JP2010180477A - 高耐食性析出硬化マルテンサイト系ステンレス鋼 - Google Patents

高耐食性析出硬化マルテンサイト系ステンレス鋼 Download PDF

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Abstract

【課題】タービン回転部品に適した析出硬化マルテンサイト系ステンレス鋼を提供すること。
【解決手段】析出硬化ステンレス鋼合金は、重量基準で、約14.0〜約16.0%のクロム、約6.0〜約7.0%のニッケル、約1.25〜約1.75%の銅、約0.5〜約2.0%のモリブデン、約0.025〜約0.05%の炭素、炭素の約20〜約25倍の量のニオブ、残部の鉄と不可避不純物を含む。この合金は時効処理したミクロ組織並びに約1100MPa以上の極限引張強さ及び約69J以上のシャルピーV−ノッチ付き強靱性を有する。時効処理されたミクロ組織はマルテンサイト及び約10%以下の逆変態オーステナイトを含み、タービン翼形部を製造するのに有用である。
【選択図】図5

Description

本発明は、一般に、高強度ステンレス鋼に関する。さらに具体的には、本発明は、タービン回転部品に適した析出硬化マルテンサイト系ステンレス鋼に関する。
ガスタービン、特に圧縮機翼形部の回転部品、例えば動翼及び静翼に用いる合金は、これらの機械の所要の作動特性を提供するためにある組合せの高強度、強靱性、耐疲労性その他の物理的及び機械的性質を有していなければならない。さらに、使用される合金はまた、塩化物、硫酸、窒化物その他の腐食性化学種を含む様々な化学種のような様々なイオン性反応種への暴露を始めとしてタービンが作動する過激な環境に起因する様々な腐食損傷に対する充分な抵抗性も有していなければならない。腐食はまた、タービンの作動に伴う周期的な熱応力及び作動応力の下で伝播する表面亀裂の始まりによって、高いサイクル疲労強度のような他の必要な物理的及び機械的性質も弱める可能性がある。
上記その他の要件を、特に普及を可能とするコストで満たすために各種の高強度ステンレス鋼合金が提案されて来ている。例えば、米国特許第3574601号(特許文献1)には、現在商業的にCarpenter Custom 450として知られている析出硬化可能な本質的にマルテンサイト系のステンレス鋼合金の組成及びその他の特徴が開示されており、この合金の耐食性及び機械的性質が重点的に取り扱われている。この特許に記載されている合金組成物は、焼きなましした(1700〜2100°F(926〜1148℃)で0.5〜1時間)又は時効処理してない状態の極限引張強さ(UTS)が143〜152.5ksi(約986〜1050MPa)と報告されている。この合金に関する文献には、析出硬化のための時効処理温度範囲が約800〜1000°F(約427〜538℃)で2〜8時間であり、約900°F(約480℃)での時効処理で最大の強度ではあるが最低の破壊靱性が得られると報告されている。文献はまた、900〜950°F(約480〜約510℃)での時効処理後175ksi(1200MPa)を超えるUTSも報告されている。Custom 450合金は、10%未満という小量の残留オーステナイト及び1〜2%以下のデルタフェライトを有する本質的にマルテンサイト系のミクロ組織が生じるように、クロム、ニッケル、モリブデン及び銅、並びに炭素及びニオブ(コロンビウム)のような他の潜在的な合金成分を含有している。ニオブは、炭素が0.03重量%を超える量で存在する場合炭素に対して10倍以下の重量比で添加し得る。これらの合金の沸騰している65重量%硝酸、室温の硫酸及び水素脆性に対する耐性が試験され、300系及び他の400系のステンレス鋼合金より秀でた耐性を有することが判明した。
別の例として、米国特許第6743305号(特許文献2)には、特定の範囲の化学、焼き戻し温度及び結晶粒度を有する結果として高強度と強靱性の両方を示す、回転する蒸気タービン部品に使用するのに適切な改良されたステンレス鋼合金が記載されている。この発明の合金は、硬化相がマルテンサイト系のミクロ組織内に銅に富む粒間析出物を含む析出硬化ステンレス鋼である。この合金の所要の機械的特性には、175ksi(約1200MPa)以上の極限引張強さ(UTS)、及び40ft−lb(約55J)より大きいシャルピー衝撃靱性が含まれる。特許文献2には、重量基準で、14.0〜16.0%のクロム、6.0〜7.0%のニッケル、1.25〜1.75%の銅、0.5〜1.0%のモリブデン、0.03〜0.5%の炭素、重量基準で炭素の10〜20倍の量のニオブ、残部の鉄と微量合金成分及び不可避不純物を含む析出硬化型ステンレス鋼合金が記載されている。微量合金成分及び不純物の最大レベルは、重量基準で、マンガン1.0%、ケイ素1.0%、バナジウム0.1%、スズ0.1%、窒素0.030%、リン0.020%、アルミニウム0.025%、イオウ0.008%、銀0.005%、鉛0.005%である。
