以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、この実施の形態にかかるスロットマシンの全体構造を示す正面図である。スロットマシン1の前面扉は、施錠装置19にキーを差し込み、時計回り方向に回動操作することにより開放状態とすることができる。このスロットマシン1の上部前面側には、可変表示装置2が設けられている。可変表示装置2の内部には、3つのリール3L、3C、3Rから構成されるリールユニット3が設けられている。リール3L、3C、3Rは、それぞれリールモータ3ML、3MC、3MR(図3参照)の駆動によって回転/停止させられる。
リール3L、3C、3Rの外周部に描かれた図柄は、リール3L、3C、3Rの駆動がそれぞれ停止したときにおいて、可変表示装置2において上中下三段に表示される。また、リール3L、3C、3Rの外周部には、図2に示すように、それぞれ「赤7」、「白7」「BAR」、「スイカ」、「チェリー」、「ベル」、「JAC」、「★」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で描かれている。
図2に示すように、リール3L、3C、3Rの何れについても、「JAC」は、最大でも5コマ以内の間隔で配置されている。中のリール3Cについての「スイカ」及び「ベル」は最大で5コマ以内の間隔で配置されている。左のリール3Lと右のリール3Rについて、「スイカ」と「チェリー」は、それぞれ互いに7コマ以内の間隔で配置されている。また、左のリール3Lと右のリール3Rについては、「赤7」、「白7」または「BAR」の何れかが7コマずつの間隔で並んでいる。
リールユニット3内には、リール3L、3C、3Rのそれぞれに対して、その基準位置を検出するリールセンサ3SL、3SC、3SR(図3参照)と、背面から光を照射するリールランプ3LP(図3参照)とが設けられている。このスロットマシン1では、後述するレギュラーボーナス(ビッグボーナス中に提供された場合を含む)では、賭け数として3が設定されている状態でのみゲームを開始させることができ、それ以外の遊技状態では、賭け数として3が設定されているときと2が設定されているときの何れにおいてもゲームを開始させることができる。何れの賭け数が設定されている場合でも、可変表示装置2には、上中下段の3本、対角線の2本、「上段−中段−上段」の組み合わせによる谷型の1本、「下段−中段−下段」の組み合わせによる山型の1本の合計7本の入賞ラインが設定される。
また、可変表示装置2の周囲には、各種表示部が設けられている。可変表示装置2の下側には、ゲーム回数表示部21と、クレジット表示部22と、ペイアウト表示部23とが設けられている。ゲーム回数表示部21は、7セグメント表示器によるゲーム回数表示器51(図3参照)によって構成され、後述するレギュラーボーナスにおけるゲーム数及び入賞数をカウントするカウンタの値を表示する。さらに、ゲーム回数表示部21は、エラーが発生したときに、発生したエラーの種類に対応したコード(エラーコード)を表示するためにも用いられる。
クレジット表示部22は、7セグメント表示器によるクレジット表示器52(図3参照)によって構成され、後述するようにメダルの投入枚数及び払い出し枚数に応じてデータとして蓄積されたクレジットの数を表示する。ペイアウト表示部23は、7セグメント表示器によるペイアウト表示器53(図3参照)によって構成され、入賞が成立した場合に払い出されるメダルの枚数を表示する。
可変表示装置2の左側には、1枚賭け表示部24、2枚賭け表示部25、26、及び3枚賭け表示部27、28が設けられている。1枚、2枚、3枚賭け表示部24〜28は、入賞ラインに対応してそれぞれ1枚、2枚、3枚賭けランプ54〜58(図3参照)が点灯状態となることで、現時点で設定されている賭け数を遊技者に示す。
可変表示装置2の右側には、投入指示表示部29と、スタート表示部30と、ウェイト表示部31と、リプレイ表示部32と、ゲームオーバー表示部33とが設けられている。投入指示表示部29は、投入指示ランプ59(図3参照)が点灯状態となることで、メダルが投入可能なことを示す。スタート表示部30は、スタートランプ60(図3参照)が点灯状態となることで、スタート可能、すなわちスタートレバー11の操作受付可能であることを示す。ウェイト表示部31は、ウェイトランプ61(図3参照)が点灯状態となることで、後述するウェイトがかかっていることを示す。リプレイ表示部32は、リプレイランプ62(図3参照)が点灯状態となることで、後述するリプレイ入賞をしたことを示す。ゲームオーバー表示部33は、ゲームオーバーランプ63(図3参照)が点灯状態となることで、スロットマシン1が打ち止めになったことを示す。
可変表示装置2の上側には、演出手段としての液晶表示器4が設けられている。液晶表示器4は、遊技状態、当選フラグの設定状況、または可変表示装置2に導出された図柄の種類択に応じて様々な演出用の画像を表示する。液晶表示器4において行われる演出としては、後述する9択(1)〜(9)の当選の報知と、賭け数を2としてゲームを開始することを推奨することの報知がある。また、液晶表示器4には、遊技履歴などの遊技に直接的または間接的に関わる様々な情報を表示することが可能である。
また、可変表示装置2の下方に設けられた台状部分の水平面には、メダル投入口13と、1枚BETボタン14と、MAXBETボタン15と、精算ボタン16とが設けられている。1枚BETボタン14及びMAXBETボタン15には、データとして蓄積されたクレジット(最大50)から賭け数の設定を可能としているときに点灯するBETボタンランプ70a、70b(図3参照)が内部に配されている。
メダル投入口13は、遊技者がここからメダルを投入するものであり、投入指示表示部29が点灯しているときにメダルの投入が投入メダルセンサ44(図3参照)によって検出されると、賭け数が設定され、或いはクレジットがデータとして蓄積される。1枚BETボタン14及びMAXBETボタン15は、データとして蓄積されているクレジットから賭け数(それぞれ1、3)を設定する際に遊技者が操作するボタンであり、遊技者によって操作されたことが1枚BETスイッチ45(図3参照)またはMAXBETスイッチ46(図3参照)によって検出されると、クレジットからの賭け数の設定が行われる。
精算ボタン16は、既に賭け数として設定されたメダル、或いは蓄積されたクレジットに対応したメダルの払い出しを指示するためのボタンである。精算ボタン16の操作が精算スイッチ47(図3参照)によって操作が検出されると、賭け数が設定されていれば、まず設定された賭け数に応じたメダルが払い出され、賭け数が設定されていなければ(精算ボタン16の操作で先に賭け数分のメダルが払い出された場合を含む)、データとして蓄積されたクレジットに応じたメダルが払い出される。
その台状部分の垂直面には、スタートレバー11と、停止ボタン12L、12C、12Rとが設けられている。スタートレバー11は、ゲームを開始する際に遊技者が操作するもので、その操作がスタートスイッチ41(図3参照)によって検出されると、リールモータ3ML、3MC、3MRが駆動開始され、リール3L、3C、3Rが回転開始する。リール3L、3C、3Rが回転開始した後所定の条件が成立することにより停止ボタン12L、12C、12Rの操作が可能となると、その内部に備えられた操作有効ランプ63L、63C、63R(図3参照)が点灯状態となって、その旨が遊技者に示される。
停止ボタン12L、12C、12Rは、それぞれ遊技者が所望のタイミングでリール3L、3C、3Rの回転を停止させるべく操作するボタンであり、その操作がストップスイッチ42L、42C、42R(図3参照)で検出されると、リール3L、3C、3Rの回転が停止される。停止ボタン12L、12C、12Rの操作から対応するリール3L、3C、3Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は190ミリ秒である。
リール3L、3C、3Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190ミリ秒の間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、後述する停止制御テーブルにより選択される停止図柄は、停止ボタン12L、12C、12Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。
さらに、停止ボタン12L、12C、12Rを覆うパネルが、ボーナス告知部36として適用されている。ボーナス告知部36は、ボーナス告知ランプ66(図3参照)が点灯状態となることで、後述するレギュラーボーナス入賞、及びビッグボーナス入賞が可能となっていることを遊技者に告知する。また、停止ボタン12Rの右側には、メダルが詰まったときなどにおいてスロットマシン1に機械的に振動を与えるメダル詰まり解消ボタン18が設けられている。
スロットマシン1の下部前面側には、メダル払い出し口71と、メダル貯留皿72とが設けられている。メダル払い出し口71は、ホッパー80(図3参照)によって払い出しが行われたメダルを外部に排出するものである。メダル貯留皿72は、払い出されたメダルを貯めておくためのものである。メダル貯留皿72の上の前面パネルには、内部に設置された蛍光灯6(図3参照)が発した光が照射される。
スロットマシン1の下部前面側と、上部前面側の左右とには、それぞれ演出手段としてのスピーカ7U、7L、7Rが設けられている。スピーカ7U、7L、7Rは、各ゲーム中において、後述するビッグボーナス、レギュラーボーナス及びRT(RT1、RT2)2という遊技者に有利な遊技状態において、或いは後述する連続演出が行われているときにおいて、それぞれに固有の効果音(楽曲)を継続して出力する。また、スタートレバー11や停止ボタン12L、12C、12Rの操作時、或いは入賞時において所定の効果音を出力する。さらには異常時における警報音の出力を行うと共に、遊技状態に応じた様々な演出用の音声の出力を行う。
さらに、スロットマシン1の前面側には、可変表示装置2及び液晶表示器4の周囲を取り囲むように、演出手段としての遊技効果ランプ75A〜75M(図3参照)の発光により光による演出を行う遊技効果表示部5A〜5Mが設けられている。遊技効果表示部5A〜5Mは、遊技の進行状況に応じた様々なパターンで光による演出を行うものである。なお、遊技効果表示部5A〜5Mの発光色は、単色からなるものであっても、複数色からなるものであっても構わない。
図3は、このスロットマシン1の制御回路の構成を示す図である。図示するように、このスロットマシン1の制御回路は、電源基板100、遊技制御基板101、演出制御基板102、リール中継基板103、リールランプ中継基板104、外部出力基板105、及び演出中継基板106に大きく分けて構成される。
電源基板100は、AC100Vの外部電源電圧を変圧し、遊技制御基板101その他のスロットマシン1の各部に動作電力を供給する。図3では、遊技制御基板101、ホッパー80、各スイッチ91〜94にのみ接続されているように示しているが、電源基板100は、他の各部への電力の供給も行っている。電源基板100は、スロットマシン1の内部に設けられ、メダルの払い出し動作を行うホッパーモータ82と、メダルの払い出しを検知する払い出しセンサ81とから構成されるホッパー80に接続されている。
電源基板100は、後述する内部抽選への当選確率を設定し、これに基づいて算出されるメダルの仮想払出率の設定値(設定1〜設定6)を変更するための設定スイッチ91、設定スイッチ91を操作有効とする設定キースイッチ92、内部状態(RAM112)をリセットする第2リセットスイッチ93、及び電源のON/OFF切り替えを行うメインスイッチ94にもそれぞれ接続されてており、これらのスイッチの検出信号を遊技制御基板101へと送る。これらのスイッチ91〜94は、スロットマシン1の内部に設けられている。
遊技制御基板101は、スロットマシン1における遊技の進行全体の流れを制御するメイン側の制御基板であり、CPU111、RAM112、ROM113及びI/Oポート114を含む1チップマイクロコンピュータからなる制御部110を搭載している。また、乱数発生回路115、サンプリング回路116、電源監視回路117、リセット回路118その他の回路を搭載している。
CPU111は、計時機能、タイマ割り込みなどの割り込み機能(割り込み禁止機能を含む)を備え、ROM113に記憶されたプログラム(後述)を実行して、遊技の進行に関する処理を行うと共に、スロットマシン1内の制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。RAM112は、CPU111がプログラムを実行する際のワーク領域として使用される。RAM112の構成については後述する。ROM113は、CPU111が実行するプログラムや固定的なデータを記憶する。I/Oポート114は、遊技制御基板101に接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
乱数発生回路115は、パルスを発生する度にカウントアップして値を更新するカウンタによって構成され、サンプリング回路116は、乱数発生回路115がカウントしている数値を取得する。乱数発生回路115は、遊技の進行に使用される乱数の種類毎に設けられていて、乱数の種類毎にカウントする数値の範囲が定められている。CPU111は、その処理に応じてサンプリング回路116に指示を送ることで、乱数発生回路115が示している数値を乱数として取得する(以下、この機能をハードウェア乱数機能という)。
電源監視回路117は、電源基板100から供給される電源電圧を監視し、電圧の低下を検出したときに、電圧低下信号を制御部110に対して出力する。制御部110は、特に図示はしないが、電源監視回路117に接続された割込入力端子を備えており、割込入力端子に電圧低下信号が入力されることでCPU111に外部割り込みが発生し、CPU111は、電断割込処理を実行する。
リセット回路118は、電源投入時において制御部110が起動可能なレベルまで電圧が上昇したきにリセット信号を出力して制御部110を起動させると共に、制御部110から定期的に出力される信号に基づいてリセットカウンタの値がクリアされずにカウントアップした場合、すなわち制御部110が一定時間動作を行わなかった場合に、制御部110に対してリセット信号を出力し、制御部110を再起動させる。
CPU111は、また、タイマ割り込み処理により、RAM112の特定アドレスの数値を更新し、こうして更新された数値を乱数として取得する機能も有する(以下、この機能をソフトウェア乱数機能という)。CPU111は、I/Oポート114を介して演出制御基板102に、各種のコマンドを送信する。なお、遊技制御基板101から演出制御基板102へ情報(コマンド)は一方向のみで送られ、演出制御基板102から遊技制御基板101へ向けて情報(コマンド)が送られることはない。
遊技制御基板101には、1枚BETスイッチ45、MAXBETスイッチ46、スタートスイッチ41、ストップスイッチ42L、42C、42R、精算スイッチ47、第1リセットスイッチ48、投入メダルセンサ44が接続されており、これらのスイッチ/センサ類の検出信号が入力される。また、リール中継基板103を介して、リールセンサ3SL、3SC、3SRの検出信号が入力される。I/Oポート114を介して入力されるこれらスイッチ/センサ類の検出信号、或いは前述したように電源基板100を介して入力される各種スイッチの検出信号に従って、遊技制御基板101上のCPU111は、処理を行っている。
遊技制御基板101には、また、流路切り替えソレノイド49、ゲーム回数表示器51、クレジット表示器52、ペイアウト表示器53、投入指示ランプ59、1枚賭けランプ54、2枚賭けランプ55、56、3枚賭けランプ57、58、ゲームオーバーランプ63、スタートランプ60、リプレイランプ62、BETボタンランプ70a、70b、操作有効ランプ63L、63C、63Rが接続されており、CPU111は、遊技の進行状況に従ってこれらの動作を制御している。
また、遊技制御基板101には、リール中継基板103を介してリールモータ3ML、3MC、3MRが接続されている。CPU111は、後述する内部抽選によりRAM112に設定される当選フラグを参照して、リール中継基板103を介してリールモータ3ML、3MC、3MRを制御して、リール3L、3C、3Rを停止させる。遊技制御基板101には、さらに演出中継基板106を介して演出制御基板102が接続されている。
演出中継基板106は、遊技制御基板101から演出制御基板102へ送信される情報の一方向性を担保するために設けられた基板である。演出中継基板106は、この状態を調べることによって遊技制御基板101や演出制御基板102を調べなくても、遊技制御基板101の制御部110に不正な信号(特に演出制御基板102に外部から入力されるようになっている信号)が入力されるような改造がなされていないかどうかをチェックすることができるようにするものである。
演出制御基板102は、スロットマシン1における演出の実行を制御するサブ側の制御基板であり、CPU121、RAM122、ROM123及びI/Oポート124を含む1チップマイクロコンピュータからなる制御部120を搭載している。また、乱数発生回路125及びサンプリング回路126を搭載しており、CPU121は、サンプリング回路126により乱数発生回路125がカウントしている値を取得することにより、遊技制御基板101と同様のハードウェア乱数機能を形成している。割り込み処理によるソフトウェア乱数機能も有している。
CPU121は、ROM123に記憶されたプログラム(後述)を実行して、演出の実行に関する処理を行うと共に、演出制御基板102内の各回路及びこれに接続された各回路を制御する。演出の実行は、I/Oポート124を介して遊技制御基板101から受信したコマンドに基づいて行われる。RAM122は、CPU121がプログラムを実行する際のワーク領域として使用される。RAM122の構成については後述する。ROM123は、CPU121が実行するプログラムや固定的なデータを記憶する。ROM123に格納された演出データについては後述する。I/Oポート124は、演出制御基板102に接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
演出制御基板102には、遊技効果ランプ75A〜75M、液晶表示器4、スピーカ7L、7R、7U、蛍光灯6、ウェイトランプ61、ボーナス告知ランプ66が接続されている。また、リールランプ中継基板104を介してリールランプ3LPが接続されている。演出制御基板102の制御部120は、これら各部をそれぞれ制御して、演出を行っている。
リール中継基板103は、遊技制御基板101と外部出力基板105及びリールユニット3との間を中継している。リール中継基板103には、また、満タンセンサ90が接続されており、その検出信号が入力される。満タンセンサ90は、スロットマシン1の内部に設けられ、ホッパー80からオーバーフローしたメダルを貯留するオーバーフロータンク内のメダルが満タンになったことを検知するものである。
リールランプ中継基板104は、演出制御基板102とリールユニット3との間を中継している。外部出力基板105は、ホールの管理コンピュータなどの外部装置に接続されており、遊技制御基板101からリール中継基板103を介して入力されたビッグボーナス中信号、レギュラーボーナス中信号、リール制御信号、ストップスイッチ信号、メダルIN信号、メダルOUT信号、及び当選状況信号を、当該外部装置に出力する。
図4は、遊技制御基板101と、遊技制御基板101に接続される遊技用電子部品との配線接続状態を示す概略図である。図4には、遊技制御基板101と接続される各種スイッチ、センサ等の電子部品のうち、賭数を設定する際に操作される1枚BETスイッチ45、MAXBETスイッチ46、ゲームを開始させる際に操作されるスタートスイッチ41、リール3L、3C、3Rの回転を停止する際に操作されるストップスイッチ42L、42C、42R、賭数を設定するために投入されたメダルを検出する投入メダルセンサ44、リール3L、3C、3Rを回転させるためのリールモータ3ML、3MC、3MR、リール3L、3C、3Rの回転を検出するためのリールセンサ3SL、3SC、3SR、入賞の発生に伴い払い出されるメダルを検出する払出センサ81及び演出制御基板102が示されており、他のスイッチ、センサ等の図示は省略されている。
演出制御基板102を除く上記遊技用電子部品45、46、41、42L、42C、42R、44、3SL、3SC、3SR、3ML、3MC、3MR、82、81は、ゲームの進行に関わる信号を遊技制御基板101に入出力する電子部品である。ゲームの進行に関わる信号とは、例えば、ゲームを開始可能な状態とするための賭数の設定操作、ゲームを開始させるための操作、リール3L、3C、3Rの表示結果を導出させるための操作等、ゲームの進行操作に応じて遊技制御基板101に出力される信号や、投入メダルの検出、リールの基準位置の検出、払出メダルの検出等、ゲームの進行に応じて遊技用電子部品から出力されて遊技制御基板101に入力される信号と、スタート操作の検出に応じてリール3L、3C、3Rを駆動させるための駆動信号や、入賞の発生に伴いメダルを払い出すホッパー80を駆動するための駆動信号等、ゲームの進行に応じて遊技制御基板101から出力されて遊技用電子部品に入力される信号とを含む。
そして、これら遊技用電子部品45、46、41、42L、42C、42R、44、3SL、3SC、3SR、3ML、3MC、3MR、82、81は、ゲームの進行に応じて遊技制御基板101に信号を出力する第1の電子部品と、ゲームの進行に応じて遊技制御基板101からの信号が入力される第2の電子部品と、からなる。
