JP2010187655A - 麺類のほぐれ改良剤および麺類のほぐれ改良方法 - Google Patents

麺類のほぐれ改良剤および麺類のほぐれ改良方法 Download PDF

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Abstract

【課題】麺類の外観、食味および食感を損なうことなく、麺類の表面どうしの付着を防止するための、乳化相が分離や沈殿を起こさず、流動性の高い、麺類のほぐれ改良剤およびそれを用いた麺類のほぐれ改良方法を提供することを課題とする。
【解決手段】液剤100重量部中に、0.5〜15重量部のアラビアガム、0.5〜10重量部のガティガムおよび0.5〜10重量部のグリセリン脂肪酸エステルを有効成分として含み、かつ残部がエタノール、酢酸および酢酸ナトリウムから選択される少なくとも1種ならびに水であることを特徴とする麺類のほぐれ改良剤により、上記の課題を解決する。
【選択図】なし

Description

本発明は、麺類のほぐれ改良剤および麺類のほぐれ改良方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、乳化(エマルション)相が分離や沈殿を起こさず、流動性の高い、麺類のほぐれ改良剤およびそれを用いた麺類のほぐれ改良方法に関する。
穀類加工食品、特に麺類は、麺線表面の離水および糊化された澱粉の粘着性により麺線が互いに付着し、全体が塊状に固着してほぐれが悪くなる。麺線どうしの付着を防止する方法は、麺の種類により異なり、生麺の場合にはカットされた麺線に直接、澱粉(打ち粉)をふりかける方法が採られている。しかしながら、打ち粉を使用した生麺は製品の外観が見劣りし、かつカビが生え易く、腐敗し易いという欠点があった。
また、茹で麺や蒸し麺、ロングライフ麺(LL麺)などの場合には、仕上がった麺に食用油脂を噴霧する方法が採られている。しかしながら、油が含まれていると食感に悪影響のある麺、例えばうどんやそばなどには、この方法は適していない。その上、麺にコーティングされる油脂は薄層であるため、高水分下において極めて酸化されやすく、特に常温での流通時間が長いLL麺においては、酸化された油脂が異臭を発するなど、麺類の商品価値を著しく損なう欠点があった。
そのほか、麺類などのほぐれを改良する方法として、アラビアガム、プルランおよび水溶性大豆多糖類のいずれか1つ以上を主剤とする溶液をコーティングする方法(特開平9−51764号公報:特許文献1)、アラビアガムやガティガムなどの多糖類とポリグリセリン脂肪酸エステルを含有する水溶液で処理する方法(特開2001−95514号公報:特許文献2)、ガティガムを含む食品の粘着防止剤をコーティングする方法(特開2008−182930号公報:特許文献3)およびガティガムを含有する浸漬液に浸漬するか、あるいはガティガムを含有する噴霧液を噴霧する方法(特開2008−283888号公報:特許文献4)などが提案されている。
特許文献3には、食品の粘着防止剤が他の乳化剤としてグリセリン脂肪酸エステルなどの脂肪酸エステルをさらに含んでもよいことが記載されているが、これを組み合わせた具体的な記載はない。
また、特許文献4には、浸漬液および噴霧液がアラビアガム、グリセリン脂肪酸エステルをさらに含有してもよいことが記載されているが、これらを組み合わせた具体的な記載はない。
一方、これらの方法によっても十分に満足できる効果が得られ難い。また、近年、食品の品質改良剤などの添加剤としては、食品衛生上安全なもの、できれば天然由来のものが望まれており、その添加量もできるだけ少なくてすむものが望まれている。
特開平9−51764号公報 特開2001−95514号公報 特開2008−182930号公報 特開2008−283888号公報
本発明は、上記のような従来技術の有する問題点を解決し、麺類の外観、食味および食感を損なうことなく、麺類の表面どうしの付着を防止するための、乳化相が分離や沈殿を起こさず、流動性の高い、麺類のほぐれ改良剤およびそれを用いた麺類のほぐれ改良方法を提供することを課題とする。
