JP2010187645A - セネデスムス属に属する微細藻類、該微細藻類を培養する工程を有する油分の製造方法、および該微細藻類から採取した油分 - Google Patents

セネデスムス属に属する微細藻類、該微細藻類を培養する工程を有する油分の製造方法、および該微細藻類から採取した油分 Download PDF

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【課題】炭素数14〜22の脂肪族炭化水素の産生能の高い微細藻類、該微細藻類を培養する工程を有する油分の製造方法、該微細藻類から採取した油分、該微細藻類を乾燥して得られる乾燥藻体、該微細藻類から得られる燃料、および該微細藻類を培養する工程を有する二酸化炭素固定方法の提供。
【解決手段】(1)セネデスムス(Scenedesmus)属に属する微細藻類、(2)(1)記載の微細藻類を培養する工程を有する油分の製造方法、(3)(2)記載の油分の製造方法によって製造された油分、(4)(1)記載の微細藻類を乾燥して得られる乾燥藻体、(5)(1)記載の微細藻類から得られる燃料、(6)(1)記載の微細藻類を培養する工程を有する二酸化炭素固定方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、セネデスムス(Scenedesmus)属に属する微細藻類、該微細藻類を培養する工程を有する油分の製造方法、および該微細藻類から採取した油分に関する。より詳細には、炭素数14〜22の脂肪族炭化水素の産生能を有するセネデスムス(Scenedesmus)属に属する微細藻類、該微細藻類を培養する工程を有する油分の製造方法、該微細藻類から採取した油分、該微細藻類を乾燥して得られる乾燥藻体、該微細藻類から得られる燃料、および該微細藻類を培養する工程を有する二酸化炭素固定方法に関する。
バイオ燃料と呼称される重質油系または軽質油系の炭化水素を、微細藻類の培養によって製造する方法がいくつか報告されている。
重質油系炭化水素の産生能を有する藻類としては、炭素数36の炭化水素の産生能をもつ微細藻類ボツリオコッカス ブラウニー(非特許文献1参照。)や炭素数33の炭化水素の産生能をもつ微細藻類ボツリオコッカス・ブラウニーAレース(特許文献1参照。)が知られる。
また、軽質油系炭化水素の産生能を有する藻類としては、炭素数17の炭化水素の産生能をもつ微細藻類Nostoc muscorum、Trichodesmium erythaeum、Plectonema terebrans等(非特許文献1参照。)、炭素数19の炭化水素の産生能をもつ微細藻類Coccochloris elabens等(非特許文献1参照。)、炭素数17、18、19、および20の炭化水素の産生能をもつ微細藻類シュードコリシスチス エリプソイディア MBIC11204株(特許文献2参照。)、炭素数17、19、21、および23の炭化水素の産生能をもつ微細藻類コリシスチス マイナー SAG17.98株(特許文献2参照。)が知られる。
微細藻類の産生しうる軽質油系炭化水素はディーゼル燃料として産業上有用であり、地球温暖化防止を志向したカーボンニュートラルな燃料としても期待されている。
しかしながら、前記微細藻類を乾燥して得られる乾燥藻体において、軽質油系炭化水素の含有率は通常0.025〜0.12質量%程度であり(非特許文献1参照。)、その炭化水素産生能は必ずしも十分ではない。
特開平9−234055号公報 国際公開第2006/109588号パンフレット
R.Raja,S.Hemaiswarya,N.Ashok Kumar,S.Sridhar and R.Rengasamy(2008) A Perspective on the Biotechnological Potential of Microalgae. Critical Reviews in Microbiology,34:77−88.