具体的には、賭数を設定する際に操作される1枚BETスイッチ45、MAXBETスイッチ46及び賭数を設定するために投入されたメダルを検出する投入メダルセンサ44は、該操作またはメダルの検出に基づいて遊技制御基板101にBET信号を出力する第1の電子部品である。遊技制御部110は、該BET信号の受信に基づいて賭数の設定処理を行うため、これら電子部品がないと賭数を設定することができない。すなわち、賭数を設定しないとゲームが開始可能な状態とならないため、1枚BETスイッチ45、MAXBETスイッチ46及び投入メダルセンサ44はゲームの進行に必要な遊技用電子部品である。
ゲームを開始させるための操作を検出するスタートスイッチ41は、該操作の検出に基づいて遊技制御基板101にスタート信号を出力する第1の電子部品である。遊技制御部110は、該スタート信号の受信に基づいてゲームを開始する処理(リール回転処理等)を行うため、この電子部品がないとゲームを開始することができない。すなわち、スタートスイッチ41はゲームの進行に必要な遊技用電子部品である。
リール3L、3C、3Rの表示結果を導出させるための操作を検出するストップスイッチ42L、42C、42Rは、該操作の検出に基づいて遊技制御基板101にストップ信号を出力する第1の電子部品である。遊技制御部110は、該ストップ信号の受信に基づいて該当するリール3L、3C、3Rの回転を停止して表示結果を導出する処理を行うため、この電子部品がないとリール3L、3C、3Rの表示結果を導出することができない。すなわち、ストップスイッチ42L、42C、42Rはゲームの進行に必要な遊技用電子部品である。
リール3L、3C、3Rの回転を検出するリールセンサ3SL、3SC、3SRは、リールの基準位置の検出信号を遊技制御基板101に出力する第1の電子部品である。遊技制御部110は、該リールの基準位置の検出信号の受信に基づいて該当するリール3L、3C、3Rの図柄の位置を把握して回転を停止する処理等を行うため、この電子部品がないと各リール3L、3C、3Rの表示結果の導出や入賞の判定等を行うことができない。すなわち、リールセンサ3SL、3SC、3SRはゲームの進行に必要な遊技用電子部品である。
入賞の発生に伴い払い出されるメダルを検出する払出センサ81は、該メダルの検出に基づいて遊技制御基板101にメダル払出信号を出力する第1の電子部品である。遊技制御部110は、該払出メダル検出信号の受信に基づいて、発生した入賞に応じた枚数のメダルを払い出す払出処理を行うため、この電子部品がないと発生した入賞に応じた枚数のメダルを払い出すことができない。すなわち、払出センサ81はゲームの進行に必要な遊技用電子部品である。
また、リール3L、3C、3Rを回転させるリールモータ3ML、3MC、3MRは、遊技制御基板101から出力される駆動信号が入力される第2の電子部品である。このリールモータ3ML、3MC、3MRは、遊技制御基板101から出力される駆動信号の入力に基づいてリール3L、3C、3Rを回転させて図柄の変動表示を開始するものであるが、該信号入力に基づいて実際にリール3L、3C、3Rを回転しなかったとしても、遊技制御部110は、リールの駆動信号を出力した後に上記リールセンサ3SL、3SC、3SRからの信号が入力されることで、リールが回転したとしてゲームを進行する制御を行うことができる。しかし、このリールセンサ3SL、3SC、3SRから信号が遊技制御基板101に入力されるタイミングは、リールの駆動信号の出力後でないとエラーとなるため、打ち込み器具によりゲームを進行させる場合において、リールの回転の検出に基づく信号の出力タイミングを計るためにはリールの駆動信号が必要となる。すなわち、リールモータ3ML、3MC、3MRは、ゲームの進行に必要な遊技用電子部品である。
また、メダルの払い出しを行うホッパータンクを駆動するホッパーモータ82は、入賞の発生に応じて遊技制御基板101から出力される駆動信号が入力される第2の電子部品である。このホッパーモータ82は、遊技制御基板101から出力される駆動信号の入力に基づいてホッパー80を駆動させてメダルを払い出すものであるが、該信号入力に基づいて実際にホッパー80を駆動しなかったとしても、遊技制御部110は、ホッパー80の駆動信号を出力した後に上記払出センサ81からの信号が入力されることで、メダルが払い出されているとしてゲームを進行する制御を行うことができる。しかし、この払出センサ81から信号が遊技制御基板101に入力されるタイミングは、ホッパー80の駆動信号の出力後でないとエラーとなるため、打ち込み器具によりゲームを進行させる場合において、払出メダルの検出に基づく信号の出力タイミングを計るためには該ホッパータンクの駆動信号が必要となる。すなわち、ホッパーモータ82は、ゲームの進行に必要な遊技用電子部品である。
また、これら遊技用電子部品45、46、41、42L、42C、42R、44、3SL、3SC、3SR、3ML、3MC、3MR、82、81は、基本的には複数の機種に共通して継続使用される電子部品であり、故障等が発生しない限り本体から取り外して交換する機会は少ないので、スロットマシンの本体所定箇所に固設されている。これに対して遊技制御基板101や演出制御基板102等は、機種変更の際には交換が必要となるため、その際には本体から取り外される。
つまり、遊技制御基板101を取り外す際には遊技用電子部品45、46、41、42L、42C、42R、44、3SL、3SC、3SR、3ML、3MC、3MR、82、81との接続を解除する必要があるため、遊技用電子部品45、46、41、42L、42C、42R、44、3SL、3SC、3SR、3ML、3MC、3MR、82、81と遊技制御基板101とは中継基板100、103、106、107を経由して接続されているとともに、これら基板同士及び基板と遊技用電子部品とはケーブルを介して接続されている。またケーブルと基板とは、ケーブルの端部に設けられたケーブル側コネクタと基板の配線パターンと電気的に接続された基板側コネクタとの接続により電気的に接続されている。
具体的に説明すると、1枚BETスイッチ45、MAXBETスイッチ46、スタートスイッチ41、ストップスイッチ42L、42C、42R、投入メダルセンサ44は、操作部中継基板107を経由して遊技制御基板101と配線接続され、リールモータ3ML、3MC、3MR及びリールセンサ3SL、3SC、3SRは、リール中継基板103を経由して遊技制御基板101と配線接続され、ホッパーモータ82及び払出センサ81は、電源基板100を経由して遊技制御基板101と配線接続され、演出制御基板102は、演出中継基板106を経由して遊技制御基板101と配線接続されている。
操作部中継基板107、リール中継基板103、電源基板100、演出制御基板102には、遊技制御基板101と各電子部品45、46、41、42L、42C、42R、44、3SL、3SC、3SR、3ML、3MC、3MR、82、81とを接続するための配線パターン(図示略)が設けられており、各電子部品45、46、41、42L、42C、42R、44、3SL、3SC、3SR、3ML、3MC、3MR、82、81から遊技制御基板101に対して出力される検出信号または遊技制御基板101から供給(入力)される電力や信号等を中継可能とされている。
また、このように各種電子部品と遊技制御基板101とを、スロットマシン1の本体所定箇所に取り付けた各中継基板100、103、106、107を経由して配線接続することで、遊技制御基板101からスロットマシン1の本体所定箇所に個々に配設される複数の電子部品との配線の取りまとめが容易になるとともに、コネクタ接続部が常に中継基板または遊技制御基板101に設けられることになり、これにより各電子部品それぞれのコネクタ接続部が固定されるため、配線接続作業時においてコネクタ接続部を探したり、接続する配線の種類を間違うこと等が防止される。
遊技制御基板101と操作部中継基板107とは、ケーブル600aを介して接続され、遊技制御基板101とリール中継基板103とは、ケーブル600bを介して接続され、遊技制御基板101と電源基板100とは、ケーブル600cを介して接続されており、また、遊技制御基板101と演出中継基板106とは、ケーブル600dを介して接続されている。
操作部中継基板107と1枚BETスイッチ45とはケーブル601aを介して接続され、操作部中継基板107とMAXBETスイッチ46とはケーブル601bを介して接続され、操作部中継基板107とスタートスイッチ41とはケーブル601cを介して接続され、操作部中継基板107とストップスイッチ42Lとはケーブル601dを介して接続され、操作部中継基板107とストップスイッチ42Cとはケーブル601eを介して接続され、操作部中継基板107とストップスイッチ42Rとはケーブル601fを介して接続され、操作部中継基板107と投入メダルセンサ44とはケーブル601gを介して接続されている。
また、リール中継基板103とリールモータ3MLとはケーブル601hを介して接続され、リール中継基板103とリールモータ3MCとはケーブル601jを介して接続され、リール中継基板103とリールモータ3MRとはケーブル601lを介して接続されている。また、リール中継基板103とリールセンサ3SLとはケーブル601iを介して接続され、リール中継基板103とリールセンサ3SCとはケーブル601kを介して接続され、リール中継基板103とリールセンサ3SRとはケーブル601mを介して接続されている。また、電源基板100とホッパーモータ82とはケーブル601nを介して接続され、電源基板100と払出センサ81とはケーブル601oを介して接続され、演出中継基板106と演出制御基板102とはケーブル601pを介して接続されている。
これら各ケーブル600a〜600c、601a〜601oは、各基板に対してコネクタ接続されており、基板との配線接続を解除可能となっている。具体的には、ケーブル600aの両端には、ケーブル側コネクタ610a、611aが設けられており、一方のケ一ブル側コネクタ610aは、遊技制御基板101に固設された基板側コネクタ620aに接続可能なコネクタであり、他方のケーブル側コネクタ611aは、操作部中継基板107に固設された基板側コネクタ621aに接続可能なコネクタである。ケーブル600bの両端には、ケーブル側コネクタ610b、611bが設けられており、一方のケーブル側コネクタ610bは、遊技制御基板101に固設された基板側コネクタ620bに接続可能なコネクタであり、他方のケーブル側コネクタ611bは、リール中継基板103に固設された基板側コネクタ621bに接続可能なコネクタである。ケーブル600cの両端には、ケーブル側コネクタ610c、611cが設けられており、一方のケーブル側コネクタ610cは、遊技制御基板101に固設された基板側コネクタ620cに接続可能なコネクタであり、他方のケーブル側コネクタ611cは、電源基板100に固設された基板側コネクタ621cに接続可能なコネクタである。ケーブル600dの両端には、ケーブル側コネクタ610d、611dが設けられており、一方のケーブル側コネクタ610dは、遊技制御基板101に固設された基板側コネクタ620dに接続可能なコネクタであり、他方のケーブル側コネクタ611dは、演出中継基板106に固設された基板側コネクタ621dに接続可能なコネクタである。
また、一端が1枚BETスイッチ45に接続されたケーブル601aの他端には、操作部中継基板107に固設された基板側コネクタ622aに接続可能なケーブル側コネクタ612aが設けられている。一端がMAXBETスイッチ46に接続されたケーブル601bの他端には、操作部中継基板107に固設された基板側コネクタ622bに接続可能なケーブル側コネクタ612bが設けられている。一端がスタートスイッチ41に接続されたケーブル601cの他端には、操作部中継基板107に固設された基板側コネクタ622cに接続可能なケーブル側コネクタ612cが設けられている。一端がストップスイッチ42Lに接続されたケーブル601dの他端には、操作部中継基板107に固設された基板側コネクタ622dに接続可能なケーブル側コネクタ612dが設けられている。一端がストップスイッチ42Cに接続されたケーブル601eの他端には、操作部中継基板107に固設された基板側コネクタ622eに接続可能なケーブル側コネクタ612eが設けられている。一端がストップスイッチ42Rに接続されたケーブル601fの他端には、操作部中継基板107に固設された基板側コネクタ622fに接続可能なケーブル側コネクタ612fが設けられている。一端が投入メダルセンサ44に接続されたケーブル601gの他端には、操作部中継基板107に固設された基板側コネクタ622gに接続可能なケーブル側コネクタ612gが設けられている。
また、一端がリールモータ3MLに接続されたケーブル601hの他端及び一端がリールセンサ3SLに接続されたケーブル601iの他端には、リール中継基板103に固設された基板側コネクタ622hに接続可能なケーブル側コネクタ612hが設けられている。一端がリールモータ3MCに接続されたケーブル601jの他端及び一端がリールセンサ3SCに接続されたケーブル601kの他端には、リール中継基板103に固設された基板側コネクタ622iに接続可能なケーブル側コネクタ612iが設けられている。一端がリールモータ3MRに接続されたケーブル601lの他端及び一端がリールセンサ3SRに接続されたケーブル601mの他端には、リール中継基板103に固設された基板側コネクタ622jに接続可能なケーブル側コネクタ612jが設けられている。
また、一端がホッパーモータ82に接続されたケーブル601nの他端及び一端が払出センサ81に接続されたケーブル601oの他端には、電源基板100に固設された基板側コネクタ622kに接続可能なケーブル側コネクタ612kが設けられている。
また、ケーブル601pの両端には、ケーブル側コネクタC2、C3が設けられており、一方のケーブル側コネクタC2は、遊技制御基板101に固設された基板側コネクタC1に接続可能なコネクタであり、他方のケーブル側コネクタC3は、演出制御基板102に固設された基板側コネクタC4に接続可能なコネクタである。
なお、この実施の形態では、各電子部品45、46、41、42L、42C、42R、44、3SL、3SC、3SR、3ML、3MC、3MR、82、81からはコネクタを介すことなく配線が延出されているが、コネクタを介して配線と接続されていても良い。
上述のように、各基板と各ケーブルとは、基板側に設けられる基板側コネクタ620a〜620d、621a〜621d、622a〜622k、C1、C4と、ケーブル側に設けられるケーブル側コネクタ610a〜610d、611a〜611d、612a〜612k、C2、C3とからなる一対のコネクタ(雄コネクタと雌コネクタ)を介して配線接続されており、基板側コネクタからケーブル側コネクタを抜脱することにより配線接続を解除することができるようになっている。特に、遊技制御基板101、操作部中継基板107、リール中継基板103、電源基板100、演出制御基板102は、スロットマシン1の筐体または前面扉の所定箇所に取り付けられていることで、基板側コネクタからケーブル側コネクタを抜脱しやすいので、遊技制御基板101や演出制御基板102の交換が容易に行うことができる。
まず第1の電子部品に関して具体的に説明すると、1枚BETスイッチ45、MAXBETスイッチ46または投入メダルセンサ44と遊技制御基板101との間に設けられるケーブルのコネクタのうちいずれかのコネクタに打ち込み器具のコネクタが接続され、該打ち込み器具から遊技制御基板101にBET信号が不正に出力されると、賭数の設定操作が行われていないのに賭数が設定される虞がある。スタートスイッチ41と遊技制御基板101との間に設けられるケーブルのコネクタのうちいずれかのコネクタに打ち込み器具のコネクタが接続され、該打ち込み器具から遊技制御基板101にスタート信号が不正に出力されると、ゲームの開始操作を行うことなくゲームが開始される虞がある。ストップスイッチ42L、42C、42Rと遊技制御基板101との間に設けられるケーブルのコネクタのうちいずれかのコネクタに打ち込み器具のコネクタが接続され、該打ち込み器具から遊技制御基板101にストップ信号が不正に出力されると、停止操作を行うことなくリールの回転が停止される虞がある。
リールセンサ3SL、3SC、3SRと遊技制御基板101との間に設けられるケーブルのコネクタのうちいずれかのコネクタに打ち込み器具のコネクタが接続され、該打ち込み器具から遊技制御基板101にリール回転信号が不正に出力されると、リールを回転させることなく各リール3L、3C、3Rの表示結果の導出や入賞の判定等が行われる虞がある。払出センサ81と遊技制御基板101との間に設けられるケーブルのコネクタのうちいずれかのコネクタに打ち込み器具のコネクタが接続され、該打ち込み器具から遊技制御基板101にメダル払出信号が不正に出力されると、メダルを払い出すことなくメダルの計数が行われる虞がある。
第2の電子部品に関して具体的に説明すると、リールモータ3ML、3MC、3MRと遊技制御基板101との間に設けられるケーブルのコネクタのうちいずれかのコネクタでの接続が解除されて遊技制御基板101から出力される駆動信号を打ち込み器具等で取得できることになると、リールの駆動信号が遊技制御基板101から出力されたタイミングを打ち込み器具側で特定できるので、本来リールセンサ3SL、3SC、3SRから遊技制御基板101に入力されるリール回転検出信号を、打ち込み器具からリール回転後の適正なタイミングで出力されてしまう虞がある。
また、ホッパーモータ82と遊技制御基板101との間に設けられるケーブルのコネクタのうちいずれかのコネクタでの接続が解除されて遊技制御基板101から出力される駆動信号を打ち込み器具等で取得できることになると、ホッパータンクの駆動信号が遊技制御基板101から出力されたタイミングを打ち込み器具側で特定できるので、本来払出センサ81から遊技制御基板101に入力される払出メダル検出信号を、打ち込み器具からホッパータンクの駆動後の適正なタイミングで出力されてしまう虞がある。
このように、ゲームの進行に応じて第1の電子部品45、46、41、42L、42C、42R、44、3SL、3SC、3SR、81から出力され、本来であれば遊技制御基板101に入力される信号が打ち込み器具から出力された場合、遊技制御部110は該信号の受信に基づいてゲームを進行する制御を行うことができる。一方、ゲームの進行に応じて遊技制御基板101から出力され、本来であれば第2の電子部品3ML、3MC、3MR、82に入力される信号が打ち込み器具に入力された場合、打ち込み器具側では、遊技制御部110がリールモータ3ML、3MC、3MLやホッパーモータ82の駆動後に出力する信号の出力タイミング等を特定可能となり、これに基づいて新たな信号がメイン制御基板101に入力された場合には、遊技制御部110は該信号の受信に基づいてゲームを進行する制御を行うことができるので、ゲームを自動的に進行させるといった不正行為が実施される虞がある。この実施の形態にかかるスロットマシン1では、後述するように打ち込み器具の接続による不正行為を防止する種々の対策が施されている。
次に、遊技制御基板101における遊技制御部110への電源まわりの構成を説明する。図5は、遊技制御部110に対するバックアップ電源の供給ラインを示す回路図である。
遊技制御基板101には、電源基板100の電圧生成回路により生成された+5Vの直流電圧が供給される。電源基板100から供給された+5Vの直流電圧は、遊技制御部110の駆動電源としてVDD入力端子に供給されるとともに、図5に示すように、遊技制御基板101上で分岐して+5V(VBB)の直流電圧の供給ラインを形成する。そして、この+5V(VBB)の直流電圧の供給ラインは、逆流防止用のダイオード312を介して遊技制御部110のメモリバックアップ電源入力端子VBBに接続されているとともに、電源基板100側でグラウンドレベルに接続され、その間には大容量の図示されないコンデンサが設けられている。これにより+5V(VBB)の直流電圧をコンデンサに蓄積可能とされ、スロットマシン1に対する電力供給が遮断されたときに、コンデンサに蓄積された電圧を、遊技制御部110におけるRAM112の記憶状態を保持するためのバックアップ電源として供給できるようになっている。
また、+5V(VBB)の直流電圧の供給ラインは、遊技制御基板101上で直接遊技制御部110のメモリバックアップ電源入力端子VBBに接続されているのではなく、図5に示すように、遊技制御基板101と操作部中継基板107を配線接続するケーブル600a、操作部中継基板107、操作部中継基板107と投入メダルセンサ44を配線接続するケーブル601gを経由し、更に、投入メダルセンサ44で折り返して、ケーブル601g、操作部中継基板107、ケーブル600aを経由して再度遊技制御基板101に接続され、遊技制御部110のメモリバックアップ電源入力端子VBBに接続されている。すなわち、スロットマシン1に対する電力供給が遮断されたときに、コンデンサに蓄積された電圧は、遊技制御基板101からケーブル600a−操作部中継基板107−ケーブル601g−投入メダルセンサ44−ケーブル601g−操作部中継基板107−ケーブル600aを経由した後、遊技制御部110に供給され、遊技制御部110におけるRAM112の記憶状態が保持されるようになっている。
このため、スロットマシン1に対する電力供給が遮断されている状態で、遊技制御基板101の基板側コネクタ620aとケーブル600aのケーブル側コネクタ610aとの接続、ケーブル600aのケーブル側コネクタ611aと操作部中継基板107の基板側コネクタ621aとの接続、操作部中継基板107の基板側コネクタ622gとケーブル601gのケーブル側コネクタ612gとの接続、のいずれかの接続を解除することで、バックアップ電源の供給ラインが切断され、遊技制御部110のRAM112のデータを保持できず、消失することとなる。すなわち遊技制御基板101と投入メダルセンサ44との間のコネクタ同士の接続が1カ所でも解除されると、遊技制御部110のRAM112に保持されているバックアップデータが消失するようになっている。
