JP2010179553A - 画像形成方法および画像形成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】目視や、蛍光発光での視認を防ぐことができ、必要な場合には、蛍光画像として可視化することが可能である画像形成方法を提供する。
【解決手段】記録媒体の少なくとも一部に難視認性のインク組成物を付着させて難視認性の画像を形成する第1の工程と、当該難視認性の画像が形成された記録媒体に、インク組成物を付着させて画像を形成する第2の工程と、任意的に、少なくとも上記難視認性の画像が形成された領域に蛍光インク組成物を付着させることにより、当該画像を視認できる状態にする第3の工程と、を少なくとも有する画像形成方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、画像形成方法に関し、特に難視認性のインク組成物と、インク組成物と、任意的に蛍光インク組成物とを使用する画像形成方法およびこの方法により得られる画像形成物に関する。
近年、カラー画像を、複写あるいは複製できるカラー複写機、カラープリンター等の画像記録装置が非常に高性能となってきている。このことから、この画像記録装置を使って複製された記録物は、極めて高品質なカラー画質で形成されたものとなっている。特に、インクジェット記録方法による記録物は、インクの性能向上と合いまって、その品質は飛躍的に向上してきている。また、インクジェット記録方法は、モノクロ、カラーの両方の画像記録が可能であることから、会社、事務所はもちろんのこと一般家庭においても使用されるようになってきている。このようなことから、このインクジェット記録方法により本来複写されるべきでない印刷物、例えば、乗車券、入場券、商品券、証券、紙幣などを不正に作成する恐れが出てきた。
従来、このような複写物の悪用をふせぐために、例えば特許文献1では、蛍光染料を含有するインクや、目視によっては見え難いインクによるマーキングを施して、特定の情報を記録物に書き込む方法が提案されている。
また、特許文献2では、印刷用紙のうち本来画像が形成されない白地領域(非画像形成領域)に、視認し難いイエロートナーでもって自動的に印刷装置製造番号等を表す追跡パターンを印刷するものもある。この画像印刷装置で紙幣や有価証券等を用紙に自動印刷した場合には、後からその用紙に印刷された追跡パターンを調べることにより、どの装置で印刷されたか等を特定することができ、偽造防止の抑止効果となる。
特公昭62−24024号公報 特開2000−253239号公報
しかしながら、上記のような従来の偽造防止技術では、一般の利用者が簡易的な器具、例えばルーペ、市販の紫外線照射装置により比較的容易に視認でき、本来不可視であるはずの情報が簡単に読み取れてしまうという課題がある。また、蛍光インクは一般的に計時劣化が早く、特に高速印刷に適した低粘度のインクを用いるインクジェット方式では、長期に渡って蛍光発光強度を維持できる蛍光画像を形成することは困難である。
本発明は、かかる課題を解決することを目的とするものである。
本発明者は、今般、難視認性のインク組成物と、蛍光インク組成物とを用いることにより、当該蛍光インク組成物の蛍光強度が向上することを知見したことに基づいて、少なくともかかるインクセットを用いて、従来のように、画像形成を直接、蛍光インクにより行わず、難視認性のインク組成物を用いて画像を形成し、少なくとも当該画像が形成された領域に蛍光インク組成物を塗布し、紫外線照射により当該蛍光画像を可視化するという発明を完成させた。
すなわち、本発明は、記録媒体の少なくとも一部に難視認性のインク組成物を付着させて難視認性の画像を形成する第1の工程と、当該難視認性の画像が形成された記録媒体に、インク組成物を付着させて画像を形成する第2の工程と、任意的に、少なくとも上記難視認性の画像が形成された領域に蛍光インク組成物を付着させることにより、当該画像を視認できる状態にする第3の工程と、を少なくとも有する画像形成方法に関する。
なお、難視認性のインク組成物により形成された難視認性画像領域等に、蛍光インク組成物を付着させる工程は、後述するとおり、当該画像領域を可視化する必要がある場合に行われる選択的(任意的)なものであって、可視化する必要がない場合にまで必須に行われるものではない。
