JP2010164697A - 被覆光ファイバの被覆除去装置及び被覆除去方法 - Google Patents

被覆光ファイバの被覆除去装置及び被覆除去方法 Download PDF

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Yoshiharu Kanda
佳治 神田
Tomohiro Konuma
朋浩 小沼
Yutaka Aoyanagi
豊 青柳
Noriyuki Kawanishi
紀行 川西
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Abstract

【課題】被覆光ファイバの被覆除去後でも光ファイバの破断強度の低下を十分に抑制することができる被覆光ファイバの被覆除去方法及び被覆除去装置を提供する。
【解決手段】一対のクランプで被覆光ファイバFをファイバ配置面に固定する第1工程、被覆光ファイバFから、除去刃3を用いて特定部位51aの未除去部のうちの除去予定部を除去する第2工程、除去刃3を特定部位51aに残っている未除去部のうちの除去予定部に対向する位置に配置させる第3工程を含み、第2工程が、被覆光ファイバFに除去刃3を食い込ませる工程、除去刃3の刃先3aを光ファイバ50から離間させる工程、除去刃3を被覆光ファイバFの光軸方向に沿って除去予定部を除去しながら移動させる工程を含み、第3工程の後、第2工程と第3工程とを交互に行うことで特定部位51aに残っている未除去部を除去する被覆光ファイバの被覆除去方法。
【選択図】図2

Description

本発明は、被覆光ファイバの被覆除去装置及び被覆除去方法に関する。
例えば光ファイバカプラを製造する場合、光ファイバを被覆で覆ってなる被覆光ファイバの中間部分の被覆を除去する必要がある。ここで、被覆がポリイミドなどの硬い材料で構成される場合、被覆光ファイバの光軸方向に対して斜めとなるように被覆に除去刃を食い込ませた後、そのまま光ファイバの長手方向に沿って除去刃を移動させることにより被覆が除去されるのが一般的である。
しかし、この場合、被覆に食い込ませる除去刃の食込み量の調整が不十分となり、光ファイバそのものに傷が付いてしまうなどの不具合が生じるおそれがある。
そこで、除去刃の食込み量の精度を保つため、被覆光ファイバに対して除去刃の反対側に受け板を設け、除去刃と受け板とで被覆光ファイバを挟み込んだ状態で被覆光ファイバの光軸方向に沿って除去刃及び受け板を同時に移動させることにより被覆の除去を行う被覆除去方法が知られている(特許文献1参照)。
特開平9−49931号公報
しかし、上記特許文献1に記載の被覆除去方法でも未だ、被覆光ファイバのうち、被覆が除去されて剥き出しとなった光ファイバの破断強度が低下する場合があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、被覆光ファイバの被覆除去後でも光ファイバの破断強度の低下を十分に抑制することができる被覆光ファイバの被覆除去方法及び被覆除去装置を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意検討を重ね、以下のことを見出した。即ち、被覆光ファイバにおける光ファイバの位置は、被覆光ファイバをクランプで固定する場合にクランプに付着したごみなどによって、想定した位置から僅かながらずれる場合がある。その場合には、除去刃を被覆光ファイバの被覆に、光ファイバから離間するように食い込ませても、実際には除去刃が光ファイバに近接しており、そのまま被覆光ファイバの光軸方向に沿って移動させるときに、除去刃によって光ファイバに傷が付くのではないかと考え、このことが、上記課題が生じる原因ではないかと考えた。