JP2010186955A - コンデンサ、コンデンサ用ケースおよびコンデンサ素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】ケースに電位が印加されても、感電しにくいコンデンサ、コンデンサ用ケースおよびコンデンサ素子を提供すること。
【解決手段】陽極箔20および陰極箔21の間にセパレータ22を介在させて巻回されることにより構成されたコンデンサ素子6と、コンデンサ素子6を収納する底部8付きのケース2と、を備えるコンデンサ1において、陰極箔21の端部の少なくとも一部または陰極箔21に接続された導電体は、陽極箔20およびセパレータ22の端部から、ケース2の底部に向かって突出しているコンデンサ1としている。
【選択図】図6
【解決手段】陽極箔20および陰極箔21の間にセパレータ22を介在させて巻回されることにより構成されたコンデンサ素子6と、コンデンサ素子6を収納する底部8付きのケース2と、を備えるコンデンサ1において、陰極箔21の端部の少なくとも一部または陰極箔21に接続された導電体は、陽極箔20およびセパレータ22の端部から、ケース2の底部に向かって突出しているコンデンサ1としている。
【選択図】図6
Description
本発明は、コンデンサ、コンデンサ用ケースおよびコンデンサ素子に関する。
従来のコンデンサの中には、二つの電極箔(陰極箔と陽極箔)間にセパレータを介在させたものを巻回することで得られるコンデンサ素子を、アルミ等から成るケースに収納する構成のものが存在する(特許文献1参照。)。
そのようなコンデンサでは、陽極箔の表面に形成された酸化皮膜が誘電体として機能する。また、陽極箔と陰極箔との間に介在するセパレータ紙内に含浸した電解液が真の陰極として機能する。
しかし、特許文献1に記載の発明のコンデンサを使用する際には、アルミ製等のケースは、導電性を有するため、陽極電位やグランドよりも高い電位になる場合がある。そのような場合に、人体がアルミケースに触れた場合等には、人体とアルミケースとが電気的に導通し、感電するという問題がある。
そこで、アルミケースの外側を絶縁材料により覆うなどの方法等により、ケースの絶縁性を確保するという案もある。しかし、アルミケースの外側に絶縁材料を配置した場合には、コンデンサがより大きくなってしまうという問題等がある。
そこで、本発明は、感電を引き起こしにくいコンデンサ、コンデンサ用ケースおよびコンデンサ素子を提供することを目的とする。
本発明のコンデンサの一側面は、陽極箔および陰極箔の間にセパレータを介在させて巻回されることにより構成されたコンデンサ素子と、コンデンサ素子を収納する底部付きのケースと、を備えるコンデンサにおいて、陰極箔の端部少なくとも一部または陰極箔に接続された導電体は、陽極箔およびセパレータの端部から、ケースの底部に向かって突出しているものとしている。
また、ケースの底部の内面には、コンデンサ素子側に突出する凸部が設けられているのが好ましい場合もある。
また、ケースとコンデンサ素子との間には、導電性の弾性体が配置されているのが好ましい場合もある。
また、コンデンサ素子は、最外周に陰極箔が露出し、かつ、かつ、導電体は、コンデンサ素子の外周に配置されているのが好ましい。
また、本発明のコンデンサ用ケースの1側面は、コンデンサ素子を収納するためのケースにおいて、コンデンサ素子の端面に対向するケースの面には、コンデンサ素子の端面に当接する凸部が、ケースの外周側に設けられているものとしている。
また、本発明のコンデンサ素子の一側面は、陽極箔および陰極箔の間にセパレータを介在させて巻回されることにより構成されるコンデンサ素子において、巻回軸方向の一方の端面からは、陽極箔および陰極箔にそれぞれ接続される端子が延出すると共に、巻回軸方向の他方の端面において、陰極箔の端部の少なくとも一部または陰極箔に接続された導電体は、陽極箔およびセパレータの端部から、突出しているものとしている。
本発明では、感電を引き起こしにくいコンデンサ、コンデンサ用ケースおよびコンデンサ素子を提供できる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態に係るコンデンサについて説明する。
