JP2010173315A - スリーブ印刷版用版胴、缶の印刷装置及び缶の印刷方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】軸線方向長さが被印刷物及びスリーブ印刷版用版胴よりも短く設定されたスリーブ印刷版を、被印刷物の印刷位置に応じた軸線方向位置に固定することが可能なスリーブ印刷版用版胴、このスリーブ印刷版用版胴を備えた缶の印刷装置及びこのスリーブ印刷版用版胴を用いた缶の印刷方法を提供する。
【解決手段】軸線Nに沿って延びる円筒面を有し、この円筒面に円筒状をなすスリーブ印刷版30が着脱可能に取り付けられるスリーブ印刷版用版胴40であって、前記円筒面には、スリーブ印刷版30の軸線N方向位置を案内する位置決め手段45が設けられており、この位置決め手段45は、スリーブ印刷版30を異なった2つ以上の軸線N方向位置に案内可能な構成とされていることを特徴とする。
【選択図】図8
【解決手段】軸線Nに沿って延びる円筒面を有し、この円筒面に円筒状をなすスリーブ印刷版30が着脱可能に取り付けられるスリーブ印刷版用版胴40であって、前記円筒面には、スリーブ印刷版30の軸線N方向位置を案内する位置決め手段45が設けられており、この位置決め手段45は、スリーブ印刷版30を異なった2つ以上の軸線N方向位置に案内可能な構成とされていることを特徴とする。
【選択図】図8
Description
本発明は、円筒状をなすスリーブ印刷版が着脱可能に取り付けられるスリーブ印刷版用版胴、このスリーブ印刷版用版胴を備えた缶の印刷装置及びこのスリーブ印刷版用版胴を用いた缶の印刷方法に関するものである。
前述のスリーブ印刷版は、円筒状をなすスリーブ体と、このスリーブ体の外周面に形成された凸版と、を備えている。このスリーブ印刷版は、例えば特許文献1に記載されているように、フレキソ印刷、凸版印刷の分野において広く使用されている。また、特許文献2に記載されているように、缶等の円筒物に対するオフセット印刷の分野においても、スリーブ印刷版が適用されている。
また、スリーブ印刷版では、凸版の画像パターンの周方向位置がスリーブ体上で予め設定されているので、スリーブ体と印刷装置の版胴との位置合わせを行うことで画像パターンの見当合わせを行うことができ、画像パターンの交換作業に掛かる時間と労力を大幅に削減することが可能となる。
また、スリーブ印刷版では、凸版の画像パターンの周方向位置がスリーブ体上で予め設定されているので、スリーブ体と印刷装置の版胴との位置合わせを行うことで画像パターンの見当合わせを行うことができ、画像パターンの交換作業に掛かる時間と労力を大幅に削減することが可能となる。
ここで、前述のスリーブ印刷版においては、スリーブ体の一部に、前記軸線方向端部に向けて開口したガイド切欠部が設けられており、このガイド切欠部が前記版胴に設けられたピン部材と係合することによって、スリーブ印刷版と版胴との周方向の相対位置及び軸線方向の相対位置が決定される構成とされている。
ところで、前述のスリーブ印刷版を用いた缶の印刷においては、印刷を行う缶の缶軸方向全体がスリーブ印刷版に接触するように構成されており、缶の缶軸方向長さに応じて、使用されるスリーブ印刷版及び版胴の軸線方向長さが設定されていた。よって、缶のデザイン等の関係から缶軸方向の一部のみに画像パターンを印刷する場合であっても、缶の缶軸方向長さに対応するスリーブ印刷版を形成し、このスリーブ印刷版の軸線方向の一部にのみ凸版を形成していた。このため、スリーブ印刷版の長さが、実際に印刷に用いられる凸版に対して長くなり、スリーブ印刷版の製造コストが上昇してしまうといった問題があった。
また、印刷を施す缶の缶軸方向長さに応じて、版胴とスリーブ印刷版とを準備する必要があり、これらの製作コストや管理コストが大幅に上昇してしまうことになる。
また、印刷を施す缶の缶軸方向長さに応じて、版胴とスリーブ印刷版とを準備する必要があり、これらの製作コストや管理コストが大幅に上昇してしまうことになる。
本発明は、前述の事情に鑑みてなされたものであって、軸線方向長さが被印刷物及びスリーブ印刷版用版胴よりも短く設定されたスリーブ印刷版を、被印刷物の印刷位置に応じた軸線方向位置に固定することが可能なスリーブ印刷版用版胴、このスリーブ印刷版用版胴を備えた缶の印刷装置及びこのスリーブ印刷版用版胴を用いた缶の印刷方法を提供することを目的としている。
前述の課題を解決するために、本発明に係るスリーブ印刷版用版胴は、軸線に沿って延びる円筒面を有し、この円筒面に、円筒状をなすスリーブ印刷版が着脱可能に取り付けられるスリーブ印刷版用版胴であって、前記円筒面には、前記スリーブ印刷版の軸線方向位置を案内する位置決め手段が設けられており、この位置決め手段は、前記スリーブ印刷版を異なった2つ以上の前記軸線方向位置に案内可能な構成とされていることを特徴としている。
この構成のスリーブ印刷版用版胴によれば、スリーブ印刷版が装着される円筒面に、スリーブ印刷版を異なった2つ以上の軸線方向位置に案内可能な位置決め手段が設けられているので、スリーブ印刷版用版胴よりも軸線方向長さが短いスリーブ印刷版を、スリーブ印刷版用版胴に装着して印刷に供することができる。よって、軸線方向長さが被印刷物及びスリーブ印刷版用版胴よりも短く設定されたスリーブ印刷版を使用することが可能となり、スリーブ印刷版の製造コストを大幅に削減することができる。また、被印刷物の長さに応じて複数の版胴及びスリーブ印刷版を準備する必要がない。
ここで、前記位置決め手段は、前記円筒面に複数設けられたピン孔と、このピン孔に挿入されるとともに前記スリーブ印刷版に設けられたガイド切欠部に係合されるピン部材と、で構成されていることが好ましい。
