以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。本実施形態は、本発明の情報処理システムを、所定の管理対象区画(建造物や、建造物の特定の部屋や、特定の敷地・エリアなど)に対する人物の入退場管理システムに適用した場合の実施形態である。
図1に、本実施形態の入退場管理システムとサーバの全体構成を示す。
入退場管理システム(情報処理システム)ISは、本実施形態における管理対象区画である会社における入場者及び退場者(以下、合わせて入退場者という)の入退場管理を行うものである。この入退場管理システムISは、社員Mに付随(携帯、所持等)された社員証カードTより、無線通信を介して情報の取得を行うリーダ100と、このリーダ100と例えばUSB等のインターフェースを介して接続され、リーダ100を操作可能なPC端末(情報処理装置)200とを有している。そして、上記PC端末200は、有線あるいは無線のネットワークNW(LAN、無線LAN等)を介してサーバ300と情報入出力可能に接続されている。なお、ここではリーダ100とPC端末200とを有線接続させた場合を例示したが、無線通信を介して無線接続させてもよい。
社員証カードTには、情報を記憶するIC回路部150及び情報の送受信を行うタグアンテナ151を備えた無線タグ回路素子To(無線タグ)が設けられている(後述の図2、図5参照)。上記IC回路部150には、各無線タグ回路素子Toの固有の識別情報であるタグID(タグ識別情報)が記憶されている。
PC端末200は、液晶ディスプレイ等の表示部201及びキーボードやマウス等の操作部202を有している。このPC端末200には、所定の入退場管理アプリケーションがインストールされており、PC端末200の電源投入時に自動又は手動操作により入退場管理アプリケーションが起動される。このアプリケーションが実行されている間は、表示部201に入退場管理画面(後述の図19参照)が表示され、社員が社員証カードTをリーダ100にかざすことにより、入場時刻又は退場時刻の記録等が行われる。
図2に、入退場管理システムIS及びサーバ300のシステム全体の機能構成を示す。
この図2において、PC端末200は、上記表示部201及び操作部202と、図示しないCPU及びRAM、ROM等のメモリを有する制御回路203と、サーバ300との間でネットワークNWを介して行われるネットワーク通信の制御を行うネットワーク通信制御部204と、ハードディスク装置等の大容量記憶装置からなる入退場管理データベース205(第2データベース、管理データベース)と、USBなどの規格に準拠するインターフェース接続を介してリーダ100との情報信号の授受の制御を行う通信制御部206とを備えている。
制御回路203は、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムを実行し、それによって上記入退場管理アプリケーションを実行したり、リーダ100との間で各種の指示信号・情報信号の送受を行うようになっている。
上記入退場管理データベース205は、タグID管理テーブル(第2テーブル;管理テーブル。後述の図6、図7、図8、図9、図10参照)を記憶したタグID管理データベース(図示省略)と、個人別入退場管理テーブルを記憶した打刻データベース(図示省略)とから構成されている。
タグID管理テーブルは、入退場管理の対象者である社員の人物識別情報とその他の関連する情報(詳細は後述)を、当該社員に付随される社員証カードTのタグIDとを対応付けて記録するためのものである。また、個人別入退場管理テーブル(後述の図3参照)は、入退場を行う社員の人物識別情報等と当該社員の入退場時刻とを対応付ける(詳細は後述)ようにして各社員の個人別に作成され、日々記録される。
一方、リーダ100は、社員証カードTに設けられ、情報を記憶するIC回路部150及び情報の送受信を行うタグアンテナ151を備えた無線タグ回路素子Toとの間で無線通信を行う通信アンテナ101と、この通信アンテナ101を介し上記無線タグ回路素子ToのIC回路部150へ無線通信によりアクセスすると共に、その無線タグ回路素子Toから読み出された信号を処理する高周波回路102と、上記PC端末200との間で行われる通信の制御を行う通信制御部103とを有している。上記高周波回路102とPC端末200の制御回路203とは、通信制御部103,206を介して情報の送受信が可能となっている。
また、サーバ300は、上記PC端末200との間でネットワークNWを介して行われるネットワーク通信の制御を行うネットワーク通信制御部301と、サーバ300全体の動作を制御する制御回路302と、ハードディスク装置等の大容量記憶装置からなる社員管理データベース(第1データベース;基本データベース)303とを有している。この社員管理データベース303には、当該会社に所属する全社員の人物識別情報とその他の関係する情報(詳細は後述)を記憶・管理するための社員管理テーブル(第1テーブル;基本テーブル。後述の図6、図9参照)が記録・管理されている。
図3は、個人別入退場管理テーブルの一例を示す図である。この図3に示す個人別入退場管理テーブルは、上記タグID管理テーブルとともに上記PC端末200の入退場管理データベース205に記録・管理される情報である。図示する例では、タグIDが「080000B5」、氏名が「山田花子」である入退場者一個人についての12月における入退場時間が記録されている。PC端末200の入退場管理データベース205には、このような個人別入退場管理テーブルが、タグID管理テーブルに記載されている入退場者の数(IDの数)だけ作成され、それぞれ記録・管理されている。
なお、インポート処理に係わる上記社員管理テーブル及びタグID管理テーブルの詳細については、図6〜図8等を用いて後述する。
図4に、リーダ100の高周波回路102の詳細機能構成を示す。
この図4において、高周波回路102は、上記通信アンテナ101を介し上記社員証カードTの無線タグ回路素子ToのIC回路部150の情報へアクセスするものである。この高周波回路102には、PC端末200の制御回路203により生成される、社員証カードTの無線タグ回路素子ToのIC回路部150から読み出された信号を処理して情報を読み出すと共に無線タグ回路素子ToのIC回路部150へアクセスして所望の情報を書き込むための各種コマンドが、通信制御部206,103を介して入力される。なお、煩雑防止のため図4では通信制御部206,103の図示を省略している。
高周波回路102は、通信アンテナ101を介し社員証カードTの無線タグ回路素子Toに対して信号を送信する送信部142と、通信アンテナ101により受信された無線タグ回路素子Toからの応答波を入力する受信部143と、送受分離器144とから構成される。