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、炭素数14〜22の脂肪族炭化水素の産生能の高い微細藻類、該微細藻類を培養する工程を有する油分の製造方法、該微細藻類から採取した油分、該微細藻類を乾燥して得られる乾燥藻体、該微細藻類から得られる燃料、および該微細藻類を培養する工程を有する二酸化炭素固定方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は次の構成を採用した。
請求項1記載の発明は、炭素数14〜22の脂肪族炭化水素の産生能を有するセネデスムス(Scenedesmus)属に属する微細藻類である。
請求項2記載の発明は、炭素数14〜22の脂肪族炭化水素の産生能を有する微細藻類セネデスムス(Scenedesmus)属 ルベッセンス(rubescens)種である。
請求項3記載の発明は、微細藻類セネデスムス(Scenedesmus)属 ルベッセンス(rubescens)種 JPCC GA0024株(FERM P−21749)である。
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の微細藻類を培養する工程を有する油分の製造方法である。
請求項5記載の発明は、前記油分が炭素数14〜22の脂肪族炭化水素を含むことを特徴とする請求項4記載の油分の製造方法である。
請求項6記載の発明は、請求項4記載の油分の製造方法によって製造された油分。
請求項7記載の発明は、前記油分が炭素数14〜22の脂肪族炭化水素を含むことを特徴とする請求項6記載の油分である。
請求項8記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の微細藻類を乾燥して得られる乾燥藻体である。
請求項9記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の微細藻類から得られる燃料である。
請求項10記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の微細藻類を培養する工程を有する二酸化炭素固定方法である。
なお、本特許請求の範囲および明細書中において、「炭素数14〜22の脂肪族炭化水素の産生能を有する」とは、主に炭素数14、16、20、および22の脂肪族炭化水素の産生能を有するという意である。また、「油分」とは、疎水性有機化合物からなる液体成分をいう。該疎水性有機化合物としては、脂肪族炭化水素、中性脂肪等が挙げられる。
本発明によれば、炭素数14〜22の脂肪族炭化水素の産生能の高い微細藻類、該微細藻類を培養する工程を有する油分の製造方法、該微細藻類から採取した油分、該微細藻類を乾燥して得られる乾燥藻体、該微細藻類から得られる燃料、および該微細藻類を培養する工程を有する二酸化炭素固定方法を提供できる。
JPCC GA0024株の18S rDNA塩基配列を使用して得られた分子系統樹を示す図である。 JPCC GA0024株の増殖曲線である。 JPCC GA0024株の海水成分濃度を変化させた培養における増殖曲線である。 JPCC GA0024株の栄養制限培養における増殖曲線である。
以下、本発明について詳しく説明する。
<セネデスムス属に属する微細藻類>
本発明におけるセネデスムス(Scenedesmus)属に属する微細藻類は、炭素数14〜22の脂肪族炭化水素の産生能を有するものである。
該微細藻類としては、微細藻類セネデスムス属 ルベッセンス種(Scenedesmus rubescens)が好ましく、特に、炭素数14〜22の脂肪族炭化水素の藻体中における含有率が高く、容易に培養できる観点から、微細藻類セネデスムス属 ルベッセンス種(Scenedesmus rubescens) JPCC GA0024株(FERM P−21749)(以下、JPCC GA0024株と略称する。)がより好ましい。
JPCC GA0024株は、発明者が汽水域の海水から単離した緑藻綱クロロコッカム目セネデスムス属ルベッセンス種に属する海洋微細藻類の新規株である。
以下に、該微細藻類の単離方法および該微細藻類のJPCC GA0024株を新規株と判定するに至った経緯を説明する。
(単離方法)
ビタミン等を含む栄養塩類{硝酸ナトリウム200mg/l、リン酸水素二ナトリウム1.4mg/l、リン酸二水素ナトリウム5.0mg/l、塩化アンモニウム68mg/l、チアミン0.2mg/l、ビオチン0.0015mg/l、ビタミン(B12)0.0015mg/l、NaEDTA37.2mg/l、FeEDTA5.2mg/l、MnEDTA0.3332mg/l、塩化マンガン(II)四水和物0.18mg/l、硫酸亜鉛七水和物0.024mg/l、塩化コバルト(II)六水和物0.014mg/l、モリブテン(VI)酸二ナトリウム二水和物0.0072mg/l、硫酸銅(II)五水和物0.0024mg/l、亜セレン酸五水和物0.0016mg/l}、および人工海水(千寿製薬(株)製マリンアート・SF−1)37g/lを蒸留水に上記所定の濃度で溶解した液体培地を作製した。また、ビタミン等を含む栄養塩類および人工海水を前記液体培地と同一の組成で含み、さらに寒天を1.2%(w/v)の濃度となるように添加した寒天培地を作成した。
