JP2010182157A - 補正装置及び数値制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ワーク又は工具の移動速度の急変に起因して工作機械に生じるショックを低減しつつ、指令パルスの補正によって分配誤差が生じる区間を低減することが可能な補正装置及び数値制御装置を提供する。
【解決手段】補正装置26は、ワークW又はそのワークWを加工する工具8を対象物としてその対象物を移動させる移動装置を備えた工作機械2の数値制御に用いられ、移動装置に前記対象物の移動を指示するための指令パルスを前記対象物の移動速度の急変が緩和されるように補正するものであって、指令パルスのうち前記対象物の移動速度を急変させる速度急変部分を検出する検出部32aと、指令パルスのうち検出部32aによって検出された速度急変部分を含むパルス補正区間を特定してそのパルス補正区間のみを速度の変化が緩やかになるように局所的に補正する補正部34とを備えている。
【選択図】図2

Description

本発明は、工作機械の数値制御に用いられる補正装置及び数値制御装置に関するものである。
従来、各種工作機械において工具の移動装置及びワークの移動装置の数値制御(NC)が行われている。このような数値制御では、工具の移動装置及びワークの移動装置に与えられる指令パルスに工具やワークの移動速度を急変させるような部分が含まれている場合があり、このような移動速度の急変は工作機械にショックを与えることになるため、好ましくない。そこで、その速度の急変を緩やかな速度の変化となるように指令パルスを補正することが行われている。下記の特許文献1には、このような指令パルスの補正を行う手段の一例として加減速フィルタが示されている。
特開平9−16265号公報
上記のような加減速フィルタを用いて指令パルスを補正する場合には、前記移動速度の急変部分を緩やかにして工作機械に与えられるショックを和らげることができる反面、副作用として、加減速フィルタからの出力パルスが指令パルスに対して遅れるという分配誤差が生じる。しかも、この加減速フィルタでは、指令パルスの全区間を一様に補間するため、その全区間に分配誤差が生じる。この分配誤差を含んだ出力パルスをそのまま工具の移動装置やワークの移動装置に入力すると、それらの移動装置により工具とワークが移動されることによって加工されたワークには形状誤差が生じる。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、ワーク又は工具の移動速度の急変に起因して工作機械に生じるショックを低減しつつ、指令パルスの補正によって分配誤差が生じる区間を低減することが可能な補正装置及び数値制御装置を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明による補正装置は、ワーク又はそのワークを加工する工具を対象物としてその対象物を移動させる移動装置を備えた工作機械の数値制御に用いられ、前記移動装置に前記対象物の移動を指示するための指令パルスを前記対象物の移動速度の急変が緩和されるように補正する補正装置であって、前記指令パルスのうち前記対象物の移動速度を急変させる速度急変部分を検出する検出部と、前記指令パルスのうち前記検出部によって検出された前記速度急変部分を含むパルス補正区間を特定してそのパルス補正区間のみを速度の変化が緩やかになるように局所的に補正する補正部とを備えている。
この補正装置では、検出部により指令パルスのうちワーク又は工具からなる対象物の移動速度を急変させる速度急変部分を検出して、その速度急変部分を含むパルス補正区間のみを速度の変化が緩やかになるように補正部によって局所的に補正するため、ワーク又は工具の移動速度の急変を抑制することができるとともに、指令パルスの全区間を一様に補正する場合に比べて、指令パルスの補正する区間を低減することができる。従って、この補正装置では、ワーク又は工具の移動速度の急変に起因して工作機械に生じるショックを低減しつつ、指令パルスの補正によって分配誤差が生じる区間を低減することができる。
上記補正装置において、前記補正部は、速度変化が緩やかになるように補正した前記パルス補正区間内の前記指令パルスが、そのパルス補正区間の前後に位置する補正していない区間の前記指令パルスと連続するように当該パルス補正区間内の指令パルスの補正を行うことが好ましい。
指令パルスのうちパルス補正区間のみを速度変化が緩やかになるように補正したとしても、その補正後のパルス補正区間内の指令パルスが、パルス補正区間の前後に位置する補正していない区間の指令パルスと不連続になっていれば、その不連続になった箇所において速度の急変が生じてしまう。これに対して、本構成では、補正後のパルス補正区間内の指令パルスがそのパルス補正区間の前後に位置する補正していない区間の指令パルスと連続するように当該パルス補正区間内の指令パルスの補正が行われるので、上記のような不連続な箇所が生じず、その不連続な箇所で発生する速度の急変を防ぐことができる。
この場合において、前記補正部は、前記パルス補正区間内の前記指令パルスの速度変化を緩やかにするための補正量を算出する第1補正量算出部と、その第1補正量算出部によって算出された前記補正量を示す線のうち前記パルス補正区間の始期と終期にそれぞれ対応する各点の値が0でない場合に、それらの点を結んだ直線で表される調整量を求めるとともに、その求めた調整量を前記補正量から差し引くことによって前記パルス補正区間の始期と終期にそれぞれ対応する各点の値が0となる調整後補正量を求める第2補正量算出部と、その第2補正量算出部によって求められた前記調整後補正量を前記パルス補正区間内の前記指令パルスに加算してそのパルス補正区間内の指令パルスを補正する補正量加算部とを有することが好ましい。
