JP2010162649A - 研磨用組成物、研磨用部材、及び研磨方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】機能性材料全般の研磨を高能率で行うことが可能であり、表面粗さ、平坦度、形状安定性などの点で良好な研磨特性を確保できる研磨用組成物を提供することを解決すべき課題とする。
【解決手段】式(1):NH(SiMeにて表されるシラザン化合物に接触して処理した微小粉体である疎水化砥粒を含有する研磨用砥粒を有することを特徴とする。式(1)で表されるシラザン化合物にて処理した疎水化砥粒を含有させた研磨用砥粒を有することにより、砥粒が被加工物や研磨に用いるパッドなどの研磨用部材への吸着力が向上し、研磨材の有効利用を図ることが可能になる。
【選択図】図2

Description

本発明は、半導体ウェハなどに用いられるSiウェハ、SiCウェハ、プラスチック製レンズなどの機能性材料の研磨に好適な研磨方法、その研磨方法に好適に用いることができる研磨用組成物及び研磨用部材に関する。
半導体ウェハなどに用いられるSiウェハ、SiCウェハ、プラスチック製レンズなどの機能性材料は、その性能を発揮するために、高品位、高平滑な面を得る必要がある。高品位、高平滑な面の形成は困難であるが、できるだけ短時間での加工が望まれる。機能性材料として例を挙げればシリコン半導体とその応用デバイスのCMP、高速動作、受発光性能が求められる化合物半導体、パワーデバイス用のSiCやGaN、大容量化が進むハードディスク基板、高屈折率で難加工材になってきたプラスチック製レンズがある。
機能性材料の加工工程の中でも研磨工程は、形状、面精度などを作り込む工程を担っているため重要な工程である。今日ではシリコンの研磨と同様に化学的機械研磨が適用されている。また、すべてにおいて高品位・低コストな研磨加工が求められている。そこで、この化学的機械研磨における研磨特性を左右する重要な因子である研磨材(研磨用組成物)、研磨工具(研磨用部材)に関する研究開発が進められている。
例えば、特許文献1では、可溶性シラン化合物を用いて主にタンタルを研磨する方法が提案されている。そして、特許文献2では、研削砥石ヘッドの回転ブレ及び被加工物を担持するターンテーブルの回転ブレを0.1μm以下とした超精密研削を行い、続いて研削砥石を外して研磨工具(パッド、フィルム)に交換して超精密研削と同一方式で鏡面研磨を行う超精密加工方法が開示されている。また、特許文献2には、更に、同一の超精密研削装置に同一の砥石ヘッドを2組並列させ、一方に研削砥石を、他方に研磨工具(パッド、フィルム)を装着し、研削終了後に被加工物を移動させて研磨を行う超精密加工方法が開示されている。これら特許文献2に記載の加工方法は研削と研磨とを同一の装置にて行うことが可能であり、高能率化且つ低コスト化を目的とするものである。また、特許文献3では、シリコン基板に対して研磨促進剤としてのヒドラジン化合物を用いることにより研磨能率の向上を図る方法が開示されている。
特表2004−502824号公報 特開平5−285807号公報 特開平7−228863号公報
ここで、特許文献1の技術では吸着力が弱く、研磨材が被加工物や研磨工具に保持されがたいとの問題点があった。そして、特許文献2の技術では新規装置の導入が必要な上、鏡面加工が適用できる程度にまで研削を行う必要があり、研削用の砥石の管理が難しいといった問題点がある。また、特許文献3の技術ではヒドラジン化合物による研磨促進効果は認められるものの、ヒドラジン化合物は環境負荷が高いことが問題になる。更に、特許文献3の技術では、研磨材自身の改良を組み合わせることによる研磨性能の向上が見込まれる。
また、近年の機能性材料の応用製品における高精度化、高機能化に伴い、研磨工程においても更なる精度向上に加え、環境負荷低減などが要求されている。
