JP2010187186A - シリコンマイクロホンの実装構造および電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】シリコンマイクロホンを機器外装に実装することに伴う可聴周波数帯域内でのマイク出力周波数特性の変動を抑制して、マイク出力音声の音質の劣化を抑制する。
【解決手段】シリコンマイクロホン10を携帯電話機等の電子機器11の外装19の内部空間21内で、外装前面板19aの裏面側に実装する。マイクパッケージ12の蓋22にマイク音響穴24を、マイクパッケージ12の内部空間13の内壁面13aに沿って分散して形成する。外装19の外装前面板19aに外装音響穴30を、マイクパッケージ12の内部空間13の内壁面13aに沿って分散して形成する。外部空間38音は外装音響穴30から取り込まれ、マイク音響穴24に入射され、マイクチップ14で受音される。
【選択図】図1

Description

この発明はシリコンマイクロホン(「MEMSマイクロホン」とも称される)を電子機器等の外装(筐体)に実装する構造および該実装構造を具えた電子機器に関し、シリコンマイクロホンを機器外装に実装することに伴う可聴周波数帯域内でのマイク出力周波数特性の変動を抑制して、マイク出力音声の音質の劣化を抑制したものである。
シリコンマイクロホンは音響穴(以下「マイク音響穴」)が形成されたマイクパッケージ内にマイクチップを収容して構成される。シリコンマイクロホンは、携帯電話機等の電子機器の外装に形成された音響穴(以下「外装音響穴」)とマイク音響穴を相互に連通させた状態で該外装内に収容配置される。これにより機器外部の音は外装音響穴からマイク音響穴を通ってマイクチップで受音される。下記特許文献1にはそれぞれ単一の丸穴で構成される外装音響穴とマイク音響穴を相互に連通させる音響路構造が開示されている。
特開2008−199225
シリコンマイクロホンの出力周波数特性はシリコンマイクロホン単体での特性と外装に実装した状態での特性が異なる。特に外装音響穴を単一の丸穴で構成した場合には特性の変化が大きかった。例えば、共振によるピーク周波数がシリコンマイクロホン単体では可聴周波数帯域外であったものが、外装音響穴を単一の丸穴で構成した外装に実装するとピーク周波数が低域側にシフトして可聴周波数帯域内に入り込み、音質を劣化させる場合があった。
この発明は上述の点に鑑みてなされたもので、シリコンマイクロホンを機器外装に実装することに伴う可聴周波数帯域内での出力周波数特性の変動を抑制して、マイク出力音声の音質の劣化を抑制したシリコンマイクロホンの実装構造および該実装構造を具えた電子機器を提供しようとするものである。
この発明の実装構造はマイクパッケージの内部空間にマイクチップを収容配置し、前記マイクパッケージにマイク音響穴を形成し、前記マイクパッケージの外部空間の音を前記マイク音響穴から取り込み該マイクパッケージの内部空間を経て前記マイクチップで受音するシリコンマイクロホンと、内部に前記シリコンマイクロホンが配置され、外部空間に臨む面に外装音響穴が形成され、外部空間の音を前記外装音響穴から取り込み前記マイク音響穴に入射する外装とを具備してなり、前記マイク音響穴は前記マイクパッケージの内部空間の内壁面に沿って分散して形成され、前記外装音響穴は前記マイクパッケージの内部空間の内壁面に沿って分散して形成されたものを有し、または該マイクパッケージの内部空間の内壁面に沿って分散して形成された外縁部分を有しているものである。