第1補正量算出部によりパルス補正区間内の指令パルスの速度変化を緩やかにするための補正量を算出したとしても、その補正量のうちパルス補正区間の始期と終期にそれぞれ対応する各点の値が0でない場合には、その補正量をそのままパルス補正区間内の指令パルスに加算して当該区間を補正すると、補正後のパルス補正区間内の指令パルスとその前後に位置する補正していない区間との間で不連続が生じてしまう。しかしながら、本構成では、第2補正量算出部によりパルス補正区間の始期と終期にそれぞれ対応する各点の値が0となるように調整した調整後補正量を求めることができるとともに、その調整後補正量を補正量加算部によりパルス補正区間内の指令パルスに加算して当該区間を補正することができるので、補正後のパルス補正区間内の指令パルスとその前後に位置する補正していない区間の指令パルスとの不連続が生じるのを防ぐことができる。すなわち、本構成では、速度変化が緩やかになるように補正したパルス補正区間内の指令パルスがそのパルス補正区間の前後に位置する補正していない区間の指令パルスと連続するように当該パルス補正区間内の指令パルスの補正を行うための構成を具体的に構成することができる。
さらにこの場合において、前記パルス補正区間の前後に跨るパルス調整区間を設定する調整区間設定部を備え、前記第1補正量算出部は、前記調整区間設定部によって設定された前記パルス調整区間内に含まれる所定のサイクル毎の前記指令パルスを、それぞれ対応するサイクルを跨ぎ、かつ、所定の区間幅を持つ分配区間の範囲内において前記対応するサイクルの前後に分配した後、前記各サイクル毎に積算した分配パルスを求める分配パルス算出部と、前記パルス補正区間内において、前記分配パルスに従って前記対象物を移動させた場合の前記サイクル毎の位置に相当する分配位置から前記指令パルスに従って前記対象物を移動させた場合の前記サイクル毎の位置に相当する指令位置を差し引いて前記補正量としての分配誤差を算出する分配誤差算出部とを有することが好ましい。
この構成では、パルス補正区間の前後に跨るパルス調整区間内に含まれる所定のサイクル毎の指令パルスを、それぞれ対応するサイクルを跨ぐ分配区間の範囲内において対応するサイクルの前後に分配した後、各サイクル毎に積算した分配パルスが求められるので、指令パルスを対応するサイクル以降の分配区間のみに分配して分配パルスを求める場合に比べて、分配パルスに従って前記対象物を移動させた場合の位置に相当する分配位置を指令パルスに従って前記対象物を移動させた場合の位置に相当する指令位置に近づけることができる。これにより、パルス補正区間内の分配位置から指令位置を差し引いて求められる前記補正量としての分配誤差中に、指令パルスの分配に起因して生じる誤差が含まれる量を低減することができる。従って、前記補正量を用いて補正した後のパルス補正区間内の指令パルスにより移動装置に対象物の移動を指示した場合に、前記指令パルスの分配に起因して生じる対象物の移動位置の遅れを低減することができる。
さらにこの場合において、前記分配パルス算出部は、前記分配区間の始期から前記対応するサイクルまでの範囲における前記指令パルスの分配量と、前記対応するサイクルから前記分配区間の終期までの範囲における前記指令パルスの分配量とが均等化するように前記分配区間の位置を調整しながら前記所定のサイクル毎の前記指令パルスの分配を行うことが好ましい。
このように構成すれば、所定のサイクル毎の指令パルスを対応するサイクルを跨ぐ分配区間においてその対応するサイクルの前後に分配するが、その前後の指令パルスの分配量が均等でない場合に比べて、分配パルスに従って前記対象物を移動させた場合の位置に相当する分配位置を指令パルスに従って前記対象物を移動させた場合の位置に相当する指令位置により近づけることができる。その結果、前記指令パルスの分配に起因して生じる対象物の移動位置の遅れをより低減することができる。
上記調整区間設定部を備えるとともに第1補正量算出部が分配パルス算出部と分配誤差算出部とを有する構成において、前記速度急変部分の速度の変化量に応じた大きさの局部時定数を算出する時定数算出部を備え、前記調整区間設定部は、前記時定数算出部によって算出された前記局部時定数に相当する区間幅を前記速度急変部分の前後にそれぞれ加えた区間を前記パルス調整区間に設定し、前記分配パルス算出部は、前記調整区間設定部によって設定された前記パルス調整区間内に含まれる前記所定のサイクル毎の前記指令パルスを、それぞれ対応するサイクルを跨ぎ、かつ、前記局部時定数に相当する区間幅を持つ前記分配区間内に分配し、前記分配誤差算出部は、前記速度急変部分の前後に前記局部時定数の半分に相当する区間幅をそれぞれ加えた区間を前記パルス補正区間に設定し、そのパルス補正区間内で前記分配誤差を算出することが好ましい。
このように構成すれば、パルス補正区間内での分配パルスの算出に影響のあるパルス調整区間内の指令パルスを分配してそのパルス補正区間内の分配パルスを適切に求めることができるとともに、速度急変部分の速度の変化量に応じた区間幅のパルス補正区間内において前記求めた分配パルスを用いて分配誤差(補正量)を算出することができる。そして、この算出した分配誤差を用いて、速度急変部分の速度の変化量に応じた区間幅のパルス補正区間内で指令パルスを補正することができるので、速度急変部分の速度の変化量に応じた適切な区間幅の指令パルスを速度変化が緩やかになるように適切に補正することができる。
上記補正装置において、前記検出部は、前記指令パルスのうち前記移動装置の許容加速度を超えるような速度変化を指示する部分を前記速度急変部分として検出することが好ましい。
このように構成すれば、指令パルスのうち前記速度急変部分を検出する検出部を具体的に構成することができるとともに、移動装置の許容加速度を超えるような速度の急変部分を緩和して、そのような許容加速度を超える速度の急変の指令に応じて移動装置が駆動されることに起因して当該移動装置に不具合が生じるのを防ぐことができる。