本発明によれば、難視認性のインク組成物を用いて難視認性の画像を形成することで、この画像が目視や、蛍光発光で容易に視認されるのを防ぐことができ、また必要な場合に(任意的に)、少なくとも当該難視認性の画像が形成された領域に蛍光インク組成物を塗布することで、蛍光画像として可視化することにより、当該蛍光画像の実質的な蛍光発光強度の経時的な劣化も防ぐことが可能となる。
(a)、(b)は本発明による画像形成方法における追跡パターンを示した概略図。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の画像形成方法は、記録媒体の少なくとも一部に難視認性のインク組成物を付着させて難視認性の画像を形成する第1の工程と、当該難視認性の画像が形成された記録媒体に、インク組成物を付着させて画像を形成する第2の工程と、任意的に、少なくとも上記難視認性の画像が形成された領域に蛍光インク組成物を付着させることにより、当該画像を視認できる状態にする第3の工程と、を少なくとも有することを特徴とする。
なお、「少なくとも上記難視認性の画像が形成された領域に蛍光インク組成物を付着させる」とは、蛍光インク組成物を難視認性画像形成領域に塗布することはもちろん、この領域のみならず、その周辺部(通常のインク組成物により目的の画像が形成された領域の少なくとも一部分でもよい)にも塗布する場合をも含む意味である。周辺部にも塗布することにより、難視認性のインク組成物により形成された画像を、より強く蛍光発光させることができる。
また、第1の工程後の記録媒体は、難視認性のインク組成物が付着された難視認性の画像形成領域と、難視認性のインク組成物が付着されていないその余の領域とからなるところ、第2の工程において使用される目的の画像を形成するためのインク組成物(以下「通常のインク組成物」ということもある。)は、難視認性の画像形成領域若しくはその余の領域またはこれら双方の領域に付着されてよく、通常のインク組成物はあくまで目的の画像の画像データによって、記録媒体に付着されるものである。
また、難視認性のインク組成物は、難視認性の着色剤と、水と、水溶性有機溶媒とを少なくとも含んでなるものであることが好ましい。難視認性のインク組成物として好ましいものは、例えば明度が低いものである。また、難視認性の着色剤としては、難視認性の染料が好ましく、この染料としては、例えば黄色の染料を好適に用いることができる。また、黄色の染料の中でもC.I.ダイレクトイエロー87が好ましい。C.I.ダイレクトイエロー87を含むインク組成物を用いることにより、記録媒体の構成成分として一般的に含有されている蛍光増白剤からの蛍光発光が吸収される。そのため、後述するC.I.アシッドレッド52および92を用いた蛍光インク組成物との組み合わせによる蛍光強度の向上とともに、蛍光インク組成物を直接記録媒体に付着させて、画像から蛍光発光を検出して画像情報を視認する場合と比較して、記録媒体からの蛍光発光が抑制され、画像情報の視認性が格段に向上する。ゆえに、蛍光インク組成物が付着している領域以外や当該領域周辺部が仮に蛍光発光を発生する場合であっても、画像部とのコントラストの差により目的の画像を視認できる。
また、通常のインク組成物は、目的の画像を得るために用いられる公知のインク組成物を何ら制限することなく用いることができる。例えば、ブラックインク、イエローインク、マゼンタインク、シアンインク、ライトマゼンタインク、ライトシアンインク等が含まれる。また、これらのインクの色材としては、公知の色材を何ら制限することなく用いることができる。
また、蛍光インク組成物は、蛍光染料と、水と、水溶性有機溶媒とを少なくとも含んでなるものであることが好ましい。蛍光染料としては、例えば赤色蛍光染料が好適に用いられ、中でもC.I.アシッドレッド52および/またはC.I.アシッドレッド92が好ましい。可視光域に吸収を持つC.I.アシッドレッド52および/または92を用いることにより、塗布後には赤色に染色した領域となり、蛍光画像の確認を行ったかどうかの判別が容易となる。
また、上記難視認性のインク組成物が含んでなる難視認性の染料の濃度は特に限定されないが、蛍光インク組成物の蛍光染料濃度との関係において適宜決定することができる。例えば、蛍光インク組成物の、C.I.アシッドレッド52の濃度が0.05重量%〜0.15重量%であり、かつC.I.アシッドレッド92の濃度が0.5重量%〜1.0重量%である場合、難視認性インク組成物の染料濃度は、3.2重量%〜4.8重量%であることが好ましい。この範囲において、蛍光画像の発光強度がより向上する。
