JP2010185354A - オイルパン - Google Patents

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Abstract

【課題】オイル交換等の際、内槽および外槽からのオイル排出をスムーズに行うことが可能な2槽式のオイルパンを提供する。
【解決手段】オイルパン8は、ストレーナ61の吸込口61aが配置され、底壁81aにドレン孔81bが形成された内槽81と、内槽81を囲むように設けられ、底壁82aにドレン孔82bが形成された外槽82と、外槽82のドレン孔82bを塞ぐドレンボルト87と、内槽81のドレン孔81bを開閉し、内槽81と外槽82とを連通・遮断するフロート弁88とを備えている。フロート弁88は、ドレンボルト87をドレン孔82bから取り外した際にドレン孔81bが開放されるように構成されている。また、内槽81のドレン孔81bの開口面積は、外槽82のドレン孔82bの開口面積よりも大きく設定されている。
【選択図】図4

Description

本発明は、内槽と外槽とを備える2槽式のオイルパンに関する。
自動車用エンジン等の内燃機関においては、シリンダブロックの下部(またはクランクケースの下部)に設けられたオイルパンにエンジンオイル(以下、単にオイルと呼ぶ)を貯留している。そして、クランクシャフトの回転力等を利用してオイルポンプを駆動し、オイルパン内のオイルを、ストレーナを介して吸い上げてエンジン各部に圧送し、各部の潤滑や冷却を行っている。また、各部の潤滑や冷却を行ったオイルを、オイルパン内部に落下回収するようにしている。
エンジンの暖機運転時間の短縮化等を目的として、内槽と外槽との2つの槽を有する2槽式のオイルパンが開発されている。この種のオイルパンは、オイルパン内部を内槽と外槽とに区画するとともに、これら内槽と外槽との間にサーモスタット等の開閉機構を設けた構成となっている。
このような2槽式のオイルパンでは、エンジンの冷間始動時等には、開閉機構を閉鎖することで内槽のオイルのみをエンジン各部との間で循環させ、オイル温度を短時間で上昇させる。これにより、エンジンの暖機運転時間の短縮化が図れる。その後、オイル温度の上昇にともなって開閉機構が開放されると、内槽と外槽とが連通されることになり、この外槽に貯留されているオイルもエンジン各部との間で循環することになる。
また、2槽式のオイルパンでは、内槽の底部および外槽の底部にそれぞれドレン孔を設け、両ドレン孔を1本のドレンボルトによって塞いでいる。両ドレン孔は、同じ径で且つ同軸上に形成されている。そして、オイル交換等の際には、ドレンボルトを取り外して両ドレン孔を開放することで、内槽および外槽のオイルを排出するようにしている。
しかし、ドレンボルトにより、内槽と外槽とのシール、および、外槽と外部とのシールを確実に行うには、両ドレン孔の公差を1本のドレンボルトによって吸収できる程度にまで、両ドレン孔の加工精度を高めなければならないといった問題がある。
このため、従来では、外槽のドレン孔をドレンボルトにより塞ぎ、内槽のドレン孔(連通孔)をフロート弁(開閉弁)により開閉する構造の2槽式のオイルパンも提案されている(例えば、特許文献1〜4参照)。フロート弁は、油面に応じて上下動するフロートを備え、このフロートの上下動によって内槽の連通孔を開放・閉鎖するように構成されている。
特開2007−211593号公報 特開2006−275039号公報 特開2007−138792号公報 特開2007−154713号公報
ところで、上述したようなフロート弁を有する2槽式のオイルパンでは、オイル交換等の際、ドレンボルトを取り外すことで、外槽のドレン孔が開放され、外槽のオイルが排出される。また、油面の低下にともなってフロートが下降することで、内槽のドレン孔が開放され、内槽のオイルも排出されるようになっている。
この際、外槽から外部へのオイル排出がスムーズに行われることに加え、内槽から外槽へのオイル排出もスムーズに行われる必要がある。このため、内槽から外槽へのオイル排出がフロート弁などによって妨げられるような状況が発生することは避けなければならない。
