JP2010172960A - 連続圧延機の板厚制御方法及び板厚制御装置 - Google Patents

連続圧延機の板厚制御方法及び板厚制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】連続圧延機で上流スタンドの出側板厚を精度高く制御し、最終スタンドの出側板厚精度・板形状が優れた圧延材を生産する。
【解決手段】本発明の連続圧延機1は、#1スタンド〜#5スタンドからなる複数の圧延スタンド2と、#5スタンドに設けられた圧延荷重計3と、圧延荷重制御部10とを備える。この圧延荷重制御部10は、基準となる出側板厚変更量を計算する基準出側板厚変更量計算部17、#1スタンド〜#4スタンドの出側板厚の目標値を変更する出側板厚変更量計算部11〜14、ローパスフィルタ18〜20、#5スタンドの圧延荷重の目標値が入力される圧延荷重目標値入力部15を備え、#5スタンドの圧延荷重に基づいて、#5スタンドの上流側の連続する2以上の圧延スタンドの出側板厚目標値を変更する。
【選択図】図1

Description

本発明は、圧延材を連続的に圧延する連続圧延機の板厚制御方法及び板厚制御装置に関するものである。
複数の圧延スタンドを備えた連続圧延機を用いて圧延材を圧延するに際しては、各圧延スタンドにおいて板厚等を精度高く制御する必要がある。各圧延スタンドでの板厚の制御が不十分であると、仕上げ板厚が目標値から外れたり、最終スタンドでの圧延荷重変動が大きなものとなったりする場合がある。
このような不都合を回避する技術として、最終スタンドの圧延荷重に基づいて、最終スタンドの1つ上流側のスタンドの出側板厚目標値を変更する技術が既に開発されており、例えば、特許文献1及び非特許文献1等にそのような技術が開示されている。
特許文献1に開示されたタンデムミルの制御方法は、最終スタンド圧延荷重検出装置、最終スタンド入側張力検出装置、最終スタンド出側板厚検出装置、最終スタンドの1つ上流側スタンドの板厚制御装置、各スタンドに設置された圧下位置制御装置を備えたタンデムミルの制御方法であって、最終スタンド入側張力検出装置の出力から圧下位置修正指令量S1およびロール速度修正量V1を算出し、最終スタンド出側板厚検出装置の出力から圧下位置修正指令量S2およびロール速度修正量V2を算出し、前記圧下位置修正指令量S1と前記圧下位置修正指令量S2との和に基づき最終スタンドの圧下位置制御装置によってその圧下位置を修正し、また、前記ロール速度修正量V1と前記ロール速度修正量V2との和に基づき最終スタンドを除くすべてのスタンドあるいは最終スタンドのロール速度制御装置によってそのロール速度を修正し、さらに、最終スタンド圧延荷重検出装置の出力から入側板厚修正指令量hを算出し、前記入側板厚修正指令量hに基づき最終スタンドの1つ上流側スタンドの板厚制御装置によって、最終スタンドの1つ上流側スタンドの出側板厚を修正することを開示する。
また、非特許文献1には、最終スタンドAGCの技術が開示されている。この技術は、「板厚と張力を応答性の良い圧下位置、ロール速度で非干渉制御し、これによって生じる荷重変動をやや応答性の劣る圧下率変更で補償する方式」であり、ここでいう「圧下率変更」とは、「上流スタンドの出側板厚」を変更するものである。これにより、「板厚、張力、圧延荷重の3つ」が制御され、板厚精度、平坦度、操業安定性の同時確保が実現されている。
特許第3348538号公報
高精度・高性能冷延鋼板圧延技術の開発,重松ら,鉄と鋼,Vol.83,1997,No.1,p54-p59
しかしながら、特許文献1及び非特許文献1に開示された技術は、最終スタンドの圧延荷重変動を、最終スタンドの1つ上流側のスタンドの出側板厚のみを変更することで抑制しているものである。このため、最終スタンド出側の板厚変動や圧延荷重変動の抑制性能が十分なものでなく、実際の現場に採用するには不十分なものと言わざるを得ない。
そこで、本発明は、連続圧延機で上流スタンドの出側板厚を精度高く制御可能な連続圧延機の板厚制御方法及び板厚制御装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明においては以下の技術的手段を講じた。
すなわち、本発明に係る連続圧延機の板厚制御方法は、圧延材を複数の圧延スタンドで連続的に圧延する連続圧延機で、最終スタンドの圧延荷重に基づいて、最終スタンドに隣接する上流スタンドを含む連続した2以上の圧延スタンドの出側板厚目標値を変更するに際し、基準となる出側板厚変更量を算出すると共に、板厚変更のための比例ゲインを決定し、前記基準出側板厚変更量と決定された比例ゲインとを基に、前記最終スタンドの圧延荷重から前記2以上の圧延スタンドの出側板厚目標値を算出することを特徴とする。
