JP2010188461A - 表面被覆切削工具 - Google Patents

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Abstract

【課題】高度な耐摩耗性を付与することができ、かつ熱亀裂による影響を低減する被膜を備えた表面被覆切削工具を提供することにある。
【解決手段】本発明の表面被覆切削工具は、基材上の少なくとも一部に形成された被膜が、A層とB層とを含み、A層は、化学式Ti1-X(M1)XY(M1はAl、Cr、Hf、Ta、Nb、VおよびSiからなる群より選択されるいずれか1の元素であり、XおよびYは原子比であり、0≦X≦0.8、0.9<Y≦1.1)で表わされる化合物により構成されるa1層を含み、B層は、化学式Ti1-p(M3)prs(M3はAl、Cr、Hf、Ta、Nb、VおよびSiからなる群より選択されるいずれか1の元素であり、p、rおよびsは原子比であり、0≦p≦0.3、0.9<r+s≦1.1、0.1<r≦1.1)で表わされる化合物により構成されるb1層を含み、A層とB層との積層数の合計は3層以上であることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、基材と該基材上に形成された被膜とを備える表面被覆切削工具に関する。
種々の被削材を切削加工するのに用いられる表面被覆切削工具は、WC基超硬合金、サーメット、高速度鋼等の硬質の基材に対してその表面の耐摩耗性を改善したり表面保護機能を改善したりすることを目的として、TiN、TiCN、TiAlN等の硬質被膜でその表面を被覆することが行なわれてきた。特にTiAlNからなる被膜は優れた耐摩耗性を示すことから、チタンの窒化物、炭化物、炭窒化物等からなる被膜に代わってこのような表面被覆切削工具の被膜として広く用いられている。
近年、被削材が多様化していることおよび加工効率を向上させるために高速の切削加工が求められることなどの理由から、以前に比し切削工具の寿命は非常に短くなっている。さらに、最近の切削工具の動向として、地球環境保全の観点から切削油剤を用いない、乾式の加工(ドライ加工)が求められる傾向にある。
このため切削工具に要求される特性はますます高度なものとなっており、以って表面被覆切削工具の被膜に対しても種々の高度な特性が要求されている。
このような要求に応える試みとして、たとえばTiAlの炭化物、炭窒化物、複合窒化物において、Alの一部をCr、Ce、Mo、Nbに置き換えたものが提案されている(特許文献1)。
一方、組成式(Tix1-x)Cy1-y(ただし、原子比で、0.4≦x≦1、0≦y≦1.0を満たす)を満足する被膜を、TiCN−Co−Ni合金であるサーメット上へ形成することが提案されている(特許文献2)。
特開平9−300105号公報 特開2004−90289号公報
しかしながら、特許文献1に開示された切削工具においては、被膜にAlを必須の構成成分として含むものであるため、Alに起因するクレーター摩耗(すくい面の摩耗現象)を防止することは困難であった。
特許文献2に開示された被膜においては、添加元素の濃度範囲も不明であり、十分な耐酸化性を有する被膜を達成できておらず、結果として耐摩耗性の更なる改善が求められた。また、(Tix1-x)Cy1-yで示される金属炭窒化物は、硬度は高いが、靭性が低いため、熱履歴による基材の亀裂発生の影響を受けやすく大きく摩耗する傾向がある。
本発明は、上記のような現状に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、クレーター摩耗を低減するとともに高度な耐摩耗性を付与することができ、かつ熱亀裂による影響を低減する被膜を備えた表面被覆切削工具を提供することにある。
すなわち本発明の表面被覆切削工具は、基材と該基材上に形成された被膜とを備えた表面被覆切削工具であって、被膜は、A層とB層とを含み、基材上の少なくとも一部に形成され、A層は、化学式Ti1-X(M1)XY(M1はAl、Cr、Hf、Ta、Nb、VおよびSiからなる群より選択されるいずれか1の元素であり、XおよびYは原子比であり、0≦X≦0.8、0.9<Y≦1.1)で表わされる化合物により構成されるa1層を含み、B層は、化学式Ti1-p(M3)prs(M3はAl、Cr、Hf、Ta、Nb、VおよびSiからなる群より選択されるいずれか1の元素であり、p、rおよびsは原子比であり、0≦p≦0.3、0.9<r+s≦1.1、0.1<r≦1.1)で表わされる化合物により構成されるb1層を含み、A層とB層との積層数の合計は3層以上であることを特徴とする。
上記A層と上記B層との積層数の合計は3層以上50層以下であることが好ましい。
上記A層は、上記a1層と化学式Ti1-m(M2)mn(M2はAl、Cr、Hf、Ta、Nb、VおよびSiからなる群より選択されるいずれか1の元素であり、M1とM2の少なくとも1つは異なる元素であり、mおよびnは原子比であり、0≦m≦0.6、0.9<n≦1.1)で表わされる化合物により構成されるa2層とを含み、上記a1層とa2層とを合計2層以上積層してなることが好ましい。
上記B層は、上記b1層と化学式Ti1-e(M4)egh(M4はAl、Cr、Hf、Ta、Nb、VおよびSiからなる群より選択されるいずれか1の元素であり、M3とM4の少なくとも1つは異なる元素であり、e、gおよびhは原子比であり、0≦e≦0.3、0.9<g+h≦1.1、0.1<g≦1.1)で表わされる化合物により構成されるb2層とを含み、上記b1層とb2層とを合計2層以上積層してなることが好ましい。
上記A層における積層周期は1nm〜30nmであることが好ましい。また、上記B層における積層周期は1nm〜30nmである場合も好ましい。
上記A層中に存在する全金属におけるAl含有率が、3原子%以上60原子%以下であることが好ましい。また、上記B層中に存在する全金属におけるAl含有率が、1原子%以上20原子%以下であることが好ましい。
上記A層中に存在する全金属におけるAl含有率が、上記B層中に存在する全金属におけるAl含有率よりも高いことが好ましい。
上記原子比rまたはgは、0.3以上0.55以下であることが好ましい。
