JP2010184556A - インホイールタイプの電気車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】低速回転時及び高(中)速回転時においてそれぞれ最適量のオイルを回転軸内に供給し、低速回転時における回転軸の回転抵抗とオイル攪拌ロスを低減することができるインホイールタイプの電気車両を提供すること。
【解決手段】モータ20を収容する一体ケース12のうちの内側ケース12bの内側側面に、ロータシャフト28を支持するボス部13bと、ボス部13bによって形成され、油路28aに連通するとともに、オイル溜まり19から掻き上げられたオイルを溜めるリザーバ72と、ボス部13bから放射状に伸び、オイル溜まり19から掻き上げられたオイルの流れを変えるガイドリブ73とを設け、ガイドリブ73が、切替装置5のモード切替によるドライブユニット10の回動に伴って、低速モードにおけるガイド角θが、高速モードにおけるガイド角θよりも小さくなるようにする。
【選択図】 図5

Description

本発明は、駆動源である回転電機が駆動車輪内に収容されたインホイールタイプの電気車両に関するものである。
インホイールタイプの電気車両は、駆動車輪の中にモータ(回転電機)と減速装置とを備えており、モータの回転を減速装置によってトルク増幅して駆動車輪に伝達するようになっている。このような車両においては、モータの冷却や、ギヤ、ベアリング等の潤滑を行う必要があるが、オイルポンプ等の装置を用いると、インホイールタイプに要求される小型化及び単純化の要望に反してしまう。このため、モータに備わる回転部材の回転を利用し、オイルを掻き上げて必要箇所にオイルを供給するようになされている。
この種の駆動装置として、例えば、特許文献1に記載されたものがある。この特許文献1に記載の駆動装置では、回転部材により掻き上げられたオイルをケース側面のリブに当ててガイドリブ上に滴下させ、ボスによって形成されたオイル溜まりを経由して回転軸内に潤滑油を効率よく供給するようになっている。
特開2001−032914号公報
しかしながら、上記した特許文献1に記載の駆動装置では、高速回転時に回転軸内に必要とされる量のオイルを供給することができるように、オイルをガイドして回転軸内にオイルを導くためのガイドリブを設けているので、低速回転時において、ガイドリブによって必要量以上のオイルが回転軸内に供給されてしまう。そして、必要量以上のオイルが回転軸内に供給されると、回転軸の回転抵抗が大きくなるという問題があった。
また、低速回転時においても、ガイドリブによりオイルをガイドして回転軸内に導いているため、攪拌ロスが少なからず生じてしまうという問題もあった。
そこで、本発明は上記した問題点を解決するためになされたものであり、低速回転時及び高(中)速回転時においてそれぞれ最適量のオイルを回転軸内に供給し、低速回転時における回転軸の回転抵抗とオイル攪拌ロスを低減することができるインホイールタイプの電気車両を提供することを目的とする。
上記問題点を解決するためになされた本発明は、コイルが巻かれたステータと、前記ステータの内周に回転可能に配置されたロータとを備える回転電機の駆動力を、駆動車輪に伝達するインホイールタイプの駆動装置と、前記回転電機が低速回転で駆動される第1モードと、前記回転電機が高速回転まで駆動される第2モードとの少なくとも2つのモードを、手動又は自動で切替可能な切替装置と、前記モード切替装置によるモード切替に伴って前記駆動装置を回動させる回動装置と、を備える電気車両において、前記駆動装置は、前記回転電機と連動して回転するとともに、オイルによる潤滑が必要な潤滑必要部材が外周に配置された回転軸と、前記回転電機を収納する駆動装置ケースと、を有し、前記回転軸は、遠心力により前記潤滑必要部材にオイルを供給する軸内油路を有し、前記駆動装置ケースは、下方に前記ロータの回転によって掻き上げられるオイルを収容するオイル溜まりと、側面に前記回転軸を支持するボス部と、前記ボス部によって形成され、前記軸内油路に連通するとともに、前記オイル溜まりから掻き上げられたオイルを溜めるリザーバと、前記ボス部から放射状に伸び、前記オイル溜まりから掻き上げられたオイルの流れを変えるガイドリブと、を有し、前記ガイドリブは、前記切替装置のモード切替による前記駆動装置の回動に伴って、前記第1モードにおける前記リザーバへのガイド角が、前記第2モードにおけるガイド角よりも小さくなるように設けられていることを特徴とする。なお、ガイド角は、ガイドリブが水平面となす角(仰角)である。
