JP2010167356A - スクリーンセパレータおよびそれを用いたビーズミル - Google Patents

スクリーンセパレータおよびそれを用いたビーズミル Download PDF

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剛 石川
Akihiro Koshikawa
昭宏 越川
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Abstract

【課題】
大きな開孔率と低コストを兼ね備えたスクリーンセパレータ、およびそれを用いたビーズミルを提供することを目的とする。
【解決手段】
本発明によるスクリーンセパレータは、粉砕メディアとしてビーズを用いるビーズミルに使用され、処理済みの原料スラリからビーズを分離するためのスクリーンセパレータのスクリーンを連続気孔構造の発泡金属板で形成したことを特徴とするものである。
【選択図】 図3

Description

本発明は、ビーズミル用スクリーンセパレータおよびそれを用いたビーズミルに関する。
ビーズミルは、ナノ粒子の分散に最適であるが、分散媒体であるビーズとして、その粒径が0.1mm以下のものを使用するため、ウエッジワイヤ式のスクリーンでは、加工精度と開口率が極端に小さくなり、スクリーンの役割を果たせない。
このため、ノンスクリーンタイプの遠心式セパレータが提案され、また実際に使用されているが、ビーズミル起動時のビーズの流出が問題になっている(運転中も多少の流出がある)。
そこで、特開2006−334513号公報おいては、ビーズの流出が無というスクリーンの利点を活かしつつ開口率を上げるため、スクリーンとしてノッチワイヤ式のスクリーンを用いたスクリーンセパレータが提案された。このノッチワイヤ式のスクリーンを用いれば、ウエッジワイヤ式のスクリーンを用いたものよりある程度開口率を上げることが出来るが、それでもスリット幅75μmで高々10%程度である。
また、ノッチワイヤ式のスクリーンの場合も、ウエッジワイヤ式のスクリーンの場合と同様、極めて高い加工精度が必要であり、コストが大きく掛かるという問題がある。
そこで、本発明は、大きな開孔率と低コストを兼ね備えたスクリーンセパレータ、およびそれを用いたビーズミルを提供することを目的とする。
(1)粉砕メディアとしてビーズを用いるビーズミルに使用され、処理済みの原料スラリからビーズを分離するためのスクリーンセパレータのスクリーンを連続気孔構造の発泡金属板で形成したことを特徴とするスクリーンセパレータ。
(2)前記発泡金属板が、周囲壁に複数の開口が形成された筒状体で形成された台座の周囲に巻き付け、固定されている上記(1)に記載のスクリーンセパレータ。
(3)前記発泡金属板の台座への固定は、抵抗溶接、ヤグレーザー溶接、またはロウ付けによる上記(2)に記載のスクリーンセパレータ。
(4)前記発泡金属板を形成する材料が、金属Ni、金属Ti、ステンレススチール、Ti合金,Ni合金およびCo合金の群から選ばれたものである上記(1)〜(3)のいずれかに記載のスクリーンセパレータ。
(5)前記発泡金属板にニッケル化学メッキを施した上記(1)〜(4)のいずれかに記載のスクリーンセパレータ。
(6)前記ステンレススチール製発泡金属板に窒化処理を施した上記(4)に記載のスクリーンセパレータ。
(7)前記発泡金属板の空隙率が、呼び孔径50μmで、87%以上である上記(1)〜(6)のいずれかに記載のスクリーンセパレータ。
(8)前記発泡金属板の孔の呼び孔径が0.08mm以下である上記(1)〜(7)のいずれかに記載のスクリーンセパレータ。
(9)前記発泡金属板の厚さが0.2〜1.2mmである上記(1)〜(8)のいずれかに記載のスクリーンセパレータ。
(10)上記(1)〜(9)のいずれかに記載のスクリーンセパレータを用いたビーズミル。
(11)用いるビーズの直径が0.2mm以下である上記(10)のビーズミル。
本発明のスクリーンセパレータは、上記したようにスクリーンとして発泡金属板を用いているので、簡単な構造で、0.2mm以下の直径のビーズを精度良く分離でき、しかもウエッジワイヤ式のスクリーンやノッチワイヤ式のスクリーンに比べて極めて安価である。さらには、空隙率が呼び孔径50μmで、87%を超えることから開孔率も大きく、スムーズに原料スラリーの回収を行うことが出来る。
本発明の一実施形態によるスクリーンセパレータを組み込んだビーズミルの縦断面図である。 図1のスクリーンセパレータに用いられる台座を示す斜視図である。 図2の台座にスクリーンである発泡金属板を巻き付け、固定した状態を示す斜視図である。 ビーズミルの変形例を示す縦断面図である。
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の実施形態によるスクリーンセパレータを組み込んだビーズミルについて説明する。
図1、本発明の第一の実施形態のビーズミルを示す縦断面図である。図に示すように、ビーズミル1は、円筒状の容器2を備えており、該容器2の両端には蓋部材3及び底部材4が液蜜に取り付けられている。容器2の内部には、軸方向に延びるように回転自在な撹拌部材6が配置され、該撹拌部材6と容器2の内面との間に空間すなわち粉砕室5が形成されている。この粉砕室5にはガラスビーズやセラミックビーズのような粉砕媒体が充填される。粉砕媒体は、ナノメートルサイズの粉砕のために20〜200μmの直径である。
撹拌部材6には、軸方向及び周方向に間隔をもって放射状に外向きに突出するように複数の棒状の撹拌手段7が固定されている。撹拌手段7は、棒状の代わりに円盤状としてもよく、円盤状の場合には、撹拌手段7は、複数個が軸方向に間隔をもって撹拌部材6に固定される。
