JP2010175261A - 熱量測定方法および熱量測定装置 - Google Patents

熱量測定方法および熱量測定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】熱量測定対象ガスが天然ガスまたはバイオガスであっても、当該熱量測定対象ガスの熱量を高い信頼性で測定することのできる熱量測定方法および熱量測定装置を提供すること。
【解決手段】熱量測定方法は、ガスの熱量を測定するための熱量測定方法であって、熱量測定対象ガスの熱伝導率から得られる熱伝導率換算熱量A〔MJ/Nm3 〕と、当該熱量測定対象ガスの屈折率から得られる屈折率換算熱量B〔MJ/Nm3 〕とに基づいて、下記の式(1)により、2.91≦補正係数α≦3.75の条件にて熱量測定対象ガスの熱量Q〔MJ/Nm3 〕を算出することを特徴とする。
Figure 2010175261

【選択図】図1

Description

本発明は、熱量測定方法および熱量測定装置に関する。
従来、ガスの熱量を測定するための熱量測定装置としては、熱量測定対象ガス(以下、「被測定ガス」ともいう。)の熱伝導率に基づいて熱量を得る構成のもの、被測定ガスの密度に基づいて熱量を得る構成のもの、あるいは被測定ガスの屈折率に基づいて熱量を得る構成のものなどが用いられている(例えば、特許文献1〜3参照。)。
このような構成の熱量測定装置においては、被測定ガスとしてのパラフィン系炭化水素ガスの熱量が、屈折率および密度とは比例関係にあり、また、熱伝導率とは反比例関係にあることに基づいて熱量の測定がなされている。
而して、このような熱量測定装置によれば、特に被測定ガスが、例えばLNG(液化天然ガス)とLPG(液化石油ガス)との混合ガスよりなる都市ガスなどのパラフィン系炭化水素ガスのみよりなるものである場合には、測定されるガスの熱量に高い信頼性が得られる。
しかしながら、被測定ガスが、例えばガス田から産出されたばかりの天然ガスやバイオガスなどである場合には、この天然ガスやバイオガスには、パラフィン系炭化水素ガスと共に、例えば二酸化炭素ガス、一酸化炭素ガス、窒素ガスおよび酸素ガスなどのパラフィン系炭化水素ガス以外のガス(以下、「雑ガス」ともいう。)が多く含有されており、これらの雑ガスの熱量が、その屈折率、密度および熱伝導率などと比例関係あるいは反比例関係を有するものではないことから、雑ガスが含有されていることに起因して測定誤差が生じてしまう、という問題がある。
特願平2−257046号公報 特願平10−38827号公報 特願平8−320300号公報
本発明は以上のような事情に基づいてなされたものであって、その目的は、熱量測定対象ガスが天然ガスまたはバイオガスであっても、当該熱量測定対象ガスの熱量を高い信頼性で測定することのできる熱量測定方法および熱量測定装置を提供することにある。
本発明の熱量測定方法は、ガスの熱量を測定するための熱量測定方法であって、
熱量測定対象ガスの熱伝導率から得られる熱伝導率換算熱量A〔MJ/Nm3 〕と、当該熱量測定対象ガスの屈折率から得られる屈折率換算熱量B〔MJ/Nm3 〕とに基づいて、下記の式(1)により、2.91≦補正係数α≦3.75の条件にて熱量測定対象ガスの熱量Q〔MJ/Nm3 〕を算出することを特徴とする。
Figure 2010175261
本発明の熱量測定方法においては、前記式(1)において、補正係数αの値が2.96乃至3.15であることが好ましい。
本発明の熱量測定方法においては、熱量測定対象ガスが、パラフィン系炭化水素ガスを主成分とし、二酸化炭素ガス、一酸化炭素ガス、窒素ガスおよび酸素ガスのうちの少なくとも1種が含有されていることが好ましい。
本発明の熱量測定方法においては、熱量測定対象ガスが、天然ガスまたはバイオガスであることが好ましい。
本発明の熱量測定装置においては、熱量測定対象ガスの熱伝導率換算熱量を測定するための熱伝導率換算熱量測定機構と、当該熱量測定対象ガスの屈折率換算熱量を測定するための屈折率換算熱量測定機構とを備えており、
上記の熱量測定方法によって熱量測定対象ガスの熱量が算出されることを特徴とする。
