JP2010177015A - 透明導電性フィルム及びタッチパネル - Google Patents

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【課題】タッチパネルの端部領域での筆記耐久性(端押し耐久性)を向上させることができる透明導電性フィルム及びタッチパネルを提供する。
【解決手段】透明導電性フィルムは、透明基材フィルムの一方の面に第1緩衝層と第2緩衝層と導電層とがこの順に積層されて構成されている。そして、20℃、50%相対湿度の雰囲気下で測定した第1緩衝層単独のマルテンス硬度が0.1〜70N/mm、第2緩衝層単独のマルテンス硬度が100〜500N/mmに設定されている。前記第1緩衝層、第2緩衝層及び導電層全体のマルテンス硬度は、100〜500N/mmであることが好ましい。また、透明基材フィルムの導電層とは反対の面に機能層を形成することができる。この透明導電性フィルムは、タッチパネルの表面に配置されて使用される。
【選択図】なし

Description

本発明は、筆記耐久性に優れた透明導電性フィルム及びこの透明導電性フィルムを用いたタッチパネルに関する。
透明プラスチックフィルム上に透明かつ導電性の化合物の薄膜を形成した透明導電性フィルムは、その導電性を利用した用途、例えば液晶ディスプレイ、ELディスプレイといったフラットディスプレイやタッチパネルの透明電極など電気電子分野で広く使用されている。かかる透明導電性フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、トリアセチルセルロース(TAC)等の透明フィルムの少なくとも片面に、酸化スズ(SnO)、酸化インジウム(In)と酸化錫(SnO)の混合焼結体(ITO)や酸化亜鉛等を、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等のドライプロセスによって設けたものがよく知られている。
近年、入力ペンでディスプレイ上に文字を書くという紙感覚で入力操作を行うことができる利点を生かして、携帯情報末端、電子手帳及びマルチメディア機器等は、利用範囲が幅広く急速に普及している。この普及により導電性フィルムには、ペンによる文字入力の機能を有することが要求されるようになってきた。これに従って導電性フィルムの耐久性として、ペン入力による導電性劣化が起こらないことが求められるようになってきている。ところが、タッチパネル用に透明導電性フィルムを用いた場合、スペーサーを介して対向させた一対の導電性薄膜同士が、ペン入力による押圧で強く接触するため、導電性薄膜にクラックや剥離が生じてしまい、電気抵抗が増大したり、断線を生じたりするという問題点があった。
そのため、タッチペンからの応力緩和のために、ハードコート層/PETフィルム/粘着剤層/PET層/アンダーコート層/透明導電薄膜の積層構成とした透明導電性フィルムが市販されている。この透明導電性フィルムであれば、粘着剤層の柔らかさによってペン入力時の応力が緩和され、ペン入力耐久性(端押し耐久性)は向上するが、フィルム構成が非常に複雑になり、製法も複雑となるためコストが高くなるという欠点がある。
また、構成がより単純化された硬化型樹脂を主たる構成成分とする硬化物層の上に、硬度が0.4〜0.8GPaである透明導電性層を積層した端押し耐久性の優れた透明導電性フィルム(特許文献1を参照)も提案されている。しかしながら、透明導電性フィルムの硬度の設定が適切でないため端押し耐久性が不足すると共に、端押し耐久試験後に硬化物層や透明導電層にクラックが発生し十分ではない。
さらに、ダイナミック硬度が0.005〜2であるクッション層をPETフィルムと透明導電性層との間に設けた透明導電性フィルムが提案(特許文献2を参照)されているが、透明導電性フィルムの硬度設定が適切でないため端押し耐久性が低いと共に、自己修復性がないため凹み痕が発生し、外観が悪くなるため十分ではない。加えて、透明導電層に導電性高分子を用い端押し耐久性を向上させた透明導電膜(特許文献3を参照)も提案されているが、透明導電膜の硬度が考慮されていないため端押し耐久性が不十分であると同時に、端押し耐久試験後に透明導電層に剥がれが発生し十分でないのが現状である。