この実施の形態にかかるスロットマシン1では、遊技制御基板101と遊技用電子部品との間のコネクタ接続の解除を規制することで、打ち込み器具の接続を困難としている。具体的には、遊技制御基板101と投入メダルセンサ44との間のコネクタ接続、すなわち遊技制御基板101の基板側コネクタ620aとケーブル600aのケーブル側コネクタ610aとの接続、ケーブル600aのケーブル側コネクタ611aと操作部中継基板107の基板側コネクタ621aとの接続、操作部中継基板107の基板側コネクタ622gとケーブル601gのケーブル側コネクタ612gとの接続についてこれらコネクタ同士の接続の解除を規制している。基板側コネクタ620aとケーブル側コネクタ610aとの接続は、コネクタ規制部材500によってその解除が規制され、ケーブル側コネクタ611aと基板側コネクタ621aとの接続、及び基板側コネクタ622gとケーブル側コネクタ612gとの接続は、コネクタ規制部材650によってその解除が規制されるようになっている。
次に、遊技制御基板101を収納する基板ケース200及びコネクタ規制部材500の詳細な構造について説明する。
図6及び図7は、基板ケース200及び基板ケース200をスロットマシン1の本体をなす筐体に取り付けるための取付ベース250、コネクタ規制部材500を示す分解斜視図であり、図8は、基板ケース200を取付ベース250に組み付けた状態を示す斜視図であり、図9は、コネクタ規制部材500を構成する取付側部材510及びコネクタキャップ520の要部拡大斜視図であり、図10(a)は、図9のA−A断面図であり、図10(b)(c)は、図9のB−B断面図であり、図11は、基板ケース200を取付ベース250に組み付け、更に取付側部材510に対してコネクタキャップを装着した状態を示す斜視図であり、図12(a)は、図11のC−C断面図であり、図12(b)は、図11のD−D断面図である。
基板ケース200は、図6及び図7に示すように、遊技制御基板101の裏面側を覆うケース本体としての下部ケース201と、遊技制御基板101の実装面側を覆う上部ケース203と、から構成され、遊技制御基板101を挟持するように組み付けられるものである。なお、遊技制御基板101の実装面には、特に詳細な図示はしないが、CPU111、ROM123、RAM112等の電子素子や、他の基板からのケーブルの一端に設けられたケーブル側コネクタ等が接続される基板側コネクタ620a〜620c等が多数実装されている。
下部ケース201は、透明な合成樹脂からなり、略長方形状に形成される底板201aと、該底板の周囲を囲むように形成された側壁と、により上面が開放する直方体状に成形されている。
下部ケース201の一方の短辺の側壁201cには、2つの封止片211、211が外方に突出して設けられているとともに、他方の短辺の側壁201dには、2対の係止部210が外方に突出して設けられている。また、下部ケース201の底板201aの裏面における側壁201dよりの両長辺側端には、後述する取付側部材510の係止片511が係合する係合溝212がそれぞれ形成されている。
上部ケース203は、透明な合成樹脂からなり、図6及び図7に示すように、下面が開放するとともに、上面中央が膨出し、両短辺側に段部203a、203bが形成された凸型の箱状に成形されている。上部ケース203の下面は、下部ケース201と同型であり、下部ケース201と上部ケース203とを組み付けることで、内部に遊技制御基板101を収容する空間が形成されるようになっている。
上部ケース203の一方の短辺の側壁203cには、下部ケース201の一方の短辺の側壁201cに設けられた封止片211、211と対応する箇所にそれぞれ封止片231、231が外方に突出して設けられており、封止片231、231の間には、等間隔に4つの封止片232が外方に突出して設けられている。上部ケース203の他方の短辺の側壁203dには、下部ケース201の他方の短辺の側壁に設けられた2対の係止部210と対応する箇所にそれぞれ1対の係止部210と係合する係合部230がそれぞれ設けられている。また、上部ケース203の他方の短辺の側壁203dには、係合部230よりも外方よりの位置に、後述する取付ベース250の係止孔251a、251aに係合する係止片235、235がそれぞれ設けられている。
また、上部ケース203の両短辺側の段部203a、203bには、それぞれ凹部203e、203fが形成されているとともに、特に、段部203bの凹部203fの底面には、基板ケース200内に収容した遊技制御基板101の基板側コネクタ620aに対応する箇所に基板側コネクタ620aを挿通可能な挿通孔234が形成されている。
取付ベース250は、基板ケース200をスロットマシン1の本体をなす筐体に対して固定するための部材である。取付ベース250は、合成樹脂からなり、図6及び図7に示すように、下部ケース201の底板201aよりも大きい略長方形状に形成される底板250aと、該上板の周縁辺のうち2つの長縁辺に形成された側壁250b、250cとにより上面が開放する直方体状に形成されている。取付ベース250の底板250aには、複数箇所にビス孔252が形成されているとともに、一方の短辺側の縁辺には、中央部に切り欠き250eを有する側壁250dが形成されており、底板250aには、側壁250dの切り欠き250eから中央に向かって1対のガイド254、254が設けられている。ガイド254、254の対向する面には、後述する固着部材255の両端部に形成された係止部257、257が嵌入されるガイド溝254a、254aが形成されている。
固着部材255は、合成樹脂からなり、上面に4カ所の固着孔256が形成された固着片255aの両端から下方(図中後方)に伸びる垂下片255b、255bが延設され、更に垂下片255b、255bの両端部から左右方向(図中上下方向)を向く係止部257、257が形成された略コ字状に成形されている。固着部材255は、その係止部257、257を取付ベース250のガイド254、254に形成されたガイド溝254a、254aに対してそれぞれ嵌入することで、取付ベース250に取り付けられる。
取付ベース250における側壁250dが形成された短辺側には、先端に内方向きの係止爪253aを有する係止柱253が底板250aから立設されているとともに、反対側の短辺側の両端部には、上部ケース203の係合部230が挿入される係止孔251a、251aが底板250aから連設された係止孔部251、251が立設されている。
コネクタ規制部材500は、図6及び図7に示すように、基板ケース200に対して取り付けられる取付側部材510と、取付側部材510に対して装着され、基板側コネクタ620aに接続されたケーブル側コネクタ610aの一部を被覆するコネクタカバー520と、から構成され、取付側部材510を基板ケース200に対して取り付け、コネクタカバー520を装着することで、基板側コネクタ620aからのケーブル側コネクタ610aの抜脱が規制される。
取付側部材510は、透明な合成樹脂からなり、図6及び図7に示すように、基板ケース200を構成する下部ケース201及び上部ケース203の表面形状に沿った形状に成形されている。詳しくは、取付側部材510は、上部ケース203の係合部230が設けられた短辺側に装着されるものであり、その形状は、基板ケース200への取付時に上部ケース203における段部203bの凹部203fの底面に当接するとともに、ケーブル側コネクタ610aを逃がす切り欠き512及び内側に係止孔513aを有する筒状の係止孔部513が形成された基片510aの両端から起立する起立片510b、510bを介して上部ケース203における段部203bの両端部上面に当接する上片510c、510cが延設され、更に上片510c、510cの両端から垂下する側片510d、510dを介して係止部257、257が内向きに延設された形状であり、基板ケース200への取付時に、取付側部材510の基片510a、上片510c、510cの基板ケース200に対する対向面が上部ケース203における段部203bの上面及び凹部203fの底面にそれぞれ当接するようになっている。
係止孔部513における係止孔513aの内面には、図9に示すように、中心を挟んで対向する位置に係止溝514が、係止孔513aの下端から上方に向かって設けられている。係止溝514は、係止孔513aの下端からの深さの浅い浅溝部514aとそれよりも深い深溝部514bとからなる略L字状で、対向する係止溝514、514の浅溝部514a、514a同士、深溝部514b、514b同士が、それぞれ中心を挟んで対向する位置に形成されている。すなわち係止溝514、514は、中心を挟んで点対称に形成されている。
コネクタカバー520は、透明な合成樹脂からなり、図6及び図7に示すように、基板ケース200に取り付けられた取付側部材510に対して取り付けた際に、基板側コネクタ620aに接続されたケーブル側コネクタ610aの一部を被覆する断面視略コ字状の被覆部521が成形されているとともに、被覆部521の長手方向側面の一方の側面521aに取付側部材510における係止孔部513の係止孔513aの内周とほぼ同径の係止筒522が接続片522aを介して設けられている。
被覆部521の一方の側面521aの下端は、取付側部材510に取り付けた際にその基片510aの上面に当接するとともに、側面521aの背面には、リブ521b、521bが設けられ、そのリブ521b、521bの下面も基片510aの上面に当接するようになっている。
係止筒522は、図9に示すように、中心を挟んで対向する位置に、先端に外向きの係止爪523aが形成され、内方に弾性変形可能な係合部523、523が設けられている。係合部523、523は、その係止爪523a、523aが、コネクタカバー520を基板側コネクタ620aにケーブル側コネクタ610aが接続されている状態で取付側部材510に取り付けた際に、係止孔513aに形成された係止溝514、514の浅溝部514a、514aに対して係合する位置に設けられている。
次に、コネクタ規制部材500の基板ケース200への取付状況及び基板ケース200の筐体への取付状況について説明する。
まず、基板ケース200を構成する下部ケース201及び上部ケース203の内部に遊技制御基板101を収容して封止状態とする。下部ケース201及び上部ケース203を封止状態とするには、下部ケース201の2対の係止部210に対して、それぞれ対応する上部ケース203の係合部230を係合させた後、下部ケース201のいずれかの封止片211と上部ケース203の対応する封止片231とをワンウェイネジにて固着する。
ワンウェイネジは、周知のように、一方向の回転によってネジを螺着することができるが、他方向に回転させようとしても回転させることができない、すなわち、そのネジを緩めることができない機能を有するネジである。このため、下部ケース201のいずれかの封止片211と上部ケース203の対応する封止片231とをワンウェイネジにて固着すると、封止片211及び封止片231のいずれか一方を破断させなければ、これらの固着を解除できないようになっている。
そして、封止片211及び封止片231を固着することにより、下部ケース201に対する上部ケース203の長手方向の移動が規制され、その結果、下部ケース201の係止部210に対する上部ケース203の係合部230の係合の解除も規制されることとなり、上部ケース201と下部ケース203は、内部に遊技制御基板101を収容した状態で一体化され、封止片211及び封止片231を破断しなければ、開放することができない状態となる。
次に、遊技制御基板101を封止状態とした基板ケース200に対して取付側部材510を取り付ける。取付側部材510は、その両側片510d、510dを外方に向かって弾性変形させ、上部ケース203の段部203bに装着する。そして弾性変形を解除することで、係止片511、511を下部ケース201の裏面における係合溝212、212に係合させることで取り付けられる。この際、取付側部材510の基片510a、上片510c、510cは、それぞれ上部ケース203の段部203b上面、凹部203fの底面に当接するとともに、基片510aに設けられた切り欠き512が、上部ケース203の凹部203fに設けられた挿通孔234と一致し、これら切り欠き512及び挿通孔234を介して、基板ケース200に収容された遊技制御基板101の基板側コネクタ620aが基板ケース200内から外部に露出するようになっている。
次に、取付ベース250のビス孔252を介して取付ネジ259を筐体側の壁に螺入し、取付ベース250を筐体に対して固定するとともに、固着部材255の係止部257、257を取付ベース250の係合溝254a、254aにそれぞれ嵌入し、固着部材255を取付ベース250に対して装着する。
次に、取付側部材510が取り付けられた基板ケース200を取付ベース250に対して組み付ける。詳しくは、基板ケース200の一端側に突出する係止片235、235をそれぞれ取付ベース250の係止孔部251、251の係止孔251a、251aに挿入した後、図8に示すように、基板ケース200を取付ベース250の側壁250b、250cの間に収容させるとともに、係止柱253の係止爪253aによって基板ケース200の他端側段部203aの上面を係止して基板ケース200を取付ベース250に仮止めする。この状態で上部ケース203の一端に設けられた4つの封止片232と取付ベース250に装着された固着部材255の固着孔256がそれぞれ対応する位置となり、この状態で、いずれかの封止片232の上方から対応する固着孔256に対して前述のワンウェイネジを螺入することで、封止片232と固着部材255とを固着する。
そして、封止片232及び封止片固着部材255を固着することにより、基板ケース200の封止片232側の端部における取付ベース250からの取り外し方向への移動が規制されるとともに、係止柱253によって基板ケース200の封止片232側への水平移動も規制されるので、基板ケース200の一端側に突出する係止片235、235を取付ベース250の係止孔251a、251aから外すことも不可能となる。更に、この状態では、取付ベース250の底板250aのビス孔252は全て基板ケース200に被覆され、取付ネジへの259へのアクセスも不能となり、取付ベース250を筐体から取り外すことも不可能となる。このようにして、取付側部材510が取り付けられた基板ケース200は、取付ベース250を介して筐体に固定され、封止片232または固着部材255を破断しなければ、基板ケース200を筐体から取り外すことができない状態となる。
また、取付側部材510が取り付けられた基板ケース200が取付ベース250(筐体)に対して取り外し不能に固定されると、図12(a)に示すように、取付側部材510の側片510d、510dが取付ベース250の側壁250b、250cの内面に当接し、狭持されて取付側部材510の両側片510d、510dの外方への変形が規制されるため、取付側部材510を基板ケース200から取り外すことが不可能となる。
次に、図8に示すように、基板ケース200の挿通孔234及び取付側部材510における基片510aの切り欠き512を介して露呈する遊技制御基板101の基板側コネクタ620aに対してケーブル600aのケーブル側コネクタ610aを接続した後、これら基板側コネクタ620aとケーブル側コネクタ610aを接続した状態で、図11に示すように、コネクタカバー520の被覆部521でケーブル側コネクタ610aの上方を被覆するとともに、コネクタカバー520の係止筒522を取付側部材510における係止孔部513の係止孔513aに嵌入させる。これにより係止筒522の係合部523、523は、係止孔513aの内周に当接して内方に弾性変形する。この際、係合部523、523は、被覆部521でケーブル側コネクタ610aを被覆する位置とすると、自ずと係止孔513aの内面に形成された係合溝514、514のうち浅溝部514a、514aに位置決めされることとなり、係止筒522を更に嵌入し、係合部523、523の先端の係止爪523a、523aが係合溝514、514の浅溝部514a、514aに到達することで、図10(a)に示すように、係合部523、523の内方への弾性変形が開放され、係止爪523a、523aがそれぞれ浅溝部514a、514aに係合し、係止筒522の上方への移動が規制されるとともに、被覆部521の側面521aと基板側コネクタ620a及びケーブル側コネクタ610aの側面とが当接して、係止筒522の係止孔部513に対する回転が規制されることにより、取付側部材510とコネクタカバー520とが連結し、一体化されたコネクタ規制部材500が形成された状態となる。この状態では、係合部523、523が係止孔部513によって被覆されるため、外部から係合部523、523を内方に弾性変形させることが不可能となり、コネクタカバー520または取付側部材510を破断しなければ、コネクタカバー520を取付側部材510から取り外すことが不可能となる。
コネクタカバー520を取付側部材510に対して取り外し不能に取り付けると、図12(a)(b)に示すように、被覆部521によってケーブル側コネクタ610aの上面の一部が被覆され、ケーブル側コネクタ610aの基板側コネクタ620aからの抜き方向への移動が規制され、ケーブル側コネクタ610aの基板側コネクタ620aからの抜脱が規制されるようになっている。
このように、取付側部材510を基板ケース200に取り付けた状態で、基板ケース200を筐体に対して固着した後、ケーブル側コネクタ610aを基板側コネクタ620aに接続し、その状態で基板側コネクタ620aの一部を上方から被覆するようにして取付側部材510に取り付けることによって、ケーブル側コネクタ610aの基板側コネクタ620aからの抜脱が不能化されるようになっている。
次に、ケーブル側コネクタ610aと基板側コネクタ620aとの接続を解除する際の状況について説明する。
ケーブル側コネクタ610aと基板側コネクタ620aとの接続を解除するには、取付側部材510またはケーブルカバー520を破断してコネクタカバー520を取付側部材510から取り外すか、基板ケース200の封止片232または固着部材255を破断して、基板ケース200を取付ベース250から取り外し、コネクタカバー520が取り付けられた状態のままの取付側部材510を基板ケース200から取り外す必要がある。
例えば、ケーブル600aの故障などによりケーブル側コネクタ610aを基板側コネクタ620aから外す必要がある場合には、前者の方法で取り外し、基板の故障などにより基板ケース200ごと交換する場合には、後者の方法で取り外せば良い。
まず、ケーブル600aを交換するにあたり、ケーブル側コネクタ610aを基板側コネクタ620aから外す必要がある場合に、コネクタカバー520を取付側部材510から取り外す方法について説明すると、最初に、ニッパーなどの工具でコネクタカバー520の被覆部521と係止筒522とを繋ぐ接続片522aを破断する。これにより被覆部521が分離するとともに、係止筒522の係止孔部513に対する回転が可能な状態となる。この状態で、係止筒522を、上面視反時計回りに回転させることで、係合部523、523が係合溝514、514の浅溝部514a、514aから深溝部514b、514bの位置に移動し、図10(a)に示すように、係止爪523a、523aが浅溝部514a、514aに係合している状態から、図10(b)に示すように、係止爪523a、523aと浅溝部514a、514aの係合が解除された状態となる。これにより、係止筒522の上方への移動が可能となり、図10(c)に示すように、係止筒522を上方に引き抜くと、係止爪523a、523aが深溝部514b、514bに係合するが、この状態では、係合部523、523が露呈するため、内方に弾性変形させることが可能となり、係合部523、523を内方に弾性変形させることにより、係止爪523a、523aと深溝部514b、514bとの係合が解除され、係止筒522を取付側部材510から取り外すことができ、これによりコネクタカバー520が取付側部材510から完全に分離し、コネクタカバー520によるケーブル側コネクタ610aの抜き方向の移動の規制も解除されるので、ケーブル側コネクタ610aと基板側コネクタ620aとの接続を解除することができるようになる。
なお、コネクタカバー520を取付側部材510から取り外すと、被覆部521と係止筒522とが破断し、一度破断すると元の状態とはならないため、ケーブル側コネクタ610aと基板側コネクタ620aとの接続を解除した痕跡が残ることとなる。
次に、基板ケース200ごと交換するにあたり、ケーブル側コネクタ610aを基板側コネクタ620aから外す必要がある場合に、取付側部材510をコネクタカバー520ごと基板ケース200から取り外す方法について説明すると、最初に、ニッパーなどの工具で固着部材255と固着されている基板ケース200の封止片232を破断する。これにより、基板ケース200の封止片232側の端部における取付ベース250からの取り外し方向への移動が可能となるので、係止柱253の係止爪253aと基板ケース200の段部203eとの係合を解除する。これに伴って封止片232側への水平方向への移動も可能となるので、基板ケース200の係止片235、235を取付ベース250の係止孔251a、251aから取り外す。これにより、基板ケース200が取付ベース250から取り外され、取付側部材510の側片510d、510dを外方に変形することが可能な状態となり、取付側部材510からコネクタカバー520を取り外すことなく、取付側部材510を基板ケース200から取り外すことが可能となり、これによりコネクタカバー520と一体化された状態で取付側部材510を基板ケース200から取り外すことにより、コネクタカバー520によるケーブル側コネクタ610aの抜き方向の移動の規制も解除されるので、ケーブル側コネクタ610aと基板側コネクタ620aとの接続を解除することができるようになる。
