JP2010188587A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】生産性及び画像品質を比較的維持しつつ、ヘッドのオーバーヒートの発生を低減することのできる技術を提供する。
【解決手段】前段ヘッド列9−1のヘッド8−1及び後段ヘッド列9−2のヘッド8−13の温度を検出する温度センサー31と、ヘッド8−1とヘッド8−13とのいずれの温度が高いかを判定する温度判定部16cと、温度が高いと判定されたヘッドによる所定の階調値のドットを、通常サイズより小さいサイズで形成させるためのSPデータと、温度が低いと判定されたヘッドによる所定の階調値のドットを、通常サイズよりも大きいサイズで形成させるためのSPデータと、を決定するSPデータ決定部16dと、各SPデータをヘッド8−1、8−13に送信するヘッドデータ転送部16bとを備えるようする。
【選択図】図5

Description

本発明は、画像形成媒体の搬送方向と直交する方向の略同一の印刷範囲に対してインクを吐出可能なノズルが形成された複数のヘッドを備える画像形成装置に関し、特に、ヘッドのオーバーヒートへの対策技術に関する。
例えば、産業用途向けのプリンターにおいては、印刷速度に対する要求が高く、ヘッドを用紙の幅方向に移動させて印刷させるようなコンシューマープリンターでは、その印刷速度に対する要求を満たすことができない。そこで、用紙の幅方向の一列全体の範囲に対してインクを吐出させることのできるラインヘッドを備え、ヘッドの移動を伴わずに用紙の幅方向の印刷が可能なラインインクジェットプリンターが採用されるようになっている。このようなラインインクジェットプリンターにおいて、高画質化や多色化を実現するためには、例えば、ヘッド自体の解像度を上げる方法や、複数のヘッド列をノズルの位置を用紙の幅方向にずらして、用紙の搬送方向に並べる方法がある。現在においては、後者の方法がコストパフォーマンスの面では優れている。
例えば、ヘッド列を用紙の搬送方向に複数(例えば2列)配置しているプリンターにおいては、前段のヘッド列による印字がされた後に、乾燥していない状態で後段のヘッド列による印字がされてしまうと、インクが滲んで画質が低下する問題がある。そのため、複数のヘッド列の間に、ヒーターを配置してインクを乾燥させるようにすることも行われている。
プリンターにおいては、印刷を行うとヘッド自体が発熱するので、高速に印刷する場合には、ヘッドの温度が上昇してしまって、すなわち、オーバーヒートしてしまって、適切な印刷が行えなくなる虞がある。
さらに、上記したようにヒーターを用いているプリンターの場合には、ヒーターによる熱によって雰囲気温度が上昇等するために、ヘッドのオーバーヒートとなる可能性が高くなる問題がある。
例えば、特許文献1には、画像データの転送量を減少させて、印刷時に動作するノズル数を減らすことにより、ヘッドの昇温を抑制する技術が開示されている。
特開2000−20253号公報
従来の技術としては、ヘッドがオーバーヒートしそうになった場合に、印刷速度を調整して回避する方法と、一律に印刷濃度を下げて回避する方法とが考えられる。
しかしながら、印刷速度を調整して回避する場合には、プリンターの印刷速度が低下することにより、印刷物の生産性が大きく低下してしまう。一方、印刷濃度を下げて回避する場合には、所望の画像品質が得られず、例えば、印刷物を商品とすることができない虞がある。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、生産性及び画像品質を比較的維持しつつ、ヘッドのオーバーヒートの発生を低減することのできる技術を提供することにある。
上記目的達成のため、本発明の第1の観点に係る画像形成装置は、画像形成媒体の搬送方向と直交する方向の所定の印刷範囲に対してインクを吐出可能な複数のノズルが形成された第1ヘッドと、搬送方向の異なる位置に備えられ、所定の印刷範囲と略同一の範囲に対してインクを吐出可能な複数のノズルが形成された第2ヘッドとを備える画像形成装置であって、第1ヘッド及び第2ヘッドの温度を検出する温度検出手段と、第1ヘッドと、第2ヘッドとのいずれの温度が高いかを判定する判定手段と、判定手段によって温度が高いと判定されたヘッドによる所定の階調値のドットを、基準のインク量より少ないインク量で形成させ、温度が低いと判定されたヘッドによる所定の階調値のドットを、基準のインク量より多いインク量で形成させるドット形成制御手段とを有する。
係る画像形成装置によると、温度が高いと判定されたヘッドによる所定の階調値のドットのインク量を少なくするので、当該ヘッドにおける発熱量を低減することができる。さらに、温度が低いと判定されたヘッドにより、所定の階調値のドットのインク量を多くするので、インク量が少なくしたドットと、この近傍の同一階調値のドットとの合計のインク量を、インク量を変更しない場合の合計のインク量と同じ、又はその合計のインク量に近づけることができるので、比較的高い画質を確保することができる。
上記画像形成装置において、ドット形成制御手段は、温度の高いヘッドの温度が所定の基準温度以上であり、温度の低いヘッドの温度が所定の基準温度以下である場合に、判定手段によって温度が高いと判定されたヘッドによる所定の階調値のドットを、基準のインク量より少ないインク量で形成させ、温度が低いと判定されたヘッドによる所定の階調値のドットを、基準のインク量より多いインク量で形成させるようにしてもよい。係る画像形成装置によると、基準温度以上になったヘッドの発熱量を適切に抑えることができる。
上記画像形成装置において、ノズルのそれぞれに対応して、ノズルからのインクの吐出を制御する圧電振動子を備え、ドット形成制御手段は、圧電振動子に供給するインクを吐出可能な信号の回数を変化させる、又は圧電振動子に供給するインクを吐出可能にする信号の電圧を変化させることにより、吐出させるインク量を変化させるようにしてもよい。係る画像形成装置によると、吐出させるインク量を適切に変化させることができる。
また、上記画像形成装置において、ドット形成制御手段は、所定以上の階調値のドットについて、吐出させるインク量を変化させるようにしてもよい。係る画像形成装置によると、所定以上の階調値のドットを形成する際におけるヘッドの発熱量を抑えることができる。
また、上記画像形成装置において、ドット形成制御手段は、温度が高いと判定されたヘッドの温度が高いほど、インク量を調整する対象の階調値を多くするようにしてもよい。係る画像形成装置によると、インク量を調整する対象の階調値が多いので、より効果的にヘッドの発熱量を抑えることができる。