特開2002−163932号公報(第2頁及び第12頁) 特開平11−34206号公報(第2頁及び第10頁) 特開2005−146259号公報(第2頁、第4頁及び第27頁)
そこで、本発明の目的とするところは、タッチパネルの端部領域での筆記耐久性(端押し耐久性)を向上させることができる透明導電性フィルム及びタッチパネルを提供することにある。
上記の目的を達成するために、第1の発明の透明導電性フィルムは、透明基材フィルムの一方の面に第1緩衝層と第2緩衝層と導電層とがこの順に積層されて構成されている。そして、20℃、50%相対湿度の雰囲気下で測定した第1緩衝層単独のマルテンス硬度が0.1〜70N/mm、第2緩衝層単独のマルテンス硬度が100〜500N/mmであることを特徴とする。
第2の発明の透明導電性フィルムは、第1の発明において、前記導電層側から測定した場合のマルテンス硬度が100〜500N/mmであることを特徴とする。
第3の発明の透明導電性フィルムは、第1又は第2の発明において、前記透明基材フィルムの導電層とは反対の面に機能層を形成してなるものである。
第4の発明のタッチパネルは、表面に第1から第3のいずれか1項に記載の発明の透明導電性フィルムが配置されて構成されている。
本発明によれば、次のような効果を発揮することができる。
第1及び第2の発明の透明導電性フィルムによれば、透明基材フィルムと導電層との間に硬度の異なる2種類の緩衝層を積層したことから、タッチパネルの端部領域での端押し耐久性を向上させることができる。
第3の発明の透明導電性フィルムによれば、第1又は第2の発明の効果を発揮しつつ、機能層に基づく機能を発揮することができる。
第4の発明のタッチパネルによれば、その表面に前記の透明導電性フィルムが配置されていることから、該透明導電性フィルムによりタッチパネルの端部領域での端押し耐久性を向上させることができる。
以下、本発明を具体化した実施形態について詳細に説明する。
<透明導電性フィルム>
本実施形態の透明導電性フィルムは、透明基材フィルムの一方の面に第1緩衝層と第2緩衝層と導電層とがこの順に積層されて構成されている。そして、20℃、50%相対湿度の雰囲気下で測定した第1緩衝層単独のマルテンス硬度が0.1〜70N/mm及び第2緩衝層単独のマルテンス硬度が100〜500N/mmに設定されている。
次に、この透明導電性フィルムの構成要素について順に説明する。
〔透明基材フィルム〕
透明基材フィルムは、透明樹脂フィルム等が用いられ特に制限されない。透明基材フィルムを形成する樹脂材料として具体的には、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、トリアセテートセルロース(TAC)系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等が挙げられる。それらの中でも、汎用性などの観点からトリアセテートセルロース(TAC)系樹脂及びポリエチレンテレフタレート(PET)系樹脂が好ましい。
透明基材フィルムの厚さは通常10〜5000μm、好ましくは25〜1000μm、さらに好ましくは35〜500μmである。
〔緩衝層〕
続いて、第1緩衝層と第2緩衝層とで構成される緩衝層について説明する。
この緩衝層を形成する材料は特に限定されず、例えば単官能(メタ)アクリレート、多官能(メタ)アクリレート及びテトラエトキシシラン等の反応性珪素化合物などの硬化物が挙げられる。これらのうち生産性及び硬度を両立させる観点より、紫外線硬化性多官能(メタ)アクリレートを含む組成物の重合硬化物であることが特に好ましい。そのような紫外線硬化性多官能(メタ)アクリレートを含む組成物としては特に制限されるものではない。例えば、公知の紫外線硬化性多官能(メタ)アクリレートを2種類以上混合したもの、紫外線硬化性ハードコート材として市販されているもの、或いはこれら以外に本発明の効果を損なわない範囲において、その他の成分をさらに添加したものを用いることができる。
