JP2010186835A - 窒化物半導体レーザ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】高い光閉じ込め効果及び電流ブロック効果が得られるクラックフリーな埋め込み型窒化物半導体レーザ装置を提供する。
【解決手段】本発明の窒化物半導体レーザ装置は、n−AlGaNクラッド層103と、n−AlGaNクラッド層103の上方に位置するInGaN量子井戸活性層105と、InGaN量子井戸活性層105の上方に位置し、開口部が形成された電流狭窄層120と、電流狭窄層120の上面及び開口部内に形成されたp−GaNガイド層111とを備え、電流狭窄層120は、Alを含んだ窒化物半導体から構成され、電流狭窄層120のAl組成は、上方に向けて高くなっている。
【選択図】図1A
【解決手段】本発明の窒化物半導体レーザ装置は、n−AlGaNクラッド層103と、n−AlGaNクラッド層103の上方に位置するInGaN量子井戸活性層105と、InGaN量子井戸活性層105の上方に位置し、開口部が形成された電流狭窄層120と、電流狭窄層120の上面及び開口部内に形成されたp−GaNガイド層111とを備え、電流狭窄層120は、Alを含んだ窒化物半導体から構成され、電流狭窄層120のAl組成は、上方に向けて高くなっている。
【選択図】図1A
Description
本発明は、窒化物半導体を用いた埋め込み型半導体レーザ装置に関する。
現在、窒化ガリウム(GaN)を代表とし、一般式がInxGayAl1-x-yN(0≦x≦1、0≦y≦1、x+y≦1)で表される、III族元素であるアルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)及びインジウム(In)と、V族元素である窒素(N)とからなるIII-V族窒化物系化合物半導体、いわゆる窒化物半導体(以下、GaN系半導体ともいう)が注目を集めている。例えば、光デバイスに関しては窒化物半導体を用いた発光ダイオード(LED)が、大型ディスプレイ装置及び信号機等において用いられている。また、窒化物半導体を用いたLEDと蛍光体を組み合わせた白色LEDも一部商品化されており、将来的に発光効率が改善されれば、現状の照明装置に置き換わることも期待されている。
また、窒化物半導体を用いた青紫色半導体レーザ装置も非常に盛んに研究開発が行われている。青紫色半導体レーザ装置は、従来のCD及びDVD等の光ディスクの読み出し及び書き込みに用いられている赤色域や赤外域の光を発光する半導体レーザ装置と比べて、光ディスク上におけるスポット径を小さくすることが可能であるため、光ディスクの記録密度を向上させることが可能である。
半導体レーザ装置として、半導体基板上にメサストライプ状に光導波路が形成され、その両脇に電流ブロック層が埋め込まれた構造の埋め込み型半導体レーザ装置が広く用いられている(例えば、特許文献1参照)。以下に、埋め込み型半導体レーザ装置の構造について図6を参照しながら説明する。図6は、埋め込み型半導体レーザ装置の断面図である。
この埋め込み型半導体レーザ装置は、n−GaN基板301、n−GaN層302、n−AlGaNクラッド層303、n−GaNガイド層304、InGaNからなるMQW活性層305、p−AlGaN電子障壁層306、p−GaNガイド層307、n−GaNガイド層308、n―Al0.15Ga0.85N電流狭窄層309、p−GaNガイド層310、p−AlGaNクラッド層311、及びp−GaNコンタクト層312から構成されている。p―GaNコンタクト層312上にはp型電極313が形成され、n−GaN基板301の各層が形成されている面と反対側の裏面にはn型電極314が形成されている。電流はn−Al0.15Ga0.85N電流狭窄層309を流れず、n−Al0.15Ga0.85N電流狭窄層309が除去された部分のみを流れる。