この場合、円筒面に設けられた複数のピン孔の中から選択されたピン孔にピン部材を挿入し、このピン部材にスリーブ印刷版のガイド切欠部を係合させることにより、前記スリーブ印刷版を、版胴の軸線方向の複数の位置で固定することが可能となる。また、ピン部材を挿入するピン孔を変更するのみで、スリーブ印刷版の固定位置を変更することができる。
この場合、円筒面に設けられた複数のピン孔の中から選択されたピン孔にピン部材を挿入し、このピン部材にスリーブ印刷版のガイド切欠部を係合させることにより、前記スリーブ印刷版を、版胴の軸線方向の複数の位置で固定することが可能となる。また、ピン部材を挿入するピン孔を変更するのみで、スリーブ印刷版の固定位置を変更することができる。
また、前記円筒面に、エアを噴出するためのエア吹出孔が開口されており、このエア吹出孔が周方向に複数配設されることにより吹出孔群が形成され、この吹出孔群が、前記軸線方向に複数設けられており、これら複数の吹出孔群から選択的にエアを噴出するようにエアを供給するエア供給手段が設けられていることが好ましい。
スリーブ印刷版を版胴の円筒面に装着する場合には、エア吹出孔から噴出されたエアによってスリーブ印刷版の内径を広げる必要がある。ここで、単に、吹出孔群を軸線方向に複数設け、これらの吹出孔群に対して一度にエアを供給した場合には、スリーブ印刷版によって吹出孔群の一つが塞がれると、この吹出孔群以外の吹出孔群からエアが優先的に噴出することになり、スリーブ印刷版を拡径することができなくなってしまう。
そこで、複数の吹出孔群から選択的にエアを噴出するエア供給手段を備えることにより、スリーブ印刷版が位置する部分の吹出孔群からのみエアを噴出させることが可能となり、スリーブ印刷版の装着をスムーズに行うことができるのである。
スリーブ印刷版を版胴の円筒面に装着する場合には、エア吹出孔から噴出されたエアによってスリーブ印刷版の内径を広げる必要がある。ここで、単に、吹出孔群を軸線方向に複数設け、これらの吹出孔群に対して一度にエアを供給した場合には、スリーブ印刷版によって吹出孔群の一つが塞がれると、この吹出孔群以外の吹出孔群からエアが優先的に噴出することになり、スリーブ印刷版を拡径することができなくなってしまう。
そこで、複数の吹出孔群から選択的にエアを噴出するエア供給手段を備えることにより、スリーブ印刷版が位置する部分の吹出孔群からのみエアを噴出させることが可能となり、スリーブ印刷版の装着をスムーズに行うことができるのである。
さらに、前述のスリーブ印刷版用版胴においては、前記円筒面を有する筒状部と、印刷装置の回転シャフトが挿入される嵌入孔を有する軸筒部と、この筒状部と前記軸筒部との間に配されてこれらを一体に連結する複数のリブと、を備え、前記リブには、前記吹出孔群に連通するエア供給孔が穿設されており、複数の前記エア供給孔のひとつが、複数の前記吹出孔群のひとつにそれぞれ対応して連通されていることが好ましい。
この場合、複数の前記リブにそれぞれ設けられたエア供給孔が、複数の前記吹出孔群にそれぞれ対応するように構成されているので、エア供給手段によってエアを供給するエア供給孔を選択することで、任意の吹出孔群からのみエアを噴出させることが可能となる。
この場合、複数の前記リブにそれぞれ設けられたエア供給孔が、複数の前記吹出孔群にそれぞれ対応するように構成されているので、エア供給手段によってエアを供給するエア供給孔を選択することで、任意の吹出孔群からのみエアを噴出させることが可能となる。
また、前述のスリーブ印刷版用版胴においては、前記軸筒部と前記リブとこのリブに連結される内筒部とを備えたコア部材と、前記内筒部の外周側に嵌合されるスリーブ部材と、を有し、前記筒状部が、前記内筒部と前記スリーブ部材とで構成されており、前記内筒部の外周面には、前記エア供給孔に連通された環状溝が、前記軸線方向に複数設けられ、 前記スリーブ部材には、前記環状溝に連通するように前記吹出孔群が形成されていることが好ましい。
この場合、エア供給孔を通じて供給されたエアが、環状溝によって周方向に流れるので、吹出孔群を構成する複数の吹出孔からエアを噴出することが可能となる。また、内筒部とリブと軸筒部とを備えたコア部材と、スリーブ部材とを、それぞれ製作することが可能となるので、このスリーブ印刷版用版胴を低コストで、かつ、寸法精度良く製作することができる。
この場合、エア供給孔を通じて供給されたエアが、環状溝によって周方向に流れるので、吹出孔群を構成する複数の吹出孔からエアを噴出することが可能となる。また、内筒部とリブと軸筒部とを備えたコア部材と、スリーブ部材とを、それぞれ製作することが可能となるので、このスリーブ印刷版用版胴を低コストで、かつ、寸法精度良く製作することができる。
本発明に係る缶の印刷装置は、前述のスリーブ印刷用版胴を備えていることを特徴としている。
また、本発明に係る缶の印刷方法は、前述のスリーブ印刷用版胴を用いた缶の印刷方法であって、前記スリーブ印刷用版胴の軸線方向の一部にのみスリーブ印刷版を装着し、円筒状をなす缶の外周面に印刷を施すことを特徴としている。
また、本発明に係る缶の印刷方法は、前述のスリーブ印刷用版胴を用いた缶の印刷方法であって、前記スリーブ印刷用版胴の軸線方向の一部にのみスリーブ印刷版を装着し、円筒状をなす缶の外周面に印刷を施すことを特徴としている。
この構成の缶の印刷装置及び缶の印刷方法によれば、軸線方向長さが被印刷物及びスリーブ印刷版用版胴よりも短く設定されたスリーブ印刷版を用いて、缶の所定の位置に印刷を施すことが可能となる。
本発明によれば、軸線方向長さが被印刷物及びスリーブ印刷版用版胴よりも短く設定されたスリーブ印刷版を、被印刷物の印刷位置に応じた軸線方向位置に固定することが可能なスリーブ印刷版用版胴、このスリーブ印刷版用版胴を備えた缶の印刷装置及びこのスリーブ印刷版用版胴を用いた缶の印刷方法を提供することができる。
以下に、本発明の実施の形態について、添付した図面を参照して説明する。
