JP2010169429A - ひずみゲージ敷設システムおよびひずみゲージ敷設方法 - Google Patents

ひずみゲージ敷設システムおよびひずみゲージ敷設方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 ひずみゲージの貼付作業ミスの排除、ひずみゲージ貼付け後の配線、設定作業ミスのチェック、動作チェックの容易・確実化、ひずみ測定器における各種情報の読込みによる自動設定等の実現を図る。
【解決手段】 IDリーダ/ライタ機能付きのデータロガー1に、コネクタ42とプラグ43とを介してひずみゲージ40を接続し、データロガー1のリーダ部121を介してIDタグラベル60に記載されているデータを読み取る。ここで読み取ったデータと、IDタグラベル60作成時の情報とを照合して作業ミスの有無を確認し、両者のデータが合致すれば、読み取ったデータをIDチップに読み込み、合致しなければ、何らかの警告を発する。
【選択図】 図9

Description

本発明は、ひずみゲージの敷設システムおよび敷設方法に関し、特に、被測定対象物に添着された複数のひずみゲージをリード線によりひずみ測定器に的確に接続し得ると共に接続された対応関係が正しいか否かおよび前記複数のひずみゲージの固有情報を確認し得るひずみゲージ敷設システムおよびひずみゲージ敷設方法に関する。
従来、ひずみゲージは、一般に、Ni−Cr系の合金やCuNi合金などから構成されるひずみ感応抵抗体を基板の表面に添着形成した構造を備え、ひずみゲージを用いてひずみ測定を行う場合には、このひずみゲージが添着形成された基板を被測定対象物表面に貼り付け、ひずみ感応抵抗体により検出されるひずみ量を測定している。このようなひずみゲージは、通常、被測定対象物表面の所定範囲の領域中に1個または複数個を貼り付けている。被測定対象物が大型の場合や、精密かつ正確な測定結果が要求される場合などにおいては、被測定対象物表面に貼り付けるべきひずみゲージの個数も膨大なものとなり、例えば、被測定対象物が航空機の実機である場合には、リード線が30m以上も附属したひずみゲージが1万点近くも使用される。
多くの場合、このようなひずみゲージを被測定対象物表面に貼り付けるひずみゲージ貼り付け作業者と、該ひずみゲージを用いた被測定対象物のひずみデータを得る計測作業者とは、同一の作業者ではないことが多い。従って、ひずみゲージ貼り付け作業者は、計測作業者がひずみ測定器でひずみ量を測定できるようにするため、計測作業者の指示通りに、如何に迅速かつ確実に、ひずみゲージを貼り付けていくかが課題となっていた。
因に、従来のひずみゲージ敷設方法は、手書きが可能な状態のひずみゲージ貼付情報一覧表(以下、「一覧表」という)を作成しておき、その一覧表をもとに、ひずみゲージを貼り付け、その後に、ひずみゲージリード線に測定点番号が記入されたラベルを貼り付けていた。
また、貼り付けたひずみゲージの初期値、抵抗値、絶縁抵抗値のチェックは、それぞれ別の測定器で行い、上記一覧表に手書きで記載していた。
管理者は、上記一覧表(チェック表)にて、管理している状況である。
一方、測定者は、測定点番号に基づいて、ひずみ測定器の指定されたチャンネルに指定されたひずみゲージの配線接続を行っていた。
しかしながら、上記の方法は、人による目視での貼付け位置の確認、測定およびそれらの一覧表への記入が手書きにより行われていたため、多大な時間がかかり、また、配線ミスやひずみ測定器への設定ミスが頻繁に起きていた。
また、上記従来の方法において、ひずみゲージの初期値、抵抗値、絶縁抵抗値等の測定は、別々の測定器で行っていたため、そのデータを一つにまとめる手間がかかると同時にミスも多発していた。
また、工程の管理においても、管理者が進行状況のチェックを目視により行っていたため、時間を要すると共にチェック漏れが生じるという不都合もあった。
このようなひずみゲージの貼り付け、リード線の配線作業、などの敷設作業、特にリード線の他端を計測装置に正しく接続する配線作業は、使用されるひずみゲージの個数が膨大である場合には、そのリード線の本数も膨大となり、また、一般に、リード線の線長も長い(航空機の実機のひずみ測定の場合、30m以上となる)ので、非常に誤り易く煩雑なものであった。
このような課題に対処するものとして、ひずみゲージを所定の大きさの被測定対象物表面上に貼り付けると共に、該ひずみゲージに接続されるリード線の他端(ひずみ測定器側)に、識別タグや識別RFIDタグを取り付けたり、リード線自体を識別情報を示すカラーとすることでひずみ測定器の所定チャネルへの取り付けミスを無くすことを意図した識別式のひずみゲージユニットの発明に係る特許出願がなされている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−294382号公報
しかしながら、特許文献1のひずみゲージユニットは、リード線のひずみ測定器側(先端側)に識別タグが取付けられているだけであるため、ひずみゲージが、予め定められた貼り付け位置に貼り付けられたか否かは、リード線の基端と先端が非常に長い場合は、確認がしずらく、予め定められたひずみゲージが貼られない場合は、識別タグがあっても間違った貼り付け位置のものとは分からず、正しい貼り付け位置のひずみゲージと誤認したままで測定をしてしまう虞れがある。
また、特許文献1に係るひずみゲージユニットは、あるひずみゲージが、所定の位置に貼り付けられていることが前提となって、そのことがリード線の先端側に取り付けられている識別タグに表示されるひずみ測定器の予め定めたチャンネルが判るだけのものであり、そのひずみゲージの基本情報(ゲージ型式、ゲージ率、ロット番号、温度特性など)が分かる訳ではなく、目視して、上述したように一覧表に手書きで記録するものであるため、多大な時間がかかり、記入ミスも生じがちである。
