JP2010167508A - 工作機械のチルト機構およびチルト機構のバランス制御方法 - Google Patents

工作機械のチルト機構およびチルト機構のバランス制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】構成の簡単な工作機械のチルト機構およびチルト機構のバランス制御方法の提供。
【解決手段】チルト機構1のチルトテーブル3には、ワークWが取り付けられる。チルトテーブル3は、基台2に対し回動軸Cを中心に傾斜可能に取り付けられ、電動モーター5により所定角度に傾斜される。基台2に取り付けられた油圧シリンダ6には、ピストン64が内蔵されている。油圧シリンダ6には油圧装置7による圧力が供給されることにより、ピストン64がアンバランスモーメントに抗してチルトテーブル3を上方に付勢する。チルトテーブル3がバランス状態からわずかに傾斜した時点において、油圧シリンダ6の基台2への取付点、油圧シリンダ6のチルトテーブル3への取付点、およびチルトテーブル3の回動中心が、一直線上に並ぶように設定されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、工作機械に設けられて、ワークまたは工具をチルトさせる工作機械のチルト機構およびチルト機構のバランス制御方法に関する。
従来より、多軸工作機械において、ワークまたは工具が固定されるチルトテーブルは多用されている。このような工作機械においては、チルトテーブルを傾斜させることによりワーク等の割り出しを行い、所定の加工を行っている。
ところで、傾斜されたチルトテーブルには、重力によりチルトテーブルをバランス位置に戻そうとするモーメント(以下、アンバランスモーメントという)が発生する。このアンバランスモーメントは、傾斜した状態にあるチルトテーブルのロック機構に対する負荷となり、ロック機構の大型化を招く。
また、アンバランスモーメントは割り出し位置へ移動中のチルトテーブルにも作用し、チルトテーブルを傾斜させる電動モーターの駆動力を低下させる。このため、電動モーターおよびギヤ機構の大型化、電動モーターによる消費電力の増大を余儀なくされる。
これに対して、チルトテーブルに付勢力を与えるシリンダ装置を設け、チルトテーブルの傾斜角度に基づいてチルトテーブルのアンバランスモーメントを演算し、算出されたアンバランスモーメントに応じてシリンダ装置に印加する圧力を制御する工作機械に関する従来技術があった(例えば、特許文献1参照)。
また、チルトテーブルに付勢力を与える油圧シリンダを設け、チルトテーブル上に固定されるワークの重量に基づいて、油圧シリンダからチルトテーブルに作用する付勢力を制御する工作機械に関する従来技術があった(例えば、特許文献2参照)。
チルトテーブルに発生するアンバランスモーメントは、チルトテーブルの傾斜角が増大することにより増大し、また、チルトテーブルの重量が増大することにより増大する。したがって、上述した従来技術によれば、チルトテーブルに発生するアンバランスモーメントに応じて、チルトテーブルに対して付勢力を与えることが可能で、工作機械の加工条件に応じてアンバランスモーメントを相殺することができる。
特開平6−179138号公報 実開昭63−7422号公報
しかしながら、上述した従来技術においては、チルトテーブルに与える付勢力を制御するために、圧力源、油圧シリンダ装置、制御回路、各種センサ等を必要とし、工作機械全体が大型化するとともにコスト高になるという問題があった。
また、油圧制御のための構成が複雑となるため、故障発生時に故障箇所を見つけることが困難で、保守点検作業が煩雑となるという問題もあった。
また、上述した従来技術においては、ギヤ機構のバックラッシュ等に起因して、チルトテーブルに発生するガタを低減することに関しては、何らの手当てもされていなかった。チルトテーブルに発生するガタは、工作機械の加工精度を低減し、チルトテーブルの軸受等の構成部品の劣化を早めることにつながるため、その低減が課題であった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、構成の簡単な工作機械のチルト機構およびチルト機構のバランス制御方法を提供することにある。