(緩衝層単独のマルテンス硬度)
第1緩衝層の厚みは5〜100μmが好ましく、10〜80μmが特に好ましい。この厚みが5μm未満の場合、第1緩衝層の柔軟性が不足して自己修復性や端押し耐久性が低下する。一方、100μmを超える場合、第1緩衝層が厚くなり過ぎて、タッチパネルに用いた際のペン入力の荷重を大きくする必要があり、好ましくない。
第1緩衝層単独の超微小硬さ試験装置により20℃、50%相対湿度の雰囲気下で測定したときのマルテンス硬度は、0.1〜70N/mmの範囲内であり、0.1〜30N/mmであることが好ましい。マルテンス硬度は、ビッカース圧子によりフィルム表面を押し込んだときの試験荷重と押し込み表面積から求められる塗膜の硬さであり、物体表面の硬度の指標となる。マルテンス硬度が0.1N/mm未満のときには、柔らかくへこみ過ぎる傾向を示して耐久性が低下しやすい。逆に、70N/mmを超えるときには、硬くへこみにくい傾向を示し、加わった力を吸収できなくなる。
第2緩衝層の厚さは、0.5〜10μmであることが好ましい。この厚さが0.5μm未満の場合には、第2緩衝層のタック性を十分抑えることができない。一方、厚さが10μmを超える場合には、透明導電性フィルムについて耐屈曲性の低下等の問題が生じる。
第2緩衝層単独の超微小硬さ試験装置により20℃、50%相対湿度の雰囲気下で測定したときのマルテンス硬度は、100〜500N/mmの範囲内であり、100〜400N/mmであることが好ましい。この第2緩衝層単独のマルテンス硬度は第1緩衝層単独のマルテンス硬度より高く設定され、このように硬度の異なる2つの緩衝層を積層することにより、タッチパネルの端押し耐久性を効果的に向上させることができる。
(積層後のマルテンス硬度)
前記導電層側から測定した場合のマルテンス硬度すなわち積層後の第1緩衝層、第2緩衝層及び導電層全体のマルテンス硬度の測定は、各層を斜め切削により面だしを行い測定を行う。具体的にはダイプラ・ウィンテス社製SAICAS(NN04型)を使用して斜め切削を行い、面だしを行う。その後、面だしした表面を超微小硬さ試験装置により20℃、50%相対湿度の雰囲気下でマルテンス硬度を測定した。
このように導電層側から測定した場合のマルテンス硬度は100〜500N/mmであることが好ましく、100〜400N/mmであることがさらに好ましい。該マルテンス硬度が100N/mm未満の場合には、透明導電性フィルムの柔軟性が大きくなってへこみ過ぎ、耐久性が低下する。その一方、500N/mmを超える場合には、透明導電性フィルムが硬くなってへこみにくくなり、加わった圧力が吸収されにくくなる。
〔導電層〕
前記導電層を形成する材料としては、透明性及び導電性を併せ持つ導電性材料であれば特に制限されないが、無機系金属と有機導電高分子が挙げられる。無機系金属としては、例えば金、銀、銅、白金、ニッケル、酸化錫、酸化インジウム錫(ITO)等が挙げられる。有機導電高分子としては、例えばポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリキノキサリン等を用いた有機導電性組成物が挙げられる。これらのなかでも、光学特性、外観、導電性が良好なITO、ポリチオフェン系材料が好ましい。
〔機能層〕
機能層は透明基材フィルムの導電層とは反対の面に形成され、該機能層としては例えばハードコート層、防眩層、防眩ハードコート層、耐指紋性層、減反射層、減反射防眩層、ペン入力時の表面での筆記感を向上することができる自己修復性を有する軟質樹脂層等が挙げられる。これらの機能層としては、公知のいずれの機能層も適用することができる。
〔各層の形成方法〕
前記第1緩衝層、第2緩衝層、導電層及び機能層は、各層を形成する塗液を塗布して硬化させることにより形成される。
