成部14は、制御部16の指示を受けて、各種信号を生成してヘッド8に供給する。本実施形態では、駆動波形生成部14は、駆動信号COM、ラッチ信号LAT、チャンネル信号CH、データ転送信号DTSを生成して送信する。
図6は、本発明の一実施形態に係るプリンターの駆動信号、SIデータと選択される駆動パルスとの関係、及びSPデータを説明する図である。図6Aは、駆動信号を示し、図6Bは、SIデータと選択される駆動パルスとの関係の一例を示す図であり、図6Cは、SPデータの一例を示す図である。
駆動波形生成部14は、所定の周期(用紙幅方向の1ラインを形成するための期間:印刷周期TA)毎に、複数の駆動パルス(要素波形)を有する駆動信号COMを生成する。本実施形態では、駆動波形生成部14は、印刷周期TA毎に、図6Aに示すように、1番目の駆動パルス(第1パルス)である駆動パルスXMと、2番目の駆動パルス(第2パルス)である駆動パルスSと、3番目の駆動パルス(第3パルス)である駆動パルスMと、4番目の駆動パルス(第4パルス)である駆動パルスSと、5番目の駆動パルス(第5パルス)である駆動パルスXSと、6番目の駆動パルス(第6パルス)である駆動パルスMと、7番目の駆動パルス(第7パルス)である駆動パルスBと、8番目の駆動パルス(第8パルス)である駆動パルスXMとを含む駆動信号COMを生成する。本実施形態では、駆動パルスMは、中サイズのインク滴を吐出させるための駆動パルスであり、駆動パルスXMは、駆動パルスMより小さいインク滴を吐出させるための駆動パルスであり、駆動パルスSは、小サイズのインク滴を吐出させるための駆動パルスであり、駆動パルスXSは、駆動パルスXSより小さいインク滴を吐出させるための駆動パルスであり、駆動パルスBは、インクを吐出させない駆動パルスである。本実施形態では、駆動信号COMには、プリンター3で必要な全てのインク滴を吐出することのできる駆動パルスが含まれている。
図6Bは、1ドット分のSIデータと、1ドットを1つのノズルにより形成する場合(通常時)に選択される駆動パルスとの関係を示している。
通常時においては、階調値1(SIデータでは、00)の場合には、ドットが出力されないように、第7パルスのみが選択され、インクが吐出されないようにされる。また、階調値2(SIデータでは、01)の場合には、小ドットが形成されるように、第4パルス(駆動パルスS)のみが選択される。階調値3(SIデータでは、10)の場合には、中ドットが形成されるように、第3パルス(駆動パルスM)が選択される。また、階調値4(SIデータでは、11)の場合には、大ドットが形成されるように、第3パルス(駆動パルスM)及び第6パルス(駆動パルスM)が選択される。
ヘッド8において、通常時における、階調値に従ってパルス選択をさせるためのSPデータ(通常SPデータ)としては、図6Bに示すように、SIデータの各階調値と、各階調値において選択される駆動パルスとの対応関係について、選択される駆動パルスを”1”とし、選択されない駆動パルスを”0”として、図面矢印の順番に従って、すなわち、第8パルスの最大の階調値に対応する位置(TOP)から、第1パルスの最小の階調値に対応する位置(BOTTOM)までを順番に並べたデータとなっている。図6Bに示す対応関係がある場合には、図6Cに示すように、SPデータは、”00000001100000000010110000000000”の32bitのデータとなる。
図7は、本発明の一実施形態に係るSIデータと駆動信号との関係、SPデータ、及び送信データを説明する図である。図7Aは、SIデータと駆動信号との関係の一例を示す図であり、図7Bは、SPデータを示し、図7Cは、送信データを示す図である。
図7Aは、対応するヘッド8のオーバーラップ部のノズルの用紙幅方向の位置がずれている場合において、1ドット分のSIデータと、位置ずれがある2つのノズルのそれぞれによりドットを形成する場合(補正時)に、それぞれに対して選択される駆動パルスとの関係を示している。
