JP2010179862A - ホイールディスク及び車輌用ホイール - Google Patents

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Abstract

【課題】ホイールディスクの重量の増加を極力さけて、効率よく剛性を向上させる車輌用ホイールを提供する。
【解決手段】ディスク穴を有するホイールディスクであって、前記ディスク穴は周縁が前記ホイールディスクの厚さ方向の内側にU字状に折り返されてなり、前記周縁の折り返し角度がホイールディスクの外面に対して60°以上135°以下に設定され、前記周縁の前記ホイールディスク外面からの最大高さHが前記ホイールディスクの厚さ方向の断面厚さDに対して1.5×D以上2.5×D以下に設定された前記ディスク穴が前記ホイールディスクの周方向に沿って複数配置される。
【選択図】図1

Description

本発明は、ホイールディスク、特に剛性を向上させることが可能なホイールディスク及び当該ディスクを備えた車輌用ホイールの構造に関する。
従来、車輌用ホイールの剛性は、タイヤから発生するロードノイズに影響を及ぼすことが知られ、特に車輌用ホイールを構成するホイールディスクに生じる面外曲げ剛性(断面厚さ方向に作用する耐応力)がロードノイズ性能に大きな影響を与えている。
ロードノイズ性能は、ホイールディスクの面外曲げ剛性の高いアルミホイールの方がスチールホイールよりも良いことが知られており、面外曲げ剛性を向上させるためには、ホイールディスクの断面厚さや形状を変化させることが必要となる。
しかし、ホイールディスクの断面厚さを厚くすると重量を増加させるおそれがあり、またホイールディスクの形状を変化させると、ホイールディスクの内側に位置するブレーキキャリパーと干渉するおそれがある。
特にスチールホイールの場合には、ホイールディスクの外面に取付けられるホイールキャップが装着しにくくなるなどのおそれもある。
例えば、アルミホイールは特許文献1に示すように、鋳造などにより作製されるが、鋳造のアルミホイールがスチールホイールと同等の剛性を得るためにはスチールホイール以上の重量が必要となる。
一方、スチールホイールは、ホイールを構成するリムとホイールディスクを別々に形成し、リムにホイールディスクを嵌め込んで溶接することにより作製されるため、ホイールディスクの形状や厚さを変更して剛性を向上させる場合には制限を受けるが、アルミホイールに比べ、素材の安さや生産性の高さには優位性がある。
特開2006−240332号公報
本発明は、上記課題を解決するため、車輌用ホイールの外面のホイールキャップや内側のブレーキキャリパーとの干渉を防ぎ、ホイールディスクの重量の増加を極力さけつつ、効率よく剛性を向上させて、ロードノイズを低減させることができるホイールディスク及びこのホイールディスクを備えた車輌用ホイールを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の第1の構成として、ディスク穴を有するホイールディスクであって、ディスク穴の周縁がホイールディスクの厚さ方向の内側に折り返されてなる構成とした。
本発明によれば、ディスク穴の周縁がホイールディスクの厚さ方向の内側に折り返されることにより、断面形状が変化し、材料力学的な断面2次モーメントが増加し、面外曲げ剛性が増加することで、ホイールディスクの重量をほとんど増加させることなく剛性を向上させて、ロードノイズを低減させることができる。
本発明の第2の構成として、周縁の折り返し角度がホイールディスクの外面に対して60°以上135°以下に設定される構成とした。
本発明によれば、周縁の折り返し角度がホイールディスクの外面に対して60°以上135°以下に設定されることにより、折り返された部分の断面形状が変化し、材料力学的な断面2次モーメントが増加し、面外曲げ剛性が増加することで、ホイールディスクの剛性を効率よく向上させて、ロードノイズを低減させることができる。
