JP2010181203A - 亀裂検出装置及び方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ワーク加工の際生じうるAE波を解析して精度良くワークに亀裂が生じているか否かを検出する亀裂検出装置及び方法を提供する。
【解決手段】アコースティックエミッション波を検出する検出手段11と、検出手段11から入力される検出信号の波形のうち一定の時間範囲の波形を抽出し、この抽出した波形を分割して度数を計数する計数手段12と、予め基準となるワークについて計数手段12で求めた基準データと検査対象となるワークについて計数手段12で求めた検査データとからマハラノビス距離を求める距離算出手段14と、距離算出手段14で求めたマハラノビス距離に基いてワークに亀裂が生じているかを判定する判定手段15と、を備える。判定手段15は、距離算出手段14で求めたマハラノビス距離が連続して閾値を超えているか否かに基いて亀裂の有無を判定する。
【選択図】図2

Description

本発明は、ワークを成形する際に生じる亀裂を検出する装置並びに同亀裂検出方法に関する。
自動車の車体等を構成するパネルは、板状の鋼材を素材としてプレス装置によって所定の立体形状を有するように成形される。このプレス成形の際にパネルに亀裂が生じる場合がある。プレス成形時に板状の鋼材が曲げられると、人間の可聴領域よりも高い周波数を有する弾性波がワークから外部に放出される。この現象はアコースティックエミッション(Acoustic Emission、以下、「AE」と略記する場合もある。)として知られている。プレス成形時に素材に亀裂が生じると、通常とは異なる弾性波が外部へ放出される。プレス成形の際に生じる弾性波、即ちAE波を検出すると、プレス成形により得られたプレス成形品について亀裂を検出することができる。なお、プレス成形加工処理が施される物品を総称して「ワーク」と呼ぶことにする。
従来、ワークに亀裂があるか否かを判定する際、AE波に基いた検出信号を割れ有りのパターンと比較して相関があるか否かを基準にして亀裂の有無の判別を行っていた(例えば、特許文献1)。図8は従来の割れ検出装置を示す図である。
従来の割れ検出装置100の概要は次の通りである。図8に示すように、AEセンサー101がAE波を検出してADコンバーター102に出力する。ADコンバーター102はAEセンサー101から入力されるアナログ信号をデジタル信号に変換してメモリ103に出力する。メモリ103はデジタル信号を格納する。割れ検出装置100には基準信号発生部104が備えられている。この基準信号発生部104は、予め統計処理によって得られた割れAE波の標準波に対応する基準信号を発生し、相互関係処理回路105に出力する。相互相関処理回路105は、メモリ103から入力される検出信号と基準信号発生部104から入力される基準信号との相互関係処理を行い、相関特性を求める。詳細には、相互相関処理回路105は、検出信号のインパルス応答を求めるなどのために、既定の相互相関関数による演算処理を行って相関データを求める。データ範囲を指定するための区間設定部106は判定部108に対し範囲信号を出力し、判定部108はその信号に基いて、相互相関処理回路105で得た結果でどの範囲を参照すべきかを特定する。基準設定部107は判定処理に用いる基準データを判定部108に出力する。判定部108は、相互相関処理回路105で得られた相関データの内、区間設定部106で指定された範囲のデータに対して、基準データと比較してワークの亀裂の有無を判定する。判定部108はその判定結果を判定結果出力部109へ出力する。
このように、上記従来の割れ検出装置100では、亀裂により発生するAE波を検出してその検出信号を割れありのパターンと比較して相関の有無を判定し、相互相関処理でワークの割れの有無を判別する。従来の亀裂検出の手法では、ワークの絞りなどの加工工程でAE波を収集して亀裂の有無を判別し、亀裂ありの判定では、プレス検査工程で警報を鳴らすなどして作業者に通知している。
特開平8−189921号公報