また、上記画像形成装置において、ドット形成制御手段は、温度が高いと判定されたヘッドの温度に応じて、吐出させるインク量を変化させる候補のノズルの数を変えるようにしてもよい。係る画像形成装置によると、ヘッドの温度に応じて、インク量を変化させる候補のノズル数を変えることができるので、例えば、温度が高いほどインク量を変化させる候補のノズル数を増やすことにより、適切にヘッドの発熱量を低減することができる。
また、上記画像形成装置において、判定手段は、1枚の画像形成媒体に画像を形成する毎に、第1ヘッドと、第2ヘッドとのいずれの温度が高いかを判定し、ドット形成制御手段は、判定結果に基づいて、1枚の画像形成媒体の画像形成におけるインクの吐出を制御するようにしてもよい。係る画像形成装置によると、1枚の画像形成媒体に画像を形成する毎に適切にヘッドの温度による判定を行ってドットの形成制御を適切に行うことができる。また、1枚の画像形成媒体に対する画像の形成において、同一の制御が行なわれるので、画像形成媒体内で画像の質がばらつくことを防止できる。
また、上記画像形成装置において、所定の階調値の場合に、温度の高いヘッドにおいて基準のインク量から減らすインク量と、温度の低いヘッドにおいて増加させるインク量とは、略同量であってもよい。係る画像形成装置によると、同一の階調値のドットが隣接する場合に、これらドットの平均のインク量を、基準のインク量と同一にすることができ、画像の質を比較的高く維持することができる。
本発明の一実施形態に係る画像形成システムの構成図である。 本発明の一実施形態に係るヘッドの配置及び構成を説明する図である。 本発明の一実施形態に係る画像データ及び各ヘッドの制御に用いられる画像データを説明する第1の図である。 本発明の一実施形態に係る画像データ及び各ヘッドの制御に用いられる画像データを説明する第2の図である。 本発明の一実施形態に係るヘッドコントローラー及びヘッドのハードウエア構成図である。 本発明の一実施形態に係る駆動信号及び吐出されるインクドットを説明する図である。 本発明の一実施形態に係る各種信号を説明する図である。 本発明の一実施形態に係るSIデータ及びSPデータを説明する図である。 本発明に係るSPデータを説明するためのSIデータと出力させるドットサイズとの対応関係を示す図である。 本発明の一実施形態に係るヘッドコントローラーによる画像形成制御処理のフローチャートである。 本発明の第2の変形例に係るドット制御の候補とするノズルのグループを説明する図である。
本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている諸要素及びその組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
まず、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の一例としてのラインインクジェットプリンター(以下、プリンターという)を含む画像形成システムを説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成システムの構成図である。
画像形成システム1は、PC(Personal Computer)2と、プリンター3とを有する。
PC2は、PC本体部4と、転送部5とを有する。PC本体部4は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を有し、プリンター3に印刷させる画像の画像データを生成し、転送部5に渡す処理を実行する。転送部5は、PC本体部4から受け取った画像データに基づいて、プリンター3用の画像データを生成する。転送部5は、例えば、プリンター3により形成する1枚の画像の全体についての各色(例えば、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック))ごとの各画像データ(ドットパターンデータ、ビットマップデータ)を生成する。本実施形態では、転送部5は、例えば、RGBからCMYKへの色変換や、ノズル補正等を行う。また、転送部5は、各色毎の画像データをプリンター3に順次送信する。
プリンター3は、分配コントローラー6と、複数(例えば、12個)のヘッドコントローラー7−1〜7−12(特定のヘッドコントローラーを示さない場合には、ヘッドコントローラー7と記載する場合がある)と、複数(例えば、24個)のヘッド8−1〜8−24(特定のヘッドを示さない場合には、ヘッド8と記載する場合がある)とを有する。
分配コントローラー6は、複数のヘッドコントローラー7−1〜7−12と接続されている。分配コントローラー6は、PC2の転送部5から送信される画像データを取得し、当該画像データのうち各ヘッドコントローラー7に必要な部分の画像データを各ヘッドコントローラー7に分配する。各ヘッドコントローラー7には、前段ヘッド列9−1の1つのヘッド8と、当該ヘッド8と用紙搬送方向に略垂直な方向の略同一の範囲を印刷するための後段ヘッド列9−2のヘッド8とが接続され、当該2つのヘッド8を制御するようになっている。例えば、ヘッドコントローラー7−1は、前段ヘッド列9−1のヘッド8−1と、対応する後段ヘッド列9−2のヘッド8−13とが接続されている。
図2は、本発明の一実施形態に係るヘッドの配置及び構成を説明する図である。図2Aは、ヘッドの配置を示すプリンター3の上面図であり、図2Bは、ヘッドの上面図である。なお、図2A、図2Bにおいては、各ノズルについては、上面から透視した様子を示している。
プリンター3には、図示しない給紙トレイから供給される紙、OHPシート、布等の用紙(画像形成媒体)を搬送するベルト10が備えられている。ベルト10は、図示しないモータにより駆動される。ベルト10は、用紙に印刷(画像形成)を行う際には、用紙を搬送方向、すなわち、上流側(図2A左側)から下流側(図2A右側)に略一定の速度で搬送する。
プリンター3においては、複数のサイズの用紙に印刷を行うことができるようになっている。本実施形態では、プリンター3においては、図2Aに示すように幅W(最大印刷可能幅)までの種々のサイズの用紙の印刷が可能である。本実施形態のプリンター3は、用紙のサイズによらず、搬送方向に垂直な方向(用紙幅方向)の略中央がベルト10の用紙幅方向の略中央を搬送されるように構成されている。