また、蛍光インク組成物が含んでなる蛍光染料の濃度は特に限定されないが、好ましくは、C.I.アシッドレッド52の濃度が0.05重量%〜0.20重量%、C.I.アシッドレッド92の濃度が0.5重量%〜1.2重量%である。さらに好ましくは、C.I.アシッドレッド52の濃度が0.08重量%〜0.17重量%、C.I.アシッドレッド92の濃度が0.7重量%〜1.2重量%である。また、C.I.アシッドレッド52とC.I.アシッドレッド92との重量比は、特に限定されないが、C.I.アシッドレッド52とC.I.アシッドレッド92との重量比が、1:4〜1:12であることが好ましく、さらに好ましくは、1:8〜1:11である。
難視認性インク組成物として好適な黄色染料インク組成物は、上記したC.I.アシッドレッド52およびC.I.アシッドレッド92を含む赤色蛍光インクと併用することにより、赤色蛍光インク組成物の蛍光強度及び光学濃度を向上させることができる。その結果、画像の蛍光発光を検知して画像情報を読み取る場合に、より高度な読み取り精度を実現できる。
また、難視認性のインク組成物を付着させた画像領域等に蛍光インク組成物を付着させた蛍光画像を視認できる状態にする際は、紫外線照射を行う。
また、追跡パターンについて説明する。例えば図1(a)に示すように、追跡パターン1は、縦3ドット×横8ドットの領域を3つ有するドットパターンからなり、難視認性インク組成物によりドット2を形成する。
各ドット間の距離は600dpi換算で15ドットとなっている。この追跡パターン1では、各領域は、いずれも24ドットで構成され、ドットの有無により情報の表示が可能となっている。また、3つの領域のうち、第1領域はこの記録装置を製造した企業名に対応づけられた装置製造企業コードを表し、第2領域はこの記録装置の機種名に対応づけられた装置機種コードを表し、第3領域はこの記録装置の製造番号(シリアル番号)に対応づけられた装置製造番号コードを表す。これらのコードは予め記録装置に固有の製品情報として記憶されている。
また、上記インク組成物(難視認性のインク組成物、通常のインク組成物、蛍光インク組成物)を記録媒体に付着させて画像を形成する方法としては、インクジェット記録方式が好ましい。インクジェット記録方式によれば、追跡パターンのような微細な部分にも正確にインクを付着させることができ、トナーを用いる電子写真方式と違い、インク滴が記録媒体に浸透するため、イエローのドットパターンであれば実質的に不可視となる。
インクジェット記録方式は、インク組成物の液滴を吐出し、該液滴を記録媒体に付着させて印字を行うものである。インク組成物の液滴を吐出する方法の例としては、例えば電歪素子を用いて電気信号を機械信号に変換して、ノズルヘッド部分に貯えたインクを断続的に吐出して記録媒体表面に文字や記号を記録する方法、ノズルヘッド部分に貯えたインクを吐出部分に極めて近い箇所で急速に加熱し泡を発生させ、その泡による体積膨張で断続的に吐出することで記録媒体表面に文字や記号を記録する方法が挙げられる。本発明の画像形成方法においては、電歪素子を用いたインクジェット記録方法が好ましいが、特に制限はない。また、インク組成物の液滴の吐出は、圧電素子の力学的作用を利用してインク滴を吐出させる記録ヘッドにより行われることが好ましい。
なお、紫外線照射により蛍光画像を可視化する際に用いる蛍光インク組成物については、図1(b)に示すように、難視認性インク組成物により形成されたドット2の周縁部を含めて領域3のように塗布できればよいことから、ペンやスプレーのような簡易的な手段により、広範囲に画像部をなぞることでも画像形成が可能である。
難視認性インク組成物に含有される水は主溶媒であり、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水または超純水を用いることが好ましい。特に、紫外線照射または過酸化水素添加等により滅菌処理した水を用いることが、カビやバクテリアの発生を防止してインク組成物の長期保存を可能にする点で好ましい。
また、難視認性インク組成物は、水溶性有機化合物を含んでなることが好ましい。水溶性有機溶媒は、好ましくは低沸点有機溶剤であり、その例としては、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、iso−ブタノール、n−ペンタノールなどが挙げられる。特に一価アルコールが好ましい。低沸点有機溶剤は、インクの乾燥時間を短くする効果がある。低沸点有機溶剤の添加量はインクの0.1重量%〜30重量%が好ましく、より好ましくは5重量%〜10重量%の範囲である。