本発明は、そのような問題点を鑑みてなされたものであり、オイル交換等の際、内槽および外槽からのオイル排出をスムーズに行うことが可能な2槽式のオイルパンを提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題を解決するための手段を以下のように構成している。すなわち、本発明は、オイルパンであって、ストレーナの吸込口が配置され、底部に連通孔が形成された内槽と、上記内槽を囲むように設けられ、底部にドレン孔が形成された外槽と、上記ドレン孔に係合され、このドレン孔を塞ぐ閉鎖部材と、上記連通孔を開閉し、上記内槽と外槽とを連通・遮断する開閉弁とを備えている。そして、上記開閉弁は、上記閉鎖部材をドレン孔から取り外した際に上記連通孔が開放されるように構成されており、上記連通孔の開口面積は、上記ドレン孔の開口面積よりも大きく設定されていることを特徴としている。なお、内槽に複数の連通孔が設けられている構成では、上記連通孔の開口面積は、全ての連通孔の開口面積の総和を言う。
上記構成によれば、オイル交換等の際、閉鎖部材をドレン孔から取り外すと、開閉弁が開放状態となって連通孔が開放されるので、内槽内のオイルが連通孔を介して外槽へ排出される。この際、連通孔の開口面積がドレン孔の開口面積よりも大きく設定されているので、連通孔を介して内槽内のオイルを外槽へスムーズに排出させることができ、オイル交換等の作業を迅速に行うことが可能になる。
本発明において、上記開閉弁は、上記内槽および外槽の油面差に応じて上下動するフロートを備え、このフロートの上下動にともなって上記連通孔を開放・閉鎖するように構成されていることが好ましい。
ここでは、開閉弁の好ましい構成を特定している。この構成では、開閉弁のフロートは、内槽および外槽の油面差に応じて上下動する。具体的に、外槽の油面が内槽の油面よりも高くなると、その油面差に応じてフロートに水頭圧が作用し、フロートは上昇する方向の力を受ける。これにより、フロートが内槽の底壁に当接して、連通孔が閉鎖され、内槽と外槽とが遮断されるようになる(開閉弁の閉鎖状態)。逆に、外槽の油面が内槽の油面よりも低くなると、その油面差に応じてフロートに水頭圧が作用し、フロートは下降する方向の力を受ける。これにより、フロートが内槽の底壁から離れて、連通孔が開放され、内槽と外槽とが連通されるようになる(開閉弁の開放状態)。
本発明において、上記連通孔を囲む最小の仮想円の円周長さと、上記開閉弁のフロートの上下動可能な長さとを乗じた値が、上記ドレン孔の開口面積よりも大きく設定されていることが好ましい。なお、内槽に複数の連通孔が設けられている構成では、上記仮想円の円周長さは、全ての連通孔を囲む最小の仮想円の円周長さを言う。
この構成によれば、オイル交換等の際、内槽内のオイルを、開閉弁のフロートに妨げられることなく外槽へスムーズに排出させることができ、オイル交換等の作業を迅速に行うことができる。
本発明において、上記開閉弁のフロートの体積をV1、フロートの密度をD1、このフロートとともに上下動するフロート付属部品の体積をV2、フロート付属部品の質量をM2、オイルの密度をD0としたとき、(V1+V2)×D0≧V1×D1+M2、の関係を満たしていることが好ましい。すなわち、上記開閉弁のフロートの体積V1と、このフロートとともに上下動するフロート付属部品の体積V2との和に、オイルの密度D0を乗じた値が、上記フロートの体積V1およびフロートの密度D1の積と、上記フロート付属部品の重量M2とを加えた値以上に設定されている。なお、フロート付属部品は、開閉弁のフロートとともに上下動する部品を言う。
ここでは、開閉弁の好ましい材質(密度)を特定している。上記の関係が満たされていれば、内槽および外槽の油面差がなく、ストレーナの吸込力が作用していない場合であっても、フロートおよびフロート付属部品の自重よりも浮力のほうが大きくなるので、開閉弁の閉弁状態を保つことができる。そして、内槽および外槽の油面差が生じると、その油面差に応じてフロートが上下動し、開閉弁の開閉を切り替えることができる。このようなフロートの材質としては、フェノール樹脂が適している。
本発明において、上記ストレーナの吸込口の下端と、上記内槽の底面との間隔が、8〜15mmに設定されていることを特徴とするオイルパン。
ここで、上記間隔の下限値である8mmは、縁石等と接触した際に、オイルパンの変形や、ストレーナの損傷を回避するために設定されている。また、上記間隔の上限値である15mmは、開閉弁のフロートに対しストレーナの吸込力を効果的に作用させるために設定されている。
