上記の通り、従来においても特許文献1や2に示されているように、電子商取引を行う際に、チャットや電子メールを使用して、販売者と購入者との間で連絡を行うことは提案されていた。このうち、チャットで行う方法においては、交渉を行う場合には全てチャットに入力しなければならず、取引双方にとって少なからず煩わしいものとなっていた。また、電子メールを使用する方法においては、商取引の相手方が直ぐに電子メールの返信を行うという保証は無く、よってちょっとした交渉であっても、わざわざ電子メールを送信し、その返信を待たなければならないといった煩わしさがあった。
そこで本発明は、商取引において重要であり、かつ視覚においても確認する事の望ましい情報だけを、リアルタイムで両者(取引当事者)に表示すると共に、当事者間の交渉に応じて随時変更し、変更した内容を視覚で確認しながら商取引を進める事のできる情報表示装置、情報表示システムおよびプログラムを提供する事を第一の課題とする。
また、前記特許文献4で提案されているようなWEB会議システムでは、発言情報やチャット情報を資料と関連付けて議事録を作成し、また会議に使用する資料は参加者全員の画面に表示させることが提案されているが、リアルタイムで表示されるのは事前に作成されている資料であり、議事録は発言情報やチャット情報を資料に関連付けて、そのまま保存するだけである。
よって本発明では、会議の進行中において生じる事項を、随時、リアルタイムで参加者全員に提示する事ができ、且つ提示した事項について必要な変更や付加情報を表示すると共に、この変更後の内容をリアルタイムで表示して、視覚において参加者全員の理解を確認する事のできる情報表示装置、情報表示システムおよびプログラムを提供する事を第二の課題とする。
更に、商取引では取引の確実性を確保する為に、商取引における重要な取り決め事項や、会議における重要な取り決め事項は、後に確認が必要になることもあり、よって記録に残しておく事が望ましい。
そこで本発明では、このような商取引における重要事項や、会議において随時蓄積した取り決め事項など、各種の重要事項を保存しておく事のできる情報表示装置、情報表示システムおよびプログラムを提供する事を第三の課題とする。
上記課題の少なくとも何れかの課題を解決するべく、本発明では、情報通信を行っている当事者間で確認する必要のある事項、特に重要な事項を視覚でも確認する事ができるように、且つ当該事項について変更を行い、変更後の内容をリアルタイムで表示して相互の意思確認を行う事のできる情報表示装置、情報表示システムおよびプログラムを提供する。
即ち、本発明では、前記課題の少なくとも何れかの課題を解決するべく、表示装置を具備する電子端末とネットワークを介して接続される情報表示装置であって、少なくとも、ネットワークを介して接続された電子端末との情報通信を行う通信手段と、当該ネットワークを介して接続された電子端末に送信する第一情報を入力する入力手段とを具備し、更に、ネットワークを介して接続された他の電子端末の表示装置内に、第一情報を表示する表示ブロックを生成させる表示ブロック生成手段と、当該他の電子端末における表示装置内に区画した表示ブロック内に表示している第一情報を変更する表示内容変更手段を具備することを特徴とする、情報表示装置を提供する。
上記表示ブロック生成手段は、ネットワークを介して接続され、当該情報表示装置と情報通信を行っている他の電子端末の表示装置(ディスプレイなど)に、見積情報や会議における議事録などの重要な情報を表示させる為の表示ブロックを生成させるものであり、当該情報表示装置から当該表示ブロックの描画指令を、他の電子端末に送信するものである。他の電子端末に描画する表示ブロックは、新たに生成させる他、既に表示している表示ブロック中に別枠として表示する事ができる。例えば、当該他の電子端末の表示装置(ディスプレイなど)に、ウィンドウ形式で情報を表示するグラフィカルユーザインタフェースで描画される場合、当該表示ブロックは、別ウィンドウとして表示する他、表示しているウィンドウ中に別フレームとして表示する事ができる。
また上記表示ブロック生成手段は、上記した表示ブロックを他の電子端末のディスプレイに描画する為に、当該他の電子端末におけるプログラムが描画表示可能な形式のデータを送信するように構成される。例えば当該他の電子端末において各種のブラウザ(プログラム)が動作している場合には、当該ブラウザで表示可能なHTML形式で記述されたデータなどの各種データを送信するように形成される。
上記表示内容変更手段は、表示ブロックに表示する第一情報に変更、追加、削除などを行った場合に、その変更、追加、削除された後の第一情報を他の電子端末における表示装置内に区画された表示ブロック内に迅速に表示する為のものである。かかる表示内容変更手段は、例えば情報表示装置における入力手段から入力された情報により、第一情報に対して変更、追加、削除などが行われた場合に、当該変更後の第一情報を他の電子端末に表示させる為に、当該他の情報端末に対して、第一情報或いは表示ブロックの表示をリロード(再読み込み)せよとの指令(即ち、表示ブロックに表示された情報の再読み込みの要求指令情報。以下、「描画指令」とも言う)を発するように構成する。かかる描画指令は、情報表示装置における第一情報への変更、追加、削除が行われた時に発するように構成する事もできる。
以上のように構成された情報表示装置によれば、商取引における見積書や、会議における議事録など、情報通信を行っている当事者において、相互の意思確認を行う上で必要な情報(第一情報)を、相手側の表示装置内に表示ブロックを生成させて表示し、これにより視覚で確認しながら様々な手段でコミュニケーションを行う事ができる。更に、コミュニケーションにおいて第一情報についての変更が必要になった場合には、即座にその変更を反映させることが出来る事から、恰も直接会っているかのように交渉等を進める事ができる。
上記情報表示装置には、更に表示ブロックのレイアウトを規定した1又は2以上の様式情報を記録した記録手段を設け、前記表示ブロック生成手段における表示ブロックの生成に際しては、入力手段によって指定された様式情報を読み出し、当該様式情報に基づいて、ネットワークを介して接続された他の電子端末の表示装置内に、第一情報を表示する表示ブロックを生成させる様に構成する事もできる。
様式情報は、当該情報表示装置と情報送信を行っている他の電子端末の表示装置に表示させる表示ブロックのサイズ、レイアウト、表示項目等を記録したものであり、その用途に応じて、1又は2以上のものが準備される。例えば、電子会議における議事録(即ち第一情報)を表示させる為の様式情報、電子商取引における見積内容を表示させる為の様式情報を保持する事ができる。更に議事録を表示させる為の様式情報であっても、会議の種類や内容によって表示させる表示ブロックの表示様式を異ならせたり、電子商取引における見積内容を表示させる表示ブロックであっても、見積対象となる商品又は役務の内容によって表示様式を異ならせる事もできる。このような各種の様式情報のうち、何れの様式情報を使用するかについては、情報表示装置が具備する入力手段から指定する他、情報送信する内容に応じて、情報表示装置における演算乃至は抽出処理により選択されるように構成する事もできる。例えば、情報送受信する内容項目をメニュー表示しておき、何れのメニューが選択されたかによって、当該メニューに関連付けられた様式情報を読み込むように構成する事もできる。
以上のように構成された情報表示装置によれば、当該情報表示装置を使用する場面に応じて最適な帳票のレイアウトを選択することができ、これにより当事者間における意思疎通を迅速に行う事ができる。
