JP2010174915A - 高圧ガスタンク - Google Patents

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Abstract

【課題】高圧ガスタンクからのガスの漏洩を、付臭ガスによって容易に検出できる技術を提供する。
【解決手段】高圧ガスタンク100は、付臭ガスを放出するためのガス付臭部200を備える。ガス付臭部200は、付臭剤201が配置された密閉容器210と、密閉容器210の開口部212に接続される開閉機構220とを備える。開閉機構220は、高圧ガスタンク100が外部への水素の供給を停止している状態において、タンク容器110内の水素の圧力と、主止弁20と逆止弁22との間における各配管10,11,13内の水素との圧力との差圧によって開く。タンク容器110からのガスの漏洩が発生すると、当該差圧が生じ、開閉機構220が開いて、密閉容器210から付臭ガスが放出される。
【選択図】図2

Description

この発明は、高圧ガスタンクに関する。
高圧ガスタンクにおいては、高圧ガスの漏洩の検出を容易にするために、高圧ガスを付臭剤によって付臭する技術が知られている。しかし、高圧ガスタンクに予め付臭された高圧ガスを貯蔵した場合には、高圧ガスに混入する付臭成分の種類によっては、高圧ガスの供給先に不具合を生じさせる場合がある。具体的には、例えば、水素タンクから付臭水素を燃料電池に供給する場合において、付臭成分として硫黄分などが含まれていると、当該硫黄分によって、燃料電池の電極が劣化してしまう可能性がある。このように、高圧ガスタンクに貯蔵される高圧ガスは、付臭されていないことが好ましい。下記の特許文献では、付臭することなく高圧ガスを貯蔵した高圧ガスタンクにおいて、高圧ガスが漏洩したときに漏洩ガスを付臭して、ガスの漏洩を検出可能とする技術が提案されている。
特開2006−177794号公報
上記の技術では、高圧ガスタンクのタンク容器及びガスの通路の外周に付臭剤を配置することにより、容器壁や通路壁が損傷して高圧ガスが漏洩するときに漏洩ガスを付臭している。ところで、一般に、高圧ガスタンクは小型化することが要求されている。また、その容器壁は、貯蔵する高圧ガスの圧力に十分耐えることができる程度の強度を有することが要求されている。しかし、上記技術を適用した場合には、タンク容器外周の付臭剤の配置スペースの分だけ、高圧ガスタンクが大型化する可能性がある。高圧ガスタンクの大型化を抑制するために容器壁を薄化した場合には、容器壁の強度を確保することが困難となる可能性がある。また、タンク容器内側の壁面が損傷して、タンク内の高圧ガスと付臭剤とが接触した場合には、ガスが漏洩していなくとも、タンク内の高圧ガスが付臭されてしまうという問題がある。このように、これまで、高圧ガスタンクからのガスの漏洩を、付臭ガスによって検出することについて十分な工夫がなされてこなかったのが実情であった。
本発明は、高圧ガスタンクからのガスの漏洩を、付臭ガスによって容易に検出できる技術を提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
高圧ガスタンクであって、高圧ガスが封入されるタンク容器と、前記タンク容器に接続され、前記高圧ガスを外部へと供給するためのガス供給用配管と、前記ガス供給用配管に設けられ、前記高圧ガスの供給を停止するための第1のバルブと、前記ガス供給用配管において、前記第1のバルブの下流側に設けられ、前記第1のバルブが閉じられたときに、前記高圧ガスが逆流することを抑制するための第2のバルブと、容器開口部を有し、付臭剤が封入された付臭剤容器とを備え、前記高圧ガスは、前記第1のバルブが閉じられた状態において、前記第1と前記第2のバルブの間における前記ガス供給用配管内に存在する配管内ガスと、前記タンク容器内に存在するタンク内ガスとを含み、前記付臭剤容器は、前記容器開口部に、前記配管内ガスの圧力と、前記タンク内ガスの圧力との差によって開閉する開閉機構が設けられている、高圧ガスタンク。
この高圧ガスタンクによれば、ガスの漏洩によって生じる配管内ガスの圧力とタンク内ガスの圧力との差圧によって、開閉機構が開き、付臭ガスを放出する。従って、高圧ガスタンクからのガスの漏洩を、付臭ガスによって容易に検出することが可能となる。
[適用例2]
適用例1に記載の高圧ガスタンクであって、前記付臭剤容器は、前記タンク容器内に収容されている、高圧ガスタンク。
この高圧ガスタンクによれば、付臭剤容器を高圧ガスタンクに設けることによって、高圧ガスタンクが大型化してしまうことを抑制できる。より具体的には、タンク容器の壁面内部や、タンク容器の外部に付臭剤を配置するための領域を設ける場合に比較して、タンク容器が大型化してしまうことを抑制できる。また、タンク容器の壁面内部に付臭剤を配置するための配置領域を設ける場合に比較して、タンク容器の壁面の強度の低下を抑制でき、高圧ガスの漏洩を抑制できる。
[適用例3]
適用例1または適用例2に記載の高圧ガスタンクであって、前記開閉機構は、ガス流路が設けられた弁体と、第1と第2の開口部を有し、前記第1と第2の開口部の間に、前記弁体を収容する弁体収容部と、前記第1の開口部と接続され、前記配管内ガスを前記弁体収容部に誘導するためのガス誘導配管とを備え、前記弁体収容部は、前記第1と第2の開口部との間において、前記容器開口部と接続されており、前記第2の開口部は、前記タンク内ガスが流入可能であり、前記弁体は、前記第1の開口部から流入する前記配管内ガスの圧力と、前記第2の開口部から流入する前記タンク内ガスの圧力との圧力差に応じて移動するように配置され、前記付臭剤容器は、前記弁体に設けられた前記ガス流路と前記容器開口部とが接続されることによって、前記付臭剤によって付臭された付臭ガスを外部に放出する、高圧ガスタンク。
この高圧ガスタンクによれば、開閉機構を簡易な構成で実現できる。従って、高圧ガスタンクからのガスの漏洩を、付臭ガスによって容易に検出することが可能となる。
[適用例4]
適用例3に記載の高圧ガスタンクであって、前記開閉機構は、前記弁体を、前記弁体の可動方向に沿って付勢する付勢機構を備える、高圧ガスタンク。
この高圧ガスタンクによれば、付勢機構による付勢力によって、開閉機構が開く閾値となる圧力差を設定することができる。
