JP2010187421A - 通信装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】通信相手の指定や変更に要する時間を短縮することができる通信装置を提供することを目的とする。
【解決手段】オーディオプレーヤ1は音声データを記憶する記憶部16と、音声データを他の通信装置に送信するBT通信部14と、近接した通信装置との間でNFC通信を行うNFC通信部12とを有する。音声データの送信先の制御に関するプログラムがシステム制御部10にて実行されると、識別情報取得部101がNFC通信を介し近接した通信装置のBDアドレスを取得し、判別部102がBT通信部14にて音声データの送信先と、識別情報取得部101が取得したBDアドレスが同一であるか否かを判別し、同一でないと判別した場合、音声データ送信先制御部103が識別情報取得部101にて取得したBDアドレスにより特定される通信装置に音声データを送信する。
【選択図】図1

Description

本発明は、無線通信機能を有する通信装置に関する。
近年、Bluetooth(登録商標、以下BTと記す)のような近距離無線通信において、通信装置間の通信設定にNFC(Near Field Communication)通信機能を利用する例が散見される。
例えば、NFC通信を介してBT通信を行うグループの通信装置のBD(Bluetooth Device)アドレスリストを取得するというものが開示されている。開示されている通信システムは、IC(Integrated Circuit)カードと、ICカードリーダを搭載した複数のBTデバイスから構成されている。ICカードに、BT通信を行いたいとするグループの各BTデバイスの識別子であるBDアドレスを格納しておく。このグループに属するBTデバイスの一台にICカードをかざすと、BTデバイスがNFC通信を介してそのグループのリストを読み込む。BT通信グループのリストを取得したBTデバイスは、IQ(inquiry)パケットを送信し、近傍にあるBT通信可能なBTデバイスの問い合わせを行う。グループのリストに記憶されているBTデバイスを発見すると、そのBTデバイスとBT通信を行うというものである(例えば特許文献1)。
特開2008−153911号
上述の問い合わせの動作は、周辺のBT通信可能なBTデバイスを発見するまでに時間を有する。また、ユーザが応答のあったBT通信可能なBTデバイスの一覧から、通信を行うBTデバイスの指定を行う手間がかかる。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、通信相手の指定や変更に要する時間を短縮することのできる通信装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る通信装置は、通信装置の識別情報を要する第1の通信方式で第1の他の通信装置と無線通信を行う第1の通信手段と、所定の距離内に第2の他の通信装置が存在すると無線通信が確立する第2の通信方式で前記第2の他の通信装置と無線通信を行う第2の通信手段と、前記第2の通信手段による無線通信を介して、前記第2の他の通信装置に固有の前記識別情報を取得する識別情報取得手段と、前記第1の通信手段で前記第1の他の通信装置と無線通信中に、前記識別情報取得手段で前記第2の他の通信装置に固有の前記識別情報を取得すると、前記第1の通信手段で前記第1の他の通信装置との無線通信を停止すると共に前記第2の他の通信装置との無線通信を開始するように制御する通信制御手段とを有することを特徴としている。
本発明によれば、通信相手の指定や変更に要する時間を短縮することができる。
第1の実施の形態にかかるオーディオプレーヤの機能を示す機能ブロック図。 第1の実施の形態にかかるスピーカの機能を示す機能ブロック図。 第1の実施の形態における音声データの送信先の制御の流れを示した図。 第1の実施の形態における音声データの送信先の制御の手順を示すフローチャート。 第2の実施の形態における音声データの送信先の制御の流れを示した図。 第2の実施の形態における優先順位の設定画面の例。 第2の実施の形態における音声データの送信先の優先順位を通信回数に応じて設定する情報管理の概念図の例。 第2の実施の形態における音声データの送信先の優先順位を累積通信時間に応じて設定する情報管理の概念図の例。 第2の実施の形態における音声データの送信先の制御の手順を示すフローチャート。
本発明に係る第1の通信方法として、Bluetooth(登録商標)規格に準拠した無線通信(以下、BT通信と記す)、第2の通信方法としてNear Field Communication規格に準拠した無線通信(以下、NFC通信と記す)を例に説明する。また、本発明に係る通信装置として、他の通信装置に音声データの送信するオーディオプレーヤ1を例に説明する。