上記構成によれば、オイル交換等の際、閉鎖部材をドレン孔から取り外すと、開閉弁が開放状態となって連通孔が開放されるので、内槽内のオイルが連通孔を介して外槽へ排出される。この際、連通孔の開口面積がドレン孔の開口面積よりも大きく設定されているので、連通孔を介して内槽内のオイルを外槽へスムーズに排出させることができ、オイル交換等の作業を迅速に行うことが可能になる。
実施形態に係るエンジンの概略構成を示す図である。 図1のエンジンの下部に設けられるオイルパンの内部を示す断面図である。 図2のオイルパンの内槽に設けられるドレン孔等を示す平面図である。 図2のオイルパンの要部を拡大して示す断面図である。
本発明を具体化した実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
以下では、自動車用の多気筒(例えば直列4気筒)エンジンに備えられたオイルパンに本発明を適用した例について説明する。
−エンジンの概略構成−
まず、実施形態に係るエンジン(内燃機関)1の概略構成について、図1を参照して説明する。
図1に示すように、エンジン1は、エンジン本体を構成するシリンダヘッド2およびシリンダブロック3と、このシリンダブロック3の下端部に接続されたオイルパン8と、エンジン1の内部潤滑等のためのオイル(潤滑油)をエンジン1内で循環させるオイル供給系統5とを備えている。
エンジン1の内部には、ピストン11、クランクシャフト12、カムシャフト13等の複数の被潤滑部材が収容されている。
シリンダブロック3には、4つのシリンダが形成されている。これらシリンダは、気筒配列方向(図中左右方向)に亘って配置されており、その内部にピストン11が、図中上下方向に往復移動可能に収容されている。
オイル供給系統5は、オイルパン8に貯留されているオイルが、このオイルパン8から吸い出されて上記各被潤滑部材へ供給され、これら被潤滑部材からオイルパン8内に還流し得るように構成されている。オイルパン8内には、このオイルパン8の内部に貯留されているオイルを吸い込むための吸込口61aを有するオイルストレーナ61が配置されている。このオイルストレーナ61は、シリンダブロック3に設けられたオイルポンプ62に対し、ストレーナ流路61bを介して接続されている。オイルパン8の具体的な構成については、後述する。
オイルポンプ62は、周知のロータリポンプから構成されており、そのロータ62aは、クランクシャフト12と共に回転するように、このクランクシャフト12と機械的に結合されている。このオイルポンプ62は、シリンダブロック3の外部に設けられたオイルフィルタ63のオイル入口に対し、オイル輸送路64を介して接続されている。また、オイルフィルタ63のオイル出口は、上記各被潤滑部材に向かうオイル流路として設けられたオイル供給路65と接続されている。このオイル供給路65を経てオイルが、オイル供給系統5に供給されるようになっている。
オイル供給系統5は、オイルパン8からオイルストレーナ61を介して汲み上げたオイルを、オイルポンプ62によって各被潤滑部材に供給して潤滑油として利用したり、油圧作動機器に供給して作動油として利用したりするようになっている。
具体的に、オイルポンプ62から圧送されたオイルは、オイルフィルタ63を経て、気筒列方向に沿って延びるメインオイルホール(メインギャラリ)51に送り出される。このメインオイルホール51の一端側および他端側には、シリンダブロック3からシリンダヘッド2に亘って上方に延びるオイル通路52,53が連通されている。
メインオイルホール51の一端側(図1における左側)に連通されているオイル通路52は、さらに、チェーンテンショナ側通路54と、VVT側通路55とに分岐されている。
チェーンテンショナ側通路54に供給されたオイルは、タイミングチェーンの張力を調整するためのチェーンテンショナ71の作動油として利用される。一方、VVT側通路55に供給されたオイルは、OCV用オイルフィルタ72aを経て、VVT用OCV72bおよび可変バルブタイミング機構72,73の作動油として利用される。
一方、メインオイルホール51の他端側(図1における右側)に連通されているオイル通路53は、ラッシュアジャスタ側通路56とシャワーパイプ側通路57とに分岐されている。