また、貼り付けたひずみゲージの初期値、抵抗値、絶縁抵抗値なども、別途計測機器を用いて測定しなければならず、作業工程も多く、厄介であり、しかもその測定結果を上記一覧表に一つにまとめて手書きで記録するものであるため、やはり記入ミスも避けられない。
また、リード線のひずみ測定器への接続も予め指定されたチャンネルに接続しなければならず、チャンネル数が多数に及ぶ場合は、誤接続しないよう細心の注意を払って配線作業を行わなければならないため多くの作業時間を要することになる。
上記特許文献1によっても、ひずみゲージの貼り付け、リード線の配線、ひずみ測定器への接続、貼り付け位置と接続状態の対応関係の確認、予備的な計測など(以下、これらの作業を、ここでは、「敷設」と称する)を正確に行うことが困難である。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、特にひずみゲージの貼り付け(本明細書においては、接着、溶着、蒸着、スパッタリング等の手段を問わず、貼り付けることを総称して「添着」という用語を用いるが、以下の説明ではその添着の意味を代表して「貼り付け」という用語を用いる場合がある)作業の作業ミスの排除、ひずみゲージ貼り付け後の敷設(配線、設定)作業ミスのチェック、ひずみゲージの動作チェック、貼り付け後の予備測定作業等における時間短縮、工数削減による生産性の向上、各種設定や記録において、人手が介入しないことによる人為的ミスの排除、ひずみ測定器への各種情報の自動設定による設定の不要化等を実現し得るひずみゲージ敷設システムおよびひずみゲージ敷設方法を提供することにある。
請求項1に記載した本発明に係るひずみゲージ敷設システムは、上述した目的を達成するために、被測定対象物に添着された複数のひずみゲージをリード線によりひずみ測定器に的確に接続し得ると共に接続された対応関係が正しいか否かおよび前記複数のひずみゲージの固有情報を確認し得るひずみゲージ敷設システムであって、
ひずみゲージの添着位置情報が含まれる一覧表と、
被測定対象物の所定位置に添着される複数のひずみゲージの添着位置情報が文字および所定のコードで表示され、前記一覧表をもとに前記ひずみゲージの添着位置近傍に添着される添着位置情報シールと、
ロット単位で生産された複数のひずみゲージに添付され、当該ひずみゲージのひずみゲージ基本情報が文字および所定のコードで表示された基本情報シールと、
任意のひずみゲージの添着位置情報、ひずみゲージ基本情報、計測されたイニシャル値、ゲージ抵抗値等の情報が文字および所定のコードでプリンタにより印刷表示され、リード線の前記ひずみゲージ近傍およびひずみ測定器近傍にそれぞれ取り付けられるIDタグラベルと、
前記基本情報シールおよび前記添着位置情報シールにそれぞれ表示された所定のコード化された情報を読取る機能、前記ひずみゲージの抵抗値、初期値、絶縁抵抗値等を測定する機能、前記IDタグラベルのコード化された情報を読取る機能、プリンタにより前記IDタグラベルに前記情報を印刷するライター機能を含むIDリーダ/ライタ機能付のデータロガーと、
を具備し、ひずみゲージの添着位置とひずみ測定器のチャンネル間の接続確認、ひずみゲージの基本情報の読取り、ひずみゲージ固有の抵抗値、絶縁抵抗値等の測定および保存を可能となし得るように構成したことを特徴としている。
請求項2に記載した発明に係るひずみゲージ敷設システムは、前記リード線の前記ひずみゲージの接続端とは反対の先端側に接続されるIDチップおよびコネクタと、
前記データロガーに内蔵または外部に接続され、前記IDタグラベルの情報を読み取り前記データロガーに保存するIDリーダ用プローブと、
前記チップ付きのコネクタが前記リード線を介して前記ひずみゲージに接続された状態で、当該ひずみゲージのイニシャル値、抵抗値、絶縁抵抗値等を測定し、先に測定され前記IDタグラベルに保存され前記IDリーダ用プローブにより読み取った情報を照合し、照合がとれた場合は、当該測定値を保存し、照合がとれない場合は、警告を発するように構成したことを特徴としている。
請求項3に記載した発明に係るひずみゲージ敷設システムは、前記IDチップ付きのコネクタをひずみゲージ接続用コネクタから外し、ひずみ測定器の任意のチャンネルに接続することにより、前記IDチップに保存されている情報を前記ひずみ測定器が読み込むように構成したことを特徴としている。
請求項4に記載した発明に係るひずみゲージ敷設方法は、上述した目的を達成するために、被測定対象物に添着される複数のひずみゲージおよび前記複数のひずみゲージに接続される各々のリード線をひずみ測定器のチャンネルに一定の対応関係をもって接続するひずみゲージ敷設方法であって、
ひずみゲージの添着位置情報が含まれる一覧表を作成する工程と、
前記ひずみゲージを添着すべき前記被測定対象物の位置を記載した添着位置情報シールを作成する工程と、
前記ひずみゲージを添着するべき位置の近傍に予め前記貼付位置情報シールを添着する工程と、
前記一覧表をもとに前記ひずみゲージを添着するべき位置に添着する工程と、
前記ひずみゲージを収納していたひずみゲージパッケージ45に印刷されている、収納ひずみゲージに関する仕様情報を前記IDリーダ/ライタ機能付データロガーで読み取り保存する工程と、
前記添着位置情報シールの添着位置情報をIDリーダ/ライタ機能付データロガーで読み取り、保存する工程と、
前記ひずみゲージの初期値データを前記IDリーダ/ライタ機能付データロガーを用いて計測し、保存する工程と、
前記ひずみゲージの絶縁抵抗を、前記IDリーダ/ライタ機能付データロガーの絶縁抵抗値測定用プローブにより測定し、保存する絶縁抵抗値測定工程と、
前記IDリーダ/ライタ機能付データロガーが読み取った前記添着位置情報シールの位置情報と前記ひずみゲージに関する仕様情報および前記IDリーダ/ライタ機能付データロガーで測定した前記ひずみゲージの初期値データを、前記IDリーダ/ライタ機能付データロガー付属のプリンタを用いてIDタグラベルとして印刷する工程と、
