JP2010187645A - セネデスムス属に属する微細藻類、該微細藻類を培養する工程を有する油分の製造方法、および該微細藻類から採取した油分 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(1)セネデスムス(Scenedesmus)属に属する微細藻類、(2)(1)記載の微細藻類を培養する工程を有する油分の製造方法、(3)(2)記載の油分の製造方法によって製造された油分、(4)(1)記載の微細藻類を乾燥して得られる乾燥藻体、(5)(1)記載の微細藻類から得られる燃料、(6)(1)記載の微細藻類を培養する工程を有する二酸化炭素固定方法。
【選択図】なし
Description
重質油系炭化水素の産生能を有する藻類としては、炭素数36の炭化水素の産生能をもつ微細藻類ボツリオコッカス ブラウニー(非特許文献1参照。)や炭素数33の炭化水素の産生能をもつ微細藻類ボツリオコッカス・ブラウニーAレース(特許文献1参照。)が知られる。
また、軽質油系炭化水素の産生能を有する藻類としては、炭素数17の炭化水素の産生能をもつ微細藻類Nostoc muscorum、Trichodesmium erythaeum、Plectonema terebrans等(非特許文献1参照。)、炭素数19の炭化水素の産生能をもつ微細藻類Coccochloris elabens等(非特許文献1参照。)、炭素数17、18、19、および20の炭化水素の産生能をもつ微細藻類シュードコリシスチス エリプソイディア MBIC11204株(特許文献2参照。)、炭素数17、19、21、および23の炭化水素の産生能をもつ微細藻類コリシスチス マイナー SAG17.98株(特許文献2参照。)が知られる。
しかしながら、前記微細藻類を乾燥して得られる乾燥藻体において、軽質油系炭化水素の含有率は通常0.025〜0.12質量%程度であり(非特許文献1参照。)、その炭化水素産生能は必ずしも十分ではない。
請求項1記載の発明は、炭素数14〜22の脂肪族炭化水素の産生能を有するセネデスムス(Scenedesmus)属に属する微細藻類である。
請求項2記載の発明は、炭素数14〜22の脂肪族炭化水素の産生能を有する微細藻類セネデスムス(Scenedesmus)属 ルベッセンス(rubescens)種である。
請求項3記載の発明は、微細藻類セネデスムス(Scenedesmus)属 ルベッセンス(rubescens)種 JPCC GA0024株(FERM P−21749)である。
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の微細藻類を培養する工程を有する油分の製造方法である。
請求項5記載の発明は、前記油分が炭素数14〜22の脂肪族炭化水素を含むことを特徴とする請求項4記載の油分の製造方法である。
請求項6記載の発明は、請求項4記載の油分の製造方法によって製造された油分。
請求項7記載の発明は、前記油分が炭素数14〜22の脂肪族炭化水素を含むことを特徴とする請求項6記載の油分である。
請求項8記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の微細藻類を乾燥して得られる乾燥藻体である。
請求項9記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の微細藻類から得られる燃料である。
請求項10記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の微細藻類を培養する工程を有する二酸化炭素固定方法である。
<セネデスムス属に属する微細藻類>
本発明におけるセネデスムス(Scenedesmus)属に属する微細藻類は、炭素数14〜22の脂肪族炭化水素の産生能を有するものである。
該微細藻類としては、微細藻類セネデスムス属 ルベッセンス種(Scenedesmus rubescens)が好ましく、特に、炭素数14〜22の脂肪族炭化水素の藻体中における含有率が高く、容易に培養できる観点から、微細藻類セネデスムス属 ルベッセンス種(Scenedesmus rubescens) JPCC GA0024株(FERM P−21749)(以下、JPCC GA0024株と略称する。)がより好ましい。
以下に、該微細藻類の単離方法および該微細藻類のJPCC GA0024株を新規株と判定するに至った経緯を説明する。
