JP2010167185A - 連発式クリップ処置具およびクリップパッケージ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】連発式クリップ処置具10は、シースの先端部に取り外し自在に設けられるものであって、筒状の基部に先端側に向かって縮径され、その先端に開口部を有し、この開口部は基部の直径まで拡径する先端部を備えるクリップケース80と、爪部が形成された腕部が2つ設けられ、腕部が閉じて対象物を挟むクリップ12と、クリップに対して進退可能に嵌入され、腕部側に移動して爪部が閉じるように腕部を締め付けると共に、クリップケースの先端通過後にその内部への後退を阻止する連結リング14と、クリップケース内に複数のクリップおよび複数の連結リングがそれぞれ一体的に連結されて収納されている複数のクリップの最後尾のクリップに接続される操作ワイヤ20と、操作ワイヤを介して複数のクリップを前進または後退させる操作手段とを有する。
【選択図】図2
Description
この特許文献1のクリップ装置のクリップユニットは、クリップ、連結部材としての連結材及びクリップ締付部としての押え管を有している。
この押え管は、外径が、コイルパイプの小径部の内径よりも大きく、大径部の内径よりも小さい略パイプ状の形状をしており、基端側には、コイルパイプの小径部の内径よりも小さい嵌合部が設けられている。
操作ワイヤの手元側延出端部にはスライダーが接続されている。スライダーは操作部本体に進退自在に設置されており、操作ワイヤをシース部に対し進退操作することができる。この操作ワイヤの先端にはフック部が接続されている。
シース部には、コイルパイプが設けられている。このコイルパイプは、略筒状であり、先端側に内径の小さい小径部、基端側に大径部が設けられ、さらに小径部と大径部との間には傾斜部が設けられている。
この状態で、スライダーを先端側に押し出す操作により、クリップユニットをシース部から突き出すことができる。
その後、目的の生体組織を挟むようにクリップを誘導して、さらにスライダーを基端側に引くことにより、操作ワイヤを後退させるとクリップの腕部が押え管内に引きこまれ、生体組織がクリップの腕部間に確実に挟み込んだ状態となる。さらにスライダーを基端側に引き、操作ワイヤを後退させると、クリップの連結材の破断部が破断し、クリップは連結材との係合を解かれ、クリップユニットはクリップ操作装置から離脱して生体組織を把持したまま体腔内に留置される。
この状態で、2発目のクリップユニットの連結部材をそのままフック部の先端側から押し込むと、フック部に残されている1発目の連結材が2発目の連結材に押されて脱落し、2発目のクリップユニットが取り付けられる。このように、1発目の連結材の取り外しと、2発目のクリップユニットの取付けを同時にできる。
また、本発明において、前記クリップケースの先端部には、前記開口部の端部から前記基端側に向って伸びるスリットが周方向に沿って、所定の間隔をあけて複数形成されていることが好ましい。
さらに、本発明において、前記操作手段は、前記シースの後端部と連結され、その内部に前記シースから延在する前記操作ワイヤが配置される円筒状のハンドル本体と、前記ハンドル本体の外周上に、その軸方向に移動可能に装着され、前記操作ワイヤと係合し、前記操作ワイヤを前記ハンドル本体の軸方向に移動させるスライダと、前記ハンドル本体の外周上に、前記ハンドル本体の周方向に回転自在に装着され、前記ハンドル本体の軸方向における前記スライダの移動量を、その周方向の位置によって、前記操作ワイヤに連結される前記複数のクリップそれぞれのクリップ処置に要する、複数の異なる移動量に規制するスライダ移動量規制部材とを有することが好ましい。
本発明において、前記クリップの挟持の解除は、前記クリップを挟持する他のクリップの腕部を前記クリップケースから突出させることによりなされることが好ましい。
また、本発明において、前記クリップケースは、前記シースとの接続部近傍に、開口部が形成されていることが好ましい。
また、本発明においては、前記クリップケースの先端部には、前記開口部の端部から前記基端側に向って伸びるスリットが周方向に沿って、所定の間隔をあけて複数形成されていることが好ましい。
また、本発明においては、前記クリップは、前記腕部が前記クリップケースの内面で押圧されて他のクリップを挟持することが好ましい。
さらに、本発明においては、前記複数のクリップは、90°ずつ交互に向きが異なることが好ましい。
また、クリップケースを取り外し自在とすることにより、例えば、クリップの数が多い場合には、複数のクリップおよび複数の連結リングがそれぞれ一体として収納されるクリップケースを交換すればよく、常に新品のものが用いられるので、従来のように、シースを引き出して、再度、1つずつクリップを取り付けることがなくなるため、患者にとって、安全かつ衛生的である。
さらには、例えば、クリップの数が多い場合に、従来では、複数のクリップが装填されたシースを用意しておけば、常に新品のものを用いることができるものの、この場合、複数のシースが必要であり、コストがかなり嵩む。しかしながら、本発明では、クリップケースを複数用意するだけであるため、コストの増加を抑制することができる。
さらには、クリップケース内に複数のクリップおよび複数の連結リングがそれぞれ一体として収納する構成とすることにより、クリップの長さが異なる種類のクリップを用いた場合、長いものと短いものとに、クリップケースを合わせることができる。これに対して、従来では、最も長いクリップに合わせてシースを形成する必要があり、このシースに短いクリップを装填した場合、最も長いものよりもシースの先端部に対して隙間が多くなる。このため、適正なクリップ処置を行うためには、クリップ位置の補正が必要である。このように、本発明においては、各クリップ長さに応じてクリップケースを合わせることができるため、クリップ位置の補正が不要である。
さらには、例えば、クリップの数が多い場合には、複数のクリップおよび複数の連結リングがそれぞれ一体として収納されるクリップケースを交換すればよく、常に新品のものを用いることができるため、従来のように、シースを引き出して、再度、1つずつクリップを取り付けることがなくなるため、患者にとって、安全かつ衛生的である。