本発明では上記課題に鑑み完成したものであり、機能性材料全般の研磨を高能率で行うことが可能であり、表面粗さ、平坦度、形状安定性などの点で良好な研磨特性を確保できる研磨用組成物、研磨用部材、及び研磨方法を提供することを解決すべき課題とする。
上記課題を解決する請求項1に係る本発明の研磨用組成物の特徴は、分子中に下記式(A)で示す部分構造
(式(A)中、*で表される部分にて他の部分と結合される。他の部分は複数の*の間を連結する構造であっても良い。Xは水素、炭化水素基から選択される。)
を持つオルガノシラザン化合物に接触して処理した微小粉体である疎水化砥粒を含有する研磨用砥粒を有することにある。
上記課題を解決する請求項2に係る本発明の研磨用組成物の特徴は、請求項1において、前記微小粉体はシリカ及び/又は表面シランカップリング剤処理されたシリカから形成されることにある。
上記課題を解決する請求項3に係る本発明の研磨用組成物の特徴は、請求項1又は2において、前記研磨用砥粒は体積平均粒径が0.01μm以上、5μm以下であることにある。
上記課題を解決する請求項4に係る本発明の研磨用組成物の特徴は、請求項1〜3の何れか1項において、全体の質量を基準として2質量%以下の前記研磨用砥粒と、
前記研磨用砥粒を分散する水系分散媒と、を有することにある。
上記課題を解決する請求項5に係る本発明の研磨用組成物の特徴は、請求項1〜3の何れか1項において、アルカリ性物質、酸化剤、酸化物溶解剤、砥粒分散剤、キレート剤、及び糖類から選択される1つ以上の添加剤を有することにある。
上記課題を解決する請求項6に係る本発明の研磨用部材の特徴は、
不織布又は発泡ウレタンから構成される基材と、
前記基材に付着された請求項1〜5の何れか1項に記載の研磨用組成物と、を有することにある。
上記課題を解決する請求項7に係る本発明の研磨方法の特徴は、アルカリ性物質、酸化剤、酸化物溶解剤、砥粒分散剤、キレート剤、及び糖類から選択される1つ以上の添加剤を分散乃至溶解させた請求項4に記載の研磨用組成物を不織布又は発泡ウレタンからなる基材上に滴下しながら被加工物を研磨することにある。
請求項1に係る発明においては、分子中に上記式(A)で示される部分構造を持つオルガノシラザン化合物に接触して処理した微小粉体である疎水化砥粒を含有する研磨用砥粒を有することにより、砥粒が被加工物や研磨に用いるパッドなどの研磨用部材への吸着力が向上し、研磨材の有効利用を図ることが可能になる。特に請求項2のようなシリカからなる微小粉体を採用したり、請求項3のような粒径分布の研磨用砥粒を採用したりすることで、更に高い研磨能を発揮することができる。
請求項4に係る発明においては、疎水化砥粒を含有することにより高い研磨能率を低濃度でも発揮することが可能になったため、砥粒の濃度を低下させて砥粒の使用量を低減させることができる結果、環境負荷低減が実現できる。
請求項5に係る発明においては、添加剤を更に加えることにより研磨能率を大きく向上することができる。
請求項6に係る発明においては、不織布又は発泡ウレタンのような多孔質の部材中に上述した請求項1〜5の何れか1項の研磨用組成物を含浸させることにより、研磨用砥粒を多孔質中に強固に保持することができるため、研磨用砥粒の効果が長時間持続できる研磨用部材を提供することができる。
請求項7に係る発明においては、不織布又は発泡ウレタンのような多孔質の部材と共に上述した請求項1〜5の何れか1項の研磨用組成物を滴下しながら研磨を行うことによって、研磨用砥粒を多孔質中に強固に保持することができるため、研磨用砥粒を有効に利用することが可能になり、高い研磨能率を発揮することができる。