BTは、ISM(Industrial Scientific and Medical)帯の2.4GHの周波数帯を利用した周波数ホッピング型のスペクトラム拡散通信方式を採用しており、通信装置同士を10m程度の近距離間で無線接続することが可能である。
また、本明細書においては、BT通信のA2DP(Advanced Audio Distribution Profile)という高品質な音声データを伝送するためのプロファイルに従って、音声データの送受信を行う場合を例に説明する。
NFCは、他の通信装置との間で、単一の周波数の搬送波を使用した、電磁誘導による近接通信の通信プロトコルで、搬送波の周波数としては、例えばISM帯の13.56MHz等が採用される。ここで近接通信とは、通信する装置同士の距離が数10cm以内となって可能となる通信を意味し、通信する装置同士の筐体が接触して行う通信も含まれる。
図1は、第1の実施の形態にかかるオーディオプレーヤ1の機能を示す機能ブロック図である。オーディオプレーヤ1は、システム制御部10と、NFC通信用アンテナ11と、NFC通信部12と、BT通信用アンテナ13と、BT通信部14と、表示部15と、記憶部16と、操作入力部17と、電源部18と、音声出力部19とを有する。
システム制御部10は、オーディオプレーヤ1の動作を制御するためのプロセッサであり、記憶部16に格納されたプログラムを実行することにより各部を制御する。
NFC通信用アンテナ11は、外部の通信装置とNFC通信を行うためのアンテナである。
NFC通信部12は、NFC通信用アンテナ11を介して外部の通信装置のNFC通信部とNFC通信を行い、データの送受信を行う。本実施の形態において、NFC通信を介して送受信されるデータとして、通信装置に固有のBD(Bluetooth Device)アドレスを例に説明する。即ちこのBDアドレスは、本発明に係る識別情報に該当する。本明細書においては、NFC通信を介したBDアドレスの送受信については、公知の技術であるので説明を省略する。
BT通信用アンテナ13は、外部の通信装置とBT通信を行うためのアンテナである。
BT通信部14は、BT通信用アンテナ13を介して外部の通信装置のBT通信部とBT通信を行い、データの送受信を行う。本実施の形態において、BT通信を介して送受信されるデータとして、音声データを例に説明する。
表示部15は、各種情報をユーザに表示を行う。各種情報とは例えば、再生中の音楽データの楽曲名や再生時間である。
記憶部16は、例えば不揮発性のメモリデバイスから構成されており、オーディオプレーヤ1の動作を制御するためのプログラムが格納している。このプログラムには、BTのA2DPの音声データ送信側の機能となるSource機能、NFC通信部12及びBT通信部14の処理をシステム制御部10に実行させるためのルーチン等が含まれている。
A2DPのSource機能は、ストリーミング再生における音声データ送信側デバイスの機能であり、音声データのストリームを無線信号によって送信するために用いられる。
即ち、音声受信側デバイスとの間に確立されたA2DPのための無線接続(リンク)を通じて、音楽データのストリーミング送信を実行する。本明細書においてはA2DPのSource機能を、送信部100が実行するとする。送信部100は、オーディオプレーヤ1の動作を制御するためのプログラムがシステム制御部10で実行されて機能するので、システム制御部10中に示す。例えば、PCM(Palse Code Modulation)方式で記憶されている音声データを、SBC(Subband Codec)フォーマットにエンコードし、BT通信部14にて確立しているA2DP接続を介して音声受信側デバイスへストリーミング送信する。
更に、記憶部16は音声データの送信先の制御に関するプログラムが格納している。この音声データの送信先の制御に関するプログラムがシステム制御部10にて実行されることで、後述する識別情報取得部101、判別部102及び音声データ送信先制御部103がそれぞれの機能を実行し、音声データの送信先の制御が実現する。
操作入力部17はユーザによる操作を、操作信号としてシステム制御部10へ入力する。ユーザによる操作とは、リモートコントローラ(図示しない)による操作としても良いし、自装置に設けられたボタン等による操作としても良い。例えば、音声データの再生や一時停止等の指示する操作である。
電源部18は、外部電源装置からシステム制御部10に電力を供給する。システム制御部10に供給された電力は、システム制御部10により各部に供給される。
