JP2010174832A - 小型気化器 - Google Patents
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Abstract
【課題】ベンチュリブロックを備える小型気化器において,コンパクト化と,スロットル弁の軽快な操作性を満足させる。
【解決手段】ピストン型スロットル弁8の端面に,吸気ボア2側に開口する収容凹部15を形成し,スロットル弁8の全閉時,この収容凹部15に収容されるベンチュリブロック17を吸気胴3に固着し,このベンチュリブロック17には,吸気ボア2の上流側及び下流側に連続し得るベンチュリ18を形成し,ベンチュリ18の内径D1を22mm以下に設定した小型気化器であって,スロットル弁8に操作ワイヤ30を接続すると共に,弁筒4内では,この操作ワイヤ30をスロットル弁8の中心軸線Yと平行に配置する一方,スロットル弁8を閉じ方向に付勢する戻しばね28を弁筒4内に収容し,スロットル弁8の外径D3を,ベンチュリ18の内径D1の1.2〜1.4倍に設定した。
【選択図】 図2
【解決手段】ピストン型スロットル弁8の端面に,吸気ボア2側に開口する収容凹部15を形成し,スロットル弁8の全閉時,この収容凹部15に収容されるベンチュリブロック17を吸気胴3に固着し,このベンチュリブロック17には,吸気ボア2の上流側及び下流側に連続し得るベンチュリ18を形成し,ベンチュリ18の内径D1を22mm以下に設定した小型気化器であって,スロットル弁8に操作ワイヤ30を接続すると共に,弁筒4内では,この操作ワイヤ30をスロットル弁8の中心軸線Yと平行に配置する一方,スロットル弁8を閉じ方向に付勢する戻しばね28を弁筒4内に収容し,スロットル弁8の外径D3を,ベンチュリ18の内径D1の1.2〜1.4倍に設定した。
【選択図】 図2
Description
本発明は,内部を吸気ボアとする吸気胴及び,この吸気胴と交差して該吸気胴の一側方に突出する弁筒を有する気化器本体と,前記弁筒内に摺動自在に嵌装されて前記吸気ボアを開閉するピストン型スロットル弁とを備え,前記スロットル弁の端面に,前記吸気ボア側に開口する,前記吸気ボアより大径の円筒状の収容凹部を形成し,前記スロットル弁の全閉時,この収容凹部に嵌合して収容されるベンチュリブロックを前記吸気胴に固着し,このベンチュリブロックには,前記スロットル弁の全開時,前記吸気ボアの上流側及び下流側に連続するベンチュリを形成した気化器に関し,特に,前記ベンチュリの内径を22mm以下に設定した小型気化器に関する。
上記のようにベンチュリブロックを備えた従来の気化器では,下記特許文献1に記載されているように,弁筒に軸支した上下揺動可能な作動レバーの先端にリンクを介してスロットル弁の上端部を連結し,作動レバーを上下揺動によりスロットル弁を強制開閉するようにしている。
実開昭58−14451号公報
ところで,特許文献1記載の形式のものでは,スロットル弁の全開時,ベンチュリブロック内側のベンチュリが前後の吸気ボアに連続することにより,この吸気ボアを通して大量の吸入空気をエンジンにスムーズに供給することを可能にし,エンジンの全負荷出力の向上を図ることができる利点を有する反面,その弁筒にスロットル弁開閉用の作動レバーを軸支する関係から,弁筒を作動レバーの枢軸側に膨出させざるを得ず,気化器が大型化するため,ベンチュリの内径を22mm以下に設定した小型気化器に採用しても,充分なコンパクト化を図ることが困難である。また,作動レバーは,その上下揺動時,その先端が円弧運動をするため,作動レバーからスロットル弁に,その側方への分力が働き,それがスロットル弁及び弁筒間の摩擦抵抗を増加させ,作動レバーの操作荷重を増加させることになる。