ビタミン等を含む栄養塩類{硝酸ナトリウム200mg/l、リン酸水素二ナトリウム1.4mg/l、リン酸二水素ナトリウム5.0mg/l、塩化アンモニウム68mg/l、チアミン0.2mg/l、ビオチン0.0015mg/l、ビタミン(B12)0.0015mg/l、Na2EDTA37.2mg/l、FeEDTA5.2mg/l、MnEDTA0.3332mg/l、塩化マンガン(II)四水和物0.18mg/l、硫酸亜鉛七水和物0.024mg/l、塩化コバルト(II)六水和物0.014mg/l、モリブテン(VI)酸二ナトリウム二水和物0.0072mg/l、硫酸銅(II)五水和物0.0024mg/l、亜セレン酸五水和物0.0016mg/l}、および人工海水(千寿製薬(株)製マリンアート・SF−1)37g/lを蒸留水に上記所定の濃度で溶解した液体培地を作製した。また、ビタミン等を含む栄養塩類および人工海水を前記液体培地と同一の組成で含み、さらに寒天を1.2%(w/v)の濃度となるように添加した寒天培地を作成した。
前記液体培地2mlを含む24穴のマイクロタイタープレートに、2002年11月福岡県遠賀郡芦屋町遠賀川河口干潟より採取した砂を適量添加した。つづいて、1000ルクス(lx)の光照射下で静置培養を行い、微細藻類の生育が確認できたウェル中の培養液の一部を分取した。その分取した培養液を前記寒天培地上に接種して、前記光照射条件下で培養することによって、緑色の単細胞藻類JPCC GA0024株が、単菌化(単離)された微細藻類のコロニーとして得られた。
前記寒天培地上で、25℃、14日間培養した結果、直径2.0〜5.0mm程度の緑色のJPCC GA0024株のコロニーが得られた。コロニーの形状は点状で、隆起の無い半レンズ状であった。周縁は全縁であり、表面はスムーズな形状であった。また、変異によるコロニーの形態の変化は見られず、培養条件や生理的状態によるコロニー形態の変化も見られなかった。培養日数が延びるとともにコロニー色が緑色から茶色へと変化することが確認された。
前記コロニー中の海洋微細藻類は、大きさが平均して10〜20μm程度、中には100μmを超す細胞もある緑色の単細胞藻類で、群体を形成せず、栄養細胞には点眼や収縮胞は無く、細胞形は円形であった。浮遊性は無く、細胞表面は滑らかである。栄養細胞は鞭毛を持たず運動性を示さない。また外囲を細胞壁で囲まれ、内部に核が1個、葉緑体が複数存在し、その他ミトコンドリア、ゴルジ体、液胞、油滴等が観察される。葉緑体内にピレノイドが確認される。
JPCC GA0024株は、内細胞を形成せず、2分裂による増殖を行なう。
・ 培養液:海水を基調とする公知の培養液中で生育する。淡水では極度に生育が鈍い。
・ 光合成:光合成による光独立栄養生育ができる。従属栄養生育は確認されない。
・ 含有色素:クロロフィルa、クロロフィルb、およびその他カロテノイド色素類
・ 貯蔵物質:デンプン、および炭素数14〜22の脂肪族炭化水素を含む油分
・ 生育温度:20℃〜35℃(至適温度25℃)
・ 生育pH:7.0〜9.0(至適pH8.0)
・ 細胞内にNile redで染色される油分を蓄積する。
また、JPCC GA0024株は藻体中に炭素数14〜22の脂肪族炭化水素を含む油分を蓄積しうる。さらに、JPCC GA0024株の乾燥藻体における該炭素数14〜22の脂肪族炭化水素の含有率は、0.6質量%以上に達しうる。
一方、セネデスムス属ルベッセンス種において、該脂肪族炭化水素を含む油分を蓄積する株は、今日まで知られていない。
したがって、JPCC GA0024株は、セネデスムス属ルベッセンス種の新規株であると判断された。
本発明における油分の製造方法は、本発明にかかる前記セネデスムス属に属する微細藻類を培養する工程を有するものである。本発明にかかる微細藻類を培養し、当該培養工程によって生育させた当該微細藻類を培地中から回収し、得られた微細藻類中に含まれる油分を採取することによって、当該油分を製造することができる。
前記通気培養における通気量としては、当該微細藻類が生育するのに適した公知の通気量が適用でき、例えば、好ましくは1〜5vvm、より好ましくは2〜4vvm、さらに好ましくは2.5〜3.5vvmで通気培養することができる。
前記通気培養における培養温度としては、当該微細藻類が生育するのに適した公知の培養温度でよく、通常、20〜35℃で行うことが好ましく、25〜30℃で行うことがより好ましい。