また、本発明において上記被膜が形成される基材はサーメットからなることが好ましい。
本発明の表面被覆切削工具によれば、切削工具の基材の少なくとも一部に形成される被膜が、特定の組成を有する化合物の積層体により構成されるので、切削工具全体に優れた耐摩耗性を付与することができる。また、基材の熱履歴からの影響を低減することができる被膜を備えた表面被覆切削工具を提供することができる。
図1(a)は基材上に被膜としてA層とB層を合計4層積層する場合の一例を示す模式図であり、図1(b)は基材上に被膜として積層構造を有するA層と単層からなるB層とを合計4層積層する場合の一例を示す模式図であり、図1(c)は基材上に被膜として積層構造を有するA層およびB層とを合計4層積層する場合の一例を示す模式図である。 本発明に用いるターゲット配置部分の例を示す模式図である。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
<表面被覆切削工具>
本発明の表面被覆切削工具は、基材と、該基材上に形成された被膜とを備えるものである。このような構成を有する本発明の表面被覆切削工具は、たとえばドリル、エンドミル、フライス加工用または旋削加工用刃先交換型切削チップ、メタルソー、歯切工具、リーマ、タップ、またはクランクシャフトのピンミーリング加工用チップ等として極めて有用に用いることができる。そして、本発明の表面被覆切削工具は、Ti合金加工用またはインコネル合金等の耐熱合金加工用のドリル、エンドミル、フライス加工用または旋削加工用刃先交換型切削チップ、メタルソー、歯切工具、リーマ、タップ、等として特に有用に用いることができる。これらの中でも本発明の表面被覆切削工具は特に旋削加工用途において、高い性能を発揮できる。
<基材>
本発明の表面被覆切削工具の基材としては、このような切削工具の基材として知られる従来公知のものを特に限定なく使用することができる。たとえば、超硬合金(たとえばWC基超硬合金、WCの他、Coを含み、あるいはさらにTi、Ta、Nb等の炭窒化物等を添加したものも含む)、サーメット(TiC、TiN、TiCN等を主成分とするもの)、高速度鋼、セラミックス(炭化チタン、炭化硅素、窒化硅素、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、およびこれらの混合体など)、立方晶型窒化硼素焼結体、ダイヤモンド焼結体等をこのような基材の例として挙げることができる。このような基材として超硬合金を使用する場合、そのような超硬合金は、組織中に遊離炭素やη相と呼ばれる異常相を含んでいても本発明の効果は示される。
これらの中でも特にサーメットにおいて、高い耐摩耗性を発揮できる。すなわち、その基材をサーメットとする場合は、一般に、熱亀裂の発生頻度が他の材質より高く、被膜がその影響を受けやすいのであるが、本発明における被膜を用いることで、基材の熱亀裂の影響を少なくすることができるので、高い耐摩耗性を発揮することができる。
なお、これらの基材は、その表面が改質されたものであっても差し支えない。たとえば、超硬合金の場合はその表面に脱β層が形成されていたり、サーメットの場合には表面硬化層が形成されていても良く、このように表面が改質されていても本発明の効果は示される。
<被膜>
本発明の被膜は、A層とB層とを含み、かつ、A層とB層との層数の合計が3層以上積層された構造を含む限り、さらに他の層を含んでいても差し支えない。なお、本発明の被膜は、基材上の全面を被覆するもののみに限られるものではなく、基材上の少なくとも一部に被膜が形成された態様をも含む。上記層数が3層以上とは、A層が少なくとも2層でB層が少なくとも1層の場合、A層が少なくとも1層でB層が少なくとも2層の場合がある。
このような被膜の合計厚み(複数の層の総膜厚)は、0.3μm以上20μm以下とすることが好ましく、より好ましくはその上限が10μm以下、さらに好ましくは5μm以下、その下限が0.5μm以上、さらに好ましくは1μm以上である。その厚みが0.3μm未満の場合、耐摩耗性等の諸特性の向上作用が十分に示されない場合があり、20μmを超えると残留応力が大きくなり、基材との密着性が低下する場合がある。なお、膜厚の測定方法としては、切削工具を切断し、その刃先断面を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察することにより求めることができる。
<A層とB層の組合せ積層構造>
本発明は、上記A層および上記B層を用いて、これらを合計で3層以上重ね合わせた積層構造を形成することが望ましい。A層は窒化物であるため、炭窒化物または炭化物であるB層に比して耐酸化性が高い。一方、B層はA層に比して硬度が高い。これらを3層以上重ね合わせることで両方の特性を有する被膜として機能し、耐摩耗性が高くなる。また、B層の欠点である低靭性をA層にて補強することにも優れ、熱疲労により基材に亀裂が進展してもその影響を受けにくい。これらの積層構造による効果をより効率よく発揮するには、A層とB層の積層の合計層数は50層以下であることが望ましい。
また、耐酸化性が高いA層をB層よりも被膜上部に配置する場合は、被膜全体の耐酸化性が高くなり、耐摩耗性が向上する点から望ましい。
上記A層と上記B層の層数の合計が3層とは、例えば、基材側から順に、A層、B層、A層のように3つの層を重ね合わせた構造であり、A層とB層を合わせて1層としてはいない。つまり合計層数が50層とは、たとえばA層が25層、B層が25層それぞれ存在していることを意味する。
本発明の被膜は、A層とB層のそれぞれが、単層もしくは積層構造を有しているため、例えば図1(a)、図1(b)、図1(c)のような構造を有している。図1(a)は基材10上に被膜としてA層11とB層12を合計4層積層する場合の一例を示す模式図であり、図1(b)は基材10上に被膜としてa1層11Aとa2層11Bとの積層構造を有するA層11と単層からなるB層12とを合計4層積層する場合の一例を示す模式図であり、図1(c)は基材10上に被膜としてa1層11Aとa2層11Bとの積層構造を有するA層11およびb1層12Aとb2層12Bとの積層構造を有するB層12とを合計4層積層する場合の一例を示す模式図である。
