JP2010162700A - 積層構造体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明の積層構造体は、有機繊維からなる補強部材が、有機繊維集合体に部分的に積層一体化している積層構造体において、該補強部材の複数面の内で最も高い弾性勾配値を有する面が、有機繊維集合体の積層面と平行な状態で積層されてなることを特徴とすることにより、課題を解決する。
【選択図】 図1
Description
特許文献2に記載されている発明の場合、補強部材を構成する有機繊維の繊維径、ウェブの厚さや目付、見かけ密度などを適宜調整し、確かに積層構造体を車体にハンドリングする際に必要となる、全体が弛むことがない程の剛性を積層構造体の全体に与えることができる。しかし、その剛性は補強部材の有機繊維集合体における占有面積と、その配置を適切に規定する手段に依存することで得られるものであることから、積層構造体に更なる剛性を与えるためには、有機繊維集合体へ部分的に一体化している補強部材の面積量を増やさなければならず、重量が増してしまう。
特許文献3に記載されている発明の場合、特許文献2の発明と同様に、有機繊維集合体に部分的に一体化している補強部材を増やさなければならず、同じく積層構造体に更なる剛性を与えようとすると重量が増してしまう。
このように、有機繊維を用いて積層構造体を製造するという手段がとられているが、有機繊維から構成される補強部材を部分的に有機繊維集合体に積層する、という従来の技術や手法を用いた場合、剛性に優れる積層構造体を得るためには補強部材の量を増やすしか手段がない。つまり従来技術を用いる限りでは、より軽量でより剛性に優れる積層構造体を提供するのには限界があり、困難であることが判明した。
(1)有機繊維の選択
有機繊維集合体ならびに補強部材を構成する有機繊維として、以下の単成分ポリエステル繊維ならびに、熱融着作用を示す芯鞘型ポリエステル繊維を選択した。
[単成分ポリエステル繊維]
材料:ポリエチレンテレフタレート
融点:240℃
繊度:20dtex、繊維長:64mm
[芯鞘型ポリエステル繊維]
芯成分の材料:ポリエチレンテレフタレート
芯成分の融点:240℃
鞘成分の材料:改質ポリエステル
鞘成分の融点:160℃〜170℃
繊度:4.4dtex、繊維長:38mm
上述した単成分ポリエステル繊維を30質量%と、芯鞘型ポリエステル繊維を70質量%とを混綿した後、エアレイカード機を用いて繊維ウエブを形成した。次いで、この繊維ウエブの両面にニードルパンチ加工(針密度:50本/cm2)を施して、有機繊維同士を絡め合わせた。その後これを、熱風の温度を180℃に設定した熱風循環炉へと供給し熱加工を行い、芯鞘型ポリエステル繊維の熱融着作用を発現させ、鞘成分が溶融することで有機繊維同士を融着一体化させた。これにより、実施例1に係る平板状の有機繊維集合体(11)(目付:500g/m2、厚さ:20mm)を得た。
ニードルパンチ加工の針密度を100本/cm2としたことを除いて、有機繊維集合体と同様にして、平板状とした後、裁断し、短冊状の補強部材(12)(目付:500g/m2、厚さ:10mm、幅:10mm)を得た。
得られた短冊状の補強部材を、100mmの間隔を有する支持台間を跨ぐように載置した。引張試験機(テンシロンUCT-500)を使用し、短冊状の補強部材の中央部に対して、支持台間の垂直方向から重力方向へ50mm/minの速度で加圧し、0度回転時の弾性勾配値を測定した結果、3.2N/cmであった。
次に短冊状の補強部材に対して、支持台間方向に平行をなす軸を中心軸として、右方向に短冊状の補強部材を90度回転させ、90度回転時の弾性勾配値を測定した結果、4.8N/cmであった。同様に測定を行った結果、180度回転時の弾性勾配値は3.2N/cm、270度回転時の弾性勾配値は4.8N/cmであった。この結果から、90度ならびに270度回転時に測定された面が、短冊状の補強部材が有する複数面のうちで「最も高い弾性勾配値を有する面」であることが判明した。また本補強部材は有機繊維集合体の製造過程よりも、ニードルパンチ加工の針密度が高い製造過程を経て熱加工されることで、有機繊維同士が密に一体化している面(13)が、0度ならびに180度回転時に測定された面に形成されていることが判明した。
有機繊維集合体および補強部材以外に、以下の積層物を積層一体化して内装材を製造した。
[表皮材]
材料:ポリエステル
形状:不織布
目付:180g/m2
[接着用ホットメルト]
材料:改質ポリエステル
形状:くもの巣状ウェッブ
目付:17g/m2
[通気止め3層フィルム]
材料:変性オレフィン/ナイロン/変性オレフィンの3層
目付:50g/m2、厚さ:45μm
[水流絡合不織布]
材料:ポリエステル繊維
目付:30g/m2
目付を700g/m2としたこと以外は実施例1と同様にして、平板状の補強部材を得た。これを裁断し、短冊状の補強部材(目付:700g/m2、厚さ:10mm、幅:7.1mm)を得た。
この短冊状の補強部材の弾性勾配値を測定した結果、ニードルパンチ加工面における弾性勾配値よりも、ニードルパンチ加工面に対して直角面における弾性勾配値の方が高い値を示した。このことから、ニードルパンチ加工面に対して直角面が「最も高い弾性勾配値を有する面」であることが判明した。