送信部142は、無線タグ回路素子ToのIC回路部150の無線タグ情報(タグID)にアクセスするための質問波を生成するブロックである。すなわち、送信部142は、周波数の基準信号を出力する水晶振動子145Aと、制御回路203の制御により水晶振動子145Aの出力を分周/遁倍して所定周波数の搬送波を発生させるPLL(Phase Locked Loop)145B、及びVCO(Voltage Controlled Oscillator)145Cと、上記制御回路203から供給される信号に基づいて上記発生させられた搬送波を変調(この例では制御回路203からの「TX_ASK」信号に基づく振幅変調)する送信乗算回路146(振幅変調の場合は増幅率可変アンプ等を用いてもよい)と、その送信乗算回路146により変調された変調波を増幅(この例では制御回路203からの「TX_PWR」信号によって増幅率を決定される増幅)して所望の質問波を生成するゲイン制御送信アンプ147とを備えている。そして、上記発生される搬送波は、例えばUHF帯(又はマイクロ波帯、あるいは短波帯でもよい)の周波数を用いており、上記ゲイン制御送信アンプ147の出力は、送受分離器144を介し通信アンテナ101に伝達されて無線タグ回路素子ToのIC回路部150に供給される。なお、質問波は上記のように変調した信号(変調波)に限られず、単なる搬送波のみの場合もある。
受信部143は、通信アンテナ101で受信された無線タグ回路素子Toからの応答波と上記搬送波とを乗算して復調するI相受信乗算回路148と、そのI相受信乗算回路148の出力から必要な帯域の信号のみを取り出すためのI相バンドパスフィルタ149と、このI相バンドパスフィルタ149の出力を増幅するI相受信アンプ162と、このI相受信アンプ162の出力をさらに増幅してデジタル信号に変換するI相リミッタ163と、上記通信アンテナ101で受信された無線タグ回路素子Toからの応答波と上記搬送波が移相器167により位相を90°遅らせた信号とを乗算するQ相受信乗算回路172と、そのQ相受信乗算回路172の出力から必要な帯域の信号のみを取り出すためのQ相バンドパスフィルタ173と、このQ相バンドパスフィルタ173の出力を増幅するQ相受信アンプ175と、このQ相受信アンプ175の出力をさらに増幅してデジタル信号に変換するQ相リミッタ176とを備えている。そして、上記I相リミッタ163から出力される信号「RXS−I」及びQ相リミッタ176から出力される信号「RXS−Q」は、上記制御回路203に入力されて処理される。
また、I相受信アンプ162及びQ相受信アンプ175の出力は、強度検出手段としてのRSSI(Received Signal Strength Indicator)回路178にも入力され、それらの信号の強度を示す信号「RSSI」が制御回路203に入力される。これにより、PC端末200では、無線タグ回路素子Toとの通信時における当該無線タグ回路素子Toからの信号の受信強度を検出することが可能となっている。
図5に、上記社員証カードTに備えられる無線タグ回路素子Toの機能的構成の一例を示す。
この図5において、無線タグ回路素子Toは、上述したようにリーダ100の通信アンテナ101と非接触で信号の送受信を行う上記タグアンテナ151と、このタグアンテナ151に接続された上記IC回路部150とを有している。
IC回路部150は、タグアンテナ151により受信された質問波を整流する整流部152と、この整流部152により整流された質問波のエネルギを蓄積し駆動電源とするための電源部153と、上記タグアンテナ151により受信された質問波からクロック信号を抽出して制御部157に供給するクロック抽出部154と、所定の情報信号を記憶し得るメモリ部155と、上記タグアンテナ151に接続された変復調部156と、上記メモリ部155、クロック抽出部154、及び変復調部156等を介し上記無線タグ回路素子Toの作動を制御するための上記制御部157とを備えている。
変復調部156は、タグアンテナ151により受信された上記リーダ100の通信アンテナ101からの質問波の復調を行い、また、上記制御部157からの返信信号を変調し、タグアンテナ151より応答波(タグIDを含む信号)として送信する。
クロック抽出部154は受信した信号からクロック成分を抽出し、当該クロック成分の周波数に対応したクロックを制御部157に供給する。
制御部157は、上記変復調部156により復調された受信信号を解釈し、上記メモリ部155において記憶された情報信号に基づいて返信信号を生成し、この返信信号を上記変復調部156により上記タグアンテナ151から返信する制御等の基本的な制御を実行する。
以上の基本構成において、本実施形態の特徴の1つは、互いにデータフィールドが異なる社員管理テーブルとタグID管理テーブルにおいて、フィールドマッピングを行うことによって、社員管理テーブル(インポート元である上記社員管理データベースに格納)のデータフィールドをタグID管理テーブル(インポート先である上記タグID管理データベースに格納)のデータフィールドに対応付けることである。また、もう1つの特徴は、このようにしてインポート処理を行った後に社員管理テーブルのデータ変更が生じて再インポート処理を行う場合に、タグID管理テーブルのデータ変更を必要最小限の部分だけにとどめるようにすることである。以下、その詳細を順を追って説明する。
(A)インポート処理
図6は、上述した、最初のインポート処理における上記社員管理テーブルと上記タグID管理テーブルとのフィールドマッピングの一例を示す図である。
この図6において、社員管理テーブルは、前述したように上記サーバ300の社員管理データベース303に記録・管理される情報であり、当該サーバ300において既にデータが入力されて作成済みの状態となっている。図示する例において、この社員管理テーブルには、「社員コード」「社員氏名」「部署」「内線番号」「メールアドレス」「入社年」「住所」「自宅TEL」の各情報項目(データフィールド)が設けられ、それぞれにデータが記録されている。なお、社員コードは、社員一個人(関連付け対象)に一つだけ割り当てられる数字番号であり、社員氏名とともに人物識別情報を構成している。そして、この社員管理テーブルは、一意に定義された上記各社員コード(社員一個人)に対応するデータ行(ロウ、行)と、各情報項目のフィールド(カラム、列)の表形式で構成されたいわゆるリレーショナルデータベースの形態となっている。
一方、タグID管理テーブルは、前述したように上記PC端末200の入退場管理データベース205に記録・管理される情報である。図示する例において、このタグID管理テーブルには、IDに対応してパスワード、タグID、氏名、部署、社内TEL、メール、及び権限の各項目の情報が記録されている。IDは、PC端末200が入退場者個人(関連付け対象)を特定するために設定する人物識別情報であり、上記社員コードと同様に入退場者一個人に一つだけ割り当てられる数字番号である。タグIDは、当該入退場者(社員)が所持する上記社員証カードTの無線タグ回路素子Toに記憶されているタグ識別情報である。なお、図6に示すタグID管理テーブルは、まだデータが全く入力されていない未作成の状態(インポート前の状態)を示している。このタグID管理テーブルもまた、一意に定義された各ID(入退場者一個人)に対応するデータ行と、各情報項目のフィールドの表形式で構成されたいわゆるリレーショナルデータベースの形態となっている。
なお、この例では、上記した社員コード及びこれに対応するIDと、社員氏名及びこれに対応する氏名のうち、一意的に個人を特定可能である社員コード及びIDを優先的に用いる人物識別情報として扱い、社員氏名及び氏名は(後述するように同姓同名の場合に一個人を特定できなくなる可能性があることから)、IDを補助する目的で用いる人物識別情報として扱う場合を、例にとって説明する。
