JP2010168832A - 空気式防舷材の空気圧検知装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】タイヤ空気圧監視装置(TPMS)用の送信機付き圧力センサーを空気式防舷材の空気圧検知に使用する場合であっても、コストを増加させることなく簡単な機構によりTPMS用の送信機付き圧力センサーの転用を可能にする空気式防舷材の空気圧検知装置を提供する。
【解決手段】TPMS用の送信機付き圧力センサー11を容器12に収納した状態にして、その容器12を空気式防舷材の空気充填バルブ5に接続し、空気充填バルブ5から空気を注入開始するとき、容器12内の空気圧が圧力センサー11の起動圧力以上に達したとき容器12が破壊するように構成する。
【選択図】図2
【解決手段】TPMS用の送信機付き圧力センサー11を容器12に収納した状態にして、その容器12を空気式防舷材の空気充填バルブ5に接続し、空気充填バルブ5から空気を注入開始するとき、容器12内の空気圧が圧力センサー11の起動圧力以上に達したとき容器12が破壊するように構成する。
【選択図】図2
Description
本発明は空気式防舷材の空気圧検知装置に関し、更に詳しくはタイヤ空気圧監視装置用の送信機付き圧力センサーを用いた空気式防舷材の空気圧検知装置に関する。
従来より、船舶の接岸時又は接舷時における船体及び岸壁の損傷防止を目的として、空気式防舷材が岸壁の壁面又は船側に設置されている。この空気式防舷材は、ゴムなどの弾性材料からなる略俵状の中空構造体に圧縮空気を封入し、船舶の接岸又は接舷時の衝撃を空気圧により緩衝させるようにしたものである。そのため、空気式防舷材には常に適正な空気圧が維持されていることが必要である。そのため特許文献1は、このような空気圧の検知を外部から簡単に確認できるように、空気式防舷材に内圧検知装置を備えるようにしている。この内圧検知装置おける圧力センサーは、検知した内圧を無線信号により外部へ送信するものであるが、近年ではコスト低減を目的として、特許文献2に示すような自動車用のタイヤ空気圧監視装置(Tire Pressure Monitoring System、以下「TPMS」という。)用の送信機付き圧力センサーを転用するようになっている。
一般にTPMS用の送信機付き圧力センサーは、タイヤの空洞部内に設けられるため、リムとタイヤを分離しなければ送信機のメンテナンスを行うことができないので、送信機が長期間にわたって自ら電波を放射して内圧データを送信させるには、可能な限り送信機に用いられるバッテリーの消費を控えることが望まれている。そのため、タイヤのリム組みの際にタイヤ空洞部内に設置されて空気が充填されると、その空気圧をトリガーとして起動するようになっている。しかし、空気式防舷材の空気圧は50〜80kPa程度であるのに対して、タイヤでは乗用車用で約200kPa、トラック用で約800kPa以上という高圧であり、タイヤ空気圧に比べて非常に低い。それ故、空気式防舷材にTPMS用の圧力センサーを転用する場合には、防舷材外部から無線式の起動装置等を用いて強制的にTPMS用の送信機付き圧力センサーを起動させたり、あるいはTPMS用の送信機付き圧力センサーの起動圧力を下げたりしなければならなかった。しかし、これらの起動方法を採用すると、大幅なコストの増加を招くという問題があった。
本発明の目的は、TPMS用の送信機付き圧力センサーを空気式防舷材の空気圧検知に使用する場合であっても、コストを増加させることなく簡単な機構によりTPMS用の送信機付き圧力センサーの転用を可能にする空気式防舷材の空気圧検知装置を提供することにある。
上記の目的を達成する本発明として、以下の3つの発明を提供する。
第1の発明の空気式防舷材の空気圧検知装置は、空気式防舷材の内側にタイヤ空気圧監視装置用の送信機付き圧力センサーを設置した空気圧検知装置において、前記圧力センサーを容器に収納した状態にして該容器を前記空気式防舷材の空気バルブに接続し、該空気バルブから空気を注入開始するとき、前記容器内の空気圧が前記圧力センサーの起動圧力以上に達したとき前記容器が破壊するように構成したことを特徴とするものである。
第2の発明の空気式防舷材の空気圧検知装置は、空気式防舷材の内側にタイヤ空気圧監視装置用の送信機付き圧力センサーを設置した空気圧検知装置において、前記圧力センサーを容器に収納した状態にして該容器を導管を介して前記空気式防舷材の空気バルブに接続し、該空気バルブから空気を注入開始するとき、前記容器及び導管内の空気圧が前記圧力センサーの起動圧力以上に達したとき少なくとも前記導管が破壊するように構成したことを特徴とするものである。