上述した課題を解決するために、請求項1に係る工作機械のチルト機構の発明の構成上の特徴は、
固定体と、
ワークまたは工具が設けられ、前記固定体に対し回動軸を中心に傾斜可能に取り付けられたチルト体と、
前記チルト体を前記固定体に対し所定角度に傾斜させる駆動装置と、
傾斜した前記チルト体において発生するアンバランスモーメントに抗し、前記チルト体を付勢する付勢装置と、
を備えた工作機械のチルト機構において、
前記付勢装置は、
一側が前記固定体に枢支されるとともに、他側が前記チルト体に枢支され、前記固定体に対して前記チルト体を押圧する弾発部材を有し、
前記チルト体がバランス状態から所定量だけ傾斜した時点において、
前記弾発部材の前記固定体への取付点、前記弾発部材の前記チルト体への取付点および前記チルト体の回動中心が一直線上に並ぶことである。
ここで、上述したように、チルト体が所定量だけ傾斜した時点において、弾発部材の固定体への取付点、弾発部材のチルト体への取付点およびチルト体の回動中心が一直線上に並ぶとは、チルト体が傾斜している場合には、アンバランスモーメントを実質的に相殺することができるように、付勢装置からの付勢力によるモーメントをアンバランスモーメントと反対方向に加える一方、チルト体がバランス位置にある場合にも、駆動装置のバックラッシュ等に起因するチルト体のガタを解消する程度の付勢力を、チルト体に対して傾斜方向と反対方向に与えることができるように、各点の位置を設定することを意味している。
すなわち、上述した弾発部材の各点は、チルト体がバランス位置からわずかに傾斜した時点において、一直線上に並ぶように設定することになる。
請求項2に係る発明の構成上の特徴は、請求項1の工作機械のチルト機構において、
前記アンバランスモーメントが最大となる状態において、
前記弾発部材の前記固定体への取付点および前記弾発部材の前記チルト体への取付点を結ぶ直線と、前記チルト体の回動中心および前記弾発部材の前記チルト体への取付点を結ぶ直線とが形成する角度が、直角を中心として所定角度範囲内にあることである。
ここで、上述したように、弾発部材の固定体への取付点および弾発部材のチルト体への取付点を結ぶ直線と、チルト体の回動中心および弾発部材のチルト体への取付点を結ぶ直線とが形成する角度が、直角を中心として所定角度範囲内にあるとは、チルト体のアンバランスモーメントが最大量となった場合に、付勢装置からの付勢力によるモーメントもほぼ最大値となるように各点の位置を設定することを意味している。
すなわち、アンバランスモーメントが最大となる状態において、上述した双方の直線が形成する角度は、ほぼ直角となる。
このようにしたうえで、付勢装置からの付勢力によるモーメントを、最大量となったアンバランスモーメントに近似させることにより、チルト体の傾斜範囲内において、付勢力によるモーメントによって、アンバランスモーメントを実質的に相殺することができる。
請求項3に係る発明の構成上の特徴は、請求項1の工作機械のチルト機構において、
前記弾発部材は、
直進移動可能なピストンを内蔵した圧力シリンダであり、
前記圧力シリンダは前記固定体に回動可能に取り付けられ、
前記ピストンは前記チルト体に回動可能に連結され、
前記圧力シリンダ内に所定圧を導入して、前記ピストンを前記圧力シリンダに対して移動させ前記チルト体を押圧することである。
請求項4に係る工作機械のチルト機構のバランス制御方法の発明の構成上の特徴は、
固定体と、
ワークまたは工具が設けられ、前記固定体に対し回動軸を中心に傾斜可能に取り付けられたチルト体と、
前記チルト体を前記固定体に対し所定角度に傾斜させる駆動手段と、
前記チルト体を付勢する付勢手段と、
を備え、
前記付勢手段は、