上記析出硬化可能なマルテンサイト系ステンレス鋼は記載されている耐食性、機械的強度及び破壊靱性を提供し、回転する蒸気タービン部品に使用するのに適しているが、これらの合金はまだ粒間腐食攻撃(IGA)と腐食孔現象の両方の影響を受けやすいことが知られている。例えば、産業用ガスタービンの圧縮機に使用されるもののようなステンレス鋼翼形部は、翼形部の表面、特に前縁表面のIGA、応力腐食割れ(SCC)及び腐食孔に対して感受性を示す。これらは、翼形部表面における、空気によって運ばれた付着物、殊にこれらの付着物中に存在する腐食性の化学種及び吸気に由来する湿気によって可能になる様々な電気化学反応過程と関連していると考えられる。翼形部表面で起こる電気化学的に誘発された粒間腐食攻撃(IGA)及び腐食孔現象は、次に、これらの部品が直面する周期的熱及び作動応力のために翼形部の割れを生じる可能性がある。高レベルの水分は、圧縮機効率を高めるためにオンラインの水洗、霧(fogging)及び蒸発冷却、又はこれらの様々な組合せを使用する結果である可能性がある。腐食性の汚染物質は通常、タービンが作動する環境から生じる。その理由は、これらのタービンは、吸気中に各種の化学種が見られ得る化学若しくは石油化学プラントの近く、又は吸気中に各種の海塩が存在し得る海岸線その他の塩水環境若しくはその近く、又はこれらの組合せのような極めて腐食性の環境に、又は吸気が腐食性の化学種を含有するその他の用途で、設置されることが多いからである。産業用ガスタービンの休止時間に伴う大きな作動コストのため、例えば、タービンの出力に代わる電力を購入するコスト、並びに翼形部の修復又は交換を行うためにタービンを解体するコスト、及び翼形部の修復又は交換コスト自体のために、IGA耐性若しくは耐孔食性、又はこれらの両者の増強は重大な商用価値を有している。
米国特許第3574601号 米国特許第6743305号
以上の点に鑑みて、記載された作動環境においてタービン翼形部、特に産業用ガスタービン翼形部に使用するのに適しており、IGA、若しくは腐食孔、又は好ましくはこれらの両者に対して改良された耐性を有するステンレス鋼合金は望ましく商業的に価値があり、また競争上の優位性をもたらす。
本発明の1つの態様では、析出硬化ステンレス鋼合金は、重量基準で、約14.0〜約16.0%のクロム、約6.0〜約7.0%のニッケル、約1.25〜約1.75%の銅、約0.5〜約2.0%のモリブデン、約0.025〜約0.05%の炭素、炭素の約20〜約25倍の量のニオブ、残部の鉄と不可避不純物を含む。
本発明の別の態様では、析出硬化ステンレス鋼合金は、重量基準で、約14.0〜約16.0%のクロム、約6.0〜約7.0%のニッケル、約1.25〜約1.75%の銅、約>1.0〜約2.0%のモリブデン、約0.025〜約0.05%の炭素、炭素の約14〜約20倍の量のニオブ、残部の鉄と不可避不純物を含む。
本発明のさらに別の態様では、析出硬化ステンレス鋼合金を製造する方法は、重量基準で、約14.0〜約16.0%のクロム、約6.0〜約7.0%のニッケル、約1.25〜約1.75%の銅、約0.5〜約2.0%のモリブデン、約0.025〜約0.05%の炭素、炭素の約20〜約25倍の量のニオブ、残部の鉄と不可避不純物を含む析出硬化ステンレス鋼合金のプリフォームを提供するか、又は、重量基準で、約14.0〜約16.0%のクロム、約6.0〜約7.0%のニッケル、約1.25〜約1.75%の銅、約>1.0〜約2.0%のモリブデン、約0.025〜約0.05%の炭素、炭素の約14〜約20倍の量のニオブ、残部の鉄と不可避不純物を含む析出硬化ステンレス鋼合金のプリフォームを提供する段階を含んでいる。この方法はまた、合金の析出硬化をもたらすように構成された析出物を形成するのに充分な時効処理温度で合金を時効処理することも含んでいる。また、この方法は、本質的にマルテンサイト系の組織を含むミクロ組織並びに約1100MPa(160ksi)以上の極限引張強さ及び約50ft−lb(69J)より大きいシャルピーV−ノッチ付き強靱性を有する時効処理した合金の物品を形成するように充分に合金を冷却することも含んでいる。
以上及び他の利点及び特徴は、図面と併せて以下の説明を参照するとより明らかになるであろう。
本発明は、特許請求の範囲に具体的に示され、直接記載されている。本発明の上記及び他の特徴並びに利点は添付の図面と併せて以下の詳細な説明を参照することで明らかである。
図1は、本明細書に開示されている合金組成物についての、IGAに対する合金感受性(溝(ditched)粒界百分率)の、Nb/C比及び時効処理温度の関数としての主効果プロットである。 図2A〜2Dは、本明細書に開示されている合金組成物について、IGAに対する合金ミクロ組織の感受性(影響を受けたvs.影響を受けない)を、Nb/C比及び時効処理温度の関数として示す。 図3は、本明細書に開示されている合金組成物についての、IGAに対する合金感受性(溝粒界百分率)の、Nb/C比及びMo含量の関数としての主効果プロットである。 図4A〜4Dは、本明細書に開示されている合金組成物について、IGAに対するミクロ組織の感受性(影響を受けたvs.影響を受けない)を、Nb/C比及びMo含量の関数として示す。 図5は、本明細書に開示されている合金組成物についての、合金腐食孔成長速度(最大孔深さvs.暴露時間)の、Mo含量の関数としてのプロットである。 図6A及び6Bは、本明細書に開示されている合金組成物に対して、腐食孔耐性(影響を受けやすいvs.耐性)をMo含量の関数として示す。 図7は、本明細書に開示されている合金組成物に対して、合金ミクロ組織の定量分析から得られた、Nb/C比及びMo含量の関数としてIGAに対する感受性(溝(Ditching)%)を示すプロットである。 図8は、本明細書に開示されている合金組成物に対して、合金ミクロ組織の定量分析から得られた、Nb/C比及びMo含量の関数として腐食孔に対する感受性(孔の深さ)を示すプロットである。
以下の詳細な説明では、一例として図面を参照して本発明の実施形態を利点及び特徴と共に説明する。
