以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、この実施の形態にかかるスロットマシンの全体構造を示す正面図である。スロットマシン1の前面扉は、施錠装置19にキーを差し込み、時計回り方向に回動操作することにより開放状態とすることができる。このスロットマシン1の上部前面側には、可変表示装置2が設けられている。可変表示装置2の内部には、3つのリール3L、3C、3Rから構成されるリールユニット3が設けられている。リール3L、3C、3Rは、それぞれリールモータ3ML、3MC、3MR(図3参照)の駆動によって回転/停止させられる。
リール3L、3C、3Rの外周部に描かれた図柄は、リール3L、3C、3Rの駆動がそれぞれ停止したときにおいて、可変表示装置2において上中下三段に表示される。また、リール3L、3C、3Rの外周部には、図2に示すように、それぞれ「赤7」、「白7」、「BAR」、「スイカ」、「ベル」、「チェリー」、「JAC」、「★」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で描かれている。
リール3L、3C、3Rの何れについても、「ベル」と「JAC」は、それぞれ最大でも5コマ以内の間隔で配置されている。一方、「赤7」、「白7」、「BAR」は、リール3L、3C、3Rの少なくとも1つにおいて、配置間隔が5コマよりも大きくなっている箇所があり、特に左のリール3Lについては、「赤7」、「白7」、「BAR」が互いに7コマの間隔で1つずつ配置されている。また、左のリール3Lでは、「赤7」、「白7」、「BAR」のそれぞれ3つ上に「チェリー」が配置されている。さらに、右のリール3Rについては、「チェリー」が2つ配置されているが、どちらも「赤7」、「白7」、「BAR」と同時に導出されることはない位置である。
リールユニット3内には、リール3L、3C、3Rのそれぞれの基準位置を検出するリールセンサ3SL、3SC、3SR(図2参照)と、リール3L、3C、3Rの上中下段の図柄に対して背面から光を照射する合計9個のリールランプ3LP(図2参照)とが設けられている。9個のリールランプ3LPは、それぞれ個別に発光態様を変えることが可能になっている。
このスロットマシン1では、何れの遊技状態においても賭け数として3が設定されている状態でのみゲームを開始させることができ、上中下段の3本及び対角線の2本の合計5本の入賞ラインが設定される。この5本の入賞ラインのうちの何れかの入賞ラインに後述する入賞となる図柄の組み合わせが揃うと入賞となり、入賞となったときには、該入賞を発生させた入賞ラインに含まれるリールランプ3LPが通常時とは異なる所定の発光態様(例えば、点滅、輝度を高くするなど)で点灯される。
また、可変表示装置2の周囲には、各種表示部が設けられている。可変表示装置2の下側には、ゲーム回数表示部21と、クレジット表示部22と、ペイアウト表示部23とが設けられている。ゲーム回数表示部21は、7セグメント表示器によるゲーム回数表示器51(図3参照)によって構成され、後述するレギュラーボーナスにおけるゲーム数及び入賞数をカウントするカウンタの値を表示する。さらに、ゲーム回数表示部21は、エラーが発生したときに、発生したエラーの種類に対応したコード(エラーコード)を表示するためにも用いられる。
クレジット表示部22は、7セグメント表示器によるクレジット表示器52(図3参照)によって構成され、後述するようにメダルの投入枚数及び払い出し枚数に応じてデータとして蓄積されたクレジットの数を表示する。ペイアウト表示部23は、7セグメント表示器によるペイアウト表示器53(図3参照)によって構成され、入賞が成立した場合に払い出されるメダルの枚数を表示する。
可変表示装置2の左側には、1枚賭け表示部24、2枚賭け表示部25、26、及び3枚賭け表示部27、28が設けられている。1枚、2枚、3枚賭け表示部24〜28は、入賞ラインに対応してそれぞれ1枚、2枚、3枚賭けランプ54〜58(図3参照)が点灯状態となることで、現時点で設定されている賭け数を遊技者に示す。
可変表示装置2の右側には、投入指示表示部29と、スタート表示部30と、ウェイト表示部31と、リプレイ表示部32と、ゲームオーバー表示部33とが設けられている。投入指示表示部29は、投入指示ランプ59(図3参照)が点灯状態となることで、メダルが投入可能なことを示す。スタート表示部30は、スタートランプ60(図3参照)が点灯状態となることで、スタート可能、すなわちスタートレバー11の操作受付可能であることを示す。ウェイト表示部31は、ウェイトランプ61(図3参照)が点灯状態となることで、後述するウェイトがかかっていることを示す。リプレイ表示部32は、リプレイランプ62(図3参照)が点灯状態となることで、後述するリプレイ入賞をしたことを示す。ゲームオーバー表示部33は、ゲームオーバーランプ63(図3参照)が点灯状態となることで、スロットマシン1が打ち止めになったことを示す。
可変表示装置2の上側には、演出手段としての液晶表示器4が設けられている。液晶表示器4は、遊技状態、当選フラグの設定状況、または可変表示装置2に導出された図柄の種類、もしくは遊技者の選択に応じて様々な演出用の画像を表示する。また、液晶表示器4には、遊技履歴などの遊技に直接的または間接的に関わる様々な情報を表示することが可能である。
また、可変表示装置2の下方に設けられた台状部分の水平面には、メダル投入口13と、1枚BETボタン14と、MAXBETボタン15と、精算ボタン16とが設けられている。1枚BETボタン14及びMAXBETボタン15には、データとして蓄積されたクレジット(最大50)から賭け数の設定を可能としているときに点灯するBETボタンランプ70a、70b(図3参照)が内部に配されている。
メダル投入口13は、遊技者がここからメダルを投入するものであり、投入指示表示部29が点灯しているときにメダルの投入が投入メダルセンサ44(図3参照)によって検出されると、賭け数が設定され、或いはクレジットがデータとして蓄積される。1枚BETボタン14及びMAXBETボタン15は、データとして蓄積されているクレジットから賭け数(それぞれ1、3)を設定する際に遊技者が操作するボタンであり、遊技者によって操作されたことが1枚BETスイッチ45(図3参照)またはMAXBETスイッチ46(図3参照)によって検出されると、クレジットからの賭け数の設定が行われる。
精算ボタン16は、既に賭け数として設定されたメダル、或いは蓄積されたクレジットに対応したメダルの払い出しを指示するためのボタンである。精算ボタン16の操作が精算スイッチ47(図3参照)によって操作が検出されると、賭け数が設定されていれば、まず設定された賭け数に応じたメダルが払い出され、賭け数が設定されていなければ(精算ボタン16の操作で先に賭け数分のメダルが払い出された場合を含む)、データとして蓄積されたクレジットに応じたメダルが払い出される。
その台状部分の垂直面には、スタートレバー11と、停止ボタン12L、12C、12Rとが設けられている。スタートレバー11は、ゲームを開始する際に遊技者が操作するもので、その操作がスタートスイッチ41(図3参照)によって検出されると、リール駆動モータ3ML、3MC、3MRが駆動開始され、リール3L、3C、3Rが回転開始する。リール3L、3C、3Rが回転開始した後所定の条件が成立することにより停止ボタン12L、12C、12Rの操作が可能となると、その内部に備えられた操作有効ランプ63L、63C、63R(図3参照)が点灯状態となって、その旨が遊技者に示される。
停止ボタン12L、12C、12Rは、それぞれ遊技者が所望のタイミングでリール3L、3C、3Rの回転を停止させるべく操作するボタンであり、その操作がストップスイッチ42L、42C、42R(図3参照)で検出されると、リール3L、3C、3Rの回転が停止される。停止ボタン12L、12C、12Rの操作から対応するリール3L、3C、3Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は190ミリ秒である。
リール3L、3C、3Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190ミリ秒の間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、後述する停止制御テーブルにより選択される停止図柄は、停止ボタン12L、12C、12Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。
さらに、停止ボタン12L、12C、12Rを覆うパネルが、ボーナス告知部36として適用されている。ボーナス告知部36は、ボーナス告知ランプ66(図3参照)が点灯状態となることで、後述するレギュラーボーナス入賞、及びビッグボーナス入賞が可能となっていることを遊技者に告知する。また、停止ボタン12Rの右側には、メダルが詰まったときなどにおいてスロットマシン1に機械的に振動を与えるメダル詰まり解消ボタン18が設けられている。
スロットマシン1の下部前面側には、メダル払い出し口71と、メダル貯留皿72とが設けられている。メダル払い出し口71は、ホッパー80(図3参照)によって払い出しが行われたメダルを外部に排出するものである。メダル貯留皿72は、払い出されたメダルを貯めておくためのものである。メダル貯留皿72の上の前面パネルには、内部に設置された蛍光灯6(図3参照)が発した光が照射される。
スロットマシン1の下部前面側と、上部前面側の左右とには、それぞれ演出手段としてのスピーカ7U、7L、7Rが設けられている。スピーカ7U、7L、7Rは、後述するビッグボーナス、レギュラーボーナスという遊技者に有利な遊技状態において、固有の効果音(楽曲)を継続して出力する。また、スタートレバー11や停止ボタン12L、12C、12Rの操作時、或いは入賞時において所定の効果音を出力する。さらにはエラーの発生時、前面扉の解放時、設定値の変更時、並びに賭け数及びクレジットの精算時おける警報音の出力を行うと共に、遊技状態に応じた様々な演出音の出力を行う。
さらに、スロットマシン1の前面側には、可変表示装置2及び液晶表示器4の周囲を取り囲むように、演出手段としての遊技効果ランプ75A〜75M(図3参照)の発光により光による演出を行う遊技効果表示部5A〜5Mが設けられている。遊技効果表示部5A〜5Mは、遊技の進行状況に応じた様々なパターンで光による演出を行うものである。なお、遊技効果表示部5A〜5Mの発光色は、単色からなるものであっても、複数色からなるものであっても構わない。
図3は、このスロットマシン1の制御回路の構成を示す図である。図示するように、このスロットマシン1の制御回路は、電源基板100、遊技制御基板101、演出制御基板102、リール中継基板103、リールランプ中継基板104、外部出力基板105、及び演出中継基板106に大きく分けて構成される。
電源基板100は、AC100Vの外部電源電圧を変圧し、遊技制御基板101その他のスロットマシン1の各部に動作電力を供給する。図3では、遊技制御基板101、ホッパー80、各スイッチ91〜94にのみ接続されているように示しているが、電源基板100は、他の各部への電力の供給も行っている。電源基板100は、スロットマシン1の内部に設けられ、メダルの払い出し動作を行うホッパーモータ82と、メダルの払い出しを検知する払い出しセンサ81とから構成されるホッパー80に接続されている。
電源基板100は、後述する内部抽選への当選確率を設定し、これに基づいて算出されるメダルの仮想払出率の設定値(設定1〜設定6)を変更するための設定スイッチ91、設定スイッチ91を操作有効とする設定キースイッチ92、内部状態(RAM112)をリセットする第2リセットスイッチ93、及び電源のON/OFF切り替えを行うメインスイッチ94にもそれぞれ接続されてており、これらのスイッチの検出信号を遊技制御基板101へと送る。これらのスイッチ91〜94は、スロットマシン1の内部に設けられている。
遊技制御基板101は、スロットマシン1における遊技の進行全体の流れを制御するメイン側の制御基板であり、CPU111、RAM112、ROM113及びI/Oポート114を含む1チップマイクロコンピュータからなる制御部110を搭載している。また、乱数発生回路115、サンプリング回路116、電源監視回路117、リセット回路118その他の回路を搭載している。
CPU111は、計時機能、タイマ割り込みなどの割り込み機能(割り込み禁止機能を含む)を備え、ROM113に記憶されたプログラム(後述)を実行して、遊技の進行に関する処理を行うと共に、スロットマシン1内の制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。CPU111の処理ワードは、1バイトであり、RAM112やROM113のアドレスは、1バイト単位で付けられている。
RAM112は、CPU111がプログラムを実行する際のワーク領域として使用される。RAM112は、バッテリバックアップされており、スロットマシン1がOFFされても、記憶内容を保持するものとなっている。クレジット数に関するデータは、RAM112に記憶されるものとなっている。ROM113は、CPU111が実行するプログラムや固定的なデータを記憶する。I/Oポート114は、遊技制御基板101に接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
乱数発生回路115は、パルスを発生する度にカウントアップして値を更新するカウンタによって構成され、サンプリング回路116は、乱数発生回路115がカウントしている数値を取得する。乱数発生回路115は、遊技の進行に使用される乱数の種類毎に設けられていて、乱数の種類毎にカウントする数値の範囲が定められている。CPU111は、その処理に応じてサンプリング回路116に指示を送ることで、乱数発生回路115が示している数値を乱数として取得する(以下、この機能をハードウェア乱数機能という)。
電源監視回路117は、電源基板100から供給される電源電圧を監視し、電圧の低下を検出したときに、電圧低下信号を制御部110に対して出力する。制御部110は、特に図示はしないが、電源監視回路117に接続された割込入力端子を備えており、割込入力端子に電圧低下信号が入力されることでCPU111に外部割り込みが発生し、CPU111は、電断割込処理を実行する。
リセット回路118は、電源投入時において制御部110が起動可能なレベルまで電圧が上昇したきにリセット信号を出力して制御部110を起動させると共に、制御部110から定期的に出力される信号に基づいてリセットカウンタの値がクリアされずにカウントアップした場合、すなわち制御部110が一定時間動作を行わなかった場合に、制御部110に対してリセット信号を出力し、制御部110を再起動させる。
CPU111は、また、タイマ割り込み処理により、RAM112の特定アドレスの数値を更新し、こうして更新された数値を乱数として取得する機能も有する(以下、この機能をソフトウェア乱数機能という)。CPU111は、I/Oポート114を介して演出制御基板102に、各種のコマンドを送信する。なお、遊技制御基板101から演出制御基板102へ情報(コマンド)は一方向のみで送られ、演出制御基板102から遊技制御基板101へ向けて情報(コマンド)が送られることはない。
遊技制御基板101から演出制御基板102に送信されるコマンドは、1つが2バイトで構成され、上位1バイトがコマンドの種類を示す制御情報、下位1バイトが制御状態の内容を示す情報である。遊技制御基板101から演出制御基板102にコマンドを送信する場合、CPU111は、送信すべきコマンドを、上位バイト、下位バイトの順でRAM112に設けられたコマンド送信バッファに設定する。
CPU111は、場合によっては同時期に複数のコマンドを演出制御基板102に送信する必要があるので、RAM112のコマンド送信バッファには、所定数のコマンドを設定することのできるだけの容量がある。例えば、同時期に2つのコマンドを送信する場合には、1つめのコマンドの上位バイト、下位バイト、2つめのコマンドの上位バイト、下位バイトといった具合に、RAM112のコマンド送信バッファに設定される。コマンド送信バッファに設定された各コマンドの上位バイト、下位バイトは、I/Oポート114からバイト単位で演出制御基板102に送られる。
遊技制御基板101には、1枚BETスイッチ45、MAXBETスイッチ46、スタートスイッチ41、ストップスイッチ42L、42C、42R、精算スイッチ47、第1リセットスイッチ48、投入メダルセンサ44が接続されており、これらのスイッチ/センサ類の検出信号が入力される。また、リール中継基板103を介して、リールセンサ3SL、3SC、3SRの検出信号が入力される。I/Oポート114を介して入力されるこれらスイッチ/センサ類の検出信号、或いは前述したように電源基板100を介して入力される各種スイッチの検出信号に従って、遊技制御基板101上のCPU111は、処理を行っている。
遊技制御基板101には、また、流路切り替えソレノイド49、ゲーム回数表示器51、クレジット表示器52、ペイアウト表示器53、投入指示ランプ59、1枚賭けランプ54、2枚賭けランプ55、56、3枚賭けランプ57、58、ゲームオーバーランプ63、スタートランプ60、リプレイランプ62、BETボタンランプ70a、70b、操作有効ランプ63L、63C、63Rが接続されており、CPU111は、遊技の進行状況に従ってこれらの動作を制御している。
また、遊技制御基板101には、リール中継基板103を介してリールモータ3ML、3MC、3MRが接続されている。CPU111は、後述する内部抽選によりRAM112に設定される当選フラグに従って選択される停止制御テーブルを参照して、リール中継基板103を介してリールモータ3ML、3MC、3MRを制御して、リール3L、3C、3Rを停止させる。遊技制御基板101には、さらに演出中継基板106を介して演出制御基板102が接続されている。
演出中継基板106は、遊技制御基板101から演出制御基板102へ送信される情報の一方向性を担保するために設けられた基板である。演出中継基板106は、この状態を調べることによって遊技制御基板101や演出制御基板102を調べなくても、遊技制御基板101の制御部110に不正な信号(特に演出制御基板102に外部から入力されるようになっている信号)が入力されるような改造がなされていないかどうかをチェックすることができるようにするものである。
演出制御基板102は、スロットマシン1における演出の実行を制御するサブ側の制御基板であり、CPU121、RAM122、ROM123及びI/Oポート124を含む1チップマイクロコンピュータからなる制御部120を搭載している。また、乱数発生回路125及びサンプリング回路126、並びにサウンド処理部(SDP)127を搭載しており、CPU121は、サンプリング回路126により乱数発生回路125がカウントしている値を取得することにより、遊技制御基板101と同様のハードウェア乱数機能を形成している。割り込み処理によるソフトウェア乱数機能も有している。
CPU121は、ROM123に記憶されたプログラム(後述)を実行して、演出の実行に関する処理を行うと共に、演出制御基板102内の各回路及びこれに接続された各回路を制御する。RAM122は、CPU121がプログラムを実行する際のワーク領域として使用される。RAM122も、バッテリバックアップされており、スロットマシン1がOFFされても、記憶内容を保持するものとなっている。ROM123は、CPU121が実行するプログラムや固定的なデータを記憶する。I/Oポート124は、演出制御基板102に接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
CPU121による演出の実行は、I/Oポート124を介して遊技制御基板101から受信したコマンドに基づいて行われる。遊技制御基板101から送信されたコマンドは、バイト単位で受信されてI/Oポート124からRAM122のコマンド受信バッファに順次入れられる。CPU121は、コマンド受信バッファに入れられたコマンドを2バイト単位で取り出し、その上位バイトでコマンドの種類を、下位バイトでコマンドの示す内容を判断して処理を行う。
遊技制御基板101から同時期に複数のコマンドが送信されている場合などは、CPU121は、当然のことながら複数のコマンドを同時に処理することができない。このため、RAM122のコマンド受信バッファも、複数のコマンドを入れておけるだけの容量があり、CPU121は、コマンド受信バッファから取り出した1つのコマンドに基づく処理が終了した時点で未だ別のコマンドがコマンド受信バッファに入れられていれば、次のコマンドに基づく処理を行うものとする。なお、RAM122のコマンド受信バッファの容量は、RAM112のコマンド送信バッファの容量よりも大きくなっている。
サウンド処理部127は、CPU121からの指示に従ってROM123に格納されている各種音声再生用データを読み出し、後述するボーナス中楽曲、RT中楽曲等の演出音や各種警報音を再生してスピーカ7L、7R、7Uから出力させる。サウンド処理部127は、電子ボリューム127aを備えており、電子ボリューム127aによるレベルの設定に応じたボリュームで再生した音声をスピーカ7L、7R、7Uから出力させる。サウンド処理部127は、CPU121からの指示に従ってスピーカ7L、7R、7Uから出力させる音声をミュートする機能も備えている。
サウンド処理部127には、前面扉を開放状態として操作可能となるボリューム調整レバー96が接続されており、電子ボリューム127aに設定されるレベルは、基本的にはボリューム調整レバー96により設定されているレベルとなる。もっとも、ボリューム調整レバー96に設定されたレベルがどのレベルであっても、ミュート機能がONとなっているときには、電子ボリューム127aに設定されるレベルは0となる(すなわち、スピーカ7L、7R、7Uから音声が出力されなくなる)。
また、エラーの発生時、前面扉の解放時、設定値の変更時、並びに賭け数及びクレジットの精算時おける警報音を再生してスピーカ7L、7R、7Uから出力させる場合には、ミュート機能はOFFされ、電子ボリューム127aに設定されるレベルは、ボリューム調整レバー96に調整されているレベルに関わらずに最大レベルとなる。
演出制御基板102には、スピーカ7L、7R、7U及びボリューム調整レバー96の他に、遊技効果ランプ75A〜75M、液晶表示器4、蛍光灯6、ウェイトランプ61、ボーナス告知ランプ66が接続されている。また、リールランプ中継基板104を介してリールランプ3LPが接続されている。また、演出制御基板102の制御部120は、これら各部をそれぞれ制御して、演出を行っている。
リール中継基板103は、遊技制御基板101と外部出力基板105及びリールユニット3との間を中継している。リール中継基板103には、また、満タンセンサ90が接続されており、その検出信号が入力される。満タンセンサ90は、スロットマシン1の内部に設けられ、ホッパー80からオーバーフローしたメダルを貯留するオーバーフロータンク内のメダルが満タンになったことを検知するものである。リールランプ中継基板104は、演出制御基板102とリールユニット3との間を中継している。
外部出力基板105は、ホールの管理コンピュータなどの外部装置に接続されており、遊技制御基板101からリール中継基板103を介して入力されたビッグボーナス中信号、レギュラーボーナス中信号、リール制御信号、ストップスイッチ信号、メダルIN信号、メダルOUT信号、当選状況信号、及びセキュリティ信号を、当該外部装置に出力する。ビッグボーナス中信号、レギュラーボーナス中信号、リール制御信号、ストップスイッチ信号、メダルIN信号、メダルOUT信号、当選状況信号、及びセキュリティ信号は、個別の出力端子から出力される。もっとも、セキュリティ信号には、後述するようにドア開放信号、設定値変更信号、投入エラー信号、払い出しエラー信号、他のエラー信号、及び精算中信号が含まれるが、これらは、時分割で同一の出力端子から出力される。
外部出力基板105には、前面扉が開放状態にあることを検出する扉開放センサ95が搭載されており、扉開放センサ95の検出信号に基づいてセキュリティ信号のうちのドア開放信号が出力される。外部出力基板105は、スロットマシン1への電力の供給が行われているとき(すなわち、スロットマシン1がONのとき)に蓄電するとともに、電力の供給が遮断されているとき(すなわち、スロットマシン1がOFFのとき)に、該蓄電した電力を外部出力基板105に供給する蓄電池から構成されるバックアップ電源を搭載している。
スロットマシン1の電源がONされているときには、外部出力基板105は、電源基板101からの電力供給で、扉開放センサ95により前面扉が開放状態にあることを検出し、前面扉が開放状態にあることを示すドア開放信号を含むセキュリティ信号を外部装置に出力する。一方、スロットマシン1の電源がOFFされているときには、外部出力基板105は、このバックアップ電源から電力供給で、扉開放センサ95により前面扉が開放状態にあることを検出し、前面扉が開放状態にあることを示すドア開放信号を含むセキュリティ信号を外部装置に出力する。なお、外部出力基板105から出力されるセキュリティ信号の詳細については、後述する。
図4は、遊技制御基板101と、遊技制御基板101に接続される遊技用電子部品との配線接続状態を示す概略図である。図4には、遊技制御基板101と接続される各種スイッチ、センサ等の電子部品のうち、賭数を設定する際に操作される1枚BETスイッチ45、MAXBETスイッチ46、ゲームを開始させる際に操作されるスタートスイッチ41、リール3L、3C、3Rの回転を停止する際に操作されるストップスイッチ42L、42C、42R、賭数を設定するために投入されたメダルを検出する投入メダルセンサ44、リール3L、3C、3Rを回転させるためのリールモータ3ML、3MC、3MR、リール3L、3C、3Rの回転を検出するためのリールセンサ3SL、3SC、3SR、入賞の発生に伴い払い出されるメダルを検出する払出センサ81及び演出制御基板102が示されており、他のスイッチ、センサ等の図示は省略されている。
演出制御基板102を除く上記遊技用電子部品45、46、41、42L、42C、42R、44、3SL、3SC、3SR、3ML、3MC、3MR、82、81は、ゲームの進行に関わる信号を遊技制御基板101に入出力する電子部品である。ゲームの進行に関わる信号とは、例えば、ゲームを開始可能な状態とするための賭数の設定操作、ゲームを開始させるための操作、リール3L、3C、3Rの表示結果を導出させるための操作等、ゲームの進行操作に応じて遊技制御基板101に出力される信号や、投入メダルの検出、リールの基準位置の検出、払出メダルの検出等、ゲームの進行に応じて遊技用電子部品から出力されて遊技制御基板101に入力される信号と、スタート操作の検出に応じてリール3L、3C、3Rを駆動させるための駆動信号や、入賞の発生に伴いメダルを払い出すホッパー80を駆動するための駆動信号等、ゲームの進行に応じて遊技制御基板101から出力されて遊技用電子部品に入力される信号とを含む。