(第1の実施の形態)
まず初めに、本発明の第1の実施の形態に係るコンデンサについて、図面を参照しながら説明する。
まず初めに、本発明の第1の実施の形態に係るコンデンサについて、図面を参照しながら説明する。
(全体構成)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るコンデンサ1の構成を示す外観図である。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るコンデンサ1の構成を示す外観図である。
コンデンサ1は、直径(図1の左右方向)が4〜20mm、高さ(図1の上下方向)が5〜60mmの円柱型のコンデンサである。このコンデンサ1の側部および図1における下方向の面は、底付きの円筒形のケース2とされている。一方、コンデンサ1の図1における上部には、封口栓3が配設されている。この封口栓3は、ケース2の上方の開口部を塞ぐようにケース2に嵌合している。
また、コンデンサ1の図1における上方向の面、すなわち、封口栓3の露出面からは、2本の端子4a、4b(以後、端子4aおよび4bの両方を指す場合には、「端子4」という。)が図1の上方向へ延びている。また、ケース2の側部には、コンデンサ1の径方向内側へ凹む、かしめ部5が形成されている。
図2は、図1のコンデンサ1の分解斜視図である。なお、図2等においては、図の簡略化のため、かしめ部5およびケース2の開口部側にて内側方向へ折り曲げている部分の図示を省略している。
図2に示すように、コンデンサ1は、ケース2、封口栓3およびコンデンサ素子6から主に構成されている。コンデンサ素子6は、ケース2の内部に配置される。コンデンサ素子6の図2の上方向端面側には、封口栓3が配置される。なお、コンデンサ素子6が備える端子4は、封口栓3を貫通して図1に示すように、上方向へ突出する。
(コンデンサの各構成部品について)
以下、コンデンサの各構成部品について、主として図3、図4および図5を参照しながら詳細に説明する。図3は、図1のコンデンサをA−A線で切断した場合の断面を示す断面図である。図4は、図3のBで示す領域を拡大して示す拡大断面図である。また、図5は、ケース2を図3の上方向から見た場合の平面図である。
以下、コンデンサの各構成部品について、主として図3、図4および図5を参照しながら詳細に説明する。図3は、図1のコンデンサをA−A線で切断した場合の断面を示す断面図である。図4は、図3のBで示す領域を拡大して示す拡大断面図である。また、図5は、ケース2を図3の上方向から見た場合の平面図である。
まず、ケース2について説明する。
ケース2は、図3等に示すように、コンデンサ素子6を収納し、封口栓と共に、電解液等が揮発あるいは漏洩しないように密閉する役割を有する。本実施の形態では、ケース2は、底部8を有する円筒型であって、円形の底部8の端部から、側部9が底部8に対して略垂直となるように設けられている。また、底部8と対向するように、開口部10が形成されている。このようなケース2の材料としては、気密性の高いものを用いることが好ましく、たとえば、耐熱性、気密性および耐腐食性が高いアルミニウム製のケースとすることができる。また、ケース2は、たとえば、アルミニウム以外の金属等の、導電性の部材とされている。
第1の実施の形態では、コンデンサ素子6に向かって突出する円錐形の凸部11が、ケース2の底部8の内面に高さSで形成されている。また、その凸部11は、底部8の内面の中心P(図5参照)から半径方向において外周側、すなわち、中心Pから凸部11までの半径方向の距離t(図5参照)が、凸部11から側部9の内面までの半径方向の距離uより大きくなる位置に配置されている。凸部11は、中心Pを基準に周方向へ90度間隔で計4箇所に形成されている。なお、凸部11の配置は、等間隔でなくてもよく、また、凸部11の個数は、4以外の数としてもよい。また、凸部11は、ケース2と同一部材でケース2と一体化されているが、ケース2と別体の導電性の部材から構成してもよい。その場合には、ケース2と同程度以上の導電率を有する部材から、凸部11が形成されることが好ましい。凸部11の高さについては、コンデンサ素子6の説明において詳述する。