ここで、上記図6に示す内容の社員管理テーブル及びタグID管理テーブルにおいて、上記データフィールド「社員コード」と上記データフィールド「ID」とは、互いにデータの用途・性質が実質的に同じとなっている。したがって、タグID管理テーブルにおいては、データフィールド「ID」のデータ内容として上記社員管理テーブルのデータフィールド「社員コード」のデータ内容をそのまま流用可能である。また、タグID管理テーブルの各IDに対応する「氏名」「部署」「社内TEL」「メール」の各データフィールドのデータ内容も、上記社員管理テーブルの「社員氏名」「部署」「内線番号」「メールアドレス」の各フィールドのデータ内容と同じものをそのまま流用可能である。
本来、異なるデータベースアプリケーションどうしでは、データフォーマットの違いなどによりデータを共有することは困難である。しかしながら、後述する図12に示す例のCSVファイルのように、例えばデータを単純な形式(この例ではテキスト形式)で記載したファイルを用いることで、異なるデータベース間でも容易にデータを入出力し共有(流用)することができる。一般に、データの出力元のデータベースがデータファイルを作成して出力することをいわゆるエクスポートといい、データの入力先のデータベースが当該データファイルを取得してデータを入力することをいわゆるインポートという。本実施形態では、特に注記しない限り、これらエクスポートとインポートの作業を合わせて「インポート処理」と称している。
上述したように、図6に示す例においてインポート処理を行う際には、データフィールド「社員コード」のデータ内容はそのままデータフィールド「ID」に対応付けて流用し、同様に「社員氏名」「部署」「内線番号」「メールアドレス」の各データフィールドのデータ内容はそのまま「氏名」「部署」「社内TEL」「メール」の各フィールドに対応付けて流用する。本実施形態では、このようにインポート処理においてデータフィールドを対応付けるフィールドマッピングを行う。なお、この際、タグID管理テーブルにおける独自のデータフィールドのデータ内容は空欄として記載される(又は、例えば「***」等のような適宜の記号や、予め定めた適宜のデフォルト値・デフォルト事項のように、空欄ではない暫定的な記載としてもよい)。この欄には、後に管理者によって対応する適切な値・事項等が手操作によって入力される。
以上のようにして、本実施形態では、社員管理テーブルをインポート元とし、タグID管理テーブルをインポート先として上記のフィールドマッピングによるインポート処理を行う。この結果、図7に示すように、タグID管理テーブルにおいてフィールドマッピングの対象とされている各データフィールドにデータが入力される。そして、データベース205,303の管理者が、残りのフィールドマッピング非対象とされているデータフィールド(つまりタグID管理テーブルにおける独自のデータフィールド)である図示する例の「パスワード」「タグID」「権限」のそれぞれに対して操作部202の操作を介してデータを入力することで、図8に示すようにタグID管理テーブルが完成する。
(B)再インポート処理
上記のようにしてインポート処理が完了した後、何らかの事情でインポート元である社員管理テーブルの内容が変更される場合がある。このような場合、上記のようにして社員管理テーブルのデータを流用して形成した、インポート先のタグID管理テーブルの内容に対しても、当該変更を反映させる必要がある。本実施形態においては、この変更反映(テーブルのデータ更新)のために再インポート処理を行う。
図9は、社員管理テーブルからタグID管理テーブルへの上記再インポート処理の一例を示す図である。
図9において、この例では、上記図6に示した内容の社員管理テーブルのデータが、図9に示すように変更(図中においては変更箇所に下線を付して示す。以下同様)されている。この場合、この変更内容をタグID管理テーブルにも反映させるために、再度上記同様のフィールドマッピングに基づく再インポート処理によって、タグID管理テーブルのデータ内容を更新する。
ここで、社員コード単位(個人単位)におけるデータの変更には3通りの態様がある。第1変更態様は、図示の社員コード「10000」の山田花子さんの例で、社員コード及び社員氏名は変わらず、社内の異動に伴って部署と内線番号だけが変更される場合である。すなわちこの場合、一部のデータフィールドのデータ内容のみが変更されるようにして再インポート処理が行われる。
第2変更態様は、図示の社員コード「10001」の山本一郎さんの例で、以前社員だった小川太郎さんが退職し社員コード「10001」に空きが生じたことを活用し、新入社員の「山本一郎」に当該社員コードを再利用して割り当てる場合である。すなわちこの場合、「社員コード」以外の全てのデータフィールドのデータ内容が変更される。
第3変更態様は、図示の社員コード「10042」の佐藤洋子さんの例で、新入社員である佐藤洋子さんに新規に社員コードが割り当てられ、社員コードを含む全てのデータフィールドのデータ内容が変更(新規追加作成)される。
以上のような本実施形態での再インポート処理によって、図10に示すように、上記第1〜第3の3つの変更態様にそれぞれ対応し、タグID管理テーブルにおける各データフィールドのデータ内容を適切に更新することができる。なお、この際、上記第2変更態様と第3変更態様に対しては、前述と同様、タグID管理テーブルにおける独自のデータフィールドのデータ内容は空欄(又は暫定的な記載)として記載される。
(C)制御手順
図11は、サーバ300がデータファイルをエクスポートする際に、サーバ300の制御回路302によって実行される制御手順を示す。このフローチャートは、例えばPC端末20の操作部202を介し管理者が上記(A)インポート処理や(B)再インポート処理を実行する操作を行った際に開始される(それ以外の適宜のタイミング、例えば電源ON時や、周期的タイミング等で開始するようにしてもよい)。
まず、ステップS5では、データファイルにおける最初のヘッダ行(後述の図12参照)に各データフィールドの名称を書き込む。
次にステップS10へ移り、上記ステップS5で記載したヘッダ行の次に各社員のデータをデータ行(後述の図12参照)として書き込む。
次にステップS15へ移り、上記ステップS5と上記ステップS10で各データフィールド名称と対応する各データが書き込まれたデータファイルを、適正なエクスポートファイルとして作成し、所定の記憶領域に記憶する。そしてこのフローを終了する。
図12は、上記図11のエクスポート手順により作成されたエクスポートファイルのデータ内容の一例を観念的に示す図である。なお、図示の例のデータ内容は、上記図6に示した社員管理テーブルのデータ内容に対応したものである。
この図12において、この例で示すエクスポートファイルは、複数のデータをテキストコードの記述によりコンマ区切りで列記するいわゆるCSV形式で記載した場合を示している。記述様式としては、リターンコードに対応する「CRLF」を終端に持つ一行が社員一個人のデータ行に対応しており、特に最初の一行は各データフィールドの名称を宣言するヘッダ行となっている。ヘッダ行と各データ行においては、各データフィールドの順に従ってデータがコンマ「、」で区切られて列記されており、つまり図示する例では各データ行においてそれぞれ8つのデータが列記されている。そして、ファイル中に記載された全てのデータフィールド名称及びデータがテキストで記述されているため、どのようなアプリケーションでも容易かつ正確にデータの読み込みが可能となっている。