そして、これら遊技用電子部品45、46、41、42L、42C、42R、44、3SL、3SC、3SR、3ML、3MC、3MR、82、81は、ゲームの進行に応じて遊技制御基板101に信号を出力する第1の電子部品と、ゲームの進行に応じて遊技制御基板101からの信号が入力される第2の電子部品と、からなる。
具体的には、賭数を設定する際に操作される1枚BETスイッチ45、MAXBETスイッチ46及び賭数を設定するために投入されたメダルを検出する投入メダルセンサ44は、該操作またはメダルの検出に基づいて遊技制御基板101にBET信号を出力する第1の電子部品である。遊技制御部110は、該BET信号の受信に基づいて賭数の設定処理を行うため、これら電子部品がないと賭数を設定することができない。すなわち、賭数を設定しないとゲームが開始可能な状態とならないため、1枚BETスイッチ45、MAXBETスイッチ46及び投入メダルセンサ44はゲームの進行に必要な遊技用電子部品である。
ゲームを開始させるための操作を検出するスタートスイッチ41は、該操作の検出に基づいて遊技制御基板101にスタート信号を出力する第1の電子部品である。遊技制御部110は、該スタート信号の受信に基づいてゲームを開始する処理(リール回転処理等)を行うため、この電子部品がないとゲームを開始することができない。すなわち、スタートスイッチ41はゲームの進行に必要な遊技用電子部品である。
リール3L、3C、3Rの表示結果を導出させるための操作を検出するストップスイッチ42L、42C、42Rは、該操作の検出に基づいて遊技制御基板101にストップ信号を出力する第1の電子部品である。遊技制御部110は、該ストップ信号の受信に基づいて該当するリール3L、3C、3Rの回転を停止して表示結果を導出する処理を行うため、この電子部品がないとリール3L、3C、3Rの表示結果を導出することができない。すなわち、ストップスイッチ42L、42C、42Rはゲームの進行に必要な遊技用電子部品である。
リール3L、3C、3Rの回転を検出するリールセンサ3SL、3SC、3SRは、リールの基準位置の検出信号を遊技制御基板101に出力する第1の電子部品である。遊技制御部110は、該リールの基準位置の検出信号の受信に基づいて該当するリール3L、3C、3Rの図柄の位置を把握して回転を停止する処理等を行うため、この電子部品がないと各リール3L、3C、3Rの表示結果の導出や入賞の判定等を行うことができない。すなわち、リールセンサ3SL、3SC、3SRはゲームの進行に必要な遊技用電子部品である。
入賞の発生に伴い払い出されるメダルを検出する払出センサ81は、該メダルの検出に基づいて遊技制御基板101にメダル払出信号を出力する第1の電子部品である。遊技制御部110は、該払出メダル検出信号の受信に基づいて、発生した入賞に応じた枚数のメダルを払い出す払出処理を行うため、この電子部品がないと発生した入賞に応じた枚数のメダルを払い出すことができない。すなわち、払出センサ81はゲームの進行に必要な遊技用電子部品である。
また、リール3L、3C、3Rを回転させるリールモータ3ML、3MC、3MRは、遊技制御基板101から出力される駆動信号が入力される第2の電子部品である。このリールモータ3ML、3MC、3MRは、遊技制御基板101から出力される駆動信号の入力に基づいてリール3L、3C、3Rを回転させて図柄の変動表示を開始するものであるが、該信号入力に基づいて実際にリール3L、3C、3Rを回転しなかったとしても、遊技制御部110は、リールの駆動信号を出力した後に上記リールセンサ3SL、3SC、3SRからの信号が入力されることで、リールが回転したとしてゲームを進行する制御を行うことができる。しかし、このリールセンサ3SL、3SC、3SRから信号が遊技制御基板101に入力されるタイミングは、リールの駆動信号の出力後でないとエラーとなるため、打ち込み器具によりゲームを進行させる場合において、リールの回転の検出に基づく信号の出力タイミングを計るためにはリールの駆動信号が必要となる。すなわち、リールモータ3ML、3MC、3MRは、ゲームの進行に必要な遊技用電子部品である。
また、メダルの払い出しを行うホッパータンクを駆動するホッパーモータ82は、入賞の発生に応じて遊技制御基板101から出力される駆動信号が入力される第2の電子部品である。このホッパーモータ82は、遊技制御基板101から出力される駆動信号の入力に基づいてホッパー80を駆動させてメダルを払い出すものであるが、該信号入力に基づいて実際にホッパー80を駆動しなかったとしても、遊技制御部110は、ホッパー80の駆動信号を出力した後に上記払出センサ81からの信号が入力されることで、メダルが払い出されているとしてゲームを進行する制御を行うことができる。しかし、この払出センサ81から信号が遊技制御基板101に入力されるタイミングは、ホッパー80の駆動信号の出力後でないとエラーとなるため、打ち込み器具によりゲームを進行させる場合において、払出メダルの検出に基づく信号の出力タイミングを計るためには該ホッパータンクの駆動信号が必要となる。すなわち、ホッパーモータ82は、ゲームの進行に必要な遊技用電子部品である。
また、これら遊技用電子部品45、46、41、42L、42C、42R、44、3SL、3SC、3SR、3ML、3MC、3MR、82、81は、基本的には複数の機種に共通して継続使用される電子部品であり、故障等が発生しない限り本体から取り外して交換する機会は少ないので、スロットマシンの本体所定箇所に固設されている。これに対して遊技制御基板101や演出制御基板102等は、機種変更の際には交換が必要となるため、その際には本体から取り外される。
つまり、遊技制御基板101を取り外す際には遊技用電子部品45、46、41、42L、42C、42R、44、3SL、3SC、3SR、3ML、3MC、3MR、82、81との接続を解除する必要があるため、遊技用電子部品45、46、41、42L、42C、42R、44、3SL、3SC、3SR、3ML、3MC、3MR、82、81と遊技制御基板101とは中継基板100、103、106、107を経由して接続されているとともに、これら基板同士及び基板と遊技用電子部品とはケーブルを介して接続されている。またケーブルと基板とは、ケーブルの端部に設けられたケーブル側コネクタと基板の配線パターンと電気的に接続された基板側コネクタとの接続により電気的に接続されている。
具体的に説明すると、1枚BETスイッチ45、MAXBETスイッチ46、スタートスイッチ41、ストップスイッチ42L、42C、42R、投入メダルセンサ44は、操作部中継基板107を経由して遊技制御基板101と配線接続され、リールモータ3ML、3MC、3MR及びリールセンサ3SL、3SC、3SRは、リール中継基板103を経由して遊技制御基板101と配線接続され、ホッパーモータ82及び払出センサ81は、電源基板100を経由して遊技制御基板101と配線接続され、演出制御基板102は、演出中継基板106を経由して遊技制御基板101と配線接続されている。
操作部中継基板107、リール中継基板103、電源基板100、演出制御基板102には、遊技制御基板101と各電子部品45、46、41、42L、42C、42R、44、3SL、3SC、3SR、3ML、3MC、3MR、82、81とを接続するための配線パターン(図示略)が設けられており、各電子部品45、46、41、42L、42C、42R、44、3SL、3SC、3SR、3ML、3MC、3MR、82、81から遊技制御基板101に対して出力される検出信号または遊技制御基板101から供給(入力)される電力や信号等を中継可能とされている。
また、このように各種電子部品と遊技制御基板101とを、スロットマシン1の本体所定箇所に取り付けた各中継基板100、103、106、107を経由して配線接続することで、遊技制御基板101からスロットマシン1の本体所定箇所に個々に配設される複数の電子部品との配線の取りまとめが容易になるとともに、コネクタ接続部が常に中継基板または遊技制御基板101に設けられることになり、これにより各電子部品それぞれのコネクタ接続部が固定されるため、配線接続作業時においてコネクタ接続部を探したり、接続する配線の種類を間違うこと等が防止される。
遊技制御基板101と操作部中継基板107とは、ケーブル600aを介して接続され、遊技制御基板101とリール中継基板103とは、ケーブル600bを介して接続され、遊技制御基板101と電源基板100とは、ケーブル600cを介して接続されており、また、遊技制御基板101と演出中継基板106とは、ケーブル600dを介して接続されている。
操作部中継基板107と1枚BETスイッチ45とはケーブル601aを介して接続され、操作部中継基板107とMAXBETスイッチ46とはケーブル601bを介して接続され、操作部中継基板107とスタートスイッチ41とはケーブル601cを介して接続され、操作部中継基板107とストップスイッチ42Lとはケーブル601dを介して接続され、操作部中継基板107とストップスイッチ42Cとはケーブル601eを介して接続され、操作部中継基板107とストップスイッチ42Rとはケーブル601fを介して接続され、操作部中継基板107と投入メダルセンサ44とはケーブル601gを介して接続されている。
また、リール中継基板103とリールモータ3MLとはケーブル601hを介して接続され、リール中継基板103とリールモータ3MCとはケーブル601jを介して接続され、リール中継基板103とリールモータ3MRとはケーブル601lを介して接続されている。また、リール中継基板103とリールセンサ3SLとはケーブル601iを介して接続され、リール中継基板103とリールセンサ3SCとはケーブル601kを介して接続され、リール中継基板103とリールセンサ3SRとはケーブル601mを介して接続されている。また、電源基板100とホッパーモータ82とはケーブル601nを介して接続され、電源基板100と払出センサ81とはケーブル601oを介して接続され、演出中継基板106と演出制御基板102とはケーブル601pを介して接続されている。
これら各ケーブル600a〜600c、601a〜601oは、各基板に対してコネクタ接続されており、基板との配線接続を解除可能となっている。具体的には、ケーブル600aの両端には、ケーブル側コネクタ610a、611aが設けられており、一方のケ一ブル側コネクタ610aは、遊技制御基板101に固設された基板側コネクタ620aに接続可能なコネクタであり、他方のケーブル側コネクタ611aは、操作部中継基板107に固設された基板側コネクタ621aに接続可能なコネクタである。ケーブル600bの両端には、ケーブル側コネクタ610b、611bが設けられており、一方のケーブル側コネクタ610bは、遊技制御基板101に固設された基板側コネクタ620bに接続可能なコネクタであり、他方のケーブル側コネクタ611bは、リール中継基板103に固設された基板側コネクタ621bに接続可能なコネクタである。ケーブル600cの両端には、ケーブル側コネクタ610c、611cが設けられており、一方のケーブル側コネクタ610cは、遊技制御基板101に固設された基板側コネクタ620cに接続可能なコネクタであり、他方のケーブル側コネクタ611cは、電源基板100に固設された基板側コネクタ621cに接続可能なコネクタである。ケーブル600dの両端には、ケーブル側コネクタ610d、611dが設けられており、一方のケーブル側コネクタ610dは、遊技制御基板101に固設された基板側コネクタ620dに接続可能なコネクタであり、他方のケーブル側コネクタ611dは、演出中継基板106に固設された基板側コネクタ621dに接続可能なコネクタである。
また、一端が1枚BETスイッチ45に接続されたケーブル601aの他端には、操作部中継基板107に固設された基板側コネクタ622aに接続可能なケーブル側コネクタ612aが設けられている。一端がMAXBETスイッチ46に接続されたケーブル601bの他端には、操作部中継基板107に固設された基板側コネクタ622bに接続可能なケーブル側コネクタ612bが設けられている。一端がスタートスイッチ41に接続されたケーブル601cの他端には、操作部中継基板107に固設された基板側コネクタ622cに接続可能なケーブル側コネクタ612cが設けられている。一端がストップスイッチ42Lに接続されたケーブル601dの他端には、操作部中継基板107に固設された基板側コネクタ622dに接続可能なケーブル側コネクタ612dが設けられている。一端がストップスイッチ42Cに接続されたケーブル601eの他端には、操作部中継基板107に固設された基板側コネクタ622eに接続可能なケーブル側コネクタ612eが設けられている。一端がストップスイッチ42Rに接続されたケーブル601fの他端には、操作部中継基板107に固設された基板側コネクタ622fに接続可能なケーブル側コネクタ612fが設けられている。一端が投入メダルセンサ44に接続されたケーブル601gの他端には、操作部中継基板107に固設された基板側コネクタ622gに接続可能なケーブル側コネクタ612gが設けられている。
また、一端がリールモータ3MLに接続されたケーブル601hの他端及び一端がリールセンサ3SLに接続されたケーブル601iの他端には、リール中継基板103に固設された基板側コネクタ622hに接続可能なケーブル側コネクタ612hが設けられている。一端がリールモータ3MCに接続されたケーブル601jの他端及び一端がリールセンサ3SCに接続されたケーブル601kの他端には、リール中継基板103に固設された基板側コネクタ622iに接続可能なケーブル側コネクタ612iが設けられている。一端がリールモータ3MRに接続されたケーブル601lの他端及び一端がリールセンサ3SRに接続されたケーブル601mの他端には、リール中継基板103に固設された基板側コネクタ622jに接続可能なケーブル側コネクタ612jが設けられている。
また、一端がホッパーモータ82に接続されたケーブル601nの他端及び一端が払出センサ81に接続されたケーブル601oの他端には、電源基板100に固設された基板側コネクタ622kに接続可能なケーブル側コネクタ612kが設けられている。
また、ケーブル601pの両端には、ケーブル側コネクタC2、C3が設けられており、一方のケーブル側コネクタC2は、遊技制御基板101に固設された基板側コネクタC1に接続可能なコネクタであり、他方のケーブル側コネクタC3は、演出制御基板102に固設された基板側コネクタC4に接続可能なコネクタである。
なお、この実施の形態では、各電子部品45、46、41、42L、42C、42R、44、3SL、3SC、3SR、3ML、3MC、3MR、82、81からはコネクタを介すことなく配線が延出されているが、コネクタを介して配線と接続されていても良い。
上述のように、各基板と各ケーブルとは、基板側に設けられる基板側コネクタ620a〜620d、621a〜621d、622a〜622k、C1、C4と、ケーブル側に設けられるケーブル側コネクタ610a〜610d、611a〜611d、612a〜612k、C2、C3とからなる一対のコネクタ(雄コネクタと雌コネクタ)を介して配線接続されており、基板側コネクタからケーブル側コネクタを抜脱することにより配線接続を解除することができるようになっている。特に、遊技制御基板101、操作部中継基板107、リール中継基板103、電源基板100、演出制御基板102は、スロットマシン1の筐体または前面扉の所定箇所に取り付けられていることで、基板側コネクタからケーブル側コネクタを抜脱しやすいので、遊技制御基板101や演出制御基板102の交換が容易に行うことができる。
まず第1の電子部品に関して具体的に説明すると、1枚BETスイッチ45、MAXBETスイッチ46または投入メダルセンサ44と遊技制御基板101との間に設けられるケーブルのコネクタのうちいずれかのコネクタに打ち込み器具のコネクタが接続され、該打ち込み器具から遊技制御基板101にBET信号が不正に出力されると、賭数の設定操作が行われていないのに賭数が設定される虞がある。スタートスイッチ41と遊技制御基板101との間に設けられるケーブルのコネクタのうちいずれかのコネクタに打ち込み器具のコネクタが接続され、該打ち込み器具から遊技制御基板101にスタート信号が不正に出力されると、ゲームの開始操作を行うことなくゲームが開始される虞がある。ストップスイッチ42L、42C、42Rと遊技制御基板101との間に設けられるケーブルのコネクタのうちいずれかのコネクタに打ち込み器具のコネクタが接続され、該打ち込み器具から遊技制御基板101にストップ信号が不正に出力されると、停止操作を行うことなくリールの回転が停止される虞がある。
リールセンサ3SL、3SC、3SRと遊技制御基板101との間に設けられるケーブルのコネクタのうちいずれかのコネクタに打ち込み器具のコネクタが接続され、該打ち込み器具から遊技制御基板101にリール回転信号が不正に出力されると、リールを回転させることなく各リール3L、3C、3Rの表示結果の導出や入賞の判定等が行われる虞がある。払出センサ81と遊技制御基板101との間に設けられるケーブルのコネクタのうちいずれかのコネクタに打ち込み器具のコネクタが接続され、該打ち込み器具から遊技制御基板101にメダル払出信号が不正に出力されると、メダルを払い出すことなくメダルの計数が行われる虞がある。
第2の電子部品に関して具体的に説明すると、リールモータ3ML、3MC、3MRと遊技制御基板101との間に設けられるケーブルのコネクタのうちいずれかのコネクタでの接続が解除されて遊技制御基板101から出力される駆動信号を打ち込み器具等で取得できることになると、リールの駆動信号が遊技制御基板101から出力されたタイミングを打ち込み器具側で特定できるので、本来リールセンサ3SL、3SC、3SRから遊技制御基板101に入力されるリール回転検出信号を、打ち込み器具からリール回転後の適正なタイミングで出力されてしまう虞がある。
また、ホッパーモータ82と遊技制御基板101との間に設けられるケーブルのコネクタのうちいずれかのコネクタでの接続が解除されて遊技制御基板101から出力される駆動信号を打ち込み器具等で取得できることになると、ホッパータンクの駆動信号が遊技制御基板101から出力されたタイミングを打ち込み器具側で特定できるので、本来払出センサ81から遊技制御基板101に入力される払出メダル検出信号を、打ち込み器具からホッパータンクの駆動後の適正なタイミングで出力されてしまう虞がある。
このように、ゲームの進行に応じて第1の電子部品45、46、41、42L、42C、42R、44、3SL、3SC、3SR、81から出力され、本来であれば遊技制御基板101に入力される信号が打ち込み器具から出力された場合、遊技制御部110は該信号の受信に基づいてゲームを進行する制御を行うことができる。一方、ゲームの進行に応じて遊技制御基板101から出力され、本来であれば第2の電子部品3ML、3MC、3MR、82に入力される信号が打ち込み器具に入力された場合、打ち込み器具側では、遊技制御部110がリールモータ3ML、3MC、3MLやホッパーモータ82の駆動後に出力する信号の出力タイミング等を特定可能となり、これに基づいて新たな信号がメイン制御基板101に入力された場合には、遊技制御部110は該信号の受信に基づいてゲームを進行する制御を行うことができるので、ゲームを自動的に進行させるといった不正行為が実施される虞がある。この実施の形態にかかるスロットマシン1では、後述するように打ち込み器具の接続による不正行為を防止する種々の対策が施されている。
次に、遊技制御基板101における遊技制御部110への電源まわりの構成を説明する。図5は、遊技制御部110に対するバックアップ電源の供給ラインを示す回路図である。
遊技制御基板101には、電源基板100の電圧生成回路により生成された+5Vの直流電圧が供給される。電源基板100から供給された+5Vの直流電圧は、遊技制御部110の駆動電源としてVDD入力端子に供給されるとともに、図5に示すように、遊技制御基板101上で分岐して+5V(VBB)の直流電圧の供給ラインを形成する。そして、この+5V(VBB)の直流電圧の供給ラインは、逆流防止用のダイオード312を介して遊技制御部110のメモリバックアップ電源入力端子VBBに接続されているとともに、電源基板100側でグラウンドレベルに接続され、その間には大容量の図示されないコンデンサが設けられている。これにより+5V(VBB)の直流電圧をコンデンサに蓄積可能とされ、スロットマシン1に対する電力供給が遮断されたときに、コンデンサに蓄積された電圧を、遊技制御部110におけるRAM112の記憶状態を保持するためのバックアップ電源として供給できるようになっている。
また、+5V(VBB)の直流電圧の供給ラインは、遊技制御基板101上で直接遊技制御部110のメモリバックアップ電源入力端子VBBに接続されているのではなく、図5に示すように、遊技制御基板101と操作部中継基板107を配線接続するケーブル600a、操作部中継基板107、操作部中継基板107と投入メダルセンサ44を配線接続するケーブル601gを経由し、更に、投入メダルセンサ44で折り返して、ケーブル601g、操作部中継基板107、ケーブル600aを経由して再度遊技制御基板101に接続され、遊技制御部110のメモリバックアップ電源入力端子VBBに接続されている。すなわち、スロットマシン1に対する電力供給が遮断されたときに、コンデンサに蓄積された電圧は、遊技制御基板101からケーブル600a−操作部中継基板107−ケーブル601g−投入メダルセンサ44−ケーブル601g−操作部中継基板107−ケーブル600aを経由した後、遊技制御部110に供給され、遊技制御部110におけるRAM112の記憶状態が保持されるようになっている。
このため、スロットマシン1に対する電力供給が遮断されている状態で、遊技制御基板101の基板側コネクタ620aとケーブル600aのケーブル側コネクタ610aとの接続、ケーブル600aのケーブル側コネクタ611aと操作部中継基板107の基板側コネクタ621aとの接続、操作部中継基板107の基板側コネクタ622gとケーブル601gのケーブル側コネクタ612gとの接続、のいずれかの接続を解除することで、バックアップ電源の供給ラインが切断され、遊技制御部110のRAM112のデータを保持できず、消失することとなる。すなわち遊技制御基板101と投入メダルセンサ44との間のコネクタ同士の接続が1カ所でも解除されると、遊技制御部110のRAM112に保持されているバックアップデータが消失するようになっている。
この実施の形態にかかるスロットマシン1では、遊技制御基板101と遊技用電子部品との間のコネクタ接続の解除を規制することで、打ち込み器具の接続を困難としている。具体的には、遊技制御基板101と投入メダルセンサ44との間のコネクタ接続、すなわち遊技制御基板101の基板側コネクタ620aとケーブル600aのケーブル側コネクタ610aとの接続、ケーブル600aのケーブル側コネクタ611aと操作部中継基板107の基板側コネクタ621aとの接続、操作部中継基板107の基板側コネクタ622gとケーブル601gのケーブル側コネクタ612gとの接続についてこれらコネクタ同士の接続の解除を規制している。基板側コネクタ620aとケーブル側コネクタ610aとの接続は、コネクタ規制部材500によってその解除が規制され、ケーブル側コネクタ611aと基板側コネクタ621aとの接続、及び基板側コネクタ622gとケーブル側コネクタ612gとの接続は、コネクタ規制部材650によってその解除が規制されるようになっている。
次に、外部出力基板105の構成、及び外部出力基板105から出力されるセキュリティ信号について詳細に説明する。図6は、外部出力基板105から出力されるセキュリティー信号の出力フォーマットを示す図である。前述したとおり、セキュリティ信号は、複数種類の信号を同一の外部出力端子から出力させるものであるが、図示するように、Xms(Xは任意の数)の時間毎に時分割し、1フレーム期間を14Xmsとして出力されるものである。
1フレーム期間のうちの最初のXmsの期間は、スタートビットを出力する期間となり、最後の6Xmsの期間がブランク期間となり、ブランク期間の直前のXmsの期間がストップビットを出力する期間となる。その間の6Xmsの期間で、Xmsの期間毎に時分割してドア開放信号、設定値変更信号、投入エラー信号、払い出しエラー信号、他のエラー信号、及び精算中信号の6種類の信号を出力するものとなっている。
ドア開放信号は、ON状態のときに前面扉が開放されていることを示す信号であり、設定キースイッチ92や設定スイッチ91、或いは各種基板101〜106及び基板間を接続するケーブルは、スロットマシン1の前面扉を開放した内部に設置されているので、前面扉が開放されているときには不正が行われてる可能性があるために出力されるものである。設定値変更信号は、ON状態のときに設定値の変更が行われていることを示す信号であり、設定値の変更はメダルの払出率に直接的に影響があることで不正が行われている可能性があるために出力されるものである。
投入エラー信号は、ON状態のときにメダルの投入においてエラーが発生し、未だ復帰していないことを示す信号であり、投入エラーが発生したときにはメダル投入口13から不正なメダル投入行為(実際にはメダルを投入せずに不正な器具を用いてクレジットを満杯にしてしまうような行為)が行われている可能性があるために出力されるものである。払い出しエラー信号は、ON状態のときにメダルの払い出しにおいてエラーが発生し、未だ復帰していないことを示す信号であり、払い出しエラーが発生したときにはホッパー80に対してメダルを抜くなどの不正行為が行われている可能性があるために出力されるものである。
他のエラー信号は、ON状態のときに投入エラー及び払い出しエラー以外のエラーが発生し、未だ復帰していないことを示す信号である。投入エラー及び払い出しエラー以外のエラーは、直接的にメダルを増加させようとする行為で発生するものではないが、エラーの発生時には何らかの不正が行われている可能性があるために、このような他のエラー信号を出力するものである。精算中信号は、ON状態のときにメダルの精算中であることを示す信号であり、メダルの精算は必ずしも不正がなくても通常に行われる行為ではあるものの、これが頻繁に行われるようでは不正な行為が行われている可能性があるために出力されるものである。
また、スタートビットは、常にON状態、ストップビット及びブランク期間は、常にOFF状態である。セキュリティ信号として実質的な内容を示す信号は、ドア開放信号、設定値変更信号、投入エラー信号、払い出しエラー信号、他のエラー信号、及び精算中信号の6種類であり、これらが全てOFF状態となってもOFF状態となっている期間は6Xmsしか継続しないので、7Xms以上の期間OFF状態となった後にセキュリティ信号がON状態となったXmsの期間がスタートビットの期間であると判断することができる。