このインホイールタイプの電気車両では、回転電機が低速回転で駆動される第1モードにおいて、駆動装置ケースの側面に設けられたガイドリブのガイド角が比較的小さくされる。これにより、ガイドリブによってオイル溜まりから掻き上げられたオイルがほとんどリザーバに導かれることがないため、必要量以上のオイルが回転軸内油路に供給されなくなり、回転軸の回転抵抗を低減することができる。また、ガイドリブのガイド角が比較的小さい、言い換えるとガイドリブが寝ているため、オイルの攪拌ロスも低減することができる。
一方、回転電機が高速回転まで駆動される第2モードにおいて、ガイドリブのガイド角が比較的大きくされる。これにより、ガイドリブによってオイル溜まりから掻き上げられたオイルがリザーバに導かれるので、オイルの必要量が多くなる高(中)速回転時には、十分な量のオイルを回転軸内油路に供給することができる。
このように、低速回転時及び高(中)速回転時においてそれぞれ最適量のオイルを回転軸内油路に供給することができるとともに、低速回転時における回転軸の回転抵抗とオイル攪拌ロスを低減することができる。
そして、ガイドリブの角度切替は、電気車両のモード切替に伴う駆動装置の回動を利用しているので、特別な装置を新たに追加することなく、簡単な構成で実現することができる。
本発明に係るインホイールタイプの電気車両において、前記ガイドリブは、前記リザーバの開口の前記回転軸の正回転方向前側に配置され、前記第1モードで水平となるように設けられていることが望ましい。
ガイドリブの配置をこのようにすることにより、第1モードではガイドリブのガイド角が0度となってガイドリブが寝た状態となるため、低速回転時におけるオイル攪拌ロスを極力低減させることができるとともに、第2モードではガイドリブのガイド角を極力大きくすることができるため、効率よくオイルを捕集することができるので、高速回転時には十分な量のオイルを回転軸内油路により確実に供給することができる。これにより、走行状態に応じた効率的な潤滑を行うことができる。
また、本発明に係るインホイールタイプの電気車両において、前記ガイドリブは、前記第1モードでは、前記オイル溜まりから掻き上げられ前記ガイドリブに滴下されたオイルの半分以上が前記リザーバの開口に導かれることなく前記オイル溜まりに戻されるようにオイルの流れを変え、前記第2モードでは、前記オイル溜まりから掻き上げられ前記ガイドリブに滴下されたオイルのほとんどが前記リザーバの開口に導かれるようにオイルの流れを変えることも好ましい。
このようにガイドリブによってオイルの流れを変えることにより、走行状態に応じた効率的なオイルの流れを形成することができる。つまり、低速回転時及び高(中)速回転時においてそれぞれ最適量のオイルを回転軸内油路に供給することができるとともに、低速回転時における回転軸の回転抵抗とオイル攪拌ロスを低減することができる。
そして、本発明に係るインホイールタイプの電気車両において、モードの切替を自動的に行う場合には、前記切替装置は、前記第1モードのときに車両の速度又は加速度が所定値以上になると、前記第1モードから前記第2モードに切り替え、前記2モードのときに車両の速度又は加速度が前記所定値未満になると、前記第2モードから前記第1モードに自動的に切り替えるようにすればよい。
本発明に係るインホイールタイプの電気車両によれば、上記した通り、低速回転時及び高(中)速回転時においてそれぞれ最適量のオイルを回転軸内に供給し、低速回転時における回転軸の回転抵抗とオイル攪拌ロスを低減することができる。
実施の形態に係る電気車両の模式図であり、低速モード状態を示している。 実施の形態に係る電気車両の模式図であり、高速モード状態を示している。 ドライブユニットの概略構成を示す断面図である。 外側ケースの概略構成を示す側面図である。 内側ケースの概略構成を示す側面図である 低速モードにおける内側ケースの状態を示す図である。 高速モードにおける内側ケースの状態を示す図である。
以下、本発明のインホイールタイプの電気車両を具体化した好適な実施の形態について、図面に基づき詳細に説明する。以下の実施の形態では、低速モード(第1モード)と高速モード(第2モード)とを切替可能な電気自動車を例示して説明する。
そこで、本実施の形態に係る電気車両について、図1及び図2を参照しながら説明する。図1は、実施の形態に係る電気車両の模式図であり、低速モード状態を示している。図2は、実施の形態に係る電気車両の模式図であり、高速モード状態を示している。
