JP2010168959A5 - - Google Patents

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上記課題を解決するために、本発明に係る可変容量圧縮機の斜板最小傾角設定方法は、内部に吐出室、吸入室、クランク室及びシリンダボアが区画形成されたハウジングと、シリンダボアに配設されたピストンと、ハウジング内に回転可能に支持された駆動軸と、駆動軸に同期回転可能に固定されたロータと、ロータと連結する案内機構を介して駆動軸に対し傾角変化可能でかつ同期回転可能に連結される斜板と、斜板の最小傾角を機械的に規制する最小傾角規制手段と、斜板の回転をピストンの往復動に変換する変換機構と、クランク室の圧力を調整する容量制御弁とを具備し、容量制御弁の開度調整によりクランク室の圧力を変化させ、斜板の傾角を変更してピストンのストロークを調整し、吸入室からシリンダボアに吸入された冷媒を圧縮して吐出室に排出する可変容量圧縮機の斜板の最小傾角の設定方法であって、
斜板の慣性乗積を、斜板の傾角(θ)が所定の傾角(θs)未満の領域では斜板を傾角増大方向へ向かわせる回転運動のモーメントを生じ、かつ前記所定の傾角(θs)より大きい領域では斜板を傾角減少方向へ向かわせる回転運動のモーメントを生じるべく設定するとともに、
最小傾角規制手段が無い状態において斜板を前記所定の傾角(θs)未満の傾角まで駆動軸に対して傾角変化可能に構成しつつ、駆動軸、ロータ及び斜板の連結体を駆動軸の軸心を中心に予め定めた所定の回転数で回転させ、斜板が傾角変化可能な範囲の中で傾角に関して静止する位置を前記連結体の実際の部品に基づいた所定の傾角(θs)として設定し、
斜板の最小傾角(θmin)が前記連結体の実際の部品に基づいた所定の傾角(θs)となるように、最小傾角規制手段により斜板の傾角変化を規制することを特徴とする方法からなる。
また、上記本発明に係る斜板最小傾角設定方法においては、上記所定の傾角(θs)は上記の如く次のように設定される。すなわち、駆動軸、ロータ及び斜板の連結体を駆動軸の軸心を中心に予め定めた所定の回転数で回転させ、斜板が傾角変化可能な範囲の中で傾角に関して静止する位置を上記所定の傾角(θs)として設定することができる。このようにすれば、駆動軸、ロータ及び斜板の連結体の実際の部品に基づいて、傾角増大方向または傾角減少方向のモーメントがほとんど作用しない所定の傾角(θs)を確実に設定できるようになる。
本発明に係る可変容量圧縮機は、内部に吐出室、吸入室、クランク室及びシリンダボアが区画形成されたハウジングと、シリンダボアに配設されたピストンと、ハウジング内に回転可能に支持された駆動軸と、駆動軸に同期回転可能に固定されたロータと、ロータと連結する案内機構を介して駆動軸に対し傾角変化可能でかつ同期回転可能に連結される斜板と、斜板の最小傾角を規制する最小傾角規制手段と、斜板の傾角を最小傾角から傾角増大方向に付勢する傾角増大バネと、斜板の回転をピストンの往復動に変換する変換機構と、クランク室の圧力を調整する容量制御弁とを具備し、容量制御弁の開度調整によりクランク室の圧力を変化させ、斜板の傾角を変更してピストンのストロークを調整し、吸入室からシリンダボアに吸入された冷媒を圧縮して吐出室に排出する可変容量圧縮機において、
斜板が駆動軸に対して直交するときの斜板の傾角を0°とした場合、最小傾角規制手段が無い状態において斜板を0°近傍未満の傾角まで駆動軸に対して傾角変化可能に構成しつつ、駆動軸、ロータ及び斜板の連結体を駆動軸の軸心を中心に予め定めた所定の回転数で回転させたときに、斜板の傾角が前記0°近傍で静止するように斜板の慣性乗積が設定された駆動軸、ロータ及び斜板の連結体と、
斜板の最小傾角が前記0°近傍となるように斜板の傾角変化を機械的に規制する最小傾角規制手段と、
を具備したことを特徴とするものからなる。この最小傾角規制手段により、斜板の最小傾角(θmin)が確実に上記所定の傾角(θs)に設定され、この最小傾角の状態では、斜板の回転による傾角増大方向または傾角減少方向のモーメントはほとんど作用しなくなるので、高回転数領域での圧縮機の消費動力の増大が抑制される。また、圧縮機は斜板の傾角が小さい状態にて起動され、この傾角の小さい状態では斜板の回転による傾角増大方向または傾角減少方向のモーメントはほとんど作用しなくなるので、圧縮機の起動特性が回転数によらず安定化する。

Claims (6)