図1(A)は、本発明の連発式クリップ処置具の第1の実施形態を示す模式的斜視図であり、(B)は、図1(A)の要部拡大図である。
図2(A)は、本発明の第1の実施形態の連発式クリップ処置具の先端部の構成を示す模式的断面図であり、(B)は、本発明の第1の実施形態の連発式クリップ処置具の先端部の構成を図2(A)に対して90°回転させて示す模式的断面図である。
なお、先端部とは、内視鏡を用いてクリップ処置具10による処置を行なう際に、生体内に挿入される先端側の端部である。以下、この先端部の方を先端側、先端部と逆側(操作ハンドル48側)を基端側と言う。
シース16は、内視鏡用のクリップ処置具で用いられている、通常の長尺なチューブ状のシースであり、例えば、金属ワイヤを密着巻きした可撓性のコイルシースである。このシース16の先端部16aにクリップケース80が取り付けられる。
操作ワイヤ20は、例えば、金属ワイヤであり、ハンドル部50からシース16内を挿通されて、クリップケース80内に連結状態で収容されたクリップ12の最基端側のダミークリップ18の連結部材19に接続される。この操作ワイヤ20の先端部には、ダミークリップ18の連結部材19に係合されて接続される、接続部材21が設けられている。
後に詳述するが、操作ワイヤ20は、シース16内を挿通されて、後述するハンドル操作部48に挿通され、クリッピングの準備およびクリッピングの操作を行なうスライダ54に連結されている。
以下、先端側を「前」、先端側の部位に対する基端側を「後」または「次」ともいう。また、あるクリップ12に対して、直ぐ前のクリップを「前のクリップ12」、同じく、直ぐ後ろのクリップ12を「次のクリップ12」または「後のクリップ12」ともいう。
クリップ12は、バネ性を有する一枚の長細い板を略180°折り返して閉塞端を作った後、その両片を交差させ、かつ2つの開放端に、端部が対向するように屈曲させて爪部22を形成した形状を有する。すなわち、クリップ12は、クリッピング(クリップ12による生体の把持)を行なう爪部22よりも閉塞端側が環状状となっている、いわゆるクローズクリップである。
クリップ12には、生体適合性のある金属を用いることが好ましく、例えば、析出硬化系ステンレス鋼であるSUS630、SUS631を用いることができる。
クリップ12は、その交差部26に嵌められた連結リング14の先端部分に固定された締付部40が、腕部28、28の基部28b、28bを、互いに向き合う方向に押圧しながら爪部22、22の方(凸部30、30の方)へ向かって所定量移動することにより、その腕部28、28および爪部22、22が閉じ、爪部22、22において所定の咬頭嵌合力(把持力)を発揮する。
また、図3に示すように、クリップ12の腕部28は、その先部28aにおいては、爪部22から凸部30まで幅が一定で変わらないのに対し、基部28bにおいては、交差部26から凸部30に掛けて徐々に幅が広くなり、凸部30近傍では一定幅となっており、締付部40の移動を容易かつ確実にして爪部22、22の開放や、閉止および嵌合を容易かつ確実にし、生体内等における止血や傷口の縫合や閉塞等を容易かつ確実にしている。
ここで、凸部30は、後述する連結リング14の穴43の内径より、広い幅となっている。クリップ処置具10においては、これにより、クリップ12により、クリップ12の凸部30以外の部分は、連結リング14の内部に侵入できるが、凸部30は、連結リング14の先端側からも基端側からも、その内部に侵入できない。
図4(A)は、本発明の第1の実施形態の連発式クリップ処置具のクリップと共に用いられる連結リングを示す模式図であり、(B)は、その断面図であり、(C)は、その底面図である。
連結リング14は、体内に残置されるものであるため、生体適合材料により形成され、例えば、ステンレス鋼により形成される。
また、保持部42は、締付部40の下面40bよりも径が小さく、締付部40の下面40bは、保持部42の外面よりも外側に突出している。この下面40bの突出した部分は、後述するようにクリップケース80内に連結リング14が戻らないように機能する。
保持部42は、その径がクリップケース80の開口部85の径と略同じである。
連結リング14には、締付部40と保持部42とを貫通する穴43が形成されている。連結リング14に形成された穴43は、クリップ12のターン部24および腕部28の凸部30よりもターン部24側の部分が挿入可能で、クリップ12の交差部26近傍の幅よりも大きく、凸部30の幅よりも内径が小さい貫通穴である。この穴43に対して、クリップ12の凸部30がストッパーとなって、クリップ12が必要以上に連結リング14の中に引き込まれることが防止される。
保持部42に保持されるクリップ12の腕部28、28の板面は、溝43a、43aの内壁に当接する。溝43aの幅(開口幅)は、クリップ12の腕部28の最大幅よりわずかに大きく、一方の溝43aの壁面から他方の溝43aの壁面までの距離は、クリップ12の2つの爪部22、22の長さ(拡開方向の長さ)を足し合わせた長さにほぼ等しい。また、溝43aの幅は、腕部28に形成された凸部30の幅よりは小さい。したがって、保持部42に保持されるクリップ12の凸部30は、溝43aに進入できない。
図5(A)に示すクリップケース80は、クリップ列Aを保管、運搬、格納するものであり、上述のようにシース16の先端部16aに取り外し可能に設けられる。
このクリップケース80は、径が略一定の基部82の先端に、略円錐台状の先端部84が接続された筒状部材により構成されており、先端部84の先端に開口部85が形成されている。
基部82と先端部84とは、例えば、基部82の接続部分を斜面状に形成し、先端部84の接続部分も斜面状に形成し、互いの斜面を合わせ、この合わせた部分を溶接または溶着することにより、接続されている。
クリップケース80は、可撓性を有する樹脂で構成されており、基部82および先端部84は、クリップケース80の軸方向および直径方向に弾性変形可能である。
先端部84は、先端に向かうにつれて、径が順次細くなっている。