音声出力部19は、アナログによる音声送信手段により有線のヘッドフォン等に音声を出力する。
次に、音声データ受信側デバイスとして、スピーカ2を例に図2を用いて説明する。図2は、第1の実施の形態にかかるスピーカ2の機能を示す機能ブロック図である。
スピーカ2は、システム制御部20と、NFC通信用アンテナ21と、NFC通信部22と、BT通信用アンテナ23と、BT通信部24と、記憶部25と、操作入力部26と、電源部27と、音声出力部28と、スピーカユニット29とを有する。
システム制御部20は、スピーカ2の動作を制御するためのプロセッサであり、記憶部25に格納されたプログラムを実行することにより各部を制御する。
NFC通信用アンテナ21は、外部の通信装置とNFC通信を行うためのアンテナである。
NFC通信部22は、NFC通信用アンテナ21を介して外部の通信装置のNFC通信部とNFC通信を行い、データの送受信を行う。
BT通信用アンテナ23は、外部の通信装置とBT通信を行うためのアンテナである。
BT通信部24は、BT通信用アンテナ23を介して外部の通信装置のBT通信部とBT通信を行い、データの送受信を行う。
記憶部25は、例えば不揮発性のメモリデバイスから構成されており、スピーカ2の動作を制御するためのプログラムが格納されている。このプログラムには、BTのA2DPの音声データ受信側デバイスの機能となるSink機能、NFC通信部22及びBT通信部24の処理をシステム制御部20に実行させるためのルーチン等が含まれている。このA2DPのSink機能は、音楽等の音声データのストリーミング再生における音声データ受信側デバイスとしての機能であり、無線信号によって送られてくる音声データのストリームを受信しながら再生するために用いられる。本明細書においてはA2DPのSink機能を、受信部200が実行するとする。受信部200は、スピーカ2の動作を制御するためのプログラムがシステム制御部20で実行されて機能するので、システム制御部20中に示す。例えば、受信したストリームをSBCフォーマットからPCM方式にデコードする。
操作入力部26は、ユーザによる操作を、操作信号としてシステム制御部20へ入力する。ユーザによる操作とは、リモートコントローラ(図示しない)の操作としても良いし、自装置に設けられたボタン等の操作としても良い。例えば、スピーカユニット29から出力する音声の音量調節等の操作である。
電源部27は、外部電源装置からシステム制御部20に電力を供給する。システム制御部20に供給された電力は、システム制御部20により各部に供給される。
音声出力部28は、システム制御部20の受信部200により受信された音声データを、スピーカユニット29に伝送する。
スピーカユニット29は、音声出力部28から入力された音声データを、音声に変換し出力する。
上記のような機能を有するオーディオプレーヤ1とスピーカ2との間で、音声データの送信に用いるBT通信を具体的に説明する。まず、オーディオプレーヤ1のBT通信部14は、NFC通信を介してスピーカ2のBT通信部24に固有のBDアドレスを認識し、スピーカ2とBT通信を行う。本明細書においては、BT通信のAV(Audio/Video)プロファイルに従って、A2DPのSource機能を有するオーディオプレーヤ1からトランスポートチャネルを用いて、ストリーミングにより送信される。送信された音声データをA2DPのSink機能を有するスピーカ2にて受信することでスピーカ2にて音楽鑑賞が可能となる。
次に、第1の実施の形態における音声データの送信先の制御を実行する各機能ブロックの機能について説明する。音声データの送信先の制御を実行する各機能ブロックは、記憶部16に格納された音声データの送信先の制御に関するプログラムが、システム制御部10により実行されることで各機能を実行する。音声データの送信先の制御に関するプログラムには、図1のシステム制御部10中に示すように、識別情報取得部101と、判別部102と、音声データ送信先制御部103とが含まれる。
識別情報取得部101は、NFC通信部12にて行うNFC通信を介し、通信相手であるスピーカ2のNFC通信部22から、BT通信部24の有するBDアドレスを取得する。即ち、近づける動作で通信を確立するNFC通信によりBDアドレスを取得するため、BT通信の通信相手を直接的且つ迅速に指定することができる。
判別部102は、BT通信を介し、送信部100にて音声データを送信している送信先の通信装置のBDアドレスと、識別情報取得部101にて取得したBDアドレスとが同一であるか否かを判別する。