本発明は,かゝる事情に鑑みてなされたもので,ベンチュリの内径を22mm以下に設定した小型気化器において,特許文献1記載の形式のものゝ利点を確保しながら,コンパクト化,軽量化及びスロットル弁の軽快な操作性を満足させ得るものを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために,本発明は,内部を吸気ボアとする吸気胴及び,この吸気胴と交差して該吸気胴の一側方に突出する弁筒を有する気化器本体と,前記弁筒内に摺動自在に嵌装されて前記吸気ボアを開閉するピストン型スロットル弁とを備え,前記スロットル弁の端面に,前記吸気ボア側に開口する円筒状の収容凹部を形成し,前記スロットル弁の全閉時,この収容凹部に嵌合して収容されるベンチュリブロックを前記吸気胴に固着し,このベンチュリブロックには,前記スロットル弁の全開時,前記吸気ボアの上流側及び下流側に連続するベンチュリを形成し,前記ベンチュリの内径を22mm以下に設定した小型気化器であって,前記スロットル弁に,牽引操作により該スロットル弁を開き得る操作ワイヤを接続すると共に,前記弁筒内では,この操作ワイヤを前記スロットル弁の中心軸線と平行に配置する一方,前記スロットル弁を閉じ方向に付勢する戻しばねを前記弁筒内に収容し,前記スロットル弁の外径を,前記ベンチュリの内径の1.2〜1.4倍に設定したことを第1の特徴とする。
また,本発明は,第1の特徴に加えて,前記スロットル弁に,前記収容凹部の上方にあって該スロットル弁の中心軸線より前記吸気ボアの下流側にオフセットした位置で前記操作ワイヤを接続したことを第2の特徴とする。
さらに,本発明は,第2の特徴に加えて,前記操作ワイヤの前記スロットル弁との接続位置を,該スロットル弁の軸方向中点より前記操作ワイヤの牽引方向にオフセットさせたことを第3の特徴とする。
本発明の第1の特徴によれば,スロットル弁の全開状態では,スロットル弁が,ベンチュリブロックを吸気ボアの中間部に残して弁筒内に全体的に収められ,ベンチュリブロックのベンチュリが,スロットル弁に何ら干渉されることなく吸気ボアの上流側及び下流側に連続して,大量の吸入空気のスムーズな通過を可能にし,エンジンの全負荷出力を効果的に向上させることができる。
ところで,ベンチュリの内径を22mm以下に設定したこと,並びにスロットル弁の外径をベンチュリの内径の1.2〜1.4倍に設定したことにより,ベンチュリの内径を22mmに設定し,最小許容倍率1.2を採用したときは,スロットル弁の外径は26.4mmとなる。したがって,スロットル弁及びベンチュリブロックの互いに嵌合する部分の最小肉厚を互いに略等しくすると,それぞれの最小肉厚は略1.1mmとなる。スロットル弁及びベンチュリブロックの嵌合隙間を考慮すれば,その値は更に若干小さくなる。この肉厚の値は,上記スロットル弁及びベンチュリブロックの実用強度を確保する上での下限値である。これにより小型気化器の軽量化を効果的に図ることができる。一方,最大許容倍率1.4を採用したきは,スロットル弁の外径は30.8mmとなる。したがって,スロットル弁及びベンチュリブロックの互いに嵌合する部分の最小肉厚を互いに略等しくすると,それぞれの最小肉厚は略2.2mmとなる。而して,スロットル弁の外径30.8mmを超えると,小型気化器の本来のコンパクト化が損なわれ,その上,スロットル弁及びベンチュリブロックのそれぞれの最小肉厚が略2.2mmを超えると,小型気化器の軽量化を満足させ得ず,好ましくない。
加えて,スロットル弁には,牽引操作により該スロットル弁を開き得る操作ワイヤを接続すると共に,弁筒内では,この操作ワイヤを前記スロットル弁の中心軸線と平行に配置したことにより,操作ワイヤの牽引時,その牽引力が,スロットル弁の中心軸線と平行な牽引作用線に沿ってスロットル弁に働き,スロットル弁を傾かせることなく,軽快に開くことができ,スロットル弁の操作荷重の低減を図ることができると共に,弁筒には側方突出部を形成する必要がないから,弁筒を最もコンパクトな円筒状に形成できて,小型気化器のコンパクト化を効果的に図ることができる。