本発明による数値制御装置は、上記いずれかの構成の補正装置を備えた数値制御装置であって、前記補正部によって補正された後の前記指令パルスに基づいて前記移動装置を駆動させる駆動制御部を備えている。
この数値制御装置は、上記補正装置を備えているので、ワーク又は工具の移動速度の急変に起因して工作機械に生じるショックを低減しつつ、指令パルスの補正によって分配誤差が生じる区間を低減することができるという上記補正装置と同様の効果を得ることができる。
以上説明したように、本発明によれば、ワーク又は工具の移動速度の急変に起因して工作機械に生じるショックを低減しつつ、指令パルスの補正によって分配誤差が生じる区間を低減することができる。
本発明の一実施形態による補正装置を適用した数値制御装置を備える工作機械の概略的な斜視図である。 本発明の一実施形態による補正装置を備えた数値制御装置の機能ブロック図である。 本発明の一実施形態における指令パルス、分配パルス、分配誤差、調整後補正量及び補正後の指令パルスを説明するための図である。 本発明の一実施形態の数値制御装置による工作機械の制御プロセスを示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
まず、図1〜図3を参照して、本発明の一実施形態による数値制御装置4及びその数値制御装置4に用いられる補正装置26の構成について説明する。
本実施形態による補正装置26は、例えば図1に示すような工作機械2に設けられる数値制御装置4に組み込まれている。この工作機械2は、ワークWを水平面上のX軸方向に移動させるワーク移動装置6と、水平面上において前記X軸方向に直交するY軸方向に、ワークWを切削するための工具8を移動させる工具移動装置10とを備えている。前記ワークWと前記工具8は、それぞれ本発明の対象物の概念に含まれるものであり、前記ワーク移動装置6と前記工具移動装置10は、それぞれ本発明の移動装置の概念に含まれるものである。
ワーク移動装置6は、設置面上に固定されたベッド6a上において前記X軸方向にテーブル6bを移動させることにより、そのテーブル6b上に載置されるワークWをX軸方向に移動させる。このワーク移動装置6は、テーブル6bをX軸方向に移動させるための駆動源としてサーボモータ6c(図2参照)を備えている。
工具移動装置10は、工具8を保持するとともにその工具8をテーブル6bの上面に対して垂直な軸回りに回転させる主軸装置10aを有しており、この主軸装置10aを前記ベッド6aの上方に水平配置されたクロスレール12に沿って前記Y軸方向に移動させることにより、工具8をそのY軸方向に移動させる。この工具移動装置10は、主軸装置10aをY軸方向に移動させるための駆動源としてサーボモータ10c(図2参照)を備えている。なお、クロスレール12は、ベッド6aを挟んで立設された一対のコラム14に上下方向に移動可能に支持されており、図略の駆動装置によりクロスレール12、工具移動装置10及び工具8がコラム14に沿って上下に移動させられるようになっている。
そして、本実施形態の数値制御装置4は、前記ワーク移動装置6及び前記工具移動装置10の駆動を数値制御するものであり、ワークWのX軸方向への移動と工具8のY軸方向への移動とを同時制御する。このワークW及び工具8の移動の同時制御により、工具8が回転しながらワークWに所定形状の切削加工を行うようになっている。この数値制御装置4による数値制御の機能は、両移動装置6,10に対して共通であるので、以下では、ワークW又は工具8を対象物とし、ワーク移動装置6又は工具移動装置10を移動装置として説明する。すなわち、以下の説明において、ワークWを対象物とした場合は、移動装置は、ワーク移動装置6を意味し、工具8を対象物とした場合は、移動装置は、工具移動装置10を意味する。
数値制御装置4は、図2に示すように、NCプログラム記憶部22と、NCプログラム読み取り部24と、補正装置26と、駆動制御部28とを有する。
NCプログラム記憶部22は、前記移動装置の駆動を数値制御するためのNCプログラム(数値制御プログラム)が記憶される部分である。このNCプログラムには、前記対象物の対応する移動方向(X軸方向又はY軸方向)への送り速度及び移動量の指令が含まれる。
NCプログラム読み取り部24は、工作機械2の使用者によるNCプログラムの入力を受け付けるとともに、その入力されたNCプログラムをNCプログラム記憶部22に記憶させて管理する。さらに、このNCプログラム読み取り部24は、NCプログラム記憶部22に記憶させたNCプログラムを随時読み取るとともに、解析し、その内容に応じて後述する指令パルス算出部29及び分配パルス算出部58と、駆動制御部28とを起動させる。
補正装置26は、前記移動装置に前記対象物の移動を指示するための指令パルスを前記対象物の移動速度の急変が緩和されるように補正して、その補正後の指令パルスを出力するものである。
具体的には、この補正装置26は、指令パルス算出部29と、加減速フィルタ30とを備えている。
指令パルス算出部29は、NCプログラム読み取り部24が読み取って解析したNCプログラムに基づいて、前記指令パルスを算出する。具体的には、指令パルス算出部29は、NCプログラム読み取り部24によって読み取られて解析されたNCプログラムに含まれる前記対象物の対応する移動方向(X軸方向又はY軸方向)への移動量をそれぞれ微小時間である所定のサイクル毎に分配して指令パルスを算出する。換言すると、この指令パルス算出部29によって算出される指令パルスは、NCプログラムが指示する送り速度を満たす条件で、NCプログラムに含まれる対象物の移動量を前記サイクル毎に分配し、その各サイクル毎の微小な移動量として表すものとなる。