本実施の形態に係る電気車両1は、図1及び図2に示すように、フロント2輪、リヤ1輪の3輪構成の車両である。そして、前輪2が駆動輪となっており、前輪2の左右それぞれにインホイールタイプのドライブユニット10が収容されている。この車両1は、図1に示す低速モードと、図2に示す高速モードとに走行姿勢(走行モード)を切り替えられるようになっている。
走行モードの切り替えは、モード切替装置5からの指令に基づき、回動装置6を駆動させて後輪3を移動させることにより行われる。具体的に、通常時(停止時)は低速モードとなっており、低速モードから高速モードへの切り替えは、後輪3を後方へ移動させてホイールベースを長くすることにより行われる。これにより、高速モードでは、図2に示すように、車両1がやや後方に傾斜した姿勢となるため、前輪2が前方へ移動するとともに前輪2に収容されているドライブユニット10が回動するようになっている。一方、高速モードから低速モードへの切り替えは、後輪3を前方へ移動させてホイールベースを元の長さに戻すことにより行われる。これにより、図1に示すように、車両1が元の姿勢に戻るため、前輪2が後方へ移動するとともに前輪2に収容されているドライブユニット10が回動するようになっている。
そして、上記のモード切替は、モード切替装置5により自動的に行われる。具体的には、車両1の車速が所定値(例えば、20〜30km/h程度)以上になると、低速モードから高速モードに切り替わり、車両1の車速が所定値を下回ると、高速モードから低速モードに切り替わる。車速は、車両1に備わる不図示の車速センサにより検出され、車速センサからの出力がモード切替装置5に入力されるようになっている。また、運転席に設けられたモード切替スイッチ7を操作することによっても上記のモード切替を行えるようにもなっている。なお、車速の代わりに、加速度(Gセンサなどにより検出すればよい)に基づきモード切替を行うようにしてもよい。
ここで、前輪2に収容されているインホイールタイプのドライブユニット10について、図3〜図5を参照しながら説明する。図3は、ドライブユニットの概略構成を示す断面図である。図4は、外側ケースの概略構成を示す側面図である。図5は、内側ケースの概略構成を示す側面図である。なお、図4は、ステータ及びベアリングを組み込んだ状態を示している。
図3に示すように、ドライブユニット10は、前輪(駆動輪)2のホイールリム2a内に収められている。このドライブユニット10は、モータ(回転電機)20、プラネタリギヤ40、及びブレーキ装置60を有している。そして、モータ20及びプラネタリギヤ40が、2つ割ケース12a,12bからなる一体ケース12内に収納されている。そして、一体化されたケース12には車両への取付部11が設けられており、取付部11に組み付けられる懸架装置を介して一体ケース12が車両1に懸架されている。
ここで、外側ケース12aの内側には、図4に示すように、その中心部分に出力軸15を支持するベアリング16用のボス13aが形成されている。また、外側ケース12aの外周部には、モータ20のステータ21を保持・固定するための第1側壁14aが形成されている。さらに、この第1側壁14aの外周側に第2側壁14bが形成されている。第2側壁14bは、外側ケース12aの全周に形成されておらず、図4において左下部分(1/4周程度)にのみ形成されている。そして、第1側壁14a、第2側壁14b及び内側ケース12bにより形成された空間がオイル溜まり19となっている。なお、オイル溜まり19の上部には、モータ20の動力線及び中性線が纏められた電気配線(結線)21aが収容され外側ケース12aの外部に引き出されている。このため、第1側壁14aの外周側に第2側壁14bが形成されていても、ドライブユニット10の外径寸法が大型化することはない。
そして、図3に示すように、外側ケース12aのボス部13aには出力軸15がベアリング16を介して回転自在に支持されてケース外に突出している。出力軸15には、ホイールリム2a固定用のハブ17がスプライン係合しており、ナット18により抜止め・固定されている。
モータ20は、ブラシレスDCモータからなり、外側ケース12aに固定されているステータ21と、ステータ21と微小間隔(エアギャップ)を存して回転自在に支持されているロータ25とを有している。ステータ21は、多数の積層鋼板からなり、内径側に配置される円環部から外径方向放射状に多数のティースが形成されたステータコア22と、ティースに巻回された3相のコイル23とを有している。このステータ21は、ケース12に固定されている。
