JP2021000744A - スレッド状印刷物および偽造防止用紙、並びにロールフィルム印刷物および偽造防止用紙の製造方法 - Google Patents

スレッド状印刷物および偽造防止用紙、並びにロールフィルム印刷物および偽造防止用紙の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】簡易な工程により安価に製造できる、偽造防止効果を有するスレッド状印刷物および偽造防止用紙、並びにロールフィルム印刷物および偽造防止用紙の製造方法を提供する。【解決手段】基材10と、基材10の一方の面に、着色されたインキを含んで形成された部分的なパターン40と、パターン40を覆うように設けられた蛍光印刷層30と、を備え、パターン40を覆うように、蛍光印刷層30が設けられ、パターン40を形成する着色されたインキは、イソシアネート系の硬化剤を含有し、蛍光印刷層30を形成する蛍光インキは、蛍光顔料、樹脂系のバインダー、および硬化剤を含有し、基材10の一方の面およびこれと対向する他方の面のいずれの側からもパターン40が視認できる、スレッド状印刷物1である。【選択図】図1

Description

本発明は、偽造防止用途に用いられるマイクロ文字等のパターンを視認することが可能なスレッド、および当該スレッドを紙に抄き込んだ偽造防止用紙に関する。
従来、有価証券、パスポート、ID証など、高い改ざん防止性が必要とされるセキュリティ製品において、用紙の一部に細幅の帯状スレッドを抄き込んだ偽造防止用紙が使用されている。これにより、用紙状態でのカラーコピーや、スキャナーで画像を取り込み印刷等により再現することが困難となる。スレッドには、偽造防止効果を高めるために、マイクロ文字印刷加工、ホログラム加工、金属蒸着加工、磁気情報記録加工、蛍光発色機能付与等、様々な加工がされ得る。このうち、外国の紙幣等にも用いられる金属蒸着加工を伴うスレッドを作成するには、例えば、特許文献1に記載されるように、あらかじめ、マイクロ文字等のパターン部以外の領域をマスキングする印刷を施し、当該パターン部にのみアルミ等の金属を真空蒸着させ、その後、マスク印刷を洗浄除去するという複雑な工程(デメタライジング加工)を経る必要がある。
また、特許文献2のように、金属蒸着を用いないで光透過性基材上に印刷により着色されたパターンを設けるスレッド状印刷物を製造する場合は、真空蒸着工程や洗浄工程がない分、製造コストやリードタイムの点で有利である。一方、溶剤系の着色インキで着色されたパターンを基材に印刷する場合、当該パターンの擦れや吸湿による変質を防ぐために、上層に耐久性、耐薬品性等を有する透明性のある保護層を設けるべきであるが、保護フィルムを貼るよりもコストや工程的に有利な、透明性を有する溶剤系インキの印刷によって、保護層を形成することが考えられる。しかし、この場合、保護層として設けた印刷インキの溶剤が、着色されたパターンを形成するインキをアタックして、当該パターンが意図したとおりに視認できなくなるおそれがあった。
特許第3279212号公報 特許第4736840号公報
本開示はこのような状況に鑑みてなされたものであり、簡易な工程により安価に製造できる、偽造防止効果を有するスレッド状印刷物および偽造防止用紙、並びにロールフィルム印刷物および偽造防止用紙の製造方法を提供することを課題とする。
本実施の形態によるスレッド状印刷物は、偽造防止用紙に抄き込むためのスレッド状印刷物であって、基材と、前記基材の一方の面に、着色されたインキを含んで形成された部分的なパターンと、前記パターンを覆うように設けられた蛍光印刷層と、を備え、前記パターンを形成する前記着色されたインキは、イソシアネート系の硬化剤を含有し、前記蛍光印刷層を形成する蛍光インキは、蛍光顔料、樹脂系のバインダー、および硬化剤を含有し、前記基材の前記一方の面およびこれと対向する他方の面のいずれの側からも前記パターンが視認できる。
また、本実施の形態による偽造防止用紙は、前記スレッド状印刷物を紙に抄き込みして作成される。
また、本実施の別の形態による偽造防止用紙において、前記スレッド状印刷物の全体が前記紙に埋没しているか、または、前記スレッド状印刷物の一部が前記紙に埋没しかつ前記スレッド状印刷物の他の一部が前記紙から露出していてもよい。
本実施の形態によるスレッド状印刷物を作成するためのロールフィルム印刷物の製造方法は、透明性を有するフィルム状の基材と、イソシアネート系の硬化剤を含有した、着色されたインキと、蛍光顔料、樹脂系のバインダーおよび硬化剤を含有する蛍光インキと、を準備する工程と、前記フィルム状の基材の一方の面に、前記着色されたインキを印刷して部分的にパターンを形成し、その後、これを乾燥させる工程と、前記パターンを覆うように、前記一方の面に、前記蛍光インキを印刷して蛍光印刷層を形成し、その後、これを乾燥させる工程と、を備える。
また、本実施の別の形態によるロールフィルム印刷物の製造方法において、前記着色されたインキは、第1の溶剤を含有した状態で印刷され、前記蛍光インキは、前記第1の溶剤とは異なる第2の溶剤を含有した状態で印刷され、前記第2の溶剤の沸点は前記第1の溶剤の沸点よりも低くてもよい。
また、本実施の別の形態によるロールフィルム印刷物の製造方法は、前記ロールフィルム印刷物の製造方法によって製造されたロールフィルム印刷物を細幅にスリットしてスレッド状印刷物を作成する工程と、当該スレッド状印刷物を紙に抄き込みし、偽造防止用紙を作成する工程とを含んでもよい。
本実施の形態によれば、簡易な工程により安価に製造できる、偽造防止効果を有するスレッド状印刷物および偽造防止用紙、並びにロールフィルム印刷物および偽造防止用紙の製造方法を提供できる。
第1実施形態に係るスレッド状印刷物の構成を説明する断面図である。 図1に対応するスレッド状印刷物の構成を説明する平面図である。 第1実施形態に係るロールフィルム印刷物の構成を説明する模式図である。 第1実施形態に係る偽造防止用紙の構成を説明する平面図および断面図である。 変形例に係る偽造防止用紙の構成を説明する平面図および断面図である。 第2実施形態に係るスレッド状印刷物の構成を説明する断面図および平面図である。
以下、図面等を参照して、本開示のスレッド状印刷物および偽造防止用紙、並びにロールフィルム印刷物および偽造防止用紙の製造方法の一例について説明する。ただし、本開示のスレッド状印刷物および偽造防止用紙、並びにロールフィルム印刷物および偽造防止用紙の製造方法は、以下に説明する実施形態や実施例には限定されない。