加減速フィルタ30は、指令パルス算出部29によって算出された指令パルスのうち前記対象物の移動速度を急変させる速度急変部分を速度変化が緩やかになるように補正するものである。
この加減速フィルタ30は、監視部32と、補正部34とを備えている。
監視部32は、指令パルス算出部29によって算出された指令パルスを監視しており、その指令パルスのうち前記速度急変部分を検出する。また、監視部32は、指令パルスのうち検出して補正対象に設定した速度急変部分の速度の変化量に応じた大きさの局部時定数を算出する機能と、その補正対象に設定した速度急変部分を含む後述のパルス補正区間の前後に跨るパルス調整区間を設定する機能とを有する。
具体的には、監視部32は、検出部32aと、時定数算出部32bと、調整区間設定部32cとを有する。
検出部32aは、指令パルスのうち前記速度急変部分を検出するものである。指令パルスには、図3(a)に示すように、速度急変部分として、前記対象物を停止状態から移動開始させる部分101や、移動中の前記対象物の移動速度を急激に変化させる部分102や、前記対象物に対応する移動方向において微小な振動をその対象物に所定期間に亘って発生させる部分103、また、移動中の前記対象物を停止させる部分(図示せず)が含まれる。この検出部32aは、指令パルスのうち前記移動装置の許容加速度を超えるような前記対象物の速度変化を指示する部分を速度急変部分として検出する。
なお、許容加速度は、パラメータとして設定されるものであり、この許容加速度の値は、その値を超える速度変化を示す指令パルスがそのまま移動装置のサーボモータ6c,10cへ出力されると、サーボモータ6c,10cの駆動の限界を超えてその駆動に問題が発生すると予想される限界の値に設定される。また、検出部32aが指令パルス中に複数の速度急変部分を検出した場合、それらの速度急変部分の補正が順次行われるが、検出部32aは、それらの速度急変部分のうち、まず補正を行う対象の速度急変部分を設定する。
時定数算出部32bは、検出部32aにより補正対象に設定された速度急変部分の速度の変化量に応じた大きさの局部時定数を算出する。詳細には、時定数算出部32bは、図3に示すように、指令パルス中に複数の速度急変部分(101,102,103)がある場合に、その複数の速度急変部分の中から検出部32aによって補正対象に設定された速度急変部分毎にその速度の変化量に応じた適切な大きさの局部時定数(T1,T2,T3)を算出する。すなわち、時定数算出部32bは、補正対象に設定された速度急変部分の速度の変化量が大きい程、大きな局部時定数を設定し、補正対象に設定された速度急変部分の速度の変化量が小さい程、小さな局部時定数を設定する。具体的には、時定数算出部32bは、前記補正対象に設定された速度急変部分の速度の変化量を、対応する移動装置の前記許容加速度で除することによりその補正対象に設定された速度急変部分に応じた局部時定数を算出する。
調整区間設定部32cは、検出部32aによって補正対象に設定された速度急変部分を含む後述のパルス補正区間の前後に跨るパルス調整区間を設定する。具体的には、調整区間設定部32cは、前記補正対象に設定された速度急変部分について時定数算出部32bが算出した局部時定数に相当する区間幅をその補正対象に設定された速度急変部分の前後にそれぞれ加えた区間をパルス調整区間に設定する。
補正部34は、指令パルスのうち検出部32aによって検出されて補正対象に設定された前記速度急変部分を含むパルス補正区間を特定して、そのパルス補正区間のみを速度の変化が緩やかになるように局所的に補正する。そして、この補正部34は、速度変化が緩やかになるように補正した後のパルス補正区間内の指令パルスが、そのパルス補正区間の前後に位置する補正していない区間の指令パルスと連続するように当該パルス補正区間内の指令パルスの補正を行う。
具体的には、この補正部34は、第1補正量算出部42と、第2補正量算出部44と、補正量加算部46とを有する。
第1補正量算出部42は、パルス補正区間内の指令パルスの速度変化を緩やかにするための補正量を算出するものである。この第1補正量算出部42は、データ記憶部52と、時定数記憶部56と、分配パルス算出部58と、分配誤差算出部60とを有する。
データ記憶部52は、指令パルス算出部29によって算出された前記各サイクル毎の指令パルスや、分配パルス算出部58によって算出される後述の分配パルス、また、前記サイクルの時間長さ及び前記移動装置の許容加速度等のパラメータを記憶する。
時定数記憶部56は、時定数算出部32bによって算出された前記局部時定数を記憶する。
分配パルス算出部58は、調整区間設定部32cによって設定された前記パルス調整区間内に含まれる指令パルスから分配パルス(図3(b)参照)を算出する。詳細には、この分配パルス算出部58は、調整区間設定部32cによって設定されたパルス調整区間内に含まれる前記各サイクル毎の指令パルスを、それぞれ対応するサイクルを跨ぎ、かつ、時定数記憶部56から読み取った補正対象の速度急変部分に対応する局部時定数に相当する区間幅の分配区間内において対応するサイクルの前後に分配した後、各サイクル毎に積算して分配パルスを求める。なお、分配パルス算出部58は、分配区間の始期から前記対応するサイクルまでの範囲における指令パルスの分配量と、前記対応するサイクルから分配区間の終期までの範囲における指令パルスの分配量とが均等化するように分配区間の位置を調整しながら各サイクル毎の指令パルスの分配を行う。本実施形態では、分配パルス算出部58は、前記読み取った局部時定数に相当する区間幅の分配区間の中心が前記対応するサイクルに一致する位置に当該分配区間を設定して、指令パルスの分配を行う。