しかし、従来の亀裂検出の手法では、以下のような場合には相関がない場合がある。図9(A)は相関関係がない場合を説明するための説明図であり、図9(B)は同図(A)の原点周りの拡大図である。横軸は時間、縦軸は検出信号の強度を示す。図の点線で示す範囲が相関ありとなる許容範囲である。図9に示すf1(t),f2(t),f3(t)は何れも亀裂なしの状態の検出信号を模式的に示しており、仮に、f3(t)を基準信号発生部104における基準波形として用いると、f1(t),f2(t)の検出信号が、基準波形から求まる許容範囲内にあるか否かで判断している。よって、図9に示すf1(t)は点線で示す許容範囲を超えているため、判定部108はf1(t)の検出信号に関しては亀裂有りと誤った判定をすることになる。これは、従来の判定における相関の有無をユークリッド距離で比較しているからである。
また、同一のAEセンサー101でも、亀裂の種類によって生じるAE波が異なるため、比較すべき基準となる波形を画一的に設定することはできない。即ち、図9(B)に示すように、f1(t)とf2(t)とは何れも同じ検出信号であるが、f2(t)の検出信号は許容範囲を超えているため、亀裂有りの誤った判定を下すことになる。
そこで、本発明は上記課題に鑑み、ワーク加工の際に生じうるAE波を解析して精度良くワークに亀裂が生じているか否かを検出する亀裂検出装置とこの亀裂の検出方法を提供することを目的とする。
上記一目的を達成するために、本発明に係るワークの亀裂を検出する亀裂検出装置は、アコースティックエミッション波を検出する検出手段と、検出手段から入力される検出信号の波形のうち一定の時間範囲の波形を抽出し、この抽出した波形を分割して度数を計数する計数手段と、予め基準となるワークについて計数手段で求めた基準データと検査対象となるワークについて計数手段で求めた検査データとからマハラノビス距離を求める距離算出手段と、距離算出手段で求めたマハラノビス距離に基いてワークに亀裂が生じているかを判定する判定手段と、を備えることを特徴とする。特に、判定手段は、距離算出手段で求めたマハラノビス距離が連続して閾値を超えているか否かに基いて亀裂の有無を判定する。
上記他の目的を達成するために、本発明に係るワーク加工の際にワークに亀裂が生じたか否かを検出する亀裂検出方法は、基準となるワークの加工を行い、アコースティックエミッション波の検出信号の波形のうち一定の時間範囲の波形を抽出し、この抽出した波形を分割して度数を基準データとして求める基準データ取得ステップと、検査対象となるワークの加工を行い、アコースティックエミッション波の検出信号の波形のうち一定の時間範囲の波形を抽出し、この抽出した波形を分割して度数を検査データとして求める検査データ取得ステップと、基準データ取得ステップで求めた基準データと検査データ取得ステップで求めた検査データとからマハラノビス距離を求め、亀裂の有無を判定する判定ステップと、を含むことを特徴とする。特に、判定ステップは、マハラノビス距離が連続して閾値を超えているか否かを判断して、亀裂の有無を判定する。
本発明によれば、各ワークがプレス成形加工される際に生じるAE波から評価すべきデータを取得し、この検査データと基準データとに基づいてマハラノビスの距離を算出し、各ワークの亀裂の有無を判別する。よって、各ワークから発生するAE波の波形が外乱などで不規則であっても、多次元空間としてマハラノビス空間における基準点と単位量を定義し、評価対象のワークから得たサンプルデータが唯一の距離に対する誤差として評価することができるので、安定かつ精度良くワークWを評価測定することができる。
本発明の実施形態として、亀裂検出装置を組み込んだプレスラインシステム1を模式的に示す図である。 図1に示す亀裂検出装置の構成図である。 図2に示す亀裂検出装置における信号処理工程の一部を模式的に示す図である。 図2に示す計数手段におけるデータ処理の様子を模式的に示す図表であり、(A)は基準となるワークを加工した際検出手段から検出信号が入力されたときに処理された結果を、(B)は検査対象となるワークを加工した際検出手段から検出信号が入力されたときに処理された結果を、それぞれ模式的に示す図表である。 本発明の実施形態に係る亀裂検出方法のフロー図である。 図2に示す判定手段で行われる判定ステップで亀裂なしと判定したワークWにおけるマハラノビス距離と時間との関係を示すもので、(A)、(B)、(C)はそれぞれ38枚目、44枚目、59枚目のワークWに関するものである。 