A層とB層とは、どちらが被腹膜の最上層に形成されていてもよいが、B層、すなわち炭窒化物または炭化物からなる層が最上層である方が、クレーター摩耗抑制の面で望ましい。このような態様をとるものであれば、M1、M2、M3およびM4を含まない場合であっても、基材の亀裂進展の影響を受けにくく、耐摩耗性を向上させることができる。以下、該被膜についてさらに詳細に説明する。
<A層>
A層は、化学式Ti1-X(M1)XY(M1はAl、Cr、Hf、Ta、Nb、VおよびSiからなる群より選択されるいずれか1の元素であり、XおよびYは原子比であり、0≦X≦0.8、0.9<Y≦1.1)で表わされる化合物により構成されるa1層を含む。上記において1−XとXの和は1であり、Yは(1−X)+Xに対するNの原子比である。
また、A層は、上記a1層と化学式Ti1-m(M2)mn(M2はAl、Cr、Hf、Ta、Nb、VおよびSiからなる群より選択されるいずれか1の元素であり、M1とM2の少なくとも1つは異なる元素であり、mおよびnは原子比であり、0≦m≦0.6、0.9<n≦1.1)で表わされる化合物により構成されるa2層とを含み、これらa1層とa2層とを合計2層以上積層した積層構造からなる層でもよい。上記において1−mとmの和は1であり、nは(1−m)+mに対するNの原子比である。
ここで、上記M1およびM2として用いられる元素は、切削における逃げ面摩耗を抑制するのに効果を発揮する。従来、チタンにこれらの元素を添加して耐摩耗性の向上を図る試みは種々行われているが、今回、本発明者は、その添加量が0≦X≦0.8、0≦m≦0.6の範囲にて、後述するB層との組合せにおいて特段に逃げ面摩耗を抑制する効果を発揮することを見出した。
特に、M1およびM2として、CrまたはTaまたはHfまたはNbまたはVを単独で用いる場合、Xおよびmの上限としては0.15以下となるチタンに対するM1またはM2の添加量が望ましく、更に0.1以下の添加量がより望ましい。Xおよびmの下限としては0.01以上となるチタンに対するM1またはM2の添加量が望ましく、0.03以上の添加量が更に望ましい。また、Siを単独で用いる場合は、Xおよびmの上限としては0.22以下の添加量が望ましく、更に0.1以下の添加量が望ましい。Xおよびmの下限としては0.01以上の添加量が望ましく、0.03以上の添加量が更に望ましい。
これらの元素の少なくとも二種類以上を組み合わせてA層中の一層(a1層またはa2層)としてもよい。この場合、二種以上の元素の合計である原子比Xおよびmが0を超えて0.3以下であることが好ましい。更に0.25以下であり、0.03以上であることが望ましい。
これらの元素をチタンに添加することにより逃げ面摩耗を低減することができる理由として、TiNにHf、Nb、Siを添加した組成とすることで、化合物の構造上、耐酸化性をTiAlNに匹敵する程度に向上させることが考えられる。また、Vを含む場合は、被加工体に含まれる鉄の被膜への溶着を抑制できるので、耐逃げ面摩耗性を向上させることができる。
特に、M1およびM2の少なくとも1つとしてHf、Taを用いる場合は、Si、NbまたはVを用いる場合よりもクレーター摩耗の抑制において、さらに効果を発揮できるので望ましい。
また、M1およびM2の少なくとも一方にAlを選択する場合、Xの上限としては0.8以下、mの上限としては0.6以下であり、Xとmの上限は0.4以下であることがより望ましい。Xおよびmの下限としては0.01以上が望ましく、0.03以上が更に望ましい。TiAlNは、高い耐酸化性と高い膜強度を有する材料であるが、単独で旋削に用いた場合に特に耐クレーター摩耗性が低いことが欠点である。したがって、旋削に用いる場合、TiAlNの高い耐酸化性と高い膜強度を発揮する含有量でありながら、A層中のAl含有率を少なくすることが望ましい。したがって、A層中に存在する全金属におけるAl含有率が、3原子%以上60原子%以下であることが望ましい。より望ましくは、上記Al含有率が5原子%以上、また35原子%以下である。一方、Al含有率が30原子%を超えて80原子%以下である場合であっても、膜厚を0.01μm以上1μm以下とすることで、全膜厚におけるAl含有率が10原子%以下となるので本発明の効果を良好なものとすることができる。
本発明において全金属におけるAl含有率とは、A層中に含まれる金属全部を考えた場合のAlの元素比率のことである。例えば、A層中に含まれる全金属がTi、Al、Cr、Hfであり、それぞれがd、f、u、vの元素比率(d+f+u+v=1)であったとすると、Al含有率は(f/(d+f+u+v)×100)原子%となる。
これらの元素比率、および化学式における組成比率は、走査型二次電子顕微鏡(SEM)に付帯のエネルギー分散型ケイ光X線分析(EDX)、透過型電子顕微鏡(TEM)に付帯のEDX、波長分散型X線マイクロアナライザー(WDX型EPMA)、X線光電子分光(XPS)などよく知られた方法にて求めることができる。ただし、膜断面より膜組成分析が広い範囲可能との理由でSEM付帯のEDXや、TEM付帯のEDXを用いることが望ましい。
A層中のAl含有率を低減する手法としては、被膜の積層構造におけるTiAlNの1層あたりの厚さを減少させる方法が挙げられる。例えば、Ti0.4Al0.6NとTi0.9Hf0.1Nとの積層構造を含む場合、1層あたりの層厚比をTi0.4Al0.6N:Ti0.9Hf0.1N=1:1とすると、A層中のAl含有率は0.6/(0.4+0.6+0.9+0.1)=0.3となり、30原子%となる。また、1層あたりの層厚比をTi0.4Al0.6N:Ti0.9Hf0.1N=1:2とすると、A層中のAl含有率は0.6/(0.4+0.6+2×(0.9+0.1))=0.2となり、20原子%となり、このように層厚比を調整することで本発明の望ましい範囲、より望ましい範囲を達成することができる。