補正時には、階調値1(SIデータでは、00)の場合には、ドットが出力されないように、第7パルスのみが選択され、インクが吐出されないようにされる。また、階調値2(SIデータでは、01)の場合には、通常時に出力される小ドットよりも小さいドットが形成されるように、第5パルス(駆動パルスXS)のみが選択される。階調値3(SIデータでは、10)の場合には、通常時に出力される中ドットよりも小さく(用紙幅方向の長さが短く、すなわち、インク滴のサイズが小さく)、且つ、用紙幅方向の長さに対して伸びた形状のドットが形成されるように、第2パルス(駆動パルスS)、第4パルス(駆動パルスS)、第5パルス(駆動パルスXS)が選択される。本実施形態では、第2パルスによるドットの吐出時点から第5パルスによるドットの吐出時点までの間隔(吐出間隔)が通常時の吐出間隔(本例では、第3パルスによる1つのインク滴であるので0である)よりも長くなっている。このように、インク滴のサイズが小さいが、吐出間隔が長くなっているので、ドットの用紙搬送方向の幅を、通常時と略同様な幅とすることができる。また、1つのノズルから出力されるドットの用紙幅方向の幅は小さいが、対応する2つのノズルから同一のドットが吐出されるのでこれらの面積をあわせると、通常時の1つのノズルからのドットと略同じ面積となり、画像上においては通常時と略同様に見えることとなる。
また、階調値4(SIデータでは、11)の場合には、通常時に出力される中ドットよりも小さく(用紙幅方向の長さが短く、すなわち、インク滴のサイズが小さく)、且つ用紙幅方向の長さに対して伸びた形状のドットが形成されるように、第1パルス(駆動パルスXM)、第4パルス(駆動パルスS)、及び第8パルス(駆動パルスXM)が選択される。本実施形態では、第1パルスによるドットの吐出時点から第8パルスによるドットの吐出時点までの間隔(吐出間隔)が、通常時の第3パルスによるドットの吐出時点から第6パルスによるドットの吐出時点までの吐出間隔よりも長くなっている。このように、インク滴のサイズが小さいが、吐出間隔が長くなっているので、ドットの用紙搬送方向の幅を、通常時と略同様な幅とすることができる。また、1つのノズルから出力されるドットの用紙幅方向の幅は小さいが、対応する2つのノズルから同一のドットが吐出されるのでこれらの面積をあわせると、通常時の1つのノズルからのドットと略同じ面積となり、画像上においては通常時と略同様に見えることとなる。
ヘッド8において、補正時における、階調値に従ってパルス選択をさせるためのSPデータ(補正用SPデータ)としては、図7Aに示すように、SIデータの各階調値と、各階調値において選択される駆動パルスとの対応関係について、選択される駆動パルスを”1”とし、選択されない駆動パルスを”0”として、図面矢印の順番に従って、すなわち、第8パルスの最大の階調値に対応する位置(TOP)から、第1パルスの最小の階調値に対応する位置(BOTTOM)までを順番に並べたデータとなっている。図7Aに示す対応関係がある場合には、図7Bに示すように、SPデータは、”10000001000001101100000001001000”の32bitのデータとなる。
図8は、本発明の一実施形態に係る各種信号を説明する図である。
ラッチ信号LATは、図8に示すように、駆動信号COMの第1パルスの供給開始タイミングに併せて立ち上がるように生成される。また、チャンネル信号CHは、図8に示すように、駆動信号COMの第2パルス、第3パルス、第4パルス、第5パルス、第6パルス、第7パルス、及び第8パルスの供給開始タイミングに併せて立ち上がるように生成される。したがって、ラッチ信号LATとチャンネル信号CHにより、各駆動パルスの供給開始タイミングを適切に把握することができる。また、データ転送信号DTSは、図8に示すように、後述するSI(H)データの開始タイミングと、SI(L)データの開始タイミングと、第1SPデータの開始タイミングに併せて立ち上がるように生成される。したがって、データ転送信号DTSにより、SI(H)データ、SI(L)データ、第1SPデータの開始タイミングを適切に把握することができる。
発信回路17は、クロック信号CKを発生して、ヘッド8に送信する。クロック信号CKは、図8に示すように、SIデータ及び第1乃至第3SPデータの各ビットと対応するタイミングを示している。
図5の説明に戻り、制御部16は、メモリー13に対する入出力を制御や、各種処理を実行する。制御部16は、データ格納処理部16aと、ヘッドデータ転送部16bと、吐出制御手段の一例としてのSPデータ決定部16cとを有する。