なお、以下に示す各図は、模式的に示したものである。そのため、各部の大きさ、形状、断面図における各層の厚さの図示等は、理解を容易にするために適宜誇張している。また、各図において、部材の断面を示すハッチングを適宜省略する。本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値および材料名は、実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用できる。本明細書において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば平行、直交、垂直等の用語については、厳密に意味するところに加え、実質的に同じ状態も含むものとする。また、説明の便宜上、上方または下方等という語句を用いて説明することがあるが、上下方向が逆転してもよく、左右方向についても同様とする。
1.本開示の第1実施形態
本開示のスレッド状印刷物および偽造防止用紙、並びにロールフィルム印刷物および偽造防止用紙の製造方法に関する第1実施形態について説明する。図1は、本開示の第1実施形態のスレッド状印刷物1の構成を説明する断面図である。図2は、当該スレッド状印刷物1を、図1の紙面の上方から見た平面図である。なお、図1は、図2のスレッド状印刷物1を、紙面の上下方向の中心線で切ったA−A断面図である。図3は、本実施形態のスレッド状印刷物1を形成する基となる、ロールフィルム印刷物3を説明する模式図であり、図3(a)が、フィルム状態のロールフィルム印刷物3の平面図であり、図3(b)が、ロールフィルム印刷物3が巻取4として巻き取られるイメージを示した斜視図である。図3(c)は、ロールフィルム印刷物3となる前の、印刷されていないロールフィルム2のイメージを示した斜視図である。以下、スレッド状印刷物1の構成について説明する。
(a)スレッド状印刷物
図1に示すように、スレッド状印刷物1は、表面処理がなされた表面処理部20が設けられた基材10の一方の面上に、パターン40が形成された構成を有し、さらに、当該パターン40が形成されていない領域も含めて、基材10のパターン40が形成されている一方の面上に、蛍光印刷層30が形成された構成を有する。パターン40は、例えば、黒色等に着色されたインキを含み、マイクロ文字や小さい記号、図形等が組み合わされて外部から肉眼または拡大鏡等を通して視認できるものである。また、蛍光印刷層30は、図1の例示では、第1蛍光印刷層31と第2蛍光印刷層32の異なる蛍光発色をする層として配置されている。以下、スレッド状印刷物1の各構成について詳細を説明する。
(i)基材
基材10は、透明性を有し、当該基材10の一方の面に形成された着色されたインキで形成されたパターン40を当該一方の面、および、これと対向する他方の面、のいずれの側からも肉眼または拡大鏡等を通して視認できることが好ましく、例えば、波長が380nm以上、780nm以下である可視光線の透過率が30%以上であることが好ましい。基材10としては、このような、ある程度の透明性を有しつつ、耐水性および耐熱性のある樹脂フィルムが使用できる。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂フィルムをはじめとするポリエステル樹脂フィルム、ポリアミド樹脂フィルム、ポリイミド樹脂フィルム、ポリカーボネート樹脂フィルム、ポリスチレン樹脂フィルム、ポリプロピレン樹脂フィルム、ポリサルホン樹脂フィルム、ポリフェニレンサルファイド樹脂フィルム、セルロース系樹脂フィルム等を挙げることができる。基材10の厚さは任意であるが、加工適性や耐久性等を考慮すると、例えば1μm以上、300μm以下、好ましくは、5μm以上、50μm以下の厚さとすることができる。なお、基材10は上記のような一定の透明性を有するものであれば、有彩色に着色されたものであってもよい。
なお、基材10の表裏を形成する一方の面に、後述する着色インキ等によるパターン40の形成および蛍光印刷層30の形成を行うため、できるだけ、これらを印刷する直前に、基材10の一方の面にコロナ放電照射、すなわちコロナ処理を行い、基材10の面質改善を行うことが望ましい。これにより、パターン40や蛍光印刷層30の基材10への密着性を向上させることができる。また、コロナ処理以外にも、基材10の一方の面にプライマーを塗付する等、易接着処理を施しておいても同様の効果が見込める。
(ii)着色インキによるパターン
図1および図2に示すように、コロナ処理がされた表面処理部20が設けられた基材10の一方の面には、例示として「ABC」の文字からなる黒色のインキによるパターン40が印刷によって形成されている。本開示における着色されたインキとは、基材10に形成されたパターンが肉眼または拡大鏡等によって視認できる程度の基材10とのコントラストを生じ得る、着色剤となる顔料または染料を、樹脂バインダーに添加したインキを指す。これを基材10に印刷する方法は、グラビア印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷、インクジェット塗布等、公知の印刷方法を用いることができる。本実施形態では、マイクロ文字のパターンの鮮明さや形状安定性、インキの適性等の観点からグラビア印刷により基材10にパターン40を印刷形成している。
なお、本実施形態のパターン40の文字「ABC」は、図2の紙面の左側の文字列については、そのまま、文字「ABC」の正像として視認できるが、紙面の右側の文字列は逆像となっており、スレッド状印刷物1を紙面の上下方向に2分する中心線周りに180°回転させたときに、文字「ABC」の正像として視認できるようになっている。スレッド状印刷物1のパターン40は、紙材に抄き込まれた偽造防止用紙とした場合、その両面から目視等で視認できるため、いずれの面からでも読めることを考慮したものである。ただし、パターン40は、表裏いずれからも読み取れることを必ずしも考慮する必要はない。また、パターン40を文字とすることも一例にすぎず、任意の文字、数字、記号、図形、またはこれらの組み合わせを用いてもよい。
