JP2010172347A - スクリーニングアッセイの感度および特異性を改良するための方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】不均一サンプル中での癌の分子徴候の検出のための、高い感度、高い特異性アッセイを提供する。
【解決手段】本発明の方法は、癌または前癌を示すマーカーについてのアッセイを包含する。本発明のアッセイは、非侵襲的または最小侵襲的な方法によって患者から得られたサンプルに対して実施される。本発明は、検出のための高い感度および高い特異性を有する癌または前癌の核酸徴候を提供する。本発明の方法は、アッセイにおける高い感度および高い特異性の利点を提供して、優勢的に非癌細胞および細胞の破片を有する不均一なサンプル中で少量の癌マーカー(例えば、核酸)を検出する。従って、このような方法は、癌または前癌の早期の検出のために特に有用である。
【選択図】なし

Description

本願は、U.S.S.N.08/700,583(米国特許第5,670,325号)の一部継続出願であるU.S.S.N.08/876,857の一部継続出願である。
(発明の分野)
本発明は、検出のために高い特異性および高い感度で癌の核酸マーカーを検出するためのアッセイに関する。
(発明の背景)
癌は、代表的には、制御されない細胞増殖をもたらす複数の遺伝子の変異を含む多段階プロセスから生じると考えられている。その発生の早期に検出された場合、多くの癌が治療可能である。例えば、結腸直腸癌は、代表的には、結腸の上皮において生じ、そして発生の初期の段階の間は広範に血管化されることはない(従って、侵襲性ではない)。高度に血管化され、侵襲性であり、かつ最終的に転移性である癌への移行は、一般に10年以上を要する。癌の存在が広範な血管化の前に検出される場合、外科的な除去が代表的に有効な治療である。しかし、結腸大腸癌は、しばしば、臨床的な徴候の発現(例えば、痛みおよび血便)の際にのみ検出される。一般的に、このような徴候は、その疾患が十分に確立された場合にのみ存在し、そしてしばしば転移が起こった後である。同様に、前悪性の子宮頸部の病巣の検出のためのパプ塗抹試験を例外として、他の型の癌についての診断的なスクリーニング方法は、確立した疾患を検出する際に最も良好である。
癌についての大部分の診断アッセイは、侵襲性であるか、または少なくとも不快である。侵襲的な手順は、組織生検の実行から手術の範囲にわたる。癌スクリーニング手順は、しばしば、有意な患者の不快感を生じる。例えば、磁気共鳴画像法は、患者の拘束を必要とし、そして結腸鏡検査法は、鎮静を必要とする。代表的で侵襲的なスクリーニング方法に付随するこの不快感は、慣用的なスクリーニング手順での患者のコンプライアンスを減少させる。
さらに、癌の早期の(すなわち、徴候および/または転移の発症の前の)検出のためのスクリーニングは、しばしば、耐え難いレベルの擬陽性および偽陰性の結果を生じる。擬陽性試験結果の可能性は、試験の特異性の関数である。試験の特異性(パーセンテージとして表現される)は、その疾患について試験で陰性である任意の個体が、その疾患について陰性である可能性である。他方、偽陰性結果は、試験の感度の特性である。感度(これもまたパーセンテージで表現される)は、特定の疾患についての試験が、その疾患を有する個体を陽性であるとして同定する可能性を提供する。従って、95%の特異性を有するアッセイを使用すると、疾患を有すると決定された個体の5%が、実際には疾患を有さない。同様に、95%の感度のアッセイは、そのときの5%のその疾患を有する個体を、疾患を有さないとして誤って同定する。
感度および特異性の問題は、癌の早期検出のためのアッセイにおいて誇張される。なぜなら、そのような早期検出が行われる患者サンプルは、非癌性細胞物質と比較して比較的少量の癌細胞物質を含むからである。多くの場合において、患者サンプルは、大量の正常細胞および少量の癌性細胞の不均一な混合物である。このような不均一なサンプルの良好な例は糞便である。代表的な糞便サンプルは、結腸上皮から分離した細胞および細胞の破片、消化の副産物、および細菌を含む。その初期の段階において、結腸大腸癌は、結腸上皮細胞の約1%のみに発症すると考えられている。糞便サンプルの不均一なバックグラウンドにおいて、1%の発症した細胞からの核酸を検出するための任意の試みは、非常に低い感度を生じ得る。他の不均一なサンプル(例えば、痰、膿、尿、乳頭吸引物など)中で癌の徴候の存在を同定するための試みは、同様の問題を与えた。
最近、多くの遺伝子変異が癌と関連していた。例えば、p53遺伝子、Krasオンコジーン、およびapc腫瘍抑制遺伝子における変化は、癌をもたらす多段階経路に関与すると考えられている。これらの遺伝子における変異は、特定の型の癌の初期の段階についての分子スクリーニングアッセイについての基礎であり得ることが示唆されている。例えば、非特許文献1を参照のこと。癌の指標である核酸マーカーを同定および使用するための試みがなされてきた。しかし、このようなマーカーが見出された場合でさえ、これらを使用して患者サンプル(特に、不均一なサンプル)をスクリーニングすることは、十分なサンプル物質を入手することが不可能なこと、または単一のマーカーのみを測定することから生じる低い感度のいずれかに起因して不成功であることが証明された。例えば、1つの型の不均一なサンプル(糞便)から、十分なヒトDNAを単に得ることは、難しいことが証明された。非特許文献2(これは、すべての糞便試料の44.7%のみ、および健常個体由来の糞便の32.6%のみが変異分析のために十分なDNAを生成したことを報告している)を参照のこと。十分なDNAが得られた他の報告は、単一の癌に関連する変異に基づく患者の疾患状態を同定する際に、低い感度を報告した。Eguchiら、Cancer,77:1707−1710(1996)を参照のこと(癌についてのマーカーとして、p53変異を使用する)。
Sidranskyら、Science、256:102−105(1992) Villaら、Gastroenterol.,110:1346−1353(1996)
従って、とりわけ不均一サンプル中での癌の分子徴候の検出のための、高い感度、高い特異性アッセイについての必要性が当該分野において存在する。
(発明の要旨)
本発明の方法は、不均一なサンプルにおける癌または前癌の徴候についてのアッセイの正確な(高い感度および高い特異性)結果を得ることの問題を解決する。
本発明は、非侵襲的または最小侵襲的に得られたサンプル上で行われる癌または前癌についてのアッセイを提供する。ここで、そのアッセイは、癌または前癌が患者サンプル中に存在する場合、癌または前癌の検出のための高い感度を有し、そして擬陽性の結果に対して高い特異性を有する。好ましい実施形態において、本発明の方法は、アッセイにおける高い感度および高い特異性の利点を提供して、優勢的に非癌細胞および細胞の破片を有する不均一なサンプル中で少量の癌マーカー(例えば、核酸)を検出する。従って、このような方法は、癌または前癌の早期の検出のために特に有用である。本発明の方法は、癌または前癌の早期の検出のための分子スクリーニングおよび診断アッセイの正確さを非常に増加させる。
本発明は、癌の分子的徴候(特に、核酸変異)を検出するための先行技術の非侵襲的方法(すなわち、非侵襲的または最小侵襲的に得られたサンプル上で行われる方法)が、このような方法がアッセイにおいて高い特異性および/または高い感度を維持することに取り組まなかったという点で、満足できる結果を提供することに失敗したと推論することを意図する。このような方法はまた、特に、検出が不均一なサンプル中で行われる場合に、アッセイにおいて高い感度および高い特異性の特徴を合わせて早期の癌の徴候を検出することの利点を認識することに失敗している。本発明は、癌の徴候、特に初期の段階の癌(例えば、癌の徴候が以下で議論するように、適切なサンプル中で細胞および細胞の破片の約1%を表す場合)のためのスクリーニングアッセイが、このアッセイの特異性および/または感度を増加させることによって改善されることを認識する。以下に記載されるように、分子アッセイの特異性および感度は、いくつかの方法において改善され得る。