また、本発明では上記課題の少なくともいずれかを解決するために、ネットワークを介して相互に情報通信を行うと共に、各々が表示装置を具備する2つ以上の電子端末で構成されており、情報通信を行う少なくとも何れかの電子端末として、上記本発明にかかる何れかの情報表示装置が使用されており、当該情報表示装置が使用された電子端末が具備する表示ブロック生成手段は、当該電子端末において入力した第一情報を、相互に情報通信を行っている他の電子端末における表示装置に生成した表示ブロック中に、同じ内容で表示させる、情報表示システムを提供する。
即ち、上記本発明にかかる情報表示装置と、当該情報表示装置とネットワークを介して接続されている2つ以上の電子端末とで構成された情報表示システムである。これら情報表示装置および電子端末は、多くの場合、コンピュータを用いて構成されており、当該コンピュータ同士の接続は、一方のコンピュータから他のコンピュータに情報を送信できるものであれば如何なる通信方式でも採用する事ができ、望ましくは双方向通信が可能な通信方式が利用される。またこのような情報送受信は、ネットワーク上に設置されたサーバを介して行う事もできるが、不特定多数のコンピュータを相互に接続するピアツーピア方式(Peer to Peer)のネットワーク構成とする事が望ましい。サーバに対する負荷を軽減し、送信した情報(第一情報など)を迅速に表示させる為である。
上記情報表示システムにおいて、情報通信を行っている何れの電子端末も、前記第一情報を表示させるブロックとは別に、双方向で送受信した第二情報を表示させる第二情報表示欄を生成させる第二情報表示欄生成手段を具備する事が望ましい。
即ち、前記第一情報を表示する為の表示ブロックとは別に、情報通信を行っている当事者間における交渉や討議などの話し合いを行う為の第二情報表示欄を生成させるべく、第二情報表示欄生成手段を具備する。前記第一情報は、商取引における見積書、発注書、納品書、請求書などに示される情報のように、商取引の内容を確定する為に必要な情報、又は保存する必要のある情報であり、一方で第二情報は、当該第一情報以外の情報が広く含まれる。また、第一情報は情報表示装置から他の電子端末に送信する情報であり、第二情報は双方向で送受信する情報として位置付ける事もできる。例えば、電子商取引においては、取引対象となる商品や役務の価格、数量(又は時間)、納期などの交渉内容が第二情報であり、当該交渉によって作成される見積書、発注書、納品書、請求書などに示される情報が第一情報となる。
更に、当該情報表示装置が電子会議に使用される場合、前記第二情報は会議において取り交わされる意見や、会議において使用される各種の資料などの情報であり、第一情報は、当該会議で定まった情報、特に議事録として保存される、簡潔に会議の内容を示した情報が該当する。
上記第一情報は、少なくとも当該情報表示装置と情報通信を行っている他の電子端末の表示装置に、望ましくは当該情報表示装置の表示装置に、予め定められた帳票形式のレイアウトで表示されるものであり、第二情報は、例えばコンピュータネットワーク上のコミュニケーション手段であるチャットなどのように双方からの情報交換が可能な形式で表示される。
また、上記情報表示システムでは、前記情報通信を行う少なくとも何れかの電子端末は、前記表示ブロック生成手段が生成させたブロック内に表示した第一情報および表示内容変更手段が変更した第一情報の変更履歴の少なくとも何れかを記録するための表示情報記録手段を具備する事が望ましい。
表示情報記録手段は、情報通信の内容を事後において確認可能なように、最終的に特定された第一情報か、或いはその変更履歴を含めた第一情報を記録するものであり、通常はコンピュータを構成する記憶手段に、テーブル形式、データベース形式、ファイル形式などで記録する事ができる。また当該表示情報記録手段は、後における検索を容易にするために、時間、情報通信を行った相手、情報通信の内容などの適宜インデックスを付しておく事が望ましい。また、表示情報記録手段における情報の保存先は、情報表示装置が具備する記憶手段、当該情報表示装置と情報通信を行っている他の電子端末の記憶手段、或いは情報表示装置及び当該他の電子端末の記憶手段に保存する事ができ、更に当該情報を、ネットワーク上に設置された外部のサーバ装置が備える記憶手段に保存する事ができる。
かかる表示情報記録手段を具備する事により、商取引であれば確実に第一情報を保持する事ができ、また会議に使用した場合には、議事録を確実に保持する事ができる。
そして本発明では、前記課題の少なくともいずれかを解決する為に、コンピュータに、ネットワークを介して接続された他の電子端末の表示装置に、第一情報を表示させるブロックを区画して生成させる表示ブロック生成ステップと、当該他の電子端末における表示装置内に区画したブロック内に表示している第一情報を変更する表示内容変更ステップを実行させるプログラムを提供する。
かかるプログラムをネットワークに接続されているコンピューターに導入する事により、当該導入されたコンピュータは情報表示装置として機能することができる。また、このプログラムの提供に際しては、記録ディスクや、可搬式のメモリに記録する他、ネットワークを利用したダウンロード形式によっても配布することができる。
以上、説明した情報表示装置、情報表示システムおよびプログラムは、情報通信を行う用途、特に重要な情報については視覚をもって確認することが望ましい場合に使用されるが、特に電子商取引において使用されることが望ましい。何故ならば、電子商取引においては、取引対象となる商品や役務の内容は様々であり、またその提供対価も様々であり、更にその提供期日(納品期日)も様々である事から、取引当事者にとって最適な取引内容を確定する為には交渉が必要不可欠であり、交渉に際しては、その取引内容を視覚でも確認しながら行う事が望ましい為である。そして、本発明にかかる情報表示装置では、交渉によって見積の内容など、取引内容に変更を行う場合には、表示内容変更手段により、迅速にタイムラグを生じさせること無く、所謂リアルタイムで変更内容を取引の相手方に提示できる事から、恰も実際にあって商取引を行っているかのような交渉を行う事ができる。
而して、特に商取引に特化した情報表示装置であれば、表示装置を具備する電子端末とネットワークを介して接続される情報表示装置であって、少なくとも、ネットワークを介して接続された、需要者側の電子端末との情報通信を行う通信手段と、当該ネットワークを介して接続された需要者側の電子端末に送信する見積情報を入力する入力手段とを具備し、更に、ネットワークを介して接続された需要者側の電子端末の表示装置内に、第一情報としての前記見積情報を表示する表示ブロックを生成させる表示ブロック生成手段と、当該需要者側の電子端末における表示装置内に区画した表示ブロック内に表示している見積情報を変更する表示内容変更手段を具備することを特徴とする情報表示装置とすることができる。
更に、上記情報表示装置を電子商取引の用途に使用する際には、提供者と需要者とにおける交渉を、チャットなどの第二情報か或いは電話などで直接行う事ができるように、当該情報表示装置は、交渉の開始時刻を予約する機能を具備する事ができる。例えば、当該情報表示装置が、取引交渉スケジュール情報を保持しておき、需要者側の電子端末から送信された予約情報を、当該取引交渉スケジュール情報に書き込んでいく事ができる。このような需要者側の電子端末から送信する予約情報は、電子メールの形式の他、インターネット上のWEBサイトに対して情報を送信することもできる。また、このような交渉可能な時間を、情報表示装置において明確にし、需要者に知らせる為に、当該情報表示装置は、交渉可能な時間情報を、ネットワークで接続された他の電子端末に提供する、運営スケジュール提供手段を具備する事ができる。かかる運営スケジュール提供手段は、HTML形式などで記述されたインターネット上のWebページに、商取引の交渉が行える時間帯を、タイムテーブル形式で表示し、当該時間帯を管理するように構成する事ができる。たとえば、当該提供者側の電子端末(即ち情報表示装置)における運営時間を明示し、当該運営時間内であって、既に他の需要者側の電子端末との交渉を行っている場合には、当該交渉が終わった後に連絡を要求する旨のメッセージ等を、アクセス情報等として保持する事ができる。かかるアクセス情報の保持は、当該WEBページにおけるアクセスログとしても取得する事ができる。