本発明の第2の特徴によれば,エンジンの運転時,スロットル弁がアイドル開度ないし中間開度にあるときは,エンジンの吸気負圧が吸気ボアの下流側から,吸気ボアに露出したスロットル弁に作用して,それを吸気ボアの下流側に引き寄せる荷重が発生しても,操作ワイヤの牽引時,その牽引力が,スロットル弁の中心軸線より吸気ボアの下流側にオフセットした牽引作用線に沿ってスロットル弁に働き,スロットル弁を傾かせることなく,軽快に開くことができ,スロットル弁の操作荷重の一層の低減を図ることができる。
本発明の第3の特徴によれば,操作ワイヤのスロットル弁との接続位置を,スロットル弁の軸方向中点より操作ワイヤの牽引方向にオフセットさせたので,操作ワイヤの牽引力の作用点が上記オフセット位置にくることなり,スロットル弁の傾き防止に寄与し,スロットル弁の操作荷重の更なる低減を図ることができる。
本発明の実施の形態を,添付図面に示す本発明の好適な実施例に基づいて以下に説明する。
図1は本発明の実施例に係る小型気化器の正面図,図2は図1の2−2線断面図(スロットル弁の全閉状態を示す。),図3はスロットル弁の全開状態を示す,図2との対応図,図4は図2の4−4線断面図,図5は図2の5−5線断面図,図6は同小型気化器におけるスロットル弁単体の縦断面図,図7は図6の7矢視図,図8は同小型気化器の一部の分解斜視図である。
先ず,図1〜図4において,本発明の実施例に係る小型気化器Cは,自動二輪車のエンジン用である。この小型気化器Cの気化器本体1は,内部を吸気ボア2とする吸気胴3及び,この吸気胴3とその長手方向中間部で交差して吸気胴3の上方に突出する弁筒4とよりなっており,吸気胴3の下面にはフロートチャンバ5が取り付けられる。このフロートチャンバ5は常時一定レベルの燃料を貯留する。図1において,吸気ボア2の右端側が上流側,左端側がエンジンの吸気ポートに連なる下流側となっており,その上流側には空気取り入れ用のファンネル6が接続される。
一方,弁筒4には,吸気ボア2の内径より大なる外径を有して吸気ボア2を開閉するピストン型のスロットル弁8が摺動自在且つ回転不能に嵌装される。スロットル弁8の回り止めのために,図4に示すように,スロットル弁8の一側面に,スロットル弁8の摺動方向に延びるキー溝9が設けられる一方,そのキー溝9に摺動可能に係合するキー10が弁筒4に固設される。また,弁筒4の上端近傍には,キー10と同位相の位置決めキー11が設けられ,この位置決めキー11は,スロットル弁8の弁筒4への挿入時,キー10に先立ってキー溝9に係合することで,スロットル弁8の嵌合位置を規制するようになっている。
同じく図4に示すように,スロットル弁8には,上記キー溝9と反対側の側面に下向きの斜面13が形成され,この斜面13に当接してスロットル弁8のアイドル開度を決定するアイドル調整ボルト14が弁筒4に進退調節可能に螺着される。
図2,図4及び図6に示すように,さらに,スロットル弁8には,吸気ボア2側に開口する円筒状の収容凹部15が設けられる。
図2〜図4及び図8に示すように,スロットル弁8の全閉時,上記収容凹部15に嵌合して収容される基本形を円筒形とするベンチュリブロック17が吸気胴3に固着される。このベンチュリブロック17は,それをその軸線と直交する方向で貫通して吸気ボア2の上流側及び下流側に連続し得るベンチュリ18を有しており,その下端部には,周囲に突出するフランジ部17aが形成される。
このベンチュリブロック17の下端部は,吸気ボア2の中間部の下面に形成される比較的浅い凹部20に嵌合され,そして複数のビス24によって吸気胴3に固着される。
以上において,図4より明らかなように,ベンチュリ18の内径D1は,22mm以下に設定され,スロットル弁8の外径D3は,上記ベンチュリ18の内径D1の1.2〜1.4倍に設定される。また収容凹部15の内径D2は,収容凹部15の内周面及びベンチュリブロック17の外周面間に微小間隙を得るために,ベンチュリブロック17の外径より僅かに大径に設定される。