好ましい実施形態において、本発明の方法は、1つ以上の核酸標的(癌または前癌において、変異していると疑わしい)を選択する工程、1つ以上の選択された標的の存在を、生物学的サンプルにおいて同定する工程を包含し、その結果、陽性として、標的を含む任意のサンプルを同定する確率は、少なくとも約44%、好ましくは約50%、そして最も好ましくは約60%と約95%との間であり、いずれの標的をも有さないサンプルを陰性として同定する確率は、少なくとも約85%、好ましくは、約90%と約100%との間である。
別の好ましい実施形態において、本発明は、癌または前癌において変異していると疑わしい複数の標的核酸を分析することによって、分子癌スクリーニングアッセイの感度および特異性を改良するための方法を提供し、その結果、複数の標的を分析する累積的な感度は、少なくとも約50%であり、そして複数の標的を分析する累積的な特異性は、少なくとも約85%である。
本発明の方法はまた、癌患者において変異が起こる確率に基づいて、癌または前癌スクリーニングアッセイにおける分析のために核酸変異を選択する工程を包含し、その結果、少なくとも1つの変異を有する患者サンプルにおける少なくとも1つの変異を同定する確率は、約50%と約95%との間である。本発明の方法はまた、癌または前癌スクリーニングアッセイの感度よおび特異性を最適化するために、1つ以上の核酸変異を選択する工程、および癌または前癌を診断するためにアッセイを実施する工程を包含する。好ましい実施形態において、本発明のスクリーニングアッセイは、検出の感度および特異性を改良するために、患者サンプルにおける、少なくとも2つ、そして好ましくは約3と約20の間のマーカー(例えば、変異、ヘテロ接合性の消失、配列長変化、核酸分子量変化、増幅可能な核酸の量の変化)を分析する。このような「複数の標的」アッセイは、改良された感度を可能にする。なぜなら、分析されるマーカーの量の増加は、癌または前癌の徴候を提示する患者が陰性である(癌を有していない)と誤診する可能性を減少するからである。
本発明の方法はさらに、癌または前癌を示すと疑わしい核酸マーカーを選択する工程、患者サンプルにおける癌または前癌の検出のためのアッセイにおける高い感度および特異性を提供するマーカーのサブセットを選択するためにマーカーの情報提供性(informativeness)を確認する工程、およびマーカーの選択されたサブセットの存在について患者サンプルをスクリーニングする工程を包含する。好ましい実施形態において、核酸マーカーは、癌または前癌を示すことが知られているか、または疑わしい変異であり得る。また、好ましい実施形態において、確認工程は、特定のスクリーニングアッセイに関連して使用されるマーカーの検出が、サンプルを得た患者が癌または前癌を有するか否か予測する程度を決定する工程を包含する。好ましくは、このような確認方法は、癌または前癌を有することが知られている患者の第1の群から得られたサンプルからの結果と受け入れられた標準的な(典型的に侵襲的な)方法によって決定された、癌または前癌を有さないことが知られている第2の群から得られた結果を比較することによって実施される。
本発明の方法はまた、関連するゲノム遺伝子座においてヘテロ接合性の消失の検出とともに、癌または前癌と関連することが公知であるか、または疑わしい変異の検出を組み合わせる工程を包含する。ガン関連核酸における変異、およびヘテロ接合性の消失の両方の分析の組み合わせは、癌または前癌についての任意のスクリーニングアッセイの特異性および感度を増加させる。好ましい実施形態において、このような方法は、スクリーニングアッセイにおける使用のための選択された遺伝子座を確認する工程を包含し、その結果、アッセイは、高い感度および高い特異性を有する結果を生じる。好ましい実施形態において、アッセイの感度は、少なくとも50%であり、アッセイの特異性は、少なくとも85%である。
本発明の方法は、所望のレベルの情報提供性を達成するために、癌または前癌の分子的徴候について2つ以上のアッセイを組み合わせる工程を包含する。例えば、好ましい実施形態において、本発明の方法は、定量的PCR、マルチプル変異分析、ヘテロ接合性の消失の検出、および1つ以上の変異体核酸マーカーのハイブリッド捕捉から選択される2つ以上のアッセイを組み合わせる工程を包含する。従って、感度および特異性の増加は、増幅可能なDNAの量に基づくアッセイが、特定の癌関連変異についてのアッセイと組み合わせられる場合、観測される。これらの「組み合わせアッセイ」の例、およびそれらの得られた感度および特異性は、詳細な説明に提供される。このような方法は、特に、検出されるべき核酸が、サンプル中で他の核酸(ならびに、他の分子)と比較して非常に少量で存在する不均一なサンプルに適用される場合、有用である。
本発明の方法はまた、そこで使用されるマーカーの「情報提供性」を使用する。核酸マーカーの情報提供性は、陽性サンプルにおいてマーカーを見出す可能性に関する。従って、特定の変異(例えば、K−rasのコドン12における変異)が、56%の癌について情報提供性を有する場合、このことは、陽性の患者サンプル(すなわち、癌を有する患者から取られたサンプル)の56%が、K−ras変異を有することを意味する。本発明の方法は、情報提供性マーカー(例えば、変異)と高い感度/特異性アッセイの使用を組み合わせて、特に、不均一なサンプルにおける癌または前癌の早期診断のための信頼のおけるスクリーニングアッセイを提供する。本発明の目的において、変異は、核酸における欠失、付加、置換、再配置、または転座である。ヘテロ接合性の消失は、1つの対立遺伝子の全て、または一部分が、欠失する変異の形態である。また本発明の目的において、用語「マーカー」、「標的」および「変異」は、核酸(特にDNA)変異(置換、付加、再配置、転座、欠失など)、ならびに本発明の方法において有用な他の核酸徴候を含む。このような徴候には、サンプル中の増幅可能な核酸の量、サンプル中の核酸の長さ、長い核酸(約200bpより長い)の短い核酸(約200bpより短い)に対する比、および癌を有する患者と疾患のない患者において異なる任意の他の核酸変化が挙げられる。また本発明の目的において、用語「健康な」または「疾患のない」は、癌または前癌を有さない患者を意味することが意図される。
糞便は、本発明の方法が特に有用である不均一なサンプルの良好な例である。典型的な糞便サンプルは、患者の核酸を含むが、また不均一な核酸、タンパク質、および結腸に見出される種々のヌクレアーゼ、プロテイナーゼなどの溶解機能と一貫した他の細胞細片を含む。糞便が、近位結腸から遠位結腸に進むにつれて、それは、(通常の環境下で)固化する。固体した糞便は、結腸を通過し、結腸上皮細胞が、糞便上に脱落する。患者が進行中の腫瘍または腺腫を有する場合、腫瘍または腺腫からの細胞もまた、糞便上に脱落し、そしてそれら(またはそれらの細片)は、疾患の分子的徴候(例えば、変異またはヘテロ接合性の消失)を含む。進行の初期段階において、腺腫または腫瘍を示す核酸は、約1%の核酸のみをすきまのある糞便に含む。患者が処置されていない状態にある場合、時間が経過するうちに、比例してより多くの疾患関連核酸が糞便中に見出される。本発明の方法は、糞便のような不均一なサンプルにおける初期段階の損傷を検出するのに有用である。本発明の方法は、初期段階の疾患の検出について高い程度の感度および特異性を生じる。本発明の方法は、例えば、結腸における腺腫の検出において特に有用である。腺腫は、非転位性の損傷であり、これは、しばしば、転位の可能性を有する。患者における全ての腺腫が検出され、そして除去される場合、完全な治療の可能性は、実質的に確実である。