図2に示す判定手段で行われる判定ステップで亀裂ありと判定した、ワークWにおけるマハラノビス距離と時間との関係を示すもので、(A)、(B)はそれぞれ42枚目、54枚目のワークWに関するものである。 従来の割れ検出装置である。 (A)は相関関係がない場合を説明するための説明図で、(B)は(A)の原点周りの拡大図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明するが、本発明の範囲を本質的に変更しない範囲で適宜変更して実施を行うことができることは言うまでもない。
本発明に係る亀裂検出装置を適用したプレスラインシステムについて説明する。
図1は、本発明の実施形態として、亀裂検出装置を組み込んだプレスラインシステム1を模式的に示す図である。プレスラインシステム1は、複数のプレス装置2A,2B,2C,2Dが並んでライン上に配備されて構成されている。亀裂検出装置10は、ワークWとして板状の鋼材を最も絞り込んで成形加工するプレス装置2Aとして絞型装置で絞り加工した際、ワークWに亀裂が生じたか否かを判別する。亀裂検出装置10は亀裂WがワークWに発生したことを認知すると、例えば図1に示す警告ランプ3に警告信号を出力し、作業者Pに亀裂発生を知らしめる。このような警告出力手段は、警告ランプのみならず、警報スピーカーなどであってもよい。
亀裂検出装置10の具体的な構成について説明する。
図2は亀裂検出装置10の構成図であり、図3は図2に示す亀裂検出装置10における信号処理工程の一部を模式的に示す図である。亀裂検出装置10は、検出手段11と計数手段12と記憶手段13と距離算出手段14と判定手段15とを備える。亀裂検出装置10の各手段は次の通りである。
検出手段11は、AE波を検知して波形データを蓄積する。この検出手段11は、AE波を検出する検出部11Aと、検出部11Aから出力された信号を一時的に蓄積する蓄積部11Bと、を有する。検出部11Aは圧電センサーなど各種のセンサーで構成され、ワークWのプレスの際発生するAE波の振幅を電圧に変換し、蓄積部11Bに出力する。検出部11Aは、図1に示すプレス装置2Aとしての絞型装置においてポンチ型(図示せず)の側面に取り付けられている。検出部11Aは、プレス装置2Aとしての絞型装置において上型4Aと下型4BとでワークWを押さえ付ける際に生じるAE波を検出し、電圧に変換して蓄積部11Bに検出信号として出力する。なお、検出部11AはAE波を常に検出している必要はなく、ワークW毎にワークWに対するプレススライド角度が例えば60度に至った時点において、例えば絞型装置に設けたロータリースイッチから60°の信号をトリガーとして、1.6秒間だけ検出する。蓄積部11Bは順次入力される電圧信号を蓄積する。よつて、蓄積部11Bには、図3(A)に示すような横軸を時間、縦軸を電圧とする検出波形のデータが蓄積される。
計数手段12は、蓄積部11Bから入力される検出波形のデータから所定の時間帯の電圧波形のみを抽出し、この抽出した波形データを所定の間隔毎に分割して度数を計数する。詳細には、計数手段12は、先ず測定開始から図3(A)において符号Sで囲まれているように900〜1100msecの時間帯のデータを抽出し、続いて図3(B)に示すように抽出した波形を所定の間隔毎に、例えば5msec間隔毎に分割し、さらに負の信号を正の信号に置き換えて、例えば図3(C)に示すようにプラスの値だけの電圧波形に変換した後に、図3(C)に示すように電圧値0V〜0.13Vの範囲を0.01V間隔で区切り、区切った各0.01V間隔内に波形ピークがいくつ存在するかの度数をカウントする。
図4は、計数手段12におけるデータ処理の様子を模式的に示す図表であり、(A)は基準となるワークを加工した際検出手段11から検出信号が入力されたときに処理された結果を、(B)は検査対象となるワークを加工した際検出手段11から検出信号が入力されたときに処理された結果を、それぞれ模式的に示す図表である。