そして、当該情報表示装置が商取引に使用される場合には、上記のように提供者側の電子端末(即ち情報表示装置)および、需要者側の電子端末の表示装置に表示して、視覚的にも確認された見積情報は、それぞれの電子端末が保持するのみならず、更にインターネットに接続された外部のサーバとしての商取引管理装置でも保持する事により、見積内容の客観性を担保する事ができる。
即ち、提供者と需要者とで取り交わされる商取引に関し、取引対象を実際に提供する事を約した事実を第三者が管理する事で商取引の安全を確保するものである。
かかる商取引管理装置は、ネットワークを介して、取引対象の提供者側端末と需要者側端末とが接続される商取引管理装置であって、提供者側端末からの要求に応じて、需要者側端末に送信する、取引対象とその取引量を含む取引情報に付する取引番号を付与して当該取引番号を提供者側端末に送信する取引番号付与手段と、提供者側端末から送信される取引対象とその取引量を含む取引情報と、需要者側端末から送信される取引対象とその取引量を含む取引情報との同一性を比較する、取引情報比較手段と、当該取引情報比較手段における比較結果で、両者が同一であるとの比較結果が得られた場合に、双方の取引情報を保存する取引情報保存手段とを具備する様に構成する事ができる。
上記取引番号付与手段は、複数の提供者側端末と複数の需要者側端末間で取引される複数の商取引毎に一意に付される符号(記号および番号を含む)であり、複数の商取引から当該商取引を特定する為のものである。
かかる取引番号は、取引情報毎に付与されることになり、当該取引情報は、少なくとも取引対象とその取引量を特定する為の情報を含む情報として位置づけられる。この商取引管理装置が管理する商取引の対象(取引対象)は、商品の譲渡(有償か無償かを問わない)を行う取引形態のみならず、商品の貸与(有償か無償かを問わない)や、役務の提供などを行う取引形態を含む。
また、これらの取引対象についての取引量は、各商取引の態様毎に規定する事ができ、例えば、商品の譲渡を行う取引形態においては、前記取引量は取引対象物の譲渡数量を示す情報であり、商品の貸与を行う取引形態においては、前記取引量は取引対象物である貸出物の貸与数量を示す情報であり、そして役務の提供などを行う取引形態においては、前記取引量は提供者における取引対象の提供時間であったり、当該役務を提供する為の物の数量を示す情報とする事ができる。特に、役務の提供を行う業務形態の例を示せば、医業や美容などにおける提供者(医師や美容師)の提供可能時間を取引量としたり、美容院における椅子席の数量を取引量することができる。
特に、上記取引情報が、商取引の見積情報である場合には、前記する取引番号付与手段は、提供者側端末から需要者側端末に送信する見積情報に付する見積番号を付与して当該取引番号を提供者側端末に送信するものとなり、取引情報比較手段は提供者側端末から送信される見積情報と、需要者側端末から送信される見積情報との同一性を比較するものとなり、取引情報保存手段は、両者が同一である場合に双方の見積情報を保存するものとなる。かかる見積情報は、例えば取引対象を特定する情報の他、その取引量、価格、納期などを特定する情報を含むことができる。
以上のように構成された商取引管理装置によれば、第三者として位置づけられる商取引管理装置が、当事者間で確定した取引情報(例えば見積情報)を保持する事で、当該取引情報に基づく商取引の実行時において何らかの問題が生じた場合に、提供者または需要者の何れかに問題があるのかを迅速に知る事ができる。更に、取引の当事者においては、当該商取引の内容が、第三者としての商取引管理装置に保存されている事を念頭において見積などの取引情報の交換がなされる事から、より信頼性の高い商取引を実現する事ができる。
また、上記情報表示装置は、商取引の交渉において見積内容を確定させるに際して、自己が保有する在庫量を当該見積内容に引き当てる取引量引当手段を具備し、実際の取引量を予め確保することにより、取引の安全性を確保する事もできる。
かかる取引量引当手段は、電子商取引において先に取引内容が確定した場合に、その取引数量分を確保し、後の商取引に転用できなくするものであり、これにより需要者側では確実に取引対象を取引量分だけ確保する事ができる。かかる取引量引当手段は、例えば提供者が保有する当該取引対象に対する全ての残存量から、取引が確定した取引量分を減じる他、提供者が保有する当該取引対象に対する全ての残存量の内、取引が確定した分の残存量に対してフラグなどの符号を付して、確定した商取引に関連付ける事が考えられる。
かかる商取引管理装置によれば、一旦確定した商取引に対して、取引対象が確実に確保されることから、需要者における商取引上の不安を解消する事ができる。
但し、かかる商取引管理装置では、取引量引当手段で確定した取引情報に対して取引対象を取引量分引き当てた後においても、両者の同意があれば確定した取引情報(例えば見積内容)を破棄することも可能なように構成する事ができる。その際、他者がなりすましで確定した取引情報を破棄してしまうことがないように、需要者側の「破棄する」という同意についても、 需要者における暗号キーか電子署名などの付与を必要とする事が望ましい。
そして上記商取引管理装置では、提供者側端末に対して、需要者側端末に送信する取引情報の管理番号を付与する取引番号付与手段と、前記提供者側端末から送信される取引情報と、前記需要者側端末から送信される取引情報とにおける取引内容の同一性を判断する取引情報比較手段を具備する事が望ましい。
即ち、商取引管理装置において、取引当事者および商取引管理装置が取引情報を管理する為の取引番号を付与する事とし、この取引番号をインデックスとして取引当事者で取り交わされる取引情報を管理し、かつ取引内容に間違いかないか否かをチェックするものである。第三者として位置づけられる商取引管理装置でも取引内容を管理する事により、取引当事者は安心して商取引を行う事ができる。
更に、上記した情報表示装置および商取引管理装置を使用して、実際に会って交渉しているのと同じような内容で、安心且つ確実に電子商取引を行う事のできる電子商取引システムを提供する。
即ち、電子商取引により商取引を行う電子商取引システムであり、電子商取引により取引対象を提供する為の情報を送受信する提供者側端末と、電子商取引により取引対象を購入する為の情報を送受信する需要者側端末と、当該提供者側端末と需要者側端末とで送受信された取引情報を管理する商取引管理装置とからなり、当該提供者側端末として上記本発明にかかる情報表示装置が使用され、当該商取引管理装置として上記商取引管理装置が使用されている、電子商取引システムである。
かかる商取引管理システムにおいて、前記提供者側端末は需要者側端末に対して、第一の暗号キーを付した取引情報を提示する取引情報提示手段を具備し、前記需要者側端末は、需要者側端末から送信された取引情報を受信すると共に復号し、第二の暗号キーおよび電子署名の少なくとも何れかを付して前記商取引管理装置に送信する取引情報確認手段を具備する事が望ましい。
かかる実施の態様における取引情報としては、商取引の実行に先立って取り交わされる取引情報、例えば一般的な見積書に記載されるような情報(取引対象、取引数量、取引価格、取引期限などの情報)であることが考えられ、提供者側端末から送信された見積情報を需要者側端末で確認し、その記載情報を承認乃至は確認した後に、これに第二の暗号キーおよび電子署名の少なくとも何れかを付して前記商取引管理装置に送信するものである。その結果、商取引管理装置では、需要者側において承認乃至は確認した取引内容を知る事ができ、これにより当事者間において確定した取引内容を知る事ができる。