吸気胴3には,弁筒4の中心軸線(=スロットル弁8の中心軸線Y)上で,前記フロートチャンバ5内の燃料をベンチュリ18内に噴出し得るメインノズル21が,ベンチュリブロック17の底壁を貫通するようにして吸気胴3に取り付けられる。また,吸気胴3の前記浅い凹部20の底面に,フロートチャンバ5からの燃料を溜める燃料ウェル22が設けられ,この燃料ウェル22の燃料を,メインノズル21より下流側のベンチュリ18に噴出し得る1又は複数のスローポート23がベンチュリブロック17の底壁に設けられる。
スロットル弁8には,ベンチュリブロック17を貫通してメインノズル21に挿入されるニードル弁25が取り付けられる。スロットル弁8及びベンチュリブロック17は,弁筒4の上方開口部から挿入され,その開口部を閉鎖する蓋板26が弁筒4に上端の所定位置に複数のビス27で固着される。スロットル弁8は,その下端部をベンチュリブロック17の前記フランジ部17aに当接させる全閉位置(図2及び図4参照)と,上端部を蓋板26に当接させる全開位置(図4参照)との間で弁筒4内を昇降し得るもので,これを閉じ方向に付勢するコイル状の戻しばね28が弁筒4内に収容され,自動二輪車のアクセルグリップにより牽引操作される操作ワイヤ30がスロットル弁8に接続される。
而して,操作ワイヤ30を戻しばね28の付勢力に抗して牽引すれば,スロットル弁8を開くことができる。特に,図3に示すように,スロットル弁8の全開状態では,スロットル弁8が,ベンチュリブロック17を吸気ボア2の中間部に残して弁筒4内に完全に収容されるので,ベンチュリブロック17のベンチュリ18が,スロットル弁8に何ら干渉されることなく吸気ボア2の上流側及び下流側に連続して,大量の吸入空気のスムーズな通過を可能にするので,エンジンの全負荷出力を効果的に向上させることができる。したがって,この小型気化器Cは,特にレース用自動二輪車のエンジンに使用して,大なる効果を発揮することができる。
ところで,ベンチュリ18の内径D1を22mm以下に設定したこと,並びにスロットル弁8の外径D3をベンチュリ18の内径の1.2〜1.4倍に設定したので,ベンチュリ18の内径D1を最大の22mmに設定し,最小許容倍率1.2を採用したときは,スロットル弁8の外径D3は,22×1.2=26.4mmとなる。したがって,スロットル弁8及びベンチュリブロック17の互いに嵌合する部分の最小の総合肉厚は,(26.4−22)÷2=2.2mmとなり,スロットル弁8及びベンチュリブロック17の嵌合隙間を無視して,それぞれの最小肉厚を互いに略等しくすると,それぞれの最小肉厚は略1.1mmとなる。スロットル弁8及びベンチュリブロック17の嵌合隙間を考慮すれば,その値は更に若干小さくなる。この肉厚の値は,上記スロットル弁8及びベンチュリブロック17の実用強度を確保する上での下限値である。これにより小型気化器Cの軽量化を効果的に図ることができる。一方,最大許容倍率1.4を採用したきは,スロットル弁8の外径D3は,22×1.4=30.8mmとなる。したがって,上記と同様の計算により,スロットル弁8及びベンチュリブロック17のそれぞれの最小肉厚は,略2.2mmとなる。而して,スロットル弁8の外径D3が30.8mmを超えると,小型気化器Cの本来のコンパクト化が損なわれ,その上,スロットル弁8及びベンチュリブロック17のそれぞれの最小肉厚が略2.2mmを超えると,小型気化器Cの軽量化を満足させ得ず,好ましくない。
次に,上記操作ワイヤ30のスロットル弁8との接続構造について,図2,図5〜図8を参照しながら説明する。
操作ワイヤ30の下端部には円筒状の接続端子31が固設される。一方,スロットル弁8には,上記接続端子31が嵌合する接続孔32が,前記収容凹部15の上方にあってスロットル弁8の中心軸線Yより吸気ボア2の下流側に所定距離e1オフセットし,且つスロットル弁8の軸方向中点Oより上方に所定距離e2オフセットした位置に設けられる。また,その接続孔32は,スロットル弁8の前記収容凹部15の天井面に開口する小凹部33の小天井面に開口する。