改良された析出硬化マルテンサイト系ステンレス鋼合金は、合金成分及びそれらの相対量並びに時効熱処理の制御を介して改良されたIGA及び孔食耐性並びに高い機械的強度及び破壊靱性を示す。この合金は、公知の水性腐食環境でIGAの影響を受けず、腐食孔及びその他の一般的な腐食機構に対して極めて耐性であり、また溶体化及び時効熱処理後に約1100MPa(160ksi)以上の最小極限引張強さを有すると共に約50ft−lb(69J)以上のシャルピーV−ノッチ付き強靱性を有する。この合金は、微細な銅に富む析出物を含む分散した硬化析出相を有する均一なマルテンサイトミクロ組織と、ある種の化学及び加工処理要件と共同して合金に所望の耐食性、機械的強度及び破壊靱性の特性を生じる約10重量%以下の逆変態オーステナイトとによって特徴付けられる。この合金は、溶体化及び時効処理した状態で約160ksi(約1100MPa)以上、1つの実施形態においては約170ksi(約1172MPa)を超える極限引張強さ、及び約50ft−lb(約69J)以上、1つの実施形態においては約100ft−lb(約138J)を超えるシャルピー衝撃靱性を示す。
要約すると、本出願人は、炭素に対するニオブの量、すなわちNb/C比を、これまでに知られているよりも高いレベルに調節すると、合金のIGAに対する耐性が一層高くなり、最も高いNb/C比ではIGAに対して事実上影響を受けないという予想外の利益が得られることを発見した。例えば、約14〜約17、さらには約14〜約20のNb/C比で、IGAに対する耐性はCに対するNbの量が増加すると共に着実に改良される。予想外のことに、約20超約25以下のNb/C比で、この合金は、この合金が、IGA耐性を評価するのに用いられるASTM試験で使用される化学種を始めとして、タービンの作動中に通例遭遇する反応性化学種に関して事実上IGAの影響を受けないことを示唆するIGA耐性を示す。この約14〜約20のNb/C比においてIGA耐性が着実に改良されることから、約>20〜約25のNb/C比における実質的な不活性態への遷移は、予想外で商業的に価値がある結果である。さらに、本出願人は、Cに対して表示した量でNbを配合することによるIGA耐性の改良が、それぞれ約1100MPa及び約69Jより大きい最小極限引張強さ及び溶体化・時効熱処理後の最小のシャルピーV−ノッチ付き強靱性を含めて望ましい機械的強度及び破壊靱性を維持しつつ行うことができるということを確認した。
IGA耐性の改良に加えて、本出願人はまた、これまでに知られている量を超える量のMoを使用することにより、孔食及びその他IGAに関連しない腐食現象に対する耐性が大きく改良されることも発見した。例えば、合金の重量の約1%超約2%以下の量で得られる孔食耐性は、合金の重量の約0.5%〜約1%以下のMoで知られている量で得られる孔食耐性よりも改良される。また、これらのMoの量は、それぞれ約1100MPa及び約69Jより大きい最小極限引張強さ及び溶体化及び時効熱処理後の最小のシャルピーV−ノッチ付き強靱性を含めて望ましい機械的強度及び破壊靱性によって証明されるように、デルタフェライトを始めとするフェライトの望ましくない量を助長することがない。より具体的には、合金の重量の約1%超約1.75%以下の量で、孔食保護、合金のコスト及び望ましくないフェライト相の固定化の低下した傾向の望ましいバランスが得られる。これは、Moが一般に合金の他の主要な成分より高価であり、より高い濃度でデルタフェライトを始めとする望ましくないフェライト相の固定化に対して増大した傾向を有するからである。さらにまた、合金の重量の約1%超約1.50%以下の量で、公知の理由から、有効な孔食保護及びより望ましい合金コスト及びフェライト相の形成に対するさらに低下した傾向が得られる。さらに、上記の通り、本出願人は、表示した量のMoの配合による孔食耐性の改良が、それぞれ約1100MP及び約69Jより大きい最小極限引張強さ及び溶体化及び時効熱処理後の最小のシャルピーV−ノッチ付き強靱性を含めて望ましい機械的強度及び破壊靱性を維持しつつ行うことができるということを確認した。
本発明のステンレス鋼合金に適した幾つかの実施形態の合金組成を下記表1に要約する。比較のために、これらの実施形態を、特許文献2に示されている合金組成並びに産業用ガスタービンその他の用途の圧縮機セクションに用いられるタービン動翼及び静翼を始めとするタービン翼形部の製造のために本願出願人により使用されている商用合金GTD450の組成と共に示す。
表1に示されているように、第1の実施形態において、この合金は、重量基準で、約14.0〜約16.0%のクロム、約6.0〜約7.0%のニッケル、約1.25〜約1.75%の銅、約0.5〜約2.0%のモリブデン、約0.025〜約0.05%の炭素、炭素の約20〜約25倍の量のニオブ、残部の鉄と不可避不純物を含む。最も一般的な不可避不純物としては、Mn、Si、V、Sn、N、P、S、Al、Ag及びPbがあり、一般にいずれか1つの成分については合金の重量の約1%以下、任意の組合せでは約2.32%未満の制御された量であるが、記載されている実施形態の合金は、その他の不可避不純物を、本明細書に記載した合金特性、特に本明細書に記載した粒間腐食攻撃及び腐食孔に対する耐性、引張強さ、破壊靱性並びにミクロ組織形態を実質的に損なうことのない量で含んでいてもよい。さらに具体的には、不可避不純物はまた本質的に、重量基準で、約1.0%以下のMn、約1.0%以下のSi、約0.1%以下のV、約0.1%以下のSn、約0.03%以下のN、約0.025%以下のP、約0.005%以下のS、約0.05%以下のAl、約0.005%以下のAg、及び約0.005%以下のPbからなっていてもよい。合金成分の一般的な目的及び量、並びに不可避不純物及び量については以下でさらに述べる。
より具体的には、この実施形態の合金は、重量基準で、約14.0〜約16.0%のクロム、約6.0〜約7.0%のニッケル、約1.25〜約1.75%の銅、約0.5〜約1.0%のモリブデン、約0.025〜約0.05%の炭素、炭素の約20〜約25倍の量のニオブを含み得、残部は鉄及び不可避不純物である。不可避不純物に関する上記議論はこの合金組成物にも同様にあてはまる。この合金組成物は特に、例えば特許文献2に記載されている合金組成物と比較して、表1に記載されているようにNb/C比を約20超、特にNb/C比が約20<Nb/C≦25となるように増大すると共に、使用するMoの量の範囲を、特にMoが重量基準で約0.5≦Mo≦2.0となるように増大することによって実現することができる粒間腐食攻撃耐性の改良を示す。