分配誤差算出部60は、パルス補正区間内の指令パルスを補正するための補正量としての分配誤差(図3(c)参照)を算出する。具体的には、この分配誤差算出部60は、前記補正対象に設定された速度急変部分の前後にその速度急変部分に対応する局部時定数の半分に相当する区間幅をそれぞれ加えた区間をパルス補正区間に設定する。換言すれば、分配誤差算出部60は、調整区間設定部32cによって設定されたパルス調整区間のうちその始期から後と終期から前とにそれぞれ位置する対応する局部時定数の半分に相当する区間を除いた区間をパルス補正区間に設定する。そして、この分配誤差算出部60は、設定したパルス補正区間内において、前記分配パルス算出部58によって算出された分配パルスに従って前記対象物を移動させた場合の前記サイクル毎の位置に相当する分配位置と、指令パルスに従って前記対象物を移動させた場合の前記サイクル毎の位置に相当する指令位置とをそれぞれ求め、その求めた分配位置から指令位置を差し引くことによって分配誤差を算出する。
第2補正量算出部44は、第1補正量算出部42によって算出された前記補正量(分配誤差)を示す線のうちパルス補正区間の始期と終期にそれぞれ対応する各点の値が0でない場合に、その各点の値が0になるように調整した調整後補正量(図3(d)参照)を算出する。具体的には、この第2補正量算出部44は、前記補正量のうちパルス補正区間の始期と終期にそれぞれ対応する各点の値が0でない場合に、それらの点を結んだ直線で表される調整量を求め、その求めた調整量を前記補正量から差し引くことによってパルス補正区間の始期と終期にそれぞれ対応する各点の値が0となる調整後補正量を算出する。なお、第2補正量算出部44は、第1補正量算出部42によって算出された前記補正量のうち前記パルス補正区間の始期と終期にそれぞれ対応する各点の値が0である場合には、その補正量を調整せずにそのまま出力する。
補正量加算部46は、第2補正量算出部44から出力された補正量をパルス補正区間内の指令パルスに加算することによって、指令パルス全体のうちそのパルス補正区間内の指令パルスのみを補正する。すなわち、この補正量加算部46は、第1補正量算出部42によって算出された前記補正量のうちパルス補正区間の始期と終期にそれぞれ対応する各点の値が0でない場合には、第2補正量算出部44によって算出された前記調整後補正量をパルス補正区間内の指令パルスに加算する一方、第1補正量算出部42によって算出された前記補正量のうちパルス補正区間の始期と終期にそれぞれ対応する各点の値が0である場合には、第2補正量算出部44が調整せずにそのまま出力する前記補正量(第1補正量算出部42が算出した補正量)をパルス補正区間内の指令パルスに加算する。この補正量の加算により、パルス補正区間内の指令パルスは、図3(e)に示すように、そのパルス補正区間の前後に位置する補正していない区間の指令パルスと連続している状態を保ちつつ、その速度変化が緩やかになるように補正される。
駆動制御部28は、補正部34によって補正された後の指令パルスに基づいて前記移動装置を駆動させるものである。具体的には、駆動制御部28は、補正部34によって補正された後の指令パルスを前記移動装置のサーボモータ6c,10cへ出力する。すなわち、駆動制御部28は、指令パルスがワークWの移動に関するものである場合にその補正後の指令パルスをワーク移動装置6のサーボモータ6cへ出力する一方、指令パルスが工具8の移動に関するものである場合にその補正後の指令パルスを工具移動装置10のサーボモータ10cへ出力する。ワーク移動装置6のサーボモータ6cは、補正後の指令パルスに従って駆動し、その補正後の指令パルスに従った各サイクル毎の移動量でワークW(テーブル6b)をX軸方向に移動させるようになっている。また、工具移動装置10のサーボモータ10cは、補正後の指令パルスに従って駆動し、その補正後の指令パルスに従った各サイクル毎の移動量で工具8(主軸装置10a)をY軸方向に移動させるようになっている。
次に、図4のフローチャート及び上記図1〜図3を参照して、本実施形態の数値制御装置4による工作機械2の制御プロセス及びその制御プロセスに組み込まれた補正装置26による指令パルスの補正プロセスについて説明する。
まず、前段階として、工作機械2の調整者により数値制御装置4に前記サイクルの時間長さ、ワーク移動装置6の許容加速度及び工具移動装置10の許容加速度等のパラメータが入力されて設定されている。これらの数値制御装置4に入力された各値は、データ記憶部52に記憶されて管理される。
この状態で、工作機械2の使用者がNCプログラムを数値制御装置4に入力する。この数値制御装置4に入力されるNCプログラムには、前記対象物の送り速度及び各移動方向(X軸方向、Y軸方向)への移動量が含まれ、このNCプログラムは、NCプログラム記憶部22に記憶されて管理される。
そして、NCプログラム読み取り部24がNCプログラム記憶部22に記憶されたNCプログラムを読み取って解析するとともに、そのNCプログラム読み取り部24により解析されたNCプログラムで設定された各値に基づいて補正装置26の指令パルス算出部29が前記各サイクル毎の指令パルスを算出し、その指令パルスをデータ記憶部52の指令パルスバッファに登録する(ステップS2)。
監視部32の検出部32aは、指令パルス算出部29によって算出される指令パルスを監視しており、その状態で当該検出部32aが指令パルス中に前記速度急変部分を検出したか否かが判断される(ステップS4)。検出部32aが指令パルス中に速度急変部分を検出したと判断された場合でその速度急変部分が複数ある場合には、検出部32aが、それらの速度急変部分の中からまず補正を行う対象の1つの速度急変部分を設定するとともに、時定数算出部32bが、その補正対象に設定された速度急変部分の速度の変化量に応じた大きさの局部時定数を算出し(ステップS6)、その算出した局部時定数を時定数記憶部56に記憶させる。