前記液体培地2mlを含む24穴のマイクロタイタープレートに、2002年11月福岡県遠賀郡芦屋町遠賀川河口干潟より採取した砂を適量添加した。つづいて、1000ルクス(lx)の光照射下で静置培養を行い、微細藻類の生育が確認できたウェル中の培養液の一部を分取した。その分取した培養液を前記寒天培地上に接種して、前記光照射条件下で培養することによって、緑色の単細胞藻類JPCC GA0024株が、単菌化(単離)された微細藻類のコロニーとして得られた。
(形態学的性質)
前記寒天培地上で、25℃、14日間培養した結果、直径2.0〜5.0mm程度の緑色のJPCC GA0024株のコロニーが得られた。コロニーの形状は点状で、隆起の無い半レンズ状であった。周縁は全縁であり、表面はスムーズな形状であった。また、変異によるコロニーの形態の変化は見られず、培養条件や生理的状態によるコロニー形態の変化も見られなかった。培養日数が延びるとともにコロニー色が緑色から茶色へと変化することが確認された。
前記コロニー中の海洋微細藻類は、大きさが平均して10〜20μm程度、中には100μmを超す細胞もある緑色の単細胞藻類で、群体を形成せず、栄養細胞には点眼や収縮胞は無く、細胞形は円形であった。浮遊性は無く、細胞表面は滑らかである。栄養細胞は鞭毛を持たず運動性を示さない。また外囲を細胞壁で囲まれ、内部に核が1個、葉緑体が複数存在し、その他ミトコンドリア、ゴルジ体、液胞、油滴等が観察される。葉緑体内にピレノイドが確認される。
(生殖様式)
JPCC GA0024株は、内細胞を形成せず、2分裂による増殖を行なう。
(生理学・生化学的性状)
・ 培養液:海水を基調とする公知の培養液中で生育する。淡水では極度に生育が鈍い。
・ 光合成:光合成による光独立栄養生育ができる。従属栄養生育は確認されない。
・ 含有色素:クロロフィルa、クロロフィルb、およびその他カロテノイド色素類
・ 貯蔵物質:デンプン、および炭素数14〜22の脂肪族炭化水素を含む油分
・ 生育温度:20℃〜35℃(至適温度25℃)
・ 生育pH:7.0〜9.0(至適pH8.0)
・ 細胞内にNile redで染色される油分を蓄積する。
Nile red染色したJPCC GA0024株を蛍光顕微鏡で観察すると、蛍光視野中の藻体において、明るい蛍光発色の領域としてNile redで発色した油分の存在が確認される。該油分は藻体細胞内の広い領域に蓄積されうる。また、該油分は炭素数14〜22の脂肪族炭化水素を含む。
前述の形態学的性質、生殖様式、および生理学・生化学的性状の点からJPCC GA0024株は、既存の緑藻網クロロコッカム目に属する藻類であると推定された。さらに、従来公知の方法に従って、QIAamp DNAブロードミニキット50(株式会社キアゲン社製)を用いて、該JPCC GA0024株からDNAを抽出し、PCR法により、18S rDNAの領域を増幅させてシークエンス解析を行い、18S rDNA領域の塩基配列を決定した。得られた18S rDNAの塩基配列を配列表の配列番号1に示す。得られた18S rDNAの塩基配列を公共のデータベースである日本DNAデータバンク(DDBJ)と照合して相同性を検索(Blast検索)し、解析ソフトClustalWおよび表示ソフトTreeviewを用いて系統解析を行なった。その結果得られた系統図を図1に示す。
単離したJPCC GA0024株は、前記系統樹において、クロロコッカム目に分類され、Scenedesmus属rubescens種とクラスターを形成した。rubescens種との細胞形態も類似していることから、JPCC GA0024株はセネデスムス属ルベッセンス種(Scenedesmus rubescens)の藻類であると判断された。
また、JPCC GA0024株は藻体中に炭素数14〜22の脂肪族炭化水素を含む油分を蓄積しうる。さらに、JPCC GA0024株の乾燥藻体における該炭素数14〜22の脂肪族炭化水素の含有率は、0.6質量%以上に達しうる。
一方、セネデスムス属ルベッセンス種において、該脂肪族炭化水素を含む油分を蓄積する株は、今日まで知られていない。
したがって、JPCC GA0024株は、セネデスムス属ルベッセンス種の新規株であると判断された。
前記JPCC GA0024株は、受託番号FERM P−21749として、独立行政法人産業技術総合研究所 特許微生物寄託センターに寄託された。
