JP2010184481A - インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】カールなどの紙変形を抑え、第2面の乾燥時に第1面の画像を劣化させず、かつ、第2面の乾燥が第1面の乾燥と同程度の乾燥能力を有するインクジェット記録装置および記録方法を提供することを目的とする。
【解決手段】記録媒体上に、インクを打滴するインク吐出手段と、インクを乾燥する複数の乾燥手段を有する乾燥部と、を備え、複数の乾燥手段の1つは、印字面の反対側から記録媒体に加熱部材を接触させる裏面接触加熱手段であり、記録媒体に両面印刷する際、先に印字する面を第1面、後に印字する面を第2面とし、各面の乾燥における前記裏面接触加熱手段の加熱温度をTs(i)(i=1、2)としたとき、下記(式1)を満たすことを特徴とするインクジェット記録装置及び記録方法である。
Ts(1)>Ts(2) ・・・(式1)
【選択図】図1
【解決手段】記録媒体上に、インクを打滴するインク吐出手段と、インクを乾燥する複数の乾燥手段を有する乾燥部と、を備え、複数の乾燥手段の1つは、印字面の反対側から記録媒体に加熱部材を接触させる裏面接触加熱手段であり、記録媒体に両面印刷する際、先に印字する面を第1面、後に印字する面を第2面とし、各面の乾燥における前記裏面接触加熱手段の加熱温度をTs(i)(i=1、2)としたとき、下記(式1)を満たすことを特徴とするインクジェット記録装置及び記録方法である。
Ts(1)>Ts(2) ・・・(式1)
【選択図】図1
Description
本発明は、インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法に係り、特に、両面印刷が可能なインクジェット記録装置およびインクジェット記録方法に関する。
インクジェット記録装置は、記録媒体上でインクを連続して打滴することによって画像を形成する装置であり、装置構成が簡単でかつ良好な画質の画像記録が可能であることから、個人用途のホームプリンタをはじめ、業務用途のオフィスプリンタとしても広く使用されている。特に、業務用途のオフィスプリンタにおいては、処理の高速化および高画質化が一層要望されている。
インクジェット方式による印刷では、片面(第1面)を印刷した後、乾燥工程を経て、もう片面(第2面)を印刷し、再び乾燥を行う、という方式が広く知られている。乾燥方式として、最も効率がよい方法は、印刷面と逆側の面に加熱部材を接触させて、熱を伝達させる方法である。しかしながら、この方法では、第2面の乾燥時に、すでに印刷された第1面の画像が加熱部材と接触するときに、画像がこすれる、色材の一部が加熱部材に転写するなどの画像にダメージが加えられることがある。
このような問題を解決する方法として、例えば、下記の特許文献1には、両面印刷が可能なインクジェット記録装置で、第1面の印刷・乾燥後、インク量に応じて所定時間待機した後に、第2面を印刷することで第1面の印刷の擦りを防止することが記載されている。
しかしながら、特許文献1に記載されている方法では、確かに、第1面の画像の傷つきを抑えることはできるが、所定時間待機するため、生産性(スループット)が低下する、という問題があった。また、特に、インク中に樹脂粒子を含有することで、印刷終了後の耐擦性を向上させることが可能であるが、樹脂粒子が含有されたインクを第1面に印刷した後、第2面を印刷・乾燥させる場合、裏面から加熱部材を接触させることで、樹脂粒子のポリマー成分が再溶融して画像面が傷つくという問題があった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、両面印刷をするインクジェット記録装置において、カールなどの紙変形を抑えた状態で、第2面を第1面並みに乾燥させ、なおかつ、第2面の乾燥時に第1面の画像を劣化させないインクジェット記録装置およびインクジェット記録方法を提供することを目的とする。
本発明の請求項1は、前記目的を達成するために、記録媒体上に、少なくとも顔料および樹脂粒子を含むインクを打滴するインク吐出手段と、前記記録媒体上に付与された前記インクを乾燥する複数の乾燥手段を有する乾燥部と、を備え、前記複数の乾燥手段の1つは、前記記録媒体の前記インクが打滴された印字面の反対側から前記記録媒体に加熱部材を接触させる裏面接触加熱手段であり、前記記録媒体に両面印刷する際、先に印字する面を第1面、後に印字する面を第2面とし、各面の乾燥における前記裏面接触加熱手段の加熱温度をTs(i)(i=1、2)としたとき、下記(式1)を満たすように加熱温度を制御する加熱制御手段を備えることを特徴とするインクジェット記録装置を提供する。
Ts(1)>Ts(2) ・・・(式1)
第2面の乾燥を行う場合、第1面には既に画像が形成されているが、請求項1によれば、第2面の印字の後、インクの乾燥を行う際に、加熱制御手段により裏面接触加熱手段の加熱温度を低くしている。つまり、印字されている第1面に接する裏面接触加熱温度を低くしているため、第1面の画像の劣化を防止することができる。
第2面の乾燥を行う場合、第1面には既に画像が形成されているが、請求項1によれば、第2面の印字の後、インクの乾燥を行う際に、加熱制御手段により裏面接触加熱手段の加熱温度を低くしている。つまり、印字されている第1面に接する裏面接触加熱温度を低くしているため、第1面の画像の劣化を防止することができる。
請求項2は請求項1において、前記複数の乾燥手段の他の1つは、前記印字面側からの非接触加熱手段であることを特徴とする。
請求項2によれば、裏面接触手段の他に、印字面側から非接触加熱手段により、乾燥を行っているため、第2面の画像の劣化、乾燥能力の低下を防止し、乾燥を行うことができる。
請求項3は請求項2において、前記非接触加熱手段が、前記印字面側から加熱した風を送風する送風手段であることを特徴とする。
請求項3によれば、非接触加熱手段として、加熱した風による送風手段を用いることにより、効率よく乾燥を行うことができる。
請求項4は請求項3において、前記加熱制御手段は、前記記録媒体の各面の乾燥において、前記送風手段における風の温度をTw(i)(i=1、2)とするとき、下記(式2)を満たすように制御することを特徴とする。
Tw(1)<Tw(2) ・・・(式2)
請求項4によれば、送風手段の風の温度を、第1面を乾燥するときより、第2面を乾燥するときの温度を高くすることにより、第2面を乾燥する際の、裏面接触加熱手段の温度を低くしても、第2面を乾燥する際の乾燥効率を下げることなく、乾燥を行うことができる。
請求項4によれば、送風手段の風の温度を、第1面を乾燥するときより、第2面を乾燥するときの温度を高くすることにより、第2面を乾燥する際の、裏面接触加熱手段の温度を低くしても、第2面を乾燥する際の乾燥効率を下げることなく、乾燥を行うことができる。
請求項5は請求項1から4いずれかにおいて、前記加熱制御手段は、前記インク中の前記樹脂粒子のガラス転移温度をTgとすると、下記(式3)を満たすように制御することを特徴とする。
Tg>Ts(2) ・・・(式3)
請求項5によれば、第2面を乾燥する際の裏面接触加熱手段の温度をインク中の樹脂粒子のガラス転移温度Tgより小さくすることにより、第1面に形成された画像中の樹脂粒子を溶解させることなく乾燥させることができるので、第1面の画像への傷の発生を防止することができる。
請求項5によれば、第2面を乾燥する際の裏面接触加熱手段の温度をインク中の樹脂粒子のガラス転移温度Tgより小さくすることにより、第1面に形成された画像中の樹脂粒子を溶解させることなく乾燥させることができるので、第1面の画像への傷の発生を防止することができる。
請求項6は請求項1から5いずれかにおいて、前記乾燥部による乾燥後の前記インクの残水量が3.5g/m2以下であり、前記インクの定着を行う加熱加圧定着手段を備えることを特徴とする。
請求項6によれば、加熱加圧定着手段により画像の定着を行うことで画像の耐擦性を向上させることができる。さらに、乾燥後の残水量を3.5g/m2以下まで乾燥させた後に加熱加圧定着手段で定着させることにより、定着オフセットを防止することができる。
請求項7は請求項1から6いずれかにおいて、前記インク中の顔料と反応する成分を含有する処理液を前記記録媒体上に付与する処理液付与手段と、前記記録媒体上に付与された前記処理液中の溶媒を乾燥させる処理液乾燥手段と、を備えることを特徴とする。
請求項7によれば、処理液付与手段と処理液乾燥手段を備えることにより、インクの滲みおよび色材浮遊を防止することができる。
本発明の請求項8は前記目的を達成するために、記録媒体上に、少なくとも、顔料および樹脂粒子を含むインクを打滴するインク吐出工程と、前記記録媒体上に付与された前記インクを複数の乾燥手段により乾燥する乾燥工程と、を有し、前記複数の乾燥手段の1つは、前記記録媒体の前記インクが打滴された印字面の反対側から前記記録媒体に加熱部材を接触させる裏面接触加熱手段であり、前記記録媒体に両面印刷する際、先に印字する面を第1面、後に印字する面を第2面とし、各面の乾燥における前記裏面接触加熱手段の加熱温度をTs(i)(i=1、2)としたとき、下記(式1)を満たすことを特徴とするインクジェット記録方法を提供する。
Ts(1)>Ts(2) ・・・(式1)
請求項9は請求項8において、前記複数の加熱手段の他の1つは、前記印字面側からの非接触加熱手段であることを特徴とする。
請求項9は請求項8において、前記複数の加熱手段の他の1つは、前記印字面側からの非接触加熱手段であることを特徴とする。
請求項10は請求項9において、前記非接触加熱手段が、前記印字面側から加熱した風を送風する送風手段であることを特徴とする。
請求項11は請求項10において、前記記録媒体の各面の乾燥において、前記送風手段の風の温度をTw(i)(i=1、2)とするとき、下記(式2)を満たすことを特徴とする。
Tw(1)<Tw(2) ・・・(式2)
請求項12は請求項8から11いずれかにおいて、前記インク中の前記樹脂粒子のガラス転移温度Tgとすると、下記(式3)を満たすことを特徴とする。
請求項12は請求項8から11いずれかにおいて、前記インク中の前記樹脂粒子のガラス転移温度Tgとすると、下記(式3)を満たすことを特徴とする。
Tg>Ts(2) ・・・(式3)
請求項13は請求項8から12いずれかにおいて、前記乾燥工程後の前記インクの残水量が3.5g/m2以下であり、さらに、前記インクの定着を行う加熱加圧定着工程を有することを特徴とする。
請求項13は請求項8から12いずれかにおいて、前記乾燥工程後の前記インクの残水量が3.5g/m2以下であり、さらに、前記インクの定着を行う加熱加圧定着工程を有することを特徴とする。
請求項14は請求項8から13において、前記インク中の顔料と反応する成分を含有する処理液を付与する処理液付与工程と、前記記録媒体上に付与された前記処理液中の溶媒を乾燥させる処理液乾燥工程と、を有することを特徴とする。
請求項8から14は、請求項1から7に記載されているインクジェット記録装置をインクジェット記録方法として、展開したものであり、請求項8から14に記載されているインクジェット記録方法によれば、請求項1から7に記載されているインクジェット記録装置と同様の効果を得ることができる。
本発明のインクジェット記録装置およびインクジェット記録方法によれば、両面に画像を形成する場合、第1面に画像が形成した後、第2面のインクの乾燥において、第1面に傷をつけることなく、第2面の乾燥を行うことができる。
以下、添付図面に従って、本発明に係るインクジェット記録装置およびインクジェット記録方法の好ましい実施の形態について説明する。
[インクジェット記録装置の全体構成]
まず、本発明が適用されるインクジェット記録装置の全体構成を説明する。
まず、本発明が適用されるインクジェット記録装置の全体構成を説明する。
図1は、本実施の形態のインクジェット記録装置1を摸式的に示す構成図である。同図に示すインクジェット記録装置1は記録媒体22の記録面に画像を形成する装置であり、主として給紙部10、処理液付与部12、描画部14、乾燥部16、定着部18および排出部20で構成される。給紙部10には記録媒体22(枚葉紙)が積層されており、この記録媒体22が給紙部10から処理液付与部12に送られ、処理液付与部12で記録面に処理液が付与された後、描画部14で記録面に色インクが付与される。インクが付与された記録媒体22は、定着部18で画像が堅牢化された後、排出部20によって搬送される。図1においては、処理液付与部12が処理液付与手段および処理液乾燥手段、描画部14がインク吐出手段、乾燥部16が乾燥部に該当する。