従来、窒化物同士の組合せにおいて多層構造を有することは耐摩耗性、靭性向上の観点から望ましい形態であることが知られている。本発明においては、化学式Ti1-X(M1)XYで表わされる化合物により構成される層と、化学式Ti1-m(M2)mnで表わされる化合物により構成される層とを積層することで、後述する炭窒化物または炭化物により構成されるB層との組合せにおいて、窒化物層(A層)に多層構造を有することにより、すなわち、A層が少なくとも2層の積層構造を有することにより、従来の多層構造を有しない場合に比較して、成膜時の膜剥離を抑制することができる。後述する炭窒化物層または炭化物層により構成されるB層は、単層の窒化物層と接する場合には、その成長当初は窒化物層の柱状構造を引き継いで成長するため、柱状組織は500nm〜1μmと大きな組織となる。その後、自身(B層を構成する化合物)の成長形態に則って、柱状晶が小さくなりながら成長していく。このとき、炭窒化物または炭化物の組織の変化に伴い、膜中で破壊がおこり、成膜中に膜が剥離しやすい傾向がある。一方、窒化物層(A層)が多層構造となっている場合、窒化物層の柱状組織は、およそ10nm〜400nmと小さな組織であるため、炭窒化物または炭化物の柱状晶も初めからこの組織を受け継ぎ、炭窒化物または炭化物自身の成長形態に則っても柱状晶構造は大きく変化せず、成膜中の膜剥離は起こりにくいと考えられる。
A層が少なくとも2層以上の層を含む場合、A層における積層周期は、1nm以上、30nm以下が望ましいが、下限は特に2nm以上が望ましく、より望ましくは4nm以上である。A層における積層周期の上限は特に20nm以下が望ましく、より望ましくは15nm以下である。本発明における被膜において、膜厚方向に対して積層周期が一定である必要はなく、また、上記本発明の好ましい範囲(A層中の積層周期が1nm〜30nm)を一部分に有していればよい。上記積層周期とは化学式Ti1-X(M1)XYで示される化合物により構成されるa1層の1層の厚さと化学式Ti1-m(M2)mで示される化合物により構成されるa2層の1層の厚さとを足し合わせた値(以下において、a1層1層とa2層1層との合計2層の積層構造を積層単位ということがある)であり、化学式Ti1-X(M1)XYで示される化合物により構成されるa1層の1層の厚さが10nmであり、化学式Ti1-m(M2)mで示される化合物により構成されるa2層の1層の厚さが5nmの場合、これらの合計15nmが積層周期となり、これを複数回繰り返すことで所定の膜厚とする。また、たとえば、上述のようにA層において積層周期が15nmの部分と50nmの部分があっても本発明の好ましい態様を満たすことになる。このような積層周期を満たす場合は、柱状晶粒径が200nm以下となることで、靭性が向上できるので好ましい。
<B層>
本発明においてB層は、基板上に形成されたA層よりも表面側に形成される層である。このようなB層は、化学式Ti1-p(M3)prs(M3はAl、Cr、Hf、Ta、Nb、VおよびSiからなる群より選択されるいずれか1の元素であり、p、rおよびsは原子比であり、0≦p≦0.3、0.9<r+s≦1.1、0.1<r≦1.1)で表わされる化合物により構成されるb1層を含む。上記において1−pとpの和は1であり、rとsとはそれぞれ(1−p)+pに対するC、Nの原子比である。
また、上記B層は、上記b1層と化学式Ti1-e(M4)egh(M4はAl、Cr、Hf、Ta、Nb、VおよびSiからなる群より選択されるいずれか1の元素であり、M3とM4の少なくとも1つは異なる元素であり、e、gおよびhは原子比であり、0≦e≦0.3、0.9<g+h≦1.1、0.1<g≦1.1)で表わされる化合物により構成されるb2層とを含み、上記b1層とb2層とを合計2層以上積層してなる層でもよい。上記において1−eとeの和は1であり、gとhとはそれぞれ(1−e)+eに対するC、Nの原子比である。
ここで、M3およびM4として用いられる金属元素は、切削における逃げ面摩耗を抑制するのに効果を発揮する。従来、これらの元素をチタンに添加して耐摩耗性の向上を図る試みは種々行われているが、本発明者は、上記のように0≦pまたはe≦0.3の範囲にて、上記A層との組合せにおいて特段に逃げ面摩耗を抑制する効果を発揮できることを見出した。
上記M3またはM4としてCrまたはTaまたはHfまたはNbまたはVを単独で添加する場合、pおよびeの上限としては0.15以下が望ましく、更に0.1以下がより望ましい。pおよびeの下限としては0.01以上が望ましく、0.03以上が更に望ましい。また、Siを単独で用いる場合は、pおよびeの上限としては0.22以下が望ましく、更に0.1以下が望ましい。pおよびeの下限としては0.01以上が望ましく、0.03以上が更に望ましい。
一方、これらの元素の少なくとも二種類以上を組み合わせてB層中の1層としてもよい。この場合、二種類以上の金属元素の原子比の合計がpおよびeに相当し、pおよびeが0.3以下であり0以上であることが好ましい。これらの原子比は、0.25以下であり、0.03以上であることが望ましい。
B層において上記原子比rまたはgは、0.3以上0.55以下であることが好ましい。rとgのいずれか一方が上記範囲を満たしてもよいし、rおよびgが上記範囲を満たす場合も好ましい。b1層およびb2層に含まれる炭素の原子比を上記範囲とする場合は、クレーター摩耗と逃げ面摩耗の両方をより改善することができる。
これらの元素をチタンに添加した組成を有する化合物により逃げ面摩耗を低減することができる理由として、TiCNまたはTiCにHf、Nb、Siを添加した組成とすることで、耐酸化性が向上することが考えられる。また、Vを含む場合は、被加工体に含まれる鉄の被膜への溶着を抑制できるので、逃げ面摩耗を低減することができる。
特に、M3およびM4の少なくとも1つにHf、Taを用いる場合は、Si、Nb、またはVを用いる場合よりもクレーター摩耗の抑制に効果があり、望ましい。
M3およびM4の少なくとも1つとしてAlを用いる場合は、このような組成を有する化合物単層からなる被膜を備えた切削工具を旋削に用いた場合に特に耐クレーター摩耗性が低いことが欠点である。したがって、旋削に用いる場合、B層中のAl含有率を少なくすることが望ましい。したがって、B層中に存在する全金属におけるAl含有率が、3原子%以上、20原子%以下であることが望ましい。より望ましくは、Al含有率が5原子%以上、15原子%以下である。このとき、本発明者らの検討により、窒化物からなるA層よりも炭窒化物または炭化物からなるB層におけるAl含有率を低減する方がクレーター摩耗を低減するのにより効果的であることがわかったことから、A層中のAl含有率よりもB層中のAl含有率の方を少なくすることが望ましい。