また、本発明の好ましい態様によれば、難視認性インク組成物は、さらに高沸点有機溶媒の一種または二種以上からなる湿潤剤を含んでなる。高沸点有機溶媒剤の好ましい例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオグリコール、キシレングリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパンなどの多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ヘキサオキシエチレン2−エチルヘキシルエーテル(日本乳化剤社製:ニューコール1006)、テトラオキシエチレン2−エチルヘキシルエーテル(日本乳化剤社製:ニューコール1004)などの多価アルコールのアルキルエーテル類、尿素、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどが挙げられる。好ましくは、多価アルコールのアルキルエーテル類である。
本発明において多価アルコールのアルキルエーテル類の好ましい態様として、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチエレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ヘキサオキシエチレン2−エチルヘキシルエーテル、テトラオキシエチレン2−エチルヘキシルエーテルを一種または二種以上を組み合わせることもできる。さらに好ましくは、ヘキサオキシエチレン2−エチルヘキシルエーテルとトリエチレングリコールモノブチルエーテル、またはテトラオキシエチレン2−エチルヘキシルエーテルとトリエチレングリコールモノブチルエーテルとの組み合わせが挙げられる。これらの多価アルコールのアルキルエーテル類を組み合わせて添加することにより、浸透性、および高温環境下でのインクの安定性等の面で優れたインク組成物を得ることができる。これらの二種の多価アルコールのアルキルエーテル類は、さまざまな割合で添加することもできるが、1:1〜1:3の割合で添加することが好ましい。
これらの多価アルコールのアルキルエーテル類の添加量は、0.5重量%〜15重量%が好ましく、より好ましくは1重量%〜10重量%の範囲である。さらに、テトラオキシエチレン2−エチルヘキシルエーテルと、トリエチレングリコールモノブチルエーテルとの合計含量が、インク組成物中に、1重量%〜6重量%、または、ヘキサオキシエチレン2−エチルヘキシルエーテルとトリエチレングリコールモノブチルエーテルとの合計含量が、インク組成物中に、1重量%〜10重量%含んでなることが好ましい。
本発明の好ましい態様によれば、難視認性インク組成物は、糖、三級アミン、水酸化アルカリ、またはアンモニアを含有してなるのが好ましい。これらの添加によって、長期間の保管においても色材の凝集や粘度の上昇がなく保存安定性に優れ、また開放状態(室温で空気に触れている状態)で放置しても流動性と再分散性を長時間維持し、さらに、印字中もしくは印字中断後の再起動時にノズルの目詰まりが生じることもなく吐出安定性が高いインク組成物が得られる。
難視認性インク組成物に添加することができる糖は、単糖類、二糖類、オリゴ糖類(三糖類および四糖類を含む)、および多糖類が挙げられ、好ましくはグルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、アルドン酸、グルシトール、(ソルビット)、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、マルトトリオースなどが挙げられる。ここで、多糖類とは広義の糖を意味し、アルギン酸、α−シクロデキストリン、セルロースなど自然界に広く存在する物質を含む意味に用いることとする。また、これらの糖類の誘導体としては、前記した糖類の還元糖(例えば、糖アルコール(一般式HOCH2(CHOH)nCH2OH(ここで、n=2〜5の整数を表す)で表される)、酸化糖(例えば、アルドン酸、ウロン酸など)、アミノ酸、チオ糖などが挙げられる。特に糖アルコールが好ましく、具体例としてはマルチトール、ソルビットなどが挙げられる。
これら糖類の含有量は、インク組成物中に0.1重量%〜40重量%、より好ましくは1重量%〜30重量%の範囲である。