本発明の熱量測定方法によれば、熱量測定対象ガスの熱量が、当該熱量測定対象ガスの熱伝導率換算熱量および屈折率換算熱量に基づき、特定の計算式によって算出されるため、熱量測定対象ガスに、その熱量と、熱伝導率および屈折率とが特定の対応関係にあるパラフィン系炭化水素ガスと共に、その熱量が熱伝導率および屈折率と特定の対応関係を有さないパラフィン系炭化水素ガス以外の雑ガスが含有されている場合であっても、この雑ガスが含有されていることに伴って熱伝導率換算熱量および屈折率換算熱量に生じる測定誤差が、当該熱伝導率換算熱量と、当該屈折率換算熱量との関係に基づいて補正される。従って、熱量測定対象ガスが、パラフィン系炭化水素ガスと共に、その熱量が熱伝導率および屈折率と特定の対応関係を有さない雑ガスが含有されている天然ガスまたはバイオガスであっても、当該雑ガスが含有されていることに起因して最終的に得られる熱量に生じる誤差を小さくすることができることから、当該熱量測定対象ガスの熱量を高い信頼性で測定することができる。
本発明の熱量測定装置によれば、熱伝導率換算熱量測定機構と、屈折率換算熱量測定機構とを備えており、本発明の熱量測定方法により、熱伝導率換算熱量測定機構において測定された熱伝導率換算熱量と、屈折率換算熱量測定機構において測定された屈折率換算熱量とに基づいて熱量測定対象ガスの熱量が算出される構成を有するため、熱量測定対象ガスが、パラフィン系炭化水素ガスと共に、その熱量が熱伝導率および屈折率と特定の対応関係を有さない雑ガスが含有されている天然ガスまたはバイオガスであっても、当該熱量測定対象ガスの熱量を高い信頼性で測定することができる。
本発明の熱量測定装置の構成の一例を示す説明図である。 図1の熱量測定装置を構成する屈折率換算熱量測定機構として用いられる装置の構成の一例を示す説明図である。 本発明の熱量測定方法を実施するためのシステムの概要を示す説明図である。 実験例1において得られた試料ガス中における二酸化炭素ガス濃度と屈折率換算熱量に生じた測定誤差との関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の熱量測定装置の構成の一例を示す説明図である。
この熱量測定装置10は、例えばガスパイプライン12内を図1の矢印方向に流通するガスの熱量を測定するために用いられるものである。
熱量測定装置10は、被測定ガス(熱量測定対象ガス)の熱伝導率から得られる熱伝導率換算熱量Aを測定するための熱伝導率換算熱量測定機構21と、当該被測定ガスの屈折率から得られる屈折率換算熱量Bを測定するための屈折率換算熱量測定機構23とを備え、当該熱伝導率換算熱量測定機構21において得られた熱伝導率換算熱量Aと、屈折率換算熱量測定機構23において得られた屈折率換算熱量Bとに基づいて被測定ガスの熱量Qを算出するための計算機構25が設けられている。
この計算機構25において算出された被測定ガスの熱量Qは、その熱量Qのデータがデータ送信路28を介して表示部27に送信され、この表示部27において被測定ガスの熱量Qが表示されることとなる。
図1において、16A、16Bおよび16Cは、ガスパイプライン12内を流通するガスを被測定ガスとして熱伝導率換算熱量測定機構21および屈折率換算熱量測定機構23の各々に供給するためのガス流路である。また、22は、熱伝導率換算熱量測定機構21において得られた熱伝導率換算熱量Aのデータを計算機構25に送信するためのデータ送信路であり、24は、屈折率換算熱量測定機構23において得られた屈折率換算熱量Bのデータを計算機構25に送信するためのデータ送信路である。
このような構成の熱量測定装置10においては、計算機構25において、本発明の熱量測定方法(以下、「特定の熱量測定方法」ともいう。)によって被測定ガスの熱量Qが算出される。
すなわち、特定の熱量測定方法によれば、被測定ガスの熱量Qは、熱伝導率換算熱量Aと、屈折率換算熱量Bとに基づき、前記式(1)により、2.91≦補正係数α≦3.75の条件で算出される。