第3の発明の空気式防舷材の空気圧検知装置は、空気式防舷材の内側にタイヤ空気圧監視装置用の送信機付き圧力センサーを設置した空気圧検知装置において、前記圧力センサーを容器に収納した状態にし、該容器にリリーフバルブ又はラプチャーディスクを取り付けると共に、該容器を前記空気式防舷材の空気バルブに接続し、該空気バルブから空気を注入開始するとき、前記容器内の空気圧が前記圧力センサーの起動圧力以上に達したとき前記リリーフバルブ又はラプチャーディスクが不可逆的に開放化するように構成したことを特徴とするものである。
上記第1〜3の発明における容器、及び第2の発明における導管は、プラスチックの成形体からなることが望ましい。
第1の発明によれば、TPMS用の送信機付き圧力センサーを容器に収納した状態にし、その容器を空気式防舷材の空気バルブに接続し、空気バルブから空気を注入開始するとき、容器内の空気圧が圧力センサーの起動圧力以上に達したとき容器が破壊するように構成したので、圧力センサーを収納する容器を設けるだけの簡単な構成で、圧力センサーを起動させて空気式防舷材の低圧の空気圧を検知可能にすることができる。従って、コストを増加させることなくTPMS用の送信機付き圧力センサーを空気式防舷材の空気圧検知に転用することができる。
第2の発明によれば、TPMS用の送信機付き圧力センサーを容器に収納した状態にし、その容器を導管を介して空気式防舷材の空気バルブに接続し、空気バルブから空気を注入開始するとき、容器及び導管内の空気圧が圧力センサーの起動圧力以上に達したとき少なくとも導管が破壊するように構成したので、容器と導管を設けるだけの簡単な構成で、圧力センサーを起動させて空気式防舷材の低圧の空気圧を検知可能にすることができる。
第3の発明によれば、TPMS用の送信機付き圧力センサーを容器に収納した状態にし、その容器にリリーフバルブ又はラプチャーディスクを取り付けると共に、容器を空気式防舷材の空気バルブに接続し、空気バルブから空気を注入開始するとき、容器内の空気圧が圧力センサーの起動圧力以上に達したときリリーフバルブ又はラプチャーディスクが不可逆的に開放化するように構成したので、リリーフバルブ又はラプチャーディスクを取り付けた容器を設けるだけの簡単な構成で、圧力センサーを起動させて空気式防舷材の低圧の空気圧を検知可能にすることができる。また、容器などを破壊させることなく圧力センサーを起動できるので、防舷材本体や内部構造物の損傷を防ぐことができる。
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、第1の発明の実施形態からなる空気圧検知装置を装備した空気式防舷材を示す。
この空気式防舷材は、略俵状の中空構造体をなす防舷材本体1の両端部に鏡部2a、2bを設けている。このうち、一方の鏡部2aに、図2に示すように、口金取付部材3を介して口金4が取り付けられている。この口金4には、空気バルブの一種であり防舷材本体1に対して空気を注入するための空気充填バルブ5と、空気圧の超過を防止する安全弁6とが設置されている。それらは口金取付部材3の外側に固定されたカバープレート7により海水等から保護されている。防舷材本体1は、補強コード層8が埋設されたゴムシート9から構成され、補強コード層8を口金取付部材3のビード部10の周りに折り返すことにより口金取付部材3に固定されている。
このような空気式防舷材に対する空気圧検知装置は、TPMS用の送信機付き圧力センサー(以下、単に「圧力センサー」という。)11を収納した容器12を空気充填バルブ5に接続することにより構成されている。この容器12は、圧力センサー11が起動する起動圧力以上の空気圧に達したときに、初めて破壊するように強度等が設定されている。
上述したように空気圧検知装置が構成されているため、コンプレッサー等から空気充填バルブ5を通じて圧縮空気を容器12内に注入すると、容器12内の空気圧が圧力センサー11の起動圧力以上になった時点で容器12が破壊する。従って、圧力センサー11を起動させると共に、容器12の破壊によって空気式防舷材内の低圧の空気圧が圧力センサー11により検知可能になる。
また、この空気圧検知装置は、容器12が空気充填バルブ5に直接に接続するだけの簡単な構成なので、口金4を取り外すだけで圧力センサー11及び容器12を容易に交換することができる。