プリンター3には、複数のヘッド8−1〜8−12(第1ヘッド)から構成される前段ヘッド列9−1と、複数のヘッド8−13〜8−24(第2ヘッド)から構成される後段ヘッド列9−2とが備えられている。前段ヘッド列9−1と、後段ヘッド列9−2とは、それぞれ用紙幅方向の最大印刷可能幅Wの全体に亘って所定の解像度(例えば、360dpi)によりインクを噴射できるようになっている。
ヘッド8は、図2Bに示すように、インクを噴射する複数のノズル(例えば、シアンインク吐出用の複数のノズル80Cと、マゼンタインク吐出用の複数のノズル80Mと、イエローインク吐出用の複数のノズル80Yと、ブラックインク吐出用の複数のノズル80K)が、用紙が搬送される側(図面奥行き方向)に向けて設けられている。本実施形態では、ヘッド8には、例えば、用紙幅方向に複数個(例えば、180個)のシアンインクのノズル80Cが並んだシアン用のノズル列と、複数個のノズル80Mが並んだマゼンタ用のノズル列と、複数個のノズル80Yが並んだイエロー用のノズル列と、複数個のノズル80Kが並んだブラック用のノズル列とが、搬送方向に並んで形成されている。ヘッド8においては、各ノズル(80C、80M、80Y、80K)に対応するように、供給される駆動信号に応じて伸縮する圧電振動子30(図5参照)が設けられており、圧電振動子30の伸縮を制御することにより、各ノズルからのインクの吐出を制御できるようになっている。また、ヘッド8には、ヘッド8の温度を検出する温度検出手段の一例としての温度センサー31が設けられている。
前段ヘッド列9−1は、図2Aに示すように、複数のヘッド8が用紙幅方向に対して千鳥状(互い違い)に並ぶように構成されている。前段ヘッド列9−1の上流側に配置された複数のヘッド8(8−1、8−3、8−5、8−7、8−9、8−11)は、所定の間隔をあけて幅方向に沿って配列されている。下流側に配置された複数のヘッド8(8−2、8−4、8−6、8−8、8−10、8−12)のそれぞれは、最大印刷可能幅において上流側のヘッド8によって印刷できない部分(例えば、各ヘッド8の間)の印刷を補うように配置されている。このように、複数のヘッド8を配置することによって、用紙幅方向の最大印刷可能幅Wの全体に亘って所定の解像度によりインクを噴射できるようになっている。
後段ヘッド列9−2は、図2Aに示すように、複数のヘッド8が用紙幅方向に対して千鳥状に並ぶように構成されている。後段ヘッド列9−2の上流側に配置された複数のヘッド8(8−13、8−15、8−17、8−19、8−21、8−23)は、所定の間隔をあけて用紙幅方向に沿って配列されている。下流側に配置された複数のヘッド8(8−14、8−16、8−18、8−20、8−22、8−24)のそれぞれは、最大印刷可能幅において上流側のヘッド8によって印刷できない部分(例えば、各ヘッド8の間)の印刷を補うように配置されている。このように、複数のヘッド8を配置することによって、用紙幅方向の最大印刷可能幅Wの全体に亘って所定の解像度によりインクを噴射できるようになっている。
本実施形態においては、前段ヘッド列9−1の各ヘッド8と、後段ヘッド列9−2の対応する各ヘッド8(用紙幅方向の略同一の範囲を印刷するためのヘッド8)とのノズル80C、80M、80Y、80Kの幅方向における配置位置が異なっている。すなわち、図2Bに示すように、前段ノズル列9−1のヘッド8−1におけるノズル80C、80M、80Y、80Kの用紙幅方向における配置位置は、後段ノズル列9−2の対応するヘッド8−13のノズル80C、80M、80Y、80Kの用紙幅方向における配置位置とは、ノズルピッチの半分だけずれている。このように、前段ヘッド列9−1と後段ヘッド列9−2との対応するヘッド8同士のノズルの用紙幅方向の配置位置が、ノズルピッチの半分だけずれているので、前段ヘッド列9−1及び後段ヘッド列9−2により画像を形成すると、前段ヘッド列9−1で形成できる画像の倍の解像度(例えば、720dpi)の画像を形成することができる。
図3及び図4は、本発明の一実施形態に係る画像データ及び各ヘッドの制御に用いられる画像データを説明する図である。図3は、最大印刷可能幅Wの画像の画像データを説明する図であり、図4は、各ヘッドの制御に用いられる画像データを詳細に説明する図である。
図3に示すように、印刷する画像が最大印刷可能幅Wの画像である場合には、転送部5は、図示しないメモリーに格納されている印刷画像の色毎の画像データGCを読み出して、プリンター3の分配コントローラー6に送信する。この画像データは、それぞれのドットの用紙幅方向の位置を担当するヘッド8の制御に利用され、本実施形態では、下の領域から順に、ヘッド8−1用データ又はヘッド8−13用データ、ヘッド8−2用データ又はヘッド8−14用データ、ヘッド8−3用データ又はヘッド8−15用データ、・・・ヘッド8−10用データ又はヘッド8−22用データ、ヘッド8−11用データ又はヘッド8−23用データ、ヘッド8−12用データ又はヘッド8−24用データとなっている。
本実施形態においては、前段ヘッド列9−1及び後段ヘッド列9−2によって用紙幅方向の画像を形成するようにしているので、用紙幅方向に隣り合う画素を形成するノズルが属するヘッド列が異なっている。このため、画像データにおける各ラインのデータは、前段ヘッド列9−1のヘッド8で使用されるデータと、後段ヘッド列9−2の対応するヘッド8で使用されるデータとが交互に並んでいることとなる。例えば、図4に示すように、画像データにおいては、前段ヘッド列9−1のヘッド8−1用のデータと、後段ヘッド列9−2のヘッド8−13用のデータとが交互に並び、また、同様に、前段ヘッド列9−1のヘッド8−2用のデータと、後段ヘッド列9−2のヘッド8−14用のデータとが交互に並んでいる。
図5は、本発明の一実施形態に係るヘッドコントローラー及びヘッドのハードウエア構成図である。
ヘッドコントローラー7と、前段ヘッド列9−1のヘッド8及び後段ヘッド列9−2のヘッド8とは、それぞれ、例えば、フレキシブルフラットケーブル(FFC)18を介して接続されている。
ヘッド8には、上記したように複数の色(例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)のそれぞれに対応するノズル列が1列ずつ設けられている。ヘッド8において、各ノズルに対応するように、圧電振動子(駆動素子)30が設けられており、圧電振動子30に駆動パルスを供給することにより圧電振動子30の伸縮を制御し、対応するノズルからのインクの噴射を制御できるようになっている。
ヘッドコントローラー7は、I/F(インターフェース)12、15と、メモリー13と、駆動波形生成部14と、制御部16と、発信回路17とを有している。