先端部84は、基端側は基部82と同じ内径であり、先端84a側の内径は、基部82の内径および連結リング14の締付部40の外径よりも小さい。
また、シース16の先端部16aには、この基部82の接続部83のめねじ部83aに螺合されるおねじ17が設けられている。
シース16とクリップケース80とは、その接続部83のめねじ部83aに、シースの先端部16aのおねじ部17が螺合されることにより結合される。このシース16とクリップケース80との結合は、ねじによるものであり、取り外し可能である。
本実施形態においては、クリップケース80をシース16に結合させる前に、クリップケース80の内部に、連結リング14が嵌入されたクリップ12、およびダミークリップ18が挿入される。
また、基部82には、シース16の先端部16aとの接続部83よりも先端84a側に開口部90が形成されている。この開口部90形状は、基端側から先端に向かって、矩形と三角形とを合わせた形状である。
この開口部90を設けることにより、基部82のシース16の先端部16aとの接続部近傍における剛性を低下させて、可撓性を向上させている。
クリップケース80内に格納された連結リング14が開口部85から外部に出るとき、締付部40の斜面40aにより、部材88がそれぞれ外側に広がるように弾性変形し、連結リング14の締付部40が開口部85を通過すると、開口部85が拡径前の元の径に戻る。これにより、締付部40の下面40bが先端84aに対して突出し、この下面40bが引っ掛かりとなって、連結リング14が再びクリップケース80内に戻ることができない。
クリップケース80においては、基部82および先端部84は、クリップ12の腕部28が広がろうとする力により変形することがないように構成されている。
また、先端部84は、クリップケース80の一部として同じ樹脂で構成されているが、本発明は、これに限定されず、上述の弾性変形が可能であれば、クリップケース80の基部82を形成する樹脂とは異なる材料で形成されていても良く、例えば、円周上の一部にバネを有するリング、またはゴム等で形成されてもよい。
ターン部24は、腕部28の閉塞方向Cと直交する方向が開口しているため、第1のクリップ12Aと第2のクリップ12Bとの閉塞方向Cは、直交する、すなわち、90°ずれる。このようにして、第1クリップ12Aと第2クリップ12Bの連結状態が維持される。同様に、第2クリップ12Bと第3クリップ12Cとの連結状態は、連結リング14Bによって、第3クリップ12Cとダミークリップ18との連結状態は、連結リング14Cによって維持される。このとき、クリップ12Bとクリップ12Cとも、閉塞方向Cが90°ずれて連結されている。
ダミークリップ18は、先端部に、クリップ12の交差部26から開放端側半分の部分と類似の形状をしたバネ性を持つ部分(腕部28と同様の部分)を有している。すなわち、ダミークリップ18は、先端に爪部を持つ2つの腕部が交差部で連結された形状をしており、爪部を閉じた状態で最後端のクリップ12Cの尾部24aを挟持し、かつ、爪部を開くとクリップ12Cの挟持を解除する。
また、ダミークリップ18の基端部側には連結部材19が取り付けられている。この連結部材19は、後述する操作ワイヤ20の先端の接続部材(フック)21に着脱可能な形状および構成を有するものである。このダミークリップ18の後端部の連結部材19と操作ワイヤ20の先端の接続部材21とは、操作ワイヤ20の進退移動では外れない構成となっている。
クリップ処置具10において、クリップ列Aとは、例えば、3個のクリップ12A〜12Cおよび1個のダミークリップ18を、連結リング14を介して連結されて構成されるもののことである。また、クリップ12に、連結リング14が取り付けられたものをクリップ体という。
後述するように、クリップ処置具10においては、このスライダ54の操作により、クリップケース80およびシース16内において、操作ワイヤ20を押すかまたは引いて(クリップケース80の長手方向に移動させて)、クリップケース80内に収容されたクリップ列Aを前進または後退させることで、クリッピングの操作が行なわれる。
本実施形態において、操作ハンドル48は、上述のように、シース16、操作ワイヤ20、操作ワイヤ20の先端の接続部材21、およびハンドル部50を有する。
図7は、図6に示すハンドル部からスライダガイドを取り外した状態を示す模式的斜視図である。
図6に示すように、操作ハンドル48のハンドル部50は、ハンドル本体52と、スライダ54と、スライダガイド(スライダ移動量規制部材)56と、回転位置規制部材58と、付勢バネ60と、指掛け部材62とを有する。
指掛け部材62は、後述するスライダ54を操作する際に、医師が親指を掛けるためのもので、リング状の部分を有する。
ハンドル本体52の中径部52bには、ハンドル本体52を形成する円筒(=貫通穴52d)の中心軸方向に延在して、長穴な貫通穴である係合溝68が形成されている。この係合溝68は、貫通穴54dと連通している。
また、中径部52bには、後述する略円筒状のスライダガイド56が回転自在に挿通される。
なお、本実施形態においては、ハンドル本体52を形成する円筒の中心軸方向を「軸方向」、この軸方向を中心とする円周方向を「周方向」とも言う。
操作ワイヤ20は、シース16内を挿通されて、シース16の先端部16(基端部)から突出して、ハンドル本体52の小径部52cおよび中径部52bを挿通され、後述するスライダピン70を介してスライダ54に接続される。
本実施形態において、スライダ54は、円筒の基端側端部および軸方向の途中の2個所に、外側に突出する円盤状のフランジ部54aを有する。クリップ処置具10を用いた処置を行なう際、このフランジ部54aの間の凹部55に、医師が指を掛けて、スライダ54を軸方向に動かし易いようになっている。
例えば、医師は、指掛け部材62のリングに親指を入れ、フランジ部54a間の凹部55に人指し指および中指を入れて、人指し指および中指でスライダ54を挟むようにして、スライダ54を軸方向に移動する。
前述のように、スライダ54はハンドル本体52の軸方向に移動可能であり、スライダ54を移動させることにより、シース16に挿通される操作ワイヤ20を進退(先端側および基端側に移動)させることができる。すなわち、操作ワイヤ20を先端側および基端側に移動させることができる。