音声データ送信先制御部103は、送信部100にて音声データを送信している送信先の通信装置のBDアドレスと、識別情報取得部101にて取得したBDアドレスとが同一であると判別部102が判別した場合は、そのまま音声データの送信を続行する。即ち、音声データを送信している通信装置と、音声データの送信先として指定するためにオーディオプレーヤ1を近づけた通信装置とが同一である場合である。従って、指定しようとする通信装置に対して既に音声データの送信が行われているので、音声データの送信先の切替を行う必要はない。
一方、同一でないと判別した場合、音声データ送信先制御部103は、まず送信部100にて行っている音声データの送信を停止し、BT通信部14にて行っているBT通信を切断する。次に、識別情報取得部101にて取得したBDアドレスにより特定される通信装置とBT通信を接続させ、送信部100から音声データの送信を行う。即ち、近接した状態にある通信装置へ音声データを送信し、その通信装置から音声を再生出力するために音声データの送信先の切替を行う。
次に、Source機能を有する送信部100が、音声データの送信先の切替を行う場合の音声データの処理について説明する。送信部100は、BT通信部14にてA2DPのための無線接続されている間のみ、エンコードを行った音声データをストリーミング送信することができる。ストリーミング送信とは即ち、音声データを再生する順に受信デバイスに対して送信することを指す。音声データ送信先制御部103により、BT通信部14にて行うBT通信が切断された場合、その時点で送信していた音声データの位置を記憶する。再接続された場合、送信部100は、記憶していた位置から再び音声データのストリーミング送信を開始する。従って、音声データの送信先の切替を行った場合にも音声データの送信が連続して行われ、それぞれの通信装置から出力される音声データが重複または一部が飛ばされたりすることがない。
次に、上述の機能ブロックが各機能により実行される第1の実施の形態における音声データの送信先の制御の手順を、図3に示す(a)〜(d)に分けて順に説明する。図3は、第1の実施の形態における音声データの送信先の制御の例を示した図である。音声データを送信する通信装置としてオーディオプレーヤ1、送信される音声データを受信し音声データの再生を行う通信装置としてスピーカ2及びヘッドセット3を用いて説明する。
ヘッドセット3については、スピーカ2と装置の形状が異なるだけであり、基本的な構成は図2に示したスピーカ2と同等である。即ち、オーディオプレーヤ1からBT通信を介して音声データを受信し再生するという機能はスピーカ2と同様である。
まず(a)は、オーディオプレーヤ1とヘッドセット3とのBT通信が確立しており、ヘッドセット3にて音声データの再生出力が行われている状態を示している。
次に(b)は、オーディオプレーヤ1をスピーカ2に近接した状態に設置した状態を示している。するとオーディオプレーヤ1のNFC通信部12と、スピーカ2のNFC通信部22とがNFC通信を確立させる。このNFC通信を介して、識別情報取得部101がスピーカ2のNFC通信部22からBT通信部24のBDアドレスを取得する。そして判別部102が音声データの送信先であるヘッドセット3のBDアドレスと、識別情報取得部101により取得したスピーカ2のBDアドレスとが同一か否かを判別する。
次に(c)は、ヘッドセット3とのBT通信が切断され、音声データの送信が停止した状態を示している。(b)において判別部102は、音声データを送信しているヘッドセット3のBDアドレスと、識別情報取得部101により取得したスピーカ2のBDアドレスとが同一でないことを判別する。すると音声データ送信先制御部103が、ヘッドセット3に対する音声データの送信を停止するように送信部100を制御する。またヘッドセット3とのBT通信を切断するようにBT通信部14を制御する。送信部100は、BT通信が切断された際に送信していた音声データの位置を記憶する。
次に(d)は、(b)において識別情報取得部101が取得したスピーカ2のBDアドレスを元にスピーカ2とのBT通信を確立し、スピーカ2へ音声データの送信を開始した状態を示している。即ち音声データ送信先制御部103は、スピーカ2とBT通信を確立させ、送信部100にて記憶していた位置から音声データを送信する。
以上の手順により、第1の実施の形態における、音声データの送信先を近接した通信装置に切り替える処理が完了する。
次に、第1の実施の形態における音声データの送信先の制御の手順について、図4を用いて説明する。図4は、第1の実施の形態における音声データの送信先の制御の手順を示すフローチャートである。図4に示す手順は、音声データの送信先の制御に関するプログラムがシステム制御部10により実行されることで実行される。
