JP2010167185A - 連発式クリップ処置具およびクリップパッケージ - Google Patents

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Abstract

【課題】複数のクリップを容易に装填できる連発式クリップ処置具およびクリップパッケージを提供する。
【解決手段】連発式クリップ処置具10は、シースの先端部に取り外し自在に設けられるものであって、筒状の基部に先端側に向かって縮径され、その先端に開口部を有し、この開口部は基部の直径まで拡径する先端部を備えるクリップケース80と、爪部が形成された腕部が2つ設けられ、腕部が閉じて対象物を挟むクリップ12と、クリップに対して進退可能に嵌入され、腕部側に移動して爪部が閉じるように腕部を締め付けると共に、クリップケースの先端通過後にその内部への後退を阻止する連結リング14と、クリップケース内に複数のクリップおよび複数の連結リングがそれぞれ一体的に連結されて収納されている複数のクリップの最後尾のクリップに接続される操作ワイヤ20と、操作ワイヤを介して複数のクリップを前進または後退させる操作手段とを有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、生体内等において止血や傷口の縫合や閉塞等に用いられる連発式クリップ処置具および複数の内視鏡用クリップの、流通および保管用のクリップパッケージに関し、特に、複数のクリップを容易に装填できる連発式クリップ処置具およびクリップパッケージに関する。
近年、内視鏡用クリップ処置具は、生体内に挿入した内視鏡の先端からクリップを突出させて、出血部や病変組織除去後の処置部をクリップで摘み、止血や傷口の縫合や閉塞を行うために用いられている。内視鏡用クリップ処置具が種々提案されている(特許文献1参照)。
特許文献1には、クリップユニットとクリップ操作装置で構成されているクリップ装置が開示されている。
この特許文献1のクリップ装置のクリップユニットは、クリップ、連結部材としての連結材及びクリップ締付部としての押え管を有している。
この押え管は、外径が、コイルパイプの小径部の内径よりも大きく、大径部の内径よりも小さい略パイプ状の形状をしており、基端側には、コイルパイプの小径部の内径よりも小さい嵌合部が設けられている。
また、クリップ操作装置には可撓性を有するシース部と、このシース部内に進退自在に挿入された操作部材としての操作ワイヤとが設けられている。
操作ワイヤの手元側延出端部にはスライダーが接続されている。スライダーは操作部本体に進退自在に設置されており、操作ワイヤをシース部に対し進退操作することができる。この操作ワイヤの先端にはフック部が接続されている。
シース部には、コイルパイプが設けられている。このコイルパイプは、略筒状であり、先端側に内径の小さい小径部、基端側に大径部が設けられ、さらに小径部と大径部との間には傾斜部が設けられている。
特許文献1のクリップ装置において、クリップユニットをクリップ操作装置に取り付けるには、スライダーを先端側に押し出し、フック部をコイルパイプから突き出し、クリップユニットの連結材をフック部に押し込んで、把持固定する。その後、コイルパイプの腕部を弾性的に外周方向に変形させ、コイルパイプの小径部を押え管の外径よりも大きい径まで拡開させながら、スライダーを基端側に引き、フック部とクリップユニットをシース部内に引込む。
この状態で、スライダーを先端側に押し出す操作により、クリップユニットをシース部から突き出すことができる。
その後、スライダーを再び基端側に引込むと、コイルパイプの小径部と押え管の嵌合部が嵌合し、嵌合部の先端側端部の段差とコイルパイプの先端側端面が当接し、押え管とコイルパイプが位置固定される。
その後、目的の生体組織を挟むようにクリップを誘導して、さらにスライダーを基端側に引くことにより、操作ワイヤを後退させるとクリップの腕部が押え管内に引きこまれ、生体組織がクリップの腕部間に確実に挟み込んだ状態となる。さらにスライダーを基端側に引き、操作ワイヤを後退させると、クリップの連結材の破断部が破断し、クリップは連結材との係合を解かれ、クリップユニットはクリップ操作装置から離脱して生体組織を把持したまま体腔内に留置される。
特許文献1においては、2発目以降のクリップユニットを取り付ける場合には、クリップ操作装置を内視鏡チャンネルから抜去後、まず、スライダーを先端側に押し出すようにして、フック部をコイルシースから突き出す。この時、1発目のクリップユニットの連結部材がフック部に係合したまま残っている。
この状態で、2発目のクリップユニットの連結部材をそのままフック部の先端側から押し込むと、フック部に残されている1発目の連結材が2発目の連結材に押されて脱落し、2発目のクリップユニットが取り付けられる。このように、1発目の連結材の取り外しと、2発目のクリップユニットの取付けを同時にできる。
特開2002−191609号公報
上述の特許文献1の内視鏡用クリップ装置は、クリップユニットを1つ使った後、内視鏡チャネンネルから抜去後、再度、クリップユニットを取り付けなければならない。このように、煩瑣な作業が必要となっている。しかも、クリップユニットを構成する部品は小さいため、これらの部品の取り付け作業は負担が大きい。
本発明の目的は、上記従来技術に基づく問題点を解消し、複数のクリップを容易に装填できる連発式クリップ処置具およびクリップパッケージを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様は、円筒状のシースと、前記シースの先端部に取り外し自在に設けられるものであり、円筒状の基部と、前記基部の先端側に形成され、基端側から先端側へ縮径され、その先端に開口部を有し、前記開口部が少なくとも前記基部の内径まで拡径する先端部を備えるクリップケースと、前記クリップケース内部に設けられ、爪部が形成された腕部が2つ設けられ、前記腕部が閉じて前記爪部で対象物を挟むクリップと、前記クリップに対して進退可能に嵌入され、前記クリップの前記腕部側に移動すると、その爪部が閉じるように前記腕部を締め付けるとともに、最大径部が前記クリップケースの基部の直径と略同じであり、前記クリップケースの先端通過後に前記クリップケース内への後退を阻止する連結リングと、前記シース内を通り、前記クリップケース内で連結された複数のクリップの最後尾のクリップに接続される操作ワイヤと、前記操作ワイヤを介して前記連結された複数のクリップを前進または後退させる操作手段とを有し、前記複数のクリップおよび前記複数の連結リングがそれぞれ一体として、前記クリップケース内に格納されており、前記操作手段により前記操作ワイヤを介して前記クリップを前進させて前記クリップケースの開口部から突出させ、前記クリップを後退させて前記連結リングにより前記クリップの前記腕部を締め付けて前記対象物を挟むことを特徴とする連発式クリップ処置具を提供するものである。
本発明において、前記クリップケースの先端部は、軸方向に弾性変形可能であることが好ましい。
また、本発明において、前記クリップケースの先端部には、前記開口部の端部から前記基端側に向って伸びるスリットが周方向に沿って、所定の間隔をあけて複数形成されていることが好ましい。
さらに、本発明において、前記操作手段は、前記シースの後端部と連結され、その内部に前記シースから延在する前記操作ワイヤが配置される円筒状のハンドル本体と、前記ハンドル本体の外周上に、その軸方向に移動可能に装着され、前記操作ワイヤと係合し、前記操作ワイヤを前記ハンドル本体の軸方向に移動させるスライダと、前記ハンドル本体の外周上に、前記ハンドル本体の周方向に回転自在に装着され、前記ハンドル本体の軸方向における前記スライダの移動量を、その周方向の位置によって、前記操作ワイヤに連結される前記複数のクリップそれぞれのクリップ処置に要する、複数の異なる移動量に規制するスライダ移動量規制部材とを有することが好ましい。
また、本発明において、前記連結リングは、更に前後のクリップの係合部を覆い、前記腕部を押圧して他のクリップを挟持して、前記前後のクリップの連結状態を維持するものであることが好ましい。
また、本発明において、前記クリップは、前記腕部が前記クリップケースの内面で押圧されて他のクリップを挟持することが好ましい。
本発明において、前記クリップの挟持の解除は、前記クリップを挟持する他のクリップの腕部を前記クリップケースから突出させることによりなされることが好ましい。
また、本発明において、前記複数のクリップは、90°ずつ交互に向きが異なることが好ましい。
また、本発明において、前記クリップケースは、前記シースとの接続部近傍に、開口部が形成されていることが好ましい。
本発明の第2の態様は、シースと、前記シース内に挿通された操作ワイヤと、前記操作ワイヤを前進または後退させる操作手段とを有する内視鏡用のクリップ処置具に用いられるクリップケースであって、前記円筒状の基部と、前記基部の先端側に形成され、基端側から先端側へ縮径され、その先端に開口部を有し、前記開口部が少なくとも前記基部の内径まで拡径する先端部を備えるクリップケースと、爪部が形成された腕部が2つ設けられ、前記腕部が閉じて前記爪部で対象物を挟むクリップと、前記クリップに対して進退可能に嵌入され、前記クリップの前記腕部側に移動すると、その爪部が閉じるように前記腕部を締め付けるとともに、最大径部が前記クリップケースの基部の直径と略同じであり、前記クリップケースの先端通過後に前記クリップケース内への後退を阻止する連結リングとを備えるクリップ体と、前記クリップが他のクリップ体の前記クリップを挟持して連結され、複数連結されたクリップ体のうち、最後尾のクリップ体の前記クリップを挟持するダミークリップと、前記クリップケースの前記先端部を覆うように取りけられた取り外し可能な上キャップと、前記クリップケースの後端に取り付けられた取り外し可能な下キャップとを有し、前記クリップケースには、前記複数の連結されたクリップ体およびダミークリップが収納され、前記シースと取り外し可能に接続できる接続部が設けられており、前記ダミークリップは、前記操作ワイヤに設けられた接続部材が接続される連結部材を備えることを特徴とするクリップパッケージを提供するものである。
本発明においては、前記クリップケースの先端部は、軸方向に弾性変形可能であることが好ましい。
また、本発明においては、前記クリップケースの先端部には、前記開口部の端部から前記基端側に向って伸びるスリットが周方向に沿って、所定の間隔をあけて複数形成されていることが好ましい。
また、本発明においては、前記連結リングは、更に前後のクリップの係合部を覆い、前記腕部を押圧して他のクリップを挟持して、前記前後のクリップの連結状態を維持するものであることが好ましい。
また、本発明においては、前記クリップは、前記腕部が前記クリップケースの内面で押圧されて他のクリップを挟持することが好ましい。
さらに、本発明においては、前記複数のクリップは、90°ずつ交互に向きが異なることが好ましい。
本発明の連発式クリップ処置具によれば、複数のクリップおよび複数の連結リングがそれぞれ一体として収納されるクリップケースを、シースに対して取り外し自在とすることにより、クリップケース内に複数のクリップおよび複数の連結リングがそれぞれ一体として収納しておけば、複数のクリップを1つずつ取り付ける作業が省け、容易に複数のクリップを取り付けることができる。
また、クリップケースを取り外し自在とすることにより、例えば、クリップの数が多い場合には、複数のクリップおよび複数の連結リングがそれぞれ一体として収納されるクリップケースを交換すればよく、常に新品のものが用いられるので、従来のように、シースを引き出して、再度、1つずつクリップを取り付けることがなくなるため、患者にとって、安全かつ衛生的である。
さらには、例えば、クリップの数が多い場合に、従来では、複数のクリップが装填されたシースを用意しておけば、常に新品のものを用いることができるものの、この場合、複数のシースが必要であり、コストがかなり嵩む。しかしながら、本発明では、クリップケースを複数用意するだけであるため、コストの増加を抑制することができる。
また、クリップケースの取り付けの際に、操作ワイヤとクリップケース内の最後尾のクリップを取り付け、クリップケースとシースとを接続すれば、複数のクリップを取り付けることができるため、クリップの取り付けには、複数のクリップをシース内に引き込むことがない。このため、クリップを容易に取り付けることができる。加えて、この引き込みがないため、操作手段の構成も簡素化することができる。