なお、この方法によっても取付側部材510を基板ケース200から取り外すためには、固着部材255と固着されている基板ケース200の封止片232を破断する必要があり、一度破断すると元の状態とはならないため、ケーブル側コネクタ610aと基板側コネクタ620aとの接続を解除した痕跡が残ることとなる。
また、この方法によれば、基板ケース200の封止片232が破断され、固着部材255に残るが、取付側部材510からコネクタカバー520を取り外すことなく、取付側部材510を基板ケース200から取り外せるため、交換用に遊技制御基板101が収容された新たな基板ケース200にコネクタカバー520が組み付けられた状態の取付側部材510を取り付けることで、新たな基板ケース200においてケーブル側コネクタ610aと基板側コネクタ620aとの接続の解除が不能化されるとともに、新しい固着部材255を取付ベース250に装着し、コネクタカバー520が組み付けられた状態の取付側部材510を取り付けた新たな基板ケース200を取付ベース250に取り付けて固着部材255と封止片232とを固着することで、再び取付側部材510の取り外しが不可能な状態となり、ケーブル側コネクタ610aと基板側コネクタ620aとの接続を解除した場合には、その痕跡を残せる状態となる。すなわちこのような場合には、取付側部材510とコネクタカバー520とを再利用することが可能となる。
次に、コネクタ規制部材650の詳細な構造について説明する。
図13は、コネクタ規制部材650を構成する載置台660及びカバー部材680を示す分解斜視図であり、図14は、載置台660に対してカバー部材680を組み付けた状態を示す斜視図であり、図15(a)は、図14のE−E断面図であり、図15(b)は、図14のF−F断面図である。
コネクタ規制部材650は、図13及び図14に示すように、操作部中継基板107を載置する載置台660と、載置台660を上方から被覆するカバー部材680と、から構成され、載置台660に操作部中継基板107を収容した後、操作部中継基板107の基板側コネクタ621a、622gに、それぞれに対応するケーブル600a、601gのケーブル側コネクタ611a、612gを接続した後、カバー部材680をケース体610に取り付けることで、基板側コネクタ621a、622gからのケーブル側コネクタ611a、612gの抜脱が規制される。
載置台660は、透明な合成樹脂からなり、操作部中継基板107よりも大径の略長方形状に成形されている。操作部中継基板107には、図13に示すように、基板側コネクタ621a、622a、622b、622c、622d〜622f、622gが実装されており、載置台660の長辺側の両側面、及び短辺側の一方の側面には、操作部中継基板107を載置した際に、操作部中継基板107において差し込み口が実装面と水平方向に開口する基板側コネクタ622a、622b、622c、622d〜622f、622gが位置する部位を避けて、外方に突出するように、係止孔661bを有する係止孔部661がそれぞれ1つずつ接続片661aを介して設けられている。係止孔661bの内周面には、中心を挟んで対向する位置に中心向きの係止爪661c、661cが1対形成されている。
カバー部材680は、透明な合成樹脂からなり、載置台660とほぼ同形状に成形されており、一方の長辺側には、操作部中継基板107の基板側コネクタ621aに対応する位置に手前に向かって膨出するカバー部681が、他方の長辺側には、作業部中継基板110の基板側コネクタ622a、622bに対応する位置に手前側に向かって膨出するカバー部688、基板側コネクタ622c、622g、622d〜622fに対応する位置に手前に向かって膨出するカバー部689がそれぞれ形成されている。
カバー部681の上面681aには、ケーブル600aのケーブル側コネクタ611aの長辺の長さよりも狭い、基板側コネクタ621aに接続されたケーブル600aを逃がすための切り欠き681bが外側の側面にかけて形成され、これにより、上面681aの両側端には、それぞれ被覆面681c、681が形作られる。
カバー部688には、基板側コネクタ622a、622bに接続されたケーブル612a、612bを逃がすための切り欠き682aが形成されているとともに、カバー部689には、基板側コネクタ622cに接続されたケーブル612cを逃がすための切り欠き682b、基板側コネクタ622gに接続されたケーブル612gを逃がすための切り欠き632c、基板側コネクタ622d〜fに接続されたケーブル612d〜fを逃がすための切り欠き682dがそれぞれ形成されている。特に、基板側コネクタ622gに接続されたケーブル612gを逃がすための切り欠き682cは、ケーブル601gの長辺の長さよりも狭幅に形成されており、その両端には、カバー部689から垂下する被覆片683、683がそれぞれ設けられている。
また、カバー部材680の長辺側の両側面、及び短辺側の一方の側面には、載置台660の係止孔部661と対応する位置に、外方に突出するように、係止孔661bの内周面とほぼ同径の係止筒684が接続片684aを介して設けられている。係止筒684の外周面には、係止孔661bの内周に設けられた1対の係止爪661cと対応する箇所にそれぞれ係止孔684が形成されており、係止爪661cが係合できるようになっている。
次に、載置台660とカバー部材680の取付状況について説明すると、まず、図13に示すように、載置台660に操作部中継基板107を載置し、基板側コネクタ621a、622a、622b、622c、622d〜622f、622gにそれぞれ対応するケーブル側コネクタ611a、612a、612b、612c、612d〜612f、612gを接続する。これらケーブル側コネクタを基板側コネクタに接続した後、カバー部材680を載置台660に対して取り付ける。
詳しくは、カバー部材680の係止筒634を載置台660の対応する係止孔部661の係止孔661bに嵌入する。そして係止筒634を係止孔661bに押し込むことにより、係止孔661b内の係止爪661cが係止筒684の係止孔684に係合する。これにより、外方から係止爪661cと係止孔684との係合を解除することが不可能な状態となり、図14に示すように、載置台660とカバー部材680とが、係止孔部661または係止筒634を破断しなければ取り外し不能に組み付けられた状態となる。
そして、載置台660とカバー部材680とが組み付けられると、図15(a)に示すように、操作部中継基板107の基板側コネクタ621aに接続されたケーブル側コネクタ611aの両端部上面がカバー部材680の被覆部681c、681cに被覆され、ケーブル側コネクタ611aの基板側コネクタ621aからの抜き方向への移動が規制され、ケーブル側コネクタ611aの基板側コネクタ621aからの抜脱が規制されるようになっている。
また、載置台660とカバー部材680とが組み付けられると、図15(b)に示すように、操作部中継基板107の基板側コネクタ622gに接続されたケーブル側コネクタ612gの両端部上面がカバー部材680の被覆片683、683に被覆され、ケーブル側コネクタ621gの基板側コネクタ622gからの抜き方向への移動が規制され、ケーブル側コネクタ621gの基板側コネクタ622gからの抜脱が規制されるようになっている。
次に、ケーブル側コネクタ611aと基板側コネクタ621aとの接続及びケーブル側コネクタ621gと基板側コネクタ622gとの接続を解除する際の状況について説明する。
ケーブル側コネクタ611aと基板側コネクタ621aとの接続及びケーブル側コネクタ621gと基板側コネクタ622gとの接続を解除するには、ニッパーなどの工具でカバー部材680の係止筒684を繋ぐ接続片684aを破断する。これにより、カバー部材680の本体と係止筒684とが分離して、カバー部材680を載置台660から取り外すことが可能となり、カバー部材680を載置台660から取り外すことにより、被覆部681c、681cによるケーブル側コネクタ611aの抜き方向の移動の規制が解除されるとともに、被覆片683、683によるケーブル側コネクタ621gの抜き方向の移動の規制も解除されるので、ケーブル側コネクタ611aと基板側コネクタ621aとの接続及びケーブル側コネクタ621gと基板側コネクタ622gとの接続を解除することができるようになる。
なお、カバー部材680を載置台660から取り外すと、カバー部材680の本体と係止筒684とが破断し、一度破断すると元の状態とはならないうえに、分離した係止筒684が載置台660の係止孔部661の係止孔661b内に残るため、ケーブル側コネクタ611aと基板側コネクタ621aとの接続及びケーブル側コネクタ621gと基板側コネクタ622gとの接続との接続を解除した痕跡が残ることとなる。
上記スロットマシン1においては、可変表示装置2のいずれかの入賞ライン上に役図柄が揃うと、入賞となる。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められている。遊技状態としては、通常の遊技状態の他に、特別遊技状態としてのビッグボーナス、レギュラーボーナスと、通常の遊技状態よりもリプレイの当選確率が高くなって遊技者に有利な遊技状態となるRT(RT1、RT2)と、通常の遊技状態及びRT1に重ねて制御される遊技状態として1ゲーム限りで終了する遊技者に有利な遊技状態であるシングルボーナスとがある。
入賞となる役の種類には、大きく分けて、特別遊技状態(ビッグボーナス、レギュラーボーナス)への移行を伴う特別役と、特定遊技状態(シングルボーナス)への移行を伴う特定役と、メダルの払い出しを伴う小役と、賭け数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役とがある。図16(a)は、このスロットマシン1において入賞となる役の種類と可変表示装置2における図柄の組み合わせを説明する図である。
ビッグボーナスは、シングルボーナス、通常の遊技状態、RT1、RT2においていずれかの入賞ラインに「赤7−赤7−赤7」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。ビッグボーナス入賞すると、遊技状態がビッグボーナスに移行する。RT1、RT2においてビッグボーナスに入賞した場合には、RT1、RT2は終了させられる。
レギュラーボーナスは、シングルボーナス、通常の遊技状態、RT1、RT2においていずれかの入賞ラインに「白7−白7−白7」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。レギュラーボーナス入賞すると、遊技状態が通常の遊技状態からレギュラーボーナスに移行する。RT1、RT2においてレギュラーボーナスに入賞した場合には、RT1、RT2は終了させられる。
レギュラーボーナスは、12ゲームを消化したとき、または8ゲーム入賞(役の種類は、いずれでも可)したときのいずれか早いほうで終了する。遊技状態がレギュラーボーナスにある間は、レギュラーボーナス中フラグがRAM112に設定される(次に説明するビッグボーナス中に提供された場合を含む)。また、ビッグボーナスにおいては、上記したレギュラーボーナスが終了まで繰り返して提供される。遊技状態がビッグボーナスにある間は、ビッグボーナス中フラグがRAM112に設定される。ビッグボーナスは、遊技者に払い出したメダルの枚数が465枚を越えたときに終了する。ここでは、1ゲーム当たりの最大払出枚数が15枚なので、ビッグボーナスにおける払出メダル枚数の上限は、480枚となる。
ビッグボーナスが終了した後には、その後の485ゲームの間だけRT1に遊技状態が制御される(但し、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに入賞するまで)。RT1において後述の内部抽選でビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに当選したときには、当該当選に基づいてビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに入賞するまでRT2にRT1から遊技状態が制御されるが、RTそのものが終了してしまう訳ではない。また、通常の遊技状態において後述の内部抽選でビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに当選したときにも、RT2に遊技状態が制御される。RT2に遊技状態が制御されてから規定のゲームの間は、9択(1)〜(9)に当選すると、当選したものの種類が報知される。
後述する内部抽選においてビッグボーナス、レギュラーボーナスに当選していても、リール3L、3C、3Rについて「赤7」、「白7」がそれぞれ1つずつしか配置されていないので、停止ボタン12L、12C、12Rの操作手順によってはこれらの役に入賞しない場合がある。ビッグボーナス及びレギュラーボーナスは、このような取りこぼしがあった場合に、次のゲームに当選が持ち越される役となっている。また、ビッグボーナス及びレギュラーボーナスは、詳細を後述するように賭け数として2が設定されているときには内部抽選の対象とならず、それ以前の賭け数を3としたゲームから当選が持ち越されていても入賞することはない。
シングルボーナス(1)は、シングルボーナス、通常の遊技状態、RT1においていずれかの入賞ラインに「赤7−ベル−チェリー」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。シングルボーナス(2)は、シングルボーナス、通常の遊技状態、RT1においていずれかの入賞ラインに「白7−ベル−チェリー」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。シングルボーナス(3)は、シングルボーナス、通常の遊技状態、RT1においていずれかの入賞ラインに「BAR−ベル−チェリー」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。
シングルボーナス(1)〜(3)の何れかに入賞すると、次の1ゲームだけ遊技状態がシングルボーナスに制御される。シングルボーナスの遊技状態は、通常の遊技状態、RT1と独立した遊技状態という訳ではなく、通常の遊技状態、RT1に重ねて適用される遊技状態である。例えば、シングルボーナス(1)〜(3)に入賞したゲームの遊技状態が通常の遊技状態である場合には、次の1ゲームの遊技状態は通常の遊技状態に重ねたシングルボーナスとなり、シングルボーナス(1)〜(3)に入賞したゲームの遊技状態がRT1である場合には、次の1ゲームの遊技状態はRT1に重ねたシングルボーナスとなる。但し、RT1の485ゲームを消化したゲームでシングルボーナス(1)〜(3)に入賞した場合には、当該ゲーム限りでRT1が終了するため、次の1ゲームの遊技状態は通常の遊技状態に重ねたシングルボーナスとなる。
9択(1)は、いずれの遊技状態においてもいずれかの入賞ラインに「赤7−ベル−赤7」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。9択(2)は、いずれの遊技状態においてもいずれかの入賞ラインに「赤7−ベル−白7」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。9択(3)は、いずれの遊技状態においてもいずれかの入賞ラインに「赤7−ベル−BAR」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。
9択(4)は、いずれの遊技状態においてもいずれかの入賞ラインに「白7−ベル−赤7」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。9択(5)は、いずれの遊技状態においてもいずれかの入賞ラインに「白7−ベル−白7」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。9択(6)は、いずれの遊技状態においてもいずれかの入賞ラインに「白7−ベル−BAR」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。
9択(7)は、いずれの遊技状態においてもいずれかの入賞ラインに「BAR−ベル−赤7」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。9択(8)は、いずれの遊技状態においてもいずれかの入賞ラインに「BAR−ベル−白7」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。9択(9)は、いずれの遊技状態においてもいずれかの入賞ラインに「BAR−ベル−BAR」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。9択(1)〜(9)の何れかに入賞すると、15枚のメダルが払い出される。
中のリール3Cについては「ベル」が5コマ以内の間隔で配置されているが、左のリール3Lと右のリール3Rについては「赤7」、「白7」、「BAR」が互いに7コマ間隔で1つずつ配置されている。また、右のリール3Rについては、「チェリー」が7コマ間隔で配置されている。
詳細を後述するように、内部抽選においてビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの当選が持ち越されていることがない通常の遊技状態またはRT1(シングルボーナスに重ねて制御されている場合を含む)においては、9択(1)〜(3)はシングルボーナス(2)と、9択(4)〜(6)はシングルボーナス(3)と、9択(7)〜(9)はシングルボーナス(1)と同時に抽選対象となり、これらに当選するときには必ず同時当選となる。
例えば、9択(1)とシングルボーナス(2)に同時当選したときで、停止ボタン12L、12C、12Rを順押し(左から右の順で操作することで、一般的に最も多く行われている停止順序)した場合を考えると、停止ボタン12Lの操作タイミングによって左のリール3Lに「赤7」を導出できなくても「白7」を導出できる場合があるので、15枚のメダルの払い出しを受けることのできる9択(1)に入賞させることができなくても、次のゲームがシングルボーナスとなるシングルボーナス(2)に入賞させることのできる場合がある。左→右→中の順序で停止ボタン12L、12R、12Cを操作したときも同様である。
一方、右の停止ボタン12Rを左の停止ボタン12Lよりも先に操作すると、9択(1)よりもシングルボーナス(2)の導出が優先されるので、右のリール3Rの上段または下段に必ず「チェリー」が停止され、何れにしても「赤7」を停止させることができない。この場合は、停止ボタン12Lの操作タイミングで左のリール3Lに「白7」を導出させることができればシングルボーナス(2)に入賞するが、「白7」を導出させることができなければシングルボーナス(2)にも9択(1)にも入賞しない。9択(1)〜(9)とシングルボーナス(1)〜(3)の他に同時当選する組み合わせでも同じである。
また、内部抽選においてビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの当選が持ち越されているRT2では、シングルボーナス(1)〜(3)に当選し得ず、9択(1)〜(9)のみの当選となる。ここで、2枚賭けでゲームを行うと、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスは導出され得ないので、9択(1)〜(9)の何れかのみに当選しているのと同じ状況となる。
このような場合において、9択(1)〜(9)のうちの当選しているものに入賞させるための停止ボタン12L、12C、12Rの操作手順を特定でき、その通りに停止ボタン12L、12C、12Rを操作できたと仮定すれば、9択(1)〜(9)のうちの当選しているものに必ず入賞させることができる。一方、このような場合においても、遊技者が入賞させるための停止ボタン12L、12C、12Rの操作手順を特定できなければ、(1/3)×1×(1/3)=1/9の割合でしか入賞させることができない。
スイカは、いずれの遊技状態においてもいずれかの入賞ラインに「スイカ−スイカ−スイカ」の組み合わせが揃ったときに入賞となり、15枚のメダルが払い出される。左のリール3Lと右のリール3Rについて「スイカ」は7コマ間隔で配置され、中のリール3Cについて「スイカ」は5コマ以内の間隔で配置されているので、後述する内部抽選においてスイカに当選している場合には、停止ボタン12L、12C、12Rの操作手順に関わらずにスイカに入賞する。
チェリーは、いずれの遊技状態においても左のリール3Lについていずれかの入賞ラインに「チェリー」の図柄が導出されたときに入賞となり、1入賞ラインにつき2枚のメダルが払い出される。左のリール3Lについて「チェリー」は7コマ以内の間隔で配置されているので、停止ボタン12Lの操作タイミングに関わらず、「チェリー」の図柄を上段または下段の何れかに停止させることができる。チェリーに入賞したときには、1入賞ラインについて2枚のメダル、上段または下段には3本の入賞ラインが設定されるので、合計6枚のメダルが払い出される。
リプレイは、シングルボーナス、通常の遊技状態、RT1、RT2においていずれかの入賞ラインに「JAC−JAC−JAC」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。リプレイに入賞したときには、メダルの払い出しはないが次のゲームを改めて賭け数を設定することなく、同じ賭け数で新たなゲーム開始できるので、次のゲームで設定不要となった賭け数2または3に対応した2枚または3枚のメダルが払い出されるのと実質的には同じこととなる。