各部の間には中間搬送部24、26、28が設けられ、この中間搬送部24、26、28によって記録媒体22の受け渡しが行われる。すなわち、処理液付与部12と描画部14との間には、第1の中間搬送部24が設けられ、この第1の中間搬送部24によって処理液付与部12から描画部14への記録媒体22の受け渡しが行われる。同様に、描画部14と乾燥部16との間には、第2の中間搬送部26が設けられ、この第2の中間搬送部26によって描画部14から乾燥部16への記録媒体22の受け渡しが行われる。さらに、乾燥部16と定着部18との間には、第3の中間搬送部28が設けられ、この第3の中間搬送部28によって乾燥部16から定着部18への記録媒体22の受け渡しが行われる。
以下、インクジェット記録装置1の各部(給紙部10、処理液付与部12、描画部14、乾燥部16、定着部18、排出部20、第1〜第3の中間搬送部24、26、28)について説明する。
(給紙部)
給紙部10は、記録媒体22を描画部14に供給する機構である。給紙部10には、給紙トレイ50が設けられ、この給紙トレイ50から記録媒体22が一枚ずつ処理液付与部12に給紙される。
給紙部10は、記録媒体22を描画部14に供給する機構である。給紙部10には、給紙トレイ50が設けられ、この給紙トレイ50から記録媒体22が一枚ずつ処理液付与部12に給紙される。
(処理液付与部)
処理液付与部12は、記録媒体22の記録面に処理液を付与する機構であり、処理液は、後述のインク中の色材(顔料もしくは染料)を凝集または増粘させる成分を含有している。色材を凝集若しくは増粘させる方法としては具体的に、インクと反応してインク中の色材を析出あるいは不溶化させる処理液、インク中の色材を含む半固体状の物質(ゲル)を生成する処理液等が挙げられる。そして、インクと処理液との反応を引き起こす手段は、インク中のアニオン性の色材と処理液中のカチオン性の化合物を反応させる方法、互いにpHの異なるインクと処理液を混合させることでインクのpHを変化させてインク中の顔料の分散破壊を起こし顔料を凝集させる方法、処理液中の多価金属塩との反応によりインク中の顔料の分散破壊を起こし顔料を凝集させる方法、などがある。なお、処理液のより詳細な説明については後述する。
処理液付与部12は、記録媒体22の記録面に処理液を付与する機構であり、処理液は、後述のインク中の色材(顔料もしくは染料)を凝集または増粘させる成分を含有している。色材を凝集若しくは増粘させる方法としては具体的に、インクと反応してインク中の色材を析出あるいは不溶化させる処理液、インク中の色材を含む半固体状の物質(ゲル)を生成する処理液等が挙げられる。そして、インクと処理液との反応を引き起こす手段は、インク中のアニオン性の色材と処理液中のカチオン性の化合物を反応させる方法、互いにpHの異なるインクと処理液を混合させることでインクのpHを変化させてインク中の顔料の分散破壊を起こし顔料を凝集させる方法、処理液中の多価金属塩との反応によりインク中の顔料の分散破壊を起こし顔料を凝集させる方法、などがある。なお、処理液のより詳細な説明については後述する。
処理液の付与方法としては、インクジェットヘッドによる打滴、ローラによる塗布、スプレーによる一様付与、等がある。たとえば図1に示す処理液付与部12は、渡し胴52、処理液ドラム54、処理液塗布装置56、温風吹出ノズル58及びIRヒータ60を備えている。渡し胴52は、給紙部10の給紙トレイ50と処理液ドラム54の間に配置され、回転駆動される。給紙部10から給紙された記録媒体22は、この渡し胴52によって受け取られ、処理液ドラム54に受け渡される。なお、渡し胴52の代わりに、後述の中間搬送部を設けてもよい。
処理液ドラム54は、記録媒体22を保持して回転搬送させるドラムであり、回転駆動される。また、処理液ドラム54は、その外周面に爪形状の保持手段を備え、この保持手段によって記録媒体22の先端を保持できるようになっている。記録媒体22は、保持手段によって先端が保持された状態で、処理液ドラム54を回転させることによって回転搬送される。その際、記録媒体22の記録面が外側を向くようにして搬送される。なお、処理液ドラム54の外周面に吸引孔を設けるとともに、その吸引孔から吸引を行うようにしてもよい。これにより記録媒体22を処理液ドラム54の周面に密着保持することができる。
処理液塗布装置56の構成は特に限定するものではないが、たとえば、処理液が貯留された処理液容器と、この処理液容器の処理液に一部が浸漬されたアニックスローラと、アニックスローラに当接されて計量を行うスキージと、アニックスローラと処理液ドラム54上の記録媒体22に圧接されて計量後の処理液を記録媒体22に転移するゴムローラとで構成される。この処理液塗布装置56によれば、処理液をスキージで計量しながら記録媒体22に塗布することができる。処理液の膜厚は、描画部14のインクジェットヘッド72M,72C,72Y,72Kから打滴されるインクの液滴径より十分に小さいことが望ましい。例えば、インクの打滴量が2pLのときには、液滴の平均直径は15.6μmである。このとき、処理液の膜厚が大きい場合には、インクドットが記録媒体22の表面に接触することなく、処理液内で浮遊する。そこで、インクの打滴量が2pLのときに着弾ドット径を30μm以上得るためには、処理液の膜厚を3μm以下にすることが望ましい。
処理液塗布装置56で処理液が塗布された記録媒体22は、温風吹出ノズル58、IRヒータ60の位置に搬送される。温風吹出ノズル58は高温(たとえば70℃)の温風を一定の風量(たとえば9m3/分)で記録媒体22に向けて吹き付けるように構成され、IRヒータ60は高温(たとえば180℃)に制御される。この温風吹出ノズル58とIRヒータ60による加熱によって、処理液の溶媒成分の乾燥が行われる。このように、記録媒体22に付与した処理液をインクの打滴前に乾燥させることによって、インクの色材が処理液に浮遊することを防止することができる。なお、処理液の乾燥は必ずしも処理液の溶媒を完全に蒸発させる必要はなく、乾燥後の総膜厚(処理液中の非乾燥成分[凝集剤など]と乾燥残液の総和)が約1.0g/m2以下の厚みになるように乾燥すればよい。
(描画部)
描画部14は、インクジェット方式でインクを打滴することによって入力画像に対応した画像を描画する機構であり、描画ドラム70と、この描画ドラム70の外周面に対向する位置に近接配置されたインクジェットヘッド72M,72C,72Y,72Kで構成される。インクジェットヘッド72M,72C,72Y,72Kはそれぞれ、マゼンダ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、黒(K)の4色のインクに対応しており、描画ドラム70の回転方向に上流側から順に配置される。
描画部14は、インクジェット方式でインクを打滴することによって入力画像に対応した画像を描画する機構であり、描画ドラム70と、この描画ドラム70の外周面に対向する位置に近接配置されたインクジェットヘッド72M,72C,72Y,72Kで構成される。インクジェットヘッド72M,72C,72Y,72Kはそれぞれ、マゼンダ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、黒(K)の4色のインクに対応しており、描画ドラム70の回転方向に上流側から順に配置される。
描画ドラム70は、その外周面に記録媒体22を保持し、回転搬送させるドラムであり、回転駆動される。また、描画ドラム70は、その外周面に爪形状の保持手段(不図示)を備え、この保持手段によって記録媒体22の先端を保持できるようになっている。記録媒体22は、保持手段によって先端が保持された状態で、描画ドラム70を回転させることによって回転搬送される。その際、記録媒体22の記録面が外側を向くようにして搬送され、この記録面にインクジェットヘッド72M,72C,72Y,72Kからインクが付与される。
インクジェットヘッド72M,72C,72Y,72Kはそれぞれ、記録媒体22における画像形成領域の最大幅に対応する長さを有するフルライン型のインクジェット方式の記録ヘッド(インクジェットヘッド)であり、そのインク吐出面には、画像形成領域の全幅にわたってインク吐出用のノズルが複数配列されたノズル列が形成されている。各インクジェットヘッド72M,72C,72Y,72Kは、記録媒体22の搬送方向(描画ドラム70の回転方向)と直交する方向に延在するように固定設置される。各インクジェットヘッド72M,72C,72Y,72Kには、対応する色インクのカセットが取り付けられる。
上記の如く構成された各インクジェットヘッド72M,72C,72Y,72Kから、各インクの液滴が描画ドラム70の外周面に保持された記録媒体22の記録面に向かって吐出される。これにより、処理液付与部12上の処理液にインクが接触し、インク中に分散する色材(顔料)が凝集され、色材凝集体が形成される。これにより、記録媒体22上での色材流れなどが防止され、記録媒体22の記録面に画像が形成される。その際、描画部14の描画ドラム70は、処理液付与部12の処理液ドラム54に対して構造上分離しているので、インクジェットヘッド72M,72C,72Y,72Kに処理液が付着することがなく、インクの不吐出要因を低減することができる。
なお、各インクジェットヘッド72M,72C,72Y,72Kの打滴タイミングは、描画ドラム70に配置された回転速度を検出するエンコーダに同期させる。これにより、高精度に着弾位置を決定することができる。また、予め描画ドラム70のフレなどによる速度変動を学習し、エンコーダ91で得られた打滴タイミングを補正して、描画ドラム70のフレ、回転軸の精度、描画ドラム70の外周面の速度に依存せずに打滴ムラを低減させることができる。
また、各インクジェットヘッド72M,72C,72Y,72Kのノズル面の清掃、増粘インク排出などのメンテナンス動作は、ヘッドユニットを描画ドラム70から退避させて実施するとよい。
さらに、本例では、CMYKの標準色(4色)の構成を例示したが、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態に限定されず、必要に応じて淡インク、濃インク、特別色インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタなどのライト系インクを吐出するインクジェットヘッドを追加する構成も可能であり、各色ヘッドの配置順序も特に限定はない。ただし、表面張力が小さいインクの順に、記録媒体22の走行方向の上流側から配置する必要がある。なお、インクジェットヘッド72M,72C,72Y,72Kのより詳細な説明と、インクの詳細な説明については、後述する。
(乾燥部)
乾燥部16は、色材凝集作用により分離された溶媒を乾燥させる工程であり、裏面接触加熱手段として乾燥ドラム76を備える。また、図1に示すように、非接触加熱手段として、この乾燥ドラム76の外周面に対向する位置に配置された第1のIRヒータ78、温風噴出しノズル80、第2のIRヒータ82で構成される。
乾燥部16は、色材凝集作用により分離された溶媒を乾燥させる工程であり、裏面接触加熱手段として乾燥ドラム76を備える。また、図1に示すように、非接触加熱手段として、この乾燥ドラム76の外周面に対向する位置に配置された第1のIRヒータ78、温風噴出しノズル80、第2のIRヒータ82で構成される。
乾燥ドラム76は、その外周面に記録媒体22を保持して回転搬送させるドラムであり、回転駆動される。また、乾燥ドラム76は、その外周面に爪形状の保持手段を備え、この保持手段によって記録媒体22の先端を保持できるようになっている。記録媒体22は、保持手段によって先端が保持された状態で、乾燥ドラム76を回転させることによって回転搬送される。
乾燥ドラム76は、その外周面を所定の温度に制御することにより乾燥を行う。乾燥温度としては、30℃以上60℃以下とすることが好ましく、40℃以上60℃以下とすることがさらに好ましい。さらに、乾燥ドラム76は、その外周面に吸引孔を設けるとともに、吸引孔から吸引を行う吸引手段を接続してもよい。これにより記録媒体22を乾燥ドラム76の周面に密着保持することができる。