  1. 内部に吐出室、吸入室、クランク室及びシリンダボアが区画形成されたハウジングと、シリンダボアに配設されたピストンと、ハウジング内に回転可能に支持された駆動軸と、駆動軸に同期回転可能に固定されたロータと、ロータと連結する案内機構を介して駆動軸に対し傾角変化可能でかつ同期回転可能に連結される斜板と、斜板の最小傾角を機械的に規制する最小傾角規制手段と、斜板の回転をピストンの往復動に変換する変換機構と、クランク室の圧力を調整する容量制御弁とを具備し、容量制御弁の開度調整によりクランク室の圧力を変化させ、斜板の傾角を変更してピストンのストロークを調整し、吸入室からシリンダボアに吸入された冷媒を圧縮して吐出室に排出する可変容量圧縮機の斜板の最小傾角の設定方法であって、
    斜板の慣性乗積を、斜板の傾角(θ)が所定の傾角(θs)未満の領域では斜板を傾角増大方向へ向かわせる回転運動のモーメントを生じ、かつ前記所定の傾角(θs)より大きい領域では斜板を傾角減少方向へ向かわせる回転運動のモーメントを生じるべく設定するとともに、
    最小傾角規制手段が無い状態において斜板を前記所定の傾角(θs)未満の傾角まで駆動軸に対して傾角変化可能に構成しつつ、駆動軸、ロータ及び斜板の連結体を駆動軸の軸心を中心に予め定めた所定の回転数で回転させ、斜板が傾角変化可能な範囲の中で傾角に関して静止する位置を前記連結体の実際の部品に基づいた所定の傾角(θs)として設定し、
    斜板の最小傾角(θmin)が前記連結体の実際の部品に基づいた所定の傾角(θs)となるように、最小傾角規制手段により斜板の傾角変化を規制することを特徴とする、可変容量圧縮機の斜板最小傾角設定方法。
  2. 前記連結体の実際の部品に基づいた所定の傾角(θs)を、斜板が駆動軸に対して直交するときの斜板の傾角を0°とした場合、0°近傍に設定することを特徴とする、請求項1に記載の可変容量圧縮機の斜板最小傾角設定方法。
  3. 斜板は駆動軸を挿通し、駆動軸に対し摺動可能に支持される支持孔を有し、この支持孔の一部に最小傾角(θmin)を規制可能な最小傾角規制手段としての最小傾角規制部が設けられているものであって、前記連結体の実際の部品に基づいた所定の傾角(θs)となる斜板の最小傾角(θmin)は試験用サンプルにて設定され、設定された最小傾角(θmin)に基づいて実際に製造する斜板の支持孔の最小傾角規制部を加工することを特徴とする、請求項1または2に記載の可変容量圧縮機の斜板最小傾角設定方法。
  4. 前記連結体の実際の部品に基づいた所定の傾角(θs)を前記連結体の個体毎に計測して所定の傾角(θs)の分布を求め、その中央値を斜板の最小傾角(θmin)として斜板の傾角変化を規制することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の可変容量圧縮機の斜板最小傾角設定方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の斜板最小傾角設定方法に基づいて最小傾角が規制された可変容量圧縮機。
  6. 内部に吐出室、吸入室、クランク室及びシリンダボアが区画形成されたハウジングと、シリンダボアに配設されたピストンと、ハウジング内に回転可能に支持された駆動軸と、駆動軸に同期回転可能に固定されたロータと、ロータと連結する案内機構を介して駆動軸に対し傾角変化可能でかつ同期回転可能に連結される斜板と、斜板の最小傾角を規制する最小傾角規制手段と、斜板の傾角を最小傾角から傾角増大方向に付勢する傾角増大バネと、斜板の回転をピストンの往復動に変換する変換機構と、クランク室の圧力を調整する容量制御弁とを具備し、容量制御弁の開度調整によりクランク室の圧力を変化させ、斜板の傾角を変更してピストンのストロークを調整し、吸入室からシリンダボアに吸入された冷媒を圧縮して吐出室に排出する可変容量圧縮機において、
    斜板が駆動軸に対して直交するときの斜板の傾角を0°とした場合、最小傾角規制手段が無い状態において斜板を0°近傍未満の傾角まで駆動軸に対して傾角変化可能に構成しつつ、駆動軸、ロータ及び斜板の連結体を駆動軸の軸心を中心に予め定めた所定の回転数で回転させたときに、斜板の傾角が前記0°近傍で静止するように斜板の慣性乗積が設定された駆動軸、ロータ及び斜板の連結体と、
    斜板の最小傾角が前記0°近傍となるように斜板の傾角変化を機械的に規制する最小傾角規制手段と、
    を具備したことを特徴とする可変容量圧縮機。
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