なお、外部出力基板105から出力されるセキュリティ信号は、ドア開放信号、設定値変更信号、投入エラー信号、払い出しエラー信号、他のエラー信号、及び精算中信号をシリアルで出力するものであったが、外部出力基板105とホールの管理コンピュータなどの外部装置との間に所定の出力端子板を設け、シリアルのドア開放信号、設定値変更信号、投入エラー信号、払い出しエラー信号、他のエラー信号、及び精算中信号をパラレルに変換して、外部装置へと出力するものとしてもよい。
次に、遊技制御基板101を収納する基板ケース200及びコネクタ規制部材500の詳細な構造について説明する。
図7及び図8は、基板ケース200及び基板ケース200をスロットマシン1の本体をなす筐体に取り付けるための取付ベース250、コネクタ規制部材500を示す分解斜視図であり、図9は、基板ケース200を取付ベース250に組み付けた状態を示す斜視図であり、図10は、コネクタ規制部材500を構成する取付側部材510及びコネクタキャップ520の要部拡大斜視図であり、図11(a)は、図10のA−A断面図であり、図11(b)(c)は、図10のB−B断面図であり、図12は、基板ケース200を取付ベース250に組み付け、更に取付側部材510に対してコネクタキャップを装着した状態を示す斜視図であり、図13(a)は、図12のC−C断面図であり、図13(b)は、図12のD−D断面図である。
基板ケース200は、図7及び図8に示すように、遊技制御基板101の裏面側を覆うケース本体としての下部ケース201と、遊技制御基板101の実装面側を覆う上部ケース203と、から構成され、遊技制御基板101を挟持するように組み付けられるものである。なお、遊技制御基板101の実装面には、特に詳細な図示はしないが、CPU111、ROM123、RAM112等の電子素子や、他の基板からのケーブルの一端に設けられたケーブル側コネクタ等が接続される基板側コネクタ620a〜620c等が多数実装されている。
下部ケース201は、透明な合成樹脂からなり、略長方形状に形成される底板201aと、該底板の周囲を囲むように形成された側壁と、により上面が開放する直方体状に成形されている。
下部ケース201の一方の短辺の側壁201cには、2つの封止片211、211が外方に突出して設けられているとともに、他方の短辺の側壁201dには、2対の係止部210が外方に突出して設けられている。また、下部ケース201の底板201aの裏面における側壁201dよりの両長辺側端には、後述する取付側部材510の係止片511が係合する係合溝212がそれぞれ形成されている。
上部ケース203は、透明な合成樹脂からなり、図7及び図8に示すように、下面が開放するとともに、上面中央が膨出し、両短辺側に段部203a、203bが形成された凸型の箱状に成形されている。上部ケース203の下面は、下部ケース201と同型であり、下部ケース201と上部ケース203とを組み付けることで、内部に遊技制御基板101を収容する空間が形成されるようになっている。
上部ケース203の一方の短辺の側壁203cには、下部ケース201の一方の短辺の側壁201cに設けられた封止片211、211と対応する箇所にそれぞれ封止片231、231が外方に突出して設けられており、封止片231、231の間には、等間隔に4つの封止片232が外方に突出して設けられている。上部ケース203の他方の短辺の側壁203dには、下部ケース201の他方の短辺の側壁に設けられた2対の係止部210と対応する箇所にそれぞれ1対の係止部210と係合する係合部230がそれぞれ設けられている。また、上部ケース203の他方の短辺の側壁203dには、係合部230よりも外方よりの位置に、後述する取付ベース250の係止孔251a、251aに係合する係止片235、235がそれぞれ設けられている。
また、上部ケース203の両短辺側の段部203a、203bには、それぞれ凹部203e、203fが形成されているとともに、特に、段部203bの凹部203fの底面には、基板ケース200内に収容した遊技制御基板101の基板側コネクタ620aに対応する箇所に基板側コネクタ620aを挿通可能な挿通孔234が形成されている。
取付ベース250は、基板ケース200をスロットマシン1の本体をなす筐体に対して固定するための部材である。取付ベース250は、合成樹脂からなり、図7及び図8に示すように、下部ケース201の底板201aよりも大きい略長方形状に形成される底板250aと、該上板の周縁辺のうち2つの長縁辺に形成された側壁250b、250cとにより上面が開放する直方体状に形成されている。取付ベース250の底板250aには、複数箇所にビス孔252が形成されているとともに、一方の短辺側の縁辺には、中央部に切り欠き250eを有する側壁250dが形成されており、底板250aには、側壁250dの切り欠き250eから中央に向かって1対のガイド254、254が設けられている。ガイド254、254の対向する面には、後述する固着部材255の両端部に形成された係止部257、257が嵌入されるガイド溝254a、254aが形成されている。
固着部材255は、合成樹脂からなり、上面に4カ所の固着孔256が形成された固着片255aの両端から下方(図中後方)に伸びる垂下片255b、255bが延設され、更に垂下片255b、255bの両端部から左右方向(図中上下方向)を向く係止部257、257が形成された略コ字状に成形されている。固着部材255は、その係止部257、257を取付ベース250のガイド254、254に形成されたガイド溝254a、254aに対してそれぞれ嵌入することで、取付ベース250に取り付けられる。
取付ベース250における側壁250dが形成された短辺側には、先端に内方向きの係止爪253aを有する係止柱253が底板250aから立設されているとともに、反対側の短辺側の両端部には、上部ケース203の係合部230が挿入される係止孔251a、251aが底板250aから連設された係止孔部251、251が立設されている。
コネクタ規制部材500は、図7及び図8に示すように、基板ケース200に対して取り付けられる取付側部材510と、取付側部材510に対して装着され、基板側コネクタ620aに接続されたケーブル側コネクタ610aの一部を被覆するコネクタカバー520と、から構成され、取付側部材510を基板ケース200に対して取り付け、コネクタカバー520を装着することで、基板側コネクタ620aからのケーブル側コネクタ610aの抜脱が規制される。
取付側部材510は、透明な合成樹脂からなり、図7及び図8に示すように、基板ケース200を構成する下部ケース201及び上部ケース203の表面形状に沿った形状に成形されている。詳しくは、取付側部材510は、上部ケース203の係合部230が設けられた短辺側に装着されるものであり、その形状は、基板ケース200への取付時に上部ケース203における段部203bの凹部203fの底面に当接するとともに、ケーブル側コネクタ610aを逃がす切り欠き512及び内側に係止孔513aを有する筒状の係止孔部513が形成された基片510aの両端から起立する起立片510b、510bを介して上部ケース203における段部203bの両端部上面に当接する上片510c、510cが延設され、更に上片510c、510cの両端から垂下する側片510d、510dを介して係止部257、257が内向きに延設された形状であり、基板ケース200への取付時に、取付側部材510の基片510a、上片510c、510cの基板ケース200に対する対向面が上部ケース203における段部203bの上面及び凹部203fの底面にそれぞれ当接するようになっている。
係止孔部513における係止孔513aの内面には、図10に示すように、中心を挟んで対向する位置に係止溝514が、係止孔513aの下端から上方に向かって設けられている。係止溝514は、係止孔513aの下端からの深さの浅い浅溝部514aとそれよりも深い深溝部514bとからなる略L字状で、対向する係止溝514、514の浅溝部514a、514a同士、深溝部514b、514b同士が、それぞれ中心を挟んで対向する位置に形成されている。すなわち係止溝514、514は、中心を挟んで点対称に形成されている。
コネクタカバー520は、透明な合成樹脂からなり、図7及び図8に示すように、基板ケース200に取り付けられた取付側部材510に対して取り付けた際に、基板側コネクタ620aに接続されたケーブル側コネクタ610aの一部を被覆する断面視略コ字状の被覆部521が成形されているとともに、被覆部521の長手方向側面の一方の側面521aに取付側部材510における係止孔部513の係止孔513aの内周とほぼ同径の係止筒522が接続片522aを介して設けられている。
被覆部521の一方の側面521aの下端は、取付側部材510に取り付けた際にその基片510aの上面に当接するとともに、側面521aの背面には、リブ521b、521bが設けられ、そのリブ521b、521bの下面も基片510aの上面に当接するようになっている。
係止筒522は、図10に示すように、中心を挟んで対向する位置に、先端に外向きの係止爪523aが形成され、内方に弾性変形可能な係合部523、523が設けられている。係合部523、523は、その係止爪523a、523aが、コネクタカバー520を基板側コネクタ620aにケーブル側コネクタ610aが接続されている状態で取付側部材510に取り付けた際に、係止孔513aに形成された係止溝514、514の浅溝部514a、514aに対して係合する位置に設けられている。
次に、コネクタ規制部材500の基板ケース200への取付状況及び基板ケース200の筐体への取付状況について説明する。
まず、基板ケース200を構成する下部ケース201及び上部ケース203の内部に遊技制御基板101を収容して封止状態とする。下部ケース201及び上部ケース203を封止状態とするには、下部ケース201の2対の係止部210に対して、それぞれ対応する上部ケース203の係合部230を係合させた後、下部ケース201のいずれかの封止片211と上部ケース203の対応する封止片231とをワンウェイネジにて固着する。
ワンウェイネジは、周知のように、一方向の回転によってネジを螺着することができるが、他方向に回転させようとしても回転させることができない、すなわち、そのネジを緩めることができない機能を有するネジである。このため、下部ケース201のいずれかの封止片211と上部ケース203の対応する封止片231とをワンウェイネジにて固着すると、封止片211及び封止片231のいずれか一方を破断させなければ、これらの固着を解除できないようになっている。
そして、封止片211及び封止片231を固着することにより、下部ケース201に対する上部ケース203の長手方向の移動が規制され、その結果、下部ケース201の係止部210に対する上部ケース203の係合部230の係合の解除も規制されることとなり、上部ケース201と下部ケース203は、内部に遊技制御基板101を収容した状態で一体化され、封止片211及び封止片231を破断しなければ、開放することができない状態となる。
次に、遊技制御基板101を封止状態とした基板ケース200に対して取付側部材510を取り付ける。取付側部材510は、その両側片510d、510dを外方に向かって弾性変形させ、上部ケース203の段部203bに装着する。そして弾性変形を解除することで、係止片511、511を下部ケース201の裏面における係合溝212、212に係合させることで取り付けられる。この際、取付側部材510の基片510a、上片510c、510cは、それぞれ上部ケース203の段部203b上面、凹部203fの底面に当接するとともに、基片510aに設けられた切り欠き512が、上部ケース203の凹部203fに設けられた挿通孔234と一致し、これら切り欠き512及び挿通孔234を介して、基板ケース200に収容された遊技制御基板101の基板側コネクタ620aが基板ケース200内から外部に露出するようになっている。
次に、取付ベース250のビス孔252を介して取付ネジ259を筐体側の壁に螺入し、取付ベース250を筐体に対して固定するとともに、固着部材255の係止部257、257を取付ベース250の係合溝254a、254aにそれぞれ嵌入し、固着部材255を取付ベース250に対して装着する。
次に、取付側部材510が取り付けられた基板ケース200を取付ベース250に対して組み付ける。詳しくは、基板ケース200の一端側に突出する係止片235、235をそれぞれ取付ベース250の係止孔部251、251の係止孔251a、251aに挿入した後、図9に示すように、基板ケース200を取付ベース250の側壁250b、250cの間に収容させるとともに、係止柱253の係止爪253aによって基板ケース200の他端側段部203aの上面を係止して基板ケース200を取付ベース250に仮止めする。この状態で上部ケース203の一端に設けられた4つの封止片232と取付ベース250に装着された固着部材255の固着孔256がそれぞれ対応する位置となり、この状態で、いずれかの封止片232の上方から対応する固着孔256に対して前述のワンウェイネジを螺入することで、封止片232と固着部材255とを固着する。
そして、封止片232及び封止片固着部材255を固着することにより、基板ケース200の封止片232側の端部における取付ベース250からの取り外し方向への移動が規制されるとともに、係止柱253によって基板ケース200の封止片232側への水平移動も規制されるので、基板ケース200の一端側に突出する係止片235、235を取付ベース250の係止孔251a、251aから外すことも不可能となる。更に、この状態では、取付ベース250の底板250aのビス孔252は全て基板ケース200に被覆され、取付ネジへの259へのアクセスも不能となり、取付ベース250を筐体から取り外すことも不可能となる。このようにして、取付側部材510が取り付けられた基板ケース200は、取付ベース250を介して筐体に固定され、封止片232または固着部材255を破断しなければ、基板ケース200を筐体から取り外すことができない状態となる。
また、取付側部材510が取り付けられた基板ケース200が取付ベース250(筐体)に対して取り外し不能に固定されると、図13(a)に示すように、取付側部材510の側片510d、510dが取付ベース250の側壁250b、250cの内面に当接し、狭持されて取付側部材510の両側片510d、510dの外方への変形が規制されるため、取付側部材510を基板ケース200から取り外すことが不可能となる。
次に、図9に示すように、基板ケース200の挿通孔234及び取付側部材510における基片510aの切り欠き512を介して露呈する遊技制御基板101の基板側コネクタ620aに対してケーブル600aのケーブル側コネクタ610aを接続した後、これら基板側コネクタ620aとケーブル側コネクタ610aを接続した状態で、図12に示すように、コネクタカバー520の被覆部521でケーブル側コネクタ610aの上方を被覆するとともに、コネクタカバー520の係止筒522を取付側部材510における係止孔部513の係止孔513aに嵌入させる。これにより係止筒522の係合部523、523は、係止孔513aの内周に当接して内方に弾性変形する。この際、係合部523、523は、被覆部521でケーブル側コネクタ610aを被覆する位置とすると、自ずと係止孔513aの内面に形成された係合溝514、514のうち浅溝部514a、514aに位置決めされることとなり、係止筒522を更に嵌入し、係合部523、523の先端の係止爪523a、523aが係合溝514、514の浅溝部514a、514aに到達することで、図11(a)に示すように、係合部523、523の内方への弾性変形が開放され、係止爪523a、523aがそれぞれ浅溝部514a、514aに係合し、係止筒522の上方への移動が規制されるとともに、被覆部521の側面521aと基板側コネクタ620a及びケーブル側コネクタ610aの側面とが当接して、係止筒522の係止孔部513に対する回転が規制されることにより、取付側部材510とコネクタカバー520とが連結し、一体化されたコネクタ規制部材500が形成された状態となる。この状態では、係合部523、523が係止孔部513によって被覆されるため、外部から係合部523、523を内方に弾性変形させることが不可能となり、コネクタカバー520または取付側部材510を破断しなければ、コネクタカバー520を取付側部材510から取り外すことが不可能となる。
コネクタカバー520を取付側部材510に対して取り外し不能に取り付けると、図13(a)(b)に示すように、被覆部521によってケーブル側コネクタ610aの上面の一部が被覆され、ケーブル側コネクタ610aの基板側コネクタ620aからの抜き方向への移動が規制され、ケーブル側コネクタ610aの基板側コネクタ620aからの抜脱が規制されるようになっている。
このように、取付側部材510を基板ケース200に取り付けた状態で、基板ケース200を筐体に対して固着した後、ケーブル側コネクタ610aを基板側コネクタ620aに接続し、その状態で基板側コネクタ620aの一部を上方から被覆するようにして取付側部材510に取り付けることによって、ケーブル側コネクタ610aの基板側コネクタ620aからの抜脱が不能化されるようになっている。
次に、ケーブル側コネクタ610aと基板側コネクタ620aとの接続を解除する際の状況について説明する。
ケーブル側コネクタ610aと基板側コネクタ620aとの接続を解除するには、取付側部材510またはケーブルカバー520を破断してコネクタカバー520を取付側部材510から取り外すか、基板ケース200の封止片232または固着部材255を破断して、基板ケース200を取付ベース250から取り外し、コネクタカバー520が取り付けられた状態のままの取付側部材510を基板ケース200から取り外す必要がある。
例えば、ケーブル600aの故障などによりケーブル側コネクタ610aを基板側コネクタ620aから外す必要がある場合には、前者の方法で取り外し、基板の故障などにより基板ケース200ごと交換する場合には、後者の方法で取り外せば良い。
まず、ケーブル600aを交換するにあたり、ケーブル側コネクタ610aを基板側コネクタ620aから外す必要がある場合に、コネクタカバー520を取付側部材510から取り外す方法について説明すると、最初に、ニッパーなどの工具でコネクタカバー520の被覆部521と係止筒522とを繋ぐ接続片522aを破断する。これにより被覆部521が分離するとともに、係止筒522の係止孔部513に対する回転が可能な状態となる。この状態で、係止筒522を、上面視反時計回りに回転させることで、係合部523、523が係合溝514、514の浅溝部514a、514aから深溝部514b、514bの位置に移動し、図11(a)に示すように、係止爪523a、523aが浅溝部514a、514aに係合している状態から、図11(b)に示すように、係止爪523a、523aと浅溝部514a、514aの係合が解除された状態となる。これにより、係止筒522の上方への移動が可能となり、図11(c)に示すように、係止筒522を上方に引き抜くと、係止爪523a、523aが深溝部514b、514bに係合するが、この状態では、係合部523、523が露呈するため、内方に弾性変形させることが可能となり、係合部523、523を内方に弾性変形させることにより、係止爪523a、523aと深溝部514b、514bとの係合が解除され、係止筒522を取付側部材510から取り外すことができ、これによりコネクタカバー520が取付側部材510から完全に分離し、コネクタカバー520によるケーブル側コネクタ610aの抜き方向の移動の規制も解除されるので、ケーブル側コネクタ610aと基板側コネクタ620aとの接続を解除することができるようになる。
なお、コネクタカバー520を取付側部材510から取り外すと、被覆部521と係止筒522とが破断し、一度破断すると元の状態とはならないため、ケーブル側コネクタ610aと基板側コネクタ620aとの接続を解除した痕跡が残ることとなる。
次に、基板ケース200ごと交換するにあたり、ケーブル側コネクタ610aを基板側コネクタ620aから外す必要がある場合に、取付側部材510をコネクタカバー520ごと基板ケース200から取り外す方法について説明すると、最初に、ニッパーなどの工具で固着部材255と固着されている基板ケース200の封止片232を破断する。これにより、基板ケース200の封止片232側の端部における取付ベース250からの取り外し方向への移動が可能となるので、係止柱253の係止爪253aと基板ケース200の段部203eとの係合を解除する。これに伴って封止片232側への水平方向への移動も可能となるので、基板ケース200の係止片235、235を取付ベース250の係止孔251a、251aから取り外す。これにより、基板ケース200が取付ベース250から取り外され、取付側部材510の側片510d、510dを外方に変形することが可能な状態となり、取付側部材510からコネクタカバー520を取り外すことなく、取付側部材510を基板ケース200から取り外すことが可能となり、これによりコネクタカバー520と一体化された状態で取付側部材510を基板ケース200から取り外すことにより、コネクタカバー520によるケーブル側コネクタ610aの抜き方向の移動の規制も解除されるので、ケーブル側コネクタ610aと基板側コネクタ620aとの接続を解除することができるようになる。
なお、この方法によっても取付側部材510を基板ケース200から取り外すためには、固着部材255と固着されている基板ケース200の封止片232を破断する必要があり、一度破断すると元の状態とはならないため、ケーブル側コネクタ610aと基板側コネクタ620aとの接続を解除した痕跡が残ることとなる。
また、この方法によれば、基板ケース200の封止片232が破断され、固着部材255に残るが、取付側部材510からコネクタカバー520を取り外すことなく、取付側部材510を基板ケース200から取り外せるため、交換用に遊技制御基板101が収容された新たな基板ケース200にコネクタカバー520が組み付けられた状態の取付側部材510を取り付けることで、新たな基板ケース200においてケーブル側コネクタ610aと基板側コネクタ620aとの接続の解除が不能化されるとともに、新しい固着部材255を取付ベース250に装着し、コネクタカバー520が組み付けられた状態の取付側部材510を取り付けた新たな基板ケース200を取付ベース250に取り付けて固着部材255と封止片232とを固着することで、再び取付側部材510の取り外しが不可能な状態となり、ケーブル側コネクタ610aと基板側コネクタ620aとの接続を解除した場合には、その痕跡を残せる状態となる。すなわちこのような場合には、取付側部材510とコネクタカバー520とを再利用することが可能となる。
次に、コネクタ規制部材650の詳細な構造について説明する。
図14は、コネクタ規制部材650を構成する載置台660及びカバー部材680を示す分解斜視図であり、図15は、載置台660に対してカバー部材680を組み付けた状態を示す斜視図であり、図16(a)は、図15のE−E断面図であり、図16(b)は、図15のF−F断面図である。
コネクタ規制部材650は、図14及び図15に示すように、操作部中継基板107を載置する載置台660と、載置台660を上方から被覆するカバー部材680と、から構成され、載置台660に操作部中継基板107を収容した後、操作部中継基板107の基板側コネクタ621a、622gに、それぞれに対応するケーブル600a、601gのケーブル側コネクタ611a、612gを接続した後、カバー部材680をケース体610に取り付けることで、基板側コネクタ621a、622gからのケーブル側コネクタ611a、612gの抜脱が規制される。
載置台660は、透明な合成樹脂からなり、操作部中継基板107よりも大径の略長方形状に成形されている。操作部中継基板107には、図14に示すように、基板側コネクタ621a、622a、622b、622c、622d〜622f、622gが実装されており、載置台660の長辺側の両側面、及び短辺側の一方の側面には、操作部中継基板107を載置した際に、操作部中継基板107において差し込み口が実装面と水平方向に開口する基板側コネクタ622a、622b、622c、622d〜622f、622gが位置する部位を避けて、外方に突出するように、係止孔661bを有する係止孔部661がそれぞれ1つずつ接続片661aを介して設けられている。係止孔661bの内周面には、中心を挟んで対向する位置に中心向きの係止爪661c、661cが1対形成されている。
カバー部材680は、透明な合成樹脂からなり、載置台660とほぼ同形状に成形されており、一方の長辺側には、操作部中継基板107の基板側コネクタ621aに対応する位置に手前に向かって膨出するカバー部681が、他方の長辺側には、作業部中継基板110の基板側コネクタ622a、622bに対応する位置に手前側に向かって膨出するカバー部688、基板側コネクタ622c、622g、622d〜622fに対応する位置に手前に向かって膨出するカバー部689がそれぞれ形成されている。
カバー部681の上面681aには、ケーブル600aのケーブル側コネクタ611aの長辺の長さよりも狭い、基板側コネクタ621aに接続されたケーブル600aを逃がすための切り欠き681bが外側の側面にかけて形成され、これにより、上面681aの両側端には、それぞれ被覆面681c、681が形作られる。
カバー部688には、基板側コネクタ622a、622bに接続されたケーブル612a、612bを逃がすための切り欠き682aが形成されているとともに、カバー部689には、基板側コネクタ622cに接続されたケーブル612cを逃がすための切り欠き682b、基板側コネクタ622gに接続されたケーブル612gを逃がすための切り欠き632c、基板側コネクタ622d〜fに接続されたケーブル612d〜fを逃がすための切り欠き682dがそれぞれ形成されている。特に、基板側コネクタ622gに接続されたケーブル612gを逃がすための切り欠き682cは、ケーブル601gの長辺の長さよりも狭幅に形成されており、その両端には、カバー部689から垂下する被覆片683、683がそれぞれ設けられている。
また、カバー部材680の長辺側の両側面、及び短辺側の一方の側面には、載置台660の係止孔部661と対応する位置に、外方に突出するように、係止孔661bの内周面とほぼ同径の係止筒684が接続片684aを介して設けられている。係止筒684の外周面には、係止孔661bの内周に設けられた1対の係止爪661cと対応する箇所にそれぞれ係止孔684が形成されており、係止爪661cが係合できるようになっている。
次に、載置台660とカバー部材680の取付状況について説明すると、まず、図14に示すように、載置台660に操作部中継基板107を載置し、基板側コネクタ621a、622a、622b、622c、622d〜622f、622gにそれぞれ対応するケーブル側コネクタ611a、612a、612b、612c、612d〜612f、612gを接続する。これらケーブル側コネクタを基板側コネクタに接続した後、カバー部材680を載置台660に対して取り付ける。