[適用例5]
適用例3または適用例4に記載の高圧ガスタンクであって、前記ガス流路は、前記容器開口部と前記第2の開口部とを接続可能に設けられ、前記付臭剤容器は、前記ガス流路を介して流入した前記高圧ガスを付臭する、高圧ガスタンク。
この高圧ガスタンクによれば、配管内ガスをガス流路を介して付臭剤容器へ流入させることにより、付臭ガスを付臭剤容器から放出させることができる。従って、付臭ガスの放出をより迅速に実行することができる。
[適用例6]
適用例3ないし適用例5のいずれかに記載の高圧ガスタンクであって、前記弁体収容部は、前記第1と第2の開口部の間に設けられた、前記付臭ガスを流出させるための第3の開口部を有しており、前記ガス流路は、前記容器開口部と、前記第3の開口部とを接続可能に設けられ、前記付臭ガスは、前記第3の開口部を介して外部へと流出する、高圧ガスタンク。
この高圧ガスタンクによれば、付臭剤とタンク内ガスとを接触させることなく、付臭ガスを放出することが可能である。従って、ガスの漏洩が発生した場合であっても、付臭されていないタンク内に残留しているガスを有効に利用することが可能である。
[適用例7]
適用例3ないし適用例6のいずれかに記載の高圧ガスタンクであって、前記ガス流路は、前記弁体収容部の前記第1と第2の開口部のうちいずれか一方と、前記容器開口部とを接続可能に設けられ、前記付臭剤容器は、さらに、前記付臭ガスを前記タンク容器の外部へと流出させるための外部開口部を有しており、前記外部開口部は、前記付臭剤容器に前記高圧ガスが流入して、前記付臭剤容器内部の圧力が増加したときに開口する、高圧ガスタンク。
この高圧ガスタンクによれば、付臭剤とタンク内ガスとを接触させることなく、付臭ガスを放出することが可能である。従って、ガスの漏洩が発生した場合であっても、付臭されていないタンク内に残留しているガスを有効に利用することが可能である。
[適用例8]
適用例3ないし適用例7のいずれかに記載の高圧ガスタンクであって、さらに、電気によって作動する警報部と、配線を介して前記警報部に接続される電源部とを備え、前記弁体と前記弁体収容部とにはそれぞれ、前記配線の端子が設けられ、前記端子同士は、前記容器開口部が、閉じた状態のときには互いに接触しておらず、前記弁体が移動することにより互いに接触し、前記警報部に前記電源部からの電流を導通させる、高圧ガスタンク。
この高圧ガスタンクによれば、開閉機構を警報部のスイッチとして機能させることにより、付臭ガスによるガス漏洩の警報とともに、警報部によるガス漏洩の警報を実行することが可能である。従って、より確実にガスの漏洩を検出することが可能となる。
[適用例9]
高圧ガスを供給する高圧ガス供給システムであって、適用例1ないし適用例8のいずれかに記載の高圧ガスタンクを2つ以上備え、前記高圧ガスタンクのそれぞれの前記付臭剤容器には、異なる前記付臭剤が配置されている、高圧ガス供給システム。
この高圧ガス供給システムによれば、複数の高圧ガスタンクのうち、ガスの漏洩が発生している高圧ガスタンクを、放出された付臭ガスの臭いによって識別することが可能である。
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、高圧ガスタンク、その高圧ガスタンクを備えた高圧ガス供給システムや、その高圧ガスタンクを備えた燃料電池システム、その高圧ガスタンクを搭載した車両等の形態で実現することができる。
第1実施例における高圧ガスタンクの構成を説明するための概略図。 第1実施例の高圧ガスタンクにおける付臭ガスの放出を説明するための概略図。 高圧ガスタンク内におけるガス圧の時間変化と、主止弁の開閉タイミングと、付臭ガスの放出タイミングとの関係を示すタイミングチャート。 第2実施例における高圧ガスタンクの構成を説明するための概略図。 第2実施例の高圧ガスタンクにおける付臭ガスの放出を説明するための概略図。 第2実施例における高圧ガスタンク内のガス圧の変化と、主止弁の開閉タイミングと、付臭ガスの放出タイミングとを示すタイミングチャート。 第3実施例における高圧ガスタンクの構成を説明するための概略図。 第3実施例の高圧ガスタンクにおける付臭ガスの放出を説明するための概略図。 第4実施例におけるガス付臭部の構成を説明するための概略図。 第5実施例におけるガス付臭部の構成を説明するための概略図。 第5実施例における開閉機構に設けられたストッパ部を説明するための概略図。 第6実施例における高圧ガスタンクの構成を説明するための概略図。 第6実施例における高圧ガスタンク内のガス圧の変化と、主止弁の開閉タイミングと、付臭ガスの放出タイミングと、警報部の作動開始タイミングとを示すタイミングチャート。 第7実施例における高圧ガス供給システムの構成を説明するための概略図。 第8実施例における高圧ガスタンクの構成を説明するための概略図。
A.第1実施例:
図1(A)は本発明の一実施例としての高圧ガスタンクの構成を模式的に示す概略断面図である。この高圧ガスタンク100は、水素が貯蔵されるタンク容器110と、タンク容器110に接続され、外部に水素を供給するための供給配管10と、供給配管10に設けられた主止弁20とを備える。高圧ガスタンク100は、タンク容器110内に数十MPa程度の高圧水素が貯蔵されている。なお、タンク容器110には、液体水素が貯蔵されるものとしても良し、水素を吸蔵する水素吸蔵合金が収容されているものとしても良い。ところで、タンク容器110に破損が生じた場合などには、タンク容器110から貯蔵水素が漏洩してしまう場合がある。そこで、この高圧ガスタンク100では、さらに、タンク容器110の内部に、ガスが漏洩したときに付臭ガスを発生させるためのガス付臭部200が設けられている。
図1(B)は、図1(A)に示されたガス付臭部200を拡大して示す概略断面図である。なお、図1(B)には、図1(A)より詳細な符号が追加されている。ガス付臭部200は、密閉容器210に、ガスを付臭するための付臭剤201が配置されている。付臭剤201としては、例えば、固体状のベノミルや、ビスフェノール、フタル酸ジシクロヘキシルなどが用いられるものとしても良い。また、付臭剤201としては、他に、液体状のエチレングリコールモノエチルエーテルや、気体状の硫化水素などを用いることも可能である。なお、以下に説明する各図においては、付臭剤201及び付臭剤201によって付臭された付臭ガスは網点によって図示する。