前記チルト体を付勢することにより、傾斜した前記チルト体において発生するアンバランスモーメントを相殺するチルト機構のバランス制御方法において、
前記付勢手段は、
一側が前記固定体に取り付けられるとともに、他側が前記チルト体に枢支され、前記固定体に対して前記チルト体を押圧する弾発部材を有し、
前記チルト体がバランス状態から所定量だけ傾斜した時点において、
前記弾発部材の前記固定体への取付点、前記弾発部材の前記チルト体への取付点および前記チルト体の回動中心が一直線上に並ぶことである。
請求項1に係る工作機械のチルト機構によれば、付勢装置の一側が固定体に枢支されるとともに、他側がチルト体に枢支され、固定体に対してチルト体を押圧する弾発部材を有していることにより、チルト体の傾斜角度にかかわらず、常に付勢力によるモーメントをアンバランスモーメントに対して所定の関係にして、アンバランスモーメントを相殺することができる。
したがって、付勢装置は制御装置、各種センサ等を必要としないため工作機械全体を小型化、低コスト化することができ、保守点検も簡素化される。
また、チルト体がバランス状態から所定量だけ傾斜した時点において、弾発部材の固定体への取付点、弾発部材のチルト体への取付点およびチルト体の回動中心が一直線上に並んでいる。したがって、チルト体の傾斜前であるバランス状態においては、双方の直線は一直線上にはなく、チルト体のガタを解消する程度の付勢力をチルト体に対して与えることができる。
請求項2に係る工作機械のチルト機構によれば、アンバランスモーメントが最大となった状態において、弾発部材の固定体への取付点および弾発部材のチルト体への取付点を結ぶ直線と、チルト体の回動中心および弾発部材のチルト体への取付点を結ぶ直線とが形成する角度が、直角を中心として所定角度範囲内にある。
したがって、チルト体のアンバランスモーメントが最大量となった場合に、付勢装置からの付勢力によるモーメントもほぼ最大にすることができ、付勢装置からの付勢力を然程大きくすることなしに、アンバランスモーメントを相殺することができる。
請求項3に係る工作機械のチルト機構によれば、弾発部材は、直進移動可能なピストンを内蔵した圧力シリンダとすることにより、チルト体の傾斜角度にかかわらず、圧力シリンダ内に一定の圧力を供給することで、アンバランスモーメントを相殺することができる。したがって、付勢装置は制御装置、各種センサ等を必要としない。
請求項4に係るチルト機構のバランス制御方法によれば、付勢手段が一側が固定体に取り付けられるとともに、他側がチルト体に枢支され、固定体に対してチルト体を押圧する弾発部材を有していることにより、チルト体の傾斜角度にかかわらず、常に付勢力によるモーメントをアンバランスモーメントに対して所定の関係にして、アンバランスモーメントを相殺することができる。
したがって、付勢手段は制御装置、各種センサ等を必要としないため工作機械全体を小型化、低コスト化することができ、保守点検も簡素化される。
また、チルト体がバランス状態から所定量だけ傾斜した時点において、弾発部材の固定体への取付点、弾発部材のチルト体への取付点およびチルト体の回動中心が一直線上に並んでいる。したがって、チルト体の傾斜前であるバランス状態においては、双方の直線は一直線上にはなく、チルト体のガタを解消する程度の付勢力をチルト体に対して与えることができる。
本発明の一実施形態によるチルト機構の軸方向断面図 図1に示したチルト機構の側面図 チルトテーブルの傾斜角度が0の場合の簡略図 チルトテーブルが傾斜した場合の簡略図 チルトテーブルが最大角度に傾斜した場合の簡略図 アンバランスモーメントと付勢力によるモーメントとの関係を表したグラフを示した図
図1乃至図6に基づき、本発明の一実施形態による工作機械のチルト機構1(以下、チルト機構1という)について説明する。尚、説明中において、図1における左右方向を回動軸方向または軸方向という。また、図1における左方および右方を、説明中において、それぞれ、チルト機構1の左方および右方ということがあるが、実際のチルト機構1の方向とは無関係である。