その後、調整区間設定部32cは、検出部32aにより補正対象に設定された速度急変部分の前後に時定数算出部32bにより算出された局部時定数に相当する区間幅をそれぞれ加えた区間をパルス調整区間として設定する(ステップS8)。
次に、分配パルス算出部58が、データ記憶部52の分配パルスバッファをゼロクリアした後、前記調整区間設定部32cによって設定されたパルス調整区間内に含まれる指令パルスから分配パルスを算出し、その分配パルスをデータ記憶部52の分配パルスバッファに登録する(ステップS10)。この際、分配パルス算出部58は、パルス調整区間内の各サイクル毎の指令パルスを、それぞれ対応するサイクルを跨ぎ、かつ、前記ステップS6で算出された局部時定数に相当する区間幅を持つ分配区間内において前記対応するサイクルの前後に分配し、その後、各サイクル毎に積算することにより分配パルスを算出する。そして、分配パルス算出部58は、前記対応するサイクルの前後における指令パルスの分配量が均等化されるように、分配区間の中心が前記対応するサイクルに一致する位置に当該分配位置を設定しながら指令パルスの分配を行う。
次に、分配誤差算出部60が、前記補正対象の速度急変部分の前後に前記ステップS6で算出された局部時定数の半分に相当する区間幅をそれぞれ加えたパルス補正区間を設定する(ステップS12)。
その後、分配誤差算出部60は、データ記憶部52の分配パルスバッファに登録された分配パルスとデータ記憶部52の指令パルスバッファに登録された指令パルスとを読み取り、前記設定したパルス補正区間内において、その分配パルスに従って前記対象物を移動させた場合の位置に相当する分配位置とその指令パルスに従って前記対象物を移動させた場合の位置に相当する指令位置とを求める。具体的には、分配誤差算出部60は、設定したパルス補正区間内において各サイクル毎の前記分配パルスを積算することによって前記分配位置を算出する一方、設定したパルス補正区間内において各サイクル毎の指令パルスを積算することによって前記指令位置を算出する。そして、分配誤差算出部60は、その求めた分配位置から指令位置を差し引くことによって当該パルス補正区間内の分配誤差を算出する(ステップS14)。この分配誤差算出部60によって算出された分配誤差が第1補正量算出部42が求める前記補正量となる。
次に、求められた前記補正量(分配誤差)のうち前記パルス補正区間の始期と終期に対応する各点が両方とも0であるか否かが判断される(ステップS16)。指令パルスのうちパルス補正区間の始期と終期が前記対象物を加速又は減速させる箇所である場合には、前記補正量のうちパルス補正区間の始期と終期に対応する各点の値は0にならず、その一方で指令パルスのうちパルス補正区間の始期と終期が前記対象物を等速移動させる箇所である場合には、前記補正量のうちパルス補正区間の始期と終期に対応する各点の値は0になる。このステップS16の判断において、前記補正量のうちパルス補正区間の始期と終期に対応する点の少なくとも一方が0ではない場合には、第2補正量算出部44により、前記補正量のパルス補正区間の始期と終期に対応する各点の値が0になるように調整した調整後補正量が算出される(ステップS18)。具体的には、第2補正量算出部44は、パルス補正区間の分配誤差の始点と終点とを結んだ直線で表される調整量を求め、その求めた調整量をパルス補正区間内の補正量から差し引いて前記調整後補正量を算出する。
この後、補正量加算部46が、第2補正量算出部44によって算出された前記調整後補正量をパルス補正区間内の指令パルスに加算することによりそのパルス補正区間内の指令パルスを補正する(ステップS20)。これにより、パルス補正区間内の指令パルスが、その前後に位置する補正していない指令パルスと連続している状態を保ちつつ、速度変化が緩やかになるように補正される。
一方、前記ステップS16において、前記補正量のうちパルス補正区間の始期と終期に対応する各点の値が両方とも0であると判断された場合には、第2補正量算出部44は、調整後補正量の算出を行わずに第1補正量算出部42によって算出された前記補正量をそのまま出力し、補正量加算部46が、その出力された補正量をパルス補正区間内の指令パルスに加算する前記ステップS20の処理が行われる。この場合も、パルス補正区間内の指令パルスは、その前後に位置する補正していない指令パルスと連続している状態を保ちつつ、速度変化が緩やかになるように補正される。
そして、ステップS20の処理が終わると、前記ステップS4の判断に戻り、さらに補正すべき速度急変部分が指令パルスに残っている場合には、前記一連の補正処理が繰り返し行われる。そして、指令パルス中の全ての速度急変部分が補正されて補正すべき速度急変部分が残っていない場合には、駆動制御部28が、各速度急変部分が補正された補正後の指令パルスを出力パルスとして移動装置のサーボモータ6c又は10cへ出力する(ステップS22)。これにより、移動装置が補正後の指令パルスに従って駆動し、ワークWの切削加工が行われる。
以上説明したように、本実施形態では、検出部32aにより指令パルスのうちワークW又は工具8からなる前記対象物の移動速度を急変させる速度急変部分を検出して、その速度急変部分を含むパルス補正区間のみを速度の変化が緩やかになるように補正部34によって局所的に補正するため、ワークW又は工具8の移動速度の急変を抑制することができるとともに、指令パルスの全区間を一様に補正する場合に比べて、指令パルスの補正する区間を低減することができる。従って、本実施形態では、ワークW又は工具8の移動速度の急変に起因して工作機械2に生じるショックを低減しつつ、指令パルスの補正によって分配誤差が生じる区間を低減することができる。