本発明の第3の構成として、周縁のホイールディスク外面からの最大高さHがホイールディスクの厚さ方向の断面厚さDに対して1.5×D以上2.5×D以下に設定される構成とした。
本発明によれば、周縁のホイールディスク外面からの最大高さHがホイールディスクの厚さ方向の断面厚さDに対して1.5×D以上2.5×D以下に設定されることにより、ホイールディスク内側方向に折り返された部分が、ブレーキキャリパーなどのホイール内部の部品と接触することなくホイールディスクの剛性を効率よく向上させることができる。
本発明の第4の構成として、ディスク穴をホイールディスクの周方向に沿って複数配置する構成とした。
本発明によれば、ディスク穴がホイールディスクの周方向に沿って複数配置されることにより、効率よくホイールディスクの剛性を向上させることができる。
本発明の第5の構成として、車輌用ホイールは、請求項1乃至請求項4に記載のホイールディスクを備える構成とした。
本発明によれば、車輌用ホイールに請求項1乃至請求項4に記載のホイールディスクを備えたことにより、ホイールがブレーキキャリパーと干渉せず、かつ、ホイールの重量をほとんど増加させることなく、ホイールの剛性を効率よく向上させることができる。
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴のすべてを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となり得る。
本発明の実施形態に係る車輌用ホイール外観図及び断面図。 本発明の実施形態に係るディスク穴の拡大図。 本発明の実施形態に係るディスク穴のK−K′切断面での折り返し例の拡大図。 本発明の実施形態に係るディスク穴のK−K′切断面において断面厚さを一定とした折り返し例の拡大図。 本発明の実施形態に係る折り返しにより厚みを変化させたときの試験結果。 本発明の実施形態に係る折り返し角度を変化させたときの試験結果。
以下、本発明について説明する。
図1(a)は、車輌用ホイール10の外面を示し、図1(b)は、車輌用ホイール10を構成するホイールディスク11及びリム12の断面図を示す。図2は、図1(a)のディスク穴1を拡大した図を示す。
図1(a)に示すように、本形態の車輌用ホイール10(以下、ホイール10と示す)は、リム12とホイールディスク11とによって構成されるスチールホイールである。
リム12は、スチール製の板状部材を所定の寸法の長方形に断裁し、長手方向の対辺が当接するようにベンディング加工により湾曲されて、当接する辺同士を溶接することにより円筒状に形成される。その後、開口する両端部がフレア加工により、ホイールフランジ22として形成され、その後エキスパンド加工により全体形状が真円形となるように所定の寸法まで拡径されることによりリム12が形成される。
ホイールディスク11は、スチール製の板状部材を打ち抜き、この打ち抜かれた部材をプレス加工することによりホイールディスク11の基礎となる立体的な形状が形成される。そして立体的に形成された部材から、リストライク加工により不要な部分を取り除き、コイニング加工によりディスク穴1などを打ち抜いてホイールディスク11が形成される。
ホイールディスク11は、ハブ孔16と取付孔15とディスク穴1を備える。
ハブ孔16は、ホイールディスク11の中心に設けられ、ホイールディスク11の内外方向、即ち厚さ方向に貫通する孔である。
ハブ孔16は、ホイール10が車輌のハブに組み付けられたときに、ハブから突出する車軸の一部と対応し、車軸に対してホイール10が偏心して回転することを防止する。
取付孔15は、前記ハブ孔16と同様にホイールディスク11の厚さ方向に貫通する孔であって、ハブ孔16を中心とする同心円上に均等な間隔で複数開設される。
取付孔15は車輌のハブとホイールディスク11を固定するボルト等が貫通する孔であって、孔の周囲がボルトに螺合するナットの座面として用いられる。