ラッシュアジャスタ側通路56は、吸気側通路56aと排気側通路56bとにさらに分岐されている。吸気側通路56aにあっては、各気筒の吸気バルブに対応して配設されたラッシュアジャスタ74,74,…の給油路に連通され、この給油路を経たオイルがラッシュアジャスタ74の作動油として利用されるようになっている。同様に、排気側通路56bにあっては、各気筒の排気バルブに対応して配設されたラッシュアジャスタ75,75,…の給油路に連通され、この給油路を経たオイルがラッシュアジャスタ75の作動油として利用されるようになっている。
なお、ラッシュアジャスタ側通路56は、各カムシャフト13のジャーナル部にもオイルを分岐供給し、この各カムシャフト13とシリンダヘッド2のジャーナル軸受け部との間、および、各カムシャフト13と図示しないカムキャップのジャーナル軸受け部との間の潤滑が行われるようになっている。
シャワーパイプ側通路57も、吸気側通路57aと排気側通路57bとに分岐されている。吸気側通路57aにあっては、吸気カムシャフトのカムロブに対応して図示しないオイル散布孔が形成されており、この吸気側通路57aを流れるオイルがオイル散布孔から吸気カムシャフトのカムロブとロッカアームのローラ部との接触部分に向けて散布されることで、この両者の潤滑に寄与するようになっている。同様に、排気側通路57bにあっても、排気カムシャフトのカムロブに対応して図示しないオイル散布孔が形成されており、この排気側通路57bを流れるオイルがオイル散布孔から排気カムシャフトのカムロブに散布されることで、この両者の潤滑に寄与するようになっている。
−オイルパンの構成−
次に、オイルパン8の具体的な構成について、図2〜図4を参照して説明する。
図2に示すように、オイルパン8は、内槽81と外槽82とを備える、いわゆる2槽式のオイルパンとして構成されている。すなわち、オイルパン8の内部のオイルを貯留可能な空間が、内槽81と外槽82とに区画されている。
内槽81は、シリンダブロック3の内部と連通するように設けられている。内槽81は、外槽82との間で間隔をあけた状態で配置され、ステー等の支持部材83によって支持されている。内槽81の内部には、オイルストレーナ61が配置されている。
内槽81の底壁81aには、貫通孔であるドレン孔(連通孔)81bが形成されている。また、内槽81の底壁81aには、ドレン孔81bを開放・閉鎖するフロート弁88が装着されている。この実施形態では、図3に示すように、2つのドレン孔81bが設けられている。各ドレン孔81bは、上方から見ると、半円状に湾曲した長孔に形成されており、2つのドレン孔81bは、フロート弁81の軸部88cを囲うように配置されている。そして、2つのドレン孔81bを囲む最小の仮想円C1(図3では一点鎖線で示す)が、フロート弁88のフロート88aの外周縁と同心状になっている。
外槽82は、内槽81の外側を囲うように、内槽81の側方と下方に設けられている。外槽82の底壁82aには、貫通孔であるドレン孔82bが形成されている。ドレン孔82bの内縁には、雌ねじが形成されている。このドレン孔82bには、ドレンボルト87が螺合されている。このドレンボルト87が、外槽82のドレン孔82bに係合され、このドレン孔82bを塞ぐ閉鎖部材となっている。
外槽82の上方には、バッフルプレート84が設けられている。バッフルプレート84により、上述したエンジン1の被潤滑部材から還流してきたオイルが、内槽81内に導かれるようになっている。そして、外槽82内には、直接、オイルが戻されないようになっている。
内槽81の一方側(図2における右側)の上端部81c(ここでは、支持部材83の上端部83c)と、一方側に設けられたバッフルプレート84との間には、内槽81と外槽82とを連通する連通部85が形成されている。この連通部85は、上端部81cとバッフルプレート84との間に形成された開口部となっている。
他方側(図2における左側)に設けられたバッフルプレート84には、凹陥部84aが形成されており、この凹陥部84a内には、サーモスタット86が配設されている。このサーモスタット86は、周囲の温度に応じて閉鎖状態と開放状態とを切り替える周知の開閉機構であって、例えば、内部にサーモワックスが充填されたサーモワックスタイプのものが採用されている。サーモスタット86は、周囲の温度(凹陥部84a内のオイル温度)が所定温度(例えば60℃)以下である場合には閉鎖し、凹陥部84a内の空間をその外部(外槽82)と遮断するようになっている。一方、サーモスタット86は、周囲の温度がこの所定温度を超えた場合に開放し、凹陥部84a内の空間をその外部(外槽82)に連通させるようになっている。なお、サーモスタット86の開閉が切り替わる閾値である油温は、上述した値に限定されるものではない。