前記IDタグラベルを前記ひずみゲージのリード線両端側にそれぞれ取付ける工程と、
を備えたことを特徴としている。
請求項5に記載した発明に係るひずみゲージ敷設方法は、前記リード線の、前記ひずみゲージとは反対側の先端にIDチップ付きのコネクタを接続する工程と、
前記リード線に接続した前記IDチップ付きのコネクタを、直接若しくはひずみゲージ接続用コネクタボックスを介して前記IDリーダ/ライタ機能付データロガーに接続する工程と、
前記ひずみゲージとは反対側の先端に添付されている前記IDタグラベルに記載されている情報を前記IDリーダ/ライタ機能付データロガーのIDリーダ用プローブで読み取る工程と、
前記ひずみゲージの初期値データを前記IDチップ付きのコネクタを介して前記IDリーダ/ライタ機能付データロガーで測定すると共に、前記読み取っていた前記IDタグラベルに記載の情報と照合する工程と、
前記の照合がとれた場合は、前記IDタグラベルに記載の情報を前記IDチップに記録し、照合がとれなかった場合は、警告を発する工程と、
を、さらに備えたことを特徴としている。
請求項6に記載した発明に係るひずみゲージ敷設方法は、前記リード線の前記コネクタを、ひずみ測定器の任意の空きチャネルに接続する工程と、
前記空きチャンネルへの接続後に、前記IDチップの情報を前記ひずみ測定器で自動的に読み取らせる工程と
を、さらに備えたことを特徴している。
請求項7に記載した発明に係るひずみゲージ敷設方法は、前記ひずみゲージの初期値データが、イニシャル値、抵抗値および絶縁抵抗値であることを特徴としている。
請求項8に記載した発明に係るひずみゲージ敷設方法は、前記IDタグラベルに記載の情報が、バーコード、QRコード等の二次元バーコードおよびRFID等のIDチップのいずれかを用いて表現されたものであることを特徴としている。
本発明によれば、特に、リード線のコネクタを、ひずみ読み取り装置の任意の空きチャネルに接続し、前記接続後に、このIDチップの情報をひずみ測定器で自動的に読み取らせるので、ひずみゲージの貼付位置とひずみ測定装置との対応に関して、ひずみゲージ敷設の際の作業ミスを無くして、作業の効率性、信頼性を著しく向上させ得るひずみゲージ敷設システムおよびひずみゲージ敷設方法を提供することができる。
また、前記の効果は、ひずみゲージを敷設する作業者と、ひずみゲージを設定して測定する作業者、若しくはひずみゲージを敷設・設定する作業者と、ひずみゲージを測定する作業者とが異なる作業者である場合にも有効である。
また、重要な工程毎に、測定データを照合することで正しく敷設されたか否かを容易にチェックすることが可能であるので、この点でも作業の信頼性が大幅に向上するという効果を有している。
また、各種データの測定および記録と共に、作業の進捗状況が正確に把握できるので、工程管理に適するという効果がある。
さらに、ひずみゲージの貼付位置とひずみ測定装置との対応に関して、リード線に接続されたコネクタを、ひずみ測定装置の特定のチャネルに接続する必要が無く、任意の空きチャネルに接続するだけで良いといった特徴は、前述の作業の効率性および信頼性を向上させる効果と共に、作業工数を大幅に削減させる効果にも繋がる。
本発明の一実施形態に係るひずみゲージ敷設システムおよびひずみゲージ敷設方法の一部を構成するもので、このうち(a)は、貼付位置情報シール、(b)は、貼付位置情報一覧表、(c)は、貼付位置情報シール台帳の各構成をそれぞれ示す平面図である。 図2の(a)は、図1(a)に示す貼付位置情報シールを被測定対象物の貼付位置(即ち、添着位置)の近傍に貼り付けた状態を示す斜視図、(b)は、ひずみゲージを被測定対象物の貼付位置に貼り付けた状態を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係るひずみゲージ敷設システムおよびひずみゲージ敷設方法の一部を構成するもので、IDリーダ/ライタ機能付きデータロガーを使用し、ケーブル線で接続されたリーダー部(バーコード/QRコードリーダー用プローグ)を介して、複数のひずみゲージを収納するひずみゲージパッケージ(またはその添付書類)に表示されているひずみゲージ基本情報を読み取り、データロガーのメモリに保存する状態を示す説明図である。 IDリーダ/ライタ機能付きのデータロガーを使用し、ケーブルで接続されたリーダ部(バーコード/QRコードリーダ用プローブ)を介して、被測定対象物の測定位置に貼り付けられた貼付位置情報シールの貼付位置情報を読み取り、データロガー内メモリに保存する状態を示す説明図である。 被測定対象物の測定位置に貼り付けられたひずみゲージのリード線の先端にデータロガーを接続し、ひずみゲージの初期値を測定し、その結果をデータロガー内のメモリに保存する状態を示す説明図である。 データロガーにプリンタを接続し、現在までに取得された情報に基づきIDタグラベルを印刷する状態を説明する説明図である。 前工程(図6に示す工程)で得られた「貼付位置情報」、「ひずみゲージ基本情報」を含んで印刷されたIDタグラベルをリード線の基端と先端に取り付けた状態を示す説明図である。 ひずみゲージの先端側にIDチップ付きのコネクタを接続した状態を示す説明図である。 データロガーにIDチップ付きのコネクタおよびリード線を介してひずみゲージを接続し、IDタグラベルに記載されているデータを読み取る状態を示す説明図である。 敷設作業完了後のひずみゲージとひずみ測定器とコネクタボックスの接続関係を示す説明図である。 本発明の実施形態に係るひずみゲージ敷設方法の工程を示すフローチャートである。 図11に続く工程を示すフローチャートである。 本発明の実施形態に係るひずみゲージ敷設システムおよびひずみゲージ敷設方法の実施に用いられるIDリーダ/ライタ機能付きのデータロガーの構成を中心として示すブロック図である。