塗布方法は特に限定されず、通常行なわれている塗布方法、例えばロールコート法、スピンコート法、ディップコート法、スプレーコート法、バーコート法、ナイフコート法、ダイコート法、インクジェット法、グラビアコート法等公知のいかなる方法も採用される。塗布に際しては、密着性を向上させるために、予め透明基材フィルム表面にコロナ放電処理等の前処理を施すことができる。
硬化方法としては、例えば高圧水銀ランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、窒素レーザ、電子線加速装置、放射性元素等の活性エネルギー線源等が使用される。この場合、活性エネルギー線の照射量は、紫外線の波長365nmでの積算光量として50〜5000mJ/cmであることが好ましい。照射量が50mJ/cm未満のときには、硬化が不十分となるため好ましくない。一方、5000mJ/cmを超えるときには、活性エネルギー線硬化型樹脂が着色する傾向を示すため好ましくない。
<タッチパネル>
タッチパネルは、その表面に前述した透明導電性フィルムが配置されて構成されている。具体的には、2枚の透明導電性フィルムがそれらの導電層が対向するように配置されて構成される。そして、前記透明導電性フィルムを用いることにより、特にタッチパネル端部領域での筆記耐久性を向上させることができ、指やペン入力による導電性の劣化を抑制することができる。
以下、製造例、実施例及び比較例を挙げて前記実施形態をさらに具体的に説明する。なお、各例における部は質量部を表し、%は質量%を表す。また、各例における(1)マルテンス硬度、(2)ヘイズ値、(3)全光線透過率、(4)表面抵抗率及び(5)筆記耐久性については、下記に示す方法により測定した。
(1)マルテンス硬度
PETフィルムに30μmの厚みで塗布、硬化して形成させたときのマルテンス硬度を超微小硬さ試験装置〔(株)フィッシャー・インストルメンツ社製、商品名:フィッシャースコープH−100〕を用いて20℃、50%相対湿度の雰囲気下で、最大荷重2mN、第1クリープ:5秒及び第2クリープ:5秒の条件で測定した。
(2)ヘイズ値
日本電飾工業(株)製のNDH−2000を使用し、光学特性としてのヘイズ値(%)を測定した。
(3)全光線透過率
日本電飾工業(株)製のNDH−2000を使用し、光学特性としての全光線透過率(%)を測定した。
(4)表面抵抗率
三菱(株)製のロレスターGP(4探針プローブ)を使用して、表面抵抗率(Ω/□)を測定した。
(5)筆記耐久性
作製した透明導電性フィルムを2枚用いて有機導電層が対向するように、厚さ30μmの両面粘着テープを介して貼り合わせたものをガラス上に配置し、透明導電性フィルムの有機導電層形成面とは反対面の両面粘着テープから2mm間隔を離した箇所をポリアセタール樹脂製のタッチパネル入力ペン(先端部:φ0.8mm)を用い、荷重:25N(250gf)、速度100mm/sec、10万往復の条件で端押し耐久性を測定した。そして、下記の3段階で評価を行った。
◎:目視及び光学顕微鏡観察(倍率:280倍)で有機導電膜の剥離、クラック、キズが全くなし。
○:目視では剥離、クラック、キズが観察されず、光学顕微鏡観察(倍率:280倍)で剥離、クラック、キズが見られる。
△:目視で剥離、クラック、キズが見られ、その面積がペンを摺動させた箇所(面積)の1/5以下である。
×:目視で剥離、クラック、キズが見られ、その面積がペンを摺動させた箇所(面積)の1/5以上である。
〔製造例1、導電層用塗液(EC−1)の調製〕
ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスルホン酸を主成分とし、シランカップリング剤を含んでなる水分散溶媒導電性塗料〔日本アグファ・ゲバルト(株)製、商品名:Orgacon S−300〕100部に、エチレングリコール〔和光純薬工業(株)製〕5部と、エチレングリコールジグリシジルエーテル(ナガセケムテックス社製、EX−810)0.3部と、前記アルコキシ基含有化合物として3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン〔信越化学工業(株)製〕0.3部とをそれぞれ添加して各成分が均一になるまで1時間攪拌混合して調製した。
