JP2010171649A - 無線通信システム及び無線通信方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明の無線通信方法は,第1デバイス10と第2デバイス20との間でビームフォーミング技術を利用した無線通信を行うためのものである。無線通信を開始するにあたり,第1デバイス10と第2デバイス20との間のビームフォーミングに関するSNR値を推定する(S106)。続いて,SNR値と上方閾値とを比較する(S108)。その比較の結果,SNR値が上方閾値以上である場合に,第2デバイス20は,第1デバイス10との間のビームフォーミングが成功した旨を示す情報を第1デバイス10へと送信する(S122)。
【選択図】 図17
Description
第1デバイス10は,図1に示すように,電波を送信する送信機として機能する送信部と,受信機として機能する受信部とを有している。第2デバイス20も,第1デバイス10と同様に,送信機として機能する送信部と,受信機として機能する受信部とを有している。各送信部は,複数個(t個)のアンテナ素子単体を有しており,アンテナアレイを構成している。各受信部は,複数個(r個)のアンテナ素子単体を有しており,アンテナアレイを構成している。そして,第1デバイス10と第2デバイス20とは,ビームフォーミング技術を利用することによって,互いにリンクを確立して,データの送受信(通信)を行う。
コードブックは,マトリックス(行列)である。そして,マトリックスの各列は,1種類のビーム(つまり1つのアンテナ素子単体)に対応しており,各列をデザイン(指定)することによって,ビームフォーミングのウェイトベクトル(つまり,ビームのパターン)が定まることとなる。そして,コードブックを用いることで,たとえば無指向性のビームに所望の指向性を持たせることができる。
<第1ステージ>
まず,MACレイヤーで定められている処理(アソシエーション要求及びアソシエーション応答)が行われている。このとき,各デバイスは,ピコネットコントローラー(PNC)との間で,図6に示すような構造のデータをやりとりする。具体的には,各デバイスは,当該デバイスの能力に関する情報要素(IE)をピコネットコントローラー(PNC)に報知して,当該ピコネットコントローラー(PNC)のレジスターに登録する。このようにして,アソシエーションが確立した状態となる。
続いて,ピコネットコントローラー(PNC)は,図7に示す構造のデータを用いて,CAP内でデバイス能力に関する情報要素(IE)を,アソシエーション確立済みのデバイス(第1デバイス10及び第2デバイス20)に報知する。ここで,CAPとは,競合アクセス期間(contention access period)をさす。この報知の際,ピコネットコントローラー(PNC)は,アナウンスコマンドを用いる。これにより,双方のデバイス(第1デバイス10及び第2デバイス20)は,他方のデバイスの能力に関する情報を取得することになる。
第1デバイス10及び第2デバイス20の一方は,得られた対象物のデバイス能力に基づいてCTAを算出する。ここで,CTAとは,チャネル時間割当て(channel time allocation)をさす。図8に示すように,信号の発生元(Src.DEV)である第1デバイス10は,ピコネットコントローラー(PNC)に対して,CTA要求コマンドを送信する。これに応じて,ピコネットコントローラー(PNC)は,第1デバイス10にCTA応答コマンドを送信することで,第1デバイス10のためにCTAを割当てる。これにより,デバイス−デバイス間のリンクが,割当てたCTA内で確立することとなる。
第1デバイス10は,図9に示すトレーニングシーケンスに対応するデータ(以下,「TSデータ」ともいう)を,Ntグループ分,送信する。トレーニングシーケンスとしては,本態様では,Tensor com社が定めたものを用いる。TSデータは,図9に示すように,シンク(SYNC)フィールドと,チャネル推定(CE)フィールドとを含んで構成されている。ここで,Ntグループ分のTSデータの送信は,第1デバイス10が各クワジオムニビームを送信することから始まる。つまり,TSデータは,各グループにつきMt回送信されることとなる。そうすることにより,第2デバイス20が,第2デバイス20自身の受信側クワジオムニビームのいずれかから,少なくとも1つのTSデータを受信することを期待することができる。
複数グループ分のTSデータを第1デバイス10から第2デバイス20へ送信している間において,第2デバイス20は,自身のクワジオムニビームを1つずつ切り替えて,各クワジオムニビームにつき時間Tsの間待機する。これにより,第2デバイス20が,自身の任意のクワジオムニビームからTSデータを受信することを期待することができる。ここで,時間Tsは,トレーニングシーケンスに要する期間である。第2デバイス20は,Mr×Tsに亘る期間の後に,このようなスキャニングを,第1回目のクワジオムニビームから繰り返す。