また、印字面側からの加熱として、図1に示すように、温風噴出しノズル80、第1のヒータ78、第2のヒータ82を設けることもできる。図1においては、第1のIRヒータ78は、温風噴出しノズル80に対して、乾燥ドラム76の回転方向(図1において反時計回り方向)の上流側に設けられ、第2のIRヒータ82は、温風噴出しノズル80の下流側に設けている。なお、印字面側からの加熱は設けることが好ましく、IRヒータの数、温風噴射ノズルの数は特に限定されず設けることができる。
温風噴出しノズル80は、第1面の乾燥時においては、35℃以上45℃以下に制御された温風を一定の風量(12m3/分)で記録媒体22に向けて吹き付けるように構成され、第1のIRヒータ78と第2のIRヒータ82はそれぞれ180℃以上250℃以下に制御されている。
なお、図1においては、印字面側からの非接触加熱手段として、温風噴出しノズルによる乾燥、IRヒータによる輻射による乾燥について説明したが、非接触加熱手段として、他に、超音波による振動加熱、マイクロ波による振動加熱、レーザー光による加熱などを挙げることができる。
これら乾燥部によって、乾燥ドラム76に保持された記録媒体22の記録面のインク溶媒に含まれる水分が蒸発され、乾燥処理が行われる。乾燥終了後のインク水分の残水量は、1g/m2以上3.5g/m2未満とすることが好ましい。3.5g/m2以上水分を残存させておくと、その後の定着部において、定着ローラへのオフセットが発生してしまう。また、1g/m2未満とすると紙内部にしみ込んだ水分も蒸発させることになるので、多大なエネルギーが必要になるため、好ましくない。
なお、蒸発した水分は不図示の排出手段によりエアとともに機外に排出するとよい。また、回収されたエアを冷却器(ラジエータ)などで冷却して、液体として回収してもよい。
(定着部)
定着部18は、定着ドラム84、第1の定着ローラ86、第2の定着ローラ88及びインラインセンサ90で構成される。第1の定着ローラ86、第2の定着ローラ88及びインラインセンサ90は、定着ドラム84の周面に対向する位置に配置され、定着ドラム84の回転方向の上流側から順に配置される。
定着部18は、定着ドラム84、第1の定着ローラ86、第2の定着ローラ88及びインラインセンサ90で構成される。第1の定着ローラ86、第2の定着ローラ88及びインラインセンサ90は、定着ドラム84の周面に対向する位置に配置され、定着ドラム84の回転方向の上流側から順に配置される。
定着ドラム84は、その外周面に記録媒体22を保持して回転搬送させるドラムであり、回転駆動される。また、定着ドラム84は、その外周面に爪形状の保持手段を備え、この保持手段によって記録媒体22の先端を保持できるようになっている。記録媒体22は、保持手段によって先端が保持された状態で定着ドラム84を回転させることによって、回転搬送される。その際、記録媒体22の記録面が外側を向くようにして搬送され、この記録面に対して、第1の定着ローラ86及び第2の定着ローラ88による定着処理と、インラインセンサ90による検査が行われる。
第1の定着ローラ86及び第2の定着ローラ88は、乾燥させたインクを加熱加圧することによってインク中の自己分散性ポリマー微粒子を溶着し、インクを被膜化させるためのローラ部材であり、記録媒体22を加圧・加熱するように構成される。具体的には、第1の定着ローラ86及び第2の定着ローラ88はそれぞれ、定着ドラム84に対して所定の圧力(たとえば0.3MPa)で圧接するように配置されており、定着ドラム84との間でニップローラを構成するようになっている。これにより、記録媒体22は、第1の定着ローラ86と定着ドラム84との間、及び、第2の定着ローラ88と定着ドラム84との間に挟まれ、所定のニップ圧でニップされ、定着処理が行われる。
なお、第1の定着ローラ86、第2の定着ローラ88と、定着ドラム84との一方の表面に弾性層を形成し、記録媒体22に対して均一なニップ幅を持つ構成とするとよい。たとえば、第1の定着ローラ86の表面と第2の定着ローラ88の表面を二層構成とし、さらに、表層側の第1層を離型性素材で構成し、第2層(内側の層)をゴム弾性体素材で構成することが好ましい。第1層を離型性素材とすることによって、ローラが汚れにくくなり、ローラのクリーニング負荷を低減させることができる。また、第2層は、ゴム硬度50°以下のゴム弾性体を用いることが好ましい。第2層を硬度50°以下のゴム弾性体とすることによって、記録媒体22をニップする時間を稼ぐことができ、高速記録での被膜化に有利になる。また、第2層を硬度50°以下とすることによって、記録媒体22に接触する際の低圧化が可能になり、ローラの寿命を向上させることができる。一方、第1の定着ローラ86及び第2の定着ローラ88のローラ表面硬度が70°以下であることが好ましい。ローラの表面硬度を低くすることによって、(一定時間における)画像凹凸に対する追従性が向上し、高速記録での被膜化に有利になる。
また、第1の定着ローラ86及び第2の定着ローラ88は、熱伝導性の良いアルミなどの金属パイプ内にハロゲンランプを組み込んだ加熱ローラによって構成され、所定の温度(約75℃)に制御される。その際の画像表面の到達温度をTfとした場合、インクの樹脂微粒子のガラス転移温度Tgに対して、Tg<Tfの関係を満たすように設定することが好ましい。
上記の如く構成された第1の定着ローラ86及び第2の定着ローラ88で記録媒体22を加圧、加熱することによって、インクに含まれるラテックスのガラス転移温度以上の熱エネルギーが付与され、ラテックス粒子が溶融される。これにより、記録媒体22の凹凸に押し込み定着が行なわれるとともに、画像表面の凹凸がレベリングされ、光沢性が得られる。
なお、上記の実施形態では、加熱と加圧の両方を行う例を示したが、一方のみを行うようにしてもよい。また、第1の定着ローラ86、第2の定着ローラ88は、画像層厚みや樹脂粒子のTg特性により、複数段設けた構成でもよい。さらに、定着ドラム84の表面を所定の温度(たとえば60℃)に制御するようにしてもよい。
一方、インラインセンサ90は、記録媒体22に定着された画像について、チェックパターンや水分量、表面温度、光沢度などを計測するための計測手段であり、CCDラインセンサなどが適用される。
上記の如く構成された定着部18によれば、乾燥部16で形成された薄層の画像層内の樹脂粒子が第1の定着ローラ86、第2の定着ローラ88によって加圧・加熱されて溶融されるので、記録媒体22に固定定着させることができる。また、定着部18によれば、定着ドラム84が他のドラムに対して構造上分離されているので、定着部18の温度設定を、描画部14や乾燥部16と分離して自由に設定することができる。
なお、上記の定着ドラム84は、その外周面に吸引孔を設けるとともに、吸引孔から吸引を行う吸引手段を接続してもよい。これにより記録媒体22を定着ドラム84の周面に密着保持することができる。
(排出部)
図1に示すように、定着部18に続いて排出部20が設けられている。排出部20は、排出トレイ92を備えており、この排出トレイ92と定着部18の定着ドラム84との間に、これらに対接するように渡し胴94、搬送ベルト96、張架ローラ98が設けられている。記録媒体22は、渡し胴94により搬送ベルト96に送られ、排出トレイ92に排出される。
図1に示すように、定着部18に続いて排出部20が設けられている。排出部20は、排出トレイ92を備えており、この排出トレイ92と定着部18の定着ドラム84との間に、これらに対接するように渡し胴94、搬送ベルト96、張架ローラ98が設けられている。記録媒体22は、渡し胴94により搬送ベルト96に送られ、排出トレイ92に排出される。
上記のようにして第1面に画像を形成した後、第2面の画像の形成を行う。両面印刷する方法としては、例えば、(i)第1面を印刷した後、用紙が自動的に表裏反転して同様の装置(給紙部〜排出部)に通して第2面を印刷する方法、(ii)第1面を印刷した後、用紙が表裏反転し、紙のスタック位置にもどり、第2面を印刷する方法、(iii)第1面を印刷した後、ユーザーが表裏を反転させて紙を再びスタック位置に戻して第2面を印刷する方法、などにより、両面印刷を行う方法が挙げられる。本発明においては、第1面の乾燥と第2面の乾燥とで、乾燥条件が異なっているので、いずれの面を印字・乾燥を行っている認識する必要がある。したがって、(iii)の場合は、印刷が第1面なのか第2面なのかをユーザーがPCなどのインターフェイスから指示する態様が好ましい。
本発明においては、第1面への印字後の乾燥条件と、第2面への印字後の乾燥条件を制御することにより、第2面の乾燥時においても、第1面の画像に傷をつけることなく乾燥を行うことができる。乾燥条件の制御は、裏面接触加熱手段、非接触加熱手段などの乾燥手段の加熱温度を制御する加熱制御手段を備え、この加熱制御手段により制御することで行うことができる。
第2面の乾燥を行う場合、第1面にはすでに画像が形成さされているため、第1面の乾燥時における裏面接触加熱手段である乾燥ドラム67の温度をTs(1)、第2面の乾燥時における裏面接触加熱手段である乾燥ドラム67の温度をTs(2)、としたとき、下記(式1)を満たすように乾燥を行う。
Ts(1)>Ts(2) ・・・(式1)
このように第2面の乾燥時における乾燥ドラムの温度を第1面の乾燥時における乾燥ドラムの温度より低くすることで、第1面に形成されている画像の劣化を防止することができる。
このように第2面の乾燥時における乾燥ドラムの温度を第1面の乾燥時における乾燥ドラムの温度より低くすることで、第1面に形成されている画像の劣化を防止することができる。
また、第2面の乾燥時における乾燥ドラムの温度は、インク中の樹脂粒子のガラス転移温度をTgとしたとき、下記(式3)を満たすことが好ましい。
Tg>Ts(2) ・・・(式3)
第2面の乾燥をする際には、第1面に画像が形成されているため、乾燥ドラムの温度をインク中の樹脂粒子のガラス転移温度以上にしてしまうと、第1面に形成された画像が再度溶融してしまい、画像が劣化してしまう。インク中の樹脂粒子のガラス転移温度以下で乾燥を行うことにより、第1面の画像の劣化を防止することができる。
第2面の乾燥をする際には、第1面に画像が形成されているため、乾燥ドラムの温度をインク中の樹脂粒子のガラス転移温度以上にしてしまうと、第1面に形成された画像が再度溶融してしまい、画像が劣化してしまう。インク中の樹脂粒子のガラス転移温度以下で乾燥を行うことにより、第1面の画像の劣化を防止することができる。
さらに、印字面側を乾燥をする際に、温風噴出しノズル80を用いて、温風を送風する場合は、第1面の乾燥を行う場合の温風の温度をTw(1)、第2面の乾燥を行う場合の温風の温度をTw(2)とした場合、下記(式2)を満たすことが好ましい。
Tw(1)<Tw(2) ・・・(式2)
本発明においては、(式1)に示すように、第2面の乾燥時に乾燥ドラムの温度を下げて乾燥を行っているため、第2面の乾燥効率が悪化してしまう。そこで、第2面の乾燥時において、温風の温度を、第1面の乾燥時より高くすることにより、第2面の乾燥効率が低下することを防止することができる。温風の温度としては、第1面の乾燥時においては、35℃以上45℃以下とすることが好ましく、第2面の乾燥時においては、55℃以上65℃以下とすることが好ましい。そして、これらの温度に制御された温風を一定の風量(12m3/分)で記録媒体22に向けて吹き付けるように構成されている。
本発明においては、(式1)に示すように、第2面の乾燥時に乾燥ドラムの温度を下げて乾燥を行っているため、第2面の乾燥効率が悪化してしまう。そこで、第2面の乾燥時において、温風の温度を、第1面の乾燥時より高くすることにより、第2面の乾燥効率が低下することを防止することができる。温風の温度としては、第1面の乾燥時においては、35℃以上45℃以下とすることが好ましく、第2面の乾燥時においては、55℃以上65℃以下とすることが好ましい。そして、これらの温度に制御された温風を一定の風量(12m3/分)で記録媒体22に向けて吹き付けるように構成されている。
また、熱風の温度を高くする代わりに、第1のIRヒータ78、第2のIRヒータ82の温度を高くすることで、対応することもできる。
(中間搬送部)
次に、第1の中間搬送部24の構造について説明する。なお、第2の中間搬送部26、第3の中間搬送部28は、第1の中間搬送部24と同様の構成であり、その説明を省略する。
