JP2010173586A - サスペンション制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両の振動を良好に抑制することができるサスペンション制御装置を提供する。
【解決手段】必要減衰力算出部14から受ける必要減衰力算出部出力信号(減衰力対応電流)の出力を上限制約値(最大値)及び下限制約値(最小値)を定めて行う電流制約器15の後段に、ローパスフィルタ16を設ける。ローパスフィルタ16の信号処理により、ローパスフィルタ16が出力する信号(フィルタ後指令電流。指令電流)には、ばね上共振周波数成分、ひいては乗心地に悪影響を及ぼす高域周波数成分が除去された状態になり、フィルタ後指令電流‐時間特性が滑らかなものになる。このため、従来技術で起こりえた、指令電流の急激な変化を回避でき、これにより、ばね上加速度特性が滑らかなものになり、ジャーク(過度な加加速度、即ち過度な加速度の変化)の発生を低減できる。
【選択図】図2
【解決手段】必要減衰力算出部14から受ける必要減衰力算出部出力信号(減衰力対応電流)の出力を上限制約値(最大値)及び下限制約値(最小値)を定めて行う電流制約器15の後段に、ローパスフィルタ16を設ける。ローパスフィルタ16の信号処理により、ローパスフィルタ16が出力する信号(フィルタ後指令電流。指令電流)には、ばね上共振周波数成分、ひいては乗心地に悪影響を及ぼす高域周波数成分が除去された状態になり、フィルタ後指令電流‐時間特性が滑らかなものになる。このため、従来技術で起こりえた、指令電流の急激な変化を回避でき、これにより、ばね上加速度特性が滑らかなものになり、ジャーク(過度な加加速度、即ち過度な加速度の変化)の発生を低減できる。
【選択図】図2
Description
本発明は、サスペンション制御装置に関する。
従来、走行状態に応じてダンパの減衰力を調整することよって車体の制振を行ういわゆるセミアクティブダンパ制御型のサスペンション制御装置が知られている。このサスペンション制御装置は、車両の車体と車輪との間に介装された減衰力調整式のダンパと、その減衰力を切換えるアクチュエータと、車体の上下加速度を検出するばね上加速度センサと、ばね上加速度センサの検出に基づいてアクチュエータに制御信号を供給するコントローラとを備えている。そして、コントローラは、例えばスカイフック理論に基づいて、ばね上加速度センサによって検出した車体のばね上加速度から目標減衰力を演算して、制御電流をアクチュエータに供給することによって減衰力調整式ダンパの減衰力を目標減衰力に切換える。このようにして、走行状態に応じて減衰力調整式ダンパの減衰力を切換えることによって車体の制振を行うことができ、乗り心地及び操縦安定性を向上させることができる。
このとき、アクチュエータの仕様などによって、供給電流に制約が設けられる場合がある。この場合の対策としては、次のようなサスペンション制御装置が知られている(特許文献1参照)。即ち、例えば図9に示すように、減衰力に対応した電流(以下、適宜、減衰力対応電流という。)が予め定めた制約値(便宜上、図9上側、下側の制約値を上限、下限制約値という。)を超える領域の電流値については、前記制約値(上限、下限制約値)を減衰力対応電流とするように制約を行う。換言すれば、指令電流に対して飽和関数を用いて制約を加えるということである。そして、この制約により得られる電流(減衰力対応電流)をダンパに対する指令電流(調整信号)として用いて減衰力の調整制御を行う。
ところで、上述した従来技術では、ダンパの減衰力の調整制御時に指令電流が急激に飽和する場合、指令電流の急激な変化がばね上加速度に影響し、例えば図10に示すように、ばね上加速度が大きく変化し、ばね上共振以上の周波数領域での振動成分が増加し、乗心地を悪化させることが起こりえた。
本発明は、車両の振動を良好に抑制することができるサスペンション制御装置を提供することを目的とする。
本発明は、車両の振動を良好に抑制することができるサスペンション制御装置を提供することを目的とする。