以下、本発明のひずみゲージ敷設システムおよび敷設方法の実施形態について、図1〜13を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るひずみゲージ敷設システムおよびひずみゲージ敷設方法の一部を構成するもので、このうち(a)は、貼付位置情報シール、(b)は、貼付位置情報一覧表、(c)は、貼付位置情報シール台帳の各構成をそれぞれ示す平面図である。
図2の(a)は、図1(a)に示す貼付位置情報シールを被測定対象物の貼付位置(即ち、添着位置)の近傍に貼り付けた状態を示す斜視図、(b)は、ひずみゲージを被測定対象物の貼付位置に貼り付けた状態を示す斜視図である。
図3は、本発明の一実施形態に係るひずみゲージ敷設システムおよびひずみゲージ敷設方法の一部を構成するもので、IDリーダ/ライタ機能付きデータロガーを使用し、ケーブル線で接続されたリーダー部(バーコード/QRコードリーダー用プローグ)を介して、複数のひずみゲージを収納するひずみゲージパッケージ45(またはその添付書類)に表示されているひずみゲージ基本情報を読み取り、データロガーのメモリに保存する状態を示す説明図である。
図4は、IDリーダ/ライタ機能付きのデータロガーを使用し、ケーブルで接続されたリーダ部(バーコード/QRコードリーダ用プローブ)を介して、被測定対象物の測定位置に貼り付けられた貼付位置情報シールの貼付位置情報を読み取り、データロガー内メモリに保存する状態を示す説明図である。
図5は、被測定対象物の測定位置に貼り付けられたひずみゲージのリード線の先端にデータロガーを接続し、ひずみゲージの初期値を測定し、その結果をデータロガー内のメモリに保存する状態を示す説明図である。
図6は、データロガーにプリンタを接続し、現在までに取得された情報に基づきIDタグラベルを印刷する状態を説明する説明図である。
図7は、前工程(図6に示す工程)で得られた「貼付位置情報」、「ひずみゲージ基本情報」を含んで印刷されたIDタグラベルをリード線の基端と先端に取り付けた状態を示す説明図である。
図8は、ひずみゲージの先端側にIDチップ付きのコネクタを接続した状態を示す説明図である。
図9は、データロガーにIDチップ付きのコネクタおよびリード線を介してひずみゲージを接続し、IDタグラベルに記載されているデータを読み取る状態を示す説明図である。
図10は、敷設作業完了後のひずみゲージとひずみ測定器とコネクタボックスの接続関係を示す説明図である。
図11は、本発明の実施形態に係るひずみゲージ敷設方法の工程を示すフローチャートである。
図12は、図11に続く工程を示すフローチャートである。
図13は、本発明の実施形態に係るひずみゲージ敷設システムおよびひずみゲージ敷設方法の実施に用いられるIDリーダ/ライタ機能付きのデータロガーの構成を中心として示すブロック図である。
以下、図1〜10を参照して、本実施形態に係るひずみゲージの敷設システムの構成および敷設方法の各工程を説明する。
まず、図1(a)に示す工程では、貼付位置情報(添着位置情報)シール30を印刷により作成する。この貼付位置情報シール30には、文字(符号を含む)および所定のコードで被測定対象物のひずみゲージを貼り付けるべき位置を示す位置情報が表示されているものとする。この表示された位置情報には、機械読み取り可能なバーコードまたはQRコードと、作業者が識別できる文字情報(ここでは、「A−1」)との両方が必要である。なお、ここで示している情報の「A−1」は、必ずしも「A−1」という文字である必要はなく、被測定対象物のひずみゲージを貼り付けるべき位置を示した何らかの短い文言であってもよい。
貼付位置情報シール30は、裏面に粘着剤を塗布され、剥離紙のような台紙に貼着するものとし、貼付位置情報シール30を、この台紙(剥離紙)から剥がして、該シールを被測定対象物表面に貼り付けることができるものとする。通常、このような貼付位置情報シール30は、図1(b)に示す貼付位置情報一覧表31(印刷物)を参照して作成する。
なお、図1(c)に示す貼付位置情報シール台帳32を作成し、切手のように剥がして使用するようにしてもよい。この貼付位置情報シール台帳32は、図1(b)に示す貼付位置情報一覧表31自体にシール機能を備えたものであり、貼付位置情報一覧表31を印刷する用紙をシール台帳としておくことにより、作成することができる。なお、従来は、この工程で、手書き記入が可能なひずみゲージ貼付情報一覧表を作成し、ひずみゲージを順番通り決められたチャンネルに接続するようにしていた。
次に、図2(a)に示す工程では、手作業により、貼付位置情報シール30を、該シール30に記載されている識別情報(ここでは、「A−1」)に対応する被測定対象物50の測定位置近傍(ここでは下部)に貼り付ける。その後、図2(b)に示すように、ひずみゲージパッケージ45から無作為に取り出したひずみゲージ40を、被測定対象物50の貼付位置情報シール30で示された所定の測定位置に貼り付ける。このひずみゲージ40は、リード線41(通常は3本からなる束線)の一端(基端)と接続されている。ちなみに、ここで貼り付けるひずみゲージ40は、被測定対象物50の測定位置に対応した特殊なものではなく、1つのひずみゲージパッケージ45内に収納されていた複数のひずみゲージ(通常は、10枚入り)のうちの任意の1枚である。なお、1つのひずみゲージパッケージに限定すれば、その内部に収納されている複数のひずみゲージ各々の仕様は全て同じであり、他と区別する必要はない。後段の設定作業も含めて、全ての設定作業の完了後には、この貼付位置情報シール30を測定位置から簡単に除去することができる。