B層中のAl含有率を低減する手法としては、前述したA層中におけるAl含有率を低減すると手法と同様に、積層構造内のTiAlCNの1層あたりの厚さを減少させる方法をとることができる。先に述べた様にAlは、耐クレーター性の面で、劣化する材料であるが、切削時の被削材の仕上げ面を良好にする効果があり、この用途において得に有用である。
B層において、上記化学式Ti1-p(M3)prsで示される化合物により構成されるb1層と化学式Ti1-e(M4)eghで示される化合物により構成されるb2層との積層構造を含むことで、b1層単層を用いるよりも、さらにクレーター、逃げ面耐摩耗性を向上させることができる。異種材料の積層によって、基材におけるミクロ亀裂の進展が抑制できていると考えている。さらに、成膜時の膜剥離を抑制することができる。炭窒化物または炭化物は、硬度が高いので、靭性が低い傾向がある。また、窒化物に比較して、成膜時の残留応力により膜破壊を起こしやすい。しかしながら、上記のようにA層との組合せ、かつB層を多層構造とすることで、ミクロ亀裂の進展がより抑制できることにより、同じ残留応力がかかっても、成膜中に膜が剥離しにくくなる。
積層構造を有する場合、B層中の積層周期が1nm〜30nmであることが望ましい。積層周期とは、前述したA層中と同じ定義であり、b1層1層の厚さb2層1層の厚さとの和である。積層周期は、1nm以上、30nm以下が望ましいが、下限は特に2nm以上が望ましく、より望ましくは4nmである。上限は特に20nm以下が望ましく、より望ましくは15nm以下である。このような積層周期とする場合は、靭性を高め、膜剥離を抑制できるので望ましい。積層周期膜厚方向に対して積層周期が一定である必要はなく、本発明の望ましい範囲を被膜の一部分に有していればよい。
<製造方法>
本発明における被膜は、特に物理蒸着法(PVD法)により形成されることが望ましい。このような物理蒸着法としては、たとえばバランストマグネトロンスパッタリング法、アンバランストマグネトロンスパッタリング法、アークイオンプレーティング法、これらを各組み合せた方法等を挙げることができる。
そして、特に上記のようなA層を好適に形成する具体的な条件を挙げると以下の通りとなる。以下において基板上にA層を形成しその上にB層を形成する場合であって、A層がa1層とa2層を含み、B層がb1層とb2層を含む場合について説明するが、本発明はこの例に限られるものではない。アークイオンプレーティング法を採用する場合、所望の組成が得られるように適切な配合比で各対応する金属元素を含んだターゲットをアーク式蒸発源にセットする。用いるアークイオンプレーティング装置のターゲット配置部分の一例を図2に示す。ターゲットはTiとAl、Hf、Cr、Nb、Ta、VおよびSiからなる群の少なくとも1種の元素とからなっており、反応ガスとして導入する窒素と反応して、基材上に窒化物膜が形成される。A層中のa1層を形成するためにターゲット1にTi、M1からなるターゲットをセットする。一方、a2層を形成するためにターゲット2にTiおよびM2からなるターゲットをセットする。基材は図2に示すように、装置中央部で回転しており、ターゲット1面の前面にある場合は、a1層である化学式Ti1-X(M1)XYが形成される。次に、回転してターゲット2面の前面にある場合は、a2層である化学式Ti1-m(M2)mnが形成される。基材温度を400℃〜700℃および該装置内の反応ガス圧を2.0Pa〜6.0Paに設定し、反応ガスとして窒素ガスを導入する。そして、基板(負)バイアス電圧を−30V〜−150Vに維持したまま、カソード電極に50A〜120Aのアーク電流を供給し、アーク式蒸発源から金属イオン等を発生させることによりA層を形成することができる。
つぎに、B層を形成する。まず、所望の組成が得られるように適切な配合比で各対応する金属元素を含んだターゲットをアーク式蒸発源にセットする。ターゲットはTiとAl、Hf、Cr、Nb、Ta、VおよびSiからなる群より選択される少なくとも1種の元素とからなっており、反応ガスとして導入する窒素および炭化水素ガス(主にはメタンを用いる)、または炭化水素ガスと反応して、基材上に炭窒化物膜または炭化物膜が形成される。B層を構成するb1層を形成するためにTiおよびM3からなるターゲットをターゲット3にセットする。一方、b2層を形成するためにターゲット4にTiとM4からなるターゲットをセットする。
基材は図2に示すように、装置中央部で回転しており、ターゲット3面の前面にある場合は、化学式Ti1-p(M3)prsが形成される。次に、回転してターゲット4面の前面にある場合は、化学式Ti1-e(M4)eghが形成される。基材温度を400℃〜700℃および該装置内の反応ガス圧を2.0Pa〜6.0Paに設定し、反応ガスとして窒素ガス、メタンガスを導入する。そして、基板(負)バイアス電圧を−300V〜−550Vに維持したまま、カソード電極に40A〜120Aのアーク電流を供給し、アーク式蒸発源から金属イオン等を発生させることによりB層を形成することができる。
A層とB層の形成においては、A層を形成した後、基材を装置から取り出さずにB層を形成することが望ましい。上記のようなA層形成とB層形成を繰り返すことにより、窒化物と炭窒化物または炭化物との多層構造が形成される。
また、アンバランストマグネトロンスパッタリング法を採用する場合の方法を述べる。同法を採用するにあたり用いた装置のターゲット配置部分の一例を図2に示す。以下において基板上にA層を形成しその上にB層を形成する場合であって、A層がa1層とa2層を含み、B層がb1層とb2層を含む場合について説明するが、本発明はこの例に限られるものではない。まず、A層を形成する場合を述べる。所望の組成が得られるように適切な配合比で各対応する金属元素を含んだターゲット1、ターゲット2をスパッタ蒸発源1およびスパッタ蒸発源2に各々セットする。ターゲットはTiとAl、Hf、Cr、Nb、Ta、VおよびSiからなる群より選択される少なくとも1種の元素とからなっており、希ガスにてスパッタリングされた金属元素が、反応ガスとして導入する窒素と反応して、基材上に窒化物膜が形成される。基板(基材)温度を400℃〜600℃および該装置内の反応ガス圧を300mPa〜800mPaに設定し、A層を形成するために反応ガスとして窒素を導入する(なお、反応ガスの導入に際しては、希ガス/反応ガスの体積比を1〜5に設定することが好ましい)。そして、基板(負)バイアス電圧を0V〜−90Vに維持したまま、ターゲットに0.12W/mm2〜0.3W/mm2の電力密度を発生させる。
