JP2010179755A - ブレーキ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ブレーキ装置100は、吸気マニホールド圧センサSPI/M、ブースタ圧センサSPM/P、検出するマスタシリンダ圧センサSPM/C、ブースタ圧PM/Pの変化にもとづいてブースタ圧センサSPM/Pの故障判定機能を有するECU7を備えている。ECU7はCPU、ROM、RAM、揮発メモリなどを有したマイクロコンピュータを含んで構成され、ROMに格納されたプログラムをマイクロコンピュータが実行することによって、一定の周期で吸気マニホールド圧PI/M、ブースタ圧PM/P、マスタシリンダ液圧PM/Cの値を読み込み、揮発メモリに所定組数だけ記憶させる。そして、吸気マニホールド圧PI/Mの値がブースタ圧PM/Pの値よりも小さい場合には、ブースタ圧センサSPM/Pの故障判定を行わないことを特徴とする。
【選択図】図1
Description
これによれば、所定時間内にエンジン吸気側の負圧源からの負圧の供給やブレーキ操作による負圧の消費が少しでもあれば負圧の供給、消費を検出することができるため、より正確にブースタ圧検出手段の固着故障判定を行うか否かの判断、固着故障自体の判断を行うことができる。
例えば、エンジン吸気側の負圧源からの負圧の供給と、ブレーキ操作による負圧の消費がつりあって、ブースタ圧の時系列的な変化が小さいときには、ブースタに対してエンジン吸気側の負圧源からの負圧の供給がなされていると考えられるため、吸気側圧の値とブースタ圧の値との差分が、第2の閾値以下のものが所定数の組の判定パラメータデータのセット中に含まれ、前記のようにブースタに対して負圧供給がなされていると考えられる場合には、ブースタ圧検出手段の固着故障判定を行わないので、固着故障の誤判定を防止できる。
そして、記憶手段に記憶された所定数の組の判定パラメータデータのセット中のすべての吸気側圧の値とブースタ圧の値の組み合わせにおいて、吸気側圧の値とブースタ圧の値との差分が、第2の閾値よりも大きい場合、つまり、エンジン吸気側の負圧源からの負圧の供給がない場合に、ブースタの負圧の消費のみが行われたとして、記憶手段に記憶された所定数のブースタ圧の値の内の最大値と最小値の差が、第3の閾値以上か否かを判定して、第3の閾値未満のときブースタ圧検出手段の固着故障と正しく判断できる。
図1は、本実施形態に係るブレーキ装置の全体概略図である。本実施形態のブレーキ装置100は、運転者が操作するブレーキペダル(ブレーキ操作部)1、ブレーキペダル1の操作を受けてブレーキ液圧を発生させるマスタシリンダ2、ブレーキペダル1とマスタシリンダ2の間に介設して、ブレーキペダル1の踏込力を増大してブレーキアシストを行ういわゆるブレーキブースタ(ブースタ)3、マスタシリンダ2の液圧(以下、「マスタシリンダ液圧PM/C」と称する)を、各車輪のブレーキアクチュエータに配分制御するハイドロユニット4、ブレーキ装置100の各種センサ(吸気マニホールド圧センサ(吸気圧検出手段)SPI/M、マスタシリンダ圧センサ(マスタシリンダ圧検出手段)SPM/C、ブースタ圧センサ(ブースタ圧検出手段)SPM/Pなど)からの信号を受けてブレーキブースタの内圧を検出する前記ブースタ圧センサSPM/Pの故障判定の機能を有する電子制御装置(以下「ECU」という)7などを含んで構成される。
ちなみに、ECU7は、車両の速度、各車輪の回転速度などにもとづいて、制動時に車輪がロックしないように各車輪のブレーキアクチュエータを制御するABS(Anti-lock Brake System)のECUと兼用になっていても良い。
なお、揮発メモリとしては、高速書き込み、高速読み出しができる、例えば、FIFO(First-In First-Out)メモリが適している。
ハイドロユニット4には、ECU7に制御されるソレノイドバルブなどが含まれており、前記したように各車輪のブレーキアクチュエータに対してABS制御を行う。
ブースタ圧センサSPM/Pは、具体的にはブレーキブースタ3の前記した負圧室に配管3a及び導圧配管6を介して連通されており、この導圧配管6及び配管3aを介して負圧室の内部の圧力が伝達される。このブースタ圧センサSPM/Pは、例えば、周知の半導体式圧力センサにより構成されている。
図2および図3は、ECUによるブレーキ制御のためのメインルーチンの実行中に、サブルーチンとして並行して実行されるブースタ圧センサSPM/Pの故障判定の処理の流れを示すフローチャートである。
ここで、ほぼ同一時刻に読み込まれた1組のブースタ圧PM/P、マスタシリンダ液圧PM/C、吸気マニホールド圧PI/Mの値が請求項に記載の「判定パラメータデータのセット」に対応する。
ステップS02では、揮発メモリに記憶させた記憶組数nが、所定の数N、例えば、10以上か否かをチェックする(「記憶組数n≧N?」)。記憶組数nがN以上の場合(Yes)は、ステップS03へ進み、記憶組数nがN未満の場合(No)は、ステップS01を繰り返す。