〔製造例2、第1緩衝層用塗液(F1−1)の調製〕
ヘキサメチレンジイソシアネート〔三井武田ケミカル(株)製、商品名:タケネート700〕2.1%及びポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチルアクリレート〔ダイセル化学工業(株)製、商品名:プラクセルFA10L、カプロラクトン単位の繰り返し数=10〕97.9%からなるウレタンアクリレート90部と、フタル酸モノヒドロキシエチルアクリレート〔東亞合成(株)製、商品名:M−5400〕6.8部と、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン3部と、表面調整剤(ビックケミー社製、商品名「BYK−381」)0.2部と、メチルエチルケトン100部とを混合して第1緩衝層用塗液(F1−1)を調製した。
透明基材フィルムとして、厚さ188μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム〔東洋紡(株)製のA4300〕を用いた。そのPETフィルムの一方の面に、第1緩衝層用塗液(F1−1)を乾燥膜厚5μm程度になるようバーコーターにより成膜し、400mJ/cmのエネルギーで紫外線を照射して硬化した。F1−1層について超微小硬さ試験装置により20℃、50%相対湿度の雰囲気下で測定したときのマルテンス硬度は1N/mmであった。
〔製造例3、第2緩衝層用塗液(F1−2)の調製〕
ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート変性タイプウレタンアクリレート〔三井武田ケミカル(株)製、商品名:タケネートD−170N〕20.5%及びポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチルアクリレート〔ダイセル化学工業(株)製、商品名:プラクセルFA5、カプロラクトン単位の繰り返し数=5〕79.5%からなるウレタンアクリレート90部、2−ヒドロキシプロピルアクリレート〔大阪有機化学工業(株)製、商品名:HPA〕6.8部、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン3質量部、表面調整剤(ビックケミー社製、商品名「BYK−381」)0.2部、及びメチルエチルケトン100部を混合して第1緩衝層用塗液(F1−2)を調製した。
透明基材フィルムとして厚さ188μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム〔東洋紡(株)製のA4300〕を用いた。そのPETフィルムの一方の面に、緩衝層用塗液(F1−2)を乾燥膜厚5μm程度になるようバーコーターにより成膜し、400mJ/cmのエネルギーで紫外線を照射して硬化した。F1−2層について超微小硬さ試験装置により20℃、50%相対湿度の雰囲気下で測定したときのマルテンス硬度は4N/mmであった。
〔製造例4、第2緩衝層用塗液(F2−1)の調製〕
ジペンタエリスリトールへキサアクリレート70部、1,6−ビス(3−アクリロイルオキシー2−ヒドロキシプロピルオキシ)ヘキサン30部、光重合開始剤〔チバガイギー(株)製のIRUGACURE184〕4部、及びイソプロパノール100部を混合して第2緩衝層用塗液(F2−1)を調製した。透明基材フィルムとして厚さ188μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム〔東洋紡(株)製のA4300〕を用いた。そのPETフィルムの一方の面に、第2緩衝層用塗液(F2−1)を乾燥膜厚5μm程度になるようバーコーターにより成膜し、400mJ/cmのエネルギーで紫外線を照射して硬化した。F2−1層について超微小硬さ試験装置により20℃、50%相対湿度の雰囲気下で測定したときのマルテンス硬度は330N/mmであった。