上記情報表示装置を、電子商取引における提供者側端末として使用した場合、当該情報表示装置は、ネットワーク上に出店される仮想店舗を提供する事もできる。かかる仮想店舗は、二次元のイメージデータなどで表現された「2次元Web店舗」、またはポリゴンなどの三次元データで表現された「3次元Web店舗」として提供する事ができる。需要者側端末において、2次元Web店舗は、広く普及している通常のWebブラウザで閲覧する事ができ、3次元Web店舗はポリゴンなどで表現されたメタバース(電子三次元空間)を閲覧可能なブラウザ(以下、「3Dブラウザ」とする)が使用される。この3Dブラウザは、ポリゴンなどで表現された3次元世界のデータをネットワークから読み込んでウォークスルー表示を実現するほか、コミュニケーションの機能を提供するものとすることができる。
また、この場合において、情報表示装置は2次元Web店舗や3次元Web店舗のメンテンスを行うことができる。このメンテナンスにおいて、2次元Web店舗のみに関するメンテナンスとして、2次元Web店舗のデザインカスタマイズ,ページカスタマイズ、文言の追加などがあり、これらはWebブラウザ(2Dブラウザ)から行うことができる。また、3次元Web店舗のみに関わるメンテナンスとしては、メタバースにおける地形のカスタマイズ,建物・家具・什器のレイアウト、商品陳列などがあり、これらは3次元データを表示できるブラウザから行う事ができる。そして2次元Web店舗や3次元Web店舗の双方に関わるメンテナンスとしては、例えば店舗情報の設定(店舗名、説明文、店舗カテゴリなど)、店員登録などがあり、これらは 広く普及している通常のWebブラウザから行うことができる。
更に、上記の場合における情報表示装置は、仮想店舗を運営する上で、商品管理業務として、商品登録処理、画像登録処理を、販売・受発注管理業務として、受発注履歴管理、実績集計・出力処理を、顧客管理業務として、顧客登録処理、検索処理、編集処理を、顧客応対業務として、リアルタイムでの見積提示処理、履歴管理処理、問い合わせ対応処理を、予約管理業務として、予約検索処理、登録処理、編集処理を提供するものとして構成する事ができる。
更に、情報表示装置を、電子商取引における提供者側端末として使用する場合、需要者側端末に表示する見積書には、情報表示装置が保持する商品画像を読み込んで表示するように構成する事もできる。即ち、多くの場合、情報表示装置内には、商品説明のWebページで使うための画像データが保存されていることから、そこからコピーして見積書用のデータ領域に保持する事ができる。
なお、上記電子商取引システムにおける商取引管理装置は、例えばコンピュータに以下のブログラムを導入する事により実施する事ができる。
即ち、ネットワークを介して、提供者側端末と需要者側端末とが接続されるコンピュータに、提供者側端末からの要求に応じて、取引対象とその取引量を含む取引情報を需要者側端末に送信する際に付する取引番号を付与して当該取引番号を提供者側端末に送信する取引番号付与ステップと、提供者側端末から送信される取引対象とその取引量を含む取引情報と、需要者側端末から送信される取引対象とその取引量を含む取引情報との同一性を比較する、取引情報比較ステップと、当該取引情報比較手段における比較結果で、両者が同一であるとの比較結果が得られた場合に、双方の取引情報を保存する取引情報保存ステップとを実行させるプログラムである。
上記本発明によれば、コンピュータ同士間で行われる情報通信に際して、何れか一方のコンピュータ等の電子端末からの操作により、相手側の電子端末の表示装置上に表示ブロックを表示させることができ、これにより当該ブロックに表示された情報に基づいて、円滑な意思疎通や交渉などを行う事ができる。
特に、当該表示ブロックに表示する情報が見積もり情報など、電子商取引において使用される情報である場合には、当該情報を確認しながら交渉を進める事ができ、かつ交渉における見積情報の変更を直ぐに反映させて需要者側端末などに表示できる事から、実際に店舗などに出向いて直接交渉を行っているのと同様に商取引を行う事ができる。
更に、商取引管理装置をサーバとして使用し、提供者側の電子端末(情報表示装置)と、需要者側の電子端末とで確定した見積内容を当該サーバに保持する事により、確定した見積内容の真性を容易に確認する事が可能になる。
而して本発明にかかる情報表示装置によれば、商取引において重要であり、かつ視覚においても確認する事の望ましい情報だけを、リアルタイムで両者(取引当事者)に表示すると共に、当事者間の交渉に応じて随時変更し、変更した内容を視覚で確認しながら商取引を進める事のできる情報表示装置、情報表示システムおよびプログラムを提供する事ができる。
また、コンピュータネットワークを利用した電子会議において使用する場合には、会議の進行中において生じる事項を、随時、リアルタイムで参加者全員に提示する事ができ、且つ提示した事項について必要な変更や付加情報を表示すると共に、この変更後の内容をリアルタイムで表示して、視覚において参加者全員の理解を確認する事のできる情報表示装置、情報表示システムおよびプログラムを提供する事ができる。
更に、電子商取引における重要事項や、会議において随時蓄積した取り決め事項など、重要事項を保存しておく事のできる情報表示装置、情報表示システムおよびプログラムを提供する事ができる。
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。図1は本実施の形態にかかる商取引管理システムの全体構成を示しており、図2はコンピュータのハードウエア構成を示すブロック図である。図3は当該商取引管理システムにおける処理の流れを示すデータフロー図であり、図4は当該商取引管理システムにおける全体の処理の概要を示すフローチャートであり、図5は見積作成処理の流れを示すフローチャート、図6は決済処理の流れを示すフローチャート、図7は各データの構成例を示す略図である。
先ず図1を参照しながら本実施の形態にかかる商取引管理システムを説明する。この例における商取引管理システムは、インターネットなどのネットワークを介して、相互に双方向に情報の送受信を行うように接続された中央サーバ10、与信サーバ20、需要者側端末30、提供者側端末A(40A)、および提供者側端末B(40B)とで構成されている。このうち、中央サーバ10としては、前記商取引管理装置が使用されており、提供者側端末A(40A)、および提供者側端末B(40B)としては、情報表示装置が使用されている。またこの図1において、当然のことながら実際のシステムにおいては、需要者側端末30および提供者側端末A(40A)、Bは複数存在することになり、本図ではこれを簡略化して示しているに過ぎない。
これらの構成要素は、何れもコンピュータを用いて構成されており、例えば図2に示すようなハードウエア構成とする事ができる。
具体的には、中央サーバ10、与信サーバ20、需要者側端末30、提供者側端末A(40A)、および提供者側端末B(40B)を構成するコンピュータ800は、図2に示すように、CPU801、メモリ802、音声出力装置803、ネットワークインタフェース804、ディスプレイコントローラ805、表示装置806、入力機器インタフェース807、キーボード808、マウス809、外部記憶装置810、記録媒体駆動装置811、記録媒体インタフェース812、およびこれらの構成要素を互いに接続するバス813を含んで構成することができる。
CPU801は、オペレーティングシステム(以下、「OS」)の制御下で各プログラムを実行すると共に、コンピュータ800の各構成要素の動作を制御し、後述する中央サーバ10、与信サーバ20、需要者側端末30、提供者側端末A(40A)、および提供者側端末B(40B)の各機能を発揮させる。