さらには、クリップケース内に複数のクリップおよび複数の連結リングがそれぞれ一体として収納する構成とすることにより、クリップの長さが異なる種類のクリップを用いた場合、長いものと短いものとに、クリップケースを合わせることができる。これに対して、従来では、最も長いクリップに合わせてシースを形成する必要があり、このシースに短いクリップを装填した場合、最も長いものよりもシースの先端部に対して隙間が多くなる。このため、適正なクリップ処置を行うためには、クリップ位置の補正が必要である。このように、本発明においては、各クリップ長さに応じてクリップケースを合わせることができるため、クリップ位置の補正が不要である。
また、本発明のクリップパッケージによれば、複数のクリップを収納、保存、搬送に用いられるものと、内視鏡用のクリップ処置具によるクリップ処置に用いられるものとを兼用できる。
さらには、例えば、クリップの数が多い場合には、複数のクリップおよび複数の連結リングがそれぞれ一体として収納されるクリップケースを交換すればよく、常に新品のものを用いることができるため、従来のように、シースを引き出して、再度、1つずつクリップを取り付けることがなくなるため、患者にとって、安全かつ衛生的である。
(A)は、本発明の連発式クリップ処置具の第1の実施形態を示す模式的斜視図であり、(B)は、図1(A)の要部拡大図である。 (A)は、本発明の第1の実施形態の連発式クリップ処置具の先端部の構成を示す模式的断面図であり、(B)は、本発明の第1の実施形態の連発式クリップ処置具の先端部の構成を図2(A)に対して90°回転させて示す模式的断面図である。 本発明の第1の実施形態の連発式クリップ処置具に用いられるクリップを示す模式的斜視図である。 (A)は、本発明の第1の実施形態の連発式クリップ処置具のクリップと共に用いられる連結リングを示す模式図であり、(B)は、その断面図であり、(C)は、その底面図である。 (A)は、本発明の第1の実施形態の連発式クリップ処置具に用いられるクリップケースの外観を示す模式的斜視図であり、(B)は、本発明の第1の実施形態の連発式クリップ処置具におけるシースとクリップケースとの接続形態を示す模式的断面図である。 本発明の第1の実施形態の連発式クリップ処置具の操作ハンドルのハンドル部を示す模式的断面図である。 図6に示すハンドル部からスライダガイドを取り外した状態を示す模式的斜視図である。 (A)は、本発明の第1の実施形態の連発式クリップ処置具の操作ハンドルのスライダガイドを示す模式的斜視図であり、(B)は、操作ハンドルのガイド部を展開して示す模式図である。 本発明の第1の実施形態の連発式クリップ処置具の操作ハンドルのハンドル部の回転位置規制部材を示す模式的斜視図である。 本発明の第1の実施形態の連発式クリップ処置具のスライダガイドを展開して示す模式図である。 (A)〜(E)は、本発明の第1の実施形態の連発式クリップ処置具のクリッピング操作を段階的な状態を示す模式的断面図である。 本発明の第1の実施形態の連発式クリップ処置具に用いられるクリップパッケージを示す模式的分解斜視図である。 (A)は、本発明の第2の実施形態の連発式クリップ処置具に用いられるクリップを示す模式的斜視図であり、(B)は、図13(A)に示すクリップが閉じた状態を示す要部拡大図である。 (A)は、本発明の第2の実施形態の連発式クリップ処置具のクリップと共に用いられる連結リングを示す模式図であり、(B)は、その断面図である。 (A)は、本発明の第2の実施形態の連発式クリップ処置具の先端部の構成を示す模式的断面図であり、(B)は、図15(A)に対して90°回転させて、本発明の第2の実施形態の連発式クリップ処置具の先端部の構成を示す模式的断面図である。 本発明の第2の実施形態の連発式クリップ処置具のスライダガイドを展開して示す模式図である。 (A)〜(E)は、本発明の第2の実施形態の連発式クリップ処置具のクリッピング操作を段階的な状態を示す模式的断面図である。 本発明の第2の実施形態の連発式クリップ処置具に用いられるクリップパッケージを示す模式的分解斜視図である。
以下、本発明の連発式クリップ処置具およびクリップパッケージについて、添付の図面に示される好適実施形態を基に詳細に説明する。
図1(A)は、本発明の連発式クリップ処置具の第1の実施形態を示す模式的斜視図であり、(B)は、図1(A)の要部拡大図である。
図2(A)は、本発明の第1の実施形態の連発式クリップ処置具の先端部の構成を示す模式的断面図であり、(B)は、本発明の第1の実施形態の連発式クリップ処置具の先端部の構成を図2(A)に対して90°回転させて示す模式的断面図である。
図1(A)に示すように、本実施形態のクリップ処置具10は、クリップ処置具用操作ハンドル48(以下、操作ハンドル48という)のシース16の先端部16aに、後述するように、例えば、ねじを用いて取り外し自在に設けられたクリップケース80内に複数のクリップ12を連結してなるクリップ列A(図2(A)、(B)等参照)を収容して構成される。
なお、先端部とは、内視鏡を用いてクリップ処置具10による処置を行なう際に、生体内に挿入される先端側の端部である。以下、この先端部の方を先端側、先端部と逆側(操作ハンドル48側)を基端側と言う。
本実施形態のクリップ処置具10は、シース16およびクリップケース80が内視鏡の鉗子チャネルに挿入され、体腔内にクリップケース80から挿入される。シース16は、例えば、長さ1600mm〜2300mm、直径2.8mm〜2.1mmのものが用いられる。シース16の先端部16aのクリップケース80は、クリップ処置が行いやすいように、直径20mm〜30mmの円弧を描くように自在に曲げることが可能に構成されている。
本実施形態において、図1(A)に示すように、操作ハンドル48は、ハンドル部(操作手段)50、シース16、および操作ワイヤ20(図2等参照)などを有して構成される。
シース16は、内視鏡用のクリップ処置具で用いられている、通常の長尺なチューブ状のシースであり、例えば、金属ワイヤを密着巻きした可撓性のコイルシースである。このシース16の先端部16aにクリップケース80が取り付けられる。
操作ワイヤ20は、例えば、金属ワイヤであり、ハンドル部50からシース16内を挿通されて、クリップケース80内に連結状態で収容されたクリップ12の最基端側のダミークリップ18の連結部材19に接続される。この操作ワイヤ20の先端部には、ダミークリップ18の連結部材19に係合されて接続される、接続部材21が設けられている。
後に詳述するが、操作ワイヤ20は、シース16内を挿通されて、後述するハンドル操作部48に挿通され、クリッピングの準備およびクリッピングの操作を行なうスライダ54に連結されている。
図2(A)、(B)に示すように、本実施形態のクリップ処置具10は、例えば、3つのクリップ12(12A、12Bおよび12C)が連結されてクリップ列Aとして、クリップケース80内に収容されている。本実施形態のクリップ処置具10は、シース16を患者の体内から引き抜くことなく、3回のクリッピングを連続で行なうことが可能な3連発のクリップ処置具10である。
なお、本発明においては、クリップ処置具は、3つのクリップ12が装填されるものに限定はされるものではなく、1個のクリップを装填可能であってもよく、あるいは2個以上のクリップを装填可能であってもよい。
各クリップ12は、連結リング14により連結されている。また、最も基端側のクリップ12Cには、操作ワイヤ20に係合されるダミークリップ18が連結される。
以下、先端側を「前」、先端側の部位に対する基端側を「後」または「次」ともいう。また、あるクリップ12に対して、直ぐ前のクリップを「前のクリップ12」、同じく、直ぐ後ろのクリップ12を「次のクリップ12」または「後のクリップ12」ともいう。
図3は、本発明の第1の実施形態の連発式クリップ処置具に用いられるクリップを示す模式的斜視図である。
クリップ12は、バネ性を有する一枚の長細い板を略180°折り返して閉塞端を作った後、その両片を交差させ、かつ2つの開放端に、端部が対向するように屈曲させて爪部22を形成した形状を有する。すなわち、クリップ12は、クリッピング(クリップ12による生体の把持)を行なう爪部22よりも閉塞端側が環状状となっている、いわゆるクローズクリップである。
図3は、図2(A)、(B)に示すクリップ12の概略構成を示す斜視図である。同図に示すように、クリップ12は、爪部22に対して180度ターンしたターン部(基端部)24を有するクローズクリップである。すなわち、クリップ12は、一枚の長細い板を180度湾曲させて閉塞端を作った後、その両片を交差させ、かつ2つの開放端が互いに向かい合う方向に折り曲げられた爪部22、22が形成されている。この交差部26を境にして、開放端側が腕部28、28であり、閉塞端側がターン部24である。腕部28、28は、ターン部24の開口側の各端に、交差部26に対して互いに交差するようにして、かつその間の距離が徐々に長くなるようにして所定の角度で設けられている。例えば、ターン部24は、一部材が略U字状に成形されてなるものであり、尾部24aは丸くなっている。このターン部24は、例えば、腕部28の閉塞方向Cと直交する方向が開口している。
腕部28、28の中央部分には、部分的に広幅とされた凸部30、30が形成されており、各腕部28は、凸部30によって爪部22側の先部28aと、交差部26側の基部28bとに分けられる。
クリップ12には、生体適合性のある金属を用いることが好ましく、例えば、析出硬化系ステンレス鋼であるSUS630、SUS631を用いることができる。
クリップ12は、その交差部26に嵌められた連結リング14の先端部分に固定された締付部40が、腕部28、28の基部28b、28bを、互いに向き合う方向に押圧しながら爪部22、22の方(凸部30、30の方)へ向かって所定量移動することにより、その腕部28、28および爪部22、22が閉じ、爪部22、22において所定の咬頭嵌合力(把持力)を発揮する。
爪部22、22は、出血部や病変組織除去後の処置部等の対象部を確実に摘むために、互いに係合するV字のオス型とメス型に形成されている。
また、図3に示すように、クリップ12の腕部28は、その先部28aにおいては、爪部22から凸部30まで幅が一定で変わらないのに対し、基部28bにおいては、交差部26から凸部30に掛けて徐々に幅が広くなり、凸部30近傍では一定幅となっており、締付部40の移動を容易かつ確実にして爪部22、22の開放や、閉止および嵌合を容易かつ確実にし、生体内等における止血や傷口の縫合や閉塞等を容易かつ確実にしている。
クリップ12は、腕部28が後述する連結リング14に引き込まれることによって、腕部28間が狭まり、爪部22によって生体組織をクリッピングする。
ここで、凸部30は、後述する連結リング14の穴43の内径より、広い幅となっている。クリップ処置具10においては、これにより、クリップ12により、クリップ12の凸部30以外の部分は、連結リング14の内部に侵入できるが、凸部30は、連結リング14の先端側からも基端側からも、その内部に侵入できない。
連結リング14は、2つのクリップ12、12の係合部を覆って連結状態を維持するとともに、クリッピングを行なう際における腕部28の締付け部材として作用するものであり、クリップ12を収納した状態で、クリップケース80の長手方向に進退可能に挿入されるものである。すなわち、連結リング14は、最大外径がクリップケース80の内径とほぼ等しく、クリップ12の移動に伴ってクリップケース80内をスムーズに進退移動することができるものである。
図4(A)は、本発明の第1の実施形態の連発式クリップ処置具のクリップと共に用いられる連結リングを示す模式図であり、(B)は、その断面図であり、(C)は、その底面図である。
図4(A)に示すように、連結リング14は、円錐台状の締付部40と、締付部40の下面40bに接続された略円筒状の保持部42とからなり、保持部42と締付部40とが一体的に構成されている。
連結リング14は、体内に残置されるものであるため、生体適合材料により形成され、例えば、ステンレス鋼により形成される。
連結リング14において、締付部40は、斜面40aを有し、先端に向けて外径が漸次小さくなっており、後述するようにクリップケース80内から出るときに、その抵抗が低減される。
また、保持部42は、締付部40の下面40bよりも径が小さく、締付部40の下面40bは、保持部42の外面よりも外側に突出している。この下面40bの突出した部分は、後述するようにクリップケース80内に連結リング14が戻らないように機能する。