計数手段12は、基準となるワークを加工した際に計数手段12に入力された検出信号の波形のうち、計測開始から一定時間範囲、例えば900〜1100msecの波形を抽出し、抽出した波形を分割時間毎に、例えば5msec毎に分割し、サンプルデータ1〜サンプルデータ40とする。各サンプルデータの絶対値において例えば電圧を0.01V毎の間隔で区切り、電圧0〜0.01,0.01〜0.02,・・・,0.12〜0.13(V)の間隔内に波形のピークの数をカウントする。例えば、計測開始から900msec以上で905msec未満のサンプルデータ1において、電圧値0.01V〜0.02Vの間隔内に波形のピークが8個あれば、カウント数a(2,1)を「8」とする。このようにして、サンプルデータiにおいて電圧の間隔Xjのピークのカウント数をa(i,j)として、図4(A)に示す基準データVgのテーブルを求める。ここで、iはサンプルデータの番号であって前述の例の場合には1≦i≦40を満たす自然数であり、jは1≦j≦(検出電圧の間隔数)を満たす自然数である。また、サンプルデータiは、計測開始から{900+(i−1)×5}msec以上かつ(900+i×5)msec未満の範囲のデータからなる。
計数手段12は、検査対象となるワークを加工した際に計数手段12に入力された検出波形のデータのうち、計測開始から一定時間範囲、例えば900〜1100msecまでの波形を抽出し、抽出した波形を同じ分割時間毎、即ち5msec毎に分割し、サンプルデータ1〜サンプルデータ40とする。各サンプルデータの絶対値で、例えば電圧を0.01V毎の間隔で区切り、電圧0〜0.01,0.01〜0.02,・・・,0.12〜0.13(V)の間隔内に波形のピークの数をカウントする。例えば、計測開始から900msec以上で905msec未満のサンプルデータ1において、電圧値0.01V〜0.02Vの間隔内に波形のピークが8個あれば、カウント数y(2,1)を「8」とする。このようにして、サンプルデータiにおいて電圧の間隔Xjのピークのカウント数をy(i,j)として、図4(B)に示す検査データVmのテーブルを求める。ここで、iはサンプルデータの番号であって前述の例の場合には1≦i≦40を満たす自然数であり、jは1≦j≦(検出電圧の間隔数)を満たす自然数である。また、サンプルデータiは、計測開始から{900+(i−1)×5}msec以上かつ(900+i×5)msec未満の範囲のデータからなる。
ここで、計数手段12は、基準となるワークを加工した際検出手段11から検出信号が入力されると、上記の信号処理を行って求めたデータを基準データVgとして記憶手段13に記憶しておく。一方、計数手段12は、検査対象となるワークを加工した際検出手段11から検出信号が入力されると、上記の信号処理を行って求めたデータを検査データVmとして距離算出手段14に出力する。
記憶手段13は、予め基準となるワークについて計数手段12で求めた基準データを記憶する。
距離算出手段14は、記憶手段13内の基準データVgと検査対象となるワークWについて計数手段12で求めた検査データVmとからマハラノビス距離を求める。即ち、距離算出手段14には、検査対象となるワークを加工する度に、計数手段12から検査データが入力される。距離算出手段14は、検査データの入力があると、検査データVmと記憶手段13内の基準データVgとに基いてマハラノビス距離を求める。
ここで、マハラノビス距離について説明する。マハラノビス距離は、適正或いは正常と評価されるべき良品のワークに関する複数のデータの平均値を基準として、その基準と評価対象のワークWに関するデータとの距離Dをデータ間の相関を考慮して算出される値である。この値の算出は次のように行われる。
(a)評価測度に対して計測項目を定める。本実施形態では、この計測項目として図4に示す図表における変数X1〜X13の13項目としている。
(b)マハラノビス空間を規定する。検査対象のワークWについての検査データについてマハラノビス距離を算出するために、評価基準点と単位量を規定する基準空間を定める。マハラノビスの距離D2を精度良く算出するためには、上記(a)の項目数の2倍程度のサンプルが必要である。図4(a)に例示する13×40個の値で基準空間が構成される。なお、基準空間は前述の例に限定されず、例えば項目数を13項目より多くしても又は少なくしてもよく、また、サンプリングデータの数は前述の例では40個であるがこの数に限定されるものではなく、非常に精度を高めるためには数百以上が望ましい。ただし、場合により40個よりも少ないサンプリングであってもよい。