本発明は、車体と車輪との間に介在される減衰力調整式緩衝器の減衰力特性を調整信号により調整するサスペンション制御装置であって、前記車体の振動を検出する振動検出手段と、該振動検出手段により検出された振動に基づいて該振動を抑制するために必要な減衰力を算出する必要減衰力算出手段と、該必要減衰力算出手段が算出した必要減衰力に応じた電流に相当する減衰力対応電流の出力を、最大値及び最小値を定めて行う電流制約器と、該電流制約器からの前記減衰力対応電流に対してローパスフィルタ処理を行って得られる電流信号を前記調整信号として出力するローパスフィルタと、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、車両の振動を良好に抑制することができる。
以下、本発明の第1実施形態に係るサスペンション制御装置を図1〜図5に基づいて説明する。
図1は、第1実施形態に係るサスペンション制御装置を模式的に示す図である。図2は、図1のサスペンション制御装置が採用するコントローラを模式的に示すブロック図である。図3は、図2のローパスフィルタの処理により得られる指令電流-時間特性の一例を示す図である。図4は、第1実施形態に係るサスペンション制御装置により得られるばね上加速度を示す図である。図5は、第1、第2実施形態、一般的な制御装置を夫々搭載した各車両を対象にしたPSD計測試験の結果を示す図である。
図1は、第1実施形態に係るサスペンション制御装置を模式的に示す図である。図2は、図1のサスペンション制御装置が採用するコントローラを模式的に示すブロック図である。図3は、図2のローパスフィルタの処理により得られる指令電流-時間特性の一例を示す図である。図4は、第1実施形態に係るサスペンション制御装置により得られるばね上加速度を示す図である。図5は、第1、第2実施形態、一般的な制御装置を夫々搭載した各車両を対象にしたPSD計測試験の結果を示す図である。
図1において、第1実施形態に係るサスペンション制御装置1を搭載する自動車2を構成する車体3(ばね上部材)と4個(図には一つのみを示す。)の車輪4側(ばね下部材。車軸のダンパ取付けブラケット等)との間には、ばね5と、減衰特性を調整可能なダンパ6(減衰力調整式緩衝器)と、が並列に介在されている。
ダンパ6の本体(ダンパ本体)6a内には移動可能にピストン7が収納され、ピストン7に連結したピストンロッド8が車体3に保持され、ダンパ本体6aが車輪4側に保持されている。
車体3には、車体3に作用するばね上加速度を検出する加速度センサ9(振動検出手段)が取付けられている。加速度センサ9及びダンパ6には、加速度センサ9により検出されたばね上加速度に基づいて車体3の振動を抑制するために必要な減衰力を算出し、この減衰力に基づいて後述するように得られる指令電流(調整信号)により、ダンパ6の減衰力特性を調整するコントローラ10が接続されている。
ダンパ6の本体(ダンパ本体)6a内には移動可能にピストン7が収納され、ピストン7に連結したピストンロッド8が車体3に保持され、ダンパ本体6aが車輪4側に保持されている。
車体3には、車体3に作用するばね上加速度を検出する加速度センサ9(振動検出手段)が取付けられている。加速度センサ9及びダンパ6には、加速度センサ9により検出されたばね上加速度に基づいて車体3の振動を抑制するために必要な減衰力を算出し、この減衰力に基づいて後述するように得られる指令電流(調整信号)により、ダンパ6の減衰力特性を調整するコントローラ10が接続されている。
コントローラ10は、図2に示すように、積分器11と、スカイフック制御部12及び減衰力‐速度特性マップ記憶部13からなる必要減衰力算出部14(必要減衰力算出手段)と、電流制約器15と、ローパスフィルタ16と、を備えている。
ローパスフィルタ16は、所定の周波数(例えば、ばね上共振周波数に相当する略1Hzの周波数)の信号を、それよりも高い信号と比較して、多く通過させる振幅特性を有するフィルタであれば良い。その位相特性(フィルタを通過する前後の信号の位相差に関する周波数依存性)は特に限定されない。すなわち、周波数によらず入出力信号の位相差が一定であっても良く、周波数に応じて位相差が変動しても良い。ただし、低い周波数における位相差が小さいほど、制御性が高くなる。
積分器11は、加速度センサ9からの上下加速度に対して積分処理を行って上下方向の速度(以下、適宜、単に速度という。)を算出する。
ローパスフィルタ16は、所定の周波数(例えば、ばね上共振周波数に相当する略1Hzの周波数)の信号を、それよりも高い信号と比較して、多く通過させる振幅特性を有するフィルタであれば良い。その位相特性(フィルタを通過する前後の信号の位相差に関する周波数依存性)は特に限定されない。すなわち、周波数によらず入出力信号の位相差が一定であっても良く、周波数に応じて位相差が変動しても良い。ただし、低い周波数における位相差が小さいほど、制御性が高くなる。