図13は、上記図11の手順にてサーバ300によりエクスポートされたデータファイルを、PC端末200へインポートする際に、PC端末200の制御回路203において実行される制御手順を示す。このフローチャートは、例えばPC端末20の操作部202を介し管理者が上記(A)インポート処理や(B)再インポート処理を実行する操作を行った際に、開始される。
図13において、まずステップS105で、上記図11のエクスポート手順によりそれまでにサーバ300で作成された複数のエクスポートファイルのうちのいずれか一つを指定して読み込む。これにより、特に図示しないが、ヘッダ行における各データフィールド名称と、各データ行におけるデータが全て読み込まれ、PC端末200のメモリ内部において社員管理テーブルと同等のデータテーブルが展開して再現される。
次にステップS110へ移り、この時点でタグID管理テーブルがまだ未作成の状態であるか否か、つまり今回のインポートが上記タグID管理テーブルに対する最初のインポートであるか否かを判定する。タグID管理テーブルが未作成である場合、判定が満たされ、次のステップS115に移る。ステップS115では、操作部202を介した管理者の操作入力に基づき、図6を用いて上述したようなフィールドマッピングの設定処理を行い、その設定を記録する。
その後、ステップS200へ移り、上記図6に示したように、データ内容が全く記載されていない未作成状態のタグID管理テーブルのマッピング対象のデータフィールドにデータ内容をインポートする(初期インポート制御。詳細は後述の図15参照)。この手順が、前述の(A)インポート処理に対応する。
次にステップS120へ移り、操作部202を介した管理者の操作入力に基づき、タグID管理テーブルにおける全社員分のパスワード、タグID、及び権限の各データフィールドのデータを設定する。そして、このフローを終了する。
一方、上記ステップS110の判定において、タグID管理テーブルが作成済みである場合、つまり今回のインポートが上記タグID管理テーブルのデータ内容を更新するためのものである場合、判定が満たされず、ステップS125に移る。ステップS125では、既に(上述のステップS115において)記録されているフィールドマッピングの設定を読み込む。
その後、ステップS300へ移り、上記図9に示したように、社員管理テーブルにおける上記第1〜第3の3つの変更態様にそれぞれ対応して、タグID管理テーブル内の各データを変更(更新)するようインポートする(継続インポート制御。詳細は後述の図16参照)。この手順が、前述の(B)再インポート処理に対応する。
次にステップS130へ移り、操作部202を介した管理者の操作入力に基づき、前述の第2変更態様及び第3変更態様に対応した、つまりIDを再利用又は新規追加した社員分のパスワード、タグID、及び権限の各データフィールドのデータを入力設定する。そして、このフローを終了する。
上記のフローによる制御手順を行うことにより、今回のインポートがタグID管理テーブルへの最初のインポートである場合には、社員管理データベース303における所定のデータフィールドのデータをフィールドマッピングにより対応させたタグID管理テーブルの各データフィールドにそのまま転記し、その他のデータフィールドのデータを手動で入力してタグID管理テーブルを作成することができる(上記図6、図7、図8参照)。また、今回のインポートが当該PC端末200における2回目以降のインポートであってタグID管理テーブルのデータ内容を更新するためのものである場合には、社員管理テーブルにおける上記3つの変更態様にそれぞれ対応してタグID管理テーブル内の各データを更新し、未記録のデータについてのみ手動で入力してタグID管理テーブルを更新することができる(上記図9、図10参照)。
図14は、上記図13のフローにおけるステップS115でフィールドマッピングの設定を行う際のPC端末200の表示部201における表示の一例を示した図である。
図14において、表示部201にはフィールドマッピングの設定作業を行うためのウィンドウ401が表示されている。このウィンドウ401には、全てのデータが未記入状態となっているタグID管理テーブルの内容表示である「本データベースのデータフィールド割り当て設定」402と、エクスポートファイルから読み込んだデータフィールド名称及びデータにより再現された、社員管理テーブルの内容表示である「ソースファイル」403とが示されている。
タグID管理テーブルの内容表示402には、あらかじめ必要とされるデータフィールドが設定されており、それら各データフィールドのすぐ下に位置するセルにはそれぞれプルダウンメニューボタン404が表示されている。これら各データフィールドのプルダウンメニューボタン404は、それぞれを操作することで(図中ではデータフィールド「ID」のものを操作している状態)インポート元の社員管理テーブルにおける全てのデータフィールド名をプルダウンメニュー405で一覧表示させることができる。そして、その一覧表示されたうちの一つを選択して、インポート先であるタグID管理テーブルにおけるデータフィールドに対応付ける(マッピングする)よう設定することができる。
なお、各プルダウンメニュー405には、社員管理テーブルの全てのデータフィールド名とともに非設定の選択項目(図中の「(なし)」)も表示されて選択設定できるようになっており、この非設定を選択した場合には、タグID管理テーブルの当該データフィールドは独自のデータフィールド(マッピング非対象のデータフィールド)となってインポート元の社員管理テーブルとのフィールドマッピングによる対応付けが行われなくなる(図中では、いずれのデータフィールドも非設定が選択されている初期状態を示している)。
このような構成により、管理者は、下方に表示されているインポート元の社員管理テーブルの内容表示403における各データフィールドのデータ内容を確認して、上方に表示されているタグID管理テーブルの内容表示402のそれぞれのデータフィールドに対し、データフィールドどうしの対応付け(フィールドマッピング)を設定することができる。
図15は、図13中のステップS200においてPC端末200の制御回路203により実行される初期インポート制御の詳細手順を表すフローチャートである。
図15において、まず、ステップS205で、上記図13のステップS105でエクスポートファイルから読み込んだデータ行に対応するカウンタ変数Iを1に初期設定し、その上限数であるTに上記ステップS105で読み込んだエクスポートファイルのデータ行数、つまり社員数を代入する。
次にステップS210へ移り、読み込み済みのデータ行のうちI番目のデータ行のデータ内容(この例では8データフィールド分のデータ)を取得する。
その後、ステップS270で、タグID管理テーブルの対応データ行における全てのデータフィールドに対して、I番目の読み込みデータ行の各データフィールドのデータ内容をフィールドマッピングの設定に基づいて記録する。このとき、タグID管理テーブルのデータ行においてマッピング非対象に設定されているデータフィールド(すなわちタグID管理テーブルにおける独自のデータフィールド)に対しては、前述した空欄又は暫定的に記載としておく。そしてステップS255へ移る。