IF12は、分配コントローラー6と、ヘッドコントローラー7との間のデータ、信号の送受信を仲介する。IF15は、ヘッドコントローラー7とヘッド8との間のデータ、信号の送受信を仲介する。
メモリー13は、プログラムやデータを記憶する領域として、或いは、制御部16による処理に使用しているデータを格納する作業領域として利用される。本実施形態では、メモリー13には、例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色インクによる印刷を行う場合には、各色(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)のSIデータが格納される。また、メモリー13には、各色(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)のSPデータが複数パターン格納される。各SIデータは、印刷する画像における各ドットの階調値を示すデータである。本実施形態では、各ドットを階調値1〜4(2進数で、00〜11)で表しており、ドット毎に2bit(ビット)のデータとしている。SPデータは、各階調値に対応して選択すべき後述する駆動信号COMの駆動パルスを示すデータである。なお、SIデータ及びSPデータの詳細については、後述する。
駆動波形生成部14は、制御部16の指示を受けて、各種信号を生成してヘッド8に供給する。本実施形態では、駆動波形生成部14は、駆動信号COM、ラッチ信号LAT、チャンネル信号CH、データ転送信号DTSを生成して送信する。
図6は、本発明の一実施形態に係るプリンターの駆動信号を説明する図である。図6Aは、駆動信号を示し、図6Bは、駆動信号の駆動パルスを選択することにより形成可能なドットを示している。
駆動波形生成部14は、所定の周期(用紙幅方向の1ラインを形成するための期間:印刷周期TA)毎に、複数の駆動パルス(要素波形)を有する駆動信号COMを生成する。本実施形態では、駆動波形生成部14は、印刷周期TA毎に、図6Aに示すように、第1駆動パルスP1と、第2駆動パルスP2と、第3駆動パルスP3と、第4駆動パルスP4とを含む駆動信号COMを生成する。本実施形態では、第1駆動パルスP1、第2駆動パルスP2、第3駆動パルスP3、第4駆動パルスP4とは、同様の波形となっている。第1駆動パルスP1、第2駆動パルスP2、第3駆動パルスP3、または第4駆動パルスP4が圧電振動子30に供給されると、対応するノズルからは、所定量のインクが噴出される。
本実施形態においては、図6Bに示すように圧電振動子30へ供給される駆動パルスを選択することにより、ドットを5通りに表現することができる。すなわち、全ての駆動パルスの供給をさせないと、ドットなし(サイズ0)とすることができ、1つの駆動パルスのみを供給させると、小ドット(サイズ1)を形成することができ、2つの駆動パルスを供給させると、中ドット(サイズ2)を形成することができ、3つの駆動パルスを供給させると、大ドット(サイズ3)を形成することができ、4つの駆動パルスを供給させると、特大ドット(サイズ4)を形成することができる。なお、形成するドットのサイズが大きいほど、圧電振動子30における発熱量が多くなる。
図7は、本発明の一実施形態に係る各種信号を説明する図である。
ラッチ信号LATは、図7に示すように、駆動信号COMの第1駆動パルスP1の供給開始タイミングに併せて立ち上がるように生成される。また、チャンネル信号CHは、図7に示すように、駆動信号COMの第2駆動パルスP2、第3駆動パルスP3、第4駆動パルスP4の供給開始タイミングに併せて立ち上がるように生成される。したがって、ラッチ信号LATとチャンネル信号CHにより、各駆動パルスの供給開始タイミングを適切に把握することができる。また、データ転送信号DTSは、図7に示すように、後述するSI(H)データの開始タイミングと、SI(L)データの開始タイミングと、SPデータの開始タイミングに併せて立ち上がるように生成される。したがって、データ転送信号DTSにより、SI(H)データ、SI(L)データ、SPデータの開始タイミングを適切に把握することができる。
発信回路17は、クロック信号CKを発生して、ヘッド8に送信する。クロック信号CKは、図7に示すように、SIデータ及びSPデータの各ビットと対応するタイミングを示している。
図5の説明に戻り、制御部16は、メモリー13に対する入出力を制御や、各種処理を実行する。制御部16は、データ格納処理部16aと、ヘッドデータ転送部16bと、判定手段の一例としての温度判定部16cと、ドット形成制御手段の一例としてのSPデータ決定部16dとを有する。
データ格納処理部16aは、I/F12を介して分配コントローラー6からの画像データを受け取ってメモリー13に格納する。
ヘッドデータ転送部16bは、前段ヘッド列9−1のヘッド8に対して、メモリー13に格納されたSIデータのうちの前段ヘッド列9−1のヘッド8に対応するSIデータと、SPデータ決定部16dによって前段ヘッド列9−1のヘッド8に送信するように決定されたSPデータとを送信する。また、ヘッドデータ転送部16bは、後段ヘッド列9−2のヘッド8に対して、メモリー13に格納されたSIデータのうちの後段ヘッド列9−2のヘッド8に対応するSIデータと、SPデータ決定部16dによって後段ヘッド列9−2のヘッド8に送信するように決定されたSPデータとを送信する。
図8は、本発明の一実施形態に係るプリンターのSIデータ及びSPデータを説明する図である。図8Aは、ヘッドデータ転送部16bにより送信されるデータ形式を示し、図8Bは、SPデータを説明する図である。
ヘッドデータ転送部16bは、各色毎に、図8Aに示すように、SIデータとSPデータとをまとめてヘッド8に送信する。ヘッドデータ転送部16bは、SIデータを、各ノズルの1つのドットに対応するSIデータ(階調値)の上位ビットをまとめたSI(H)データと、下位ビットをまとめたSI(L)データとの構成としている。このSIデータ及びSPデータは、図7に示すように、これらデータを使用して印刷が行われる前の印刷周期TAにおいて、送信される。