次に、封口栓3の構成について説明する。
封口栓3は、ケース2の開口部10を封口するために用いる。また、封口栓3は、コンデンサ素子6の端子4を通すための孔12(図2参照)を有する。孔12は、コンデンサ素子6の端子4の直径よりもやや小さい直径とされている。このため、孔12に端子4を貫通させたときに、端子4の周囲に間隙が生じないものとなる。
封口栓3としては、適度な強度と反発力を有し、かつ、用いる電解液に対して不透過性の性質を有する材料からなることが好ましい。このような封口栓3の材料としては、高硬度かつ適度のゴム弾性を有する弾性体として、たとえば、気密性が高く、かつ電解液が蒸気として透過してしまうようなことがないイソブチレン・イソプレンゴム(IIR)等の弾性ゴムを用いることができる。なお、その他の材料から構成される封口栓3を用いてもよい。たとえば、硬質の材料から構成される封口栓3としてもよい。硬質の材料から構成される封口栓3を用いた場合には、コンデンサ1の内部が高圧になった場合でも、封口栓3が外側に膨張しにくいものとなる。したがって、コンデンサ素子6とケース2の底部8とが接した状態を、より一層保持できるものとなる。なお、封口栓3の主材料を硬質の部材とせずに、封口栓3の表面にベークライト(登録商標)等の硬質部材を張り合わせることで、封口栓3の変形を防ぐようにしてもよい。
次に、コンデンサ素子6について説明する。
図6は、コンデンサ素子6の分解斜視図である。コンデンサ素子6は、図2および図6に示すように端子4と、巻回部7とを主に有する。
端子4は、図6に示すように、後述の陽極箔20あるいは陰極箔21に接合される扁平部15、巻回部7から飛び出している丸棒部16、溶接部17および外部引出線18から構成される。端子4を構成する各部は、導電性の部材から構成され、それぞれ電気的に導通するものとなっている。なお、端子4は、陽極箔20あるいは陰極箔21と同程度の導電率を有する部材を用いることが好ましい。
扁平部15は、後述の陽極箔20あるいは陰極箔21に、溶接あるいはかしめ等でそれぞれ接続される部分である。本実施の形態では、扁平部15と丸棒部16とが一体に形成されている。また、丸棒部16は、溶接部17を介して外部引出線18に接続されている。なお、丸棒部16は、封口栓3の孔12内周と丸棒部16の外周が密着した状態で、孔12を貫通し、ケース2内部の密封性を維持する。端子4のうち、端子4aは、陽極箔20に電気的に接続されて、陽極側の端子として機能するものである。一方、端子4bは、陰極箔21に電気的に接続されて、陰極側の端子として機能するものである。
巻回部7は、陽極箔20と陰極箔21との間にセパレータ22が介在されてなる積層体が、巻回されることで構成されている。また、巻回部7のセパレータ22には、電解液が浸透されている。さらに、陽極箔20および陰極箔21には、端子4の扁平部15がそれぞれ接続されている。
陽極箔20としては、弁金属(いわゆる、バルブメタル)を用いることが好ましいが、弁金属以外の材料を用いてもよい。弁金属としては、たとえば、酸化アルミニウム皮膜が形成されたアルミニウム箔を用いることができる。その場合には、陽極箔20の純粋なアルミニウムの地金部分は、コンデンサ素子6の陽極として機能する。一方、陽極箔20の酸化アルミニウム部分は、コンデンサ素子6の誘電体として機能するものとなる。
陰極箔21としては、エッチング処理を施して大表面積化させたアルミニウム箔を用いることが好ましい。なお、陽極箔20と同様に、陽極酸化により形成された酸化アルミニウム皮膜を表面に設けたものを陰極箔21として用いてもよい。
セパレータ22は、陽極箔20と陰極箔21とが物理的に接触しないようにするために配置される。また、エッチング処理を施したものを陰極箔21として用いると、セパレータ22に浸透している電解液が、陰極箔21のエッチングにより形成された微細な凹凸に行き渡るので、電解液が浸透したセパレータ22は、コンデンサ素子6の真の陰極として機能しやすくなる。セパレータ22としては、合成繊維より製造されるものではなく、天然に産出するセルロース材料、たとえばマニラ麻や草木のパルプなどを原料として製造された紙を用いることがより好ましい。すなわち、セパレータ22として天然紙を用いると、合成繊維の多くに含まれているハロゲン化物から生じるハロゲンイオン等が、コンデンサ1の他の部材の腐蝕を引き起こすという現象が生じないため、より好ましい。