ステップS255では、カウンタ変数Iの値が社員数Tに達したか否かを判定する。カウンタ変数Iの値が社員数Tと一致している場合、判定が満たされ、すなわちエクスポートファイル中の全てのデータ行数に対応して処理を行ったものとみなされ、このフローを終了する。一方、カウンタ変数Iの値が社員数Tに満たない場合、判定は満たされず、次のステップS260でカウンタ変数Iの値を1増加してステップS210に戻り、同様の手順を繰り返す。
図16は、図13中のステップS300においてPC端末200の制御回路203により実行される継続インポート制御の詳細手順を表すフローチャートである。
図16において、ステップS305では、図15のステップS205と同様、エクスポートファイルから読み込んだデータ行に対応するカウンタ変数Iを1に初期設定し、その上限数であるTにエクスポートファイルのデータ行数(社員数)を代入する。その後、ステップS310で、図15のステップS210と同様、I番目のデータ行のデータ内容(8データフィールド分のデータ)を取得する。
次にステップS315へ移り、上記図13のステップS125で読み込んだフィールドマッピングの設定を参照して、タグID管理テーブルにおけるデータフィールド「ID」が社員管理テーブルにおけるいずれかのデータフィールドに対応付けられているか(マッピング対象に設定されているか)否かを判定する。
これは、前述したように、優先的に用いる人物識別情報としてタグID管理テーブルにおけるID(又は社員管理テーブルにおける社員コード)が設定されている前提において、意図的に当該ID(又は社員コード)を用いることなくタグID管理テーブルにおける氏名(又は社員管理テーブルにおける社員氏名)だけを用いて入退場者(社員)を識別する場合に対処するものである。例えば、入退場者数(社員数)の少ない会社などでは、同姓同名となる可能性が低いため氏名だけで一個人の特定が可能となり、その場合には社員コードの設定記録を省略したり、データフィールド「ID」をマッピング非対象に設定するなどにより各データベース205,303の簡略化を図ることができる。
つまりステップS315では、タグID管理テーブルにおけるデータフィールド「ID」のデータが人物識別情報として記録されているか否かを判定する。データフィールド「ID」がマッピング対象に設定されている場合、判定は満たされ、次のステップS320へ移る。
ステップS320では、タグID管理テーブルにおける全社員のIDを検索して、上記ステップS310で取得したI番目の読み込みデータ行における社員コードとデータ内容が一致する(あるいは同等である。以下同様)ものがあるか否かを判定する。読み込みデータ行の社員コードと一致するIDが検出された場合、判定が満たされ、次のステップS325へ移る。なお、以下においては、このようにタグID管理テーブルにおいて上記の検出されたIDに対応するデータ行を対応データ行と称呼し、読み込みデータ行と区別する。
ステップS325では、上記ステップS320で検出されたIDに対応する対応データ行の氏名が、上記ステップS310で取得したI番目の読み込みデータ行の社員氏名と一致しているか否かを判定する。読み込みデータ行の社員氏名と氏名が一致する場合、判定が満たされ、次のステップS330へ移る。
ステップS330では、上記ステップS320で検出されたタグID管理テーブルにおける対応データ行と、上記ステップS310で取得されたI番目の読み込みデータ行とを比較して、データ内容の異なるデータフィールドを検索する。
次にステップS335へ移り、上記ステップS330の検出によって対応データ行と読み込みデータ行との間にデータ内容が異なるデータフィールドが検出されたか否かを判定する。データ内容が異なるデータフィールドが検出されなかった場合、判定が満たされず、すなわち当該読み込みデータ行においては前回のインポートを行ってからデータ内容が変更されなかったものとみなされ、ステップS355へ移る。一方、データ内容が異なるデータフィールドが検出された場合、判定が満たされ、すなわち当該読み込みデータ行においてデータ内容の変更がなされていたものとみなされ、ステップS337へ移る。
ステップS337では、前述のステップS320と同様、上記ステップS310で取得したI番目の読み込みデータ行における社員コードとデータ内容が一致するものあったかどうかか否かを再度判定する。これは、この後のステップS340及びステップS345を実行するかしないかを分岐させるためのものである。すなわち、ステップS330への移行は、上記のようにステップS325の判定が満たされた場合のほか、後述のステップS375の判定が満たされた場合も行われる。そして、ステップS340及びステップS345は、ステップS375の判定が満たされてステップS330→ステップS335と移行してきたときにのみ、実行すれば足りるためである。
ステップS337の判定が満たされた場合(すなわちステップS325の判定が満たされてステップS330へと移行してきた場合)はステップS337の判定が満たされ、後述のステップS350へ移る。ステップS337の判定が満たされない場合(すなわち、後述のステップS375の判定が満たされてステップS330へと移行してきた場合)はステップS337の判定が満たされず、ステップS340へ移る。
ステップS340では、上記ステップS330で検出されたデータフィールドに対してデータ内容の上書き更新を行うか否かを確認する上書き更新確認メッセージを表示部201に表示する。次にステップS345へ移り、操作部202での操作を介してデータ内容の上書き更新を行うよう指示入力されたか否かを判定する(選択手段としての機能)。上書き更新を行わないよう指示入力された場合、判定が満たされず、そのままステップS355へ移る。一方、上書き更新を行うよう指示入力された場合、判定が満たされ、次のステップS350へ移る。
ステップS350では、タグID管理テーブルの対応データ行において上記ステップS330で検出したデータ内容が異なるデータフィールドに対してのみ、I番目の読み込みデータ行のそれぞれ対応するデータフィールドのデータ内容で上書き更新を行う。なお、このステップS350の手順は、上記図9で説明した第1変更態様、つまり一部のデータフィールドのデータ内容のみ変更する態様に対応した更新処理の手順となる。そしてステップS355へ移る。
ステップS355は、上記図15のステップS255と同様、カウンタ変数Iの値が社員数Tに達したか否かを判定する。カウンタ変数Iの値が社員数Tと一致している場合、判定が満たされ、すなわちエクスポートファイル中の全てのデータ行数に対応して処理を行ったものとみなされ、このフローを終了する。一方、カウンタ変数Iの値が社員数Tに満たない場合、判定は満たされず、上記図15のステップS260と同様のステップS360でカウンタ変数Iの値を1増加してステップS310に戻り、同様の手順を繰り返す。
一方、上記ステップS325の判定において、読み込みデータ行の社員氏名と対応データ行の氏名のそれぞれのデータ内容が一致しなかった場合、判定は満たされず、次のステップS365へ移る。