さらにまた、この実施形態の合金は、重量基準で、約14.0〜約16.0%のクロム、約6.0〜約7.0%のニッケル、約1.25〜約1.75%の銅、約1.0超約2.0%以下のモリブデン、約0.025〜約0.05%の炭素、炭素の約20〜約25倍の量のニオブを含み得、残部は鉄及び不可避不純物である。上記の不可避不純物に関する解説はこの合金組成物にも同様にあてはまる。この合金組成物は特に、例えば特許文献2に記載されている合金組成物と比較して、表1に記載されているようにNb/C比を約20超、特にNbが約20<Nb/C≦25となるように増大すると共に、Moの量を約1重量%超、特にMoが重量基準で約1.0<Mo≦2.0となるように増大することによって実現することができる粒間腐食攻撃及び腐食孔の両方に対する耐性の改良を示す。
表1に示されているように、第2の実施形態において、この合金は、重量基準で、約14.0〜約16.0%のクロム、約6.0〜約7.0%のニッケル、約1.25〜約1.75%の銅、約>1.0〜約2.0%のモリブデン、約0.025〜約0.05%の炭素、炭素の約14〜約20倍の量のニオブ、残部の鉄と不可避不純物を含む。上記の不可避不純物に関する解説はこの合金組成物にも同様にあてはまる。この合金組成物は特に、例えば特許文献2に記載されている合金組成物と比較して、表1に記載されているようにMoの量を約1重量%超、特にMoが重量基準で約1.0<Mo≦2.0となるように増大することによって実現することができる腐食孔耐性の改良を示す。
より具体的には、この実施形態は、重量基準で、約14.0〜約16.0%のクロム、約6.0〜約7.0%のニッケル、約1.25〜約1.75%の銅、約>1.0〜約1.75%のモリブデン、約0.025〜約0.05%の炭素、炭素の約14〜約20倍の量のニオブを含み得、残部は鉄及び不可避不純物である。上記の不可避不純物に関する解説はこの合金組成物にも同様にあてはまる。この合金組成物は特に、例えば特許文献2に記載されている合金組成物と比較して、表1に記載されているように、隙間腐食性能を高めるためにNb/C比を特許文献2に記載されている範囲の最高限度まで、特にNb/C比が約14≦Nb/C≦20となるように増大すると共に、孔食性能を改良するためにMoの量を重量基準で約1.0超約1.75%以下、特にMoが重量基準で約1.0<Mo≦1.75%の範囲になるように増大し、さらにより具体的には孔食性能を改良するためにMoの量を重量基準で約1.0超約1.5%以下、特にMoが重量基準で約1.0<Mo≦1.5%の範囲になるように増大することによって実現することができる改良された粒間腐食攻撃及び腐食孔耐性を示す。
以上のことに鑑みて、クロム、ニッケル、銅、モリブデン、炭素及びニオブは、本明細書に開示されているステンレス鋼合金の必須の成分であり、重量基準で約10%以下の逆変態オーステナイトを有する本質的にマルテンサイト系の時効硬化されたミクロ組織を確実にする量で存在する。Custom 450ステンレス鋼合金(米国特許第3574601号)及び特許文献2に開示されている合金の場合と同様に、銅は、合金を強化するのに必要とされる銅に富む析出物を形成するために重要である。明らかに、本明細書に開示されている合金組成物は、極めて狭く、さらにはCustom 450合金について開示されているより狭い範囲の炭素含量、Custom 450合金又は特許文献2に開示されている合金について開示されているものより高い範囲のNb/C比、及び本明細書に記載されているように衝撃靱性を促進するための極めて限定された窒素含量を使用する。さらに具体的には、約0.03重量%を超える窒素含量は、本明細書に開示されている合金の破壊靱性に対して許容されない悪影響を有する。
炭素は、本明細書に開示されている合金で、析出物によりもたらされる析出強化機構に加えて溶体化強化の機構によって強度を達成するための鍵となる重要な元素として意図的な成分である。しかし、Type 422及びCustom 450(炭素含量0.10〜0.20重量%)のような他のステンレス鋼と比較して、炭素は不純物型のレベルに維持される。合金中に存在する限定された量の炭素は、オーステナイトを形成しないように、かつ逆変態オーステナイトの形成を本明細書に記載した量に慎重に制限するように、ニオブにより安定化される。比較的高いNb/C比は、米国特許第3574601号(Custom 450)及び特許文献2の教示とは反対であるが、本明細書に記載したように、粒間腐食攻撃耐性の改良を達成し強度及び破壊靱性の所望のレベルを維持するために必要である。従来、Nb/C比(及びニオブ量)は、様々な目的のため、例えば、全てのニオブと炭素を完全に結合するのに必要とされる約8:1の理論的な比、並びに引張強さ及び衝撃靱性要件を達成するための約20:1以下の比を達成するために、約20以下、1つの実施形態においては約15以下のレベルに維持されていた。約20より大きいNb/C比を提供するのに充分な量のNbを使用することの効果は知られていなかった。特許文献2には例として20より大きいNb/C比を有する幾つかの合金が挙げられているが、それらは本明細書に記載した範囲から外れる量の様々な他の合金成分を有しており、望ましくない合金の機械的性質を有している。