セパレータ22に浸透させるための導電性の電解液としては、エチレングリコール,グリセリン等の多価アルコール類を主溶媒とし、これにホウ酸アンモニウム,有機酸アンモニウム等を溶質とした溶剤等を用いることができる。
第1の実施の形態では、巻回部7の端子4が突出している側において、セパレータ22の端部よりも、陽極箔20および陰極箔21の端部がそれぞれ距離αだけ内側に位置している。そのため、陽極箔20および陰極箔21が互いに接触するリスクを低減できるものとなる。
一方、巻回部7の端子が突出していない側の端部は、陽極箔20の端部のみが、セパレータ22の巻回軸方向の端部よりも、距離βだけ内側に位置している。一方、陰極箔21の端部は、セパレータ22の端部よりも距離γだけ外側に突出している。すなわち、巻回部7のうち、ケース2の底部8に対向する面は、陰極箔21のみから構成されている。そのため、コンデンサ素子6がケース2内に配置されると、陰極箔21が、ケース2の底部8と接触する。すなわち、陰極箔21とケース2とが電気的に導通できる状態となる。したがって、アルミ製等のケース2は、陽極電位やグランドよりも高い電位となることがないので、ケース2に触れても感電を生ずることがなく、感電のリスクを低くすることができる。
なお、ケース2の底部8の内面側に設けられた凸部11は、底部8に対向する巻回部7の端面に食い込むものとなる。なお、凸部11の高さsは、距離γの値よりも小さいことが好ましい。なぜなら、凸部11の先端が、陽極箔20に接触しにくくできるためである。
上述のような凸部11を有するケース2を用いることで、ケース2が変形等した場合にも、陰極箔21とケース2との電気的な導通状態を維持することができる。ケース2が変形等した場合に、底部8の凸部11以外の領域と巻回部7の端部とが離れても、陰極箔21と凸部11とが接触した状態を保つことができるためである。したがって、ケース2へ人体が接触した際に、その触れた人が感電するリスクをより低減できる。
また、凸部11が、底部8の内面のうち、外周側に配置されることで、陰極箔21とケース2との電気的な導通状態を、一層維持することができる。なぜなら、ケース2の内部が高圧になることでケース2が膨張する場合には、底部8と側部9との接続部である底部8の外周側から遠い部分やかしめ部5から遠い部分ほどより大きく変位する傾向があるからである。つまり、ケース2の内部が高圧になると、底部8においては、中心Pとそのまわりが最も大きく変位し、外周部は、あまり大きく変位しない。したがって、底部8のうち、変位がより少ない外周に近い領域に凸部11が形成されていることで、陰極箔21とケース2との電気的な導通を維持することができる。
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態に係るコンデンサ30について図7を参照しながら説明する。
次に、第2の実施の形態に係るコンデンサ30について図7を参照しながら説明する。
第2の実施の形態に係るコンデンサ30は、第1の実施の形態に係るコンデンサ1とは、主に、ワッシャ31を有する点において異なる。ワッシャ31は、コンデンサ素子6とケース2の底部8との間に配置される。以下の説明においては、その異なる部分を中心に説明すると共に、第1の実施の形態と同一または同種の部材については、同一の符号を付し、その説明を省略または簡略化する。
図7は、第2の実施の形態に係るコンデンサ30の部分断面図である。第2の実施の形態におけるケース2は、第1の実施の形態におけるケース2と異なり、凸部11を有さない。
導電性の弾性体としてのワッシャ31は、底部8の内面とコンデンサ素子6との間に弾性を発揮できる状態で配置される。すなわち、底部8とコンデンサ素子6の端面との間にはさみ込まれ、その両者によってワッシャ31が圧縮された状態で、ワッシャ31が配置される。このようなワッシャ31を配置することで、ケース2の底部8が外側方向に膨んだ際に、底部8とコンデンサ素子6との間が離れてしまっても、ワッシャ31が図7で上下方向に伸びることで陰極箔21とケース2とが電気的に導通した状態を保持することができるものとなる。