基材は図2に示すように、装置中央部で回転しており、ターゲット1面の前面にある場合は、a1層である化学式Ti1-X(M1)XYが形成される。次に、回転してターゲット2面の前面にある場合は、a2層である化学式Ti1-m(M2)mnが形成される。
次にB層を形成する場合を述べる。まず、所望の組成が得られるように適切な配合比で各対応する金属元素を含んだターゲット3、ターゲット4を各々スパッタ蒸発源3、スパッタ蒸発源4にセットする。ターゲットはTiと、Al、Hf、Cr、Nb、Ta、VおよびSiからなる群より選択される少なくとも1種の元素とからなっており、希ガスにてスパッタリングされた金属元素が、反応ガスとして導入される窒素および炭化水素ガス、または炭化水素ガスと反応して、基材上に窒化物膜または炭化物膜が形成される。具体的には、基板(基材)温度を400℃〜600℃および該装置内の反応ガス圧を300mPa〜800mPaに設定し、B層を形成するために反応ガスとして窒素および炭化水素ガス(アセチレンが望ましい)、または炭化水素ガスを導入する(なお、反応ガスの導入に際しては、希ガス/反応ガスの体積比を1〜5に設定することが好ましい)。そして、基板(負)バイアス電圧を0V〜−90Vに維持したまま、ターゲットに0.12W/mm2〜0.3W/mm2の電力密度を発生させる。
基材は図のように、装置中央部で回転しており、ターゲット3面の前面にある場合は、化学式Ti1-p(M3)prsが形成される。次に、回転してターゲット4面の前面にある場合は、化学式Ti1-e(M4)eghが形成される。A層形成とB層形成を繰り返すことにより、窒化物と炭窒化物または炭化物との多層構造が形成される。
上記のような製造方法により形成された被膜は、クレーター摩耗を低減するとともに高度な耐摩耗性を付与することができ、かつ熱亀裂による影響を低減することができるので、該被膜を備えた表面被覆切削工具は、その切削性能が向上したものとなる。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下の各被膜を構成する各層の金属組成(化合物の組成)は二次電子顕微鏡に付帯のエネルギー分散型ケイ光X線分光計(SEM−EDX)により確認した。炭素、窒素含有率は、X線光電子分光(XPS)により金属の含有率と同時に求めることができる。積層周期は被膜の断面を透過電子顕微鏡(TEM)により観察し、EDXで同定することで各層の構成元素を決定した後、積層周期10層分の距離を求めて、1層あたりの平均積層周期を求めた。積層周期10層分から算出した平均積層周期は5回求め、更に5回の平均値を求めることで積層周期とした。
本実施例において基材上に形成される被膜は、以下のように陰極式アークイオンプレーティング法またはスパッタリング法により形成した。
<陰極式アークイオンプレーティング(AIP)法>:実施例1〜26
まず、基材として、グレードがP30(JIS B 4053−1998)のサーメットであり、形状がSNGN120408(JIS B 4121−1998)である切削チップを準備し、これを洗浄した後、陰極式アークイオンプレーティング装置(成膜装置100)内の回転テーブル7上の基板取り付け位置(図示していない)にセットした。なお、このような成膜装置としては従来公知の構成のものを特に制限なく使用することができる。
そして、真空ポンプにより該装置内を1×10-4Pa以下に減圧するとともに、該装置内に設置されたヒータ6により上記基材10の温度を550℃に加熱し、1時間保持した。
次に、ガス導入口5からアルゴンガスを導入して該装置内の圧力を3.0Paに保持し、基板(基材)バイアス電圧を徐々に上げながら−1500Vとし、基材の表面のクリーニングを15分間行なった。その後、アルゴンガスを排気した。
次いで、上記基材表面に形成されるA層として、その化学組成が以下の表1に示したものとなるように各対応する元素を含んだ各ターゲットを2つの原料蒸発源(アーク式蒸発源)にそれぞれセットした。ターゲット1、ターゲット2は、それぞれ表1に示すa1層、a2層の被膜組成となるように調整した組成とする。表1において、各組成は、原子比で記載しており、金属全体を1とした場合の含有率を示した。基板(基材)温度を550℃〜650℃および該装置内の反応ガス圧を4.0Paに設定し、反応ガスとして、窒素を導入した。そして、基板バイアス電圧を−30Vに維持したまま、カソード電極に40A〜120Aのアーク電流を供給し、アーク式蒸発源から金属イオン等を発生させA層を形成した。
すなわち、アーク式蒸発源から発生した金属イオン、金属元素、またはクラスター等がプラズマ雰囲気中で上記反応ガスと反応することにより、基材上に窒化物が形成(析出)されることになる。前述のとおり、中央で回転している基材が2つの蒸発源のそれぞれ正面に来たときに、それぞれの窒化物が形成されることで積層構造が形成される。
このときの基板の回転数、および、アーク電流を表1に示す。アーク電流は、ターゲットから発生する金属イオンの量を決定するもので、アーク電流が高くなればなるほど金属イオンの量は多くなる。アーク電流を調整することで、TiAlN系の材質を選択した場合のAl含有率の調整を行なうことができる。また、基板の回転数は、a1層およびa2層の層厚に影響を与える。回転速度が遅い場合(回転数が少ない場合)は、各ターゲット正面を通過する時間が長くなるため、得られる層厚が厚くなる。なお、表1における回転数はその単位をrpmとして表す。
表1に示す組成は形成されるa1層および、a2層の化学組成に相当する。表1に各層の層厚を示す。それぞれの金属全体量を1として、すなわち、TiとM1、またはTiとM2の原子量を1として、各元素の原子比を示している。a1層とa2層の層厚を足し合わせることで積層周期となる。アーク電流を減少させることで層厚が薄くなる。a1層のみ記載の場合は、a2層との積層構造でなくA層としてa1層単層であることを示す。
