JP2010181350A - クロマトグラフ用データ処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】煩雑な条件設定を行うことなくクロマトグラム上のピークの純度判定処理の精度を向上させる。
【解決手段】目的ピークの開始点tsと終了点teが指定されると、データ抽出部71はデータメモリ8からts〜teの時間範囲の3次元データを読み出す。主成分分析部72は抽出されたデータを要素とする行列を作成し該行列に対し主成分分析を実行して、第1主成分〜第n主成分の分散をそれぞれ計算する。寄与率計算部73は第1主成分の寄与率や第2以降の主成分までの累積寄与率を求め、成分数判定部74が寄与率や累積寄与率を閾値と比較することで成分数を推定する。グラフ表示処理部75は主成分#と分散との関係を示すグラフを作成し表示部12に表示する。
【選択図】図1

Description

本発明は、液体クロマトグラフ(LC)などのクロマトグラフで得られるデータを処理するデータ処理装置に関し、さらに詳しくは、検出器としてフォトダイオードアレイ検出器などのマルチチャンネル型検出器を用いたクロマトグラフ用のデータ処理装置に関する。
液体クロマトグラフ(LC)などのクロマトグラフでは、試料に含まれる成分に対応したピークが出現したクロマトグラムを得ることができる。しかしながら、クロマトグラムに現れている単一形状に見えるピークが必ずしも単一成分によるものであるとは限らず、カラムで十分に分離されなかった複数の成分が重なっている場合もあり得る。そこで、従来より、クロマトグラムのピークが単一成分によるものであるか否かを調べるために、ピーク純度判定処理が行われている。
非特許文献1には、フォトダイオードアレイ(PDA)検出器を用いた液体クロマトグラフで得られるクロマトグラム上のピーク純度判定処理の手法が開示されている。PDA検出器では、試料による所定の波長範囲に亘る吸収スペクトルを短時間で測定することができるため、これを検出器とした液体クロマトグラフでは、時間、波長、及び信号強度の3つのディメンジョンを有する3次元データを取得することができる。そこで上記文献では、次のような2つ方法によるピーク純度判定が提案されている。
〔方法1〕クロマトグラム上の或るピークの純度を判定する際に、そのピークトップ、ピーク上昇スロープ、及びピーク下降スロープの3点における吸収スペクトルのパターンを比較し、ピークトップにおけるスペクトルパターンとピーク上昇スロープにおけるスペクトルパターンとの一致度、及び、ピークトップにおけるスペクトルパターンとピーク下降スロープにおけるスペクトルパターンとの一致度、をそれぞれ求める。そして、その2つの一致度の平均値を求め、それが予め定めた閾値に比べて大きいか否かにより、単一ピークであるか否かを判定する。スペクトルの一致度の求め方は例えば特許文献1などにより詳しく開示されている。
〔方法2〕ピークトップの吸収スペクトルとピーク開始時点からピーク終了時点までの各吸収スペクトルとの間の類似度と閾値とを計算し、[類似度]−[閾値]の値を時間軸に対しプロットして、そのピークが現れている時間中に[類似度]−[閾値]の値が負になることがあるか否かを判断することにより、ピークの純度を判定するものもある(非特許文献2)。
しかしながら、上記方法1では、比較的簡単に計算が可能であるが、溶出ピークの全プロファイルを精査していないため、例えばピークの端部付近に不純物が重なっていた場合には検知できず、単一ピークであると誤判定するおそれがある。また、一致度の平均値をを判定するための閾値を予め与える必要があるが、その確からしさを統計学的に担保することはできない。
一方、方法2では、閾値を決めるためにノイズレベルを条件として設定する必要があるが、PDA検出器ではノイズレベルは波長毎に異なる。また、ベースライン上でのノイズレベル(不確定分)が、信号強度が高い部分での不確定さと等しいという保証もない。このため、方法2によりピーク純度を正確に判定するには、処理がかなり複雑になることが避けられず効率が悪い。
また、いずれの方法でも、目的とするピークが単一成分によるものか否かという判定が可能なだけであり、単一成分でない場合に幾つの成分が重なっている可能性があるかという推定までは行うことができない。
特公平7−74761号公報
水戸康敬、北岡光夫、「島津HPLC用フォトダイオードアレイUV−VIS検出器SPD−M6A」、島津評論、第46巻、第1号、1989年7月、p.21−28 「LCワークステーションCLASS−VP Ver6.1取扱説明書」、株式会社島津製作所、平成13年4月、p.9−40〜9−41