このように、これらの量を超えるニオブ、特に約20より大きいNb/C比が析出硬化型マルテンサイト系ステンレス鋼の耐食性、引張強さ、衝撃靱性、ミクロ組織形態学、例えば相及び相分布に及ぼし得る効果については知られていなかった。しかし、本明細書に開示されているように、(炭素に対して)より高いニオブ含量は、さらに合金中に存在する他の主要な炭化物(例えば、炭化クロム、炭化モリブデン、など)の炭化物生成に影響し、また約20より大きいNb/C比はこれらの合金の時効処理温度と関連する粒間腐食攻撃に対する感受性化の傾向が顕著に低下する(すなわち、粒間腐食攻撃に対する感受性化が時効処理温度の関数ではないか、又は時効処理温度に関連する効果が大いに低下する)ので、時効熱処理中の析出反応にも影響を及ぼし得ると考えられる。約10〜約20のNb/C比では、合金の感受性化の傾向は時効処理温度の関数である。本出願人は、約20超、特に最大約25以下のNb/C比で、約1000〜約1100°F、より具体的には約1020〜約1070°F(約549〜約576℃)、さらにより具体的には約1040〜約1060°F(約560〜約571℃)の温度で時効処理することによって、タービン圧縮機翼形部及び多くの他の用途に望ましい約1100MPa以上のUTSを始めとする引張強さ及び破壊靱性、並びに約69J以上のシャルピーV−ノッチ付き強靱性を得ることができるということ、しかしさらに本明細書に記載したようにこれらの合金が時効処理温度に関係なく事実上IGAの影響を受けないくらいにIGA耐性が高められるということを発見した。さらに、本出願人は、約1020〜約1070°F(約549〜約577℃)で約4〜約6時間の範囲の時間の時効熱処理後、特に粒界に隣接して合金の重量の約10%以下の逆変態オーステナイトを有する本質的にマルテンサイト系のミクロ組織形態を始めとする望ましいミクロ組織形態、特に望ましい相及び望ましい相分布の存在が実現されるということを発見した。
クロムは、本明細書に開示されている合金にステンレス(錆びない)特性をもたらし、そのためこれらの合金には約14重量%の最小のクロム含量が必要とされる。しかし、米国特許第3574601号で議論されているように、クロムはフェライト形成体であり、従ってデルタフェライトを避けるために合金内で約16重量%の量に限定される。また、合金のクロム含量は、合金が本質的にマルテンサイト系であることを確実にするために、ニッケル含量と共に考慮しなければならない。米国特許第3574601号で議論されているように、ニッケルは耐食性を助長し、マルテンサイト系ミクロ組織のバランスをとるように働くが、またオーステナイト形成体でもある。約6.0〜約7.0重量%の狭い範囲のニッケルは、ニッケルの望ましい効果を得ると共にオーステナイトを回避するのに役立つ。
既に特許文献2に報告されているように、モリブデンもまた合金の耐食性を促進する。しかし、特許文献2にはモリブデンについて0.5〜1.0重量%の比較的狭い範囲が特定されており、現在のところこれがGTD 450に用いられている(表1参照)。従って、2%以下、さらには3%以下のMoを使用する可能性が先のCustom 450仕様書(特許文献1)に記載されていたにも関わらず、特許文献2の逆の教示、特に1.0%を超える量でMoを使用するとデルタMoフェライトの形成に悪影響を与え(増大し)、従って合金の耐食性が低下するであろうという教示のために、約1.0%を超えるMoレベルを使用することの適切性及び影響は知られていなかった。さらに、特許文献1は、0.2%max(最大)以下、好ましくは0.1%max以下の著しく高い量の炭素を利用する合金を包含しており、例示その他の点で約0.025〜約0.050%の範囲の炭素も有する合金組成物については考慮していなかった。特許文献1と特許文献2の炭素濃度に関する違いは、モリブデンと炭素が相互作用して炭化モリブデンを形成することがこれらの合金の孔食耐性に影響を及ぼす重要な役割を果たすと考えられている点に鑑みて重要である。こうして、本明細書に開示されている炭素の範囲(約0.025〜約0.05%)と一部重なる範囲(0.03〜0.05%)の炭素を規定している特許文献2に教示されているMoの量に関する制限(0.5〜1.0%)は、現行の商習慣が同じ範囲でこれらの成分を利用し続けているという事実、及び高めのMo量を使用することが孔食に対する耐性を損なうであろうデルタMoフェライトの生成のために望ましくないという特定の教示と相俟って、約1.0%を超えるレベルのMoを有するこの種の合金の開発を回避させることになっていた。本出願人は、驚くべきことに、重量基準で約1.0%超約2.0%以下の量でMoを使用すると、以前に考えられていたようにデルタMoフェライトの生成量が増大することにより孔食に対する耐性に悪影響を及ぼすのではなく、本明細書に開示されている合金の孔食に対する耐性が著しく増大するということを発見した。より特定的には、約1.5〜約2.0重量%のMoの混入は、本明細書に開示されている合金の孔食に対する耐性を増大することに関して特に有利である。本明細書に開示されている合金のこの有利な態様は単独で孔食耐性のみを改良するのに用いてもよいし、又は本明細書に開示されている高いNb/C比と組み合わせてこれらの合金の粒間及び孔食の両方に対する耐性を増大するのに用いてもよい。
本明細書に開示されている合金組成物の代表的な実施形態において開示されている範囲のMo含量を使用すると、重量基準で約2%以下の量でフェライトを含むマルテンサイト系ミクロ組織が生成する。マルテンサイト系のミクロ組織中におけるフェライト相(デルタフェライトを含む)の生成は、本明細書に開示されている合金の耐食性に対して有害である。しかし、重量基準で約2%以下の量のデルタフェライトを始めとするフェライトの存在は、これらの合金の耐食性及び機械的性質に対して最小の効果を有する。