グラビア印刷で用いる着色されたインキは、着色剤、樹脂バインダー、溶剤、硬化剤その他の添加物から構成される。着色剤には、染料または有機顔料もしくは無機顔料が用いられる。例えば、有機顔料としては、アゾ系、ペリレン系、ペリノン系、フタロシアニン系、キナクリドン系、アントラキノン系、チオインジゴ系、ジオキサジン系、イソインドリノン系、キノフタロン系等を挙げることができる。また、無機顔料としては、カーボンブラック、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸カルシウム、酸化クロム、シリカ、ベンガラ、マイカ(雲母)、アルミニウム等を挙げることができる。
これらの着色剤を適宜選択することにより、黄、赤、藍、墨等はもちろんのこと、金銀等の光沢色やパールインキとして着色することもできる。また、当該着色剤は、可視光領域の吸収性を有することに加えて、紫外線吸収剤や赤外線吸収剤を添加し、目視による視認性に加えて、紫外線または赤外線センサー、カメラ等によってパターンが認識できるようにしてもよい。さらに、パターン40を複数色の文字、記号等の組み合わせで構成されるものとしてもよい。本実施形態では無機顔料のカーボンブラックを用いて、透明性を有する基材10とのコントラストが良好となる墨(黒色)に発色させることを意図している。
樹脂バインダーとしても、グラビア用インキとして通常使用されるものが適用でき、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル
樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレタンウレア樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、アルキッド樹脂、ロジン系樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、塩化ゴム、ブチラール、ケトン樹脂等を挙げることができる。これらの樹脂は単独で、または2種以上を混合して用いることができる。なお、後述するイソシアネート系硬化剤と架橋反応を起こし得るアミノ基、水酸基、カルボキシル基等を有しているものが好ましい。
溶剤としては、グラビア用インキとして通常使用される有機溶剤が適用でき、例えば、芳香族有機溶剤としてトルエンやキシレン等、ケトン系溶剤としてアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等、エステル系溶剤として、酢酸エチル、酢酸ブチル等、アルコール系溶剤として、n−プロパノール、イノプロパノール、n−ブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等を挙げることができる。これらの溶剤は単独で、または2種以上を混合して用いることができる。なお、本実施形態では、後述する蛍光インキに含まれる溶剤よりも沸点が高いものを使用しており、具体的にはパターン40を形成する着色されたインキに含まれるトルエン(沸点約111℃)に対して、蛍光印刷層30を形成するインキには酢酸エチル(沸点約70.4℃)を使用している。
また、着色されたインキには、印刷形成後のパターン40の硬化促進のため、イソシアネート系硬化剤が含まれている。イソシアネート系硬化剤は、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート等を挙げることができる。また、これらは単独で、または2種以上を混合して用いることができる。これにより、着色されたインキにより印刷形成されたパターン40の形状安定性、耐久性等が得られ、後述する蛍光印刷層30の形成時の溶剤アタックを含め、パターン40への悪影響を抑制できる。
着色されたインキに含有されるイソシアネート系の硬化剤は、着色されたインキの硬化剤以外のインキ部分100部に対して1部以上、かつ、10部以下であることが好ましい。硬化剤がこの範囲内であることにより、パターン40を形成する着色インキが熱乾燥炉での乾燥工程で溶剤が揮発した際に基材10への定着性を向上させることができる。さらに、その後、完全硬化した場合には、耐溶剤性も向上する。
なお、パターン40を形成する着色されたインキに、イソシアネート系硬化剤が含まれているか否かは、FT−IR(フーリエ変換赤外分光法)を用いることで容易に判別することができる。例えば、FT−IR測定器(Nicolet6700)等により、測定手法をATR法(顕微)、積算回数を64回、とする条件で測定することができる。イソシアネート基の波長が約2270cm-1であることから、このピークの有無を見ることにより、硬化剤のイソシアネート基の有無が判別できる。
具体的には、顔料性の着色剤を用いる場合には、顔料成分が5部以上、15部以下程度、樹脂バインダーが10以上、20部以下程度、若干量の助剤、およびその他を占める溶剤から構成される着色剤入りインキと、樹脂バインダーが60部以上、80部以下程度、イソシアネート系硬化剤が0.1部以上、1.0部以下程度、硬化剤インキおよびその他を占める溶剤から構成される硬化剤インキとを、着色剤入りインキ100部に対して硬化剤インキが1部以上、7部以下程度となるように混合して着色されたインキを生成する。なお、基材10の表面に形成されたパターン40の厚さは、例えば0.3μm以上、5.0μm以下とすることができる。
(iii)蛍光印刷層
図1および図2に示すように、表面処理された表面処理部20が設けられた基材10の一方の面に印刷された着色インキによるパターン40の全体を覆うように、2種類の蛍光インキの領域から構成される蛍光印刷層30が形成されている。当該図では2色の蛍光印刷層である第1蛍光印刷層31およびこれとは異なる発光特性を有する第2蛍光印刷層32が例示されているが、本実施形態は、後述するとおり、3色の蛍光印刷層が面順次に形成されたものである。ただし、蛍光印刷層30が有するインキの色数はこれに限らず、4色以上の多数色を区分けして使用することもできる。蛍光印刷層30は、特定波長光の照射によって励起、可視光発色する蛍光顔料および硬化剤等を溶剤および樹脂バインダーに添加したインキを、グラビア印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷、インクジェット塗布等、公知の印刷方法により、基材10に形成したものである。
