JP2011175397A - 電極フィルム、電極フィルムの製造方法及び座標入力装置 - Google Patents

電極フィルム、電極フィルムの製造方法及び座標入力装置 Download PDF

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勇一 佐々木
Kazuo Watanabe
一夫 渡辺
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Abstract

【課題】耐久性の高い電極層を有する生産性に優れた電極フィルム、その製造方法及び当該電極フィルムを用いた座標入力装置を提供すること。
【解決手段】電極フィルム1は、基材2と、低弾性層3と、高弾性層4と、電極層5とを具備する。低弾性層3は基材2上に積層され、液状硬化性材料である第1の材料からなり、第1の弾性率を有する。高弾性層4は、低弾性層3上に積層され、液状硬化性材料である第2の材料からなり、第1の弾性率より大きい第2の弾性率を有する。電極層5は、高弾性層4上に積層され、導電性材料からなる。
電極フィルム1が押圧されると、低弾性層3がクッションとして作用し、高弾性層4が電極フィルム1の局所的な変形を防止するため、電極層5に歪みによる破損が発生することが防止される。また、低弾性層3及び高弾性層4は塗布によって積層することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、表面に電極層が形成された可撓性を有する電極フィルム、その製造方法及び当該電極フィルムを用いる座標入力装置に関する。
タッチパネル、タッチパッド等の座標入力装置には種々の検出原理のものがあるが、そのうちの一つに抵抗膜式がある。この方式では、座標入力装置はそれぞれ電極面が形成された電極フィルム及びパネル部を有し、両者は枠状に配置された接着材によって接着され、それぞれの電極面は間隔を空けて対向している。
電極フィルムは可撓性を有し、ユーザの指あるいはスタイラス(支持具)等によって押圧されることで撓み、電極フィルムの電極面(以下、フィルム電極面)がパネル部の電極面(以下、パネル部電極面)に接触するように構成されている。フィルム電極面とパネル部電極面には電圧が印加され、フィルム電極面とパネル部電極面が離間している状態では両者の間に電流は流れないが、電極フィルムが押圧されてフィルム電極面がパネル部電極面に接触すると両者の間に電流が流れる。フィルム電極面とパネル部電極面のそれぞれの抵抗による電圧降下が測定されることで、フィルム電極面とパネル部電極面が接触している点、即ち、押圧された点が検出される。
電極フィルムは、プラスチックフィルム等の基材上に、導電性材料からなる電極層を積層することによって形成することができる。上述のように、本方式の座標入力装置では、電極フィルムが押圧されて撓むことにより指示位置が検出されるため、電極層には機械的な耐久性が必要とされる。特に、電極層の材料がITO(Indium Tin Oxide)等の金属酸化物導電体である場合、金属酸化物導電体は比較的に歪み対する耐久性が低いため、電極フィルムの撓みによって電極層が破壊されるおそれがある。加えて、近年、タッチパネルでは、ディスプレイ上の入力可能な領域を広くとることが望まれている。このような場合、電極フィルムは押圧されると、近接する枠によって急角度で撓み、電極層が破壊されるおそれがある。
このように、抵抗膜式の座標入力装置では、電極フィルムの電極層の耐久性向上が望まれている。例えば、特許文献1には、タッチパネル等に用いられる「透明導電性積層体」が記載されている。この積層体は、透明基体、粘着剤層、フィルム基材、導電性薄膜がこの順で積層されたものであり、一面に導電性薄膜が形成されたフィルム基材が粘着剤層を介して透明基体と貼り合わされて形成されている。この積層体は押圧されると粘着剤層がクッションとして働き、導電性薄膜の耐擦傷性及び打点特性が向上するとされている。
特開平2−66809号公報(2ページ目右下段、図1)
しかしながら、特許文献1に記載の積層体は、上述のように基材フィルムと透明基体(基材フィルムと同材料)が粘着剤層を介して張り合わされた構造であるために生産性が低く、光透過性も小さいという問題がある。また、電極層(導電性薄膜)のさらなる耐久性の向上も望まれている。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、耐久性の高い電極層を有する生産性に優れた電極フィルム、その製造方法及び当該電極フィルムを用いた座標入力装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る電極フィルムは、基材と、低弾性層と、高弾性層と、電極層とを具備する。
上記基材は、可撓性を有する。
上記低弾性層は、上記基材上に積層され、液状硬化性材料である第1の材料からなり、第1の弾性率を有する。
上記高弾性層は、上記低弾性層上に積層され、液状硬化性材料である第2の材料からなり、上記第1の弾性率より大きい第2の弾性率を有する。
上記電極層は、上記高弾性層上に積層され、導電性材料からなる。
この構成よれば、電極フィルムが押圧されると、押圧力は基材、低弾性層、高弾性層を介して電極層に伝達される。この際、低弾性層はクッションとして作用し、高弾性層は電極フィルムの局所的な変形を防止する。これにより、電極層に歪みによる破損が発生することが防止され、電極層の耐久性を向上させることが可能である。また、低弾性層及び高弾性層は液状硬化性材料からなり、塗布によって積層することができる。このため、電極フィルムの生産効率を向上させることが可能である。