保持部42は、その径がクリップケース80の開口部85の径と略同じである。
連結リング14には、締付部40と保持部42とを貫通する穴43が形成されている。連結リング14に形成された穴43は、クリップ12のターン部24および腕部28の凸部30よりもターン部24側の部分が挿入可能で、クリップ12の交差部26近傍の幅よりも大きく、凸部30の幅よりも内径が小さい貫通穴である。この穴43に対して、クリップ12の凸部30がストッパーとなって、クリップ12が必要以上に連結リング14の中に引き込まれることが防止される。
保持部42は、前のクリップ12のターン部24を収容するとともに、クリップ12がクリップケース80から突出した際に、クリップ12が外れないようにクリップケース80に留まるものである。
保持部42は、穴43において対向する2箇所に、溝(凹部)43aが形成されている。溝43a、43aは、保持部42に保持されるクリップ12の腕部28、28を、爪部22、22が閉じた状態で収容可能である。
保持部42に保持されるクリップ12の腕部28、28の板面は、溝43a、43aの内壁に当接する。溝43aの幅(開口幅)は、クリップ12の腕部28の最大幅よりわずかに大きく、一方の溝43aの壁面から他方の溝43aの壁面までの距離は、クリップ12の2つの爪部22、22の長さ(拡開方向の長さ)を足し合わせた長さにほぼ等しい。また、溝43aの幅は、腕部28に形成された凸部30の幅よりは小さい。したがって、保持部42に保持されるクリップ12の凸部30は、溝43aに進入できない。
連結リング14においては、保持部42により、クリッピング時におけるクリップ12のシース16との連結状態が保たれ、締付部40により、クリピングを行なった際におけるクリップ12の爪部22(腕部28)による生体のクリッピング状態が維持される。
本実施形態のクリップ処置具10において、クリップ12は、交差部26が締付部40と略同位置となるようにして、連結リング14によって連結される。この状態から、クリップ12が締付部40(連結リング14)の穴43内に引き込まれることより、すなわち、締付部40が相対的に腕部28側に移動することにより、拡開している両方の腕部28を閉塞させて爪部22を閉じて、生体をクリッピングする。また、締付部40は、クリップ12が生体をクリッピングした場合、摩擦力と、生体をクリッピングしている腕部28の反力とによって、クリッピング状態を維持する。
なお、連結リング14において、保持部42には、例えば、周方向に90°(クリップ12の閉塞方向Cから90°)ずれた2箇所に、その基端部から締付部40の上端よりも浅い位置までスリットを形成してもよい。このスリットを設けることにより、連結リング14の柔軟性を向上させることができ、すなわち、クリップ列Aの可撓性を向上できる。そのため、クリップ処置具10は、内視鏡のアングル部が大きく湾曲された場合などでも、クリップ列Aの連結を維持して容易に通過することができる。
図5(A)は、本発明の第1の実施形態の連発式クリップ処置具に用いられるクリップケースの外観を示す模式的斜視図であり、(B)は、本発明の第1の実施形態の連発式クリップ処置具におけるシースとクリップケースとの接続形態を示す模式的断面図である。
図5(A)に示すクリップケース80は、クリップ列Aを保管、運搬、格納するものであり、上述のようにシース16の先端部16aに取り外し可能に設けられる。
このクリップケース80は、径が略一定の基部82の先端に、略円錐台状の先端部84が接続された筒状部材により構成されており、先端部84の先端に開口部85が形成されている。
基部82と先端部84とは、例えば、基部82の接続部分を斜面状に形成し、先端部84の接続部分も斜面状に形成し、互いの斜面を合わせ、この合わせた部分を溶接または溶着することにより、接続されている。
クリップケース80は、可撓性を有する樹脂で構成されており、基部82および先端部84は、クリップケース80の軸方向および直径方向に弾性変形可能である。
基部82は、その外径がシース16の外径よりも太く、基部82の内径は、連結リング14の締付部40の最大外径よりもやや大きい。
先端部84は、先端に向かうにつれて、径が順次細くなっている。
先端部84は、基端側は基部82と同じ内径であり、先端84a側の内径は、基部82の内径および連結リング14の締付部40の外径よりも小さい。
図5(B)に示すように、基部82には、後端部82aに、シース16の先端部16aと接続する接続部83が設けられている。この接続部83は、クリップケース80の外径よりも径が大きく、その内側にめねじ部83aが形成されている。
また、シース16の先端部16aには、この基部82の接続部83のめねじ部83aに螺合されるおねじ17が設けられている。
シース16とクリップケース80とは、その接続部83のめねじ部83aに、シースの先端部16aのおねじ部17が螺合されることにより結合される。このシース16とクリップケース80との結合は、ねじによるものであり、取り外し可能である。
本実施形態においては、クリップケース80をシース16に結合させる前に、クリップケース80の内部に、連結リング14が嵌入されたクリップ12、およびダミークリップ18が挿入される。
また、基部82には、シース16の先端部16aとの接続部83よりも先端84a側に開口部90が形成されている。この開口部90形状は、基端側から先端に向かって、矩形と三角形とを合わせた形状である。
この開口部90を設けることにより、基部82のシース16の先端部16aとの接続部近傍における剛性を低下させて、可撓性を向上させている。
先端部84は、開口部85が、少なくとも基部82の内径まで拡径可能であり、拡径後に拡径前の開口部85の直径に戻るものである。この先端部84には、例えば、その先端84aから、軸方向に伸びるスリット86が形成されている。このスリット86により、先端部84のスリット86間の部材88が径方向に更に弾性変形しやすくなる。これにより、開口部85は容易に拡開できる。
クリップケース80内に格納された連結リング14が開口部85から外部に出るとき、締付部40の斜面40aにより、部材88がそれぞれ外側に広がるように弾性変形し、連結リング14の締付部40が開口部85を通過すると、開口部85が拡径前の元の径に戻る。これにより、締付部40の下面40bが先端84aに対して突出し、この下面40bが引っ掛かりとなって、連結リング14が再びクリップケース80内に戻ることができない。
なお、先端部84の構成は、3本のスリット86を設ける構成に限定されるものではない。例えば、締付部40が外部に出て、保持部42を先端部84で保持できるに必要な強度を有していれば、スリットは、いくつでも形成して良い。
クリップケース80においては、基部82および先端部84は、クリップ12の腕部28が広がろうとする力により変形することがないように構成されている。
また、先端部84は、クリップケース80の一部として同じ樹脂で構成されているが、本発明は、これに限定されず、上述の弾性変形が可能であれば、クリップケース80の基部82を形成する樹脂とは異なる材料で形成されていても良く、例えば、円周上の一部にバネを有するリング、またはゴム等で形成されてもよい。
本実施形態のクリップ処置具10においては、図2(A)、(B)に示すように、第1クリップ12Aに連結リング14Aが嵌められており、第1クリップ12Aのターン部24が連結リング14の保持部42で覆われている。第2のクリップ12Bの腕部28が、この保持部42の溝部43aに挿入されている。この溝部43aにより、第2クリップ12Bの爪部22、22がターン部24の開口を通り閉じた状態に保持されており、これにより、第1クリップ12Aのターン部24が第2クリップ12Bの爪部22、22で挟持される。
ターン部24は、腕部28の閉塞方向Cと直交する方向が開口しているため、第1のクリップ12Aと第2のクリップ12Bとの閉塞方向Cは、直交する、すなわち、90°ずれる。このようにして、第1クリップ12Aと第2クリップ12Bの連結状態が維持される。同様に、第2クリップ12Bと第3クリップ12Cとの連結状態は、連結リング14Bによって、第3クリップ12Cとダミークリップ18との連結状態は、連結リング14Cによって維持される。このとき、クリップ12Bとクリップ12Cとも、閉塞方向Cが90°ずれて連結されている。
最後端(最も基端側)のクリップ12Cのターン部24の尾部24aを挟持するダミークリップ18は、クリッピングには用いられないものである。
ダミークリップ18は、先端部に、クリップ12の交差部26から開放端側半分の部分と類似の形状をしたバネ性を持つ部分(腕部28と同様の部分)を有している。すなわち、ダミークリップ18は、先端に爪部を持つ2つの腕部が交差部で連結された形状をしており、爪部を閉じた状態で最後端のクリップ12Cの尾部24aを挟持し、かつ、爪部を開くとクリップ12Cの挟持を解除する。
また、ダミークリップ18の基端部側には連結部材19が取り付けられている。この連結部材19は、後述する操作ワイヤ20の先端の接続部材(フック)21に着脱可能な形状および構成を有するものである。このダミークリップ18の後端部の連結部材19と操作ワイヤ20の先端の接続部材21とは、操作ワイヤ20の進退移動では外れない構成となっている。
クリップ処置具10において、クリップ列Aとは、例えば、3個のクリップ12A〜12Cおよび1個のダミークリップ18を、連結リング14を介して連結されて構成されるもののことである。また、クリップ12に、連結リング14が取り付けられたものをクリップ体という。
本実施形態においては、クリップケース80内にクリップ列Aが長手方向に前進および後退可能に挿入されている。また、操作ワイヤ20は、シース16内を挿通され、操作ハンドル48の基端側のハンドル部50のスライダ54に接続されており、操作ワイヤ20は、先端の接続部材21を介してダミークリップ18と接合される。
後述するように、クリップ処置具10においては、このスライダ54の操作により、クリップケース80およびシース16内において、操作ワイヤ20を押すかまたは引いて(クリップケース80の長手方向に移動させて)、クリップケース80内に収容されたクリップ列Aを前進または後退させることで、クリッピングの操作が行なわれる。
次に、本実施形態のクリップ処置具10の操作ハンドル48の構成について説明する。
本実施形態において、操作ハンドル48は、上述のように、シース16、操作ワイヤ20、操作ワイヤ20の先端の接続部材21、およびハンドル部50を有する。
図6は、本発明の第1の実施形態の連発式クリップ処置具の操作ハンドルのハンドル部を示す模式的断面図である。
図7は、図6に示すハンドル部からスライダガイドを取り外した状態を示す模式的斜視図である。
図6に示すように、操作ハンドル48のハンドル部50は、ハンドル本体52と、スライダ54と、スライダガイド(スライダ移動量規制部材)56と、回転位置規制部材58と、付勢バネ60と、指掛け部材62とを有する。
図6および図7に示すように、ハンドル本体52は、外径の異なる3つの円筒部を有する段差付きの円筒状の部材で構成されており、基端部側から順に、大径部52a、中径部52bおよび小径部52cが形成されている。
ハンドル本体52には、大径部52a、中径部52bおよび小径部52cを貫通して、同じ径の貫通穴52dが形成されており、大径部52aの基端側の端部には、貫通穴52dに嵌入して、指掛け部材62が固定される。
指掛け部材62は、後述するスライダ54を操作する際に、医師が親指を掛けるためのもので、リング状の部分を有する。
ハンドル本体52の中径部52bには、ハンドル本体52を形成する円筒(=貫通穴52d)の中心軸方向に延在して、長穴な貫通穴である係合溝68が形成されている。この係合溝68は、貫通穴54dと連通している。
また、中径部52bには、後述する略円筒状のスライダガイド56が回転自在に挿通される。
なお、本実施形態においては、ハンドル本体52を形成する円筒の中心軸方向を「軸方向」、この軸方向を中心とする円周方向を「周方向」とも言う。
ハンドル本体52において、最も先端側の小径部52cの先端には、ハンドル本体52の貫通穴52dと連通するように、シース16の後端部が固定される。
操作ワイヤ20は、シース16内を挿通されて、シース16の先端部16(基端部)から突出して、ハンドル本体52の小径部52cおよび中径部52bを挿通され、後述するスライダピン70を介してスライダ54に接続される。