フロート弁88は、内槽81のドレン孔81bを開閉し、内槽81と外槽82とを連通・遮断する開閉弁となっている。具体的には、フロート弁88は、内槽81および外槽82の油面差に応じてドレン孔81bを開放・閉鎖するように構成されている。フロート弁88は、オイルストレーナ61の吸込口61aの直下に配置されている。
フロート弁88は、内槽81および外槽82の油面差に応じて上下動するフロート88aを備えている。フロート88aは、内槽81の底壁81aの下側に配置されている。つまり、フロート88aは、外槽82内に配置されている。フロート88aの上面は、平坦に形成されており、内槽81の底壁81aの下面と面接触し得るようになっている。フロート88aが内槽81の底壁81aに当接することで、フロート88aの上端位置X1が規定される(図4(a)参照)。
そして、フロート88aが内槽81の底壁81aに当接することで、底壁81aに形成されたドレン孔81bを下方から閉鎖し得るようになっている。つまり、この実施形態では、フロート88aがフロート弁の弁体として機能している。
フロート88aは、その中央部に貫通孔88bを有する略円筒状に形成されている。この貫通孔88b内には、内槽81の底壁81aに取り付けられた軸部88cが挿入されている。軸部88cは、上下方向に延びる棒状の部材であって、その上端にフランジ部88dが設けられている。このフランジ部88dが内槽81の底壁81aに溶接等の手段によって接合されることで、軸部88cが底壁81aに固定されている。また、軸部88cの下端部には、溝部88eが形成されており、この溝部88eには、フロート88aの下方への移動を規制するストッパ88fが保持されている。このストッパ88fとしては、例えば、Eリングなどが用いられる。そして、フロート88aがストッパ88fに当接することで、フロート88aの下端位置X2が規定されるようになっている(図4(b)参照)。
フロート88aは、内槽81および外槽82の油面差に応じて軸部88cに沿って上下動する。詳細には、フロート88aには、自重および浮力に加え、内槽81および外槽82の油面差による水頭圧が作用する。外槽82の油面が内槽81の油面よりも高くなると、その油面差に応じてフロート88aに水頭圧が作用し、フロート88aは上昇する方向の力を受ける。逆に、外槽82の油面が内槽81の油面よりも低くなると、その油面差に応じてフロート88aに水頭圧が作用し、フロート88aは下降する方向の力を受ける。さらに、エンジン1の駆動中は、オイルストレーナ61の吸込力がフロート88aに作用する。このオイルストレーナ61の吸込力によりフロート88aは、フロート88aは上昇する方向に力を受ける。
そして、エンジン1の駆動中は、フロート弁88が常に閉鎖状態となるように内槽81および外槽82の油面差が設定されている。このフロート弁88の閉鎖状態では、図4(a)に示すように、フロート88aの上面が内槽81の底壁81aの下面に当接して、ドレン孔81bが閉鎖され、内槽81と外槽82とが遮断される。
一方、エンジン1の停止時に、外槽82の油面が内槽81の油面よりも低くなることでフロート88aが下降する方向の力を受けると、フロート弁88が開放状態となる。このフロート弁88の開放状態では、図4(b)に示すように、フロート88aの上面が内槽81の底壁81aの下面から離れて、ドレン孔81bが開放され、内槽81と外槽82とが連通される。
−オイルパンの動作−
次に、上述のように構成されたオイルパン8の動作について説明する。まず、エンジン1の駆動にともなうオイル循環動作について説明する。
エンジン1の冷間始動時であって、オイル温度が比較的低い状況では、サーモスタット86は閉鎖状態にある。また、フロート弁88も上述した閉鎖状態にある(図4(a)参照)。このため、オイルポンプ62が駆動すると、内槽81内のオイルがオイルストレーナ61によって吸い込まれ、上記オイル供給系統5に供給される。そして、各部の潤滑等を行ったオイルのほとんどは、再び内槽81内に落下回収される。