なお、従来は、貼付位置情報シール30を使用せずに、管理台帳に記載されている所定の測定位置情報(例えば「A−1」)と同じ文字の位置識別情報をマジックペン等で人手で直書きし、その後、ひずみゲージパッケージ内の任意のひずみゲージではなく、所定の測定位置に対応するひずみゲージ(他端にそのことを示すタグが取り付けられている)を該測定位置に貼り付けていた。しかしながら、一般に、手書した作業者と貼り付けを行う作業者とは同一作業者ではないことが多く、手書きされた位置識別情報を貼り付けを行う作業者が読み間違うことがあるので、両者の対応関係をとる作業が誤り易かった。また、両者の対応関係は、リード線をひずみ測定装置に接続するまで継続させておく必要があった。さらに、測定位置には、マジックペン等で直書きした見苦しい情報が残ることになるが、この情報は、設定作業完了後にも簡単には消し去ることができなかった。
次に、図3に示す工程では、IDリーダ/ライタ機能付きデータロガー1を使用し、ケーブル線122で接続されたリーダ部121(バーコード/QRコードリーダー用プローブ)を介して、複数のひずみゲージ40を収納していたひずみゲージパッケージ45に表示されている「ひずみゲージ基本情報」を読み取り、前記データロガー1内のメモリに保存する。この「ひずみゲージ基本情報」には、「ゲージ型式」、「ゲージ率」、「ロット番号」、「温度特性」等々の種類が含まれ、QRコード(ここではQRコード411)情報や、バーコード情報記録されてもよい。
なお、前述のとおり、1つのひずみゲージパッケージに限定すれば、その内部に収納されている複数(通常は10枚)のひずみゲージ各々の仕様は全て同じであり、均一化されていることから、他との区別をする必要はないので、図3に示す工程は、必ずしも、1つのひずみゲージパッケージ内の複数のひずみゲージの各々を貼り付けた都度、実施する必要はなく、その後は、ひずみゲージパッケージの種類が変わった時にだけ実施すればよい。
従来は、この工程で、ひずみゲージパッケージに記載された「ひずみゲージ基本情報」を目視で読み取り、管理台帳のようなペーパーの表に手書きで転記し、これを後でチェック項目として使用していた。
次に、図4に示す工程では、IDリーダ/ライタ機能付きデータロガー1を使用し、ケーブル線122で接続されたリーダ部(バーコード/QRコードリーダー用プローブ)121を介して、被測定対象物50の測定位置に貼り付けられた貼付位置情報シール30の貼付位置情報を読み取り、前記データロガー1内のメモリに保存する。
なお、従来は、この工程において、管理台帳に記載されている所定の測定位置情報(例えば「A−1」)と、被測定対象物に直書きされている位置情報とを目視で再度照合し、その後、同じく管理台帳に記載されている「ゲージ基本情報」と、ひずみゲージパッケージに記載されている「ゲージ基本情報」とを目視で照合していた。
次に、図5に示す工程では、被測定対象物50の測定位置に貼り付けられたひずみゲージ40のリード線41の他端(先端)をIDリーダ/ライタ機能付きデータロガー1に接続し、データロガー1の「ひずみゲージの測定およびデータ自動保存機能」と「抵抗値測定と判定データおよびデータ自動保存機能」によりひずみゲージ40の初期値を測定し、その結果を前記データロガー1内のメモリに保存する。この時、測定値に異常が示されていないかを確認する。なお、ひずみゲージ40の初期値には、「イニシャル値」、「抵抗値」および「絶縁抵抗値」が含まれる。
従来は、この工程において、ひずみゲージのリード線をひずみ測定器に接続後に測定した「イニシャル値」をペーパーの表に手書きし、その後、ひずみゲージのリード線をテスターに接続し、測定した「抵抗値」および「絶縁抵抗値」をペーパーの表に手書きし、さらに、測定値に異常が無いことを確認していた。
次に、図6に示す工程では、IDリーダ/ライタ機能付きデータロガー1にプリンタ15を接続し(但し、内蔵の場合はこの工程は不要)、現在までに取得された情報からIDタグラベル60を印刷する。このIDタグラベル60に記載される情報は、後の工程でタグ情報として使用されるが、その情報の種類には、「貼付位置情報」、「ひずみゲージ基本情報」、「イニシャル値」、「抵抗値」および「絶縁抵抗値」が有り、これらの情報の記憶媒体は、バーコード、QRコード、RFIDコード等で表現するものとする。なお、IDタグラベル60には、任意に手書きが可能な空白の自由記入欄を設けることもできる。
従来は、この工程において、貼付位置情報一覧表を参照し、ペーパー、シール、粘着テープ等にチャネル番号や位置情報を手書きすることでタグを作成していた。
次に、図7に示す工程では、前工程で得られた「貼付位置情報」、「ひずみゲージ基本情報」、「イニシャル値」、「抵抗値」および「絶縁抵抗値」の各情報を含むIDタグラベル60をリード線41の基端と先端の両端に取り付ける。
従来は、この工程で、手書きのタグを取り付けていたが、その情報は、識別用のID情報程度であり、乏しい情報量であった。
次に、図8に示す工程では、ひずみゲージ40に接続されたリード線41の、ひずみ測定器2(図6参照)側の端部(先端部)にコネクタ42を接続し、さらに、このコネクタ42にはIDチップ44(以下、「IDチップ付きコネクタ」と称することがある)を接続する。なお、この工程は、何時でも、何処でも実施することができるが、従来は、この工程に該当する工程は存在しなかった。
次に、図9に示す工程では、IDリーダ/ライタ機能付きデータロガー1に、コネクタ42(リード線41の先端側)とプラグ43(IDリーダ/ライタ機能付きデータロガー1側)とを介してひずみゲージ40を接続し、IDリーダ/ライタ機能付きデータロガー1のリーダ部121を介してIDタグラベル60に記載されているデータを読み取る。この読み取ったデータと、IDタグラベル60の作成時の情報とを照合して作業ミスが無いことを確認することも可能である。