当該蛍光印刷層30は、下地である基材10の表面上に先に印刷されている着色されたインキにより形成されたパターン40の視認性を阻害しない程度の透明性を有していることが好ましい。例えば、波長が380nm以上、780nm以下である可視光線の透過率が20%以上であることが好ましい。蛍光印刷層30は、通常の印刷用のインキに用いられる着色剤の代わりに、例えば、紫外線照射によって励起し、特定の可視光波長領域の特定色に発光する蛍光顔料を含むものである。紫外線照射による励起時の特定可視光波長領域の発光時における透明性についても、上記と同様の透過率を有することが望ましい。
このような、紫外線照射により蛍光発色する蛍光顔料に使用する蛍光体としては、蛍光発色させる色に応じて、無機蛍光体および有機蛍光体のいずれかを選択することが可能である。赤色光を発光する無機蛍光体としては、例えば、Y23:Eu、YVO4:Eu、3.5MgO、0.5mgF、2GeO2:Mn、(Y,Gd)Bo3:Eu、Y(P,V)O4:Eu等が挙げられる。緑色光を発光する無機蛍光体としては、例えば、ZnO:Zn、Zn3SiO2:Mn、Zn3S:Cu,Al、(Zn,Cd)S:Cu,Al、ZnS:Cu,Au,Al、Zn2SiO4:Mn、ZnS:Ag,Cu、(Zn,Cd)S:Cu、ZnS:Cu、Gd22:Tb、La22S:Tb、Y2SiO5:Ce,Tb、Zn2GeO4:Mn、CeMgAl1113:Tb、SrGa24:Eu2+、ZnS:Cu,CO、MgO・nB23:Ce,Tb、LaOBr:Tb,Tm、La22S:Tb、ZnS:Cu(Mn)等が挙げられる。また、青色光を発光する無機蛍光体としては、例えば、ZnS:Ag、CaWO4、Y2SiO5:Ce、ZnS:Ag,Ga,Cl、Ca253Cl:Eu2+、BaMgAl1423:Eu2+、Sr3(PO23Cl:Eu等が挙げられる。
一方、有機蛍光体としては、例えば、ジアミノスチルベンジスルホン酸誘導体、イミダゾール誘導体、クマリン誘導体、トリアゾール、カルバゾール、ピリジン、ナフタル酸、イミダゾロン等の誘導体、フルオレセイン、エオシン等の色素、アントラセン等のベンゼン環を持つ化合物等が挙げられる。
通常の蛍光インキは、蛍光発色性を阻害しないよう、樹脂バインダーを含まず、溶剤と蛍光顔料のみで構成されるものが多い。しかし、本実施形態では、後述するとおり、紙にスレッド状印刷物を抄き込む工程で行うヒートシール加工によって、蛍光印刷層が溶融することを抑制するために、パターン40を形成する着色されたインキと同様、イソシアネート系硬化剤を含有させるべく樹脂バインダーを添加している。樹脂バインダーとしては、前述した着色されたインキの樹脂バインダーとして例示した各種樹脂を単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
溶剤としても、前述した着色されたインキに使用した溶剤と同様のものが使用できる。ただし、本実施形態では、着色されたインキに含まれるトルエンよりも沸点が低い酢酸エチルを使用している。また、着色されたインキと同様、蛍光インキには、当該蛍光印刷層30の印刷形成後の硬化促進のため、前述したものと同様のイソシアネート系硬化剤が含まれている。
具体的には、蛍光印刷層30を形成する、蛍光インキと樹脂バインダー、溶剤、硬化剤の4種類の部数の割合は、蛍光インキ100部に対して樹脂バインダーが5以上、55部以下程度、硬化剤インキが1部以上、10部以下程度、および溶剤は5部以上、55部以下である。なお、蛍光印刷層のインキに含有される樹脂バインダーは、蛍光インキ100部に対して10部以上、かつ、50部以下であることが特に好ましい。蛍光インキを構成する4種類の材料各々の部数割合は、以下のとおりである。蛍光インキは、(部数が合計100部の場合、)蛍光顔料が10部以上、20部以下程度、溶剤が80部以上、90部以下程度から構成される。樹脂バインダーは、(部数が合計100部の場合、)樹脂が15部以上、25部以下程度、およびその他を占める溶剤から構成される。硬化剤インキは、部数が合計100部の場合、イソシアネート系硬化剤が0.1部以上、0.5部以下程度、樹脂が65部以上、85部以下程度、およびその他を占める溶剤から構成される。この範囲であることによって、蛍光顔料の紫外線吸収および蛍光発色の阻害を抑制でき、かつ、樹脂バインダーの存在によって効果的に硬化剤を添加させることができるからである。
このようにして形成された蛍光印刷層30は、例えば、365nmの波長の紫外線を発光する市販の小型ブラックライトを照射することにより、図1および図2では、少なくとも第1蛍光印刷層31および第2蛍光印刷層32が、それぞれ互いに異なる可視光領域の波長にて発光する。そして、第1蛍光印刷層31および第2蛍光印刷層32のそれぞれを透過して、下地の着色されたインキにより形成されたパターン40を視認することができる。例えば、第1蛍光印刷層31が紫外線照射で赤色に蛍光発色し、第2蛍光印刷層32が緑色に蛍光発色する場合、スレッド状印刷物1は、表裏のいずれの面からも、当該、赤色または緑色に蛍光発色した蛍光印刷層30を透過して、黒色のマイクロ文字であるパターン40の「ABC」の文字を視認することができる。
なお、パターン40として印刷されるマイクロ文字の大きさには特に制限はないが、紫外線照射による蛍光印刷層30の蛍光発色時と、そうでないときのパターン40の見え方や、パターン40の文字色と、蛍光発色の色との色差等も考慮して決める必要がある。目視確認を前提とする場合は、おおむね、文字の大きさが2ポイント以上、14ポイント以下程度、拡大鏡等を用いる前提であれば、文字の大きさが0.25ポイント以上であることが好ましい。1ポイントは約0.35mmである。
また、第1蛍光印刷層31および第2蛍光印刷層32のような、紫外線の照射時に異なる色の蛍光発色を行う層を、パターン40の文字等と対応させて設けてもよい。例えば、パターン40の文字「A」に対応する領域を赤色の蛍光発色に、文字「B」に対応する領域を緑色の蛍光発色に、文字「C」に対応する領域を青色の蛍光発色にする等である。
(iv)本実施形態のスレッド状印刷物の特徴
本実施形態のスレッド状印刷物1は、紙等に抄き込まれた場合に、通常の可視光が当たる環境においては、透明性のある基材10に着色された、例えば黒色のインキによるマイクロ文字等のパターン40を、紙の表裏のいずれからでも肉眼または拡大鏡等により、明確に視認することができる。また、パターン40を全体的に覆うように、透明性を有する蛍光印刷層30が形成されているため、当該パターン40は、透明性のある基材10と透明性のある蛍光印刷層30に挟まれている。これにより、パターン40は、その両面を基材10および蛍光印刷層30によって保護され、擦れや湿度等によってパターン40の視認性が低下したり、変色、変質することが抑制される。