ワッシャ31としては、環状であると共に、環状の面に対し凸である山部と凹である谷部とを交互にその周に沿って有するウェーブワッシャを用いることができる。また、ウェーブワッシャは、ケース2と同じ材料から構成されるものとすることが好ましい。電解液に他のイオン化物が流出しないため、コンデンサ30の内部で他の物質が析出あるいは溶出しにくいものとなる。ワッシャ31は、ウェーブワッシャではなく、スプリングワッシャー(リング状で1箇所に切断が入り、その切断部がねじられたもの)や、皿バネ状のもの等、あるいは、樹脂等の弾性体にチタン等の金属をメッキしたものを用いてもよい。
(第3の実施の形態)
次に、第3の実施の形態に係るコンデンサについて図8を参照しながら説明する。
次に、第3の実施の形態に係るコンデンサについて図8を参照しながら説明する。
第3の実施の形態に係るコンデンサは、第1の実施の形態に係るコンデンサ1とは、主にコンデンサ素子6において異なる。以下の説明においては、その異なる部分を中心に説明すると共に、第1の実施の形態と同一または同種の部材については、同一の符号をなし、その説明を省略または簡略化する。
図8は、第3の実施の形態に係るコンデンサが有するコンデンサ素子40の斜視図である。第3の実施の形態において、コンデンサ素子40は、巻回部7の最外周に、陰極箔21がくるように形成される。さらに、その最外周の陰極箔21には、巻き止め部材41が陰極箔21の少なくとも一部を覆うように巻回配置されている。
巻き止め部材41は、巻回部7の最外周に配置されている陰極箔21とケース2とを電気的に導通状態とするために配置される導電体の一例である。また、巻き止め部材41は、巻回部7の終端を巻止めるための巻止めテープを兼ねてもよい。そのような巻き止め部材41としては、金属箔の片面に導電性の粘着剤層を設けたものを用いることができる。また、巻き止め部材41として、導電性粒子を混入させた粘着剤層を金属箔に形成したものを用いてもよい。さらに、巻き止め部材41としては、金属箔にエンボス加工を施すことで、金属箔を部分的に粘着剤層表面に露出させたものをより好ましく用いることができる。このような巻き止め部材41は、エンボス成形により露出した金属箔部分が、被着体と直接接触するため、より大きな接触面積を確保でき、高い導通性能を有するためである。特に、巻き止め部材41を構成する金属箔部分は、陽極箔21あるいは陰極箔21と同じ材料で構成されていることが好ましい。電解液中に他のイオン化物が流出しないようにするためである。
底部8に面する側において、巻き止め部材41の端面は、陰極箔21などで構成される巻回部7の端面よりも距離γ1だけ突出している。そのため、陰極箔21と電気的に導通した巻き止め部材41が、ケース2の底部8と接触する。すなわち、陰極箔21とケース2とが、巻き止め部材41を介して電気的に導通した状態となる。したがって、ケース2が、陽極電位やグランドよりも高い電位になることがないので、感電のリスクを低くすることができる。
また、巻き止め部材41は、コンデンサ素子40の最外周に配置されているため、ケース2の内部が高圧になった場合にも、底部8の中でも変位しにくい外周側で、ケース2と巻き止め部材41とが接するものとなる。したがって、陰極箔21とケース2との電気的な接続をより一層維持することができる。
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、本発明は、上述の各形態に限定されることなく、種々変形した形態にて実施可能である。
たとえば、本実施の形態において、ケース2は、円柱形状のコンデンサ素子6,40にあわせて円筒形としているが、このような形状に限らない。たとえば、コンデンサ素子6が円柱形状でない場合には、そのコンデンサ素子の形状に合わせた形状として、四角柱あるいは球等様々な形状を採用できる。また、コンデンサ素子6,40の形状とは異なる形状のケース2を採用してもよい。たとえば、コンデンサ素子6,40が円柱形状であっても、ケース2を直方体形状とすることもできる。しかし、ケース2の形状をコンデンサ素子に沿った形状とすることで、コンデンサ1をより小型化できる。