そこで、本発明者らはさらに鋭意研究を重ねた結果、除去刃を被覆光ファイバの被覆に食い込ませた後、除去刃を光ファイバから離間させ、その後に除去刃を光ファイバの光軸方向に沿って移動させることで、上記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、光ファイバを被覆で覆ってなる被覆光ファイバから前記被覆のうちの特定部位を除去する被覆光ファイバの被覆除去方法において、一対のクランプで前記被覆光ファイバを基台のファイバ配置面に固定する第1工程と、前記被覆光ファイバから、除去刃を用いて前記特定部位の未除去部のうちの除去予定部を除去する第2工程と、前記除去刃を前記特定部位に残っている未除去部のうちの除去予定部に対向する位置に配置させる第3工程とを含み、前記第2工程が、前記被覆光ファイバの前記被覆に前記除去刃を食い込ませる食込せ工程と、前記除去刃の刃先を前記光ファイバから離間させる離間工程と、前記除去刃を前記被覆光ファイバの光軸方向に沿って前記除去予定部を除去しながら移動させる移動工程と、を含み、前記第3工程の後、前記第2工程と前記第3工程とを交互に行うことで前記特定部位に残っている未除去部を除去することを特徴とする被覆光ファイバの被覆除去方法である。
この被覆除去方法によれば、被覆光ファイバから、除去刃を用いて被覆における特定部位の未除去部のうちの除去予定部を除去する第2工程において、被覆光ファイバに除去刃を食い込ませ、除去刃の刃先を光ファイバから離間させる。このため、除去刃を食い込ませた時点では被覆光ファイバ内部の光ファイバの位置が想定した位置からずれて除去刃が光ファイバのすぐ近傍に配置されていたとしても、除去刃を被覆光ファイバの光軸方向に沿って移動させる場合に、除去刃が光ファイバを傷付けることを十分に抑制することができる。こうして被覆光ファイバから被覆のうちの特定部位の未除去部のうちの一部である除去予定部を除去した後は、除去刃を被覆光ファイバの特定部位に残っている未除去部のうちの除去予定部に対向する位置に配置させる。そして、上記第2工程及び上記第3工程を交互に行うことで、特定部位にまだ残っている未除去部が上記と同様にして除去される。この場合も、上記と同様に除去刃が光ファイバを傷付けることを十分に抑制することができる。従って、本発明の被覆光ファイバの被覆除去方法によれば、除去刃が光ファイバに傷をつけることを十分に抑制することができ、光ファイバの破断強度の低下を十分に抑制することができる。
前記食込せ工程は、前記被覆光ファイバに前記除去刃を前記被覆光ファイバの前記光ファイバに接触するまで食い込ませることが好ましい。
食込せ工程において除去刃を被覆光ファイバの光ファイバに接触するまで食い込ませることにより、その後の離間工程で、除去刃を離間させる距離を大きくとることが可能となり、除去刃が被覆から抜き出されてしまうことを十分に抑制することができる。なお、「光ファイバに接触するまで」とは、除去刃が光ファイバに接触する場合を含まないものとする。即ち、「光ファイバに接触するまで」とは、「除去刃が光ファイバに接触する寸前まで」を意味するものとする。
上記第2工程は、移動工程の後に、除去刃の刃先を前記光ファイバから離間させる工程と、前記除去刃を前記被覆光ファイバの光軸方向に沿って移動させる工程とをさらに含むことが好ましい。
この場合、上記移動工程の後は、特定部位のうち除去刃によって除去された除去予定部、即ち被覆屑は通常、被覆のうち特定部位以外の部分からまだ分離されていない場合があり、その場合には除去刃に対して光ファイバと反対側に接触している。そこで、除去刃の刃先を光ファイバから離間させた後、光ファイバをその光軸方向に沿って移動させると、被覆屑は、被覆のうち特定部位以外の部分との連結部分を中心に移動方向に向かって回転させられ、そのまま除去刃によって除去刃の移動方向に引っ張られる。その結果、被覆屑を被覆のうち特定部位以外の部分から分離することが可能となる。
また本発明は、光ファイバを被覆で覆ってなる被覆光ファイバから前記被覆のうちの特定部位を除去する被覆光ファイバの被覆除去装置において、前記被覆光ファイバが配置されるファイバ配置面を有する基台と、前記基台の前記ファイバ配置面に前記被覆光ファイバを固定する一対のクランプと、前記被覆光ファイバの被覆を除去する除去刃と、前記除去刃を前記ファイバ配置面に直交する方向に移動させる第1移動機構と、前記除去刃を前記ファイバ配置面に平行な方向に沿って移動させる第2移動機構と、前記除去刃を前記被覆光ファイバの前記特定部位の周囲に沿った任意の位置に配置させる第3移動機構と、を備えることを特徴とする被覆光ファイバの被覆除去装置である。