まず、本実施形態である缶の印刷装置Aについて説明する。缶の印刷装置Aの概略を図1に示す。この缶の印刷装置Aは、複数配置されたインク付着機構Bと、缶移動機構Cとで概略構成されている。
まず、本実施形態である缶の印刷装置Aについて説明する。缶の印刷装置Aの概略を図1に示す。この缶の印刷装置Aは、複数配置されたインク付着機構Bと、缶移動機構Cとで概略構成されている。
インク付着機構Bは、インクを供給するインカーユニット1と、このインカーユニット1に接触してインクを写し取った後、缶胴20の外周面に接触して該インクを印刷する(付着させる)ブランケット9を複数枚備えるブランケットホイール8とから構成される。
インカーユニット1は、インク源2と、インク源2に接触してインクを受けるダクティングロール3と、このダクティングロール3に接続して複数のローラからなる中間ローラ4と、この中間ローラ4に接続するゴムローラ5と、このゴムローラ5に接続するスリーブ印刷版用版胴40とからなり、スリーブ印刷版用版胴40の外周面には、缶胴20に転写する画像パターンを有する凸版33を備えたスリーブ印刷版30が配設されている。
ブランケットホイール8の外周面には、ブランケット9が複数枚備えられており、このブランケット9は、スリーブ印刷版用版胴40の外周面に配設されたスリーブ印刷版30の凸版33に接触するとともに、缶胴20に接触する構成とされている。
インカーユニット1は、インク源2と、インク源2に接触してインクを受けるダクティングロール3と、このダクティングロール3に接続して複数のローラからなる中間ローラ4と、この中間ローラ4に接続するゴムローラ5と、このゴムローラ5に接続するスリーブ印刷版用版胴40とからなり、スリーブ印刷版用版胴40の外周面には、缶胴20に転写する画像パターンを有する凸版33を備えたスリーブ印刷版30が配設されている。
ブランケットホイール8の外周面には、ブランケット9が複数枚備えられており、このブランケット9は、スリーブ印刷版用版胴40の外周面に配設されたスリーブ印刷版30の凸版33に接触するとともに、缶胴20に接触する構成とされている。
缶移動機構Cは、缶胴20を取り入れる缶シュータ10と、この缶シュータ10から供給された缶胴20を回転自在に保持するマンドレル11と、このマンドレル11に装着された缶胴20を、順次、インク付着機構B方向に回転移動させるマンドレルターレット12とで構成されている。
次に、本発明の実施形態であるスリーブ印刷用版胴40について説明する。
本実施形態であるスリーブ印刷版用版胴40は、円筒状をなすスリーブ印刷版30を密着させるように支持するものである。このスリーブ印刷版用版胴40は、図2に示すように、外形が軸線N方向に延びる概略円柱状をなしており、内周側に位置するコア部材50と、円筒状をなしてコア部材50の外周側に同軸上に配されるスリーブ部材60と、を備えている。
本実施形態であるスリーブ印刷版用版胴40は、円筒状をなすスリーブ印刷版30を密着させるように支持するものである。このスリーブ印刷版用版胴40は、図2に示すように、外形が軸線N方向に延びる概略円柱状をなしており、内周側に位置するコア部材50と、円筒状をなしてコア部材50の外周側に同軸上に配されるスリーブ部材60と、を備えている。
コア部材50は、図2及び図3に示すように、軸線N方向に貫通する嵌入孔51を有する軸筒部52と、この軸筒部52の外周面から間隔をおいて配される内筒部53と、径方向に延びて軸筒部52と内筒部53とを一体に連結する複数(図示例では4つ)のリブ54(54a、54b、54c、54d)と、を備えている。
軸筒部52に設けられた嵌入孔51には、例えば図8及び図9に示すように、印刷装置の回転シャフト6が嵌挿され、スリーブ印刷版用版胴40が印刷装置Aに着脱可能に装着される構成とされている。なお、回転シャフト6に固定された状態においては、回転シャフト6の回転力がコア部材50に伝達され、スリーブ印刷版用版胴40全体が軸線N回りに回転させられることになる。また、本実施形態では、スリーブ印刷版用版胴40の他方側(図8及び図9において右側)から回転シャフト6が挿入される構成とされており、いわゆる片持ちで支持される構成とされている。
軸筒部52に設けられた嵌入孔51には、例えば図8及び図9に示すように、印刷装置の回転シャフト6が嵌挿され、スリーブ印刷版用版胴40が印刷装置Aに着脱可能に装着される構成とされている。なお、回転シャフト6に固定された状態においては、回転シャフト6の回転力がコア部材50に伝達され、スリーブ印刷版用版胴40全体が軸線N回りに回転させられることになる。また、本実施形態では、スリーブ印刷版用版胴40の他方側(図8及び図9において右側)から回転シャフト6が挿入される構成とされており、いわゆる片持ちで支持される構成とされている。
リブ54は、軸筒部52や内筒部53の周方向に幅狭とされた略板状に形成されており、軸筒部52の外周面から内筒部53の内周面まで延びるとともに軸線N方向にわたって延在するように形成されている。具体的に、各リブ54(54a、54b、54c、54d)は、その径方向内側に位置する一端部が軸筒部52の外周面に一体に固定され、他端部が内筒部53の内周面に一体に固定されている。そして、複数のリブ54(54a、54b、54c、54d)は、コア部材50の周方向に均等な間隔(本実施形態では90°間隔)を介して配置されている。したがって、このスリーブ印刷版用版胴40においては、上述したリブ54と軸筒部52と内筒部53とにより、軸線N方向の両端部から外方に開放された隙間領域Sが画成されている。
この複数のリブ54(54a、54b、54c、54d)には、それぞれ軸線N方向端面(外面)から軸線N方向に延びるエア供給孔55(55a、55b、55c、55d)が設けられている。
また、内筒部53の外周面には、図3に示すように、径方向に凹んだ環状溝56(56a、56b、56c、56d)が、軸線N方向に複数(本実施形態では4つ)形成されている。