ディスク穴1は、ホイールディスク11の厚さ方向に貫通する真円状の孔であって、前記取付孔15よりも半径方向外側、かつ、ハブ孔16を中心とする同心円上に複数個開設される。また、複数のディスク穴1同士は互いに均等な間隔で開設される。つまり、ディスク穴1はホイールディスク11の周方向に沿って等しい間隔で開設される円孔である。
前記ディスク穴1は、ブレーキにより生じる熱を放出する冷却効果と、ホイール10全体の軽量化のために形成されるものであって、円形に限らず楕円や方形の孔として形成しても良い。また、ディスク穴1の個数は、図示の個数に限らず適宜決定すれば良い。
以下、図1(b)及び図2を参照し、ディスク穴1の具体的な作成工程について詳説する。
図2に示すように、ホイールディスク11にはコイニング加工等によりホイールディスク11の厚さ方向に貫通する所望の直径Aよりも小さい直径Bの基礎孔3が開設される。基礎孔3の周縁2aは図1(b)の矢印Sで示すホイールディスク11の厚さ方向内側(ホイールの車輌組み付け方向側)に向けて折り返される。
具体的には、例えば所望の直径Aを有するダイを備える金型とプレス機を用いて、周縁2aを徐々に折り曲げながら基礎孔3の直径Bを拡径することにより、ディスク穴1の周縁に相当する折り返し部2が形成される。
折り返し部2は、図3(a)〜図3(e)に示すように略U字状或いは略L字状に形成される。
つまり、折り返し部2は周縁2bと折り返し部2の立ち上がり部分とを繋ぐ突片として形成される。
なお、ホイールディスク11上に開設された全ての孔を折り返し部2を有する孔として形成する必要はなく、ホイールディスク11の回転バランス等を考慮して一部の孔のみをディスク穴1として開設しても良い。
図3(a)〜図3(e)は折り返し角度がそれぞれ異なるディスク穴1の形態を示す図2におけるK−K′断面図である。
図3(a)〜図3(e)に示すように、折り返し部2は、ホイールディスク外面11aからの最大高さHがホイールディスク11の断面厚さDに対して1.5×D以上2.5×D以下の範囲となるように折り返して形成される。
具体的に、最大高さHが1.5×D以上2.5×D以下とは、折り返し前の周縁2aを曲げることにより、折り返し後の周縁2bの端部6又は端部7からホイールディスク外面11aまでの高さ(厚み)が1.5×D以上2.5×D以下となるように、徐々に折り返しの角度を変化させたときの状態である。
例えば、図3(a)に示すように、最大高さHが1.3Dとは、折り返し前の周縁2aが折り返されて、折り返し後の周縁2bの端部7とホイールディスク外面11aまでの高さが1.3×Dであることを示す。
また、図3(b)に示すように、最大高さHが1.5Dとは、高さ1.3Dのときの周縁2bをさらに折り返して、折り返し後の周縁2bの端部7とホイールディスク外面11aまでの高さが1.5×Dとなるように折り返し部2が形成された状態を示す。
また、図3(d)に示すように、最大高さHが2.5Dとは、さらに折り返しを継続して折り返し後の周縁2bの端部6とホイールディスク外面11aまでの高さが2.5×Dとなるように折り返し部2が形成された状態を示す。ここで、図3(d)が示すように、折り返し角度が90°を過ぎたときに、ホイールディスク外面11aまでの高さを形成する折り返し後の周縁2bの端部の位置が端部7から端部6に入れ替わる。
つまり、上記折り返しは、折り返し前の周縁2aの端部4が折り返し後の周縁2bの端部6の位置に変化し、この端部6と接する接線Pの傾きが変化するように行われ、所定の曲率を描くように折り返しが形成される。
さらに、折り返し部2は、折り返し前の周縁2aの位置に対して、折り返し角度θが60°以上135°以下の範囲に設定される。
ここで、折り返し角度θとは、折り返し前の周縁2aが折り返されて折り返し部2が形成され、折り返し後の周縁2bの端部6に接する接線Pとホイールディスク外面11aの折り返し前の周縁2aの端部4に接する接線Qとに挟まれる角度である。
なお、折り返し部2は、所定の曲率で折り返される。
具体的に、折り返し角度θが60°とは、図3(b)に示すように、折り返し後の周縁2bの端部6に接する接線Pとホイールディスク外面11aの折り返し前の周縁2aの端部4に接する接線Qに挟まれる角度を示す。