一方、ロータ25は、多数の積層鋼板からなり、その内部に周方向所定間隔毎に埋込まれかつ軸方向に延びる希土類磁石等の永久磁石を備えるロータコア26と、ロータコア26を外周面に固定・支持するロータハブ27と、ロータハブ27の中心に固定されたロータシャフト(回転軸)28とを有している。ロータハブ27は、その内側端に内径方向に延びるフランジ部27aを有しており、このフランジ部27aがロータシャフト28に固定されている。ロータシャフト28は、一端部にてベアリング29を介して出力軸15に支持され、他端部にてベアリング30を介して内側ケース12bに支持されている。ロータシャフト28は、中空軸でありその内部に油路28aが設けられており、油路28aのオイルはロータシャフト28の回転により発生する遠心力によって潤滑必要部材であるプラネタリギヤ40等にオイルが供給されるようになっている。
ここで、内側ケース12bの内面側は、図5に示すように、その中心部分にロータシャフト28を支持するベアリング30用のボス13bが形成されており、このボス13bはその一部切欠かれてオイル導入用の開口71が形成されている。ボス13b内には、開口から71から導入されたオイルを溜めるリザーバ72が形成されている。このリザーバ72は、ロータシャフト28内の油路28aと連通するようになっている。
また、開口71から放射状に伸びるようにオイルガイドリブ73が形成されている。このオイルガイドリブ73は、開口71のロータ20の正回転方向前側に配置されており、車両1が低速モード状態のときにロータシャフト中心Oを通る水平線Aと平行になるように設けられている。つまり、車両1が低速モード状態のときには、後述するオイルガイドリブ73のガイド角θがθ=0°となっている。なお、ガイド角θは、オイルガイドリブ73が水平面となす角(仰角)である(図7参照)。
さらに、内側ケース12bにおける外径部分にて、ロータシャフト中心Oと開口71の中心とを結ぶ直線B上の上方部分には、リブ74が放射状に形成されていいる。このリブ74は、ロータ25に連れ回されたオイルを当てて、オイルガイドリブ73に滴下するものである。また、内側ケース12bには、ロータ25の回転位置(回転角度)を検出するためのレゾルバ31を取り付けるための円弧状の溝75が形成されている。
そして、図3に示すように、レゾルバ31が、ロータ25の内側ケース12bの側端部に取り付けられている。レゾルバ31は、回転子(励磁コイル)31aと固定子(検出コイル)31bを備えており、回転子31aがフランジ部27aに形成されたスリーブ部27bの外周に取り付けられ、固定子31bがケースカバー13に取り付けられている。本実施の形態では、内側ケース12bを外側ケース12aに組み付けて一体ケース12を構成することにより、回転子31aの外周に固定子31bが配置され、レゾルバ31が構成されるようになっている。
このようなモータ20は、車体内のコントローラ及びバッテリと電気的に接続されており、モータとして回転力を出力するとともに、回生ブレーキとしても機能する。なお、モータ20はブラシレスDCモータに限らず、他の同期式又は誘導式の交流モータ、さらには直流モータであってもよい。
プラネタリギヤ40は、サンギヤSが入力要素、キャリヤCRが出力要素、リングギヤRが固定(反力)要素となり、減速装置を構成している。すなわち、サンギヤSはロータシャフト28に一体的に成形されており、キャリヤCRは出力軸15に一体に構成されており、リングギヤRは外側ケース12aに固定されている。
具体的には、キャリヤCRは、出力軸15の一端に膨出して一体的に形成されているキャリヤ本体41と、キャリヤ本体41に一体に固定されているキャリヤカバー42とを有している。そして、これら本体41及びカバー42に亘って2本のピニオン軸43が配設され、これらピニオン軸43にそれぞれニードルベアリングを介してピニオンPが回転自在に支持されている。また、外側ケース12aの内側面には、外周面にスプライン歯45を有するリング状の部材46がボルト47により固定されている。リングギヤRは、リング状部材46のスプライン歯45にその歯の段付き部が係合してスナップリング48により抜き止め係止されて、外側ケース12aに一体に固定されている。
ブレーキ装置60は、ハブ17に固定されたブレーキロータ61と、ブレーキロータ61の外周端が内部を通過するように外側ケース12aに取り付けられたブレーキキャリパ62とを有している。ブレーキキャリパ62は、外側ケース12aの外周に配置されており、ブレーキピストン63と、ブレーキパッド64,65とを備えている。そして、ブレーキピストン63が、外側ケース12aの一部を含めて構成されたピストンケース66内に収容されている。すなわち、ピストンケース66が外側ケース12aに一体化されている。