温度判定部16cは、I/F15を介して、前段ヘッド列9−1のヘッド8(前段側のヘッドという)の温度センサー31からの温度データと、後段ヘッド列9−2のヘッド8(後段側のヘッドという)の温度センサー31からの温度データを取得する。本実施形態では、温度判定部16cは、1枚の画像形成媒体に対する画像を形成する直前に温度データを取得する。また、温度判定部16cは、前段側のヘッド8の温度が所定の基準温度Taを超えているか否かを判定するとともに、後段側のヘッド8の温度が所定の基準温度Taを超えているか否かを判定し、SPデータ決定部16dに通知する。また、温度判定部16cは、前段側のヘッド8と、後段側のヘッド8との温度のいずれが高いかを判定し、SPデータ決定部16dに通知する。
SPデータ決定部16dは、温度判定部16cによる判定結果に基づいて、印刷において各ヘッド8に送信すべきSPデータを決定する処理を実行する。具体的に、SPデータ決定部16dは、前段側のヘッド8と、後段側のヘッド8との双方の温度が所定の基準温度Taを超えている場合には、温度の上昇を防止できないとしてオーバーヒートエラー処理を実行する。
また、SPデータ決定部16dは、前段側のヘッド8と、後段側のヘッド8との双方の温度が所定の基準温度Ta以下である場合には、ヘッド8の温度には問題がないとして、前段側のヘッド8と、後段側のヘッド8とのそれぞれに送信するSPデータとして、階調値に対応する基準(通常)のサイズのドットを出力するためのSPデータに決定する。
また、SPデータ決定部16dは、前段側のヘッド8、又は、後段側のヘッド8のうちの高い方の温度が所定の基準温度Taを超え、且つ低い方の温度が所定の基準温度Ta以下である場合には、温度の高い方のヘッド8に送信するSPデータとして、所定の階調値のドットとして通常(基準)のサイズよりも小さいサイズのドット(通常よりもインク量の少ないドット)を出力するためのSPデータに決定し、温度の低い方のヘッド8に送信するSPデータとして、所定の階調値のドットとして通常(基準)のサイズよりも大きいサイズのドット(通常よりもインク量の多いドット)を出力するためのSPデータに決定する。
次に、SPデータについて説明する。
図8Bは、1ドット分のSIデータと、通常状態(前段のヘッド8と、後段のヘッド8とが基準温度Ta以下にある場合)の印刷時において形成されるドットのサイズ及び当該サイズを実現するために選択すべきパルスとの関係を示している。
通常の印刷時においては、階調値1(SIデータでは、00)の場合には、ドットなしであり、いずれの駆動パルスも選択されないようにする必要がある。また、階調値2(SIデータでは、01)の場合には、小ドットが形成されるように、第1駆動パルスP1のみが選択されるようにする必要がある。階調値3(SIデータでは、10)の場合には、中ドットが形成されるように、第1駆動パルスP1及び第2駆動パルスP2が選択されるようにする必要がある。また、階調値4(SIデータでは、11)の場合には、大ドットが形成されるように、第1駆動パルスP1,第2駆動パルスP2、及び第3駆動パルスP3が選択されるようにする必要がある。
ヘッド8において、このように階調値に従ってパルス選択をさせるためのSPデータとしては、図8Bに示すように、SIデータの各階調値と、各階調値において選択される駆動パルスとの対応関係について、選択される駆動パルスを”1”とし、選択されない駆動パルスを”0”として、図面矢印の順番に従って、すなわち、第4駆動パルスP4の最大の階調値に対応する位置(TOP)から、第1駆動パルスP1の最小の階調値に対応する位置(BOTTOM)までを順番に並べたデータとなっている。図8Bに示す対応関係がある場合には、図8Aに示すように、SPデータは、”0000100011001110”の16bitのデータとなる。
図9は、本発明に係るSPデータを説明する図である。図9Aは、通常状態におけるSPデータを説明する図であり、図9Bは、前段のヘッド8又は後段のヘッド9の一方だけが基準温度Taを超えた状態(温度注意状態)におけるSPデータを説明する図である。
通常状態においては、SPデータ決定部16dは、図9Aに示すように、前段のヘッド8及び後段のヘッド8のいずれにおいても、SIデータが00の場合には、サイズ0のドット(ドットなし)とされ、SIデータが01の場合に、サイズ1のドット(小ドット)が形成され、SIデータが10の場合に、サイズ2のドット(中ドット)が形成され、SIデータが11の場合に、サイズ3のドット(大ドット)が形成されるようにするためのSPデータに決定する。通常状態においては、前段のヘッド8及び対応する後段のヘッド8により形成される隣接する2つのドットのサイズの合計(インク量に相当)は、それぞれのSIデータが00の場合には、0であり、それぞれのSIデータが01の場合には、2であり、それぞれのSIデータが10の場合には、4であり、それぞれのSIデータが11の場合には、6となる。
一方、温度注意状態においては、SPデータ決定部16dは、図9Bに示すように、温度の低い方のヘッド8に対するSPデータとして、SIデータが00の場合には、サイズ0のドット(ドットなし)とされ、SIデータが01の場合には、サイズ1のドット(小ドット)が形成され、SIデータが10の場合には、サイズ2のドット(中ドット)よりも大きいサイズ3のドット(大ドット)が形成され、SIデータが11の場合には、サイズ3のドット(大ドット)よりも大きいサイズ4のドット(特大ドット)が形成されるようにするためのSPデータに決定する。また、SPデータ決定部16dは、図9Bに示すように、温度の高い方のヘッド8に対するSPデータとして、SIデータが00の場合には、サイズ0のドット(ドットなし)とされ、SIデータが01の場合には、サイズ1のドット(小ドット)が形成され、SIデータが10の場合には、サイズ2のドット(中ドット)よりも小さいサイズ1のドット(小ドット)が形成され、SIデータが11の場合には、サイズ3のドット(大ドット)よりも小さいサイズ2のドット(中ドット)が形成されるようにするためのSPデータに決定する。このように、SPデータが決定されるので、温度の高い方のヘッド8におけるドットサイズを小さくすることができるので、発熱量を抑えることができる。
この温度注意状態においては、前段のヘッド8及び後段のヘッド8により形成される隣接する2つのドットのサイズの合計は、それぞれのSIデータが00の場合には、0であり、それぞれのSIデータが01の場合には、2であり、それぞれのSIデータが10の場合には、4であり、それぞれのSIデータが11の場合には、6となる。このように、温度注意状態においても、前段のヘッド8及び後段のヘッド8により形成される隣接する2つのドットのサイズの合計(インク量に相当)、換言すると平均のサイズを、通常状態と同様にすることができ、比較的高い画質を確保することができる。