本発明の発明者らは、麺類のほぐれ改良について鋭意研究の結果、意外なことに、特定量のアラビアガム、ガティガムおよびグリセリン脂肪酸エステルを有効成分として含む液剤を麺類に付着させることにより、ほぐれが著しく向上し、食味および食感の良好な麺類が得られること、および有効成分としてクエン酸ナトリウムをさらに含み、かつpH3.5〜6.5の範囲にあることにより、製剤安定性がさらに向上することを見出し、本発明を完成するに到った。
かくして、本発明によれば、液剤100重量部中に、0.5〜15重量部のアラビアガム、0.5〜10重量部のガティガムおよび0.5〜10重量部のグリセリン脂肪酸エステルを有効成分として含み、かつ残部がエタノール、酢酸および酢酸ナトリウムから選択される少なくとも1種ならびに水であることを特徴とする麺類のほぐれ改良剤が提供される。
また、本発明によれば、上記の麺類のほぐれ改良剤を麺類の表面に付着させて、麺類のほぐれを改良することを特徴とする麺類のほぐれ改良方法が提供される。
本発明によれば、麺類の外観、食味および食感を損なうことなく、麺類の表面どうしの付着を防止するための、乳化相が分離や沈殿を起こさず、流動性の高い、麺類のほぐれ改良剤およびそれを用いた麺類のほぐれ改良方法を提供することができる。
本発明の麺類のほぐれ改良剤は、液剤100重量部中に、0.5〜15重量部のアラビアガム、0.5〜10重量部のガティガムおよび0.5〜10重量部のグリセリン脂肪酸エステルを有効成分として含み、かつ残部がエタノール、酢酸および酢酸ナトリウムから選択される少なくとも1種ならびに水であることを特徴とする。
本発明における麺類としては、例えば、中華麺、うどん、きしめん、素麺、冷や麦、そば、スパゲッティのように細長く成形した麺類、マカロニのように任意の形状に成形したものなどが挙げられる。そして、その形態は、生麺、茹で麺、蒸し麺、ロングライフ麺(LL麺)、即席麺、冷凍麺、乾麺などのいずれであってもよい。
本発明の麺類のほぐれ改良剤における有効成分は、すべて食品衛生法に規定された食品添加物であり、それらの中でもアラビアガム、ガティガムおよびエタノールは天然由来のものが用いられる。
アラビアガムおよびガティガムは、一般に食品添加物の増粘剤として規定されており、本発明ではこれらを用いることができる。
アラビアガムの配合割合は、液剤100重量部中に0.5〜15重量部であり、好ましくは0.5〜13重量部、より好ましくは0.5〜10重量部である。
ガティガムの配合割合は、液剤100重量部中に0.5〜10重量部であり、好ましくは0.5〜9重量部、より好ましくは0.5〜7.5重量部である。
また、グリセリン脂肪酸エステルも、一般に食品添加物の乳化剤として規定されており、本発明ではこれらを用いることができる。
グリセリン脂肪酸エステルは、例えば、食用油脂を分解して得られる炭素数12〜24の飽和または不飽和脂肪酸とグリセリンとのエステル交換反応により得られ、モノ、ジおよびトリエステルがあるが、食品添加物としては、一般にモノエステル(モノグリセライド)が用いられ、少量添加で所望の効果が得られる高純度の蒸留品が特に用いられる。
本発明では、ステアリン酸および/またはオレイン酸を主成分とするモノグリセライドを好適に用いることができる。
グリセリン脂肪酸エステルの配合割合は、液剤100重量部中に0.5〜10重量部であり、好ましくは0.5〜8重量部、より好ましくは0.5〜5重量部である。
アラビアガムの配合割合が0.5重量部未満の場合、ガティガムの配合割合が0.5重量部未満の場合あるいはグリセリン脂肪酸エステルの配合割合が0.5重量部未満の場合には、本発明の効果が十分に得られないことがある。
また、アラビアガムの配合割合が15重量部を超える場合、ガティガムの配合割合が10重量部を超える場合あるいはグリセリン脂肪酸エステルの配合割合が10重量部を超える場合にも、本発明の効果が十分に得られないことがある。
エタノール、酢酸および酢酸ナトリウムは、広範囲の微生物に対して殺菌力を発揮し、本発明の麺類の改良剤の殺菌および防腐を目的とする保存料として機能する。
本発明では、通常、食品に用いられるエタノール、例えば、70%水溶液が用いられる。なお、その配合割合は、水溶液としての重量を示す。
エタノールの配合割合は、好ましくは液剤100重量部中にエタノールとして1〜7重量部、より好ましくは2〜6重量部である。