クリップ処置具10においては、このスライダ54による操作ワイヤ20の進退により、クリップケース80内のクリップ列Aを進退させてクリッピングの準備およびクリッピングを行なう。
また、クリップケース80をシース16に取り付ける際にも、スライダ54を所定量だけ先端側に移動した状態で、ダミークリップ18と操作ワイヤ20とを連結し、スライダ54をHPに移動することで、シース16にクリップ列Aを装填することができる。この点については、後に詳述する。
スライダガイド56は、スライダ54の軸方向への移動量、すなわち、操作ワイヤ20のシース16およびクリップケース80の長手方向の進退量を規制する部材で、図6および図8(A)に示すように、ハンドル本体52を挿通する略円筒状の部材である。
このスライダガイド56は、ハンドル本体52の外周面上に、周方向に回転可能かつ軸方向に移動可能に軸支される。
接合部56a、把持部56b、およびガイド部56cは、いずれも略筒状の部位であり、先端側から基端側に向かって、接合部56a、把持部56b、およびガイド部56cの順番で、1本の筒を構成するように一体的に形成される。
この接合部56aの先端には、周方向(軸を中心とする回転方向)に、等間隔で形成された4つの凸部57aと、凸部57aの間の4つの凹部57bが形成される。4つの凸部57aは、同一形状であり、鋸歯状、すなわち、一方の歯面の傾斜角が緩やかなテーパ形状であり、他方の歯面の傾斜角が略直角の段差をなす断面三角形状の凸部である。
この回転位置規制部材58は、円筒状の領域を先端側に向けて、貫通穴にハンドル本体の小径部52cに固定される。
接合部58aには、スライダガイド56の先端側の凸状の接合部56aと同様、基端側に突出し、当接面に対する2つの歯面の傾斜角が異なる、同一形状の4つの凸部59aが周方向に等間隔に形成されている。この凸部59aは、鋸歯形状、つまり、一方の歯面の傾斜角が緩やかでテーパ形状であり、他方の歯面の傾斜角が略直角の段差をなす断面三角形状の凸部である。また、隣接する凸部59aと凸部59aとの間は、凹部59bとなり、この凹部59bも4つ形成される。
ガイド溝66A〜66Cは、全て単純なストレートの溝である。ガイド溝66Dは、ストレートの溝の先端部が斜め延出しているものである。
各ガイド溝66A〜66Dは、例えば、ガイド部56cの周方向に等間隔、すなわち、90°間隔で形成されている。
また、両凸部は、一方の歯面の傾斜角がテーパ形状、他方の歯面が略直角であるので、スライダガイド56の回転方向は、一方向に記載される。この凸部の歯面の形状は、スライダガイドの回転方向が、ガイド溝66A、ガイド溝66B、ガイド溝66C、およびガイド溝66Dの順で係合溝68と重なる順番となるように形成されている。
付勢バネ60は、ハンドル本体52の小径部52cの外周に撒きつくように配置される圧縮バネであり、中径部52bの先端側端面と、接合部56aの基端側端面とを離間するように付勢する。すなわち、付勢バネ60は、スライダガイド56を、回転位置規制部材58に押しつけた状態とする。
また、スライダガイド56を所定方向に回転することにより、回転位置規制部材58の接合部58aおよびスライダガイド56の接合部56aの凹凸によって、回転に応じて、付勢バネ60の付勢力に逆らってスライダガイド56が凹凸のテーパに沿って基端側に移動して、凹凸のテーパから外れた時点(凹凸が略垂直の歯面となった時点)で、付勢バネ60の付勢力によって、再度、スライダガイド56が、先端方向に移動して、回転位置規制部材58に押しつけられる。
前述のように、回転位置規制部材58の接合部58aとスライダガイド56の接合部56aとの凹凸が係合した位置では、係合溝68とガイド溝66とが周方向で一致するように構成される。従って、クリップ処置具10の操作を行なう医師は、スライダガイド56を回転させることで、クリッピングの回数等に応じて、容易かつ正確に係合溝68とガイド溝66とを一致させることができる。
図10は、本発明の第1の実施形態の連発式クリップ処置具のスライダガイドを展開して示す模式図である。なお、図10において、スライダピン70の位置は、円により表される。
図11(A)〜(E)は、本発明の第1の実施形態の連発式クリップ処置具のクリッピング操作を段階的な状態を示す模式的断面図である。
なお、スライダピン70を、図10に示す位置P1に移動させるなど、図10を用いた説明においては、スライダピン70を省略し、単に「スライダガイドを位置P1に移動」、および「スライダガイドをHPに移動」などと記載する。
次に、スライダ54を引き、図10に示す位置P3、すなわち、HPに戻す。この操作により、クリップ12を連結したクリップ列Aが使用可能状態となる。この場合、例えば、図11(A)に示すクリップ12Aの状態となる。
また、必要に応じて、内視鏡の挿入部やアングル部の操作等によって、クリップ処置具10のクリップケース80の先端84aを目的とする位置に移動させる。
このスライダ54の押し出し、すなわち、操作ワイヤ20の押し出しにより、クリップ列Aが先端側に移動し、締付部40がクリップケース80の先端部84のスリット86により分離された部材88を外側に押し広げて開口部85を拡径しながら、先端84a側に移動する。
そして、図11(B)に示すように、クリップケース80の先端84aから、先頭のクリップ12Aと、連結リング14Aの保持部42までが突出する。これにより、クリップ12Aの腕部28が開放して、爪部22が所定の距離、自動的に離間する。この場合、開口部85は元の径に戻っており、保持部42が開口部85に嵌っている。
このため、クリップ処置具10においては、ガイド溝66Bの先端側の端部67Bは、クリップ12Aがクリップケース80から脱落せず、かつクリップ12等の製造誤差、クリップケース80の状態によらず確実に連結リング14Aの締付部40が、クリップケース80の先端84aから確実に出る、最大突出位置(クリップ待機位置)P5となるように形成してある。