(c)相関行列を求める。基準データVgを利用して相関行列を算出する。図4(A)の下側に示すように、各変数(即ち項目)Xi毎に平均値Miと標準偏差σiを求める。次に、これらの平均値Miと標準偏差σiとから、下記の式(1)に示す基準化値b1,nを求めて、下記の式(2)に示す基準化多次元ベクトルBを定義する。


i=1,2,・・・,13、n=1,2,・・・,40である。

ここで、n=1,2,・・・40、Tは(b1,n,b2,n,b3,n,・・・b13,n)の転置行列であることを示す。
この基準化多次元ベクトルBから、基準化値b1,nの相関行列Rは下記式(3)として
表される。

さらに、この式(3)の相関行列Rの逆行列R-1を求める。
このようにして、マハラノビスの距離D2を算出するための準備が完了する。
この相関逆行列R-1を記憶手段13や距離算出手段14のメモリ内に記憶しておいてもよい。
距離算出手段14は、検査対象のワークWを加工した際、検出手段11から計数手段12を経て検査データの入力があると、この検査データVmと記憶手段13内の基準データ又は相関逆行列R−1に基いてマハラノビス距離D2を、以下の式(4)から算出する。

ここで、V は、データVの転置行列であり、kは項目数であり本実施形態における変数の総数(X1〜X13)である値「13」が該当する。
本実施形態では40個のサンプルデータを利用しているので、各評価対象のサンプルデータ毎にマハラノビス距離Dが求まる。
判定手段15は、距離算出手段14で求めたマハラノビス距離に基いて亀裂の発生を判定する。ここで、判定の手法は、距離算出手段14で求まる、サンプルデータ毎のマハラノビス距離Dが、連続して閾値を越えるか否かを判断し、たとえば閾値として「2」を設定した場合に、サンプルデータ毎のマハラノビス距離Dが2を越えるサンプルデータナンバーを抽出し、この抽出したナンバーが3つ以上続けて存在する場合には、そのワークWには亀裂が生じていると判定する。逆に、サンプルデータ毎のマハラノビス距離Dが2を越えるサンプルデータナンバーを抽出し、この抽出したナンバーが1つだけ又は2つだけ続けて存在するように単発的である場合には、そのサンプルデータをノイズとみなし、亀裂なしと判定する。
次に、本発明の実施形態に係る亀裂検出方法について説明しながら、図2に示す亀裂検出装置についてさらに説明する。図5は、本発明の実施形態に係る亀裂検出方法のフロー図である。本発明の実施形態に係る亀裂検出方法は、基準データ取得ステップ(STEP1)と検査データ取得ステップ(STEP2)と判定ステップ(STEP3)とで構成される。
最初に、STEP1における基準データ取得ステップについて説明する。
基準となるワークの加工処理を行うと、計数手段12は、先ず検出手段11から入力される検出信号の波形を一定の時間範囲で抽出する(STEP1−1)。計数手段12は、次にこの抽出した波形を分割し(STEP1−2)、続いてSTEP1−2で分割した波形それぞれをサンプルデータとして波形の強度毎の度数を求め、これを基準データVgとする(STEP1−3)。
STEP2における検査データ取得ステップについて説明する。
検査対象となるワークの加工処理を行うと、計数手段12は、先ず検出手段11から入力される検出信号の波形を所定の時間範囲で抽出する(STEP2−1)。計数手段12は、次にこの抽出した波形を分割し(STEP2−2)、続いてSTEP2−2で分割した波形それぞれをサンプルデータとして波形の強度毎の度数を求め、検出データVmとする(STEP2−3)。
STEP3における判定ステップについて説明する。
先ず、距離算出手段14は、STEP1−3で求めた基準データとSTEP2−3で求めた検査データとからマハラノビス距離を算出する(STEP3−1)。その際、前述した式(4)を用いて算出し、判定手段15にその結果を出力する。次に、判定手段15は、入力された結果に基いて各サンプルデータのマハラノビス距離が連続して閾値を超えているか否かを判断する。所定数連続して閾値を超えていると判断すると、亀裂有りと判定する(STEP3−2でYes)一方、所定数連続して閾値を超えていないと判断すると、亀裂無しと判定する(STEP3−2でNo)。STEP3−2でYesの場合には、外部に対して警報信号を出力する(STEP3−3)。