また、内筒部53の外周面には、図3に示すように、径方向に凹んだ環状溝56(56a、56b、56c、56d)が、軸線N方向に複数(本実施形態では4つ)形成されている。
この環状溝56(56a、56b、56c、56d)のそれぞれの底部には、前述のリブにそれぞれ形成されたエア供給孔55(55a、55b、55c、55d)のひとつに連通されるとともに、それぞれ径方向外側に向けて延びるエア連絡路57(57a、57b、57c、57d)が開口させられている。
すなわち、図4及び図5に示すように、リブ54aに設けられたエア供給孔55aが環状溝56aに連通され、リブ54bに設けられたエア供給孔55bが環状溝56bに連通され、リブ54cに設けられたエア供給孔55cが環状溝56cに連通され、リブ54dに設けられたエア供給孔55dが環状溝56dに連通されているのである。
すなわち、図4及び図5に示すように、リブ54aに設けられたエア供給孔55aが環状溝56aに連通され、リブ54bに設けられたエア供給孔55bが環状溝56bに連通され、リブ54cに設けられたエア供給孔55cが環状溝56cに連通され、リブ54dに設けられたエア供給孔55dが環状溝56dに連通されているのである。
そして、コア部材50の外周面には、図3及び図4に示すように、径方向に凹んだ有底孔58が軸線N方向に複数設けられている。本実施形態ではコア部材50の軸線N方向中央部に第1有底孔58aが形成され、コア部材50の軸線N方向他端側(図3及び図4において右端)に第2有底孔58bが形成されている。
スリーブ部材60は、コア部材50の外周側に嵌合されており、その軸線N方向の一端部には、内周側に突出した係止部61が形成されている。
係止部61は、スリーブ部材60にコア部材50を圧入した際に、コア部材50の軸線N方向端面に当接するようになっており、コア部材50に対するスリーブ部材60の軸線N方向位置を位置決めする役割を果たしている。なお、係止部61は、その内径寸法がコア部材50の内周面の内径寸法よりも大きく設定されており、圧入状態においてコア部材50の内周面よりも内側に突出することがないように構成されている。
係止部61は、スリーブ部材60にコア部材50を圧入した際に、コア部材50の軸線N方向端面に当接するようになっており、コア部材50に対するスリーブ部材60の軸線N方向位置を位置決めする役割を果たしている。なお、係止部61は、その内径寸法がコア部材50の内周面の内径寸法よりも大きく設定されており、圧入状態においてコア部材50の内周面よりも内側に突出することがないように構成されている。
また、スリーブ部材60は、その肉厚方向(径方向)に貫通するエア吹出孔62が円周方向に複数形成された吹出孔群63(63a、63b、63、c、63d)を、軸線N方向に複数(本実施形態では4つ)備えている。
これら複数の吹出孔群63(63a、63b、63、c、63d)は、スリーブ部材60にコア部材50を圧入した状態において、コア部材50に設けられた環状溝56(56a、56b、56c、56d)上(径方向外側)のそれぞれに対応するように配置されることになり、環状溝56(56a、56b、56c、56d)を介してエア連絡路57(57a、57b、57c、57d)及びエア供給孔55(55a、55b、55c、55d)に連通させられている。
これら複数の吹出孔群63(63a、63b、63、c、63d)は、スリーブ部材60にコア部材50を圧入した状態において、コア部材50に設けられた環状溝56(56a、56b、56c、56d)上(径方向外側)のそれぞれに対応するように配置されることになり、環状溝56(56a、56b、56c、56d)を介してエア連絡路57(57a、57b、57c、57d)及びエア供給孔55(55a、55b、55c、55d)に連通させられている。
そして、スリーブ部材60には、図3及び図4に示すように、径方向に貫通した貫通孔68が軸線N方向に複数設けられている。本実施形態では、スリーブ部材60の軸線N方向中央部に第1貫通孔68aが形成され、スリーブ部材60の軸線N方向他端側(図3及び図4において右端)に第2貫通孔68bが形成されている。
ここで、スリーブ部材60をコア部材50に装着した状態においては、コア部材50に設けられた有底孔58(第1有底孔58a、第2有底孔58b)及びスリーブ部材60に設けられた貫通孔68(第1貫通孔68a、第2貫通孔68b)の軸線N方向位置が一致するようになっている。そして、これら有底孔58と貫通孔68とによってピン孔48が画成されることになり、本実施形態においては、軸線N方向に2つのピン孔48(第1ピン孔48a、第2ピン孔48b)が画成されることになる。
そして、この有底孔58と貫通孔68とによって画成されたピン孔48には、ピン部材45が選択的に挿入可能とされており、このピン部材45によってコア部材50及びスリーブ部材60の相対的な周方向位置の位置決めがなされることになる。また、ピン部材45は、ピン孔48に挿入した状態において、その一部がスリーブ部材60の円筒面よりも径方向外方に突出するように構成されている。
そして、この有底孔58と貫通孔68とによって画成されたピン孔48には、ピン部材45が選択的に挿入可能とされており、このピン部材45によってコア部材50及びスリーブ部材60の相対的な周方向位置の位置決めがなされることになる。また、ピン部材45は、ピン孔48に挿入した状態において、その一部がスリーブ部材60の円筒面よりも径方向外方に突出するように構成されている。
なお、本実施形態においては、コア部材50とスリーブ部材60とは互いに異なる材質によって構成されており、具体的には、コア部材50が、加工性に優れた炭素鋼で構成され、スリーブ部材60が、耐食性及び剛性に優れたステンレス鋼で構成されている。