この発明の実装構造によれば、外装音響穴がマイクパッケージの内部空間の内壁面に沿って分散して形成されたものを有し、または該マイクパッケージの内部空間の内壁面に沿って分散して形成された外縁部分を有していることにより、外装音響穴が単一の丸穴で構成されている場合に比べて、外装音響穴の全開口面積が同じでも、シリコンマイクロホンを外装に実装することに伴うピーク周波数のシフト量が低減され、可聴周波数帯域内での出力周波数特性の変動を抑制することができる。すなわち外装音響穴が単一の丸穴で構成される場合にピーク周波数のシフト量を低減するためには外装音響穴の開口面積を大きくする必要があるが、この発明の実装構造によれば開口面積の増大を抑えつつ、実装に伴うマイク出力音声の音質の劣化を抑制することができる。またこの発明の実装構造によればマイク音響穴がマイクパッケージの内部空間の内壁面に沿って分散して形成されていることも、周波数特性を平坦化するのに寄与している。またこの発明の実装構造によれば外装音響穴を分散配置することにより、外装音響穴を単一の丸穴で構成した場合に比べて、開口面積が同じでも個々の穴の開口径を小さくすることができ、ゴミ等が進入しにくくなり、耐環境性が向上する。
この発明の実装構造は特に外装音響穴を広い範囲に分散させることにより、実装に伴うピーク周波数のシフト量をより低減することができる。例えば、外装音響穴または外装音響穴の外縁部分の分散範囲の外周ラインをマイク音響穴の分散範囲の外周ラインと等しく設定することができる。この発明の実装構造において、外装音響穴または外装音響穴の外縁部分は、マイクパッケージの内部空間の内壁面に沿って全周に分散して形成することができる。外装音響穴は4個以上の穴で構成することができる。例えばマイクパッケージの内部空間が平面四角形の場合は、外装音響穴は少なくとも内部空間の平面四角形の各隅部に対応する位置に形成された4個の穴で構成することができる。この4個の穴の間に別の穴を追加形成することもできる。この発明の実装構造において外装音響穴の個数はマイク音響穴の個数よりも少なく形成することができる。また一般に外装音響穴を形成する板面の板厚はマイク音響穴を形成する板面の板厚よりも厚く、そのような場合には個々の外装音響穴の開口面積はマイク音響穴を形成するいずれの穴の開口面積よりも大きく設定することができる。これによれば板厚が厚い板面に開口面積が小さい外装音響穴を形成すると、実装に伴うピーク周波数の低域側へのシフト量が大きくなるところ、個々の外装音響穴の開口面積を、マイク音響穴を形成するいずれの穴の開口面積よりも大きく設定することにより、シフト量を抑制することができ、音質の劣化を抑制することができる。また板厚が厚い板面に開口面積が小さい穴を形成するのは難しいところ、マイク音響穴よりも開口面積が大きい外装音響穴を形成すればよいので、外装音響穴を容易に形成することができる。
この発明の実装構造はマイク音響穴と外装音響穴との間に、該マイク音響穴全体と該外装音響穴全体とを相互に連通させる空洞を形成することができる。この空洞には適度な密度と厚さを持った不織布、メッシュ等の音響抵抗材を配置することができる。マイク音響穴と外装音響穴との間に不織布を配置すると、ダンピング効果によりマイク出力の音響特性の共振によるピークを抑制して周波数特性をより平坦化することができる。また不織布、メッシュ等の音響抵抗材を配置すると光、ゴミ、話者の唾液等がマイク音響穴に入り込むのを抑制することができ、耐環境性が向上する。この発明の実装構造はマイク音響穴をダイヤフラムに対面する位置からずれた位置に形成し、および/または外装音響穴をマイク音響穴に対面する位置からずれた位置に形成することができる。これによればダイヤフラムは外装の正面側から見える位置に配置されないので、光、ゴミ、話者の唾液等がダイヤフラムに到達するのを抑制することができ、耐環境性を向上させることができる。この発明の実装構造は、シリコンマイクロホンと外装の板面との間にマイク音響穴および外装音響穴をそれぞれ包囲しかつ該両音響穴を相互に連通させる環状のガスケットを挟み込むことができる。この場合外装音響穴の分散範囲の外周ラインおよびマイク音響穴の分散範囲の外周ラインをガスケットの内周面に対し所定の等しい距離離れた位置にそれぞれ設定することができる。