好ましい実施形態において、高度の情報提供性を有する核酸または核酸変異が、選択される。1つ以上のアッセイは、1つ以上の情報提供性核酸を信頼のおけるように検出するために実施し、診断を、任意の1つの情報提供性核酸の患者サンプルにおける存在に基づてなされる。好ましい実施形態において、核酸は、それらの長さおよび/または配列特性に基づいて本発明の方法における分析のための標的として選択される。例えば、糞便(プロトタイプの不均一なサンプル)における核酸の量および/または長さが、患者の疾患状態に関する高度な情報提供性を示すことが発見された。例えば、腺腫を有する患者は、健康な患者によって産生される検体よりも多くかつ長いDNAを含む糞便検体を産生する。さらに、多くの高度に情報提供性を与えるDNA変異は、本発明の方法において有用である。これらは、オンコジーン、Krasにおける変異(特に、コドン12および13での変異);細胞周期調節因子p53における変異;apc遺伝子における変異;MSH2ミスマッチ修復遺伝子のbat−26セグメントにおける変異;およびヘテロ接合性の消失(典型的に、ある対立遺伝子においてDNAの大量消失によって示されるが、他ではそうでなはい)を含む。最後に、本発明の方法は、アッセイの情報提供性が複数の変異を同時にまたは順にスクリーニングすることによって、あるいは異なるアッセイを組み合わせることによって、増加されることを提供する。
別の好ましい実施形態において、本発明の方法は、十分な増幅可能な核酸を有する、分析のためのサンプルを提供することによって、癌または前癌のついての情報提供性分子アッセイを提供する。従って、1つの実施形態において、本発明の方法は、増幅可能なDNAについてサンプルをスクリーニングする工程;それらから増幅され得るDNAの量に基づいてサンプルを分類する工程;および癌または前癌を示す変異の存在について増幅されたDNAまたは増幅可能なDNAの所定の閾値を有するサンプルをさらにスクリーニングする工程をさらに包含する。
別の好ましい実施形態において、本発明の方法は、癌または前癌を示す1以上の変異事象を選択する工程を包含し、その結果、1以上のこれらの事象の組み合わせの情報提供性が、所定または所望のレベルの情報提供性に達するか、またはそれらを超える。任意の変異または変異の組み合わせの情報提供性は、一般に認められている侵襲性のスクリーニング技術によって確認され得る。例えば、結腸直腸癌を検出するための方法において、分子アッセイの情報提供性は、結腸鏡検査を使用する病変の同定によって決定され得る。
本発明はまた、以下の項目を提供する。
(項目1) 組織サンプルまたは体液サンプルにおいて癌または前癌を示す核酸マーカーを検出する方法であって、該方法は、以下の工程:
(a)1または複数の情報提供性核酸マーカーを選択する工程;および
(b)患者から非侵襲的または最小侵襲的に得られたサンプルにおいてアッセイを行い、該サンプルにおける少なくとも1つの該マーカーを同定する工程であって、該アッセイは少なくとも60%の感度および少なくとも90%の感受性を有し、それによって該サンプルにおいて癌または前癌を示すマーカーを検出する、工程
を包含する、方法。
(項目2)組織または体液サンプルにおいて癌または前癌を示す核酸マーカーを検出する方法であって、該方法は、以下の工程:
(a)患者から非侵襲的または最小侵襲的に得られたサンプルにおいてマルチプル変異アッセイを行う工程;
(b)該サンプルにおいて核酸増幅アッセイを行い、該サンプルにおける増幅可能な核酸の量を検出する工程;および
(c)少なくとも1つの変異が工程(a)で同定されたサンプル、および工程(b)において得られた増幅された核酸の量が所定の閾値を超えるサンプルからなる群より選択されるサンプルを、陽性スクリーニングとして同定する工程
を包含する、方法。
(項目3)上記所定の閾値は、癌または前癌を有さない患者由来のサンプルにおいて得ることができる増幅可能な核酸の量である、項目2に記載の方法。
(項目4)上記量は、
(a)上記患者由来のサンプルにおける核酸を増幅すること、および
(b)癌または前癌を有さないことが分かっている患者由来のサンプルにおける核酸を増幅すること
によって得られた核酸のゲル電気泳動パターンを比較することによって決定される、項目3に記載の方法
(項目5)上記増幅工程が同時に行われる、項目4に記載の方法。
(項目6)上記癌が線腫である、項目1または2に記載の方法。
(項目7)上記サンプルが、糞便および糞便のホモジネートからなる群から選択される、項目1または2に記載の方法。
(項目8)上記サンプルが、膿、痰、尿、血液、脳脊髄液、精液、および吸引物からなる群から選択される、項目1または2に記載の方法。
(項目9)上記マルチプル変異アッセイが単一塩基伸長アッセイを含む、項目1または2に記載の方法。
(項目10)上記単一塩基伸長アッセイが、
(a)オリゴヌクレオチドプライマーと核酸サンプル中の核酸の部分との間で正確な相補的ハイブリダイゼイションを促進する条件下で、該オリゴヌクレオチドプライマーを該核酸サンプルにアニーリングする工程;
(b)該プライマーを単一の塩基伸長させる工程;
(c)該伸長したプライマーを該部分から分離する工程;および
(d)該伸長したプライマーに組み込まれた塩基を同定し、それによって、該単一の塩基を同定する工程、
を包含する、項目9に記載の方法。
(項目11)項目9に記載の方法であって、上記単一塩基伸長アッセイが、以下の工程:
(a)オリゴヌクレオチドプライマーと核酸サンプル中の核酸の部分との間で正確な相補的ハイブリダイゼイションを促進する条件下で、該オリゴヌクレオチドプライマーを該核酸サンプルにアニーリングする工程;
(b)プライマー伸長を促進する条件下で、2つの異なるデオキシヌクレオチドに該サンプルを曝露する工程;
(c)該プライマーがもはや伸長されなくなるまで、該プライマーを伸長する工程;
(d)該伸長したプライマーを該部分から分離する工程;および
(e)該伸長したプライマーに組み込まれた塩基を同定し、それによって、該単一の塩基を同定する工程、
を包含する、方法。
(項目12) 項目11に記載の方法であって、上記デオキシヌクレオチドの少なくとも1つが、検出可能に標識される、方法。
(項目13) 項目9に記載の方法であって、上記単一塩基伸長アッセイが、複数のゲノム遺伝子座の各々において、単一のヌクレオチドを同定する工程を包含する、方法。
(項目14) 項目13に記載の方法であって、上記ゲノム遺伝子座が、apc、Kras、p53,およびbat−26からなる群から選択される、方法。
(項目15) 上記定量的核酸増幅アッセイが、上記サンプルにおける増幅可能な核酸の第1の量を提供し、該第1の量が該サンプルにおける癌または前癌を示すか否かを決定するために、該第1の量が第2の参照量と比較される、項目2に記載の方法。
(項目16) 組織または体液サンプルにおける癌または前癌を示すマーカーを検出する方法であって、該方法は、複数の核酸アッセイを行う工程を包含し、該複数は、患者から非侵襲的または最小侵襲的に得られたサンプルにおいて、癌または前癌のマーカーの検出のために少なくとも60%の検出感度および少なくとも90%の検出特異性を提供するものである、方法。
(項目17) 上記複数は2〜5のアッセイを含む、項目16に記載の方法。
(項目18) 上記複数が、定量的ポリメラーゼ連鎖反応およびbat−26における変異アッセイを含む、項目16に記載の方法。
(項目19) 上記bat−26における変異アッセイは、該bat−26のフラグメントを同定するためのプライマー伸長アッセイを含む、項目18に記載の方法。
(項目20) 上記前癌が線腫である、項目16に記載の方法。
(項目21) 上記癌が結腸直腸癌である、項目1、2または16に記載の方法。
(項目22) 癌または前癌の核酸マーカーの存在を、不均一サンプルにおいて検出する方法であって、該方法は、以下の工程:
(a)患者から非侵襲的または最小侵襲的に組織または体液サンプルを得る工程;
(b)該サンプルにおいてアッセイを行い、該マーカーのうちの少なくとも1つを、少なくとも50%の検出感度および少なくとも90%の検出特異性で検出する工程;
(c)該マーカーのうちの少なくとも1つが該アッセイを行う工程において検出された場合に、サンプルを陽性であると同定する工程
を包含する、方法。