チルト機構1の基台2(本発明の固定体に該当する)は、最下部にベース21を備えている。基台2は、工作機械上において、図1において紙面に垂直な方向(Z軸方向)に移動可能とされている。ベース21は回動軸C方向に延びるとともに、軸方向の両端部には円環状をした一対の基板部22が取り付けられている。基板部22の外周部には、軸方向に延びる周端部221が形成され、周端部221により外周面を閉塞している。また、基板部22の内周部には、軸方向に延びるスリーブ222が形成されている。
左方の基板部22の内径側には、保持部23が取り付けられ、右方の基板部22の内径側には、軸スリーブ24が取り付けられている。保持部23および軸スリーブ24中には、ディストリビューター等で構成される油気圧回路231、241が形成されている。
一方、チルトテーブル3(本発明のチルト体に該当する)は基台2に対し、回動軸Cを中心に傾斜可能に取り付けられている。チルトテーブル3の台座31は、長さ方向の中央部が下方に窪むとともに、左右端にそれぞれフランジ部311が形成され略U字状を呈している。台座31の中央部には鉛直軸(Y軸)周りに回転可能なターンテーブル32が取り付けられており、ターンテーブル32上には加工用のワークWが固定される。
台座31のフランジ部311には、それぞれ回動板33が取り付けられている。右方の回動板33には、筒状のレバー取付部34が固定されている。また、それぞれの回動板33は、上述した基板部22の周端部221と半径方向に対向している。左右の回動板33からはスリーブ状の軸受支持部331が突出している。
左方の軸受支持部331の内周面側には、上述した保持部23の封止部232がスリーブ状に延在している。一方、右方の軸受支持部331の内周面側には、軸スリーブ24の封止部242がスリーブ状に延在している。尚、保持部23と封止部232、および軸スリーブ24と封止部242は、それぞれ一体に形成されている。
軸受支持部331には、上述した油気圧回路231、241とそれぞれ接続される給排路331aが形成されている。また、軸受支持部331の外周面側には、円筒形のスペーサ36がそれぞれ配置されており、スペーサ36は、それぞれ基板部22のスリーブ222と半径方向に対向している。スペーサ36とスリーブ222とにより、チルトテーブル3を基台2に対して固定するブレーキ装置が形成されている。上述した回動板33と基板部22のスリーブ222との間には、それぞれ軸受4が配置されており、双方の相対回転を許容している。
基板部22の周端部221とスリーブ222との間には、電動モーター5(本発明の駆動装置または駆動手段に該当する)が取り付けられている。電動モーター5は、周端部221の内周面側に配置され、基板部22に固定された冷却ジャケット51、冷却ジャケット51の内周面側に取り付けられたステーター52と、ステーター52と対向するように回動板33に取り付けられたローター53とを備えている。
図示しない電源から電力が供給されることにより、ローター53がステーター52に対して回転し、チルトテーブル3が基台2に対し所定の角度に傾斜する。
冷却ジャケット51の外周面には、リング状のスリット511が形成されており、スリット511内にはクーラントが供給される。スリット511内にクーラントが供給されるこれにより、ステーター52が冷却される。
上述したレバー取付部34の軸方向端部には、平板状の回動レバー37が取り付けられている。図2に示すように、回動レバー37からは当接部371が突出しており、当接部371の先端部には、付勢ピン372が圧入されている。
図1に示すように、基台2のベース21の右端には、油圧シリンダ6(本発明の弾発部材および圧力シリンダに該当する)が取り付けられている。油圧シリンダ6は、ベース21の右端に固定されたシリンダ部61を有しており、シリンダ部61の上下端は一対のプラグ62、63により、液密的に封止されている。シリンダ部61内には、上下方向に移動可能にピストン64が内蔵されている。ピストン64の上部にはロッド641が設けられ、ロッド641はプラグ62を貫通している。ロッド641の上端部には、連結体65が取り付けられている。連結体65は、上述した回動レバー37の付勢ピン372に対し、軸受66を介して回転可能に取り付けられている。