詳しくは、カバー部材680の係止筒634を載置台660の対応する係止孔部661の係止孔661bに嵌入する。そして係止筒634を係止孔661bに押し込むことにより、係止孔661b内の係止爪661cが係止筒684の係止孔684に係合する。これにより、外方から係止爪661cと係止孔684との係合を解除することが不可能な状態となり、図15に示すように、載置台660とカバー部材680とが、係止孔部661または係止筒634を破断しなければ取り外し不能に組み付けられた状態となる。
そして、載置台660とカバー部材680とが組み付けられると、図16(a)に示すように、操作部中継基板107の基板側コネクタ621aに接続されたケーブル側コネクタ611aの両端部上面がカバー部材680の被覆部681c、681cに被覆され、ケーブル側コネクタ611aの基板側コネクタ621aからの抜き方向への移動が規制され、ケーブル側コネクタ611aの基板側コネクタ621aからの抜脱が規制されるようになっている。
また、載置台660とカバー部材680とが組み付けられると、図16(b)に示すように、操作部中継基板107の基板側コネクタ622gに接続されたケーブル側コネクタ612gの両端部上面がカバー部材680の被覆片683、683に被覆され、ケーブル側コネクタ621gの基板側コネクタ622gからの抜き方向への移動が規制され、ケーブル側コネクタ621gの基板側コネクタ622gからの抜脱が規制されるようになっている。
次に、ケーブル側コネクタ611aと基板側コネクタ621aとの接続及びケーブル側コネクタ621gと基板側コネクタ622gとの接続を解除する際の状況について説明する。
ケーブル側コネクタ611aと基板側コネクタ621aとの接続及びケーブル側コネクタ621gと基板側コネクタ622gとの接続を解除するには、ニッパーなどの工具でカバー部材680の係止筒684を繋ぐ接続片684aを破断する。これにより、カバー部材680の本体と係止筒684とが分離して、カバー部材680を載置台660から取り外すことが可能となり、カバー部材680を載置台660から取り外すことにより、被覆部681c、681cによるケーブル側コネクタ611aの抜き方向の移動の規制が解除されるとともに、被覆片683、683によるケーブル側コネクタ621gの抜き方向の移動の規制も解除されるので、ケーブル側コネクタ611aと基板側コネクタ621aとの接続及びケーブル側コネクタ621gと基板側コネクタ622gとの接続を解除することができるようになる。
なお、カバー部材680を載置台660から取り外すと、カバー部材680の本体と係止筒684とが破断し、一度破断すると元の状態とはならないうえに、分離した係止筒684が載置台660の係止孔部661の係止孔661b内に残るため、ケーブル側コネクタ611aと基板側コネクタ621aとの接続及びケーブル側コネクタ621gと基板側コネクタ622gとの接続との接続を解除した痕跡が残ることとなる。
上記スロットマシン1においては、可変表示装置2の何れかの入賞ライン上に役図柄が揃うと、入賞となる。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められている。遊技状態としては、通常の遊技状態の他に、特別遊技状態としてのレギュラーボーナス、ビッグボーナスと、通常遊技状態よりもリプレイの当選確率が高くなるRTとがある。また、入賞となる役の種類には、大きく分けて、特別遊技状態(レギュラーボーナス、ビッグボーナス)への移行を伴う特別役と、メダルの払い出しを伴う小役と、賭け数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役とがある。図17(a)は、このスロットマシン1において入賞となる役の種類と可変表示装置2における図柄の組み合わせを説明する図である。
レギュラーボーナスは、通常の遊技状態またはRTにおいて何れかの入賞ラインに「BAR−BAR−BAR」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。レギュラーボーナス入賞すると、遊技状態が通常の遊技状態またはRTからレギュラーボーナスに移行する。レギュラーボーナスは、12ゲームを消化したとき、または8ゲーム入賞(役の種類は、いずれでも可)したときの何れか早いほうで終了する。遊技状態がレギュラーボーナスにある間は、レギュラーボーナス中フラグがRAM112に設定される(次に説明するビッグボーナス中に提供された場合を含む)。
ビッグボーナス(1)は、通常の遊技状態またはRTにおいて何れかの入賞ラインに「赤7−赤7−赤7」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。ビッグボーナス(2)は、通常の遊技状態またはRTにおいて何れかの入賞ラインに「白7−白7−白7」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)入賞すると、遊技状態がビッグボーナスに移行する。
ビッグボーナスにおいては、上記したレギュラーボーナスが終了まで繰り返して提供される。遊技状態がビッグボーナスにある間は、ビッグボーナス中フラグがRAM112に設定される。ビッグボーナスは、遊技者に払い出したメダルの枚数が465枚を越えたときに終了する。ここでは、1ゲーム当たりの最大払出枚数が15枚なので、ビッグボーナスにおける払出メダル枚数の上限は、480枚となる。ビッグボーナスが終了したゲームでは、メダルの払い出しが終了しても規定時間の間は次のゲームの賭け数の設定に移行できないフリーズ状態に制御される。もっとも、フリーズ状態に制御されている間も、精算ボタン16の操作によってクレジットの精算を行うことは可能である。
後述する内部抽選においてレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選していても、リール3L、3C、3Rの全てについて「赤7」、「白7」、「BAR」が5コマ以内の間隔で配置されている訳ではないので、停止ボタン12L、12C、12Rの操作手順によってはこれらの役に入賞しない場合がある。
スイカは、何れの遊技状態においても何れかの入賞ラインに「スイカ−スイカ−スイカ」の組み合わせが揃ったときに入賞となり、15枚のメダルが払い出される。リール3L、3C、3Rの全てについて「スイカ」が5コマ以内の間隔で配置されている訳ではないので、スイカに当選している場合であっても、停止ボタン12L、12C、12Rの操作手順によってはスイカに入賞しない場合がある。
ベルは、何れの遊技状態においても何れかの入賞ラインに「ベル−ベル−ベル」の組み合わせが揃ったときに入賞となり、8枚のメダルが払い出される。リール3L、3C、3Rの全てについて「ベル」が5コマ以内の間隔で配置されているので、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)にも当選していて、ベルよりもこれらの導出が優先される場合を除いて、ベルに当選している場合には、停止ボタン12L、12C、12Rの操作手順に関わらずにベルに入賞する。
チェリーは、何れの遊技状態においても右のリール3Rについて何れかの入賞ラインに「チェリー」の図柄が導出されたときに入賞となり、1入賞ラインにつき2枚のメダルが払い出される。右のリール3Rの上段または下段に「チェリー」が停止したときには、2つの入賞ラインでの導出となるので合計4枚のメダルが払い出される。
リプレイは、通常の遊技状態またはRTにおいて何れかの入賞ラインに「JAC−JAC−JAC」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。リプレイ入賞したときには、メダルの払い出しはないが次のゲームを改めて賭け数を設定することなく開始できるので、次のゲームで設定不要となった賭け数3に対応した3枚のメダルが払い出されるのと実質的には同じこととなる。リール3L、3C、3Rの全てについて「JAC」が5コマ以内の間隔で配置されているので、リプレイに当選している場合には、停止ボタン12L、12C、12Rの操作手順に関わらずにリプレイ入賞する。
また、入賞となる役として定められたものではないが、通常の遊技状態において何れかの入賞ラインに「チェリー−スイカ−スイカ」の組み合わせが揃ったときには、RT図柄の導出となり、遊技状態がRTに制御される。このRTは、100ゲームを消化するまでか、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞するまで継続され、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選しただけでは終了させられない。なお、RT図柄は、スイカの取りこぼしによって導出されるものである。
なお、後述するようにレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の当選が持ち越されている状態で小役(スイカ、ベル、チェリー)やリプレイに当選する場合がある。リプレイは、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に優先して導出されるので、取りこぼしは全く生じないが、小役よりもレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の導出が優先されることとなる。
以下、内部抽選について説明する。内部抽選は、上記した各役への入賞を許容するかどうかを、可変表示装置2の表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートレバー11の操作時)、決定するものである。内部抽選では、乱数発生回路115から内部抽選用の乱数(0〜65535の整数)が取得される。そして、遊技状態に応じて定められた各役について、取得した内部抽選用の乱数と、遊技者が設定した賭け数と、設定スイッチ91により設定された設定値に応じて定められた各役の判定値数に応じて行われる。内部抽選における当選は、排他的なものである。
内部抽選では、各役について遊技状態及び設定値毎に登録されている判定値数を、内部抽選用の乱数に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、その対象となっている役に当選したものと判定される。当選と判定されると、当該役の当選フラグがRAM112に設定される。判定値数は、ROM113に遊技状態別当選役テーブルに登録されている。
図17(b)は、遊技状態別当選役テーブルを示す図である。遊技状態別当選役テーブルは、ROM113に予め格納され、内部抽選において遊技状態毎に各抽選対象となる役の判定値数を登録したテーブルである。ここでは、所定の設定値のものだけを示しているが、設定値の違いに応じて微妙に異なる値が登録されている。内部抽選においては、複数の役が同時に抽選対象となる場合もある。この遊技状態別当選役テーブルに従って、内部抽選では、レギュラーボーナス、レギュラーボーナス+チェリー、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(1)+チェリー、ビッグボーナス(2)、ビッグボーナス(2)+チェリー、スイカ、ベル、チェリー、リプレイの判定値数が順番に遊技状態に応じて取得される。
もっとも、レギュラーボーナス(ビッグボーナス中に提供された場合を含む)の遊技状態に対しては、レギュラーボーナス、レギュラーボーナス+チェリー、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(1)+チェリー、ビッグボーナス(2)、ビッグボーナス(2)+チェリー、リプレイの判定値数として0が登録されているため、これらの役に当選することはない。
通常の遊技状態またはRTにおいて、前回以前のゲームからレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の当選フラグが持ち越されているときにおいて、抽選対象役としてレギュラーボーナス+チェリー、ビッグボーナス(1)+チェリー、ビッグボーナス(2)+チェリーが読み出されているときに当選したと判定された場合は、チェリーと、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の同時当選となる。つまり、チェリーに当選したゲームでは、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の当選の可能性もあるということである。
また、通常の遊技状態またはRTであっても、前回以前のゲームでレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選し、その当選フラグが持ち越されているときには、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の当選となることはない。このような場合で、抽選対象役としてレギュラーボーナス+チェリー、ビッグボーナス(1)+チェリー、ビッグボーナス(2)+チェリーが読み出されているときに当選したと判定された場合は、チェリーのみの当選となる。
また、通常の遊技状態、RTにおけるリプレイの判定値数は、それぞれいずれの設定値でも同じとなっている。もっとも、リプレイの判定値数の合計数は、通常の遊技状態では8992であるのに対して、RTでは50604となっている。通常の遊技状態におけるリプレイ当選確率は、おおよそ1/7.3となっているのに対して、RTにおけるリプレイ当選確率は、おおよそ1/1.4となっており、非常に高い確率でリプレイ入賞するものとなっている。
このようにリプレイの合計当選確率が設定されることで、通常の遊技状態では、メダルの払出率が1より小さい(すなわち、賭け数の設定のために投入するメダルの数に対して内部抽選で当選する小役に対して払い出されることとなるメダルの数の方が小さい)が、RTでは、リプレイの合計当選確率が高くなることにより、メダルの払出率が1より大きくなる(すなわち、賭け数の設定のために投入するメダルの数に対して内部抽選で当選する小役に対して払い出されることとなるメダルの数の方が大きい)。もっとも、RTにおけるメダルの払出率も、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)で提供されるレギュラーボーナスにおけるメダルの払出率よりは小さい。なお、ここで説明した遊技状態に応じたメダルの払出率の関係は、設定値が1〜6のいずれとなっている場合も同じである。
次に、リール3L、3C、3Rの停止制御について説明する。可変表示装置2を構成するリール3L、3C、3Rは、スタートレバー11が操作され、且つ前回のゲームにおけるリール3L、3C、3Rの回転開始から所定時間を経過していることを条件に、回転開始される。そして、遊技者によって停止ボタン12L、12C、12Rが操作されると、その操作タイミングからそれぞれに対応するリール3L、3C、3Rが190ミリ秒の最大停止遅延時間の範囲内(4コマの引き込み範囲内)で停止されるものとなる。
リール3L、3C、3Rの回転停止は、190ミリ秒の最大停止遅延時間の範囲内で当選フラグの設定されている役の図柄を入賞ライン上に揃えるように、また、190ミリ秒の最大停止遅延時間の範囲内で当選フラグの設定されていない役の図柄を入賞ライン上に揃えないように制御される。
ここで、レギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグとリプレイ当選フラグが重複して設定されているときには、リプレイの図柄を優先して入賞ライン上に揃えるように制御される。停止ボタン12L、12C、12Rの操作手順に関わらずに、リプレイに入賞するので、この場合においてレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞することはない。
レギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグとスイカ当選フラグまたはベル当選フラグが重複して設定されている場合には、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の図柄を優先して入賞ライン上に揃えるように制御される。停止ボタン12L、12C、12Rの操作手順によりレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の図柄を何れの入賞ライン上にも揃えることができない場合であって、「スイカ」または「ベル」を入賞ライン上に揃えられる場合には、「スイカ」または「ベル」を入賞ライン上に揃えて、スイカまたはベルに入賞させることができる。
レギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグとチェリー当選フラグが重複して設定されている場合には、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグの図柄を優先して入賞ライン上に揃えるように制御される。停止ボタン12L、12C、12Rの操作手順によりレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグの図柄を何れの入賞ライン上にも揃えることができない場合であって、左のリール3Lの上段または下段に「チェリー」を導出できる場合には、「チェリー」を上段または下段に導出させて、チェリーに入賞させる。
また、チェリー当選フラグのみが設定されている場合において、左の停止ボタン12Lが1番目に操作された場合には、0番、7番、または14番の「チェリー」の何れかが左のリール3Lの上段または下段に停止されるものとなる。レギュラーボーナス当選フラグが設定されている場合において、左の停止ボタン12Lが1番目に操作された場合、その操作タイミングが5番〜11番の図柄が下段に位置するタイミングでは「BAR」を導出させるが、それ以外の図柄が下段に位置するタイミングでは「チェリー」を左のリール3Lの上段または下段に停止させる(チェリー当選フラグが併せて設定されている場合も同じ)。
ビッグボーナス(1)当選フラグ、ビッグボーナス(2)当選フラグが設定されている場合も同様に、それぞれ「赤7」、「白7」を導出できないタイミングで左の停止ボタン12Lが1番目に操作されたのであれば、左のリール3Lの上段または下段に停止させる。さらに、スイカ当選フラグが設定されている場合に左のリール3Lの9番または10番の図柄が下段に位置するタイミングで停止ボタン12Lが1番目に操作された場合には、14番の「チェリー」を上段まで引き込んで停止させる(但し、レギュラーボーナス当選フラグも設定されている場合には、「BAR」を導出できるために「チェリー」は導出されない)。
これ以外の場合で左の停止ボタン12Lが1番目に操作された場合には、左のリール3Lに「チェリー」が導出されることのないように、左のリール3Lが停止制御される。つまり、全ての役の当選フラグが設定されていないならば、4コマ以内の滑りコマ数で「チェリー」を蹴飛ばすものとすることができ、ベルまたはリプレイの当選フラグが設定されているときでも、4コマ以内の滑りコマ数で「チェリー」を蹴飛ばしても「ベル」または「JAC」を左のリール3Lの何れかの位置に導出させることができるからである。
なお、上記のリール3L、3C、3Rの停止制御は、遊技状態及び当選フラグの設定状況(及び既に停止しているリールに導出された図柄)に応じて未だ停止していないリールの停止操作位置と停止位置との関係を定めた停止制御テーブルを未停止のリールについて予め作成し、停止ボタン12L、12C、12Rがそれぞれ操作されたときに、予め作成された停止制御テーブルを参照して、対応するリールの回転を停止させるものとしている。なお、停止制御テーブルでは、停止操作位置に対して停止位置が一意に定められている。
遊技制御基板101の側においては、上記のように内部抽選が行われ、その結果と停止ボタン12L、12C、12Rの操作タイミングとに従ってリール3L、3C、3Rの回転が停止し、入賞が発生するものとなる。入賞の発生により、配当としてメダルの払い出しや遊技状態の移行が与えられるが、このように遊技制御基板101の側における遊技の進行状況に応じて、演出制御基板102の側で独自の演出が行われる。このような演出を行うためには、演出制御基板102のCPU121は、遊技制御基板101の側における遊技の進行状況を認識できなければならないが、このような遊技の進行状況に関する情報は、全てコマンドとして遊技制御基板101から演出制御基板102に送信される。
遊技制御基板101から演出制御基板102に送信されるコマンドには、少なくとも電源投入コマンド、初期化コマンド、設定変更開始コマンド、設定変更終了コマンド、精算開始コマンド、精算終了コマンド、エラーコマンド、エラー復帰コマンド、BETコマンド、当選状況通知コマンド、リール停止コマンド、入賞情報コマンド、及び遊技状態コマンドが含まれている。遊技制御基板101から演出制御基板102に送信されるコマンドには、これ以外のコマンドも含まれているが、本発明に直接関わるものではないため、詳細な説明を省略している。
電源投入コマンドは、設定キースイッチ92をONせずにスロットマシン1を起動して、電断までの状態に復帰するときに送信されるもので、復帰後に開始するゲームにおける遊技状態とレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の当選の有無を示す。初期化コマンドは、設定キースイッチ92をONしてスロットマシン1を起動して、設定値を改めて設定した場合に送信されるものである。
設定変更開始コマンドは、設定キースイッチ92をONしてスロットマシン1を起動してRAM112がクリアされた後、設定スイッチ91の操作により設定値の変更が可能になる期間の開始時に送信される。設定変更終了コマンドは、設定キースイッチ92がOFFされて、設定スイッチ91の操作により設定した新たな設定値が確定されたときに送信される。設定変更終了コマンドは、新たに設定された設定値を示す情報を含むものであってもよい。
精算開始コマンドは、精算ボタン16の操作により未だ開始されていないゲームに対して設定された賭け数(リプレイ入賞に基づくものを除く)またはクレジットの精算が開始されるときに送信される。精算終了コマンドは、精算された賭け数またはクレジットに応じたメダルの払い出しが終了したときに送信される。
エラーコマンドは、スロットマシン1での遊技において各種のエラーが発生したときに送信される。エラーコマンドは、発生したエラーの種類を示す情報を含むものであってもよい。エラー復帰コマンドは、第1リセットスイッチ48または第2リセットスイッチ93の操作によりエラーから復帰したときに送信される。
BETコマンドは、現在までに設定された賭け数を示すもので、遊技者の操作によりまたはリプレイゲームにより設定されている賭け数の数が1つずつ大きくなる度に送信される。この実施の形態において1ゲームを行うための賭け数は3であるので、1ゲームの開始前に3回BETコマンドが送信されることとなる。当選状況通知コマンドは、RAM112における当選フラグの設定状況を示すもので、スタートレバー11が操作されて内部抽選が行われたときに送信される。
リール停止コマンドは、停止ボタン12L、12C、12Rが操作されたときに、それぞれ送信される。入賞情報コマンドは、可変表示装置2の表示結果に応じて発生した入賞の種別と、入賞の図柄が揃った入賞ラインを示すもので、可変表示装置2に表示結果が導出されて入賞判定が行われたときに送信される。遊技状態コマンドは、次のゲームで適用される遊技状態を示すもので、1ゲームの終了時において送信される(但し、メダルの払い出しがあるときはメダルの払い出しが終了したとき、ビッグボーナスの終了時にはメダルの払い出しが終了してフリーズ状態が開始されるとき)。
演出制御基板102のCPU121は、このように遊技制御基板101のCPU111から送られてくるコマンドに基づいて各種の演出を行うものとしている。このような演出として、可変表示装置2の表示結果により入賞が発生していた場合に、入賞の図柄組み合わせが揃った入賞ラインに対応したリールランプ3LPを点滅させて、当該入賞ラインを遊技者に示す演出が行われる。
入賞の図柄組み合わせが揃った入賞ラインに対応したリールランプ3LPの点滅が開始されるのは、遊技状態コマンドが送信されるタイミングとなる。すなわち、小役以外の入賞の場合には、リール3L、3C、3Rが全て停止して可変表示装置2に表示結果が導出されたタイミングとなる。また、小役入賞の場合には、可変表示装置2に表示結果が導出された後、メダルの払い出しを完了したタイミングとなる。これは、ビッグボーナスの終了ゲームでフリーズ状態に制御されるときであっても変わらない(つまり、メダルの払い出しを完了すれば、フリーズ状態にあっても入賞の図柄組み合わせが揃った入賞ラインに対応したリールランプ3LPが点滅される。
一方、入賞の図柄組み合わせが揃った入賞ラインに対応したリールランプ3LPの点滅が終了されるのは、次のゲームのための賭け数が設定されたタイミング(リプレイ入賞に基づく自動設定を含む)、或いは次のゲームのための賭け数を設定せずに精算ボタン16を操作してクレジットの精算を行ったタイミングである。また、リール3L、3C、3Rの少なくとも1つが回転しているゲーム中以外に所定期間以上に亘って継続して遊技の進行のための操作が行われなかったときも、入賞の図柄組み合わせが揃った入賞ラインに対応したリールランプ3LPの点滅が終了される。
また、遊技状態がレギュラーボーナスやビッグボーナスにあるときはボーナスの種類に応じたボーナス中楽曲が、遊技状態がRTにあるときにはRT中楽曲が、スピーカ7L、7U、7Rから継続して出力される。ボーナス中楽曲は、遊技状態がレギュラーボーナスやビッグボーナスにある間は、ボリューム調整レバー96により電子ボリューム127aに設定されるレベルでスピーカ7L、7U、7Rから出力されるが、所定期間継続して遊技操作がされなかった場合、或いはクレジットまたは既に設定した賭け数の精算操作が行われた場合に、その出力がミュートされる。もっとも、その後に遊技を進行させるための何らかの操作が行われれば、ミュートは解除される。RT中楽曲についても同様である。
また、各種のエラーが発生したときには、エラーから復帰するまで警報音としてエラー音が継続して再生される。また、設定値の変更が行われると、設定値の変更開始から終了まで警報音として設定変更音が継続して再生される。さらに、賭け数またはクレジットの精算の開始から終了まで警報音として精算音が継続して再生される。これらの警報音は、必ず最大レベルで再生され、スピーカ7L、7R、7Uから出力されるものとなっている。
なお、演出制御基板102のRAM122には、遊技制御基板101から受信した当選状況通知コマンドが示す当選状況、入賞情報コマンドが示す入賞情報、及び遊技状態コマンドが示す遊技状態を保存するための領域も設けられている。ビッグボーナスまたはレギュラーボーナス、並びにRTの開始及び終了については、最新の遊技状態コマンドが示す遊技状態を参照するだけでは判断できず、その前のゲームにおいて受信した遊技状態コマンドが示す遊技状態も参照しなければ判断できないため、遊技状態を保存するための領域は、2ゲーム分設けられている。