この実施形態に使用される容器12は、起動圧力以上の空気圧で破壊する構成になっているので、プラスチックの成形体を用いることが好ましい。特に、塩化ビニルやポリエチレンなどの軟質プラスチックの成形体とするのがよい。この場合、圧力センサー11を支持するための部材(硬質プラスチック、金属等)を併用することも可能である。これを用いることで、容器12が破壊する際の衝撃を緩和するため、防舷材本体1や内部構造物(安全弁6など)の損傷を低減することができる。容器12の形状としては、必ずしも立体形状のものに限定されず、袋状であってもよい。
このように第1の発明では、圧力センサー11を収納した容器12を使用するだけの簡単な機構により、圧力センサー11を起動させると共に、空気式防舷材の空気圧を検知可能にすることができるので、大幅なコスト上昇を招くことなく、圧力センサー11の転用を可能にすることができる。
図3は、第2の発明の実施形態からなる空気圧検知装置を装備した空気式防舷材の鏡部を示す。
この空気圧検知装置は、圧力センサー11を収納した容器12を導管13を介して空気充填バルブ5に接続するようにしたものである。容器12及び導管13のうち少なくとも導管13は、圧力センサー11が起動する起動圧力以上の空気圧に達したときに、初めて破壊するように構成されている。防舷材本体1における容器12の取付位置は、図3に示すように、口金4から十分に離間させて、防舷材本体1の内面に接着等により固定することが好ましい。
このように、容器12を口金4から離すことができるため、容器12又は導管13が破壊したときの衝撃で内部構造物が損傷する可能性を低減することができる。
この実施形態に使用される導管13は、起動圧力以上の空気圧で破壊する構成になっているので、プラスチックの成形体を用いることが好ましい。特に、塩化ビニルやポリエチレンなどの軟質プラスチックの成形体とするのがよい。これを用いることで、導管13が破壊する際の衝撃を緩和するため、防舷材本体1や内部構造物の損傷を低減することができる。導管13の形状はチューブ状であることが好ましい。また、この実施形態における容器12は、上記のように導管13が先に破壊するようになっていれば、必ずしも破壊するものである必要はない。
容器12としては、導管13と同じくプラスチックの成形体を用いることが好ましい。容器12の形状は、第1の発明の実施形態の場合と同様に、必ずしも立体形状のものに限定されず、袋状であってもよい。
このように第2の発明では、圧力センサー11を収納した容器12と導管13を使用するだけの簡単な機構により、圧力センサー11を起動させると共に、空気式防舷材の空気圧を検知可能にすることができるので、大幅なコスト上昇を招くことなく、圧力センサー11の転用を可能にすることができる。
図4は、第3の発明の実施形態からなる空気圧検知装置を装備した空気式防舷材の鏡部を示す。
この空気圧検知装置は、圧力センサー11を収納した容器12の壁面にリリーフバルブ又はラプチャーディスク14を設けたものである。容器12は、空気圧が圧力センサー11の起動圧力以上になっても破壊しないようになっているが、リリーフバルブ又はラプチャーディスク14は、容器12の空気圧が起動圧力以上に達すると不可逆的に開放し、空気圧が起動圧力よりも低下した後も再び閉止しない構造になっている。
この実施形態においても、第1及び第2の発明の実施形態と同様に、容器12にはプラスチックの成形体を用いることが好ましい。
このように、圧力センサー11を収納し、かつ壁面にリリーフバルブ又はラプチャーディスク14を設けた容器12を使用するだけの簡単な機構により、圧力センサー11を起動させると共に、空気式防舷材の空気圧を検知可能にすることができるので、大幅なコスト上昇を招くことなく、圧力センサー11の転用を可能にすることができる。また、容器12などが破壊することがないので、防舷材本体1及び内部構造物の損傷を防ぐことができる。
なお、上述した第1〜3の発明の実施形態においては、空気バルブとして空気充填バルブ5を例に挙げているが、防舷材本体1の空気圧の異常を検知するための空気圧検知用バルブや、圧力センサー11を起動するための専用バルブを用いることもできる。
また、容器12及び導管13については、上述したプラスチックの成形体の他に、補強層を埋設したゴム部材からなる袋体や管状体(ホース)から構成することもできる。
1 防舷材本体
2a、2b 鏡部
3 口金取付部材
4 口金
5 空気充填バルブ
6 安全弁
7 カバープレート
8 補強コード層
9 ゴムシート
10 ビード部
11 圧力センサー
12 容器
13 導管
14 リリーフバルブ又はラプチャディスク