この被覆除去装置によれば、上記被覆除去方法を有効に実施することができる。
本発明によれば、被覆光ファイバの被覆除去後でも光ファイバの破断強度の低下を十分に抑制することができる被覆光ファイバの被覆除去方法及び被覆除去装置が提供される。
本発明に係る被覆光ファイバの被覆除去装置の一実施形態を概略的に示す平面図である。 本発明に係る被覆光ファイバの被覆除去工程の一工程を示す概略断面図である。 本発明に係る被覆光ファイバの被覆除去工程の一工程を示す概略断面図である。 本発明に係る被覆光ファイバの被覆除去工程の一工程を示す概略断面図である。 本発明に係る被覆光ファイバの被覆除去工程の一工程を示す概略断面図である。 本発明に係る被覆光ファイバの被覆除去工程の一工程を示す概略断面図である。 本発明に係る被覆光ファイバの被覆除去工程の一工程を示す概略断面図である。 (a)及び(b)は本発明に係る被覆光ファイバの被覆除去工程の一工程を示す概略断面図である。
以下、本発明に係る被覆光ファイバの被覆除去装置の実施形態について図1を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明に係る被覆光ファイバの被覆除去装置の一実施形態を示す被覆光ファイバの被覆除去装置を示す平面図である。
図1に示すように、被覆光ファイバの被覆除去装置(以下、単に「被覆除去装置」と呼ぶ)100は、ベースプレート10を備えている。ベースプレート10のベース面10a上には、被覆光ファイバFが配置される平坦なファイバ配置面1aを有する平面基台1と、平面基台1のファイバ配置面1aに被覆光ファイバFを固定する一対のクランプ2a,2bと、被覆光ファイバFの被覆を除去する除去刃3と、除去刃3の刃先3aをファイバ配置面1aに直交する方向(図のY方向)に沿って移動させる第1移動機構20と、除去刃3をファイバ配置面1aに平行な方向(図のX方向)に沿って移動させる第2移動機構30と、被覆光ファイバFを回転させる回転機構40とを備えている。
平面基台1は、ファイバ配置面1aが図1のX−Z面に平行となるようにベース面10a上に固定されている。ファイバ配置面1aには、被覆光ファイバFを安定的に配置させる位置決め溝(図示せず)が図のX方向に沿って形成されている。平面基台1には、一対のクランプ2a,2bを連結する連結部材(図示せず)が、平面基台1に対して図のY方向に沿ってスライド可能に設けられている。
第2移動機構30は、ベースプレート10のベース面10a上に固定される一対の軸受31a,31bと、一対の軸受31a,31bによって回転可能に支持され平面基台1のファイバ配置面1aに平行な方向(図のX方向)に沿って延びるボールネジ32と、ボールネジ32に対し一対の軸受31a,31bの外側の端部に接続されるモータ33と、ボールネジ32を貫通させボールネジ32をねじ係合させる主可動部34とを主として備えている。なお、ベースプレート10の一面10a上には、ボールネジ32に平行に延びるガイドレール35が固定され、ガイドレール35には、補助可動部36が当該ガイドレール35に沿って移動可能に設けられている。そして、補助可動部36には、主可動部34と補助可動部36とを連結させる連結部37が固定されている。このように主可動部34を連結部37を介して補助可動部36に連結し、補助可動部36をガイドレール35に沿って移動可能に設けることで、主可動部34を図のX方向に沿って安定に移動させることが可能となる。第2移動機構30では、モータ33を駆動すると、ボールネジ32が回転し、それに伴って主可動部34が図のX方向に沿って移動する。このとき、補助可動部36も、主可動部34と同様、ガイドレール35に沿って移動する。なお、主可動部34のX方向に沿った移動量は例えばフォトセンサにより測定可能となっている。