また、折り返し角度θが135°とは、図3(e)に示すように、折り返し後の周縁2bの端部6に接する接線Pとホイールディスク外面11aの折り返し前の周縁2aの端部4に接する接線Qに挟まれる角度を示す。
以下、上記最大高さH及び折り返し角度θを変化させたときのホイールディスク11の面外曲げ剛性に対して生じる効果をホイールディスク11の固有振動数測定試験と車輌走行時の車室内騒音の測定試験に基づいて説明する。
ここで、固有振動数測定試験とは最大高さHと折り返し角度θを変化させて形成したホイールディスク11の固有振動数を個別に調べる試験であって、測定された固有振動数から面外曲げ剛性の変化を調べることができる。
例えば、固有振動数が高いことは、一般に剛な性質、つまり剛性に向上が得られたことを示し、逆に、固有振動数が低いことは、軟な性質、つまり剛性が低下したことを示す。
また、車室内騒音の測定試験とは固有振動数測定試験によって得られた固有振動数に基づいて面外曲げ剛性がロードノイズ性能に及ぼす効果を検証する試験である。
次に、固有振動数測定試験と車室内騒音の測定試験の具体的な試験方法について説明する。固有振動数測定試験は、ディスク穴1が形成されたホイールディスク11をリム12に取り付け、ホイール10を試験室内に剛に設置された試験用のハブに対して組み付けることにより行われる。
具体的には図1(b)に示すように、ホイールフランジ22の内面に加速度センサー21を設置した後、力センサー(ロードセル)を内蔵したハンマーにより、ホイールフランジ22に対してホイールディスク11を厚さ方向に加振するように衝撃を与えることにより行われる(ハンマリング試験)。
ホイールフランジ22に衝撃を与えたときのハンマーの加振力(ホイールフランジ22への入力)とホイールフランジ22が衝撃を受けたときの加速度(ホイールフランジからの出力)を測定し、ハンマーの加振力による加速度と振動するホイールフランジ22の加速度によって得られる周波数応答関数から固有振動数が同定される。
車室内騒音の測定試験は、ホイール10にタイヤを装着し、実車に取り付けて走行することにより行われ、車室内の騒音はドライバーの耳元に相当する位置に測定マイクを取り付けて測定される。なお、測定条件は以下に示す条件である。
・使用タイヤサイズ:195/65R15
・タイヤ内圧 :220kPa
・試験車輌 :2000ccクラスの乗用車に2名乗車
・走行条件 :荒れたアスファルトを走行
以下、図5に基づき、所定の曲率で折り返し、折り返し角度θを変化させて最大高さHを変化させたときに生じる効果を説明する。図5は従来例、比較例及び実施例1乃至実施例5における各数値を表す図表である。本表において、比較例を除くホイールディスクの断面厚さDは、全面に渡って実質的に均一となるように形成されている。
実験に際して使用されたホイール10の条件は以下の通りである。
・ホイール材質 :スチール(スチールホイール)
・ホイールサイズ:15インチ(ホイール直径)×6J(リム幅)
従来例はホイールディスクに折り返し部を有しないディスク穴を施したもの。
比較例は従来例に対してホイールディスク11の全体の断面厚さが1.05×Dとなるように形成されたもの。
実施例1は、折り返し部の最大高さHを断面厚さDの1.3倍の厚みに設定したもの(図3(a)参照)。
実施例2は、折り返し部の最大高さHを断面厚さDの1.5倍の厚みに設定したもの(図3(b)参照)。
実施例3は、折り返し部の最大高さHを断面厚さDの2.0倍の厚みに設定したもの(図3(c)参照)。
実施例4は、折り返し部の最大高さHを断面厚さDの2.5倍の厚みに設定したもの(図3(d)参照)。
実施例5は、折り返し部の最大高さHを断面厚さDの2.8倍の厚みに設定したもの(図3(e)参照)。
図5,6中の面外曲げ固有振動指数とは、従来例の固有振動数を100として、比較例や実施例1乃至実施例5の各固有振動数が従来例に対してどれだけ上昇したかを示す指数である。