ここに、式(1)において、算出される被測定ガスのの熱量Qと、計算に供される熱伝導率換算熱量Aおよび屈折率換算熱量Bの値の単位は、〔MJ/Nm3 〕である。
式(1)において、補正係数αは、2.91以上で3.75以下とされるが、特に2.96乃至3.15であることが好ましい。
補正係数αが過小である場合には、熱伝導率換算熱量Aおよび屈折率換算熱量Bに生じた測定誤差を十分に補正することができず、最終的に得られる被測定ガスの熱量に、雑ガスが含有されていることに起因する誤差が生じてしまう。一方、補正係数αが過大である場合には、熱伝導率換算熱量Aおよび屈折率換算熱量Bに生じた測定誤差が適切に補正がされずに過剰の補正されるため、最終的に得られる被測定ガスの熱量に大きな誤差が生じてしまう。
また、補正係数αが2.96乃至3.15である場合には、特にガス田から産出された直後の天然ガスまたはバイオガスよりなる被測定ガスにおいて、得られる熱量Qに、一層高い信頼性を得ることができる。
この補正係数αは、被測定ガスに雑ガスが含有されていることに伴って熱伝導率換算熱量測定機構21および屈折率換算熱量測定機構23において生じる測定誤差の大きさの差に基づく値、すなわち屈折率換算熱量Bに生じる測定誤差に対する熱伝導率換算熱量Aに生じる測定誤差の比の値であり、従って、被測定ガスの組成に対応して好適な値とされることが好ましい。
具体的には、後述の実験例1から明らかなように、例えば雑ガスが酸素ガスのみである場合には、補正係数αは3.75であることが好ましく、雑ガスが窒素ガスのみである場合には、補正係数αは3.60であることが好ましく、雑ガスが二酸化炭素ガスのみである場合には、補正係数αは2.91であることが好ましい。
この計算機構25としては、例えばパーソナルコンピュータ、演算機能付レコーダなどを用いることができる。
熱伝導率換算熱量Aを得るための熱伝導率算熱量測定機構21としては、例えば従来公知の熱伝導率式熱量計を用いることができる。
屈折率換算熱量Bを得るための屈折率換算熱量測定機構23としては、例えば被測定ガスと、空気などの標準ガスとの光の屈折率の差異を干渉縞の変位として検出し、この干渉縞の変位量に基づいて被測定ガスの屈折率換算熱量Bを測定する構成の装置(屈折率式熱量計)を用いることができる。
この屈折率換算熱量測定機構23を構成する装置の具体的な一例としては、図2に示すように、被測定ガスを導入するための測定対象ガス用セル部32および例えば空気などの標準ガスを充填するための標準ガス用セル部33、34が区画されてなるチャンバ31と、光源35からの光を分割する平行平面鏡36と、当該平行平面鏡36によって分割され、チャンバ31を通過した光を反射することによってその進行方向を変更し、再度チャンバ31を通過させた後に平行平面鏡36上において重ね合わせ、干渉縞を生じさせることのできるよう、調整されて配置されたプリズム41と、平行平面鏡36上で重ね合わせられた合成光(干渉光)を受光する干渉縞検出手段37とを備えてなる構成のものがある。 図2において、39は合成光を反射する平面鏡、42は合成光を集光するための集光レンズであり、この集光レンズ42の焦点位置に干渉縞検出手段37が配置されている。また、一点鎖線矢印は、光源35からの光が干渉縞検出手段37に受光されるまでの経路を示す。
このような構成を有する熱量測定装置10においては、測定動作中において、ガス流路16A、16B、16Cを介してガスパイプライン12内を流通するガスが被測定ガスとして熱伝導率換算熱量測定機構21および屈折率換算熱量測定機構23の各々に供給されることにより、当該熱伝導率換算熱量測定機構21においては熱伝導率換算熱量Aが測定され、一方、屈折率換算熱量測定機構23においては屈折率換算熱量Bが測定される。そして、これらの測定値が、各々、データ送信路22、24を介して計算機構25に送信され、当該計算機構25において、熱伝導率換算熱量Aと屈折率換算熱量Bとに基づいての熱量Qが算出される。このようにして得られた熱量Qは、データ送信路28を介して表示部27に送信され、この表示部27において表示される。