メモリ802は通常、不揮発性メモリであるROM(Read Only Memory)、および揮発性メモリであるRAM(Random Access Memory)から構成される。ROMには、本実施の形態にかかる商取引管理システムにおける、後述の各機能を発揮する際に実行されるプログラムが格納され、RAMには、各コンピュータにおける機能乃至は処理がCPU801で実行される際に、それを実現するためのプログラムや、それらのプログラムが実行中に使用するデータが格納される。
外部記憶装置810は、たとえば、ハードディスクドライブ(HDD)のような記憶装置であり、この装置内には後述の処理を実行するプログラムやデータが記録され、実行時に、必要に応じてそこからメモリ802のRAMにロードされる。各種の処理を行う為のプログラムや各種のデータなどが格納される記憶手段が、この外部記憶装置810に相当する。
記録媒体駆動装置811は、CD(Compact Disc)、MO(Magneto−Optical Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)などの可搬可能なディスクタイプの記録媒体830の記録面にアクセスして、そこに記録されているデータを読み取る装置である。この記録媒体830には、後述する各種のプログラムやデータを記録することも可能である。
音声出力装置803は、スピーカ等のように音声を出力する機器であり、ネットワークインタフェース804は、インターネットやイーサーネット(登録商標)などの各種のネットワーク820に接続するためのインタフェースである。
ディスプレイコントローラ805は、CPU801が発する描画命令を実際に処理するための専用コントローラであり、ディスプレイコントローラ805で処理された描画データは、一旦グラフィックメモリに書き込まれ、その後、表示装置としてのLCDやCRTで構成されるディスプレイ806に出力される。
入力機器インタフェース807は、キーボード808やマウス809から入力された信号を受信して、その信号パターンに応じた所定の指令をCPU801に送信するものであり、キーボード808やマウス809は、CPUに対して所定の指令を与える為に必要となる。
また、本発明に係る商取引管理システムを実現する(又は構築する)ためのプログラムは、他の流通形態として、ネットワーク上の所定のサーバから、ネットワーク820およびネットワークインタフェース804を介して外部記憶装置810に格納し、あるいは直接実行することも考えられる。このようなルートで格納されたプログラムは、上記と同様に、実行時にメモリ802のRAMにロードされ、実行される。
記録媒体インタフェース812は、USBメモリ、SDメモリ、メモリスティックといった、半導体メモリ(たとえば、フラッシュメモリ)を備える可搬型メモリタイプの記録媒体840と接続端子等で接続し、そこに記録されているデータを読み取る装置である。記録媒体840には、ディスクタイプの記録媒体830と同様に、本発明に係る商取引管理システムを実現するためのプログラムを記録することが可能である。
以上の構成を備えるコンピュータにおいて、特に需要者側端末30、提供者側端末A(40A)、および提供者側端末B(40B)に関しては、例えば一般にパーソナルコンピュータとして市販されているコンピュータ装置と、接続可能な周辺機器を用いて構成することが可能である。
次に、上記のようなハードウエア構成からなる、中央サーバ10、与信サーバ20、需要者側端末30、提供者側端末A(40A)、および提供者側端末B(40B)の各機能および保持するデータなどについて、図1を参照しながら説明する。
特に本実施の形態では、取引対象が商品であり、商品の譲渡の態様における商取引を支援する電子商取引システムの例を示している。そして、このような商取引において取引情報として商品の譲渡を実施する際の見積を取得し、この見積に基づいて発注処理を行う例を示している。
図1に示した構成において、中央サーバ10は、商取引管理装置として機能し、即ち情報表示装置としての提供者側端末A(40A)又は提供者側端末B(40B)と、当該情報表示装置と情報通信を行う他の電子端末としての需要者側端末30との間で取り交わされた電子商取引の内容、特に見積もり情報の内容を確認または承認する装置として機能する。また、当該中央サーバ10は、このネットワークシステムを利用して電子商取引を行う際に、このシステムを利用できるユーザーか否かを管理する機能、ユーザー間(即ち、提供者と需要者間)で商取引の交渉を行い、見積書などの取引情報を確定する際の取引IDを発行する機能、および確定した取引情報を保存する機能を有する。
このような機能を有する中央サーバ10は、ユーザーか否かを管理する為に、ユーザー情報(「ユーザデータ」と同義)を保持する。そして当該ユーザー情報を管理する為に、図7(B)に示すように、少なくともユーザーコードを主キーとし、更に付随する情報、例えば企業コード、ユーザー名称、メールアドレス、アカウントIDおよびパスワード等の項目を記録したテーブル、ファイル或いはデータベースを、記憶手段(外部記憶装置810など)に保持する。かかるユーザー情報は提供者として参加する場合と、購入者として参加する場合とで、保持する情報を異ならせる事もできる。
また、この中央サーバ10は提供者側端末40と受領者側端末との間で取り交わされた見積などの取引情報(「取引データ」と同義)を受注・発注処理、および決済が行われるまで保持するデータ保持手段を具備する。かかるデータ保持手段は、例えば当該中央サーバを構成するコンピュータの記憶手段に、図7(A)に示すような項目についての情報を記録したテーブル、ファイル或いはデータベースを設けることができる。特にこの図7(A)に示す例では、伝票コードを主キーとして、取引当事者である店舗コードと顧客コード、および取引内容を特定する商品名、商品コード、単価、数量の情報を保持し、更に実際の受注・発注処理等で利用することのできる送付先コードなどを記録する事ができ、また企業コードなどを記録する事ができる。ここで、店舗コードおよび顧客コードは、前記ユーザーデータにおけるユーザーコードに対応し、伝票コードは後述する処理における見積書番号に対応するコードとする事ができる。また、この取引データの作成に際しては、取引内容を示す情報(例えば商品名、商品コード、単価、数量などの情報)を、取引明細データとして分けて別に形成する事もできる。
そして当該中央サーバ10は、確定した取引情報を保存する為のテーブル、ファイル或いはデータベースを、その構成要素である記憶手段に保持する。具体的には、例えば図7(E)の購入履歴データに示すように、購入履歴コードを主キーとして、更にこれに付随する取引情報、例えば企業コード、購入日、伝票コード、店舗コード、ユーザーコード、合計金額、請求金額などを記録する事ができる。特に、取引内容については、伝票コードに基づいて、取引データを参照する事により、容易に確認する事ができる。
そして、この中央サーバ10には、提供者側端末40からの要求に応じて、需要者側端末30に送付する取引情報(例えば見積情報)に付する為の取引番号(見積番号など)を付与し、かつ提供者側端末40および需要者側端末30の双方から送信される取引情報との同一性を比較し、比較した結果、両者が同一であるとの結論が得られた場合に、双方の取引情報を保存する処理を実行するプログラムが導入される。
また与信サーバ20は、提供者側端末40および需要者側端末30の少なくとも何れかから送信された、需要者に対する与信判断の要求に応じて与信を判断するものであり、この与信の判断結果は、需要者側端末30を経由するか、或いは直接、提供者側端末40に送信されることになる。かかる与信サーバ20としては、クレジット会社、信用保証会社、或いは銀行などにおいて運用されている与信判断の為の装置を使用することができる。