第1デバイス10が,Ntグループ分のTSデータの全てを送信し終えた後には,第2デバイス20は,TSデータの少なくとも1つを受信していることとなる。ところで,第2デバイス20は,TSデータを受信するときはいつも,推定した通信リンクのSNRに応じて,第1デバイス10が送信した複数のクワジオムニビームの中から,ベストクワジオムニビームを決定するとともに,第2デバイス20自身の受信側ベストクワジオムニビームを決定している。ここで,通信リンクのSNRは,トレーニングシーケンスごとに求められる。そのため,トレーニングシーケンスが行われるたびに,第2デバイス20から第1デバイス10へと,図10に示すようなビームフォーミング時のフィードバック用の情報要素(IE)が送信される。
TSデータが第1デバイス10から第2デバイス20へ送信されるに従って,第2デバイス20は,各グループにつきNr回分の繰り返しを,第4ステージでの解読と同じ方法で行いながら,Mtグループ分のTSデータを送信する。そうすることにより,第1デバイス10が,第1デバイス10自身の受信側クワジオムニビームのいずれかから,少なくとも1つのTSデータを受信することを期待することができる。
TSデータが第2デバイス20から第1デバイス10へ送信されている間,第1デバイス10は,第5ステージでの解読と同じ方法でクワジオムニビームのいずれかからトレーニングシーケンスを受信しようとする。
第2デバイス20が,Mtグループ分のTSデータの全てを送信し終えた後には,第1デバイス10は,TSデータの少なくとも1つを受信していることとなる。第1デバイス10は,TSデータを受信するたびに,推定した通信リンクのSNRに応じて,第2デバイス20が送信した複数のクワジオムニビームの中から,ベストクワジオムニビームを決定するとともに,第1デバイス10自身の受信側ベストクワジオムニビームを決定している。
トレーニング期間の後,第2デバイス20は,第1デバイス10のベストクワジオムニビームのオフセットインデックスをフィードバックする。このフィードバックは,第2デバイス20が,図10に示す構造のデータ(ビームフォーミングに関するフィードバック用の情報要素(IE))を,第1デバイス10へと送信することで行われる。図10に示すデータの送信方向は,Mt回分の送信のそれぞれに応じたものであり,その送信の際には,アナウンスコマンドが用いられる。
第2デバイス20が,第1デバイス10へとフィードバックを送信している間,第1デバイス10は,受信側ベストクワジオムニビームから,フィードバック情報を得ようとする。ここで,受信側ベストクワジオムニビームは,上述した第9ステージのトレーニングステップの間に決定されるものである。
ビームフォーミング(BF)に関するフィードバックとして受信した情報要素(IE)にしたがって,第1デバイス10は,自身にとってベストな,送信側クワジオムニビームを把握する。また,第1デバイス10は,把握したクワジオムニビームをベストクワジオムニビームとして用いて後続の送信を行う。
第2デバイス20が第1デバイス10へとフィードバックしたことに応じて,第1デバイス10は,第2デバイス20のベストクワジオムニビームのオフセットインデックスをフィードバックする。このフィードバックは,第1デバイス10が,ビームフォーミングに関するフィードバック用の情報要素(IE)(図10参照)を,第2デバイス20へと送信することで行われる。この送信の際には,アナウンスコマンドが用いられる。ただし,第1デバイス10は,フィードバックの送信を,ベストクワジオムニビームから1度で行う必要がある。なお,ベストクワジオムニビームは,上述した第12ステージのトレーニングステップの間に決定されるものである。
第1デバイス10が第2デバイス20へとフィードバックを送信している間,第2デバイス20は,受信側クワジオムニビームのうち,自身にとってベストなクワジオムニビームを用いることで,フィードバックを受信しようとする。
上述した全ての動作(オペレーション)が行われることによって,図11に示すようなデータのやりとりがなされ,最終的には,双方の送信方向(第1デバイス10から第2デバイス20への送信方向,及び第2デバイス20から第1デバイス10への送信方向)に関して,ベストクワジオムニビームの対が決定される。
まず,第1デバイス10及び第2デバイス20は,セクター候補情報を互いにアナウンスコマンドを用いて送信し合う。具体的には,第1デバイス10は,セクター候補情報として,Jt及びJrを第2デバイス20に送信し,それに応じて,第2デバイス20は,セクター候補情報として,Kt及びKrを第1デバイス10に送信する。
続いて,第1デバイス10及び第2デバイス20は,上述した第1段階(S10)の第4ステージ〜第15ステージで定められている動作と同じ動作を行う。ただし,Nt,Nr,Mt,及びMrは,それぞれ,Jt,Jr,Kt,及びKrに置き換える必要がある。そして,セクター探索中に,第1デバイス10及び第2デバイス20は,セクター候補のあらゆる組み合わせ(コンビネーション)について,SNRを記録する。