上記第1の弾性率は、0.1MPa以上100MPa以下であり、上記第2の弾性率は、500MPa以上5000MPa以下であってもよい。
第1の弾性率が0.1MPa未満である場合、高弾性層の変形が大きくなり電極層にクラックが発生し易く、100MPaより大きい場合、十分なクッション作用を得ることができない。また、第2の弾性率が500MPa未満である場合、高弾性層が低弾性層の変形に抗することができず、5000MPaより大きい場合、高弾性層の靭性が乏しくなり低弾性層のクッション作用を以ってしても高弾性層が破壊され、電極層も破壊されるおそれがある。したがって、第1の弾性率を0.1MPa以上100MPaとし、第2の弾性率を500MPa以上5000MPa以下とすることにより、電極層の耐久性を向上させることが可能である。
上記基材、上記低弾性層、上記高弾性層及び上記導電層は光透過性を有し、上記積層体は、上記高弾性層と上記導電層の間に積層された、光の反射を防止するための反射防止層をさらに有してもよい。
この構成によれば、反射防止層によって電極フィルムに入射する光の反射率を低下させ、透過率を向上させることができる。このため、当該電極フィルムを用いて、ディスプレイの視認性への影響を抑えた座標入力装置を作成することが可能となる。
上記反射防止層は、上記高弾性層側から順に積層された、酸素欠損金属酸化物からなる接着層と、第1の屈折率を有する高屈折率層と、上記第1の屈折率より小さい第2の屈折率を有する低屈折率層とを有してもよい。
この構成によれば、接着層により高弾性層と、接着層より上層の各層の密着性を向上させ、高屈折率層と低屈折率層による光の干渉効果によって、電極フィルムに入射する光の反射率を低下させることが可能となる。
上記低弾性層及び上記高弾性層は、紫外線硬化型樹脂又は熱硬化型樹脂からなり、上記電極層は、金属酸化物導電体からなるものであってもよい。
紫外線硬化型樹脂及び熱硬化型樹脂は、当初は液状であるが、紫外線照射又は加熱により任意のタイミングで硬化させることが可能であるため、製造段階において取り扱いが容易である。また、電極層を金属酸化物導電体からなるものすることで、光透過性を有する電極層とすることができるが、金属酸化物導電体は一般的に歪みに対する耐久性が小さい。しかし、上記構成によれば、電極層の歪みによる破損が防止されるため、電極層が金属酸化物導電体からなる場合であってもその耐久性を向上させることが可能である。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る座標入力装置は、電極フィルムと、パネル部とを具備する。
上記電極フィルムは、可撓性を有する基材と、上記基材上に積層された液状硬化性材料である第1の材料からなり第1の弾性率を有する低弾性層と、上記低弾性層上に積層された液状硬化性材料である第2の材料からなり上記第1の弾性率より大きい第2の弾性率を有する高弾性層と、上記高弾性層上に積層された導電性材料からなる第1の電極層とが積層されて形成された電極フィルムとを具備する。
上記パネル部は、上記電極フィルムを弾性変形可能に支持する支持部と、上記第1の電極層に間隔を空けて対向し、上記電極フィルムが押圧されることで弾性変形した上記第1の電極層に接触可能な第2の電極層とを有する。
この構成によれば、支持部によってパネル部に支持されている電極フィルムは、ユーザの指あるいはスタイラス等によって押圧されると弾性変形し、電極フィルムの第1の電極層がパネル部の第2の電極層に接触する。第1の電極層と第2の電極層に電圧が印加されていれば、第1の電極層と第2の電極層が接触している点に電流が流れる。検出回路によって電流が流れている座標、即ち、電極フィルムが押圧されている座標が検出される。上述のように、第1の電極層は高い耐久性を有するため、使用回数(押圧回数)の増加によっても検出精度を維持することが可能である。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る電極フィルムの製造方法は、可撓性を有する基材に液状硬化性材料である第1の材料を塗布する。
第1の弾性率を有する低弾性層は、上記第1の材料を硬化させて形成される。
液状硬化性材料である第2の材料は、上記低弾性層に塗布される。、
上記第1の弾性率より大きい第2の弾性率を有する高弾性層は、上記第2の材料を硬化させて形成される。
導電性材料からなる電極層は、上記高弾性層に積層される。
以上のように、本発明によれば、耐久性の高い電極層を有する生産性に優れた電極フィルム、その製造方法及び当該電極フィルムを用いた座標入力装置を提供することが可能である。
第1の実施形態に係る電極フィルムの層構造を示す模式図である。 タッチパネルを示す模式的な断面図である。 第2の実施形態に係る電極フィルムの層構造を示す模式図である。 実施例及び比較例に係る電極フィルムの測定結果を示す表である。
(第1の実施形態)
以下、図面を参照しながら、本発明の第1の実施形態を説明する。
図1は、第1の実施形態に係る電極フィルム1の層構造を示す模式図である。
なお、以下の説明では、電極フィルム1は光透過性を有するものとするが、光透過性を有しないものとすることも可能である。
同図に示すように、電極フィルム1は、この順で積層された、ハードコート層6、基材2、低弾性層3、高弾性層4、電極層5を有する。