従って、通常であれば、この最大突出位置P5までスライダ54を押し出した状態では、連結リング14Aの締付部40は、クリップケース80の先端84aよりも先に位置しており、図11(B)に示すように、締付部40の下面40bと、クリップケース80の先端84aとは離間している。
このとき、クリップ12Aのターン部24の尾部24aが、連結リング14Aの保持部42よりも基端側に達する。これにより、クリップ12Bのバネ力によって腕部28がクリップケース80の内壁(内面)に当たるまで拡開し、爪部22、22の間がクリップ12Aのターン部24の幅よりも広く開いて、クリップ12Aとクリップ12Bとの連結が解除される。
これにより、図11(E)に示すように、第1のクリップ12Aは、連結リング14で腕部28が締め付けられたままの状態で生体bを把持する。以上のように、第1のクリップ12Aによるクリッピングがなされ、第1のクリップ12Aは体内に残置される。
このとき、図11(B)に示す第1のクリップ12Aと同様に、第3のクリップ12Cが、クリップケース80の外側に突出し、しかも、締付部40の下面40bとクリップケース80の先端84aとが離間した状態となる。
その後、拡開した第3のクリップ12Cの爪部22をクリッピングする生体bの位置に押し付けて、スライダ54を基端側に移動させて、HP、すなわち、位置P15(クリップ完了位置)まで引き戻し、クリッピングを完了させる。このとき、第3のクリップ12Cが生体bを把持した状態が維持されるとともに、クリップ12Cのターン部24の尾部24aが、連結リング14Bの保持部42よりも基端側に達し、ダミークリップ18のバネ力によって腕部28がクリップケース80の内壁に当たるまで拡開し、爪部22、22の間がクリップ12Cのターン部24の幅よりも広く開いて、クリップ12Cとダミークリップ18の連結が解除される。これにより、第2のクリップ12Bが体内に残置される。
シース16を引き抜いた後、スライダ54をガイド溝66Aの先端側の端部67Aに当接する位置P2まで押し出す。そして、この状態で、クリップケース80の接続部83のめねじ部83aと、シース16の先端部16aのおねじ部17との螺合を解除し、クリップケース80をシース16の先端部16aから取り外す。更には、連結部材19を、操作ワイヤ20先端の接続部材21から取り外す。
さらに、クリップ処置を行う場合には、上述のように、クリップ列Aが装填されたクリップケース80の接続部83のめねじ部83aと、シース16の先端部16aのおねじ部17と螺合して、クリップケース80をシース16に取り付けて、クリップ処置を行う。
また、クリップケース80を取り外し自在とすることにより、例えば、クリップの数が多い場合には、クリップ列Aが収納されるクリップケース80を交換すればよく、常に新品のクリップケース80が用いられるので、従来のように、シースを引き出して、再度、1つずつクリップを取り付けることがなくなるため、患者にとって、安全かつ衛生的である。
さらには、例えば、クリップの数が多い場合に、従来では、複数のクリップが装填されたシースを用意しておけば、常に新品のものを用いることができるものの、この場合、複数のシースが必要であり、コストがかなり嵩む。しかしながら、本実施形態においては、クリップ列Aが装填されたクリップケース80を複数用意するだけであるため、コストの増加を抑制することができる。
また、スライダガイド56の回転、および、スライダ54の往復移動のみで、クリップの回数に応じて、適正な量、クリップ列Aを軸方向(シース16の長手方向)に移動して、クリッピングの準備状態とし、クリッピングおよび連結されたクリップの切り離しを行なうことができる。すなわち、本発明によれば、簡易な操作で、正確なクリッピングの処置を行なうことができる。
しかも、クリップケース80をシース16に取り付ける際、クリップ列Aのダミークリップ18に設けられた連結部材19と、操作ワイヤ20の接続部材21とを取り付け、クリップケース80の基部82の後端部82aに設けられた接続部83のめねじ部83aと、シース16の先端部16aのおねじ部17とを螺合すれば、複数のクリップ12A〜12Cを取り付けることができる。このため、クリップ12A〜12Cの取り付けには、複数のクリップ12A〜12Cをシース16内に引き込むことがなく、クリップ12A〜12Cを容易に取り付けることができる。加えて、この引き込みがないため、ガイド溝66Aの長さを短くできるため、スライダガイド56のガイド部56cの構成も簡素化することができる。
この場合、クリップケース80の長さを、各クリップサイズに応じて設定することができる。これにより、例えば、クリップケースの長さが固定されている場合、クリップサイズが短いものでは、長いものに比して、1発目のクリップのストロークが極端に変わってしまう。このため、適正なクリップ処置を行うためには、1発目のクリップ位置の補正が必要である。
しかしながら、各クリップサイズによって、クリップケース80の長さを変えることができる本実施形態においては、クリップのサイズが違っても、クリップケース80内における1発目のクリップ位置を略同じにできるため、1発目のクリップ位置の補正が不要である。これにより、クリップサイズが異なることによるクリップストロークの極端な違いを抑制することができる。
本実施形態のクリップパッケージ100は、上述の連発式クリップ処置具10において用いられるクリップ列Aが収納されたクリップケース80をパッケージ化した連結クリップパッケージであるが、本発明のクリップパッケージは、単発式クリップ処置具において用いられるクリップが1つであっても良いのはもちろんである。
クリップパッケージ100においては、クリップケース80の先端部84に上キャップ102が嵌められ、その後端部82aに下キャップ104が嵌められて、クリップケース80を閉塞した状態が保たれる。この上キャップ102および下キャップ104は取り外し可能である。
この場合、連結リングの締付部40の最大外径の部分が、クリップ列Aにおける最大外径部分であるため、クリップケース80の内壁と接触する部分が少なく、クリップ列Aをクリップケース80内に容易に収納できる。このように、クリップパッケージ100を得るために、煩雑な作業が伴うことがなく、クリップパッケージ100を容易に組み立てることができる。