(項目23)不均一サンプルにおいて、癌または前癌の核酸マーカーの存在を、少なくとも50%の該マーカーの検出感度および少なくとも90%の該マーカーの検出特異性で検出する方法であって、該方法は、以下の工程:
(a)患者から非侵襲的または最小侵襲的に得られた該不均一サンプルにおける該マーカーの検出のための少なくとも2つのアッセイを行う工程;および
(b)該アッセイのうちの少なくとも1つにおいて少なくとも1つの徴候が検出されるサンプルを、陽性サンプルと同定する工程
を包含する、方法。
(項目24) 上記アッセイは、マルチプル変異検出、定量的ポリメラーゼ連鎖反応、配列特異的ハイブリッド捕捉、オリゴ連結、増幅不応性変異系、一本鎖コンフォーメーション多型性検出、配列決定、ミスマッチ検出、および単一塩基伸長からなる群より選択される、項目23に記載の方法。
(項目25) 上記感度および上記特異性は、上記スクリーニング方法において得られた結果と、侵襲性診断法を使用して得られた結果とを比較することによって決定される、項目1、2、16、22または23に記載の方法。
(項目26) 上記侵襲性診断法は結腸鏡検査である、項目25に記載の方法。
(項目27) 上記侵襲性診断法が、上記スクリーニング方法と同時に実行される、項目26に記載の方法。
(項目28) 上記侵襲性診断方法が、上記スクリーニング方法が実行された時期の約3時間〜約3ヵ月以内に実行される、項目27に記載の方法。
(項目29) 上記アッセイは、染色体アームの少なくとも一部におけるヘテロ性の消失を検出するためのアッセイである、項目22に記載の方法。
(項目30) 上記ヘテロ接合性の消失を検出するためのアッセイが、計数LOHおよび単一塩基伸長からなる群から選択される、項目29に記載の方法。
(項目31) 上記染色体アームが、第17p染色体、第5p染色体、第8p染色体、第1q染色体、および第18q染色体からなる群から選択される、項目29に記載の方法。
(項目32) 組織または体液サンプルにおいて癌または前癌を示す核酸マーカーを検出する方法であって、該方法は、以下の工程:
増幅可能な量の核酸を得るために、患者から非侵襲的または最小侵襲的に得られたサンプル中の核酸を増幅する工程;および
該量に基づいて癌または前癌を示すマーカーを含むサンプルを同定する工程であって、検出の感度は少なくとも60%であり、検出の特異性は少なくとも90%である、工程
を包含する、方法。
(項目33) 上記量は、癌または前癌を含むサンプル中に存在することが知られている標準量と比較される、項目32に記載の方法。
本発明の特定の好ましい実施形態の詳細な説明を、以下に提供する。本発明の他の実施形態は、以下の詳細な説明の観点から明らかである。
図1は、サンプル中の増幅可能な核酸の量を決定するためのアッセイにおける使用のための、例示的な「A」、「B」、「C」および「F」増幅を示す、ポリアクリルアミドゲルである。レーン1、4、5、6および7は、「A」増幅を示し、レーン2は、「C」増幅を示し、レーン3は、「B」増幅を示し、そしてレーン8は、「F」増幅(増幅可能なDNAは存在しない)を示す。
(発明の詳細な説明)
本発明の方法は、癌または前癌の疾患の初期段階での検出のための、非侵襲性または最小侵襲性のアッセイを提供する。本発明の方法は、不均一な生物学的サンプルにおける癌または前癌の検出に特に有用である。好ましい方法は、患者のサンプルにおいて1以上の核酸変異を同定する工程を包含し、これは、癌または前癌の証拠の検出に対する、高い感度および高い特異性を提供する。本発明の方法は、癌または前癌についての既知の情報提供性を有する変異を同定する工程を包含し得るか、あるいは癌についての標準アッセイに関連付けた、選択された変異の確認または変異を検出するためのアッセイに基づき得る。癌または前癌の存在の検出に対する高い感度/特異性を有する癌マーカーまたは前癌マーカーを利用することによって、本発明の方法は、非侵襲性または最小侵襲性の分子スクリーニングアッセイにおける改善を提供する。本発明の目的について、非侵襲性または最小侵襲性とは、分析のための試料を、身体排泄物(例えば、糞便、膿、痰)または体液(例えば、血液吸引物またはリンパ)のいずれかから得ることを意味する。
本発明は、患者の糞便試料から調製されたサンプルにおいて、結腸直腸の癌または前癌の証拠の存在を検出するための実験によって例示される。しかし、当業者は、本発明の方法が、種々の癌を検出するために、種々の異なるサンプルを使用して行われ得ることを認識する。
結腸直腸の癌または前癌(例えば、腺腫)の検出を例示するのは、糞便試料が、本発明の方法が特に有用である、不均一な環境の良好な例であるからである(上記を参照のこと)。さらに、結腸鏡検査(および、S状結腸鏡検査(関連技術))は、高い感度および高い特異性を有する(しかし、高コストであり、かつ患者のコンプライアンスが低い)周知の侵襲性の標準であり、本発明の方法と、比較および検証され得る。
本発明の方法は、検出の感度が約50%〜約100%の間であり、かつ検出の特異性が約85%〜約100%の間であるような、癌または前癌(例えば、結腸直腸腫瘍または腺腫)の1以上のマーカーの存在について、サンプル(例えば、糞便試料から調製したサンプル)をスクリーニングする工程を包含する。好ましい実施形態において、本発明の方法は、感度および特異性の全体的な増加を達成するために、異なる型のアッセイと併用される。従って、本発明の方法は癌または前癌に関連することが既知の変異についてのアッセイ、および癌または前癌に存在することが予測されるDNAの量および/または長さについてのアッセイを行うことを包含し、両方のアッセイの感度および特異性の組み合わせた効果を得る。さらに、感度および特異性のさらなる増加を提供するために、各アッセイにおいて複数のゲノム標的を使用するということが、癌または前癌を検出するために複数の核酸分析を利用するという概念に含まれる。しかし、以下に示すように、単一マーカーのアッセイが、その感度および特異性が本明細書中に教示される範囲内にある場合に、本発明の実施に十分である。
本発明に従って使用されるゲノム標的およびアッセイ方法は、所望のレベルの感度および特異性、ならびに検出が所望される癌または前癌の型に依存して変化し得る。ゲノム標的(例えば、変異)は、それらの既知の感度または特異性に基づいて選択されるか、または基準の感度および特異性を決定することによって選択され得る。好ましい実施形態において、本発明の方法は、情報提供性の単一の遺伝子座での変異の検出を包含する。他の実施形態において、情報提供性の遺伝子座についてのアッセイは、侵襲性の技術と比較した改善された感度および特異性を達成するために、組み合わせられる。従って、本発明の方法は、以下から選択されるアッセイの組み合わせを意図する:マルチプル変異検出(multiple mutation detection)、定量的ポリメラーゼ連鎖反応(すなわち、サンプル中の増幅可能なDNAの量を決定するため)、配列特異的ハイブリッド捕捉、オリゴ連結、増幅不応性変異系(amplification refractory mutation system)、一本鎖コンフォーメーション多型性検出、配列決定、ミスマッチ検出、および単一塩基伸長。標的遺伝子座としては、第1染色体、第5染色体、第8染色体、第17染色体および第18染色体、特に、第5q染色体、第17p染色体、第8p染色体、第1q染色体、および第18q染色体が挙げられる。本発明の方法における使用に好ましい遺伝子座としては、p53、apc、bat−26、および癌または前癌の前兆であることが疑われる他の遺伝子座が挙げられる。
他の遺伝子が、結腸直腸癌に関連することが公知であり、そしてそれらの感度および特異性が文献に公知でない場合に、十分に多くの異なる集団から、その変異を保有する腫瘍の割合、およびその変異を保有する健常な試料の割合を測定することによって、それらの感度および特異性が決定される。これは、経験的、または変異の存在を癌または前癌の存在に関連付けるデータに基づいて、儀陽性および儀陰性のスクリーニング結果の可能性を予測するアルゴリズムを使用して数学的に行われ得る。患者の臨床状態の確認は、標準的試験(例えば、結腸癌における結腸鏡検査(これは、95%の標準的な感度および100%の標準的な感度を有する))によって達成され得る。