なお、後述するようにビッグボーナスやレギュラーボーナスの当選が持ち越されているRT2で小役(9択(1)〜(9)、スイカ、チェリー)やリプレイに当選する場合がある。通常の遊技状態及びRT1(シングルボーナスに重ねて制御されている場合を含む)では、シングルボーナス(1)〜(3)と9択(1)〜(3)に同時に当選する場合もある。このような場合、リプレイはビッグボーナスまたはレギュラーボーナスよりも優先して導出される(取りこぼしがないので、全てリプレイに入賞する)が、小役よりもビッグボーナス、レギュラーボーナスまたはシングルボーナス(1)〜(3)の導出が優先されることとなる。
以下、内部抽選について説明する。内部抽選は、上記した各役への入賞を許容するかどうかを、可変表示装置2の表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートレバー11の操作時)、決定するものである。内部抽選では、乱数発生回路115から内部抽選用の乱数(0〜65535の整数)が取得される。そして、遊技状態に応じて定められた各役について、取得した内部抽選用の乱数と、遊技者が設定した賭け数と、設定スイッチ91により設定された設定値に応じて定められた各役の判定値数に応じて行われる。内部抽選における当選は、排他的なものである。
内部抽選では、各役について遊技状態及び設定値毎に登録されている判定値数を、内部抽選用の乱数に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、その対象となっている役に当選したものと判定される。当選と判定されると、当該役の当選フラグがRAM112に設定される。判定値数は、ROM113に遊技状態別当選役テーブルに登録されている。
図16(b)は、遊技状態別当選役テーブルを示す図である。遊技状態別当選役テーブルは、ROM113に予め格納され、内部抽選において遊技状態毎に各抽選対象となる役の判定値数を登録したテーブルである。ここでは、所定の設定値のものだけを示しているが、設定値の違いに応じて微妙に異なる値が登録されている。内部抽選においては、複数の役が同時に抽選対象となる場合もある。
この遊技状態別当選役テーブルに従って、内部抽選では、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、シングルボーナス(1)+9択(4)、9択(4)、シングルボーナス(1)+9択(5)、9択(5)、シングルボーナス(1)+9択(6)、9択(6)、シングルボーナス(2)+9択(7)、9択(7)、シングルボーナス(2)+9択(8)、9択(8)、シングルボーナス(2)+9択(9)、9択(9)、シングルボーナス(3)+9択(1)、9択(1)、シングルボーナス(3)+9択(2)、9択(2)、シングルボーナス(3)+9択(3)、9択(3)、スイカ、チェリー、リプレイの判定値数が順番に遊技状態に応じて取得される。
もっとも、レギュラーボーナス(ビッグボーナス中に提供された場合を含む)の遊技状態に対しては、レギュラーボーナス、レギュラーボーナス、リプレイ、シングルボーナス(1)+9択(4)、シングルボーナス(1)+9択(5)、シングルボーナス(1)+9択(6)、シングルボーナス(2)+9択(7)、シングルボーナス(2)+9択(8)、シングルボーナス(2)+9択(9)、シングルボーナス(3)+9択(1)、シングルボーナス(3)+9択(2)、シングルボーナス(3)+9択(3)の判定値数として0が登録されているため、これらの役に当選することはない。
また、通常の遊技状態またはRT1では、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの当選が前回以前のゲームから持ち越されていることはないが、これらの遊技状態に対しては、シングルボーナス(1)+9択(4)、シングルボーナス(1)+9択(5)、シングルボーナス(1)+9択(6)、シングルボーナス(2)+9択(7)、シングルボーナス(2)+9択(8)、シングルボーナス(2)+9択(9)、シングルボーナス(3)+9択(1)、シングルボーナス(3)+9択(2)、シングルボーナス(3)+9択(3)の判定値数として1020が登録されるとともに、9択(1)〜(9)の判定値数としてそれぞれ0が登録されている。つまり、9択(1)〜(9)には、シングルボーナス(1)〜(3)の何れかと必ず同時当選する。
また、通常の遊技状態、RT1では、賭け数として3を設定した場合においては、ビッグボーナスの判定値数として219が、レギュラーボーナスの判定値数として109が登録されているが、賭け数として2を設定した場合においては、ビッグボーナスの判定値数にもレギュラーボーナスの判定値数にも0が登録されている。従って、賭け数として2を設定すると、ビッグボーナスやレギュラーボーナスに当選することはない。RT2では、必ずビッグボーナス当選フラグまたはレギュラーボーナス当選フラグが持ち越されているので、ビッグボーナスやレギュラーボーナスに重ねて当選することはなく、ビッグボーナスの判定値数としてもレギュラーボーナスの判定値数としても0が登録されている。
一方、RT2では、ビッグボーナス当選フラグまたはレギュラーボーナスまたはレギュラーボーナスの当選が前回以前のゲームから持ち越されていることとなるが、この遊技状態に対しては、シングルボーナス(1)+9択(4)、シングルボーナス(1)+9択(5)、シングルボーナス(1)+9択(6)、シングルボーナス(2)+9択(7)、シングルボーナス(2)+9択(8)、シングルボーナス(2)+9択(9)、シングルボーナス(3)+9択(1)、シングルボーナス(3)+9択(2)、シングルボーナス(3)+9択(3)の判定値数として0が登録されるとともに、9択(1)〜(9)の判定値数としてそれぞれ1020が登録されている。つまり、9択(1)〜(9)には単独で当選し、同時にシングルボーナス(1)〜(3)に当選することはない。
また、前述したように、RT2において賭け数として2を設定すると、それ以前の賭け数として3を設定した通常の遊技状態またはRT1のゲームでビッグボーナスやレギュラーボーナスに当選し、当該ゲーム以後に入賞せずに当選が持ち越されていても、ビッグボーナスやレギュラーボーナスに入賞することはない。RT2において賭け数として3を設定すると、それ以前の賭け数として3を設定した通常の遊技状態またはRT1のゲームで当選したビッグボーナスやレギュラーボーナスに入賞させることができる。
また、スイカ、チェリーの判定値数は、シングルボーナスに重ねて制御されていない通常の遊技状態、RT1ではそれぞれ78、620であるのに対して、シングルボーナスに重ねて制御されると、それぞれ79、621となる。シングルボーナスに制御されると、スイカ、チェリーの当選確率が僅かであっても高くなることで、1ゲーム当たりのメダルの払出数の期待値は、((79−78)×15+(621−620)×6)/65536≒0.00032枚だけ高くなる。
もっとも、シングルボーナスに制御されてもスイカ、チェリーの当選確率に大差はなく、またシングルボーナスの遊技状態が1ゲーム限りで終了してしまうため、内部抽選の結果によってはシングルボーナスに制御されたことが遊技者に察知されてしまうことはない。また、シングルボーナス(1)〜(3)の構成図柄は、前述したように異なる種類の図柄の組み合わせによるもので、また、特別な演出も行われないので、シングルボーナス(1)〜(3)に入賞したことも遊技者に気づかれにくいものとなっている。
また、通常の遊技状態、RT1、RT2におけるリプレイの判定値数(通常の遊技状態及びRT1では、シングルボーナスに重ねて制御されている場合を含む)は、それぞれいずれの設定値でも同じとなっている。もっとも、リプレイの判定値数は、通常の遊技状態では8932であるのに対して、RT1では50604、RT2では50603となっている。これにより、通常の遊技状態におけるリプレイ当選確率は、おおよそ1/7.3となっているのに対して、RTにおけるリプレイ当選確率は、おおよそ1/1.295となっている。
このように各遊技状態、賭け数における判定値数が設定されていることで、レギュラーボーナス(ビッグボーナスを含む)における1ゲームあたりのメダルの払い出し数の期待値は、9択(1)〜(9)に当選したときに必ず入賞することを前提とすると、それぞれ(9×1020×15+55720×15+630×6)/65536≒14.91となる。停止ボタン12L、12C、12Rの操作手順を特定できずに、9択(1)〜(9)に当選しているときの1/9しか入賞できないとしても、(9×15+55720×15+630×6)/65536≒13.04となり、非常にメダルの払出率が高いことが分かる。
また、通常の遊技状態において賭け数として2が設定されているときにおける1ゲームあたりにおけるメダルの払い出し数の期待値は、9択(1)〜(9)より優先して導出されるシングルボーナス(1)〜(3)に必ず入賞することを前提として計算すると、(78×15+620×6+8982×2)/65536≒0.35となる。シングルボーナス(1)〜(3)の入賞で次のゲームの遊技状態がシングルボーナスに制御されることを加味しても、ほとんど変わりがない。これは、賭け数の設定に用いられるメダルの数である2よりも小さい(リプレイ入賞は2枚のメダルが払い出されるとして計算したので、この計算では、リプレイ入賞の後にも2枚のメダルを賭け数の設定に用いることとなる)。
シングルボーナス(1)〜(3)と9択(1)〜(9)の同時当選で停止ボタン12L、12C、12Rが順押し且つランダムなタイミングで操作され、この場合に1/9の割合で9択(1)〜(9)に入賞することを前提として計算すると、(1020×9×15/9+78×15+620×6+8982×2)/65536≒0.58となる。シングルボーナス(1)〜(3)の入賞で次のゲームの遊技状態がシングルボーナスに制御されることを加味しても、ほとんど変わりがない。これも、賭け数の設定に用いられるメダルの数である2よりも小さい
また、RT1において賭け数として2が設定されているときにおける1ゲームあたりにおけるメダルの払い出し数の期待値は、シングルボーナス(1)〜(3)と9択(1)〜(9)の同時当選で停止ボタン12L、12C、12Rが順押し且つランダムなタイミングで操作され、この場合に1/9の割合で9択(1)〜(9)に入賞することを前提として計算すると、(1020×9×15/9+78×15+620×6+50604×2)/65536≒1.68となる。シングルボーナス(1)〜(3)の入賞で次のゲームの遊技状態がシングルボーナスに制御されることを加味しても、ほとんど変わりがない。これは、賭け数の設定に用いられるメダルの数である2を下回る。
RT2において賭け数として2が設定されているときにおける1ゲームあたりにおけるメダルの払い出し数の期待値は、9択(1)〜(9)に当選しているときには必ず入賞することを前提とすると、(1020×9×15+78×15+620×6+50603×2)/65536≒3.71となる。これは、賭け数の設定に用いられるメダルの数である2よりも大きい。9択(1)〜(9)の当選時に停止ボタン12L、12C、12Rが順押し且つランダムなタイミングで操作されたことを前提した場合には、上記の前提におけるRT1におけるメダルの払い出し数の期待値と同程度である。
ところで、通常の遊技状態、RT1、RT2におけるビッグボーナスの当選確率はおおよそ1/300であり、レギュラーボーナスの当選確率はおおよそ1/600である。また、遊技者は、1回のビッグボーナスで期待値は350枚以上のメダルの獲得を期待でき、1回のレギュラーボーナスでも90枚強のメダルの獲得を期待できる。従って、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの当選によってこれらの数のメダルが払い出されるものと仮定して計算すれば、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの当選によって加算される1ゲーム当たりのメダルの払い出し数の期待値が1を越えることとなる。
従って、RT1では、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに当選していないが、1ゲーム当たりの賭け数を2ではなく3とすることによるメダルの消費量の増加よりも、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの当選によるメダルの払い出し数の期待値の増加の方が大きくなるので、賭け数を2ではなく、3としてゲームを行った方が遊技者にとって有利なことが分かる。
通常の遊技状態における1ゲームあたりのメダルの払い出し数の期待値は、シングルボーナス(1)〜(3)と9択(1)〜(9)の同時当選で停止ボタン12L、12C、12Rが順押し且つランダムなタイミングで操作されていることを前提とすると、リプレイ当選確率がRT1よりも低い分だけ同じ条件でRT1において算出されるメダルの払い出し数の期待値よりも低くなり、後述するように9択(1)〜(9)のうちの当選しているものの種類の報知もないので、実際上のメダルの払い出し数もこれに近いものとなる。つまり、通常の遊技状態で遊技を行うと、ほとんど遊技者の手持ちのメダルの枚数が減少することになってしまうので、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの当選及び入賞の可能性がある賭け数3としてゲームを行った方が、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの当選及び入賞の可能性がない賭け数2としてゲームを行ったときよりも遊技者にとって有利なものとなることが分かる。
RT2では、後述するように9択(1)〜(9)のうちの当選しているものの種類が報知されている間は、これらに必ず入賞させられるものと考えれば、1ゲーム当たりの賭け数を2とした方が遊技者にとって有利であるが、9択(1)〜(9)のうちの当選しているものの種類が報知されなくなってからは、1ゲーム当たりの賭け数を3として、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに入賞し得るものとした方が、遊技者にとって有利となる。
なお、ここまでに説明したメダルの払い出し数の期待値は、所定の設定値に設定されていることを前提として算出した値であるが、通常の遊技状態、RT1での有利な賭け数が3、RT2の開始から規定ゲーム数を消化するまでのゲーム(9択(1)〜(9)のうちの当選したものの種類が報知されている)における有利な賭け数が2、RT2の開始から規定ゲームを越えた後の有利な賭け数が3であることは、何れの設定値に設定されている場合でも同じである。
次に、リール3L、3C、3Rの停止制御について説明する。可変表示装置2を構成するリール3L、3C、3Rは、スタートレバー11が操作され、且つ前回のゲームにおけるリール3L、3C、3Rの回転開始から所定時間を経過していることを条件に、回転開始される。そして、遊技者によって停止ボタン12L、12C、12Rが操作されると、その操作タイミングからそれぞれに対応するリール3L、3C、3Rが190ミリ秒の最大停止遅延時間の範囲内(4コマの引き込み範囲内)で停止されるものとなる。
リール3L、3C、3Rの回転停止は、190ミリ秒の最大停止遅延時間の範囲内で当選フラグの設定されている役の図柄を入賞ライン上に揃えるように、また、190ミリ秒の最大停止遅延時間の範囲内で当選フラグの設定されていない役の図柄を入賞ライン上に揃えないように制御される。
ここで、レギュラーボーナス当選フラグまたはビッグボーナス当選フラグとリプレイ当選フラグが重複して設定されているときには、リプレイの図柄を優先して入賞ライン上に揃えるように制御される。停止ボタン12L、12C、12Rの操作手順に関わらずに、リプレイに入賞するので、この場合においてビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに入賞することはない。賭け数として2が設定されていれば、もとよりビッグボーナスやレギュラーボーナスに入賞することはない。
賭け数として3が設定されているときに、レギュラーボーナス当選フラグ、またはビッグボーナス当選フラグとスイカ当選フラグが重複して設定されている場合には、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの図柄を優先して入賞ライン上に揃えるように制御される。停止ボタン12L、12C、12Rの操作手順によりビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの図柄をいずれの入賞ライン上にも揃えることができない場合であって、「スイカ」を入賞ライン上に揃えられる場合には、「スイカ」を入賞ライン上に揃えて、スイカに入賞させることができる。
賭け数として3が設定されているときに、レギュラーボーナス当選フラグまたはビッグボーナス当選フラグとチェリー当選フラグが重複して設定されている場合には、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナス当選フラグの図柄を優先して入賞ライン上に揃えるように制御される。停止ボタン12L、12C、12Rの操作手順によりレギュラーボーナスビッグボーナス当選フラグの図柄をいずれの入賞ライン上にも揃えることができない場合であって、左のリール3Lの上段または下段に「チェリー」を導出できる場合には、「チェリー」を上段または下段に導出させて、チェリーに入賞させる。
設定されている賭け数に関わらずに、シングルボーナス(1)〜(3)の何れかの当選フラグと、9択(1)〜(9)の何れかの当選フラグが重複して設定されている場合には、シングルボーナス(1)〜(3)のうちの当選しているものの図柄を優先して入賞ライン上に揃えるように制御される。停止ボタン12L、12C、12Rの操作手順によりシングルボーナス(1)〜(3)のうちの当選しているものの図柄をいずれの入賞ライン上にも揃えることができない場合であって、9択(1)〜(9)のうちの当選しているものの図柄を入賞ライン上に揃えられる場合には、9択(1)〜(9)のうちの当選しているものを構成する図柄を入賞ライン上に揃えて、9択(1)〜(9)のうちの当選しているものに入賞させることができる。
賭け数として3が設定されているときに、レギュラーボーナス当選フラグ、またはビッグボーナス当選フラグと9択(1)〜(9)の何れかの当選フラグが重複して設定されている場合には、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの図柄を優先して入賞ライン上に揃えるように制御される。停止ボタン12L、12C、12Rの操作手順によりビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの図柄をいずれの入賞ライン上にも揃えることができない場合であって、9択(1)〜(9)のうちの当選しているものの図柄を入賞ライン上に揃えられる場合には、9択(1)〜(9)のうちの当選しているものを構成する図柄を入賞ライン上に揃えて、9択(1)〜(9)のうちの当選しているものに入賞させることができる。
賭け数として2が設定されているときに、9択(1)〜(9)の何れかの当選フラグとレギュラーボーナス当選フラグまたはビッグボーナス当選フラグが重複して設定されていても、ビッグボーナスやレギュラーボーナスには入賞し得ないので、停止ボタン12L、12C、12Rの操作手順により9択(1)〜(9)のうちの当選しているものの図柄を入賞ライン上に揃えられる場合には、9択(1)〜(9)のうちの当選しているものを構成する図柄を入賞ライン上に揃えて、9択(1)〜(9)のうちの当選しているものに入賞させることができる。
9択(1)〜(9)は、何れも中のリール3Cにおける構成図柄が「ベル」であり、中のリール3Cについて「ベル」は5コマ以内の間隔で配置されているため、この場合においては、停止ボタン12Cの操作タイミング、及び操作順序に関わらずに中のリール3Cの中段に「ベル」が導出するようリール3Cが停止制御される。
左のリール3Lについての構成図柄は、9択(1)〜(3)が「赤7」、9択(4)〜(6)が「白7」、9択(7)〜(9)が「BAR」である。右のリール3Cについての構成図柄は、9択(1)、(4)、(7)が「赤7」、9択(2)、(5)、(8)が「白7」、9択(3)、(6)、(9)が「BAR」である。ここで、左のリール3Lも右のリール3Rも、18番に「赤7」、11番に「白7」、4番に「BAR」というように、「赤7」、「白7」及び「BAR」が互いに7コマ間隔で1つずつ配置されている。
例えば、左のリール3Lの下段に12番〜18番の図柄が位置するタイミングで停止ボタン12Lを操作すれば、左のリール3Lの上段または下段に「赤7」が導出されるが、「白7」及び「BAR」は導出できない。左のリール3Lの下段に5番〜11番の図柄が位置するタイミングで停止ボタン12Lを操作すれば、左のリール3Lの上段または下段に「白7」が導出されるが、「BAR」及び「赤7」は導出できない。左のリール3Lの下段に19番、20番、0番〜4番の図柄が位置するタイミングで停止ボタン12Lを操作すれば、左のリール3Lの上段または下段に「BAR」が導出されるが、「赤7」及び「白7」は導出できない。右のリール3Rについても同じである。