本発明は上記課題に鑑みて成されたものであり、その主な目的は、煩雑な条件設定などをユーザが行うことなく且つ少ない計算量でもって、高い精度のピーク純度判定を行うことができるクロマトグラフ用データ処理装置を提供することにある。
上記課題を解決するために成された本発明は、マルチチャンネル型検出器を検出器としたクロマトグラフで収集される、時間、チャンネル、及び信号強度をディメンジョンとする3次元データを処理するクロマトグラフ用データ処理装置であって、前記データに基づいて作成されるクロマトグラムに存在するピークの純度を判定するクロマトグラフ用データ処理装置において、
a)目的とするピークの開始時点から終了時点までの時間範囲の全て又は一部の複数チャンネルの3次元データを抽出するデータ抽出手段と、
b)該データ抽出手段により抽出されたデータを行列要素とした行列を作成し、該行列に対して主成分分析を行い、第1主成分から第n主成分(nは2以上の整数)までの分散を計算する主成分分析手段と、
c)前記主成分分析により得られた各主成分の分散から第1主成分の寄与率、又は第1主成分以降の累積寄与率を計算する寄与率算出手段と、
を備えることを特徴としている。
本発明に係るクロマトグラフ用データ処理装置において、マルチチャンネル型検出器は、例えばフォトダイオードアレイ(PDA)検出器や波長走査型の紫外可視分光検出器であり、この場合、チャンネルとは波長のことである。また、マルチチャンネル型検出器として質量分析計を用いることもでき、この場合、チャンネルとは質量電荷比(m/z値)のことである。特に、PDA検出器では多波長同時検出が可能であるため、狭い時間間隔で繰り返し吸光スペクトルデータの取得が可能である。
また、クロマトグラフは液体クロマトグラフ、ガスクロマトグラフのいずれでもよい。
また、目的とするピークの開始時点及び終了時点は、例えば表示画面上に描出されたクロマトグラム上でユーザがマウス操作などにより指定できるようにしてもよいし、ピーク検出処理の結果、検出されたピークの開始時点及び終了時点が自動的に設定されるようにしてもよい。即ち、目的ピークやその開始時点/終了時点は手動で設定される場合も自動的に設定される場合も考えられる。
いずれにしても、ピーク純度判定の対象となる目的ピークの開始時点及び終了時点、つまりピークの時間範囲が定まると、データ抽出手段は、例えばデータが格納されている記憶部から該当する時間範囲の3次元データを読み出す。このときに用いるデータは時間軸、チャンネル軸ともに全ての(つまり間引きのない)データであることが望ましいが、必ずしもそれに限るものではなく、例えば一部の複数のチャンネルのデータを用いてもよい。
主成分分析手段は、抽出されたデータを行列要素とする行列を作成し、これに対し主成分分析を実行する。即ち、抽出されたデータが時間軸上ではN個、チャンネル軸上ではM個である場合、変量の数がM個、サンプル数がN個である行列を作成し、この行列に対して主成分分析を実行する。主成分分析により、第1主成分から第n主成分までのそれぞれの分散が求まる。nの最大値は変量の数で決まるが、必ずしもその最大値まで求める必要はなく、適宜の数で打ち切ることができる。各主成分はそれぞれ、目的ピークに含まれる試料成分に対応する。また、分散の値が大きいほど、その主成分で元のデータを説明できると言える。
そこで、寄与率算出手段は、主成分分析により得られた各主成分の分散からまず第1主成分の寄与率を計算する。第1主成分の寄与率が十分に高ければ、第1主成分のみで元のデータを説明できる。即ち、これは目的ピークに含まれる試料成分が1つであることを意味する。これに対し、第1主成分の寄与率が十分に高くない場合には、寄与率算出手段は第2主成分以降までの累積寄与率を順に計算する。例えば第2主成分までの累積寄与率が十分に高い場合には、互いに相関のない第1主成分及び第2主成分の2つで元のデータを説明できると言える。即ち、これは目的ピークに含まれる試料成分が2つであることを意味する。累積寄与率が十分に高い値を示すまでこれを繰り返すことにより、目的ピークに含まれる試料成分が3以上であることも推定可能である。
本発明に係るクロマトグラフ用データ処理装置では、好ましくは、前記寄与率算出手段により計算された寄与率又は累積寄与率に基づいて、目的ピークに重なる成分の数を推定する純度推定手段、をさらに備える構成とするとよい。