前記通気培養の期間としては、当該微細藻類が生育する限り培養を継続することができ、通常、1〜4週間で行うことが好ましく、1〜3週間で行うことがより好ましく、1〜2週間で行うことがさらに好ましい。
該有機溶媒としては、本発明の効果を損なわず、藻体中に含まれる油分を溶解できるものであれば特に制限されず、例えば、n−ヘキサン(以下では、ヘキサンという。)、アセトン、アセトニトリル、メタノール、エタノール、ブタノール、クロロホルム等が挙げられる。これらのなかでも、油分の抽出効率の観点から、ヘキサンが好ましい。また、これらの有機溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、該油分の抽出効率を高めるために、該藻体を懸濁した有機溶媒を超音波ホモジナイザー等にかけて、該藻体を物理的に破壊することが好ましい。
また、前記有機溶媒によって抽出した油分は、必要に応じてさらに精製することができる。該精製方法としては、公知の方法で行えばよく、例えばシリカゲルを用いた固相抽出、液体クロマトグラフィー、蒸留等によって、当該油分に含まれる成分ごとに分取する方法が挙げられる。
前記炭素数14〜22の脂肪族炭化水素は、主に炭素数14、16、20、および22の直鎖状脂肪族炭化水素であり、より具体的には、テトラデカン、ヘキサデカン、イコサン、およびドコサンである。なお、前記直鎖状脂肪族炭化水素は不飽和結合を含みうる。
本発明における油分は、本発明にかかる油分の製造方法によって製造されたものである。
当該油分の説明は、前述の油分の製造方法における油分の説明と同様である。
また、当該油分から炭素数14〜22の脂肪族炭化水素を精製することもできる。
該精製方法としては、特に制限されず、公知の方法で行うことができる。例えば、当該微細藻類からヘキサン抽出した油分をヘキサン等の有機溶媒に溶解し、該溶液にシリカゲルを投入することにより、該炭素数14〜22の脂肪族炭化水素以外の物質をシリカゲルに吸着させ、該炭素数14〜22の脂肪族炭化水素のみを溶出させることができる。
なお、当該油分を溶解する有機溶媒としては、前述の油分の製造方法における有機溶媒の説明で挙げたものと同様のものが挙げられる。
本発明における乾燥藻体は、本発明にかかる前記セネデスムス属に属する微細藻類を乾燥させたものである。
当該微細藻類としては、本発明にかかる前記セネデスムス属に属する微細藻類の説明で挙げたものと同様のものが挙げられる。
当該微細藻類を乾燥させる方法としては、藻体中の水分を除去できる方法であれば特に制限されない。例えば、藻体を天日干しにする方法、藻体に乾燥空気を吹き付ける方法、藻体を凍結乾燥(フリーズドライ)する方法等が挙げられる。これらのうち、藻体に含まれる成分の分解を抑制できる観点から、凍結乾燥による乾燥方法が好ましい。
本発明における燃料は、本発明にかかる前記セネデスムス属に属する微細藻類から得られたものである。
当該微細藻類としては、本発明にかかる前記セネデスムス属に属する微細藻類の説明で挙げたものと同様のものが挙げられる。
当該微細藻類を燃料として用いる方法としては、当該微細藻類を燃焼させる方法、当該微細藻類から採取した油分を燃焼させる方法、当該微細藻類から採取した油分から精製した炭化水素14〜22の脂肪族炭化水素を燃焼させる方法等が例示できる。
本発明における二酸化炭素固定方法は、本発明にかかる前記セネデスムス属に属する微細藻類を培養する工程を有するものである。
当該微細藻類が生育する際に行う光合成は、培養液中(大気中)の二酸化炭素を同化する作用がある。すなわち、当該微細藻類を培養することによって、二酸化炭素を固定することができる。
当該微細藻類としては、本発明にかかる前記セネデスムス属に属する微細藻類の説明で挙げたものと同様のものが挙げられる。
当該微細藻類を培養する工程は、本発明にかかる前記油分の製造方法における当該微細藻類の培養方法と同様である。
<JPCC GA0024株の炭化水素産生能>
JPCC GA0024株を24穴ウェルで12週間培養した後、その藻体をNile redで染色することにより、藻体中に油分が産生および蓄積されていることを確認した。