第一に、従来例と実施例1乃至実施例5の折り返し部の有無による最大高さHの違いについて比較する。
図5に示すように、実施例1乃至実施例5は、面外曲げ固有振動指数において、従来例の100に比べ、103〜113に増加している。
つまり、基礎孔3の周縁2aを折り返して折り返し部2を形成し、局所的に厚みを増加させたことにより、面外曲げ剛性が向上したことが分かる。
また、ロードノイズ性能においても300Hz〜500Hzの帯域の車室内騒音が、基準の従来例に比べ−0.3〜−1.3dB低減されていることが分かる。
即ち、実施例1乃至実施例5から分かるように、折り返し部2の最大高さHが高く(厚く)なるに従い、面外曲げ固有振動指数が増加し、車室内騒音が低減される。これは、基礎孔3の周縁2aを折り返して最大高さHが高くなるように折り返し部2が形成されたことにより、ホイールディスク11の剛性が向上し、この剛性の向上にともなってロードノイズ性能を示す車室内騒音が低減されることを示している。
第二に、従来例と比較例によりディスク穴1の断面厚さDの違いについて比較する。
比較例は、従来例に比べて、面外曲げ固有振動指数が112に上昇し、ロードノイズ性能を示す車室内騒音が−1.0dB低減されている。即ち、ホイールディスク11の厚さ方向の断面厚さDが全体に渡り1.05×Dに増加されたことにより、面外曲げ固有振動指数が向上して面外曲げ剛性とロードノイズ性能を示す車室内騒音が低減することが分かる。
第三に、比較例と実施例1乃至実施例5とを検討し、ホイールディスク全体の断面厚さを1.05×Dとなるように厚くした場合と、折り返し部2を形成した場合との違いについて比較する。
まず、比較例と実施例1乃至実施例5の面外曲げ固有振動指数を比較する。図5に示すように、比較例の面外曲げ固有振動指数は112であり、この面外曲げ固有振動指数と同じ数値を有するものは実施例4である。
しかし、同じ面外曲げ固有振動指数、即ち、同じ剛性を得るために、比較例では、従来例に対して300g増加しているのに対して、実施例4では従来例に対して280gの増加に止まる。
さらに、比較例と実施例4の車室内騒音の低減量を比べると、比較例では、従来例に対して−1.0dBの低減であるのに対し、実施例4では従来例に対して−1.2dBである。つまり、比較例よりも実施例4の方がロードノイズ性能にも優れていることが分かる。
よって、比較例のようにホイールディスク全体の断面厚さDを厚くして剛性を向上させるよりも、基礎孔3の周縁2aを折り返して折り返し部2を形成する方が重量増加を防ぎつつ、ホイールディスク11の剛性を向上させることができる。
第四に、実施例1乃至実施例5により、折り返しによる最大高さHの違いについて比較する。
図5に示すように、実施例1乃至実施例5は、折り返し部2の最大高さHが増加するに従い、面外曲げ固有振動指数が上昇し、ロードノイズ性能を示す車室内騒音が低減できる結果が得られるが、それにともないホイール10の重量も増加する。
そこで、ホイールディスク11の1グラムあたりの重量増加分(単位重量増分あたり)に対する面外曲げ固有振動指数の上昇について比較する。
図5に示すように、ホイール10の単位重量増分あたりの面外曲げ固有振動指数の増加で最も効率よく面外曲げ固有振動指数が上昇しているのは実施例2である。
また、実施例2は、車室内騒音の低減量についても重量増加に対して最も効果が得られていることが分かる。
実施例2の次に、重量増加に対して効率よく効果が得られるのは、実施例3であり、実施例3の次に効果が得られているのは実施例4である。
ホイールディスク11の従来例に対する剛性の向上と、重量の増加のバランスを考えた場合、実施例1では、効果があるものの従来例に対して改良の効果が小さい。また、実施例5は、従来例に対して面外曲げ固有振動指数の上昇及び車室内騒音の低減量ともに試験を行った範囲の中では改良による効果が最も大きいが、重量増加の観点からすれば、他の実施例2乃至4に比べて効果が低下していることが分かる。