ステップS365では、タグID管理テーブルの対応データ行においてID以外のマッピング対象に設定されている全てのデータフィールドに対し、I番目の読み込みデータ行のそれぞれ対応するデータフィールドのデータ内容で上書き更新を行う。なお、このステップS365の手順は、上記図9で説明した第2変更態様、つまりID(社員コード)以外の全てのデータフィールドのデータ内容を変更する態様に対応した更新処理の手順となる。また、タグID管理テーブルの対応データ行においてマッピング非対象に設定されているデータフィールドに対しては、空欄とする(又は前述と同様の暫定的記載を行う)。そして上記ステップS355へ移る。
また一方、上記ステップS320の判定において、I番目の読み込みデータ行の社員コードと一致するIDがタグID管理テーブルから検出されなかった場合、判定は満たされず、ステップS370へ移る。
ステップS370では、タグID管理テーブルにおいて新たにデータ行を追加作成し、この新規のデータ行の全てのデータフィールドに対して、I番目の読み込みデータ行の各データフィールドのデータ内容をフィールドマッピングの設定に基づいて記録する。なお、このステップS370の手順は、上記図9で説明した第3変更態様、つまりID(社員コード)を含む全てのデータフィールドのデータ内容を変更する態様に対応した更新処理の手順となる。また、タグID管理テーブルの新規データ行においてマッピング非対象に設定されているデータフィールドに対しては、空欄とする(又は前述と同様の暫定的記載を行う)。そしてステップS355へ移る。
また一方、上記ステップS315の判定において、タグID管理テーブルにおけるデータフィールド「ID」がマッピング対象に設定されていない場合、判定は満たされず、すなわちタグID管理テーブルにおいて氏名だけを人物識別情報として用いるものとみなされ、次のステップS375へ移る。
ステップS375では、タグID管理テーブルにおける全データ行の氏名を検索して、I番目の読み込みデータ行における社員氏名とデータ内容が一致するものがあるか否かを判定する。読み込みデータ行の社員氏名と一致する氏名が検出された場合、判定が満たされ、ステップS330以降の無変更の場合の処理又は氏名以外の一部データフィールドのみの変更(上記第1変更態様)に対応した更新処理を行う。但し、このようにステップS375の判定が満たされてステップS340を実行する場合は、(前述のステップS325の判定が満たされてこのステップS340を実行する場合と異なり)ステップS340での確認メッセージの表示手順とステップS345での確認指示入力とを実行してから上書き更新する。
一方、ステップS375において読み込みデータ行の社員氏名と一致する氏名が検出されなかった場合、判定は満たされず、上記ステップS370に移る。そして、前述したようなステップS370以降の新規データ行の追加及び氏名(社員氏名)を含む全てのデータフィールドのデータ内容を変更する態様(第3変更態様)に対応した更新処理を行う。
上記の制御手順を行うことにより、データフィールド「ID」がマッピング対象であるがデータフィールド「社員コード」とデータが一致するものがなかった場合、及び、データフィールド「ID」がマッピング非対象であってデータフィールド「社員氏名」とデータフィールド「氏名」によるデータ一致がなかった場合には、上記第3変更態様に対応して新規データ行の追加・記録によるタグID管理テーブルの更新処理を行うことができる。
また、データフィールド「ID」がマッピング対象でありデータフィールド「社員コード」とデータが一致するものがあって、かつ、その対応データ行のデータフィールド「氏名」のデータがデータフィールド「社員氏名」のデータと一致した場合と、データフィールド「ID」がマッピング非対象であってデータフィールド「社員氏名」のデータがデータフィールド「氏名」のデータと一致した場合には、各データフィールドの比較判定によるタグID管理テーブルの更新処理を行う。すなわち、読み込みデータ行と対応データ行の各データフィールドの比較により、対応データ行の無更新か、若しくは、上記第1変更態様に対応して対応データ行のID・氏名以外の一部のデータフィールドでデータ内容を上書き更新するか、のいずれかを行う。
また、データフィールド「ID」がマッピング対象でありデータフィールド「社員コード」とデータが一致するものがあって、かつ、その対応データ行の氏名が社員氏名と一致しなかった場合には、上記第2変更態様に対応して対応データ行のID以外の全てのデータフィールドでデータ内容を上書き更新するタグID管理テーブルの更新処理を行うことができる。
図17は、上記図16のフローにおけるステップS340の手順で上書き更新確認メッセージの表示と上書き更新の確認入力を行う際のPC端末200の表示部201における表示の一例を示した図である。
この図17では、前述した、ステップS375の判定が満たされてステップS340を実行する場合の表示例を示している。図17において、表示部201には、上書き確認のウィンドウ501が表示されており、このウィンドウ501には上書き更新確認メッセージとともに、対象となる氏名(この例では「山田花子」)と、更新対象のデータフィールドの名称(この例では「部署」)についての変更前の内容(この例では「総務部」)と変更前の内容(この例では「人事部」)が表示されている。管理者は、この変更前後の内容を確認して、操作部202を介し、ウィンドウ501中下方部の「はい」ボタン502、「いいえ」ボタン505のいずれかを操作することで上書き更新についての指示を入力する。
この例では、「はい」ボタン502を操作することで、表示されている対象レコードについて異なるデータフィールドだけを更新するよう指示する(図16におけるステップS345→ステップS350に対応)。また、「いいえ」ボタン505を操作することで、表示されている対象レコードについては更新しないよう指示し、もし他に更新対象のレコードがあれば対応するウィンドウを再度表示させるよう指示する(図16におけるステップS345→ステップS355に対応)。
また、この例では、上記「はい」ボタン502以外の更新指示として、「すべて上書き」ボタン503が設けられている。詳細な制御手順の説明を省略するが、この「すべて上書き」ボタン503を操作することによって、(表示された氏名に対応するレコード、及びそれ以外のレコードを含む)全レコードについて、異なるデータフィールドだけをすべて更新するよう指示可能となっている。
さらに、この例では、「新しく追加」ボタン504が設けられている。この「新しく追加」ボタン504は、上記図16のフローにおけるステップS315の判定でIDがマッピング非対象に設定されていると判定された(つまり氏名又は社員氏名だけを用いて社員を識別するよう設定した)ものの、同姓同名の者が社員管理テーブルに新規に登録されてしまった場合に対処可能とするものである。この「新しく追加」ボタン504を操作することで、タグID管理テーブルに当該新規の同姓同名者のためのデータ行を追加作成し、そのすべてのデータフィールドで読み込みデータ行のデータを記録するよう指示する。これにより、(詳細な制御手順の説明を省略するが)ステップS370と同様に、上記図9で説明した第3変更態様、つまり氏名(社員氏名)を含むすべてのデータフィールドのデータ内容を変更する態様に対応した更新処理の手順を行う。