以上のような熱量測定装置10は、その熱量が熱伝導率とは反比例関係、屈折率とは比例関係にあるガス、すなわちパラフィン系炭化水素ガスを主成分とするガスを被測定ガスとするものである。
具体的には、被測定ガスは、パラフィン系炭化水素ガスのみを含有するガス、およびパラフィン系炭化水素ガスよりなる主成分と共に、他の成分として、二酸化炭素ガス、一酸化炭素ガス、窒素ガスおよび酸素ガスのうちの少なくとも1種を雑ガスとして含有してなるものである。
被測定ガスの具体例としては、例えば天然ガス、バイオガスなどが挙げられ、また、石炭ガス、製鉄工程において発生するガス、炭鉱において発生するガスなども挙げられる。 ここに、石炭ガスの一例としては、例えばメタンガス27体積%、CnHm(但し、nは2以上の整数、mは整数を示す。)ガス2体積%、一酸化炭素ガス6体積%、水素ガス56体積%、二酸化炭素ガス3体積%、酸素ガス体積1%および窒素ガス5体積%を含有するガスが挙げられる。また、製鉄工程において発生するガスの一例としては、例えばCpHq(但し、pおよびqはそれぞれ整数を示す。)ガス0.3体積%、一酸化炭素ガス28体積%、水素ガス2.7体積%、二酸化炭素ガス0.05体積%および窒素ガス58.5体積%を含有するガスが挙げられる。また、炭鉱において発生するガスの一例としては、例えばメタンガス52.4体積%、二酸化炭素ガス4.6体積%、酸素ガス7体積%および窒素ガス36体積%を含有するガスが挙げられる。
然して、熱量測定装置10は、計算機構25にて特定の熱量測定方法により、熱伝導率換算熱量測定機構21によって得られた熱伝導率換算熱量Aと、屈折率換算熱量測定機構23によって得られた屈折率換算熱量Bとに基づいて前記式(1)によって被測定ガスの熱量Qが算出される構成を有するものであるため、被測定ガスが、その熱量と、熱伝導率および屈折率とが特定の対応関係(具体的には、熱伝導率は反比例関係、屈折率は比例関係)にあるパラフィン系炭化水素ガスを主成分とし、他の成分として、その熱量が熱伝導率および屈折率と特定の対応関係を有さない雑ガスが含有されてなるものであっても、当該雑ガスが含有されていることに伴って熱伝導率換算熱量測定機構21および屈折率換算熱量測定機構23において生じる測定誤差が、当該熱伝導率換算熱量測定機構21に係る測定誤差と、当該屈折率換算熱量測定機構23に係る測定誤差との大きさの差(誤差比)の関係を利用して補正される。この特定の熱量測定方法においては、被測定ガスの熱量Qを算出する式(1)において、被測定ガスの組成(雑ガスの組成)に対応した適宜の補正係数αを用いることにより、より一層適切な補正することができる。
従って、熱量測定装置10によれば、被測定ガスが、パラフィン系炭化水素ガスと共に、その熱量が熱伝導率および屈折率と特定の対応関係を有さない雑ガスが多量に含有されている、ガス田から産出された直後の天然ガスやバイオガスなどであっても、雑ガスが含有されていることに起因して最終的に得られる熱量に生じる誤差を小さくすることができるため、当該被測定ガスの熱量Qを高い信頼性で測定することができる。
また、熱量測定装置10は、被測定ガスが、例えばLNGとLPGとの混合ガスよりなる都市ガスなどのパラフィン系炭化水素ガスのみよりなるものである場合であっても、高い信頼性で熱量の測定を行うことができる。
さらに、熱量測定装置10によれば、例えば環境条件、ガスパイプライン12における流通ガスの供給切替などの諸事情によって被測定ガス中における雑ガスの種類および濃度が大きく変化した場合であってもその変化に対応することができる。
以上、本発明の熱量測定方法および熱量測定装置について具体的に説明したが、本発明は以上の例に限定されるものではなく、種々の変更を加えることができる。
例えば熱量測定方法は、熱伝導率換算熱量測定機構と屈折率換算熱量測定機構と計算機構とを合わせて備えてなる装置によって実施されることに限定されず、熱伝導率換算熱量Aと屈折率換算熱量Bとに基づいて、前記式(1)により、2.91≦補正係数α≦3.75の条件にて被測定ガスの熱量を算出するのであれば、例えば図3に示すように、熱伝導率換算熱量Aおよび屈折率換算熱量Bの値を得るための装置が一体化されておらずに個別であってもよく、さらに被測定ガスのを算出する手法が演算機などによる自動計算であっても、あるいは手動による計算であってもよい。