純度推定手段は、計算された寄与率又は累積寄与率を予め与えられた閾値と比較し、寄与率又は累積寄与率が閾値以上である場合に、その寄与率又は累積寄与率を与える主成分の数を試料成分の数であると推定すればよい。閾値は例えば0.8(=80%)などと予め決めておいてもよいし、ユーザが適宜に設定できるようにしてもよい。
また本発明に係るクロマトグラフ用データ処理装置では、主成分分析により得られた各主成分と分散との関係を示すグラフを作成して表示画面上に描出するグラフ作成手段、をさらに備える構成とすることもできる。
目的ピークが単一試料成分によるものである場合、つまり目的ピークが完全に純粋である場合には、第1主成分の分散のみが突出して大きくなり、第2以降の主成分の分散は全て小さくなる。また、目的ピークに含まれる試料成分が2つである場合には、第1主成分及び第2主成分の分散が突出して大きくなり、第3以降の主成分の分散は全て小さくなる。したがって、各主成分と分散との関係を示すグラフを表示すれば、ユーザはこのグラフを見てピークの純度(試料成分の重なり)を視覚的にすぐに認識することができる。また、このグラフにより、寄与率や累積寄与率に基づく判定の適切性の確認を行うこともできる。
本発明に係るクロマトグラフ用データ処理装置によれば、クロマトグラムに現れるピークに対応した3次元データの全て又はその多くを利用して、該ピークの純粋性を判定することができる。したがって、例えばピークの端部付近にのみ他の試料成分が重なっているような場合でも、その重なりを正確に検知することができ、ピーク純度判定の精度を向上させることができる。
また本発明に係るクロマトグラフ用データ処理装置では、ピーク純度判定を行うために煩雑な条件やパラメータを設定する必要はなく、また演算自体もそれほど複雑でない。したがって、条件設定などのためにユーザに過大な負担を課すことがなく、ピーク純度判定も効率的に、つまり高いスループットでもって行うことができる。
さらにまた本発明に係るクロマトグラフ用データ処理装置では、ピークが単一成分でないと判定するだけでなく、重なっている試料成分の数も高い精度で推定することができるので、従来のピーク純度判定処理よりも有用な情報をユーザに提供することができる。
本発明に係るデータ処理装置を用いたクロマトグラフの一実施例である液体クロマトグラフの要部の構成図。 本実施例の液体クロマトグラフで得られる3次元データとクロマトグラムの概念図。 本実施例の液体クロマトグラフにおけるピーク純度判定処理手順を示すフローチャート。 本実施例の液体クロマトグラフで表示される主成分−分散値グラフの一例を示す図。
以下、本発明に係るデータ処理装置を用いたクロマトグラフの一実施例である液体クロマトグラフについて、添付図面を参照して説明する。
図1は本実施例の液体クロマトグラフの要部の構成図である。この液体クロマトグラフにおいて、送液ポンプ2は移動相容器1に収容されている移動相を吸引し、略一定流量でインジェクタ3を介してカラム4に送給する。インジェクタ3は所定のタイミングで予め用意された試料を移動相中に注入する。注入された試料液は移動相の流れに乗ってカラム4に導入され、カラム4を通過する間に試料液に含まれる各種の試料成分は分離され、時間的にずれてカラム4から溶出する。
カラム4の出口には、カラム4からの溶出液中の試料成分を検出するマルチチャンネル型検出器としてPDA検出器5が設けられている。PDA検出器5は、溶出液が流通する透明なフローセル51と、光源52と、フローセル51を透過した光を波長分散させる分光器53と、波長分散された光をほぼ同時に検出するPDA素子54と、を含む。
PDA検出器5による検出信号はA/D変換器6によりデジタル信号に変換されてデータ処理部7に入力され、一旦、データメモリ8に格納される。その後、データ処理部7ではデータメモリ8に格納されたデータに対し後述するような各種処理を実行する。特にデータ処理部7は、後述するピーク純度判定処理を実施するための機能ブロックとして、データ抽出部71、主成分分析部72,寄与率計算部73、成分数判定部74、及び主成分−分散グラフ表示処理部75を備える。
分析制御部9は制御部10からの指示に基づいて、送液ポンプ2などの各部をそれぞれ制御する。制御部10には分析担当者が操作するキーボードやマウスなどの操作部11や、測定結果などを表示するための表示部12が接続され、主としてそうしたユーザインターフェースに関与する。なお、分析制御部9、制御部10、データ処理部7の機能の殆ど又は一部は、汎用のパーソナルコンピュータをハードウエアとし、これに予めインストールされた専用の制御/処理ソフトウエアを動作させることで実現する構成とすることができる。