埋め込み型半導体レーザ装置の特徴は、横モード特性に影響を与えるInGaN活性層(MQW活性層305)からn−Al0.15Ga0.85N電流狭窄層309までの距離を精度よく制御することができるため、自励発振による低雑音化が可能である点である。また、埋め込み型半導体レーザ装置では、広いコンタクト電極面積を実現できるため直列抵抗を低減できることなどから、性能及び信頼性の面で有利な点が多い。特許文献1では、n−GaN基板301上にn−AlGaNクラッド層303及びMQW活性層305を形成した後、MQW活性層305上方にn―Al0.15Ga0.85N電流狭窄層309を形成して、当該n―Al0.15Ga0.85N電流狭窄層309に開口部を形成する際、n−GaN基板301の裏面(V族面)をエッチング溶液から保護した状態で、n―Al0.15Ga0.85N電流狭窄層309の表面(III族面)が光電気化学(PEC:Photoelectrochemical)エッチングと呼ばれる方法でウエットエッチングされている。これによって、埋め込み型窒化物半導体レーザ装置を安定して得ることができるようになり、その結果、半導体レーザ装置の特性を再現性よく評価することが可能になったと開示されている。
特開2007-67290号公報
ところで、特許文献1で開示されているような電流狭窄層のエッチング技術の確立により、埋め込み型窒化物半導体レーザ装置においてシングルモードのレーザ発振が確認された。しかしながら、埋め込み型窒化物半導体レーザ装置を評価していたところ、レーザ発振しない、又はしきい値が高いデバイスが多数存在していることを確認した。そのようなデバイスについて評価していると、デバイスの電流狭窄層にクラックが存在していることを確認した。
クラックを抑制するためには、n−AlGaN電流狭窄層のAl組成を下げる、又は膜厚を薄くすることが考えられる。しかし、Al組成の低下又は電流狭窄層の薄膜化を行うと、横方向の光閉じ込め(以下単にΔnともいう)及び電流ブロック効果が低下してしまい、しきい値電流及びスロープ効率などデバイス特性が悪化する。
そこで本発明は、高い光閉じ込め及び電流ブロック効果が得られるクラックフリーな窒化物半導体レーザ装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の窒化物半導体レーザ装置は、n型クラッド層と、前記n型クラッド層の上方に位置する活性層と、前記活性層の上方に位置し、開口部が形成された電流狭窄層と、前記電流狭窄層の開口部内に形成されたp型半導体層とを備え、前記電流狭窄層は、Alを含んだ窒化物半導体から構成され、前記電流狭窄層のAl組成は、上方に向けて低くなることを特徴とする。
これにより、活性層に近く、活性層から染み出した光の強度が高い電流狭窄層の下部は、高いΔnが得られるように高いAl組成とされ、活性層から染み出した光の強度が低い電流狭窄層の上部は、低いAl組成とされる。従って、高いΔn及び電流ブロック効果を持つ電流狭窄層を実現することができる。その結果、しきい値及びスロープ効率などデバイス特性を向上させることができる。更には、高いΔn及び電流ブロック効果に必要な膜厚を成長してもクラックフリーな電流狭窄層を実現することができる。また、自励発振動作をさせる場合、安定した自励動作を得ることもできる。
ここで、本発明の窒化物半導体レーザ装置は、前記電流狭窄層は、第1の電流狭窄層と、前記第1の電流狭窄層の上方に位置し、前記第1の電流狭窄層よりもAl組成の低い第2の電流狭窄層とから構成され、前記第1の電流狭窄層のAl組成と膜厚とを乗算して得られる値と、前記第2の電流狭窄層のAl組成と膜厚とを乗算して得られる値との和は、1640(%・nm)以下であることが好ましい。
これにより、クラックフリーとなる電流狭窄層を再現性よく形成することができる。
本発明の窒化物半導体レーザ装置は、前記電流狭窄層は、第1の電流狭窄層と、前記第1の電流狭窄層の上方に位置し、前記第1の電流狭窄層よりもAl組成の低い第2の電流狭窄層とから構成され、前記第1の電流狭窄層は、AlxGa1-xN(0<x≦1)から構成され、前記第2の電流狭窄層は、AlyGa1-yN(0<y<x)から構成されることが好ましい。
また、本発明の窒化物半導体レーザ装置では、前記電流狭窄層のAl組成は、上方に向けて漸次減少していることが好ましい。
これにより、大幅にΔn及び電流ブロック効果を高めることができる。その結果、しきい値電流及びスロープ効率などデバイス特性をより向上させることができる。更には、高いΔn及び電流ブロック効果に必要な膜厚を成長してもクラックフリーな電流狭窄層を実現することができる。また、自励発振動作をさせる場合、より安定した自励動作を得ることができる。
また、本発明の窒化物半導体レーザ装置では、前記電流狭窄層のAl組成を前記電流狭窄層の膜厚方向に積分した値は1640(%・nm)以下であることが好ましい。
これにより、クラックフリーとなる電流狭窄層を再現性よく形成する事ができる。