積分器11は、加速度センサ9からの上下加速度に対して積分処理を行って上下方向の速度(以下、適宜、単に速度という。)を算出する。
必要減衰力算出部14の減衰力‐速度特性マップ記憶部13は、電流値をパラメータとして示されるダンパ6の減衰力‐速度特性をマップ形式で格納(この格納内容を、以下、減衰力‐速度特性マップという。)している。本実施形態では、大略、減衰力‐速度特性マップにおける電流値(パラメータ)が小さい場合がハード特性を示し、大きい場合がソフト特性を示し、電流値が最大値から小さくなるに従い、減衰力特性がハード状態になるようにしている。
必要減衰力算出部14のスカイフック制御部12は、積分器11から入力を受ける速度データに基づいて、車体3に作用する振動を抑制するために必要な減衰力(必要減衰力)ひいては当該必要減衰力に対応する電流(減衰力対応電流)を減衰力‐速度特性マップ記憶部13の格納情報から求める。そして、必要減衰力算出部14は、スカイフック制御部12が減衰力‐速度特性マップ記憶部13と協働して求めた前記減衰力対応電流を必要減衰力算出部出力信号として出力する。
必要減衰力算出部出力信号は、加速度センサ9が検出した上下加速度ひいては上下加速度の周波数成分を反映したものになっている。
必要減衰力算出部14のスカイフック制御部12は、積分器11から入力を受ける速度データに基づいて、車体3に作用する振動を抑制するために必要な減衰力(必要減衰力)ひいては当該必要減衰力に対応する電流(減衰力対応電流)を減衰力‐速度特性マップ記憶部13の格納情報から求める。そして、必要減衰力算出部14は、スカイフック制御部12が減衰力‐速度特性マップ記憶部13と協働して求めた前記減衰力対応電流を必要減衰力算出部出力信号として出力する。
必要減衰力算出部出力信号は、加速度センサ9が検出した上下加速度ひいては上下加速度の周波数成分を反映したものになっている。
電流制約器15は、必要減衰力算出部14から入力される必要減衰力算出部出力信号(減衰力対応電流)の出力を、上限制約値(最大値)及び下限制約値(最小値)を定めて行う。即ち、電流制約器15は、必要減衰力算出部14から入力される必要減衰力算出部出力信号の大きさに応じて、以下の(i)〜(iii)項に示す処理を行い、大きさが下限制約値から上限制約値までの範囲の電流(減衰力対応電流)を出力しダンパ6側への出力電流(後述する制約器出力信号)の大きさを制限するようにしている。
(i) 必要減衰力算出部出力信号の大きさが下限制約値から上限制約値までの範囲の値である場合、同等の大きさの電流を制約器出力信号として出力する。
(ii) 必要減衰力算出部出力信号の大きさが上限制約値を超える場合には、前記上限制約値を制約器出力信号として出力する。
(iii) 必要減衰力算出部出力信号の大きさが下限制約値を超える場合には、前記下限制約値を制約器出力信号として出力する。
前記制約器出力信号を、適宜、制約後指令電流という。また前記必要減衰力算出部出力信号を、適宜、制約前指令電流という。
(ii) 必要減衰力算出部出力信号の大きさが上限制約値を超える場合には、前記上限制約値を制約器出力信号として出力する。
(iii) 必要減衰力算出部出力信号の大きさが下限制約値を超える場合には、前記下限制約値を制約器出力信号として出力する。
前記制約器出力信号を、適宜、制約後指令電流という。また前記必要減衰力算出部出力信号を、適宜、制約前指令電流という。
ローパスフィルタ16は、電流制約器15からの前記制約後指令電流(制約器出力信号)のうち特定の閾値よりも高い周波数成分(高域周波数成分)を減衰させて遮断し、低い周波数成分(低域周波数成分)を通過させるようにして、フィルタ後指令電流(調整信号に相当する)を得(即ち、ローパスフィルタ処理を行い)、このフィルタ後指令電流をダンパ6(より詳しくは図示しないアクチュエータ)に出力する。そして、前記アクチュエータがフィルタ後指令電流の入力を受けることにより、ダンパ6の減衰力特性が前記指令電流に基づいて調整される。
上述した従来技術に係る装置(以下、標準装置という。)は、ばね上共振加振の際、指令電流が減衰力ソフトを示す電流〔上限制約値(最大値)〕から減衰力ハードを示す電流〔下限制約値(最小値)〕へ急激に変化し、例えば図9に示すように、減衰力ハードで指令電流が飽和状態(下限制約値)に達してしまうと、図10に示すように、上下加速度の変化〔上下加速度の時間変化率(上下加加速度)〕、いわゆるジャークが大きくなり、乗心地を悪化させることが起こりえた。