データ格納処理部16aは、I/F12を介して分配コントローラー6からの画像データを受け取ってメモリー13に格納する。また、データ格納処理部16aは、I/F12を介して分配コントローラー6からのヘッドの部位と、その制御に使用するパルス選択情報の種類(パルス選択種類)とを受け取ってメモリー13に格納する。
ヘッドデータ転送部16bは、ヘッド8に対して、メモリー13に格納されたSIデータと、ヘッド8の各部8A、8B、8Cの制御に使用するパルス選択種類に対応するSPデータとを送信する。ヘッドデータ転送部16bは、図7Cに示すように、SIデータと、単独部8Bの制御に使用する第1SPデータと、上側オーバーラップ部8Aの制御に使用する第2SPデータと、下側オーバーラップ部8Cの制御に使用する第3SPデータとをまとめてヘッド8に送信する。このSIデータ及びSPデータは、図8に示すように、これらデータを使用して印刷が行われる前の印刷周期TAにおいて、送信される。
SPデータ決定部16cは、メモリー13に格納された各部位に対応付けられたパルス選択種類に基づいて、上側オーバーラップ部8Aの制御に使用する第2SPデータと、下側オーバーラップ部8Cの制御に使用する第3SPデータとを決定する。なお、本実施形態では、単独部8Bの使用する第1SPデータとしては、図6Cに示す通常SPデータに固定されている。
SPデータ決定部16cは、上側オーバーラップ部8Aに通常SPデータが対応付けられている場合には、通常SPデータを上側オーバーラップ部8Aの制御に用いるSPデータとして決定し、上側オーバーラップ部8Aに補正用SPデータが対応付けられている場合には、補正用SPデータを上側オーバーラップ部8Aの制御に用いるSPデータとして決定し、上側オーバーラップ部8Aに不吐出SPデータが対応付けられている場合には、不吐出SPデータを上側オーバーラップ部8Aの制御に用いるSPデータとして決定する。また、SPデータ決定部16cは、下側オーバーラップ部8Cに通常SPデータが対応付けられている場合には、通常SPデータを下側オーバーラップ部8Cの制御に用いるSPデータとして決定し、下側オーバーラップ部8Cに補正用SPデータが対応付けられている場合には、補正用SPデータを下側オーバーラップ部8Cの制御に用いるSPデータとして決定し、下側オーバーラップ部8Cに不吐出SPデータが対応付けられている場合には、不吐出SPデータを下側オーバーラップ部8Cの制御に用いるSPデータとして決定する。
ヘッド8は、第1シフトレジスター(第1SR)22と、第2シフトレジスター(第2SR)23と、第3シフトレジスター(第3SR)21と、制御ロジック24と、第1ラッチ25と、第2ラッチ26と、デコーダー27と、レベルシフター28と、スイッチ回路29と、圧電振動子30とを有する。なお、制御ロジック24、第1ラッチ25、第2ラッチ26、デコーダー27、レベルシフター28、及びスイッチ回路29は、ヘッド8の各ノズル80に対応した数だけ設けられている。
IF15を介して送信されるSIデータ及びSPデータ、クロック信号CK、データ転送信号DTSは、それぞれ第1SR22、第2SR23、及び第3SR21に入力される。
第3SR21は、データ転送信号DTSに基づいて、SPデータの開始タイミングから、クロック信号CKに従って、第1SPデータ、第2SPデータ、第3SPデータを入力する。第1SR22は、データ転送信号DTSに基づいて、SI(H)データの開始タイミングから、クロック信号CKに従って、SI(H)データを入力する。第2SR23は、データ転送信号DTSに基づいて、SI(L)データの開始タイミングから、クロック信号CKに従って、SI(L)データを入力する。
第1SR22には、各第1ラッチ25が接続されており、第2SR23には、各第2ラッチ26が接続されている。ラッチ信号LATが第1ラッチ25及び第2ラッチ26に入力されており、ラッチ信号LATの立ち上がり時に、各第1ラッチ25は、SI(H)データ中の対応するノズル用のSIデータの上位ビットをラッチし、第2ラッチ26は、SI(L)データ中の対応するノズル用のSIデータの下位ビットをラッチする。第3SR21は、各ノズルに対応する制御ロジック24に接続されており、各制御ロジック24には、第3SR21により取得されたSPデータが入力される。具体的には、単独部8Bのノズル80に対応する制御ロジック14には、第1SPデータが入力され、上側オーバーラップ部8Aのノズル80に対応する制御ロジック24には、第2SPデータが入力され、下側オーバーラップ部8Cのノズルに対応する制御ロジック24には、第3SPデータが入力される。