以下、この実施の形態にかかるスロットマシン1における遊技動作について説明する。ここでは、まず、スロットマシン1を起動したときに実行される特別な処理について説明し、その後、スロットマシン1において各ゲームが繰り返して行われるときの処理について説明する。なお、以下の説明において“ゲーム”といった場合には、狭義には、スタートレバー11の操作からリール3L、3C、3Rを停止するまでをいうものとする。もっとも、ゲームを行う際には、スタートレバー11の操作前の賭け数の設定や、リール3L、3C、3Rの停止後にメダルの払い出しや遊技状態の移行も行われるので、これらの付随的な処理も広義には“ゲーム”に含まれるものとする。なお、以下の説明では、本発明に関わらない処理の説明が省略されている場合がある。
設定キースイッチ92をON状態としてスロットマシン1を起動した場合には、設定変更モードに移行し、ここでRAM112を初期化するとともに、初期化コマンドと設定変更開始コマンドとを順に演出制御基板102に送信する。設定変更モードにおいて、設定スイッチ91により新たな設定値を設定し、スタートレバー11の操作により新たな設定値を確定させてから設定キースイッチ92をOFF状態とすると、設定変更終了コマンドを演出制御基板102に送信する。そして、次に説明するゲーム制御処理に移行するものとなる。
一方、設定キースイッチ92をOFF状態としてスロットマシン1を起動した場合には、RAM112のデータが壊れているかどうかを診断し、RAM112のデータが壊れていれば、RAM異常エラーの発生となるので、エラーコマンドを演出制御基板102に送信してから、RAM異常エラー処理に移行させる。RAM異常エラー処理は、第1リセットスイッチ48または第2リセットスイッチ93の操作では解除することができず、上記したように設定キースイッチ92をON状態として改めてスロットマシン1を起動し、改めて設定値を設定し直さなければ解除することができない。
RAM異常エラーは、第1リセットスイッチ48または第2リセットスイッチ93の操作では解除されないエラーであり、これを解除するには改めて設定値が設定されるので、新たな設定値の設定によってRAM異常エラーから復帰した場合であっても、別にエラー復帰コマンドを演出制御基板102に送信することはない。これに対して、リール3L、3C、3Rの回転に関連するエラー、入賞判定に関連するエラー、ホッパーエラーなどの払い出しに関連するエラーなどが発生したときには、RAM異常エラーの発生時と同様にエラーコマンドが演出制御基板102に送信されるが、第1リセットスイッチ48または第2リセットスイッチ93の操作によってこれらのエラーから復帰すると、エラー復帰コマンドが演出制御基板102に送信される。
RAM112のデータが壊れていなかった場合、すなわち前回のスロットマシン1の電源をOFFしたときのデータが正常なままで残っている場合には、RAM112に記憶されているデータはそのままで、次に説明するゲーム制御処理に移行するものとなる。すなわち、設定キースイッチ92をOFF状態としてスロットマシン1を起動した場合においてRAM112のデータが壊れていなければ、前回のスロットマシン1の電断時の状態から遊技が再開されるものとなる。もっとも、この場合においては、ゲーム制御処理に移行する前に、RAM112にビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)またはレギュラーボーナスの当選フラグが設定されているかどうかを示す電源投入コマンドを演出制御基板102に送信するものとしている。
図18は、遊技制御基板101のCPU111が1ゲーム毎に行うゲーム制御処理を示すフローチャートである。この処理は、電源を投入し、所定のブート処理を行った後、または設定スイッチ91の操作により設定変更を行った直後にも実行される。1ゲームの処理が開始すると、まず、RAM112の所定の領域をクリアする処理を含む初期処理が行われる(ステップS101)。
次に、1枚BETボタン14またはMAXBETボタン15を操作することにより、或いはメダル投入口13からメダルを投入することにより賭け数を設定し、スタートレバー11を操作することにより当該ゲームの実質的な開始を指示するBET処理を行う。(ステップS102)。BET処理においては、賭け数を設定するだけではなく、精算ボタン16の操作により、既に設定されている賭け数やクレジットを精算して、対応する数のメダルを払い出させることができる。既に賭け数が設定され、クレジットが残っているときには、1回目の精算ボタン16の操作で賭け数が、2回目の操作でクレジットが精算される。
また、この実施の形態にかかるスロットマシン1では、 ゲームを開始させるための賭け数は、3に限定されており、賭け数として3が設定されるまではスタートレバー11が操作有効とならない。また、前のゲームでリプレイ入賞していた場合には、リプレイゲーム中フラグにより前のゲームと同じ賭け数が自動設定される(この段階でリプレイゲーム中フラグが消去される)。
BET処理では、また、設定されている賭け数が1増加する毎に(MAXBETボタン15の操作やリプレイ入賞後の自動設定では、3まで順次増加させられる)、設定されている賭け数を示すBETコマンドを演出制御基板102に送信するものとなっている。また、精算ボタン16が操作され、既に設定された賭け数またはクレジットの精算が開始されるときには、精算開始コマンドを演出制御基板102に送信し、賭け数またはクレジットの精算が終了したときには、精算終了コマンドを演出制御基板102に送信するものとなっている。
BET処理により賭け数が設定され、スタートレバー11が操作されると、内部抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数の値に基づいて遊技状態及び賭け数に応じて定められた各役への入賞を許容するかどうかを決定する抽選処理を行う(ステップS103)。抽選処理においては、図17(b)の遊技状態別当選役テーブルに登録された抽選対象役の判定値数を遊技状態に応じて順次読み出し、抽出した乱数に順次加算していく。そして、加算の結果がオーバーフローしたときの抽選対象役に当選したものと判定される。
もっとも、前回以前のゲームからビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)またはレギュラーボーナスの当選フラグが持ち越されている状態で抽選対象役がビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)またはレギュラーボーナスであるときにオーバーフローしても、重ねて当選となることはない。抽選対象役がビッグボーナス(1)+チェリー、ビッグボーナス(2)+チェリー、レギュラーボーナス+チェリーであるときにオーバーフローしたときには、チェリーのみの当選と判定される。
前回以前のゲームからビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)またはレギュラーボーナスの当選フラグが持ち越されている状態で小役またはリプレイに当選したと判定されたときには、小役またはリプレイの当選フラグが重ねて設定される。抽選処理において当選したものと判定された抽選対象役があると、その当選フラグがRAM112に設定されるものとなる。ここで、例えば、ビッグボーナス(1)+チェリーに当選したときには、ビッグボーナス当選フラグとチェリー当選フラグとが重ねて設定される。また、抽選処理では、RAM112における当選フラグの設定状況を示す当選状況通知コマンドを、演出制御基板102に送信するものとなっている。
抽選処理が終了すると、次にリール回転処理が行われる(ステップS104)。リール回転処理では、前回のゲームでのリール3L、3C、3Rの回転開始から1ゲームタイマが計時する時間が所定時間(例えば、4.1秒)を経過していることを条件に、リールモータ3ML、3MC、3MRを駆動させ、左、中、右の全てのリール3L、3C、3Rを回転開始させる。リール3L、3C、3Rの回転開始から所定の条件(回転速度が一定速度に達した後、リールセンサ3SL、3SC、3SRにより基準位置を検出すること)が成立すると、停止ボタン12L、12C、12Rを操作有効とする。
その後、停止ボタン12L、12C、12Rが遊技者によって操作されることにより、当選フラグの設定状況に応じて選択した停止制御テーブルに従ってリールモータ3ML、3MC、3MRを駆動停止させ、リール3L、3C、3Rの回転を停止させる。リール3L、3C、3Rの回転を停止する度に、停止したリールの種類及び図柄の種類を示すリール停止コマンドを演出制御基板102に送信するものとなっている。
リール3L、3C、3Rの駆動がそれぞれ停止すると、その停止時における表示態様において、何れかの入賞ライン上に上記したいずれかの役図柄が導出表示されたかどうかを判定する入賞判定処理が行われる(ステップS105)。この入賞判定処理でいずれかの役に入賞したと判定されると、入賞した役に応じた処理が行われる。
例えば、小役に入賞したときには、入賞した小役の種類に応じた払い出し予定数を設定する。リプレイに入賞したときには、リプレイゲーム中フラグを設定する。ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞したときには、RAM112にビッグボーナス中フラグを設定するとともに、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグを消去する。レギュラーボーナスに入賞したときには、レギュラーボーナス中フラグを設定するとともに、レギュラーボーナス当選フラグを消去する。
また、入賞となる役として定められたものではないが、可変表示装置2の表示結果としてRT図柄が導出されたかどうかも入賞判定処理において判定しており、RT図柄が導出されたと判定された場合には、RAM112のRTカウンタに初期値として101をセットする(100ではなく、101をセットするのは、次の払出処理において当該ゲーム中にRTカウンタの値が1減算されてしまうため)。さらに、入賞した役の種類を示す入賞情報コマンドを、演出制御基板102に送信するものとなっている。
入賞判定処理が終了すると、払出処理が行われる(ステップS106)。払出処理では、入賞判定処理において設定した払い出し予定数だけクレジットを増加させる。但し、データとして蓄積されているクレジットの数が50に達した場合は、ホッパーモータ82を駆動させることにより、超過した枚数のメダルをメダル払い出し口71から払い出させる。また、入賞に関わらない各種の処理(例えば、ビッグボーナスの終了制御に関する処理や、持ち越しのない当選フラグの消去など)も行われる。また、払出処理では、小役入賞したゲームではメダルの払い出しを完了していることを条件として、次のゲームの遊技状態を示す遊技状態コマンドが演出制御基板102に送られる。なお、払出処理の詳細については後述する。そして、1ゲーム分の処理が終了し、次の1ゲーム分の処理が開始する。
次に、上記したステップS106の払出処理について詳しく説明する。図19は、CPU111がステップS106で実行する払出処理を詳細に示すフローチャートである。払出処理では、RAM112にスイカ、ベル、チェリーのいずれかの入賞フラグが設定されているかどうかにより、メダルの払い出しを伴う小役入賞があったかどうかを判定する(ステップS201)。小役入賞していなければ、そのままステップS203の処理に進む。
小役入賞していれば、ホッパー80を制御することにより、当該枚数のメダルを順次払い出す。但し、データとして蓄積されるクレジットの数が50に達するまでは、メダルを払い出す代わりにクレジットの数を増加させる(ステップS202)。そして、ステップS203の処理に進む。
ここで、ステップS201で小役入賞していないと判定されるか、ステップS202でのメダルの払い出しを終了することで、1ゲームが終了したものと判定されることとなる。すなわち、小役入賞していた場合には、メダルの払い出しが終了した時点でゲームの終了と判定されるが、小役入賞していないときには、メダルの払い出しをせずに可変表示装置2に表示結果が導出された時点でゲームの終了と判定されるのと同じことになる。精算ボタン16の操作は、ここで有効となるが、1枚BETボタン14、MAXBETボタン15の操作は、未だ有効とならない。
ステップS203では、RAM112にレギュラーボーナス中フラグが設定されているかどうかにより、現在の遊技状態がレギュラーボーナス(ビッグボーナス中に提供されたものを含む)になっているかどうかを判定する。現在の遊技状態がレギュラーボーナスとなっていなければ、ステップS207の処理に進む。現在の遊技状態がレギュラーボーナスとなっていれば、RAM112のカウンタを用いて、当該レギュラーボーナスにおけるゲーム数と入賞数とをカウントする(ステップS204)。
そのカウントの結果として、レギュラーボーナスの終了条件となったかどうかを判定する(ステップS205)。レギュラーボーナスの終了条件となっていれば、RAM112のレギュラーボーナス中フラグを消去する。また、レギュラーボーナスにおけるゲーム数及び入賞数をカウントするためのカウンタの値を初期化する(ステップS206)。そして、ステップS207の処理に進む。レギュラーボーナスの終了条件となっていない場合は、そのままステップS207の処理に進む。
ステップS207では、RAM112にビッグボーナス中フラグが設定されているかどうかにより、現在の遊技状態がビッグボーナスとなっているかどうかを判定する。現在の遊技状態がビッグボーナスでなければ、RAM112のRTカウンタの値が0よりも大きいかどうかを判定する(ステップS208)。RTカウンタの値が0よりも大きければ、RTカウンタの値を1だけ減算する(ステップS209)。そして、ステップS210の処理に進む。
ステップS210では、RAM112におけるビッグボーナス中フラグ、レギュラーボーナス中フラグ、及びRTカウンタの値に基づいて、次のゲームで適用される遊技状態を示す遊技状態コマンドを生成して、演出制御基板102に送信する。そして、ステップS221の処理に進む。
ステップS207で現在の遊技状態がビッグボーナスとなっていれば、RAM112のカウンタを用いて、当該ビッグボーナスにおける払出メダル枚数をカウントする(ステップS211)。ここでカウントした払出メダル枚数が465枚を越えて、ビッグボーナスの終了条件が成立したかどうかを判定する(ステップS212)。
ビッグボーナスの終了条件も成立していなければ、RAM112におけるビッグボーナス中フラグ、レギュラーボーナス中フラグ、及びRTカウンタの値に基づいて、次のゲームで適用される遊技状態(ここでは、必ずビッグボーナス)を示す遊技状態コマンドを生成して、演出制御基板102に送信する(ステップS213)。そして、ステップS221の処理に進む。
ビッグボーナスの終了条件が成立していれば、RAM112のビッグボーナス中フラグを消去する。レギュラーボーナス中フラグが設定されていれば、これも消去する。また、ビッグボーナスにおける払出メダル枚数をカウントするためのカウンタの値を初期化する。また、レギュラーボーナスにおけるゲーム数及び入賞数をカウントするためのカウンタの値を初期化する(ステップS214)。
さらに、RAM112におけるビッグボーナス中フラグ、レギュラーボーナス中フラグ、及びRTカウンタの値に基づいて、次のゲームで適用される遊技状態(ここでは、必ず通常の遊技状態)を示す遊技状態コマンドを生成して、演出制御基板102に送信する(ステップS215)。ここで、CPU111の内部タイマを用いてウェイト時間の計時を開始する(ステップS216)。
ウェイト時間の計時が開始されると、RAM112のクレジットカウンタの値が0であるかどうかを判定する(ステップS217)。クレジットカウンタの値が0であれば、ステップS220の処理に進む。クレジットカウンタの値が0でなければ、精算スイッチ47により精算ボタン16の操作が検出されたかどうかを判定する(ステップS218)。精算ボタン16の操作が検出された場合には、精算処理を行う(ステップS219)。この精算処理は、BET処理において精算ボタン16が操作された場合と同じものであるが、ここで行われる精算処理では賭け数が精算されることはない。そして、ステップS220の処理に進む。
精算ボタン16の操作が検出されてなければ、そのままステップS220の処理に進む。ステップS220では、計時している時間がウェイト規定時間に達したかどうかを判定する。規定時間に達していなければ、ステップS217の処理に戻る。規定時間に達した場合には、ステップS221の処理に進む。
ステップS221では、RAM112にスイカ当選フラグ、ベル当選フラグ、チェリー当選フラグまたはリプレイ当選フラグが設定されていれば、これを消去する。レギュラーボーナス当選フラグ、ビッグボーナス(1)当選フラグ及びビッグボーナス(2)当選フラグは、ここでは消去せずに次ゲームに持ち越させる。また、ステップS105においてRAM112に入賞フラグが設定されていれば、これを消去する。
そして、払出処理を終了して、図18のフローチャートに復帰する。ここで図18のフローチャートに復帰した場合は、今回の1ゲームにおけるゲーム制御処理が終了となり、直ちに次のゲームにおけるゲーム制御処理が開始される。次のゲームのゲーム制御処理が開始されると、すなわち今回のゲームのゲーム制御処理が終了すると、1枚BETボタン14、MAXBETボタン15の操作が有効になる。
以上のようなゲームの繰り返しにおいて、遊技制御基板101のCPU111は、通常の遊技状態、レギュラーボーナス、ビッグボーナスの間で遊技状態の移行を行っており、遊技の進行状況に応じてコマンドを演出制御基板102に送信している。これに対して、演出制御基板102のCPU121は、遊技制御基板101から受信したコマンドに基づいて、ボーナス中楽曲やRT中楽曲の再生/出力や、各種警報音の出力、リールランプ3LPによる入賞ライン報知などの演出の処理を行っている。以下、演出制御基板102側の制御により行われる演出の処理について説明する。
図20〜図22は、演出制御基板102のCPU121が実行する処理を示すフローチャートである(本発明に関連する処理以外は、省略している場合がある)。演出制御基板102側では、遊技制御基板101から送られてくるコマンドを受信したかどうかを判定している(ステップS301)。遊技制御基板101から何れかのコマンドを受信すると、遊技操作タイマによる計時を0から改めて開始する(ステップS302)。そして、遊技制御基板101からいずれかのコマンドを受信すると、受信したコマンドの種類が何であるかを判定する(ステップS303)。
受信したコマンドの種類が設定キースイッチ92をONせずにスロットマシン1の電源を投入したときに送信された電源投入コマンドであった場合には、該受信した電源投入コマンドが示す遊技状態と、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの当選状況とを液晶表示器4に表示して、遊技者に分かるように報知する(ステップS304)。
次に、RAM122に保存されている(バックアップされていた)遊技状態を参照して、現在の遊技状態がビッグボーナスまたはレギュラーボーナスであるかどうかを判定する(ステップS305)。現在の遊技状態がビッグボーナスまたはレギュラーボーナスであれば、サウンド処理部127にボーナス中楽曲の再生開始を指示する。サウンド処理部127は、この指示に基づいてボーナス中楽曲の再生を開始させる(ステップS306)。そして、ステップS301の処理に戻る。
現在の遊技状態がビッグボーナスでもレギュラーボーナスでもなければ、さらにRAM122に保存されている(バックアップされていた)遊技状態を参照して、現在の遊技状態がRTであるかどうかを判定する(ステップS307)。現在の遊技状態がRTであれば、サウンド処理部127にRT中楽曲の再生開始を指示する。サウンド処理部127は、この指示に基づいてRT中楽曲の再生を開始させる(ステップS308)。そして、ステップS301の処理に戻る。現在の遊技状態がRTでもなければ、そのままステップS301の処理に戻る。
受信したコマンドの種類が設定キースイッチ92をONしてスロットマシン1の電源を投入したときに送信された初期化コマンドであった場合には、遊技制御基板101のRAM112が初期化されているので、演出制御基板102のRAM122も初期化する(ステップS309)。そして、ステップS301の処理に戻る。
受信したコマンドの種類が設定キースイッチ92をONしてスロットマシン1の電源を投入したときに初期化コマンドに続けて送信された設定変更開始コマンドであった場合には、スピーカ7L、7R、7Uからの音声出力がミュートされていれば、これを解除するとともに、ボリューム調整レバー96の調整に関わらずに、電子ボリューム127aのボリューム設定を最大レベルに設定する(ステップS310)。そして、サウンド処理部127に設定変更音の再生開始を指示する。サウンド処理部127は、この指示に基づいて設定変更音の再生を開始させる(ステップS311)。そして、ステップS301の処理に戻る。
受信したコマンドの種類が設定変更モードにて新たな設定値を設定してから設定キースイッチ92をOFFしたときに送信された設定変更終了コマンドであった場合には、サウンド処理部127に設定変更音の再生停止を指示する。サウンド処理部127は、この指示に基づいてステップS311で開始された設定変更音の再生を停止させる(ステップS312)。また、電子ボリューム127aのボリューム設定をボリューム調整レバー96により調整されているレベルに設定する(ステップS313)。そして、ステップS301の処理に戻る。
受信したコマンドの種類が精算ボタン16の操作によりクレジットまたは賭け数の精算が開始されるときに送信された精算開始コマンドであった場合には、前回のゲームのステップS348(後述)でRAM122に保存された遊技状態を参照して、現在の遊技状態がビッグボーナスまたはレギュラーボーナスであるかどうかを判定する(ステップS314)。現在の遊技状態がビッグボーナスまたはレギュラーボーナスであれば、サウンド処理部127にボーナス中楽曲の再生停止を指示する。サウンド処理部127は、この指示に基づいてボーナス中楽曲の再生を停止させる(ステップS315)。そして、ステップS318の処理に進む。
現在の遊技状態がビッグボーナスでもレギュラーボーナスでもなければ、さらにRAM122に保存されている遊技状態を参照して、現在の遊技状態がRTであるかどうかを判定する(ステップS316)。現在の遊技状態がRTであれば、サウンド処理部127にRT中楽曲の再生停止を指示する。サウンド処理部127は、この指示に基づいてRT中楽曲の再生を停止させる(ステップS317)。そして、ステップS318の処理に進む。現在の遊技状態がRTでもなければ、そのままステップS318の処理に進む。
ステップS318では、スピーカ7L、7R、7Uからの音声出力がミュートされていれば、これを解除するとともに、ボリューム調整レバー96の調整に関わらずに、電子ボリューム127aのボリューム設定を最大レベルに設定する。そして、サウンド処理部127に精算音の再生開始を指示する。サウンド処理部127は、この指示に基づいて精算音の再生を開始させる(ステップS319)。
次に、前回のゲームのステップS347(後述)でRAM112に保存した入賞情報を参照して、前回のゲームにおいて何らかの役に入賞していたかどうかを判定する(ステップS320)。何らかの役に入賞していれば、次のゲームのために設定された賭け数が精算された場合などを除いて、入賞となる役の図柄が揃った入賞ラインに対応したリールランプ3LPが点滅されている。この場合には、リールランプ3LPの点滅を停止して(ステップS321)、ステップS301の処理に戻る。何らの役にも入賞していなければ、そのままステップS301の処理に戻る。
受信したコマンドの種類がクレジットまたは賭け数の精算が終了したときに送信された精算終了コマンドであった場合には、サウンド処理部127に精算音の再生停止を指示する。サウンド処理部127は、この指示に基づいてステップS319で開始された精算音の再生を停止させる(ステップS322)。また、電子ボリューム127aのボリューム設定をボリューム調整レバー96により調整されているレベルに設定するとともに、スピーカ7L、7R、7Uからの音声の出力をミュートさせる(ステップS323)。
次に、前回のゲームのステップS348(後述)でRAM122に保存された遊技状態を参照して、現在の遊技状態がビッグボーナスまたはレギュラーボーナスであるかどうかを判定する(ステップS324)。現在の遊技状態がビッグボーナスまたはレギュラーボーナスであれば、サウンド処理部127にボーナス中楽曲の再生再開を指示する。サウンド処理部127は、この指示に基づいてボーナス中楽曲の再生を再開させる。もっとも、ステップS323で音声の出力がミュートされているので、新たなゲームのための賭け数が設定されるまで、ここで再生の再開されたボーナス中楽曲がスピーカ7L、7R、7Uから出力されることはない(ステップS325)。そして、ステップS301の処理に戻る。
現在の遊技状態がビッグボーナスでもレギュラーボーナスでもなければ、さらに前回のゲームのステップS348(後述)でRAM122に保存された遊技状態を参照して、現在の遊技状態がRTであるかどうかを判定する(ステップS326)。現在の遊技状態がRTであれば、サウンド処理部127にRT中楽曲の再生再開を指示する。サウンド処理部127は、この指示に基づいてRT中楽曲の再生を再開させる。このRT中楽曲も、新たなゲームのために賭け数が設定されるまで、スピーカ7L、7R、7Uから出力されることはない(ステップS327)。そして、ステップS301の処理に戻る。現在の遊技状態がRTでもなければ、そのままステップS301の処理に戻る。
受信したコマンドの種類がエラーが発生したときに送信されたエラーコマンドであった場合には、前回のゲームのステップS348(後述)でRAM122に保存された遊技状態を参照して、現在の遊技状態がビッグボーナスまたはレギュラーボーナスであるかどうかを判定する(ステップS328)。現在の遊技状態がビッグボーナスまたはレギュラーボーナスであれば、サウンド処理部127にボーナス中楽曲の再生停止を指示する。サウンド処理部127は、この指示に基づいてボーナス中楽曲の再生を停止させる(ステップS329)。そして、ステップS332の処理に進む。
現在の遊技状態がビッグボーナスでもレギュラーボーナスでもなければ、さらにRAM122に保存されている遊技状態を参照して、現在の遊技状態がRTであるかどうかを判定する(ステップS330)。現在の遊技状態がRTであれば、サウンド処理部127にRT中楽曲の再生停止を指示する。サウンド処理部127は、この指示に基づいてRT中楽曲の再生を停止させる(ステップS331)。そして、ステップS332の処理に進む。現在の遊技状態がRTでもなければ、そのままステップS332の処理に進む。