糞便サンプルの分析のために、本発明の好ましい方法は、米国特許第5,741,650号、および同時係属中の共有に係る米国特許出願第09/059,718号(この両方は、本明細書中に参考として援用される)に教示されるように、排泄された糞便の少なくとも断面または周辺(circumfrential)部分を得る工程を包含する。糞便の断面部分および周辺部分が望ましいが、本明細書中に提供される方法は、排泄された糞便から得られたランダムなサンプル(スメアまたは切屑を含む)に対して実行される。一旦、糞便試料を得ると、その糞便試料をホモジナイズする。ホモジナイゼーションのための好ましい緩衝液は、少なくとも16mMのエチレンジアミン四酢酸(EDTA)を含む緩衝液である。しかし、同時係属中の共有に係る米国特許出願第60/122,177号(本明細書中に参考として援用される)に教示されるように、少なくとも150mMのEDTAの使用が、糞便からの核酸の収率を大幅に改善することが考察されている。従って、糞便のホモジナイゼーションのための好ましい緩衝液は、リン酸緩衝化生理食塩水、20〜100mM NaClまたはKCl、少なくとも150mMのEDTA、ならびに必要に応じて界面活性剤(例えば、SDS)およびプロテイナーゼ(例えば、プロテイナーゼK)を含む。
ホモジナイゼーション後、核酸は、好ましくは、この糞便サンプルから単離される。核酸の単離または抽出は、本発明の必ずしも全ての方法において必要とはされない。なぜなら、特定の検出技術は、核酸の単離を伴わずに、ホモジナイズされた糞便において十分に実行され得るからである。しかし、好ましい実施形態において、ホモジナイズされた糞便を遠心分離して、核酸、タンパク質、脂質および他の細胞細片を含む上清を作製する。この上清を界面活性剤およびプロテイナーゼで処理して、タンパク質を分解し、そして核酸をフェノール−クロロホルム抽出する。次いで、この抽出された核酸を、アルコールで沈殿させる。他の技術を使用して、このサンプルから核酸を単離し得る。このような技術としては、ハイブリッド捕捉、およびこのホモジナイズした糞便からの直接的な増幅が挙げられる。核酸は、使用されるスクリーニングアッセイに必要とされる程度に、精製および/または単離され得る。
分析される核酸は、特定の変異と癌または前癌との間の既知の関連性または疑われる関連性に基づいて選択される。所望の場合、配列特異的ハイブリッド捕捉を使用して、サンプルから特定の核酸を単離する。標的核酸は、当該分野の任意の方法によって分析され得る。好ましい方法の例としては、米国特許第5,670,325号(本明細書中に参考として援用される)に教示されるような、ヘテロ接合性の損失の計数分析が挙げられる。計数方法は、変異核酸の配列の情報を必要としない。むしろ、このような方法は、野生型核酸において変更(欠失、置換、付加、再編成または他の変異)が存在することを決定する。この調べられる遺伝子座は、癌または前癌に関連する変更の尤度に基づいて選択する。計数方法は、癌または前癌において変更されていることが既知でない野生型核酸のサンプル中の数を、癌または前癌において変更されていることが既知または疑われるている野生型核酸の数と比較する。この2つの数における統計的に有意な差異が、陽性スクリーニングを示す。
標的核酸における変異はまた、癌または前癌を示す一ヌクレオチド改変体を同定するための単一塩基伸長技術によって測定され得る。好ましくは、単一塩基伸長アッセイは、共有に係る同時係属米国特許出願第09/067,212号(本明細書中に参考として援用される)に教示されるように、繰り返される。手短に言うと、繰り返される単一塩基伸長反応は、検出されるべき単一の塩基を含む領域の直ぐ5’側に、核酸プライマーをアニーリングさせる工程を包含する。この検出されるべき単一の塩基は、変異についてのマーカーを表す。この変異は、単一の点変異であり得るか、またはこの単一の塩基がマーカーである、より大きな変異であり得る。2つの別々の反応が行われる。第1の反応において、プライマーを、標的にアニーリングさせて、そして検出されるべき単一の塩基で非野生型(例えば、疾患を示す変異体)改変体に相補的な標識(好ましくは、32P)された核酸、およびその野生型塩基に対して相補的な標識していないジデオキシ核酸を組み合わせる。プライマー伸長は、野生型(ジデオキシ)塩基がそのプライマーに付加される最初の時点で停止される。伸長されたプライマーにおける標識の存在は、変異の存在を示す。第2のチューブは、ポジティブコントロールであり、これは、このプライマーの存在下で野生型塩基に相補的な標識された核酸を含む。DNAポリメラーゼ(例えば、SequenaseTM(Amersham))を、プライマー伸長に使用する。好ましい実施形態において、熱安定性ポリメラーゼ(例えば、Taqまたはサーマルシークエナーゼ)を使用して、より効率的なサイクリングを可能にする。一旦伸長反応が完了されると、標的核酸に結合された第1のプローブおよび第2のプローブは、この反応混合物をこのハイブリッドの融解温度より高く加熱することによって解離される。次いで、この反応混合物を、このハイブリッドの融解温度以下に冷却し、そしてさらなるプライマーが、次回の伸長反応のために標的核酸と会合される。好ましい実施形態において、10〜50サイクルの伸長反応が行われる。最も好ましい実施形態において、30サイクルの伸長反応が行われる。全サイクルが完了した後、伸長産物を単離および検出する。代替的実施形態において、ジデオキシヌクレオチドよりむしろ鎖終結方法が使用され得る。例えば、鎖終結は、そのプライマー上で、その次に利用可能なヌクレオチドでの組み込みに利用可能なさらなる塩基が存在しない場合に生じる。
本発明の方法はまた、癌または腺腫を示す集団サンプルにおける特性を同定するための、患者集団のスクリーニングに有用である。例えば、本発明の方法は、患者サンプルのサブセットに存在する核酸変異と、それらの患者における疾患の存在とを相関付けるための、患者集団の高い感度で、高い特異性のスクリーニング工程を包含する。従って、本発明の方法は、患者サンプルにおけるゲノム変化を検出する工程、これらの変化と確認された疾患とを相関付ける工程、および確認された疾患に関連するこれらの変化を、以後の患者サンプルにおける、その疾患についての診断スクリーニングに使用する工程を包含する。このような方法は、好ましくは、識別された患者集団(例えば、疾患集団、健常集団)からのプールされたサンプル(例えば、糞便サンプル)に対して行われる。このような方法は、好ましくは、一塩基ヌクレオチド多型遺伝子座における変化に基づく。これらの遺伝子座の変異体の検出の感度および特異性を、疾患の関数として決定する。所定のレベルの感度および特異性で疾患を予測するこれらの遺伝子座は、未知の患者サンプルに対するスクリーニングアッセイにおける使用のために選択される。
以下の実施例は、上記で議論された概念の特定の例示を提供する。本実施例は、疾患を予測することが示される変異事象のサブセットを利用する。他の変異は、本発明のアッセイにおける、高い感度で、高い特異性の診断マーカーまたはスクリーニングマーカーとして機能することが意図される。さらに、以下に例示されるアッセイは、例示目的のためである。本発明は、種々のアッセイを意図し、これらのアッセイは、それぞれ、少なくとも約44%および少なくとも約85%の所定のレベルの感度および特異性を提供する限り、癌または前癌について患者サンプルをスクリーニングするために有用である。
(実施例1:糞便サンプルの多重スクリーニング)
上記の糞便試料における癌または前癌の検出の感度および特異性に対する、マルチプル変異分析単独の効果を決定するための実験を行った。15の変異(これらは全て、結腸直腸癌または結腸直腸前癌に存在することが既知であるか、または疑われる)を使用して、40人の患者サンプルをスクリーニングした。以下の表は、アッセイした変異を掲載する。
Figure 2010172347