PDA検出器5は波長走査を行うことなく多波長同時検出が可能であるため、インジェクタ3により試料が移動相中に注入された時点から所定時間間隔で所定波長範囲の吸収スペクトルデータを取得することができる。したがって、この液体クロマトグラフでは、図2(a)に示すような、時間、波長、信号強度の3つのディメンジョンを持つ3次元データが得られる。分析制御部9による制御の下に或る1つの試料に対する液体クロマトグラフ分析が実行されると、分析開始時点(試料注入時点)から分析終了時点までの3次元データがデータメモリ8に保存される。
次に、本実施例の液体クロマトグラフにおいてデータ処理部7を中心に実行される、特徴的なピーク純度判定処理について、図3及び図4を参照して説明する。図3はこのピーク純度判定処理の手順を示すフローチャートである。
分析担当者が操作部11で所定の操作を行うと、データ処理部7は表示部12の画面上に特定の波長のクロマトグラムを描出する。その際の波長は任意に指定可能である。分析担当者はこのクロマトグラムを見ながら、ピーク純度判定を行いたい目的ピークのピーク開始時間tsとピーク終了時間teとを操作部11により指示する(ステップS1)。図2(b)は目的ピークとピーク開始時間ts及びピーク終了時間teの一例を示す図である。
なお、分析担当者(ユーザ)自身が目的とするピークの開始時点及び終了時点を手動で指示する代わりに、目的ピークをユーザが指示すると、そのピークの開始時点及び終了時点が自動的に求められるようにしてもよい。また、ピーク検出自体を自動的に実行し、検出された全てのピークについて自動的に開始時点及び終了時点が設定されるようにしてもよい。こうしたピークの自動検出やピーク開始点及び終了点の検出は、従来一般に行われているピーク検出方法を用いて行うことができる。
データ処理部7においてデータ抽出部71は、データメモリ8に格納されている3次元データの中から、指示されたピーク開始時間ts〜ピーク終了時間teに相当する全ての3次元データを抽出して読み出す(ステップS2)。以下、読み出された、ts〜teの時間範囲の多数の3次元データをまとめて抽出データ群という。抽出データ群に含まれるデータが、時間軸方向にはN個であり、波長軸方向の波長点がM個であるとすると、この抽出データ群全体は次の行列で表すことができる。
Figure 2010181350
この行列Xの要素xijは、時間軸上でi、波長軸上でjの位置にあるデータ値、つまり信号強度値である。
上記行列は、変量の数がN個、サンプル数がM個、の行列である。主成分分析部72はこの行列に対し主成分分析を実行し、第1主成分〜第n主成分の分散をそれぞれ計算する(ステップS3)。主成分を求める場合のサンプルデータ数は、そのサンプルデータを定義するベクトル次数より多ければよい。主成分分析ではサンプルデータ空間のベクトル次元数と同数の次元数の主成分が求められ、サンプルデータの分散が最も多い軸を決める主成分を第1主成分、分散が2番目に大きい軸を決める主成分を第2主成分、以下、同様に、第n主成分が決まる。
第1主成分から第n主成分までの分散が求まると、主成分−分散グラフ表示処理部75は、横軸を主成分#、縦軸を分散値とし、各主成分の分散値を第1主成分から順に並べてプロットしたグラフを作成して、これを制御部10を介して表示部12上に描出する(ステップS4)。判定対象であるクロマトグラムピークが単一試料成分由来のものであれば、有意な主成分は第1主成分のみになるため、第1主成分の分散値のみが第2以降の主成分の分散値に対し突出して大きくなる。また、それに加えて第2主成分以降の分散値は殆ど等しくなる。
一方、寄与率計算部73は、第1主成分〜第n主成分の各分散値を用い、まず第1主成分の寄与率を計算する(ステップS5)。そして成分数判定部74は、算出された寄与率が閾値である0.8以上であるか否かを判定して(ステップS6)、0.8以上であれば、そのピークは純粋である、つまり1つの試料成分のみからなるものであると判断し(ステップS7)、その旨を知らせる表示を表示部12に行う(ステップS12)。