次に、前述のような構成とされたスリーブ印刷版用版胴40の製造方法について説明する。
本実施形態であるスリーブ印刷版用版胴40を製造する際には、はじめに、炭素鋼からなる円柱部材をその軸線N方向にわたってくり抜き加工することによって、軸筒部52、リブ54及び内筒部53を一体に成形する。すなわち、この円柱部材のくり抜き部分が、嵌入孔51や隙間領域Sとなり、これによってコア部材50が製造される。なお、円柱部材のくり抜き加工は、種々の加工方法によって実施可能であるが、ワイヤカット加工や切削加工等の機械加工によって行われることがより好ましい。このとき、嵌入孔51は、印刷装置の回転シャフト6が嵌入されることから高い寸法精度が求められる。
また、円柱部材の外周面には、切削加工等によって環状溝56が形成される。さらに、リブ54にエア供給孔55が穿設され、環状溝56の底部にエア連絡路57が穿設され、これらエア供給孔55とエア連絡路57とが連通される。
本実施形態であるスリーブ印刷版用版胴40を製造する際には、はじめに、炭素鋼からなる円柱部材をその軸線N方向にわたってくり抜き加工することによって、軸筒部52、リブ54及び内筒部53を一体に成形する。すなわち、この円柱部材のくり抜き部分が、嵌入孔51や隙間領域Sとなり、これによってコア部材50が製造される。なお、円柱部材のくり抜き加工は、種々の加工方法によって実施可能であるが、ワイヤカット加工や切削加工等の機械加工によって行われることがより好ましい。このとき、嵌入孔51は、印刷装置の回転シャフト6が嵌入されることから高い寸法精度が求められる。
また、円柱部材の外周面には、切削加工等によって環状溝56が形成される。さらに、リブ54にエア供給孔55が穿設され、環状溝56の底部にエア連絡路57が穿設され、これらエア供給孔55とエア連絡路57とが連通される。
スリーブ部材60は、ステンレス鋼からなるリング状の素材を、所定寸法に切削加工するとともに、複数のエア吹出孔62が穿設されることによって成形される。なお、スリーブ部材60の外周面には、メッキ処理を行う必要はない。
そして、コア部材50をスリーブ部材60の内周側に圧入し、スリーブ部材60の係止部61がコア部材50の端面に当接するように軸線N方向位置を調整した後に、有底孔58及び貫通孔68を穿設する。そして、この有底孔58及び貫通孔68によって画成されたピン孔48に、ピン部材45が挿入される。このようにして、本実施形態であるスリーブ印刷版用版胴40が製出される。
そして、コア部材50をスリーブ部材60の内周側に圧入し、スリーブ部材60の係止部61がコア部材50の端面に当接するように軸線N方向位置を調整した後に、有底孔58及び貫通孔68を穿設する。そして、この有底孔58及び貫通孔68によって画成されたピン孔48に、ピン部材45が挿入される。このようにして、本実施形態であるスリーブ印刷版用版胴40が製出される。
次に、本実施形態であるスリーブ印刷版用版胴40に装着されるスリーブ印刷版30について説明する。本実施形態で使用されるスリーブ印刷版30は、図6及び図7に示すように、軸線Nに沿って延びる円筒状をなすスリーブ支持体31と、スリーブ支持体31の外周側に配設された版材32と、を備えている。
版材32は、例えばレーザー光による彫刻が可能な感光性樹脂からなり、肉厚が0.5mm〜1.0mmの円筒状をなしている。この版材32は、スリーブ支持体31の外周面に溶融樹脂を塗布して硬化させることによってスリーブ支持体31と一体に成形されている。そして、エッチングやレーザー加工によって画像パターンを有する凸版33(版本体)が形成される。なお、本実施形態では、2つの凸版33,33が軸線Nを挟んで対向する位置に配設されている。
スリーブ支持体31は、繊維強化プラスチック(FRP)若しくはポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂で形成されており、その肉厚が0.1mm〜0.5mmとされている。スリーブ印刷版30全体の肉厚は、0.6mm〜1.5mmとされ、内径がスリーブ印刷版用版胴40の外径よりも僅かに小さく設定されている。
そして、このスリーブ印刷版30には、軸線N方向端部に向けて開口するガイド切欠部35が形成されている。
また、このスリーブ印刷版30の軸線N方向長さLPは、スリーブ印刷用版胴40の軸線N方向長さLSよりも短く設定されており、本実施形態では、LP=0.5×LSに設定されている。なお、スリーブ印刷版30の直径RPと、軸線N方向長さLPとの比LP/RPは、0.3≦LP/RP≦30の範囲内に設定されている。
また、このスリーブ印刷版30の軸線N方向長さLPは、スリーブ印刷用版胴40の軸線N方向長さLSよりも短く設定されており、本実施形態では、LP=0.5×LSに設定されている。なお、スリーブ印刷版30の直径RPと、軸線N方向長さLPとの比LP/RPは、0.3≦LP/RP≦30の範囲内に設定されている。
以下に、このスリーブ印刷版用版胴40に対するスリーブ印刷版30の装着方法について説明する。
図8に示すように、スリーブ印刷版30を軸線N方向一方側(図8において左側)に固定する場合には、スリーブ印刷版用版胴40の軸線N方向中央部に画成された第1ピン孔48aに、ピン部材45を挿入する。
図8に示すように、スリーブ印刷版30を軸線N方向一方側(図8において左側)に固定する場合には、スリーブ印刷版用版胴40の軸線N方向中央部に画成された第1ピン孔48aに、ピン部材45を挿入する。
次に、スリーブ印刷版30の一部をスリーブ印刷版用版胴40の一端に嵌め込む。この状態で、リブ54aの軸線N方向端面に開口するエア供給孔55aに高圧エアを供給する。すると、エア供給孔55a及びエア連絡路57aを通じてエアが環状溝56a内に供給されて周方向に広がっていく。そして、スリーブ部材60の外周面に開口する吹出孔群63aから高圧エアが噴出される。この吹出孔群63aから噴出される高圧エアによってスリーブ印刷版30を拡径し、スリーブ印刷版30を軸線N方向他方側に移動させる。