また、本発明の窒化物半導体レーザ装置では、前記電流狭窄層は、AlxGa1-xN(0<x≦1)から構成されることが好ましい。
本発明により、高い光閉じ込め及び電流ブロック効果が得られるクラックフリーな埋め込み型窒化物半導体レーザ装置を実現することができる。
以下、本発明の実施の形態における窒化物半導体レーザ装置について、図面を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
図1Aは、本実施形態に係る埋め込み型窒化物半導体レーザ装置の構成を示す断面図であり、図1Bは同半導体レーザ装置の電流狭窄層120のAl組成(単位:%)の一例を示すグラフである。
図1Aは、本実施形態に係る埋め込み型窒化物半導体レーザ装置の構成を示す断面図であり、図1Bは同半導体レーザ装置の電流狭窄層120のAl組成(単位:%)の一例を示すグラフである。
この半導体レーザ装置は、n−AlGaNクラッド層(n−Al0.05Ga0.95Nクラッド層)103と、n−AlGaNクラッド層103の上方に位置するInGaN量子井戸活性層(In0.1Ga0.9N/In0.02Ga0.98N MQW活性層)105と、InGaN量子井戸活性層105の上方に位置し、開口部が形成された電流狭窄層120と、電流狭窄層120の上面及び開口部内に形成されたp−GaNガイド層111とを備える。電流狭窄層120は、Alを含んだ窒化物半導体から構成され、電流狭窄層120のAl組成は、上方(n−GaN基板101における半導体層の積層方向)に向けて、つまりInGaN量子井戸活性層105から離れる方向に向けて段階的に低くなっている。電流狭窄層120は、AlxGa1-xN(0<x≦1)から構成されるn−AlxGa1-xN第1の電流狭窄層109と、n−AlxGa1-xN第1の電流狭窄層109の上方に位置し、n−AlxGa1-xN第1の電流狭窄層109よりもAl組成が低く、AlyGa1-yN(0<y<x)から構成されるn−AlyGa1-yN第2の電流狭窄層110とから構成されている。
具体的に、この半導体レーザ装置は、図1Aに示すように、n−GaN基板101の上に順次形成された、n−GaN層102、n−AlGaNクラッド層103、n−GaNガイド層104、InGaN量子井戸活性層105、p−AlGaN電子障壁層(p−Al0.22Ga0.78N電子障壁層)106、p−GaNガイド層107、n−GaNガイド層108、電流狭窄層120、p−GaNガイド層111、歪量子井戸構造を有するp−Al0.1Ga0.9N/GaNクラッド層112、及びp−GaNコンタクト層113を備えている。p−GaNコンタクト層113の上には、p型電極114が形成され、n−GaN基板101の裏面には、n型電極115が形成されている。
電流狭窄層120は、多層構造の層であり、n−AlyGa1-yN第2の電流狭窄層110と、n−AlyGa1-yN第2の電流狭窄層110よりもInGaN量子井戸活性層105に近い距離に位置するn−AlxGa1-xN第1の電流狭窄層109とを含んでいる。ここで、n−AlxGa1-xN第1の電流狭窄層109及びn−AlyGa1-yN第2の電流狭窄層110は、x>y(0<x≦1、0<y<x)となるように構成されている。従って、図1Bに示すように、電流狭窄層120の下部のAl組成は、電流狭窄層120の上部のAl組成よりも高い。
n−AlxGa1-xN第1の電流狭窄層109のAl組成を30%以上にすると、成長層表面のモホロジー荒れ及び結晶性の悪化による、しきい値電流の増大及び駆動電圧の増大などデバイス特性が悪化することが考えられる。従って、n−AlxGa1-xN第1の電流狭窄層109のAl組成を最大30%、つまり30%より小さくすることが好ましい。
この半導体レーザ装置は、電流がn−AlxGa1-xN第1の電流狭窄層109及びn−AlyGa1-yN第2の電流狭窄層110には流れず、n−AlxGa1-xN第1の電流狭窄層109及びn−AlyGa1-yN第2の電流狭窄層110が除去された電流注入部116のみを流れる構造となっている。つまり、n−AlxGa1-xN第1の電流狭窄層109及びn−AlyGa1-yN第2の電流狭窄層110の開口部内のp−GaNガイド層111のみを流れる構造となっている。
以下に本実施形態に係る埋め込み型窒化物半導体レーザ装置の製造方法について、図2A〜図2Eを参照して説明する。図2A〜図2Eは、同半導体レーザ装置の製造方法を説明するための断面図である。