スライダ54は、ハンドル本体52(および後述するスライダガイド56)の一部を覆うように、ハンドル本体52の外周に配置されている。スライダ54は、ハンドル本体52(同前)の軸方向に移動可能な略円筒状の部材である。
本実施形態において、スライダ54は、円筒の基端側端部および軸方向の途中の2個所に、外側に突出する円盤状のフランジ部54aを有する。クリップ処置具10を用いた処置を行なう際、このフランジ部54aの間の凹部55に、医師が指を掛けて、スライダ54を軸方向に動かし易いようになっている。
例えば、医師は、指掛け部材62のリングに親指を入れ、フランジ部54a間の凹部55に人指し指および中指を入れて、人指し指および中指でスライダ54を挟むようにして、スライダ54を軸方向に移動する。
また、スライダ54は、ハンドル本体52の中心軸に向かって突出するように取り付けられたスライダピン70を有する。スライダピン70は、係合溝68を貫通して、ハンドル本体52の貫通穴52dの中心線に至る。このスライダピンの下端部近傍(貫通穴52dの中心線側)には、ハンドル本体52の小径部52cおよび中径部52bに挿通される操作ワイヤ20が固定されている。
前述のように、スライダ54はハンドル本体52の軸方向に移動可能であり、スライダ54を移動させることにより、シース16に挿通される操作ワイヤ20を進退(先端側および基端側に移動)させることができる。すなわち、操作ワイヤ20を先端側および基端側に移動させることができる。
クリップ処置具10においては、このスライダ54による操作ワイヤ20の進退により、クリップケース80内のクリップ列Aを進退させてクリッピングの準備およびクリッピングを行なう。
クリップ処置具10においては、係合溝68の基端側端部と、スライダピン70とが当接する位置が、スライダ54のホームポジション(以下、HPという)となっている。このHPから所定量だけスライダ54を先端側に移動することで、操作ワイヤ20を先端側に送り出して(進行して)、クリッピングの準備状態とし、この準備状態からスライダ54をHP側に戻すことで、操作ワイヤ20を引き戻して(後退して)、クリッピングおよび前のクリップ12と次のクリップ12との連結解除を行なう。
また、クリップケース80をシース16に取り付ける際にも、スライダ54を所定量だけ先端側に移動した状態で、ダミークリップ18と操作ワイヤ20とを連結し、スライダ54をHPに移動することで、シース16にクリップ列Aを装填することができる。この点については、後に詳述する。
図8(A)は、本発明の第1の実施形態の連発式クリップ処置具の操作ハンドルのスライダガイドを示す模式的斜視図であり、(B)は、操作ハンドルのガイド部を展開して示す模式図である。
スライダガイド56は、スライダ54の軸方向への移動量、すなわち、操作ワイヤ20のシース16およびクリップケース80の長手方向の進退量を規制する部材で、図6および図8(A)に示すように、ハンドル本体52を挿通する略円筒状の部材である。
このスライダガイド56は、ハンドル本体52の外周面上に、周方向に回転可能かつ軸方向に移動可能に軸支される。
図8(A)に示すように、スライダガイド56は、接合部56aと、把持部56bと、ガイド部56cとから構成される。
接合部56a、把持部56b、およびガイド部56cは、いずれも略筒状の部位であり、先端側から基端側に向かって、接合部56a、把持部56b、およびガイド部56cの順番で、1本の筒を構成するように一体的に形成される。
接合部56aは、ハンドル本体52の小径部52cの外径と略同一の内径を有する、略円筒状の部位で、凸状の先端部が、後述する、スライダガイド56の回転位置を規制するための回転位置規制部材58に形成される接合部58aに挿入される。
この接合部56aの先端には、周方向(軸を中心とする回転方向)に、等間隔で形成された4つの凸部57aと、凸部57aの間の4つの凹部57bが形成される。4つの凸部57aは、同一形状であり、鋸歯状、すなわち、一方の歯面の傾斜角が緩やかなテーパ形状であり、他方の歯面の傾斜角が略直角の段差をなす断面三角形状の凸部である。
回転位置規制部材58は、ハンドル部50の最も基端側に配置される部材であり、円筒状の領域および略半球状の領域を有し、中心に貫通穴を有する、筒状の部材である。
この回転位置規制部材58は、円筒状の領域を先端側に向けて、貫通穴にハンドル本体の小径部52cに固定される。
図9に示すように、回転位置規制部材58は、その基端側に、凹状の接合部58aを有する。前述のように、この凹状の接合部58aには、スライダガイド56の先端側の凸状の接合部56aが回転可能な状態で挿入される。
接合部58aには、スライダガイド56の先端側の凸状の接合部56aと同様、基端側に突出し、当接面に対する2つの歯面の傾斜角が異なる、同一形状の4つの凸部59aが周方向に等間隔に形成されている。この凸部59aは、鋸歯形状、つまり、一方の歯面の傾斜角が緩やかでテーパ形状であり、他方の歯面の傾斜角が略直角の段差をなす断面三角形状の凸部である。また、隣接する凸部59aと凸部59aとの間は、凹部59bとなり、この凹部59bも4つ形成される。
スライダガイド56の接合部56aの凸部57aと回転位置規制部材58の接合部58aの凹部59bおよびスライダガイド56の接合部56aの凹部57bと回転位置規制部材58の接合部58aの凸部59aとは、互いに噛み合う形状となっている。さらには、スライダガイド56の接合部56aの凸部57aと回転位置規制部材58の接合部58aの凹部59bおよびスライダガイド56の接合部56aの凹部57bと回転位置規制部材58の接合部58aの凸部59aは、4つ等間隔で形成されている。このため、スライダガイド56は、回転位置規制部材58によって、回転方向に90°間隔で位置決めをされる。
把持部56bは、後述するように医師がクリッピングを行なうためにスライダガイド52を回転する際に、把持するための部位である。
ガイド部56cは、前述のハンドル本体52の中径部52bの外径と略同一の内径、ならびに、スライダ54の内径およびハンドル本体52の大径部52aの外径と略同一の外径を有する、略円筒状の部位である。従って、スライダ54は、ハンドル本体52の大径部52aおよびガイド部56cの外周に案内されて、軸方向に移動する。
本実施形態のクリップ処置具10は、上述のように、例えば、3個のクリップ12を装填して、体内からシース16を抜くことなく3回のクリッピングを行なうことができる処置具である。これに対応して、図8(B)に示すように、ガイド部56cには、スライダ54(スライダピン70)を案内するための4本のガイド溝66(66A〜66D)が軸方向に延在して形成されている。これら4本のガイド溝66(66A〜66D)は、共通溝67により連通されている。
ガイド溝66A〜66Cは、全て単純なストレートの溝である。ガイド溝66Dは、ストレートの溝の先端部が斜め延出しているものである。
例えば、ガイド溝66Aはクリップ列の装填時に、ガイド溝66Bは1回目のクリッピングに、ガイド溝66Cは2回目のクリッピングに、ガイド溝66Dは3回目のクリッピングに、それぞれ対応するものである。なお、ガイド溝66Aの溝の長さが一番短く、残りのガイド溝66B〜ガイド溝66Dの溝の長さは、ガイド溝66Aよりも長いものの、それぞれの長さは同じである。
各ガイド溝66A〜66Dは、例えば、ガイド部56cの周方向に等間隔、すなわち、90°間隔で形成されている。
なお、本発明において、クリップケース80に装填(連発)可能なクリップの数は3個に限定されないのは前述のとおりである。従って、スライダガイド56のガイド部56cには、クリップ処置具(操作ハンドル)に装填可能なクリップ12の数をnとするとき、クリップの数nに応じて、この数nにクリップ列装填用の1を加えた「n+1個」のガイド溝66が形成される。
ここで、スライダガイド56のガイド溝66A〜66Dは、回転位置規制部材58の接合部58aおよびスライダガイド56の接合部56aの凹凸が歯合した際に、ハンドル本体52の係合溝68と、周方向の位置が重なるように形成される。すなわち、スライダガイド56の回転は、回転位置規制部材58によって、ガイド溝66とハンドル本体52の係合溝68とが重なる位置で停止するように規制される。
また、両凸部は、一方の歯面の傾斜角がテーパ形状、他方の歯面が略直角であるので、スライダガイド56の回転方向は、一方向に記載される。この凸部の歯面の形状は、スライダガイドの回転方向が、ガイド溝66A、ガイド溝66B、ガイド溝66C、およびガイド溝66Dの順で係合溝68と重なる順番となるように形成されている。
さらに、ハンドル本体52の中径部52bと小径部52cとの段差(この段差で形成される、中径部52bの先端側端面)と、スライダガイド56の接合部56aの基端側端面との間には、付勢バネ60が配置される。
付勢バネ60は、ハンドル本体52の小径部52cの外周に撒きつくように配置される圧縮バネであり、中径部52bの先端側端面と、接合部56aの基端側端面とを離間するように付勢する。すなわち、付勢バネ60は、スライダガイド56を、回転位置規制部材58に押しつけた状態とする。
従って、この付勢バネ60の作用により、スライダガイド56が不用意に回転することが防止される。
また、スライダガイド56を所定方向に回転することにより、回転位置規制部材58の接合部58aおよびスライダガイド56の接合部56aの凹凸によって、回転に応じて、付勢バネ60の付勢力に逆らってスライダガイド56が凹凸のテーパに沿って基端側に移動して、凹凸のテーパから外れた時点(凹凸が略垂直の歯面となった時点)で、付勢バネ60の付勢力によって、再度、スライダガイド56が、先端方向に移動して、回転位置規制部材58に押しつけられる。
前述のように、回転位置規制部材58の接合部58aとスライダガイド56の接合部56aとの凹凸が係合した位置では、係合溝68とガイド溝66とが周方向で一致するように構成される。従って、クリップ処置具10の操作を行なう医師は、スライダガイド56を回転させることで、クリッピングの回数等に応じて、容易かつ正確に係合溝68とガイド溝66とを一致させることができる。
なお、スライダガイド56は、回転位置規制部材58に押しつけられた状態で、ハンドル本体52の中径部52bと大径部52aとの段差(この段差で形成される、大径部52aの先端側端面)と、基端側の端部との間に、回転時における回転位置規制部材58の接合部58aおよびスライダガイド56の接合部56aの凹凸による基端側への移動量等に応じた間隙を有するように、軸方向の長さが設定される。
また、係合溝68と各ガイド溝66との周方向の位置を一致させる、回転方向のスライダガイド56の位置決め手段は、図示例の構成に限定はされず、ラチェット構造を利用する位置規制手段、互いに係合する凹凸を用いる位置規制手段、所定の方向に付勢される球体(いわゆるボールプランジャ)と、この球体に係合する凹部を用いる位置規制手段等、公知の各種の回転方向の位置決め手段が、全て利用可能である。
次に、図10および図11(A)〜(E)を用いて、本実施形態のクリップ処置具10におけるクリッピングの操作について説明する。
図10は、本発明の第1の実施形態の連発式クリップ処置具のスライダガイドを展開して示す模式図である。なお、図10において、スライダピン70の位置は、円により表される。
図11(A)〜(E)は、本発明の第1の実施形態の連発式クリップ処置具のクリッピング操作を段階的な状態を示す模式的断面図である。
まず、必要に応じてスライダガイド56を回転して、ガイド溝66Aとハンドル本体52の係合溝68(図6参照)を一致(周方向の位置を一致)させ、スライダ54を、スライダピン70がガイド溝66Aの後端側の端面に当接するHPまで軸方向に移動させる。すなわち、スライダ54のスライダピン70を、図10に示す位置P1に移動させる。
なお、スライダピン70を、図10に示す位置P1に移動させるなど、図10を用いた説明においては、スライダピン70を省略し、単に「スライダガイドを位置P1に移動」、および「スライダガイドをHPに移動」などと記載する。
次に、スライダ54を、ガイド溝66Aに沿って先端側に移動させて、ガイドピン70をガイド溝66Aの先端側の端部67Aに当接するまで移動させる。すなわち、図10に示す位置P2(セッティング開始位置)に移動させる。これにより、シース16の先端部16aから操作ワイヤ20の接続部材21が所定量突出する。
この状態で、クリップケース80に収納されたクリップ列Aの連結部材19と、操作ワイヤ20の接続部材21とを取り付ける。そして、クリップケース80の基部82の後端部82aに設けられた接続部83のめねじ部83aと、シース16の先端部16aに設けられたおねじ部17とを螺合させて、シース16にクリップケース80を取り付ける。