図18に、入退場管理を行う際に、PC端末200の制御回路203によって実行される入退場検出処理の制御手順を示す。このフローチャートは、操作部202を介し管理者により入退場検出処理を実行する適宜の指示操作がなされた際に開始される。
ステップS405では、制御回路203は、通信制御部206,103を介してリーダ100の高周波回路102に制御信号を送信し、無線タグ回路素子Toのメモリ部155に記憶されたタグIDを読み出すタグ読み取り信号として、所定の変調を行った質問波を通信アンテナ101を介して通信範囲内に存在する無線タグ回路素子Toに送信させる。
ステップS410では、制御回路203は、上記タグ読み取り信号に対応して通信範囲内の無線タグ回路素子Toから返信されたリプライ信号を、通信制御部103,206を介して受信したか否かを判定する。リプライ信号を受信しない場合には、判定が満たされずに上記ステップS405に戻り、再び高周波回路102に制御信号を送信してタグ読み取り信号の送信を行う(リトライ)。一方、リプライ信号を受信した場合には、判定が満たされてステップS415に移る。
ステップS415では、制御回路203は、入退場管理データベース205の上記タグID管理データベースに格納されたタグID管理テーブルを参照し、上記ステップS410で受信したリプライ信号に基づき取得したタグIDが、タグID管理テーブルに登録されているか否かを判定する。登録されていない場合にはステップS420に移り、所定のエラー処理を行う(例えば表示部201に「未登録です」等のエラー表示を行ったり、警備員に通報する等)。その後、後述のステップS440に移る。一方、上記ステップS415の判定において、取得したタグIDがタグID管理テーブルに登録されている場合には、判定が満たされてステップS425に移る。
ステップS425では、制御回路203は、社員が入場及び退場のうちいずれをしようとしているのかを判定する。社員が後述する入場選択部(後述の図19参照)を選択している場合には、社員が入場しようとしているとみなし、判定が満たされてステップS430に移る。
ステップS430では、制御回路203は、入退場管理データベース205の上記打刻データベースにおいてすべての社員の数だけ格納されている個人別入退場管理テーブルのうち、上記ステップS410で受信したタグIDに対応する個人別入退場管理テーブルを検索してその時点の時刻を入場時刻として記録する。その後、後述のステップS440に移る。
一方、先のステップS425の判定において、社員が後述の退場選択部(後述の図19参照)を選択している場合には、社員が退場しようとしているとみなし、判定が満たされずにステップS435に移る。
ステップS435では、制御回路203は、上記ステップS410で受信したタグIDに対応する個人別入退場管理テーブルを検索してその時点の時刻を退場時刻として記録する。その後、ステップS440に移る。
ステップS440では、操作部202を介して当該入退場検出処理を終了するよう指示する操作が行われたか否かを判定する。終了操作が行われた場合、判定が満たされ、このフローを終了する。一方、終了操作が行われていない場合、判定はみたされず、ステップS405に戻り、同様の手順を繰り返す。
図19は、上記図18の入退場検出処理においてPC端末200の表示部201に表示される入退場管理画面の一例を示している。なお、図6(a)は社員の入場を検出する場合、図6(b)は社員の退場を検出する場合を示している。
これら図19(a)及び図19(b)において、入退場管理画面210は、日付及び時刻を表示する日時表示部211と、社員が入場をする際に選択する入場選択部212と、社員が退場をする際に選択する退場選択部213と、適宜のメッセージ等を表示するメッセージ表示部214とを有している。メッセージ表示部214の下方には、入場(図中「IN」と表示)及び退場(図中「OUT」と表示)のどちらが選択されているかが表示されている。
社員が会社に入場する際には、図19(a)に示すように、まず操作部202を用いて(例えばカーソルを合わせた後にマウスをクリックする等の操作で)入場選択部212を選択し、社員証カードTをリーダ100にかざす(入場時操作)。これにより、社員証カードTの無線タグ回路素子Toに対し情報読み取りが行わる。一方、社員が会社から退場する際には、図19(b)に示すように、まず操作部202を用いて(例えばカーソルを合わせた後にマウスをクリックする等の操作で)退場選択部213を選択し、社員証カードTをリーダ100にかざす(退場時操作)。これにより、社員証カードTの無線タグ回路素子Toに対し情報読み取りが行われ、退場時刻の記録が行われる。なお、表示部201をタッチパネルで構成し、上記入場選択部212及び退場選択部213を社員が直接画面に触れながら選択できるようにしてもよい。
以上において、社員コードをIDに対応付けるようフィールドマッピング設定している場合には、社員管理テーブルにおけるデータフィールド「社員コード」「社員氏名」が各請求項記載の識別子を構成する。そのうちデータフィールド「社員コード」のデータ内容である「10000」等がデータ識別情報を構成し、データフィールド「社員氏名」のデータ内容である「山田花子」等が対象識別情報を構成し、これらを合わせたものが第1識別情報として機能するとともに基本識別情報としても機能する。なお、IDがマッピング非対象となっている場合には、データフィールド「社員氏名」(識別子を構成する)のデータ内容である「山田花子」等(対象識別情報を構成する)だけが第1識別情報として機能するとともに基本識別情報としても機能する。
また、社員管理テーブルにおける上記「社員コード」及び「社員氏名」以外のデータフィールド、つまりこの例における「部署」、「内線番号」、「メールアドレス」、「入社年」、「住所」、及び「自宅TEL」の各データフィールドがそれぞれ第1データフィールドを構成するとともに基本データフィールドをも構成する。そして、これらのデータ内容である「総務部」等、「2345」等、「h.Yamada@・・」等、「1994」等(他記載省略)が、それぞれ第1データ本体を構成するとともに基本データ本体をも構成する。
そして、上記第1識別情報及び第1データ本体を合わせたデータ内容が第1データとして機能するとともに、上記基本識別情報及び基本データ本体を合わせたデータ内容が基本データとして機能する。
さらに、社員コードをIDに対応付けるようフィールドマッピング設定している場合には、タグID管理テーブルにおけるデータフィールド「ID」「氏名」が各請求項記載の識別子を構成する。そのうちデータフィールド「ID」のデータ内容である「10000」等がデータ識別情報を構成し、データフィールド「氏名」のデータ内容である「山田花子」等が対象識別情報を構成し、これらを合わせたものが第2識別情報として機能するとともに管理識別情報としても機能する。なお、IDがマッピング非対象となっている場合には、データフィールド「氏名」(識別子を構成する)のデータ内容である「山田花子」等(対象識別情報を構成する)だけが第2識別情報として機能するとともに管理識別情報としても機能する。