これに対して、第1実施形態に係るサスペンション制御装置1によれば、必要減衰力算出部14から受ける必要減衰力算出部出力信号(減衰力対応電流)の出力を上限制約値(最大値)及び下限制約値(最小値)を定めて行う電流制約器15の後段に、ローパスフィルタ16を設けている。そして、ローパスフィルタ16の信号処理により、ローパスフィルタ16が出力する信号(フィルタ後指令電流。指令電流)には、ばね上共振周波数成分、ひいては乗心地に悪影響を及ぼす高域周波数成分が除去された状態になり、図3に示すように、その特性曲線〔指令電流-時間特性(フィルタ後指令電流-時間特性)〕が滑らかなものになる。このため、上記標準装置で起こりえた、指令電流の急激な変化(図9参照)を回避でき、これにより、本第1実施形態が得るばね上加速度特性は、図4に示すようになり、標準装置により得られる図10に示すばね上加速度特性と対比して明らかなように、ジャーク(加加速度、即ち加速度の時間変化率)の大きさを低減できる。
本願発明者等は、第1実施形態に係るサスペンション制御装置1の効果を確認するべく、本実施形態に係るサスペンション制御装置1を搭載した車両(自動車2。以下、便宜上、第1実施形態車両という。〕、及び前記標準装置を搭載した車両(以下、標準車両という。)を対象にして、うねり路及び悪路を含む走行路で走行し、ばね上加速度のパワースペクトル密度〔PSD(Power spectral density)〕の計測試験を行った。
このPSD計測試験により、図5に示すように、第1実施形態車両は、図5中に点線で示すPSD特性(以下、第1実施形態PSD特性という。)を得、標準車両は、図5中に破線で示すPSD特性(以下、標準車両PSD特性という。)を得た。
このPSD計測試験により、図5に示すように、第1実施形態車両は、図5中に点線で示すPSD特性(以下、第1実施形態PSD特性という。)を得、標準車両は、図5中に破線で示すPSD特性(以下、標準車両PSD特性という。)を得た。
そして、図5の第1実施形態PSD特性(点線)及び標準車両PSD特性(破線)を対比して明らかなように、一般的な走行において乗心地に大きく関係するばね上共振周波数(略1Hz)からばね下共振周波数(略10Hz)の範囲の大部分において第1実施形態PSD特性の値(PSD)が標準車両PSD特性の値(PSD)より小さく、ジャークの発生を低減でき、乗心地を向上できることを示す結果が得られ、第1実施形態に係るサスペンション制御装置1の効果を確認することができた。
第1実施形態は、上述したように一般的な走行(乗心地に大きく関係するばね上共振周波数からばね下共振周波数の範囲となる走行)においてジャークの発生を低減でき、乗心地を向上できるものになっている。
しかしながら、第1実施形態では、ばね下共振周波数を超える周波数帯域においてPSDの低減効果が抑制されたものになっている。
この原因は、図3に示すように減衰力ハード(指令電流小)から減衰力ソフト(指令電流大)に変化するときも指令電流特性が滑らかになり、これにより、減衰力特性がソフト状態になってほしいときに、ソフト状態になるタイミングが遅れることにある。このことを示す一例を図6に示す。
図6は、第1実施形態(ローパスフィルタ16を有している。)を搭載した車両(第1実施形態車両)を対象にして、乗心地を左右する4Hz加振試験を行った際に得られる指令電流−時間特性を示す図である。
しかしながら、第1実施形態では、ばね下共振周波数を超える周波数帯域においてPSDの低減効果が抑制されたものになっている。
この原因は、図3に示すように減衰力ハード(指令電流小)から減衰力ソフト(指令電流大)に変化するときも指令電流特性が滑らかになり、これにより、減衰力特性がソフト状態になってほしいときに、ソフト状態になるタイミングが遅れることにある。このことを示す一例を図6に示す。
図6は、第1実施形態(ローパスフィルタ16を有している。)を搭載した車両(第1実施形態車両)を対象にして、乗心地を左右する4Hz加振試験を行った際に得られる指令電流−時間特性を示す図である。
前記4Hz加振試験において得られる指令電流−時間特性(図6)における指令電流は完全にソフト状態になっていない。つまり、指令電流が、減衰力ソフトに対応する電流値(第1実施形態では最大値)で一定していないのである。