基材2は、可撓性を有する材料からなるフィルムである。基材2の材料は、例えばポリエステル、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、アクリル系樹脂、ポリスチレン、ポリビニルアルコール等とすることができる。このうち特に、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリオレフィンが好適である。基材2の厚さは例えば75μm以上200μm以下とすることができる。また、基材2の一面には、ハードコート層6との密着性を得るために、下塗り剤が塗布されてもよい。下塗り剤はオルガノアルコキシメタル化合物、ポリエステル、アクリル変性ポリエステル、ポリウレタン等とすることができる。
ハードコート層6は、ユーザの指、スタイラス等によって操作される面をなし、基材2を損傷から保護するための層である。ハードコート層6は、基材2の一面に、前述した下塗り剤を介して、あるいは直接に積層される。ハードコート層6の材料は、例えば熱硬化型樹脂、紫外線硬化型樹脂等とすることができ、後述する低弾性層3又は高弾性層4の材料と同一の材料とすることも可能である。この場合、ハードコート層6の材料を別途準備する必要がない。ハードコート層6の厚さは例えば1μm以上20μm以下とすることがでっきる。ハードコート層6には、視認性向上のための防眩処理、指紋の付着等を防止するための防汚処理等が施されてもよい。なお、ハードコート層6は、基材2の材料、電極フィルム1の使用の態様等によっては設けられなくてもよい。
低弾性層3は、液状硬化性材料である第1の材料からなり、第1の弾性率を有する。第1の弾性率は、後述する高弾性層4の弾性率である第2の弾性率より小さい値とされる。なお、第1の弾性率及び第2の弾性率は、動的粘弾性(時間によって変化する歪み又は応力により、発生する応力又は歪みによって測定される弾性)である貯蔵弾性率(引張力又は圧縮力に対する変形)である。この弾性率の測定方法は後述する。第1の弾性率は、0.1MPa以上100MPa以下とすることができる。この範囲は、電極フィルム1に押圧力が印加された際に、低弾性層3が効果的にクッション作用を発生することができる範囲である。低弾性層3の厚さは例えば5μm以上100μm以下とすることができる。
高弾性層4は、液状硬化性材料である第2の材料からなり、第2の弾性率を有する。第2の弾性率は、第1の弾性率より大きい値とされる。第2の弾性率は、500MPa以上5000MPa以下とすることができる。この範囲は、電極フィルム1に押圧力が印加された際に、高弾性層4が電極フィルム1の局所的な変形を防止することが可能な範囲である。高弾性層4の厚さは例えば5μm以上100μm以下とすることができる。
第1の材料及び第2の材料について説明する。
液状硬化性材料は、当初は液体であるが、外部からのエネルギーの印加によって硬化する材料であり、第1の材料及び第2の材料は、紫外線照射によって硬化する紫外線硬化型樹脂、又は加熱によって硬化する熱硬化型樹脂とすることができる。
第1の材料は、液体の状態で基材2上に塗布され、硬化されて低弾性層3を形成し、第2の材料は、液体の状態で低弾性層3上に塗布され、硬化されて高弾性層4を形成する。
第1の材料及び第2の材料となる紫外線硬化型樹脂としては、光重合性オリゴマー又は光重合性モノマーと、必要に応じて光重合開始剤を含むものとすることができる。光重合性オリゴマー又は光重合モノマーは、具体的には、ラジカル重合型であるポリエステルアクリレート系、エポキシアクリレート系、ウレタンアクリレート系、ポリオールアクリレート系、またカチオン重合型であるエポキシ系樹脂等を用いることができる。これらの中の1種類であってもよく、2種類以上を組み合わせてもよい。光重合開始剤は、光重合性オリゴマー又は光重合性モノマーに応じて適宜選択することができ、光重合性オリゴマー又は光重合性モノマー100重量部に対して0.2〜10重量部の範囲で混合することができる。また、紫外線硬化型樹脂には、屈折率の調整、収縮率の低減、耐光性の付与、耐熱性の向上等のためのフィラー、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等が添加されてもよい。
第1の材料及び第2の材料となる熱硬化型樹脂としては、炭素−炭素二重結合やグリシジル基を有するアクリレート系重合体、不飽和ポリエステル、イソプレン重合体、ブタジエン重合体、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂等を用いることができる。これらの中の1種類であってもよく、2種類以上を組み合わせてもよい。熱硬化型樹脂には、必要に応じて硬化剤や、熱硬化型樹脂に所望の物性を付与するための他の樹脂が含有されてもよい。他の樹脂としては、アクリル樹脂、酢酸、ビニル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂、ニトリル樹脂、シリコーン樹脂等の1種類又は2種類以上とすることができる。また、熱硬化型樹脂には、屈折率の調整、収縮率の低減、耐光性の付与、耐熱性の向上等のためのフィラー、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等が添加されてもよい。
第1の材料及び第2の材料は、上記の各材料から適宜選択され、硬化した状態で上記の弾性率となるように、それぞれ混合割合等が調整される。また、紫外線照射あるいは加熱時間によって弾性率が調節されるようにしてもよい。なお、第1の材料及び第2の材料はそれぞれ硬化した状態で上記の弾性率となるように調節された同種の材料であってもよい。