エタノールの配合割合が1重量部未満の場合には、十分な防腐効果が得られず、またエタノールの配合割合が7重量部を超える場合には、経済性の面であまり好ましくない。
本発明では、通常、食品に用いられる酢酸、例えば、90%酢酸が用いられる。
酢酸の配合割合は、好ましくは液剤100重量部中に酢酸として0.03〜2重量部、より好ましくは0.1〜1.6重量部である。
酢酸の配合割合が0.03重量部未満の場合には、十分な防腐効果が得られず、また酢酸の配合割合が2重量部を超える場合には、本発明のほぐれ改良剤で処理された麺類に酢酸臭が付着する点および経済性の面であまり好ましくない。
本発明では、通常、食品に用いられる酢酸ナトリウム無水物が用いられる。
酢酸ナトリウムの配合割合は、好ましくは液剤100重量部中に酢酸ナトリウムとして0.1〜5重量部、より好ましくは0.3〜4重量部である。
酢酸ナトリウムの配合割合が0.1重量部未満の場合には、十分な防腐効果が得られず、また酢酸ナトリウムの配合割合が5重量部を超える場合には、低温での沈殿析出などの製剤安定性が低下する点および経済性の面であまり好ましくない。
本発明の麺類のほぐれ改良剤は、クエン酸ナトリウムをさらに含み、かつpH3.5〜6.5(好ましくは3.5〜6)の範囲にあるのが好ましい。
クエン酸ナトリウムは、液剤のpH調整剤として機能し、pH調整により液剤の安定性をさらに向上させることができる。その配合割合は、液剤100重量部中に0.05〜3重量部程度、好ましくは0.05〜2重量部程度である。
また、本発明の麺類のほぐれ改良剤は、上記の有効成分の他に、本発明の効果を阻害しない範囲で、公知の麺類の改良成分を含んでいてもよい。
本発明の麺類のほぐれ改良剤は、例えば、所定量のアラビアガムおよびガティガムの粉末を水に溶解させ、得られた水溶液に所定量のグリセリン脂肪酸エステルをさらに加えて乳化させ、得られた乳化液に所定量のエタノール、酢酸および酢酸ナトリウムから選択される少なくとも1種をさらに加えて混合することにより得られる。
アラビアガムおよびガティガムの溶解に際しては、液温30〜80℃程度に加熱し、例えば、ホモミキサーなどの公知の装置を用いて混合溶液を攪拌するのが好ましい。
また、グリセリン脂肪酸エステル添加後の乳化に際しては、液温20〜70℃程度に加熱し、例えば、ホモミキサーなどの公知の装置を用いて混合溶液を攪拌するのが好ましい。
エタノール、酢酸および酢酸ナトリウムから選択される少なくとも1種の混合に際しては、液温50℃以下に冷却し、例えば、ホモミキサーなどの公知の装置を用いて乳化液を攪拌するのが好ましい。
上記の溶解、乳化および混合における条件は、製剤容量、装置の能力などに応じて適宜設定すればよい。
麺類のほぐれ改良方法は、上記の麺類のほぐれ改良剤を麺類の表面に付着させて、麺類のほぐれを改良することを特徴とする。
麺類のほぐれ改良剤を麺類の表面に付着させる方法としては、例えば、水で3〜4倍に希釈した麺類のほぐれ改良剤を麺類に噴霧し、それが絡まるように麺類を混ぜ合わせる方法が挙げられるが、これに限定されない。
本発明を実施例および比較例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
(試験例1)
実施例および比較例の麺類のほぐれ改良剤を調製し、それらの静置状態での性状を比較した。
(実施例1)
容量200ミリリットルのビーカーに水道水73.1重量部を入れ、pH調整剤としてクエン酸ナトリウム1.5重量部を加えた。得られた水溶液を液温30〜40℃に加温し、かつホモミキサー(特殊機化工業株式会社製、型式:ホモミキサーM型)を用いて回転数5000〜6000rpmで攪拌しながら、アラビアガム(伊那食品工業株式会社製、製品名:アラビアガムA)8.4重量部およびガティガム(三栄源エフエフアイ株式会社製、製品名:ガティガムSD)7.2重量部の粉末混合物を約20分間掛けて少量ずつ投入した。その後、混合溶液をさらに45分間攪拌した。得られた水溶液(増粘剤水溶液)の液温は約72℃であった。