このように、高周波数領域(例えば4Hz以上の領域)において減衰力がソフトになっていないため、図5に点線(第1実施形態PSD特性)で示されるように、ばね下共振周波数を超える周波数帯域においてPSDの低減効果が抑制されることになる。
このように、高周波数領域(例えば4Hz以上の領域)において減衰力がソフトになっていないため、図5に点線(第1実施形態PSD特性)で示されるように、ばね下共振周波数を超える周波数帯域においてPSDの低減効果が抑制されることになる。
前記第1実施形態に係るサスペンション制御装置1における前記PSDの低減効果に抑制に対して、図7及び図8に示す装置(第2実施形態)により、その改善を図ることができる。第2実施形態に係るサスペンション制御装置1Aは、図7に示すように、第1実施形態に比して、次に(ア)〜(ウ)項に示す事項が主に異なっている。
(ア) 電流制約器15に代えて、2つの電流制約器(以下、第1、第2電流制約器15a,15bという。)を設けたこと、
(イ) ローパスフィルタ16を第1、第2電流制約器15a,15b間に介在させたこと、
(ウ) 電流制約器15が、必要減衰力算出部14から受ける減衰力対応電流の出力を、最大値及び最小値を定めて行うのに対して、第1電流制約器15aが、必要減衰力算出部14から受ける必要減衰力に応じた電流に相当する減衰力対応電流の出力を、上限制約値(最大値)及び下限制約値(最小値)のうち一方である下限制約値を定めて行い、第2電流制約器15bが、ローパスフィルタ16から受ける減衰力対応電流の出力を、上限制約値(最大値)及び下限制約値(最小値)のうち他方である上限制約値(最大値)を定めて行うこと、
本第2実施形態では、ローパスフィルタが入力を受ける信号(第1電流制約器の出力信号)が減衰力対応電流を構成し、第2電流制約器15bの出力信号が調整信号を構成している。
(イ) ローパスフィルタ16を第1、第2電流制約器15a,15b間に介在させたこと、
(ウ) 電流制約器15が、必要減衰力算出部14から受ける減衰力対応電流の出力を、最大値及び最小値を定めて行うのに対して、第1電流制約器15aが、必要減衰力算出部14から受ける必要減衰力に応じた電流に相当する減衰力対応電流の出力を、上限制約値(最大値)及び下限制約値(最小値)のうち一方である下限制約値を定めて行い、第2電流制約器15bが、ローパスフィルタ16から受ける減衰力対応電流の出力を、上限制約値(最大値)及び下限制約値(最小値)のうち他方である上限制約値(最大値)を定めて行うこと、
本第2実施形態では、ローパスフィルタが入力を受ける信号(第1電流制約器の出力信号)が減衰力対応電流を構成し、第2電流制約器15bの出力信号が調整信号を構成している。
第2実施形態に係るサスペンション制御装置1Aを搭載した車両(第2実施形態車両という。)を対象にして、乗心地を左右する4Hz加振試験を行うことによって、図8に示す指令電流−時間特性が得られた。
図8を、図6と比較することから明らかなように、第2実施形態によれば、4Hz加振における指令電流−時間特性は、大きな変化を呈することがなく、ソフト状態を維持することができる。これは、上記構成としたことにより、減衰力特性がソフト状態になってほしいときに、ソフト状態になるタイミングが遅れないためである。
図8を、図6と比較することから明らかなように、第2実施形態によれば、4Hz加振における指令電流−時間特性は、大きな変化を呈することがなく、ソフト状態を維持することができる。これは、上記構成としたことにより、減衰力特性がソフト状態になってほしいときに、ソフト状態になるタイミングが遅れないためである。
また、第1実施形態車両及び標準車両の場合と同様に、第2実施形態車両を対象にして、うねり路及び悪路を含む走行路で走行し、ばね上加速度のPSDの計測試験を行った。
このPSD計測試験により、図5に示すように、第2実施形態車両は、図5実線で示すPSD特性(以下、第2実施形態PSD特性という。)を得た。