電極層5は、導電性材料からなり、電極フィルム1の電極面を構成する。電極層5の導電性材料としては、金属酸化物導電体であるITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、AZO(Aluminum Zinc Oxide)、酸化スズ(SnOx)等を用いることができる。このような金属酸化物導電体は、一般に、金属に比べて延性や展性が小さく、変形により破壊されやすいが、本実施形態に係る電極フィルム1では、低弾性層3及び高弾性層4により電極層5の破壊が防止されている。電極層5は、非晶性、結晶性いずれのものであってもよいが、より耐久性の高い結晶性のものが好適である。電極層5の厚さは、光透過性が維持できる厚さ、例えば40nm以下とすることができる。
電極フィルム1の製造方法について説明する。
基材2にハードコート層6を積層する。ハードコート層6は、いずれの方法によって形成してもよいが、基材2の一面に液状硬化型材料を塗布し、硬化させることによって形成することができる。
次に、基材2に低弾性層3を積層する。低弾性層3は、基材2の、ハードコート層6が形成されていない面に液状の第1の材料を塗布し、硬化させることによって形成することができる。第1の材料は、必要に応じて有機溶剤に溶解させてもよい。有機溶剤は、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、アルコール、ケトン、エステル等を用いることができる。第1の材料を基材2上に塗布する方法としては、バーコード法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法等があるが、ダイコート法が好適である。
次に、低弾性層3に高弾性層4を積層する。高弾性層4は、低弾性層3に液状の第2の材料を塗布し、硬化させることによって形成することができる。第2の材料は、必要に応じて、上記有機溶剤に溶解させてもよい。第2の材料は、第1の材料を塗布する方法と同様の方法によって塗布することができる。第2の材料は、第1の材料が乾燥する前に塗布(湿潤逐次コーティング)されてもよく、第1の材料が乾燥した後に塗布(逐次コーティング)されてもよい。また、第1の材料と第2の材料を2つのスリットを有するダイヘッドから同時に押し出して塗布する同時コーティングを用いることもできる。
第1の材料及び第2の材料の硬化は、熱硬化型樹脂なら加熱により、紫外線硬化型樹脂なら紫外線照射により任意のタイミングで行うことができる。例えば、第1の材料を塗布した後に硬化させ、その上に第2の材料を塗布して硬化させてもよく、第1の材料と第2の材料を塗布した後、両者を同時に硬化させてもよい。
次に、高弾性層4に電極層5を積層する。電極層5は、高弾性層4上に真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の方法で形成することができる。
電極フィルム1は以上のようにして製造される。
低弾性層3及び高弾性層4は塗布によって形成することができるため、電極フィルム1の生産性を向上させることが可能である。
次に、電極フィルム1を用いたタッチパネルについて説明する。
図2は、タッチパネル10を示す模式的な断面図である。
同図に示すように、タッチパネル10は、電極フィルム1とパネル部11によって構成されている。なお、同図において、電極フィルム1の電極層5以外の層は図示を省略する。
パネル部11は、基体12と基体12上に積層されたパネル部電極層13によって構成されている。ここでは、ガラス板を基体12とし、ガラス板上に20nmの厚さでスパッタリング法により形成されたITO膜をパネル部電極層13とする。また、パネル部電極層13には、ドットスペーサー14が形成されている。ドットスペーサー14は例えば10μmの高さを有し、2mmの間隔でマトリクス状に印刷形成されたものとすることができる。
また、パネル部11は、電極層5(第1の電極層)とパネル部電極層13(第2の電極層)が互いに対向するように、電極フィルム1を支持する枠状の粘着テープ15(支持部)を有する。粘着テープ15の幅は2mmであり、電極層5とパネル部電極層13の間の間隙は100μmとすることができる。電極層5とパネル部電極層13にはそれぞれ、印刷された銀ペーストからなる図示しない配線が接続されている。この配線は、検出回路に接続されている。なお、タッチパネル10の構成はここに示すものに限られず、例えば2枚の電極フィルム1を、電極層5同士が対向するように張り合わせてタッチパネル10を形成してもよい。タッチパネル10は、図示しないディスプレイ上に、パネル部11がディスレイ側となるように配置されている。
タッチパネル10の動作を説明する。
抵抗膜式のタッチパネルには4線式や5線式等の検出方式があるが、本実施形態に係る電極フィルム1は、いずれの方式にも用いることができる。
電極層5及びパネル部電極層13に電圧が印加される。電極フィルム1が押圧されていない状態では、ドットスペーサー14が電極層5とパネル部電極層13の接触を防止しているため、両者の間で電流は流れない。電極フィルム1がユーザの指あるいはスタイラス等によって押圧されると、電極フィルム1が弾性変形し、電極層5とパネル部電極層13が接触する。これにより電極層5とパネル部電極層13の間で電流が流れ、検出回路によって電流が流れた位置、即ち、押圧された位置が検出される。このため、電極層5が破損すると、押圧された位置の検出ができず、あるいは精度が低下する。