図3において、51は、測定された被測定ガス(例えば、天然ガスなどの原料ガス)の熱量に基づいてガスパイプライン12に対して調整用ガス(例えば、ブタンガスリッチのLPG)を供給するための調整用ガス供給ラインであり、52は、被測定ガス(原料ガス)に調整用ガスの供給によって所望の調整がなされたことを確認するための熱伝導率計であり、53は、被測定ガス(原料ガス)と調整用ガスとを混合し、これによって製造ガスを得るためのミキシングタンクである。
以下、本発明の実験例について説明する。
〔実験例1〕
酸素ガス、窒素ガスおよび二酸化炭素ガスを試料ガスとし、この試料ガスの各々を、熱伝導率式熱量計および屈折率式熱量計によって測定し、熱伝導率式熱量計の測定値(以下、「熱伝導率計値」ともいう。)と、屈折率式熱量計の測定値(以下、「屈折率計値」ともいう。)との比(熱伝導率計値/屈折率計値)を算出した。結果を下記表1に示す。
ここに、「熱伝導率計値」および「屈折率計値」とは、各々、試料ガスがパラフィン系炭化水素ガスに含有されている場合に、熱伝導率式熱量計および屈折率式熱量計の各々に生じうる、試料ガス1体積%当たりの測定誤差の値である。
Figure 2010175261
以上の表1の結果から、酸素ガス、窒素ガスおよび二酸化炭素ガスのいずれの試料ガスにおいても、屈折率計値に比して熱伝導率計値の方が大きく、また屈折率計値に対する熱伝導率計値の比が試料ガスの種類によって特定の値を示すことが確認された。
また、熱伝導率式熱量計および屈折率式熱量計を用い、雑ガスを含有するパラフィン系炭化水素ガスを測定した場合に生じる測定誤差を確認した。
ここに、実際に、熱伝導率式熱量計を用い、雑ガスとして二酸化炭素ガスを含有するパラフィン系炭化水素ガスの熱量の測定を行なった場合の実験例について具体的に説明する。
この実験例においては、二酸化炭素ガス1種のみを雑ガスとして含有し、二酸化炭素ガス濃度の異なる複数種のパラフィン系炭化水素ガスを試料ガスとし、これらの試料ガスについて、熱伝導率式熱量計によって熱伝導率に基づいて得られる熱量(熱伝導率換算熱量)を測定し、この測定値と、ガスクロマトグラフを用いた分析によって得られた熱量(以下、「熱量真値」ともいう。)とに基づいて、熱伝導率換算熱量に生じる測定誤差を確認した。結果を図4に示す。
この図4の結果から、二酸化炭素ガス濃度と測定誤差との間には、正相関が成立することが確認され、また、最小二乗法によって求めた回帰直線(図4のグラフに示されている直線)によれば、熱伝導率式熱量計によって測定される熱伝導率換算熱量には、二酸化炭素ガスを含有するパラフィン系炭化水素ガスには、二酸化炭素ガス1体積%当たり1.1336〔MJ/Nm3 〕の測定誤差が生じることが理解される。この値は、表1に示した値とほぼ一致する。
〔実験例2〕
表2に示す組成を有する4種類の天然ガス(ガス(A)〜ガス(D))を試料ガスとし、この試料ガスの各々について、熱伝導率式熱量計によって熱伝導率に基づいて得られる熱量(熱伝導率換算熱量)と、屈折率式熱量計によって屈折率に基づいて得られる熱量(屈折率換算熱量)とを測定し、この測定値と、ガスクロマトグラフを用いた分析によって得られた熱量(以下、「熱量真値」ともいう。)とに基づいて、熱伝導率換算熱量および屈折率換算熱量の各々に生じる測定誤差を確認すると共に、熱伝導率換算熱量に生じた測定誤差(熱伝導率計誤差)と、屈折率換算熱量に生じた測定誤差(屈折率計誤差)との誤差比(熱伝導率計誤差/屈折率計誤差)を算出した。結果を下記表2に示す。
Figure 2010175261
以上の表2の結果から、4種類の天然ガス(ガス(A)〜ガス(D))よりなるいずれの試料ガスにおいても、屈折率計誤差に比して熱伝導率計誤差の方が大きく、また屈折率計誤差に対する熱伝導率計誤差の比が試料ガスの種類によって特定の値を示すことが確認された。
〔実験例3〕