この発明の電子機器はこの発明の実装構造を具えたものである。
この発明の実施の形態を示す図で、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A矢視断面図(ただし蓋22はマイク音響穴24の位置における断面を示す)、(c)は(a)のB−B矢視断面図(ただし蓋22はマイク音響穴24の位置における断面を示す)である。 この発明の他の実施の形態を示す平面図で、図1の実装構造に比べて外装音響穴をシリコンマイクロホンの前面中央部寄りの位置に互いに接近させて配列したものである。 この発明の他の実施の形態を示す平面図で、外装音響穴を図2の配列よりもさらにシリコンマイクロホンの前面中央部寄りの位置に互いに接近させて配列したものである。 実装構造の比較例を示す平面図で、外装前面板のシリコンマイクロホンの前面中央部に相当する位置に外装音響穴を1個だけ形成したものである。 図1〜図4の実装構造についてマイク出力の周波数特性を計算(ただし不織布は考慮しないで計算)した結果を示す線図である。 シリコンマイクロホン単体について、マイク音響穴を開放した場合と不織布を被せてマイク音響穴を塞いだ場合についてマイク出力の周波数特性を実測した結果を示す線図である。 シリコンマイクロホン単体について、マイク音響穴を開放した場合と不織布を被せてマイク音響穴を塞いだ場合についてマイク出力の周波数特性を実測した結果を示す線図で、図6よりもマイク音響穴の開口面積が大きい場合のものである。 シリコンマイクロホン単体について、マイク音響穴を開放した場合と不織布を被せてマイク音響穴を塞いだ場合についてマイク出力の周波数特性を実測した結果を示す線図で、図7よりもマイク音響穴の開口面積が大きい場合のものである。 この発明の他の実施の形態を示す図で、やや斜め上から見た図である。
この発明の実施の形態を図1に示す。これはシリコンマイクロホン10を携帯電話機11の外装19で包囲された内部空間21に実装したものである。シリコンマイクロホン10はマイクパッケージ12の内部空間13に、マイクロホン本体を構成するMEMSチップ14と、MEMSチップ14の出力音声信号にインピーダンス変換等の信号処理をするLSIチップ16を収容配置して構成される。LSIチップ16は必要に応じてポッティング材で密封される。マイクパッケージ12は、底板を構成する回路基板18と、回路基板18の上面に固定される枠状の側壁20と、側壁20の上面に固定される蓋22(前面板)とで構成され、長四角形の前面形状を有する直方体で構成されている。マイクパッケージ12の外寸は例えば、前面側から見て長手方向が約4mm、短手方向が約3mm、厚みが約1mm等に形成される。MEMSチップ14とLSIチップ16は回路基板18上に固定されている。MEMSチップ14の表面14aには蓋22に対面してダイヤフラム(メンブレン)15による受音面が配置されている。LSIチップ16の出力信号は回路基板18の下面に配置された端子(図示せず)から外部に出力される。蓋22には同一径の複数個のマイク音響穴24が、マイクパッケージ12の内部空間13の内壁面13aに沿って全周(すなわち四辺に)に形成されている。マイク音響穴24は例えば、蓋22が金属製であればエッチング等により形成することができる。回路基板18および側壁20には穴は形成されていない。外部空間の音はマイク音響穴24から取り込まれ、マイクパッケージ12の内部空間13を経てMEMSチップ14のダイヤフラム15で受音される。