このようなブレーキ装置60では、ブレーキピストン63を回転させることにより、ブレーキピストン63がピストンケース66内を前進(図1中左側に移動)するようになっている。なお、本実施の形態では、ブレーキピストン63をモータにより回転させるようになっている。そして、ブレーキピストン63が前進すると、ブレーキパッド64がブレーキピストン63によりブレーキロータ61側に押される。これに応答して、ブレーキパッド65がブレーキロータ61側に移動する。これにより、ブレーキロータ61がブレーキパッド64,65に挟み込まれ、前輪2にブレーキがかかるようになっている。
続いて、上記のような構成を有するドライブユニット10を有する電気車両1の動作について、図1、図2、図6及び図7を参照しながら説明する。図6は、低速モードにおける内側ケースの状態を示す図である。図7は、高速モードにおける内側ケースの状態を示す図である。
車両1は、停止状態(車速ゼロ)において、図1に示すような低速モードとなっている。そして、ステータ21のコイル23に電流が流されると、ロータ25が回転して、モータ20が所定のトルクを出力する。モータ20の出力トルクは、ロータシャフト28を介してプラネタリギヤ40へ伝達される。プラネタリギヤ40は、ロータシャフト28から受けた出力トルクをサンギヤSを介して受け、その出力トルクをピニオンギヤPによって段階的に切り換えてキャリヤCRへ出力する。これにより、キャリヤCR及びハブ17が所定の回転数で回転し、前輪2が駆動される。このとき、ロータ25の回転によりオイルが掻き上げられて、モータ20の冷却及びプラネタリギヤ40などの潤滑必要部位の潤滑が行われる。
そして、運転者がモード切替スイッチ7を操作しない限り、車両1は車速が所定値に達するまでは低速モードで走行する。この低速モードでは、モータ20が低速回転で駆動されるので、プラネタリギア40などの潤滑必要部材へのオイル供給量が比較的少なくてよいため、リザーバ72へ積極的にオイルを導入する必要がない。逆に、リザーバ72へ積極的にオイルを導入してしまうと、ロータシャフト28の回転抵抗を増加させてしまってドライブユニット10の動力性能を低下させてしまう。
そこで、ドライブユニット10では、低速モードにおいて内側ケース12bが図6に示す状態になっており、オイルガイドリブ73がほぼ水平となっている。このため、図6に白抜き矢印で示すように、ロータ25によって掻き上げられてリブ74に当たってオイルガイドリブ73上に滴下されたオイルのほとんどがリザーバ72に導かれることなく、オイル溜まり19へ戻される。なお、リブ74に当たって下方へ落下したオイルの一部がリザーバ72に導入される。これにより、必要量以上のオイルが油路28aに供給されなくなるので、ロータシャフト28の回転抵抗を低減することができる。また、オイルガイドリブ73のガイド角θ(図7参照)が小さいため(θ=0°)、ロータ25によるオイルの攪拌ロスも低減することができる。従って、低速モードにおける動力性能の低下を防止することができる。
そして、車両1の車速が所定値に達すると、低速モードから高速モードに切り替わる。具体的には、モード切替装置5からの指令に基づき、回動装置6が駆動して後輪3が後方に移動しホイールベースが長くなる。これにより、高速モードでは、図2に示すように、車両1がやや後方に傾斜した姿勢となるため、前輪2が前方へ移動するとともに前輪2に収容されているドライブユニット10が回動する。この高速モードでは、モータ20が高速回転まで駆動されるので、プラネタリギア40などの潤滑必要部材へのオイル供給量が多くなるため、リザーバ72へ積極的にオイルを導入する必要がある。
そこで、ドライブユニット10では、高速モードにおいて内側ケース12bが図7に示す状態になり、オイルガイドリブ73が立ち上がる。すなわち、オイルガイドリブ73のガイド角θが大きくなる(θ=30°程度)。このため、図7に白抜き矢印で示すように、ロータ25によって掻き上げられてリブ74に当たってオイルガイドリブ73上に滴下されたオイルのほとんどがリザーバ72に導かれる。これにより、オイルを効果的に捕集してリザーバ72に導入し、ロータシャフト28内の油路28aに供給することができる。その結果、オイルの必要量が多くなる高(中)速回転時において、十分な量のオイルを油路28aに供給することができ、潤滑必要部材に対して必要量のオイルを過不足なく供給することができる。
以上、詳細に説明したように本実施の形態に係る電気車両1によれば、低速モードと高速モードとでオイルガイドリブ73のガイド角θが切り替わるので、低速回転時及び高(中)速回転時においてそれぞれ最適量のオイルをロータシャフト28内の油路28aに供給することができるとともに、低速回転時におけるロータシャフト28の回転抵抗、及び