まず、図2Aに示すように、n−GaN基板101の上に、n−GaN層102と、n−AlGaNクラッド層103と、n−GaNガイド層104と、InGaN量子井戸活性層105と、p−AlGaN電子障壁層106と、p−GaNガイド層107と、n−GaNガイド層108と、n−AlxGa1-xN第1の電流狭窄層109と、n−AlyGa1-yN第2の電流狭窄層110とが有機金属気相成長(MOCVD)法により順次積層される。
次に、図2Bに示すように、n−AlyGa1-yN第2の電流狭窄層110上にマスク117が形成される。
次に、図2Cに示すように、n−AlxGa1-xN第1の電流狭窄層109及びn−AlyGa1-yN第2の電流狭窄層110がドライエッチング又はウエットエッチングされ、電流注入部116が形成された後、マスク117が薬液で除去される。
次に、図2Dに示すように、電流狭窄層120に形成された開口部内、及び電流狭窄層120(n−AlyGa1-yN第2の電流狭窄層110)上面に、p−GaNガイド層111、p−Al0.1Ga0.9N/GaNクラッド層112及びp−GaNコンタクト層113がMOCVD法による再成長で形成される。
次に、窒素雰囲気中、800℃でp型層の活性化アニールが行われた後、p−GaNコンタクト層113上にp型電極114が形成される。p型電極114はニッケル(Ni)又はパラジウム(Pd)を含む多層膜を電子線(EB)蒸着法により形成し、その後シンタリングを行うことにより形成される。
次に、図2Eに示すように、n−GaN基板101のMOCVD法での成長層が形成されていない裏面が研磨されてn−GaN基板101が薄くされ、研磨された裏面にn型電極115が形成される。n型電極115の材料としてはTiやVなどを含んだ多層膜が一般的に用いられる。その後、へき開が行われ、続いてチップ分離が行われて、図1Aの埋め込み型窒化物半導体レーザ装置が製造される。
以上のように、本実施形態の埋め込み型窒化物半導体レーザ装置によれば、InGaN量子井戸活性層105に近く、染み出した光(InGaN量子井戸活性層105から染み出した光)の強度が高いn−AlxGa1-xN第1の電流狭窄層109はAl組成の高い層とされるため、高いΔn及び電流ブロック効果を持つ電流狭窄層120を実現することができる。従って、しきい値及びスロープ効率などデバイス特性を向上させることができる。更には、同染み出した光の強度が低いn−AlyGa1-yN第2の電流狭窄層110はn−AlxGa1-xN第1の電流狭窄層109のAl組成よりも低いAl組成の層とされるため、高いΔn及び電流ブロック効果に必要な膜厚を成長してもクラックフリーな電流狭窄層120を実現することができる。また、自励発振動作をさせる場合、高いΔnが実現できるため、安定した自励動作を得ることもできる。
図3は、電流狭窄層120がクラックフリーとなる歪量の値を調べるための、電流狭窄層120の歪量とクラックとの関係を示す図である。
図3から、電流狭窄層120の歪量を2100(%・nm)から低下させていくと、歪量1640(%・nm)にて電流狭窄層起因のクラックが発生しなくなることが確認される。この結果に基づき、n−AlxGa1-xN第1の電流狭窄層109及びn−AlyGa1-yN第2の電流狭窄層110の膜厚は、Al組成(単位:%)×膜厚(単位:nm)<1640(%・nm)を満たし、クラックフリーとなるように決められる。具体的には、n−AlxGa1-xN第1の電流狭窄層109のAl組成と膜厚とを乗算して得られる値と、n−AlyGa1-yN第2の電流狭窄層110のAl組成と膜厚とを乗算して得られる値との和が1640(%・nm)以下となるようにされる。従って、n−AlxGa1-xN第1の電流狭窄層109のAl組成x(%)は、15%≦x≦30%が好ましく、膜厚α(nm)は、10nm≦α≦50nmが好ましい。また、n−AlyGa1-yN第2の電流狭窄層110のAl組成y(%)は、高いΔnを得るために、5%≦y<15%が好ましく、膜厚β(nm)は、10nm≦β<300nmが好ましい。これにより、クラックフリーとなる電流狭窄層120を確実に形成することができる。
(第2の実施形態)
図4Aは、本実施形態に係る埋め込み型窒化物半導体レーザ装置の構成を示す断面図であり、図4Bは、同半導体レーザ装置のn−AlxGa1-xN電流狭窄層209のAl組成(単位:%)の一例を示すグラフである。