密閉容器210は、開口部212を有しており、開口部212には、開閉機構220が設けられている。開閉機構220は、略円柱形状の弁体230と、弁体230を収容する弁箱240とを有している。弁箱240は、密閉された略円筒状の収容体であり、両端部に配管と接続するための第1と第2の接続部241,242を有している。弁箱240は、第1と第2の接続部241,242の間において、密閉容器210の開口部212と接続されている。
弁体230は、弁箱240の内壁面との間に気密性を有して配置されており、弁箱240の第1と第2の接続部241,242のそれぞれから供給されるガスの圧力差に応じて、第1と第2の接続部241,242の間を移動することが可能である。また、弁体230には、弁箱240の第2の接続部242と対向する底面部から、弁箱240と接する側面部に向かって延びるガス流路232が貫通孔として設けられている。なお、ガス流路232は、密閉容器210の開口部212と接続可能に設けられている。
ここで、開閉機構220は、弁箱240の内部に、バネ機構245を備えている。弁体230は、バネ機構245によって、弁箱240の第2の接続部242側から第1の接続部241の側へと付勢されており、通常は、弁箱240の第1の接続部241側の端部まで押し込まれている。開閉機構220は、この状態では、弁体230のガス流路232と密閉容器210の開口部212とが接続されない閉じた状態である。しかし、弁体230は、第1と第2の接続部241,242のそれぞれから供給されるガスの圧力差によって生じる外力が、バネ機構245によって加えられる付勢力より大きくなったときに第2の接続部242側へと移動する。弁体230が移動し、ガス流路232と密閉容器210の開口部212とが接続されたときに、この開閉機構220は開いた状態となる。
高圧ガスタンク100は、タンク容器110の内部において、さらに、ガス付臭部200に接続される第1ないし第3の接続配管11,12,13を備えている(図1(A))。第1の接続配管11は、ガス付臭部200の第1の接続部241と供給配管10とを接続する配管である。第2の接続配管12は、ガス付臭部200の第2の接続部242と接続される配管であり、タンク容器110内の水素をガス付臭部200へと誘導するための配管である。第3の接続配管13は、第1と第2の接続配管11,12のそれぞれに接続される配管であり、途中に逆止弁22を有している。逆止弁22は、水素が、第1の接続配管11から第2の接続配管12へと逆流することを抑制する。
ここで、図中の矢印は、高圧ガスタンク100が外部に貯蔵水素を供給するときの水素の流れを示している。具体的には、タンク容器110に貯蔵された水素は、供給配管10の主止弁20が開かれたときに、第2の接続配管12から、第3の接続配管13を経て、第1の接続配管11へと流入し、供給配管10へと流れる。なお、タンク容器110からの水素の漏洩が発生していない通常の状態であれば、第1の接続配管11内の水素の圧力と、第3の接続配管13内の水素の圧力はほぼ等しく、ガス付臭部200の開閉機構220は閉じたままである。
図2(A)〜(C)は、高圧ガスタンク100においてガスの漏洩が発生した場合の付臭ガスの放出動作を説明するための説明図である。図2(A)は、図1(A)と同様な概略断面図であり、高圧ガスタンク100が外部への水素の供給を停止している状態において、タンク容器110に生じた破損箇所CRから、貯蔵水素が漏洩している状態を模式的に示している。なお、図2(A)では、供給配管10の主止弁20より下流側が破線で図示されているが、これは、主止弁20が閉じらて水素の供給が停止していることを示している。
ここで、タンク容器110内の水素の圧力を「タンク内圧力P1」と呼び、主止弁20と逆止弁22との間における各配管10,11,12内の水素の圧力を「配管内圧力P2」と呼ぶ。この2つの圧力P1,P2は、タンク容器110から水素が漏洩していない通常の状態であれば、外部への水素の供給を停止している状態においても等しくなる。しかし、主止弁20が閉じられている状態において、ガスの漏洩が発生すると、タンク内圧力P1は低下しはじめるが、配管内圧力P2の圧力は、逆止弁22によって水素が、タンク容器110へと逆流することが抑制されているため、ほぼ一定に保持される。従って、この場合には、タンク内圧力P1より、配管内圧力P2の方が高くなり、両者には圧力差が生じる。
図2(B)は、図1(B)と同様な概略断面図であり、開閉機構220が開いた状態を模式的に示している。弁箱240の第1と第2の接続部241,242はそれぞれ、第1と第2の接続配管11,12と接続されているため、弁体230の2つの底面はそれぞれ、タンク内圧力P1と配管内圧力P2とを受ける。従って、タンク内圧力P1と配管内圧力P2との間に差圧が生じ、その差圧により弁体230の底面が受ける外力が、バネ機構245によって受ける外力より大きくなった場合には、弁体230が移動する。弁体230が所定の位置まで移動し、ガス流路232と密閉容器210の開口部212が接続されると、密閉容器210内の付臭剤201によって付臭された付臭ガスが、ガス流路232及び第2の接続配管12を介して、タンク容器110内へと流れる。
図2(C)は、図2(A)と同様な概略断面図であり、高圧ガスタンク100から付臭ガスが漏洩している状態を模式的に示している。タンク容器110に流れ出た付臭ガスは、破損箇所CRからタンク容器110の外部へと放出される。
図3は、高圧ガスタンク100内におけるガス圧の時間変化と、主止弁20の開閉タイミングと、ガス付臭部200による付臭ガスの放出タイミングとの関係を示すタイミングチャートである。タンク内圧力P1と配管内圧力P2は、時刻t0において、主止弁20が閉じられ、外部への水素の供給が停止されるまでは、外部への水素の供給量に応じてほぼ等しく低下する。ここで、外部への水素の供給が停止されたときのタンク内圧力P1及び配管内圧力P2をp0とする。2つの圧力P1,P2は、ガスの漏洩が発生する時刻t1までは、圧力値p0のまま保持される。