また、第1の実施の形態では、凸部11は、円錐形状であるものとしているが、このような形状に限らない。たとえば、多角錐形状であってもよいし、頂面が平滑な形状であってもよいし、頂面が曲面であってもよい。しかし、凸部11が巻回部7の端面に食い込みやすくなるようにするためには、台形状等の頂面の面積が底部の面積より小さい形状が好ましい。凸部11の頂面が、針状の場合には、凸部11が巻回部7の端面により食い込みやすいものとなる。
また、第1の実施の形態では、凸部11は、ケース2の側部9の内面と接しない形態としているが、凸部11は、側部9の内面に接していてもよい。たとえば、第3の実施において、コンデンサ素子6の最外周に導電体としての巻き止め部材41が配置されているため、凸部11がケース2の側部9に接する形態の方が好ましい。また、凸部11は、側部9から、底面8の中心に向かって放射状に延伸している場合には、特に好ましい。
また、第1の実施の形態では、凸部11は、底部8の内面の外周に近い領域に点在するものとしているが、このような形態に限らない。凸部11は、底部8の中心に近い領域に配置されていてもよい。また、凸部11は、底部8に点在するものではなく、側部9の内面に沿って環状、あるいは、棒状に形成されてもよい。特に、ケース2の底面8方向へ突出する陰極箔21は、周回して積層しているため、凸部11が側部9の内面に沿った曲線で形成されている場合には、半径方向に積層した陰極箔同士の間に食い込みやすいものとなる。さらに、底部8が複数の凸部11を有し、複数の凸部11のうちのいくつかを、他の凸部11と異なる形状としてもよい。また、凸部11は、ケース2の内方が異常な高圧になる前に内部の圧力を逃がすための圧力弁の部分を避けて設けられるのがより好ましい。圧力弁を避けて凸部11を設けることで、圧力弁が作動する圧力を所望の圧力とすることが容易となる。
また、第2の実施の形態および第3の実施の形態においては、凸部11を有さないケース2を用いるコンデンサ30などとしているが、凸部11を有するケース2を用いたコンデンサとしてもよい。第2の実施の形態において、凸部11を有するケース2を用いる場合には、ワッシャ31が配置されない領域に凸部11が配置されていることが好ましい。また、その場合において、凸部11の高さsは、ワッシャ31により形成された底部8と巻回部7の端面との間隙c(図7参照)よりも大きく、底部8から巻回部7のセパレータ22の端面までの距離d(図7参照)よりも小さいことが好ましい。また、第3の実施の形態において、凸部11を有するケース2を用いる場合には、巻き止め部材41と接触する位置に凸部11を設けることが好ましい。また、凸部11を有さないケースを用いた場合にも、第1〜3の実施の形態で説明したコンデンサ素子6,40は、ケース2と陰極箔21とを従来のものに比べより一層電気的に導通状態とすることができる。
また、第1の実施の形態および第2の実施の形態において、巻回部7の端部側の陰極箔21の端部の一方は、すべてセパレータ22よりも突出するものとしているが、このような形態に限らない。たとえば、図9に示す変形例のように、コンデンサ素子50の巻回部51の端部において、陰極箔21の一部のみが、セパレータ22よりも距離γ,γ1,γ2で突出していてもよい。その場合において、陰極箔21は、1周以上突出していてもよいし、図10に示す斜視図のように、1周未満で陰極箔21が突出していてもよい。1周未満で陰極箔21が突出している場合には、突出した部分が、折れるあるいは皺が生じやすいため、突出した部分が潰れた状態で、巻回部7がケース2に配置される。そのため、突出した陰極箔21が潰れた分だけ、コンデンサ素子6の巻回軸方向の長さが小さくなる。同様に、第3の実施の形態において、巻き止め部材41は、巻回部7の全周を巻回するものとしているが、このような形態に限らない。巻き止め部材41は、1周以上巻回されていてもよいし、1周未満で巻回されていてもよい。