実施例の試験1において実施例及び比較例の砥粒について測定したIRスペクトルである。 実施例の試験1において実施例及び比較例の研磨用組成物における研磨レートの濃度依存性を示すグラフである。 実施例の試験2において実施例3の研磨用組成物(濃度0.5質量%)にて研磨したSiCウェハの表面をAFMにて観察したAFM写真(a)及びプロファイル(b)である。 実施例の試験2において比較例2の研磨用組成物(濃度0.5質量%)にて研磨したSiCウェハの表面をAFMにて観察したAFM写真(a)及びプロファイル(b)である。 実施例の試験2において比較例2の研磨用組成物(濃度20質量%)にて研磨したSiCウェハの表面をAFMにて観察したAFM写真(a)及びプロファイル(b)である。
本発明の研磨用組成物、研磨用部材、及び研磨方法について、実施形態に基づき以下、詳細に説明する。
(研磨用組成物)
本実施形態の研磨用組成物は研磨用砥粒を有する。研磨用砥粒は疎水化砥粒を含有する。疎水化砥粒の含有量は限定しないが研磨用砥粒全体の質量を基準として0.01質量%以上含有することが望ましく、0.1以上含有することがより望ましい。研磨用砥粒は体積平均粒径が0.01μm以上、5μm以下であることが望ましく、0.02、0.1下であることがより望ましい。研磨後の研磨面に必要とされる平滑度が大きい場合には研磨用砥粒の平均粒径は小さくすることが望ましいが、研磨速度向上の観点からは平均粒径は大きいことが望ましい。また、必要な平滑度に応じ、一定粒径(例えば、3μm、5μm)以上の研磨用砥粒を含有しない(又は含有量が制限される)ことが望ましい。
疎水化砥粒は素になる微小粉体に対して上記式(A)にて示される部分構造をもつシラザン化合物(以下、「シラザン化合物」と断り無く称する場合には上記式(A)の部分構造をもつシラザン化合物を示す。)を接触させて処理することにより製造されるものである。ここで、式(A)中、*で表される部分に連結される他の部分の構造は限定されないが、(a)炭化水素基のほか、(b)炭化水素基のうちの、炭素原子、及び/又は、炭素原子及び水素原子、の一部について、酸素又は窒素にて置換したもの、(c)水素原子の一部又は全部をハロゲンにて置換したものなどを採用できる。炭化水素基は複数の*の間を連結する構造であっても良く、その場合には本化合物は環状化合物になる。
シラザン化合物としては下記一般式(1)にて表されるシラザン化合物、下記一般式(2)にて表されるシクロポリシラザン化合物、下記一般式(3)にて表される環状有機ケイ素化合物が望ましい。
(1):RSi-NH-SiR
シラザン化合物を微小粉体に接触させた後、加熱したり、そのまま放置したりできる。シラザン化合物を微小粉体に接触させる方法としては、シラザン化合物をそのまま微小粉体に混合する方法、シラザン化合物を適正な溶媒に溶解乃至分散させて微小粉体に混合する方法などがある。混合は撹拌などにより促進できる。
一般式(1)におけるRは炭素数1〜10、好ましくは炭素原子数1〜4、特に好ましくは1〜2の1価炭化水素基で、1価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等のアルキル基等、好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、特に好ましくは、メチル基、エチル基からそれぞれ独立して選択可能である。また、上記1価炭化水素基はハロゲン基、水酸基、エステル基、エーテル基、アミド基、ウレイド基、ウレア基、シアノ基、ニトロ基、スルホン基等にて水素原子の1又は2以上を置換する置換アルキル基を含んでもよい。6つのRは、全て同一であっても、全て異なる基であっても、一部が同一であっても良い。好ましいシラザン化合物としてはヘキサメチルジシラザン、ヘキサエチルジシラザンを挙げることができ、より好ましくはヘキサメチルジシラザンが挙げられる。
一般式(2)におけるRは式(1)と同様であり、nは3〜10までの整数にて表される。好ましいシクロポリシラザン化合物としては1,1,3,3,5,5-ヘキサメチルシクロトリシラザン、1,1,3,3,5,5-ヘキサエチルシクロトリシラザンが挙げられる。Xは水素又は炭化水素基である。Xの炭化水素基は炭素数が1又は2程度であることが望ましい。