第1主成分のみの寄与率が0.8未満である場合には、寄与率計算部73は第2主成分までの累積寄与率を計算し(ステップS8)、この累積寄与率が0.8以上であるか否かを判定する(ステップS9)。第2主成分までの累積寄与率が0.8以上であれば、そのピークは2つの成分が重なって溶出したものであると判断し(ステップS10)、その旨を知らせる表示を表示部12に行う(ステップS12)。第2主成分までの累積寄与率が0.8未満であれば、さらに第3主成分以降までの累積寄与率を計算して同様に閾値に対する判定を実行し、重なった成分数を求める(ステップS11)。
これにより、表示部12の画面上には、主成分と分散値との関係を示すグラフと、この関係に基づいて推定される目的ピークに重なっている成分数とが表示される。図4(a)はピークが単一成分からなる場合のグラフの一例、図4(b)はピークが2つの成分からなる場合のグラフの一例である。
なお、寄与率又は累積寄与率を判定する閾値の値は適宜に変更することができるほか、例えばユーザが操作部11などから自由に設定できるようにしてもよい。
上記実施例では、収集した全ての3次元データの中から目的ピークに対応した所定の時間範囲の3次元データを切り出したが、必ずしも全ての波長点のデータを用いる必要はなく、部分的な波長範囲に含まれるデータや複数の離れた波長に対するデータを用いてもよい。実用的には用いる波長は多いほうがよいが、理論的には最低2つの波長における所定の時間範囲のクロマトグラムデータを用いれば上記のような処理が可能である。
また、上記実施例は本発明に係るデータ処理装置をPDA検出器を用いた液体クロマトグラフに適用したものであるが、PDA検出器の代わりに波長走査を行って所定波長範囲のスペクトルデータを収集する紫外可視分光検出器などを用いた液体クロマトグラフに適用できることは言うまでもない。
また、収集されるデータが時間、波長、信号強度の3つのディメンジョンを持つデータでなく、波長に代えて他のディメンジョンを持つデータであってもよい。例えば、質量分析計を検出器とした液体クロマトグラフ質量分析計やガスクロマトグラフ質量分析計では、時間、質量電荷比、信号強度の3つのディメンジョンを持つデータが得られるから、これに本発明を適用することもできる。
1…移動相容器
2…送液ポンプ
3…インジェクタ
4…カラム
5…PDA検出器
51…フローセル
52…光源
53…分光器
54…PDA素子
6…A/D変換器
7…データ処理部
71…データ抽出部
72…主成分分析部
73…寄与率計算部
74…成分数判定部
75…主成分−分散グラフ表示処理部
8…データメモリ
9…分析制御部
10…制御部
11…操作部
12…表示部

Claims (4)

  1. マルチチャンネル型検出器を検出器としたクロマトグラフで収集される、時間、チャンネル、及び信号強度をディメンジョンとする3次元データを処理するクロマトグラフ用データ処理装置であって、前記データに基づいて作成されるクロマトグラムに存在するピークの純度を判定するクロマトグラフ用データ処理装置において、
    a)目的とするピークの開始時点から終了時点までの時間範囲の全て又は一部の複数チャンネルの3次元データを抽出するデータ抽出手段と、
    b)該データ抽出手段により抽出されたデータを行列要素とした行列を作成し、該行列に対して主成分分析を行い、第1主成分から第n主成分(nは2以上の整数)までの分散を計算する主成分分析手段と、
    c)前記主成分分析により得られた各主成分の分散から第1主成分の寄与率、又は第1主成分以降の累積寄与率を計算する寄与率算出手段と、
    を備えることを特徴とするクロマトグラフ用データ処理装置。
  2. 請求項1に記載のクロマトグラフ用データ処理装置であって、
    前記寄与率算出手段により計算された寄与率又は累積寄与率に基づいて、目的ピークに重なる成分の数を推定する純度推定手段、をさらに備えることを特徴とするクロマトグラフ用データ処理装置。
  3. 請求項1又は2に記載のクロマトグラフ用データ処理装置であって、
    前記主成分分析により得られた各主成分と分散との関係を示すグラフを作成して表示画面上に描出するグラフ作成手段、をさらに備えることを特徴とするクロマトグラフ用データ処理装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のクロマトグラフ用データ処理装置であって、
    前記マルチチャンネル型検出器はフォトダイオードアレイ検出器であり、前記チャンネルは波長であることを特徴とするクロマトグラフ用データ処理装置。
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