次に、スライダ54を引き、図10に示す位置P3、すなわち、HPに戻す。この操作により、クリップ12を連結したクリップ列Aが使用可能状態となる。この場合、例えば、図11(A)に示すクリップ12Aの状態となる。
その後、クリップケース80が取り付けられたシース16を生体内に挿入された内視鏡(図示せず)の鉗子口(図示せず)等に挿入して、シース16の先端部16aのクリップケース80を内視鏡の挿入部の先端まで到達させ、内視鏡の先端から突出させる。
また、必要に応じて、内視鏡の挿入部やアングル部の操作等によって、クリップ処置具10のクリップケース80の先端84aを目的とする位置に移動させる。
必要な操作が終了した後、スライダガイド56を90°回転させて、ガイド溝66Bと係合溝68(図6参照)とを一致させる。これにより、スライダ54(スライダピン70)の位置は、図10において位置P4で示す、ガイド溝66Bに対応するHPに移動する。このとき、クリップ列Aの先端は、シース16の先端側に所定の距離、移動する。
次に、スライダ54をガイド溝66Bに沿って先端側に移動させ、スライダピン70をガイド溝66Bの先端側の端部67Bに当接する位置まで移動させる。すなわち、図10に示す最大突出位置(クリップ待機位置)P5に移動させる。
このスライダ54の押し出し、すなわち、操作ワイヤ20の押し出しにより、クリップ列Aが先端側に移動し、締付部40がクリップケース80の先端部84のスリット86により分離された部材88を外側に押し広げて開口部85を拡径しながら、先端84a側に移動する。
そして、図11(B)に示すように、クリップケース80の先端84aから、先頭のクリップ12Aと、連結リング14Aの保持部42までが突出する。これにより、クリップ12Aの腕部28が開放して、爪部22が所定の距離、自動的に離間する。この場合、開口部85は元の径に戻っており、保持部42が開口部85に嵌っている。
ここで、クリップ12および連結リング14には製造誤差による寸法のバラツキ等が存在する。また、内視鏡(その挿入部)に挿通されたクリップ処置具10では、操作ワイヤ20およびシース16の屈曲や湾曲等による内外周差等により、操作ワイヤ20の突出量が減少する場合もある。
このため、クリップ処置具10においては、ガイド溝66Bの先端側の端部67Bは、クリップ12Aがクリップケース80から脱落せず、かつクリップ12等の製造誤差、クリップケース80の状態によらず確実に連結リング14Aの締付部40が、クリップケース80の先端84aから確実に出る、最大突出位置(クリップ待機位置)P5となるように形成してある。
従って、通常であれば、この最大突出位置P5までスライダ54を押し出した状態では、連結リング14Aの締付部40は、クリップケース80の先端84aよりも先に位置しており、図11(B)に示すように、締付部40の下面40bと、クリップケース80の先端84aとは離間している。
この点に関しては、第2のクリップ12B(2回目のクリップ12B)によるクリッピングに対応するガイド溝66C、および第3のクリップ12C(3回目のクリップ12C)によるクリッピングに対応するガイド溝66Dの構成についても同様である。
次いで、例えば、内視鏡の画像を見ながら、スライダ54をHP側に引き戻し、標準突出位置(クリップ開始位置)P6まで、クリップ列Aを引き戻す。すなわち、クリップ列Aをクリップケース80に引き戻す。このとき、開口部85は、元の径に戻っているので、連結リング14Aはクリップケース80内に戻ることができない。このため、図11(C)に示すように、連結リング14Aの締付部40の下面40bがクリップケース80の先端84aに当接した状態となる。これにより、1回目のクリッピング、すなわち、1発目のクリップ12によるクリッピングの準備が完了し、クリッピングの準備状態となる。
スライダ54を標準突出位置P6まで戻して、図11(C)に示すように、クリッピングの準備状態とした後、内視鏡を操作して、拡開したクリップ12Aの爪部22をクリッピングしたい生体bの位置に押し付けて、スライダ54を基端側に移動させて、HP、すなわち、位置P7(クリップ完了位置)まで引き戻す。
このとき、このスライダ54の移動により、先頭のクリップ12Aは連結リング14Aに引き込まれ、締付部40によって開放している腕部28が、閉塞方向Cに閉塞され、図11(D)に示すように爪部22が閉塞して生体bをクリッピングする。また、標準突出位置P6から、クリップ完了位置P7までスライダ54が移動(標準突出位置P6からクリップストロークだけ移動)すると、前述のように、腕部28の凸部30の直下まで連結リング14Aに引き込まれ、クリッピングが完了する。
このとき、クリップ12Aのターン部24の尾部24aが、連結リング14Aの保持部42よりも基端側に達する。これにより、クリップ12Bのバネ力によって腕部28がクリップケース80の内壁(内面)に当たるまで拡開し、爪部22、22の間がクリップ12Aのターン部24の幅よりも広く開いて、クリップ12Aとクリップ12Bとの連結が解除される。
これにより、図11(E)に示すように、第1のクリップ12Aは、連結リング14で腕部28が締め付けられたままの状態で生体bを把持する。以上のように、第1のクリップ12Aによるクリッピングがなされ、第1のクリップ12Aは体内に残置される。
以降、第2のクリップ12Bについては、次に、スライダガイド56を90°回転させて、ガイド溝66Cと係合溝68とを一致させる。これにより、スライダ54(スライダピン70)の位置は、図10において位置P8で示す、ガイド溝66Cに対応するHPに移動する。このとき、クリップ列の先端の第2のクリップ12Bは、クリップケース80の先端84a側に所定の距離、移動した状態となる。
そして、スライダ54をガイド溝66Cに沿って移動させ、スライダピン70をガイド溝66Cの先端側の端部67Cに当接する位置まで移動させる。すなわち、図10に示す最大突出位置P9に移動させる。このとき、位置P9に移動させると、図11(B)に示す第1のクリップ12Aと同様に、第2のクリップ12Bも、連結リング14Aの締付部40は、クリップケース80の先端84aよりも先に位置し、締付部40の下面40bとクリップケース80の先端84aとは離間する。
そして、例えば、内視鏡の画像を見ながら、スライダ54をHP側に引き戻し、標準突出位置(クリップ開始位置)P10まで、クリップ列Aを引き戻す。すなわち、クリップ列Aをクリップケース80に引き戻して、第2のクリップ12Bをクリップ開始位置にする。これにより、図11(C)に示す連結リング14Aと同様に、締付部40の下面40bがクリップケース80の先端84aに当接する。これにより、第2のクリップ12Bがクリッピングの準備状態となる。
その後、拡開した第2のクリップ12Bの爪部22をクリッピングする生体bの位置に押し付けて、スライダ54を基端側に移動させて、HP、すなわち、位置P11(クリップ完了位置)まで引き戻し、クリッピングを完了させる。このとき、第2のクリップ12Bが生体bを把持した状態が維持されるとともに、第2のクリップ12Bのターン部24の尾部24aが、連結リング14Bの保持部42よりも基端側に達し、第3のクリップ12Cのバネ力によって腕部28がクリップケース80の内壁に当たるまで拡開し、爪部22、22の間がクリップ12Bのターン部24の幅よりも広く開いて、クリップ12Bとクリップ12Cとの連結が解除される。これにより、第2のクリップ12Bが体内に残置される。
次に、スライダガイド56を90°回転させて、ガイド溝66Dと係合溝68とを一致させる。これにより、スライダ54(スライダピン70)の位置は、図10において位置P12で示す、ガイド溝66Dに対応するHPに移動する。このとき、クリップ列の先端の第3のクリップ12Cは、クリップケース80の先端84a側に所定の距離、移動する。
そして、スライダ54をガイド溝66Dに沿って、先端側に移動させ、スライダピン70をガイド溝66Dの先端側の端部67Dに当接する位置まで移動させる。すなわち、図10に示す最大突出位置(クリップ待機位置)P13に移動させる。
このとき、図11(B)に示す第1のクリップ12Aと同様に、第3のクリップ12Cが、クリップケース80の外側に突出し、しかも、締付部40の下面40bとクリップケース80の先端84aとが離間した状態となる。
そして、スライダ54をHP側に引き戻し、標準突出位置(クリップ開始位置)P14まで、クリップ列Aを引き戻す。すなわち、クリップ列Aをクリップケース80に引き戻して、第3のクリップ12Cをクリップ開始位置にする。これにより、図11(C)に示す連結リング14Aと同様に、締付部40の下面40bがクリップケース80の先端84aに当接する。これにより、第3のクリップ12Cがクリッピングの準備状態となる。
その後、拡開した第3のクリップ12Cの爪部22をクリッピングする生体bの位置に押し付けて、スライダ54を基端側に移動させて、HP、すなわち、位置P15(クリップ完了位置)まで引き戻し、クリッピングを完了させる。このとき、第3のクリップ12Cが生体bを把持した状態が維持されるとともに、クリップ12Cのターン部24の尾部24aが、連結リング14Bの保持部42よりも基端側に達し、ダミークリップ18のバネ力によって腕部28がクリップケース80の内壁に当たるまで拡開し、爪部22、22の間がクリップ12Cのターン部24の幅よりも広く開いて、クリップ12Cとダミークリップ18の連結が解除される。これにより、第2のクリップ12Bが体内に残置される。
本実施形態において、3個のクリップ12によるクリッピングが完了した後、スライダ54をガイド溝66Dに沿って、基端側の端部まで移動させる。そして、スライダ54を共通溝67に沿ってスライダガイド56を270°回転させて、再度、図10の位置P1、すなわち、ガイド溝66Aに対応するHPに戻す。その後、クリップ処置具10のシース16を内視鏡から引き抜く。
シース16を引き抜いた後、スライダ54をガイド溝66Aの先端側の端部67Aに当接する位置P2まで押し出す。そして、この状態で、クリップケース80の接続部83のめねじ部83aと、シース16の先端部16aのおねじ部17との螺合を解除し、クリップケース80をシース16の先端部16aから取り外す。更には、連結部材19を、操作ワイヤ20先端の接続部材21から取り外す。
さらに、クリップ処置を行う場合には、上述のように、クリップ列Aが装填されたクリップケース80の接続部83のめねじ部83aと、シース16の先端部16aのおねじ部17と螺合して、クリップケース80をシース16に取り付けて、クリップ処置を行う。
本実施形態のクリップ処置具10においては、複数のクリップ12および複数の連結リング14がそれぞれ一体として、すなわち、クリップ列Aが収納されるクリップケース80を、シース16に対して、例えば、ねじを用いて、取り外し自在とすることにより、クリップケース80内にクリップ列Aを収納しておけば、複数のクリップ12を1つずつ取り付ける作業が省け、容易に複数のクリップを取り付けることができる。
また、クリップケース80を取り外し自在とすることにより、例えば、クリップの数が多い場合には、クリップ列Aが収納されるクリップケース80を交換すればよく、常に新品のクリップケース80が用いられるので、従来のように、シースを引き出して、再度、1つずつクリップを取り付けることがなくなるため、患者にとって、安全かつ衛生的である。
さらには、例えば、クリップの数が多い場合に、従来では、複数のクリップが装填されたシースを用意しておけば、常に新品のものを用いることができるものの、この場合、複数のシースが必要であり、コストがかなり嵩む。しかしながら、本実施形態においては、クリップ列Aが装填されたクリップケース80を複数用意するだけであるため、コストの増加を抑制することができる。
また、クリップ処置具10においては、スライダ54が位置(クリップ完了位置)P7、P11、P15に達した時点で、互いに係合する凹凸、付勢された球体とこれに係合する凹部など、公知の手段によって、小さな衝撃(いわゆるクリック感)を発生させ、クリッピングが完了したことを、処置を行なう医師が知覚できるようにするのも好ましい。
本発明のクリップ処置具10においては、シースを引き抜くことなく、複数回のクリッピングを行うことができる。