しかし、時刻t1において、図2(A)のように、タンク容器110に破損箇所CRが生じるなどして、タンク容器110内の水素が漏洩しはじめると、タンク内圧力P1は低下しはじめる。一方、配管内圧力P2は、主止弁20が閉じられ、逆止弁22によってタンク容器110への水素の逆流が抑制されているため、時刻t1以降も圧力値p0で保持される。従って、2つの圧力P1,P2の間の圧力差は、時刻t1から増大しはじめる。開閉機構220は、2つの圧力P1,P2の圧力差が所定の値(ここでは、差圧ptとする)に到達する時刻t2において開き、付臭ガスの放出が開始される。
このように、この高圧ガスタンク100では、タンク容器110からの水素の漏洩が発生すると、タンク内圧力P1と配管内圧力P2との間に差圧が生じ、その差圧に応じて、ガス付臭部200の開閉機構220が開く。そして、ガス付臭部200の付臭剤201によって、高圧ガスタンク100からの漏洩ガスが付臭されるため、高圧ガスタンク100からのガスの漏洩を容易に検出することが可能となる。また、この高圧ガスタンク100では、ガスの漏洩が発生していない通常の状態では、タンク容器110に貯蔵されたガスが付臭されていないため、付臭剤201の付臭成分によって、ガスの供給先に不具合が生じることを抑制できる。さらに、開閉機構220は、電磁的な力を利用することなく、ガスの圧力差に応じて開閉可能な機構であるため、例えば、高圧ガスタンク100が搭載されたシステムの電源供給機能が停止した状態においても、ガスの漏洩を検出することが可能である。さらに、高圧ガスタンク100では、付臭剤201が配置された密閉容器210がタンク容器110内に収容されているため、付臭剤201の配置スペースのために高圧ガスタンク100の体格が増大することが抑制される。また、密閉容器210が破損して付臭成分が漏洩しても、タンク容器110からのガスの漏洩が発生しない限り、付臭ガスが外部へと放出されないため、ガスの漏洩が誤って検出される可能性が低減される。
B.第2実施例:
図4(A)は、本発明の第2実施例としての高圧ガスタンク100Aの構成を示す概略断面図である。図4(A)は、ガス付臭部200Aの構成が異なる点以外は、図1(A)とほぼ同じである。図4(B)は、図4(A)に示したガス付臭部200Aを拡大して示す概略断面図である。図4(B)は、密閉容器210Aが、2つの開口部212a,212bを有しており、2つの開口部212a,212bが開閉機構220Aの弁箱240Aに接続されている点以外は、図1(B)とほぼ同じである。2つの開口部212a,212bはともに、開閉機構220Aの弁箱240Aの側面に並列に接続されている。より具体的には、第1の開口部212aは、弁箱240Aの第2の接続部242側に接続され、第2の開口部212bは、弁箱240Aの第1の接続部241側に接続されている。なお、弁体230が弁箱240Aの第1の接続部241側の端部まで押し込まれた通常の状態において、2つの開口部212a,212bはともに、弁体230によって閉塞された状態となる。
図5(A)〜(C)は、高圧ガスタンク100Aにおいてガスの漏洩が発生した場合の付臭ガスの放出動作を説明するための説明図である。図5(A)〜(C)はそれぞれ、ガス付臭部200Aの構成が異なる点以外は、図2(A)〜(C)とほぼ同じである。タンク容器110に破損箇所CRが生じ、貯蔵水素が漏洩し始めると、タンク内圧力P1が低下しはじめる(図5(A))。すると、第1実施例と同様に、タンク内圧力P1と配管内圧力P2との間の圧力差によって、開閉機構220Aの弁体230が移動する(図5(B))。このとき、この第2実施例の開閉機構220Aでは、弁体230に設けられたガス流路232が、密閉容器210Aの第1の開口部212aと接続されるとともに、第2の開口部212bが開放される。これによって、第1の接続配管11内の水素が、第2の開口部212bを介して、密閉容器210A内へと流入し、付臭剤201によって付臭されたガスが、第1の開口部212aを介して第2の接続配管12へと流出する。さらに、タンク容器110内の貯蔵水素が付臭され、破損箇所CRから放出される(図5(C))。このように、この高圧ガスタンク100Aによれば、開閉機構220Aが開いたときに、比較的高圧な状態の第1の接続配管内11の水素が密閉容器210A内に流入するため、付臭ガスが、より迅速にタンク容器110内へと放出される。即ち、このガス付臭部200Aによれば、高圧ガスタンク100Aからの漏洩ガスを、より迅速に付臭することができる。
図6は、第2実施例の高圧ガスタンク100A内におけるガス圧の時間変化と主止弁20の開閉タイミングと付臭ガスの放出タイミングとの関係を示すタイミングチャートである。図6は、タンク内圧力P1と配管内圧力P2の圧力差の時間変化が異なる点以外は、図3とほぼ同じである。上述したように、この第2実施例の高圧ガスタンク100Aでは、第1の接続配管11内の水素が密閉容器210Aへと流入するため、開閉機構220Aが開かれる時刻t2以降は、配管内圧力P2が低下し始める。従って、タンク内圧力P1と配管内圧力P2との差圧によって開いた開閉機構220Aは、差圧の低下によって再び閉じることとなる。しかし、開閉機構220Aが閉じられても、タンク容器110内の貯蔵水素が付臭されているため、付臭ガスの外部への放出は継続される。
このように、第2実施例の高圧ガスタンクによれば、ガスの漏洩によって生じた、タンク内圧力P1と配管内圧力P2との差圧によって、開閉機構220Aが開いて貯蔵ガスが迅速に付臭される。従って、高圧ガスタンク100Aからの貯蔵ガスの漏洩が、さらに、容易に検出可能となる。
C.第3実施例:
図7(A),(B)は、本発明の第3実施例としての高圧ガスタンク100Bの構成を示す概略断面図である。図7(A),(B)は、以下に説明する点以外は、図1(A),(B)と同様である。この第3実施例における高圧ガスタンク100Bのタンク容器110Bの容器壁には、ガス付臭部200Bを取り付けるための貫通孔102,103が設けられている。ガス付臭部200Bは、密閉容器210の開口部212が、タンク容器110Bの貫通孔102内に配置されることにより、密閉容器210がタンク容器110Bの外側に配置され、開閉機構220Bがタンク容器110Bの内側に配置される。