一方、ベース21の右面には、固定ピン26が取り付けられている。プラグ63をベアリング67を介して固定ピン26に取り付けることにより、油圧シリンダ6の下端はベース21に対して回動可能に取り付けられている。
ピストン64は、シリンダ部61の内周面に対し液密的に嵌合しており、ピストン64の下方には、圧力室611が形成されている。油圧シリンダ6の圧力室611には、油圧装置7から一定圧力の油圧が供給され、油圧を受けたピストン64は、シリンダ部61に沿って上方へと付勢される。尚、油圧シリンダ6と油圧装置7とを包括したものが、本発明の付勢装置または付勢手段に該当する。
上方へと付勢されたピストン64は、連結体65を介して付勢ピン372に対して、シリンダ部61に沿うように上方への付勢力を与える。付勢ピン372を介して付勢力を受けた回動レバー37は、チルトテーブル3に対しアンバランスモーメントを相殺するモーメントを印加する。
油圧装置7は、リザーバ71、油圧ポンプ72およびレギュレータバルブ73を備えている。油圧ポンプ72は、リザーバ71内のオイルを吸引して昇圧する。油圧ポンプ72から吐出された油圧は、レギュレータバルブ73により所定の圧力に減圧された後、圧力室611へと供給される。これにより、圧力室611へ供給される油圧は、常時、一定の圧力に維持されている。レギュレータバルブ73において減圧される際の余剰オイルは、リザーバ71へと還流される。
次に、図3乃至図6に基づいて、油圧シリンダ6によるチルトテーブル3に対する付勢方法について説明する。チルトテーブル3は、図3に示したバランス位置から時計回りに回動して傾斜する。尚、図3乃至図5において、チルトテーブル3が時計回りに傾斜する場合の傾斜角度を、マイナス数値にて示すことにする。また、本実施形態によるチルトテーブル3は、0≧θm≧−90°の範囲で傾斜可能である。
図3に示すように、チルトテーブル3の傾斜角度が0の場合(チルトテーブル3がバランス位置にある場合)、ワークWを含んだチルトテーブル3の重心Gは、チルトテーブル3の回動軸Cと直交するとともに、鉛直方向に延びる重心線J上にある。したがって、このときのチルトテーブル3には、アンバランスモーメントは発生していない。
一方、このときの付勢ピン372の位置Sは、重心線Jからわずかだけ、チルトテーブル3の傾斜方向(回動方向)に対し後方に位置している。すなわち、回動軸Cと直交するとともに、付勢ピン372を通る直線kは、鉛直軸(重心線Jと同一位置)と角度θ0を成している。したがって、油圧シンリンダ6からの斜め上方への付勢力により、チルトテーブル3に対し所定のモーメントTfが働く。このTfは、チルトテーブル3を図3において反時計回りに回動させる向きに働き、チルトテーブル3のガタを解消する機能を有する。
図4に示すように、チルトテーブル3が時計回りに所定角度θmだけ回動して傾斜した場合、重心Gの回動軸Cからの最短距離をr、ワークWを含んだチルトテーブル3の重量をmとした場合、チルトテーブル3を反時計回りに回動させるアンバランスモーメントTmは、Tm=m・r・sinθmとなる。
一方、このとき、油圧シリンダ6をベース21に取り付ける固定ピン26(図4における位置L)、油圧シリンダ6のピストン64を回動レバー37に接続する付勢ピン372(図4における位置S)、およびチルトテーブル3の回動軸Cは、回動軸Cに垂直な二次元平面上において一直線上に位置している。したがって、チルトテーブル3において、油圧シリンダ6からの付勢力によるモーメントは発生しない。尚、このときのθmは−90°<θm<0°であればよいが、発明者による試行結果により、−30°<θm<0°とすることが望ましいことが分かっている。