また、例えば、クリップの数が多い場合には、クリップ列Aが収納されるクリップケース80を交換すればよく、常に新品のクリップケース80が用いられるので、従来のように、シースを引き出して、再度、1つずつクリップを取り付けることがなくなるため、患者にとって、安全かつ衛生的である。
さらには、例えば、クリップの数が多い場合に、従来では、複数のクリップが装填されたシースを用意しておけば、常に新品のものを用いることができるものの、この場合、複数のシースが必要であり、コストがかなり嵩む。しかしながら、本実施形態においては、クリップ列Aが装填されたクリップパッケージ100を複数用意するだけであるため、コストの増加を抑制することができる。
図13(A)は、本発明の第2の実施形態の連発式クリップ処置具に用いられるクリップを示す模式的斜視図であり、(B)は、図13(A)に示すクリップが閉じた状態を示す要部拡大図である。
図14(A)は、本発明の第2の実施形態の連発式クリップ処置具のクリップと共に用いられる連結リングを示す模式図であり、(B)は、その断面図である。
図15(A)は、本発明の第2の実施形態の連発式クリップ処置具の先端部の構成を示す模式的断面図であり、(B)は、図13(A)に対して90°回転させて、本発明の第2の実施形態の連発式クリップ処置具の先端部の構成を示す模式的断面図である。
なお、本実施形態においては、図1〜図12に示す第1の実施形態の連発式クリップ処置具と同一構成物には同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
本実施形態のクリップ13は、爪部22a、22bが長く、図13(B)に示すように、腕部28を閉じた場合、例えば、爪部22aが上側(先端側)で、爪部22bが下側(基端側)で、所定の隙間をあけて爪部22a、爪部22bとが重なる。クリップ13においては、上側の爪部22aがターン部24の開口を通り、下側の爪部22bがターン部24の尾部24aの下側に位置して、前のクリップ13のターン部24の尾部24aを挟み込むことにより、前のクリップ13と連結することができる。
本実施形態においては、後のクリップ13が先端側に移動する場合、下側の爪部22bで前のクリップ13のターン部24の尾部24aを押圧して、前のクリップ13を先端側に移動させる。
一方、後のクリップ13が基端側に移動する場合、上側の爪部22aで前のクリップ13のターン部24の尾部24aを押圧して、前のクリップ13を基端側に移動させる。
本実施形態の連結リング15においては、保持部45が円筒状の部材で構成されており、連結リング15には締付部40と保持部45とを貫通する穴47が形成されている。
保持部45の長さが、第1の実施形態の連結リング14(図4(A)〜(C)参照)に比して短く、ターン部24の尾部24aが保持部45から突出する。このため、後のクリップ13の爪部22a、22bは保持部45の内部に入ることがない。
クリップ13A〜13Cには、それぞれ連結リング15が嵌められている。各クリップ13A〜13Cは、後のクリップ13が、腕部28がクリップケース80の内壁で押圧されて腕部28が閉塞方向Cに閉塞されて、前のクリップ13のターン部24を爪部22a、22bで挟時して連結されている。
本実施形態においても、クリップ13の閉塞方向Cとターン部24の開口とが直交しているため、クリップ13は、閉塞方向Cを90°ずつ変えて連結される。
また、最も基端側のクリップ13Cには、操作ワイヤ20に係合されるダミークリップ18aが連結される。このダミークリップ18aは、クリップ13と同様の爪部22a、22bを有し、ダミークリップ18aの爪部22a、22bにより、最も基端側のクリップ13Cのターン部24が挟持される。
図16は、本発明の第2の実施形態の連発式クリップ処置具のスライダガイドを展開して示す模式図である。なお、図16において、スライダピン70の位置は、円により表される。
図16に示すように、本実施形態のスライダガイド110は、スライダ54(スライダピン70)を案内するための4本のガイド溝112A〜112Dと、ガイド溝112Aとガイド溝112Bとを連通させる水平溝114と、ガイド溝112B、112C、112Cを連通させる傾斜溝116とを有する。
なお、各ガイド溝112A〜112Dにおいては、ガイド溝112Aの溝の長さが一番短く、残りのガイド溝112B〜ガイド溝112Dの溝の長さは、同じである。
各ガイド溝112A〜112Dは、例えば、ガイド部56cの周方向に等間隔、すなわち、90°間隔で形成されている。
また、傾斜溝116はガイド溝112Dの先端側の端部よりも周方向に突出している。
図17(A)〜(E)は、本発明の第2の実施形態の連発式クリップ処置具のクリッピング操作を段階的な状態を示す模式的断面図である。
まず、必要に応じてスライダガイド56を回転して、ガイド溝112Aとハンドル本体52の係合溝68(図6参照)を一致(周方向の位置を一致)させ、スライダ54を、スライダピン70がガイド溝112Aの後端側の端面に当接するHPまで軸方向に移動させる。すなわち、スライダ54のスライダピン70を、図16に示す位置P21に移動させる。
なお、スライダピン70を、図16に示す位置P21に移動させるなど、図16を用いた説明においては、スライダピン70を省略し、単に「スライダガイドを位置P1に移動」、および「スライダガイドをHPに移動」などと記載する。
そして、クリップケース80の基部82の後端部82aに設けられた接続部83のめねじ部83aと、シース16の先端部16aに設けられたおねじ部17とを螺合させて、シース16にクリップケース80を取り付ける。
次に、クリップ列Gの連結部材19を操作ワイヤ20の接続部材21に取り付け、シース16にクリップケース80を取り付けた後、スライダ54を引き、図16に示す位置P23、すなわち、HPに戻す。この操作により、クリップ12を連結したクリップ列Gが使用可能状態となる。
また、必要に応じて、内視鏡の挿入部やアングル部の操作等によって、クリップ処置具10のクリップケース80の先端84aを目的とする位置に移動させる。