そして提供者側端末A(40A)及び提供者側端末B(40B)(これらを単に「提供者側端末40」ともいう)と、需要者側端末30とは、インターネットなどのネットワークに接続可能な構成を具備し、提供者側端末40と需要者側端末30とがネットワークを介して相互に商取引の為の情報のやり取りを行うことができるように構成されている。
この提供者側端末40は、提供者側で独自に運用・管理されており、少なくとも需要者側の電子端末の表示装置内に、見積情報としての第一情報を表示する表示ブロックを生成させる表示ブロック生成手段と、需要者側の電子端末における表示装置内に区画した表示ブロック内に表示している見積情報(即ち、第一情報)を変更する表示内容変更手段を具備する。このような、表示ブロック生成手段および表示内容変更手段は、電子商取引におけるはじめの段階で機能するものであり、具体的には商取引の内容についての交渉を行う段階で使用される。
表示ブロック生成手段は、提供者側端末40において見積書の作成が開始されることにより、当該提供者端末と商談を行っている需要者側端末30の表示装置に、新たに見積書を表示する為のウィンドウ(即ち「表示ブロック」)を表示させる。この見積書における商取引の内容を特定する情報(第一情報)は、需要者側端末30の表示装置に表示されたウィンドウ内に帳票形式で表示されており、電話、ファックス、チャット或いは電子メールといった各種のコミュニケーション手段を介して、提供者と需要者との間で交渉が行われ、その結果を提供者側端末40において入力乃至は変更する事により、その入力結果又は変更結果が、即座に(リアルタイムに)、需要者側端末30の表示装置に区画して表示されたウィンドウ内の見積内容に反映して表示される。
よって、当該提供者側端末40(即ち、「情報表示装置」)は、見積情報を入力するための手段を具備すると共に、見積情報が入力された場合に、これを需要者側端末30に対して別ウィンドウで表示させる為の描画指令を発し、更に見積情報が変更された場合に、需要者側端末30に対して見積情報を再読み込み(リロード)せよとの指令を発するように記述されたプログラムが実行されることになる。
これにより、需要者側においては、当該見積書の内容を確認しながら商談を進める事ができ、且つ変更が行われた場合には、即座にその変更内容を確認できる事から、恰も直接会って交渉しているかのように、商談を進める事ができる。
更に当該提供者側端末40は、望ましくは、それぞれが自己の提供できる取引対象と、各取引対象についての保有量(即ち残存量)を保有するものとして構成される。かかる提供者側端末40は、図7(C)に示すような項目を具備する在庫データ、および図7(D)に示すような項目を具備する商品データを、テーブル、ファイル或いはデータベース形式で記憶手段に保持することにより実現できる。在庫データとしては、商品コードを主キーとし、更に当該商品コード(が付された商品)の残存量を保持する事ができ、必要に応じて企業コードの情報も保持する事ができる。また商品データとしては、商品コードを主キーとし、その商品名、価格、商品詳細情報等の他、実際の商取引における交渉での使用に適した情報、例えば最低価格や消費税額などの情報を記述する事ができ、更に、企業コードなどの付随する情報を記述する事もできる。
そして、この提供者側端末40には、現在取引可能な取引対象とその取引量を管理し、かつ需要者との取引を確定する為の見積書などの取引情報に付する取引番号の付与を、前記中央サーバ10に要求してこれを受領し、取引量分だけ取引対象を引き当ててから当該取引番号を付した取引情報を提供者側端末40および商取引管理装置に送信する処理を実行するプログラムが導入される。
提供者側端末B(40B)は、提供者側端末40側において残存量(在庫量)を管理する為の構成乃至は装置を具備しており、提供者側端末Aでは、このような残存量(在庫量)を管理する為の構成乃至は装置を備えず、当該残存量(在庫量)の管理を中央サーバ10に依存する事もできる。このように何れかの提供者側端末40における残存量(在庫量)の管理を中央サーバ10で行う場合には、少なくとも前記在庫データを中央サーバ10の記憶手段に設ける必要がある。この場合、在庫データが参照する商品コードを記述する商品データも、当該中央サーバ10に設けることが望ましい。また、当該提供者側端末40においても、過去の購入履歴などを保持する事もできる。この場合、当該需要者側端末30を構成するコンピュータ800は、その記憶手段に、前記図7(E)に示したような購入履歴データを保持する事もできる。但し、情報の漏洩などのリスクを考慮すれば、前記の様に購入履歴データは中央サーバ10で管理する事が望ましい。
そして、需要者側端末30は、少なくともインターネットなどのネットワークに接続可能であり、情報を取得乃至は閲覧可能なプログラム(例えばWebブラウザなどのプログラム)を具備する必要があり、更に過去の購入履歴などを保持する事もできる。この場合、当該需要者側端末30を構成するコンピュータは、その記憶手段に、前記図7(E)に示したような購入履歴データを保持する事もできる。但し、この場合でも、情報の漏洩などのリスクを考慮すれば、前記の様に購入履歴データは中央サーバ10で管理する事が望ましい。
以上のように構成された中央サーバ10、与信サーバ20、需要者側端末30、提供者側端末40は、相互に連携して、商品の譲渡に際しての見積の発行、当該見積の照合、および保存を行う。この処理の流れを図3および図4に基づいて説明する。
図4は、この一連の処理の流れを示しており、最初に商品の提供者である提供者側端末40と、需要者である需要者側端末30とは中央サーバ10においてユーザIDとパスワードの照合により、当該システムを利用するユーザーである事の認証をを取得する(図示せず)。この認証の取得により、需要者は需要者側端末30を使用して、複数存在する各提供者が運用する提供者側端末40にネットワークを介したアクセスが可能になり、アクセスした提供者側端末40との間で商取引(この場合は商品の譲渡)に際しての交渉を行うことができる。この交渉はチャットや電子メールなど各端末を介して行う他、電話やファクシミリなど、当該端末を介することなく行っても良い。但し、電話や音声チャットなどにより商取引を行う場合であっても、その内容を音声だけでなく視覚でも確認できるように、少なくとも需要者側端末30には、取引情報である見積情報を表示させておく事が望ましい。このように音声のみならず視覚で確認可能な画像を需要者側端末30に表示させる事により、商取引における錯誤などの勘違いを無くす事ができる。
上記本実施の形態にかかる商取引管理システムを用いた実際の交渉において、需要者と提供者とは、必要な商品やその商品の必要量、および納品期日や価格などを交渉することができる。この交渉において提供者は、提供者側端末40が保有する在庫データを参照して、納期や納品可能な数量を提示する事ができ、また販売価格についても商品データが保有する最低価格の情報を参照して特定する事ができる。更に、商品の提供者と需要者においては、中央サーバ10が保有する履歴データを参照して、過去の販売実績や購入実績から、今回の譲渡対価や数量の妥当性を判断する事も可能である。
このような交渉においては、前記したように提供者側端末40が、見積情報(第一情報)を需要者側端末30の表示装置に表示する表示ブロック生成手段と、見積情報(即ち、第一情報)の変更等を反映して即座に表示ブロックに表示する表示内容変更手段を具備することにより、需要者側に見積書を提示するができ、これにより取引当事者は交渉内容を視覚においても具体的に把握する事が可能になる。そこで、提供者側端末40では、この電子商取引において、このような取引情報としての見積を作成する処理を開始する。この見積書作成処理の開始に際して、提供者側端末40は、最初に中央サーバ10に対して見積書番号の発行を請求し、これを受領する。かかる見積書番号は、提供者側端末40、需要者側端末30、および中央サーバ10において当該取引内容を確認する場合の共通のインデックスとして利用することができる。また、見積書番号の発行の請求や受領は、電子メール形式で送受信する他、Webブラウザを介して行う事もできる。