この板厚制御方法によると、最終スタンドの圧延荷重から各上流スタンドでの出側板厚目標値を算出するにあたり、板厚変更のための比例ゲインを決定し、この比例ゲインを用いて、最終スタンドに隣接する上流スタンドを含む連続した2以上の圧延スタンドの出側板厚目標値を変更する。このような板厚制御を行なうことで、最終スタンドの1つ上流側のスタンドだけでなく、最終スタンドの上流側すべてのスタンドで、出側板厚を変更するため、連続圧延機全体でバランスの取れた制御となり、最終スタンドでの板厚精度・板形状を向上させることができる。
前記圧延スタンドの出側板厚目標値の算出に際しては、出側板厚目標値の変更量を、当該圧延スタンドから最終スタンドの1つ上流側のスタンドに圧延材が移送される時間に基づいて決定された時定数を有するローパスフィルタを用いて算出することは好ましい。
このような板厚制御を行うことにより、圧延材の移送の時間遅れによる板厚制御の不安定化を防止することができる。
なお、前記比例ゲインは、圧延材のマスフロー一定則から決定し、さらには、前記比例ゲインを、制御対象となっている圧延スタンドの出側板速と、最終スタンドに隣接する上流スタンドの出側板速とに基づいて決定する構成としてもよい。
こうすることで、板厚変動が小さい制御を実現する比例ゲインを確実に求めることができる。
また、本発明に係る連続圧延機の板厚制御装置は、圧延材を複数の圧延スタンドで連続的に圧延する連続圧延機に備えられた板厚制御装置であって、最終スタンドの圧延荷重に基づいて、最終スタンドに隣接する上流スタンドを含む連続した2以上の圧延スタンドの出側板厚目標値を変更するに際し、基準となる出側板厚変更量を算出すると共に、板厚変更のための比例ゲインを決定し、前記基準出側板厚変更量と決定された比例ゲインとを基に、前記最終スタンドの圧延荷重から前記2以上の圧延スタンドの出側板厚目標値を算出することを特徴とする。
好ましくは、連続圧延機の板厚制御装置は、前記圧延スタンドの出側板厚目標値の算出に際しては、出側板厚目標値の変更量を、当該圧延スタンドから最終スタンドの1つ上流側のスタンドに圧延材が移送される時間に基づいて決定された時定数を有するローパスフィルタを用いて算出するとよい。
この連続圧延機の板厚制御装置においては、前記比例ゲインは、圧延材のマスフロー一定則から決定されるとよい。
この連続圧延機の板厚制御装置においては、前記比例ゲインを、制御対象となっている圧延スタンドの出側板速と、最終スタンドに隣接する上流スタンドの出側板速とに基づいて決定するとよい。
本発明に係る連続圧延機の板厚制御方法及び板厚制御装置によると、最終スタンドの圧延荷重に基づいて、最終スタンドの上流側の連続する2以上の圧延スタンドの出側板厚目標値を変更することにより、板厚精度・板形状が優れた圧延材を生産できる。
本発明の実施形態に係る連続圧延機及びこの連続圧延機を制御する制御ブロックを示す模式図である。 本発明の実施形態のフローチャートである。 従来の制御方法によるシミュレーション結果を示す図である。 本発明の実施形態(第1例)に係る制御方法によるシミュレーション結果を示す図である。 本発明の実施形態(第2例)に係る制御方法によるシミュレーション結果を示す図である。 本発明の実施形態(第3例)に係る制御方法によるシミュレーション結果を示す図である。
以下、本発明にかかる連続圧延機の板厚制御方法及び板厚制御装置の実施の形態を、図を基に説明する。
図1は、本実施形態の連続圧延機1を示す模式図である。
連続圧延機1は、複数(#1〜#5)の圧延スタンド2を有するタンデム型であり、薄鋼板等の圧延材を熱間又は冷間で圧延するものである。最上流側の第1圧延スタンド2に元板が通された後、第2圧延スタンド、第3圧延スタンド、第4圧延スタンドを通過する毎に圧下され、第5圧延スタンドを出たところで所定の仕上げ板厚となるように、各圧延スタンド2のロール速度やロールギャップが変更され、各圧延スタンドでの出側板厚が目標値と一致するよう制御される。
なお、第5圧延スタンドには、圧延材へ加えられている荷重を測定する圧延荷重計3が設けられている。圧延荷重計3の出力は、後述する圧延荷重制御部10へ入力される。