このスライダ54の押し出し、すなわち、操作ワイヤ20の押し出しにより、クリップ列Gが先端側に移動し、締付部40がクリップケース80の先端部84を押し広げながら、先端84a側に移動する。そして、図17(B)に示すように、クリップケース80の先端84aから、先頭のクリップ13Aと、連結リング15Aの保持部45の全てが突出する。これにより、クリップ13Aの腕部28が開放して、爪部22a、22bが所定の距離、自動的に離間する。このとき、次のクリップ13Bの腕部28はクリップケースの開口部で押圧されており、爪部22a、22bによる先頭のクリップ13Aは、クリップ13Bと連結されており、その連結は解除されていない。このため、先頭のクリップ13Aは、体内に落ちることがない。
このため、クリップ処置具10においては、ガイド溝112Bの先端側の端部113Bは、クリップ13Aがクリップケース80から脱落せず、かつクリップ12等の製造誤差、クリップケース80の状態によらず確実に連結リング14Aの締付部40の全てが、クリップケース80の先端84aから確実に出る、最大突出位置(クリップ待機位置)P25となるように形成してある。
従って、通常であれば、この最大突出位置P25までスライダ54を押し出した状態では、連結リング15Aの締付部40は、クリップケース80の先端84aよりも先に位置しており、図17(B)に示すように、締付部40の下面40bと、クリップケース80の先端84aとは離間している。
準備状態では、連結リング15Aの保持部45よりも外側に張り出した締付部40の下面40bにより、クリップケース80内への後退が阻止されている。
この場合、クリップ13Bは、クリップケース80内に配置されているため、腕部28がクリップケース80の内壁で押圧されていることから、前のクリップ13Aとの連結が解除されない。
そして、例えば、内視鏡の画像を見ながら、スライダ54をガイド溝112Cに沿って基端側に引き戻し、標準突出位置(クリップ開始位置)P30まで、クリップ列Gを引き戻す。すなわち、第2のクリップ13Bをクリップ開始位置にする。これにより、図11(C)に示す連結リング15Aと同様に、締付部40の下面40bがクリップケース80の先端84aに当接する。これにより、第2のクリップ13Bがクリッピングの準備状態となる。
この位置P32は、最大突出位置P29よりも、更に先端側であり、図17(E)に示すクリップ13Bのように、クリップ13Cが更に突出し、クリップケース80の内壁によるクリップ13Cの腕部28の押圧が解除される位置である。このため、爪部22a、22bが離間し、前のクリップ13Bのターン部24の尾部24aとの連結が解除される。これにより、クリップ13Bは生体bを把持した状態で体内に残置される。以上のように、第2のクリップ13Bによるクリッピングがなされる。
そして、例えば、内視鏡の画像を見ながら、スライダ54をガイド溝112Dに沿って基端側に引き戻し、標準突出位置(クリップ開始位置)P34まで、クリップ列Gを引き戻す。すなわち、第3のクリップ13Cをクリップ開始位置にする。これにより、図11(C)に示す連結リング15Aと同様に、締付部40の下面40bがクリップケース80の先端84aに当接する。これにより、第3のクリップ13Cがクリッピングの準備状態となる。
シース16を引き抜いた後、スライダ54をガイド溝112Aの先端側の端部113Aに当接する位置P22まで押し出す。そして、この状態で、クリップケース80の接続部83のめねじ部83aと、シース16の先端部16aのおねじ部17との螺合を解除し、クリップケース80をシース16の先端部16aから取り外す。更には、連結部材19を、操作ワイヤ20先端の接続部材21から取り外す。
なお、さらに、クリップ処置を行う場合には、上述のように、クリップ列Aが装填されたクリップケース80の接続部83のめねじ部83aと、シース16の先端部16aのおねじ部17と螺合して、クリップケース80をシース16に取り付けて、クリップ処置を行う。
本実施形態においても、第1の実施形態のクリップ処置具10と同様の効果を得ることができる。
さらには、本実施形態においては、保持部45を第1の実施形態に比して、小さくすることができるため、構成を更に簡素化することができ、部品コストおよび部品の製造コストを更に低減することができる。
本実施形態のクリップパッケージ100aは、本実施形態の連発式クリップ処置具において用いられるクリップ列Gをクリップケース80に収納し、パッケージ化した連結クリップパッケージであるが、本発明のクリップパッケージは、単発式クリップ処置具において用いられるクリップが1つであっても良いのはもちろんである。
なお、本実施形態においては、図12に示す第1の実施形態のクリップパッケージ100と同一構成物には、同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
図18は、本発明の第2の実施形態の連発式クリップ処置具に用いられるクリップパッケージを示す模式的断面図である。
本実施形態のクリップパッケージ100aにおいても、上キャップ102により、クリップケース80の先端84aが閉塞され、さらには先端部84のスリット86も覆われる。また、下キャップ104により、クリップケース80の後端部82aの接続部83および、接続部83近傍に形成された開口部90が覆われる。
クリップパッケージ100aにおいても、クリップケース80の先端部84に上キャップ102が嵌められ、その後端部82aに下キャップ104が嵌められて、クリップケース80を閉塞した状態が保たれる。
本実施形態のクリップパッケージ100aにおいても、第1の実施形態のクリップパッケージ100と同様の効果を得ることができる。
12 クリップ
14 連結リング
16 シース
18 ダミークリップ
19 連結部材
21 接続部材
20 操作ワイヤ
22 爪部
24 ターン部
26 交差部
28 腕部
30 凸部
40 締付部
41、43 穴
42 保持部
48 (クリップ処置具用)操作ハンドル
50 ハンドル部
52 ハンドル本体
54 スライダ
56 スライダガイド
56a 接合部
56b 把持部
56c ガイド部
58 回転位置規制部材
60 付勢バネ
62 指掛けリング