本発明に従って、マルチプル変異分析は、癌または前癌の検出の感度および特異性を増加させるための好ましい方法である。例えば、本アッセイの全体の感度および特異性を増加させるために、1つの対立遺伝子の変異(例えば、Kras、コドン13、第2位)の情報提供性を、第2の対立遺伝子の変異(例えば、Kras、コドン12、第1位、またはapc、コドン1450、第1位)の情報提供性とを組み合わせる累積効果が存在する。従って、この本発明の1つの局面の効果を、以下に示す。
糞便試料を、Mayo Clinic(Rochester,MN)で、結腸鏡検査が行われるべきであることを示す症状または病歴を有することが示された、40人の個体から収集した。各糞便サンプルを凍結させた。糞便サンプルの提供直後に、全ての患者に、彼らの疾患状態を決定するために結腸鏡検査を行った。結腸鏡検査(患者の鎮静を必要とする侵襲性の試験)は、結腸新形成の診断に対する、95%に近い感度、およびほぼ100%の特異性を有する。この結腸鏡検査の結果、およびその後の、結腸鏡検査の間に採取した生検サンプルの病歴分析に基づいて、個体を、以下の3つのグループに分けた:正常、癌、および腺腫。腺腫(すなわち、ポリープ)は、それが1cm以上の直径を有する場合に、臨床的に関連するとみなす。従って、腺腫グループにおける全ての個体は、少なくとも1cmのポリープを有した。癌グループにおける患者は、癌として診断された腫瘍を有し、そして疾患を有さない個体は、結腸鏡検査によって癌または腺腫の徴候が全く示されなかった患者であった。この結腸鏡検査の結果に基づいて、21人の患者が、癌を有すると診断され、9人の患者が、1cmより大きい腺腫を有すると診断され、そして10人が、癌も腺腫も有さなかった。
次いで、各サンプルに対して盲検ベースで(すなわち、アッセイを行う科学者は結腸鏡検査または組織学の結果を知らなかった)マルチプル変異分析を行った。凍結した各糞便サンプル(重量7〜33g)を解凍し、500mM Tris、16mM EDTAおよび10mM NaCl、pH9.0中でホモジナイズした(容積:質量比は約3:1)。次いで、サンプルを同じ緩衝液中で、最終容積:質量比が20:1になるように再びホモジナイズし、そして2356×gでガラスマクロビーズ(glass macro bead)中でスピンした。上清を採取し、そしてSDSおよびプロテイナーゼKで処理した。次いで、DNAをフェノールクロロホルム抽出し、そしてアルコール沈澱した。沈澱物を10mM Trisおよび1mM EDTA(1×TE)、pH7.4中で懸濁した。最終的に、DNAをRnaseで処理した。
ヒトDNAを配列特異的ハイブリッド捕捉により沈澱物から単離した。p53、K−rasおよびapc遺伝子の部分に対するビオチン化プローブを使用した。K−rasプローブは、以下であった:
Figure 2010172347