以降の説明において、第1圧延スタンド2〜第5圧延スタンド2を、#1スタンド〜#5スタンドと表記し符号2も略することもある。#5スタンドを最終スタンド(最終圧延スタンド)と呼び、#1スタンド〜#4スタンドを上流スタンド(上流側圧延スタンド)と呼ぶ場合もある。
また、連続圧延機として、圧延スタンド2を5つ(最終スタンドを含む)備えたものを例示しているが、圧延スタンド2の数は限定されず、3スタンド以上であればよい。
連続圧延機1は、#1スタンド〜#4スタンドの出側板厚の目標値を変更するための圧延荷重制御部10を有している。
この圧延荷重制御部10は、基準となる出側板厚変更量(基準出側板厚変更量)を計算する基準出側板厚変更量計算部17、#1スタンドの出側板厚の目標値を変更する出側板厚変更量計算部11、#2スタンドの出側板厚の目標値を変更する出側板厚変更量計算部12、#3スタンドの出側板厚の目標値を変更する出側板厚変更量計算部13、#4スタンドの出側板厚の目標値を変更する出側板厚変更量計算部14を有している。さらに圧延荷重制御部10は、#1スタンドの出側板厚目標値を算出するためのローパスフィルタ18、#2スタンドの出側板厚目標値を算出するためのローパスフィルタ19、#3スタンドの出側板厚目標値を算出するためのローパスフィルタ20を有している。
圧延荷重制御部10においては、圧延荷重目標値入力部15から入力された#5スタンドの圧延荷重の目標値と、圧延荷重計3により測定された#5スタンドの圧延荷重の実績値との偏差が算出されて、その偏差を基に基準出側板厚変更量計算部17で計算された基準出側板厚変更量が出側板厚変更量計算部11,12,13,14に入力され、さらに、#1〜#3スタンドについては、ローパスフィルタ18、19、20を介して、#1スタンド〜#4スタンドの出側板厚目標値の変更量が算出される。
基準出側板厚変更量計算部17において実行される制御方法としては、「PID制御,システム制御情報学会編,朝倉書店,1992」のp.5に記載されているPID制御(PID動作の一部のみを機能させるP制御、PI制御、PD制御、I制御を含む)でもよいし、さらに一般的に、伝達関数が有理関数である制御方法でもよいし、公知の最適制御、ロバスト制御、モデル予測制御等でもよいし、これらの制御方法にフィルタを付加した制御方法でもよい。また、基準出側板厚変更量計算部17において実行される制御方法は、固定のコントローラに限定されることはなく、コントローラのパラメータを可変とすることが可能である。例えば、コントローラのパラメータは、圧延速度等の圧延状況に応じて変更してもよい。また、圧延荷重の偏差に対して不感帯を設けることも可能である。
算出された各圧延スタンド2の出側板厚目標値の変更量は、板厚張力制御部16へ入力され、それを基に、板厚張力制御部16は、#1スタンド〜#5スタンドの出側板厚と、#1スタンド〜#2スタンド、#2スタンド〜#3スタンド、#3スタンド〜#4スタンド、#4スタンド〜#5スタンド間張力を制御する。
板厚張力制御部16において実行される制御方法としては、上述の「高精度・高性能冷延鋼板圧延技術の開発,重松他,鉄と鋼,Vol83,(1997)No1,pp.54-59」のp.58に記載されている制御方法でもよいし、「冷間圧延機の多変数制御,山田ら,計測自動制御学会論文集,Vol.15,No.5,pp.647-653」の多変数制御でもよいし、「冷延タンデムミル高精度板厚制御技術の開発,金井ら,電気学会研究会資料金属産業研究会,MID-01-8,2001」に記載されている制御方法でもよい。
ここで、板厚張力制御とは、目標値との偏差が必ずしも0になる必要はなく、偏差が0近傍の値となるように制御されていることをいうものとする。例えば、「板圧延,日本塑性加工学会編,コロナ社,1993」のp.158に記載の張力制限制御のようにある範囲に制御する場合や、積分ゲインがなく比例ゲインのみの場合で、定常偏差が0にならない場合も含む。
次に、圧延荷重制御部10における出側板厚目標値の変更量の算出方法について、説明する。
上述したように、圧延荷重計3で測定された圧延荷重実績値と、圧延荷重目標値入力部15から入力された圧延荷重目標値との偏差が、圧延荷重制御部10において計算され、基準となる出側板厚変更量が、基準出側板厚変更量計算部17において計算され、続いて、各圧延スタンド2に対応した出側板厚変更量計算部11〜14において、出側板厚目標値変更量が計算される。Gp1〜Gp4は、#1スタンド〜#4スタンドの目標板厚変更量を算出するための比例ゲインである。#iスタンドの出側板厚目標値の変更量は次式で求められる。