前記蓋板26には,上記接続孔32と同軸線上に並ぶガイドボス35が上向きに突設される。換言すれば,前記蓋板26の弁筒4への取り付け位置が,接続孔32及びガイドボス35が同軸線上に並ぶように規定される。ガイドボス35は,前記接続端子31の通過を可能すべく内径を充分大きく形成される。前記操作ワイヤ30は,このガイドボス35を貫通して弁筒4外に引出され,自動二輪車のアクセルグリップに接続される。この操作ワイヤ30は,弁筒4外でアウタワイヤ36により往復動作が案内されるもので,そのアウタワイヤ36の一端部を支持するアウタ支持筒37が上記ガイドボス35に進退調節可能に螺着される。こうして,操作ワイヤ30は,弁筒4内では,接続端子31と同様にスロットル弁8の中心軸線Yより吸気ボア2の下流側に所定距離e1オフセットした位置で上記中心軸線Yと平行に配置される。したがって,操作ワイヤ30を牽引したとき,スロットル弁8に対する牽引作用線Fも,スロットル弁8の中心軸線Yより吸気ボア2の下流側に所定距離e1オフセットした位置で上記中心軸線Yと平行となる。
ところで,エンジンの運転時,スロットル弁8がアイドル開度ないし中間開度にあるときは,エンジンの吸気負圧が吸気ボア2の下流側から,吸気ボア2に露出したスロットル弁8に作用して,それを吸気ボア2の下流側に引き寄せる荷重が発生し,その荷重が吸気ボア2の下流側で弁筒4及びスロットル弁8間の摩擦抵抗を増し,スロットル弁8の操作荷重を増加させるが,前述のように,操作ワイヤ30の牽引時,その牽引力が,スロットル弁8の中心軸線Yより吸気ボア2の下流側に所定距離e1オフセットし且つ上記中心軸線Yに平行する牽引作用線Fに沿ってスロットル弁8に働くので,スロットル弁8を傾かせることなく,軽快に上方へ開くことができ,即ちスロットル弁8の操作荷重の低減を図ることができる。
また,操作ワイヤ30のスロットル弁8への接続点,即ちスロットル弁8の接続孔32を,スロットル弁8の軸方向中点より上方位置に設定したことは,操作ワイヤ30の牽引力の作用点がその位置にくることなり,スロットル弁8の傾き防止に寄与し,スロットル弁8の操作荷重の更なる低減を図ることができる。さらに,スロットル弁8の軸方向長さL(図4参照)を,その外径D3よりも充分に長く設定することにより,スロットル弁8の傾き防止を,より図ることができ,スロットル弁8の操作荷重の一層の低減に寄与し得る。
しかも,スロットル弁8の開閉に,弁筒4の上方に延び操作ワイヤ30と,弁筒4内に配設される戻しばねとを使用することにより,弁筒4には側方突出部を形成する必要がないから,弁筒4を最もコンパクトな円筒状に形成できて,ベンチュリ18の内径D1を22mmに設定したことゝ相俟って,小型気化器Cのコンパクト化を効果的に図ることができる。
図2,図6及び図7に明示するように,スロットル弁8には,スロットル弁8の,吸気ボア2下流側の側面から始まり前記接続孔32に達するスリット38が設けられる。また,このスリット38は,スロットル弁8の上端から始まり吸気ボア2の手前で終わっていて,そして溝幅が前記接続孔32の内径より小さく操作ワイヤ30の通過を許容するようになっている。このスリット38は,回転カッタによりスロットル弁8の外側方から切削加工される。このスリット38の途中には,接続端子31の前記小凹部33側への通過を許す透孔39が設けられる。
而して,操作ワイヤ30をスロットル弁8に接続する際には,スロットル弁8の弁筒4への挿入前に,接続端子31を透孔39に通して一旦小凹部33へ移し,その後,操作ワイヤ30をスリット38に沿って接続孔32側に移動すれば,接続端子31は接続孔32の直下にくる。そこで,操作ワイヤ30を引き上げることにより,接続端子31を接続孔32に嵌合することができる。接続孔32の下端部には,接続端子31を受け入れし易くするためのテーパ面が形成される。
接続端子31の接続孔32からの脱出を防ぐために次の手段が講じられる。