図5の説明に戻り、ヘッド8は、第1シフトレジスター(第1SR)22と、第2シフトレジスター(第2SR)23と、第3シフトレジスター(第3SR)21と、制御ロジック24と、第1ラッチ25と、第2ラッチ26と、デコーダー27と、レベルシフター28と、スイッチ回路29と、圧電振動子30とを有する。なお、制御ロジック24、第1ラッチ25、第2ラッチ26、デコーダー27、レベルシフター28、及びスイッチ回路29は、ヘッド8の各ノズルに対応した数だけ設けられている。
IF15を介して送信されるSIデータ及びSPデータ、クロック信号CK、データ転送信号DTSは、それぞれ第1SR22、第2SR23、及び第3SR21に入力される。
第3SR21は、データ転送信号DTSに基づいて、SPデータの開始タイミングから、クロック信号CKに従って、SPデータを入力する。第1SR22は、データ転送信号DTSに基づいて、SI(H)データの開始タイミングから、クロック信号CKに従って、SI(H)データを入力する。第2SR23は、データ転送信号DTSに基づいて、SI(L)データの開始タイミングから、クロック信号CKに従って、SI(L)データを入力する。
第1SR22には、各第1ラッチ25が接続されており、第2SR23には、各第2ラッチ26が接続されている。ラッチ信号LATが第1ラッチ25及び第2ラッチ26に入力されており、ラッチ信号LATの立ち上がり時に、各第1ラッチ25は、SI(H)データ中の対応するノズル用のSIデータの上位ビットをラッチし、第2ラッチ26は、SI(L)データ中の対応するノズル用のSIデータの下位ビットをラッチする。第3SR21は、各制御ロジック24に接続されており、各制御ロジック24には、第3SR21により取得されたSPデータが入力される。
制御ロジック24は、チャンネル信号CH、ラッチ信号LATに基づいて、SPデータ中の各SIデータに対応する次の駆動パルスについての選択可否を示すデータをデコーダー27に出力する。デコーダー27は、第1ラッチ25及び第2ラッチ26にラッチされた対応するノズルのSIデータ(2ビット)を入力し、当該SIデータと、制御ロジック24からの次の駆動パルスについての選択可否を示すデータとに基づいて、対応する駆動パルスを選択するか否かを示す信号を生成してレベルシフター28に出力する。
レベルシフター28は、駆動パルスを選択することを示す信号が入力された場合には、スイッチ回路29を駆動できる電圧、例えば、数十ボルト程度の電圧に昇圧された電気信号を出力する。スイッチ回路29には、制御信号COMが入力されており、レベルシフター28から駆動できる電圧の電気信号が供給されている場合には、制御信号COMの対応する駆動パルスが圧電振動子30に供給される一方、十分な電圧の電気信号が供給されていない場合には、駆動パルスを圧電振動子30に供給しない。
次に、ヘッドコントローラー7による画像形成制御処理について説明する。
図10は、本発明の一実施形態に係るヘッドコントローラーによる画像形成制御処理のフローチャートである。
この画像形成制御処理は、1枚の画像形成媒体に画像を形成する際に実行される。なお、画像形成制御処理の前においては、PC2から画像形成媒体に形成する画像データが分配コントローラー6に送信され、分配コントローラー6により各ヘッドコントローラー7−1〜7−12に各ヘッドコントローラーで必要な画像データの部分が送信され、メモリー13に格納されているものとする。
温度判定部16cは、I/F15を介して、前段側のヘッド8の温度センサー31からの温度データと、後段側のヘッド8の温度センサー31からの温度データを取得する(ステップS1)。次いで、温度判定部16cは、前段側のヘッド8の温度が所定の基準温度Taを超えているか否かを判定するとともに、後段側のヘッド8の温度が所定の基準温度Taを超えているか否かを判定し、SPデータ決定部16dに通知するとともに、前段側のヘッド8と、後段側のヘッド8との温度のいずれが高いかを判定し、SPデータ決定部16dに通知する。
SPデータ決定部16dは、前段側のヘッド8と、後段側のヘッド8との双方の温度が基準温度Taを超えているか否かを判定し(ステップS2)、双方が基準温度Taを超えている場合には、印刷を継続しつつ温度調整をすることができないことを意味しているので、オーバーヒートエラー処理を実行し(ステップS6)、処理を終了する。
一方、双方の温度が基準温度Taを超えていない場合には、それぞれの温度に基づいて、各ヘッドに送信するSPデータを決定する(ステップS3)。具体的には、SPデータ決定部16dは、前段側及び後段側のヘッド8の双方の温度が基準温度Ta以下の場合には、温度調整をする必要がないので、階調値に対応する通常のサイズのドットを出力するためのSPデータを、各ヘッド8に送信するSPデータに決定する。一方、温度の高い方のヘッド8の温度が基準温度Taを超えている場合には、温度の高い方のヘッド8に送信するSPデータとして、所定の階調値のドットとして通常のサイズよりも小さいサイズのドットを出力させるためのSPデータに決定し、温度の低い方のヘッド8に送信するSPデータとして、所定の階調値のドットとして通常のサイズよりも大きいサイズのドットを出力させるためのSPデータに決定する。
次いで、ヘッドデータ転送部16bが、各ヘッド8に対して、各色毎のSIデータを、各ノズルの1つのドットに対応するSIデータ(階調値)の上位ビットをまとめたSI(H)データと、下位ビットをまとめたSI(L)データとを送信し(ステップS4)、更に、各ヘッド8に対して決定されたSPデータを送信する(ステップS5)。
これによって、各ヘッド8においては、送信されたSPデータに従って、各ドットが形成されることとなる。
このため、例えば、基準温度Taを超えた温度のヘッド8においては、所定の階調値のドットとして通常のサイズよりも小さいサイズのドットが出力されるので、発熱量を低減することができる。また、他方の基準温度Ta以下の温度のヘッド8においては、所定の階調値のドットとして通常のサイズよりも大きいサイズのドットが出力されるので、前段のヘッド8及び後段のヘッド8により形成される隣接する2ドットのサイズの合計を、通常状態と同様にすることができるので、比較的高い画質を確保することができる。また、画像形成制御処理は、1枚の画像形成媒体に画像を形成する際に実行されるので、その時点におけるヘッド8の温度を適切に処理に反映させることができる。
以上、本発明を実施形態に基づいて説明したが、本発明は上述した実施の形態に限られず、他の様々な態様に適用可能である。