上述した全ての動作(オペレーション)が行われることによって,図13に示すようなデータのやりとりがなされる。最終的には,SNRテーブルに基づいて,双方の送信方向(第1デバイス10から第2デバイス20への送信方向,及び第2デバイス20から第1デバイス10への送信方向)に関して,ベストセクターの対(つまり,第1ベストセクターと第2ベストセクターの対)を決定する。
まず,第1デバイス10及び第2デバイス20は,ビーム領域候補情報を互いにアナウンスコマンドを用いて送信し合う。具体的には,第1デバイス10は,ビーム領域候補情報として,St及びSrを第2デバイス20に送信し,それに応じて,第2デバイス20は,ビーム領域候補情報として,Tt及びTrを第1デバイス10に送信する。
続いて,第1デバイス10及び第2デバイス20は,上述した第1段階(S10)の第4ステージ〜第15ステージで定められている動作と同じ動作を行う。ただし,Nt,Nr,Mt,及びMrは,それぞれ,St,Sr,Tt,及びTrに置き換える必要がある。そして,ビーム探索中に,第1デバイス10及び第2デバイス20は,ビーム領域候補のあらゆる組み合わせ(コンビネーション)について,SNRを記録する。
上述した全ての動作(オペレーション)が行われることによって,図15に示すようなデータのやりとりがなされる。最終的には,SNRテーブルに基づいて,双方の送信方向(第1デバイス10から第2デバイス20への送信方向,及び第2デバイス20から第1デバイス10への送信方向)に関して,ベストビーム領域の対(つまり,第1ベストビームと第2ベストビームの対)を決定する。
10 第1デバイス(DEV1)
20 第2デバイス(DEV2)
Claims (6)
- 第1デバイス(10)と第2デバイス(20)との間でビームフォーミング技術を利用した無線通信を行う無線通信システム(1)において,
前記第2デバイス(20)は,
前記第1デバイス(10)に情報を送信する送信手段と,
前記無線通信の分解能の最小範囲の上限値に基づいて予め定められている閾値と,前記第1デバイスとの間のビームフォーミングに関するSNR値とを比較する第1比較手段と
を含み,
前記第2デバイス(20)は,
前記第1比較手段による比較の結果,前記SNR値が前記閾値以上である場合に,前記第1デバイス(10)との間のビームフォーミングが成功した旨を示す情報を前記送信手段により前記第1デバイスに送信する,
無線通信システム(1)。 - 前記第2デバイス(20)は,
前記閾値よりも小さい下方閾値と,前記SNR値とを比較する第2比較手段を
さらに含み,
前記第2デバイス(20)は,
前記第2比較手段による比較の結果,前記SNR値が前記下方閾値未満である場合に,その旨を示す情報か,又は,別のビームフォーミングに切り替える必要がある旨を示す情報を,前記送信手段により前記第1デバイス(10)に送信する,
請求項1に記載の無線通信システム(1)。 - 前記第2デバイス(20)は,
前記第1デバイス(10)とのビームフォーミングに関するSNR値を周期的に推定する推定手段を有し,
前記送信手段は,
前記第1比較手段による比較結果が同じである場合が第1所定回数連続するまで,前記成功した旨を示す情報の前記第1デバイス(10)への送信を待機するとともに,
前記第2比較手段による比較結果が同じである場合が第2所定回数連続するまで,前記失敗した旨を示す情報の前記第1デバイス(10)への送信を待機する,
請求項2に記載の無線通信システム(1)。 - 前記第1所定回数及び前記第2所定回数は,いずれも,2回又は3回以上であり,
前記送信手段は,
前記第1比較手段による比較結果が同じである場合が前記第1所定回数連続しなかったときは,当該比較結果を放置するとともに,
前記第2比較手段による比較結果が同じである場合が前記第2所定回数連続しなかったときは,当該比較結果を放置する,
請求項3に記載の無線通信システム(1)。 - 前記送信手段は,
前記第1比較手段による比較及び前記第2比較手段による比較の結果,前記SNR値が前記閾値と前記下方閾値の間にある場合には,前記第1デバイス(10)への情報の送信を省略する,
請求項2〜4のいずれか1項に記載の無線通信システム(1)。 - 第1デバイス(10)と第2デバイス(20)との間でビームフォーミング技術を利用した無線通信を行うための無線通信方法において,
前記無線通信の分解能の最小範囲を設定するステップ(S102)と,
前記無線通信の分解能の最小範囲の上限値に基づいて閾値を設定するステップ(S104)と,
前記第1デバイス(10)と前記第2デバイス(20)との間のビームフォーミングに関するSNR値を推定するステップ(S106)と,
前記SNR値と前記閾値とを比較する比較ステップ(S108)と,
前記第2デバイス(20)から前記第1デバイス(10)へと情報を送信する送信ステップと
を含み,
前記比較ステップ(S108)における比較の結果,前記SNR値が前記閾値以上である場合に,
前記送信ステップでは,
前記第1デバイス(10)と前記第2デバイス(20)との間のビームフォーミングが成功した旨を示す情報が送信される(S122),
無線通信方法。
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