次に、図5に示すように、チルトテーブル3が最大傾斜角度である−90°だけ回動して傾斜した場合、チルトテーブル3に発生するアンバランスモーメントTmは、Tm=m・rとなり最大となる。
このとき、固定ピン26と付勢ピン372とを結ぶ直線(L−S間直線)と、回動軸Cと直交するとともに付勢ピン372を通る直線k(C−S間直線)とが形成する角度をδとすると、δ≒90°となる。したがって、油圧シリンダ6からの付勢力により、チルトテーブル3に働くモーメントTfもほぼ最大となる。
このときの付勢力によりチルトテーブル3に働くモーメントTfを、アンバランスモーメントTmに近似するように、固定ピン26および付勢ピン372の位置、あるいは油圧シリンダ6による付勢力を設定すれば、付勢力によるモーメントTfによって、アンバランスモーメントTmをほぼ相殺することができる。また、アンバランスモーメントTmが付勢力によるモーメントTfをわずかに上回る分により、チルトテーブル3のガタを解消することができる。尚、上述した角度δは、発明者による試行結果により、85°≦δ≦95°とすることが望ましいことが分かっている。
図6に示すように、チルトテーブル3に発生するアンバランスモーメントTmはサインカーブを描き、油圧シリンダ6による付勢力によるモーメントTfは、略サインカーブを描く。しかしながら、付勢ピン372の位置は重心Gに比べてθ0だけずれているため、付勢力によるモーメントTfはアンバランスモーメントTmに対し、θ0だけ位相が遅れている。
尚、図6において、アンバランスモーメントTmについては、図3乃至図5における反時計回りの方向を正の値として示し、付勢力によるモーメントTfについては、図3乃至図5における時計回りの方向を正の値として示している。
したがって、アンバランスモーメントTmと付勢力によるモーメントTfとの総和は、チルトテーブル3に対して、常時、図3乃至図5における反時計回りに働く。これにより、常に、チルトテーブル3のガタを解消することができる。
本実施形態によれば、下部がベース21に枢支されるとともに、上部がチルトテーブル3に枢支され、基台2に対してチルトテーブル3を上方へ押圧する油圧シリンダ6を有していることにより、チルトテーブル3の傾斜角度にかかわらず、常に付勢力によるモーメントをアンバランスモーメントに対して所定の関係にして、アンバランスモーメントを相殺することができる。
したがって、油圧シリンダ6は制御装置、各種センサ等を必要としないため工作機械全体を小型化、低コスト化することができ、保守点検も簡素化される。
また、チルトテーブル3がバランス状態から所定量だけ傾斜した時点において、油圧シリンダ6のベース21への取付点である固定ピン26、油圧シリンダ6のチルトテーブル3への取付点である付勢ピン372、およびチルトテーブル3の回動中心が一直線上に並んでいる。したがって、チルトテーブル3の傾斜前であるバランス状態においては、双方の直線は一直線上にはなく、チルトテーブル3のガタを解消する程度の付勢力をチルトテーブル3に対して与えることができる。
また、チルトテーブル3が最大量だけ傾斜した時点において、固定ピン26および付勢ピン372を結ぶ直線と、チルトテーブル3の回動中心および付勢ピン372を結ぶ直線とが形成する角度が、ほぼ直角となっている。
したがって、チルトテーブル3のアンバランスモーメントが最大量となった場合に、油圧シリンダ6からの付勢力によるモーメントもほぼ最大にすることができ、油圧シリンダ6からの付勢力を然程大きくすることなしに、アンバランスモーメントを相殺することができる。
また、油圧シリンダ6は、上下方向に移動可能なピストン64を内蔵したシリンダ部61を有することにより、シリンダ部61内に一定の圧力を供給することで、チルトテーブル3の傾斜角度にかかわらず、アンバランスモーメントを相殺することができる。したがって、油圧シリンダ6は制御装置、各種センサ等を必要としない。
<他の実施形態>