<油分の製造方法>
本発明における油分の製造方法は、本発明にかかる前記セネデスムス属に属する微細藻類を培養する工程を有するものである。本発明にかかる微細藻類を培養し、当該培養工程によって生育させた当該微細藻類を培地中から回収し、得られた微細藻類中に含まれる油分を採取することによって、当該油分を製造することができる。
当該セネデスムス属に属する微細藻類としては、微細藻類セネデスムス属ルベッセンス種が好ましく、特に、炭素数14〜22の脂肪族炭化水素の藻体中における含有率が高く、容易に培養できる観点から、微細藻類セネデスムス属ルベッセンス種JPCC GA0024株がより好ましい。
当該微細藻類を培養する工程としては、セネデスムス属に属する微細藻類を培養できる公知の方法が適用できる。例えば、液体培地を入れた偏平フラスコ等の培養容器に該微細藻類を接種して、藻体が沈殿しない程度に緩やかに攪拌しながら光照射下で通気培養すればよい。
前記液体培地としては当該微細藻類を培養できる液体培地であれば特に制限されず、公知のものが使用できる。例えば、前述のJPCC GA0024株を単離する際に用いた、ビタミン等を含む栄養塩類および人工海水(千寿製薬(株)製マリンアート・SF−1)を含む液体培地が好ましいものとして挙げられる。該人工海水は、天然海水に含まれる塩類を模した塩類である。該人口海水の所定量を蒸留水に溶解することで、天然海水を模した海水成分をもつ水溶液を作製することができる。
前記液体培地における人工海水(千寿製薬(株)製マリンアート・SF−1)の濃度としては、37g/lを添加した場合を100%(w/v)(天然海水の塩濃度とほぼ等しい)とした時、10〜100%(w/v)が好ましく、30〜100%(w/v)がより好ましく、50〜100%(w/v)がさらに好ましく、80〜100%(w/v)が最も好ましい。
前記光照射条件としては、培養液中の藻体濃度によって適宜調節すればよく、例えば500ルクス以上(lx)が好ましく、1000〜30000ルクス(lx)がより好ましく、1000〜10000ルクス(lx)がさらに好ましく、1000〜6000ルクス(lx)が特に好ましく、1000〜3000ルクス(lx)が最も好ましい。
前記通気培養における通気量としては、当該微細藻類が生育するのに適した公知の通気量が適用でき、例えば、好ましくは1〜5vvm、より好ましくは2〜4vvm、さらに好ましくは2.5〜3.5vvmで通気培養することができる。
前記通気培養における培養温度としては、当該微細藻類が生育するのに適した公知の培養温度でよく、通常、20〜35℃で行うことが好ましく、25〜30℃で行うことがより好ましい。
前記通気培養の期間としては、当該微細藻類が生育する限り培養を継続することができ、通常、1〜4週間で行うことが好ましく、1〜3週間で行うことがより好ましく、1〜2週間で行うことがさらに好ましい。
本発明における油分の製造方法において、当該微細藻類の前記通気培養期間の後に、栄養制限下でさらに培養することが好ましい。該栄養制限下で培養することにより、藻体中に含まれる油分の含有率(乾燥藻体中に含まれる油分の質量%)を高めることができる。したがって、前記通気培養期間に、栄養制限のない培地(栄養培地)で当該微細藻類を生育させて、所望の量まで培養した後に、栄養制限下での培養に切り換えることによって藻体中に含まれる油分の含有率を高めて、当該油分の製造効率を高めることが好ましい。
ここで、前記栄養制限下での培養とは、培地に含まれるビタミン等を含む栄養塩類を通常よりも少なくした培地(栄養制限培地)で培養を行うことである。例えば、前述のJPCC GA0024株を単離する際に用いた、ビタミン等を含む栄養塩類および人工海水(千寿製薬(株)製マリンアート・SF−1)を含む液体培地(栄養液体培地)における該ビタミン等を含む栄養塩類の含有率を100%(w/v)とした場合、該含有率が100%(w/v)未満である液体培地(栄養制限液体培地)を用いて培養することが、栄養制限下で培養することにあたる。
前記栄養制限液体培地に含まれるビタミン等を含む栄養塩類の含有率としては、当該微細藻類中の油分の含有率を高める観点から、0〜60%(w/v)が好ましく、0〜30%(w/v)がより好ましく、0〜20%(w/v)がさらに好ましく、0〜10%(w/v)が特に好ましく、0%(w/v)が最も好ましい。
前述の、栄養液体培地から栄養制限液体培地へ切り換える方法としては、特に制限されず、一度に栄養制限培地に切り換えてもよく、漸次切り換えてもよい。前記一度に切り換える方法としては、例えば遠心によって藻体を沈殿させて、上澄み液である栄養液体培地を除去し、つぎに栄養制限液体培地を投入する方法が挙げられる。また、漸次切り換える方法としては、例えば半透膜で隔てた一方の側に藻体を含む栄養液体培地を入れ、他方の側に栄養制限液体培地を入れることで、浸透圧の原理によって藻体を含む液体培地のビタミン等を含む栄養塩類の含有濃度を漸次低下させ、栄養制限液体培地にする方法が挙げられる。