蓋22における複数個のマイク音響穴24の構成と配置について説明する。各マイク音響穴24は蓋22の面に直角に開設された真っ直ぐな穴として構成されている。各マイク音響穴24は軸直角方向の断面形状が同一直径の円形(あるいは四角形等も可)に構成されている。マイク音響穴24の直径は例えば0.2mmである。マイク音響穴24は該マイク音響穴24が形成される蓋22の板厚(例えば0.1mm)と同程度の微細な直径に形成することもできる。各マイク音響穴24はMEMSチップ14の直上位置を外した位置に、MEMSチップ14の直上位置を取り囲んで、マイクパッケージ12の内部空間13の内壁面13aに近接する位置に沿って連続的に並べて、全周に分散して形成されている。図1の実施の形態ではマイクパッケージ12の内部空間13は前面側から見て四角形状に形成されており、マイク音響穴24は内部空間13の四辺の内壁面13aに近接する位置に沿って各辺に複数個ずつ連続的に並べて形成されている。
携帯電話機11に対するシリコンマイクロホン10の実装構造について説明する。携帯電話機11の外装19(筐体)の前面を構成する板(外装前面板)19aには外装音響穴(送話口)30が形成されている。外装前面板19aの裏面には外装音響穴30を塞ぐ位置に不織布26が貼り付けられている。不織布26はポリエステル、ポリエチレン、フッ素樹脂、ガラス繊維、ナイロン、紙等で構成され、適度な密度と厚さを持ったものが使用される。外装19の内部空間21にはシリコンマイクロホン10を搭載した基板34が収容配置されている。シリコンマイクロホン10は外装前面板19aの裏面に不織布26を間に挟み込んで配置されている。シリコンマイクロホン10の前面外縁部と外装前面板19aの裏面との間には長四角環状のガスケット36が挟み込まれている。ガスケット36は外装前面板19aの裏面に貼り付けられている。ガスケット36はシリコンマイクロホン10の前面外縁部と外装前面板19aの裏面との間に空洞35を形成する。不織布26はこの空洞35に配置されている。外装音響穴30はこの実施に形態では6個の穴で構成されているが、マイクパッケージ12の平面四角形の内部空間13の各隅部に対応する位置にそれぞれ形成した穴を含む少なくとも4個以上の穴で構成することができる。なおこの発明の実装構造は、外装音響穴30を外周側の外装音響穴として、外装音響穴30で包囲される領域内に内周側の外装音響穴を別途形成することもできる。各外装音響穴30は外装前面板19aの面に直角に開設された真っ直ぐな穴として構成されている。各外装音響穴30は軸直角方向の断面形状が同一直径の円形(あるいは四角形等も可)に構成されている。外装音響穴30は例えば該外装音響穴30が形成される外装前面板19aの板厚と同程度の直径に形成することができる。この実施の形態では外装の板厚は例えば0.5mmであり、その場合外装音響穴30の直径は0.5mmに設定することができる。外装音響穴30は、ガスケット36によって包囲される領域内に、マイクパッケージ12の内部空間13の内壁面13aに沿って(言い換えればマイク音響穴24の配列に沿って)分散して形成されている。この実施の形態では外装音響穴30の分散範囲の外周ラインL2はマイク音響穴24の分散範囲の外周ラインL1と等しく設定されている。したがって外装音響穴30とマイク音響穴24とは正面から見て一部で相互に重なった部分を有する。この実施の形態では外周ラインL1,L2はガスケット36の内周面36aに対し、組立誤差を見込んだ所定距離d離れた位置に設定されている。ガスケット36はマイク音響穴24の全部と外装音響穴30の全部を気密に包囲して外装19の内部空間21と外部空間38とを気密に遮断した状態で、シリコンマイクロホン10の前面と外装前面板19aの裏面との間の空洞35に配置された不織布26を介して全マイク音響穴24と全外装音響穴30とを相互に連通させる。これにより外部空間38で発せられた話者の音声は外装音響穴30から取り込まれ、不織布26を介してシリコンマイクロホン10のマイク音響穴24に入射され、シリコンマイクロホン10の内部に配置されたMEMSチップ14のダイヤフラム15で受音される。