制御ロジック24は、チャンネル信号CH、ラッチ信号LATに基づいて、SPデータ中の各SIデータに対応する次の駆動パルスについての選択可否を示すデータをデコーダー27に出力する。デコーダー27は、第1ラッチ25及び第2ラッチ26にラッチされた対応するノズルのSIデータ(2ビット)を入力し、当該SIデータと、制御ロジック24からの次の駆動パルスについての選択可否を示すデータとに基づいて、対応する駆動パルスを選択するか否かを示す信号を生成してレベルシフター28に出力する。
レベルシフター28は、駆動パルスを選択することを示す信号が入力された場合には、スイッチ回路29を駆動できる電圧、例えば、数十ボルト程度の電圧に昇圧された電気信号を出力する。スイッチ回路29には、制御信号COMが入力されており、レベルシフター28から駆動できる電圧の電気信号が供給されている場合には、制御信号COMの対応する駆動パルスが圧電振動子30に供給される一方、十分な電圧の電気信号が供給されていない場合には、駆動パルスを圧電振動子30に供給しない。ここで、制御ロジック24、デコーダー27及びスイッチ回路29によって、選択手段が構成される。
次に、ヘッドコントローラー7による画像形成制御処理について説明する。
図9は、本発明の一実施形態に係るヘッドコントローラーによる画像形成制御処理のフローチャートである。
なお、画像形成制御処理の前においては、PC2から画像形成媒体に形成する画像データ及びパルス選択種類が分配コントローラー6に送信され、分配コントローラー6により各ヘッドコントローラー7−1〜7−12に各ヘッドコントローラーで必要な画像データの部分及び当該コントローラー7に接続されているヘッド8に関するパルス選択種類が送信され、メモリー13に格納されているものとする。
ヘッドデータ転送部16bが、メモリー13から画像データの1ドットに対応するSIデータ(階調値)の上位ビットをまとめたSI(H)データを取得して、ヘッド8に送信する(ステップS1)。更に、ヘッドデータ転送部16bは、メモリー13からSIデータの下位ビットをまとめたSI(L)データを取得して、ヘッド8に送信する(ステップS2)。
次いで、ヘッドデータ転送部16bがメモリー13から通常SPデータを取得して、ヘッド8に送信する(ステップS3)。この通常SPデータは、ヘッド8の単独部8Bのノズル80によるインクの吐出を制御するために用いられる。
次いで、SPデータ決定部16cがメモリー13に格納されたパルス選択種類に基づいて、ヘッド8の上側オーバーラップ部8A用のSPデータがいずれであるかを判定する(ステップS4)。
この結果、種類が通常SPデータである場合には、SPデータ決定部16cがメモリー13から通常SPデータを取得して、ヘッド8に送信し(ステップS5)、種類が補正用SPデータである場合には、SPデータ決定部16cがメモリー13から補正用SPデータを取得して、ヘッド8に送信し(ステップS6)、種類が不吐出SPデータである場合には、SPデータ決定部16cがメモリー13から不吐出SPデータを取得して、ヘッド8に送信する(ステップS7)。
次いで、SPデータ決定部16cがメモリー13に格納されたパルス選択種類に基づいて、ヘッド8の下側オーバーラップ部8C用のSPデータがいずれであるかを判定する(ステップS8)。
この結果、種類が通常SPデータである場合には、SPデータ決定部16cがメモリー13から通常SPデータを取得して、ヘッド8に送信し(ステップS9)、種類が補正用SPデータである場合には、SPデータ決定部16cがメモリー13から補正用SPデータを取得して、ヘッド8に送信し(ステップS10)、種類が不吐出SPデータである場合には、SPデータ決定部16cがメモリー13から不吐出SPデータを取得して、ヘッド8に送信する(ステップS11)。
これによって、ヘッド8においては、ヘッド8の単独部8Bのノズル80については、通常SPデータに従って、インクの吐出が行われて各ドットが形成され、上部オーバーラップ部8A及び下部オーバーラップ部8Cについては、送信されたSPデータに従って、インクの吐出が行なわれて各ドットが形成されることとなる。