〔製造例5、第2緩衝層用塗液(F2−2)の調製〕
ウレタンアクリレート〔大日本インキ化学工業(株)製、GRANDIC PC6−6150F、光重合開始剤入り〕50部、及びメチルイソブチルケトン(MIBK)83.4部を混合して第2緩衝層用塗液(F2−2)を調製した。透明基材フィルムとして厚さ188μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム〔東洋紡(株)製のA4300〕を用いた。そのPETフィルムの一方の面に、第2緩衝層用塗液(F2−2)を乾燥膜厚5μm程度になるようバーコーターにより成膜し、400mJ/cmのエネルギーで紫外線を照射して硬化した。F2−2層について超微小硬さ試験装置により20℃、50%相対湿度の雰囲気下で測定したときのマルテンス硬度は260N/mmであった。
〔製造例6、高屈折率層用塗液(H)の調製〕
平均粒径0.07μmのITO微粒子85部、テトラメチロールメタントリアクリレート15部、光重合開始剤〔日本化薬(株)製のKAYACURE BMS〕5部及びブチルアルコール900部を混合し、高屈折率層用塗液(H)を調製した。
〔製造例7、低屈折率層用塗液(L)の調製〕
1,10−ジアクリロイルオキシー2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9−ヘキサデカフルオロデカン70部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート10部、シリカゲル微粒子分散液〔日産化学(株)製のXBA−ST〕60部及び光重合開始剤〔日本化薬(株)製のKAYACURE BMS〕5部を混合して低屈折率用塗液(L)を調製した。
〔製造例8−1、防眩層用塗液(AG−1)の調製〕
ウレタンアクリレート〔大日本インキ化学工業(株)製、GRANDIC PC6−6150F、光重合開始剤入り〕50部及びメチルイソブチルケトン(MIBK)83.4部を混合してバインダーを調製し、それに透光性微粒子として架橋アクリル樹脂の微粒子〔綜研化学(株)製、MX−500、粒子径の揃った単分散な微粒子、平均粒子径5μm〕17部を混合して防眩層用塗液(AG−1)を調製した。
〔製造例8−2、防眩層用塗液(AG−2)の調製〕
6官能ウレタンアクリレート〔日本合成化学工業(株)製、紫光UV−7600B〕80部、ポリメタクリル酸メチル(PMMA:分子量40×10)10部、架橋ポリスチレンビーズ〔綜研化学(株)製、SX−130H、平均粒子径1.3μm〕10部、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン2部及びメチルイソブチルケトン150部を混合して防眩層用塗液(AG−2)を調製した。
〔実施例1−1〕
透明基材フィルムとして、厚さ188μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム〔東洋紡(株)製のA4300〕を用いた。そのPETフィルムの一方の面に、第1緩衝層用塗液(F1−1)を乾燥膜厚15μm程度になるようバーコーターにより成膜した後、400mJ/cmのエネルギーで紫外線を照射して硬化させ、第1緩衝層を形成した。その上に第2緩衝層用塗液(F2−1)を乾燥膜厚1μm程度になるようバーコーターにより成膜した後、400mJ/cmのエネルギーで紫外線を照射して硬化させ、第2緩衝層を形成した。さらに、その第2緩衝層上に導電層用塗液EC−1を、乾燥膜厚150nm程度になるようにバーコーターにより積層した後、室温で1分間、150℃で1分間乾燥することにより、導電層を形成した。このようにして透明導電性フィルムを作製した。
〔実施例1−2〕
実施例1−1で第1緩衝層用塗液(F1−1)を第1緩衝層用塗液(F1−2)〔ウレタンアクリレート、大日本インキ化学工業(株)製、GRANDIC PC6−6150F、光重合開始剤入り〕に変更した以外は実施例1−1と同様に実施し、透明導電性フィルムを作製した。
〔実施例1−3〕