一般式(3)におけるR、X、nは式(1)と同等である。mは1〜nまでの整数にて表される。好ましい環状有機ケイ素化合物としては下記の構造の化合物(nが4、mが3)が挙げられる。
シラザン化合物の量としては特に限定しないが、微小粉体の単位表面積あたりのトリ1価炭化水素シリル基モル数が0.1〜15μmol/m、好ましくは0.5〜8μmol/m、となるように処理することが望ましい
微小粉体としては特に限定しないが、無機物であることが望ましく、シリカ、炭化ケイ素、アルミナ、窒化ホウ素など(これらの混合物を含む)が望ましい。微小粉体にシラザン化合物を接触させることにより、微小粉体の表面を疎水化する。微小粉体としては球状物、破砕物、球状物及び破砕物の混合物などが挙げられる。
微小粉体はシラザン化合物による処理に加えて他の処理を行うことが出来る。他の処理はシラザン化合物による処理の前後に行うことも、シラザン化合物による処理と同時に行うことも出来る。他の処理としては疎水化できる処理が好ましい。例えば、シランカップリング剤、チタネート、ジルコニウム系カップリング剤、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、シリコーンなどを微小粉体の表面に接触させて、化学反応を生じさせて表面を改質したり、物理的に吸着させて表面を改質することが出来る。
疎水化砥粒以外に含有する研磨用砥粒としては特に限定されず一般的な砥粒(シリカ、炭化ケイ素、アルミナ、窒化ホウ素など)を採用できる。
本実施形態の研磨用組成物は研磨用砥粒を分散する分散媒を有することができる。分散媒は水系の分散媒であり、水、アルコール、PGM、エチレングリコール等の水溶性溶媒、そしてこれらの混合物が挙げられる。水系分散媒中に研磨用砥粒は全体の質量を基準として2質量%以下(より好ましくは1質量%以下)の量を分散させることができる。疎水化砥粒を含有させることにより研磨用砥粒は低濃度でも高い研磨能率を発揮することができる。
水系分散媒には研磨用砥粒の他、アルカリ性物質、酸化剤、酸化物溶解剤、砥粒分散剤、キレート剤、及び糖類から選択される添加剤を含有させることができる。アルカリ性物質、酸化剤、酸化物溶解剤は被加工物と化学反応することにより研磨を促進させる作用を発揮するものであり、被加工物の材質により適正に選択される。砥粒分散剤は研磨用砥粒を水系分散媒中に均等に分散させるために添加する。キレート剤は被加工物の種類(銅など)によっては被加工物の表面の硬度を低下させることができ研磨を促進できる。糖類は研磨用砥粒の濡れ性を適正に制御することができる。
(研磨用部材)
本実施形態の研磨用部材は前述の研磨用組成物と基材とを有する。研磨用組成物については先に説明したものがそのまま採用できるため、更なる説明は省略する。基材は不織布又は発泡ウレタンである。不織布又は発泡ウレタンは多孔質であるため、孔中に研磨用組成物を保持することができる。基材が有する孔の孔径は1μm〜100μm程度であることが望ましい。研磨用組成物の添加量は特に限定しないが、基材の表面積1mあたり20g程度の研磨用砥粒を保持する程度にすることができる。本実施形態の研磨用部材は研磨を行う際に上述の研磨用組成物を更に滴下しながら使用することができる。この場合に、研磨用組成物としては水系分散媒中に研磨用砥粒が分散されている形態のものを採用することができる。更に、アルカリ性物質、酸化剤、酸化物溶解剤、砥粒分散剤、キレート剤、及び糖類から選択される1つ以上の添加剤を滴下しながら使用することができる。
(研磨方法)