まず、第1の変形例について説明する。
第1の変形例は、上記実施形態では、温度の高い方のヘッドの温度が1つの基準温度を超える場合において、階調値と形成するドットとの対応関係を一律にするようにしていたが、複数の基準温度に応じて、階調値と形成するドットとの対応関係を変えるようにしたものである。
図9C、図9Dには、変形例に係るプリンター3におけるSPデータを説明する図である。図9Cは、温度の高い方のヘッド8が第1の基準温度Tbを超えた状態(第1温度注意状態)におけるSPデータを説明する図であり、図9Dは、温度の高い方のヘッド8が第2の基準温度Tc(Tc>Tb)を超えた状態(第2温度注意状態)におけるSPデータを説明する図である。なお、通常時におけるSPデータは、上記実施形態と同様に図9Aに示す対応関係を実現するためのSPデータとなっている。
本変形例では、第1温度注意状態においては、SPデータ決定部16dは、図9Cに示すように、温度の低い方のヘッド8に対するSPデータとして、SIデータが00の場合には、サイズ0のドット(ドットなし)とされ、SIデータが01の場合には、サイズ1のドット(小ドット)が形成され、SIデータが10の場合には、サイズ2のドット(中ドット)が形成され、SIデータが11の場合には、サイズ3のドット(大ドット)よりも大きいサイズ4のドット(特大ドット)が形成されるようにするSPデータに決定する。また、SPデータ決定部16dは、図9Cに示すように、温度の高い方のヘッド8に対するSPデータとして、SIデータが00の場合には、サイズ0のドット(ドットなし)とされ、SIデータが01の場合には、サイズ1のドット(小ドット)が形成され、SIデータが10の場合には、サイズ2のドット(中ドット)が形成され、SIデータが11の場合には、サイズ3のドット(大ドット)よりも小さいサイズ2のドット(中ドット)が形成されるようにするSPデータに決定する。
この場合においては、SIデータが11の場合に温度の高いヘッド8のドットのサイズが小さくされ、温度の低いヘッド8のドットのサイズが大きくされる。このため、温度の高い方のヘッド8におけるドットサイズを小さくすることができるので、発熱量を抑えることができる。
また、SIデータが11以外のドットについては、ドットのサイズが変更されないので画質を維持でき、SIデータが11の場合にあっても、前段のヘッド8及び後段のヘッド8により形成される隣接する2つのドットのサイズの合計を通常状態と同様な6とすることができ、通常状態に近い画質を確保することができる。
また、第2温度注意状態においては、SPデータ決定部16dは、図9Dに示すように、温度の低い方のヘッド8に対するSPデータとして、SIデータが00の場合には、サイズ0のドット(ドットなし)とされ、SIデータが01の場合には、サイズ1のドット(小ドット)が形成され、SIデータが10の場合には、サイズ2のドット(中ドット)よりも大きいサイズ3のドット(大ドット)が形成され、SIデータが11の場合には、サイズ3のドット(大ドット)よりも大きいサイズ4のドット(特大ドット)が形成されるようにするSPデータに決定する。また、SPデータ決定部16dは、図9Dに示すように、温度の高い方のヘッド8に対するSPデータとして、SIデータが00の場合には、サイズ0のドット(ドットなし)とされ、SIデータが01の場合には、サイズ1のドット(小ドット)が形成され、SIデータが10の場合には、サイズ2のドット(中ドット)よりも小さいサイズ1のドット(小ドット)が形成され、SIデータが11の場合には、サイズ3のドット(大ドット)よりも小さいサイズ2のドット(中ドット)が形成されるようにするSPデータに決定する。
この場合においては、SIデータが11、10の場合に温度の高いヘッド8のドットのサイズが小さくされ、温度の低いヘッド8のドットのサイズが大きくされる。このため、第1温度注意状態よりもより効果的に発熱量を抑えることができる。
また、SIデータが11、10以外のドットについては、ドットのサイズが変更されないので画質を維持でき、SIデータが11、10の場合にあっても、前段のヘッド8及び後段のヘッド8により形成される隣接する2つのドットのサイズの合計を通常状態と同様な値とすることができるので、通常状態に近い画質を確保することができる。
次に、第2の変形例について説明する。
第2の変形例は、上記実施形態においては、ヘッド8の全てのノズルを候補として、所定の階調値の場合にドットサイズを変更する制御を行うようにしていたが、ドットサイズの変更を行うノズルの候補を変えるようにしてもよい。以下に詳細を説明する。
図11は、本発明の第2の変形例に係るドットサイズを変更する制御を行う候補とするノズルのグループを説明する図である。
第2の変形例においては、ヘッド8の用紙幅方向に連続して並ぶ各ノズルを、その順番に従って、第1グループ、第2グループ、第3グループ、第1グループ・・・というように、3つのグループのいずれかに属するようにグループ分けしている。
そして、3つの基準温度Td、Te、Tf(Td>Te>Tf)を設定し、前段のヘッド8又は後段のヘッド9の一方だけが基準温度Tfを超えた状態において、温度の高い方のヘッド8の温度に応じて、以下のようにドットを形成させる制御を行う。
すなわち、高い方のヘッド8の温度がTdを超えている場合には、制御部16が、温度が高いと判定されたヘッド8の全てのグループのノズル、すなわち全ノズルについて、所定の階調値のドットを、通常より少ないサイズのドットで形成させ、温度が低いと判定されたヘッド8の全てのグループのノズル、すなわち全ノズルについて、所定の階調値のドットを、通常より大きいサイズのドットで形成させるように制御する。
また、高い方のヘッド8の温度が基準温度Teを超えて基準温度Td以下である場合には、制御部16が、温度が高いと判定されたヘッド8の第1グループ及び第2グループのノズルについて、所定の階調値のドットを、通常より小さいドットで形成させ、温度が低いと判定されたヘッド8の第1グループ及び第2グループのノズルについて、所定の階調値のドットを、通常より大きいドットで形成させるように制御する。
また、高い方のヘッド8の温度が基準温度Tfを超えて基準温度Te以下である場合には、制御部16が、温度が高いと判定されたヘッド8の第1グループのノズルについて、所定の階調値のドットを、通常より小さいドットで形成させ、温度が低いと判定されたヘッド8の第1グループ及び第2グループのノズルについて、所定の階調値のドットを、通常より大きいドットで形成させるように制御する。