開閉機構220Bは、弁箱240Bの側面部に開口部243が設けられている。開口部243は、タンク容器110Bの貫通孔103を介して、タンク容器110Bの外部に向かって開口している。開閉機構220Bの弁体230Bのガス流路232Bは、密閉容器210の開口部212と、弁箱240Bの開口部243とを接続可能に設けられている。ただし、ガス流路232Bは、弁体230Bがバネ機構245によって付勢されて第1の接続部241側の端部まで押し込まれた通常の状態では、2つの開口部212,243とは接続されない。この状態では、2つの開口部212,243は弁体230Bによって閉塞された状態となる。
図8(A),(B)は、高圧ガスタンク100Bにおいてガスの漏洩が発生した場合の付臭ガスの放出動作を説明するための説明図である。図8(A)は、図2(A)と同様な概略断面図であり、タンク容器110Bに破損箇所CRが生じて貯蔵水素が漏洩している状態を模式的に示している。タンク容器110B内の貯蔵水素が漏洩しはじめると、タンク内圧力P1と配管内圧力P2との間に圧力差が生じる。
図8(B)は、図7(B)と同様な概略断面図であり、弁体230Bが移動して付臭ガスが放出されている状態を模式的に示している。開閉機構220Bでは、第1実施例と同様に、タンク内圧力P1と配管内圧力P2との間の圧力差に応じて弁体230Bが移動し、ガス流路232Bが、密閉容器210の開口部212と、弁箱240Bの開口部243と接続する。すると、密閉容器210内の付臭剤201によって付臭された付臭ガスが、弁箱240Bの開口部243から高圧ガスタンク100Bの外部に放出される。従って、高圧ガスタンク100Bからの貯蔵ガスの漏洩が容易に検出可能となる。
D.第4実施例:
図9(A),(B)は、本発明の第4実施例としての高圧ガスタンク100Cに設けられたガス付臭部200Cの構成を示す概略断面図である。図9(A),(B)は、以下に説明する点以外は、図2(A),(B)とほぼ同じである。この高圧ガスタンク100Cのタンク容器110Cのガス付臭部200Cには、密閉容器210Cに付臭ガスをタンク外部へと放出するための付臭ガス放出口215が設けられており、付臭ガス放出口215の開口端部には、リリーフ弁216が取り付けられている。また、高圧ガスタンク100Cのタンク容器110Cには、付臭ガス放出口215を外部に突出させるための貫通孔104が設けられている。なお、密閉容器210Cには、付臭剤201とともに、窒素などの不活性ガスが大気圧以上、タンク内圧力P1以下の圧力で封入されている。リリーフ弁216は、密閉容器210C内の圧力が上記圧力より上昇したときに開き、付臭ガスを外部へと放出する。
開閉機構220は、タンク内圧力P1と配管内圧力P2との間の圧力差が所定の値に到達したときに開く。開閉機構220が開くと、タンク容器110C内の水素が、ガス流路232及び開口部212を介して密閉容器210Cの内部へと流入し、密閉容器210C内の圧力が上昇するため、付臭ガス放出口215のリリーフ弁216が開き、付臭ガスの放出が開始される。このように、第4実施例の高圧ガスタンク100Cの構成によれば、ガスの漏洩によって生じたタンク内圧力P1と配管内圧力P2との差圧に応じて開閉機構220が開き、密閉容器210Cに流入した水素が付臭され、付臭ガス放出口215から放出される。従って、タンク容器110Cからのガスの漏洩が容易に検出することが可能となる。
E.第5実施例:
図10(A),(B)は、本発明の第5実施例としての高圧ガスタンク100Dに設けられたガス付臭部200Dの構成を示す概略断面図である。図10(A),(B)は、弁体230Dに設けられたガス流路232Dの構成が異なる点と、弁体230D及び弁箱240Dにストッパ機構234,244が設けられている点以外は、図9(A),(B)とほぼ同じである。なお、第5実施例の高圧ガスタンク100Dの他の構成は、第4実施例と同様である。
第5実施例の開閉機構220Dでは、弁体230Dのガス流路232Dは、弁体230Dの側面から弁箱240Dの第1の接続部241と対向する底面まで延びる貫通孔として設けられている。これによって、第5実施例のガス付臭部200Dでは、弁体230Dが移動して、ガス流路232Dと密閉容器210Cの開口部212とが接続されたときに、第1の接続配管11内の水素が、ガス流路232Dを介して、密閉容器210C内へと流入する。すると、密閉容器210C内の圧力が増大して、付臭ガス放出口215のリリーフ弁216が開き、付臭ガスが高圧ガスタンク100Dの外部に放出される。なお、第1の接続配管11内の水素が密閉容器210Cへと流入し、配管内圧力P2が低下すると、弁体230Dは、バネ機構245の付勢力によって、再び第1の接続部241側へと押される。そこで、この開閉機構220Dでは、弁体230D及び弁箱240Dのそれぞれに設けられたストッパ機構234,244によって、弁体230Dが第1の接続部241側へと戻ることを抑制する。
図11(A),(B)は、ストッパ機構234,244の構成を説明するための概略断面図である。図11(A),(B)はそれぞれ、図10(A),(B)におけるストッパ機構234,244の周辺を拡大した図である。弁体230Dのストッパ機構234は、弁箱240Dと接する面側に、側辺の1つを中心として回動可能に取り付けられた略三角柱形状の突出部として設けられている。なお、このストッパ機構234は、開閉機構220Dが閉じた状態では、弁箱240Dの側面によって弁体230Dの内部に押し込まれて収容されている(図11(A))。
弁箱240Dのストッパ機構244は、弁体230Dと接する面側に、弁体230Dのストッパ機構234が嵌合する窪み部として設けられている。弁体230Dのストッパ機構234は、弁体230Dが移動し、ガス流路232Dと密閉容器210の開口部212とが接続されると、弁箱240Dの窪み部(ストッパ機構244)に向かって突出して嵌合する(図11(B))。ストッパ機構234,244が互いに嵌合することにより、弁体230Dは、第1の接続部241側へと戻ることが抑制される。従って、タンク内圧力P1と配管内圧力P2との差圧が低下した後も、開閉機構220Dが開いた状態が保持され、付臭ガスの放出が継続される。このように、高圧ガスタンク100Dにおいても、タンク内圧力P1と配管内圧力P2との差圧に応じて、付臭ガスが放出されるため、貯蔵ガスの漏洩が容易に検出可能となる。