以上の検討によれば、最大高さHがホイールディスク11の剛性を向上させるには、実施例2乃至実施例4までの範囲で効率よく効果が得られることが分かった。
つまり、折り返し部2の最大高さHが、1.5×D以上2.5×D以下の範囲内のときに重量増加に対して効率よく剛性の向上及びロードノイズ性能を低減させる効果が得られる。
また、単位重量あたりの振動指数を考慮すると最大高さHが、1.5×D以上2.0×D以下となるように折り返し部2が形成されてもよく、さらに好ましくは、最大高さHが、1.5×Dとなるように折り返されて折り返し部2が形成されても良い。
図6に基づき、所定の高さとなるように折り返し、折り返し角度θを変化させたときに生じる効果を説明する。本試験においては、折り返し部2の高さが全て2.5Dとなるように折り返し角度θを変化させて、折り返している。
図6は従来例、及び実施例A乃至実施例Hにおける各数値を表す図表である。実験に際して使用されたホイール10の条件は以下の通りである。
・ホイール材質:スチール(スチールホイール)
・ホイールサイズ:15インチ(ホイール直径)×6J(リム幅)
次に、折り返し部2の折り返し角度θの違いについて調べる試験を行った。なお、折り返し角度θとは、ディスク穴1が折り返し前の周縁2aをホイールディスクの内側方向Sに折曲して、ディスク穴1を所定の寸法の直径Aとなるように曲げたときの立ち上がり部分の角度を示す。
折り返し角度θの違いによる効果を調べる試験方法は、最大高さHが面外曲げ固有振動指数及び車室内騒音に与える影響について調べたときと同様に、ホイールディスク11の固有振動数測定試験と車室内騒音の測定試験を行った。
従来例はホイールディスク11に折り返し部2を有しないディスク穴1を施したもの。
実施例Aは、折り返し部2の折り返し角度θを15°に設定したもの。
実施例Bは、折り返し部2の折り返し角度θを30°に設定したもの(図4(a)参照)。
実施例Cは、折り返し部2の折り返し角度θを60°に設定したもの(図4(b)参照)。
実施例Dは、折り返し部2の折り返し角度θを90°に設定したもの(図4(c)参照)。
実施例Eは、折り返し部2の折り返し角度θを120°に設定したもの(図4(d)参照)。
実施例Fは、折り返し部2の折り返し角度θを135°に設定したもの(図4(e)参照)。
実施例Gは、折り返し部2の折り返し角度θを150°に設定したもの。
実施例Hは、折り返し部2の折り返し角度θを165°に設定したもの。
第一に、従来例と実施例A乃至実施例Hとの折り返し部2の有無について検討する。
図6に示すように、実施例A乃至実施例Hは、従来例と比較して面外曲げ固有振動指数に増加が得られ、面外曲げ剛性が向上したことを示している。また、ロードノイズ性能においても、車室内騒音が低減されていることが分かる。
つまり、折り返し角度θを15°〜165°に設定することにより、面外曲げ固有振動指数が増加し、車室内騒音が低減される。
このことは、ディスク穴1に折り返し部2を形成したことにより、ホイールディスク11の剛性を向上させ、ロードノイズを低減させることを示している。また、実施例A乃至実施例Hは、従来例に比べて面外曲げ剛性及びロードノイズ性能に対して効果があることが分かった。
第二に、実施例A乃至実施例Hから折り返し部2の折り返し角度θの違いについて検討する。
図6に示すように、折り返し角度θが徐々に大きくなるに従い、面外曲げ固有振動指数が上昇し、車室内騒音の低減量が増加することが分かる。また、実施例Dに示すように折り返し角度θが90°のときに最大の効果が得られることが分かった(図4(c)参照)。
さらに、折り返し角度θが90°を過ぎて、折り返し角度θが大きくなるに従い、面外曲げ固有振動指数と車室内騒音の低減量に対する効果が減少する。
つまり、実施例Dの折り返し角度θが90°のときに、従来例に対して面外曲げ固有振動指数が110に上昇し、車室内騒音を−1.0dB低減させ、最大の効果が得られる。
また、実施例Dの次に効果が得られるのは、実施例Eの折り返し角度θが120°のときである。実施例Eでは、従来例に対して面外曲げ固有振動指数が109に上昇し、車室内騒音を−0.9dB低減させる効果が得られる。