この短冊状の補強部材を用いた以外は、実施例1と同様にして、目付977g/m2、厚さ17mmの内装材を製造した。
補強部材を用いなかった以外は、実施例1と同様にして、目付777g/m2、厚さ17mmの内装材を製造した。
補強部材を用いず、かつ目付が700g/m2の有機繊維集合体を用いた以外は、実施例1と同様にして、目付977g/m2、厚さ17mmの内装材を製造した。
短冊状の補強部材の「最も高い弾性勾配値を有する面」が、有機繊維集合体の積層面と垂直となるよう、有機繊維集合体に積層した以外は、実施例1と同様にして、目付977g/m2、厚さ17mmの内装材を製造した。
短冊状の補強部材の「最も高い弾性勾配値を有する面」が、有機繊維集合体の積層面と垂直となるよう、有機繊維集合体に積層した以外は、実施例2と同様にして、目付977g/m2、厚さ17mmの内装材を製造した。
目付が200g/m2の補強部材を、有機繊維集合体の全面に積層した以外は、実施例1と同様にして、目付977g/m2、厚さ17mmの内装材を製造した。
剛性の評価として、製造した内装材の弾性勾配値を測定した。まず、各内装材を長さ方向150mm、横方向50mmの寸法で採取し、短冊状試験片を得た。この際、短冊状の補強部材の長さ方向が各短冊状試験片の長さ方向に平行で、短冊状試験片の中心を通るように、短冊状の補強部材が一本のみ積層一体化されている状態で短冊状試験片を採取した。この短冊状試験片の表皮材が上となる向きとして、100mmの間隔をおいて配置した支持台上に、またがるように載置した。
次いで、試験片の表皮材面の中央部を加圧速度50mm/minで、支持台間の垂直方向から重力方向へ加圧した。この加圧時の弾性勾配値を、弾性勾配測定機(装置名:引張試験機、テンシロンUCT-500)、により経時的に計測し、弾性勾配値が最大となる点を記録した。
また、補強部材の「最も高い弾性勾配値を有する面」を、有機繊維集合体の積層面と平行に積層した実施例1および実施例2の内装材は、補強部材の「最も高い弾性勾配値を有する面」を、有機繊維集合体の積層面と垂直に積層した比較例3および実施例4の内装材と比べ、いずれも弾性勾配値に優れた内装材であった。この比較から、補強部材の「最も高い弾性勾配値を有する面」を、有機繊維集合体の積層面と平行な状態で積層一体化した内装材は、垂直な状態で積層一体化した内装材よりも、剛性が優れる内装材であるという結果がもたらされた。
更に、補強部材を部分的に積層した実施例1の内装材は、補強部材を全面的に積層した同目付の内装材である比較例5と比べ、弾性勾配値に優れた内装材であった。この比較から、補強部材を部分的に積層することにより、全面的に積層するよりも内装材の剛性が優れるという結果がもたらされた。
12・・・補強部材
13・・・有機繊維同士が密に一体化している面
21・・・接着用ホットメルト
22・・・表皮材
23・・・3層としたフィルムおよび流体絡合不織布の積層一体化物
30・・・積層構造体
a・・・有機繊維集合体における積層面を表わす直線又はその延長線
b・・・部分的に積層一体化された補強部材の複数面の内で「最も高い弾性勾配値を示した面」を表わす直線又はその延長線
c・・・直線aと直線bとのなす鋭角
Claims (2)
- 有機繊維からなる補強部材が、有機繊維集合体に部分的に積層一体化している積層構造体において、該補強部材の複数面の内で最も高い弾性勾配値を有する面が、有機繊維集合体の積層面と平行な状態で積層されてなることを特徴とする、積層構造体。
- 車両内装用積層構造体として使用される、請求項1に記載の積層構造体。
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JP2013507291A (ja) * | 2009-10-15 | 2013-03-04 | ジョンソン コントロールズ インテリアズ ゲーエムベーハー アンド カンパニー カーゲー | 車両部品の裏張り |
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JPH04113942A (ja) * | 1990-09-03 | 1992-04-15 | Kotobukiya Furonte Kk | 自動車のトランク内装材 |
JP2000229369A (ja) * | 1998-12-11 | 2000-08-22 | Japan Vilene Co Ltd | 不織布積層体及び自動車用内装材 |
JP2001341146A (ja) * | 2000-05-31 | 2001-12-11 | T S Tec Kk | 車両用ライニングの製造方法 |
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2009
- 2009-01-13 JP JP2009004401A patent/JP5112347B2/ja not_active Expired - Fee Related
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