F.第6実施例:
図12(A),(B)は、本発明の第6実施例としての高圧ガスタンク100Eに設けられたガス付臭部200Eの構成を示す概略断面図である。図12(A),(B)はそれぞれ、ガスの漏洩を電子的ブザー音及び発光によって警報する警報部300と、電源部310と、直流電源ラインDCLと、2つの端子部321,322の図示が追加されている点以外は、図11(A),(B)とほぼ同じである。なお、図12(A),(B)では、電気が導通していない直流電源ラインDCLを破線で図示し、電気が導通している直流電源ラインDCLを実線で図示している。
警報部300は、直流電源ラインDCLを介して電源部310と接続される。直流電源ラインDCLは、2つの端子部321,322とを有している。第1の端子部321は、開閉機構220Eの弁箱240Eに取り付けられており、第2の端子部322は、弁体230Eに取り付けられている。2つの端子は、開閉機構220Dが閉じた状態では互いに接触せず、開閉機構220Dが開いた状態のときに互いに接触する。即ち、開閉機構220Eの弁体230Eと弁箱240Eとが警報部300と電源部310との間の開閉スイッチとして機能し、開閉機構220Eが開いて付臭ガスの放出が開始されたときに、警報部300が作動する。
図13は、高圧ガスタンク100E内におけるガス圧の時間変化と、主止弁20の開閉タイミングと、付臭ガスの放出タイミングと、警報部300の作動開始タイミングとの関係を示すタイミングチャートである。図13は、警報部300への電力供給のON/OFFを示すタイミングチャートの図示が追加されている点以外は、図6とほぼ同じである。このように、高圧ガスタンク100Eでは、開閉機構220Eが開き、付臭ガスの放出が開始される時刻t2において、警報部300に電力の供給が開始され(ON)、ブザー音及び発光による警報が開始される。なお、この高圧ガスタンク100Eにおいて、付臭剤201を省略した場合であっても、2つの圧力P1,P2の差圧で開閉する開閉機構220Eをスイッチとする警報部300のみによってガスの漏洩検出が可能である。
第6実施例の高圧ガスタンク100Eによれば、ガスの漏洩の発生により生じた、タンク内圧力P1と配管内圧力P2との差圧に応じて、付臭ガスが放出されるとともに、警報部300が作動する。従って、高圧ガスタンク100Eからのガスの漏洩が、嗅覚に加え、視覚や聴覚により検出可能となる。
G.第7実施例:
図14は、本発明の第7実施例としての燃料電池システム1000の構成を示す概略図である。この燃料電池システム1000は、外部負荷(図示せず)の要求に応じて電力を供給する発電システムであり、例えば、燃料電池車両などに搭載される。燃料電池システム1000は、燃料電池400と、酸素供給部500と、第1と第2の高圧ガスタンク100a,100bと、酸素供給部500とを備える。燃料電池400は、反応ガスとして水素と酸素の供給を受けて発電する固体高分子形燃料電池である。なお、燃料電池400としては、他の種々のタイプの燃料電池であっても良い。酸素供給部500は、配管18を介して燃料電池400に酸素を供給する。酸素供給部500は、高圧空気を出力するエアコンプレッサや、供給酸素の湿潤状態を調整するための加湿部などを備えるものとしても良い。
2つの高圧ガスタンク100a,100bはそれぞれ、後述する付臭剤201a,201bが異なる点以外は、第1実施例で説明した高圧ガスタンク100と同様の構成を有している。2つの高圧ガスタンク100a,100bのそれぞれの供給配管10は、主止弁20の下流側において、結合配管17の一端と接続され、結合配管17は、燃料電池400のアノード側に接続される。この構成により、2つの高圧ガスタンク100a,100bは、燃料電池400に貯蔵水素を供給する。
ところで、図14は、燃料電池システム1000の運転が停止されている状態において、第2の高圧ガスタンク100bに破損箇所CRが生じて水素の漏洩が発生している状態を模式的に示している。なお、各配管17,18の一部が破線で図示されているが、これは、各配管17,18におけるガスの供給が停止していることを示している。
この燃料電池システム1000の第1と第2の高圧ガスタンク100a,100bにおけるガス付臭部200a,200bのそれぞれは、異なる付臭成分を有する付臭剤201a,201bを備えている。即ち、第1と第2の高圧ガスタンク100a,100bは、ガスの漏洩に際して放出される付臭ガスの臭いが、それぞれ異なる。従って、水素の漏洩が付臭ガスによって検出された場合に、第1と第2の高圧ガスタンク100a,100bのいずれにおいて水素の漏洩が発生しているのかを、その付臭ガスの臭いによって、判別することが可能である。
このように、この燃料電池システム1000の構成によれば、付臭ガスの放出によって、第1と第2の高圧ガスタンク100a,100bからのガスの漏洩を容易に検出することが可能である。また、付臭ガスの臭いによって、いずれの高圧ガスタンク100a,100bにおいてガスの漏洩が発生しているのかを容易に識別することが可能である。
H.第8実施例:
図15は、本発明の第8実施例としての高圧ガスタンク100Fの構成を示す概略断面図である。この高圧ガスタンク100Fは、以下に説明する点以外は、第1実施例で説明した高圧ガスタンク100と同様である。この高圧ガスタンク100Fは、タンク容器110の外側であって、主止弁20の上流側に、主止弁20と同時に開閉する開閉弁24が設けられている。この開閉弁24は、主止弁20が閉じられたときに、タンク容器110へと水素が逆流することを抑制するためのものである。なお、この高圧ガスタンク100Fでは、タンク容器110内の第1ないし第3の接続配管11,12,13は省略されている。
高圧ガスタンク100Fは、付臭ガスを放出するためのガス付臭部200Fがタンク容器110の外側に配置されている。このガス付臭部200Fは、付臭剤201が収容された密閉容器210Fを備えている。密閉容器210Fには、付臭ガスを外部に放出するための付臭ガス放出配管217が設けられており、付臭ガス放出配管217にはバルブ218が設けられている。バルブ218は、その開閉動作を制御する図示せざる制御部を備えている。