また、実施例Eの次に効果が得られるのは、実施例Fの折り返し角度θが135°のときである。実施例Fでは、従来例に対して面外曲げ固有振動指数が108に上昇し、車室内騒音を−0.8dB低減させる効果が得られる。
また、実施例Fの次に効果が得られるのは、実施例Cの折り返し角度θが60°のときである。実施例Cでは、従来例に対して面外曲げ固有振動指数が107に上昇し、車室内騒音を−0.7dB低減させる効果が得られる。
また、実施例Cの次に効果が得られるのは、実施例Bと実施例Gの折り返し角度θが30°と150°のときで、同じ効果が得られる。実施例Bと実施例Gでは、従来例に対して面外曲げ固有振動指数が105に上昇し、車室内騒音を−0.5dB低減させる効果が得られる。
次に、実施例Bと実施例Gの次に効果が得られるのは、実施例Aと実施例Hの折り返し角度θが15°と165°のときで、同じ効果が得られる。実施例Aと実施例Hでは、従来例に対して面外曲げ固有振動指数が103に上昇し、車室内騒音を−0.3dB低減させる効果が得られる。
以上の結果をまとめると、実施例Dの折り返し角度θが90°を中心として、その前後の折り返し角度θが対称となるときに面外曲げ固有振動指数と車室内騒音にほぼ同じ効果が得られることが分かった。
よって、折り返し角度θが60°以上135°の範囲内でディスク穴1の周縁が折り返されることで、面外曲げ固有振動指数が上昇してホイールディスク11の剛性を向上させ、車室内騒音を低減させることができる。
好ましくは、折り返し角度θが、90°以上120°以下の範囲となるように折り返し部2が形成されれば良い。
より好ましくは、折り返し角度θが、90°となるように折り返し部2が形成されれば良い。
以上、図5,図6に示す試験結果に基づきまとめると、ディスク穴1の周縁を折り返して形成される折り返し部2が、ホイールディスク外面11aから最大高さH1.5×D以上2.5×D以下の範囲内、かつ、折り返し前の周縁の位置に対して折り返し角度θが60°以上135°以下の範囲内に形成されることによりホイールディスク11の重量増加を極力避けながら効率よくホイールディスク11の剛性を向上させることができる。
特に、折り返し部2の最大高さHが1.5×D、かつ、折り返し角度θが90°に形成されるときに最も効率よくホイールディスク11の剛性を向上させることができる。
1 ディスク穴、2 折り返し部、2b 周縁、3 基礎孔、10 車輌用ホイール、
11 ホイールディスク、12 リム、D 断面厚さ、H 最大高さ、S 内側方向、
θ 折り返し角度。

Claims (5)

  1. ディスク穴を有するホイールディスクであって、
    前記ディスク穴は周縁が前記ホイールディスクの厚さ方向の内側に折り返されてなることを特徴とするホイールディスク。
  2. 前記周縁の折り返し角度がホイールディスクの外面に対して60°以上135°以下に設定されることを特徴とする請求項1記載のホイールディスク。
  3. 前記周縁の前記ホイールディスク外面からの最大高さHが前記ホイールディスクの厚さ方向の断面厚さDに対して1.5×D以上2.5×D以下に設定されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のホイールディスク。
  4. 前記ディスク穴が前記ホイールディスクの周方向に沿って複数配置されたことを特徴とする請求項1乃至請求項3いずれかに記載のホイールディスク。
  5. 前記請求項1乃至請求項4いずれかに記載のホイールディスクを備えたことを特徴とする車輌用ホイール。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101786231B1 (ko) * 2015-12-04 2017-10-18 주식회사 포스코 차량용 휠 디스크 및 그 제조방법

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