次に、IDリーダ/ライタ機能付きデータロガー1に接続したひずみゲージ40のデータとして、「イニシャル値」、「ゲージ抵抗値」および「絶縁抵抗値」を測定する。その後、IDリーダ/ライタ機能付きデータロガー1は、IDタグラベル60から読み取った前記データと、今回の測定結果のデータとのデータチェックを行い、両者のデータが一致しない場合には警告を表示する。その後、IDリーダ/ライタ機能付きデータロガー1は、読み取ったひずみゲージ40のデータをIDチップ44に書き込む。これにより、IDチップ44には、データとして「貼付位置情報」、「ゲージ基本情報」、「イニシャル値」、「ゲージ抵抗値」、「絶縁抵抗値」、「作業日時」および「作業者名」が書き込まれる。なお、従来は、この工程に該当する工程は存在していない。
以上で、ひずみゲージ40の敷設作業が完了し、最後の工程である設定工程に移行する。
図10は、敷設作業完了後のひずみゲージ40の設定作業を説明する説明図である。
以下、図10を参照して、本実施形態に係るひずみゲージの設定工程の手順を説明する。
被測定対象物50のひずみゲージ40に接続されているリード線41の先端部に接続されたコネクタ42をひずみ測定器2の任意のチャネルに接続する。他の被測定対象物51にも、同様のひずみゲージおよびコネクタ42が存在する場合は、やはりひずみ測定器2の空いている任意のチャネルに接続する。ひずみ測定器2に空いているチャネルが存在しなくなれば、同様のひずみゲージおよびコネクタを、さらに、コネクタボックス3を介してひずみ測定器2に接続する。この接続に際しては、チャネルとの対応は考慮せずに、とにかく空きチャネルに接続していくことができる。この接続が全て完了すると、ひずみ測定器2により、IDチップ44の情報を読み込む。これにてひずみゲージ40を含む全てのひずみゲージの設定が完了する。
なお、従来は、この工程に該当する工程で、貼付位置情報一覧表を目視で参照してひずみゲージを所定の順番どおりに予め定められたチャネルに接続し、その後、各チャネルの各種設定を1チャネルずつ実施していた。
図11および図12は、本発明の実施形態に係るひずみゲージ敷設方法による作業手順の流れを示すフローチャートである。
以下、図1〜図10を参照しながら、図11および図12のフローチャートを用いて、本実施形態に係るひずみゲージ敷設システムおよびひずみゲージ敷設方法による作業工程の流れを説明する。
(ステップS1)
まず、ステップS1では、図1に示すような、貼付位置情報シール30または貼付位置情報一覧表31を作成する。この位置情報の記憶媒体は、バーコード、QRコード、RFID等を使用することができる。
(ステップS2)
次に、ステップS2では、図2(a)に示すように、貼付位置情報シール30を、ひずみゲージ(不特定)が貼り付けられる予定箇所の近傍へ貼り付ける。
(ステップS3)
次に、ステップS3では、図2(b)に示すように、貼付位置情報シール30の貼り付けで明示されたひずみゲージ貼り付け箇所に、ひずみゲージパッケージ45から取り出した任意のひずみゲージの1つであるひずみゲージ40を貼り付ける。
(ステップS4)
次に、ステップS4では、図3に示すように、ひずみゲージパッケージ45に記載されているひずみゲージ基本情報をIDリーダ/ライタ機能付きデータロガー1を用いて読取り、データをメモリに保存する。
(ステップS5)
次に、ステップS5では、図4に示すように、貼付位置情報シール30に記録されている貼付位置情報をIDリーダ/ライタ機能付きデータロガー1のバーコード/QRコードリーダー用プローブを用いて読取り、データをメモリに保存する。
(ステップS6)
次に、ステップS6では、図5に示すように、ひずみゲージ40をIDリーダ/ライタ機能付きデータロガー1の入力端子に接続する。
(ステップS7)
次に、ステップS7では、接続したひずみゲージ40の初期値をIDリーダ/ライタ機能付きデータロガー1を用いて測定し、データをメモリに保存する。
この初期値のデータには、「イニシャル値」、「抵抗値」、「絶縁抵抗値」が存在する。
(ステップS8)
次に、ステップS8では、手作業と自動で、測定したひずみゲージ40の初期値を確認する。
(ステップS9)
次に、ステップS9では、図6に示すように、IDリーダ/ライタ機能付きデータロガー1にプリンタ15を接続する(但し、プリンタ内蔵の場合は不要)。
(ステップS10)
次に、ステップS10では、IDリーダ/ライタ機能付きデータロガー1で取得した各種情報を印刷し、IDタグラベル60を作成する(図6参照)。
(ステップS11)
次に、ステップS11では、印刷されたIDタグラベル60を、図7に示すように、ひずみゲージ40のリード線41の基端側と先端側の各両端に添付(吊り下げる)する。より具体的には、IDタグラベル60は、リード線41のひずみゲージ40に近い方の基端と、ひずみ測定器2(図10参照)に近い方の先端とに添付する。このIDタグラベル60に印刷されている情報は、「貼付位置情報」、ひずみゲージ基本情報、「イニシャル値」(コネクタ付け以前)、「抵抗値」、「絶縁抵抗値」、「作業日時」および「作業者名」である。
(ステップS12)
次に、ステップS12では、図8に示すように、リード線41のひずみ測定器2に近い方の先端(ひずみ測定器2側)に、コネクタ42およびこのコネクタ42に装着されたID(IDチップ付きコネクタ)チップ44を取り付ける。
(ステップS13)
次に、ステップS13では、ひずみゲージ40のリード線41のコネクタ42をIDリーダ/ライタ機能付きデータロガー1にプラグ43を介して接続する。
(ステップS14)
次に、ステップS14では、図9に示すように、IDタグラベル60の情報をIDリーダ/ライタ機能付きデータロガー1のリーダ部121で読み取り、データをメモリに保存する。
(ステップS15)
次に、ステップS15では、IDリーダ/ライタ機能付きデータロガー1にリード線41とコネクタ42とプラグ43を介して接続されたひずみゲージ40の「イニシャル値(コネクタ付け後)」、「抵抗値」および「絶縁抵抗値」を測定する。
(ステップS16)