本実施形態に係る電極フィルム1は、押圧された際に、低弾性層3がクッションとして作用し、高弾性層4が電極フィルム1の局所的な変形を防止する。これにより、電極層5の歪みによる破損が発生することが防止され、電極層5の耐久性が向上する。ここで、低弾性層3の第1の弾性率は、0.1MPa以上100MPa以下、特に0.1MPa以上50MPa以下が好適である。第1の弾性率が0.1MPa未満である場合、高弾性層4の変形が大きくなり電極層5にクラックが発生し易く、100MPaより大きい場合、十分なクッション作用を得ることができない。また、高弾性層4の第2の弾性率は、500MPa以上5000MPa以下、特に1000MPa以上3000MPa以下が好適である。第2の弾性率が500MPa未満である場合、高弾性層4が低弾性層3の変形に抗することができず、5000MPaより大きい場合、高弾性層4の靭性が乏しくなり低弾性層3のクッション作用を以ってしても高弾性層4が破壊され、電極層5も破壊されるおそれがある。
以上のように、本実施形態に係る電極フィルム1では、電極層5の歪みによる破損が防止され、電極層5の耐久性を向上させることが可能である。また、電極フィルム1を用いたタッチパネル10は、電極層5が高い耐久性を有するため、使用回数(押圧回数)の増加によっても検出精度を維持することが可能である。
(第2の実施形態)
以下、図面を参照しながら、本発明の第2の実施形態を説明する。
なお、第1の実施形態と同様の構成には同一の符号を付し、説明を省略する。
図3は、第2の実施形態に係る電極フィルム200の層構造を示す模式図である。
電極フィルム200は、第1の実施形態に係る電極フィルム1と同様のハードコート層6、基材2、低弾性層3、高弾性層4及び電極層5に加え、反射防止層201を有する。反射防止層201は、高弾性層4と電極層5の間に積層されている。
反射防止層201は、高弾性層4側から順に積層された、接着層202、高屈折率層203、低屈折率層204を有する。なお、反射防止層201の構成はここに示すものに限られず、例えば、高屈折率層と低屈折率層がさらに複数層積層されたものとすることもできる。
接着層202は、上層の各層と基材2との密着性を向上させ、また、基材2から電極層5への水分の混入を防止し電極層5の抵抗変化を抑える。接着層202は、SiO(x<2)等の酸素欠損金属酸化物からなるものとすることができる。酸素欠損金属酸化物は他に、Ti、Cr等の酸素欠損酸化物であってもよい。接着層202の厚さは例えば1nm以上20nm以下、より好適には2nm以上5nm以下とすることができる。
高屈折率層203は、低屈折率層204の屈折率である第2の屈折率より大きい第
1の屈折率を有する。高屈折率層203は、例えばNb、Ti、Ta、Zr等の金属の酸化物からなるものとすることができる。高屈折率層203は、例えば、その膜厚と第1の屈折率の積(光学膜厚)が35nm以上55nm以下となるような膜厚とすることができる。
低屈折率層204は、第1の屈折率より小さい第2の屈折率を有する。低屈折率層204は、例えばSiOからなるものとすることができる。低屈折率層204は、例えばその膜厚と第2の屈折率の積(光学膜厚)が20nm以上40nm以下となるような膜厚とすることができる。
高屈折率層203と低屈折率層204により、光の干渉効果が発生し、電極フィルム200に入射する光の反射率が低減して透過率が向上する。具体的には、高屈折率層203と低屈折率層204が設けられることにより、各界面での反射光が異なった位相となり、互いに打ち消しあうことで反射光が減衰する。第1の屈折率と第2の屈折率の比(屈折率比)が1.4以上であると光の干渉効果が高い波長領域が広いため好適である。
電極フィルム200の製造方法について説明する。
電極フィルム200の製造方法は、基材2上にハードコート層6、低弾性層3及び高弾性層4を積層する工程までは、第1の実施形態に係る電極フィルム1の製造方法と同様であるため、記載を省略する。
高弾性層4に接着層202を積層する。接着層202は、高弾性層4上に真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等のドライプロセスによって形成することができる。
次に、接着層202に高屈折率層203を積層する。高屈折率層203は、接着層202上に真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等のドライプロセスによって形成することができる。
次に、高屈折率層203に低屈折率層204を積層する。低屈折率層204は、高屈折率層203上に真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等のドライプロセスによって形成することができる。
次に、低屈折率層204に電極層5を積層する。電極層5は、高屈折率層203上に真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の方法で形成することができる。
電極フィルム200は以上のようにして製造される。
電極フィルム200の製造方法では、第1の実施形態に係る電極フィルム1の製造方法と同様に、低弾性層3及び高弾性層4は塗布によって形成することができるため、電極フィルム200の生産性を向上させることが可能である。