ここで、(PM/C(最大)−PM/C(最小))≧ΔPthM/Cが満たされるということ、つまり、ステップS01において、マスタシリンダ液圧PM/Cの値が一定周期で所定数N個分記憶されたデータの中で、最大値と最小値の差が所定閾値ΔPthM/C以上であるということは、運転者がブレーキペダル1(図1参照)を操作して、マスタシリンダ液圧PM/Cの値が有意に変化したことを意味し、運転者がブレーキ操作をしたことを検出したことになる。
このようにすることにより、ブレーキSW11(図1参照)のオン信号でブレーキ操作を検出するよりも確実なブレーキ操作の検出を行うことができる。
ここで、(PI/M−PM/P)は、請求項に記載の「吸気側圧の値とブースタ圧の値との差分」に対応し、所定の閾値ΔPthI-Mは、請求項に記載の「第2の閾値」に対応する。そして、所定の閾値ΔPthI-Mの値は、所定の負の値であり、エンジンEが起動されて所定の回転速度以上であれば、吸気マニホールド圧PI/Mは十分大きな負圧を示し、ブースタ圧PM/Pは吸気マニホールド圧PI/Mよりも絶対値の小さい負圧を示すのが普通である。そこで、ここでは、閾値ΔPthI-Mは、例えば、吸気マニホールド5からブレーキブースタ3に負圧が供給されるときの圧力差であり、吸気マニホールド5の配管の長さなどにより、適宜設定することができる。
ステップS05では、判定開始フラグを立て(判定開始フラグ=1)、結合子(A)に従ってステップS07へ進む。
ステップS03においてNo、または、ステップS04においてYesでステップS06に進んだ場合は、判定開始フラグをリセット(判定開始フラグ=0)し、結合子(A)に従ってステップS07へ進む。
ステップS08では、揮発メモリにN個記憶されたブースタ圧PM/Pのデータの中での最大値と最小値の差が所定閾値ΔPthM/P(第3の閾値)以上か否かをチェックする((PM/P(最大)−PM/P(最小))≧ΔPthM/P?)。揮発メモリにN個記憶されたブースタ圧PM/Pのデータの中での最大値と最小値の差が所定閾値ΔPthM/P以上の場合(Yes)は、ステップS10へ進み、そうでない場合(No)は、ステップS09へ進む。
ここで、ステップS01において、ブースタ圧PM/Pの値が一定周期で所定数N個分記憶されたデータの中で、最大値と最小値の差が所定閾値ΔPthM/P以上{(PM/P(最大)−PM/P(最小))≧ΔPthM/P}の場合とは、運転者がブレーキペダル1を操作して、ブレーキブースタ3が動作して、ブースタ圧PM/Pの値が有意に変化したことを検出したことになる。従って、この場合は、ブースタ圧センサSPM/Pは、固着しておらず正常であるので、ステップS09の固着故障確定をバイパスする。
ステップS09では、ブースタ圧センサSPM/Pの固着故障を確定する。
2 マスタシリンダ
3 ブレーキブースタ
3a 配管
4 ハイドロユニット
5 吸気マニホールド
6 導圧配管
6a チェック弁
7 ECU
8 マスタシリンダ液圧導管
100 ブレーキ装置
E エンジン
SPI/M 吸気マニホールド圧センサ(吸気圧検出手段)
SPM/C マスタシリンダ圧センサ(マスタシリンダ圧検出手段)
SPM/P ブースタ圧センサ(ブースタ圧検出手段)
ΔPthM/C 閾値(第1の閾値)
ΔPthI-M 閾値(第2の閾値)
ΔPthM/P 閾値(第3の閾値)
Claims (2)
- 運転者がブレーキ操作部を操作するときのブレーキ操作力を、エンジンの吸気側に接続されたブースタによって倍力するブレーキ装置において、
前記エンジンの吸気側圧を検出または推定する吸気圧検出手段と、
前記ブースタの内圧であるブースタ圧を検出するブースタ圧検出手段と、
前記ブレーキ操作部が操作される際の前記ブースタ圧検出手段により検出される複数のブースタ圧の値にもとづいて、前記ブースタ圧検出手段の故障判定を行う故障判定手段と、を備え、
該故障判定手段は、前記吸気圧検出手段により検出された吸気側圧の値が、前記ブースタ圧検出手段により検出されたブースタ圧の値よりも小さい場合には、前記ブースタ圧検出手段の故障判定を行わないことを特徴とするブレーキ装置。 - さらに、マスタシリンダ液圧を検出するマスタシリンダ圧検出手段と、
ほぼ同一時刻に検出された前記吸気側圧の値、ブースタ圧の値、マスタシリンダ液圧の値の組を判定パラメータデータのセットとして、最寄りの所定時間内において所定数だけ記憶する記憶手段と、を備え、
前記故障判定手段は、
前記記憶手段に記憶された前記所定数のマスタシリンダ液圧の値の内の最大値と最小値の差が、第1の閾値以上のときに、運転者がブレーキ操作をしたと判定し、
前記記憶手段に記憶された前記所定数の組の判定パラメータデータのセット中の、すべての前記吸気側圧の値と前記ブースタ圧の値の組み合わせにおいて、前記吸気側圧の値と前記ブースタ圧の値との差分が、第2の閾値よりも大きい場合に、さらに、前記記憶手段に記憶された前記所定数のブースタ圧の値の内の最大値と最小値の差が、第3の閾値以上か否かを判定し、
前記第3の閾値未満と判定されたとき、前記ブースタ圧検出手段の固着故障と判断することを特徴とする請求項1に記載のブレーキ装置。
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