次に、第1の中間搬送部24の構造について説明する。なお、第2の中間搬送部26、第3の中間搬送部28は、第1の中間搬送部24と同様の構成であり、その説明を省略する。
第1の中間搬送部24は、中間搬送体30を有する。中間搬送体30は、前段のドラムから記録媒体22を受け取り、回転搬送させた後、後段のドラムに受け渡すためのドラムであり、回転自在に取り付けられている。また、中間搬送体30は、不図示のモータによって回転するようになっている。
中間搬送体30の外周面には、爪形状の保持手段が90°間隔で設けられている。保持手段は、円軌跡を描きながら回転するようになっており、この保持手段の動作によって記録媒体22の先端が保持される。したがって、保持手段で記録媒体22の先端を保持した状態で中間搬送体30を回転させることによって、記録媒体22を回転搬送させることができる。なお、中間搬送体30の表面に複数の送風口を設け、この送風口からエアを吹き出すことによって、記録媒体の記録面を非接触で搬送するとよい。
第1の中間搬送部24によって搬送された記録媒体22は、後段のドラム(すなわち、描画ドラム70)に受け渡される。その際、中間搬送部24の保持手段と描画部14の保持手段を同期させることによって、記録媒体22の受け渡しが行われる。受け渡された記録媒体22は、描画ドラム70によって保持されて回転搬送される。
(インクジェットヘッドの構造)
次に、各インクジェットヘッドの構造について説明する。色別のインクジェットヘッド72M,72C,72Y,72Kの構造は共通しているので、以下、これらを代表して符号100によってインクジェットヘッドを示すものとする。
次に、各インクジェットヘッドの構造について説明する。色別のインクジェットヘッド72M,72C,72Y,72Kの構造は共通しているので、以下、これらを代表して符号100によってインクジェットヘッドを示すものとする。
図2(a)はインクジェットヘッド100の構造例を示す平面透視図であり、図2(b)はその一部の拡大図である。記録媒体22上に印字されるドットピッチを高密度化するためには、インクジェットヘッド100におけるノズルピッチを高密度化する必要がある。本例のインクジェットヘッド100は、図2(a)、(b)に示したように、インク吐出口であるノズル102と、各ノズル102に対応する圧力室104等からなる複数のインク室ユニット(記録素子単位としての液滴吐出素子)108を千鳥でマトリクス状に(2次元的に)配置させた構造を有し、これにより、ヘッド長手方向(記録媒体22の搬送方向と直交する方向)に沿って並ぶように投影される実質的なノズル間隔(投影ノズルピッチ)の高密度化を達成している。
記録媒体22の搬送方向(図2中矢印S)と略直交する方向(図2中矢印M)に記録媒体22の画像形成領域の全幅に対応する長さにわたり1列以上のノズル列を構成する形態は図示の例に限定されない。例えば、図2(a)の構成に代えて、図3に示すように、複数のノズル102が2次元に配列された短尺のヘッドモジュール100’を千鳥状に配列して繋ぎ合わせることで長尺化することにより、全体として記録媒体22の画像形成領域の全幅に対応する長さのノズル列を有するラインヘッドを構成してもよい。
各ノズル102に対応して設けられている圧力室104は、その平面形状が概略正方形となっており(図2(a)、(b)参照)、対角線上の両隅部の一方にノズル102への流出口が設けられ、他方に供給インクの流入口(供給口)106が設けられている。なお、圧力室104の形状は、本例に限定されず、平面形状が四角形(菱形、長方形など)、五角形、六角形その他の多角形、円形、楕円形など、多様な形態があり得る。
図4は、インクジェットヘッド100における記録素子単位となる1チャンネル分の液滴吐出素子(1つのノズル102に対応したインク室ユニット)の立体的構成を示す断面図(図2(a)中のX−X線に沿う断面図)である。
図4に示したように、各圧力室104は供給口106を介して共通流路110と連通されている。共通流路110はインク供給源たるインクタンク(不図示)と連通しており、インクタンクから供給されるインクは共通流路110を介して各圧力室104に供給される。
圧力室104の一部の面(図4において天面)を構成している加圧板(共通電極と兼用される振動板)112には個別電極114を備えたアクチュエータ116が接合されている。個別電極114と共通電極間に駆動電圧を印加することによってアクチュエータ116が変形して圧力室104の容積が変化し、これに伴う圧力変化によりノズル102からインクが吐出される。なお、アクチュエータ116には、チタン酸ジルコン酸鉛やチタン酸バリウムなどの圧電体を用いた圧電素子が好適に用いられる。インク吐出後、アクチュエータ116の変位が元に戻る際に、共通流路110から供給口106を通って新しいインクが圧力室104に再充填される。
入力画像からデジタルハーフトーニング処理によって生成されるドットデータに応じて各ノズル102に対応したアクチュエータ116の駆動を制御することにより、ノズル102からインク滴を吐出させることができる。記録媒体22を一定の速度で副走査方向に搬送しながら、その搬送速度に合わせて各ノズル102のインク吐出タイミングを制御することによって、記録媒体22上に所望の画像を記録することができる。
上述した構造を有するインク室ユニット108を図5に示す如く主走査方向に沿う行方向及び主走査方向に対して直交しない一定の角度θを有する斜めの列方向に沿って一定の配列パターンで格子状に多数配列させることにより、本例の高密度ノズルヘッドが実現されている。
即ち、主走査方向に対してある角度θの方向に沿ってインク室ユニット108を一定のピッチdで複数配列する構造により、主走査方向に並ぶように投影(正射影)されたノズルのピッチPはd×cosθとなり、主走査方向については、各ノズル102が一定のピッチPで直線状に配列されたものと等価的に取り扱うことができる。このような構成により、主走査方向に並ぶように投影される実質的なノズル列の高密度化を実現することが可能になる。
なお、印字可能幅の全幅に対応した長さのノズル列を有するフルラインヘッドで、ノズルを駆動する時には、(1)全ノズルを同時に駆動する、(2)ノズルを片方から他方に向かって順次駆動する、(3)ノズルをブロックに分割して、ブロックごとに片方から他方に向かって順次駆動する等が行われ、記録媒体22の搬送方向と直交する方向に1ライン(1列のドットによるライン又は複数列のドットから成るライン)を印字するようなノズルの駆動を主走査と定義する。
特に、図5に示すようなマトリクス状に配置されたノズル102を駆動する場合は、上記(3)のような主走査が好ましい。即ち、ノズル102-11、102-12、102-13、102-14、102-15、102-16を1つのブロックとし(他にはノズル102-21、…、102-26を1つのブロック、ノズル102-31、…、102-36を1つのブロック、…として)、記録媒体22の搬送速度に応じてノズル102-11、102-12…、102-16を順次駆動することで記録媒体22の搬送方向と直交する方向に1ラインを印字する。
一方、上述したフルラインヘッドと記録媒体22とを相対移動することによって、上述した主走査で形成された1ライン(1列のドットによるライン又は複数列のドットから成るライン)の印字を繰り返し行うことを副走査と定義する。
そして、上述の主走査によって記録される1ライン(或いは帯状領域の長手方向)の示す方向を主走査方向といい、上述の副走査を行う方向を副走査方向という。即ち、本実施形態では、記録媒体22の搬送方向が副走査方向であり、それに直交する方向が主走査方向ということになる。本発明の実施に際してノズルの配置構造は図示の例に限定されない。
また、本実施形態では、ピエゾ素子(圧電素子)に代表されるアクチュエータ116の変形によってインク滴を飛ばす方式が採用されているが、本発明の実施に際して、インクを吐出させる方式は特に限定されず、ピエゾジェット方式に代えて、ヒータなどの発熱体によってインクを加熱して気泡を発生させ、その圧力でインク滴を飛ばすサーマルジェット方式など、各種方式を適用できる。
(制御系の説明)
図6は、インクジェット記録装置1のシステム構成を示す要部ブロック図である。インクジェット記録装置1は、通信インターフェース120、システムコントローラ122、プリント制御部124、処理液付与制御部126、第1中間搬送制御部128、ヘッドドライバ130、第2中間搬送制御部132、乾燥制御部134、第3中間搬送制御部136、定着制御部138、インラインセンサ90、エンコーダ91、モータドライバ142、メモリ144、ヒータドライバ146、画像バッファメモリ148、吸引制御部149等を備えている。
図6は、インクジェット記録装置1のシステム構成を示す要部ブロック図である。インクジェット記録装置1は、通信インターフェース120、システムコントローラ122、プリント制御部124、処理液付与制御部126、第1中間搬送制御部128、ヘッドドライバ130、第2中間搬送制御部132、乾燥制御部134、第3中間搬送制御部136、定着制御部138、インラインセンサ90、エンコーダ91、モータドライバ142、メモリ144、ヒータドライバ146、画像バッファメモリ148、吸引制御部149等を備えている。
通信インターフェース120は、ホストコンピュータ150から送られてくる画像データを受信するインターフェース部である。通信インターフェース120にはUSB(Universal Serial Bus)、IEEE1394、イーサネット(登録商標)、無線ネットワークなどのシリアルインターフェースやセントロニクスなどのパラレルインターフェースを適用することができる。この部分には、通信を高速化するためのバッファメモリ(不図示)を搭載してもよい。ホストコンピュータ150から送出された画像データは通信インターフェース120を介してインクジェット記録装置1に取り込まれ、一旦メモリ144に記憶される。
システムコントローラ122は、中央演算処理装置(CPU)及びその周辺回路等から構成され、所定のプログラムに従ってインクジェット記録装置1の全体を制御する制御装置として機能するとともに、各種演算を行う演算装置として機能する。即ち、システムコントローラ122は、通信インターフェース120、処理液付与制御部126、第1中間搬送制御部128、ヘッドドライバ130、第2中間搬送制御部132、乾燥制御部134、第3中間搬送制御部136、定着制御部138、メモリ144、モータドライバ142、ヒータドライバ146、吸引制御部149等の各部を制御し、ホストコンピュータ150との間の通信制御、メモリ144の読み書き制御等を行うとともに、搬送系のモータ152やヒータ154を制御する制御信号を生成する。
メモリ144は、通信インターフェース120を介して入力された画像を一旦格納する記憶手段であり、システムコントローラ122を通じてデータの読み書きが行われる。メモリ144は、半導体素子からなるメモリに限らず、ハードディスクなど磁気媒体を用いてもよい。
ROM145には、システムコントローラ122のCPUが実行するプログラム及び制御に必要な各種データなどが格納されている。なお、ROM145は、書換不能な記憶手段であってもよいし、EEPROMのような書換可能な記憶手段であってもよい。メモリ144は、画像データの一時記憶領域として利用されるとともに、プログラムの展開領域及びCPUの演算作業領域としても利用される。
モータドライバ142は、システムコントローラ122からの指示にしたがってモータ152を駆動するドライバである。図6には、装置内の各部に配置されるモータを代表して符号152で図示されている。例えば、図6に示すモータ152には、図1の渡し胴52、処理液ドラム54、描画ドラム70、乾燥ドラム76、定着ドラム84、渡し胴94などの回転を駆動するモータ、描画ドラム70の吸引孔から負圧吸引するためのポンプ75の駆動モータ、インクジェットヘッド72M,72C,72Y,72Kのヘッドユニットの退避機構のモータ、などが含まれている。
ヒータドライバ146は、システムコントローラ122からの指示にしたがって、ヒータ154を駆動するドライバである。図6には、インクジェット記録装置1に備えられる複数のヒータを代表して符号154で図示されている。例えば、図6に示すヒータ154には、給紙部10において記録媒体22を予め適温に加熱しておくための不図示のプレヒータ、などが含まれている。