吹出孔群63bの上(外周側)にスリーブ印刷版30の一端が配置された状態で、リブ54bの軸線N方向端面に開口するエア供給孔55bに高圧エアを供給し、エア供給孔55b及びエア連絡路57bを通じてエアを環状溝56b内に供給し、吹出孔群63bから高圧エアを噴出させる。吹出孔群63bから噴出される高圧エアによってスリーブ印刷版30を拡径し、スリーブ印刷版30をさらに軸線N方向他方側に移動させる。そして、スリーブ印刷版30のガイド切欠部35を、第1ピン孔48aに挿入されたピン部材45に係合させる。
これにより、スリーブ印刷版30とスリーブ印刷版用版胴40との周方向及び軸線N方向の相対位置が決定される。
これにより、スリーブ印刷版30とスリーブ印刷版用版胴40との周方向及び軸線N方向の相対位置が決定される。
そして、スリーブ印刷版30の軸線N方向位置、周方向位置が調整された後に、高圧エアの供給を停止することにより、スリーブ印刷版30が元の内径に戻り、スリーブ印刷版30がスリーブ印刷版用版胴40の円筒面に装着されることになる。
一方、図9に示すように、スリーブ印刷版30を軸線N方向他方側(図9において右側)に固定する場合には、スリーブ印刷版用版胴40の軸線N方向他方側端部に画成された第2ピン孔48bに、ピン部材45を挿入する。
次に、スリーブ印刷版30の一部をスリーブ印刷版用版胴40の一端に嵌め込む。この状態で、リブ54aの軸線N方向端面に開口するエア供給孔55aに高圧エアを供給し、エア供給孔55a及びエア連絡路57aを通じてエアを環状溝56a内に供給し、吹出孔群63aから高圧エアを噴出させる。吹出孔群63aから噴出される高圧エアによってスリーブ印刷版30を拡径し、スリーブ印刷版30を軸線N方向他方側に移動させる。
次に、スリーブ印刷版30の一部をスリーブ印刷版用版胴40の一端に嵌め込む。この状態で、リブ54aの軸線N方向端面に開口するエア供給孔55aに高圧エアを供給し、エア供給孔55a及びエア連絡路57aを通じてエアを環状溝56a内に供給し、吹出孔群63aから高圧エアを噴出させる。吹出孔群63aから噴出される高圧エアによってスリーブ印刷版30を拡径し、スリーブ印刷版30を軸線N方向他方側に移動させる。
吹出孔群63bの上(外周側)にスリーブ印刷版30の一端が配置された状態で、リブ54bの軸線N方向端面に開口するエア供給孔55bに高圧エアを供給し、エア供給孔55b及びエア連絡路57bを通じてエアを環状溝56b内に供給し、スリーブ部材60の外周面に開口する吹出孔群から高圧エアを噴出させる。吹出孔群63bから噴出される高圧エアによってスリーブ印刷版30を拡径し、スリーブ印刷版30をさらに軸線N方向他方側に移動させる。
吹出孔群63cの上(外周側)にスリーブ印刷版30の一端が配置された状態で、リブ54cの軸線N方向端面に開口するエア供給孔55cに高圧エアを供給し、エア供給孔55c及びエア連絡路57cを通じてエアを環状溝56c内に供給し、吹出孔群63cから高圧エアを噴出させる。吹出孔群63cから噴出される高圧エアによってスリーブ印刷版30を拡径し、スリーブ印刷版30をさらに軸線N方向他方側に移動させる。
吹出孔群63dの上(外周側)にスリーブ印刷版30の一端が配置された状態で、リブ54dの軸線N方向端面に開口するエア供給孔55dに高圧エアを供給し、エア供給孔55d及びエア連絡路57dを通じてエアを環状溝56d内に供給し、吹出孔群63dから高圧エアを噴出させる。吹出孔群63dから噴出される高圧エアによってスリーブ印刷版30を拡径し、スリーブ印刷版30をさらに軸線N方向他方側に移動させる。そして、スリーブ印刷版30のガイド切欠部35を、第2ピン孔48bに挿入されたピン部材45に係合させる。
これにより、スリーブ印刷版30とスリーブ印刷版用版胴40との周方向及び軸線N方向の相対位置が決定される。
これにより、スリーブ印刷版30とスリーブ印刷版用版胴40との周方向及び軸線N方向の相対位置が決定される。
そして、スリーブ印刷版30の軸線N方向位置、周方向位置が調整された後に、高圧エアの供給を停止することにより、スリーブ印刷版30が元の内径に戻り、スリーブ印刷版30がスリーブ印刷版用版胴40の円筒面に装着されることになる。
このようにして、スリーブ印刷版30が本実施形態であるスリーブ印刷版用版胴40に装着され、前述した缶の印刷装置Aに用いられることになる。
缶の印刷装置Aにおいては、各々のインカーユニット1のインク源2から各々異なった色のインクが、ダクティングロール3、中間ローラ4、ゴムローラ5を介して、スリーブ印刷版用版胴40の外周面に配設された凸版33に付着させられ、これら各色のインクが、回転するブランケットホイール8上のブランケット9にパターンとして乗せられ、このパターンがマンドレル11に保持された缶胴20に接触しながら印刷される。
缶の印刷装置Aにおいては、各々のインカーユニット1のインク源2から各々異なった色のインクが、ダクティングロール3、中間ローラ4、ゴムローラ5を介して、スリーブ印刷版用版胴40の外周面に配設された凸版33に付着させられ、これら各色のインクが、回転するブランケットホイール8上のブランケット9にパターンとして乗せられ、このパターンがマンドレル11に保持された缶胴20に接触しながら印刷される。
ここで、本実施形態では、前述のように、スリーブ印刷版用版胴40の異なる2つの軸線N方向位置でスリーブ印刷版30を装着することが可能なため、缶の印刷位置に応じてスリーブ印刷版30の軸線N方向を選択して印刷を行うこととしている。つまり、図8に示すように、軸線N方向中央部に画成された第1ピン孔48aにピン部材45を挿入することによって、スリーブ印刷版30を軸線N方向一方側に寄せて配置して固定し、あるいは、軸線N方向他方側に画成された第2ピン孔48bにピン部材45を挿入することによって、スリーブ印刷版30を軸線N方向他方側に寄せて配置して固定して、印刷を行っているのである。