当該パターン40は、基材10の表面部分にコロナ処理またはプライマー塗付等の易接着処理がされた後で印刷されているので、着色されたインキの基材10への密着性を向上させることができる。また、パターン40の上層に被せて印刷される蛍光印刷層30の基材10への密着性も併せて向上させることができる。
さらに、蛍光印刷層を形成する蛍光インキや樹脂バインダー、硬化剤インキに含まれる溶剤は、パターン40を形成する着色されたインキに含まれる溶剤よりも沸点の低いものを使用している。これによって、着色されたインキが乾燥する過程で、上層に印刷した蛍光印刷層の溶剤のアタックを受け、硬化が妨げられたり、パターン40が不鮮明になったりする不具合が抑制される。
また、上述したとおり、本実施形態のスレッド状印刷物1は、例えば、365nmの波長の紫外線を発光する市販の小型ブラックライトを照射した場合には、黒色のインキによるマイクロ文字等のパターン40の視認性を阻害せず、さらに、その周囲が単色、または複数領域に複数の色で蛍光印刷層30を蛍光発色させることができ、効果的な真贋判定に寄与することができる。
本実施形態のスレッド状印刷物1は、マイクロ文字等のパターン部をアルミ等の金属蒸着によって形成させるデメタライジング加工を行う従来方法と比べて、蒸着前の水洗インキの印刷や蒸着後のマスク印刷の洗浄除去といった複雑な工程を経ることなく、簡易な工程により安価に製造でき、かつ、高い偽造防止効果があるという利点を有している。また、複数の透明フィルム等で挟み込むといった、材料費や工程の複雑化を抑え、ベースとなる基材10に、2種類の印刷でパターン40および蛍光印刷層30を設けるだけで耐久性や信頼性の高い、偽造防止用スレッド状印刷物1が形成できる、という利点を有している。
(b)ロールフィルム印刷物の製造方法
次に、スレッド状印刷物1の基となる、ロールフィルム印刷物3の製造方法を説明する。図1および図2に示すようなスレッド状印刷物1は、もともとは、図3(c)に示すような、巻取として供給、巻き取りされるロールフィルム2に、マイクロ文字等のパターン40や蛍光印刷層30が多面付けで製造された、図3(a)や図3(b)のようなロールフィルム印刷物3を細幅にスリット加工して得ることができる。以下、ロールフィルム印刷物3の製造方法について、以下に簡単に説明する。
(i)ロールフィルムへのパターンの形成
基材10として、前述した透明性を有する材料でロール状の形態であるロールフィルム2を準備する。これに、例えばグラビア印刷により、前述した組成の着色されたインキを用いて、パターン40が縦横に繰り返し配置された形態で印刷する。なお、印刷直前に、当該パターン40および蛍光印刷層30のロールフィルム2への密着性を向上させるため、ロールフィルム2の印刷予定面にコロナ処理やプライマー塗付等の易接着処理をしておくことが好ましい。コロナ処理であれば、10m/分以上、20m/分以下程度の送り速度でロールフィルム2を搬送することが好ましい。パターン40は、異なる色のインキを複数色用意し、互いに異なる色のパターンが配置されていてもよい。
パターン40を形成するための着色インキのグラビア印刷は、20m/分以上40m/分以下程度の速度で行い、その直後に100℃以上の温度で区間が1m以上の熱乾燥炉を通して溶剤を揮発させインキを硬化させる。複数色を印刷する場合でも同様である。
(ii)ロールフィルムへの蛍光印刷層の形成
パターン40が印刷形成され、熱硬化された後、同一ラインで、または、別のラインで、当該印刷済みロールフィルム印刷物3に対して、前述した材料組成の蛍光印刷層30を重ねてグラビア印刷する。蛍光印刷層30も、着色インキのグラビア印刷と同様、20m/分以上40m/分以下程度の速度で印刷し、その直後に100℃以上の温度で区間が1m以上の熱乾燥炉を通して溶剤を揮発させ、インキを硬化させる。図3(a)および図3(b)では、蛍光印刷層30は、第1蛍光印刷層31、第2蛍光印刷層32、および第3蛍光印刷層33の3色の構成が面順次に繰り返し形成されているものを例示しているが、これに限定するものではない。これらは、例えば紫外線の照射時にそれぞれが赤色、緑色、青色を発色するものであってもよく、他の色を発色するものでもよい。または、紫外線照射時に蛍光発色する領域と、蛍光発色しない領域とが配置されていてもよい。このように、パターン40および蛍光印刷層30が形成されたロールフィルム印刷物3は、巻取4として巻き取られ、保管、移送され、または後工程に使用される。
(c)偽造防止用紙の製造方法
次に、印刷加工が終わったロールフィルム印刷物3をスレッド状印刷物1にスリット加工し、紙材へ抄き込む偽造防止用紙の製造方法を説明する。まず、ロールフィルム印刷物3の表裏の片方に、ヒートシール加工を行う。これは、紙材にスレッド状印刷物1が強固に接着するように、あらかじめ、スリット前のロールフィルム印刷物3に加熱により溶融軟化する接着剤を塗工しておくものである。接着剤としては、例えば、ポリ塩化ビニル樹脂系、ポリ酢酸ビニル樹脂系、ポリエステル樹脂系、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂系、ポリビニルアルコール樹脂系、ポリアクリル酸エステル樹脂系等の公知の材料を挙げることができる。このような接着剤を単体または混合して、グラビア印刷等の周知の塗工機を用いてロールフィルム印刷物3の表面にヒートシール層を形成する。その塗工量は、例えば、乾燥質量換算で0.1〜10g/m2程度である。
その後、マイクロスリッターにより、当該ロールフィルム印刷物3を細幅状にスリットする。スリットされたスレッド状印刷物1の幅は用途によって任意に設定できるが、例えば、1mm以上、15mm以下の幅とすることができる。
次に、スレッド状印刷物1を、公知の紙材への抄き込む方法を用いることにより抄き込み、偽造防止用紙を製造する。図4(a)は、スレッド状印刷物1の表裏が紙材6で被覆された形態の偽造防止用紙5の平面図を示し、図4(b)は、スレッド状印刷物1の長手方向に沿った中心線についてのB−B断面図を示すものである。また、図5(a)は、スレッド状印刷物1の表裏が、一部に断続的な窓が開いた紙材6で被覆された形態の偽造防止用紙5Aの平面図を示し、図5(b)は、スレッド状印刷物1の長手方向に沿った中心線についてのC−C断面図を示すものである。