電極フィルム200は、第1の実施形態と同様にして、タッチパネルの電極フィルムとして用いることが可能である。この際、電極フィルム200は、第1の実施形態に係る電極フィルム1と同様に、押圧された際に、低弾性層3がクッションとして作用し、高弾性層4が電極フィルム1の局所的な変形を防止する。これにより、電極層5の歪みによる破損が発生することが防止され、電極層5の耐久性が向上する。また、電極フィルム200は、反射防止層201を有し、反射防止層201において光の干渉効果により電極フィルム200に入射する光の反射率を低減させ、透過率を向上させることが可能である。
以上のように、本実施形態に係る電極フィルム200では、電極層5の歪みによる破損が防止され、電極層5の耐久性を向上させることが可能であるとともに、電極フィルム200を透過する光の透過率を向上させることが可能である。
以下、本発明の実施例及び比較例について説明する。
図4は、各実施例及び比較例において作成した電極フィルムの測定結果を示す表である。
各層の弾性率は、弾性率測定用のサンプルを電極フィルムとは別に作成し、動的粘弾性測定装置(アイティー計測制御株式会社製DVA-220)を用いて測定したものである。サンプルは厚さ25μmの短冊状であり、離型シート上に一旦形成した有機薄膜をシートから剥離したのち、必要な大きさに切り出すことにより作製した。測定温度25℃、測定周波数1Hzの条件で貯蔵弾性率を求め、これを弾性率とした。
[実施例1]
第1の材料として、エポキシアクリレートオリゴマー(Sartomer社製CN131B、硬化後の弾性率3MPa)96重量部に光重合開始剤である1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・ジャパン社製IRAGACURE 184)4重量部を加え、IPA(isopropyl alcohol)と酢酸ブチルの4/6(重量比)混合溶液を用いて75wt%の溶液とした。
第2の材料として、ウレタンアクリレートオリゴマー(Sartomer社製CN983、硬化後の弾性率1894MPa)96重量部に光重合開始剤である1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・ジャパン社製IRAGACURE 184)4重量部を加え、IPAと酢酸ブチルの4/6(重量比)混合溶液を用いて45wt%の溶液とした。
一面にウレタンアクリレート樹脂からなるハードコート層(厚さ5μm)が形成された、PET(Polyethylene Terephthalate)フィルム(厚さ125μm)を基材として用いた。この基材のハードコート層が形成されていない面に、上記第1の材料をダイコーターにより塗布し、オーブン中で90℃で乾燥させた。紫外線照射により第1の材料を重合させ、低弾性層(厚さ15μm)を形成した。低弾性層の弾性率は3MPaであった。
続いて、低弾性層上に第2の材料をダイコーターにより塗布し、オーブン中で90℃で乾燥させた。紫外線照射により第2の材料を重合させ、高弾性層(厚さ15μm)を形成した。高弾性層の弾性率は1894MPaであった。
続いて、高弾性層上に、SiO(x<2)をスパッタリング法により積層させて接着層(厚さ3nm)を形成し、接着層上にNbをスパッタリング法により積層させて高屈折率層(厚さ20nm)を形成した。さらに、高屈折率層上にSiOをスパッタリング法により積層させて低屈折率層(厚さ40nm)を形成し、低屈折率層上にITOをスパッタリング法により積層させて電極層(厚さ20nm)を形成した。以上のようにして、実施例1に係る電極フィルムを作成した。
[実施例2]
低弾性層の厚さを25μmとした以外は、実施例1と同様にして電極フィルムを作成した。
[実施例3]
低弾性層の厚さを25μmとし、高弾性層の厚さを25μmとした以外は、実施例1と同様にして電極フィルムを作成した。
[実施例4]
高屈折率層及び低屈折率層を設けなかった以外は、実施例1と同様にして電極フィルムを作成した。
[実施例5]
第1の材料として、エポキシアクリレートオリゴマー(Sartomer社製CN131B、硬化後の弾性率3MPa)96重量部に光重合開始剤である1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・ジャパン社製IRAGACURE 184)4重量部を加え、IPA(isopropyl alcohol)と酢酸ブチルの4/6(重量比)混合溶液を用いて75wt%の溶液とした。
第2の材料として、ウレタンアクリレートオリゴマー(Sartomer社製CN983、硬化後の弾性率1894MPa)86重量部及びウレタンアルクリレートオリゴマー(Sartomer社製CN9009、硬化後の弾性率703MPa)10重量部に光重合開始剤である1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・ジャパン社製IRAGACURE 184)4重量部を加え、IPAと酢酸ブチルの4/6(重量比)混合溶液を用いて45wt%の溶液とした。
一面にウレタンアクリレート樹脂からなるハードコート層(厚さ5μm)が形成された、PETフィルム(厚さ125μm)を基材として用いた。この基材のハードコート層が形成されていない面に、上記第1の材料をダイコーターにより塗布し、オーブン中で90℃で乾燥させた。紫外線照射により第1の材料を重合させ、低弾性層(厚さ25μm)を形成した。低弾性層の弾性率は3MPaであった。