次に、ステップS16では、前記測定したひずみゲージ40の「イニシャル値(コネクタ付け後)」、「抵抗値」および「絶縁抵抗値」と、ステップS14でメモリに格納していたIDタグラベル60の情報とを照合して、両者の一致を確認する。この一致がとれない場合は警告が表示される。
(ステップS17)
次に、ステップS17では、図9に示すように、読み取ったIDタグラベル60の情報をIDチップ44に書込む。
(ステップS18)
次に、ステップS18では、ひずみゲージ40を直接またはコネクタボックス3を介して、ひずみ測定器2に接続する(図10参照)。
(ステップS19)
次に、ステップS19では、ひずみ測定器2とIDチップ44との自動通信により、各種設定の自動登録が開始される。
この設定工程では、ひずみ測定器2が、IDチップ44との自動通信により、IDチップ内の情報を識別するので、従来のように、ひずみゲージのリード線を必ずしもひずみ測定器のID対応のチャネルへ接続しなくてもよく、任意の空きチャネルに接続してよい。この点が、従来のひずみゲージ敷設方法とは、根本的な差異があり、手動設定による煩わしさや誤設定から解放されるメリットがある。
図13は、IDリーダ/ライタ機能付きデータロガー1の構成を示すブロック図である。
同図に示すIDリーダ/ライタ機能付きデータロガー1は、試験体の絶縁抵抗を測定するための絶縁測定用プローブ10と、バーコードやQRコード等を読み取るための読み取り用プローブ11と、各種センサ情報を入力するためのセンサ・ID接続コネクタ1(12)と、各種センサ情報およびIDチップ、RFID、TEDS等の情報を入力するためのセンサ・ID接続コネクタ2(13)と、各種識別情報を中央処理部100の制御のもとに記憶する記憶媒体14と、プリンタI/F124を介して、中央処理部100により制御されて印刷を行う内蔵または外部システムのプリンタ15と、測定を行う測定対応部101および識別情報の処理を行うID対応部102を含む中央処理部100と、内蔵の温度センサ・湿度センサ111と、測定者用等の情報入力キーボード112と、を備える。 また、絶縁測定用プローブ10および各種センサ情報を入力するためのセンサ・ID接続コネクタ1(12)およびセンサ・ID接続コネクタ2(13)を介した各種情報を中央処理部100に入力するためのインターフェースを担うセンサ情報読込I/F(インターフェース)113と、センサ・ID接続コネクタ2(13)を介したIDチップや各種センサとのインターフェースを担うIDチップリーダ/ライタ/I/F(114)と、読み取り用プローブ11を介したバーコードやQRコード等のインターフェースを担うコードリーダ部115と、を備える。さらに、測定結果、入力データ、警告メッセージ等を表示するための表示部121と、操作のための指令を入力する操作部122と、データ比較や判別のために使用するメモリ123と、中央処理部100とプリンタ15との間のインターフェースを担うプリンタI/F(124)と、を備える。
図13に示すデータロガー1に備えられたIDリーダ/ライタ機能は、公知であるので、その機能の説明は省略する。
この実施形態に係るひずみゲージの敷設システムおよび敷設方法によれば、以上のようなシステムおよび工程を備えるので、特に、ひずみゲージの貼付位置とひずみ測定器2との対応に関して、ひずみゲージの敷設・設定の際の煩わしさや作業ミスを無くして、作業効率を飛躍的に向上させることができると共に作業の信頼性を向上させることが可能になるという著しい効果を有しており、この効果は、ひずみゲージを敷設する作業者とひずみゲージを設定して測定する作業者、若しくはひずみゲージを敷設・設定する作業者と、ひずみゲージを測定する作業者とが異なる作業者である場合には特に有効である。
また、重要な工程毎に、測定データを照合することで正しく敷設されたか否かをチェックするので、この点でも作業の信頼性が大幅に向上するという効果を有している。
また、各種データの測定および記録と共に、作業の進捗状況が正確に把握できるので、工程管理に適するという効果がある。
さらに、ひずみゲージの貼付位置とひずみ測定器との対応に関して、リード線に接続されたコネクタを、ひずみ測定器の特定のチャネルに接続する必要が無く、任意の空きチャネルに接続するだけで良いといった本発明の特徴は、前述の作業の効率性や信頼性を向上させる効果と共に、作業工数を大幅に削減させる効果も有しており、これが測定点数が、数千点以上にもおよぶ場合は、その効果は、著大である。
本発明は、ひずみゲージの敷設システムについて説明したが、物理量を電気量に変換する各種センサ(物理量/電気量変換器としての例えば、圧力変換器、変位変換器、加速度変換器、荷重変換器、トルク変換器、温度センサ等)にも利用することができる。この場合、上述したひずみゲージを各種変換器に置きかえることで、基本的な構成は、共通化が可能である。
1 IDリーダ/ライタ機能付データロガー
2 ひずみ測定器
3 コネクタボックス
15 プリンタ
30 貼付位置情報シール
31 貼付位置情報一覧表
32 貼付位置情報シール台帳
40 ひずみゲージ
41 リード線(束線)
42 コネクタ
43 プラグ
44 IDチップ
45 ひずみゲージパッケージ
50 被測定対象物
51 他の被測定対象物
60 IDタグラベル
121 リーダ部
122 ケーブル線
411 QRコード

Claims (8)

  1. 被測定対象物に添着された複数のひずみゲージをリード線によりひずみ測定器に的確に接続し得ると共に接続された対応関係が正しいか否かおよび前記複数のひずみゲージの固有情報を確認し得るひずみゲージ敷設システムであって、
    ひずみゲージの添着位置情報が含まれる一覧表と、
    被測定対象物の所定位置に添着される複数のひずみゲージの添着位置情報が文字および所定のコードで表示され、前記一覧表をもとに前記ひずみゲージの添着位置近傍に添着される添着位置情報シールと、