前記栄養制限下での培養の期間は、本発明の効果を損なわない範囲であれば特に制限されず、当該微細藻類の油分含有率を高められる期間であればよい。該期間としては、好ましくは3〜30日、より好ましくは3〜20日、さらに好ましくは3〜7日で行うことができる。
培養した微細藻類の回収方法としては、公知の方法で行うことができ、例えば培養液を遠心することによって藻体を沈殿させてペレットとして回収する方法、当該微細藻類が通過できない孔をもつフィルターに培養液を通過させてフィルターに残った藻体を回収する方法等が挙げられる。
前記培養方法および回収方法で得られた藻体中に含まれる油分を採取する方法としては、本発明の効果を損なうものでなければ特に制限されない。例えば回収した藻体を有機溶媒中に懸濁することで藻体中に含まれる油分を、該有機溶媒中へ抽出することができる。
該有機溶媒としては、本発明の効果を損なわず、藻体中に含まれる油分を溶解できるものであれば特に制限されず、例えば、n−ヘキサン(以下では、ヘキサンという。)、アセトン、アセトニトリル、メタノール、エタノール、ブタノール、クロロホルム等が挙げられる。これらのなかでも、油分の抽出効率の観点から、ヘキサンが好ましい。また、これらの有機溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、該油分の抽出効率を高めるために、該藻体を懸濁した有機溶媒を超音波ホモジナイザー等にかけて、該藻体を物理的に破壊することが好ましい。
前記有機溶媒は、当該油分よりも沸点が低いので、窒素気流の吹きつけ、減圧留去等によって除くことができる。また、再利用も可能である。
また、前記有機溶媒によって抽出した油分は、必要に応じてさらに精製することができる。該精製方法としては、公知の方法で行えばよく、例えばシリカゲルを用いた固相抽出、液体クロマトグラフィー、蒸留等によって、当該油分に含まれる成分ごとに分取する方法が挙げられる。
前記方法によって製造された油分は、当該微細藻類をNile redで染色した際に観察される油分を含む。該油分は、炭素数14〜22の脂肪族炭化水素を含むものである。また、該油分は前記炭素数14〜22の脂肪族炭化水素の他に、トリグリセリド等の中性脂質、リン脂質、遊離脂肪酸、ステロイド化合物、カロテノイド等の光合成色素等も含みうる。
前記炭素数14〜22の脂肪族炭化水素は、主に炭素数14、16、20、および22の直鎖状脂肪族炭化水素であり、より具体的には、テトラデカン、ヘキサデカン、イコサン、およびドコサンである。なお、前記直鎖状脂肪族炭化水素は不飽和結合を含みうる。
<油分>
本発明における油分は、本発明にかかる油分の製造方法によって製造されたものである。
当該油分の説明は、前述の油分の製造方法における油分の説明と同様である。
また、当該油分から炭素数14〜22の脂肪族炭化水素を精製することもできる。
該精製方法としては、特に制限されず、公知の方法で行うことができる。例えば、当該微細藻類からヘキサン抽出した油分をヘキサン等の有機溶媒に溶解し、該溶液にシリカゲルを投入することにより、該炭素数14〜22の脂肪族炭化水素以外の物質をシリカゲルに吸着させ、該炭素数14〜22の脂肪族炭化水素のみを溶出させることができる。
なお、当該油分を溶解する有機溶媒としては、前述の油分の製造方法における有機溶媒の説明で挙げたものと同様のものが挙げられる。
<乾燥藻体>
本発明における乾燥藻体は、本発明にかかる前記セネデスムス属に属する微細藻類を乾燥させたものである。
当該微細藻類としては、本発明にかかる前記セネデスムス属に属する微細藻類の説明で挙げたものと同様のものが挙げられる。
当該微細藻類を乾燥させる方法としては、藻体中の水分を除去できる方法であれば特に制限されない。例えば、藻体を天日干しにする方法、藻体に乾燥空気を吹き付ける方法、藻体を凍結乾燥(フリーズドライ)する方法等が挙げられる。これらのうち、藻体に含まれる成分の分解を抑制できる観点から、凍結乾燥による乾燥方法が好ましい。
<燃料>
本発明における燃料は、本発明にかかる前記セネデスムス属に属する微細藻類から得られたものである。
当該微細藻類としては、本発明にかかる前記セネデスムス属に属する微細藻類の説明で挙げたものと同様のものが挙げられる。
当該微細藻類を燃料として用いる方法としては、当該微細藻類を燃焼させる方法、当該微細藻類から採取した油分を燃焼させる方法、当該微細藻類から採取した油分から精製した炭化水素14〜22の脂肪族炭化水素を燃焼させる方法等が例示できる。