66A、66B、66C、66D ガイド溝
68 係合溝
70 スライダピン
80 クリップケース
90 開口部
100、100a クリップパッケージ
102 上キャップ
104 下キャップ
112A、112B、112C、112D ガイド溝
Claims (15)
- 円筒状のシースと、
前記シースの先端部に取り外し自在に設けられるものであり、円筒状の基部と、前記基部の先端側に形成され、基端側から先端側へ縮径され、その先端に開口部を有し、前記開口部が少なくとも前記基部の内径まで拡径する先端部を備えるクリップケースと、
前記クリップケース内部に設けられ、爪部が形成された腕部が2つ設けられ、前記腕部が閉じて前記爪部で対象物を挟むクリップと、
前記クリップに対して進退可能に嵌入され、前記クリップの前記腕部側に移動すると、その爪部が閉じるように前記腕部を締め付けるとともに、最大径部が前記クリップケースの基部の直径と略同じであり、前記クリップケースの先端通過後に前記クリップケース内への後退を阻止する連結リングと、
前記シース内を通り、前記クリップケース内で連結された複数のクリップの最後尾のクリップに接続される操作ワイヤと、
前記操作ワイヤを介して前記連結された複数のクリップを前進または後退させる操作手段とを有し、
前記複数のクリップおよび前記複数の連結リングがそれぞれ一体として、前記クリップケース内に格納されており、
前記操作手段により前記操作ワイヤを介して前記クリップを前進させて前記クリップケースの開口部から突出させ、前記クリップを後退させて前記連結リングにより前記クリップの前記腕部を締め付けて前記対象物を挟むことを特徴とする連発式クリップ処置具。 - 前記クリップケースの先端部は、軸方向に弾性変形可能である請求項1に記載の連発式クリップ処置具。
- 前記クリップケースの先端部には、前記開口部の端部から前記基端側に向って伸びるスリットが周方向に沿って、所定の間隔をあけて複数形成されている請求項1または2に記載の連発式クリップ処置具。
- 前記操作手段は、前記シースの後端部と連結され、その内部に前記シースから延在する前記操作ワイヤが配置される円筒状のハンドル本体と、
前記ハンドル本体の外周上に、その軸方向に移動可能に装着され、前記操作ワイヤと係合し、前記操作ワイヤを前記ハンドル本体の軸方向に移動させるスライダと、
前記ハンドル本体の外周上に、前記ハンドル本体の周方向に回転自在に装着され、前記ハンドル本体の軸方向における前記スライダの移動量を、その周方向の位置によって、前記操作ワイヤに連結される前記複数のクリップそれぞれのクリップ処置に要する、複数の異なる移動量に規制するスライダ移動量規制部材とを有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の連発式クリップ処置具。 - 前記連結リングは、更に前後のクリップの係合部を覆い、前記腕部を押圧して他のクリップを挟持して、前記前後のクリップの連結状態を維持するものである請求項1〜4のいずれか1項に記載の連発式クリップ処置具。
- 前記クリップは、前記腕部が前記クリップケースの内面で押圧されて他のクリップを挟持する請求項1〜4のいずれか1項に記載の連発式クリップ処置具。
- 前記クリップの挟持の解除は、前記クリップを挟持する他のクリップの腕部を前記クリップケースから突出させることによりなされる請求項6に記載の連発式クリップ処置具。
- 前記複数のクリップは、90°ずつ交互に向きが異なる請求項1〜7のいずれか1項に記載の連発式クリップ処置具。
- 前記クリップケースは、前記シースとの接続部近傍に、開口部が形成されている請求項1〜8のいずれか1項に記載の連発式クリップ処置具。
- シースと、前記シース内に挿通された操作ワイヤと、前記操作ワイヤを前進または後退させる操作手段とを有する内視鏡用のクリップ処置具に用いられるクリップケースであって、
前記円筒状の基部と、前記基部の先端側に形成され、基端側から先端側へ縮径され、その先端に開口部を有し、前記開口部が少なくとも前記基部の内径まで拡径する先端部を備えるクリップケースと、
爪部が形成された腕部が2つ設けられ、前記腕部が閉じて前記爪部で対象物を挟むクリップと、前記クリップに対して進退可能に嵌入され、前記クリップの前記腕部側に移動すると、その爪部が閉じるように前記腕部を締め付けるとともに、最大径部が前記クリップケースの基部の直径と略同じであり、前記クリップケースの先端通過後に前記クリップケース内への後退を阻止する連結リングとを備えるクリップ体と、
前記クリップが他のクリップ体の前記クリップを挟持して連結され、複数連結されたクリップ体のうち、最後尾のクリップ体の前記クリップを挟持するダミークリップと、
前記クリップケースの前記先端部を覆うように取りけられた取り外し可能な上キャップと、
前記クリップケースの後端に取り付けられた取り外し可能な下キャップとを有し、
前記クリップケースには、前記複数の連結されたクリップ体およびダミークリップが収納され、前記シースと取り外し可能に接続できる接続部が設けられており、
前記ダミークリップは、前記操作ワイヤに設けられた接続部材が接続される連結部材を備えることを特徴とするクリップパッケージ。 - 前記クリップケースの先端部は、軸方向に弾性変形可能である請求項10に記載のクリップパッケージ。
- 前記クリップケースの先端部には、前記開口部の端部から前記基端側に向って伸びるスリットが周方向に沿って、所定の間隔をあけて複数形成されている請求項10または11に記載のクリップパッケージ。
- 前記連結リングは、更に前後のクリップの係合部を覆い、前記腕部を押圧して他のクリップを挟持して、前記前後のクリップの連結状態を維持するものである請求項10〜12のいずれか1項に記載のクリップパッケージ。
- 前記クリップは、前記腕部が前記クリップケースの内面で押圧されて他のクリップを挟持する請求項10〜12のいずれか1項に記載のクリップパッケージ。
- 前記複数のクリップは、90°ずつ交互に向きが異なる請求項10〜14のいずれか1項に記載のクリップパッケージ。
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