(配列番号1)。2つのapcプローブがあり、apc−1309は以下であり:
Figure 2010172347

(配列番号2)、そしてapc−1378は、以下であった:
Figure 2010172347

(配列番号3)。p53に対する4つのプライマーがあり、第1は(エキソン5の部分にハイブリダイズする)は、以下:
Figure 2010172347

(配列番号4)であり、第2は(エキソン7の部分にハイブリダイズする)、以下:
Figure 2010172347

(配列番号5)であり、第3は(これもまたエキソン7の部分にハイブリダイズする)以下:
Figure 2010172347

(配列番号6)であり、そして最後にエキソン8に対するプローブは、以下の配列:
Figure 2010172347

(配列番号7)を有した。各プローブの10μlのアリコート(20pmol/捕捉)を、310μlの6M GITC緩衝液の存在下で室温で2時間、300μl DNAを含む懸濁物に添加した。ハイブリッド複合体をストレプトアビジンコーティングビーズ(Dynal)を用いて単離した。洗浄後、プローブ−ビーズ複合体を25℃で1時間、0.1×TE緩衝液(pH7.4)中に懸濁した。次いで、この懸濁物を85℃で4分間加熱し、そしてビーズを除去した。
次いで、捕捉したDNAを、本質的に米国特許第4,683,202号(本明細書中に参考として援用される)に記載のように、PCRを用いて増幅した。7つの別々のPCRをKras、apc、およびp53に対するプライマーを用いて二連で実行した。以下に列挙するプライマーを使用した:
Figure 2010172347

サンプルを94℃で5分間加熱し、次いで94℃、60℃、および72℃(各1分ごと)の間で40サイクル、次いで72℃で5分間を1サイクル行った。
上記の表1に列挙した15の変異の存在を、本質的に上記および同時係属中の共同出願人に係る米国特許出願番号第09/067,212号(本明細書中に参考として援用される)のように、サイクリング単一塩基伸長(cycling single base extention)(サイクリングSBE)により決定した。簡潔には、2つの反応を行った。第1の反応において、プライマーを、検出される単一塩基に隣接してハイブリダイズした。予測した変異塩基に相補的な32P標識ヌクレオチドおよび野生型塩基に相補的な非標識ジデオキシヌクレオチドを添加した。プライマーを伸長し、そして変異を示す標識産物の存在がサンプル中に存在した。第2の反応を、標識された野生型相補体のみを反応混合物に添加するポジティブコントロールとして実行した。標識された塩基を組み込むプライマー伸長により、この反応が正確に実行されたことが確認された。
SBEで使用したプライマーは以下のとおりであった:
Figure 2010172347

反応を標準的な変性、アニーリング、伸長サイクリングの下で30サイクル行い、そして15%変性ポリアクリルアミドゲル上で可視化した。各サイクリング反応からの1分ごとの数(CMP)をPackard Instant Imager(ワイヤチャンバカウンター)に入力した。対立遺伝子不均一性の%を以下のとおりに決定した:
cpm変異/cpm野生型
cpm 1% 変異コントロール/cpm 1% 野生型コントロール
陽性サンプルを2つの複製物のうちの少なくとも1つが、分析した単一塩基のうち少なくとも1つについて1%不均一性を有する変異を有したものとして規定した。分析した遺伝子のうちの少なくとも1つが、二連で変異を示した任意のサンプルを、陽性とみなした。結果を以下の表2にまとめる。癌/腺腫および正常群における患者の総数は、「患者状態」の列に示す。
Figure 2010172347