プリント制御部124は、システムコントローラ122の制御にしたがい、メモリ144内の画像データから印字制御用の信号を生成するための各種加工、補正などの処理を行う信号処理機能を有し、生成した印字データ(ドットデータ)をヘッドドライバ130に供給する制御部である。プリント制御部124において所要の信号処理が施され、該画像データに基づいて、ヘッドドライバ130を介してインクジェットヘッド100のインク液滴の吐出量や吐出タイミングの制御が行われる。これにより、所望のドットサイズやドット配置が実現される。
プリント制御部124には画像バッファメモリ148が備えられており、プリント制御部124における画像データ処理時に画像データやパラメータなどのデータが画像バッファメモリ148に一時的に格納される。なお、図6において画像バッファメモリ148はプリント制御部124に付随する態様で示されているが、メモリ144と兼用することも可能である。また、プリント制御部124とシステムコントローラ122とを統合して1つのプロセッサで構成する態様も可能である。
画像入力から印字出力までの処理の流れを概説すると、印刷すべき画像のデータは、通信インターフェース120を介して外部から入力され、メモリ144に蓄えられる。この段階では、例えば、RGBの画像データがメモリ144に記憶される。
インクジェット記録装置1では、インク(色材)による微細なドットの打滴密度やドットサイズを変えることによって、人の目に疑似的な連続階調の画像を形成するため、入力されたデジタル画像の階調(画像の濃淡)をできるだけ忠実に再現するようなドットパターンに変換する必要がある。そのため、メモリ144に蓄えられた元画像(RGB)のデータは、システムコントローラ122を介してプリント制御部124に送られ、該プリント制御部124において閾値マトリクスや誤差拡散法などを用いたハーフトーニング処理によってインク色ごとのドットデータに変換される。
即ち、プリント制御部124は、入力されたRGB画像データをK,C,M,Yの4色のドットデータに変換する処理を行う。こうして、プリント制御部124で生成されたドットデータは、画像バッファメモリ148に蓄えられる。
ヘッドドライバ130は、プリント制御部124から与えられる印字データ(即ち、画像バッファメモリ148に記憶されたドットデータ)に基づき、インクジェットヘッド100の各ノズル102に対応するアクチュエータ116を駆動するための駆動信号を出力する。ヘッドドライバ130にはヘッドの駆動条件を一定に保つためのフィードバック制御系を含んでいてもよい。
ヘッドドライバ130から出力された駆動信号がインクジェットヘッド100に加えられることによって、該当するノズル102からインクが吐出される。記録媒体22を所定の速度で搬送しながらインクジェットヘッド100からのインク吐出を制御することにより、記録媒体22上に画像が形成される。
また、システムコントローラ122は、処理液付与制御部126、第1中間搬送制御部128、第2中間搬送制御部132、乾燥制御部134、第3中間搬送制御部136、定着制御部138、吸引制御部149を制御する。
処理液付与制御部126は、システムコントローラ122からの指示にしたがい、処理液付与部12の処理液塗布装置56の動作を制御する。具体的には、処理液塗布装置56において、ゴムローラの回転を駆動するゴムローラ回転駆動部156、アニロックスローラの回転を駆動するアニロックスローラ回転駆動部158、処理液容器に処理液を供給する送液ポンプ160等が処理液付与制御部126により制御される。
第1中間搬送制御部128は、システムコントローラ122からの指示にしたがい、第1の中間搬送部24の中間搬送体30の動作を制御する。具体的には、中間搬送体30において、中間搬送体30自体の回転駆動、中間搬送体30に備わる保持手段などを制御する。第2中間搬送制御部132、第3中間搬送制御部136も第1中間搬送制御部128と同様の制御を行う。
[インク]
以下、本発明で使用することができるインクとして、水性インクについて詳細に説明する。水性インクは、樹脂分散剤(A)と、前記樹脂分散剤(A)によって分散された顔料(B)と、自己分散性ポリマー微粒子(C)と、溶剤として水性液媒体(D)とを少なくとも含んでいる。
以下、本発明で使用することができるインクとして、水性インクについて詳細に説明する。水性インクは、樹脂分散剤(A)と、前記樹脂分散剤(A)によって分散された顔料(B)と、自己分散性ポリマー微粒子(C)と、溶剤として水性液媒体(D)とを少なくとも含んでいる。
<樹脂分散剤(A)>
前記樹脂分散剤(A)は、水性液媒体(D)中での顔料(B)の分散剤として用いるものであり、顔料(B)を分散しうる樹脂であれば如何なる樹脂でもかまわないが、樹脂分散剤(A)の構造は、疎水性構造単位(a)と、親水性構造単位(b)とを有することが好ましい。必要に応じて、樹脂分散剤(A)は、前記疎水性構造単位(a)及び前記親水性構造単位(b)とは異なる構造単位(c)を含むことができる。
前記樹脂分散剤(A)は、水性液媒体(D)中での顔料(B)の分散剤として用いるものであり、顔料(B)を分散しうる樹脂であれば如何なる樹脂でもかまわないが、樹脂分散剤(A)の構造は、疎水性構造単位(a)と、親水性構造単位(b)とを有することが好ましい。必要に応じて、樹脂分散剤(A)は、前記疎水性構造単位(a)及び前記親水性構造単位(b)とは異なる構造単位(c)を含むことができる。
前記親水性構造単位(b)及び疎水性構造単位(a)の組成としては、それぞれの親水性、疎水性の程度にもよるが、疎水性構造単位(a)が樹脂分散剤(A)全体の質量に対して80質量%を超えて含有されることが好ましく、85質量%以上がより好ましい。即ち、親水性構造単位(b)は15質量%以下にする必要があり、親水性構造単位(b)が15質量%よりも多い場合には、顔料の分散に寄与せず単独で水性液媒体(D)中に溶解する成分が増加し、顔料(B)の分散性等の諸性能を悪化させ、インクジェット記録用インクの吐出性を悪化させる原因となる。
樹脂分散剤(A)として好ましい具体例を以下に示すが、以下に限定されるものではない。
〈顔料(B)と樹脂分散剤(A)の比率〉
顔料(B)と樹脂分散剤(A)の比率は、重量比で100:25〜100:140が好ましく、さらに好ましくは100:25〜100:50である。樹脂分散剤が100:25以上の場合は分散安定性と耐擦性が良化する傾向となる。樹脂分散剤が100:140以下の場合も、分散安定性が良化する傾向となる。
顔料(B)と樹脂分散剤(A)の比率は、重量比で100:25〜100:140が好ましく、さらに好ましくは100:25〜100:50である。樹脂分散剤が100:25以上の場合は分散安定性と耐擦性が良化する傾向となる。樹脂分散剤が100:140以下の場合も、分散安定性が良化する傾向となる。
<顔料(B)>
顔料(B)とは化学大辞典第3版1994年4月1日発行(編集 大木道則他)の518頁に記載のように、水、有機溶剤にほとんど不溶の有色物質(無機顔料では白色も含む)の総称であり、有機顔料と無機顔料とを用いることができる。
顔料(B)とは化学大辞典第3版1994年4月1日発行(編集 大木道則他)の518頁に記載のように、水、有機溶剤にほとんど不溶の有色物質(無機顔料では白色も含む)の総称であり、有機顔料と無機顔料とを用いることができる。
また、「樹脂分散剤(A)によって分散された顔料(B)」とは、樹脂分散剤(A)によって分散保持されている顔料をいい、水性液媒体(D)に樹脂分散剤(A)を用いて分散保持されている顔料として用いることが好ましい。水性液媒体(D)中には更に分散剤を含んでいても、含んでいなくともよい。
樹脂分散剤(A)によって分散された顔料(B)としては、樹脂分散剤(A)によって分散保持されている顔料であれば、特に限定されないが、中でも、顔料分散の安定性、吐出安定性の観点から、転相法により作製されたマイクロカプセル化顔料であることが一層好ましい。
顔料(B)として、マイクロカプセル化顔料を好ましい例として挙げることができる。マイクロカプセル化顔料とは、顔料が樹脂分散剤(A)で被覆された顔料である。
マイクロカプセル化顔料の樹脂は、前記樹脂分散剤(A)を用いる必要があるが、更に、水に対して自己分散能又は溶解能を有し、かつアニオン性基(酸性)を有する高分子の化合物を樹脂分散剤(A)以外の樹脂に用いることが好ましい。
使用可能な顔料としては、イエローインクの顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、14C、16、17、24、34、35、37、42、53、55、65、73、74、75、81、83、93、95、97、98、100、101、104、108、109、110、114、117、120、128、129、138、150、151、153、154、155、180等が挙げられる。
また、マゼンタインクの顔料としては、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、48(Ca)、48(Mn)、48:2、48:3、48:4、49、49:1、50、51、52、52:2、53:1、53、55、57(Ca)、57:1、60、60:1、63:1、63:2、64、64:1、81、83、87、88、89、90、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、163、166、168、170、172、177、178、179、184、185、190、193、202、209、219等が挙げられ、特に、C.I.ピグメントレッド122が好ましい。
また、シアンインクの顔料としては、C.I.ピグメントブルー1、2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:4、16、17:1、22、25、56、60、C.I.バットブルー4、60、63等が挙げられ、特に、C.I.ピグメントブルー15:3が好ましい。
その他のカラーインクの顔料としては、C.I.ピグメントオレンジ5、13、16、17、36、43、51、C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36、C.I.ピグメントバイオレット1(ローダミンレーキ)、3、5:1、16、19(キナクリドンレッド)、23、38等も挙げられる。その他顔料表面を樹脂等で処理したグラフトカーボン等の加工顔料等も使用できる。
黒色系のものとしては、例えばカーボンブラックが挙げられる。かかるカーボンブラックの具体例としては、三菱化学製のNo.2300、No.900、MCF88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No2200B 等が、コロンビア社製のRaven5750、Raven5250、Raven5000、Raven3500、Raven1255、Raven700等が、キャボット社製のRegal 400R、Regal330R、Regal660R、Mogul L、Monarch700、Monarch800、Monarch 880、Monarch 900、Monarch 1000、Monarch 1100、Monarch 1300、Monarch 1400等が、デグッサ社製のColor Black
FW1、ColorBlack FW2、Color Black FW2V、Color Black FW18、Color Black FW200、ColorBlack S150、Color Black S160、Color Black S170、Printex 35、Printex U 、Printex V、Printex 140U、Special Black 6、Special Black 5、Special Black4A、Special Black4等が挙げられる。
FW1、ColorBlack FW2、Color Black FW2V、Color Black FW18、Color Black FW200、ColorBlack S150、Color Black S160、Color Black S170、Printex 35、Printex U 、Printex V、Printex 140U、Special Black 6、Special Black 5、Special Black4A、Special Black4等が挙げられる。