本実施形態の研磨方法は、研磨用組成物を基材上に滴下しながら被加工物を研磨する方法である。研磨用組成物は水系分散媒中に研磨用砥粒を分散する形態のものであり、更にはアルカリ性物質、酸化剤、酸化物溶解剤、砥粒分散剤、キレート剤、及び糖類から選択される1つ以上の添加剤を含有するものである。この研磨用組成物を滴下しながら被加工物を研磨する。研磨用組成物としては上述した研磨用組成物であるため、更なる説明は省略する。基材については研磨用部材において説明しているので更なる説明は省略する。
(試験1)
本試験においては種々の研磨用組成物におけるSiウェハの研磨レートを測定した。試験に用いた研磨用組成物は、50nmのコロイダルシリカ(比較例1)と比較例1のコロイダルシリカ(微小粉体)にシラザン化合物(Rがすべてメチル基の化合物)を接触・反応させたもの(疎水化砥粒:実施例1)と実施例1のコロイダルシリカ(微小粉体)にビニルシランを接触・反応させたもの(疎水化砥粒:実施例2)とを用意し、それらの濃度を変化させて測定した。疎水化処理されたかどうかの確認はIRスペクトルにより行った。結果を図1に示す。図1より明らかなように、コロイダルシリカの表面にトリメチルキリル基の存在(導入)が確認された。
実施例1及び2においては研磨用砥粒として疎水化砥粒のみを用いた。いずれの濃度においても添加剤としてのピペラジンを0.6質量%になるように添加した。研磨はNanotech420j2を用い、圧力約41kPa(6psi)、回転数90rpmの研磨条件にて行った。結果を表1及び図2に示す。
表1及び図2より明らかなように、研磨用砥粒の濃度が2質量%以下の範囲においては、実施例1及び実施例2の研磨用組成物を用いて研磨を行う場合の方が比較例1の研磨用組成物を用いるよりも研磨レートが高いことが判った。すなわち、実施例1及び実施例2の研磨用組成物は、低濃度においても高い研磨能率を発揮できることが判った。例えば、1.25μm程度の研磨レートを達成しようとする場合、比較例1では1〜2質量%の濃度が必要であるところ、実施例1及び実施例2の研磨用組成物では0.2質量%程度と5分の1〜10分の1程度の研磨用砥粒濃度にて同程度の研磨能率を発揮することができた。
(試験2)
本試験においては種々の研磨用組成物におけるSiCウェハの研磨を評価した。試験に用いた研磨用組成物は、100nmのコロイダルシリカ(比較例2)と比較例2のコロイダルシリカ(微小粉体)にシラザン化合物(Rがすべてメチル基の化合物)を接触・反応させたもの(疎水化砥粒:実施例3)とを用意した。実施例3においては研磨用砥粒として疎水化砥粒のみを用い、研磨用砥粒の濃度は全体の質量を基準として0.5質量%とした。比較例2においては研磨用砥粒の濃度を全体の質量を基準として0.5質量%、20質量%の2種類を用意した。いずれの濃度においても添加剤としてのKOH及び過酸化水素水(過酸化水素30%含有)をKOHが1質量%、過酸化水素水が3.5質量%となるように添加した。研磨はMATBC15を用い、圧力約27kPa(4psi)、回転数60rpmの研磨条件にて90分間行った。その後、表面の状態をAFMにて観察し、表面に原子ステップが観察されるか否かを評価した。その結果、実施例3の研磨用組成物を用いた場合には濃度0.5質量%でも原子ステップが観察されるが、比較例2の研磨用組成物では濃度0.5質量%では原子ステップは観察できず、濃度20質量%にすることで原子ステップが観察できた。すなわち、実施例3の研磨用組成物の方が比較例2の研磨用組成物よりも低濃度で高い研磨能率を発揮できることが判った。AFM写真を図3〜5に示す。実施例3(0.5質量%:図3)と比較例2(20質量:図5)とにおいては、サブミクロンオーダーの規則的な模様が表れている。それに対して、比較例2(0.5質量%:図4)においては図3及び5のような規則正しい模様が現れていない。
(試験3)