なお、前述したとおり、スレッド状印刷物1に設けられた蛍光印刷層30が、紫外線照射時等に可視光波長の発光をする点から、紙材6は蛍光増白剤を含まない構成とすることが好ましい。紙材6が蛍光増白剤を含んでいると、紫外線照射時に紫色または青色に発色するため、蛍光印刷層30の発色と混合することで、本来の期待された蛍光発色が得られない可能性があるからである。
図4(a)および図4(b)に示す偽造防止用紙5は、スレッド状印刷物1の全体が紙材6の中に埋没している。このような偽造防止用紙の製造方法は公知であり、長網抄紙機のスライス部分の紙料の流れの中にノズルを入れ、ノズルに水を流しながらスレッド状印刷物1を繰り出し、抄紙網に形成される紙匹中に当該スレッド状印刷物1を抄き込む方法等により製造することができる(特開昭51−130309号)。偽造防止用紙5では、パターン40が形成された一方の面は透明性のある基材10が配置されているが、さらにその外側、すなわち図4(b)の下方側にはヒートシール層66を形成してもよい。このヒートシール層を形成することで、紙材6の下層紙部62とスレッド状印刷物1との接着を強固にすることができる。また、パターン40が形成された他方の面には蛍光印刷層30である第1蛍光印刷層31、第2蛍光印刷層32および第3蛍光印刷層33が配置されているが、さらにその外側、すなわち図4(b)の上方側には紙材6の上層紙部61が配置される。なお、ヒートシール層は、紙に透き込むスレッド状印刷物1の片面側のみに形成されてもよく、あるいは両面に形成されてもよい。
このように、偽造防止用紙5は、スレッド状印刷物1の表裏面がさらに紙材6の上層紙部61および下層紙部62に挟まれる形態となり、スレッド状印刷物1のみを取り出すことを難しくすることができるため、偽造防止効果が高まるとともに、スレッド状印刷物1の破損、変質リスクを低減する。紙材6の上層紙部61および下層紙部62の紙料は、30g/m2以上、65g/m2以下であることが好ましい。この紙材6の紙料がこの範囲であることにより、スレッド状印刷物1の保護効果を得つつ、スレッド状印刷物1のパターン40等の視認性を確保できるからである。
(d)偽造防止用紙の製造方法の変形例
また、図5(a)および図5(b)に示す、変形例に係る偽造防止用紙5Aは、スレッド状印刷物1の表面が、断続的に窓が開いた紙材6を通して一部、露出しているものである。このような偽造防止用紙の製造方法も、「窓開き糸入り紙」を製造する方法として、公知である。例えば、凹凸部を備えたガイドの凸部の先端に溝部を設け、この溝部にスレッド状印刷物1を挿入した状態で、ガイドを長網抄紙機のワイヤー上の紙料懸濁液中に埋設させ、紙料懸濁液の水分がワイヤーから下方に脱水され、紙層がほとんど形成された段階でガイドを上方に移動させ、ガイドの凸部の先端に接していた部分で、スレッド状印刷物1が露出している窓開き部を形成する方法(特公平5−85680号)や、長網抄紙機のワイヤー上に、圧縮空気ノズルが内蔵された回転ドラムを設置し、内部にスレッド状印刷物1が挿入されているワイヤー上の湿紙に、回転ドラム内の圧縮空気ノズルから圧縮空気を断続的に吹き付けてスレッド状印刷物1上のスラリーを吹き飛ばすことで、スレッド状印刷物1が露出した窓開き部を断続的に形成する方法(特開平6−272200号)等が挙げられる。
偽造防止用紙5Aでは、パターン40が形成された一方の面には、透明性のある基材10および紙材6の下層紙部64が配置され、パターン40が形成された他方の面には、蛍光印刷層30が配置されている。さらにその外側、すなわち図5(b)の上方側には、断続的に紙材6の上層紙部63が配置され、上層紙部63が配置されていない位置には、窓部65である窓部65A、65Bおよび65Cが形成され、部分的にスレッド状印刷物1を直接視認できる。よって、マイクロ文字等が一部で鮮明に確認でき、セキュリティ性、意匠性に優れている。また、図5(b)において、紙材6に対するスレッド状印刷物1の配置の向きが、紙面の上下方向に対して反対となってもよい。すなわち、スレッド状印刷物1を、透明性のある基材10が上層紙部63側を向き、蛍光印刷層30が下層紙部64側を向くように配置してもよい。このように配置した場合、紙材6の窓部65から露出するスレッド状印刷物1の部位は基材10であるため、パターン40や蛍光印刷層30の保護性能を一層、高めることができる。なお、偽造防止用紙5と同様に、基材10の外側、すなわち図5(b)の下方側にはヒートシール層66が形成される。ヒートシール層を形成することにより、紙材6の下層紙部64とスレッド状印刷物1との接着を強固にすることができる。
2.本開示の第2実施形態
次に、本開示のスレッド状印刷物および偽造防止用紙、並びにロールフィルム印刷物および偽造防止用紙の製造方法に関する第2実施形態について説明する。図6(a)は、本開示の第2実施形態のスレッド状印刷物1Aの構成を説明する断面図であり、図6(b)は、当該スレッド状印刷物1Aを、図1の紙面の上方から見た平面図である。なお、図6(a)は、図6(b)のスレッド状印刷物1Aを、紙面の上下方向の中心線で切ったD−D断面図である。以下、本開示のスレッド状印刷物および偽造防止用紙、並びにロールフィルム印刷物および偽造防止用紙の製造方法について、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
(a)スレッド状印刷物
図6(a)および図6(b)に示すように、スレッド状印刷物1Aは、基材11の両面に表面処理がなされた表面処理部21および22が設けられている。パターン41およびパターン42の2種類のパターンが、基材11の両面のそれぞれに形成されており、基材11の一方の面と他方の面とに、それぞれパターン41とパターン42とが対向するように配置されている。すなわち、図6(a)の紙面における基材11の上方の面に、パターン41である「ABC」の文字パターン41Aが設けられている箇所では、対向する基材11の下方の面に、パターン42である四角や丸の記号から構成されるパターン42Bが設けられている。また、基材11の上方の面に、パターン42である記号から構成されるパターン42Aが設けられている箇所では、対向する基材11の下方の面に、パターン41である文字パターン41Bが設けられている。