まず、システム制御部10は、NFC通信部12にて近接された通信装置とのNFC通信が確立したか否かを判別する(ステップS11)。尚、NFC通信の確立までの処理については公知の技術であるので、本明細書においては説明を省略する。
その結果、NFC通信が確立しないと判別した場合(ステップS11のNo)、NFC通信が確立したと判別するまで以降の処理は実行しない。一方、NFC通信が確立したと判別した場合(ステップS11のYes)、次に、システム制御部10は、識別情報取得部101にて通信相手の通信装置のBDアドレスの取得が完了したか否かを判別する(ステップS12)。
その結果、BDアドレスの取得が完了していないと判別した場合(ステップS12のNo)、完了したと判別するまで以降の処理は実行しない。一方、BDアドレスの取得が完了したと判別した場合(ステップS12のYes)、次に、システム制御部10は、送信部100にて他の通信装置に対して音声データを送信しているか否かを判別する(ステップS13)。
その結果、他の通信装置に対して音声データを送信していないと判別した場合(ステップS13のNo)、後述するステップS17に進む。一方、他の通信装置に対して音声データを送信していると判別した場合(ステップS13のYes)、次に、判別部102が、識別情報取得部101にて取得したBDアドレスと、送信部100にて音声データを送信している通信装置のBDアドレスとが同一であるか否かを判別する(ステップS14)。ステップS14は、図3に示した(b)の段階に該当する。
その結果、識別情報取得部101にて取得したBDアドレスと、送信部100にて音声データを送信している通信装置のBDアドレスとが同一であると判別した場合(ステップS14のYes)、この手順を終了する。即ち、近づけた通信装置へ音声データが送信され、その通信装置から音声が再生出力されている場合にあたるので、そのまま音声の再生出力を続行する。一方、同一でないと判別した場合(ステップS14のNo)、次に、音声データ送信先制御部103は、音声データを送信していた通信装置に対して音声データの送信を停止するよう送信部100を制御する(ステップS15)。即ち、近づけた通信装置へ音声データの送信がされていない場合は、まず現在音声データを送信している通信装置への送信を停止する。
次に、音声データ送信先制御部103は、BT通信部14にて行っていた音声データの送信先の通信装置とのBT通信を切断する(ステップS16)。ステップS15及びS16は、図3に示した(c)の段階に該当する。送信部100はBT通信が切断された際に送信していた音声データの位置を記憶する。
次に、音声データ送信先制御部103は、識別情報取得部101にて取得したBDアドレスにより特定される通信装置との間でBT通信を確立するようにBT通信部14を制御する(ステップS17)。次に、BT通信を確立した通信装置に対して、音声データを記憶していた位置から送信するよう送信部100を制御する(ステップS18)。ステップS17及びS18は、図3に示した(d)の段階に該当する。以上の手順により、音声データの送信先を近接した通信装置に切り替える手順は終了する。
以上のように第1の実施の形態によれば、NFC通信を利用することで、近づけた通信装置とBT通信を確立し、音声データの送信先を切り替えることができる。即ち、音声の出力を行うBTデバイスを、プレーヤを近づけることで指定するという直感的な操作が実現する。従来、BT通信を確立するための通信相手の指定は、データ送信側のBTデバイスからIQパケットを送信し、通信可能なBTデバイスを問い合わせて行われていた。しかし問い合わせの動作には時間を要し、また応答のあった通信装置の一覧からユーザが通信装置を選択する必要があった。本実施の形態によれば、近づける動作のみで通信装置の指定が完了するので、BT通信を確立するまでに要する時間を短縮することができる。更に、IQパケットを送信し、応答パケットを受信することなくBT通信を確立させるため、実行中のデータ送信に支障をきたすことがない。
次に、第2の実施の形態について説明する。まず、第2の実施の形態における音声データの送信先の制御を実行する各機能ブロックの機能について説明する。音声データの送信先の制御を実行する各機能ブロックは、記憶部16に格納された音声データの送信先の制御に関するプログラムがシステム制御部10により実行されることで、実行される。音声データの送信先の制御に関するプログラムには、図1のシステム制御部10中に示すように、識別情報取得部101と、判別部102と、音声データ送信先制御部103とが含まれる。識別情報取得部101の機能は、第1の実施の形態と同様であるので説明を省略する。