この見積書の作成、確認、確定および保存の処理を、具体的に図3および4を参照しながら説明する。
先ず、図3のデータフロー図に示すように、最初に提供者側端末40は見積書の作成に先立ち、中央サーバ10に対して見積書番号の発行要求する。中央サーバ10では、この要求に応じて、提供者側端末40に見積書番号を発行する。ここで発行する見積書番号は一意の値であり、この値は中央サーバ10におけるプログラムの処理により、オペレータの処理を介する事無く発行する事ができる。提供者側端末40では、この見積書番号を付した見積書(電子データ形式の見積書)を後述する手順で作成し、更に提供者側端末40が保有する第一の秘密鍵で署名した見積書を需要者側端末30に送信する。需要者側端末30では、第一の秘密鍵で暗号化された見積書を、第一の公開鍵で復号し、見積書の内容を確認する。なお、この需要者側端末30に送信された見積情報には、当然のことながら中央サーバ10で付与された見積番号が記載されている。需要者側端末30では、この見積の内容を確認した上で、承認できる場合には、承諾する旨の情報を提供者側端末40に送信する。なお、この見積内容に承諾する旨の確認は、各電子端末間の情報通信に限らず、電話やファクシミリなどで行う事ができる。また、見積の内容に承認できない場合には、その旨を提供者側に通知し、再度見積書の作成および発行を要求する事になる。再発行される見積書には、先に中央サーバ10から付与された見積書番号を使用しても良く、また別途新たに見積書番号を要求しても良い。
提供者側端末40では、需要者の承諾が得られた後に、先に提供者側端末40に提供した見積情報と同一内容の見積書に、同じく第一の秘密鍵で署名して中央サーバ10に送信する。一方、需要者側端末30においても、先に提供者側端末40から送信された見積書を第一の公開鍵で復号し、その内容を確認した上で、次に需要者側端末30が保有する第二の秘密鍵で再度署名し、これを中央サーバ10に送信する。
中央サーバ10では、提供者側端末40から送信された電子データ形式の見積書を第一の公開鍵で復号すると共に、需要者側端末30から送信された見積書を第二の公開鍵で復号し、双方の見積書の内容の同一性をチェックする。そして同一性が確認されれば、中央サーバ10は提供者側端末40に対して見積書の確定の準備が整った旨を通知する。この通知には、見積書番号と見積書確定準備が完了したことを示す情報を保有する電子メールなどを送信したり、提供者側端末40から中央サーバ10に送信した見積書のファイルまたはインデックス(乃至はタイトル)に、見積内容の確定準備が完了したことを示す識別子を表示させる事により行う事ができる。
提供者側端末40では、中央サーバ10から見積書確定の準備が完了したとの情報の受領を受けて、その旨を需要者側端末30に通知する。この通知には、当然のことながら電子メールやチャットなど端末間通信を利用した方法を使用する他、電話やファクシミリであっても良い。そして需要者側端末30では、提供者からの見積書の確定の情報を受領した段階で、先に提供者側端末40から送信された見積書を保存する。
なお、上記の処理において、秘密鍵と公開鍵とは、第一秘密鍵と第一公開鍵、および第二秘密鍵と第二公開鍵とが、相互に一意に符合して送信する情報の暗号化および複合化を行う情報であり、暗号化に使う鍵と復号に使う鍵が分離され、暗号化に使った鍵で復号を行なうことはできず、片方からもう一方を割り出すことも容易にはできないように構成さている情報である。また、暗号化に際して公表されている公開鍵を使用し、その復号に秘密鍵を使用するように構成する事もできる。この場合、鍵の持ち主は復号に使う鍵のみを他人に知られないように管理し、暗号化に使う鍵を公開することもできる。
以上のような処理により、提供者側端末40が発行した見積書には、提供者における第一秘密鍵の署名があるため、間違いなく提供者が発行した事を確認でき、また需要者が見積書の内容を確認し、同意した事を需要者における第二秘密鍵の署名によって確認する事ができる。そして提供者と需要者との間で確定した見積書(即ち、見積内容)は、提供者と需要者のみならず、中央サーバ10でも保存されることから、確定した商取引内容の信憑性が担保されるとともに、見積書番号を指定することで、どこからでも参照する事が可能になる。
次に、以上のようにして見積書を作成し、内容を確定する処理における提供者側端末40における処理の流れ、特に見積書の作成手順は図8および9のフローチャートを参照し、在庫の引当の処理を図5のフローチャートを参照しながら説明する。
先ず、商取引における譲渡の交渉等を開始するに先立ち、前述のようにユーザー情報の照合を、例えばインターネット経由で中央サーバ10において行い、ログイン後において提供者側端末40にアクセスしてきた需要者との間で、リアルタイムで表示・変更される見積書を参照しながら、商取引に関する交渉を行う。このログイン後における提供者側端末40と需要者側端末30との通信は、ピアツーピア(Peer to Peer)方式で行う事ができ、これによりHTTPというプロトコルを使用しないで、より確実にリアルタイムなやりとりを行うことができる。そしてこの交渉における見積書の作成に際しては、例えば図8および9のフローチャートに示す手順で行う事ができる。
即ち、最初に需要者側において商取引を行う為に、インターネット上に公表されている提供者側端末40にアクセスし、商取引の交渉を開始する。具体的には需要者側端末30から提供者側端末40を特定し、当該提供者側端末40に対してチャットの開始を要求すると、提供者側端末40においてはチャット通信の為のウィンドウが開く。このチャットにおいて、送信及び返信を行いながらチャットの接続を維持して相互に商談を進め、商談の内容が具体的になってきた時点で、需要者側端末30から、提供者側端末40に対して見積作成を依頼する。提供者側端末40では、この見積の作成依頼を指示する情報を受領して見積書の作成を開始する。なお、この見積書の作成に際しては、前述したように中央サーバ10から、一意の見積書番号を取得し、この見積書番号を付した見積書を作成する。
見積書の作成に際しては、当該提供者側端末40において、これを構成する外部記憶装置810に設けられた帳票データベースから、作成する見積に合った帳票を選択すると共に、これをメモリ802に読み込み、そして見積対象となる商品や役務、価格、納期等といった見積情報を入力し、見積書作成作業を完了する。作成した見積書は、当該提供者側端末40の外部記憶装置810に見積ファイルとして保存すると同時に、入力手段からの操作により、見積書送付を指示する見積書送付コマンドを実行する事により、需要者側端末30の表示装置内に別ウィンドウを生成させて表示する。但し、この作成した見積の保存にし際しては、図8に示すように、提供者側端末40に保存する他、この作成した見積情報を中央サーバ10に送信し、当該中央サーバ10を信用して見積の保存場所とすることもできる。そして中央サーバ10に保存された見積は、提供者や需要者が、当該中央サーバ10側から提供されるポータルサイト上の「マイページ」のようなページから、見積履歴として参照することもできる。