また、本実施形態では、補正部34は、速度変化が緩やかになるように補正したパルス補正区間内の指令パルスが、そのパルス補正区間の前後に位置する補正していない区間の指令パルスと連続するように当該パルス補正区間内の指令パルスの補正を行うので、補正後のパルス補正区間の指令パルスとその前後に位置する補正していない区間の指令パルスとの間で不連続となる箇所が生じてその不連続箇所において速度の急変が生じるのを防ぐことができる。
また、本実施形態では、第1補正量算出部42の分配パルス算出部58が、パルス補正区間の前後に跨るパルス調整区間内に含まれる所定のサイクル毎の指令パルスを、それぞれ対応するサイクルを跨ぐ分配区間の範囲内において対応するサイクルの前後に分配した後、各サイクル毎に積算した分配パルスを求めるので、指令パルスを対応するサイクル以降の分配区間のみに分配して分配パルスを求める場合に比べて、分配パルスに従って前記対象物を移動させた場合の位置に相当する分配位置を指令パルスに従って前記対象物を移動させた場合の位置に相当する指令位置に近づけることができる。これにより、パルス補正区間内の分配位置から指令位置を差し引いて求められる前記補正量としての分配誤差中に、指令パルスの分配に起因して生じる誤差が含まれる量を低減することができる。従って、前記補正量を用いて補正した後のパルス補正区間内の指令パルスにより前記移動装置に前記対象物の移動を指示した場合に、前記指令パルスの分配に起因して生じる前記対象物の移動位置の遅れを低減することができる。
さらに本実施形態では、分配パルス算出部58が、分配区間の始期から前記対応するサイクルまでの範囲における指令パルスの分配量と、前記対応するサイクルから分配区間の終期までの範囲における指令パルスの分配量とが均等化するように分配区間の位置を調整しながら各サイクル毎の指令パルスの分配を行うので、分配区間内において前記対応するサイクルの前後への指令パルスの分配量が均等でない場合に比べて、分配パルスに従って前記対象物を移動させた場合の位置に相当する分配位置を指令パルスに従って前記対象物を移動させた場合の位置に相当する指令位置により近づけることができる。その結果、前記指令パルスの分配に起因して生じる前記対象物の移動位置の遅れをより低減することができる。
また、本実施形態では、時定数算出部32bが前記速度急変部分の速度の変化量に応じた大きさの局部時定数を求めるとともに、調整区間設定部32cがその局部時定数に相当する区間幅を速度急変部分の前後にそれぞれ加えた区間をパルス調整区間に設定し、分配パルス算出部58が、調整区間設定部32cによって設定されたパルス調整区間内に含まれる各サイクル毎の指令パルスを、それぞれ対応するサイクルを跨ぎ、かつ、前記局部時定数に相当する区間幅の分配区間内に分配し、さらに、分配誤差算出部60が、前記速度急変部分の前後に前記局部時定数の半分に相当する区間幅をそれぞれ加えた区間をパルス補正区間に設定してそのパルス補正区間内で分配誤差を算出する。このため、本実施形態では、パルス補正区間内での分配パルスの算出に影響のあるパルス調整区間内の指令パルスを分配してパルス補正区間内の分配パルスを適切に求めることができるとともに、速度急変部分の速度の変化量に応じた区間幅のパルス補正区間内において前記求めた分配パルスを用いて分配誤差(補正量)を算出することができる。そして、この算出した分配誤差(補正量)を用いて、速度急変部分の速度の変化量に応じた区間幅のパルス補正区間内で指令パルスを補正することができるので、速度急変部分の速度の変化量に応じた適切な区間幅の指令パルスを速度変化が緩やかになるように適切に補正することができる。
また、本実施形態では、検出部32aが、指令パルスのうち前記移動装置の許容加速度を超えるような速度変化を指示する部分を速度急変部分として検出するので、前記移動装置の許容加速度を超えるような速度の急変部分を緩和することができ、そのような許容加速度を超える速度の急変の指令に応じて移動装置が駆動されることに起因して当該移動装置に不具合が生じるのを防ぐことができる。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均一の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。
例えば、本発明は、上記実施形態で例示した工作機械2以外の種々の工作機械に適用可能であり、ワークと工具のいずれか一方のみが移動されるような工作機械にも適用可能である。
また、分配パルス算出部58が分配パルスを算出する際、各サイクルの指令パルスを、必ずしも分配区間の始期から対応するサイクルまでの範囲におけるその指令パルスの分配量と、対応するサイクルから分配区間の終期までの範囲におけるその指令パルスの分配量とが均等になるように分配しなくてもよい。
また、上記実施形態では、指令パルス中の全ての速度急変部分の補正が終了した後、その補正後の指令パルスを駆動制御部28が出力パルスとして移動装置のサーボモータ6c又は10cへ出力する例を示したが、本発明はこの構成に限らない。すなわち、指令パルス中の複数の速度急変部分を1つずつ補正しながら、駆動制御部28が指令パルスのうち補正の終了した部分を移動装置のサーボモータ6c又は10cへ順次出力するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、補正装置26のうち加減速フィルタ30の監視部32が、前記速度急変部分を検出する検出部32a、前記局部時定数を算出する時定数算出部32b及び前記調整区間を設定する調整区間設定部32cを有する構成を例にとって説明したが、本発明はこの構成に限らない。例えば、これら検出部32a、時定数算出部32b及び調整区間設定部32cのうち少なくとも1つが補正装置26内であって加減速フィルタ30の外部に設けられていてもよい。その一例として、指令パルス算出部29が検出部32aの機能を兼ね備えていて、算出した指令パルスとともに検出した前記速度急変部分の情報を加減速フィルタ30へ与えるような構成であってもよい。さらに、指令パルス算出部29は、検出部32aの機能に加えて、時定数算出部32b及び調整区間設定部32cの機能をも兼ね備えていてもよい。また、上記実施形態では、加減速フィルタ30のうち補正部34の分配誤差算出部60が前記パルス補正区間を設定する例について説明したが、これに限らず、補正装置26内であって加減速フィルタ30の外部に前記パルス補正区間を設定するための補正区間設定部が別に設けられていてもよい。また、指令パルス算出部29がその補正区間設定部の機能を兼ね備えていてもよい。