つぎに、そのペレットを450μlの生理食塩水に再懸濁して、さらに50μlのNile red溶液を加えて混合した後、室温で10分間のインキュベーションを行った。その後、13000rpmの遠心を5分行ってペレットを回収し、余分なNile red溶液を洗い流すために該ペレットを1.0mlの生理食塩水へ懸濁してから再度遠心してペレットとして藻体を回収した。得られた藻体を50μlの生理食塩水へ懸濁したものを、蛍光顕微鏡によって観察した。その結果、藻体中にNile redで染色された油分の存在領域を示す黄色の蛍光を発する領域を確認することができた。該蛍光顕微鏡像では、藻体全体に油分が蓄積されている様子が確認された。
なお、前記Nile red溶液は、1mgのNile redを10mlのアセトンに溶解し、さらに生理食塩水で4倍に希釈した溶液である。
<JPCC GA0024株に蓄積される炭化水素の同定>
実施例1で作製した液体培地と同じ組成の液体培地500mlを入れた500ml容の偏平フラスコにJPCC GA0024株を接種して、3000ルクス(lx)の光照射下、通気量3vvmで3週間、通気培養を行った。その後、遠心で回収した藻体ペレットを、一晩凍結乾燥した。
得られた乾燥藻体0.1gにヘキサン6mlを加えて懸濁し、超音波ホモジナイザーを用いて室温で藻体を破砕しながら30分間の抽出を行った。これを3回行いった。つぎに、該ヘキサン抽出液を遠心し、藻体の残渣を除いたヘキサン抽出溶液約18mlをSep−pak cartridge(6 cc/1g)(Waters Corporation社製)シリカゲルカラムを用いて、極性物質(遊離脂肪酸、色素を含む)を除去し、脂肪族炭化水素画分を含む16ml得た。窒素気流によって乾燥させ、ヘキサン0.5mlに再溶解させたものを試料とした。その試料をガスクロマトグラフ質量分析(GCMS)によって分析し、試料に含まれる炭化水素を同定した。
質量分析機器は、電子衝撃(EI)法によるイオン化を行う、株式会社島津製作所製のGCMS−QP5050Aを使用した。
また、軽油0.1%をヘキサンに溶解した試料を定量用の試料として、GCMSチャートにおける当該炭化水素を示す面積比からJPCC GA0024株が産生する炭化水素量を定量したところ、JPCC GA0024株の乾燥藻体における当該炭素数14〜22の脂肪族炭化水素の含有率は0.6質量%であった。この含有率は、これまでに公知の、軽質油系の脂肪族炭化水素を産生する藻類の含有率(乾燥藻体において、0.025〜0.12質量%;非特許文献1のTABLE2を参照。)よりも突出して高いものであった。
<JPCC GA0024株の生育速度>
実施例2と同様にJPCC GA0024株を培養し、生育を評価するために培養液の濁度(OD750)を経時的に測定した。その結果を図2に示す。
得られた結果から、JPCC GA0024株は約2週間の培養期間で、その生育が定常に達することが確認された。また、培養開始後2週間経過した時の藻体を回収して乾燥凍結し、その乾燥藻体の回収量を調べたところ、培養液1lあたり0.96gであった。
<JPCC GA0024株の海水要求性>
実施例1で作製した液体培地の組成のうち、ビタミン等を含む栄養塩類の組成は同一とし、人工海水(千寿製薬(株)製マリンアート・SF−1)の濃度を変化させた栄養液体培地を5種類作製した。該人口海水の濃度は、0g/lで添加した場合を0%とし、以下同様に、11.1g/l(30%)、18.5g/l(50%)、29.8g/l(80%)、37g/l(100%)とした。
これらの栄養液体培地500mlを入れた500ml容の偏平フラスコにJPCC GA0024株を接種して、3000ルクス(lx)の光照射下、通気量3vvmで2週間の通気培養を行った。生育を評価するために培養液の濁度(OD750)を経時的に測定した。その結果を図3に示す。
得られた結果から、2週間の生育期間中、JPCC GA0024株は、人工海水(海水成分)を80〜100%含む条件において最も生育が良いことが確認された。また、人工海水(海水成分)濃度が減少するにつれて、生育が減少することが確認された。
このことから、JPCC GA0024株は、海洋性の微細藻類であることが確認された。
<JPCC GA0024株の栄養制限培養によるヘキサン抽出物の量変化>