実験例2において測定した熱伝導率換算熱量および屈折率換算熱量に基づいて、上記式(1)により、補正係数α3.05の条件で熱量Qを算出すると共に、この熱量Qの値を、実験例2において得られた熱量真値と比較した。結果を表3に示す。
表3において、熱伝導率式熱量計に係る値および屈折率式熱量計に係る値の各欄には、その測定値(具体的には、熱伝導率換算熱量および屈折率換算熱量)と共に、当該測定値と熱量真値との差を誤差値として示す。また、熱量Qに係る値の欄には、式(1)による演算値と共に、当該演算値と熱量真値との差を誤差値として示す。
ここに、補正係数αの値は、実験例2において得られた誤差比(熱伝導率計誤差/屈折率計誤差)に基づいて決定したものであり、それらの平均値である。
Figure 2010175261
以上の表3の結果から、4種類の天然ガス(ガス(A)〜ガス(D))よりなるいずれの試料ガスにおいても、式(1)によって算出された熱量Qは、熱伝導率換算熱量および屈折率換算熱量のいずれに比しても熱量真値との差が極めて小さいことが確認された。
従って、熱量測定対象ガスの熱量を、当該熱量測定対象ガスの熱伝導率換算熱量および屈折率換算熱量に基づき、式(1)によって算出する本発明の熱量測定方法によれば、熱量測定対象ガスが天然ガスまたはバイオガスであっても、当該熱量測定対象ガスの熱量を高い信頼性で測定できることが理解される。
これらの実験例1〜実験例3の結果から、熱量測定対象ガスの熱量を、当該熱量測定対象ガスの熱伝導率換算熱量および屈折率換算熱量に基づき、式(1)において補正係数αを2.91〜3.75の範囲とすることにより、高い信頼性で測定することができる、ということが確認され、特に、熱量測定対象ガスが天然ガスまたはバイオガスである場合には、式(1)において補正係数αを2.96〜3.15の範囲とすることにより、得られる熱量に一層高い信頼性を得ることができる、ということが確認された。
10 熱量測定装置
12 ガスパイプライン
16A、16B、16C ガス流路
21 熱伝導率換算熱量測定機構
22 データ送信路
23 屈折率換算熱量測定機構
24 データ送信路
25 計算機構
27 表示部
28 データ送信路
31 チャンバ
32 測定対象ガス用セル部
33、34 標準ガス用セル部
35 光源
36 平行平面鏡
37 干渉縞検出手段
39 平面鏡
41 プリズム
42 集光レンズ
51 調整用ガス供給ライン
52 熱伝導率計
53 ミキシングタンク

Claims (5)

  1. ガスの熱量を測定するための熱量測定方法であって、
    熱量測定対象ガスの熱伝導率から得られる熱伝導率換算熱量A〔MJ/Nm3 〕と、当該熱量測定対象ガスの屈折率から得られる屈折率換算熱量B〔MJ/Nm3 〕とに基づいて、下記の式(1)により、2.91≦補正係数α≦3.75の条件にて熱量測定対象ガスの熱量Q〔MJ/Nm3 〕を算出することを特徴とする熱量測定方法。
    Figure 2010175261
  2. 前記式(1)において、補正係数αの値が2.96乃至3.15であることを特徴とする請求項1に記載の熱量測定方法。
  3. 熱量測定対象ガスが、パラフィン系炭化水素ガスを主成分とし、二酸化炭素ガス、一酸化炭素ガス、窒素ガスおよび酸素ガスのうちの少なくとも一種が含有されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の熱量測定方法。
  4. 熱量測定対象ガスが、天然ガスまたはバイオガスであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の熱量測定方法。
  5. 熱量測定対象ガスの熱伝導率換算熱量を測定するための熱伝導率換算熱量測定機構と、当該熱量測定対象ガスの屈折率換算熱量を測定するための屈折率換算熱量測定機構とを備えており、
    請求項1〜請求項4のいずれかに記載の熱量測定方法によって熱量測定対象ガスの熱量が算出されることを特徴とする熱量測定装置。
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