また、上記実施形態では、指令パルスが前記移動装置に前記対象物を加減速させながら移動させるような例を示したが、指令パルスが前記移動装置に前記対象物の等速移動を指示するような構成でも本発明による加減速フィルタ及び数値制御装置を適用することができる。
2 工作機械
4 数値制御装置
6 ワーク移動装置(移動装置)
8 工具(対象物)
10 工具移動装置(移動装置)
26 補正装置
28 駆動制御部
32a 検出部
32b 時定数算出部
32c 調整区間設定部
34 補正部
42 第1補正量算出部
44 第2補正量算出部
46 補正量加算部
58 分配パルス算出部
60 分配誤差算出部
W ワーク(対象物)

Claims (8)

  1. ワーク又はそのワークを加工する工具を対象物としてその対象物を移動させる移動装置を備えた工作機械の数値制御に用いられ、前記移動装置に前記対象物の移動を指示するための指令パルスを前記対象物の移動速度の急変が緩和されるように補正する補正装置であって、
    前記指令パルスのうち前記対象物の移動速度を急変させる速度急変部分を検出する検出部と、
    前記指令パルスのうち前記検出部によって検出された前記速度急変部分を含むパルス補正区間を特定してそのパルス補正区間のみを速度の変化が緩やかになるように局所的に補正する補正部とを備えた、補正装置。
  2. 前記補正部は、速度変化が緩やかになるように補正した前記パルス補正区間内の前記指令パルスが、そのパルス補正区間の前後に位置する補正していない区間の前記指令パルスと連続するように当該パルス補正区間内の指令パルスの補正を行う、請求項1に記載の補正装置。
  3. 前記補正部は、前記パルス補正区間内の前記指令パルスの速度変化を緩やかにするための補正量を算出する第1補正量算出部と、その第1補正量算出部によって算出された前記補正量を示す線のうち前記パルス補正区間の始期と終期にそれぞれ対応する各点の値が0でない場合に、それらの点を結んだ直線で表される調整量を求めるとともに、その求めた調整量を前記補正量から差し引くことによって前記パルス補正区間の始期と終期にそれぞれ対応する各点の値が0となる調整後補正量を求める第2補正量算出部と、その第2補正量算出部によって求められた前記調整後補正量を前記パルス補正区間内の前記指令パルスに加算してそのパルス補正区間内の指令パルスを補正する補正量加算部とを有する、請求項2に記載の補正装置。
  4. 前記パルス補正区間の前後に跨るパルス調整区間を設定する調整区間設定部を備え、
    前記第1補正量算出部は、前記調整区間設定部によって設定された前記パルス調整区間内に含まれる所定のサイクル毎の前記指令パルスを、それぞれ対応するサイクルを跨ぎ、かつ、所定の区間幅を持つ分配区間の範囲内において前記対応するサイクルの前後に分配した後、前記各サイクル毎に積算した分配パルスを求める分配パルス算出部と、前記パルス補正区間内において、前記分配パルスに従って前記対象物を移動させた場合の前記サイクル毎の位置に相当する分配位置から前記指令パルスに従って前記対象物を移動させた場合の前記サイクル毎の位置に相当する指令位置を差し引いて前記補正量としての分配誤差を算出する分配誤差算出部とを有する、請求項3に記載の補正装置。
  5. 前記分配パルス算出部は、前記分配区間の始期から前記対応するサイクルまでの範囲における前記指令パルスの分配量と、前記対応するサイクルから前記分配区間の終期までの範囲における前記指令パルスの分配量とが均等化するように前記分配区間の位置を調整しながら前記所定のサイクル毎の前記指令パルスの分配を行う、請求項4に記載の補正装置。
  6. 前記速度急変部分の速度の変化量に応じた大きさの局部時定数を算出する時定数算出部を備え、
    前記調整区間設定部は、前記時定数算出部によって算出された前記局部時定数に相当する区間幅を前記速度急変部分の前後にそれぞれ加えた区間を前記パルス調整区間に設定し、
    前記分配パルス算出部は、前記調整区間設定部によって設定された前記パルス調整区間内に含まれる前記所定のサイクル毎の前記指令パルスを、それぞれ対応するサイクルを跨ぎ、かつ、前記局部時定数に相当する区間幅を持つ前記分配区間内に分配し、
    前記分配誤差算出部は、前記速度急変部分の前後に前記局部時定数の半分に相当する区間幅をそれぞれ加えた区間を前記パルス補正区間に設定し、そのパルス補正区間内で前記分配誤差を算出する、請求項4又は5に記載の補正装置。
  7. 前記検出部は、前記指令パルスのうち前記移動装置の許容加速度を超えるような速度変化を指示する部分を前記速度急変部分として検出する、請求項1に記載の補正装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の補正装置を備えた数値制御装置であって、
    前記補正部によって補正された後の前記指令パルスに基づいて前記移動装置を駆動させる駆動制御部を備えた、数値制御装置。
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