また、スライダガイド56の回転、および、スライダ54の往復移動のみで、クリップの回数に応じて、適正な量、クリップ列Aを軸方向(シース16の長手方向)に移動して、クリッピングの準備状態とし、クリッピングおよび連結されたクリップの切り離しを行なうことができる。すなわち、本発明によれば、簡易な操作で、正確なクリッピングの処置を行なうことができる。
しかも、クリップケース80をシース16に取り付ける際、クリップ列Aのダミークリップ18に設けられた連結部材19と、操作ワイヤ20の接続部材21とを取り付け、クリップケース80の基部82の後端部82aに設けられた接続部83のめねじ部83aと、シース16の先端部16aのおねじ部17とを螺合すれば、複数のクリップ12A〜12Cを取り付けることができる。このため、クリップ12A〜12Cの取り付けには、複数のクリップ12A〜12Cをシース16内に引き込むことがなく、クリップ12A〜12Cを容易に取り付けることができる。加えて、この引き込みがないため、ガイド溝66Aの長さを短くできるため、スライダガイド56のガイド部56cの構成も簡素化することができる。
また、クリップ処置具10においては、クリップの大きさは、例えば、標準サイズ(標準タイプ)、ショートサイズ(ショートタイプ)、およびロングサイズ(ロングタイプ)の、3種のサイズが用いられる。各種のクリップのサイズに対応するためには、各クリップサイズに応じたガイド溝が形成されたガイド部を用意しておき、クリップサイズに応じて、ガイド部を交換するようにすればよい。
この場合、クリップケース80の長さを、各クリップサイズに応じて設定することができる。これにより、例えば、クリップケースの長さが固定されている場合、クリップサイズが短いものでは、長いものに比して、1発目のクリップのストロークが極端に変わってしまう。このため、適正なクリップ処置を行うためには、1発目のクリップ位置の補正が必要である。
しかしながら、各クリップサイズによって、クリップケース80の長さを変えることができる本実施形態においては、クリップのサイズが違っても、クリップケース80内における1発目のクリップ位置を略同じにできるため、1発目のクリップ位置の補正が不要である。これにより、クリップサイズが異なることによるクリップストロークの極端な違いを抑制することができる。
また、本実施形態においては、連結リング14を簡素な形状で構成することができるため、部品コストおよび部品の製造コストを低減できる。ひいては、クリップ列Aの製造コストを低減することができる。さらには、後述するクリップパッケージの製造コストも低減することができる。
次に、本実施形態のクリップケースのクリップパッケージ100について説明する。
本実施形態のクリップパッケージ100は、上述の連発式クリップ処置具10において用いられるクリップ列Aが収納されたクリップケース80をパッケージ化した連結クリップパッケージであるが、本発明のクリップパッケージは、単発式クリップ処置具において用いられるクリップが1つであっても良いのはもちろんである。
図12は、本発明の第1の実施形態の連発式クリップ処置具に用いられるクリップパッケージを示す模式的断面図である。
図12に示すように、クリップパッケージ100は、クリップケース80と、クリップケース80の先端84aを閉塞し、先端部84のスリット86を覆う上キャップ102と、クリップケース80の後端部82aの接続部83および接続部83近傍に形成された開口部90を覆う下キャップ104とを有する。
クリップパッケージ100においては、クリップケース80の先端部84に上キャップ102が嵌められ、その後端部82aに下キャップ104が嵌められて、クリップケース80を閉塞した状態が保たれる。この上キャップ102および下キャップ104は取り外し可能である。
上キャップ102は、リップケース80の先端84aを閉塞し、先端部84のスリット86を覆うものであればよく、下キャップ104は、クリップケース80の後端部82aおよび、接続部83近傍に形成された開口部90を覆うものであればよく、ゴム製や樹脂製とすることができる。
また、クリップケース80は、その外表面を、例えば、剥離可能な樹脂フィルムで構成されたカバーで覆ってもよい。この場合、クリップケース80を滅菌処理した後に、カバーで覆うことが好ましい。これにより、衛生状態を、より良好に維持することができる。
本実施形態のクリップパッケージ100は、以上のような構成であり、クリップ処置をする場合、まず、下キャップ104が外されて、シース16の先端部16aがクリップケース80の接続部に接続される。このとき、上キャップ102も取り外される。そして、クリップケース80内のクリップ列Aに、操作ワイヤ20の先端部の接続部材21を接続させる。更にはクリップケース80の基部82の後端部82aに設けられた接続部83のめねじ部83aと、シース16の先端部16aに設けられたおねじ部17とが螺合されてシース16とクリップケース80とが結合される。これにより、クリップケース80内のクリップが操作可能な状態になる。
本実施形態のクリップパッケージ100においては、クリップ列Aを予め形成しておき、クリップケース80の接続部83のめねじ部83側から、連結リング14によりクリップ12が連結されたクリップ列Aが挿入されて、クリップケース80内に収納される。
この場合、連結リングの締付部40の最大外径の部分が、クリップ列Aにおける最大外径部分であるため、クリップケース80の内壁と接触する部分が少なく、クリップ列Aをクリップケース80内に容易に収納できる。このように、クリップパッケージ100を得るために、煩雑な作業が伴うことがなく、クリップパッケージ100を容易に組み立てることができる。
また、本実施形態のクリップパッケージ100においては、複数のクリップ12を備えるクリップ列Aを収納、保存、搬送に用いられるものと、クリップ処置具10によるクリップ処置に用いられるものとを兼用できる。
また、例えば、クリップの数が多い場合には、クリップ列Aが収納されるクリップケース80を交換すればよく、常に新品のクリップケース80が用いられるので、従来のように、シースを引き出して、再度、1つずつクリップを取り付けることがなくなるため、患者にとって、安全かつ衛生的である。
さらには、例えば、クリップの数が多い場合に、従来では、複数のクリップが装填されたシースを用意しておけば、常に新品のものを用いることができるものの、この場合、複数のシースが必要であり、コストがかなり嵩む。しかしながら、本実施形態においては、クリップ列Aが装填されたクリップパッケージ100を複数用意するだけであるため、コストの増加を抑制することができる。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図13(A)は、本発明の第2の実施形態の連発式クリップ処置具に用いられるクリップを示す模式的斜視図であり、(B)は、図13(A)に示すクリップが閉じた状態を示す要部拡大図である。
図14(A)は、本発明の第2の実施形態の連発式クリップ処置具のクリップと共に用いられる連結リングを示す模式図であり、(B)は、その断面図である。
図15(A)は、本発明の第2の実施形態の連発式クリップ処置具の先端部の構成を示す模式的断面図であり、(B)は、図13(A)に対して90°回転させて、本発明の第2の実施形態の連発式クリップ処置具の先端部の構成を示す模式的断面図である。
なお、本実施形態においては、図1〜図12に示す第1の実施形態の連発式クリップ処置具と同一構成物には同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
本実施形態は、第1の実施形態に比して、クリップ13の構成、連結リング15の構成、クリップ列Gの構成、ガイド部56cのガイド溝のパターンが異なり、それ以外の構成は、第1の実施形態のクリップ処置具10の構成と同様であるため、その詳細な説明は省略する。
図13(A)、(B)に示す本実施形態のクリップ13は、第1の実施形態のクリップ12(図3参照)に比して、爪部22a、22bの構成が異なるだけであり、それ以外の構成は、第1の実施形態のクリップ12(図3参照)と同様の構成であるため、その詳細な説明は省略する。
本実施形態のクリップ13は、爪部22a、22bが長く、図13(B)に示すように、腕部28を閉じた場合、例えば、爪部22aが上側(先端側)で、爪部22bが下側(基端側)で、所定の隙間をあけて爪部22a、爪部22bとが重なる。クリップ13においては、上側の爪部22aがターン部24の開口を通り、下側の爪部22bがターン部24の尾部24aの下側に位置して、前のクリップ13のターン部24の尾部24aを挟み込むことにより、前のクリップ13と連結することができる。
本実施形態においては、後のクリップ13が先端側に移動する場合、下側の爪部22bで前のクリップ13のターン部24の尾部24aを押圧して、前のクリップ13を先端側に移動させる。
一方、後のクリップ13が基端側に移動する場合、上側の爪部22aで前のクリップ13のターン部24の尾部24aを押圧して、前のクリップ13を基端側に移動させる。
本実施形態に連結リング15は、第1の実施形態の連結リング14(図4(A)〜(C)参照)に比して、保持部45の構成が異なるだけであり、それ以外の構成は、第1の実施形態の連結リング14(図4(A)〜(C)参照)と同様の構成であるため、その詳細な説明は省略する。
本実施形態の連結リング15においては、保持部45が円筒状の部材で構成されており、連結リング15には締付部40と保持部45とを貫通する穴47が形成されている。
保持部45の長さが、第1の実施形態の連結リング14(図4(A)〜(C)参照)に比して短く、ターン部24の尾部24aが保持部45から突出する。このため、後のクリップ13の爪部22a、22bは保持部45の内部に入ることがない。
本実施形態においては、図15(A)、(B)に示すように、例えば、3つのクリップ13(13A、13Bおよび13C)が、連結リング15を用いることなく連結されたクリップ列Gとして、クリップケース80内に収容されている。本実施形態においても、シース16を患者の体内から引き抜くことなく、3回のクリッピングを連続で行なうことが可能な3連発のクリップ処置具10aである。
クリップ13A〜13Cには、それぞれ連結リング15が嵌められている。各クリップ13A〜13Cは、後のクリップ13が、腕部28がクリップケース80の内壁で押圧されて腕部28が閉塞方向Cに閉塞されて、前のクリップ13のターン部24を爪部22a、22bで挟時して連結されている。
本実施形態においても、クリップ13の閉塞方向Cとターン部24の開口とが直交しているため、クリップ13は、閉塞方向Cを90°ずつ変えて連結される。
また、最も基端側のクリップ13Cには、操作ワイヤ20に係合されるダミークリップ18aが連結される。このダミークリップ18aは、クリップ13と同様の爪部22a、22bを有し、ダミークリップ18aの爪部22a、22bにより、最も基端側のクリップ13Cのターン部24が挟持される。
本実施形態においては、連結リング15がそれぞれ取り付けられた3個のクリップ13A〜13Cについて、後のクリップ13が前のクリップ13のターン部24の尾部24aを挟持し、ダミークリップ18aが、最後尾のクリップ13Cのターン部24の尾部24aを挟持して連結されてなるクリップ列Gがクリップケース80に収容されている。
また、本実施形態においては、操作ハンドル48についてもガイド部のスライダガイドの構成が異なるだけであり、それ以外の構成は、第1の実施形態の操作ハンドル48と同様の構成であるため、その詳細な説明は省略する。
図16は、本発明の第2の実施形態の連発式クリップ処置具のスライダガイドを展開して示す模式図である。なお、図16において、スライダピン70の位置は、円により表される。
図16に示すように、本実施形態のスライダガイド110は、スライダ54(スライダピン70)を案内するための4本のガイド溝112A〜112Dと、ガイド溝112Aとガイド溝112Bとを連通させる水平溝114と、ガイド溝112B、112C、112Cを連通させる傾斜溝116とを有する。
例えば、ガイド溝112Aはクリップケース80の取付け時に、ガイド溝112Bは1回目のクリッピングに、ガイド溝112Cは2回目のクリッピングに、ガイド溝112Dは3回目のクリッピングに、それぞれ対応するものである。
なお、各ガイド溝112A〜112Dにおいては、ガイド溝112Aの溝の長さが一番短く、残りのガイド溝112B〜ガイド溝112Dの溝の長さは、同じである。
各ガイド溝112A〜112Dは、例えば、ガイド部56cの周方向に等間隔、すなわち、90°間隔で形成されている。