本明細書に記載した量のNb及びMoの添加は、それらの高い融点のために凝固中これらの合金内の偏析を助長する傾向がある可能性がある。かかる偏析は、相分布及び合金のミクロ組織に対する偏析の負の効果、例えば、望ましいマルテンサイト系ミクロ組織を形成する傾向の低下及びフェライト若しくはオーステナイト又はこれらの組合せを生成する傾向の増大のために一般に望ましくない。従って、かかる偏析の傾向を低減するために、一般に、時効処理に先立って溶体化熱処理を使用する。
マンガンとケイ素は合金に必須ではなく、バナジウム、窒素、アルミニウム、銀、鉛、スズ、リン及びイオウはいずれも不純物であると考えられ、それらの最大量は本明細書に記載したように制御される。しかし、表1に示されているように、オーステナイト形成体であるマンガンと、フェライト形成体であるケイ素は共に合金中に存在していてもよく、存在する場合、単独で又は合わせて、本明細書に開示されているようなフェライトとオーステナイトのバランスを調節するのに充分なレベルで、これらの相の生成とその相対量に影響する他の合金成分と共に使用することができる。ケイ素もまた、本明細書に開示されているステンレス鋼合金を含めて鋼を融解するときに偏析制御を提供する。
本明細書に開示されている合金の最後の重要な態様は焼き戻し又は時効熱処理の要件である。この熱処理及び付随する合金の冷却は析出硬化熱処理であり、本明細書に記載した望ましい強度、強靱性、耐食性その他の性質をもたらすCuに富む析出物を含む分配された微細な析出相、及び合金のミクロ組織のその他の態様を生成する。この熱処理は約1000〜約1100°F(約538〜約593℃)の温度で少なくとも約4時間、より特定的には約4〜約6時間の範囲の持続時間実施することができる。より特定的には、約1020〜約1070°F(約549〜約576℃)の範囲の時効処理温度を使用することができる。さらにより特定的には、約1040〜約1060°F(約560〜約571℃)の範囲の時効処理温度を使用することができる。約20より低い、さらに特定的には約15より低いといったような低めのNb/C比を有する本明細書に開示されている合金の場合、過時効(overaging)及び粒間腐食攻撃に対する感受性化の増大を回避するために約990〜約1020°F(約532〜約549℃)の焼き戻し温度が好ましい。他の点では、本発明のステンレス鋼合金は実質的に伝統的な方法で加工処理することができる。例えば、合金は、アルゴン酸素脱炭(AOD)取鍋精錬を伴う電気炉融解とその後のインゴットの電気スラグ再融解(ESR)によって製造することができる。その他類似の融解法を使用することもできる。その後、適切な成形作業を用いて、バーストック及びタービン翼形部の形状を有する鍛造品を製造し得る。この合金から形成される部品を含めて合金は、その後、約1850〜約1950°F(約1010〜約1066℃)の範囲で約1〜約2時間溶体化熱処理した後、上記時効熱処理を行う。この時効熱処理は、周囲又は真空環境内で本明細書に開示されている温度と時間で実施して、本明細書に開示されている望ましい機械的性質及び耐食性を達成することができる。
本明細書に開示されている合金は産業用ガスタービンの部品に使用されるものを始めとするタービン翼形部部品を形成するのに使用できる。タービン圧縮機動翼の形態の典型的なタービン翼形部はよく知られている。動翼は前縁、後縁、先端縁部、及びタービンディスクへの取り外し可能な取り付け用に構成されたダブテール型根元部のような動翼根元部を有している。動翼の全長は先端縁部から動翼根元部まで延在している。この全長内に含まれる動翼の表面はタービン翼形部の翼形部表面を構成する。この翼形部表面は、タービン入口からタービンの圧縮機セクションを通ってタービンの燃焼室その他の部分に入る空気の流路に暴露される、タービン翼形部の部分である。本明細書に開示されている合金は、タービン圧縮機の動翼及び静翼の形態でタービン翼形部に使用するのに特に有用であるが、広範囲のタービンエンジン部品内に使用されるあらゆるタービン翼形部に広く適用可能である。これらには、タービン圧縮機静翼及びノズル、シュラウド、ライナー及びその他のタービン翼形部に伴うタービン翼形部、すなわち、隔膜部品、シール部品、バルブステム、ノズルボックス、ノズルプレート、などのような翼形部表面を有するタービン部品がある。また、これらの合金は圧縮機動翼に有用であるが、産業用ガスタービンのタービン部品、例えば動翼及び静翼、蒸気タービンバケット及びその他の翼形部部品、航空機エンジン部品、オイル及びガス機械部品、並びに高い引張強さ、破壊靱性及び粒間及び孔食に対する耐性を必要とするその他の用途に使用することができる可能性がある。
以下の実施例を参照することにより、本明細書に開示されている合金が理解されよう。
合金化学、特にNb/C比、及び時効処理温度が合金のIGAに対する感受性又は感受性化に及ぼす効果を評価するために、スクリーニング実験計画(DOE)の検討を行った。本明細書に開示されている範囲内の組成を有し、かつ表2に示す様々なNb/C比、Mo含量及び時効処理温度を有する一群の試験片を本明細書に記載したようにして調製し、ASTM A262に従って粒間腐食試験に付した。IGAに対する感受性化の程度は、試験片内の粒間腐食により攻撃された粒界(溝境界)の直系(lineal)百分率を測定することによって評価した。この試験の結果を図1、2A、2B、2C及び2Dに示す。これらの図は、公知のDOE方法論に従って主効果を特定するために上記可変量の関数として感受性化の程度をプロットしたものである。図1、2A、2B、2C及び2Dを参照すると、これらの結果は、Nb/C比がこれらの合金のIGAに対する感受性化に強い効果を有し、時効処理温度がこれらの合金のIGAに対する感受性化に弱い効果を有することを示している。曲線の傾き(図1)は、各可変量の効果の意義に対応している。このプロットは本明細書に記載したようなNb/C比の効果を反映しており、Nb/C比が増大するとIGAに対する感受性化が低下することを示している。このプロットは、約17.5より高いNb/C比を有する合金組成物が時効処理温度に関わらずIGAに対して不感受性であることを示している。低いNb/C比では、時効処理温度を上昇させると(過時効処理)合金のIGAに対する感受性化が増大する。