当該微細藻類を燃焼させる場合、燃焼効率を高める観点から、当該微細藻類を乾燥して得られる乾燥藻体を用いることが好ましい。該乾燥藻体は、本発明にかかる前記乾燥藻体と同様である。当該微細藻類がJPCC GA0024株である場合には、その乾燥藻体の有する熱量は、石炭の有する熱量(約6000kcal/kg)と同等以上に達しうる。
当該微細藻類から採取した油分を燃焼させる場合、該油分は、本発明にかかる前記油分と同様である。当該微細藻類から採取した油分は可燃性であり、例えばボイラー等の燃料として使用することができる。当該微細藻類がJPCC GA0024株である場合には、そのヘキサン抽出物(油分)の有する熱量は、8400kcal/kg以上に達しうる。
当該微細藻類から採取した油分から精製した炭素数14〜22の脂肪族炭化水素を燃焼させる場合、該炭素数14〜22の脂肪族炭化水素は、本発明にかかる前記油分における該炭素数14〜22の脂肪族炭化水素と同様である。該炭素数14〜22の脂肪族炭化水素はディーゼルエンジンの燃料として用いることができる。
<二酸化炭素固定方法>
本発明における二酸化炭素固定方法は、本発明にかかる前記セネデスムス属に属する微細藻類を培養する工程を有するものである。
当該微細藻類が生育する際に行う光合成は、培養液中(大気中)の二酸化炭素を同化する作用がある。すなわち、当該微細藻類を培養することによって、二酸化炭素を固定することができる。
当該微細藻類としては、本発明にかかる前記セネデスムス属に属する微細藻類の説明で挙げたものと同様のものが挙げられる。
当該微細藻類を培養する工程は、本発明にかかる前記油分の製造方法における当該微細藻類の培養方法と同様である。
次に実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
<JPCC GA0024株の炭化水素産生能>
JPCC GA0024株を24穴ウェルで12週間培養した後、その藻体をNile redで染色することにより、藻体中に油分が産生および蓄積されていることを確認した。
具体的には、ビタミン等を含む栄養塩類{硝酸ナトリウム200mg/l、リン酸水素二ナトリウム1.4mg/l、リン酸二水素ナトリウム5.0mg/l、塩化アンモニウム68mg/l、チアミン0.2mg/l、ビオチン0.0015mg/l、ビタミン(B12)0.0015mg/l、NaEDTA37.2mg/l、FeEDTA5.2mg/l、MnEDTA0.3332mg/l、塩化マンガン(II)四水和物0.18mg/l、硫酸亜鉛七水和物0.024mg/l、塩化コバルト(II)六水和物0.014mg/l、モリブテン(VI)酸二ナトリウム二水和物0.0072mg/l、硫酸銅(II)五水和物0.0024mg/l、亜セレン酸五水和物0.0016mg/l}、および人工海水(千寿製薬(株)製マリンアート・SF−1)37g/lを蒸留水に上記所定の濃度で溶解した栄養液体培地を作製した。次に、該培地2mlを含む24穴のマイクロタイタープレートに、該JPCC GA0024株を接種して、1000ルクス(lx)の光照射下で、12週間静置培養した。つづいて、培養液を1.5ml容のマイクロチューブに移して、13000rpmで遠心することにより藻体をペレットとして回収した。該ペレットに含まれる培地を除くために0.5mlの生理食塩水に懸濁した後、13000rpmの遠心を5分行い、藻体をペレットとして回収した。
つぎに、そのペレットを450μlの生理食塩水に再懸濁して、さらに50μlのNile red溶液を加えて混合した後、室温で10分間のインキュベーションを行った。その後、13000rpmの遠心を5分行ってペレットを回収し、余分なNile red溶液を洗い流すために該ペレットを1.0mlの生理食塩水へ懸濁してから再度遠心してペレットとして藻体を回収した。得られた藻体を50μlの生理食塩水へ懸濁したものを、蛍光顕微鏡によって観察した。その結果、藻体中にNile redで染色された油分の存在領域を示す黄色の蛍光を発する領域を確認することができた。該蛍光顕微鏡像では、藻体全体に油分が蓄積されている様子が確認された。
なお、前記Nile red溶液は、1mgのNile redを10mlのアセトンに溶解し、さらに生理食塩水で4倍に希釈した溶液である。
[実施例2]
<JPCC GA0024株に蓄積される炭化水素の同定>
実施例1で作製した液体培地と同じ組成の液体培地500mlを入れた500ml容の偏平フラスコにJPCC GA0024株を接種して、3000ルクス(lx)の光照射下、通気量3vvmで3週間、通気培養を行った。その後、遠心で回収した藻体ペレットを、一晩凍結乾燥した。