4本のガイド溝112A〜112Dは、ガイド部56(図8(A)参照)の基端側から先端側に延在し、すなわち、ガイド部56(図8(A)参照)の軸方向に延在して、それぞれ、後述するようにクリップのストロークに応じて調整された所定の長さを有する。
水平溝114は、ガイド部56(図8(A)参照)の周方向に沿って延在するものであり、ガイド溝112Aの基端側の端部とガイド溝112Bの基端側の端部とを連通している。ガイド溝112A〜112Dおよび水平溝114は、全て単純なストレートの溝である。
傾斜溝116は、ガイド部56(図8(A)参照)の軸方向に対して所定の角度傾斜して延在するものであり、ガイド溝112Bの先端側の端部と、ガイド溝112Cの先端側の端部と、ガイド溝112Dの先端側の端部とを連通している。
また、傾斜溝116はガイド溝112Dの先端側の端部よりも周方向に突出している。
次に、図16および図17(A)〜(E)を用いて、本実施形態のクリップ処置具におけるクリッピングの操作について説明する。
図17(A)〜(E)は、本発明の第2の実施形態の連発式クリップ処置具のクリッピング操作を段階的な状態を示す模式的断面図である。
まず、必要に応じてスライダガイド56を回転して、ガイド溝112Aとハンドル本体52の係合溝68(図6参照)を一致(周方向の位置を一致)させ、スライダ54を、スライダピン70がガイド溝112Aの後端側の端面に当接するHPまで軸方向に移動させる。すなわち、スライダ54のスライダピン70を、図16に示す位置P21に移動させる。
なお、スライダピン70を、図16に示す位置P21に移動させるなど、図16を用いた説明においては、スライダピン70を省略し、単に「スライダガイドを位置P1に移動」、および「スライダガイドをHPに移動」などと記載する。
次に、スライダ54を、ガイド溝112Aに沿って先端側に移動させて、ガイドピン70をガイド溝112Aの先端側の端部113Aに当接するまで移動させる。すなわち、図16に示す位置P22(セッティング開始位置)に移動させる。これにより、シース16の先端部16a16bから操作ワイヤ20の接続部材21が所定量突出する。
この状態で、クリップケース80に収納された、例えば、3つのクリップ13A〜13Cとダミークリップ18と、連結リング15とにより構成されるクリップ列Gの連結部材19と、操作ワイヤ20の接続部材21とを取り付ける。
そして、クリップケース80の基部82の後端部82aに設けられた接続部83のめねじ部83aと、シース16の先端部16aに設けられたおねじ部17とを螺合させて、シース16にクリップケース80を取り付ける。
次に、クリップ列Gの連結部材19を操作ワイヤ20の接続部材21に取り付け、シース16にクリップケース80を取り付けた後、スライダ54を引き、図16に示す位置P23、すなわち、HPに戻す。この操作により、クリップ12を連結したクリップ列Gが使用可能状態となる。
その後、シース16を生体内に挿入された内視鏡(図示せず)の鉗子口(図示せず)等に挿入して、シース16の先端部16aのクリップケース80を内視鏡の挿入部の先端まで到達させ、内視鏡の先端から突出させる。
また、必要に応じて、内視鏡の挿入部やアングル部の操作等によって、クリップ処置具10のクリップケース80の先端84aを目的とする位置に移動させる。
必要な操作が終了した後、スライダガイド56を90°回転させて、ガイド溝112Bと係合溝68(図6参照)とを一致させる。これにより、スライダ54(スライダピン70)の位置は、図16において位置P24で示す、ガイド溝112Bに対応するHPに移動する。この状態が、例えば、図17(A)に示すクリップ13Aの状態となる。
次に、スライダ54をガイド溝112Bに沿って先端側に移動させ、スライダピン70をガイド溝112Bの先端側の端部113Bに当接する位置まで移動させる。すなわち、図16に示す最大突出位置(クリップ待機位置)P25に移動させる。
このスライダ54の押し出し、すなわち、操作ワイヤ20の押し出しにより、クリップ列Gが先端側に移動し、締付部40がクリップケース80の先端部84を押し広げながら、先端84a側に移動する。そして、図17(B)に示すように、クリップケース80の先端84aから、先頭のクリップ13Aと、連結リング15Aの保持部45の全てが突出する。これにより、クリップ13Aの腕部28が開放して、爪部22a、22bが所定の距離、自動的に離間する。このとき、次のクリップ13Bの腕部28はクリップケースの開口部で押圧されており、爪部22a、22bによる先頭のクリップ13Aは、クリップ13Bと連結されており、その連結は解除されていない。このため、先頭のクリップ13Aは、体内に落ちることがない。
ここで、クリップ13、連結リング15には製造誤差による寸法のバラツキ等が存在する。また、内視鏡(その挿入部)に挿通されたクリップ処置具10では、操作ワイヤ20およびシース16の屈曲や湾曲等による内外周差等により、操作ワイヤ20の突出量が減少する場合もある。
このため、クリップ処置具10においては、ガイド溝112Bの先端側の端部113Bは、クリップ13Aがクリップケース80から脱落せず、かつクリップ12等の製造誤差、クリップケース80の状態によらず確実に連結リング14Aの締付部40の全てが、クリップケース80の先端84aから確実に出る、最大突出位置(クリップ待機位置)P25となるように形成してある。
従って、通常であれば、この最大突出位置P25までスライダ54を押し出した状態では、連結リング15Aの締付部40は、クリップケース80の先端84aよりも先に位置しており、図17(B)に示すように、締付部40の下面40bと、クリップケース80の先端84aとは離間している。
この点に関しては、2回目のクリップ12Bによるクリッピングに対応するガイド溝66C、および3回目のクリップ12Cによるクリッピングに対応するガイド溝66Dの構成ついても同様である。
次いで、例えば、内視鏡の画像を見ながら、スライダ54をHP側に引き戻し、標準突出位置(クリップ開始位置)P26まで、クリップ列Aを引き戻す。すなわち、クリップ列Gをクリップケース80に引き戻す。これにより、図17(C)に示すように、連結リング15Aの締付部40の下面40bがクリップケース80の先端84aに当接する。そして、1回目のクリッピング、すなわち、1発目のクリップ13によるクリッピングの準備が完了する。これにより、クリッピングの準備状態となる。
準備状態では、連結リング15Aの保持部45よりも外側に張り出した締付部40の下面40bにより、クリップケース80内への後退が阻止されている。
スライダ54を標準突出位置P26まで戻して、図17(C)に示すように、クリッピングの準備状態とした後、内視鏡を操作して、拡開したクリップ13Aの爪部22a、22bをクリッピングしたい生体bの位置に押し付けて、スライダ54を基端側に移動させて、HP、すなわち、位置P27(クリップ完了位置)まで引き戻す。
標準突出位置P26から、クリップ完了位置P27までスライダ54が移動(標準突出位置P26からクリップストロークだけ移動)すると、このスライダ54の移動により、クリップ13Aのターン部24の尾部24aが次のクリップ13の爪部22aにより基端側に引き戻される。このとき、締付部40がクリップケース80の先端84aから内側への移動が規制されているため、腕部28の凸部30の直下まで連結リング15Aに引き込まれ、締付部40によって開放している腕部28が、閉塞方向Cに閉塞され、図17(D)に示すように爪部22a、22bが閉塞して生体bをクリッピングする。
この場合、クリップ13Bは、クリップケース80内に配置されているため、腕部28がクリップケース80の内壁で押圧されていることから、前のクリップ13Aとの連結が解除されない。
次に、クリップ完了後に、先頭のクリップ13Aと次のクリップ13Bとの連結を解除するために、再度、最大突出位置P25までスライダ54を押し出し、さらに、スライダガイドを90°回転させて、ガイド溝112Cと係合溝68とを一致させる。このとき、スライダ54(スライダピン70)は、図16に示す位置P28を通過する。そして、ガイド溝112Cにおける最大突出位置P29に移動される。
この位置P28は、最大突出位置P25よりも、更に先端側であり、図17(E)に示すように、次のクリップ13Bが、更に突出し、クリップケース80の内壁によるクリップ13Bの腕部28の押圧が解除される位置である。このため、爪部22a、22bが離間し、前のクリップ13Aのターン部24の尾部24aとの連結が解除される。これにより、クリップ13Aは生体bを把持した状態で体内に残置される。以上のように、第1のクリップ12Aによるクリッピングがなされる。
また、最大突出位置P29では、図17(B)に示すクリップ13Aのように、クリップ13Bにおいても、連結リング15Bの保持部45までも、クリップケース80の先端84aから離間した状態になる。
そして、例えば、内視鏡の画像を見ながら、スライダ54をガイド溝112Cに沿って基端側に引き戻し、標準突出位置(クリップ開始位置)P30まで、クリップ列Gを引き戻す。すなわち、第2のクリップ13Bをクリップ開始位置にする。これにより、図11(C)に示す連結リング15Aと同様に、締付部40の下面40bがクリップケース80の先端84aに当接する。これにより、第2のクリップ13Bがクリッピングの準備状態となる。
その後、拡開した第2のクリップ12Bの爪部22a、22bをクリッピングする生体bの位置に押し付けて、スライダ54を基端側の端部113Cまで移動させて、位置P31(クリップ完了位置)まで引き戻し、クリッピングを完了させる。このとき、次のクリップ13Cは、腕部28がクリップケース80の内壁で押圧されていることから、前のクリップ13Bとの連結が解除されない。
次に、クリップ完了後に、クリップ13Bと次のクリップ13Cとの連結を解除するために、再度、最大突出位置P29までスライダ54を押し出し、さらに、スライダガイドを90°回転させて、ガイド溝112Dと係合溝68とを一致させる。このとき、スライダ54(スライダピン70)は、図16に示す位置P32を通過する。そして、ガイド溝112Dにおける最大突出位置P33に移動される。
この位置P32は、最大突出位置P29よりも、更に先端側であり、図17(E)に示すクリップ13Bのように、クリップ13Cが更に突出し、クリップケース80の内壁によるクリップ13Cの腕部28の押圧が解除される位置である。このため、爪部22a、22bが離間し、前のクリップ13Bのターン部24の尾部24aとの連結が解除される。これにより、クリップ13Bは生体bを把持した状態で体内に残置される。以上のように、第2のクリップ13Bによるクリッピングがなされる。
また、最大突出位置P33では、図17(B)に示すクリップ13Aのように、クリップ13Cにおいても、連結リング15Cの保持部45までも、クリップケース80の先端84aから離間した状態になる。
そして、例えば、内視鏡の画像を見ながら、スライダ54をガイド溝112Dに沿って基端側に引き戻し、標準突出位置(クリップ開始位置)P34まで、クリップ列Gを引き戻す。すなわち、第3のクリップ13Cをクリップ開始位置にする。これにより、図11(C)に示す連結リング15Aと同様に、締付部40の下面40bがクリップケース80の先端84aに当接する。これにより、第3のクリップ13Cがクリッピングの準備状態となる。
その後、拡開した第3のクリップ12Cの爪部22a、22bをクリッピングする生体bの位置に押し付けて、スライダ54を基端側の端部113Dまで移動させて、位置P35(クリップ完了位置)まで引き戻し、クリッピングを完了させる。このとき、クリップ13Cと連結されるダミークリップ18aは、腕部28がクリップケース80の内壁で押圧されていることから、前のクリップ13Cとの連結が解除されない。
次に、クリップ完了後に、クリップ13Cとダミークリップ18aとの連結を解除するために、再度、最大突出位置P33までスライダ54を押し出し、さらに、スライダガイドを回転させて、傾斜溝116に沿って、スライダピン70を移動させて、傾斜溝116の端部116Aに当接する位置P36まで移動させる。この位置P36は、最大突出位置P33よりも、更に先端側であり、図17(E)に示すクリップ13Bのように、ダミークリップ18aが更に突出し、クリップケース80の内壁によるダミークリップ18aの腕部28の押圧が解除される位置である。このため、爪部22a、22bが離間し、前のクリップ13Cのターン部24の尾部24aとの連結が解除される。これにより、クリップ13Bは生体bを把持した状態で体内に残置される。以上のように、第3のクリップ13Cによるクリッピングがなされる。