この発明の実装構造によるマイク出力の周波数特性について説明する。ここでは比較のためにこの発明に該当する図1の実装構造のほか、同じくこの発明に該当するもので外装音響穴30の配置を異ならせた図2、図3の実装構造と、この発明に該当しない図4の実装構造についてマイク出力の周波数特性をそれぞれ計算した。図2の実装構造は、図1の実装構造に比べて6個の外装音響穴30をシリコンマイクロホン10の前面中央部寄りの位置に互いに接近させて配列したものである。外装音響穴30の分散範囲の外周ラインL2はマイク音響穴24の分散範囲の外周ラインL1よりも内周側に位置している。図3の実装構造は、6個の外装音響穴30を図2の配列よりもさらにシリコンマイクロホン10の前面中央部寄りの位置に互いに接近させて配列したものである。外装音響穴30の分散範囲の外周ラインL2はマイク音響穴24の分散範囲の外周ラインL1よりもさらに内周側に位置している。図4の実装構造はシリコンマイクロホン10の前面中央部に相当する位置で、外装前面板19aに外装音響穴30’を1個だけ形成したものである。図1〜図4の実装構造の外装音響穴30,30’の開口面積(外装音響穴30は6個の穴の開口面積を合計した面積)を等しく設定して計算した。またいずれも不織布26を考慮しない(すなわち配置しない)ものとして計算した。各部の寸法は次のように設定して計算した。
・マイク音響穴24:厚み0.1mmの蓋22に直径0.2mmの穴を16個
・外装前面板19aの厚み:0.5mm
・図1、図2、図3の外装音響穴30:直径0.2mmの穴を6個(全開口面積=1.178×10-62
・図2の外装音響穴30’:直径1.225mmの穴を1個(開口面積=1.178×10-62
図1〜図4の実装構造についてマイク出力の周波数特性を計算した結果を図5に示す。いずれも共振によるピークが生じている。そのピーク周波数は、
・図1の実装構造:22.5kHz
・図2の実装構造:22kHz
・図3の実装構造:20kHz
・図4の実装構造:18kHz
である。シリコンマイクロホン10を外装19に実装する前のシリコンマイクロホン10単体での共振によるピーク周波数は図5に示すように34kHzであるから、シリコンマイクロホン10を外装19に実装することにより、共振によるピーク周波数が低域側にシフトすることが分かる。したがってシリコンマイクロホン10を外装19に実装すると、可聴周波数帯域で周波数特性が平坦でなくなり音質が劣化する。ただし、この発明による図1〜図3の実装構造によれば、外装19に外装音響穴30’を1個だけ形成した図4の実装構造に比べて、いずれもピーク周波数が低域側にシフトする量が抑制されている。すなわち可聴周波数帯域が20kHzよりも低域側の帯域であるとすると、外装19に外装音響穴30’を1個だけ形成した図4の実装構造ではピーク周波数が可聴周波数帯域内に入り込んでいるのに対し、この発明による図1〜図3の実装構造によれば、ピーク周波数は依然として可聴周波数帯域外にある。このようにこの発明による図1〜図3の実装構造によれば、図4の実装構造に比べて、ピーク周波数のシフト量が抑制されるから、その分可聴周波数帯域内での周波数特性の変動が抑制され、音質の劣化が抑制されることが分かる。またこの発明による図1〜図3の実装構造どうしを比べると、ピーク周波数の低域側へのシフト量は、図3の実装構造よりも図2の実装構造の方が少なく、図2の実装構造よりも図1の実装構造の方が少なくなっているから、6個の外装音響穴30は広く分散させた方がシリコンマイクロホン10を外装19に実装することに伴う可聴周波数帯域内での周波数特性の変動が抑制され、音質がよくなることが分かる。