難視認性インク組成物に添加することができる三級アミンとしては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、トリイソプロペノールアミン、ブチルジエタノールアミン等が挙げられる。これらは、単独で使用しても併用しても構わない。これら三級アミンの本発明のインク組成物への添加量は、0.1重量%〜10重量%、より好ましくは、0.5重量%〜5重量%である。
難視認性インク組成物に添加することができる水酸化アルカリは、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムであり、本発明のインク組成物への添加量は、0.01重量%〜5重量%であり、好ましくは0.05重量%〜3重量%である。
難視認性インク組成物は、さらに界面活性剤を含有することができる。界面活性剤の例としては、アニオン性界面活性剤(例えばドデシルベンゼルスルホン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートのアンモニウム塩など)、非イオン性界面活性剤(例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミドなど)および、アセチレングリコール(オレフィンY、並びにサーフィノール82、104、440、465、および485(いずれもAir Products and ChemicalsInc.製)、並びにオルフィンPD002W(日信化学工業社製))が挙げられる。これらは単独使用または二種以上を併用することができる。好ましくは、オルフィンPD002W、が挙げられる。
本発明においては、難視認性インク組成物は、必要に応じて、pH調整剤、防腐剤、防かび剤、りん系酸化防止剤等が添加されていても良い。好ましい防腐剤としては、例えば、プロキセルCRL、プロキセルBDN、プロキセルGXL、プロキセルXL−2、プロキセルIB、またはプロキセルTNなどを挙げることができる。
また、目的画像を形成するのに用いるインク組成物や、蛍光インク組成物に含まれる、水、水溶性有機溶剤、その他の成分は、上記した難視認性インク組成物に含まれるものと同様のものを用いることができる。
(実施例)
本発明を以下の実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
インク組成物の調製
下記表1〜3の組成に従い各成分を混合し、10μmのメンブランフィルターでろ過することにより、各インクを調製した。なお、表中の数値はインク中の含有量(重量基準%)を表す。なお、表中、TEG−mBEはトリエチレングリコールモノブチルエーテルを表し、DEG−mBEはジエチレングリコールモノブチルエーテルを表し、TEG−mMEはトリエチレングリコールモノメチルエーテルを表し、DEG−miBEはジエチレングリコールモノイソブチルエーテルを表し、DEG−mHeEはジエチレングリコールモノヘキシルエーテルを表し、N1006はヘキサオキシエチレン2−エチルヘキシルエーテルを表し、N1004は、テトラオキシエチレン2−エチルヘキシルエーテルを表し、そしてPD002WはオルフィンPD002W(日信化学工業社製)を表す。
Figure 2010179553
Figure 2010179553
Figure 2010179553
インク組成物の評価
難視認性インク組成物と蛍光インク組成物の組み合わせによる特性挙動を確認するために、両インク組成物に使用する染料を混合したインク組成物(サンプル番号1〜25)で記録媒体に印刷し、光学濃度(OD値)と蛍光強度の測定を行った。
<蛍光強度の測定>
記録信号に応じた熱エネルギーをインクに付与することにより調製した各インク組成物を吐出させるオンデマンド型マルチ記録ヘッドを有するインクジェット記録装置(MJ−800C、セイコーエプソン株式会社製)を用いて、Script製DL封筒に100%Dutyのベタパターンを印字し、蛍光光度計(F−4500、日立株式会社製)を用いて下記の条件のもと蛍光強度を測定した。測定条件は、励起波長を365nmとし、550nmから650nm間の最大蛍光波長での蛍光強度を測定した。各インク組成物の蛍光強度を下記表4に表す。
<OD値の測定>
調製した各インク組成物について、上記と同様のインクジェットプリンターを用いて、360dpiの解像度でベタ印刷を行った。印刷した記録物を24℃の環境下で24時間放置した後、グレタグ濃度計(グレタグマクベス社製)を用いてベタ部分のOD値を測定した。測定した各インク組成物のOD値を下記表4に表す。