容器2の蓋部材3に隣接する軸方向一端部付近には、スラリ−入口管11が固定されてスラリ−入口を構成する。撹拌部材6は、蓋部材3を貫通して容器2の外部に延びる軸部分を有し、この軸部分が支持部材8により容器2に対し回転自在であるが軸方向には移動しないように支持されている。撹拌部材6を回転駆動するための駆動装置は、図示しない電動モータその他適当な原動機である。撹拌部材6の上述した軸部分にはプーリー10が取り付けられ、該プーリー10が、伝動ベルト9により原動機の出力軸に設けたプーリー(図示せず)に連結されている。この連結により、撹拌部材6が電動モータ等の原動機により回転駆動される。
撹拌部材6は、容器2のスラリ−入口管11から遠い側の端部が符号15で示すように開口したコップ型の中空形状であり、撹拌部材6は、その中空部12に対応する壁部分にスリット16が形成されている。撹拌部材6の端部における上述の開口15は粉砕媒体循環用入口を構成し、スリット16は粉砕媒体循環用戻り通路17を構成する。
撹拌部材6の中空部12には、撹拌部材6を貫通して該中空部12内に延びるスラリ−出口管18が配置される。スラリ−出口管18の端部は撹拌部材6の中空部12内に位置してスラリ−出口13を構成する。スラリ−出口管18は、スラリ−出口13に連通し、撹拌部材6を軸方向に通るスラリ−出口通路を構成する。
撹拌部材6の中空部12には、スクリーンセパレータ14がスラリ−出口13を囲むように配置される。このスクリーンセパレータ14は、撹拌部材6に固定され、該撹拌部材6とともに回転する。
作動に際しては、撹拌部材6を連続的に回転駆動しながら、粉砕すべき固形物を含むスラリ−、例えば炭酸カルシウムスラリ−がスラリ−ポンプ(図示せず)により所定の流量でスラリ−入口管11から連続的に導入される。媒体攪拌型粉砕装置の作動は周知であるので、詳細な説明は省略する。
粉砕室5のスラリ−入口管11から遠い側の端部近傍においては、スラリ−と粉砕媒体は、矢印20で示すように、撹拌部材6の端部の開口15により形成される粉砕媒体循環用入口から撹拌部材6の中空部12内に入り、スラリ−は、スクリーンセパレータ14を通り、スラリ−出口13からスラリ−出口管18内を通って取り出される。粉砕媒体は、スクリーンセパレータ14の回転に伴う遠心力の作用により半径方向外向きに付勢されるため、スクリーンセパレータ14から離れてスリット16により形成される粉砕媒体循環用出口17を通って粉砕室5に戻される。したがって、粉砕媒体が微小直径の場合に、粉砕媒体がスクリーンセパレータ14を目詰まりさせる恐れはなくなる。その結果、スクリーンの異常磨耗が防止され、異常発熱の問題も生じない。
次に、図2および3を参照して、本発明の実施の形態によるスクリーンセパレータ14の構造について説明する。
スクリーンセパレータ14は、図2に示したような、周囲壁に複数の開口30aが形成された筒状体で形成された台座30を備えている。この台座30は、ビーズミルに取り付けられるとき、その2つの開放端は、適当な部材により、液密に閉じられる。そして、この台座30の周囲には、図3に示されているように、スクリーン32が巻き付け、固定されている。このスクリーン32は、連続気孔構造の発泡金属板で形成されている。この発泡金属板は、厚さが0.2〜1.2mm(薄いものを用いる場合には、重ねたトータルの厚さ)、好ましくは0.4〜1.1mmで、スラリー発泡法、インベストメント法、中空金属焼結法、燃焼合成発泡法等で作成することが出来る。
前記発泡金属板の台座への固定は、抵抗溶接、ヤグレーザー溶接、またはロウ付けによることが好ましい。
前記発泡金属板を形成する材料は、金属Ni、金属Ti、ステンレススチール、Ti合金,Ni合金およびCo合金の群から選ばれたものであることが好ましいが、他の金属、合金、金属間化合物も原料の種類に応じて用いることが出来る。
前記発泡金属板には、ニッケル化学メッキを施したり、窒化処理を施すことが好ましい。ニッケル化学メッキは、スクリーンの表面平滑化や耐摩耗性向上のためであり、窒化処理は、耐摩耗性向上のためである。
前記発泡金属板の空隙率は、呼び孔径50μmで、87%以上であることが好ましい。従って、原料スラリーに対する通過抵抗が小さく、スクリーン材料として最適である。前記発泡金属板の孔の呼び孔径が0.08mm以下であることが好ましい。発泡金属板の孔の呼び孔径が上記の値を超えると、上記のような小さい径のビーズを用いることが出来なくなる。
図4は、本発明の他の実施形態のビーズミルを示す縦断面図である。この実施形態においては、図1の実施形態に対応する部分は図1と同一の符号付して示し、説明は、図1の実施形態との相違点についてのみ行う。
この実施形態においては、スラリ−出口管18は、撹拌部材6から分離して形成される。
スラリ−出口管18の一端部は撹拌部材6の中空部12内に位置してスラリ−出口13を構成する。スラリ−出口13を囲むスクリーンセパレータ14は、底部材4を軸方向に貫通して容器2の外側に延びる回転軸を有し、この回転軸は、支持部材21により底部材4に対し回転自在であるが軸方向には移動しないように支持される。スクリーンセパレータ14の回転軸の外側端部にはプーリー23が固定され、この回転軸は、該プーリー23に巻かれた伝動ベルト22を介して図示しない電動モータのような駆動装置により回転駆動される。この実施形態の作動は、図1の実施形態の作動と同一であるので、詳細については説明を省略する。なお、スクリーンセパレータ14は、固定式のものであってもよい。
本発明の実施形態においては、ビーズである粉砕媒体の直径は、前述の通り20から200μmであり、撹拌部材6は、その周速が3〜8m/secとなるように回転駆動される。ここで、撹拌部材6の周速とは、該撹拌部材6に撹拌手段7が設けられる場合には、該撹拌手段7の先端の回転方向速度である。
1 ビーズミル
2 容器
3 蓋部材
4 底部材
5 粉砕室
6 撹拌部材
7 撹拌手段
12
中空部
13
スラリ−出口
14
スクリーンセパレータ
15
媒体循環用入口
16
スリット
17
媒体循環用出口
18
スラリ−出口管
30 台座
30a開口
32 スクリーン