本試験においては種々の研磨用組成物におけるCuウェハの研磨レートを測定した。試験に用いた研磨用組成物は、30nmのコロイダルシリカ(比較例3)と比較例3のコロイダルシリカ(微小粉体)にシラザン化合物(Rがすべてメチル基の化合物)を接触・反応させたもの(疎水化砥粒:実施例4)とを用意した。実施例4においては研磨用砥粒として疎水化砥粒のみを用い、研磨用砥粒の濃度は全体の質量を基準として0.1質量%とした。比較例3においては研磨用砥粒の濃度を全体の質量を基準として0.1質量%、5質量%の2種類を用意した。いずれの濃度においても添加剤としてのグリシン、過酸化水素水(過酸化水素30%含有)、及びベンゾトリアゾール(BTA)をグリシンが6質量%、過酸化水素水が1質量%、そしてBTAが0.04質量%となるように添加した。研磨はNanotech420j2を用い、圧力約14kPa(2psi)、回転数60rpmの研磨条件にて行った。その結果、実施例4の研磨用組成物を用いた場合には濃度0.1質量%で700nm/分であり、比較例3の研磨用組成物では濃度0.1質量%で250nm/分、濃度5質量%で400nm/分であった。すなわち、実施例4の研磨用組成物についても比較例3の研磨用組成物よりも低濃度で高い研磨能率を発揮できることが判った。
(試験4)
不織布(ニッタハースSUBA400)に研磨用組成物を含浸させて研磨用部材(研磨工具)を作成し、Siウェハを研磨したときの研磨レートを測定した。含浸させる研磨用組成物は、実施例1及び比較例1の研磨用砥粒を40質量%の濃度で水中に分散させたものであり、φ380の大きさの不織布に上記溶液が5gとなるように不織布中に含浸させた(実施例5の研磨用部材及び比較例4の研磨用部材)。Siウェハの研磨はMATBC15を用い、圧力約27kPa(4psi)、回転数60rpmの研磨条件で添加剤としてのピペラジンを0.6質量%になるように溶解した水溶液をそれぞれの研磨用部材上に滴下しながら行った。対照試験として、研磨用砥粒を含浸させていない不織布について同様の試験を行った。その結果、実施例5の研磨用部材では研磨レートが1.4μm/分であるのに対し、比較例4及び対照試験の研磨用部材では研磨レートが約0μm/分であった。比較例4の研磨用部材においてほぼ研磨が進行しないのは含浸させた研磨用砥粒が滴下した添加剤水溶液により流出したためと推測された。従って、実施例1の研磨用砥粒(研磨用組成物)は不織布への親和性が高いことが明らかになり、不織布中に良く保持できることが判った。

Claims (7)

  1. 分子中に下記式(A)で示す部分構造を持つオルガノシラザン化合物に接触して処理した微小粉体である疎水化砥粒を含有する研磨用砥粒を有することを特徴とする研磨用組成物。
    (式(A)中、*で表される部分にて他の部分と結合される。他の部分は複数の*の間を連結する構造であっても良い。Xは水素、炭化水素基から選択される。)
  2. 前記微小粉体はシリカ、及び/又は表面シランカップリング剤処理されたシリカから形成される請求項1に記載の研磨用組成物。
  3. 前記研磨用砥粒は体積平均粒径が0.01μm以上、5μm以下である請求項1又は2に記載の研磨用組成物。
  4. 全体の質量を基準として2質量%以下の前記研磨用砥粒と、
    前記研磨用砥粒を分散する水系分散媒と、を有する請求項1〜3の何れか1項に記載の研磨用組成物。
  5. アルカリ性物質、酸化剤、酸化物溶解剤、砥粒分散剤、キレート剤、及び糖類から選択される1つ以上の添加剤を有する請求項1〜4の何れか1項に記載の研磨用組成物。
  6. 不織布又は発泡ウレタンから構成される基材と、
    前記基材に付着された請求項1〜5の何れか1項に記載の研磨用組成物と、を有することを特徴とする研磨用部材。
  7. アルカリ性物質、酸化剤、酸化物溶解剤、砥粒分散剤、キレート剤、及び糖類から選択される1つ以上の添加剤を分散乃至溶解させた請求項4に記載の研磨用組成物を不織布又は発泡ウレタンからなる基材上に滴下しながら被加工物を研磨することを特徴とする研磨方法。
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