これを、基材11の上方の面側から見た平面図が図6(b)であるが、紙面の左側に文字「ABC」が正像で、右側に文字「ABC」が逆像で視認される。さらに、左右の文字の周囲に、四角や丸の記号が配置されている。また、スレッド状印刷物1Aを表裏の反対側からみてもほぼ同様のパターンとして視認することができる。ただし、実際には、同様の文字「ABC」も、パターン41Aおよびパターン41Bは、基材11の表裏の異なる面に配置され、記号から構成されるパターンも、パターン42Aおよびパターン42Bは、基材11の表裏の異なる面に配置されている。
このように、あたかも基材11の同一表面に形成されているように見えるパターン41および42を、実際には基材11の表裏面の互いに異なる面に分散して印刷することができるため、セキュリティ性を一層高めることができる。また、例えば、すべてのパターンが基材11の一方の面にのみ形成されている第1のパターンと、パターンが部分的に基材11の一方の面および他方の面に分散形成されている第2のパターンとが、規則的に、または不規則的に繰り返されるようにスレッド状印刷物1Aを形成することもできる。このとき、第1のパターンと第2のパターンとは、略同一に見えるように形成してもよく、異なって見えるように形成してもよい。
また、基材11の一方の面に第1の色で着色されたインキによるパターンの印刷を行い、基材11の他方の面に第1の色とは異なる第2の色で着色されたインキによるパターンの印刷を行うこともできる。これにより、基材11の同一面に2色以上のインキでパターンの重ね刷りをすることに伴う、パターンのにじみや印刷膜厚の不均一による乾燥不良等の不具合を抑制でき、基材11への印刷を表裏分割進行できる等、作業性も向上できる。
なお、基材11やパターン41、42の形成に用いる着色されたインキの組成は、第1実施形態と同様である。
また、蛍光印刷層についても、図6(a)に示すとおり、基材11の一方の面、すなわち紙面の上方の面に形成される蛍光印刷層30Aと、基材11の他方の面、すなわち紙面の下方の面に形成される蛍光印刷層30Bとを有していること以外は、第1実施形態と同様である。蛍光印刷層30Aは、第1蛍光印刷層34およびこれとは異なる発光特性を有する第2蛍光印刷層35が面順次配置されたものであり、蛍光印刷層30Bも、第1蛍光印刷層36およびこれとは異なる発光特性を有する第2蛍光印刷層37が面順次配置されたものである。基本的に、表裏に対向配置される関係となる第1蛍光印刷層34および36と、第2蛍光印刷層35および37とは、互いに紫外線照射時の発光特性が同一となるようにすることが好ましいが、これらをあえて異なる発光特性のものとすることもできる。蛍光印刷層30Aおよび30Bの詳細組成等は、第1実施形態と同様である。
本実施形態のスレッド状印刷物1Aは、第1実施形態のスレッド状印刷物1と同様、紙材に抄き込まれた場合に、通常の可視光が当たる環境においては、透明性のある基材11に着色されたマイクロ文字等のパターン41および42を、紙の表裏のいずれからでも肉眼または拡大鏡等により明確に視認することができる。また、パターン41および42を全体的に覆うように、透明性を有する蛍光印刷層30Aおよび30Bが形成されている。これにより、パターン41および42は、その両面が蛍光印刷層30Aおよび30Bによって挟まれることによって保護され、擦れや湿度等によってパターン41および42の視認性が低下したり、変色、変質することが抑制される。
さらに、パターン41および42は、基材11の表裏いずれかの面に分散して印刷形成することができるため、仮に、スレッド状印刷物1Aの一方の面を削ってパターンを消去しようとしても、他方の面に印刷されているパターンまで同時に削ることは困難であり、セキュリティ性、改ざん防止性を向上できる。
(b)ロールフィルムの製造方法等
スレッド状印刷物1Aの基となるロールフィルムは、パターン41および42が、ロールフィルムの表裏に印刷形成されるべきことと、蛍光印刷層30Aおよび30Bも、同様に、ロールフィルムの表裏に印刷形成されるべきこととが異なる以外は、第1実施形態と同様の方法で製造することができる。
(c)偽造防止用紙の製造方法
印刷加工が終わったロールフィルムをスレッド状印刷物1Aにスリット加工し、紙材へ抄き込む偽造防止用紙の製造方法は、第1実施形態で説明した方法と同様にして行うことができる。
次に実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明する。以下、特に断りのない限り、部
または%は質量基準である。
(a)実施例1
(i)ロールフィルムへの着色インキによるパターン形成
ロールフィルムとして、巻取タイプの幅520mm、厚さ16μmの透明ポリエステルフィルム(東レ(株)製、商品名:ルミラー(登録商標))を使用し、その一方の面を印刷予定面として、事前にコロナ出力0.5kW、搬送速度15m/分にてコロナ処理を実施した。その約24時間後、グラビア印刷機により、ロールフィルムのコロナ処理済みの一方の面に、印刷速度25m/分で墨1色にて、一文字の大きさが2.5ポイント(約0.88mm)、文字と文字のピッチが約2.08mmとなる配列で一定の文字列から構成されるパターンを繰り返し印刷し、その直後に100℃で加熱する約1mのゾーンを有する熱乾燥炉に通してインキを乾燥させた。インキの膜厚は約1μm程度であった。
[着色されたインキ(墨)]
墨インキの処方
墨系インキ 100部
イソシアネート系硬化剤インキ 4部
墨系インキの処方
合成樹脂類 15部
カーボンブラック 10部
助剤 1部未満
溶剤(トルエン) 75部
イソシアネート系硬化剤インキの処方
樹脂 74部
イソシアネート 0.3部
溶剤(トルエン) 25.7部
(ii)ロールフィルムへの蛍光印刷層の形成
ロールフィルムのパターンが形成された面に、さらにグラビア印刷機により、印刷速度25m/分で、蛍光印刷層を、パターン部分のすべて覆うようにベタで印刷した。当該蛍光印刷用インキは、365nmの波長の紫外線を発光する市販の小型ブラックライトを照射すると、青色領域の波長の可視光を発光する特性を有するものである。その直後に100℃で加熱する約1mのゾーンを有する熱乾燥炉に通してインキを乾燥させた。インキの膜厚は約1μm程度であった。