上記の顔料は、単独種で使用してもよく、また上記した各群内もしくは各群間より複数種選択してこれらを組み合わせて使用してもよい。
<自己分散性ポリマー微粒子(C)>
水性インクは、自己分散性ポリマー微粒子の少なくとも1種を含有する。自己分散性ポリマー微粒子とは、他の界面活性剤の不存在下に、pr樹脂自身が有する官能基(特に、酸性基またはその塩)によって、水性媒体中で分散状態となりうる水不溶性ポリマーであって、遊離の乳化剤を含有しない水不溶性ポリマーの微粒子を意味する。
水性インクは、自己分散性ポリマー微粒子の少なくとも1種を含有する。自己分散性ポリマー微粒子とは、他の界面活性剤の不存在下に、pr樹脂自身が有する官能基(特に、酸性基またはその塩)によって、水性媒体中で分散状態となりうる水不溶性ポリマーであって、遊離の乳化剤を含有しない水不溶性ポリマーの微粒子を意味する。
ここで分散状態とは、水性媒体中に水不溶性ポリマーが液体状態で分散された乳化状態(エマルジョン)、及び、水性媒体中に水不溶性ポリマーが固体状態で分散された分散状態(サスペンジョン)の両方の状態を含むものである。
水不溶性ポリマーにおいては、水性インクに含有されたときのインク凝集速度とインク定着性の観点から、水不溶性ポリマーが固体状態で分散された分散状態となりうる水不溶性ポリマーであることが好ましい。
自己分散性ポリマー微粒子は、芳香族基含有(メタ)アクリレートモノマーに由来する構成単位を含み、その含有量が10質量%〜95質量%であることが好ましい。芳香族基含有(メタ)アクリレートモノマーの含有量が10質量%〜95質量%であることで、自己乳化又は分散状態の安定性が向上し、更にインク粘度の上昇を抑制することができる。
自己分散状態の安定性、芳香環同士の疎水性相互作用による水性媒体中での粒子形状の安定化、粒子の適度な疎水化による水溶性成分量の低下の観点から、15質量%〜90質量%であることがより好ましく、15質量%〜80質量%であることがより好ましく、25質量%〜70質量%であることが特に好ましい。
自己分散性ポリマー微粒子は、例えば、芳香族基含有モノマーからなる構成単位と、解離性基含有モノマーからなる構成単位とから構成することができるが、必要に応じて、その他の構成単位を更に含んで構成することができる。
自己分散性ポリマー微粒子を構成する水不溶性ポリマーの分子量範囲は、重量平均分子量で、3000〜20万であることが好ましく、5000〜15万であることがより好ましく、10000〜10万であることが更に好ましい。重量平均分子量を3000以上とすることで水溶性成分量を効果的に抑制することができる。また、重量平均分子量を20万以下とすることで、自己分散安定性を高めることができる。尚、重量平均分子量は、ゲル透過クロマトグラフ(GPC)によって測定することできる。
自己分散性ポリマー微粒子を構成する水不溶性ポリマーは、ポリマーの親疎水性制御の観点から、芳香族基含有(メタ)アクリレートモノマーを共重合比率として15〜90質量%とカルボキシル基含有モノマーとアルキル基含有モノマーとを含み、酸価が25〜100であって、重量平均分子量が3000〜20万であることが好ましく、芳香族基含有(メタ)アクリレートモノマーを共重合比率として15〜80質量%とカルボキシル基含有モノマーとアルキル基含有モノマーとを含み、酸価が25〜95であって、重量平均分子量が5000〜15万であることがより好ましい。
自己分散性ポリマー微粒子の平均粒径は、10〜400nmの範囲であることが好ましく、10〜200nmがより好ましく、10〜100nmがさらに好ましい。10nm以上の平均粒径であることで製造適性が向上する。また、400nm以下の平均粒径とすることで保存安定性が向上する。
また、自己分散性ポリマー微粒子の粒径分布に関しては、特に制限は無く、広い粒径分布を持つもの、又は単分散の粒径分布を持つもの、いずれでもよい。また、水不溶性粒子を、2種以上混合して使用してもよい。
尚、自己分散性ポリマー微粒子の平均粒径及び粒径分布は、例えば、光散乱法を用いて測定することができる。
自己分散性ポリマー微粒子は、例えば、水性インク組成物に好適に含有させることができ、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
<水性液媒体>
インクジェット記録方式の水性インクにおいて、水性液媒体(D)とは、水及び水溶性有機溶媒の混合物を表す。水溶性有機溶媒(以下、「水溶性有機溶剤」ともいう。)は乾燥防止剤、湿潤剤あるいは浸透促進剤の目的で使用される。
インクジェット記録方式の水性インクにおいて、水性液媒体(D)とは、水及び水溶性有機溶媒の混合物を表す。水溶性有機溶媒(以下、「水溶性有機溶剤」ともいう。)は乾燥防止剤、湿潤剤あるいは浸透促進剤の目的で使用される。
インク組成物は、乾燥防止剤、湿潤剤あるいは浸透促進剤の目的のために、水溶性溶剤を用いる。特に、インクジェット記録方式の水系インク組成物として用いる場合は、乾燥防止剤、湿潤剤あるいは浸透促進剤の目的で、水溶性有機溶剤が好ましく使用される。
ノズルのインク噴射口において該インクジェット用インクが乾燥することによる目詰まりを防止する目的で乾燥防止剤や湿潤剤が用いられ、乾燥防止剤や湿潤剤としては、水より蒸気圧の低い水溶性有機溶剤が好ましい。
また、インク組成物(特に、インクジェット用インク組成物)を紙により良く浸透させる目的で、浸透促進剤として水溶性有機溶剤が好適に使用される。
カールを抑制する目的のため、(a)水溶性溶剤は、SP値27.5以下の水溶性溶剤を90質量%以上含有し、かつ、下記構造式(1)で表される化合物を含有する。ここで、「SP値27.5以下の水溶性溶剤」と「構造式(1)で表される化合物」とが同一であっても、異なるものであってもよい。
水溶性溶剤の溶解度パラメーター(SP値)とは、分子凝集エネルギーの平方根で表される値で、R.F.Fedors,Polymer Engineering Science,14,p147(1967)に記載の方法で計算することができ、この数値を採用する。
構造式(1)中、l、m、及びnは、それぞれ独立に、1以上の整数で、かつ、l+m+n=3〜15を表す。
l+m+nが3未満だとカール抑制力が小さく、また15を超えると吐出性が悪化する。
上記の中でも、l+m+nが3〜12が好ましく、3〜10がより好ましい。
上記構造式(1)中、AOは、エチレンオキシ及び/又はプロピレンオキシを表すが、中でも、プロピレンオキシ基が好ましい。
前記(AO)l、(AO)m、及び(AO)nの各AOはそれぞれ同一でも異なってもよい。
以下に、SP値が27.5以下に該当する水溶性溶剤及び上記構造式(1)で表される化合物の例について、SP値(カッコ内)と共に示す。但し、これに限定されるものではない。
ジエチレングリコールモノエチルエーテル(22.4)
ジエチレングリコールモノブチルエーテル(21.5)
トリエチレングリコールモノブチルエーテル(21.1)
ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(21.3)
ジプロピレングリコール(27.2)
ジエチレングリコールモノブチルエーテル(21.5)
トリエチレングリコールモノブチルエーテル(21.1)
ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(21.3)
ジプロピレングリコール(27.2)
・nC4H9O(AO)4−H (AO=EO又はPOで、比率はEO:PO=1:1) (20.1)
・nC4H9O(AO)10−H (AO=EO又はPOで、比率はEO:PO=1:1) (18.8)
・HO(A’O)40−H (A’O=EO又はPOで、比率はEO:PO=1:3) (18.7)
・HO(A’’O)55−H (A’’O=EO又はPOで、比率はEO:PO=5:6) (18.8)
・HO(PO)3−H (24.7)
・HO(PO)7−H (21.2)
・1,2−ヘキサンジオール (27.4)
EO、POはエチレンオキシ基、プロピレンオキシ基を表す。
・nC4H9O(AO)10−H (AO=EO又はPOで、比率はEO:PO=1:1) (18.8)
・HO(A’O)40−H (A’O=EO又はPOで、比率はEO:PO=1:3) (18.7)
・HO(A’’O)55−H (A’’O=EO又はPOで、比率はEO:PO=5:6) (18.8)
・HO(PO)3−H (24.7)
・HO(PO)7−H (21.2)
・1,2−ヘキサンジオール (27.4)
EO、POはエチレンオキシ基、プロピレンオキシ基を表す。
上記構造式(1)の化合物の(a)水溶性溶剤中に占める割合(含有量)は、10%以上が好ましく、30%以上がより好ましく、更に50%以上が好ましい。その値が高くとも問題は生じるものではない。
上記範囲とすることにより、インクの安定性や吐出性を悪化させずにカールを抑制することができ好ましい。
(a)水溶性溶剤は、単独で使用しても、2種類以上混合して使用しても構わない。
(b)水溶性溶剤の含有量としては、全インク組成物中、安定性および吐出信頼性確保の点から、1質量%以上60質量%以下が好ましく、5質量%以上40質量%以下がより好ましく、10質量%以上30質量%以下が特に好ましく使用される。
(c)水の添加量は特に制限は無いが、全インク組成物中、安定性および吐出信頼性確保の点から、好ましくは10質量%以上99質量%以下であり、より好ましくは30質量%以上80質量%以下であり、更に好ましくは、50質量%以上70質量%以下である。
<界面活性剤>
水性インクには、界面活性剤(以下、表面張力調整剤ともいう。)を添加することが好ましい。界面活性剤としてはノニオン、カチオン、アニオン、ベタイン界面活性剤が挙げられる。表面張力の調整剤の添加量は、インクジェットで良好に打滴するために、水性インクの表面張力を20〜60mN/mに調整する量が好ましく、より好ましくは20〜45mN/m、更に好ましくは25〜40mN/mに調整できる量である。
水性インクには、界面活性剤(以下、表面張力調整剤ともいう。)を添加することが好ましい。界面活性剤としてはノニオン、カチオン、アニオン、ベタイン界面活性剤が挙げられる。表面張力の調整剤の添加量は、インクジェットで良好に打滴するために、水性インクの表面張力を20〜60mN/mに調整する量が好ましく、より好ましくは20〜45mN/m、更に好ましくは25〜40mN/mに調整できる量である。
界面活性剤としては、分子内に親水部と疎水部を合わせ持つ構造を有する化合物等が有効に使用することができ、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤のいずれも使用することができる。更には、上記高分子物質(高分子分散剤)を界面活性剤としても使用することもできる。
<その他の成分>
水性インクはその他の添加剤を含有してもよい。その他の添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、褪色防止剤、防黴剤、pH調整剤、防錆剤、酸化防止剤、乳化安定剤、防腐剤、消泡剤、粘度調整剤、分散安定剤、キレート剤等の公知の添加剤が挙げられる。
水性インクはその他の添加剤を含有してもよい。その他の添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、褪色防止剤、防黴剤、pH調整剤、防錆剤、酸化防止剤、乳化安定剤、防腐剤、消泡剤、粘度調整剤、分散安定剤、キレート剤等の公知の添加剤が挙げられる。
[処理液]
処理液は、水性インク中の成分を固定化させる固定化剤の少なくとも1種を含有する。固定化剤は、紙上において水性インクと接触することにより、水性インクを固定化(凝集)可能なものである。例えば、処理液を付与することにより紙上に固定化剤が存在している状態で水性インクが着滴して接触することにより、水性インク中の成分を凝集させて紙上に固定化することができる。
処理液は、水性インク中の成分を固定化させる固定化剤の少なくとも1種を含有する。固定化剤は、紙上において水性インクと接触することにより、水性インクを固定化(凝集)可能なものである。例えば、処理液を付与することにより紙上に固定化剤が存在している状態で水性インクが着滴して接触することにより、水性インク中の成分を凝集させて紙上に固定化することができる。