ステップS332では、スピーカ7L、7R、7Uからの音声出力がミュートされていれば、これを解除するとともに、ボリューム調整レバー96の調整に関わらずに、電子ボリューム127aのボリューム設定を最大レベルに設定する。そして、サウンド処理部127にエラー音の再生開始を指示する。サウンド処理部127は、この指示に基づいてエラー音の再生を開始させる(ステップS333)。そして、ステップS301の処理に戻る。
受信したコマンドの種類が第1リセットスイッチ48または第2リセットスイッチ93の操作によりエラーから復帰したときに送信されたエラー復帰コマンドであった場合には、サウンド処理部127にエラー音の再生停止を指示する。サウンド処理部127は、この指示に基づいてステップS333で開始されたエラー音の再生を停止させる(ステップS334)。また、電子ボリューム127aのボリューム設定をボリューム調整レバー96により調整されているレベルに設定するが、ここでは、スピーカ7L、7R、7Uからの音声の出力をミュートさせない(ステップS335)。
次に、前回のゲームのステップS348(後述)でRAM122に保存された遊技状態を参照して、現在の遊技状態がビッグボーナスまたはレギュラーボーナスであるかどうかを判定する(ステップS336)。現在の遊技状態がビッグボーナスまたはレギュラーボーナスであれば、サウンド処理部127にボーナス中楽曲の再生再開を指示する。サウンド処理部127は、この指示に基づいてボーナス中楽曲の再生を再開させる(ステップS337)。そして、ステップS301の処理に戻る。
現在の遊技状態がビッグボーナスでもレギュラーボーナスでもなければ、さらに前回のゲームのステップS348(後述)でRAM122に保存された遊技状態を参照して、現在の遊技状態がRTであるかどうかを判定する(ステップS338)。現在の遊技状態がRTであれば、サウンド処理部127にRT中楽曲の再生再開を指示する。サウンド処理部127は、この指示に基づいてRT中楽曲の再生を再開させる(ステップS339)。そして、ステップS301の処理に戻る。現在の遊技状態がRTでもなければ、そのままステップS301の処理に戻る。
受信したコマンドの種類がステップS102で送信されたBETコマンドであった場合には、前回のゲームでリプレイ入賞していた場合を除いて遊技者によりゲームを進行させるための操作が行われたことになるので、スピーカ7L、7R、7Uからの音声出力がミュートされていれば、これを解除する(ステップS340)。リプレイ入賞に基づいて賭け数が自動設定された場合は、遊技者の操作によるものとは言えないが、この処理は、前回のゲームで第3停止ボタンが操作されたタイミングとほとんど変わらないタイミングで行われるため、特に問題はない。
次に、受信したBETコマンドが賭け数として1が設定されたことを示しているかどうかを判定する(ステップS341)。賭け数として既に2または3が設定されたことを示していれば、そのままステップS301の処理に戻る。賭け数として1が設定されたことを示していれば、前回のゲームのステップS347(後述)でRAM112に保存した入賞情報を参照して、前回のゲームにおいて何らかの役に入賞していたかどうかを判定する(ステップS342)。何らかの役に入賞していれば、リールランプ3LPの点滅を停止して(ステップS343)、ステップS301の処理に戻る。何らの役にも入賞していなければ、そのままステップS301の処理に戻る。
受信したコマンドの種類がステップS103で送信された当選状況通知コマンドであった場合には、遊技者によりゲームを進行させるための操作(スタートレバー11の操作)が行われたことになるので、スピーカ7L、7R、7Uからの音声出力がミュートされていれば、これを解除する(ステップS344)。次に、受信した当選状況通知コマンドが示す当選状況(すなわち、今回のゲームにおける当選フラグの設定状況)をRAM122の所定の領域に保存する(ステップS345)。そして、ステップS301の処理に戻る。
受信したコマンドの種類がステップS104でリール3L、3C、3Rが停止する度に送信されたリール停止コマンドであった場合には、ここでは遊技者によりゲームを進行させるための操作(停止ボタン12L、12C、12Rの操作)が行われたことになるので、スピーカ7L、7R、7Uからの音声出力がミュートされていれば、これを解除する(ステップS346)。そして、ステップS301の処理に戻る。
受信したコマンドの種類がステップS105で送信された入賞情報コマンドであった場合には、受信した入賞情報コマンドが示す入賞情報をRAM122の所定の領域に保存する(ステップS347)。そして、ステップ301の処理に戻る。
受信したコマンドの種類がステップS210、S213、またはS215で送信された遊技状態コマンドであった場合には、RAM122の2ゲーム分の遊技状態の保存領域に保存されていた遊技状態をシフトし(前々回のゲームで受信した遊技状態コマンドが示す遊技状態は、追い出される)、今回のゲームで受信した遊技状態コマンドが示す遊技状態を保存する(ステップS348)。
次に、ステップS347でRAM122に保存した入賞情報を参照して、可変表示装置2に設定された何れかの入賞ラインに入賞役の図柄組み合わせが揃い、入賞が発生していたかどうかを判定する(ステップS349)。入賞が発生していなければ、そのままステップS351の処理に進む。入賞が発生していれば、入賞役の図柄組み合わせが揃った入賞ラインに対応するリールランプ3LPの点滅を開始させる(ステップS350)。そして、ステップS351の処理に進む。
なお、遊技状態コマンドは、ビッグボーナスの終了後にウェイトがかかった場合を除いて、1ゲームの終了時に遊技制御基板101から演出制御基板102に送信される。すなわち、小役入賞していれば実質的にメダルの払い出しを完了したタイミングで、小役入賞していなければ実質的に可変表示装置2に表示結果が導出されたタイミングで送信されるものとなっている。
また、新たなゲームのための賭け数を設定することは、ビッグボーナスの終了後にウェイトがかかった場合を除いて、この遊技状態コマンドの送信タイミングから遊技者に関知できる程の間隔を置かずに(実質的に同タイミングで)可能となる。つまり、演出制御基板102のCPU121は、ビッグボーナスの終了後にウェイトがかかった場合を除いて、次のゲームのための賭け数の設定が可能になったタイミングから直前のゲームで入賞していることを条件としてリールランプ3LPの点滅が開始されるものとなる。
一方、ビッグボーナスの終了後にウェイトがかかった場合には、実際にはウェイト規定時間を経過するまで新たなゲームのための賭け数を設定することはできないものの、演出制御基板102のCPU121は、メダルの払い出しを終了して(ビッグボーナスが終了したゲームでは必ず小役入賞しているため)ウェイトがかかったタイミングからリールランプ3LPの点滅を開始するものとなっている。
ステップS351では、RAM122に保存した2ゲーム分の遊技状態を参照して、次のゲームからRTが開始するかどうかを判定する。次のゲームからRTが開始する場合には、サウンド処理部127にRT中楽曲の再生開始を指示する。サウンド処理部127は、この指示に基づいてRT中楽曲の再生を開始させる(ステップS352)。そして、ステップS301の処理に戻る。
次のゲームからRTが開始するのでなければ、さらにRAM122に保存した2ゲーム分の遊技状態を参照して、今回のゲーム限りでRTが終了するのかどうかを判定する(ステップS353)。今回のゲーム限りでRTが終了する場合には、サウンド処理部127にRT中楽曲の再生停止を指示する。サウンド処理部127は、この指示に基づいてRT中楽曲の再生を停止させる(ステップS354)。そして、ステップS355の処理に進む。今回のゲームでRTが終了するのでなければ、そのままステップS355の処理に進む。
ステップS355では、RAM122に保存した2ゲーム分の遊技状態を参照して、次のゲームからビッグボーナスまたはレギュラーボーナス(ビッグボーナス中のレギュラーボーナスを含まない)が開始するかどうかを判定する。次のゲームからビッグボーナスまたはレギュラーボーナスが開始する場合には、サウンド処理部127にボーナス中楽曲の再生開始を指示する。サウンド処理部127は、この指示に基づいてボーナス中楽曲の再生を開始させる(ステップS356)。そして、ステップS301の処理に戻る。
次のゲームからビッグボーナスまたはレギュラーボーナスが開始するのでない場合には、RAM122に保存した2ゲーム分の遊技状態を参照して、今回のゲーム限りでビッグボーナスまたはレギュラーボーナス(ビッグボーナス中のレギュラーボーナスを含まず)が終了したのかどうかを判定する(ステップS357)。今回のゲーム限りでビッグボーナスまたはレギュラーボーナスが終了したのであれば、これまでの遊技状態がレギュラーボーナスまたはビッグボーナスであったということなので、ボーナス中楽曲が再生されている。
そこで、サウンド処理部127にボーナス中楽曲の再生停止を指示する。サウンド処理部127は、この指示に基づいてボーナス中楽曲の再生を停止させる(ステップS358)。そして、ステップS301の処理に戻る。今回のゲーム限りでビッグボーナスまたはレギュラーボーナスが終了するのでもなければ、そのままステップS301の処理に戻る。
また、受信したコマンドの種類が他のコマンドであった場合には、それぞれのコマンドの種類に応じた処理を実行する(ステップS359)。ここでの処理については、本発明と関係がないので、詳細な説明を省略する。その後、ステップS301の処理に戻る。
また、ステップS301においてコマンドを受信していないと判定した場合には、遊技操作タイマが所定時間の経過を計時したかどうかを判定する(ステップS360)。遊技操作タイマが所定時間の経過を計時していなければ、そのままステップS301の処理に戻る。所定時間の経過を計時していれば、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナス中であって、ボーナス中楽曲が再生されている場合もあるので、この音声が大音量のままスピーカ7L、7R、7Uから出力されないように、音声の出力をミュートする(ステップS361)。
次に、前回のゲームのステップS347でRAM112に保存した入賞情報を参照して、前回のゲームにおいて何らかの役に入賞していたかどうかを判定する(ステップS362)。何らかの役に入賞していれば、次のゲームのために既に賭け数が設定された場合などを除いて、入賞となる役の図柄が揃った入賞ラインに対応したリールランプ3LPが点滅されている。この場合には、リールランプ3LPの点滅を停止して(ステップS363)、ステップS301の処理に戻る。何らの役にも入賞していなければ、そのままステップS301の処理に戻る。
以上説明したように、この実施の形態にかかるスロットマシン1では、可変表示装置2を構成する3つのリール3L、3C、3Rの回転を停止させるための停止ボタン12L、12C、12Rが、リール3L、3C、3Rの回転を開始させるためのスタートレバー11と並べて、台上部分の垂直面に配置されている。ここで、停止ボタン12L、12C、12Rは、左から右のリール3L、3C、3Rの並びに応じて左から右に並べて配置されている。遊技者は、従来からのスロットマシンの例に倣い、ゲームを行う際には左から右の順で停止ボタン12L、12C、12Rを操作する、すなわち左から右の順でリール3L、3C、3Rの回転を停止させるのが一般的である。
また、スタートレバー11は、停止ボタン12L、12C、12Rのさらに左側に配置されているが、遊技者は、1ゲームを開始させる際には、まず、最も左にあるスタートレバー11を操作する必要がある。そこからの自然な流れてとして、停止ボタン12L、12C、12Rを左から右に向かって操作していくようになるのが普通である。また、遊技者に右利きが多いことも、停止ボタン12L、12C、12Rが左から右に向けての順番で操作されることが多くなることの要因となる。さらに、文章や数字、さらには多くの図表などが左から右の順で読むように書かれているので、遊技者は、左から右に目を動かすことに慣れており、リール3L、3C、3Rを見る視線を左から右に動かしながらゲームを進められることも、停止ボタン12L、12C、12Rが左から右に向けての順番で操作されることが多くなることの要因となる。
このスロットマシン1において入賞となる役として定められた役のうちで、小役の1つであるチェリーは、最も右のリール3Rに「チェリー」が導出されたことのみを以て入賞の発生となる役である。このチェリーの入賞を決める右のリール3Rは、上記したようにリール3L、3C、3Rのうちでも最後に停止されるリールとなることが一般的なものとなっている。一方、左のリール3Lは、上記したようにリール3L、3C、3Rのうちでも最初に停止されるリールとなることが一般的である。従って、右のリール3Rだけで入賞を決めるチェリーに当選しているときには、左のリール3Lにも「チェリー」の図柄が導出され、その後に右のリール3Rに「チェリー」が導出されて、チェリーの入賞となることが多い。
また、チェリーに当選しているときだけではなく、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選しているときにも、最初に停止された左のリール3Lには「チェリー」が導出されることがある。右のリール3Rまで停止されて、「チェリー」が導出されたのであれば、当該ゲームではチェリーの単独当選でレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)には当選しなかったという場合もあるが、このことは、未だ左のリール3Lが停止された段階では遊技者に分からない。
このため、仮にチェリーの単独当選であった場合でも、左のリール3Lが停止されただけの段階では、当該ゲームでレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選したことを依然として遊技者に期待させることができるので、遊技の興趣を向上させることができる。
しかも、一般的に最初に停止される左のリール3Lに導出された図柄(ここでは、「チェリー」)によって1ゲーム中の早い段階でレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の当選を期待させることができるので、いっそう遊技の興趣を向上させることができる。さらに、最後に停止される右のリール3Rに図柄が導出されるまでレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選しているかどうか分からなくなっているので、遊技者の期待感を1ゲームの終了まで可能な限り持続させることができ、いっそう遊技の興趣を向上させることができる。
また、内部抽選においては、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の当選の可能性がないチェリーの単独当選という結果になることもあるが、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)の当選の可能性もあるチェリーとの同時当選という結果になることもある。このため、左のリール3Lに「チェリー」が導出された後に右のリール3Rにも「チェリー」が導出されたとしても、依然としてチェリーとともにレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に同時当選しているという可能性もあるので、遊技者の期待感を持続させることができる。
さらに、通常の遊技状態においてスイカの取りこぼしによってRT図柄が導出されると、リプレイ当選確率が高くなるRTに遊技状態が制御されるが、このRT図柄は、「チェリー−スイカ−スイカ」の図柄組み合わせによって構成されている。すなわち、左のリール3Lに「チェリー」の図柄が導出された段階では、チェリーに入賞すること、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選していることに加えて、さらにRT図柄の導出も遊技者が期待できるようになるので、遊技者の期待感をいっそう高めさせて、遊技の興趣を向上させることができる。
また、通常の遊技状態においてRT図柄が導出されると、遊技状態がRTに制御される。このRTは、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)またはレギュラーボーナスに当選しただけでは終了せず、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)またはレギュラーボーナスに入賞しない限り100ゲームに亘って継続するものとなる。このように、遊技者は、自らの遊技への介入とは無関係に所定ゲーム数の継続期間というRTの利益を失わないで済む。もっとも、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)またはレギュラーボーナスに入賞するとRTが終了してしまうので、RTに制御されている間はビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)またはレギュラーボーナスに当選しても、これらを敢えて外すような遊技操作が必要となり、遊技性が向上するものとなる。
また、この実施の形態にかかるスロットマシン1では、何れかの役の入賞が発生したときには、当該入賞の図柄組み合わせが揃った入賞ラインに対応したリールランプ3LPが点滅されるものとなっている。ここで、入賞した役がリプレイ以外の役であれば、入賞したゲーム限りで遊技を止めてしまっても構わない。そして、遊技者が当該ゲーム限りで遊技を止めようとして精算ボタン16の操作によりクレジットとして蓄積されているメダルを払い出させた場合、直前のゲームで入賞が発生していた場合には、入賞ラインに対応したリールランプ3LPの点滅も停止されることとなる。
もっとも、直前のゲームで発生していた入賞がリプレイであった場合には、新たにメダルを消費せずとも自動的に賭け数が設定され、また、クレジットの精算もできないので、リプレイ入賞したゲーム限りで遊技者が遊技を止めてしまうということは、あまり考えられない。また、直前のゲームで発生していた入賞がレギュラーボーナスまたはビッグボーナスであった場合には、メダルの払出率が非常に高くなるレギュラーボーナスまたはビッグボーナスに遊技状態が制御されるので、レギュラーボーナス入賞またはビッグボーナス入賞したゲーム限りで遊技者が遊技を止めてしまうということも、あまり考えられない。
とすると、直前のゲームで入賞が発生して、当該入賞の図柄組み合わせが揃った入賞ラインに対応したリールランプ3LPが点滅されている状態で遊技者が遊技を止めてしまおうとするのは、直前のゲームで発生していた入賞が小役であった場合ということになる。小役入賞による配当として付与されるメダルは、クレジットが最大数の50に達するまでは、直接メダルを払い出すのではなく、クレジットを加算することによって行われるものとなっている。
従って、入賞が発生したゲーム限りで遊技者が遊技を止めてしまっている場合には、ほぼ例外なく精算ボタン16の操作によりクレジットが精算されており、リールランプ3LPの点滅は停止されていることになる。このため、遊技店に設置されているスロットマシン1のうちで実際には誰も遊技を行っていない台において、リールランプ3LPが点滅されていることで新たな遊技者が遊技を行い難くなってしまうということが起こりにくいものとなる。これにより、遊技店の側としては、店内に設置されている各台の稼働率を高めさせるということができるとともに、遊技者の側としても、誰も遊技を行っていない台のうちから自分が遊技を行う台を選択する場合の選択肢を増やすことができるようになる。
一方、入賞の発生によって何れかの入賞ラインに対応したリールランプ3LPが点滅されているときに、遊技者が新たなゲームのために賭け数を設定すると、これによってもリールランプ3LPの点滅が停止される。新たなゲームのための賭け数が設定されたということは、遊技者に新たなゲームを行おうという意志があるということである(リプレイ入賞で賭け数が自動設定されれば、普通なら遊技者は当該ゲームを行おうとする)ので、ここでリールランプ3LPの点滅を停止させることで、遊技者が既に次のゲームを行おうとしているのに前のゲームの状況を引きずったままで煩わしさを感じさせてしまうことがない。
また、可変表示装置2に導出された表示結果により入賞が発生したときに、演出制御基板102のCPU121が入賞の図柄組み合わせが揃った入賞ラインに対応したリールランプ3LPを点滅開始するのは、各ゲームの終了時に遊技制御基板101から送信される遊技状態コマンドを受信したときである。ここで、遊技状態コマンドは、ビッグボーナスの終了したゲームを除いて、小役入賞したゲームでは実質的にメダルの払い出しを終了したタイミングで、小役入賞していないゲーム(レギュラーボーナス、ビッグボーナスまたはリプレイ入賞している場合を含む)では実質的にリール3L、3C、3Rの全てが停止して可変表示装置2に表示結果が導出されたタイミングで送信される。
小役入賞の有無に応じて遊技状態コマンドが送信されるタイミングは、実質的に遊技者が次のゲームのために賭け数を設定することが可能となる(リプレイ入賞の場合を除く)タイミングとも等しい。従って、何れかの入賞ラインに対応したリールランプ3LPが点滅されているということは、1ゲームが終了して次のゲームのための賭け数を設定可能になっているということを遊技者に明確に分からせることもできるので、ゲームを繰り返して行うこととなる遊技を遊技者が円滑に進行することができるようになる。
また、この実施の形態にかかるスロットマシン1でビッグボーナスが終了(必ず何らかの小役入賞によって終了)したときには、メダルの払い出しが完了しても直ぐに次のゲームのための賭け数を設定することができず、規定時間を経過するまで次の遊技操作(ここでは、次のゲームのための賭け数の設定)が行えないフリーズ状態に制御される。もっとも、ビッグボーナスの終了ゲームで遊技状態コマンドが送信されるタイミングは、フリーズ状態が終了したタイミングではなく、フリーズ状態が開始されるタイミングである。
つまり、演出制御基板102のCPU121は、遊技状態コマンドを受信すれば入賞の図柄組み合わせが揃った入賞ラインに対応したリールランプ3LPを点滅開始させるので、フリーズ状態に制御されている間であっても、リール3LPが点滅されているので、これまでに行ってきたゲームが既に終了してしまっているということが遊技者にとって分かり易いものとなる。
また、フリーズ状態に制御されている間は、次のゲームのための賭け数の設定は行えないものの、遊技者が精算ボタン16を操作することによってクレジットを精算することはできるものとなっている。このようにビッグボーナスの終了を以て、その後も遊技を続けて行う意志のない遊技者がフリーズ状態の終了を待たずにクレジットを精算して、遊技を止めることができるようになっている。また、リールランプ3LPの点滅によって、少なくともクレジットの精算は行い得ることが遊技者に分かり易くなる。
また、遊技者の手持ちのメダルは、クレジットという形でスロットマシン1の内部(RAM112)にデータで蓄積させておくことができ、遊技者は、クレジットとして蓄積されたメダルから賭け数を設定して、各回のゲームを行うことができる。クレジットとしてスロットマシン1の内部に蓄積させたメダルは、遊技者が精算ボタン16を操作することで精算して払い出させることができる。また、賭け数として設定されたメダル(リプレイ入賞後の自動設定を除く)であっても、未だゲームが行われていなければ、遊技者が精算ボタン16を操作することで精算して払い出させることができる。このようにクレジットまたは賭け数に応じたメダルを精算して払い出させるときには、警報音として精算音がサウンド処理部127により再生され、スピーカ7L、7R、7Uから出力される。
また、各ゲームの内部抽選における各役の当選確率は、設定値の違いに応じて変化することになる。例えば、設定値が高いほど、ビッグボーナスやレギュラーボーナスの当選確率が高くなるので、入賞が発生しやすくなり、遊技者が多くのメダルを獲得できることとなる。ここで、設定スイッチ91の操作による設定値の変更は、スロットマシン1の前面扉を開き、設定キースイッチ92をON状態として起動することにより可能となるもので前面扉を開放するための鍵を持っている遊技店の店員でなければ、本来行うことができない。この本来は遊技店の店員しか行うことのできない設定値の変更操作が行われている期間では、警報音として設定変更音がサウンド処理部127により再生され、スピーカ7L、7R、7Uから出力される。
また、スロットマシン1における遊技の進行でのエラーの発生は、そのエラーが様々な事象によって発生するものであるため、これを完全に避けることは事実上不可能であるが、スロットマシン1における遊技の進行でエラーが発生してしまうと、そのままでは正常に遊技を行えないため、遊技の進行を停止させるものとなっている。そして、エラーの発生により遊技の進行が停止された状態は、リセット操作または設定値の変更でしか解除できず、前面扉を開放するための鍵を持っている遊技店の店員でなければ、本来行うことができない。このように遊技店の店員しか解除できないエラーが発生しているときには、警報音としてエラー音がサウンド処理部127により再生され、スピーカ7L、7R、7Uから出力される。
前述したとおり、ボーナス中楽曲などの演出音がスピーカ7L、7R、7Uから出力される場合のボリュームのレベルの設定は、ボリューム調整レバー96により調整されたレベル通りとなるが、このような精算音、設定変更音、エラー音などの警報音が出力される場合のボリュームのレベルの設定は、ボリューム調整レバー96により調整されたレベルに関わらずに、最大レベルとなっている。
このため、例えば、遊技店に複数設置されたうちの特定のスロットマシン1を遊技者にアピールするためにボリューム調整レバー96によるボリュームのレベルの設定を小さいレベルに設定した他のスロットマシン1からでも、精算音、設定変更音、エラー音などの警報音は、ボリュームを最大レベルとしてスピーカ7L、7R、7Uから出力されるものであるため、これらの警報音を遊技店の店員が聞き逃しにくいものとなっている。
このように遊技店の店員が精算音を聞き逃しにくいものとなっていることから、遊技店の店員がメダルの精算が行われていることに気づかないというような事態を防ぐことができる。これにより、例えば、正常に遊技が行われているならあまり行われることのないメダルの精算が頻繁に行われるものとなるクレ満ゴトと呼ばれる不正行為が行われているときには、遊技店の店員が容易にこれを察知することができるものとなる。