そして、図5の第1実施形態PSD特性及び標準車両PSD特性を対比して明らかなように、ばね上共振周波数(略1Hz)からばね下共振周波数(略10Hz)の範囲のみならず、ばね上共振周波数未満の周波数領域及びばね下共振周波数を超える周波数領域の大部分において、第2実施形態PSD特性の値(PSD)が、第1実施形態PSD特性の値(PSD)及び標準車両PSD特性の値(PSD)より小さく、ジャークの発生を低減でき、乗心地を向上できることを示す結果が得られ、第2実施形態に係るサスペンション制御装置1の効果を確認することができた。これは、上記構成としたことにより、減衰特性をハードからソフトに切り替える場合は短時間で、ソフトからハードに切換える場合は滑らかに行なうことができるためである。
このPSD計測試験により、図5に示すように、第2実施形態車両は、図5実線で示すPSD特性(以下、第2実施形態PSD特性という。)を得た。
そして、図5の第1実施形態PSD特性及び標準車両PSD特性を対比して明らかなように、ばね上共振周波数(略1Hz)からばね下共振周波数(略10Hz)の範囲のみならず、ばね上共振周波数未満の周波数領域及びばね下共振周波数を超える周波数領域の大部分において、第2実施形態PSD特性の値(PSD)が、第1実施形態PSD特性の値(PSD)及び標準車両PSD特性の値(PSD)より小さく、ジャークの発生を低減でき、乗心地を向上できることを示す結果が得られ、第2実施形態に係るサスペンション制御装置1の効果を確認することができた。これは、上記構成としたことにより、減衰特性をハードからソフトに切り替える場合は短時間で、ソフトからハードに切換える場合は滑らかに行なうことができるためである。
上記実施形態では、スカイフック制御部12を備え、スカイフック制御系に用いられる場合を例にしたが、本願発明は、これに限られず、LQ制御系などの他の制御系に用いるように構成しても良い。
1…サスペンション制御装置、6…ダンパ(減衰力調整式緩衝器)、9…加速度センサ(振動検出手段)、14…必要減衰力算出部(必要減衰力算出手段)、15…電流制約器、16…ローパスフィルタ。
Claims (2)
- 車体と車輪との間に介在される減衰力調整式緩衝器の減衰力特性を調整信号により調整するサスペンション制御装置であって、
前記車体の振動を検出する振動検出手段と、
該振動検出手段により検出された振動に基づいて該振動を抑制するために必要な減衰力を算出する必要減衰力算出手段と、
該必要減衰力算出手段が算出した必要減衰力に応じた電流に相当する減衰力対応電流の出力を、最大値及び最小値を定めて行う電流制約器と、
該電流制約器からの前記減衰力対応電流に対してローパスフィルタ処理を行って得られる電流信号を前記調整信号として出力するローパスフィルタと、
を備えたことを特徴とするサスペンション制御装置。 - 車体と車輪との間に介在される減衰力調整式緩衝器の減衰力特性を調整信号により調整するサスペンション制御装置であって、
前記車体の振動を検出する振動検出手段と、
該振動検出手段により検出された振動に基づいて該振動を抑制するために必要な減衰力を算出する必要減衰力算出手段と、
該必要減衰力算出手段が算出した必要減衰力に応じた電流に相当する減衰力対応電流の出力を、最大値及び最小値のうち減衰力特性をハード特性とする一方を定めて行う第1電流制約器と、
該第1電流制約器からの前記減衰力対応電流に対してローパスフィルタ処理を行ってフィルタ信号を出力するローパスフィルタと、
該ローパスフィルタからのフィルタ信号の出力を、最大値及び最小値のうち減衰力特性をソフト特性とする他方を定めて行う第2電流制約器と、
を備え、前記第2電流制約器の出力信号を前記調整信号とすることを特徴とするサスペンション制御装置。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013224130A (ja) * | 2012-03-23 | 2013-10-31 | Nissan Motor Co Ltd | 車両の制御装置及び車両の制御方法 |
JP2013224129A (ja) * | 2012-03-23 | 2013-10-31 | Nissan Motor Co Ltd | 車両の制御装置及び車両の制御方法 |
WO2013161637A1 (ja) * | 2012-04-26 | 2013-10-31 | 日産自動車株式会社 | 車両の制御装置及び車両の制御方法 |
-
2009
- 2009-01-30 JP JP2009020762A patent/JP2010173586A/ja active Pending
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