水性インクを固定化(凝集)可能なことが望ましいことから、水性インクと接触した際に水性インク中に溶解しやすい素材であることが好ましく、この点で水溶性の高い多価金属塩はより好ましく、更には水溶性の高い酸性物質が好ましい。また、水性インクと反応してインク全体を固定化させる観点から、2価以上の酸性物質が特に好ましい。また、固定化剤として、カチオン性化合物も使用することができる。
ここで、水性インクの凝集反応は、水性インク中に分散した粒子(着色剤(例えば、顔料)、樹脂粒子等)の分散安定性を減じ、インク全体の粘度を上昇させることで達成することができる。例えば、カルボキシル基等の弱酸性の官能基で分散安定化しているインク中の顔料、樹脂粒子などの粒子の表面電荷を、よりpKaの低い酸性物質と反応させることにより減じ、分散安定性を低下することができる。したがって、処理液に含まれる固定化剤としての酸性物質は、pKaが低く、溶解度が高く、価数が2価以上であることが好ましく、インク中の粒子を分散安定化させている官能基(例えば、カルボキシル基)のpKaよりも低いpH領域に高い緩衝能を有する2価又は3価の酸性物質であることがより好ましい。
具体的には、リン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、クエン酸、フタル酸などが挙げられる。また、これらとpKa、溶解度が類似した他の酸性物質も使用可能である。
これらの酸性物質の中でも、クエン酸は、保水力が高く、凝集したインクの物理強度が高くなる傾向にあり、機械特性がより要求される系で好ましく用いられる。一方、マロン酸は、逆に保水力が低く、処理液の乾燥を早めたい場合に好ましく用いられる。
このように、固定化剤は、水性インクの固定化能とは別の副次的因子により、適宜選択して使用することも可能である。
前記多価金属塩としては、周期表の第2属のアルカリ土類金属(例えば、マグネシウム、カルシウム)、周期表の第3属の遷移金属(例えば、ランタン)、周期表の第13属からのカチオン(例えば、アルミニウム)、ランタニド類(例えば、ネオジム)、の塩を挙げることができる。
前記カチオン性化合物としては、カチオン性界面活性剤が好適に挙げられる。カチオン性界面活性剤としては、例えば、1級、2級、又は3級アミン塩型の化合物が好ましい。さらに、所望のpH領域でカチオン性を示す両性界面活性剤も使用可能である。
前記固定化剤は、1種単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
処理液は、前記固定化剤に加えて、一般には水溶性有機溶剤を含むことができ、更に前記水性インクと同様に、その他の各種添加剤を用いて構成することができる。
水溶性有機溶剤としては前記水性インクと同様に、カールを抑制する目的のため、SP値27.5以下の水溶性溶剤を添加することが好ましい。
なお、上記の有機溶媒は、単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。また、これらの有機溶剤は、処理液中に、1〜50質量%含有されることが好ましい。
固定化剤の付与量としては、水性インクを安定化させるに足る量であれば特に制限はなく、0.25g/m2以上であることが好ましく、水性インクを凝集により固定化しやすい点で、0.30g/m2以上2.0g/m2未満であることがより好ましく、0.40g/m2以上1.0g/m2未満であることが更に好ましい。
処理液の表面張力(25℃)は、20mN/m以上60mN/m以下であることが好ましい。より好ましくは、25mN以上50mN/m以下であり、更に好ましくは、25mN/m以上45mN/m以下である。
表面張力は、Automatic Surface Tensiometer CBVP-Z(協和界面科学株式会社製)を用い、水性インクを25℃の条件下で測定されるものである。
また、処理液の25℃での粘度は、0.5〜3.5mL/m2の範囲で塗布を安定に行なう観点から、1.2mPa・s以上15.0mPa・s以下であることが好ましく、より好ましくは2mPa・s以上12mPa・s以下であり、更に好ましくは2mPa・s以上8mPa・s以下である。特に、処理液を紙上に塗布する場合は、粘度(25℃)は2〜8mPa・sが好ましく、2〜6mPa・sがより好ましい。
粘度は、VISCOMETER TV−22(TOKI SANGYO CO.LTD製)を用い、処理液を25℃の条件下で測定されるものである。
次に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(試験例1)
記録媒体として、三菱製紙社製「特菱アート紙(坪量104g/m2)」を用いた。
記録媒体として、三菱製紙社製「特菱アート紙(坪量104g/m2)」を用いた。
[インクの製造]
(樹脂分散剤P−1の合成)
下記スキームにしたがって、樹脂分散剤(A)の1態様である樹脂分散剤P−1を合成した。
(樹脂分散剤P−1の合成)
下記スキームにしたがって、樹脂分散剤(A)の1態様である樹脂分散剤P−1を合成した。
攪拌機、冷却管を備えた1000mLの三口フラスコに、メチルエチルケトン88gを加え、窒素雰囲気下で72℃に加熱し、ここにメチルエチルケトン50gにジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート0.85g、ベンジルメタクリレート60g、メタクリル酸10g、メチルメタクリレート30gを溶解した溶液を3時間かけて滴下した。そして、滴下終了後、さらに1時間反応した後、メチルエチルケトン2gにジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート0.42gを溶解した溶液を加え、78℃に昇温し4時間加熱した。得られた反応溶液は大過剰量のヘキサンに2回再沈殿し、析出した樹脂を乾燥して樹脂分散剤P−1を96g得た。
得られた樹脂分散剤P−1の組成は、H−NMRで確認し、GPCより求めた重量平均分子量(Mw)は44600であった。さらに、JIS規格(JISK0070:1992)記載の方法により、このポリマーの酸価を求めたところ、65.2mgKOH/gであった。
(シアン顔料含有樹脂粒子の分散物の製造)
ピグメントブルー15:3(大日精化株式会社製 フタロシアニンブルーA220)10質量部と、樹脂分散剤(P−1)5質量部と、メチルエチルケトン42質量部と、1規定NaOH水溶液5.8質量部と、イオン交換水86.9質量部を混合し、ビーズミルで0.1mmΦジルコニアビーズを使い、2〜6時間分散した。
ピグメントブルー15:3(大日精化株式会社製 フタロシアニンブルーA220)10質量部と、樹脂分散剤(P−1)5質量部と、メチルエチルケトン42質量部と、1規定NaOH水溶液5.8質量部と、イオン交換水86.9質量部を混合し、ビーズミルで0.1mmΦジルコニアビーズを使い、2〜6時間分散した。
得られた分散物を減圧下55℃でメチルエチルケトンを除去し、さらに、一部の水を除去することにより、顔料濃度が10.2質量%のシアン顔料含有樹脂粒子の分散物を得た。
(マゼンタ顔料含有樹脂粒子の分散物の製造)
シアン顔料分散物の調整の際に使用したピグメントブルー15:3(大日精化株式会社製 フタロシアニンブル−A220)を、チバ・スペシャリティーケミカルズ社のCromophtal Jet Magenta DMQ(PR-122)に代えた以外は同様の手順で、マゼンタ顔料含有樹脂粒子の分散物を得た。
シアン顔料分散物の調整の際に使用したピグメントブルー15:3(大日精化株式会社製 フタロシアニンブル−A220)を、チバ・スペシャリティーケミカルズ社のCromophtal Jet Magenta DMQ(PR-122)に代えた以外は同様の手順で、マゼンタ顔料含有樹脂粒子の分散物を得た。
(インクの組成)
下記処方により、インクA〜Cを作製した。
下記処方により、インクA〜Cを作製した。
(1)インクAの組成
<マゼンタインクAの作製>
マゼンタ顔料含有樹脂粒子の分散物 39.2質量%
ジョンクリル775
(ジョンソンポリマー(株)製、45wt%、ガラス転移点37℃) 11.1質量%
トリオキシプロピレングリセリルエーテル
(サンニックスGP250(三洋化成工業(株)製) 15.0質量%
オルフィンE1010(日信化学工業(株)製) 1.0質量%
イオン交換水 残部
<シアンインクAの作製>
マゼンタ顔料含有樹脂粒子の分散物をシアン顔料含有樹脂粒子の分散物に変更した以外は、上記マゼンタインクAと同組成で作製した。
<マゼンタインクAの作製>
マゼンタ顔料含有樹脂粒子の分散物 39.2質量%
ジョンクリル775
(ジョンソンポリマー(株)製、45wt%、ガラス転移点37℃) 11.1質量%
トリオキシプロピレングリセリルエーテル
(サンニックスGP250(三洋化成工業(株)製) 15.0質量%
オルフィンE1010(日信化学工業(株)製) 1.0質量%
イオン交換水 残部
<シアンインクAの作製>
マゼンタ顔料含有樹脂粒子の分散物をシアン顔料含有樹脂粒子の分散物に変更した以外は、上記マゼンタインクAと同組成で作製した。
(2)インクBの組成
<マゼンタインクBの作製>
マゼンタ顔料含有樹脂粒子の分散物 39.2質量%
ジョンクリル1535
(ジョンソンポリマー(株)製、41wt%、ガラス転移点50℃) 12.2質量%
トリオキシプロピレングリセリルエーテル
(サンニックスGP250(三洋化成工業(株)製) 15.0質量%
オルフィンE1010(日信化学工業(株)製) 1.0質量%
イオン交換水 残部
<シアンインクBの作製>
マゼンタ顔料含有樹脂粒子の分散物をシアン顔料含有樹脂粒子の分散物に変更した以外は、上記マゼンタインクBと同組成で作製した。
<マゼンタインクBの作製>
マゼンタ顔料含有樹脂粒子の分散物 39.2質量%
ジョンクリル1535
(ジョンソンポリマー(株)製、41wt%、ガラス転移点50℃) 12.2質量%
トリオキシプロピレングリセリルエーテル
(サンニックスGP250(三洋化成工業(株)製) 15.0質量%
オルフィンE1010(日信化学工業(株)製) 1.0質量%
イオン交換水 残部
<シアンインクBの作製>
マゼンタ顔料含有樹脂粒子の分散物をシアン顔料含有樹脂粒子の分散物に変更した以外は、上記マゼンタインクBと同組成で作製した。
(3)インクCの組成
<マゼンタインクCの作製>
マゼンタ顔料含有樹脂粒子の分散物 39.2質量%
トリオキシプロピレングリセリルエーテル
(サンニックスGP250(三洋化成工業(株)製) 15.0質量%
オルフィンE1010(日信化学工業(株)製) 1.0質量%
イオン交換水 残部
<シアンインクCの作製>
マゼンタ顔料含有樹脂粒子の分散物をシアン顔料含有樹脂粒子の分散物に変更した以外は、上記マゼンタインクCと同組成で作製した。
<マゼンタインクCの作製>
マゼンタ顔料含有樹脂粒子の分散物 39.2質量%
トリオキシプロピレングリセリルエーテル
(サンニックスGP250(三洋化成工業(株)製) 15.0質量%
オルフィンE1010(日信化学工業(株)製) 1.0質量%
イオン交換水 残部
<シアンインクCの作製>
マゼンタ顔料含有樹脂粒子の分散物をシアン顔料含有樹脂粒子の分散物に変更した以外は、上記マゼンタインクCと同組成で作製した。
[処理液の製造]
下記処方により、処理液を作成した。
下記処方により、処理液を作成した。
(1)処理液の組成
マロン酸(和光純薬工業(株)製) 20.0質量%
ジエチレングリコールモノメチルエーテル
(和光純薬工業(株)製)) 20.0質量%
Zonyl FSN−100 1.0質量%
イオン交換水 残部
[インク描画方法]
図1に記載されたインクジェット記録装置1で、第1のIRヒータ78、第2のIRヒータ82を用いずに、上記処理液および各インクを用いて描画を行った。処理液は、およそ2.0g/m2の厚さになるように塗布したのち、全厚さが1.0g/m2になるように水分を乾燥した。インクは各色(マゼンタ、シアン)をそれぞれ1200×1200dpiの打滴密度で3pLの液滴を吐出し、ブルーのベタ画像を形成した。
マロン酸(和光純薬工業(株)製) 20.0質量%
ジエチレングリコールモノメチルエーテル