Figure 2010179553
追跡パターンの作製
OD値および蛍光強度のバランスの観点から、インク組成物(サンプル番号18、23)が最も良好であった。この結果に基づき、C.Iアシッドレッド52および92を含まない難視認性のインク組成物(第1インク組成物;サンプル番号26〜28)と、C.I.ダイレクトイエローを含んでいない蛍光インク組成物(第2インク組成物;サンプル番号29、30)とを各組み合わせのインクセットとして、上記と同様のインクジェットプリンターに装填し、図1に示すような追跡パターンを印刷した。
<蛍光画像の評価>
各インク組成物の組み合わせで印刷された追跡パターンに、ブラックライトを用いて波長365nmの紫外線を照射し、追跡パターンのドットからの蛍光発光強度、及び周辺部とのコントラストを目視にて観察し、3段階で評価した。
蛍光発光強度:○…大、△…中、×…小
コントラスト:○…良好、△…不鮮明、×…確認できない
評価結果を下記表5に表す。
Figure 2010179553

上記表4、表5から明らかなように、インク組成物にヘキサオキシエチレン2−エチルヘキシルエーテル、又はテトラオキシエチレン2−エチルヘキシルエーテルを含む場合には、蛍光発光の強度が増大する。また、難視認性インク(第1インク組成物)にのみ、ヘキサオキシエチレン2−エチルヘキシルエーテル、又はテトラオキシエチレン2−エチルヘキシルエーテルを含む場合にはドット部の蛍光発光の強度の増大とともに、周辺部との発光強度の差により、コントラストが良好となり、より感度よく識別が行われる。
本発明は、発色性および蛍光高度の良好な蛍光画像の可視化を実現した、難視認性のインク組成物と、インク組成物と、任意的に蛍光インク組成物とを使用する画像形成方法およびこの方法により得られる画像形成物として、産業上の利用可能性を有する。
1…追跡パターン、2…ドット、3…領域。

Claims (8)

  1. 記録媒体の少なくとも一部に難視認性のインク組成物を付着させて難視認性の画像を形成する第1の工程と、
    当該難視認性の画像が形成された記録媒体に、インク組成物を付着させて画像を形成する第2の工程と、
    任意的に、少なくとも上記難視認性の画像が形成された領域に蛍光インク組成物を付着させることにより、当該画像を視認できる状態にする第3の工程と、
    を少なくとも有することを特徴とする画像形成方法。
  2. 前記難視認性のインク組成物が、C.I.ダイレクトイエロー87と、水と、水溶性有機溶媒とを少なくとも含んでなり、
    前記蛍光インク組成物が、C.I.アシッドレッド52および/またはC.I.アシッドレッド92と、水と、水溶性有機溶媒とを少なくとも含んでなることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 前記難視認性のインク組成物および/または前記蛍光インク組成物が多価アルコールのアルキルエーテル類をさらに含んでなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成方法。
  4. 前記多価アルコールのアルキルエーテル類が、ヘキサオキシエチレン2−エチルヘキシルエーテルであることを特徴とする請求項3に記載の画像形成方法。
  5. 前記多価アルコールのアルキルエーテル類が、テトラオキシエチレン2−エチルヘキシルエーテルであることを特徴とする請求項3に記載の画像形成方法。
  6. 前記難視認性の画像が追跡パターンであることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  7. 前記インク組成物の記録媒体への付着が、インクジェット記録方法により行われることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の画像形成方法によって得られることを特徴とする画像形成物。
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JP2021000744A (ja) * 2019-06-20 2021-01-07 大日本印刷株式会社 スレッド状印刷物および偽造防止用紙、並びにロールフィルム印刷物および偽造防止用紙の製造方法

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