[蛍光印刷層のインキ(青系)]
蛍光印刷層のインキの処方
蛍光インキ 100部
樹脂バインダー 30部
溶剤(酢酸エチル) 30部
イソシアネート系硬化剤 5部
蛍光インキの処方
蛍光顔料 15部
溶剤(酢酸エチル) 85部
樹脂バインダーの処方
合成樹脂 20部
溶剤(酢酸エチル) 80部
イソシアネート系硬化剤インキの処方
樹脂 74部
イソシアネート 0.3部
溶剤(酢酸エチル) 25.7部
(iii)ロールフィルムへの接着剤の塗工およびスレッド状印刷物へのスリット
上記パターン形成および蛍光印刷層形成が完了した巻取形態のロールフィルムに対して、パターン形成面の反対面にエチレン−酢酸ビニル系のヒートシール接着剤をグラビア印刷機にて塗工した。ヒートシール接着剤の膜厚は約1μm程度であった。その後、当該ロールフィルムをスリッターにより、幅150mm程度に分割した後、マイクロスリッターにより、幅約2mmのスレッドを製造し、リールに巻き取った。
(b)比較例1〜5
上記の実施例1のサンプル作成以外に、実施例1に対して蛍光印刷層に使用するイソシアネート系硬化剤を添加しなかった点のみが異なる比較例1、実施例1に対して蛍光印刷層に使用する溶剤がトルエンである点のみが異なる比較例2、実施例1に対してパターン形成用着色インキにイソシアネート系硬化剤を添加しなかった点のみが異なる比較例3、実施例1に対してパターン形成用着色インキにイソシアネート系硬化剤を添加せず、かつ、蛍光印刷層に使用するイソシアネート系硬化剤を添加しなかった点が異なる比較例4、実施例1に対してコロナ処理をしなかった点のみが異なる比較例5、のサンプルを併せて作成し、上記のとおりロールフィルム製造、スリットを行った。
(c)試験結果
上記のスレッド状印刷物の試験サンプルについて、パターンの外観、蛍光印刷層の密着力、および溶剤拭き取り後の蛍光印刷層の印刷外観の確認を行った。
[パターンの外観]
・良好:文字のにじみやインキの溶けはなく、良好に視認できた。
・やや不良:文字の判読に問題はないが、部分的ににじみが見られた。
・不良:外観上、問題となり得る程度ににじみやインキ溶けが顕著であった。
[蛍光印刷層の密着力]
・クロスカット試験(JIS K5600−5−6)の分類0〜5で判断する。ただし、試験用サンプルは規格に合わせたサイズで行った。
[溶剤拭き取り後の蛍光印刷層の印刷外観]
・蛍光印刷層の印刷外観確認は、布にトルエンを浸み込ませ、蛍光印刷層の部分を繰り返して拭き取り(擦り)、拭き取り回数ごとに蛍光印刷層のインキがとれるかとれないかを目視で確認した。
・良好:5回までの拭き取りではインキはまったくとれなかった。
・不良:5回までの拭き取りでインキが容易にとれた。
上記試験結果を表1に示す。本開示の第1実施形態に沿った実施例1では、パターンの外観は「良好」であり、蛍光印刷層の密着力も「分類0」で良好であった。さらに、蛍光印刷層の印刷外観も「良好」であった。一方、比較例1および5では、蛍光印刷層の密着力が「分類3」と密着力が不足しており、比較例1では、蛍光印刷層の印刷外観が「不良」であった。また、比較例2、3では、パターンの外観は「やや不良」であり、比較例4では、パターンの外観は「不良」であった。これより、パターン形成用着色インキにイソシアネート系硬化剤を添加すること、蛍光印刷層に使用する溶剤がパターン形成用着色インキに使用する溶剤よりも沸点の低いものを使用すべきであること、蛍光印刷層にもイソシアネート系硬化剤を添加すべきであること、印刷前にコロナ処理等が有効であること、が明確となった。
1、1A スレッド状印刷物
2 ロールフィルム
3 ロールフィルム印刷物
4 巻取
5、5A 偽造防止用紙
6 紙材
10、11 基材
20、21、22 表面処理部
30、30A、30B 蛍光印刷層
31、34、36、71 第1蛍光印刷層
32、35、37、72 第2蛍光印刷層
33、73 第3蛍光印刷層
40、41、41A、41B、42、42A、42B パターン
61、63 上層紙部
62、64 下層紙部
65、65A、65B、65C 窓部
66 ヒートシール層

Claims (6)

  1. 偽造防止用紙に抄き込むためのスレッド状印刷物であって、
    基材と、
    前記基材の一方の面に、着色されたインキを含んで形成された部分的なパターンと、
    前記パターンを覆うように設けられた蛍光印刷層と、を備え、
    前記パターンを形成する前記着色されたインキは、イソシアネート系の硬化剤を含有し、
    前記蛍光印刷層を形成する蛍光インキは、蛍光顔料、樹脂系のバインダー、および硬化剤を含有し、
    前記基材の前記一方の面およびこれと対向する他方の面のいずれの側からも前記パターンが視認できる、スレッド状印刷物。
  2. 請求項1に記載のスレッド状印刷物を紙に抄き込みし作成される、偽造防止用紙。
  3. 前記スレッド状印刷物の全体が前記紙に埋没しているか、または、前記スレッド状印刷物の一部が前記紙に埋没しかつ前記スレッド状印刷物の他の一部が前記紙から露出している、請求項2に記載の偽造防止用紙。
  4. 透明性を有するフィルム状の基材と、
    イソシアネート系の硬化剤を含有した、着色されたインキと、
    蛍光顔料、樹脂系のバインダーおよび硬化剤を含有する蛍光インキと、を準備する工程と、
    前記フィルム状の基材の一方の面に、前記着色されたインキを印刷して部分的にパターンを形成し、その後、これを乾燥させる工程と、
    前記パターンを覆うように、前記蛍光インキを印刷して蛍光印刷層を形成し、その後、これを乾燥させる工程と、を備えた、スレッド状印刷物を作成するためのロールフィルム印刷物の製造方法。
  5. 前記着色されたインキは、第1の溶剤を含有した状態で印刷され、
    前記蛍光インキは、前記第1の溶剤とは異なる第2の溶剤を含有した状態で印刷され、
    前記第2の溶剤の沸点は前記第1の溶剤の沸点よりも低い、請求項4に記載のロールフィルム印刷物の製造方法。
  6. 請求項4または5に記載のロールフィルム印刷物の製造方法によって製造されたロールフィルム印刷物を細幅にスリットしてスレッド状印刷物を作成する工程と、
    当該スレッド状印刷物を紙に抄き込みし、偽造防止用紙を作成する工程と、を含む、偽造防止用紙の製造方法。
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