つづいてB層を形成する。A層が所定の合計厚さとなったところでアーク式蒸発源に供給する電流を停止し、基板(基材)温度を450℃〜600℃および該装置内の反応ガス圧を2.5Paに設定し、表2に示した化学組成に対応する反応ガスとして、窒素ガスおよびメタンガス、またはメタンガスを導入した。雰囲気ガスとしてArを導入した。窒素ガスとメタンガスの体積流量比は、メタンガス/(窒素ガス+メタンガス)が0.2〜0.5となるようにして、基板バイアス電圧を−450V〜−650Vに維持したまま、カソード電極に40A〜120Aのアーク電流を供給し、アーク式蒸発源3、アーク式蒸発源4から金属イオン等を発生させB層を形成した。ターゲット3、ターゲット4としては、それぞれ表2に示すb1層、b2層の組成を与えるように調整したものを用いた。表2の記載方法は表1の組成の記載と同様である。
すなわち、アーク式蒸発源から発生した金属イオン、金属元素、またはクラスター等がプラズマ雰囲気中で上記反応ガスと反応することにより、基材上に窒化物が形成(析出)されることになる。A層の場合と同様に、すなわち、中央で回転している基材が2つの蒸発源のそれぞれ正面に来たときに、それぞれの炭窒化物または炭化物が形成されることで積層構造が形成される。回転数を増加させ、アーク電流を減少させることで層厚が薄くなる。アーク電流を調整することで、TiAlCN系の材質を選択した場合のAl含有率の調整を行なうことができる。
A層形成とB層形成を繰り返すことにより、窒化物と炭窒化物または炭化物との多層構造が形成される。
実施例1〜7、実施例9〜26は、B層を被膜の最上層に形成した。実施例8は、A層を被膜の最上層に形成した。
冷却後装置内を大気に開放した後、被膜が基材上に形成された表面被覆切削工具を装置から取り出して、本発明の表面被覆切削工具を得た。
表1および表2に、A層およびB層の積層構造、形成時のアーク電流を示し、表3にA層とB層の組合せの多層構造における合計層数(図1(a)〜図1(c)と同様に数えた場合のA層とB層の合計数)を記載した。また、a1層とa2層、またはb1層とb2層の層厚を足し合わせることで積層周期となる。表2にb1層およびb2層の化学組成、および層厚を示す。それぞれの金属全体量、すなわちTiおよびM3、TiおよびM4の原子量の和を1として、各元素の原子比を示している。b1層のみ記載の場合は、b2層との積層構造でなくB層としてb1層単層を用いた。B層の膜厚(B層の合計膜厚)は3μmとした。なお、A層の膜厚(A層の合計膜厚)は2μmとした。
比較例1〜22についても同様に切削工具を製造した。表4および表5に各被膜の組成、製造条件等を示す。記載方法は、実施例と同様である。
<スパッタリング(SP)法>:実施例27〜41
まず、基材として、上記の陰極式アークイオンプレーティング法で用いたのと同じ基材を準備し、これを洗浄した後、スパッタリング装置(成膜装置)内の基板取り付け位置にセットした。次いで、装置内の2つのターゲットに、上記基材表面に形成される各層を形成する原料として、その化学組成が以下の表7に示したものとなるように各対応する元素を含んだターゲットをそれぞれセットした。該ターゲットは、合金ターゲット、粉末焼結体ターゲットでもよいし、金属単体のターゲットを上記化学組成となるように分割して用いることもできる。なお、このような成膜装置としては従来公知の構成のものを特に制限なく使用することができる。
そして、真空ポンプにより該装置内を1×10-4Pa以下に減圧するとともに、該装置内に設置されたヒータ6により上記基材の温度を500℃以上に加熱し、1時間保持した。
次に、アルゴンガスを導入して該装置内の圧力を500mPa〜650mPaに保持し、基板(基材)バイアス電圧を徐々に上げながら−600Vとし、基材の表面のクリーニングを30分間行なった。続いて、基板バイアス電圧を−350Vとし、ホロカソード型ガス活性化源を用いて基材表面のクリーニングをさらに60分間行なった。その後、アルゴンガスを排気した。
次いで、基板(基材)温度を400℃〜550℃および該装置内の反応ガス圧を500mPa〜650mPaに設定し、表7に示した化学組成に対応する反応ガスとして、窒素を導入した。なお、反応ガスの導入に際しては、希ガス/反応ガスの体積比を1〜5に設定した。
そして、基板バイアス電圧を−50V〜−130Vに維持したまま、ターゲットに0.12W/mm2〜0.3W/mm2の電力密度を発生させることにより、A層を形成した。ターゲット1、ターゲット2は、それぞれ表7に示すa1層、a2層の被膜組成となるように調整した組成とする。表7の各組成は得られる被膜における各層の組成に相当する。記載方法は表1と同様であるのでその説明は省略する。なお、ターゲットに供給するスパッタ電力密度、基板の回転数も表7に示す。スパッタ電力密度が上がると金属蒸発量増加し、a1層、a2層の膜厚を厚くできる。また、基板の回転数を減少させると、a1層、a2層の膜厚を厚くできる。A層の厚さが3μmとなったところで供給する電力を停止した。
なお、上記反応ガスには必ず希ガス(アルゴンが好ましいがこれのみに限定されない)を混在させた。陰極式アークイオンプレーティング法と同様に中央で回転している基材が2つの蒸発源のそれぞれ正面に来たときに、それぞれの窒化物が形成されることで積層構造が形成される。A層が所定の膜厚になったときに、ターゲットへの電力の供給を停止させた。
つづいて、B層を形成する。電力の供給を停止させた状態で、基板(基材)温度を400℃〜550℃および該装置内の反応ガス圧を500mPa〜650mPaに設定し、窒素、アセチレンを導入した。なお、反応ガスの導入に際しては、希ガス/反応ガスの体積比を1〜5に設定した。反応ガスである窒素とアセチレンのガス体積流量比は、アセチレン/(窒素+アセチレン)=0.25〜0.5とした。