本実施形態においても、3個のクリップ12によるクリッピングが完了した後、スライダガイド56を270°回転させて、スライダ54を傾斜溝116に沿って、ガイド溝112Aの先端側の端部113Bまで移動させて、スライダ54の位置を、再度、図16の位置P21、すなわち、ガイド溝112Aに対応するHPに戻す。その後、クリップ処置具10aのシース16を内視鏡から引き抜く。
シース16を引き抜いた後、スライダ54をガイド溝112Aの先端側の端部113Aに当接する位置P22まで押し出す。そして、この状態で、クリップケース80の接続部83のめねじ部83aと、シース16の先端部16aのおねじ部17との螺合を解除し、クリップケース80をシース16の先端部16aから取り外す。更には、連結部材19を、操作ワイヤ20先端の接続部材21から取り外す。
なお、さらに、クリップ処置を行う場合には、上述のように、クリップ列Aが装填されたクリップケース80の接続部83のめねじ部83aと、シース16の先端部16aのおねじ部17と螺合して、クリップケース80をシース16に取り付けて、クリップ処置を行う。
以上のように、本実施形態のクリップ処置具においては、クリップ13の構成、連結リング15の構成、クリップ列Gの構成、ガイド部56cのガイド溝のパターンの構成が、第1の実施形態と異なるものの、第1の実施形態のクリップ処理具10と同様に、シース16にクリップケース80を取り付けて、複数回のクリッピングを行うことができる。
本実施形態においても、第1の実施形態のクリップ処置具10と同様の効果を得ることができる。
さらには、本実施形態においては、保持部45を第1の実施形態に比して、小さくすることができるため、構成を更に簡素化することができ、部品コストおよび部品の製造コストを更に低減することができる。
次に、本実施形態のクリップケースのクリップパッケージについて説明する。
本実施形態のクリップパッケージ100aは、本実施形態の連発式クリップ処置具において用いられるクリップ列Gをクリップケース80に収納し、パッケージ化した連結クリップパッケージであるが、本発明のクリップパッケージは、単発式クリップ処置具において用いられるクリップが1つであっても良いのはもちろんである。
なお、本実施形態においては、図12に示す第1の実施形態のクリップパッケージ100と同一構成物には、同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
図18は、本発明の第2の実施形態の連発式クリップ処置具に用いられるクリップパッケージを示す模式的断面図である。
本実施形態のクリップパッケージ100aは、第1の実施形態のクリップパッケージ100(図12参照)に比して、クリップケース80内に収納されるクリップ列Gの構成が異なるだけで、それ以外の構成は、第1の実施形態のクリップパッケージ100(図12参照)と同様の構成であるため、その詳細な説明は省略する。
本実施形態のクリップパッケージ100aにおいても、上キャップ102により、クリップケース80の先端84aが閉塞され、さらには先端部84のスリット86も覆われる。また、下キャップ104により、クリップケース80の後端部82aの接続部83および、接続部83近傍に形成された開口部90が覆われる。
クリップパッケージ100aにおいても、クリップケース80の先端部84に上キャップ102が嵌められ、その後端部82aに下キャップ104が嵌められて、クリップケース80を閉塞した状態が保たれる。
本実施形態のクリップパッケージ100aにおいては、先のクリップ13に連結リング15を嵌めて、クリップケース80の内部に接続部83のめねじ部83から入れていき、先のクリップのターン部24の尾部24aに、後のクリップ13の爪部22a、22bを引掛けて、各腕部28が近づくように押圧してターン部24の尾部24aを爪部22a、22bで挟時させつつ、後のクリップ13をクリップケース80内に押し込んで、ターン部24の尾部24aをクリップケース80内に入れる。これにより、先のクリップ13と後のクリップ13との連結状態を保って、クリップケース80内に収納される。これを繰り返し行い、最後に、ダミークリップ18aを取り付けて、クリップ列Gとする。このようにして、クリップ列Gをクリップケース80内に容易に収納できる。
本実施形態のクリップパッケージ100aは、以上のような構成である。本実施形態のクリップパッケージ100aにおいても、クリップ処置をする場合、まず、下キャップ104が外されて、シース16の先端部16aがクリップケース80の接続部に接続される。このとき、上キャップ102も取り外される。そして、クリップケース80内のクリップ列Aに、操作ワイヤ20の先端部の接続部材21を接続させる。更にはクリップケース80の基部82の後端部82aに設けられた接続部83のめねじ部83aと、シース16の先端部16aに設けられたおねじ部17とが螺合されてシース16とクリップケース80とが結合される。これにより、クリップケース80内のクリップが操作可能な状態になる。
本実施形態のクリップパッケージ100aにおいても、第1の実施形態のクリップパッケージ100と同様の効果を得ることができる。
以上、本発明の連発式クリップ処置具およびクリップパッケージについて詳細に説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行ってもよいことはもちろんである。
10 クリップ処置具
12 クリップ
14 連結リング
16 シース
18 ダミークリップ
19 連結部材
21 接続部材
20 操作ワイヤ
22 爪部
24 ターン部
26 交差部
28 腕部
30 凸部
40 締付部
41、43 穴
42 保持部
48 (クリップ処置具用)操作ハンドル
50 ハンドル部
52 ハンドル本体
54 スライダ
56 スライダガイド
56a 接合部
56b 把持部
56c ガイド部
58 回転位置規制部材
60 付勢バネ
62 指掛けリング
66A、66B、66C、66D ガイド溝
68 係合溝
70 スライダピン
80 クリップケース
90 開口部
100、100a クリップパッケージ
102 上キャップ
104 下キャップ
112A、112B、112C、112D ガイド溝

Claims (15)

  1. 円筒状のシースと、
    前記シースの先端部に取り外し自在に設けられるものであり、円筒状の基部と、前記基部の先端側に形成され、基端側から先端側へ縮径され、その先端に開口部を有し、前記開口部が少なくとも前記基部の内径まで拡径する先端部を備えるクリップケースと、
    前記クリップケース内部に設けられ、爪部が形成された腕部が2つ設けられ、前記腕部が閉じて前記爪部で対象物を挟むクリップと、
    前記クリップに対して進退可能に嵌入され、前記クリップの前記腕部側に移動すると、その爪部が閉じるように前記腕部を締め付けるとともに、最大径部が前記クリップケースの基部の直径と略同じであり、前記クリップケースの先端通過後に前記クリップケース内への後退を阻止する連結リングと、
    前記シース内を通り、前記クリップケース内で連結された複数のクリップの最後尾のクリップに接続される操作ワイヤと、
    前記操作ワイヤを介して前記連結された複数のクリップを前進または後退させる操作手段とを有し、
    前記複数のクリップおよび前記複数の連結リングがそれぞれ一体として、前記クリップケース内に格納されており、
    前記操作手段により前記操作ワイヤを介して前記クリップを前進させて前記クリップケースの開口部から突出させ、前記クリップを後退させて前記連結リングにより前記クリップの前記腕部を締め付けて前記対象物を挟むことを特徴とする連発式クリップ処置具。
  2. 前記クリップケースの先端部は、軸方向に弾性変形可能である請求項1に記載の連発式クリップ処置具。
  3. 前記クリップケースの先端部には、前記開口部の端部から前記基端側に向って伸びるスリットが周方向に沿って、所定の間隔をあけて複数形成されている請求項1または2に記載の連発式クリップ処置具。
  4. 前記操作手段は、前記シースの後端部と連結され、その内部に前記シースから延在する前記操作ワイヤが配置される円筒状のハンドル本体と、
    前記ハンドル本体の外周上に、その軸方向に移動可能に装着され、前記操作ワイヤと係合し、前記操作ワイヤを前記ハンドル本体の軸方向に移動させるスライダと、
    前記ハンドル本体の外周上に、前記ハンドル本体の周方向に回転自在に装着され、前記ハンドル本体の軸方向における前記スライダの移動量を、その周方向の位置によって、前記操作ワイヤに連結される前記複数のクリップそれぞれのクリップ処置に要する、複数の異なる移動量に規制するスライダ移動量規制部材とを有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の連発式クリップ処置具。
  5. 前記連結リングは、更に前後のクリップの係合部を覆い、前記腕部を押圧して他のクリップを挟持して、前記前後のクリップの連結状態を維持するものである請求項1〜4のいずれか1項に記載の連発式クリップ処置具。
  6. 前記クリップは、前記腕部が前記クリップケースの内面で押圧されて他のクリップを挟持する請求項1〜4のいずれか1項に記載の連発式クリップ処置具。
  7. 前記クリップの挟持の解除は、前記クリップを挟持する他のクリップの腕部を前記クリップケースから突出させることによりなされる請求項6に記載の連発式クリップ処置具。
  8. 前記複数のクリップは、90°ずつ交互に向きが異なる請求項1〜7のいずれか1項に記載の連発式クリップ処置具。
  9. 前記クリップケースは、前記シースとの接続部近傍に、開口部が形成されている請求項1〜8のいずれか1項に記載の連発式クリップ処置具。
  10. シースと、前記シース内に挿通された操作ワイヤと、前記操作ワイヤを前進または後退させる操作手段とを有する内視鏡用のクリップ処置具に用いられるクリップケースであって、
    前記円筒状の基部と、前記基部の先端側に形成され、基端側から先端側へ縮径され、その先端に開口部を有し、前記開口部が少なくとも前記基部の内径まで拡径する先端部を備えるクリップケースと、
    爪部が形成された腕部が2つ設けられ、前記腕部が閉じて前記爪部で対象物を挟むクリップと、前記クリップに対して進退可能に嵌入され、前記クリップの前記腕部側に移動すると、その爪部が閉じるように前記腕部を締め付けるとともに、最大径部が前記クリップケースの基部の直径と略同じであり、前記クリップケースの先端通過後に前記クリップケース内への後退を阻止する連結リングとを備えるクリップ体と、
    前記クリップが他のクリップ体の前記クリップを挟持して連結され、複数連結されたクリップ体のうち、最後尾のクリップ体の前記クリップを挟持するダミークリップと、
    前記クリップケースの前記先端部を覆うように取りけられた取り外し可能な上キャップと、
    前記クリップケースの後端に取り付けられた取り外し可能な下キャップとを有し、
    前記クリップケースには、前記複数の連結されたクリップ体およびダミークリップが収納され、前記シースと取り外し可能に接続できる接続部が設けられており、
    前記ダミークリップは、前記操作ワイヤに設けられた接続部材が接続される連結部材を備えることを特徴とするクリップパッケージ。
  11. 前記クリップケースの先端部は、軸方向に弾性変形可能である請求項10に記載のクリップパッケージ。
  12. 前記クリップケースの先端部には、前記開口部の端部から前記基端側に向って伸びるスリットが周方向に沿って、所定の間隔をあけて複数形成されている請求項10または11に記載のクリップパッケージ。
  13. 前記連結リングは、更に前後のクリップの係合部を覆い、前記腕部を押圧して他のクリップを挟持して、前記前後のクリップの連結状態を維持するものである請求項10〜12のいずれか1項に記載のクリップパッケージ。
  14. 前記クリップは、前記腕部が前記クリップケースの内面で押圧されて他のクリップを挟持する請求項10〜12のいずれか1項に記載のクリップパッケージ。
  15. 前記複数のクリップは、90°ずつ交互に向きが異なる請求項10〜14のいずれか1項に記載のクリップパッケージ。
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