続いて、低弾性層上に第2の材料をダイコーターにより塗布し、オーブン中で90℃で乾燥させた。紫外線照射により第2の材料を重合させ、高弾性層(厚さ25μm)を形成した。高弾性層の弾性率は1700MPaであった。
以下、実施例1と同様に、接着層(厚さ3nm)、高屈折率層(厚さ20nm)、低屈折率層(厚さ40nm)及び電極層(厚さ20nm)を形成し、実施例5にかかる電極フィルムを作成した。
[実施例6]
第1の材料として、ポリエステルアクリレートオリゴマー(Sartomer社製CN2271E、硬化後の弾性率17MPa)86重量部及び4−ヒドロキシブチルアクリレート(日本化成社製)10重量部にに光重合開始剤である1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・ジャパン社製IRAGACURE 184)4重量部を加え、IPA(isopropyl alcohol)と酢酸ブチルの4/6(重量比)混合溶液を用いて90wt%の溶液とした。
第2の材料として、ウレタンアクリレートオリゴマー(Sartomer社製CN983、硬化後の弾性率1894MPa)96重量部に光重合開始剤である1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・ジャパン社製IRAGACURE 184)4重量部を加え、IPAと酢酸ブチルの4/6(重量比)混合溶液を用いて45wt%の溶液とした。
一面にウレタンアクリレート樹脂からなるハードコート層(厚さ5μm)が形成された、PETフィルム(厚さ125μm)を基材として用いた。この基材のハードコート層が形成されていない面に、上記第1の材料をダイコーターにより塗布し、オーブン中で90℃で乾燥させた。紫外線照射により第1の材料を重合させ、低弾性層(厚さ25μm)を形成した。低弾性層の弾性率は14MPaであった。
続いて、低弾性層上に第2の材料をダイコーターにより塗布し、オーブン中で90℃で乾燥させた。紫外線照射により第2の材料を重合させ、高弾性層(厚さ25μm)を形成した。高弾性層の弾性率は1894MPaであった。
以下、実施例1と同様に、接着層(厚さ3nm)、高屈折率層(厚さ20nm)、低屈折率層(厚さ40nm)及び電極層(厚さ20nm)を形成し、実施例6にかかる電極フィルムを作成した。
[比較例1]
一面にウレタンアクリレート樹脂からなるハードコート層(厚さ5μm)が形成された、PET(Polyethylene Terephthalate)フィルム(厚さ125μm)を基材として用いた。この基材のハードコート層が形成されていない面に、低弾性層及び高弾性層を形成せずに、実施例1と同様にして、接着層(厚さ3nm)、高屈折率層(厚さ20nm)、低屈折率層(厚さ40nm)及び電極層(厚さ20nm)を形成し、比較例1に係る電極フィルムを作成した。
[比較例2]
第2の材料として、ウレタンアクリレートオリゴマー(Sartomer社製CN983、硬化後の弾性率1894MPa)96重量部に光重合開始剤である1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・ジャパン社製IRAGACURE 184)4重量部を加え、IPAと酢酸ブチルの4/6(重量比)混合溶液を用いて45wt%の溶液とした。
一面にウレタンアクリレート樹脂からなるハードコート層(厚さ5μm)が形成された、PET(Polyethylene Terephthalate)フィルム(厚さ125μm)を基材として用いた。この基材のハードコート層が形成されていない面に、低弾性層を形成せずに、第2の材料をダイコーターにより塗布し、オーブン中で90℃で乾燥させた。紫外線照射により第2の材料を重合させ、高弾性層(厚さ15μm)を形成した。高弾性層の弾性率は1894MPaであった。
続いて、実施例1と同様にして、接着層(厚さ3nm)、高屈折率層(厚さ20nm)、低屈折率層(厚さ40nm)及び電極層(厚さ20nm)を形成し、比較例2に係る電極フィルムを作成した。
[比較例3]
第1の材料として、ポリエステルアクリレートオリゴマー(Sartomer社製CN2301、硬化後の弾性率1400MPa)96重量部に光重合開始剤である1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・ジャパン社製IRAGACURE 184)4重量部を加え、IPA(isopropyl alcohol)と酢酸ブチルの4/6(重量比)混合溶液を用いて75wt%の溶液とした。
第2の材料として、ウレタンアクリレートオリゴマー(Sartomer社製CN983、硬化後の弾性率1894MPa)96重量部に光重合開始剤である1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・ジャパン社製IRAGACURE 184)4重量部を加え、IPAと酢酸ブチルの4/6(重量比)混合溶液を用いて45wt%の溶液とした。
一面にウレタンアクリレート樹脂からなるハードコート層(厚さ5μm)が形成された、PET(Polyethylene Terephthalate)フィルム(厚さ125μm)を基材として用いた。この基材のハードコート層が形成されていない面に、上記第1の材料をダイコーターにより塗布し、オーブン中で90℃で乾燥させた。紫外線照射により第1の材料を重合させ、低弾性層(ただし、本比較例では高弾性)(厚さ15μm)を形成した。低弾性層の弾性率は1400MPaであった。