高圧ガスタンク100Fには、さらに、タンク容器110内の圧力を計測するための第1の圧力計測部31と、主止弁20と開閉弁24との間における供給配管10内の圧力を計測するための第2の圧力計測部32とを備える。即ち、第1の圧力計測部31は、上記実施例において説明したタンク内圧力P1に相当する圧力を計測する。一方、第2の圧力計測部32は、上記実施例において説明した配管内圧力P2に相当する圧力を計測する。2つの圧力計測部31,32はそれぞれ、ガス付臭部200のバルブ218の制御部に、各々の計測値を信号線(破線で図示)を介して送信する。バルブ218の制御部は、高圧ガスタンク100Fが外部への水素の供給を停止している状態において、タンク容器110内の圧力が、供給配管10内の圧力より低くなっている場合には、タンク容器110の貯蔵水素の漏洩が発生していると判定する。そして、バルブ218を開き、ガス付臭部200Fから付臭ガスを放出する。なお、バルブ218の制御部は、計測された2つの圧力の差圧が、予め設定された閾値より大きくなったときにバルブ218を開くものとしても良い。
このように、第8実施例の高圧ガスタンク100Fの構成によれば、タンク容器110内の圧力と主止弁20と開閉弁24との間の供給配管10内の圧力の差圧に応じて、ガス付臭部200Fから付臭ガスが放出される。従って、ガスの漏洩によって、タンク容器110内の貯蔵水素の圧力が低下していることを容易に検出することが可能となる。
I.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
I1.変形例1:
上記実施例において、高圧ガスタンク100は、高圧ガスとして水素を貯蔵していた。しかし、貯蔵する高圧としては、水素でなくとも良く、他のガスであっても良い。
I2.変形例2:
上記第1実施例ないし第7実施例において、開閉機構220,220A〜220Eには、バネ機構245に換えて、エアシリンダーなど他の付勢機構が設けられるものとしても良い。また、バネ機構245は省略されるものとしても良い。例えば、開閉機構220は、弁体230と弁箱240との間の摩擦力を利用することにより、弁体230が、タンク内圧力P1と配管内圧力P2との間の圧力差に応じた弁箱240内の所定の位置に停止するように構成されるものとしても良い。
I3.変形例3:
上記第1実施例ないし第7実施例において、開閉機構220,220A〜220Eは、タンク容器110,110B,110Cの外部に配置されるものとしても良い。また、上記第1実施例ないし第7実施例において、開閉機構220,220A〜220Eをタンク容器110の内部に配置する場合には、第2の接続配管12を省略するものとしても良い。
I4.変形例4:
上記第5実施例において、開閉機構220Dの弁体230Dにはガス流路232Dが設けられていたが、ガス流路232Dは省略されても良い。弁体230Dが第2の接続部242側へと移動することによって、密閉容器210Cの開口部212が開放されればよい。
I5.変形例5:
上記第6実施例において、警報部300は、開閉機構220Eが開いて付臭ガスが放出されると同時に、作動していた。しかし、警報部300は、他のタイミングで作動するものとしても良い。例えば、警報部300は、弁体230Eが移動を開始するとともに作動するものとしても良い。このように、警報部300による警報と、付臭ガスによる警報とが段階的に実行せることも可能である。
I6.変形例6:
上記第6実施例において、ガス付臭部200Eは、第5実施例のガス付臭部200Dに警報部300のための端子部321,322が設けられたものであった。しかし、警報部300のための端子部321,322は、上記第1実施例ないし第5実施例におけるガス付臭部200,200A〜200Cのうちのいずれかに設けられるものとしても良い。
I7.変形例7:
上記第7実施例において、燃料電池システム1000は、第1と第2の高圧ガスタンク100a,100bを備えていたが、さらに複数の高圧ガスタンクを備えているものとしても良い。この場合には、各高圧ガスタンクごとに、異なる付臭成分を有する付臭剤が用いられることが好ましい。また、燃料電池システム1000の第1と第2の高圧ガスタンク100a,100bはそれぞれ、第1実施例の高圧ガスタンク100と同様な構成を有していたが、他の実施例の高圧ガスタンクと同様な構成を有するものとしても良い。なお、第1と第2の高圧ガスタンク100a,100bによって構成される水素供給システムは、燃料電池システム1000以外のシステムに搭載されるものとしても良い。
I8.変形例8:
上記第1実施例において、配管内圧力とタンク内圧力の差によって開閉する開閉機構220や、主止弁20、逆止弁22、各接続配管11,12,13が省略されるものとしても良い。ガス付臭部200には、タンク容器110からの高圧ガスの漏洩が検出されたときに開口部212が開放される開閉機構が設けられていれば良い。例えば、外部への高圧ガスの供給が停止されている状態において、タンク容器110内の圧力の低下が検出されたとき、または、タンク容器内の圧力が予め設定された閾値より低下したときに、開口部212を開放する開閉機構が設けられるものとしても良い。即ち、当該開閉機構は、タンク容器110内の圧力を計測する圧力計の計測値に応じて開閉が制御される。このような構成であっても、密閉容器210は、タンク容器110の内部に収容されているため、密閉容器210のために高圧ガスタンク100が大型化してしまうことを抑制できる。また、タンク容器110を加工することなく、ガス付臭部200を高圧ガスタンク100に設けることができるため、ガス付臭部200を設けることによるタンク容器110の強度の低下を抑制できる。さらに、密閉容器210は、タンク容器110内に配置されているため、その破損が抑制され、付臭ガスの漏洩が抑制される。
10,11,12,13,17,18…配管
20…主止弁
22…逆止弁
24…開閉弁
31…第1の圧力計測部
32…第2の圧力計測部
100,100A〜100F,100a,100b…高圧ガスタンク
102,103,104…貫通孔
110,110B,110C…タンク容器
200,200A〜200F,200a,200b…ガス付臭部