得られた乾燥藻体0.1gにヘキサン6mlを加えて懸濁し、超音波ホモジナイザーを用いて室温で藻体を破砕しながら30分間の抽出を行った。これを3回行いった。つぎに、該ヘキサン抽出液を遠心し、藻体の残渣を除いたヘキサン抽出溶液約18mlをSep−pak cartridge(6 cc/1g)(Waters Corporation社製)シリカゲルカラムを用いて、極性物質(遊離脂肪酸、色素を含む)を除去し、脂肪族炭化水素画分を含む16ml得た。窒素気流によって乾燥させ、ヘキサン0.5mlに再溶解させたものを試料とした。その試料をガスクロマトグラフ質量分析(GCMS)によって分析し、試料に含まれる炭化水素を同定した。
使用したガスクロマトグラフ機器は株式会社島津製作所製のGC2010であり、使用したカラムはDB−1(カラム長:30m、カラム内径:0.25mm)であり、測定条件(昇温:100℃(0分)〜330℃(10℃/分、hold)、注入温度:300℃、注入モード:スプリットレス、キャリアガス:He、注入量:1.0μl)で行った。
質量分析機器は、電子衝撃(EI)法によるイオン化を行う、株式会社島津製作所製のGCMS−QP5050Aを使用した。
GCMS分析の結果、JPCC GA0024株は、炭素数14〜22の脂肪族炭化水素を産生していることが明らかとなった。より具体的には、炭素数14、16、20および22の直鎖状脂肪族炭化水素が主な成分として確認された。なお、該直鎖状脂肪族炭化水素のなかには、不飽和結合を有するものも含まれることが示唆されたが、その不飽和結合の分子中における位置を特定するには至らなかった。
また、軽油0.1%をヘキサンに溶解した試料を定量用の試料として、GCMSチャートにおける当該炭化水素を示す面積比からJPCC GA0024株が産生する炭化水素量を定量したところ、JPCC GA0024株の乾燥藻体における当該炭素数14〜22の脂肪族炭化水素の含有率は0.6質量%であった。この含有率は、これまでに公知の、軽質油系の脂肪族炭化水素を産生する藻類の含有率(乾燥藻体において、0.025〜0.12質量%;非特許文献1のTABLE2を参照。)よりも突出して高いものであった。
[実施例3]
<JPCC GA0024株の生育速度>
実施例2と同様にJPCC GA0024株を培養し、生育を評価するために培養液の濁度(OD750)を経時的に測定した。その結果を図2に示す。
得られた結果から、JPCC GA0024株は約2週間の培養期間で、その生育が定常に達することが確認された。また、培養開始後2週間経過した時の藻体を回収して乾燥凍結し、その乾燥藻体の回収量を調べたところ、培養液1lあたり0.96gであった。
[実施例4]
<JPCC GA0024株の海水要求性>
実施例1で作製した液体培地の組成のうち、ビタミン等を含む栄養塩類の組成は同一とし、人工海水(千寿製薬(株)製マリンアート・SF−1)の濃度を変化させた栄養液体培地を5種類作製した。該人口海水の濃度は、0g/lで添加した場合を0%とし、以下同様に、11.1g/l(30%)、18.5g/l(50%)、29.8g/l(80%)、37g/l(100%)とした。
これらの栄養液体培地500mlを入れた500ml容の偏平フラスコにJPCC GA0024株を接種して、3000ルクス(lx)の光照射下、通気量3vvmで2週間の通気培養を行った。生育を評価するために培養液の濁度(OD750)を経時的に測定した。その結果を図3に示す。
得られた結果から、2週間の生育期間中、JPCC GA0024株は、人工海水(海水成分)を80〜100%含む条件において最も生育が良いことが確認された。また、人工海水(海水成分)濃度が減少するにつれて、生育が減少することが確認された。
このことから、JPCC GA0024株は、海洋性の微細藻類であることが確認された。
[実施例5]
<JPCC GA0024株の栄養制限培養によるヘキサン抽出物の量変化>
実施例1で作製した液体培地の組成のうち、人工海水(千寿製薬(株)製マリンアート・SF−1)の濃度は同一とし、ビタミン等を含む栄養塩類の組成比は同一のままで、その添加濃度を変化させた栄養制限液体培地を5種類作成した。該ビタミン等を含む栄養塩類の濃度は、{硝酸ナトリウム200mg/l、リン酸水素二ナトリウム1.4mg/l、リン酸二水素ナトリウム5.0mg/l、塩化アンモニウム68mg/l、チアミン0.2mg/l、ビオチン0.0015mg/l、ビタミン(B12)0.0015mg/l、NaEDTA37.2mg/l、FeEDTA5.2mg/l、MnEDTA0.3332mg/l、塩化マンガン(II)四水和物0.18mg/l、硫酸亜鉛七水和物0.024mg/l、塩化コバルト(II)六水和物0.014mg/l、モリブテン(VI)酸二ナトリウム二水和物0.0072mg/l、硫酸銅(II)五水和物0.0024mg/l、亜セレン酸五水和物0.0016mg/l}で添加した場合を100%とし、その0.2倍量を添加した場合を20%、その0.1倍量を添加した場合を10%、添加しなかった場合を0%とした。