また、遊技店の店員が設定変更音を聞き逃しにくいものとなっていることから、遊技店の店員が設定値の変更操作が行われていることに気づかないというような事態を防ぐことができる。これにより、例えば、遊技店の店員は誰一人として設定値の変更操作を行っていないのに設定変更音がスピーカ7L、7R、7Uから出力されているスロットマシン1があるといったことで、遊技者が勝手に設定値を変更してしまう設定変更ゴトと呼ばれる不正行為が行われているときには、遊技店の店員が容易にこれを察知することができるものとなる。
また、遊技店の店員がエラー音を聞き逃しにくいものとなっていることから、遊技店の店員が店内に設置された各スロットマシン1でエラーが発生しているということに気づかないというような事態を防ぐことができる。これにより、例えば、遊技店の店員がエラーの発生に気づかないままで長期間放置されてしまうことを防ぐことができ、遊技者にとっては遊技を再開するまでに長期間待たされずに済むというメリットが得られ、また、遊技店にとっても各スロットマシン1の稼働率を低下させずに済むというメリットが得られるものとなる。
また、この実施の形態にかかるスロットマシン1では、遊技状態がビッグボーナスまたはレギュラーボーナスにあるときにはボーナス中楽曲が継続して再生され、遊技状態がRTにあるときにはRT中楽曲が継続して再生される。これらの楽曲は、ゲームとゲームの間においても途切れることなく再生され、スピーカ7L、7R、7Uから出力されるものとなる。
もっとも、このゲーム間において遊技者により精算ボタン16が操作され、次のゲームのために設定された賭け数またはクレジットが精算されたときには、遊技者が遊技を中断したものと考えられ、賭け数またはクレジットの精算の終了(精算音の停止)を待ってスピーカ7L、7R、7Uからの出力がミュートされる。このとき、ボーナス中楽曲やRT中楽曲は、実際には再生されているもののスピーカ7L、7R、7Uからの出力はミュートされているので、遊技が中断されているのにボーナス中楽曲が大音量でスピーカ7L、7R、7Uから出力されて続けて、周囲の遊技者に迷惑をかけてしまうということがなくなる。
また、外部出力基板105は、ビッグボーナス中信号、レギュラーボーナス中信号、リール制御信号、ストップスイッチ信号、メダルIN信号、メダルOUT信号、当選状況信号、及びセキュリティ信号を、ホールの管理コンピュータなどの外部装置に出力するものとなっている。ここで、セキュリティ信号は、ドア開放信号、設定値変更信号、投入エラー信号、払い出しエラー信号、他のエラー信号、及び精算中信号が含まれるが、これらは、時分割で同一の出力端子からシリアルに出力される。このようにセキュリティ信号を複数種類の信号を時分割で出力するものとしたことで、例えば、各種信号の出力のために外部出力基板105に搭載する半導体チップを小型化することができる。
また、セキュリティ信号には、精算中信号が含まれることから、外部装置でこれを監視することによって、仮に遊技店の店員が精算音に気づかなかった場合でも、クレジットまたは賭け数に応じたメダルの精算が行われていることを掌握でき、クレ満ゴトのような不正行為が行われていることを遊技店の店員が容易に察知することができるようになる。さらに、セキュリティ信号には、投入エラー信号と払い出しエラー信号が含まれることから、仮に遊技店の店員がエラー信号に気づかなかった場合でも、これらを外部装置で監視することによって、遊技を行わずに不正にメダルを得ようとする行為(メダル投入口13からの不正なメダル投入行為やホッパー80からメダルを抜くなどの行為)が行われていることも遊技店の店員が容易に察知することができるようになる。
また、セキュリティ信号には、設定値変更信号が含まれることから、外部装置でこれを監視することによって、仮に遊技店の店員が設定変更音に気づかなかった場合でも、設定値の変更が行われていることを掌握することができ、設定変更ゴトのような不正行為が行われていることを遊技店の店員が察知することができるようになる。さらに、セキュリティ信号には、ドア開放信号が含まれることから、前面扉を開放したことで操作可能となる設定スイッチ91を不正に操作しようとするような行為が行われていることも遊技店の店員が容易に察知することができるようになる。
また、外部出力基板105にはバックアップ電源が搭載されており、スロットマシン1の電源がOFFされているときであっても、このバックアップ電源からの電力供給で、扉開放センサ95により前面扉が開放状態にあることを検出し、ドア開放信号を含むセキュリティ信号を外部装置に出力することができるものとなっている。スロットマシン1の電源がOFFされ、遊技が行われていないときであっても、遊技制御基板101の制御部110や演出制御基板102の制御部120を構成する半導体チップを非正規品に交換したり、本来は外部に出力されない内部信号を外部に取り出すための器具をこれらの半導体チップに取り付けたりするといった不正行為が行われていることを遊技店の店員が容易に察知することができるものとなる。
さらに、セキュリティ信号には、投入エラー及び払い出しエラー以外のエラーが発生したことを示す他のエラー信号も含まれている。投入エラー及び払い出しエラー以外のエラーは、直接的にメダルを増加させようとする行為で発生するものではないが、エラーの発生時には何らかの不正が行われている可能性がある。また、エラーが発生したままで報知されていると、遊技者は遊技を行えない。遊技店の店員は、セキュリティ信号に含まれる他のエラー信号を外部装置で監視することで、仮にエラー音に気づかなかったとしても、エラーの発生を掌握することができ、不正行為の発見や早期の遊技の再開を容易なものとすることができる。
また、遊技の進行状況に応じて、各種のコマンドが遊技制御基板101から演出制御基板102へと送信されるものとなっているが、遊技制御基板101のRAM112に設けられたコマンド送信バッファよりも、演出制御基板102のRAM122に設けられたコマンド受信バッファの方が容量が大きくなっている。このため、遊技制御基板101から一度に大量のコマンドが送られてきても、演出制御基板102の側では未処理のコマンドを十分に貯めておくことができるので、演出制御基板102のCPU121が処理しきれないコマンドが生じ、演出の実行に支障が生じてしまうのを防ぐことができる。
また、この実施の形態にかかるスロットマシン1においては、取付側部材510とコネクタカバー520とからなるコネクタ規制部材500を基板ケース200に取り付けることで、当該基板ケース200に収容された遊技制御基板の基板側コネクタ620aとケーブル側コネクタ610aとの抜脱が規制されるとともに、この状態で基板ケース200を取付ベース250に取り付けて固着部材255と封止片232とを固着することで、基板ケース200からのコネクタ規制部材500の取り外しが規制されることになり、基板ケース200の封止片232を破断して基板ケース200と筐体(取付ベース250)との固着を解除しなければ、基板側コネクタ620aからケーブル側コネクタ610aを抜脱できない状態となる。すなわち封止片232の破断という痕跡を残さなければケーブル側コネクタ610aを抜脱することができない状態となり、痕跡を残さずに打ち込み器具などの不正器具を接続することができなくなるため、不正が行われた可能性があることを確実に発見することができるようになる。
また、故障などにより遊技制御基板101を収容した基板ケース200ごと遊技制御基板101を交換する場合には、封止片232を破断して基板ケース200と筐体(取付ベース250)との固着を解除すれば、コネクタ規制部材500を基板ケース200から取り外してケーブル側コネクタ610aを基板側コネクタ620aから抜脱可能となるため、無駄にコネクタ規制部材500を破壊したり、基板ケース200を破壊して開封することなく基板側コネクタ620aからケーブル側コネクタ610aを分離させることができる。
また、コネクタ規制部材500を取付側部材510とコネクタカバー520とから構成し、取付側部材510を基板ケース200に取り付けた後、ケーブル側コネクタ610aを基板側コネクタ620aに接続し、その状態で基板側コネクタ620aの一部を上方から被覆するようにして取付側部材510に取り付けることによって、ケーブル側コネクタ610aの基板側コネクタ620aからの抜脱が不能化されるようになっており、ケーブル側コネクタ610aを基板側コネクタ620aに接続した後、基板側コネクタ620aの周辺に位置する取付側部材510の係止孔部513の係止孔513aにコネクタカバー520の係止筒522を嵌入し、コネクタカバー520を取付側部材510に取り付けるのみで、コネクタカバー520によりケーブル側コネクタ610aの一部が被覆され、ケーブル側コネクタ610aの抜き方向への移動が規制されるので、ケーブル側コネクタ610aの基板側コネクタ620aに対する抜脱を規制するにあたり、その組み付け作業を軽減できる。
また、遊技制御基板101が基板ケース200に収容された状態であっても、そのままの状態でケーブル側コネクタ610aを基板側コネクタ620aに接続し、その後コネクタカバー520を取り付けるのみで良く、このような場合には、ケーブル側コネクタ610aの基板側コネクタ620aに対する抜脱を規制するにあたり、その組み付け作業を一層効果的に軽減できる。
また、コネクタカバー510は、ケーブル側コネクタ610aと基板側コネクタ620aとの接続部分全体を被覆するのではなく、ケーブル側コネクタ610aの抜き方向側の一部のみを被覆する構成であるため、ケーブル側コネクタ610aの基板側コネクタ620aに対する抜脱を確実に規制できるばかりでなく、コネクタカバー510の製造に必要な材料が少なく済む。
また、コネクタカバー520が取付側部材510に対して1カ所の係止筒522のみで取り付けられるが、コネクタカバー520の一方の側壁には、取付側部材510の基片510aの表面に当接するリブ521b、521bが形成されており、コネクタカバー520の移動が規制されるため、ケーブル側コネクタ610aの基板側コネクタ620aに対する抜脱を確実に規制することができる。
また、取付側部材510の基片510aから延設される両端部には、内向きの係止部511、511がそれぞれ形成されており、係止部511、511を外方に弾性変形させた状態で、基板ケース200に組み付けて基板ケース200の裏面に形成された係止溝514、514に係合させることで、取付部材510が基板ケース200に取り付けられるようになっているため、コネクタ規制部材500を基板ケース200に取り付けるにあたり、ネジやピンなどの他の部材を用いることなく取り付けることができるので、部品点数を削減できる。
また、コネクタ規制部材500を構成する取付側部材510を基板ケース200に取り付けた際に、取付側部材510の基片510a、上片510c、510cの基板ケース200に対する対向面が上部ケース203における段部203bの上面及び凹部203fの底面にそれぞれ当接するようになっており、コネクタ規制部材500と基板ケース200の表面との間に不正部品などが取り付けられることを効果的に防止することができる。
また、コネクタ規制部材500を構成する取付側部材510及びコネクタカバー520は、ともに透明な合成樹脂材にて構成されているため、基板ケース200内の視認性がコネクタ規制部材500により損なわれることがないので、遊技制御基板101の監視に支障をきたすことがない。また、コネクタ規制部材500と基板ケース200との隙間に不正部品が取り付けられた場合でも容易に発見することが可能となる。
また、遊技制御基板101と投入メダルセンサ44との間のコネクタ接続、すなわち遊技制御基板101の基板側コネクタ620aとケーブル600aのケーブル側コネクタ610aとの接続、ケーブル600aのケーブル側コネクタ611aと操作部中継基板107の基板側コネクタ621aとの接続、操作部中継基板107の基板側コネクタ622gとケーブル601gのケーブル側コネクタ612gとの接続についてこれらコネクタ同士の接続の解除を、コネクタ規制部材500及びコネクタ規制部材650によって規制するようになっている。これにより、遊技制御基板101と投入メダルセンサ44との間のいずれかのコネクタを不正な打ち込み器具等のコネクタに差し替えて接続し、遊技制御基板101の遊技制御部110にゲームの進行に関わる信号を不正に入出力させるといった不正行為を行うことが困難となるため、不正営業の実施等を効果的に防止できる。
また、遊技制御基板101と投入メダルセンサ44との間のコネクタ接続を解除するためには、基板ケース200の封止片232やコネクタカバー520の接続片522a、カバー部材680の接続片684aを破断しなければならず、これにより、遊技制御基板101と投入メダルセンサ44との間のコネクタ接続が1つでも解除されると、その痕跡が残るとともに、その痕跡を消すことはきわめて困難であるため、上記不正行為をより効果的に抑制することができる。
また、遊技制御基板101と投入メダルセンサ44との間に中継基板が1つのみであるが、複数の中継基板を経由する場合には、その間に存在するコネクタ接続全てについて抜脱を規制することが好ましく、このようにすることで遊技制御基板101と投入メダルセンサ44との間のいずれかのコネクタを不正な打ち込み器具等のコネクタに差し替えて接続し、遊技制御基板101の遊技制御部110にゲームの進行に関わる信号を不正に入出力させるといった不正行為を行うことが困難となるため、不正営業の実施等を効果的に防止できる。
また、ゲームの進行に応じて遊技制御基板101に対して信号を入力する第1の電子部品45、46、41、42L、42C、42R、44、3SL、3SC、3SR、81及びゲームの進行に応じて遊技制御基板101から信号が出力される第2の電子部品3ML、3MC、3MR、82のうち、投入メダルセンサ44と遊技制御基板101との間のコネクタ接続のみコネクタ規制部材を設けてコネクタ同士の接続の解除を規制している。すなわちその信号がなければ遊技を進行させることができない投入メダルセンサ44(投入メダルセンサ44からの信号が入力されなければ賭数を設定できずゲームを開始することが不可能となる)と遊技制御基板101との間のコネクタ接続のみコネクタ規制部材を設けてコネクタ同士の接続の解除を規制しており、他の電子部品と遊技制御基板101との間でコネクタ同士の接続を解除して打ち込み器具のコネクタに差し替えた場合でも、実質的に遊技を自動的にゲームを進行させることができなくなるため、最小限の規制で不正行為を防止することが可能となり、これらコネクタ同士の接続を解除するための部品点数を減らすことができる。
また、遊技制御部110とゲームの進行上必要な信号の入出力が行われる複数の電子部品とを接続する複数の信号線が、遊技制御基板101と操作部中継基板107との間では1本のケーブル600aで接続されているため、遊技制御基板101の基板側コネクタ610aとケーブル側コネクタ620aとのコネクタ接続、すなわち1カ所のコネクタ接続のみ接続の解除を規制することで、複数の信号線同士の接続の解除を規制することが可能となり、これらコネクタ接続の解除を規制するための部品を複数用意する必要がなく、これらの部品点数を削減できる。
遊技制御部110とゲームの進行上必要な信号の入出力が行われる複数の電子部品とを接続する複数の信号線が、複数のケーブルを介して接続される場合でも、基板側コネクタを近接する位置に配置するとともに、1つの部品でこれら複数の基板側コネクタと複数のケーブル側コネクタとの接続の解除を規制することで、これらコネクタ接続の解除を規制するための部品を複数用意する必要がなく、これらの部品点数を削減できる。
また、遊技制御基板101と操作部中継基板107とを接続するケーブル600aのケーブル側コネクタ611aと操作部中継基板107の基板側コネクタ621aとの接続の解除、操作部中継基板107と投入メダルセンサ44とを接続するケーブル601gのケーブル側コネクタ612gと操作部中継基板107の基板側コネクタ622gとの接続の解除が、1つのコネクタ規制部材650によって、同時に規制されるので、これら複数のコネクタ接続の解除を規制するための部品を複数用意する必要がなく、これらの部品点数を削減できる。
また、遊技制御部110のバックアップ電源が、遊技制御基板101からケーブル600a−操作部中継基板107−ケーブル601g−投入メダルセンサ44−ケーブル601g−操作部中継基板107−ケーブル600aを経由した後、遊技制御部110に供給されるようになっており、スロットマシン1に対する電力供給が遮断されている状態で、遊技制御基板101の基板側コネクタ620aとケーブル600aのケーブル側コネクタ610aとの接続、ケーブル600aのケーブル側コネクタ611aと操作部中継基板107の基板側コネクタ621aとの接続、操作部中継基板107の基板側コネクタ622gとケーブル601gのケーブル側コネクタ612gとの接続、のいずれかの接続を解除することで、バックアップ電源の供給ラインが切断され、遊技制御部110のRAM112のデータを保持できず、消失することとなる。すなわち遊技制御基板101と投入メダルセンサ44との間のコネクタ同士の接続が1カ所でも解除されると、遊技制御部110のRAM112に保持されているバックアップデータが消失するようになっている。
一方、打ち込み器具などの不正器具を接続するには、コネクタの抜き差しが必要となるが、打ち込み器具を使用し、不正に特別役の当選や遊技状態を設定しても、正規のコネクタと交換するためにコネクタの接続を解除することでRAM112のデータが初期化されてしまうので、打ち込み器具を使用して特別役が当選した状態や遊技者に有利な遊技状態に設定したスロットマシン1を、遊技店の営業開始時等において遊技客に提供するといった不正営業を防止することができる。
本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形態様について説明する。
上記の実施の形態では、取付側部材510の係止部511、511を外方に弾性変形させた状態で、基板ケース200の裏面に形成された係止溝514、514に係合させることで、取付部材510が基板ケース200に取り付けられるとともに、取付側部材510が取り付けられた基板ケース200が取付ベース250(筐体)に対して取り外し不能に固定されると、取付側部材510の側片510d、510dが取付ベース250の側壁250b、250cの内面に当接し、狭持されて取付側部材510の両側片510d、510dの外方への変形が規制されるため、取付側部材510を基板ケース200から取り外すことが不可能となる構成となっていた。
これに対して、例えば、取付側部材の一部を基板ケース200の裏面でネジや取り外し可能な係止ピンで固定するとともに、基板ケース200を筐体(取付ベース)に取り外し不能に取り付けた際に、これらネジや係止ピンが隠蔽される構造とし、基板ケース200を筐体に対して取り付けることで、取付側部材の基板ケース200からの取り外しが規制される構成としてもよい。また、これ以外にも、取付側部材を基板ケース200に取り付けた状態で、基板ケース200を筐体に対して固着した後、取付側部材が基板ケース200から取り外せなくなる構成であれば、どのような構成を採っても良い。
上記の実施の形態では、コネクタカバー520は、取付側部材510に対して1カ所の係止筒522のみで取り付けられていた。この構成は、コネクタカバー520及び取付側部材510の構造を簡素化できるという点では好ましい。これに対して、コネクタカバー520に係止筒522を複数箇所設けるとともに、取付側部材510にもそれぞれ対応する箇所に係止孔513aを設け、コネクタカバー520を複数箇所で取付側部材510に対して取り付けるようにしてもよい。このようにすることで、ケーブル側コネクタ610aの基板側コネクタ620aに対する抜脱をより強固に規制することができる。さらに、この場合には、ケーブル側コネクタ610aと基板側コネクタ620aとの接続部分を跨ぐ複数箇所でコネクタカバー520を複数箇所で取付側部材510に対して取り付けることが好ましく、このようにすれば、ケーブル側コネクタ610aの基板側コネクタ620aに対する抜脱を更に強固に規制することができる。
上記の実施の形態では、投入メダルセンサ44と遊技制御基板101との間のコネクタ接続のみコネクタ規制部材を設けてコネクタ同士の接続の解除を規制していた。これに対して、スタートスイッチ41と遊技制御基板101との間のコネクタ接続のみコネクタ規制部材を設けてコネクタ同士の接続の解除を規制するようにしてもよい。また、リールの回転開始後、リールの停止操作がなされるまでリールが停止する構成でないものであれば、ストップスイッチ42L、42C、42Rのいずれかと遊技制御基板101との間のコネクタ接続のみコネクタ規制部材を設けてコネクタ同士の接続の解除を規制するようにしてもよい。これらの場合も、上記した実施の形態と同様の効果が得られる。
上記の実施の形態では、バックアップ電源が、遊技制御基板101から投入メダルセンサ44を経由して再度遊技制御基板101に戻り、遊技制御部110に対して供給されることで、この間のコネクタ接続が解除された場合にRAM112のデータが消失するようになっていた。これに対して、ゲームの進行上必ず必要な信号の入出力がなされる電子部品(例えば、スタートスイッチ41や、リールの回転開始後、リールの停止操作がなされるまでリールが停止する構成でないものにおけるストップスイッチ42L、42C、42Rなど)を経由するものであっても、上記の実施の形態と同様の効果が得られる。
また、バックアップ電源を蓄積するコンデンサや電池などを、ゲームの進行上必ず必要な信号の入出力がなされる電子部品の取付基板やこれら電子部品の中継基板(操作部中継基板107など)に搭載し、これら取付基板や中継基板に搭載されたコンデンサや電池などからのバックアップ電源の供給ラインが、電子部品の信号線とともにケーブルを介して遊技制御基板に接続され、遊技制御部110に対して供給されるようにしてもよい。この場合でも、これら取付基板や中継基板と遊技制御基板101との間のコネクタ接続が解除された場合にRAM112のデータが消失することとなるため、上記と同様の効果を得られるうえに、遊技制御基板101には取付基板や中継基板に搭載されたコンデンサや電池などからケーブルを介してバックアップ電源が供給されることとなるため、ケーブルを抜いた際に遊技制御部110に対してバックアップ電源を供給し続けるためには、基板間を跨いでバックアップ電源の供給ラインを短絡させる必要があり、バックアップ電源を供給し続けた状態でコネクタ接続を解除することが非常に困難となるため、打ち込み器具の接続を効果的に防止することができる。
また、例えば、停電時においても常に特定の信号を出力する信号出力回路を搭載するとともに、停電時においても常に特定の信号を検出するとともに、特定の信号の検出が途切れた場合には、その旨を記憶する信号監視回路を遊技制御基板101に搭載し、この特定の信号の出力経路が遊技制御基板101からゲームの進行上必ず必要な信号の入出力がなされる電子部品を経由して遊技制御基板101に戻り、信号監視回路に入力される構成とし、遊技制御部110が起動時に、信号監視回路に特定の信号の検出が途切れた旨が記憶されているか否かを確認し、特定の信号の検出が途切れた旨が記憶されている場合に、RAM112に記憶されているデータをクリアするようにしてもよい。このようにした場合でも、打ち込み器具を使用して特別役が当選した状態に設定したスロットマシン1を、遊技店の営業開始時等において遊技客に提供するといった不正営業を防止することができる。
上記の実施の形態では、設定キースイッチ92をONせずにスロットマシン1を起動した場合には、RAM112のデータが破壊されていない限り、該データを用いて電断前の状態に復帰するものとしていた。ここで、遊技制御部110の起動時に電断前の状態に復帰した場合には、CPU111が特別役の当選状況と遊技状態を示す電源投入コマンドを送信し、演出制御部120のCPU121は、電源投入コマンドを受信したときに、特別役の当選状況及び遊技状態が液晶表示器4や、ゲーム回数表示器51、クレジット表示器52、ペイアウト表示器53において報知するものとしてもよい。
打ち込み器具などの不正器具を接続するには、一度電源を切る必要がある(電源を切らずにコネクタを外すと故障の原因となる)が、この場合には、無理矢理コネクタの接続を解除して打ち込み器具を使用し、不正に特別役の当選や遊技者に有利な遊技状態を設定しても、遊技制御部110を再起動させた際に、特別役に当選していることや有利な遊技状態に制御されていることが外部から容易に判別できてしまうので、打ち込み器具を使用して特別役が当選した状態や遊技者に有利な遊技状態に設定したスロットマシン1を、遊技店の営業開始時等において遊技客に提供するといった不正営業を効果的に抑止することができる。
上記の実施の形態では、右のリール3Rに「チェリー」が導出されることでチェリー入賞となっていたが、左のリール3Lには、チェリー並びに/若しくはレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選していることを条件として「チェリー」が導出されるものとなっていた。もっとも、このような当選状況で左のリール3Lに導出される図柄は、「チェリー」に限るものではなく、他の図柄(ブランク図柄である「★」など)であってもよい。また、左のリール3Lに導出されるのではなく、中のリール3Cとしてもよい。
さらには、このような当選状況であることを条件として、左のリール3Lと中のリール3Cに特定の図柄組み合わせが導出され得るものとしてもよい。いずれにしても、RT図柄は、チェリー並びに/若しくはレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選していることを条件として左のリール3Lおよび/または中のリール3Cに導出され得るものとする図柄を含む図柄組み合わせによって構成されるものとすればよい。
上記の実施の形態では、右のリール3Rのみに「チェリー」が導出されることでチェリー入賞となっていたが、中と右のリール3C、3Rについて入賞ライン上に「チェリー」が揃うことで(左のリール3Lについては、どの図柄でも可)チェリーの入賞となるものとしてもよい。中のリール3Cのみに「チェリー」が導出されることで、チェリー入賞となるものとしてもよい。この場合も、チェリーに当選しているときには左のリール3Lに「チェリー」を導出させるものとするが、中と右のリール3C、3Rについて「チェリー」を導出させる入賞ラインは、左のリール3Lについて「チェリー」の導出されている入賞ラインではなくてもよい。
上記の実施の形態では、可変表示装置2は、3つのリール3L、3C、3Rで構成されるものとしていたが、4つ以上のリールで構成されるものとしてもよい。例えば、可変表示装置2が4つのリールで構成される場合には、右から2番目(左から3番目)のリールに「チェリー」が導出されることでチェリー入賞となり、チェリーに当選しているときと、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選しているときとに、左から2番目のリールに「チェリー」が導出され得るものとすることもできる。