第1移動機構20は、主可動部34のベース面10aとは反対側の搭載面34a上にガイドレール21を備えており、ガイドレール21に対しては可動板22が図のY方向に沿って移動可能に設けられ、その可動板22の上には、除去刃3を搭載する除去刃搭載部23が可動板22から平面基台1側に突出するように固定されている。ここで、除去刃3は例えば平刃で構成されており、平面基台1のファイバ配置面1aに対して斜めとなるように配置され、除去刃3はファイバ配置面1aに対して例えば30°となるように配置されている。第1移動機構20では、ガイドレール21に対して可動板22が図のY方向に沿って移動されることにより、除去刃3が図のY方向に沿って移動される。なお、可動板22のY方向に沿った移動量は、例えばタッチセンサにより測定可能となっている。
回転機構40は、ベース面10a上に、平面基台1を挟む位置に固定される一対の軸受41a,41bと、軸受41a,41bに対して平面基台1と反対側で且つ回転可能に設けられる回転部42a,42bと、回転部42a,42bに固定され被覆光ファイバFをクランプするファイバクランプ部43a,43bと、軸受41a、41bに対して平面基台1側に設けられ回転部42の回転に連動して回転する従動歯車44a,44bとを備えている。ファイバクランプ部43a,43bは、回転部43a,43bに固定されるファイバ固定台と、ファイバ固定台の上に被覆光ファイバFを固定するクランプとで構成されている。なお、軸受41a,41b、回転部42a,42b及び従動歯車44a,44bにはそれぞれ、外周から中心に向かって延びる被覆光ファイバFを収容する切欠き41c,41d,42c,42d,44c,44dが形成されている。
また回転機構40は、軸受41a,41bによって回転可能に支持される回転駆動軸45と、回転駆動軸45が貫通し従動歯車44a,44bに噛み合うように設けられる駆動歯車46a,46bと、回転駆動軸45の一端に連結されるモータ47とを備えている。なお、被覆光ファイバFの回転角は、例えばロータリエンコーダなどの回転角センサにより測定可能となっている。
従って、回転機構40では、モータ47が駆動されると、回転駆動軸45が回転し、それに伴って駆動歯車46a,46bが回転する。これにより、駆動歯車46a,46bの回転駆動力が従動歯車44a,44bに伝達される。これに伴って、回転部42a,42bがともに回転し、ファイバクランプ部43a,34bもともに回転する。従って、除去刃3に対して、被覆光ファイバFを回転させることが可能となる。この結果、被覆光ファイバFの外周に沿った任意の位置に除去刃3を配置させることができる。
なお、ファイバクランプ部43bは回転部42bに対して図のX方向に沿って、バネなどの伸縮によってスライド可能に設けられており、これにより被覆光ファイバFにテンションを付与することが可能となっている。
次に、上記被覆除去装置100を用いた被覆光ファイバFの被覆除去方法について図1〜図9を用いて説明する。
まず被覆光ファイバFを準備する。図2に示すように、被覆光ファイバFは、光ファイバ50を被覆51で覆ってなるものである。ここで、光ファイバ50は、コア(図示せず)とその外周を覆うクラッド(図示せず)とで構成され、被覆51は、例えばポリイミドを含んでおり、除去対象となる特定部位51aと、除去対象でない非特定部位51bとで構成されている。特定部位51aは図2に示される2点鎖線の間の部位である。ここで、光ファイバ50は、例えば石英系光ファイバで構成されるが、フッ化物プラスチック光ファイバ、多成分系プラスチック光ファイバなどのプラスチック光ファイバなどで構成されてもよい。
以下の説明では、被覆51のうちの特定部位51aを除去する方法について説明する。
まずファイバクランプ部43a,43bで被覆光ファイバFをクランプする。そして、ファイバクランプ部43bを図のX方向に沿って軸受41bから離れる方向にスライドさせる。これにより、被覆光ファイバFにテンションを付与する。続いて、被覆光ファイバFを平面基台1のファイバ配置面1aの位置決め溝(図示せず)に収容し、一対のクランプ2a,2bを図のY方向に沿って移動させ、一対のクランプ2a,2bによって被覆光ファイバFを平面基台1のファイバ配置面1aに固定する(第1工程)。