ロータ25によるオイル攪拌ロスを確実に低減することができる。そして、オイルガイドリブ73のガイド角θの切替は、電気車両1のモード切替に伴うドライブユニット10の回動を利用しているので、特別な装置を新たに追加することなく、簡単な構成で実現することができる。
なお、上記した実施の形態は単なる例示にすぎず、本発明を何ら限定するものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることはもちろんである。例えば、上記した実施の形態では、フロント2輪・リヤ1輪の車両の前輪にドライブユニットを搭載している場合を例示しているが、後輪にドライブユニットを搭載する場合にも本発明を適用することができるし、フロント2輪・リヤ2輪の車両にも本発明を適用することができる。また、上記した実施の形態では、切り替え可能な走行モードが2つあるが、3つ以上の走行モードを切り替え可能な車両に対しても本発明を適用することができる。
1 電気車両
2 前輪(駆動輪)
3 後輪
5 モード切替装置
6 回動装置
7 モード切替スイッチ
10 ドライブユニット
12 一体ケース
12a 外側ケース
12b 内側ケース
13b ボス部
15 出力軸
19 オイル溜まり
20 モータ
21 ステータ
25 ロータ
28 ロータシャフト(回転軸)
28a 油路
29 ベアリング
30 ベアリング
40 プラネタリギヤ
60 ブレーキ装置
71 開口
72 リザーバ
73 オイルガイドリブ
74 リブ

Claims (4)

  1. コイルが巻かれたステータと、前記ステータの内周に回転可能に配置されたロータとを備える回転電機の駆動力を、駆動車輪に伝達するインホイールタイプの駆動装置と、
    前記回転電機が低速回転で駆動される第1モードと、前記回転電機が高速回転まで駆動される第2モードとの少なくとも2つのモードを、手動又は自動で切替可能な切替装置と、
    前記モード切替装置によるモード切替に伴って前記駆動装置を回動させる回動装置と、を備える電気車両において、
    前記駆動装置は、
    前記回転電機と連動して回転するとともに、オイルによる潤滑が必要な潤滑必要部材が外周に配置された回転軸と、
    前記回転電機を収納する駆動装置ケースと、を有し、
    前記回転軸は、遠心力により前記潤滑必要部材にオイルを供給する軸内油路を有し、
    前記駆動装置ケースは、
    下方に前記ロータの回転によって掻き上げられるオイルを収容するオイル溜まりと、
    側面に前記回転軸を支持するボス部と、前記ボス部によって形成され、前記軸内油路に連通するとともに、前記オイル溜まりから掻き上げられたオイルを溜めるリザーバと、前記ボス部から放射状に伸び、前記オイル溜まりから掻き上げられたオイルの流れを変えるガイドリブと、を有し、
    前記ガイドリブは、前記切替装置のモード切替による前記駆動装置の回動に伴って、前記第1モードにおける前記リザーバへのガイド角が、前記第2モードにおけるガイド角よりも小さくなるように設けられている
    ことを特徴とするインホイールタイプの電気車両。
  2. 請求項1に記載するインホイールタイプの電気車両において、
    前記ガイドリブは、前記リザーバの開口の前記回転軸の正回転方向前側に配置され、前記第1モードで水平となるように設けられている
    ことを特徴とするインホイールタイプの電気車両。
  3. 請求項1に記載するインホイールタイプの電気車両において、
    前記ガイドリブは、
    前記第1モードでは、前記オイル溜まりから掻き上げられ前記ガイドリブに滴下されたオイルの半分以上が前記リザーバの開口に導かれることなく前記オイル溜まりに戻されるようにオイルの流れを変え、
    前記第2モードでは、前記オイル溜まりから掻き上げられ前記ガイドリブに滴下されたオイルのほとんどが前記リザーバの開口に導かれるようにオイルの流れを変える
    ことを特徴とするインホイールタイプの電気車両。
  4. 請求項1から請求項3に記載するいずれか1つのインホイールタイプの電気車両において、
    前記切替装置は、車両の速度又は加速度が所定値以上になると、前記第1モードから前記第2モードに切り替え、車両の速度又は加速度が所定値未満になると、前記第2モードから前記第1モードに自動的に切り替える
    ことを特徴とするインホイールタイプの電気車両。
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