図4Aは、本実施形態に係る埋め込み型窒化物半導体レーザ装置の構成を示す断面図であり、図4Bは、同半導体レーザ装置のn−AlxGa1-xN電流狭窄層209のAl組成(単位:%)の一例を示すグラフである。
この半導体レーザ装置は、n−AlGaNクラッド層203と、n−AlGaNクラッド層203の上方に位置するInGaN量子井戸活性層(In0.1Ga0.9N/In0.02Ga0.98N MQW活性層)205と、InGaN量子井戸活性層205の上方に位置し、開口部が形成されたn−AlxGa1-xN電流狭窄層209と、n−AlxGa1-xN電流狭窄層209の上面及び開口部内に形成されたp−GaNガイド層210とを備える。n−AlxGa1-xN電流狭窄層209は、Alを含んだ窒化物半導体、つまりAlxGa1-xN(0<x≦1)から構成され、n−AlxGa1-xN電流狭窄層209のAl組成は、上方(半導体層の積層方向)に向けて、つまりInGaN量子井戸活性層205から離れる方向に向けて連続的に低くなっている。
具体的に、この半導体レーザ装置は、図4Aに示すように、n−GaN基板201の上に順次積層された、n−GaN層202、n−AlGaNクラッド層(n−Al0.05Ga0.95Nクラッド層)203、n−GaNガイド層204、InGaN量子井戸活性層205、p−AlGaN電子障壁層(p−Al0.22Ga0.78N電子障壁層)206、p−GaNガイド層207、n−GaNガイド層208、n−AlxGa1-xN電流狭窄層209、p−GaNガイド層210、歪量子井戸構造を有するp−Al0.1Ga0.9N/GaNクラッド層211、及びp−GaNコンタクト層212を備えている。p−GaNコンタクト層212の上には、p型電極213が形成され、n−GaN基板201の裏面には、n型電極214が形成されている。
n−AlxGa1-xN電流狭窄層209のAl組成(0<Al組成≦1)は、図4Bに示すように、染み出した光(InGaN量子井戸活性層205から染み出した光)の強度が高いn−GaN基板201側の下部(n−AlxGa1-xN電流狭窄層209のn−GaNガイド層208と接する部分)から同染み出した光の強度が低い成長層の表面側の上部(n−AlxGa1-xN電流狭窄層209のp−GaNガイド層210と接する部分)に向かい、漸次減少している。
n−AlxGa1-xN電流狭窄層209のAl組成を高くし過ぎると、成長層表面のモホロジーの悪化、及び結晶性の劣化が懸念される。従って、染み出した光の強度が高い基板側のn−AlxGa1-xN電流狭窄層209のAl組成は上限30%とされる。また、n−AlxGa1-xN電流狭窄層209の膜厚(単位:nm)は、Al組成×膜厚<1640(%・nm)を満たし、クラックフリーになるように決められる。従って、n−AlxGa1-xN電流狭窄層209のAl組成をn−AlxGa1-xN電流狭窄層209の膜厚方向(n−AlxGa1-xN電流狭窄層209の成長方向、つまり上方向)に積分した値は1640(%・nm)以下となるようにされる。これにより、クラックフリーとなるn−AlxGa1-xN電流狭窄層209を確実に形成することができる。
この半導体レーザ装置は、電流がn−AlxGa1-xN電流狭窄層209には流れず、n−AlxGa1-xN電流狭窄層209が除去された電流注入部216のみを流れる構造となっている。
以下に本実施形態に係る埋め込み型窒化物半導体レーザ装置の製造方法について、図5A〜図5Eを参照して説明する。図5A〜図5Eは、同半導体レーザ装置の製造方法を説明するための断面図である。
まず、図5Aに示すように、n−GaN基板201の上に、n−GaN層202と、n−AlGaNクラッド層203と、n−GaNガイド層204と、InGaN量子井戸活性層205と、p−AlGaN電子障壁層206と、p−GaNガイド層207と、n−GaNガイド層208と、n−AlxGa1-xN電流狭窄層209とがMOCVD法により順次積層される。n−AlxGa1-xN電流狭窄層209はn−AlxGa1-xNで構成されており、入射光の強度が高い基板側の部分のAl組成は0.1≦x≦1となるように選択され、成長層表面側に向かうにしたがい漸次減少している。
次に、図5Bに示すように、n−AlxGa1-xN電流狭窄層209上にマスク217が形成される。