201,201a,201b…付臭剤
210,210A,210C,210F…密閉容器
212,212a,212b…開口部
215…付臭ガス放出口
216…リリーフ弁
217…付臭ガス放出配管
218…バルブ
220,220A,220B,220D,220E…開閉機構
230,230B,230D,230E…弁体
232,232B,232D…ガス流路
234…ストッパ機構
240,240A,240B,240D,240E…弁箱
241…第1の接続部
242…第2の接続部
243…開口部
244…ストッパ機構
245…バネ機構
300…警報部
310…電源部
321,322…端子部
400…燃料電池
500…酸素供給部
1000…燃料電池システム
CR…破損箇所
DCL…直流電源ライン

Claims (9)

  1. 高圧ガスタンクであって、
    高圧ガスが封入されるタンク容器と、
    前記タンク容器に接続され、前記高圧ガスを外部へと供給するためのガス供給用配管と、
    前記ガス供給用配管に設けられ、前記高圧ガスの供給を停止するための第1のバルブと、
    前記ガス供給用配管において、前記第1のバルブの下流側に設けられ、前記高圧ガスの供給が停止されたときに、前記高圧ガスが逆流することを抑制するための第2のバルブと、
    容器開口部を有し、付臭剤が封入された付臭剤容器と、
    を備え、
    前記高圧ガスは、前記第1のバルブが閉じられた状態において、前記第1と前記第2のバルブの間における前記ガス供給用配管内に存在する配管内ガスと、前記タンク容器内に存在するタンク内ガスとを含み、
    前記付臭剤容器は、前記容器開口部に、前記配管内ガスの圧力と、前記タンク内ガスの圧力との差によって開閉する開閉機構が設けられている、高圧ガスタンク。
  2. 請求項1に記載の高圧ガスタンクであって、
    前記付臭剤容器は、前記タンク容器内に収容されている、高圧ガスタンク。
  3. 請求項1または請求項2に記載の高圧ガスタンクであって、
    前記開閉機構は、
    ガス流路が設けられた弁体と、
    第1と第2の開口部を有し、前記第1と第2の開口部の間に、前記弁体を収容する弁体収容部と、
    前記第1の開口部と接続され、前記配管内ガスを前記弁体収容部に誘導するためのガス誘導配管と、
    を備え、
    前記弁体収容部は、前記第1と第2の開口部との間において、前記容器開口部と接続されており、
    前記第2の開口部は、前記タンク内ガスが流入可能であり、
    前記弁体は、前記第1の開口部から流入する前記配管内ガスの圧力と、前記第2の開口部から流入する前記タンク内ガスの圧力との圧力差に応じて移動するように配置され、
    前記付臭剤容器は、前記弁体に設けられた前記ガス流路と前記容器開口部とが接続されることによって、前記付臭剤によって付臭された付臭ガスを外部に放出する、高圧ガスタンク。
  4. 請求項3に記載の高圧ガスタンクであって、
    前記開閉機構は、前記弁体を、前記弁体の可動方向に沿って付勢する付勢機構を備える、高圧ガスタンク。
  5. 請求項3または請求項4に記載の高圧ガスタンクであって、
    前記ガス流路は、前記容器開口部と前記第2の開口部とを接続可能に設けられ、
    前記付臭剤容器は、前記ガス流路を介して流入した前記高圧ガスを付臭する、高圧ガスタンク。
  6. 請求項3ないし請求項5のいずれかに記載の高圧ガスタンクであって、
    前記弁体収容部は、前記第1と第2の開口部の間に設けられた、前記付臭ガスを流出させるための第3の開口部を有しており、
    前記ガス流路は、前記容器開口部と、前記第3の開口部とを接続可能に設けられ、
    前記付臭ガスは、前記第3の開口部を介して外部へと流出する、高圧ガスタンク。
  7. 請求項3ないし請求項6のいずれかに記載の高圧ガスタンクであって、
    前記ガス流路は、前記弁体収容部の前記第1と第2の開口部のうちいずれか一方と、前記容器開口部とを接続可能に設けられ、
    前記付臭剤容器は、さらに、前記付臭ガスを前記タンク容器の外部へと流出させるための外部開口部を有しており、
    前記外部開口部は、前記付臭剤容器に前記高圧ガスが流入して、前記付臭剤容器内部の圧力が増加したときに開口する、高圧ガスタンク。
  8. 請求項3ないし請求項7のいずれかに記載の高圧ガスタンクであって、さらに、
    電気によって作動する警報部と、
    配線を介して前記警報部に接続される電源部と、
    を備え、
    前記弁体と前記弁体収容部とにはそれぞれ、前記配線の端子が設けられ、
    前記端子同士は、前記容器開口部が、閉じた状態のときには互いに接触しておらず、前記弁体が移動することにより互いに接触し、前記警報部に前記電源部からの電流を導通させる、高圧ガスタンク。
  9. 高圧ガスを供給する高圧ガス供給システムであって、
    請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の高圧ガスタンクを2つ以上備え、
    前記高圧ガスタンクのそれぞれの前記付臭剤容器には、異なる前記付臭剤が配置されている、高圧ガス供給システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2012005368A1 (ja) 2010-07-08 2012-01-12 株式会社ボナック 遺伝子発現制御のための一本鎖核酸分子
WO2012017919A1 (ja) 2010-08-03 2012-02-09 株式会社ボナック 含窒素脂環式骨格を有する一本鎖核酸分子
KR101289763B1 (ko) * 2011-10-27 2013-07-26 주식회사 엘엔피 자동 소화설비의 부취제 및 소화약제 자동 분사 표시장치

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WO2012017919A1 (ja) 2010-08-03 2012-02-09 株式会社ボナック 含窒素脂環式骨格を有する一本鎖核酸分子
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