即ち,図2,図5,図6及び図8に示すように,スロットル弁8の上端面には,それと同心状で前記接続孔32の外側を通る環状溝40が形成され,この環状溝40に囲繞される円筒状の中心ランド部41に,下端部に環状のフランジ42aを有するハット状の規制部材42が嵌合される。その際,フランジ42aは環状溝40の底面に当接するように配置され,このフランジ42aにより前記戻しばね28の下端が支承される。その結果,フランジ42aは,戻しばね28及びスロットル弁8間に挟持されることになる。
この規制部材42には,その中心部で接続端子31の通過を許す透孔43を持った下向きのボス44と,その透孔43からは半径方向に延びて操作ワイヤ30の通過を許す長孔45と,この長孔45の,透孔39と反対側の端部を前記接続孔32の直上に位置させるように,中心ランド部41側のスリット38に係合する位置決め突起46とが形成される。
而して,規制部材42を中心ランド部41に嵌合する際には,接続端子31をスロットル弁8の接続孔32に嵌合する前に,規制部材42の透孔39に接続端子31を通しておき,その接続端子31を前記接続孔32に嵌合した後,規制部材42を中心ランド部41に嵌合する。そのとき,規制部材42の位置決め突起46が中心ランド部41のスリット38に係合して長孔45の端部が接続孔32の直上にくるように規制部材42を位置決めするので,操作ワイヤ30は,長孔45の端部により,スリット38での外方移動が拘束される。
規制部材42は,上記のように,戻しばね28の下端を支承するばね座と,接続端子31の外れ止めの役割を果たす他,前記ニードル弁25の支持にも寄与する。
即ち,ニードル弁25の上端部には,例えばCリングよりなるフランジ部材48が係止され,このフランジ部材48を受容する凹部49が前記中心ランド部41の上面に設けられ,規制部材42の前記ボス44が,この凹部49の底面にフランジ部材48を押しつけるように配置される。したがって,フランジ部材48は,スロットル弁8及び規制部材42間に挟持されることになる。
こうして,規制部材42は,戻しばね28の下端を支承するばね座,接続端子31の外れ止め,ニードル弁25の支持の三役を果たすことができ,構造の簡素化に寄与し得る。
ところで,操作ワイヤ30のスロットル弁8への接続時に使用するスリット38は,接続孔32及び接続端子31がスロットル弁8の中心軸線Yより吸気ボア2の下流側にオフセット配置されることから,スロットル弁8の,吸気ボア2の下流側の側面に設けられることになるが,そのスリット38の下端は,図2に示すように,スロットル弁8の全閉状態でも吸気ボア2の手前で終わっているので,スリット38が吸気ボアに連通することはなく,スロットル弁8の吸気流量制御機能を損なうことはない。
また,エンジンの急減速運転のため,操作ワイヤ30をスロットル弁8の閉じ方向に戻せば,戻しばね28の付勢力によりスロットル弁8を閉じることができが,操作ワイヤ30の戻し操作が急速のあまり,スロットル弁8の戻しばね28による閉じ動作が遅れた場合には,操作ワイヤ30の接続端子31がスロットル弁8の接続孔32から下方へ離脱するが,操作ワイヤ30の外側方の移動が規制部材42により規制されているので,スロットル弁8の閉じ動作の開始により接続端子は接続孔32に再嵌合することができる。
また,接続端子31は,接続孔32から離脱したとき,収容凹部15の天井面の小凹部33に受容されるので,その後,遅れてスロットル弁8がアイドル位置へと戻るとき,収容凹部15の天井面とベンチュリブロック17の上面との間に接続端子31が侵入することを防ぎ,スロットル弁8のアイドル位置もしくは全閉位置への戻りを確実にすることができる。
本発明は上記実施例に限定されるものではなく,その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。例えば,接続端子31を通過させる透孔38は,上記実施例の場合,スリット38の,環状溝40底壁を通る部分で小凹部33に開口するように設けたが,これをスリット38の,スロットル弁8側壁を通る部分で小凹部33に開口するように設けてもよい。