このようにして、内槽81とオイル供給系統5との間でのオイル循環が連続して行われることで、比較的少量のオイルが循環され、オイル供給系統5から受ける熱量によってオイル温度が急速に上昇し、エンジン1の暖機運転に要する時間の短縮化が図れる。この暖機運転時間の短縮化にともない燃料消費率の改善を図ることができる。なお、内槽81内のオイルがオイル供給系統5に供給されることで内槽81の油面が低くなるが、内槽81内の油量は、オイルストレーナ61の吸込口61aが常にオイルに浸漬されるような量に設定されている。
また、各部の潤滑等を行ったオイルの一部は、バッフルプレート84の凹陥部84a内にも落下回収される。そして、エンジン1の暖機運転中に、凹陥部84a内に流入するオイル温度が上昇して所定温度(サーモスタット86の開閉を切り替える閾値となるオイル温度)に達すると、サーモスタット86が開放状態に切り替わる。これにより、凹陥部84aが外槽82に連通され、この外槽82内にオイルが流れ込むことになる。これにともない、外槽82内の油量が増加してその油面が上昇すると、連通部85を介して外槽82から内槽81へオイルが流通することになる。つまり、外槽82内のオイルが内槽81の上端部81cをオーバーフローすることで、内槽81内に流入される。したがって、外槽82内に貯留されていたオイルも内槽81に流れ込んで、オイルストレーナ61によって吸い込まれ、上記オイル供給系統5に供給されるようになる。つまり、オイルパン8内に貯留されているオイルの全量が、オイルパン8とオイル供給系統5との間で循環され、各部の潤滑および冷却に利用され、また作動油としても利用される。
次に、オイル交換時等であってオイルパン8内のオイルを排出する際の動作について説明する。この際、図4(b)に示すように、ドレンボルト87を外槽82の底壁82aに形成されたドレン孔82bから取り外す。これにより、外槽82のドレン孔82bが開放され、外槽82内のオイルが外部へ排出される。これにともなって、外槽82の油面が低下し、内槽81の油面よりも低くなると、フロート88aが下降し、フロート弁88が上述した開弁状態となる。これにより、内槽81の底壁81aに形成されたドレン孔81bが開放され、内槽81内のオイルが外槽82に流出され、さらに、外槽82内に流出したオイルはドレン孔82bから外部へ排出される。その結果、内槽81内および外槽82内のオイルがともに排出されることになる。
なお、給油の際には、ドレンボルト87を外槽82の底壁82aに取り付けた状態で、オイルを内槽81に供給する。このため、内槽81の油面が外槽82の油面よりも高くなり、フロート弁88が開弁状態となるので、内槽81のドレン孔81bを介してオイルが外槽82に供給されることになる。
−実施形態の特徴部分−
次に、上述のように構成されたオイルパン8の特徴部分について説明する。
この実施形態では、オイルパン8において、内槽81のドレン孔81bの開口面積の総和が、外槽82のドレン孔82bの開口面積よりも大きく設定されている。例えば、内槽81のドレン孔81bの開口面積の総和が、約200mm2とされ、外槽82のドレン孔82bの開口面積が、約100mm2とされており、内槽81のドレン孔81bの開口面積の総和が、外槽82のドレン孔82bの開口面積の略2倍とされる。なお、これらの値は一例であって、上述した値に限定されるものではない。
この構成によれば、オイル交換等の際、ドレンボルト87を取り外すと、内槽81内のオイルをドレン孔81bを介して外槽82へスムーズに排出させることができる。これにより、オイル交換等の作業を迅速に行うことが可能になる。つまり、内槽81のドレン孔81bの開口面積の総和が、外槽82のドレン孔82bの開口面積よりも小さければ、内槽81から外槽82へのオイル排出に長時間を要する可能性があるが、この実施形態では、そのような不具合が発生することなく、内槽81から外槽82へのスムーズなオイル排出を行うことができる。
また、この実施形態では、内槽81のドレン孔81bの外径をR1(図3)、フロート88aの上下動可能な長さをH1(図4(b))としたき、[2×π×R1×H1]の値が、外槽82のドレン孔82bの開口面積よりも大きく設定されている。例えば、[2×π×R1×H1]の値が、約300mm2とされ、外槽82のドレン孔82bの開口面積が、約100mm2とされており、[2×π×R1×H1]の値が、外槽82のドレン孔82bの開口面積の略3倍とされている。なお、これらの値は一例であって、上述した値に限定されるものではない。