2a、2b 鏡部
3 口金取付部材
4 口金
5 空気充填バルブ
6 安全弁
7 カバープレート
8 補強コード層
9 ゴムシート
10 ビード部
11 圧力センサー
12 容器
13 導管
14 リリーフバルブ又はラプチャディスク
Claims (5)
- 空気式防舷材の内側にタイヤ空気圧監視装置用の送信機付き圧力センサーを設置した空気圧検知装置において、
前記圧力センサーを容器に収納した状態にして該容器を前記空気式防舷材の空気バルブに接続し、該空気バルブから空気を注入開始するとき、前記容器内の空気圧が前記圧力センサーの起動圧力以上に達したとき前記容器が破壊するように構成した空気式防舷材の空気圧検知装置。 - 空気式防舷材の内側にタイヤ空気圧監視装置用の送信機付き圧力センサーを設置した空気圧検知装置において、
前記圧力センサーを容器に収納した状態にして該容器を導管を介して前記空気式防舷材の空気バルブに接続し、該空気バルブから空気を注入開始するとき、前記容器及び導管内の空気圧が前記圧力センサーの起動圧力以上に達したとき少なくとも前記導管が破壊するように構成した空気式防舷材の空気圧検知装置。 - 空気式防舷材の内側にタイヤ空気圧監視装置用の送信機付き圧力センサーを設置した空気圧検知装置において、
前記圧力センサーを容器に収納した状態にし、該容器にリリーフバルブ又はラプチャーディスクを取り付けると共に、該容器を前記空気式防舷材の空気バルブに接続し、該空気バルブから空気を注入開始するとき、前記容器内の空気圧が前記圧力センサーの起動圧力以上に達したとき前記リリーフバルブ又はラプチャーディスクが不可逆的に開放化するように構成した空気式防舷材の空気圧検知装置。 - 前記容器がプラスチックの成形体からなる請求項1〜3のいずれかに記載の空気式防舷材の空気圧検知装置。
- 前記導管がプラスチックの成形体からなる請求項2に記載の空気式防舷材の空気圧検知装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009013370A JP2010168832A (ja) | 2009-01-23 | 2009-01-23 | 空気式防舷材の空気圧検知装置 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010175298A (ja) * | 2009-01-27 | 2010-08-12 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | 空気式防舷材の空気圧監視装置及びその集中管理システム |
US20140305360A1 (en) * | 2011-09-30 | 2014-10-16 | The Yokohama Rubber Co., Ltd. | Sensor Accommodation Container for a Pneumatic Fender and Pneumatic Fender |
JP2015143672A (ja) * | 2013-12-27 | 2015-08-06 | 日本海洋産業株式会社 | 空気圧検知装置およびそれを備えた空気圧監視装置 |
-
2009
- 2009-01-23 JP JP2009013370A patent/JP2010168832A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010175298A (ja) * | 2009-01-27 | 2010-08-12 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | 空気式防舷材の空気圧監視装置及びその集中管理システム |
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US9352811B2 (en) * | 2011-09-30 | 2016-05-31 | The Yokohama Rubber Co., Ltd. | Sensor accommodation container for a pneumatic fender and pneumatic fender |
JP2015143672A (ja) * | 2013-12-27 | 2015-08-06 | 日本海洋産業株式会社 | 空気圧検知装置およびそれを備えた空気圧監視装置 |
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