このため、オーバーラップ部8A、8Cのノズル80の用紙幅方向の位置がずれている場合には、補正用SPデータに従って、インクの吐出が行なわれることになり、例えば、図1Eに示すように、オーバーラップ部8A、8Cの各ノズル80からは、用紙搬送方向に長いドット(例えば、瓢箪状のドット)が形成されることとなる。このため、単独部8Bにおけるドットとの用紙搬送方向の幅を略同じにすることができ、線が細くなることを防止できる。また、本実施形態では、所定の階調値を補正用SPデータに従って形成された対応する2つのノズル80によるドットの合計の面積は、同一の階調値を通常SPデータに従って形成されたノズル80によるドットの面積と略同一であるので、同一の階調値に対応するドットの濃度の差はほとんどない。このため、オーバーラップ部8A、8Cにおいてノズルの用紙幅方向の位置がずれている場合にあっても、画像の質を比較的高くすることができる。
以上、本発明を実施形態に基づいて説明したが、本発明は上述した実施の形態に限られず、他の様々な態様に適用可能である。
例えば、上記実施形態では、複数のノズル80が用紙幅方向に並ぶようにしていたが、本発明はこれに限られず、複数のノズル80が幅方向とは異なる、搬送方向と交差する方向に並ぶようにしてもよく、要は、用紙幅方向の全体に亘ってノズル80が配置されるようにすればよい。
また、上記実施形態では、単独部8Bと、オーバーラップ部8A、8Cとの全てのノズル80において吐出するインク滴用の駆動パルスの全てを含む共通の駆動波形COMをヘッドコントローラー7からヘッド8に送信するようにし、ヘッド8側で必要な駆動パルスを選択するようにしていたが、本発明はこれに限られず、必要な駆動パルスを複数の駆動波形(例えば、単独のノズル80により画像データの1ドットを形成する際のインクの吐出制御に使用する駆動パルスを含む第1駆動波形と、オーバーラップ部8A、8Cのノズルの用紙幅方向の位置がずれている場合に使用する駆動パルスを含む第2駆動波形とに分けておき、これら第1及び第2駆動波形を並行してヘッド8に送信するようにし、ヘッド8側で必要な駆動パルスを選択するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、ヘッド8の各部(8A、8B、8C)における制御に使用する駆動パルスの種類(パルス選択種類)をPC2に予め設定するようにしているが、本発明はこれに限られず、プリンター3に、ヘッド8の各部における制御に使用するパルス選択種類を設定するようにしてもよい。また、上記実施形態では、オーバーラップ部8A、8Cのノズル80の用紙幅方向の位置がずれているか否かを示す情報に対応する情報としてパルス選択種類を用いてしていたが、本発明はこれに限られず、例えば、オーバーラップ部8A、8Cのノズル80の用紙幅方向の位置がずれているか否かを示す情報そのものを設定するようにしておき、その情報に基づいて使用する駆動パルスの種類(例えば、SPデータ)を決定するようにしてもよい。
1 画像形成システム、2 PC、3 ラインインクジェットプリンター、4 PC本体部、5 転送部、6 分配コントローラー、7(7−1〜7−12) ヘッドコントローラー、8(8−1〜8−12) ヘッド、8A 上側オーバーラップ部、8B 単独部、8C 下側オーバーラップ部、9 ヘッド列、10 ベルト、12、15 I/F、13 メモリー、14 駆動波形生成部、16 制御部、16a データ格納処理部、16b ヘッドデータ転送部、16c SPデータ決定部、17 発信回路、18 FFC、21 第3SR、22 第1SR、23 第2SR、24 制御ロジック、25 第1ラッチ、26 第2ラッチ、27 デコーダー、28 レベルシフター、29 スイッチ回路、30 圧電振動子。
Claims (8)
- 画像形成媒体の搬送方向と直交する媒体幅方向の印刷範囲に対して複数のヘッドを有し、媒体幅方向に対して前後に配置された2つのヘッドは、その端部において、双方のノズルが媒体幅方向の同一の領域における画像形成が可能となるように配置されている画像形成装置において、
前記2つのヘッドの端部における双方のノズルの前記媒体幅方向の位置がずれている場合に、所定の階調値に対応するドットとして、媒体幅方向の所定の位置を単独で担当するノズルにより形成される前記所定の階調値のドットよりも前記媒体幅方向の幅が短く、且つ前記搬送方向に対して伸びた形状のドットを作るように前記双方のノズルからインクを吐出させる制御を行う吐出制御手段