次に、図5Cに示すように、n−AlxGa1-xN電流狭窄層209がドライエッチング又はウエットエッチングされ、電流注入部216が形成された後、マスク217が薬液で除去される。
次に、図5Dに示すように、n−AlxGa1-xN電流狭窄層209に形成された開口部内、及びn−AlxGa1-xN電流狭窄層209上面に、p−GaNガイド層210、p−Al0.1Ga0.9N/GaNクラッド層211及びp−GaNコンタクト層212がMOCVD法による再成長で形成される。
次に、窒素雰囲気中、800℃でp型層の活性化アニールが行われた後、p−GaNコンタクト層212上にp型電極213が形成される。p型電極213はニッケル(Ni)又はパラジウム(Pd)を含む多層膜を電子線(EB)蒸着法により形成し、その後シンタリングを行うことにより形成される。
次に、図5Eに示すように、n−GaN基板201のMOCVD法での成長層が形成されていない裏面が研磨されてn−GaN基板201が薄くされ、研磨された裏面にn型電極214が形成される。n型電極214の材料としてはTiやVなどを含んだ多層膜が一般的に用いられる。その後、へき開が行われ、続いてチップ分離が行われて、図4Aの埋め込み型窒化物半導体レーザ装置が製造される。
以上のように、本実施形態の埋め込み型窒化物半導体レーザ装置によれば、n−AlxGa1-xN電流狭窄層209のAl組成は、InGaN量子井戸活性層205に近く、染み出した光(InGaN量子井戸活性層205からの染み出した光)の強度が高い基板側の部分から、同染み出した光の強度が低い成長層表面側の部分に向かい漸次減少する。従って、第1の実施形態の半導体レーザ装置よりも大幅にΔn及び電流ブロック効果を高めることができ、光学設計の範囲を広げることができる。その結果、しきい値電流及びスロープ効率などデバイス特性をより向上させることができる。更には、高いΔn及び電流ブロック効果に必要な膜厚を成長してもクラックフリーなn−AlxGa1-xN電流狭窄層209を実現することができる。また、自励発振動作をさせる場合、高いΔnが実現できるため、より安定した自励動作を得ることもできる。
以上、本発明の窒化物半導体レーザ装置について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲内で当業者が思いつく各種変形を施したものも本発明の範囲内に含まれる。
例えば、上記第1の実施形態において、電流狭窄層120には、n−AlxGa1-xN第1の電流狭窄層109及びn−AlyGa1-yN第2の電流狭窄層110以外の他の層が含まれていてもよい。
また、上記実施形態において、本発明のp型半導体層としてp−GaNガイド層111及び210を例示したが、電流狭窄層の開口部内に形成され、p型窒化物半導体から構成される層であればこれに限られない。
本発明は、高密度光ディスク装置に用いる窒化物系半導体レーザ装置などに利用することができる。
101、201、301 n−GaN基板
102、202、302 n−GaN層
103、203、303 n−AlGaNクラッド層
104、204、304 n−GaNガイド層
105、205 InGaN量子井戸活性層
106、206、306 p−AlGaN電子障壁層
107、207、307 p−GaNガイド層
108、208、308 n−GaNガイド層
109 n−AlxGa1-xN第1の電流狭窄層
110 n−AlyGa1-yN第2の電流狭窄層
111、210、310 p−GaNガイド層
112、211 p−Al0.1Ga0.9N/GaNクラッド層
113、212、312 p−GaNコンタクト層
114、213、313 p型電極
115、214、314 n型電極
116、216 電流注入部
117、217 マスク
120 電流狭窄層
209 n−AlxGa1-xN電流狭窄層
305 MQW活性層
309 n―Al0.15Ga0.85N電流狭窄層
311 p−AlGaNクラッド層
102、202、302 n−GaN層
103、203、303 n−AlGaNクラッド層
104、204、304 n−GaNガイド層
105、205 InGaN量子井戸活性層
106、206、306 p−AlGaN電子障壁層
107、207、307 p−GaNガイド層
108、208、308 n−GaNガイド層
109 n−AlxGa1-xN第1の電流狭窄層
110 n−AlyGa1-yN第2の電流狭窄層
111、210、310 p−GaNガイド層