そして、基板バイアス電圧を−50V〜−130Vに維持したまま、ターゲットに0.12W/mm2〜0.3W/mm2の電力密度を発生させることにより、B層を形成した。ターゲット3、ターゲット4としては、それぞれ表8に示すb1層、b2層の組成を与えるように調整したものを用いた。記載方法は表2と同様である。なお、ターゲットに供給するスパッタ電力密度、基板の回転数も表8に示す。スパッタ電力密度が上がると金属蒸発量増加し、b1層、b2層の膜厚を厚くできる。また、基板の回転数を減少させると、b1層、b2層の膜厚を厚くできる。
上記のようなA層形成とB層形成を繰り返すことにより、窒化物と炭窒化物または炭化物との多層構造が形成される。このようにして本発明の表面被覆切削工具を製造した。表7および表8に被膜組成、厚み等の詳細を記載した。また、A層とB層との合計総数を表9に示す。
比較例23〜38についても同様に切削工具を製造した。表10および表11に各被膜の組成、製造条件等を示す。記載方法は、実施例と同様である。
<切削試験1>
上記のようにして製造された実施例1〜41の表面被覆切削工具および比較例1〜38の表面被覆切削工具について、以下の切削条件により連続旋削試験を30分実施した。逃げ面摩耗量とクレーター摩耗幅とを測定した。逃げ面摩耗量が小さいもの程耐摩耗性に優れていることを示し、クレーター摩耗量が小さいもの程クレーター摩耗が低減されていることを示す。その結果を以下の表3、表6、表9および表12に示す。切削条件は、Vc=200m/min、f=0.2mm/rev、Ad=1.5mm、dryで行なった。被削材はJIS−SCM435を用いた。Vcは切削速度、fは送り、Adは切込み量をそれぞれ示し、dryは切削試験に於いて切削油を用いない乾式切削としたことを示す。
<切削試験2>
上記のようにして製造された実施例1〜41の表面被覆切削工具および比較例1〜38の表面被覆切削工具について、以下の切削条件により連続旋削試験を100分実施した。逃げ面摩耗量を測定した。逃げ面摩耗量が小さいもの程耐摩耗性に優れていることを示す。その結果を以下の表3、表6、表9および表12に示す。切削条件は、Vc=280m/min、f=0.2mm/rev、Ad=1.5mm、wetで行なった。被削材はJIS−SCM435を用いた。なお、wetは切削試験に於いて切削油を用いる湿式切削としたことを示す。サーメット基材を用いてwet加工を行なうことで熱疲労により基材に亀裂(熱亀裂という)が発生する。この熱亀裂の影響を受けやすい被膜は、逃げ面の耐摩量が増加する。
Figure 2010188461
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以上のように本発明の実施の形態および実施例について説明を行なったが、上述の各実施の形態および実施例の構成を適宜組み合わせることも当初から予定している。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明における被膜は、切削工具に限らず、基材との密着性や被膜強度を向上させる目的で、種々の基材の被膜として用いることができる。
100 成膜装置、1,2,3,4 ターゲット、5 ガス導入口、6 ヒータ、7 回転テーブル、10 基材。

Claims (11)

  1. 基材と該基材上に形成された被膜とを備えた表面被覆切削工具であって、
    前記被膜は、A層とB層とを含み、前記基材上の少なくとも一部に形成され、
    前記A層は、化学式Ti1-X(M1)XY(M1はAl、Cr、Hf、Ta、Nb、VおよびSiからなる群より選択されるいずれか1の元素であり、XおよびYは原子比であり、0≦X≦0.8、0.9<Y≦1.1)で表わされる化合物により構成されるa1層を含み、
    前記B層は、化学式Ti1-p(M3)prs(M3はAl、Cr、Hf、Ta、Nb、VおよびSiからなる群より選択されるいずれか1の元素であり、p、rおよびsは原子比であり、0≦p≦0.3、0.9<r+s≦1.1、0.1<r≦1.1)で表わされる化合物により構成されるb1層を含み、
    前記A層と前記B層との積層数の合計は3層以上であることを特徴とする表面被覆切削工具。
  2. 前記A層と前記B層との積層数の合計は3層以上50層以下である、請求項1に記載の表面被覆切削工具。
  3. 前記A層は、前記a1層と化学式Ti1-m(M2)mn(M2はAl、Cr、Hf、Ta、Nb、VおよびSiからなる群より選択されるいずれか1の元素であり、前記M1と前記M2の少なくとも1つは異なる元素であり、mおよびnは原子比であり、0≦m≦0.6、0.9<n≦1.1)で表わされる化合物により構成されるa2層とを含み、
    前記a1層と前記a2層とを合計2層以上積層してなる、請求項1または2に記載の表面被覆切削工具。
  4. 前記B層は、前記b1層と化学式Ti1-e(M4)egh(M4はAl、Cr、Hf、Ta、Nb、VおよびSiからなる群より選択されるいずれか1の元素であり、前記M3と前記M4の少なくとも1つは異なる元素であり、e、gおよびhは原子比であり、0≦e≦0.3、0.9<g+h≦1.1、0.1<g≦1.1)で表わされる化合物により構成されるb2層とを含み、
    前記b1層と前記b2層とを合計2層以上積層してなる、請求項1から3のいずれかに記載の表面被覆切削工具。
  5. 前記A層における積層周期は1nm〜30nmである、請求項3または4に記載の表面被覆切削工具。
  6. 前記B層における積層周期は1nm〜30nmである、請求項4または5に記載の表面被覆切削工具。
  7. 前記A層中に存在する全金属におけるAl含有率が、3原子%以上60原子%以下である、請求項1から6のいずれかに記載の表面被覆切削工具。
  8. 前記B層中に存在する全金属におけるAl含有率が、1原子%以上20原子%以下である、請求項1から7のいずれかに記載の表面被覆切削工具。
  9. 前記A層中に存在する全金属におけるAl含有率が、前記B層中に存在する全金属におけるAl含有率よりも高い、請求項1から8のいずれかに記載の表面被覆切削工具。
  10. 前記原子比rまたはgは、0.3以上0.55以下である、請求項1から9のいずれかに記載の表面被覆切削工具。
  11. 前記被膜が形成される前記基材はサーメットからなる、請求項1から10のいずれかに記載の表面被覆切削工具。
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