IGAに対する合金の感受性又は感受性化に及ぼす合金化学、特にNb/C比及びMo含量の効果を再度評価するために検証DOEの検討を行った。本明細書に開示されている範囲内の組成を有し、かつ表3に示されている様々なNb/C比、Mo含量及び同じ時効処理温度を有する一群の試験片を、本明細書に記載したようにして調製し、ASTM A262に従って粒間腐食試験に付した。
試験片内で腐食により攻撃された粒界(溝境界)の直系程度の百分率を、粒界の全直系測定を参照して測定することによって、IGAに対する感受性化の程度を評価した。ASTM試験により、感受性化は、少なくとも1つの完全な溝粒界、すなわちIGAにより完全に取り囲まれた粒界と定義される。試験の結果を図3及び4に示す。これらの図は、公知のDOE方法論に従って主効果を特定するために上記可変量の関数として感受性化の程度をプロットしたものである。本明細書に記載した合金組成物のIGA耐性に及ぼす可変量の総合効果を示すために、2つのDOE研究のデータの分析を行った。この分析の結果を図7に示す。図3、4及び7を参照すると、これらの結果もまた、Nb/C比を増大するとIGAに対する感受性化が低下し、約20以下のNb/Cが約5%未満の感受性化(溝粒界)を有することを示している。約20より高いNb/C比で、合金は時効処理温度に関わらずIGAに対する不感受性を示す。14未満のNb/C比で、合金は、殊に過時効処理した場合IGAの影響を受けやすい(約30%超の溝粒界を有する)。Mo含量はIGAに対する合金の感受性に対して顕著な効果を何ら示さなかった。
ASTM G85 A4に従い標準的な促進塩霧試験を行って、合金化学、特にMo含量及びNb/C比の合金腐食孔耐性に対する効果を評価した。本明細書に開示されている範囲内の組成を有し、かつ表3に示したような様々なMo含量及びNb/C比並びに同じ時効処理温度を有する一群の試験片を、本明細書に記載したようにして調製し、5%NaCl、pH3で約1992時間までの時間の塩霧暴露に付した。
所与の時間の暴露の後の試験片の最大の孔の深さを測定することにより、腐食孔に対する耐性の程度を評価した。図5、6A及び6Bに挙げた試験の結果は、本明細書に記載した合金組成物のMo含量の関数として、孔の深さの成長速度及び孔食密度の比較を示す。図5、6A、6B及び8を参照すると、これらの結果は、本明細書に記載した合金組成物のMo含量が増大すると腐食孔耐性が著しく改良されることを示している。2%のMoの添加で、本明細書に記載した合金は、約0.62%のMo含量を有する現行版のGTD450(約1992時間の塩霧暴露後の最大の孔深さ約34ミル、約480時間の塩霧暴露の高い孔食密度)より、良好な腐食孔耐性(約1992時間の塩霧暴露後の最大の孔深さがたった約3.5ミルで、1440時間の暴露後の低い孔食密度)を示した。Nb/C比は合金の腐食孔耐性に対して顕著な効果を示さなかった。
合金の最良の組成バランスを模するためにStatEasのDesign Expertを用いた統計分析を上記試験データに基づいて実施した。分析結果は、合金の最適化された組成が約20より大きいNb/C比及び約1.5%のMo含量であることを示唆している。
本明細書中の用語「1つの」及び「ある」は量の制限を意味するのではなく、参照した項目が1以上存在することを意味している。量に関して使用する修飾語「約」は明記した値を含み、背景状況によって決定される意味を有する(例えば、特定の量の測定に伴う程度の誤差を含む)。さらに、他に限定されない限り、本明細書に開示されている全ての範囲は包括的で組合せ可能であり(例えば、「約25重量%(wt%)以下、特定的には約5〜約20wt%、さらにより特定的には約10〜約15wt%」の範囲は終点を含み、またあらゆる中間の値の範囲、例えば「約5〜約25wt%、約5〜約15wt%」、などを含む)。合金組成物の成分の列挙と関連した「約」の使用は列挙された全ての成分にあてはまり、また範囲に関連してはその範囲の両方の終点にあてはまる。最後に、他に定義されない限り、本明細書で使用する技術用語及び科学用語は、本発明が属する分野の当業者に通常理解されているのと同じを有する。本明細書で使用する単数形態の用語はその用語で表されるものの複数の場合も包含する(例えば、金属とは1種以上の金属を意味する)。本明細書を通じて「1つの実施形態」、「別の実施形態」、「ある実施形態」などというときは、その実施形態に関連して記載されている特定の要素(例えば、特徴、組織、及び/又は特性)が本明細書に記載した少なくとも1つの実施形態に含まれ、他の実施形態では存在していてもいなくてもよいことを意味する。
本明細書に記載した合金組成物に関して「含む」を使用することは、合金組成物が名前を挙げた成分「から本質的になる」(すなわち、名前を挙げた成分を含有するが、開示されている基本的で新規な特徴に著しい悪影響を与える他の成分を含まない)実施形態、及び合金組成物が名前を挙げた成分「からなる」(すなわち、各名前を挙げた成分中に自然にかつ不可避的に存在する汚染物質を除いて名前を挙げた成分のみを含有する)実施形態を具体的に開示し、かつ包含するものと了解されたい。