(和光純薬工業(株)製)) 20.0質量%
Zonyl FSN−100 1.0質量%
イオン交換水 残部
[インク描画方法]
図1に記載されたインクジェット記録装置1で、第1のIRヒータ78、第2のIRヒータ82を用いずに、上記処理液および各インクを用いて描画を行った。処理液は、およそ2.0g/m2の厚さになるように塗布したのち、全厚さが1.0g/m2になるように水分を乾燥した。インクは各色(マゼンタ、シアン)をそれぞれ1200×1200dpiの打滴密度で3pLの液滴を吐出し、ブルーのベタ画像を形成した。
[評価方法]
描画された画像を、以下の基準で各項目の評価を行った。
描画された画像を、以下の基準で各項目の評価を行った。
(1)カール
それぞれの条件でベタ印刷した紙をA5サイズに切り、紙の4頂点の浮き上がり高さを測定し、4点の算術平均の高さにより評価した。なお、印刷面の中央付近が盛り上がるように紙がカールした場合は、紙をひっくり返し、4頂点が上にそり上がるようにして測定をした。
それぞれの条件でベタ印刷した紙をA5サイズに切り、紙の4頂点の浮き上がり高さを測定し、4点の算術平均の高さにより評価した。なお、印刷面の中央付近が盛り上がるように紙がカールした場合は、紙をひっくり返し、4頂点が上にそり上がるようにして測定をした。
○・・・1.0cm未満
△・・・1.0cm以上2.0cm未満
×・・・2.0cm以上
(2)第1面傷
第2面印刷時に、先に印刷した面(第1面)に傷が発生したか否かを目視で判断した。
△・・・1.0cm以上2.0cm未満
×・・・2.0cm以上
(2)第1面傷
第2面印刷時に、先に印刷した面(第1面)に傷が発生したか否かを目視で判断した。
○・・・傷が認められない。
△・・・一部に傷が認められる。
×・・・全面にわたって傷が認められる。
(3)定着オフセット
描画の後、熱圧ローラー(温度75℃、0.3MPa、表面材質=硬度30度のシリコンゴム)に接触させ、定着オフセットを確認した。
描画の後、熱圧ローラー(温度75℃、0.3MPa、表面材質=硬度30度のシリコンゴム)に接触させ、定着オフセットを確認した。
○・・・接触させた際、ローラーに色材が付着せず、画像面にも劣化が無い。
△・・・ローラーには色材が付着したが、画像面には劣化が無い。
×・・・ローラーに色材が付着し、画像面にも劣化が認められた。
(4)耐擦性
ベタ印刷した紙の印字部を、印字を行っていない紙で10往復こすり、耐擦性を確認した。なお、定着オフセットが発生した実験については、定着オフセットの発生していない領域で評価を行った。
ベタ印刷した紙の印字部を、印字を行っていない紙で10往復こすり、耐擦性を確認した。なお、定着オフセットが発生した実験については、定着オフセットの発生していない領域で評価を行った。
○・・・こすった紙に色材が付着していなく、こすられた紙にも画像の劣化が認められない。
△・・・こすった紙には色材が付着したが、こすられた紙には画像の劣化が認められない。
×・・・こすった紙には色材が付着し、こすられた紙にも画像の劣化が認められた。
[結果]
(i)樹脂粒子の効果について
第1面印刷の結果を図7に、第2面印刷の結果を図8に示す。樹脂粒子を添加していないインクCを用いて画像を形成した試験No.2L、2Mは、第1面の傷の発生を抑制することができたが、耐擦性が悪かった。また、第1面の画像においても、インクCを用いた試験No.1I〜1Lは耐擦性の結果が悪かった。
(i)樹脂粒子の効果について
第1面印刷の結果を図7に、第2面印刷の結果を図8に示す。樹脂粒子を添加していないインクCを用いて画像を形成した試験No.2L、2Mは、第1面の傷の発生を抑制することができたが、耐擦性が悪かった。また、第1面の画像においても、インクCを用いた試験No.1I〜1Lは耐擦性の結果が悪かった。
(ii)第1面の印刷について
第1面の印刷において、乾燥条件が弱い(圧胴温度40℃、熱風40℃)条件だと、乾燥が不十分であるため、定着オフセットの結果が悪かった(試験No.1C、1G)。また、印刷面からの熱風乾燥の熱風温度を60℃と高くした試験No.1B、1D、1F、1Hは紙のカールが著しく悪化した。これは、印刷面のみから水分を除いたため、紙の表裏で水分のバランスが悪くなったためであると考えられる。
第1面の印刷において、乾燥条件が弱い(圧胴温度40℃、熱風40℃)条件だと、乾燥が不十分であるため、定着オフセットの結果が悪かった(試験No.1C、1G)。また、印刷面からの熱風乾燥の熱風温度を60℃と高くした試験No.1B、1D、1F、1Hは紙のカールが著しく悪化した。これは、印刷面のみから水分を除いたため、紙の表裏で水分のバランスが悪くなったためであると考えられる。
したがって、第1面印刷の結果が良好であった試験No.1A、1Eの条件で第1面の印刷を行い、第2面の印刷の条件を変更し、評価を行った。
(iii)第2面の印刷について
第2面の乾燥において、圧胴の温度を第1面の乾燥時の温度(60℃)より低くした
試験No.2C、2D、2F、2H、2I、2Kは、第1面の傷の発生を抑制することができ、良好な画像を形成することができた。また、第2面印刷の乾燥時に、圧胴加熱温度をインク中の樹脂粒子のガラス転移点より高い温度とした試験No.2C、2Fでは、第1面の傷が認められたが、ガラス転移温度より低い、試験No.2D、2H,2I、2Kにおいては良好な結果が得られた。
第2面の乾燥において、圧胴の温度を第1面の乾燥時の温度(60℃)より低くした
試験No.2C、2D、2F、2H、2I、2Kは、第1面の傷の発生を抑制することができ、良好な画像を形成することができた。また、第2面印刷の乾燥時に、圧胴加熱温度をインク中の樹脂粒子のガラス転移点より高い温度とした試験No.2C、2Fでは、第1面の傷が認められたが、ガラス転移温度より低い、試験No.2D、2H,2I、2Kにおいては良好な結果が得られた。
また、第2面の乾燥において、熱風の温度を第1面の乾燥時における熱風の温度より高くした試験No.2C、2D、2H、2Iは、乾燥を十分に行うことができ、良好な結果を得ることができた。逆に、熱風の温度が第1面の乾燥時と同じ温度である、試験No.2F、2Kについては、十分な乾燥ができていないため、ローラーに色材の付着が見られ、また、カールの発生も若干見られた。
一方で、圧胴の温度を60℃とした試験No.2A、2B、2E、2G、2Jについてはいずれも第1面の傷が顕著であった。さらに、熱風の温度を25℃とした試験No.2E、2Jについては、熱風の温度が25℃と低いため、乾燥が不十分であり、定着オフセットが不良であった。また、圧胴と熱風の温度差も大きいため、カールの発生も見られた。
1…インクジェット記録装置、10…給紙部、12…処理液付与部、14…描画部、16…乾燥部、18…定着部、20…排出部、22…記録媒体、24…第1の中間搬送部、26…第2の中間搬送部、28…第3の中間搬送部、30…中間搬送体、70…描画ドラム、72M,72C,72Y,72K…インクジェットヘッド、76…乾燥ドラム、78…第1のIRヒータ、80…温風噴出しノズル、82…第2のIRヒータ、84…定着ドラム、86…第1の定着ローラ、88…第2の定着ローラ
Claims (14)
- 記録媒体上に、少なくとも顔料および樹脂粒子を含むインクを打滴するインク吐出手段と、
前記記録媒体上に付与された前記インクを乾燥する複数の乾燥手段を有する乾燥部と、を備え、
前記複数の乾燥手段の1つは、前記記録媒体の前記インクが打滴された印字面の反対側から前記記録媒体に加熱部材を接触させる裏面接触加熱手段であり、
前記記録媒体に両面印刷する際、先に印字する面を第1面、後に印字する面を第2面とし、各面の乾燥における前記裏面接触加熱手段の加熱温度をTs(i)(i=1、2)としたとき、下記(式1)を満たすように加熱温度を制御する加熱制御手段を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
Ts(1)>Ts(2) ・・・(式1) - 前記複数の乾燥手段の他の1つは、前記印字面側からの非接触加熱手段であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
- 前記非接触加熱手段が、前記印字面側から加熱した風を送風する送風手段であることを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録装置。
- 前記加熱制御手段は、前記記録媒体の各面の乾燥において、前記送風手段における風の温度をTw(i)(i=1、2)とするとき、下記(式2)を満たすように制御することを特徴とする請求項3に記載のインクジェット記録装置。
Tw(1)<Tw(2) ・・・(式2) - 前記加熱制御手段は、前記インク中の前記樹脂粒子のガラス転移温度をTgとするとき、下記(式3)を満たすように制御することを特徴とする請求項1から4いずれかに記載のインクジェット記録装置。
Tg>Ts(2) ・・・(式3) - 前記乾燥部による乾燥後の前記インクの残水量が3.5g/m2以下であり、
前記インクの定着を行う加熱加圧定着手段を備えることを特徴とする請求項1から5いずれかに記載のインクジェット記録装置。 - 前記インク中の顔料と反応する成分を含有する処理液を前記記録媒体上に付与する処理液付与手段と、
前記記録媒体上に付与された前記処理液中の溶媒を乾燥させる処理液乾燥手段と、を備えることを特徴とする請求項1から6いずれかに記載のインクジェット記録装置。 - 記録媒体上に、少なくとも、顔料および樹脂粒子を含むインクを打滴するインク吐出工程と、
前記記録媒体上に付与された前記インクを複数の乾燥手段により乾燥する乾燥工程と、を有し、
前記複数の乾燥手段の1つは、前記記録媒体の前記インクが打滴された印字面の反対側から前記記録媒体に加熱部材を接触させる裏面接触加熱手段であり、
前記記録媒体に両面印刷する際、先に印字する面を第1面、後に印字する面を第2面とし、各面の乾燥における前記裏面接触加熱手段の加熱温度をTs(i)(i=1、2)としたとき、下記(式1)を満たすことを特徴とするインクジェット記録方法。
Ts(1)>Ts(2) ・・・(式1) - 前記複数の加熱手段の他の1つは、前記印字面側からの非接触加熱手段であることを特徴とする請求項8に記載のインクジェット記録方法。
- 前記非接触加熱手段が、前記印字面側から加熱した風を送風する送風手段であることを特徴とする請求項9に記載のインクジェット記録方法。
- 前記記録媒体の各面の乾燥において、前記送風手段の風の温度をTw(i)(i=1、2)とするとき、下記(式2)を満たすことを特徴とする請求項10に記載のインクジェット記録方法。
Tw(1)<Tw(2) ・・・(式2) - 前記インク中の前記樹脂粒子のガラス転移温度Tgとすると、下記(式3)を満たすことを特徴とする請求項8から11いずれかに記載のインクジェット記録方法。
Tg>Ts(2) ・・・(式3) - 前記乾燥工程後の前記インクの残水量が3.5g/m2以下であり、
さらに、前記インクの定着を行う加熱加圧定着工程を有することを特徴とする請求項8から12いずれかに記載のインクジェット記録方法。 - 前記インク中の顔料と反応する成分を含有する処理液を付与する処理液付与工程と、
前記記録媒体上に付与された前記処理液中の溶媒を乾燥させる処理液乾燥工程と、を有することを特徴とする請求項8から13いずれかに記載のインクジェット記録方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009031814A JP2010184481A (ja) | 2009-02-13 | 2009-02-13 | インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US8820875B2 (en) | 2011-09-15 | 2014-09-02 | Ricoh Company, Ltd. | Image forming method and inkjet recording device using the same |
-
2009
- 2009-02-13 JP JP2009031814A patent/JP2010184481A/ja active Pending
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