また、図11に示すように、陰極箔21の一部のみがセパレータ22の端部よりも巻回軸方向に突出してもよい。あるいは、図12に示すように、陰極箔21と電気的に接続している導電体21aとして、導電性の部材が、巻回部7の端部から突出するような形態でもよい。その場合には、陰極箔21の端部は、セパレータ22の端部よりも内側にあってもよい。また、陰極箔21と電気的に接続すると共にケース2の底面8に向かって突出する導電体21aは、陰極箔21と同程度の導電率を有する部材から構成されるのが好ましい。
さらに、陰極箔21またはそれに接続された導電体21aが、セパレータ22よりも1周以上突出している場合には、その突出している陰極箔21またはそれに接続された導電体21aに、切れ込みを設けても良い。切り込みを設けることで、突出した陰極箔21またはそれに接続された導電体21aが潰れやすくなり、巻回部7の巻回軸方向の高さを低くできる。すなわち、コンデンサ1をより小型化できる。また、突出した陰極箔21またはそれに接続された導電体21aが潰れることで、底面8と陰極箔21若しくは導電体21aとの接触面積が増加するという効果もある。なお、切り込みを設ける場合には、巻回部7の巻回軸の方向または、巻回軸に対し+80度〜−80度の範囲内の角度を為す方向に切り込みを設けることが好ましい。また、陰極箔21またはそれに接続された導電体21aが、セパレータ22よりも1周以内で突出する箇所が、複数あるような形態であってもよい。
なお、巻回部7のうち、底部8に面する側の端部が、コンデンサ素子6,40,50をケース2に入れた際に、折れるあるいは皺が生じる場合には、セパレータ22の端部から陰極箔21の端部までの幅が距離γ,γ1,γ2以下になる場合もある。その場合には、凸部11の高さsは、距離βよりも小さいことが好ましい。
1 コンデンサ
2 ケース
6 コンデンサ素子
7 巻回部
8 底部
9 側部
11 凸部
21 陰極箔
21a 導電体
32 導電性弾性部材
41 巻き止め部材(導電体)
2 ケース
6 コンデンサ素子
7 巻回部
8 底部
9 側部
11 凸部
21 陰極箔
21a 導電体
32 導電性弾性部材
41 巻き止め部材(導電体)
Claims (6)
- 陽極箔および陰極箔の間にセパレータを介在させて巻回されることにより構成されたコンデンサ素子と、
上記コンデンサ素子を収納する底部付きのケースと、
を備えるコンデンサにおいて、
上記陰極箔の端部の少なくとも一部または上記陰極箔に接続された導電体は、上記陽極箔および上記セパレータの端部から、上記ケースの底部に向かって突出していることを特徴とするコンデンサ。 - 請求項1に記載のコンデンサにおいて、
前記ケースの底部の内面には、前記コンデンサ素子側に突出する凸部が設けられていることを特徴とするコンデンサ。 - 請求項1または請求項2に記載のコンデンサにおいて、
前記ケースと前記コンデンサ素子との間には、導電性の弾性体が配置されていることを特徴とするコンデンサ。 - 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のコンデンサにおいて、
前記コンデンサ素子は、最外周に前記陰極箔が露出し、かつ、
前記導電体は、前記コンデンサ素子の外周に配置されていることを特徴とするコンデンサ。 - コンデンサ素子を収納するための底部付きのコンデンサ用ケースにおいて、
上記コンデンサ素子の端面に対向する上記ケースの底部の内面には、上記コンデンサ素子の端面に当接する凸部が、上記ケースの底部の内面の外周側に設けられていることを特徴とするコンデンサ用ケース。 - 陽極箔および陰極箔の間にセパレータを介在させて巻回されることにより構成されるコンデンサ素子において、
巻回軸方向の一方の端面からは、陽極箔および陰極箔にそれぞれ接続される端子が延出すると共に、
上記巻回軸方向の他方の端面において、上記陰極箔の端部の少なくとも一部または上記陰極箔に接続された導電体は、上記陽極箔および上記セパレータの端部から、突出していることを特徴とするコンデンサ素子。
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