次にシリコンマイクロホン10のマイク音響穴24を塞ぐように配置した不織布26の効果について説明する。ここではマイク音響穴の開口面積を異ならせた3個のシリコンマイクロホンを作製し、その各々について、不織布を使用しないでマイク音響穴を開放した場合と不織布を被せてマイク音響穴を塞いだ場合についてマイク出力の周波数特性を実測した。いずれも外装に実装しないシリコンマイクロホン単体の状態で測定した。図6〜図8にその結果を示す。シリコンマイクロホンのマイク音響穴の開口面積は図6<図7<図8に設定した。図6〜図8によれば、不織布を使用しない場合は、マイク音響穴の開口面積が大きくなるほど共振によるピーク周波数が高域側へ移行することが分かる。また不織布を使用すると、ダンピング効果によりピークが消失することが分かる。さらに、不織布を使用しない状態でピーク周波数が高域側にあるほど、不織布を使用したときに可聴周波数帯域の特性が平坦になることが分かる。図6〜図8のシリコンマイクロホン単体での実験結果によれば、図1〜図4の実装状態についても不織布26を使用することにより共振によるピークを消失できるものと推測される。またこの発明により外装音響穴30を分散配置した方(図1〜図3)が、1つの丸穴による外装音響穴30’を使用した場合(図4)よりも、ピーク周波数が高域側に生じるので(図5)、不織布26を使用した場合に可聴周波数帯域の特性を平坦化できるものと推測される。またこの発明により外装音響穴30を分散配置する場合に、外装音響穴30どうしを離した方が、ピーク周波数が高域側に生じるので(図5)、外装音響穴30どうしを離した方が、不織布26を使用した場合に可聴周波数帯域の特性をより平坦化できる(低域から15k〜20kHz程度まで平坦化できる)ものと推測される。
さらに、図1〜図3の実装構造によれば、マイク音響穴24をマイクパッケージ12の内部空間13の内壁面13aに沿って分散して形成しているので、マイクパッケージ12の蓋22の中央に1個のマイク音響穴を形成した場合に比べてピーク周波数を高域にシフトして可聴周波数帯域で周波数特性を平坦化することができる。この点については本出願人の出願に係る特願2009−6359、特願2009−11193を参照されたい。
図1〜図3の実装構造による耐環境性について説明する。図1の実装構造によれば、周波数特性を平坦化するために図4の実装構造に比べて外装音響穴30の全開口面積を小さくできるので、光、ゴミ、話者の唾液等がダイヤフラム15に到達するのを抑制することができ、耐環境性が向上する。また外装音響穴30は分散配置されているので、外装音響穴を単一の丸穴で構成した場合に比べて、全開口面積が同じでも個々の穴の開口径を小さくすることができ、ゴミ等が進入しにくくなり、これによっても耐環境性が向上する。また図1の実装構造は正面から見て外装音響穴30とマイク音響穴24とは一部の領域でしか重なっていないので、光、ゴミ、話者の唾液等がダイヤフラム15に到達するのを抑制することができ、これによっても耐環境性が向上する。図2、図3の実装構造は正面から見て外装音響穴30とマイク音響穴24とは全く重なっていないので、光、ゴミ、話者の唾液等がダイヤフラム15に到達するのをより抑制することができ、耐環境性がより向上する。さらには図1〜図3の実装構造によれば、正面から見てダイヤフラム15とマイク音響穴24とは重なっていないので、光、ゴミ、話者の唾液等がダイヤフラム15に到達するのをより抑制することができ、耐環境性がより向上する。
この発明の他の実施の形態を図9に示す。これは外装に形成する外装音響穴の形状を変更したものである。外装音響穴32はマイクパッケージ12の内部空間の内壁面に沿って分散して形成された外縁部分32aを有している。外装音響穴32の外縁部分32aの分散範囲の外周ラインL2はマイク音響穴24の分散範囲の外周ラインL1と等しく設定されている。したがって外装音響穴32とマイク音響穴24とは正面から見て一部で相互に重なった部分を有する。なお図9では外装音響穴32は4個の穴で構成されている、これらを中央部で相互に連結して単一の外装音響穴として構成することもできる。