また、停止ボタン12L、12C、12Rの操作タイミングさえ適切であれば、操作する順序に関わらずに9択(1)〜(9)には入賞させることができる。このように9択(1)〜(9)にそれぞれ入賞させるための停止ボタン12L、12Rの操作タイミングは、互いに排他的なものであり、9択(1)〜(9)のうちの複数に入賞可能な(当選フラグが設定されていたとしたら)停止ボタン12L、12C、12Rの操作手順は全くない。また、停止ボタン12L、12C、12Rの如何なる操作手順(操作タイミング及び操作する順序の全ての組み合わせ)も、9択(1)〜(9)のうちの何れか1種類に入賞させるための操作手順となっている。
なお、上記のリール3L、3C、3Rの停止制御は、遊技状態及び当選フラグの設定状況(及び既に停止しているリールに導出された図柄)に応じて未だ停止していないリールの停止操作位置と停止位置との関係を定めた停止制御テーブルを未停止のリールについて予め作成し、停止ボタン12L、12C、12Rがそれぞれ操作されたときに、予め作成された停止制御テーブルを参照して、対応するリールの回転を停止させるものとしている。なお、停止制御テーブルでは、停止操作位置に対して停止位置が一意に定められている。
遊技制御基板101の側においては、上記のように内部抽選が行われ、その結果と停止ボタン12L、12C、12Rの操作タイミングとに従ってリール3L、3C、3Rの回転が停止し、入賞が発生するものとなる。入賞の発生により、配当としてメダルの払い出しや遊技状態の移行が与えられるが、このように遊技制御基板101の側における遊技の進行状況に応じて、演出制御基板102の側で独自の演出が行われる。このような演出を行うためには、演出制御基板102のCPU121は、遊技制御基板101の側における遊技の進行状況を認識できなければならないが、このような遊技の進行状況に関する情報は、全てコマンドとして遊技制御基板101から演出制御基板102に送信される。
遊技制御基板101から演出制御基板102に送信されるコマンドには、少なくとも少なくとも電源投入コマンド、初期化コマンド、当選状況通知コマンド、入賞情報コマンド、及び遊技状態コマンドが含まれている。遊技制御基板101から演出制御基板102に送信されるコマンドには、これ以外のコマンドも含まれているが、本発明に直接関わるものではないため、詳細な説明を省略している。
電源投入コマンドは、設定キースイッチ92をONせずにスロットマシン1を起動して、電断までの状態に復帰するときに送信されるもので、復帰後に開始するゲームにおける遊技状態とビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの当選の有無を示す。初期化コマンドは、設定キースイッチ92をONしてスロットマシン1を起動して、設定値を改めて設定した場合に送信されるものである。
当選状況通知コマンドは、RAM112における当選フラグの設定状況を示すもので、スタートレバー11が操作されて内部抽選が行われたときに送信される。入賞情報コマンドは、可変表示装置2の表示結果に応じて発生した入賞の種別を示すもので、可変表示装置2に表示結果が導出されて入賞判定が行われたときに送信される。遊技状態コマンドは、次のゲームで適用される遊技状態を示すものであり、1ゲームの終了時において送信される。
演出制御基板102のCPU121は、このように遊技制御基板101のCPU111から送られてくるコマンドに基づいて各種の演出を行うものとしている。このような演出として、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの当選後のRT2で規定ゲーム数を消化するまでのゲームで、リプレイ入賞していなければゲームが終了したときに次のゲームで賭け数として2を設定することを推奨する旨の情報を液晶表示器4にて報知するものと、9択(1)〜(9)の何れかに当選していれば、その種類を液晶表示器4にて報知するものとがある。
RT2は、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの当選後、実際に入賞するまで制御されるが、9択(1)〜(9)の当選しているものの種類が報知される規定ゲーム数は、RT2の開始から30ゲームだけである(但し、前回のビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの入賞時におけるRT2の消化ゲーム数が規定ゲーム数に満たなかったときには、規定ゲーム数までの残りゲーム数が次にビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに当選したときに制御されるRT2での規定ゲーム数に加算される)。
遊技者は、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの当選が持ち越されているRT2において、規定ゲーム数を消化するまでは報知された情報で推奨している賭け数2でゲームを行えば、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに入賞することがないので、当該ゲームでRT2が終了してしまうことがなくなる。つまり、9択(1)〜(9)に確実に入賞させることができればメダルの払出率が1を越えるRT2を終了させないために、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの入賞を回避するための目押し(リール3L、3C、3Rの回転に合わせて停止ボタン12L、12C、12Rの操作タイミングを図ること)を行う必要がなくなる。
また、9択(1)〜(9)の当選しているものの種類を示す情報が報知されると、9択(1)〜(9)のうちの当選しているものに入賞させるために停止ボタン12L、12C、12Rをどのような手順で操作しなければならないかが分かるため、その通りに停止ボタン12L、12C、12Rを操作できるものとするならば、9択(1)〜(9)の当選を確実に入賞に結びつけて、メダルの払出率が1よりも大きくすることを達成することができる。また、9択(1)〜(9)に入賞させるための目押しは必要であるが、これに優先されるビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの入賞を回避するための目押しが必要ないので、中のリール3Cの回転を停止させるための停止ボタン12Cは、目押しをせずに任意のタイミングで操作することができるようになる。
なお、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの当選が持ち越されているRT2においては、9択(1)〜(9)の当選時に同時にシングルボーナス(1)〜(3)に当選することはないので、9択(1)〜(9)に入賞させるために、9択(1)〜(9)に優先されるシングルボーナス(1)〜(3)の入賞を回避する手順で停止ボタン12L、12C、12Rを操作するといったことが必要ない。つまり、停止ボタン12Lよりも先に停止ボタン12Rを操作しても、9択(1)〜(9)のうちの当選しているものを構成する図柄をリール3Rに導出できるタイミングで停止ボタン12Rを操作する限り、9択(1)〜(9)の入賞の可能性がなくなってしまうことがない。
さらに、スロットマシン1の起動時に設定値の変更がされず、RAM112にバックアップしていたデータに基づいて電断前の状態から遊技を再開するときには、遊技状態とボーナス当選の有無を示す再開時演出が液晶表示器4にて行われるものとなる。
以下、この実施の形態にかかるスロットマシン1における遊技動作について説明する。ここでは、まず、スロットマシン1を起動したときに実行される特別な処理について説明し、その後、スロットマシン1において各ゲームが繰り返して行われるときの処理について説明する。なお、以下の説明において“ゲーム”といった場合には、狭義には、スタートレバー11の操作からリール3L、3C、3Rを停止するまでをいうものとする。もっとも、ゲームを行う際には、スタートレバー11の操作前の賭け数の設定や、リール3L、3C、3Rの停止後にメダルの払い出しや遊技状態の移行も行われるので、これらの付随的な処理も広義には“ゲーム”に含まれるものとする。なお、以下の説明では、本発明に関わらない処理の説明が省略されている場合がある。
図17は、遊技制御基板101内の制御部110がリセット回路118からリセット信号が入力されたときに実行する起動処理を示すフローチャートである。リセット信号は、電源投入時及び遊技制御部110の動作が停滞した場合に出力される信号であるので、起動処理は、電源投入に伴うCPU111の起動時及びCPU111の不具合に伴う再起動時に行われる処理である。
起動処理では、まず、内蔵デバイスや周辺IC、割込モード、スタックポインタ等を初期化した後(ステップS101)、入力ポートから電圧低下信号の検出データを取得し、電圧低下信号が入力されているか否か、すなわち電圧が安定しているか否かを判定し(ステップS102)、電圧低下信号が入力されている場合には、電圧低下信号が入力されているか否かの判定以外は、いずれの処理も行わないループ処理に移行する。
ステップS102において電圧低下信号が入力されていないと判定した場合には、Iレジスタ及びIYレジスタの値を初期化する(ステップS103)。Iレジスタ及びIYレジスタの初期化により、Iレジスタには、割込発生時に参照する割込テーブルのアドレスが設定され、IYレジスタには、RAM112の格納領域を参照する際の基準アドレスが設定される。これらの値は、固定値であり、起動時には常に初期化されることとなる。
次いで、RAM112へのアクセスを許可し(ステップS104)、設定キースイッチ92がONの状態か否かを判定する(ステップS105)。ステップS105において設定キースイッチ92がONの状態でなければ、RAM112の全ての格納領域(未使用領域及び未使用スタック領域を含む)のRAMパリティを計算し(ステップS106)、RAMパリティが0か否かを判定する(ステップS107)。正常に電断割込処理(メイン)が行われていれば、RAMパリティが0になるはずであり、ステップS107においてRAMパリティが0でなければ、RAM112に格納されているデータが正常ではないので、RAM異常を示すエラーコードをレジスタに設定し(ステップS109)、RAM異常エラー処理に移行する。
また、ステップS108においてRAMパリティが0であれば、更に破壊診断用データが正常か否かを判定する(ステップS108)。正常に電断割込処理(メイン)が行われていれば、破壊診断用データが設定されているはずであり、ステップS108において破壊診断用データが正常でない場合にも、RAM112のデータが正常ではないので、RAM異常を示すエラーコードをレジスタに設定し(ステップS109)、RAM異常エラー処理に移行する。
なお、RAM異常エラー以外によるエラー処理であれば、第1リセットスイッチ48または第2リセットスイッチ93が操作されることで、エラー状態を解除してもとの処理に復帰するが、RAM異常エラーによるエラー処理であれば、設定スイッチ91またはリセットスイッチ23が操作されてもエラー状態が解除されることはない。
ステップS108において破壊診断用データが正常であると判定した場合には、RAM112のデータは正常であるので、RAM112の非保存ワーク、未使用領域及び未使用スタック領域を初期化する初期化3を行った後(ステップS110)、破壊診断用データをクリアする(ステップS111)。次いで、電断前の状態でいずれかの特別役(ビッグボーナスまたはレギュラーボーナス)が当選しているか否かを判定する(ステップS112)。 電断前の状態でいずれかの特別役が当選している場合には、電断前の状態における遊技状態を示すとともに特別役の当選を示す電源投入コマンドを生成して演出制御基板102に送信する(ステップS113)。そして、ステップS115の処理に進む。電断前の状態でいずれの特別役も当選していない場合には、電断前の状態における遊技状態を示すとともに特別役の非当選を示す電源投入コマンドを生成して演出制御基板102に送信する(ステップS114)。そして、ステップS115の処理に進む。
ステップS115では、各レジスタを電断前の状態、すなわちスタックに保存されている状態に復帰する。その後、割込を許可して(ステップS116)、電断前の最後に実行していた処理に戻る。
また、ステップS105において設定キースイッチ92がONの状態であれば、RAM112の格納領域のうち、使用中スタック領域を除く全ての格納領域を初期化する初期化1を実行した後(ステップS117)、設定値ワークに格納されている値(この時点では0)を1に補正する(ステップS118)。次いで、割込を許可した後(ステップS119)、設定変更モードに移行する(ステップS120)。ステップS120における設定変更処理の終了後、初期化コマンドを生成して演出制御基板102に送信する(ステップS121)。そして、図18に示すゲーム制御処理に移行する。
図18は、遊技制御基板101のCPU111が1ゲーム毎に行うゲーム制御処理を示すフローチャートである。この処理は、電源を投入し、所定のブート処理を行った後、または設定スイッチ91の操作により設定変更を行った直後にも実行される。1ゲームの処理が開始すると、まず、RAM112の所定の領域をクリアする処理を含む初期処理が行われる(ステップS201)。
次に、1枚BETボタン14またはMAXBETボタン15を操作することにより、或いはメダル投入口13からメダルを投入することにより賭け数を設定し、スタートレバー11を操作することにより当該ゲームの実質的な開始を指示するBET処理を行う(ステップS202)。ゲームを開始させるための賭け数は、レギュラーボーナス(ビッグボーナス中に提供された場合を含む)では3に限定されるが、それ以外の遊技状態では遊技者が2または3を選択して設定することができる。また、前のゲームでリプレイ入賞していた場合には、リプレイゲーム中フラグにより前のゲームと同じ賭け数が自動設定される(この段階でリプレイゲーム中フラグが消去される)。
BET処理により賭け数が設定され、スタートレバー11が操作されると、内部抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数の値に基づいて遊技状態及び賭け数に応じて定められた各役への入賞を許容するかどうかを決定する抽選処理を行う(ステップS203)。抽選処理では、RAM112における当選フラグの設定状況を示す当選状況通知コマンドが演出制御基板102に送信される。なお、抽選処理の詳細については後述する。
抽選処理が終了すると、次にリール回転処理が行われる(ステップS204)。リール回転処理では、前回のゲームでのリール3L、3C、3Rの回転開始から1ゲームタイマが計時する時間が所定時間(例えば、4.1秒)が経過していることを条件に、リールモータ3ML、3MC、3MRを駆動させ、左、中、右の全てのリール3L、3C、3Rを回転開始させる。リール3L、3C、3Rの回転開始から所定の条件(回転速度が一定速度に達した後、リールセンサ3SL、3SC、3SRにより基準位置を検出すること)が成立すると、停止ボタン12L、12C、12Rを操作有効とする。その後、停止ボタン12L、12C、12Rが遊技者によって操作されることにより、当選フラグの設定状況に応じて選択した停止制御テーブルに従ってリールモータ3ML、3MC、3MRを駆動停止させ、リール3L、3C、3Rの回転を停止させる。
リール3L、3C、3Rの駆動がそれぞれ停止すると、その停止時における表示態様において、何れかの入賞ライン上に上記したいずれかの役図柄が導出表示されたかどうかを判定する入賞判定処理が行われる(ステップS205)。この入賞判定処理でいずれかの役に入賞したと判定されると、遊技制御基板101において発生した入賞に応じた各種の処理が行われる。ここで、入賞の判定結果を示す入賞情報コマンドが演出制御基板102に送られる。なお、入賞判定処理の詳細については後述する。
入賞判定処理が終了すると、払出処理が行われる(ステップS206)。払出処理では、入賞判定処理において設定した払い出し予定数だけクレジットを増加させる。但し、データとして蓄積されているクレジットの数が50に達した場合は、ホッパーモータ82を駆動させることにより、超過した枚数のメダルをメダル払い出し口71から払い出させる。また、入賞に関わらない各種の処理(例えば、ビッグボーナスの終了制御に関する処理や、持ち越しのない当選フラグの消去など)も行われる。払出処理の最後、すなわち1ゲームの最後で次のゲームの遊技状態を示す遊技状態コマンドが演出制御基板102に送られる。なお、払出処理の詳細については後述する。そして、1ゲーム分の処理が終了し、次の1ゲーム分の処理が開始する。
次に、上記したステップS203の抽選処理について詳しく説明する。図19は、CPU111がステップS203で実行する抽選処理を詳細に示すフローチャートである。抽選処理では、RAM112にビッグボーナス中フラグが設定されているかどうかにより、遊技状態がビッグボーナスにあるかどうかを判定する(ステップS301)。遊技状態がビッグボーナスになければ、そのままステップS304の処理に進む。
遊技状態がビッグボーナスにあれば、RAM112にレギュラーボーナス中フラグが設定されているかどうかにより、遊技状態がレギュラーボーナスにあるかどうかを判定する(ステップS302)。遊技状態がレギュラーボーナスになければ、ビッグボーナスの最初のゲームであるか、ビッグボーナス中において1セット分のレギュラーボーナスが終了して未だ当該ビッグボーナスが終了していないときのゲームであるので、RAM112にレギュラーボーナス中フラグを設定して、遊技状態をレギュラーボーナスに制御する(ステップS303)。そして、ステップS304の処理に進む。遊技状態がレギュラーボーナスにあれば、そのままステップS304の処理に進む。
ステップS304では、乱数取得処理を行い、サンプリング指令を出力することにより乱数発生回路115が発生する乱数をサンプリング回路116に抽出させ、RAM112の内部抽選用の乱数の格納領域に記憶させる。内部抽選用の乱数は、乱数発生回路115から抽出された乱数をそのまま用いるのではなく、ソフトウェアにより所定の手順で加工してから用いるものとしてもよい。
次に、現在の遊技状態に対応して、図16(b)の遊技状態別当選役テーブルに登録されている抽選対象役を順番に読み出す(ステップS305)。次に、抽選対象の役について読み出した遊技状態、賭け数及び設定値に対応して役別テーブルに登録されているアドレスに格納されている判定値数を取得する(ステップS306)。そして、取得した判定値数をRAM112の判定領域に記憶された内部抽選用の乱数の値に加算し、加算の結果を新たな内部抽選用の乱数の値とする(ステップS307)。ここで、判定値数を内部抽選用の乱数の値に加算したときにオーバーフローが生じたかどうかを判定する(ステップS308)。
オーバーフローが生じていない場合には、当該遊技状態において抽選対象となる役のうちで未だ処理対象としていないものがあるかどうかを判定する(ステップS309)。未だ処理対象としていないものがあれば、ステップS305の処理に戻り、遊技状態別当選役テーブルに登録されている次の抽選対象役を処理対象として処理を継続する。処理対象としていないものがなければ、ステップS315の処理に進む。
オーバーフローが生じた場合には、抽選対象役がビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの何れかであるかどうかを判定する(ステップS310)。抽選対象役がビッグボーナス及びレギュラーボーナスの何れでもなければ、ステップS314の処理に進む。
ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスのいずれかである場合には、次のゲームから遊技状態をRT2に制御するものとなるので、RAM112にRT2中フラグを設定する(ステップS311)。また、ここで、RT1カウンタの値が0以外となっているかどうかにより、現在の遊技状態がRT1(シングルボーナスに重ねて設定されている場合を含む)であるかを判定する(ステップS312)。現在の遊技状態がRT1であれば、RT1カウンタの値を0に初期化して(ステップS313)、ステップS314の処理に進む。現在の遊技状態がRT1でなければ、そのままステップS314の処理に進む。
ステップS314では、抽選対象役の当選フラグをRAM112に設定する。ここで、抽選対象役がビッグボーナス及びレギュラーボーナスのいずれでもなく、既にレギュラーボーナス当選フラグまたはビッグボーナス当選フラグのいずれかが設定されていれば、既に設定されているレギュラーボーナス当選フラグまたはビッグボーナス当選フラグに重ねて、今回の抽選対象役の当選フラグを設定する。そして、ステップS315の処理に進む。
ステップS315では、RAM112における当選フラグの設定状況に応じて当選状況通知コマンドを生成し、これを演出制御基板102に送信する。そして、抽選処理を終了して、図18のフローチャートに復帰する。
次に、上記したステップS205の入賞判定処理について詳しく説明する。図20は、CPU111がステップS205で実行する入賞判定処理を詳細に示すフローチャートである。入賞判定処理では、遊技状態に応じた入賞対象役を最初から順に読み出す(ステップS401)。次に、当該読み出した役の図柄組み合わせが可変表示装置2の7本の入賞ラインのうちのいずれかに揃っているかどうかを判定する(ステップS402)。
当該役の図柄組み合わせが揃っていれば、当該役の入賞フラグをRAM112に設定して(ステップS403)、ステップS404の処理に進む。当該役の図柄組み合わせが揃っていなければ、そのままステップS404の処理に進む。ステップS404では、当該遊技状態に応じた役のうちで未だ入賞判定の対象としていない役があるかどうかを判定する。未だ入賞判定の対象としていない役があれば、ステップS401の処理に戻り、当該遊技状態に応じた次の役を読み出すものとする。