第2の実施の形態における判別部102は、まず送信中の通信装置のBDアドレスと識別情報取得部101にて取得したBDアドレスとが同一か否かを判別する。同一でないと判別した場合、音声データの送信先を追加することが可能か否かを判別する。即ちBT通信のデータ転送速度の上限に伴い、音声データの送信先の通信装置を追加することが不可能な場合があるためである。例えばA2DPプロファイルに従い、音声コーデックにSBCを用いてストリーミング送信を行う場合、1台に対して約350kbpsのデータ転送速度が必要となるため、音声データの送信先の通信装置の台数には上限が生じる。
音声データの送信先を追加することが可能であると判別した場合には、その通信装置に対しても音声データの送信を行う。追加することが可能でないと判別した場合、次に記憶部16に記憶した音声データ送信先についての優先順位を読み出し、最も優先順位が低い通信装置を判別する。この優先順位とは、音声データの送信先の通信装置を追加することが不可能な場合において、音声データの送信を停止する通信装置を決定するためのものである。優先順位の設定については、後述する。即ち、ユーザが新たに音声を出力再生させたいと希望する通信装置に対して音声データを送信するため、音声出力を行っている通信装置の内の1つに対する音声データの送信を停止する。
次に、音声データ送信先制御部103は、判別部102にて最も優先順位が低いと判別された通信装置に対して音声データの送信を停止する。また、BT通信部14にて行っているBT通信を切断する。次に、識別情報取得部101にて取得したBDアドレスにより特定される通信装置とBT通信部14にてBT通信を確立させ、送信部100から音声データを送信する。
次に、図5を用いて第2の実施の形態における音声データの送信先の制御の手順を(e)〜(h)に分けて順に説明する。図5は、第2の実施の形態における音声データの送信先の制御の流れを示した図である。第1の実施の形態と異なる点は、(e)に示すように、オーディオプレーヤ1が複数の通信装置に音声データを送信している点である。即ち、オーディオプレーヤ1はヘッドセット3及びポータブルスピーカ4、両通信装置との間でBT通信を確立しており、両通信装置にて音声データの再生出力が行われている。
ここでポータブルスピーカ4については、ヘッドセット3と同様であり、スピーカ2と装置の形状が異なるだけであり、基本的な構成は図2に示したスピーカ2と同等である。
即ち、オーディオプレーヤ1からBT通信を介して音声データを受信し再生するという機能はスピーカ2及びヘッドセット3は同様である。
図5の例においては、ヘッドセット3の方がポータブルスピーカ4に比べて、優先順位が高い設定であるとする。(f)は、オーディオプレーヤ1をスピーカ2に近接した状態に設置した状態を示している。するとオーディオプレーヤ1のNFC通信部12と、スピーカ2のNFC通信部22とがNFC通信を確立する。システム制御部10の識別情報取得部101により、NFC通信部22からBT通信部24のBDアドレスを取得する。そして判別部102が音声データの送信先であるヘッドセット3及びポータブルスピーカ4のBDアドレスと、識別情報取得部101により取得したスピーカ2のBDアドレスとが同一か否かを判別する。
次に(g)は、ポータブルスピーカ4への音声データの送信を停止し、BT通信を切断した状態を示している。(f)において判別部102は、音声データを送信しているヘッドセット3及びポータブルスピーカ4のBDアドレスと、識別情報取得部101により取得したスピーカ2のBDアドレスとは同一でないことを判別する。次に、判別部102は音声データの送信先を追加することが可能であるか否かを判別する。その結果、新たに音声データの送信先を追加することが可能でないと判別した場合、優先順位が低く設定されている通信装置を判別する。すると音声データ送信先制御部103が、ポータブルスピーカ4に対する音声データの送信を停止するよう送信部100を制御する。またBT通信を切断するようBT通信部14を制御する。この際、送信部100は、BT通信が切断された際に送信していた音声データの位置を記憶する。
次に(h)は、(b)において識別情報取得部101が取得したスピーカ2のBDアドレスを元にスピーカ2とのBT通信を確立し、スピーカ2へ音声データの送信を開始した状態を示している。即ち音声データ送信先制御部103は、スピーカ2とBT通信を確立させ、送信部100にて記憶していた位置から音声データを送信する。
この優先順位の設定について、図6及び図7を用いて説明する。図6は、第2の実施の形態における優先順位の設定画面の例である。オーディオプレーヤ1は、表示部15にて図6に示すような設定画面をユーザに表示し、操作入力部17から操作信号を入力することで優先順位の設定を行う。図6において、下線を引いた優先順位の部分をユーザがリモコン等で設定する。操作入力部17から入力された優先順位は、記憶部16にて記憶される。