ここで、ドレン孔81bの外径R1は、全てのドレン孔81bを囲む最小の仮想円C1(図3では一点鎖線で示す)の半径を言い、[2×π×R1]は、その仮想円の円周長さを言う。フロート88aの上下動可能な長さH1は、フロート88aの上端位置X1(図4(a))と、下端位置X2(図4(b))との間の距離である。そして、[2×π×R1×H1]の値は、内槽81のドレン孔81bから外槽82内に流入したオイルが、外槽82内において、上記仮想円C1の外側へ拡散していく出口部分の面積を表している。
この構成によれば、オイル交換等の際、内槽81内のオイルを、フロート88aに妨げられることなく外槽82へスムーズに排出させることができ、オイル交換等の作業を迅速に行うことができる。つまり、[2×π×R1×H1]の値が、外槽82のドレン孔82bの開口面積よりも小さければ、内槽81から外槽82へのオイル排出がフロート88aにより妨げられる可能性があるが、この実施形態では、そのような不具合が発生することなく、内槽81から外槽82へのスムーズなオイル排出を行うことができる。
また、この実施形態では、フロート弁88のフロート88aの体積をV1、フロートの密度をD1、フロート付属部品の体積をV2、フロート付属部品の質量をM2、オイルの密度をD0としたとき、次の関係式(1)が満たされている。
(V1+V2)×D0≧V1×D1+M2 …(1)
すなわち、フロート88aの体積V1と、このフロート88aとともに上下動するフロート付属部品の体積V2との和に、オイルの密度D0を乗じた値[(V1+V2)×D0]が、フロート88aの体積V1およびフロート88aの密度D1の積と、フロート付属部品の重量M2とを加えた値[V1×D1+M2]以上に設定されている。ここで、フロート付属部品は、フロート弁88のフロート88aとともに上下動する部品を言う。
この構成では、フロート弁88の好ましい材質(密度)を特定している。上記の関係式(1)が満たされていれば、内槽81および外槽82の油面差がなく、オイルストレーナ61の吸込力が作用していない場合であっても、フロート88aおよびフロート付属部品の自重よりも浮力のほうが大きくなるので、フロート88aが上端位置X1に位置して、フロート弁88の閉弁状態を保つことができる。そして、内槽81および外槽82の油面差が生じると、その油面差に応じてフロート88aが上下動し、フロート弁88の開閉を切り替えることができる。このようなフロート88aの材質としては、フェノール樹脂が適している。なお、この実施形態では、フロート88aのみが上下動する構成となっており、フロート付属部品は特に設けられていないため、上記の関係式(1)は、[V1×D0≧V1×D1]となる。したがって、フロート88aを、オイルよりも密度が小さい材質で形成すれば、上記の関係式(1)は満たされることになる。
また、この実施形態では、ドレン孔81bが、内槽81の底壁81aの最下部に配設されている。これにより、オイル交換等の際、内槽81内のオイルをドレン孔81bを介して全て排出すことが可能になる。
また、この実施形態では、オイルストレーナ61の吸込口61aが、内槽81の底面(底壁81aの上面)から、8〜15mmの高さ位置に配設されている。言い換えれば、オイルストレーナ61の吸込口61aの下端と、内槽81の底面との間隔L1(図4(a))が、8〜15mmに設定されている。この間隔L1の下限値である8mmは、縁石等と接触した際に、オイルパン8の変形や、オイルストレーナ61の損傷を回避するために設定されている。また、間隔L1の上限値である15mmは、フロート88aに対しオイルストレーナ61の吸込力を効果的に作用させるために設定されている。
−他の実施形態−
以上、本発明の実施形態について説明したが、ここに示した実施形態は一例であり、さまざまに変形することが可能である。
内槽81のドレン孔81bの形状や数、位置などは、開口面積の総和が外槽82のドレン孔82bの開口面積よりも大きく且つフロート弁88によって開閉可能であれば、さまざまに変更することが可能である。