実施例1−2で第2緩衝層用塗液(F2−1)を第2緩衝層用塗液(F2−2)に変更した以外は実施例1−2と同様に実施し、透明導電性フィルムを作製した。
〔実施例1−4〕
実施例1−2で第1緩衝層の膜厚を50μmに変更した以外は実施例1−2と同様に実施し、透明導電性フィルムを作製した。
〔実施例1−5〕
実施例1−2で第2緩衝層の膜厚を10μmに変更した以外は実施例1−2と同様に実施し、透明導電性フィルムを作製した。
〔比較例1〕
実施例1−2において第2緩衝層用塗液(F2−1)を形成しなかった以外は実施例1−2と同様に実施し、透明導電性フィルムを作製した。
〔実施例2−1〕
実施例1−2の導電層と反対側の透明基材フィルム上に8μmの厚みで第2緩衝層用塗液(F2−2)を塗布し、400mJ/cmのエネルギーで紫外線を照射して硬化させ、第2緩衝層を形成して透明導電性フィルムを作製した。
〔実施例2−2〕
実施例2−1の導電層と反対側の透明基材フィルム上に、第2緩衝層用塗液(F2−2)に代えて第2緩衝層用塗液(F2−1)により第2緩衝層を形成し、その上に高屈折率層用塗液(H)により高屈折率層を形成し、さらにその上に低屈折率層用塗液(L)により低屈折率層を形成し、反射防止層(AR)を設けて透明導電性フィルムを作製した。
〔実施例2−3〕
実施例2−1の導電層と反対側の透明基材フィルム上に、第2緩衝層用塗液(F2−2)に代えて防眩層用塗液(AG−1)により防眩層を形成し、透明導電性フィルムを作製した。
〔実施例2−4〕
実施例2−1の導電層と反対側の透明基材フィルム上に、第2緩衝層用塗液(F2−2)に代えて防眩層用塗液(AG−2)により防眩層を形成し、透明導電性フィルムを作製した。
〔実施例2−5〕
実施例2−1の導電層と反対側の透明基材フィルム上に、第2緩衝層用塗液(F2−2)に代えて防眩層用塗液(AG−1)により防眩層を形成し、その上に低屈折率層用塗液(L)により低屈折率層を形成し、減反射防眩層(AGAR)を設けて透明導電性フィルムを作製した。
〔実施例2−6〕
実施例2−1の導電層をITOにより構成した以外は実施例2−1と同様に実施して透明導電性フィルムを作製した。
〔比較例2〕
実施例2−1の導電層側の第1緩衝層及び第2緩衝層を省略した以外は実施例2−1と同様に実施し、透明導電性フィルムを作製した。
以上の実施例1−1〜2−6及び比較例1、2で得られた透明導電性フィルムについて、マルテンス硬度、ヘイズ値、全光線透過率、表面抵抗率及び筆記耐久性を前述した方法により測定し、それらの結果を表1に示した。
Figure 2010177015
表1に示した結果より、実施例1−1〜2−6では所定のマルテンス硬度を有する第1緩衝層及び第2緩衝層を積層したことから、タッチパネルの端押し耐久性を向上させることができた。また、ヘイズ値、全光線透過率及び表面抵抗率を良好に維持することができた。その一方、第2緩衝層を形成しなかった比較例1と、第1緩衝層及び第2緩衝層を形成しなかった比較例2では、タッチパネルの端押し耐久性が悪化する結果を招いた。

Claims (4)

  1. 透明基材フィルムの一方の面に第1緩衝層と第2緩衝層と導電層とがこの順に積層されている透明導電性フィルムにおいて、
    20℃、50%相対湿度の雰囲気下で測定した第1緩衝層単独のマルテンス硬度が0.1〜70N/mm、第2緩衝層単独のマルテンス硬度が100〜500N/mmであることを特徴とする透明導電性フィルム。
  2. 前記導電層側から測定した場合のマルテンス硬度が100〜500N/mmであることを特徴とする請求項1に記載の透明導電性フィルム。
  3. 前記透明基材フィルムの導電層とは反対の面に機能層を形成してなる請求項1又は請求項2に記載の透明導電性フィルム。
  4. 表面に請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の透明導電性フィルムが配置されて構成されているタッチパネル。
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