このような構成とされた本実施形態であるスリーブ印刷版用版胴40、このスリーブ印刷版用版胴40を備えた缶の印刷装置A及びこのスリーブ印刷版用版胴40を用いた缶の印刷方法によれば、スリーブ印刷版30が装着される円筒面に、スリーブ印刷版30を異なった2つ以上の軸線N方向位置に固定可能な位置決め手段として、2つのピン孔48(第1ピン孔48a、第2ピン孔48b)と、このピン孔48に挿入されるピン部材45と、を備えているので、このスリーブ印刷版用版胴40の軸線N方向長さLSよりも、軸線N方向長さLPが短いスリーブ印刷版30(本実施形態では、LP=0.5×LS)であっても、スリーブ印刷用版胴40に装着して固定することができ、缶の印刷に使用することができる。よって、軸線N方向長さが被印刷物及びスリーブ印刷用版胴40よりも短く設定されたスリーブ印刷版30を使用することが可能となり、スリーブ印刷版30の製造コストを大幅に削減することが可能となる。また、被印刷物の長さに応じて複数の版胴やスリーブ印刷版30を準備する必要がない。
また、2つのピン孔48(第1ピン孔48a、第2ピン孔48b)のうちのひとつにピン部材45を挿入し、このピン部材45にスリーブ印刷版30のガイド切欠部35を係合させることにより、軸線N方向長さが被印刷物及びスリーブ印刷用版胴40よりも短いスリーブ印刷版30を、スリーブ印刷版用版胴40の軸線N方向の複数(2箇所)の位置で固定することが可能となる。また、ピン部材45を挿入するピン孔48を変更するのみで、スリーブ印刷版30の固定位置を変更することができる。
また、本実施形態であるスリーブ印刷版用版胴40においては、吹出孔群63が軸線N方向に複数設けられ、これら吹出孔群63a、63b、63c、64dに対応するように、各リブ54(54a、54b、54c、54d)にエア供給孔55(55a、55b、55c、55d)が形成されているので、エアを供給するエア供給孔55を選択することで、任意の吹出孔群63からのみエアを噴出させることが可能となる。よって、スリーブ印刷版30をエアによって確実に拡径させることができ、スリーブ印刷版30の着脱を円滑に行うことができる。
さらに、コア部材に、軸線N方向に複数の環状溝56(56a、56b、56c、56d)が形成されており、これら環状溝56(56a、56b、56c、56d)のそれぞれに対応するように、複数の吹出孔群63(63a、63b、63c、63d)及びエア供給孔55(55a、55b、55c、55d)が連通されているので、エア供給孔57から供給したエアを環状溝56内で周方向に広げることができ、吹出孔群63を構成する複数のエア吹出孔62からエアを一度に噴出することが可能となる。
また、本実施形態においては、回転シャフト6が嵌入される嵌入孔51を有するコア部材50と、スリーブ印刷版30が装着されるスリーブ部材60とが別体とされ、これらコア部材50とスリーブ部材60とが互いに異なる材質で構成されているので、コア部材50及びスリーブ部材60の材質を、要求される特性に応じて適宜選択することが可能となる。また、コア部材50とスリーブ部材60を、それぞれ独立して製作することが可能となり、スリーブ印刷版用版胴40を、低コストで、かつ、寸法精度良く製作することができる。
また、本実施形態では、コア部材50が加工性に優れた炭素鋼で構成されているので、印刷装置の回転シャフト6が嵌入される嵌入孔51を寸法精度良く成形することができ、スリーブ印刷版用版胴40の着脱を円滑に行うこと可能となる。特に、本実施形態においては、コア部材50に、隙間領域S、エア供給孔55、エア連絡路57及び環状溝56が設けられていることから、加工性の良い炭素鋼を用いることでこれらを容易に、かつ、寸法精度良く成形することが可能となる。また、隙間領域Sが形成されていることから、スリーブ印刷版用版胴40の軽量化を図ることができる。
また、スリーブ印刷版30が装着されるスリーブ部材60が耐食性、剛性に優れたステンレス鋼で構成されているので、スリーブ部材60の円筒面にメッキ処理を行うことなく、錆の発生を抑制することが可能となる。さらに、円筒面の剛性が向上することから、印刷を安定して行うことができる。
そして、このスリーブ印刷版用版胴40を備える缶の印刷装置Aによれば、スリーブ印刷版用版胴40よりも軸線N方向長さの短いスリーブ印刷版であっても、缶の印刷に供することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、ピン孔を軸線方向に2つ設けたものとして説明したが、これに限定されることはなく、3つ以上設けても良い。また、複数のピン孔の周方向位置が、一致している必要はなく、任意の周方向位置に設けてもよい。
例えば、ピン孔を軸線方向に2つ設けたものとして説明したが、これに限定されることはなく、3つ以上設けても良い。また、複数のピン孔の周方向位置が、一致している必要はなく、任意の周方向位置に設けてもよい。
さらに、コア部材とスリーブ部材とで構成されたものとして説明したが、これに限定されることはなく、一体に構成されていてもよい。また、リブを設けたもので説明したが、これに限定されることはなく、リブが形成されていなくてもよい。
さらに、リブの本数、吹出孔群の数等は、本実施形態に限定されることはなく、設計に応じて任意の数とすることができる。
さらに、リブの本数、吹出孔群の数等は、本実施形態に限定されることはなく、設計に応じて任意の数とすることができる。
30 スリーブ印刷版
40 スリーブ印刷版用版胴
45 ピン部材
48 ピン孔
50 コア部材
51 嵌入孔
54 リブ