次いで、得られた水溶液の液温を60〜65℃に調整し、グリセリン脂肪酸エステル(有機酸モノグリセライド、HLB値:6、理研ビタミン株式会社製、製品名:ポエムK−37V)4.8重量部を加え、上記のホモミキサーを用いて回転数8000〜10000rpmで15分間攪拌した。
次いで、得られた乳化液の液温を室温(40℃以下)まで放冷し、70%エタノール水溶液5.0重量部を加え、上記のホモミキサーを用いて回転数4000〜5000rpmで15分間攪拌して総重量約100gの乳化液(麺類のほぐれ改良剤)を得た(20℃、pH:4.6)。
最終的に得られた乳化液の約20ミリリットルを試験管に入れ、液温20℃で静置して、24時間後の乳化液の性状を目視で観察した。
得られた結果を、配合成分およびそれらの配合量と共に表1に示す。
また、最終的に得られた乳化液を水道水で4倍に希釈し、得られた希釈液の約20ミリリットルを試験管に入れ、液温20℃で静置して、24時間後の希釈液の性状を目視で観察した。
得られた結果を表1に示す。
(実施例2)
pH調整剤としてクエン酸ナトリウムを配合せず、総量100重量部となるように脱イオン水を加えたこと以外は、実施例1と同様にして乳化液および希釈液を調製し、その性状を目視で観察した(実施例2のpHは20℃で4.3)。
得られた結果を、配合成分およびそれらの配合量と共に表1に示す。
(実施例3〜8)
70%エタノール水溶液の代わりに、酢酸(日和合精株式会社製、製品名:90%純良酢酸)および酢酸ナトリウム(南海化学工業株式会社製、製品名:酢酸ナトリウム無水物)を配合し、総量100重量部となるように脱イオン水を加えたこと以外は、実施例1と同様にして乳化液および希釈液を調製し、その性状を目視で観察した(実施例3〜8のpHは20℃でそれぞれ4.9、4.3、3.7、5.6、5.0、5.3)。
得られた結果を、配合成分およびそれらの配合量と共に表1に示す。
(比較例1〜13)
ガティガム7.2重量部の代わりに、表1に示す公知の増粘剤を用いたこと以外は、実施例1と同様にして乳化液および希釈液を調製し、その性状を目視で観察した。
得られた結果を、配合成分およびそれらの配合量と共に表1に示す。
(比較例14〜26)
アラビアガム8.4重量部の代わりに、表1に示す公知の増粘剤を用いたこと以外は、実施例1と同様にして乳化液および希釈液を調製し、その性状を目視で観察した。
得られた結果を、配合成分およびそれらの配合量と共に表1に示す。
(比較例27)
グリセリン脂肪酸エステルの代わりに、ポリグリセリン脂肪酸エステル(阪本薬品工業株式会社製、製品名:SYクリスター PS−3S)を配合したこと以外は、実施例1と同様にして乳化液および希釈液を調製し、その性状を目視で観察した。
得られた結果を、配合成分およびそれらの配合量と共に表1に示す。
(比較例28)
アラビアガムおよびグリセリン脂肪酸エステルを配合せず、ガティガム10重量部を配合し、総量100重量部となるように脱イオン水を加えたこと以外は、実施例1と同様にして乳化液および希釈液を調製し、その性状を目視で観察した。
得られた結果を、配合成分およびそれらの配合量と共に表1に示す。
表1における「乳化液の性状」の欄の記号は、下記のことを意味する。
A:流動性が高く、分離がない均一な状態
B:流動性が高く、油相と水相の2相に分離しているが、再分散が可能な状態
C:流動性が全くなく、分離はないが、ペースト化(固体化)している状態
D:流動性は高いが、油相と水相の2相に分離し、再分散が困難な状態
E:流動性は高いが、油相と混合相と水相の3相に分離し、再分散が困難な状態
F:流動性は中程度で、油相と水相の2相に分離し、再分散が困難な状態
表1における「希釈液の性状」の欄の記号は、下記のことを意味する。
A:流動性が高く、分離がない均一な状態
B:流動性が高く、油相と水相の2相に分離しているが、再分散が可能な状態
C:流動性がなく、分離はないが、ペースト化(固体化)している状態
D:流動性は高いが、油相と水相の2相に分離し、再分散が困難な状態
E:流動性は高いが、油相と混合相と水相の3相に分離し、再分散が困難な状態
F:流動性が低く、分離はないが、噴霧作業性が悪い状態
Figure 2010187655
(試験例2)
試験例1で調製した実施例および比較例の麺類のほぐれ改良剤を、製麺したうどんおよびそばに付着させて、それらの麺のほぐれ状態を比較した。