Claims (11)

  1. 粉砕メディアとしてビーズを用いるビーズミルに使用され、処理済みの原料スラリからビーズを分離するためのスクリーンセパレータのスクリーンを連続気泡構造の発泡金属板で形成したことを特徴とするスクリーンセパレータ。
  2. 前記発泡金属板が、周囲壁に複数の開口が形成された筒状体で形成された台座の周囲に巻き付け、固定されている請求項1に記載のスクリーンセパレータ。
  3. 前記発泡金属板の台座への固定は、抵抗溶接、ヤグレーザー溶接、またはロウ付けによる請求項2に記載のスクリーンセパレータ。
  4. 前記発泡金属板を形成する材料が、金属Ni、金属Ti、ステンレススチール、Ti合金,Ni合金およびCo合金の群から選ばれたものである請求項1〜3のいずれかに記載のスクリーンセパレータ。
  5. 前記発泡金属板にニッケル化学メッキを施した請求項1〜4のいずれかに記載のスクリーンセパレータ。
  6. 前記ステンレススチール製発泡金属板に窒化処理を施した請求項4に記載のスクリーンセパレータ。
  7. 前記発泡金属板の空隙率が、呼び孔径50μmで、87%以上である請求項1〜6のいずれかに記載のスクリーンセパレータ。
  8. 前記発泡金属板の孔の呼び孔径が0.08mm以下である請求項1〜7のいずれかに記載のスクリーンセパレータ。
  9. 前記発泡金属板の厚さが0.2〜1.2mmである請求項1〜8のいずれかに記載のスクリーンセパレータ。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載のスクリーンセパレータを用いたビーズミル。
  11. 用いるビーズの直径が0.2mm以下である請求項10のビーズミル。
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