次に、優先順位を音声データ送信側デバイスとの接続回数に応じて設定する場合について、図7を用いて説明する。図7は、第2の実施の形態における音声データの送信先の優先順位を通信回数に応じて設定する情報管理の概念図の例である。音声データ送信先制御部103は、BT通信部14にて他の通信装置とBT通信を行った回数を、通信装置ごとに記憶部16に記憶する。例えば図7に示すように各通信装置のBDアドレスと、オーディオプレーヤ1との接続回数とを対応付けて管理する。接続回数の多い通信機器から順に優先順位の高い通信装置として設定することで、これまでにユーザが音声の出力再生を行うBTデバイスとして選択した回数の少ないBTデバイスが音声出力を停止する対象となる。即ち、ユーザが音声出力先として選択した回数の多いBTデバイスから優先的に音声の再生出力を行うことで、ユーザの嗜好に沿った音響環境が実現する。
次に、優先順位を音声データ送信側デバイスとの累積通信時間に応じて設定する場合について、図8を用いて説明する。図8は、第2の実施の形態における音声データの送信先の優先順位を累積通信時間に応じて設定する情報管理の概念図の例である。音声データ送信先制御部103は、BT通信部14にて他の通信装置とBT通信を行った累積通信時間を、通信装置ごとに記憶部16に記憶する。例えば図8に示すように各通信装置のBDアドレスと、オーディオプレーヤ1との累積通信時間とを対応付けて管理する。累積通信時間の長い通信機器から順に優先順位の高い通信装置として設定することで、これまでにユーザが音声の出力再生を行った通信時間の合計が短いBTデバイスが音声出力を停止する対象となる。即ち、ユーザが音声出力先として通信を行っていた時間が長いBTデバイスから優先的に音声の再生出力を行うことで、ユーザが好んで音声を再生出力させてきたBTデバイスから音声が再生出力されることになる。
次に、図9を用いて、第2の実施の形態における音声データの送信先の制御の手順について説明する。図9は、第2の実施の形態における音声データの送信先の制御の手順を示すフローチャートである。図9に示す手順は、音声制御に関するプログラムがシステム制御部10により実行されることで実行される。図4に示す第1の実施の形態における音声データの送信先の制御の手順を示すフローチャートと同様のステップについては、同じ符号を用いて示し説明は省略する。
ステップS14において、判別部102が、識別情報取得部101にて取得したBDアドレスと、現在音声データを送信している通信装置のBDアドレスとが同一でないと判別した場合(ステップS14のNo)、次に、判別部102は、音声データの送信先を追加することが可能であるか否かを判別する(ステップS25)。
その結果、音声データの送信先を追加することが可能であると判別した場合(ステップS25のYes)、上述したステップS17に進む。一方、音声データの送信先を追加することが可能でないと判別した場合(ステップS25のNo)、次に、判別部102は、優先順位が最も低い通信装置を判別する。そして音声データ送信先制御部103が、その優先順位が最も低い通信装置に対して音声データの送信を停止するように送信部100を制御する(ステップS26)。
次に、音声データ送信先制御部103は、BT通信部14にて行っていた音声データの送信先の通信装置とのBT通信を切断するよう制御する(ステップS27)。以降は上述したステップS17に続くので、説明を省略する。
以上のように、第2の実施の形態によれば、オーディオプレーヤ1から複数の通信装置に対して音声データの送信を行っている場合にも、オーディオプレーヤ1と近接された通信装置を追加して音声データを送信することができる。NFC通信を利用することで、問い合わせ及び一覧から指定する動作が省略でき、通信相手の指定に要する時間を短縮することができる。また、IQパケットの送信及び応答パケットの受信を行うことなくBTデバイスを指定することで、データ送信に支障をきたすことがないことも第1の実施の形態と同様である。
更に、第2の実施の形態においては、音声データの送信先の台数が上限に達している場合に、通信装置間に優先順位を設定することで適切な通信装置へ音声データの送信が行われる。例えば、オーディオプレーヤ1との接続回数に応じて優先順位を高く設定することで、ユーザがよく音声出力先として指定しているBTデバイスから優先的に音声の出力がされる。また、オーディオプレーヤ1との累積通信時間に応じて優先順位を高く設定することで、ユーザが音声出力を行った累積時間の長いBTデバイスから優先的に音声の出力がされる。また、ユーザの嗜好に合わせて、優先的に音声の出力を行うBTデバイスを設定できるとしても良い。