    ロット単位で生産された複数のひずみゲージに添付され、当該ひずみゲージのひずみゲージ基本情報が文字および所定のコードで表示された基本情報シールと、
    任意のひずみゲージの添着位置情報、ひずみゲージ基本情報、計測されたイニシャル値、ゲージ抵抗値等の情報が文字および所定のコードでプリンタにより印刷表示され、リード線の前記ひずみゲージ近傍およびひずみ測定器近傍にそれぞれ取り付けられるIDタグラベルと、
    前記基本情報シールおよび前記添着位置情報シールにそれぞれ表示された所定のコード化された情報を読取る機能、前記ひずみゲージの抵抗値、初期値、絶縁抵抗値等を測定する機能、前記IDタグラベルのコード化された情報を読取る機能、プリンタにより前記IDタグラベルに前記情報を印刷するライター機能を含むIDリーダ/ライタ機能付のデータロガーと、
    を具備し、ひずみゲージの添着位置とひずみ測定器のチャンネル間の接続確認、ひずみゲージの基本情報の読取り、ひずみゲージ固有の抵抗値、絶縁抵抗値等の測定および保存を可能となし得るように構成したことを特徴とするひずみゲージ敷設システム。
  2. 前記リード線の前記ひずみゲージの接続端とは反対の先端側に接続されるIDチップおよびコネクタと、
    前記データロガーに内蔵または外部に接続され、前記IDタグラベルの情報を読み取り前記データロガーに保存するIDリーダ用プローブと、
    前記チップ付きのコネクタが前記リード線を介して前記ひずみゲージに接続された状態で、当該ひずみゲージのイニシャル値、抵抗値、絶縁抵抗値等を測定し、先に測定され前記IDタグラベルに保存され前記IDリーダ用プローブにより読み取った情報を照合し、照合がとれた場合は、当該測定値を保存し、照合がとれない場合は、警告を発するように構成したことを特徴とする請求項1に記載のひずみゲージ敷設システム。
  3. 前記IDチップ付きのコネクタをひずみゲージ接続用コネクタから外し、ひずみ測定器の任意のチャンネルに接続することにより、前記IDチップに保存されている情報を前記ひずみ測定器が読み込むように構成したことを特徴とする請求項2に記載のひずみゲージ敷設システム。
  4. 被測定対象物に添着される複数のひずみゲージおよび前記複数のひずみゲージに接続される各々のリード線をひずみ測定器のチャンネルに一定の対応関係をもって接続するひずみゲージの敷設方法であって、
    ひずみゲージの添着位置情報が含まれる一覧表を作成する工程と、
    前記ひずみゲージを添着すべき前記被測定対象物の位置を記載した添着位置情報シールを作成する工程と、
    前記ひずみゲージを添着するべき位置の近傍に予め前記貼付位置情報シールを添着する工程と、
    前記一覧表をもとに前記ひずみゲージを添着するべき位置に添着する工程と、
    前記ひずみゲージを収納していたひずみゲージパッケージに印刷されている、収納ひずみゲージに関する仕様情報を前記IDリーダ/ライタ機能付データロガーで読み取り保存する工程と、
    前記添着位置情報シールの添着位置情報をIDリーダ/ライタ機能付データロガーで読み取り、保存する工程と、
    前記ひずみゲージの初期値データを前記IDリーダ/ライタ機能付データロガーを用いて計測し、保存する工程と、
    前記ひずみゲージの絶縁抵抗を、前記IDリーダ/ライタ機能付データロガーの絶縁抵抗値測定用プローブにより測定し、保存する絶縁抵抗値測定工程と、
    前記IDリーダ/ライタ機能付データロガーが読み取った前記添着位置情報シールの位置情報と前記ひずみゲージに関する仕様情報および前記IDリーダ/ライタ機能付データロガーで測定した前記ひずみゲージの初期値データを、前記IDリーダ/ライタ機能付データロガー付属のプリンタを用いてIDタグラベルとして印刷する工程と、
    前記IDタグラベルを前記ひずみゲージのリード線両端側にそれぞれ取付ける工程と、
    を備えたことを特徴とするひずみゲージ敷設方法。
  5. 前記リード線の、前記ひずみゲージとは反対側の先端にIDチップ付きのコネクタを接続する工程と、
    前記リード線に接続した前記IDチップ付きのコネクタを、直接若しくはひずみゲージ接続用コネクタボックスを介して前記IDリーダ/ライタ機能付データロガーに接続する工程と、
    前記ひずみゲージとは反対側の先端に添付されている前記IDタグラベルに記載されている情報を前記IDリーダ/ライタ機能付データロガーのIDリーダ用プローブで読み取る工程と、
    前記ひずみゲージの初期値データを前記IDチップ付きのコネクタを介して前記IDリーダ/ライタ機能付データロガーで測定すると共に、前記読み取っていた前記IDタグラベルに記載の情報と照合する工程と、
    前記の照合がとれた場合は、前記IDタグラベルに記載の情報を前記IDチップに記録し、照合がとれなかった場合は、警告を発する工程と、
    を、さらに備えたことを特徴とする請求項4記載のひずみゲージ敷設方法。
  6. 前記リード線の前記コネクタを、ひずみ測定器の任意の空きチャネルに接続する工程と、
    前記空きチャンネルへの接続後に、前記IDチップの情報を前記ひずみ測定器で自動的に読み取らせる工程と
    を、さらに備えたことを特徴とする請求項5記載のひずみゲージ敷設方法。
  7. 前記ひずみゲージの初期値データが、イニシャル値、抵抗値および絶縁抵抗値であることを特徴とする請求項4または請求項5記載のひずみゲージ敷設方法。
  8. 前記IDタグラベルに記載の情報が、バーコード、QRコード等の二次元バーコードおよびRFID等のIDチップのいずれかを用いて表現されたものであることを特徴とする請求項4または請求項5記載のひずみゲージ敷設方法。
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