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、次のように変形または拡張することができる。
本発明はワークWを取り付けるチルトテーブル3に適用するのみではなく、工具を取り付けた主軸を傾斜させるチルト機構に適用してもよい。
付勢装置として、油圧シリンダ6に油圧装置7から一定圧力を供給する代わりに、コイルバネ、皿バネ、ガスバネ等の付勢手段を用いてもよい。この場合、バネ定数の比較的に小さいバネ部材を用いることで、回動レバー37の回転にかかわらず付勢力の変化を小さくすることが望ましい。
上述した実施形態においては、付勢装置をチルトテーブル3の回動軸Cの一端側のみに設けたが、チルトテーブル3の両端部に形成してもよい。
図面中、1はチルト機構、2は基台(固定体)、3はチルトテーブル(チルト体)、5は電動モーター(駆動装置、駆動手段)、6は油圧シリンダ(付勢装置、付勢手段、弾発部材、圧力シリンダ)、7は油圧装置(付勢装置、付勢手段)、26は固定ピン(弾発部材の固定体への取付点)、64はピストン、372は付勢ピン(弾発部材のチルト体への取付点)、Wはワークを示している。

Claims (4)

  1. 固定体と、
    ワークまたは工具が設けられ、前記固定体に対し回動軸を中心に傾斜可能に取り付けられたチルト体と、
    前記チルト体を前記固定体に対し所定角度に傾斜させる駆動装置と、
    傾斜した前記チルト体において発生するアンバランスモーメントに抗し、前記チルト体を付勢する付勢装置と、
    を備えた工作機械のチルト機構において、
    前記付勢装置は、
    一側が前記固定体に枢支されるとともに、他側が前記チルト体に枢支され、前記固定体に対して前記チルト体を押圧する弾発部材を有し、
    前記チルト体がバランス状態から所定量だけ傾斜した時点において、
    前記弾発部材の前記固定体への取付点、前記弾発部材の前記チルト体への取付点および前記チルト体の回動中心が一直線上に並ぶことを特徴とする工作機械のチルト機構。
  2. 前記アンバランスモーメントが最大となる状態において、
    前記弾発部材の前記固定体への取付点および前記弾発部材の前記チルト体への取付点を結ぶ直線と、前記チルト体の回動中心および前記弾発部材の前記チルト体への取付点を結ぶ直線とが形成する角度が、直角を中心として所定角度範囲内にあることを特徴とする請求項1記載の工作機械のチルト機構。
  3. 前記弾発部材は、
    直進移動可能なピストンを内蔵した圧力シリンダであり、
    前記圧力シリンダは前記固定体に回動可能に取り付けられ、
    前記ピストンは前記チルト体に回動可能に連結され、
    前記圧力シリンダ内に所定圧を導入して、前記ピストンを前記圧力シリンダに対して移動させ前記チルト体を押圧することを特徴とする請求項1または2に記載の工作機械のチルト機構。
  4. 固定体と、
    ワークまたは工具が設けられ、前記固定体に対し回動軸を中心に傾斜可能に取り付けられたチルト体と、
    前記チルト体を前記固定体に対し所定角度に傾斜させる駆動手段と、
    前記チルト体を付勢する付勢手段と、
    を備え、
    前記付勢手段は、
    前記チルト体を付勢することにより、傾斜した前記チルト体において発生するアンバランスモーメントを相殺するチルト機構のバランス制御方法において、
    前記付勢手段は、
    一側が前記固定体に取り付けられるとともに、他側が前記チルト体に枢支され、前記固定体に対して前記チルト体を押圧する弾発部材を有し、
    前記チルト体がバランス状態から所定量だけ傾斜した時点において、
    前記弾発部材の前記固定体への取付点、前記弾発部材の前記チルト体への取付点および前記チルト体の回動中心が一直線上に並ぶことを特徴とするチルト機構のバランス制御方法。
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