Δhid=Gpi・Gfc(s)・(P5d−P5) (1)
ここで、
Δhid:#iスタンドの出側板厚目標値の変更量(i=1〜4)
Gpi :#iスタンドの比例ゲイン
Gfc(s):基準出側板厚変更量を計算するコントローラ(伝達関数表現)
P5d :#5スタンド圧延荷重の目標値
P5 :#5スタンド圧延荷重の実績値

マスフロー一定則から、板速の変化が無視できるとして、Gpiが次の条件を満足するように算出する。

Gp3=Gp4×vo(4)/vo(3) (2)
Gp2=Gp4×vo(4)/vo(2) (3)
Gp1=Gp4×vo(4)/vo(1) (4)
ここで、vo(i)は#iスタンド(i=1〜4)の出側板速度である。

なお、基準出側板厚変更量と#4スタンド出側板厚目標値の変更量を等しく設定するときには、Gp4=1.0とすればよい。
また、#5スタンドの圧延荷重目標値は、圧延制御を開始したときの圧延荷重の実績値をロックオンしてもよいし、予め決定しておいた値を設定してもよい。また、#5スタンドの圧延荷重目標値は、圧延速度に応じて変更させるなど予め決定しておいた値を圧延状況に応じて変更してもよい。
なお、比例ゲインGpiは、固定の比例ゲインに限定されることはなく、ゲインを可変とすることが可能である。例えば、比例ゲインの値を圧延速度等の圧延状況に応じて変更してもよい。
さらに、#1〜#3スタンドについては、ローパスフィルタを介することができる。例えば、#iスタンドから#4スタンドに圧延材が移送される時間を、Ti4[s]とし、調整ゲインをαiとすると、

LPFi(s)=1/(αi・Ti4・s+1) (i=1,2,3) (5)

とすることができる。
そして、i=1,2,3に対しては、Δhid は、式(6)の如く、LPFi(s)・Δhid で置き換えられ、修正されることとなる。

LPFi(s)・Δhid → Δhid (6)