続いて、被覆光ファイバFから、除去刃3を用いて被覆51のうちの特定部位51aの未除去部のうちの一部(除去予定部)を除去する(第2工程)。ここで、特定部位51aの一部を除去する工程について説明する。
まず可動板22をガイドレール21に対して図のY方向に沿って平面基台1に向かうように移動させる。これにより、除去刃搭載部23が図のY方向に沿って移動し、除去刃3が図のY方向に沿って平面基台1に向かうように移動する。こうして除去刃3を被覆光ファイバFに近づけ、この位置で停止させる(以下、この位置を「初期位置」と呼ぶ)。そして、除去刃3を図のY方向に移動させながらモータ30の駆動を開始させる。これによりボールネジ32が回転し、それに伴い、主可動部34が図のX方向に沿って軸受31aから軸受31bに向かう方向に移動する。こうして図2に示すように被覆光ファイバFの被覆51に除去刃3を食い込ませる(食込せ工程)。
このとき、本実施形態では、除去刃3の刃先3aが光ファイバ50の外周面に接触するまで除去刃3を食い込ませる。ここで、除去刃3の刃先3aが光ファイバ50の外周面に接触するかどうかは、可動板22と、第1移動機構20に含まれるタッチセンサとの距離とによって判断する。
除去刃3の刃先3aが光ファイバ50の外周面に接触した後は、モータ33を停止させると同時に可動板22の移動も停止させる。
次に、可動板22を図のY方向であって平面基台1から離れる方向に向かって移動させる(図3)。こうして除去刃3の刃先3aを光ファイバ50から離間させる(離間工程)。但し、このとき除去刃3の刃先3aが被覆51から抜け出されないようにする。除去刃3の刃先3aを光ファイバ50から離間させた後は、可動板22を停止させる。
次に、モータ33を駆動し、主可動部34を図のX方向に沿って軸受31aから軸受31bに向かうように移動させる(図4)。これにより除去刃3を光ファイバ50の光軸方向に沿って特定部位51aの未除去部のうちの一部を除去しながら移動させる(移動工程)。特定部位51aの一部を除去した後は、モータ33を停止させる。
このとき、除去した特定部位51aの一部(以下、「被覆屑」と呼ぶ)52は通常、除去刃3のうち光ファイバ50と反対側に接触した状態となっている。
そこで、可動板22を図のY方向であって平面基台1から離れる方向に向かって移動させ、除去刃3の刃先3aを光ファイバ50から離間させる(図5)。このとき除去刃3の刃先3aは、光ファイバ50の外周面から被覆51の厚さ以上の距離だけ離間させる。これにより、被覆屑52は、被覆51のうち非特定部位51bとの連結部分53を中心として回転させる。
こうして除去刃3の刃先3aを光ファイバ50から離間させた後は、可動板22を停止させる。
次に、モータ33を駆動し、主可動部34を図のX方向に沿って軸受31aから軸受31bに向かうように移動させる。これにより除去刃3を光ファイバ50の光軸方向に沿って移動させる(図6)。これにより被覆屑52は、非特定部位51bとの連結部分53を中心に除去刃3の移動方向(図のX方向)に向かって回転させられた後、そのまま除去刃3によって除去刃3の移動方向に引っ張られる。その結果、被覆屑52を非特定部位51bから分離することが可能となる(図7)。
こうして被覆光ファイバFの特定部位51aの一部を除去した後は、除去刃3を上記の初期位置に戻す。
その後、クランプ2a,2bをファイバ配置面1aから離れる方向に移動させ、被覆光ファイバFを解放する。続いてモータ47を駆動し、回転駆動軸45を回転させる。これに伴って駆動歯車46a,46bが回転し、この回転駆動力が従動歯車44a,44bに伝達され、回転部42a,42bが回転する。これによりファイバクランプ部43a,43bも回転する。こうして被覆光ファイバFを図8の(a)に示す状態から(b)に示す状態に回転させ、除去刃3が、被覆光ファイバFの特定部位51aにまだ残っている未除去部のうちの除去予定部に対向するように配置される(第3工程)。