この第2変形例においては、温度の高い方のヘッド8の温度が高いほど、ドットのサイズを制御する候補のノズル数を多くすることができ、発熱量の低減効果を高めることができ、また、基準温度Tfに近い温度(Tfよりは高い温度)ほどドットのサイズの制御を行うノズル数が少ないので、画像の品質低下を抑制することができる。
また、上記実施形態に対して更に以下のような変形例もある。例えば、上記実施形態では、ヘッド列9は、最大印刷可能幅の全体を印刷可能にするために、最大印刷可能幅の一部のみを印刷可能なヘッド8を複数備えるとともに、これらヘッド8を最大印刷可能幅の全体の印刷を可能にするように配置していたが、本発明はこれに限られず、最大印刷可能幅の全体を印刷可能な1つのヘッド、すなわち、最大印刷可能幅の全体を印刷できるように複数のノズルが配置されている1つのヘッドを備えるようにしてもよい。また、上記実施形態では、複数のノズルが用紙幅方向に並ぶようにしていたが、本発明はこれに限られず、複数のノズルが幅方向とは異なる、搬送方向と交差する方向に並ぶようにしてもよく、要は、幅方向の全体に亘ってノズルが配置されるようにすればよい。
また、上記実施形態では、駆動波形の複数の駆動パルス中の圧電振動子に供給する駆動パルスの数を変えて、ドットのサイズを変えるようにしていたが、本発明はこれに限られず、例えば、駆動波形の電圧を変えてドットのサイズを変えるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、階調値と選択するパルスとの対応関係を示すSPデータを変えてヘッド8に供給することにより、階調値に対応して出力されるインクのドットサイズを変えるようにしていたが、本発明はこれに限られず、例えば、画像のドットを示す本来の階調値を1つ上げた階調値に変えたり、本来の階調値を1つ下げた階調値に変えたりしてヘッド8に供給することにより、出力されるドットサイズを変えるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、搬送方向に2列のヘッド列を備えるようにしていたが、本発明はこれに限られず、搬送方向に3列以上のヘッド列を備えるようにしてもよい。
1 画像形成システム、2 PC、3 ラインインクジェットプリンター、4 PC本体部、5 転送部、6 分配コントローラー、7(7−1〜7−12) ヘッドコントローラー、8(8−1〜8−24) ヘッド、9(9−1、9−2) ヘッド列、10 ベルト、12、15 I/F、13 メモリー、14 駆動波形生成部、16 制御部、16a データ格納処理部、16b ヘッドデータ転送部、16c 温度判定部、16d SPデータ決定部、17 発信回路、18 FFC、21 第3SR、22 第1SR、23 第2SR、24 制御ロジック、25 第1ラッチ、26 第2ラッチ、27 デコーダー、28 レベルシフター、29 スイッチ回路、30 圧電振動子、31 温度センサー。

Claims (8)

  1. 画像形成媒体の搬送方向と直交する方向の所定の印刷範囲に対してインクを吐出可能な複数のノズルが形成された第1ヘッドと、搬送方向の異なる位置に備えられ、前記所定の印刷範囲と略同一の範囲に対してインクを吐出可能な複数のノズルが形成された第2ヘッドとを備える画像形成装置であって、
    前記第1ヘッド及び第2ヘッドの温度を検出する温度検出手段と、
    前記第1ヘッドと、前記第2ヘッドとのいずれの温度が高いか判定する判定手段と、
    前記判定手段によって温度が高いと判定されたヘッドによる所定の階調値のドットを、基準のインク量より少ないインク量で形成させ、温度が低いと判定されたヘッドによる前記所定の階調値のドットを、基準のインク量より多いインク量で形成させるドット形成制御手段と
    を有する画像形成装置。
  2. 前記ドット形成制御手段は、温度の高いヘッドの温度が所定の基準温度以上であり、温度の低いヘッドの温度が前記所定の基準温度以下である場合に、前記判定手段によって温度が高いと判定されたヘッドによる所定の階調値のドットを、基準のインク量より少ないインク量で形成させ、温度が低いと判定されたヘッドによる前記所定の階調値のドットを、基準のインク量より多いインク量で形成させる
    請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記ノズルのそれぞれに対応して、前記ノズルからのインクの吐出を制御する圧電振動子を備え、
    前記ドット形成制御手段は、前記圧電振動子に供給する、インクを吐出可能な信号の回数を変化させる、又は前記圧電振動子に供給する、インクを吐出可能にする信号の電圧を変化させることにより、吐出させるインク量を変化させる
    請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記ドット形成制御手段は、所定以上の階調値のドットについて、吐出させるインク量を変化させる
    請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  5. 前記ドット形成制御手段は、前記温度が高いと判定されたヘッドの温度が高いほど、インク量を調整する対象の階調値を多くする
    請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  6. 前記ドット形成制御手段は、前記温度が高いと判定されたヘッドの温度に応じて、吐出させるインク量を変化させる候補の前記ノズルの数を変える
    請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  7. 前記判定手段は、1枚の画像形成媒体に画像を形成する毎に、前記第1ヘッドと、前記第2ヘッドとの温度のいずれが高いかを判定し、
    前記ドット形成制御手段は、前記判定結果に基づいて、前記1枚の画像形成媒体の画像形成における前記インクの吐出を制御する
    請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  8. 前記所定の階調値の場合に、温度の高いヘッドにおいて基準のインク量から減らすインク量と、温度の低いヘッドにおいて増加させるインク量とは、略同量である
    請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の画像形成装置。
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