112、211 p−Al0.1Ga0.9N/GaNクラッド層
113、212、312 p−GaNコンタクト層
114、213、313 p型電極
115、214、314 n型電極
116、216 電流注入部
117、217 マスク
120 電流狭窄層
209 n−AlxGa1-xN電流狭窄層
305 MQW活性層
309 n―Al0.15Ga0.85N電流狭窄層
311 p−AlGaNクラッド層
Claims (6)
- n型クラッド層と、
前記n型クラッド層の上方に位置する活性層と、
前記活性層の上方に位置し、開口部が形成された電流狭窄層と、
前記電流狭窄層の開口部内に形成されたp型半導体層とを備え、
前記電流狭窄層は、Alを含んだ窒化物半導体から構成され、
前記電流狭窄層のAl組成は、上方に向けて低くなる
窒化物半導体レーザ装置。 - 前記電流狭窄層のAl組成を前記電流狭窄層の膜厚方向に積分した値は1640(%・nm)以下である
請求項1に記載の窒化物半導体レーザ装置。 - 前記電流狭窄層は、AlxGa1-xN(0<x≦1)から構成される
請求項1に記載の窒化物半導体レーザ装置。 - 前記電流狭窄層は、第1の電流狭窄層と、前記第1の電流狭窄層の上方に位置し、前記第1の電流狭窄層よりもAl組成の低い第2の電流狭窄層とから構成される
請求項1に記載の窒化物半導体レーザ装置。 - 前記第1の電流狭窄層のAl組成と膜厚とを乗算して得られる値と、前記第2の電流狭窄層のAl組成と膜厚とを乗算して得られる値との和は、1640(%・nm)以下である
請求項4に記載の窒化物半導体レーザ装置。 - 前記第1の電流狭窄層は、AlxGa1-xN(0<x≦1)から構成され、
前記第2の電流狭窄層は、AlyGa1-yN(0<y<x)から構成される
請求項4に記載の窒化物半導体レーザ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009028958A JP2010186835A (ja) | 2009-02-10 | 2009-02-10 | 窒化物半導体レーザ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2009028958A JP2010186835A (ja) | 2009-02-10 | 2009-02-10 | 窒化物半導体レーザ装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010186835A true JP2010186835A (ja) | 2010-08-26 |
Family
ID=42767319
Family Applications (1)
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JP2009028958A Pending JP2010186835A (ja) | 2009-02-10 | 2009-02-10 | 窒化物半導体レーザ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2010186835A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102299482A (zh) * | 2011-07-25 | 2011-12-28 | 中国科学院苏州纳米技术与纳米仿生研究所 | 氮化镓基半导体激光器外延结构及其制作方法 |
WO2022163176A1 (ja) * | 2021-01-28 | 2022-08-04 | ウシオ電機株式会社 | 窒化物半導体発光素子 |
-
2009
- 2009-02-10 JP JP2009028958A patent/JP2010186835A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102299482A (zh) * | 2011-07-25 | 2011-12-28 | 中国科学院苏州纳米技术与纳米仿生研究所 | 氮化镓基半导体激光器外延结构及其制作方法 |
WO2022163176A1 (ja) * | 2021-01-28 | 2022-08-04 | ウシオ電機株式会社 | 窒化物半導体発光素子 |
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