55 エア供給孔
56 環状溝
58 有底孔
60 スリーブ部材
62 エア吹出孔
63 吹出孔群
68 貫通孔
A 缶の印刷装置
40 スリーブ印刷版用版胴
45 ピン部材
48 ピン孔
50 コア部材
51 嵌入孔
54 リブ
55 エア供給孔
56 環状溝
58 有底孔
60 スリーブ部材
62 エア吹出孔
63 吹出孔群
68 貫通孔
A 缶の印刷装置
Claims (7)
- 軸線に沿って延びる円筒面を有し、この円筒面に、円筒状をなすスリーブ印刷版が着脱可能に取り付けられるスリーブ印刷版用版胴であって、
前記円筒面には、前記スリーブ印刷版の軸線方向位置を案内する位置決め手段が設けられており、
この位置決め手段は、前記スリーブ印刷版を異なった2つ以上の前記軸線方向位置に案内可能な構成とされていることを特徴とするスリーブ印刷版用版胴。 - 前記位置決め手段は、前記円筒面に複数設けられたピン孔と、このピン孔に挿入されるとともに前記スリーブ印刷版に設けられたガイド切欠部に係合されるピン部材と、で構成されていることを特徴とする請求項1に記載のスリーブ印刷版用版胴。
- 前記円筒面には、エアを噴出するためのエア吹出孔が開口されており、このエア吹出孔が周方向に複数配設されることにより吹出孔群が形成され、この吹出孔群が、前記軸線方向に複数設けられており、
これら複数の吹出孔群から選択的にエアを噴出するようにエアを供給するエア供給手段が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のスリーブ印刷版用版胴。 - 前記円筒面を有する筒状部と、印刷装置の回転シャフトが挿入される嵌入孔を有する軸筒部と、この筒状部と前記軸筒部との間に配されてこれらを一体に連結する複数のリブと、を備え、前記リブには、前記吹出孔群に連通するエア供給孔が穿設されており、
複数の前記エア供給孔のひとつが、複数の前記吹出孔群のひとつにそれぞれ対応して連通されていることを特徴とする請求項3に記載のスリーブ印刷版用版胴。 - 前記軸筒部と前記リブとこのリブに連結される内筒部とを備えたコア部材と、前記内筒部の外周側に嵌合されるスリーブ部材と、を有し、前記筒状部が、前記内筒部と前記スリーブ部材とで構成されており、
前記内筒部の外周面には、前記エア供給孔に連通された環状溝が、前記軸線方向に複数設けられ、
前記スリーブ部材には、前記環状溝に連通するように前記吹出孔群が形成されていることを特徴とする請求項4に記載のスリーブ印刷版用版胴。 - 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のスリーブ印刷用版胴を備えていることを特徴とする缶の印刷装置。
- 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のスリーブ印刷用版胴を用いた缶の印刷方法であって、
前記スリーブ印刷用版胴の軸線方向の一部にのみスリーブ印刷版を装着し、円筒状をなす缶の外周面に印刷を施すことを特徴とする缶の印刷方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009021935A JP2010173315A (ja) | 2009-02-02 | 2009-02-02 | スリーブ印刷版用版胴、缶の印刷装置及び缶の印刷方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2009021935A JP2010173315A (ja) | 2009-02-02 | 2009-02-02 | スリーブ印刷版用版胴、缶の印刷装置及び缶の印刷方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2010173315A true JP2010173315A (ja) | 2010-08-12 |
Family
ID=42704712
Family Applications (1)
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JP2009021935A Pending JP2010173315A (ja) | 2009-02-02 | 2009-02-02 | スリーブ印刷版用版胴、缶の印刷装置及び缶の印刷方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2010173315A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015131418A (ja) * | 2014-01-10 | 2015-07-23 | ユニバーサル製缶株式会社 | スリーブ印刷版の位置合わせ構造 |
WO2016152360A1 (ja) * | 2015-03-24 | 2016-09-29 | 昭和アルミニウム缶株式会社 | 版胴 |
-
2009
- 2009-02-02 JP JP2009021935A patent/JP2010173315A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2016179587A (ja) * | 2015-03-24 | 2016-10-13 | 昭和アルミニウム缶株式会社 | 版胴 |
CN107206780A (zh) * | 2015-03-24 | 2017-09-26 | 昭和铝罐株式会社 | 印版滚筒 |
US10688777B2 (en) | 2015-03-24 | 2020-06-23 | Showa Aluminum Can Corporation | Plate cylinder |
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