なお、Ti4は圧延速度に依存するため、圧延速度に応じてリアルタイムで計算し、変更してもよい。また、αiを、圧延速度に応じて折線テーブル等により変更してもよい。
図2は、連続圧延機1の圧延荷重制御部10において実行される圧延荷重制御のプログラムを示すフローチャートである。このフローチャートに従って、圧延荷重制御部10において実行される圧延荷重制御について説明する。
S10にて、圧延荷重制御が開始されると、#5スタンドの圧延荷重目標値がセットされる。このとき、圧延荷重目標値入力部15から入力された値が圧延荷重目標値としてセットされる。
S20にて、#5スタンドの圧延荷重実績値を圧延荷重計3から読み込む。
S30にて、#5スタンド圧延荷重偏差(P5d−P5)が計算される。
S40にて、式(1)に基づいて、基準となる出側板厚変更量が計算され、#1スタンド〜#4スタンドの出側板厚目標値の変更量(Δh1d〜Δh4d)が計算される。さらに、#1〜3スタンドについては、ローパスフィルタが介され、#1スタンド〜#3スタンドの出側板厚目標値(Δh1d〜Δh3d)が、式(6)に基づいて、修正される。
S50にて、計算された出側板厚目標値の変更量(Δh1d〜Δh4d)に基づいて、#1スタンド〜#4スタンドの出側板厚目標量が変更される。
S60にて、圧延荷重制御を終了するか否かが判定されて、終了する場合には(S60にてYES)この圧延荷重制御を終了し、終了しない場合には(S60にてNO)処理はS10へ戻される。なお、2回目以降の圧延荷重目標値のセット(S10の処理)は、目標値が変更されない場合には省略することができる処理である。
以上述べた圧延荷重制御部10が動作したときの圧延状態量の変化結果について説明する。
図3は、本実施形態の技術を適用しない場合において、#4スタンドの出側板厚目標値を変更した際のシミュレーション結果である。なお、圧延荷重は無次元化している。また、式(1)として、Δh4d=1.0 ・ 500 ・ (P5d−P5)を採用している。すなわち、Gp4=1.0、 Gfc(s)=500 とした場合である。
図3に示すように、圧延状態量の変動結果は以下の通りである。
・#5スタンドの出側板厚偏差:1.62〜−0.92[μm]
・#5スタンドの圧延荷重変動:0.799−0.775=0.024
・#4スタンドの出側板厚目標値の変更量:−11.9[μm]
以下、本実施形態の第1例を示す。
本例においては、上述した、式(1)におけるGp3を1/2とし、Gp2を1/3とし、Gp1を1/4としたものである。
図4に、本例に係る圧延荷重制御方法によるシミュレーション結果を示す。#1スタンド〜#4スタンドの出側板厚目標値を変更する制御則は次のように決定した。
・Gfc(s)=500
・Gp4=1.0
・Gp3=Gp4×1/2
・Gp2=Gp4×1/3
・Gp1=Gp4×1/4

この場合の圧延状態量の変動結果は以下の通りである。
・#5スタンドの出側板厚偏差:1.53〜−0.67[μm]
・#5スタンドの圧延荷重変動:0.797−0.775=0.022
・#4スタンドの出側板厚目標値の変更量:−10.9[μm]

この結果から明らかなように、従来技術(図3)に比べて、本例に係る圧延荷重制御方法(図4)では、#5スタンドの出側板厚偏差、圧延荷重変動、#4スタンドの出側板厚目標値変更量ともに小さくなっていることがわかる。つまり、板厚精度、平坦度が優れた板材の生産が可能となることが明らかとなっている。
図5に、本実施形態の第2例の技術を適用した場合において、マスフロー一定則から決定された比例ゲインを用いて、#1〜#4スタンドの出側板厚目標値を変更した際のシミュレーション結果である。なお、図3の場合と同様に、圧延荷重は無次元化しており、Gfc(s)=500としている。ここで、Gp4=1.0とし、#iスタンド出側板速度(vo(4)=848[mpm]、vo(3)=618[mpm]、vo(2)=436[mpm]、vo(1)=298[mpm])を用いて、式(2)〜式(4)から、#1スタンド〜#4スタンドの比例ゲインは次の通りとした。
・Gp4=1.0
・Gp3=Gp4・848/618
・Gp2=Gp4・848/436
・Gp1=Gp4・848/298

この場合の圧延状態量の変動結果は以下の通りである。
・#5スタンドの出側板厚偏差:1.52〜−0.53[μm]
・#5スタンドの圧延荷重変動:0.797−0.775=0.022
・#4スタンドの出側板厚目標値の変更量:−10.8[μm]

この結果から明らかなように、従来技術(図3)に比べて、本実施形態に係る圧延荷重制御方法(図5)では、#5スタンドの出側板厚偏差、圧延荷重変動、#4スタンドの出側板厚目標値の変更量のいずれも小さくなっていることがわかる。つまり、板厚精度、平坦度が優れた板材の生産が可能となることが明らかとなっている。
図6に、本実施形態の第3例のシミュレーション結果を示す。ローパスフィルタを介してスタンドの出側板厚目標値を変更する。
条件は次の通りである。
・Gfc(s)=500
・Gp4=1.0
・Gp3=Gp4・848/618
・Gp2=Gp4・848/436
・Gp1=Gp4・848/298