限定された数の実施形態についてのみ本発明を詳細に説明して来たが、本発明がかかる開示された実施形態に限定されないことは容易に理解される。むしろ、本発明は、以上には記載されていないが本発明の思想と範囲内に入る任意の数の変形、変更、置換又は等価な処置を含むように修正することができる。さらに、本発明の様々な実施形態について記載して来たが、本発明の態様は記載した実施形態の幾つかのみを含んでいてもよいものと了解されたい。従って、本発明は以上の説明に限定されるものではなく、特許請求の範囲によってのみ限定される。

Claims (20)

  1. 重量基準で、約14.0〜約16.0%のクロム、約6.0〜約7.0%のニッケル、約1.25〜約1.75%の銅、約0.5〜約2.0%のモリブデン、約0.025〜約0.05%の炭素、炭素の約20〜約25倍の量のニオブ、残部の鉄と不可避不純物を含む析出硬化ステンレス鋼合金。
  2. モリブデンが約1.0%超約2.0%以下のモリブデンである、請求項1記載の析出硬化ステンレス鋼合金。
  3. モリブデンが約1.0%超約1.5%以下のモリブデンである、請求項1又は請求項2記載の析出硬化ステンレス鋼合金。
  4. 合金が、マルテンサイトミクロ組織を有し、約1100Mpa以上の極限引張強さ及び約69J以上のシャルピーV−ノッチ付き強靱性を有する、請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の析出硬化ステンレス鋼合金。
  5. 時効処理したミクロ組織が、マルテンサイト及び約10%以下の逆変態オーステナイトからなる、請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の析出硬化ステンレス鋼合金。
  6. 合金がタービン翼形部を構成する、請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の析出硬化ステンレス鋼合金。
  7. さらに、約1.0%以下のマンガン、約1.0%以下のケイ素、約0.1%以下のバナジウム、約0.1%以下のスズ、約0.030%以下の窒素、約0.025%以下のリン、約0.005%以下のイオウ、約0.05%以下のアルミニウム、約0.005%以下の銀及び約0.005%以下の鉛を不可避不純物として含む、請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載の析出硬化ステンレス鋼合金。
  8. 重量基準で、約14.0〜約16.0%のクロム、約6.0〜約7.0%のニッケル、約1.25〜約1.75%の銅、約>1.0〜約2.0%のモリブデン、約0.025〜約0.05%の炭素、炭素の約14〜約20倍の量のニオブ、残部の鉄と不可避不純物を含む析出硬化ステンレス鋼合金。
  9. モリブデンが約1.0%超約1.5%以下のモリブデンである、請求項8記載の析出硬化ステンレス鋼合金。
  10. ニオブが炭素の約16〜約20倍の量である、請求項8又は請求項9記載の析出硬化ステンレス鋼合金。
  11. 合金が、マルテンサイトミクロ組織を有し、約1100MPa以上の極限引張強さ及び約69J以上のシャルピーV−ノッチ付き強靱性を有する、請求項8乃至請求項10のいずれか1項記載の析出硬化ステンレス鋼合金。
  12. 時効処理したミクロ組織がマルテンサイト及び約10%以下の逆変態オーステナイトからなる、請求項8乃至請求項11のいずれか1項記載の析出硬化ステンレス鋼合金。
  13. 合金がタービン翼形部を構成する、請求項8乃至請求項12のいずれか1項記載の析出硬化ステンレス鋼合金。
  14. 析出硬化ステンレス鋼合金を製造する方法であって、
    重量基準で、約14.0〜約16.0%のクロム、約6.0〜約7.0%のニッケル、約1.25〜約1.75%の銅、約0.5〜約2.0%のモリブデン、約0.025〜約0.05%の炭素、炭素の約20〜約25倍の量のニオブ、残部の鉄と不可避不純物を含む析出硬化ステンレス鋼合金のプリフォームを準備するか、又は、重量基準で、約14.0〜約16.0%のクロム、約6.0〜約7.0%のニッケル、約1.25〜約1.75%の銅、約>1.0〜約2.0%のモリブデン、約0.025〜約0.05%の炭素、炭素の約14〜約20倍の量のニオブ、残部の鉄と不可避不純物を含む析出硬化ステンレス鋼合金のプリフォームを準備し、
    合金プリフォームを、合金の析出硬化をもたらすように構成された析出物を形成するのに充分な時効処理温度で時効処理し、
    合金プリフォームを、本質的にマルテンサイト系のミクロ組織を含むミクロ組織を有し、約1100MPa以上の極限引張強さ及び約69J以上のシャルピーV−ノッチ付き強靱性を有する時効処理された合金の物品を形成するように充分に冷却する
    ことを含んでなる、前記方法。
  15. 時効処理温度が約1000〜約1100°Fの範囲である、請求項14記載の方法。
  16. 時効処理温度が約1020〜約1070°Fの範囲である、請求項14又は請求項15記載の方法。
  17. 合金が、時効処理されたミクロ組織を有し、約1100Mpa以上の極限引張強さ及び約69J以上のシャルピーV−ノッチ付き強靱性を有する、請求項14乃至請求項16のいずれか1項記載の方法。
  18. 時効処理されたミクロ組織がマルテンサイト及び約10%以下の逆変態オーステナイトからなる、請求項14乃至請求項17のいずれか1項記載の方法。
  19. 合金プリフォームがタービン翼形部プリフォームを構成する、請求項14乃至請求項18のいずれか1項記載の方法。
  20. 物品がタービン翼形部からなる、請求項14乃至請求項19のいずれか1項記載の方法。
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