STEP3を経ると再度STEP2に戻る。
図6は、判定手段15で行われる判定ステップ(STEP3)で亀裂なしと判定した、ワークWにおけるマハラノビス距離と時間との関係を示すものであり、(A)、(B)、(C)はそれぞれ38枚目、44枚目、59枚目のワークWに関するものである。何れもマハラノビス距離が閾値2を超えて3つ以上連続してプロットされていないため、何れも亀裂なしと判定される。
図7は、判定手段15で行われる判定ステップ(STEP3)で亀裂ありと判定した、ワークWにおけるマハラノビス距離と時間との関係を示すものであり、(A)、(B)はそれぞれ42枚目、54枚目のワークWに関するものである。何れもマハラノビス距離が閾値2を超えて3つ以上連続してプロットされているため、亀裂ありと判定される。
以上説明したように、マハラノビスの距離D2の算出において、良品のワークWからの情報を基に作成された評価測度の基準を成す基準データVgを保持しておき、各ワークWがプレス成形されて生じるAE波から評価すべきデータVmを取得し、このデータVmと基準データVgとに基づいてマハラノビスの距離Dを算出し、各ワークWの亀裂の有無を判別する。よって、各ワークWから発生するAE波の波形が不規則であっても、多次元空間としてのマハラノビス空間における基準点と単位量を定義し、評価対象のワークWから得たサンプルデータが、唯一の距離に対する誤差として評価することができるので、安定し、且つ、精度良くワークWを評価測定することができる。
さらに、本実施形態に係る亀裂検出装置10によれば、自動でワークWの亀裂を精度良く検出することができるので、従来、検査員が目視によって亀裂の有無を検査する作業の負担を大幅に減少させることができる。
1:プレスラインシステム
2A,2B,2C,2D:プレス装置
3:警告ランプ
4A:上型
4B:下型
10:亀裂検出装置
11:検出手段
11A:検出部
11B:蓄積部
12:計数手段
13:記憶手段
14:距離算出手段
15:判定手段
P:作業者
W:ワーク

Claims (4)

  1. ワークの亀裂を検出する亀裂検出装置において、
    アコースティックエミッション波を検出する検出手段と、
    上記検出手段から入力される検出信号の波形のうち一定の時間範囲の波形を抽出し、この抽出した波形を分割して度数を計数する計数手段と、
    予め基準となるワークについて上記計数手段で求めた基準データと検査対象となるワークについて上記計数手段で求めた検査データとからマハラノビス距離を求める距離算出手段と、
    上記距離算出手段で求めたマハラノビス距離に基いてワークに亀裂が生じているかを判定する判定手段と、
    を備えることを特徴とする、亀裂検出装置。
  2. 前記判定手段は、前記距離算出手段で求めたマハラノビス距離が連続して閾値を超えているか否かに基いて亀裂の有無を判定することを特徴とする、請求項1に記載の亀裂検出装置。
  3. ワーク加工の際ワークに亀裂が生じたか否かを検出する亀裂検出方法において、
    基準となるワークの加工を行い、アコースティックエミッション波の検出信号の波形のうち一定の時間範囲の波形を抽出し、この抽出した波形を分割して度数を基準データとして求める基準データ取得ステップと、
    検査対象となるワークの加工を行い、アコースティックエミッション波の検出信号の波形のうち一定の時間範囲の波形を抽出し、この抽出した波形を分割して度数を検査データとして求める検査データ取得ステップと、
    上記基準データ取得ステップで求めた基準データと上記検査データ取得ステップで求めた検査データとからマハラノビス距離を求め、亀裂の有無を判定する判定ステップと、
    を含むことを特徴とする、亀裂検査方法。
  4. 前記判定ステップは、マハラノビス距離が連続して閾値を超えているか否かを判断して、亀裂の有無を判定することを特徴とする、請求項3に記載の亀裂検査方法。
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