表2に示されるように、SBEを使用するマルチプル変異分析は、52%の感度で、結腸鏡検査により同定された21の癌病変から11を正確に同定した。マルチプル変異分析により、44%の感度で、9つの腺腫のうち4つが明らかになった。両方の場合において、SBEを使用するマルチプル変異分析は、疾患を有さない個体全てを正確に同定し、擬陽性を全く生じなかった(100%の特異性)。
糞便の潜血検査を、腺腫を有すると診断された患者からの全サンプルに対して、SBE試験と並行して実行した。糞便の潜血検査は9つの腺腫陽性サンプルのいずれ診断もできず、従って、0%の感度を有した。従って、マルチプル変異分析は、現在利用可能な最も一般的な非侵襲性技術(糞便潜血)よりはるかに高い感度および特異性を有する。
(実施例2−定量的DNA分析)
この実験において、実施例1に記載される同じ40サンプルを、癌または前癌を有する患者により生じた糞便中の増幅可能なDNAの量が、癌を有さない個体由来の糞便中に生じた増幅可能なDNAの量とは異なるか否かを決定するために、それらの総DNA含有量について独立して分析した。サンプルを「盲検」で分析し、そして後で以下に記載のように結腸鏡検査の結果に対して相関させた。
実施例1における上記の40名の患者から得られたDNAのアリコートを、上記のプライマーを用いて増幅した。各サンプルを二連で7つの遺伝子座を介して増幅した(各遺伝子座について計14増幅)。PCR産物を4% Nusieve(FMC Biochemical)ゲル(3% Nusieve,1%アガロース)上に配置し、そしてエチジウムブロミドで染色した(0.5μg/ml)。得られた増幅DNAを、染色したゲルの相対強度に基づいて等級付けした。「A」増幅物は、40サイクルのPCR後に最も大きな累積強度(従って、最も多量のDNA)を生じ、「B」および「C」の増幅物は、比例して低いゲル強度を生じ;そして「F」増幅物は、強度を全くまたはほとんど生じなかった。図1は、例示的なA、B、C、およびFの増幅物を示す。PCRにおける再現性は、当業者が、健常集団および癌集団についての標準に基づいて、または図1におけるゲル写真の標本に基づいて核酸を増幅しうる量を分類することが可能であるために十分である。このアッセイは、当業者が「A」増幅物と、「B」、「C」および「F」の増幅物いずれかとを区別することのみが必要である。「A」増幅物は、図1のレーン1における増幅物のバンド強度(すなわち、類似の強度の別のゲルバンド(例えば、図1のレーン4、5、6または7)に加えて)を有するものである。図1の右側のマーカーは、A、BおよびC増幅物を生じるDNAの例示的な量を示す。従って、200pgのDNA(図のレーン12)は「A」増幅物を生じ、そして100pgのDNA(図のレーン13)は「B」増幅物を生じ、そして50pgのDNAは「C」増幅物を生じる。
あり得る14のうち9の「A」増幅物を生じた任意のDNAサンプルを、癌または腺腫について陽性であると等級付けした。結果を以下の表3に示す:
Figure 2010172347

表3に示されるように、糞便中の増幅可能なDNAの量は、大いに患者の疾患状態の前兆である。これらの結果は、結腸に癌または腺腫を有する患者が形成中の糞便により多くの細胞(従って、より多くのDNA)を閉じこめるという考え方と一致する。さらに、癌または腺腫の細胞に由来するDNAは、正常細胞に由来するDNAよりインタクトである。なぜなら、癌および腺腫の細胞は、DNAのアポトーシス的分解を免れたからである。
(実施例3−マルチプル変異分析および定量的分析の組合わせ)
上記の実施例1および2において得た結果を、感度および特異性におけるさらなる増大が観察されるか否かを決定するために組合わせた。
この実験における陽性サンプルは、「A」増幅物を生じ、かつ(実施例1に記載の基準の下で)陽性のマルチプル変異結果を生じたものである。サンプルを調製し、そして上記のように「盲検」ベースで(すなわち、予め結腸鏡検査結果を知らないで)分析した。結果を以下の表4にまとめる:
Figure 2010172347

定量的分析およびマルチプル変異分析を組合わせた結果は、癌については76%の検出感度および腺腫については78%の検出感度を示し、各々は、100%の特異性を有した。これらの結果は、他の非侵襲的または最小侵襲的な技術(例えば、感度0を有する糞便潜血検査)よりはるかに優れている。
(実施例4−Bat−26を使用した診断アッセイ)
次いで、Bat−26ミスマッチ修復遺伝子座(配列番号37に示す)を用いて、上記の同じ40サンプルを評価した。Bat−26における欠失は結腸直腸癌または腺腫に関連した。サンプルを上記のように調製した。プライマーを、ポリ−Aトラクト(tract)の直ぐ上流のBat−26遺伝子座の部分にハイブリダイズさせた。非標識デオキシチミジン、標識デオキシシトシンおよび非標識デオキシシトシンの混合物、ならびに非標識ジデオキシアデニンをポリメラーゼとともに添加した。プライマーをポリ−A領域を介して伸長した。標識シトシンおよび非標識シトシンを次のこれらの塩基(ヌクレオチド222〜224、インタクトな配列における全てのグアニン)のために伸長し、その結果、標識が各伸長したプライマーに組み込まれた。ポリ−Aトラクトおよびこれらのグアニンの後ろに、インタクトな配列において2つのチミジンが存在する。従って、ジデオキシアデノシンは、プライマーの末端に付加されることによりプライマー伸長(ポリ−Aおよびトリグアニン領域を介して伸長した)を停止する。鎖を分離し、そして鎖の長さをポリアクリルアミドゲル上で観察して、ポリ−Aトラクトにおける欠失を検出した。結果を以下の表5に示す:
Figure 2010172347

上記のように、Bat−26単独では、マルチプル変異単独を用いて達成された高感度も、定量単独を用いて達成された高感度も提供しなかった。しかし、これは、他の単一遺伝子座検出アッセイと比較すると高感度を示した。さらに、以下に示すように、上記の他の技術と組合わせてのBat−26は、感度および特異性において全体的な増加を生じた。
(実施例5−Kras、マルチプル変異、定量およびBat−26の累積効果)
Kras、マルチプル変異分析、定量、およびBat−26について上記で得た結果を組合わせて、癌または腺腫についての非侵襲的アッセイにおいて感度および特異性を増大させるために、それらの技術の組合わせを用いた累積効果を決定した。結果を以下の表6にまとめる:
Figure 2010172347

上記のまとめに示されるように、マルチプル変異分析、定量的PCR、およびBat−26の組合わせは、結腸鏡検査にほぼ等しい感度を生じた。マルチプル変異分析および定量単独の組合わせはまた、非常に高い感度を有した。全てのアッセイが100%の特異性を生じ(擬陽性結果はなし)、結腸鏡検査に匹敵した。
前述の実験は、単一の高感度/高特異性の非侵襲性または最小侵襲性のアッセイですら当該分野の非侵襲的/最小侵襲的な技術より優れた診断結果を生じ、そして認識された標準的侵襲的診断手順(結腸鏡検査)で観察されたアプローチの結果にほぼ等しい。さらに、1つを超える高感度/高特異性技術を利用する非侵襲性アッセイは、100%にほぼ等しい診断的正確さを生じる。このように、本発明の方法は、癌の正確な非侵襲的診断を行う能力において有意な改善を提供する。
(配列表)
Figure 2010172347
Figure 2010172347
Figure 2010172347
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