(冷やしうどん)
中力小麦粉100重量部と、それに対して予め調製しておいた食塩水41重量部(食塩3重量部+水道水38重量)とを縦型ミキサー(エスケーミキサー株式会社製、型式:SK−25)を用いて約15分間混練し、回転ローラー式製麺機で粗麺帯(厚さ:4.0mm)を製造した。
次いで、複合、圧延および12番角刃での切り出し工程を経て、得られた粗麺帯から総重量500gの生うどん生地を製造した。
得られた生うどん生地を、容量約5リットルの煮沸水中で約10分間茹で、氷水中での冷却、水洗、水切りを行い、冷やしうどんを得た。
(冷やしそば)
予め混合しておいた準強力小麦粉70重量部とそば粉30重量部との混合粉末と、それに対して水30重量部とを上記の縦型ミキサーを用いて約15分間混練し、回転ローラー式製麺機で粗麺帯(厚さ:3.0mm)を製造した。
次いで、複合、圧延および20番角刃での切り出し工程を経て、得られた粗麺帯から総重量500gの生そば生地を製造した。
得られた生そば生地を、容量約5リットルの煮沸水中で約2分間茹で、氷水中での冷却、水洗、水切りを行い、冷やしそばを得た。
予め試験例1で調製した麺類のほぐれ改良剤を水道水で4倍に希釈し、攪拌混合して希釈液を得ておいた。
得られた冷やしうどんおよび冷やしそば100重量部に対して、それぞれ麺類のほぐれ改良剤の希釈液4重量部をスプレーボトルで噴霧し、それが絡まるように麺類を混ぜ合わせた。
得られた冷やしうどんおよび冷やしそばを、それぞれ80mm×70mm×高さ45mmのプラスチック製容器に入れて蓋をし、温度10℃の冷蔵庫に静置し、24時間後の麺類のほぐれ性を次の5段階の基準で、箸を用いて官能評価した。
評価点5:とてもほぐれ易い
4:ほぐれ易い
3:少しほぐれ易い
2:ほぐれ難い
1:かなりほぐれ難い
なお、麺類のほぐれ改良剤で未処理のものについても同様に官能評価し、これを評価点1とした。
熟練した6名のパネラーにより評価し、それらの評価点の平均値(少数点第2位以下を切り捨て)をほぐれ性とした。
得られた結果を表1に示す。
表1の結果から、本発明の麺類のほぐれ改良剤およびその希釈液は、流動性が高く、分離がない均一な液体であり、麺類に付着させると優れたほぐれ性が得られることがわかる(実施例1および実施例3〜8参照)。
また、クエン酸ナトリウムを配合してpHを3.5〜6.5に調整した本発明の麺類のほぐれ改良剤(実施例1)は、クエン酸ナトリウムを配合しないもの(実施例2)よりも製剤安定性がさらに向上することがわかる。
一方、他の公知の増粘剤の組み合わせからなる麺類のほぐれ改良剤(比較例1〜26)およびグリセリン脂肪酸エステルの代わりにポリグリセリン脂肪酸エステルを用いた麺類のほぐれ改良剤(比較例27)は、ペースト化(固体化)したり、流動性はあっても分離して再分散が困難な状態になることがわかる。
また、アラビアガムおよびグリセリン脂肪酸エステルを配合せず、ガティガムのみを配合した麺類のほぐれ改良剤(比較例28)およびその希釈液は、流動性が高く、分離がない均一な液体であるが、麺類に付着させても優れたほぐれ性が得られないことがわかる。

Claims (4)

  1. 液剤100重量部中に、0.5〜15重量部のアラビアガム、0.5〜10重量部のガティガムおよび0.5〜10重量部のグリセリン脂肪酸エステルを有効成分として含み、かつ残部がエタノール、酢酸および酢酸ナトリウムから選択される少なくとも1種ならびに水であることを特徴とする麺類のほぐれ改良剤。
  2. 前記グリセリン脂肪酸エステルが、ステアリン酸および/またはオレイン酸を主成分とするモノグリセライドである請求項1に記載の麺類のほぐれ改良剤。
  3. 前記麺類のほぐれ改良剤が、クエン酸ナトリウムをさらに含み、かつpH3.5〜6.5の範囲にある請求項1または2に記載の麺類のほぐれ改良剤。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の麺類のほぐれ改良剤を麺類の表面に付着させて、麺類のほぐれを改良することを特徴とする麺類のほぐれ改良方法。
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