前記実施の形態では音響抵抗材として不織布を用いた場合について説明したが、金属等によるメッシュを用いてもダンピング効果を得ることができる。また音響抵抗材でダンピング効果を得るのに代えて、マイク出力信号をフィルタ回路に入力して、該フィルタ回路の電気的処理によりダンピング効果を得ることもできる。また前記実施の形態ではこの発明の実装構造を携帯電話機に適用した場合について説明したが、この発明の実装構造は携帯電話機に限らず、カメラ、パソコンその他の電子機器にも適用することができる。
10…シリコンマイクロホン、11…携帯電話機(電子機器)、12…マイクパッケージ、13…マイクパッケージの内部空間、13a…マイクパッケージの内部空間の内壁面、14…マイクチップ、15…ダイヤフラム、19…外装、19a…外装前面板(外装の外部空間に臨む面)、21…外装の内部空間、24…マイク音響穴、26…不織布(音響抵抗材)、30,32…外装音響穴(送話口)、32a…外装音響穴の外縁部分、35…マイク音響穴全体と外装音響穴全体とを相互に連通させる空洞、36…ガスケット、36a…ガスケットの内周面、38…外部空間、L1…マイク音響穴24の分散範囲の外周ライン、L2…外装音響穴または外装音響穴の外縁部分の分散範囲の外周ライン、d…外装音響穴の分散範囲の外周ラインおよびマイク音響穴の分散範囲の外周ラインとガスケットの内周面との距離

Claims (6)

  1. マイクパッケージの内部空間にマイクチップを収容配置し、前記マイクパッケージにマイク音響穴を形成し、前記マイクパッケージの外部空間の音を前記マイク音響穴から取り込み該マイクパッケージの内部空間を経て前記マイクチップで受音するシリコンマイクロホンと、
    内部に前記シリコンマイクロホンが配置され、外部空間に臨む面に外装音響穴が形成され、外部空間の音を前記外装音響穴から取り込み前記マイク音響穴に入射する外装とを具備してなり、
    前記マイク音響穴は前記マイクパッケージの内部空間の内壁面に沿って分散して形成され、
    前記外装音響穴は前記マイクパッケージの内部空間の内壁面に沿って分散して形成されたものを有し、または該マイクパッケージの内部空間の内壁面に沿って分散して形成された外縁部分を有しているシリコンマイクロホンの実装構造。
  2. 前記マイク音響穴と前記外装音響穴との間に不織布、メッシュその他の音響抵抗材が配置され、前記外装音響穴から取り込まれた外部空間の音が該音響抵抗材を介して前記外装音響穴に入射される請求項1記載のシリコンマイクロホンの実装構造。
  3. 前記マイク音響穴が前記ダイヤフラムに対面する位置からずれた位置に形成され、および/または前記外装音響穴が前記マイク音響穴に対面する位置からずれた位置に形成されている請求項1または2記載のシリコンマイクロホンの実装構造。
  4. 前記シリコンマイクロホンと前記外装の板面との間に前記マイク音響穴および前記外装音響穴をそれぞれ包囲しかつ該両音響穴を相互に連通させる環状のガスケットが挟み込まれ、
    前記外装音響穴の分散範囲の外周ラインおよび前記マイク音響穴の分散範囲の外周ラインが前記ガスケットの内周面に対し所定の等しい距離離れた位置にそれぞれ設定されている請求項1から3のいずれか1つに記載のシリコンマイクロホンの実装構造。
  5. 前記外装音響穴を形成する板面の板厚が前記マイク音響穴を形成する板面の板厚よりも厚く、かつ前記外装音響穴の1個の開口面積は前記マイク音響穴を形成するいずれの穴の開口面積よりも大きく設定されている請求項1から4のいずれか1つに記載のシリコンマイクロホンの実装構造。
  6. 請求項1から5のいずれか1つに記載のシリコンマイクロホンの実装構造を具えた電子機器。
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