上記実施形態では、フロート88aだけが上下動するタイプ(フロート付属部品を有していないタイプ)のフロート弁88を例に挙げたが、フロートとともに他の部品(フロート付属部品)が上下動するタイプのフロート弁を用いてもよい。例えば、フロート弁を、フロートが軸部に固定され、フロートがその軸部ととも上下動するような構成としてもよい。この場合、軸部や、この軸部にフロートを固定するストッパなどが、フロート付属部品となり、上記の関係式(1)を満たすように、フロートおよびフロート付属部品の材質等を選定すればよい。
また、上記実施形態では、フロート88aが内槽81のドレン孔81bを開閉する弁体となっているタイプのフロート弁88を例に挙げたが、フロートとは別体の弁体が設けられるタイプのフロート弁を用いてもよい。例えば、フロート弁を、軸部を介してフロートと内槽のドレン孔を開閉する弁体とが一体的に設けられ、フロートおよび弁体が一体に上下動するような構成としてもよい。この場合、軸部や弁体などが、フロート付属部品となり、上記の関係式(1)を満たすように、フロートおよびフロート付属部品の材質等を選定すればよい。
上記実施形態では、自動車用の多気筒エンジンに本発明を適用した場合について説明した。本発明は、自動車用に限らず、その他の用途に使用されるエンジンに対しても適用可能である。また、気筒数やエンジン形式(直列型やV型などの別)についても特に限定されるものではない。
本発明は、内槽と外槽とを備える2槽式のオイルパンに利用できる。詳細には、本発明は、オイル交換等の際、内槽および外槽からのオイル排出をスムーズに行うことが可能な2槽式のオイルパンとして有用である。
8 オイルパン
61 オイルストレーナ
61a 吸込口
81 内槽
81a 底壁
81b ドレン孔(連通孔)
82 外槽
82a 底壁
82b ドレン孔
87 ドレンボルト(閉鎖部材)
88 フロート弁(開閉弁)
88a フロート

Claims (6)

  1. ストレーナの吸込口が配置され、底部に連通孔が形成された内槽と、
    上記内槽を囲むように設けられ、底部にドレン孔が形成された外槽と、
    上記ドレン孔に係合され、このドレン孔を塞ぐ閉鎖部材と、
    上記連通孔を開閉し、上記内槽と外槽とを連通・遮断する開閉弁とを備えたオイルパンにおいて、
    上記開閉弁は、上記閉鎖部材をドレン孔から取り外した際に上記連通孔が開放されるように構成されており、
    上記連通孔の開口面積は、上記ドレン孔の開口面積よりも大きく設定されていることを特徴とするオイルパン。
  2. 請求項1に記載のオイルパンにおいて、
    上記開閉弁は、上記内槽および外槽の油面差に応じて上下動するフロートを備え、このフロートの上下動にともなって上記連通孔を開放・閉鎖するように構成されていることを特徴とするオイルパン。
  3. 請求項2に記載のオイルパンにおいて、
    上記連通孔を囲む最小の仮想円の円周長さと、上記開閉弁のフロートの上下動可能な長さとを乗じた値が、上記ドレン孔の開口面積よりも大きく設定されていることを特徴とするオイルパン。
  4. 請求項2または請求項3に記載のオイルパンにおいて、
    上記開閉弁のフロートの体積をV1、フロートの密度をD1、このフロートとともに上下動するフロート付属部品の体積をV2、フロート付属部品の質量をM2、オイルの密度をD0としたとき、(V1+V2)×D0≧V1×D1+M2、の関係を満たしていることを特徴とするオイルパン。
  5. 請求項2〜4のいずれか1つに記載のオイルパンにおいて、
    上記フロートが、フェノール樹脂で形成されていることを特徴とするオイルパン。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つに記載のオイルパンにおいて、
    上記ストレーナの吸込口の下端と、上記内槽の底面との間隔が、8〜15mmに設定されていることを特徴とするオイルパン。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104314639A (zh) * 2014-11-10 2015-01-28 上海中船三井造船柴油机有限公司 一种紧凑型低速柴油机滑油出口过滤装置

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