実施例1で作製した液体培地の組成のうち、人工海水(千寿製薬(株)製マリンアート・SF−1)の濃度は同一とし、ビタミン等を含む栄養塩類の組成比は同一のままで、その添加濃度を変化させた栄養制限液体培地を5種類作成した。該ビタミン等を含む栄養塩類の濃度は、{硝酸ナトリウム200mg/l、リン酸水素二ナトリウム1.4mg/l、リン酸二水素ナトリウム5.0mg/l、塩化アンモニウム68mg/l、チアミン0.2mg/l、ビオチン0.0015mg/l、ビタミン(B12)0.0015mg/l、Na2EDTA37.2mg/l、FeEDTA5.2mg/l、MnEDTA0.3332mg/l、塩化マンガン(II)四水和物0.18mg/l、硫酸亜鉛七水和物0.024mg/l、塩化コバルト(II)六水和物0.014mg/l、モリブテン(VI)酸二ナトリウム二水和物0.0072mg/l、硫酸銅(II)五水和物0.0024mg/l、亜セレン酸五水和物0.0016mg/l}で添加した場合を100%とし、その0.2倍量を添加した場合を20%、その0.1倍量を添加した場合を10%、添加しなかった場合を0%とした。
これらの栄養制限液体培地500mlを入れた500ml容の偏平フラスコのそれぞれにJPCC GA0024株を接種して、3000ルクス(lx)の光照射下、通気量3vvmで11日間の通気培養を行った。生育を評価するために培養液の濁度(OD750)を経時的に測定した。その結果を図4に示す。
一方、回収した乾燥藻体の単位質量あたりのヘキサン抽出物(油分)の量(乾燥藻体の油分含有率)は、ビタミン等を含む栄養塩類の濃度が0%の時に最も多く、その濃度が高くなるにつれて該ヘキサン抽出物(油分)の量が少なくなることが確認された。その結果を表1に示す。
<JPCC GA0024株の乾燥藻体の発熱量>
実施例1で作製した液体培地と同じ組成の液体培地500mlを入れた500ml容の偏平フラスコにJPCC GA0024株を接種して、3000ルクス(lx)の光照射下、通気量3vvmで3週間の通気培養を行った。その後、遠心で回収した藻体ペレットを一晩凍結乾燥して、0.8gの乾燥藻体を得た。
得られた乾燥藻体を試料として、ボンベ型熱量計(株式会社吉田製作所製、型式:1013−J、熱量の計測範囲:4000〜33500J)で発熱量を測定したところ、6160kcal/kgであった。すなわち、JPCC GA0024株の乾燥藻体は、石炭と同等の発熱量をもつことが確認された。
実施例6と同様の方法で、JPCC GA0024株の乾燥藻体4.0gを得た。該得られた乾燥藻体0.1gあたりヘキサン6.0mlを加えて懸濁し、超音波ホモジナイザーを用いて室温で藻体を破砕しながら30分間の抽出を行った。つぎに、該ヘキサン抽出液を遠心し、藻体の残渣を除いたヘキサン抽出溶液を回収した後、溶媒であるヘキサンを減圧留去して、ヘキサン抽出物(油分)0.360gを得た。
得られたヘキサン抽出物(油分)を試料として、ボンベ型熱量計(株式会社吉田製作所製、型式:1013−J、熱量の計測範囲:4000〜33500J)で発熱量を測定したところ、8420kcal/kgであった。
Claims (10)
- 炭素数14〜22の脂肪族炭化水素の産生能を有するセネデスムス(Scenedesmus)属に属する微細藻類。
- 炭素数14〜22の脂肪族炭化水素の産生能を有する微細藻類セネデスムス(Scenedesmus)属 ルベッセンス(rubescens)種。
- 微細藻類セネデスムス(Scenedesmus)属 ルベッセンス(rubescens)種 JPCC GA0024株(FERM P−21749)。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の微細藻類を培養する工程を有する油分の製造方法。
- 前記油分が炭素数14〜22の脂肪族炭化水素を含むことを特徴とする請求項4記載の油分の製造方法。
- 請求項4記載の油分の製造方法によって製造された油分。
- 前記油分が炭素数14〜22の脂肪族炭化水素を含むことを特徴とする請求項6記載の油分。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の微細藻類を乾燥して得られる乾燥藻体。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の微細藻類から得られる燃料。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の微細藻類を培養する工程を有する二酸化炭素固定方法。
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