上記の実施の形態では、9個のリールランプ3LPのうちで入賞の図柄組み合わせが揃った入賞ラインに対応したリールランプ3LPを点滅表示させていたが、これ以外に入賞の発生を示す演出を行っていなかった。これに対して、可変表示装置2の表示結果により入賞が発生した場合には、入賞の図柄組み合わせが揃った入賞ラインに対応したリールランプ3LPが点滅表示されるのと連動して、液晶表示器4への所定の画像の表示、スピーカ7L、7R、7Uからの所定の音声の出力、および/または遊技効果ランプ75A〜75Mの点灯などの他の演出手段による演出を併用して行ってもよい。
上記の実施の形態では、各ゲームにおいて入賞が発生したときに、9個のリールランプ3LPのうちで入賞の図柄組み合わせが揃った入賞ラインに対応したリールランプ3LPを点滅表示させて、何れの入賞ラインに入賞の図柄組み合わせが揃っているのかを遊技者に示すものとしていた。もっとも、入賞の図柄組み合わせが揃った入賞ラインを遊技者に示す方法はこれに限るものではなく、該入賞ラインに対応したリールランプ3LPの輝度を高くしたり、発光色を変化させるものとしてもよい。或いは、入賞の図柄組み合わせが揃った入賞ラインに対応したリールランプ3LP以外のリールランプ3LPの輝度を低くしたり、発光色を変化させるものとしてもよい。
また、チェリーのように1つのリール(上記の実施の形態では左のリール3L)に導出されただけで入賞となる単図柄役に入賞した場合には、入賞の図柄組み合わせ(上記の実施の形態では「ANY−ANY−チェリー」が揃った入賞ラインに対応したリールランプ3LPではなく、単図柄(上記の実施の形態では右のリール3Rの「チェリー」)が停止している位置に対応したリールランプ3LPを点滅させるなどとしてもよい。また、このように単図柄役に入賞した場合には、入賞の図柄が含まれるリールに対応したリールランプ3LPを点灯させるものとしてもよい。
また、必ずしも入賞の図柄組み合わせが揃った入賞ラインに対応したリールランプ3LP(或いはこれ以外のリールランプ3LP)の点灯態様を制御するだけではなく、入賞の図柄組み合わせに応じて任意に9つのリールランプ3LPの点灯態様を制御することができる。例えば、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの図柄組み合わせが揃ったときに、Vの字状となるリールランプ3LPを選んで点滅させるなどしてもよい。
或いは、レギュラーボーナスの図柄組み合わせは「★−BAR−★」(★はBAR以外の所定の図柄)とするが、左のリール3Lにおいて「★」の1つ上または一つ下に「BAR」が、右のリール3Rにおいて「★」の1つ下または1つ上に「BAR」が配置されているものとする場合、中段の入賞ラインにレギュラーボーナスの図柄組み合わせが揃ったときに、「★−BAR−★」の図柄組み合わせが揃っている中段の入賞ラインに対応するリールランプ3LPではなく、「BAR−BAR−BAR」の図柄組み合わせが揃った対角線の入賞ラインに対応するリールランプ3LPを点滅させるなどしてもよい。
上記の実施の形態では、可変表示装置2の図柄の停止位置に対応してそれぞれ設けられたリールランプ3LPによって行われる演出は、入賞が発生したときに、該入賞の図柄組み合わせが揃った入賞ラインを示す演出(すなわち、当該入賞ラインに対応したリールランプ3LPを点滅させる演出)だけであった。しかしながら、これ以外の演出を、リールランプ3LPの発光態様の変化によって行うものとしてもよい。例えば、レギュラーボーナスまたはビッグボーナスの当選状況を示す期待感演出などのスロットマシン1において内部的に制御されている遊技の進行状況を示す演出を、リールランプ3LPを所定の態様に点灯制御することによって行うものとしてもよい。
レギュラーボーナスまたはビッグボーナスの当選状況を示す期待感演出は、予め定められた複数のパターンのうちから選択されたパターンでリールランプ3LPを点灯制御することにより行うことができ、レギュラーボーナスまたはビッグボーナスに当選しているときのみに選択されるパターンがあってもよい。演出制御基板102のCPU121は、当選状況通知コマンドを受信した後、入賞情報コマンドを受信するよりも前に、当選状況通知コマンドが示す当選状況(特にレギュラーボーナスまたはビッグボーナスの当選状況)と先に受信した遊技状態コマンドが示す遊技状態に応じて、リールランプ3LPを点灯制御するパターンを選択する。
演出制御基板102のCPU121は、可変表示装置2に表示結果が導出されたときに受信した入賞情報コマンドがレギュラーボーナスまたはビッグボーナスの入賞を示していなければ、遊技状態コマンドを受信したタイミングで選択されたパターンによるリールランプ3LPの点灯制御を開始させる。遊技状態コマンドは、小役入賞していなければ実質的に可変表示装置2に表示結果が導出されたタイミングで、小役入賞していればメダルの払い出しを終了したタイミングで送信されるため、リールランプ3LPの点灯制御による期待感演出も、このタイミングで開始されることとなる。
また、リールランプ3LPの点灯制御による期待感演出が行われているときに、新たなゲームのための賭け数を設定することによって送信されたBETコマンドを受信した場合、或いは精算ボタン16を操作してクレジットを精算することによって送信された精算コマンドを受信した場合には、選択された期待感演出のパターンでリールランプ3LPを点灯制御することを終了させるものとすることができる。
なお、レギュラーボーナスまたはビッグボーナスの当選状況を示す期待感演出は、全てのゲームで行うのではなく、通常の遊技状態に制御されているゲームにおいて乱数抽選を行い、所定の割合で行うものとしてもよい。期待感演出を行うものとする乱数抽選の当選確率は、レギュラーボーナスまたはビッグボーナスに当選しているときと、これらに当選していないときとで異なるものとすることができる。また、期待感演出を行うかどうかと、リールランプ3LPを点灯制御するパターンの決定とは、同一の乱数を用いて決定することができる。
このようなスロットマシン1において内部的に制御されている遊技の進行状況を示す演出をリールランプ3LPの点灯制御により行う演出は、入賞の図柄組み合わせが揃った入賞ラインとは無関係にリールランプ3LPを選んで行うことができるが、小役入賞があった場合には、メダルの払い出しを終了してからリールランプ3LPの点灯制御が開始される。このため、メダルの払い出しが行われているときにこのような演出が行われているとリールランプ3LPの発光態様の変化の方に注目してしまって遊技者がどの入賞ラインに小役の図柄組み合わせが導出されているのかが分かりにくくなり、可変表示装置2に導出されている小役の図柄を確認しにくくなってしまうということをなくすことができるものとなる。
また、このようなスロットマシン1において内部的に制御されている遊技の進行状況を示すリールランプ3LPの点灯制御によって行う演出も、次のゲームのための賭け数が設定されたとき、或いは精算ボタン16が操作されてクレジットが精算されたときに、終了させるものとすることにより、このような場合を契機として入賞の図柄組み合わせの揃った入賞ラインに対応するリールランプ3LPの点滅を終了させていた場合と、同様の効果を得ることができるものとなる。
特に、上記の実施の形態のスロットマシン1のようにメダルの払い出し枚数の異なる複数種類の小役があったり、メダルの払い出し以外にも異なる価値の付与された小役があるときには、メダルの払い出しが行われている間に可変表示装置2に導出されている小役の図柄を確認したいという遊技者からの要請が強くなる。このように導出されている小役の図柄を確認したいという遊技者からの要請が強くなる場合に、小役入賞時にメダルの払い出しの完了を以て1ゲームの終了とすることの効果が大きくなる。
なお、レギュラーボーナスまたはビッグボーナスの当選状況を示す期待感演出以外にスロットマシン1において内部的に制御されている遊技の進行状況を示すリールランプ3LPの点灯制御により行われる演出も、上記した期待感演出の場合と同様の手順で行うことができる。
上記の実施の形態では、1ゲームの終了時(但し、ビッグボーナスの終了後はフリーズ状態に制御されるよりも前)に、次のゲームで適用される遊技状態を示す遊技状態コマンドを遊技制御基板101から演出制御基板102に送信するものとしていた。そして、演出制御基板102のCPU121は、遊技状態コマンドを受信することによって、1ゲームが終了したもの(すなわち、ここで次のゲームに移行される)と判断して、入賞していたときには入賞の図柄組み合わせが揃った入賞ラインに対応したリールランプ3LPを点滅させていた。
これに対して、1ゲームの開始時において、当該ゲームで適用される遊技状態を示す遊技状態コマンドを遊技制御基板101から演出制御基板102に送信するものとしてもよい。この場合、演出制御基板102のCPU121は、この遊技状態コマンドを受信することによって、新たな1ゲームが開始される(すなわち、前のゲームから移行された)と判断するものとすることができ、ここで入賞の図柄組み合わせが揃った入賞ラインに対応したリールランプ3LPを点滅させるものとすることができる。
もっとも、ビッグボーナスの終了後にフリーズ状態に制御されている場合もクレジットの精算が可能であるので、ビッグボーナスの終了時にメダルの払い出しが終了してフリーズ状態が開始されるときには、この遊技状態コマンドとは別の所定のコマンドを送信するものとしてもよい。演出制御基板102のCPU121は、遊技状態コマンドよりも先にこの所定のコマンドを受信したときには、これに基づいて入賞の図柄組み合わせが揃った入賞ラインに対応したリールランプ3LPを点滅させるものとすることができる。
上記の実施の形態では、設定変更音は、設定値の変更期間を開始(設定キースイッチ92をON状態としてスロットマシン1を起動)してから、設定値の変更操作を終了(設定キースイッチ92をOFF状態)するまで、設定変更音を再生/出力するものとしていた。しかしながら、設定値の変更操作を終了した後も一定期間(例えば、設定値の変更後の最初のゲームを終了するまで)は、設定変更音をそのまま継続して再生/出力するものとしてもよい。また、設定値の変更操作を終了(設定キースイッチ92をOFF状態)したときに、設定変更音の再生/出力を一旦停止するが、設定値の変更後の最初のゲームが開始されたときに、設定変更音の再生/出力を再開させるものとしてもよい。
さらに、エラー音についても、エラーが解除された後も所定期間(1ゲーム以上の所定ゲーム数または所定時間)継続して再生/出力させるものとしてもよい。精算音についても、クレジットまたは賭け数の精算が終了した後も所定期間継続して再生/出力させるものとしてもよい。精算の開始から一定期間を経過するまでか、精算を終了するまでの何れか遅い方まで、精算音を再生/出力させるものとしてもよい。
上記の実施の形態では、ボーナス中楽曲またはRT中楽曲が再生されているときに精算ボタン16の操作により次のゲームのために既に設定された賭け数またはクレジットの精算を終了したとき、所定時間に亘って遊技操作がされなかったときに、再生されている楽曲のスピーカ7L、7R、7Uからの出力をミュートして、ボーナス中楽曲またはRT中楽曲の音声が周囲の遊技者に聞こえなくなるようにしていた。
もっとも、これらの場合にスピーカ7L、7R、7Uからの出力をミュートするのではなく、出力される音声の音量レベルを一定レベルまで下げるだけであってもよい。また、これらの場合に再生する楽曲を音声レベルの低い別の楽曲に切り替えるものとしてもよい。つまり、周囲の遊技者に迷惑が生じる程の大音量でなければ、このような場合にあっても、楽曲の音声がスピーカ7L、7R、7Uから出力されるものとしてもよい。或いは、これらの場合に楽曲の再生そのものを停止してしまってもよい。楽曲の再生そのものを停止してしまう場合には、上記したミュート解除の事象が生じた場面で必要であれば改めて楽曲の再生を開始するものとしてもよい。
上記の実施の形態では、通常遊技状態において可変表示装置2の表示結果としてRT図柄が導出されたときに、遊技状態をRTに制御するものとしていた。これに対して、例えば、ビッグボーナスの終了後の所定ゲーム数(例えば、500ゲーム)の間、遊技状態をRTに制御するものとし、このようなRTも、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに当選しても終了せず、所定ゲーム数を消化するまでかビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに入賞するまで継続させるものとすることができる。
また、このようなRTは、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに入賞した場合以外、特定の種類の小役またはリプレイ(特定役)に入賞したときにも、終了してしまうものとすることができる。特定役は、停止ボタン12L、12C、12Rの操作手順によって取りこぼしがあるものであって、上記の実施の形態に含まれる役とは別の役としてもよい。そして、遊技状態がRTに制御されているときに特定役に当選したときに、その旨を特定可能な情報を液晶表示器4に表示する画像やスピーカ7L、7R、7Uから出力する音声などにより遊技者に報知するものとすることができる。
この特定役に当選した旨を特定可能な情報が報知される権利(ナビ権利)は、RTに制御される直前のビッグボーナスにおいて遊技者が所定のミッションをクリアしたときに付与するとすることができる。ビッグボーナス中に遊技者に課されるミッションには複数種類のものがあってもよく、遊技者は、ビッグボーナスの開始時において自らの操作により課されるミッションを選択できるものとしてもよい。
なお、特定役は、入賞させるための停止ボタン12L、12C、12Rの操作手順が排他的な複数種類のものからなるものであってもよい(例えば、「赤7−ベル−ベル」を特定役A、「白7−ベル−ベル」を特定役B、「BAR−ベル−ベル」を特定役Cとする)。そして、複数種類の特定役の何れかに当選したときに、ナビ権利があれば当選している特定役の種類まで報知し、ナビ権利がなければ特定役の何れかに当選していることだけを報知するものとしてもよい。
なお、ナビ権利は、ミッションをクリアする度に付与するものとし、例えば、1回のミッションクリアで50ゲームのナビ権利が付与されるものとした場合には、遊技者が5回のミッションをクリアしたならば、ビッグボーナスの終了後に250ゲームを消化するまで、特定役に当選したときにはその旨を特定可能な情報を報知するものとすることができる。或いは、1回のミッションで1回のナビ権利が付与されるものとした場合には、遊技者が5回のミッションをクリアしたならば、RTにおいて特定役に5回当選するまで、特定役に当選した旨を特定可能な情報を報知するものとすることができる。
このようにRTにおいてナビ権利が付与されているときには、遊技者は、特定役に当選しているときに報知された情報に従って特定役に入賞させないよう停止ボタン12L、12C、12Rを操作することで、RTを終了させないようにすることができる。このように遊技者に有利なRTの継続に関して遊技者が自らの操作で遊技に介入することができ、遊技の興趣を向上させることができる。さらに、遊技者が課されるミッションの種類を選択できるようにすることで、遊技者の遊技に対する介入感をさらに高めさせ、これによって遊技の興趣を向上させることができる。
また、メダルの払出率が1を越える有利RT(上記の実施の形態のRTと同程度にリプレイ当選確率の高いRT)と、メダルの払出率が通常の遊技状態と大差ない不利RT(例えば、リプレイの判定値数が通常の遊技状態と1だけしか変わらないRT)とを設け、通常の遊技状態において入賞した役に応じて有利RTか不利RTかの何れかに制御するものとしてもよい。有利RT及び不利RTの継続ゲーム数は、それぞれに対して予め定められたゲーム数とすることができる。
通常の遊技状態から有利RTに遊技状態を制御させるための有利役と、通常の遊技状態から不利RTに遊技状態を制御させるための不利役との少なくとも一方は、停止ボタン12L、12C、12Rの操作手順によって取りこぼしがあるものであって、上記の実施の形態に含まれる役とは別の役(上記した特定役と同様の役)とすることができる。なお、ビッグボーナスの終了から一定のゲーム数(例えば、15ゲーム)を消化するまでの間は、内部抽選において不利役には当選し得ない遊技状態に制御することができる。
また、通常の遊技状態に制御されているときに有利役および/または不利役に当選したときにも、その旨を特定可能な情報を遊技者に報知するものとすることができる。この有利役および/または不利役に当選したものを特定可能な情報が報知される権利についても、通常の遊技状態に制御される直前の遊技状態がビッグボーナスであった場合には、該ビッグボーナスにおいて遊技者が所定のミッションをクリアしたときに付与するものとすることができる。この場合のナビ権利、及びそれを付与するためのミッションについては、上記した有利RTを終了させる特定役の当選を報知するナビ権利、及びそれを付与するためのミッションと同様のものとすることができる。
このように通常の遊技状態においてナビ権利が付与されているときには、遊技者は、有利役および/または不利役に当選しているときに報知された情報に従って有利役に入賞させるよう/不利役に入賞させないよう停止ボタン12L、12C、12Rを操作することで、有利RTに制御させる/不利RTに制御させないようにすることができる。このように有利RT及び不利RTへの制御に関して遊技者が自らの操作で遊技に介入することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
上記の実施の形態では、遊技者にとって有利な遊技状態は、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの他は、RT図柄の導出により制御されるものとなるRTだけであった。これに対して、ビッグボーナス(またはレギュラーボーナス)に当選したときに、その後に規定ゲーム数(例えば、30ゲーム)を消化するまで、遊技状態をAT(Assist Time)に制御するものとしてもよい。この間は、通常の遊技状態よりもリプレイ当選確率が高くなるRT(通常の遊技状態と比べてリプレイ当選確率に大差がないRTとしてもよい)に併せて制御するものとしてもよい。
ボーナス当選後に制御されるATで当選が報知される対象となる役は、入賞させるための停止ボタン12L、12C、12Rの操作手順が排他的な複数種類のものからなるものとすることができる(例えば、左のリール3Lだけではなく右のリール3Rについても「赤7」、「白7」、「BAR」を互いに7コマ間隔で1つずつ配置し、「赤7−ベル−赤7」を対象役A、「赤7−ベル−白7」を対象役B、「赤7−ベル−BAR」を対象役C、「白7−ベル−赤7」を対象役D、「白7−ベル−白7」を対象役E、「白7−ベル−BAR」を対象役F、「BAR−ベル−赤7」を対象役G、「BAR−ベル−白7」を対象役H、「BAR−ベル−BAR」を対象役I、とする)。
ここで、何れかの種類の対象役に当選しているときに、当選しているものに必ず入賞するものとして計算するとメダルの払出率が1を越えるが、対象役の種類に応じた割合(例えば、上記の対象役A〜Iがあって各々の当選確率が同じだとすると、9分の1)でしか入賞し得ないものと計算するとメダルの払出率が1を下回るように、各対象役の当選確率を設定しておくことができる。
このようにビッグボーナス(またはレギュラーボーナス)に当選するまでのゲームと、ビッグボーナス(またはレギュラーボーナス)に当選した後の規定ゲーム数を消化するまでのゲームとの間の遊技者にとっての有利度の差を、各々の遊技状態における各役の当選確率の差以上に生じさせて、遊技にメリハリを生じさせることができるようになる。しかも、ビッグボーナス(またはレギュラーボーナス)に当選した後のATは、遊技者の技術介入を前提として真に遊技者にとって有利な遊技状態となるものであるので、遊技の興趣をいっそう向上させることができる。
上記の実施の形態では、扉開放センサ95は、前面扉が開放状態にあることを検出するものであり、その検出信号に基づいてセキュリティ信号のうちのドア開放信号が外部出力基板105から出力されるものとなっていた。もっとも、扉開放センサ95は、前面扉を開放するための鍵が解除されていることを検出するものであってもよく、この場合には、実際には前面扉は開放されていなくても当該鍵が解除されていれば、すなわち前面扉が開放可能な状態にあることが扉開放センサ95により検出されれば、セキュリティ信号のうちのドア開放信号を外部出力基板105から出力させるものとすることができる。
また、扉開放センサ95の検出信号が遊技制御基板101に入力されるようにし、扉開放センサ95により前面扉が開放状態にあることが検出された場合には、遊技制御基板101のCPU111は、その旨を示す所定のコマンドを演出制御基板102に送信するものとしてもよい。当該所定のコマンドを受信した演出制御基板102のCPU121は、前面扉が開放状態にあることを、例えば、液晶表示器4に所定のメッセージを表示したり、扉開放音を再生してスピーカ7L、7R、7Uから出力させるものとしてもよい。扉開放音を出力するボリュームレベルも、最大レベルとすることが好ましい。
スロットマシン1の内部には、各種制御を行うための制御回路を搭載した基板類や、設定値を変更するための設定スイッチ91などが配置されており、これらの操作のためには前面扉を開放しなければならない。もっとも、これらの操作は、本来遊技者が行い得ない操作であって、遊技店の店員でない者によってスロットマシン1の前面扉が開放されているということは、遊技者により不正行為が行われている可能性が極めて高いということになる。前面扉の開放を液晶表示器4へのメッセージの表示や扉開放音の出力で報知することによって、遊技店の店員は、不正行為が行われていることを容易に察知することができるものとなる。
上記の実施の形態では、外部出力基板105から出力される信号のうちのセキュリティ信号は、ドア開放信号、設定値変更信号、投入エラー信号、払い出しエラー信号、他のエラー信号、及び精算中信号が時分割で同一の出力端子から出力されるシリアル形式の信号であった。もっとも、これらの全ての信号が時分割で同一の出力端子からシリアル形式として出力される必要はなく、これらの信号のうちの任意の2種類以上の信号を同一の出力端子から時分割で出力させるものとすることができる。また、このような複数種類の信号をシリアル形式で出力するものでなくてもよい。つまり、扉開放センサ95による前面扉の開放、設定値の変更、投入エラー及び払い出しエラーを含む各種エラーの発生、またはメダルの精算のいずれかの事象が生じているときに、どの事象かを区別することなくON状態とされる信号であってもよい。
上記の実施の形態では、何れの遊技状態においても、賭け数として3を設定することのみによりゲームを開始させることができた。もっとも、ゲームを開始させるために設定できる賭け数は、1〜3の範囲で任意の数を適用することができる。遊技状態毎に設定できる賭け数が異なっていてもよい。ここで、通常の遊技状態で賭け数として1または2が設定されていたときには、賭け数として3が設定されたときよりも内部抽選における小役の当選確率を低下させるとともに、小役に入賞したときの払い出しメダル枚数を増加させることができる。
上記の実施の形態では、当選フラグの設定状況に基づいて停止制御テーブルを予め選択し、リール3L、3C、3Rの停止時において停止制御テーブルを参照して図柄の停止位置を決定し、当該停止位置でリールを停止させるテーブル方式でリール3L、3C、3Rの回転を停止させるスロットマシンを例として説明した。これに対して、停止条件が成立したときの現在の図柄位置と当選フラグの設定状況に基づいて、当選している役の図柄が揃うように引き込み制御を行ったり、当選していない役の図柄が揃わないように外し制御を行うコントロール方式でリール3L、3C、3Rの回転を停止させるスロットマシンにも本発明を適用することができる。
コントロール方式では、停止ボタン12L、12C、12Rの操作が検出されたときに、対応するリール3L、3C、3Rについてその時点で表示されている図柄から190ミリ秒の最大停止遅延時間の範囲内(表示されている図柄と引き込み分を含めて合計5コマの範囲)に、当選フラグの設定されている役の図柄があるかどうかを判定する。
当選フラグの設定されている役の図柄(重複当選時には、導出が優先される役の図柄から判断する)があれば、当該役を入賞させるための図柄を選択して入賞ライン(既に停止しているリールがあるときには、停止しているリール上の図柄とともに入賞の表示態様を構成可能な入賞ライン)上に導出させる。そうでなければ、いずれの役にも入賞させないための図柄を選択して導出させる。すなわち、このコントロール方式によりリール3L、3C、3Rの停止を制御する場合も、停止ボタン12L、12C、12Rの操作が検出されてから最大停止遅延時間の範囲で図柄を停止させることにより導出可能となる表示態様であって当選フラグの設定状況に応じた表示態様が、可変表示装置2の表示結果として導出されるものとなる。
上記の実施の形態では、可変表示装置2は、外周部に複数の図柄を所定順に配した3つのリール3L、3C、3Rを備えるものとし、これらのリール3L、3C、3Rの回転駆動によって図柄を可変表示させるものとしていた。しかしながら、液晶表示装置などの表示装置上で仮想的に図柄を可変表示させるものを、上記のような可変表示装置2の代わりに用いてもよい。
上記の実施の形態では、賭け数の設定や入賞に伴う遊技用価値の付与に用いる遊技媒体としてメダルを適用したスロットマシンを例として説明した。しかしながら、本発明を具現化するスロットマシンは、パチンコ遊技機で用いられている遊技球を遊技媒体として適用したスロットマシン(いわゆるパロット)であってもよい。遊技球を遊技媒体として用いる場合は、例えば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができる。
いわゆるパロットでは、遊技媒体として用いられる遊技球は、そのままの物理的形態で貯留皿に貯留されており、遊技者がBETボタンを操作すると、貯留皿(上皿)に貯留されていた遊技球のうちのBET操作に応じた数の遊技球が所定の取り込み経路を介してパロットの内部に取り込まれる。この内部に取り込まれた遊技球によって1ゲームを行うための賭け数が設定されるものとなる。
また、パロットにおいて遊技者が精算ボタンを操作した場合には、既に賭け数が設定されていれば(但し、リプレイ入賞後に賭け数が自動設定された場合を除く)、設定された賭け数に応じた数の遊技球がスロットマシンの下部に設けられた下皿に排出される。賭け数が設定されていなければ(先に賭け数の精算を行った場合を含む)、貯留皿に貯留されている遊技球が所定の経路を通って下皿に排出されるものとなる。下皿には、遊技者が所定のレバーを操作することで貯留された遊技球を下部に通過させるための穴が設けられており、遊技球箱(いわゆるドル箱)を下皿の下においてレバー操作すれば、遊技者が所有する遊技球を容易に遊技球箱に移すことができる。