この後は、上記と同様にして除去予定部を除去し、その後は被覆光ファイバFを回転させ、除去刃3が、被覆光ファイバFの特定部位51aに残っている未除去部のうちの除去予定部に対向するように配置される。
こうして被覆光ファイバFの被覆51における特定部位51aの未除去部のうちの除去予定部を除去する工程と、除去刃3を、特定部位51aに残っている未除去部のうちの除去予定部に対向配置させる工程とを交互に行い、最終的に特定部位51aの未除去部の全部を被覆光ファイバFから除去する。
以上述べた被覆光ファイバFの被覆除去方法によれば、被覆光ファイバFから、除去刃3を用いて被覆51における特定部位51aの未除去部のうちの除去予定部を除去する工程において、被覆光ファイバFに除去刃3を食い込ませ、除去刃3の刃先3aを光ファイバ50から離間させる。このため、除去刃3を食い込ませた時点では被覆光ファイバFの内部の光ファイバ50の位置が想定した位置からずれて除去刃3が光ファイバ50のすぐ近傍に配置されていたとしても、除去刃3を被覆光ファイバFの光軸方向に沿って移動させる場合に、除去刃3が光ファイバ50を傷付けることを十分に抑制することができる。
こうして被覆光ファイバFから、特定部位51aの未除去部のうちの除去予定部を除去した後は、除去刃3を被覆光ファイバFの特定部位51aに残っている未除去部のうちの除去予定部に対向する位置に配置させる。そして、上記のように特定部位51aの未除去部のうちの除去予定部を除去する工程と、上記のように除去刃3を被覆光ファイバFの特定部位51aに残っている未除去部のうちの除去予定部に対向する位置に配置させる工程とを交互に行うことで、特定部位51aに残っている未除去部が上記と同様にして除去される。この場合も、上記と同様に除去刃3が光ファイバ50を傷付けることを十分に抑制することができる。
従って、被覆光ファイバFの被覆除去方法によれば、除去刃3が光ファイバ50に傷をつけることを十分に抑制することができ、光ファイバ50の破断強度の低下を十分に抑制することができる。よって、被覆光ファイバFの被覆除去方法によれば、FBG(Fiber Bragg Grating)や光ファイバスプリッタなどの光ファイバ部品用の被覆除去光ファイバとして、信頼性の高い被覆除去光ファイバを得ることができる。
また本実施形態では、除去刃3を被覆51に食い込ませるに際し、被覆光ファイバFに除去刃3を被覆光ファイバFの光ファイバ50に接触するまで食い込ませている。
このため、その後、除去刃3を光ファイバ50から離間させるに際して、除去刃3を離間させる距離を大きくとることが可能となり、除去刃3が被覆51から抜き出されてしまうことを十分に抑制することができる。
さらに本実施形態では、除去刃3を図4のX方向に沿って移動させた後に、除去刃3の刃先3aを光ファイバ50から離間させ、その後除去刃3を被覆光ファイバFの光軸方向に沿ってさらに移動させている。
これにより、非特定部位51bからまだ分離されていない被覆屑52は、非特定部位51bとの連結部分53を中心に除去刃3の移動方向に向かって回転させられ、そのまま除去刃3によって除去刃3の移動方向に引っ張られる。その結果、被覆屑52を非特定部位51bから分離することが可能となる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、除去刃3を被覆51に食い込ませるに際し、被覆光ファイバFに除去刃3を被覆光ファイバFの光ファイバ50に接触するまで食い込ませているが、これは光ファイバの破断強度の低下を抑制する観点からは必ずしも必要なものではない。従って、除去刃3を被覆51に食い込ませる際に、除去刃3の刃先3aが光ファイバ50の外周面から離れていても構わない。
また上記実施形態では、除去刃3を図4のX方向に沿って移動させた後に、除去刃3の刃先3aを光ファイバ50から離間させ、その後除去刃3を被覆光ファイバFの光軸方向に沿ってさらに移動させているが、このことも、光ファイバの破断強度の低下を抑制する観点からは必ずしも必要なものではない。従って、除去刃3の刃先3aを光ファイバ50から離間させる工程を行い、さらに除去刃3を被覆光ファイバFの光軸方向に沿って移動させなくてもよい。その場合、被覆屑52が残るが、この被覆屑52は、例えば作業者がアルコールとキムワイプを使って手動で、除去対象でない非特定部位51bから分離することができる。