C・・・・・小型気化器
1・・・・・気化器本体
2・・・・・吸気ボア
3・・・・・吸気胴
4・・・・・弁筒
8・・・・・スロットル弁
15・・・・収容凹部
17・・・・ベンチュリブロック
18・・・・ベンチュリ
28・・・・戻しばね
30・・・・操作ワイヤ
D1・・・・ベンチュリの内径
D3・・・・スロットル弁の外径
e1・・・・オフセット距離
e2・・・・オフセット距離
O・・・・・スロットル弁の軸方向中点
Y・・・・・スロットル弁の中心軸線
1・・・・・気化器本体
2・・・・・吸気ボア
3・・・・・吸気胴
4・・・・・弁筒
8・・・・・スロットル弁
15・・・・収容凹部
17・・・・ベンチュリブロック
18・・・・ベンチュリ
28・・・・戻しばね
30・・・・操作ワイヤ
D1・・・・ベンチュリの内径
D3・・・・スロットル弁の外径
e1・・・・オフセット距離
e2・・・・オフセット距離
O・・・・・スロットル弁の軸方向中点
Y・・・・・スロットル弁の中心軸線
Claims (3)
- 内部を吸気ボア(2)とする吸気胴(3)及び,この吸気胴(3)と交差して該吸気胴(3)の一側方に突出する弁筒(4)を有する気化器本体(1)と,前記弁筒(4)内に摺動自在に嵌装されて前記吸気ボア(2)を開閉するピストン型スロットル弁(8)とを備え,前記スロットル弁(8)の端面に,前記吸気ボア(2)側に開口する円筒状の収容凹部(15)を形成し,前記スロットル弁(8)の全閉時,この収容凹部(15)に嵌合して収容されるベンチュリブロック(17)を前記吸気胴(3)に固着し,このベンチュリブロック(17)には,前記スロットル弁(8)の全開時,前記吸気ボア(2)の上流側及び下流側に連続するベンチュリ(18)を形成し,前記ベンチュリ(18)の内径(D1)を22mm以下に設定した小型気化器であって,
前記スロットル弁(8)に,牽引操作により該スロットル弁(8)を開き得る操作ワイヤ(30)を接続すると共に,前記弁筒(4)内では,この操作ワイヤ(30)を前記スロットル弁(8)の中心軸線(Y)と平行に配置する一方,前記スロットル弁(8)を閉じ方向に付勢する戻しばね(28)を前記弁筒(4)内に収容し,前記スロットル弁(8)の外径(D3)を,前記ベンチュリ(18)の内径(D1)の1.2〜1.4倍に設定したことを特徴とする小型気化器。 - 請求項1記載の小型気化器において,
前記スロットル弁(8)に,前記収容凹部(15)の上方にあって該スロットル弁(8)の中心軸線(Y)より前記吸気ボア(2)の下流側にオフセット(e1)した位置で前記操作ワイヤ(30)を接続したことを特徴とする小型気化器。 - 請求項2記載の小型気化器において,
前記操作ワイヤ(30)の前記スロットル弁(8)との接続位置を,該スロットル弁(8)の軸方向中点(O)より前記操作ワイヤ(30)の牽引方向にオフセット(e2)させたことを特徴とする小型気化器。
Priority Applications (3)
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2016183639A (ja) * | 2015-03-26 | 2016-10-20 | 本田技研工業株式会社 | 内燃機関における吸気構造 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPS50152018U (ja) * | 1974-06-04 | 1975-12-17 | ||
JPS5814451U (ja) * | 1981-07-21 | 1983-01-29 | 株式会社京浜精機製作所 | 気化器の連結装置 |
-
2009
- 2009-01-30 JP JP2009020638A patent/JP2010174832A/ja active Pending
Patent Citations (2)
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