また、式(5)は、αi=1.0とし、次のように決定した。
・LPF3(s)=1/(1・0.45・s+1)
・LPF2(s)=1/(1・1.08・s+1)
・LPF1(s)=1/(1・2.01・s+1)

この場合の圧延状態量の変動結果は以下の通りである。
・#5スタンドの出側板厚偏差:1.46〜−0.39 [μm]
・#5スタンドの圧延荷重変動:0.796−0.775=0.021
・#4スタンドの出側板厚目標値の変更量:−10.3 [μm]

この結果から明らかなように、従来技術(図3)に比べて、本例に係る圧延荷重制御方法(図6)では、#5スタンドの出側板厚偏差、圧延荷重変動、#4スタンドの出側板厚目標値変更量ともに小さくなっていることがわかる。なお、従来技術(図3)や図5の場合より、20秒近傍、30〜40秒近傍で#5出側板厚偏差の振動が小さくなっていることもわかる。つまり、板厚精度、平坦度が優れた板材の生産が可能となることが明らかとなっている。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 連続圧延機
2 圧延スタンド
3 圧延荷重計
10 圧延荷重制御部
11〜14 出側板厚変更量計算部
15 圧延荷重目標値入力部
16 板厚張力制御部
17 基準出側板厚変更量計算部
18〜20 ローパスフィルタ

Claims (8)

  1. 圧延材を複数の圧延スタンドで連続的に圧延する連続圧延機で、最終スタンドの圧延荷重に基づいて、最終スタンドに隣接する上流スタンドを含む連続した2以上の圧延スタンドの出側板厚目標値を変更するに際し、
    基準となる出側板厚変更量を算出すると共に、板厚変更のための比例ゲインを決定し、
    前記基準出側板厚変更量と決定された比例ゲインとを基に、前記最終スタンドの圧延荷重から前記2以上の圧延スタンドの出側板厚目標値を算出することを特徴とする連続圧延機の板厚制御方法。
  2. 前記圧延スタンドの出側板厚目標値の算出に際しては、出側板厚目標値の変更量を、当該圧延スタンドから最終スタンドの1つ上流側のスタンドに圧延材が移送される時間に基づいて決定された時定数を有するローパスフィルタを用いて算出することを特徴とする請求項1に記載の連続圧延機の板厚制御方法。
  3. 前記比例ゲインは、圧延材のマスフロー一定則から決定されることを特徴とする請求項1又は2に記載の連続圧延機の板厚制御方法。
  4. 前記比例ゲインを、制御対象となっている圧延スタンドの出側板速と、最終スタンドに隣接する上流スタンドの出側板速とに基づいて決定することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の連続圧延機の板厚制御方法。
  5. 圧延材を複数の圧延スタンドで連続的に圧延する連続圧延機に備えられた板厚制御装置であって、
    最終スタンドの圧延荷重に基づいて、最終スタンドに隣接する上流スタンドを含む連続した2以上の圧延スタンドの出側板厚目標値を変更するに際し、基準となる出側板厚変更量を算出すると共に、板厚変更のための比例ゲインを決定し、前記基準出側板厚変更量と決定された比例ゲインとを基に、前記最終スタンドの圧延荷重から前記2以上の圧延スタンドの出側板厚目標値を算出することを特徴とする連続圧延機の板厚制御装置。
  6. 前記圧延スタンドの出側板厚目標値の算出に際しては、出側板厚目標値の変更量を、当該圧延スタンドから最終スタンドの1つ上流側のスタンドに圧延材が移送される時間に基づいて決定された時定数を有するローパスフィルタを用いて算出することを特徴とする請求項5に記載の連続圧延機の板厚制御装置。
  7. 前記比例ゲインは、圧延材のマスフロー一定則から決定されることを特徴とする請求項5又は6に記載の連続圧延機の板厚制御装置。
  8. 前記比例ゲインを、制御対象となっている圧延スタンドの出側板速と、最終スタンドに隣接する上流スタンドの出側板速とに基づいて決定することを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の連続圧延機の板厚制御装置。
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