続いて、低弾性層上に第2の材料をダイコーターにより塗布し、オーブン中で90℃で乾燥させた。紫外線照射により第2の材料を重合させ、高弾性層(厚さ15μm)を形成した。高弾性層の弾性率は1894MPaであった。
続いて、実施例1と同様にして、接着層(厚さ3nm)、高屈折率層(厚さ20nm)、低屈折率層(厚さ40nm)及び電極層(厚さ20nm)を形成し、比較例3に係る電極フィルムを作成した。
以上のようにしてそれぞれ作成された、実施例1〜6及び比較例1〜3に係る電極フィルムについて、以下の測定を行った。
各電極フィルムについて光学特性評価として全光線透過率(%)及びヘーズ(%)を測定した。全光線透過率は、サンプルを透過した全光量の入射光量に対する割合であり、ヘーズ(曇価)は、散乱光線透過率の全光線透過率に対する割合である。測定はJIS K7361の測定法により行い、光源はD65とした。
また、各電極フィルムについて表面抵抗(Ω/□)を測定した。表面抵抗は、測定装置(三菱化学アナリテック製ロレスタGP)を用いて4端子4探針法により測定した。
さらに、各電極フィルムについて、耐久振動回数(回)を測定した。耐久振動回数は、各電極フィルムを用いたタッチパネルにおいて、先端形状がR0.8のポリアセタールペンを電極フィルム上で250gの荷重を加えて往復摺動させ、タッチパネルの直線性が1.5%を超えたときの摺動回数である。摺動位置は、粘着テープから1mmの位置とした。なお、耐久振動回数は10万回で十分な耐久性を有するものと判断した。
図4に示すように、実施例1〜6に係る電極フィルムは、比較例1〜3に係る電極フィルムに比べて耐久振動回数が高い。また、実施例1〜6に係る電極フィルムは、比較例1〜3に係る電極フィルムに比べて遜色のない光学特性を示し、かつ表面抵抗も同程度である。
本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において変更され得る。
上述した各実施形態では、電極フィルムは光透過性を有するものとしたが、例えばタッチパッド等に用いる場合には光透過性を有するものである必要はない。ただし、電極層を、光透過性を有するが比較的歪みに対する耐久性が低い金属酸化物導電体によって形成する場合、本発明は特に有効である。
上述した各実施形態では、電極フィルムは抵抗膜式の座標入力装置に用いられるものとしたが、これに限られない。表面に電極層が形成された可撓性を有する電極フィルムが必要とされる他の用途においても、本発明の電極フィルムを用いることができる。
1、200…電極フィルム
2…基材
3…低弾性層
4…高弾性層
5…電極層
10…タッチパネル
11…パネル
13…パネル電極層
201…反射防止層
202…接着層
203…高屈折率層
204…低屈折率層

Claims (7)

  1. 可撓性を有する基材と、
    前記基材上に積層された、液状硬化性材料である第1の材料からなり、第1の弾性率を有する低弾性層と、
    前記低弾性層上に積層された、液状硬化性材料である第2の材料からなり、前記第1の弾性率より大きい第2の弾性率を有する高弾性層と、
    前記高弾性層上に積層された、導電性材料からなる電極層と
    を具備する電極フィルム。
  2. 請求項1に記載の電極フィルムであって、
    前記第1の弾性率は、0.1MPa以上100MPa以下であり、
    前記第2の弾性率は、500MPa以上5000MPa以下である
    電極フィルム。
  3. 請求項2に記載の電極フィルムであって、
    前記基材、前記低弾性層、前記高弾性層及び前記導電層は光透過性を有し、
    前記積層体は、前記高弾性層と前記導電層の間に積層された、光の反射を防止するための反射防止層をさらに有する
    電極フィルム。
  4. 請求項3に記載の電極フィルムであって、
    前記反射防止層は、前記高弾性層側から順に積層された、酸素欠損金属酸化物からなる接着層と、第1の屈折率を有する高屈折率層と、前記第1の屈折率より小さい第2の屈折率を有する低屈折率層とを有する
    電極フィルム。
  5. 請求項4に記載の電極フィルムであって、
    前記低弾性層及び前記高弾性層は、紫外線硬化型樹脂又は熱硬化型樹脂からなり、
    前記電極層は、金属酸化物導電体からなる
    電極フィルム。
  6. 可撓性を有する基材と、前記基材上に積層された液状硬化性材料である第1の材料からなり第1の弾性率を有する低弾性層と、前記低弾性層上に積層された液状硬化性材料である第2の材料からなり前記第1の弾性率より大きい第2の弾性率を有する高弾性層と、前記高弾性層上に積層された導電性材料からなる第1の電極層とが積層されて形成された電極フィルムと、
    前記電極フィルムを弾性変形可能に支持する支持部と、前記第1の電極層に間隔を空けて対向し、前記電極フィルムが押圧されることで弾性変形した前記第1の電極層に接触可能な第2の電極層とを有するパネル部と
    を具備する座標入力装置。
  7. 可撓性を有する基材に液状硬化性材料である第1の材料を塗布し、
    前記第1の材料を硬化させて、第1の弾性率を有する低弾性層を形成し、
    前記低弾性層に液状硬化性材料である第2の材料を塗布し、
    前記第2の材料を硬化させて、前記第1の弾性率より大きい第2の弾性率を有する高弾性層を形成し、
    前記高弾性層に導電性材料からなる電極層を積層する
    電極フィルムの製造方法。
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