当該遊技状態に応じた役の全てを入賞判定の対象としていれば、次に、RAM112にリプレイの入賞フラグが設定されているかどうかにより、リプレイに入賞したかどうかを判定する(ステップS405)。リプレイに入賞していれば、リプレイゲーム中フラグをRAM112に設定する(ステップS406)。このリプレイゲーム中フラグは、次のゲームで賭け数が自動設定されると消去されるものとなる。そして、ステップS413の処理に進む。
ステップS405でリプレイ入賞していなければ、RAM112にビッグボーナスの入賞フラグが設定されているかどうかにより、ビッグボーナス入賞したかどうかを判定する(ステップS407)。ビッグボーナス入賞していれば、ビッグボーナス中フラグをRAM112に設定すると共に、RAM112に設定されているビッグボーナス当選フラグを消去する。さらに、RAM112のRT1カウンタの値を0に初期化するとともに、RT2中フラグを消去する(ステップS408)。そして、ステップS413の処理に進む。
ビッグボーナス入賞していなければ、RAM112にレギュラーボーナスの入賞フラグが設定されているかどうかにより、レギュラーボーナス入賞したかどうかを判定する(ステップS409)。レギュラーボーナス入賞していれば、レギュラーボーナス中フラグをRAM112に設定すると共に、RAM112に設定されているレギュラーボーナス当選フラグを消去する。さらに、RAM112のRT1カウンタの値を0に初期化するとともに、RT2中フラグを消去する(ステップS410)。そして、ステップS413の処理に進む。
レギュラーボーナス入賞していなければ、RAM112にシングルボーナス(1)〜(3)の何れかの入賞フラグが設定されているかどうかにより、シングルボーナス(1)〜(3)の何れかに入賞したかどうかを判定する(ステップS411)。シングルボーナス(1)〜(3)の何れかに入賞していれば、シングルボーナス中フラグをRAM112に設定する(ステップS412)。シングルボーナス(1)〜(3)の当選フラグは、何れにしても後述するステップS517で消去される。また、シングルボーナス(1)〜(3)に入賞していない場合は、RT1カウンタの値とRT2中フラグの状態はそのままとして、ステップS413の処理に進む。
ステップS413では、RAM112に設定されている入賞フラグ(但し、ハズレの場合は入賞フラグの設定はない)に基づいて入賞した役の種類を示す入賞情報コマンドを生成して、演出制御基板102に送信する。そして、入賞判定処理を終了して、図18のフローチャートに復帰する。
次に、上記したステップS206の払出処理について詳しく説明する。図21は、CPU111がステップS206で実行する払出処理を詳細に示すフローチャートである。払出処理では、RAM112にスイカ、ベル、チェリーのいずれかの入賞フラグが設定されているかどうかにより、メダルの払い出しを伴う小役入賞があったかどうかを判定する(ステップS501)。小役入賞していなければ、そのままステップS503の処理に進む。
小役入賞していれば、ホッパー80を制御することにより、当該枚数のメダルを順次払い出す。但し、データとして蓄積されるクレジットの数が50に達するまでは、メダルを払い出す代わりにクレジットの数を増加させる(ステップS502)。そして、ステップS503の処理に進む。
ステップS503では、RAM112にビッグボーナス中フラグが設定されているかどうかにより、当該ゲームの遊技状態がビッグボーナスであったかどうかを判定する。但し、ビッグボーナス入賞フラグがRAM112に設定されている場合には、当該ゲームでのビッグボーナス入賞であって、当該ゲームの遊技状態がビッグボーナスであった訳ではないので、ビッグボーナス中フラグが設定されていても、ビッグボーナス中であったと判定されない。当該ゲームの遊技状態がビッグボーナスでなかった場合には、ステップS508の処理に進む。
ビッグボーナス中であったと判定された場合には、RAM112に設けられたカウンタにより当該ビッグボーナスが開始してからのメダルの払い出し総数をカウントする(ステップS504)。このカウントの結果、メダルの払い出し総数が465枚を越えたかどうかを判定する(ステップS505)。メダルの払い出し総数が465枚を越えていなければ、ステップS508の処理に進む。
メダルの払い出し総数が465枚を越えた場合には、RAM112に設定されているビッグボーナス中フラグを消去すると共に、メダルの払い出し総数をカウントするためのカウンタの値を0に初期化する(ステップS506)。また、ここでビッグボーナスが終了することとなるので、RT1の最大継続ゲーム数である485をRAM122のRT1カウンタにセットする(ステップS507)。そして、ステップS511の処理に進む。
ステップS508では、RAM112にレギュラーボーナス中フラグが設定されているかどうかにより、当該ゲームの遊技状態がレギュラーボーナス(ビッグボーナスで提供された場合を含む)であったかどうかを判定する。但し、レギュラーボーナス入賞フラグがRAM112に設定されている場合には、当該ゲームでのレギュラーボーナス入賞であって、当該ゲームの遊技状態がレギュラーボーナスであった訳ではないので、レギュラーボーナス中フラグが設定されていても、レギュラーボーナス中であったと判定されない。
当該ゲームの遊技状態がレギュラーボーナスであった場合には、RAM112に設けられたカウンタにより、当該レギュラーボーナスが開始してから(ビッグボーナスでは、その中で新たなレギュラーボーナスが開始してから)の消化ゲーム数と入賞ゲーム数とをカウントする(ステップS509)。このカウントの結果、当該レギュラーボーナスにおける入賞ゲーム数が8となったか、或いは当該レギュラーボーナスにおける消化ゲーム数が12となったかどうかを判定する(ステップS510)。
当該レギュラーボーナスにおける入賞ゲーム数が8となったか、或いは当該レギュラーボーナスにおける消化ゲーム数が12となった場合には、ステップS511の処理に進む。当該レギュラーボーナスにおける入賞ゲーム数が8となってなく、且つ当該レギュラーボーナスにおける消化ゲーム数が12ともなっていない場合には、ステップS517の処理に進む。ステップS511では、RAM112に設定されているレギュラーボーナス中フラグを消去すると共に、レギュラーボーナス中の消化ゲーム数と入賞ゲーム数とをカウントするためのカウンタの値をいずれも0に初期化する。そして、ステップS517の処理に進む。
ステップS508で当該ゲームの遊技状態がレギュラーボーナスでなかった場合には、RAM112にシングルボーナス中フラグが設定されているかどうかを判定する(ステップS512)。シングルボーナス中フラグが設定されていなければ、そのままステップS515の処理に進む。シングルボーナス中フラグが設定されていれば、シングルボーナス(1)〜(3)の入賞フラグがRAM112に設定されているかどうかを判定する(ステップS513)。
シングルボーナス(1)〜(3)の入賞フラグが設定されていなければ、当該ゲームの遊技状態がシングルボーナスであったが、次のゲームの遊技状態はシングルボーナスとならないので、シングルボーナス中フラグを消去して(ステップS514)、ステップS515の処理に進む。シングルボーナス(1)〜(3)の入賞フラグが設定されていれば、当該ゲームの遊技状態がシングルボーナスであったかどうかに関わらず、次のゲームの遊技状態はシングルボーナスとなるので、シングルボーナス中フラグを消去することなく、そのままステップS515の処理に進む。
ステップS515では、RAM112のRT1カウンタの値が0であるかどうかを判定する。RT1カウンタの値が0でなければ、RT1カウンタの値を1だけ減算して(ステップS516)、ステップS517の処理に進む。RT1カウンタの値が0であれば、そのままステップS517の処理に進む。
ステップS517では、RAM112にシングルボーナス(1)〜(3)の当選フラグ、9択(1)〜(9)の当選フラグ、スイカ当選フラグ、チェリー当選フラグ、および/またはリプレイ当選フラグが設定されていれば、これを消去する。ビッグボーナス当選フラグ及びレギュラーボーナス当選フラグは、ここでは消去せずに次ゲームに持ち越させる。また、ステップS403においてRAM112に入賞フラグが設定されていれば、これを消去する。
次に、RAM112におけるビッグボーナス中フラグ及びレギュラーボーナス中フラグ、並びにRT1カウンタの値に基づいて、次のゲームで適用される遊技状態を示す遊技状態コマンドを生成して、演出制御基板102に送信する(ステップS518)。そして、払出処理を終了して、図18のフローチャートに復帰する。ここで図18のフローチャートに復帰した場合は、今回の1ゲームにおける処理が終了となる。
上記のように、ステップS516でRT1カウンタの値が0となると、RT1が終了して、通常の遊技状態に制御されることとなる。RT1においてビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに当選したときには、RT1からRT2に遊技状態が制御される。つまり、RT全体としてはビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに当選しただけでは終了されず、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの入賞を以て初めて終了させられる。通常の遊技状態からRT2に制御された場合であっても、RT2は、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの当選で開始されるものなので、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの当選でRTが終了するということはあり得ない。
以上のようなゲームの繰り返しにおいて、遊技制御基板101のCPU111は、通常の遊技状態、RT1、RT2、シングルボーナス、ビッグボーナス、レギュラーボーナスの間で遊技状態の移行を行っており、遊技の進行状況に応じてコマンドを演出制御基板102に送信している。これに対して、演出制御基板102のCPU121は、遊技制御基板101から受信したコマンドに基づいて、賭け数2推奨報知、及び9択(1)〜(9)当選報知を含む各種の演出の処理を行っている。以下、演出制御基板102側の制御により行われる演出の処理について説明する。
図22は、演出制御基板102のCPU121が実行する処理を示すフローチャートである。演出制御基板102側では、遊技制御基板101から送られてくるコマンドを受信したかどうかを判定している(ステップS601)。遊技制御基板101からいずれかのコマンドを受信すると、受信したコマンドの種類が何であるかを判定する(ステップS602)。
受信したコマンドの種類がステップS113またはS114で送信された電源投入コマンドであった場合には、該受信した電源投入コマンドが示す遊技状態と、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの当選状況とを液晶表示器4に表示して、遊技者に分かるように報知する(ステップS603)。そして、ステップS601の処理に戻る。
受信したコマンドの種類がステップS121で送信された初期化コマンドであった場合には、遊技制御基板101のRAM112が初期化されているので、演出制御基板102のRAM122も初期化する(ステップS604)。そして、ステップS601の処理に戻る。
受信したコマンドの種類がステップS315で送信された当選状況通知コマンドであった場合には、RAM122の2ゲーム分の当選状況の保存領域に保存されていた当選状況をシフトし(前回のゲームで受信した当選状況通知コマンドが示す当選状況は、追い出される)、今回のゲームで受信した当選状況通知コマンドが示す当選状況を保存する(ステップS605)。
次に、RAM122のRT2カウンタの値が0であるかどうかを判定する(ステップS606)。RT2カウンタの値が0でなければ、RAM122のRT2カウンタの値が規定ゲーム数よりも大きいかどうか、すなわち今回のゲームがビッグボーナスまたはレギュラーボーナスが終了してから既に規定ゲーム数(前回のビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの入賞によってステップS611でセット)を消化してしまっているどうかかを判定する(ステップS607)。
RAM122のRT2カウンタの値が規定ゲーム数以下である場合には、さらに受信した当選状況通知コマンドの示す当選状況を参照して、9択(1)〜(9)の何れかに当選しているかどうかを判定する(ステップS608)。9択(1)〜(9)の何れかに当選していれば、そのうちの当選しているものの種類を示す情報を液晶表示器4に表示して、遊技者に報知する(ステップS609)。そして、ステップS601の処理に戻る。RAM122のRT2カウンタの値が規定ゲーム数より大きい場合、若しくは9択(1)〜(9)の何れにも当選していない場合には、そのままステップS601の処理に戻る。
ステップS606でRT2カウンタの値が0であった場合、すなわち今回のゲームにおける遊技状態がRT2でなければ、RAM122に保存してある前回のゲームにおける当選状況と今回のゲームにおける当選状況とを参照して、今回のゲームにおいてビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに当選したかどうかを判定する(ステップS610)。今回のゲームにおいてビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに当選したのでなければ、そのままステップS601の処理に戻る。
今回のゲームにおいてビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに当選したのであれば、賭け数2の推奨と9択(1)〜(9)の当選を報知する規定ゲーム数として、基本の30ゲームと、後述するステップS614において保存した前回のビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの入賞時における報知残数とを加算した値をセットする(ステップS611)。そして、ステップS601の処理に戻る。
受信したコマンドの種類がステップS413で送信された入賞情報コマンドであった場合には、受信した入賞情報コマンドがビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに入賞した旨を示しているかどうかを判定する(ステップS612)。受信した入賞情報コマンドがビッグボーナスに入賞した旨もレギュラーボーナスに入賞した旨も示していなければ、そのままステップS601の処理に戻る。
受信した入賞情報コマンドがビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに入賞した旨を示していれば、RAM122のRT2カウンタの値が規定ゲーム数よりも大きいかどうかを判定する(ステップS613)。RT2カウンタの値が規定ゲーム数以下であれば、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの当選後、RT2で規定ゲーム数のゲームを消化するよりも前にビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに入賞したことになるので、現在の規定ゲーム数からRT2カウンタの値を減算した値を報知残数としてRAM122に保存する(ステップS614)。そして、ステップS601の処理に戻る。RT2カウンタの値が規定ゲーム数より大きければ、そのままステップS601の処理に戻る。
受信したコマンドの種類がステップS518で送信された遊技状態コマンドであった場合には、受信した遊技状態コマンドが示す遊技状態(すなわち、次のゲームで適用される遊技状態)がRT2であるかどうかを判定する(ステップS615)。受信した遊技状態コマンドが示す遊技状態がRT2でなければ、RAM122のRTカウンタの値を0に初期化する(ステップS616)。そして、ステップS601の処理に戻る。
受信した遊技状態コマンドが示す遊技状態がRT2である場合には、RAM122のRTカウンタの値を1だけ加算して、RT2に遊技状態が制御されてから次のゲーム数で何ゲーム目となるかをカウントする(ステップS617)。その加算の結果のRT2カウンタの値が規定ゲーム数より大きいかどうか、すなわちビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに終了してから既に規定ゲーム数以上のゲームを消化してしまったかどうかを判定する(ステップS618)。
RT2カウンタの値が規定ゲーム数以下であれば、さらにステップS605で保存した今回のゲームにおける当選状況を参照して、今回終了したゲームでリプレイ当選していたかどうかを判定する(ステップS619)。リプレイ当選していなければ、当然リプレイ入賞をしていることはなく、遊技者の操作で次のゲームの賭け数を設定することとなるので、賭け数を2として次のゲームを開始させることを推奨する情報を液晶表示器4に表示する(ステップS620)。そして、ステップS601の処理に戻る。
RT2カウンタの値が規定ゲームより大きい、すなわち次のゲームがビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに終了してからRT2で既に規定ゲーム数以上のゲームを消化してしまっている場合には、そのままステップS601の処理に戻る。リプレイ当選していた場合も、取りこぼしなくリプレイ入賞しており、遊技者の操作で次のゲームの賭け数を設定することはないので、そのままステップS601の処理に戻る。
また、受信したコマンドの種類が他のコマンドであった場合には、それぞれのコマンドの種類に応じた処理を実行する(ステップS621)。ここでの処理については、本発明と関係がないので、詳細な説明を省略する。その後、ステップS601の処理に戻る。
以上説明したように、この実施の形態にかかるスロットマシン1では、特別役としてビッグボーナスとレギュラーボーナスが設けられており、これらに入賞したときには、遊技者にとって有利な遊技状態であるビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに遊技状態が制御されるものとなる。ビッグボーナスが終了した後には、その後の485ゲームの間、遊技状態がRT1に制御される。また、1ゲーム限りで遊技者に有利な遊技状態となるシングルボーナスへ制御されるシングルボーナス(1)〜(3)も入賞役として設けられている。
ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスでは、遊技者は賭け数として3を設定することによってのみゲームを開始させることができるが、これ以外の遊技状態では、賭け数として3または2を選んでゲームを開始させることができる。ここで、通常の遊技状態またはRT1に制御されているゲーム(シングルボーナスに重ねて制御されている場合を含む)において、賭け数として3が設定されると、小役、リプレイ、及び小役である9択(1)〜(9)と同時に抽選対象となるシングルボーナス(1)〜(3)の他に、ビッグボーナス及びレギュラーボーナスの抽選も行われる。
これに対して、通常の遊技状態またはRT1に制御されているゲーム(シングルボーナスに重ねて制御されている場合を含む)であっても、賭け数として2が設定されたゲームでは、小役、リプレイ、及び小役である9択(1)〜(9)と同時に抽選対象となるシングルボーナス(1)〜(3)のみが抽選対象となっており、ビッグボーナスやレギュラーボーナスに当選することはない。また、通常の遊技状態またはRT1に制御されているゲーム(シングルボーナスに重ねて制御されている場合を含む)においてビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに当選すると、遊技状態がRT2に制御されるが、RT2におけるゲームで賭け数として2を設定しても、ビッグボーナスやレギュラーボーナスに入賞することがない。
ところで、ビッグボーナスの終了後の485ゲームで制御されるRT1と、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの当選後に制御されるRT2は、何れも通常の遊技状態よりも大幅にリプレイ当選確率が高くなるものであるが、ここで9択(1)〜(9)の何れかに当選していても停止ボタン12L、12C、12Rの適切な操作手順を遊技者が特定できずにランダムに操作されることを前提として計算すると、設定されていた賭け数が2であったとしてもRT1またはRT2におけるメダルの払出率の期待値は1を下回ってしまい、実際上は、必ずしも遊技者に有利な遊技状態(つまり、遊技者が手持ちのメダルを増加させることを期待できる遊技状態)とは言えない。
一方、9択(1)〜(9)の何れかに当選しているときには必ず停止ボタン12L、12C、12Rが9択(1)〜(9)のうちの当選しているものに入賞させるための手順で操作され、これらに必ず入賞することを前提として計算すると、RT1またはRT2におけるメダルの払出率は1を上回るものとなり、遊技者の技術介入が適切であることを条件として、遊技者に有利な遊技状態となる。
ここで、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに当選してRT2に遊技状態が制御されると、そこから規定ゲーム数を消化するまでの間は、9択(1)〜9択(9)の何れかに当選すると、その種類が液晶表示器4に表示されて遊技者に報知されるものとなる。この報知に応じて遊技者が停止ボタン12L、12C、12Rを9択(1)〜(9)のうちの当選しているものの種類に応じた手順で操作できれば、メダルの払出率が1を越えるものとすることができるので、RT2を遊技者にとって真に有利な遊技状態とすることができる。