これらの栄養制限液体培地500mlを入れた500ml容の偏平フラスコのそれぞれにJPCC GA0024株を接種して、3000ルクス(lx)の光照射下、通気量3vvmで11日間の通気培養を行った。生育を評価するために培養液の濁度(OD750)を経時的に測定した。その結果を図4に示す。
培養期間経過後に、表1に示す量の培養液をそれぞれ回収し、遠心して藻体を回収した。その藻体を凍結乾燥して得られた乾燥藻体の質量を測定した。得られた乾燥藻体0.1gあたりヘキサン6.0mlを加えて懸濁し、超音波ホモジナイザーを用いて室温で藻体を破砕しながら30分間の抽出を行った。つぎに、該ヘキサン抽出液を遠心し、藻体の残渣を除いたヘキサン抽出溶液を回収した後、溶媒であるヘキサンを減圧留去し、残ったヘキサン抽出物(油分)の質量を測定した。これらの結果を表1に示す。
得られた結果から、11日間の生育期間中、JPCC GA0024株は、ビタミン等を含む栄養塩類を100%含む条件において最も生育が良いことが確認された。また、ビタミン等を含む栄養塩類濃度が減少するにつれて、生育が減少することが確認された。藻体の回収量(乾燥藻体の質量)も当然に同様の傾向を示した。
一方、回収した乾燥藻体の単位質量あたりのヘキサン抽出物(油分)の量(乾燥藻体の油分含有率)は、ビタミン等を含む栄養塩類の濃度が0%の時に最も多く、その濃度が高くなるにつれて該ヘキサン抽出物(油分)の量が少なくなることが確認された。その結果を表1に示す。
Figure 2010187645
[実施例6]
<JPCC GA0024株の乾燥藻体の発熱量>
実施例1で作製した液体培地と同じ組成の液体培地500mlを入れた500ml容の偏平フラスコにJPCC GA0024株を接種して、3000ルクス(lx)の光照射下、通気量3vvmで3週間の通気培養を行った。その後、遠心で回収した藻体ペレットを一晩凍結乾燥して、0.8gの乾燥藻体を得た。
得られた乾燥藻体を試料として、ボンベ型熱量計(株式会社吉田製作所製、型式:1013−J、熱量の計測範囲:4000〜33500J)で発熱量を測定したところ、6160kcal/kgであった。すなわち、JPCC GA0024株の乾燥藻体は、石炭と同等の発熱量をもつことが確認された。
<JPCC GA0024株から採取した油分の発熱量>
実施例6と同様の方法で、JPCC GA0024株の乾燥藻体4.0gを得た。該得られた乾燥藻体0.1gあたりヘキサン6.0mlを加えて懸濁し、超音波ホモジナイザーを用いて室温で藻体を破砕しながら30分間の抽出を行った。つぎに、該ヘキサン抽出液を遠心し、藻体の残渣を除いたヘキサン抽出溶液を回収した後、溶媒であるヘキサンを減圧留去して、ヘキサン抽出物(油分)0.360gを得た。
得られたヘキサン抽出物(油分)を試料として、ボンベ型熱量計(株式会社吉田製作所製、型式:1013−J、熱量の計測範囲:4000〜33500J)で発熱量を測定したところ、8420kcal/kgであった。
本発明にかかる微細藻類は、炭素数14〜22の脂肪族炭化水素の産生能が高いために、ディーゼル燃料の生産に利用可能であり、地球温暖化防止を志向したカーボンニュートラルな燃料としても期待できる。
FERM P−21749

Claims (10)

  1. 炭素数14〜22の脂肪族炭化水素の産生能を有するセネデスムス(Scenedesmus)属に属する微細藻類。
  2. 炭素数14〜22の脂肪族炭化水素の産生能を有する微細藻類セネデスムス(Scenedesmus)属 ルベッセンス(rubescens)種。
  3. 微細藻類セネデスムス(Scenedesmus)属 ルベッセンス(rubescens)種 JPCC GA0024株(FERM P−21749)。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の微細藻類を培養する工程を有する油分の製造方法。
  5. 前記油分が炭素数14〜22の脂肪族炭化水素を含むことを特徴とする請求項4記載の油分の製造方法。
  6. 請求項4記載の油分の製造方法によって製造された油分。
  7. 前記油分が炭素数14〜22の脂肪族炭化水素を含むことを特徴とする請求項6記載の油分。
  8. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の微細藻類を乾燥して得られる乾燥藻体。
  9. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の微細藻類から得られる燃料。
  10. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の微細藻類を培養する工程を有する二酸化炭素固定方法。
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