を備える画像形成装置。 - 所定の階調値に対応するドットは、複数のインク滴によって構成可能であり、
前記吐出制御手段は、前記媒体幅方向の所定の位置を単独で担当するノズルにより形成される前記所定の階調値のドットを構成するためのインク滴の吐出間隔に比して、前記双方のノズルのそれぞれにより吐出される複数のインク滴の吐出間隔を長くするように制御する
請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記吐出制御手段は、前記媒体幅方向の所定の位置を単独で担当するノズルにより形成される前記所定の階調値のドットを構成するためのインク滴よりも小さいインク滴を、前記双方のノズルにより吐出させる制御を行う
請求項2に記載の画像形成装置。 - 前記ノズルのそれぞれに対応して設けられ、供給される駆動パルスに応じて前記ノズルからインク滴を吐出可能な圧電振動子と、
前記媒体搬送方向の所定の範囲を複数のノズルにより担当するノズルによるインクの吐出に必要な複数の駆動パルスを含む駆動信号を出力する駆動信号出力手段と、
前記駆動信号から前記圧電振動子に供給する駆動パルスを選択する選択手段とを備え、
前記吐出制御手段は、前記2つのヘッドの端部における双方ノズルの前記媒体幅方向の位置がずれている場合に、前記選択手段に、前記駆動信号から、前記所定の階調値に対応するドットとして、前記搬送方向に対して伸びた形状のドットに必要なインク滴を吐出するための前記駆動パルスを選択させて前記双方のノズルに対応する前記圧電振動子に供給させる
請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の画像形成装置。 - 前記駆動信号出力手段は、各ノズルから吐出すべき全ての種類のインク滴を吐出可能にする複数の駆動パルスを含む駆動信号を出力する
請求項4に記載の画像形成装置。 - 各階調値と、前記媒体幅方向の位置がずれている前記2つのヘッドの端部における双方ノズルに対応する圧電振動子に供給するために選択すべき駆動パルスとの対応関係を示す補正用パルス選択情報を記憶する記憶手段を更に有し、
前記吐出制御手段は、前記2つのヘッドの端部における双方のノズルの前記媒体幅方向の位置がずれている場合に、前記選択手段に前記補正用パルス選択情報を送信し、
前記選択手段は、前記補正用パルス選択情報に基づいて、前記双方のノズルに対応する前記圧電振動子に供給する駆動パルスを前記駆動信号から選択する
請求項4又は請求項5に記載の画像形成装置。 - 前記ヘッドの端部のノズルが、前記媒体幅方向の前又は後のヘッドの端部のノズルと前記媒体幅方向の位置がずれているか否かを示す位置ずれ情報を記憶する位置ずれ情報記憶手段を更に備え、
前記吐出制御手段は、前記位置ずれ情報が双方のノズルが前記媒体幅方向に位置ずれしていることを示している場合に、前記補正用パルス選択情報を送信する
請求項6に記載の画像形成装置。 - 前記所定の階調値について、前記媒体幅方向の所定の位置を単独で担当するノズルにより形成されるドットの面積と、媒体搬送方向の所定の範囲を担当する双方のノズルにより形成されるドットの面積は、略同じ面積である
請求項7に記載の画像形成装置。
Priority Applications (1)
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JP2009034442A JP2010188588A (ja) | 2009-02-17 | 2009-02-17 | 画像形成装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP7434781B2 (ja) | 2018-11-30 | 2024-02-21 | 株式会社リコー | 画像形成装置、画像形成プログラム及び画像形成システム |
-
2009
- 2009-02-17 JP JP2009034442A patent/JP2010188588A/ja active Pending
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