また、タグID管理テーブルにおける上記「ID」及び「氏名」以外のデータフィールド、つまりこの例における「パスワード」「タグID」「部署」「社内TEL」「メール」「権限」の各データフィールドがそれぞれ第2データフィールドを構成するとともに管理データフィールドをも構成する。そして、これらのデータ内容である「yamahana」等、「080000B5」等、「総務部」等、「2345」等、「h.Yamada@・・」等、「管理」等が、それぞれ第2データ本体を構成するとともに管理データ本体をも構成する。
そして、上記第2識別情報及び第2データ本体を合わせたデータ内容が第2データとして機能するとともに、上記管理識別情報及び管理データ本体を合わせたデータ内容が管理データとして機能する。
また、上記図13のフローにおけるステップS200の初期インポート制御の手順が初期インポート処理手段として機能し、ステップS300の継続インポート制御の手順が継続インポート処理手段として機能する。
また、上記図16のフローにおけるステップS350の手順が部分データ置換手段として機能し、ステップS365の手順が全体データ置換手段として機能し、ステップS370の手順が新規データ追加手段として機能する。
また、上記図18のフローにおけるステップS410の手順が、入退場検出手段として機能する。また、ステップS415の手順が、判定手段として機能する。また、ステップS430及びステップS435の手順が、時刻記録処理手段として機能する。
以上説明したように、本実施形態によれば、インポート元の社員管理テーブルからインポート先のタグID管理テーブルへの当初のインポート処理(図13のステップS200参照)が完了した後、インポート元の社員管理テーブルのデータ変更が生じた場合でも、インポート先のタグID管理テーブルのデータ変更を必要最小限の部分だけにとどめつつ、変更を反映させた再インポート処理(図13のステップS300参照)を行うことができる。すなわち、前述した第1変更態様に対応して、読み込みデータ行と対応データ行の各データフィールドの比較に基づき、対応データ行の一部のデータフィールド(社員管理テーブルにおいてデータ変更されたデータフィールドに対応するもの)のみでデータ内容を上書き更新する(図16のステップS350参照)。この結果、従来のように全面的にデータ差し替えを行う場合に生じ得るインポート先の独自データフィールド部分の削除や、変更後のデータを全面的に新規追加する場合に生じる未変更部分における変更前データとの同一データの重複や、変更後のデータを別ファイルや別シートの形とする場合のデータ加工や管理の煩雑さ、といった不都合を回避し、常に1つのタグID管理テーブルにおいて最新のデータを表示することができる。また、インポート元とインポート先とのデータフィールドの数が異なっても、不都合なく処理することができる。これによって、容易かつ確実にインポート先のデータの更新を行うことができる。
このとき、前述したように、(社員コードやIDをマッピング非対象とすることで)上記人物識別情報として、社員コード・IDを用いず社員氏名・氏名のみを用いることもできる。これにより、例えば社員コード・ID等を用いることなく、社員氏名・氏名等を用いたシンプルな形でデータ管理を行うことができる。
このようにIDをマッピング非対象に設定した場合、上書き確認ウィンドウ501において、管理者が「はい」ボタン502を操作して対応する更新対象のデータフィールドを更新するか、または「新しく追加」ボタン504を操作してタグID管理テーブルに新たなデータ行を追加作成してデータ内容を記録するか、を選択可能となっている。これにより、人物氏名等を用いたシンプルな形でデータ管理を行う際に生じうる、同姓同名の社員のデータについての不都合を回避し、円滑な処理を行うことができる。
また、この実施形態では特に、前述した第2変更態様に対応して、所定の社員コードに対応したすべてのデータフィールドのデータ内容で、当該社員コードに対応するID以外のすべてのデータフィールドのデータ内容を置き換える(図16のステップS365参照)。これにより、社員コード・ID等を割り振る社員が変わった場合等に対応した全面的なデータ差し替えを、円滑かつ確実に行うことができる。
また、この実施形態では特に、前述した第3変更態様に対応して、タグID管理テーブルにおいて新たにデータ行を追加するとともに、その新規追加したデータ行のすべてのデータフィールドに、社員コードに対応した全データフィールドのデータ内容を記録する(図16のステップS360参照)。これにより、社員管理テーブルにおいて全く新しいデータ追加があった場合にも、当該データ追加に対応したデータ追加をタグID管理テーブルにおいて確実に行うことができる。
また、この実施形態では特に、社員管理テーブルとタグID管理テーブルのそれぞれにおける人物識別情報として、各テーブルのデータ内容全体で共通に使用され、互いに対応付けられる組ごとに固有である、データフィールド「社員コード」「ID」及び「社員氏名」「氏名」の各データを用いる。これにより、社員管理テーブルからタグID管理テーブルへのインポート処理及び再インポート処理を行う際、固有の社員コードやIDを共通に用いつつ、社員コードに対応した社員管理テーブルの他のデータ内容全体と、IDに対応したデータ内容全体」との組ごとに、他の組と明確に区別し、円滑に管理を行うことができる。
また、この実施形態では特に、既存の適宜の社員管理データベース303で管理していた事柄に対し、新たに無線タグ(この例の社員証カードT)を用いた管理を行おうとするときに、無線タグTを介した管理を実行するために用いられる入退場管理データベース205に、もともとの社員管理データベース303のテーブル内容を転記し、当該入退場管理データベース205のデータの一部として円滑に活用することができる。
また、この実施形態では特に、インポート先の入退場管理データベース205を組み込んだ形で入退場管理システムISを構築することにより、システム構成を簡素化でき、また手軽に本発明の情報処理システムを実現することができ、さらに必要時には全体の移動も容易に行うことができる。なお、インポート元のデータベースである社員管理データベース303を入退場管理システムISに組み込まず、システム外に設けてデータのみを入退場管理システムISと送受信するように構成してもよい。
また、本実施形態では特に、所定の管理対象区画への社員Mの入退場管理を行う際、社員証カードTから取得されたタグIDをキーに入退場管理データベース205の上記タグID管理テーブルにアクセスすることで(図18のステップS415参照)、検出した社員Mが不法侵入者ではなく、正当な権限者であることの認証することができる。また、上記の認証時の時刻情報に基づき、入退場管理データベース205の上記個人別入退場管理テーブルに対し、入場時刻と退場時刻を記録(打刻)して管理する(ステップS430及びステップS435参照)。これにより、社員Mの出退勤管理を行うことができる。
なお、上記においては、本発明を、人物の入退場管理システムに備えられたデータベースのインポート処理に適用した場合を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、各種のデータを格納した、互いにデータ形式の異なる複数のデータベース同士におけるインポート処理に広く適用でき、これらの場合も同様の効果を得る。
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。