さらに上記実施形態では、被覆除去装置100が、被覆光ファイバFを回転機構40によって回転させることにより、除去刃3を被覆光ファイバFの周囲に沿った任意の位置に配置させているが、被覆光ファイバFを回転させず、除去刃3を被覆光ファイバFの周囲に沿って回転させるような構成であってもよい。
1…平面基台(基台)、1a…ファイバ配置面、2a,2b…クランプ、3…除去刃、20…第1移動機構、21…ガイドレール、22…可動板、23…除去刃搭載部、30…第2移動機構、3a,31b…軸受(第2移動機構)、32…ボールネジ(第2移動機構)、33…モータ(第2移動機構)、34…主可動部(第2移動機構)、35…ガイドレール(第2移動機構)、36…補助可動部(第2移動機構)、37…連結部(第2移動機構)、40…回転機構(第3移動機構)、41a,41b…軸受(第3移動機構)、42a,42b…回転部(第3移動機構)、43a,43b…ファイバクランプ部(第3移動機構)、44a,44b…従動歯車(第3移動機構)、45…回転駆動軸(第3移動機構)、46a,46b…駆動歯車(第3移動機構)、47…モータ(第3移動機構)、50…光ファイバ、51…被覆、51a…特定部位、F…被覆光ファイバ、100…被覆光ファイバの被覆除去装置。

Claims (4)

  1. 光ファイバを被覆で覆ってなる被覆光ファイバから前記被覆のうちの特定部位を除去する被覆光ファイバの被覆除去方法において、
    一対のクランプで前記被覆光ファイバを基台のファイバ配置面に固定する第1工程と、
    前記被覆光ファイバから、除去刃を用いて前記特定部位の未除去部のうちの除去予定部を除去する第2工程と、
    前記除去刃を前記特定部位に残っている未除去部のうちの除去予定部に対向する位置に配置させる第3工程とを含み、
    前記第2工程が、
    前記被覆光ファイバの前記被覆に前記除去刃を食い込ませる食込せ工程と、
    前記除去刃の刃先を前記光ファイバから離間させる離間工程と、
    前記除去刃を前記被覆光ファイバの光軸方向に沿って前記除去予定部を除去しながら移動させる移動工程と、
    を含み、
    前記第3工程の後、前記第2工程と前記第3工程とを交互に行うことで前記特定部位に残っている未除去部を除去することを特徴とする被覆光ファイバの被覆除去方法。
  2. 前記食込せ工程が、前記被覆光ファイバに前記除去刃を食い込ませ、前記被覆光ファイバの前記光ファイバに接触するまで食い込ませることを特徴とする請求項1に記載の被覆光ファイバの被覆除去方法。
  3. 前記第2工程が、前記移動工程の後に、
    前記除去刃の刃先を前記光ファイバから離間させる工程と、
    前記除去刃を前記被覆光ファイバの光軸方向に沿って移動させる工程と、
    をさらに含む請求項1又は2に記載の被覆光ファイバの被覆除去方法。
  4. 光ファイバを被覆で覆ってなる被覆光ファイバから前記被覆のうちの特定部位を除去する被覆光ファイバの被覆除去装置において、
    前記被覆光ファイバが配置されるファイバ配置面を有する基台と、
    前記基台の前記ファイバ配置面に前記被覆光ファイバを固定する一対のクランプと、
    前記被覆光ファイバの被覆を除去する除去刃と、
    前記除去刃を前記ファイバ配置面に直交する方向に移動させる第1移動機構と、
    前記除去刃を前記ファイバ配置面に平行な方向に沿って移動させる第2移動機構と、
    前記除去刃を前記被覆光ファイバの前記特定部位の周囲に沿った任意の位置に配置させる第3移動機構と、
    を備えることを特徴とする被覆光ファイバの被覆除去装置。
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