尚、本実施の形態においては通信の対象として音声データを例に説明したが、これに限定されることはない。即ち通信の対象は、画像データ、テキストデータ、バイナリデータ等、どのようなデータであってもよい。各種のデータを通信の対象とする場合、データ送信側デバイスとしてパーソナルコンピュータやビデオプレーヤ、データ受信デバイスとしてテレビジョン受像機やプロジェクタ等に適用することができる。
更に、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
1 オーディオプレーヤ
2 スピーカ
3 ヘッドセット
4 ポータブルスピーカ
10 システム制御部
11 NFC通信用アンテナ
12 NFC通信部
13 BT通信用アンテナ
14 BT通信部
15 表示部
16 記憶部
17 操作入力部
18 電源部
19 音声出力部
20 システム制御部
21 NFC通信用アンテナ
22 NFC通信部
23 BT通信用アンテナ
24 BT通信部
25 記憶部
26 操作入力部
27 電源部
28 音声出力部
29 スピーカユニット
100 送信部
101 識別情報取得部
102 判別部
103 音声データ送信先制御部
200 受信部

Claims (7)

  1. 通信装置の識別情報を要する第1の通信方式で第1の他の通信装置と無線通信を行う第1の通信手段と、
    所定の距離内に第2の他の通信装置が存在すると無線通信が確立する第2の通信方式で前記第2の他の通信装置と無線通信を行う第2の通信手段と、
    前記第2の通信手段による無線通信を介して、前記第2の他の通信装置に固有の前記識別情報を取得する識別情報取得手段と、
    前記第1の通信手段で前記第1の他の通信装置と無線通信中に、前記識別情報取得手段で前記第2の他の通信装置に固有の前記識別情報を取得すると、前記第1の通信手段で前記第1の他の通信装置との無線通信を停止すると共に前記第2の他の通信装置との無線通信を開始するように制御する通信制御手段と
    を有することを特徴とする通信装置。
  2. 無線通信の通信相手としての優先順位を設定する設定手段を有し、
    前記通信制御手段は、前記第1の通信手段で複数の他の通信装置と無線通信を行う場合、前記設定手段で前記優先順位が最も低いと設定される通信装置との前記第1の通信方式の無線通信を切断する請求項1に記載の通信装置。
  3. 前記第1の通信手段は、前記第1の通信方式でデータの送信を行い、
    前記通信制御手段は、前記第1の通信手段で複数の通信装置に対してデータを送信中、前記識別情報取得手段で取得した前記第2の他の通信装置が前記複数の通信装置に含まれていない場合は前記複数の通信装置に加えて前記第2の他の通信装置に対するデータの送信が可能か否かを判別し、前記第2の他の通信装置に対するデータの送信が可能でないと判別した場合は前記複数の他の通信装置のうち前記優先順位が最も低いと設定される通信装置に対するデータ送信を停止する請求項2に記載の通信装置。
  4. 前記設定手段は、前記優先順位を前記第1の通信手段で前記第1の通信方式の無線通信を行った回数が多い通信装置から順に高い順位として設定する請求項2に記載の通信装置。
  5. 前記設定手段は、前記優先順位を前記第1の通信手段で前記第1の通信方式の無線通信を行った累積通信時間が長い通信装置から順に高い順位として設定する請求項2に記載の通信装置。
  6. 前記第1の通信手段は、データの列を再生する順に送信し、
    前記送信制御手段は、データの列の送信を停止した位置以降のデータの列を、前記第2の他の通信装置に対して順に送信する請求項3乃至5のいずれか1項に記載の通信装置。
  7. 通信装置の識別情報を要する第1の通信方式で第1の他の通信装置と無線通信を行う第1の通信手段と、
    前記第1の通信方式よりも無線通信が確立可能な距離が短い第2の通信方式で前記第2の他の通信装置と無線通信を行う第2の通信手段と、
    前記第2の通信手段による無線通信を介して、前記第2の他の通信装置に固有の前記識別情報を取得する識別情報取得手段と、
    前記第1の通信手段で前記第1の他の通信装置と無線通信中に、前記識別情報取得手段で前記第2の他の通信装置に固有の前記識別情報を取得すると、前記第1の通信手段で前記第1の他の通信装置との無線通信を停止すると共に前記第2の他の通信装置との無線通信を開始するように制御する通信制御手段と
    を有することを特徴とする通信装置。
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