提供者側端末40において見積を作成する場合には、例えば図10に示すような見積書作成画面41を提供者側端末40の表示装置806に表示させ、商品コードや商品名などで取引対象となる商品を検索・特定すると共に、その譲渡数量や単価を入力することにより、見積書50を作成する。作成された見積書50は、需要者側端末30の表示装置806内に、例えば図11に示すように、見積書50として別ウィンドウで表示されることになる。この見積書50の中には、当然のことながら、取引対象となる商品の名称、価格、数量などの他、提供者の名称や、作成している見積書の状態、発行日、有効期限などが表示される。なお、この図10および11において、見積書作成画面41や見積書50とは別に、取引当事者間でコミュニケーションを行う為のチャット欄51が設けられている。
そして、この作成した、即ち需要者側端末30に表示した見積書50を叩き台にして、チャット、電子メール、電話、ファックスなどのコミュニケーション手段を使用した取引交渉を行い、提供者が需要者側から見積修正依頼の連絡を受けた場合に、見積の修正を開始する。
この見積の修正を行う場合の処理フローを、図9を参照しながら説明する。先ず需要者側から見積修正の依頼を受けて、需要者側端末30では図10に示すような見積書作成画面41から、見積内容の修正を行う。そしてその内容(即ち見積書50)を需要者側端末30の表示装置806に表示させ、見積内容について需要者の同意が得られた時点で、見積作成作業を完了させ、その結果を前述の見積ファイルに保存する。この見積ファイルへの保存に際しては、完成した見積情報を保存する他、更に変更の経緯又は履歴も保存する事ができる。この変更の履歴は、前記したように、中央サーバ10の記憶手段に保存しておく他、提供者側端末40および需要者端末のそれぞれのノード(NODE)に保存することもできる。その際、変更履歴の信頼性を高める為には、前記のように、お互い相手の秘密鍵で暗号化することで証明を行う事ができる。
そして、以上のようにして見積書を作成した後、作成した見積を需要者側端末30に送信する操作を行い、これを需要者側端末30の表示装置に表示させる。この見積送信操作は、例えば図11に示したような見積書作成画面中に設けられた「現在の見積を顧客へ送信する」等のボタンを選択することにより、見積送信コマンドを実行するように構成する事ができる。
需要者側においては、電子端末の表示装置に表示された見積内容に承諾する場合には、見積の確定の連絡を、提供者側端末40に送信する。これを受けて、提供者側端末40では、見積書を確定させる為に前述の処理を行い、確定した見積書を保存すると共に、中央サーバ10に送信する。中央サーバ10では確定した見積書を受信すると、これを確定見積ファイルに保存し、そして提供者側端末40および需要者側端末30の表示装置中に、同じ内容の確定した見積書を表示させる。
更に、この見積書作成処理において、提供者側端末40では、取引対象である商品の取引量(譲渡数量)を在庫として保有するか否かを確認する為に、提供者側端末40で管理する在庫情報にアクセスし、取引対象となる商品の在庫が足りているか否かを判断することもできる。在庫数量が足りない場合には、再度見積書の作成開始段階或いは顧客との交渉段階に戻って処理をやり直すことになる。一方、在庫数量が足りている場合には、交渉における取引数量分の在庫を、当該取引に引き当てる引当処理を行う。仮に何らかの原因で引当処理が行われない場合には、先の在庫不足の場合と同じように、再度見積書の作成開始段階或いは顧客との交渉段階に戻って処理をやり直す。そして在庫の引当処理が成功した段階で、見積書を作成し、これを前記の手順により需要者側端末30に送信する。そして、需要者においてこの見積内容に同意する場合には、前記の中央サーバ10を介在させた処理により見積内容を確定し、取引者側端末および需要者側端末30において見積書を保存する。一方、需要者側から見積書の内容への同意が得られない場合には、作成した見積書を破棄すると共に、先に引き当てた在庫数量を開放する。
以上のような処理を実施する事により、見積書の作成に先立ち、取引数量に対応する在庫を引き当てる事から、需要者側においては、確実に取引対象たる商品を確保できる事が保障される。なお、提供者側における在庫管理は、現在提供可能な現に保有する在庫数量のみならず、近い将来入荷する取引対象商品の入荷数量を考慮したうえで、在庫を引き当てる事も可能である。この場合、納期などの詳細は電子データ形式の見積書中に記載する他、当事者間におけるチャットや電話などによる交渉で確認する事もできる。
このような処理により見積書を作成し、その内容を確定させて提供者側端末40、需要者側端末30および中央サーバ10の夫々が保有した後における、実際の発注処理の流れを図6のフローチャートを参照しながら説明する。
先ず、発注処理を開始するに際しても、最初に中央サーバ10を介したユーザー認証が行われる。ユーザー認証が完了しログインした後において、先に確定した見積書を閲覧し、内容を確認する。かかる見積書の呼び出しには、前記中央サーバ10において付与した見積書番号を使用することができる。そして見積書を閲覧し、見積書の有効期限を確認し、有効期限を過ぎている場合には、期限切れの表示を行うと共に見積書を破棄し、提供者側端末40において引き当てていた在庫を開放する。なお、この提供者側端末40における在庫の開放は、見積書の有効期限が切れた時点において、提供者側端末40における在庫管理プログラムにより、オペレータの処理を解する事無く開放する事もできる。
見積書の確認において、見積書の有効期限内であり、かつ発注処理を行う場合には、需要者側端末30における処理で、ディスプレイに表示された見積書内に設けられた購入のボタンを押下する。但し、発注処理の開始は、このようなユーザーインターフェースに限られるものではなく、提供者側端末40に対して、直接または中央サーバ10を介して、発注の意思を示す情報を送信するものであれば問題なく実施する事ができる。
需要者における、購入の意思表示により、提供者側端末40または中央サーバ10は、当該取引対象である商品の送付先の情報および決済の為の情報の入力を需要者側端末30に対して要求する。この入力された情報についての適正を提供者側端末40または中央サーバ10においてチェックし、不備があれば再度入力を要求する。一方、入力された送付先情報および決済情報が適正であれば、次に決済の為の与信処理を行う。かかる与信処理は、実際には需要者側端末30から送信された決済情報の全てまたは何れかの情報を、与信チェックサービスを提供する外部の与信サーバ20に送信し、その判断結果を受領することにより行う事ができる。そして外部の与信サーバ20から送信された与信の判断結果で、与信が付与されていない場合には、決済できない事を示す決済不能情報をテキスト等で表示し、需要者側端末30に対して決済情報の再入力を要求する。一方、外部の与信サーバ20から送信された判断結果において与信が付与されている場合には、発注処理を完了させて、見積書の作成段階で引き当てた在庫を減じて在庫管理を行う。
そして以上の処理により、発注処理および決済処理が完了した段階において、提供者側端末40では商品の発送を指示する情報を出力し、かつ決済した対価について売り上げ処理を行い、一連の商取引を完了させる。
このような流れで発注および決済処理を行う結果、提供者側では与信を確認した上で受注を受ける事ができ、譲渡対価の回収についての不安を解消する事ができる。また需要者においては、見積段階で取引対象の譲渡数量を確保している事から、確実に商品を入手できるとの安心を得る事ができる。
尚、本発明の商取引管理装置およびこれを用いた電子商取引システムは、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
例えば、商品の譲渡に代えて貸与の商取引を行ったり、或いは役務を提供する際の提供者の時間や、役務を提供する為の物の数量管理などを行う事もできる。更に、これら在庫や残存時間などの残存量の管理は、各提供者側端末40が独自に行う他、中央サーバ10で行う事もでき、また商取引の交渉を提供者側端末40と需要者側端末30との間で直接行う他、中央サーバ10を介して行う事も可能である。