もっとも、9択(1)〜9択(9)のうちの当選しているものの種類が報知されるといっても、この報知に応じて遊技者が停止ボタン12L、12C、12Rを適切な手順で操作できなければ、メダルの払出率が1を下回って遊技者の手持ちのメダルが減少してしまうこともあり得る。このようにRT2は、規定ゲーム数を消化するまでにおいて遊技者の技術介入で真に遊技者にとって有利な遊技状態とすることができるので、遊技における技術介入性が高まり、遊技の興趣を向上させることができるようになる。
また、RT2は、9択(1)〜(9)のうちの当選しているものの種類が報知されることで、遊技者の技術介入が可能となり、これを前提として遊技者にとって有利な遊技状態とすることができるが、9択(1)〜(9)のうちの当選しているものの種類が報知されなければ、遊技者の技術介入は実質的に不可能となり、遊技者にとって決して有利な遊技状態とは言えないものとなる。ここで、RT2には、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに入賞するまで制御されるものの、9択(1)〜(9)のうちの当選しているものの種類が報知されるゲーム数は規定ゲーム数に限られている。これにより、遊技者に何時までもRT2で遊技を行わせずに、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに入賞させて、新たな局面で遊技を進めるようにさせることができるものとなる。
また、ビッグボーナスの終了後には、通常の遊技状態よりもリプレイ当選確率の高くなるRTとしてRT1に制御されるが、ここでビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに当選すると、RT1と実質的な差のないRTとしてRT2に遊技状態が制御される。つまり、ビッグボーナスの終了によって制御されたRTは、新たなビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに当選するだけでは終了せずに、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに入賞するか、485ゲームを消化するまで継続するものと言うことができる。RT2は、遊技者の技術介入が適切である限りにおいてメダルの払出率の期待値が1を越える遊技状態であるため、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに当選しても、直ぐには入賞させずにRT2を継続させる方が、トータルで遊技者の得られる利益が大きくなる。
また、RT2において9択(1)〜(9)に当選しているときにその種類が報知されれば、メダルの払い出し数の期待値が賭け数の設定に用いるメダルの数を上回るので、遊技者にとって規定ゲーム数の消化まではRT2を終了させない方がよい。規定ゲーム数を消化するまでRT2を終了させないようにするためには、遊技者は、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに入賞させないように遊技を行う必要がある。このため、RT2における規定ゲーム数を消化するまでのゲームで遊技者が介入する余地をさらに高いものとすることができ、さらに遊技の興趣を向上させることができる。
もっとも、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの当選が持ち越されているRT2においては、規定ゲーム数を消化するまで9択(1)〜(9)に当選すればその種類が報知されるというだけでなく、賭け数を2として次のゲームを開始させることを推奨することも液晶表示器4にて報知される。遊技者は、この賭け数の推奨報知に従って賭け数として2を設定すれば、当該ゲームでビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに入賞することはない。
このため、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの当選が持ち越されているRT2においてビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの入賞を敢えて避けるという面倒な手順で停止ボタン12L、12C、12Rを操作しなくても、RT2を容易に継続させることができるようになる。また、9択(1)〜(9)以外で当選し得るスイカ、チェリー、リプレイ(シングルボーナス(1)〜(3)は、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの当選が持ち越されているので当選し得ない)は、当選していれば停止ボタン12L、12C、12Rの操作手順に関わらずに入賞し得る役なので、9択(1)〜(9)のうちで当選しているものの種類が報知されない限りは目押しが全く不要となり、ゲームを迅速に進めることができるようになる。
また、賭け数として2が設定されたゲームでも、内部抽選において小役及びリプレイに当選し得るものとなっているので、小役入賞よってメダルの払い出しを受けたり、リプレイ入賞によって次のゲームにおける賭け数の設定のためのメダルの消費を抑えることができるという利益を遊技者が得ることができるものとなる。一方、賭け数を2として次のゲームを開始させることを推奨することが報知されるのは、既にビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに当選していて新たにビッグボーナスやレギュラーボーナスに当選することのないRT2に制御されているときであるので、推奨されるままに賭け数として2を設定してゲームを開始したとしても、遊技者に不利益が生じることはない。
一方、RT1に遊技状態が制御されているときには、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに当選していないこととなるが、このときには、賭け数を2として次のゲームを開始させることを推奨することは報知されない。この場合に、遊技者が賭け数として3を設定して次のゲームを開始させれば、内部抽選において新たにビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに当選する可能性が生じるので、遊技者は、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスというメリットを得ることができる。
しかも、ビッグボーナス及びレギュラーボーナスのそれぞれの当選確率と、入賞後に制御された遊技状態で獲得できるメダルの枚数の期待値を考えると、賭け数を3とすることで賭け数を2としたときよりも1ゲーム当たりで1枚のメダルを余分に消費しても、遊技者がトータルで得られる利益は、賭け数として2を設定したときよりも大きくなる。RT1で賭け数を3として順次ゲームを進めているうちにビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに当選したならば、ここで賭け数を2に切り替えてRT2で規定ゲーム数を消化するまでゲームを行うことで、上記の賭け数2によるメリットが得られるようになる。
また、通常の遊技状態でビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに当選していないゲームでも、RT1と同様に賭け数を2とするよりも3とする方が、遊技者がトータルで得られる利益が大きくなる。RT2でも規定ゲーム数を消化した後は、9択(1)〜(9)の当選の際の報知がなく、実際上のメダルの払出率は1を下回ってしまうので、賭け数を2とするよりも、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの入賞の可能性が生じる3とする方が、遊技者がトータルで得られる利益が大きくなる。
このようにゲームを開始させるための賭け数として3を設定する場合と、2を設定する場合とに対して、それぞれにメリットが得られる場面が別々に生じることによって、ゲームを開始させるための賭け数として2と3の2種類を設定できる用にしたことによる遊技の面白味を増大させることができる。
また、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの当選によって制御されるRT2は、規定ゲーム数を消化するまでのゲームが遊技者の技術介入を前提として遊技者にとって真に有利な遊技状態となるが、RT2に遊技状態が制御されているときにはビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに当選しているということなので、遊技状態の制御の流れが、遊技者の技術介入を前提としてある程度遊技者に有利な遊技状態となるRT2から遊技者にとって非常に有利な遊技状態であるビッグボーナスまたはレギュラーボーナスという流れになる。このため、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに遊技状態が制御されるまでに、遊技者の期待感を徐々に高めさせていくことができ、遊技の興趣を向上させることができる。
一方、レギュラーボーナスの終了後は通常の遊技状態に制御され、ビッグボーナスの終了後はRT1に遊技状態が制御されるものとなっている。RT1は、リプレイ当選確率が高くなり、9択(1)〜(9)に当選したときに必ず入賞することを前提とすればメダルの払い出し数の方が賭け数の設定に用いるメダルの数よりも多くなるものの、実際には9択(1)〜(9)の当選が報知されることはないので、実際上は、遊技者にとって必ずしも有利な遊技状態ではない。
つまり、ビッグボーナスやレギュラーボーナスという遊技者にとって非常に有利な遊技状態が終了した後には、必ず、一旦有利な遊技状態の期間が途切れることとなる。このように遊技者に有利な遊技状態が継続する期間が一定の期間で必ず区切られることによって、射倖性が高くなりすぎてしまうことがない。また、規定ゲーム数を消化するまでのRT2の期間と、その後のビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの期間を1セットとして遊技者に有利な遊技状態の期間を区切ることができるため、遊技店の側でも、遊技者に有利な遊技状態として継続する期間を明確に区別することができ、出玉管理などが容易になる。
また、ゲームを開始させる際に賭け数として3を設定した方が有利な期間も、賭け数として2を設定した方が有利な期間も、1ゲームだけ単独で生じるものではなく、ある程度まとまった期間として生じるものとなっている。このため、ゲームを繰り返し行う上で、ゲーム毎に設定する賭け数を変更することに対して、遊技者にあまり煩わしさを感じさせないようにすることができる。
また、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの当選によって制御されるRT2において規定ゲーム数を消化するまでのゲームで、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに入賞させずにRT2を可能な限り継続させようとするために有利な賭け数は2であって、これ以外の場合において有利な賭け数である3よりも、賭け数の設定のために消費されるメダルの枚数を少なくすることができる。これにより、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに当選している状態でRT2を継続させようとするときに遊技者の得られる利益を大きくすることができる。
ところで、遊技者の技術介入があって初めてRT(RT1及びRT2)を遊技者にとって実際上も有利な遊技状態にさせるための9択(1)〜(9)は、通常の遊技状態及びRT1では、シングルボーナス(1)〜(3)の何れかと同時に抽選対象とされる役になっている。RT2において規定ゲーム数を消化するまでのゲーム以外は、9択(1)〜(9)のうちの当選しているものの種類が報知されず、遊技者が9択(1)〜(9)のうちの当選しているものに応じた手順で停止ボタン12L、12C、12Rを操作できるのは確率的に1/9でしか生じない。
もっとも、シングルボーナス(1)〜(3)の何れかに同時当選することで、9択(1)〜(9)と取りこぼしても、3分の1の確率では同時当選しているシングルボーナス(1)〜(3)に入賞させることができる。シングルボーナス(1)〜(3)に入賞すれば、次のゲームで提供されるシングルボーナスにおいて、スイカ及びチェリーの当選確率が若干高くなるので、9択(1)〜(9)の取りこぼしにより生じる遊技者の損失を軽減させることができる。
一方、通常の遊技状態でビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに当選している状態のRT2におけるゲームでは、規定ゲーム数を消化するまでは9択(1)〜(9)のうちで当選しているものの種類が報知されるが、9択(1)〜(9)よりも優先して導出されるシングルボーナス(1)〜(3)にまで同時に当選となることがない。このため、9択(1)〜(9)に入賞させるために、まずはシングルボーナス(1)〜(3)の入賞を避けるように停止ボタン12L、12C、12Rを操作するという面倒なことをしなくても、9択(1)〜(9)に入賞可能な手順で停止ボタン12L、12C、12Rを操作しさえすれば済むようになる。
さらに、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの当選を契機にRT2に制御されると、規定ゲーム数を消化するまで賭け数2の推奨と9択(1)〜(9)の当選が報知されるが、規定のゲーム数を30ゲームとしているが、万が一規定ゲーム数を消化する前にビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに入賞してしまっても、規定ゲーム数までの残りゲーム数は、次にビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに当選したときに制御されるRT2で賭け数2の推奨と9択(1)〜(9)の当選が報知されることとなる規定ゲーム数に加算される。これにより、規定ゲーム数を消化できずにRT2が終了してしまった場合の遊技者の救済が可能となる。
ところで、RT1及びRT2は、9択(1)〜(9)に当選すれば入賞させられることを前提として(つまり、9択(1)〜(9)を含む各役の当選確率に基づいて)算出されるメダルの払出率の期待値が1を越えることとなる遊技状態であり、9択(1)〜(9)の何れかに当選しているときにその種類を報知することで遊技者の技術介入が適切であれば実際上のメダルの払出率の期待値も1を越えることが期待できる遊技状態である。
一方、通常の遊技状態は、単にリプレイ当選確率がRT1またはRT2よりも低いというだけではなく、9択(1)〜(9)の何れかに当選していても当選しているものの種類が報知されることはない遊技状態である。このため、通常の遊技状態における実際のメダルの払出率は、9択(1)〜(9)を含む各役の当選確率に基づいて算出されるメダルの払出率の期待値よりも大幅に低くなる。このため、通常の遊技状態におけるゲームとRT2で規定ゲーム数を消化するまでのゲームとの間の遊技者にとっての有利度の差を、各々の遊技状態における各役の当選確率の差以上に生じさせて、遊技にメリハリを生じさせることができるようになる。
また、この実施の形態にかかるスロットマシン1においては、取付側部材510とコネクタカバー520とからなるコネクタ規制部材500を基板ケース200に取り付けることで、当該基板ケース200に収容された遊技制御基板の基板側コネクタ620aとケーブル側コネクタ610aとの抜脱が規制されるとともに、この状態で基板ケース200を取付ベース250に取り付けて固着部材255と封止片232とを固着することで、基板ケース200からのコネクタ規制部材500の取り外しが規制されることになり、基板ケース200の封止片232を破断して基板ケース200と筐体(取付ベース250)との固着を解除しなければ、基板側コネクタ620aからケーブル側コネクタ610aを抜脱できない状態となる。すなわち封止片232の破断という痕跡を残さなければケーブル側コネクタ610aを抜脱することができない状態となり、痕跡を残さずに打ち込み器具などの不正器具を接続することができなくなるため、不正が行われた可能性があることを確実に発見することができるようになる。
また、故障などにより遊技制御基板101を収容した基板ケース200ごと遊技制御基板101を交換する場合には、封止片232を破断して基板ケース200と筐体(取付ベース250)との固着を解除すれば、コネクタ規制部材500を基板ケース200から取り外してケーブル側コネクタ610aを基板側コネクタ620aから抜脱可能となるため、無駄にコネクタ規制部材500を破壊したり、基板ケース200を破壊して開封することなく基板側コネクタ620aからケーブル側コネクタ610aを分離させることができる。
また、コネクタ規制部材500を取付側部材510とコネクタカバー520とから構成し、取付側部材510を基板ケース200に取り付けた後、ケーブル側コネクタ610aを基板側コネクタ620aに接続し、その状態で基板側コネクタ620aの一部を上方から被覆するようにして取付側部材510に取り付けることによって、ケーブル側コネクタ610aの基板側コネクタ620aからの抜脱が不能化されるようになっており、ケーブル側コネクタ610aを基板側コネクタ620aに接続した後、基板側コネクタ620aの周辺に位置する取付側部材510の係止孔部513の係止孔513aにコネクタカバー520の係止筒522を嵌入し、コネクタカバー520を取付側部材510に取り付けるのみで、コネクタカバー520によりケーブル側コネクタ610aの一部が被服され、ケーブル側コネクタ610aの抜き方向への移動が規制されるので、ケーブル側コネクタ610aの基板側コネクタ620aに対する抜脱を規制するにあたり、その組み付け作業を軽減できる。
また、遊技制御基板101が基板ケース200に収容された状態であっても、そのままの状態でケーブル側コネクタ610aを基板側コネクタ620aに接続し、その後コネクタカバー520を取り付けるのみで良く、このような場合には、ケーブル側コネクタ610aの基板側コネクタ620aに対する抜脱を規制するにあたり、その組み付け作業を一層効果的に軽減できる。
また、コネクタカバー510は、ケーブル側コネクタ610aと基板側コネクタ620aとの接続部分全体を被覆するのではなく、ケーブル側コネクタ610aの抜き方向側の一部のみを被覆する構成であるため、ケーブル側コネクタ610aの基板側コネクタ620aに対する抜脱を確実に規制できるばかりでなく、コネクタカバー510の製造に必要な材料が少なく済む。
また、コネクタカバー520が取付側部材510に対して1カ所の係止筒522のみで取り付けられるが、コネクタカバー520の一方の側壁には、取付側部材510の基片510aの表面に当接するリブ521b、521bが形成されており、コネクタカバー520の移動が規制されるため、ケーブル側コネクタ610aの基板側コネクタ620aに対する抜脱を確実に規制することができる。
また、取付側部材510の基片510aから延設される両端部には、内向きの係止部511、511がそれぞれ形成されており、係止部511、511を外方に弾性変形させた状態で、基板ケース200に組み付けて基板ケース200の裏面に形成された係止溝514、514に係合させることで、取付部材510が基板ケース200に取り付けられるようになっているため、コネクタ規制部材500を基板ケース200に取り付けるにあたり、ネジやピンなどの他の部材を用いることなく取り付けることができるので、部品点数を削減できる。
また、コネクタ規制部材500を構成する取付側部材510を基板ケース200に取り付けた際に、取付側部材510の基片510a、上片510c、510cの基板ケース200に対する対向面が上部ケース203における段部203bの上面及び凹部203fの底面にそれぞれ当接するようになっており、コネクタ規制部材500と基板ケース200の表面との間に不正部品などが取り付けられることを効果的に防止することができる。
また、コネクタ規制部材500を構成する取付側部材510及びコネクタカバー520は、ともに透明な合成樹脂材にて構成されているため、基板ケース200内の視認性がコネクタ規制部材500により損なわれることがないので、遊技制御基板101の監視に支障をきたすことがない。また、コネクタ規制部材500と基板ケース200との隙間に不正部品が取り付けられた場合でも容易に発見することが可能となる。
また、遊技制御基板101と投入メダルセンサ44との間のコネクタ接続、すなわち遊技制御基板101の基板側コネクタ620aとケーブル600aのケーブル側コネクタ610aとの接続、ケーブル600aのケーブル側コネクタ611aと操作部中継基板107の基板側コネクタ621aとの接続、操作部中継基板107の基板側コネクタ622gとケーブル601gのケーブル側コネクタ612gとの接続についてこれらコネクタ同士の接続の解除を、コネクタ規制部材500及びコネクタ規制部材650によって規制するようになっている。これにより、遊技制御基板101と投入メダルセンサ44との間のいずれかのコネクタを不正な打ち込み器具等のコネクタに差し替えて接続し、遊技制御基板101の遊技制御部110にゲームの進行に関わる信号を不正に入出力させるといった不正行為を行うことが困難となるため、不正営業の実施等を効果的に防止できる。
また、遊技制御基板101と投入メダルセンサ44との間のコネクタ接続を解除するためには、基板ケース200の封止片232やコネクタカバー520の接続片522a、カバー部材680の接続片684aを破断しなければならず、これにより、遊技制御基板101と投入メダルセンサ44との間のコネクタ接続が1つでも解除されると、その痕跡が残るとともに、その痕跡を消すことはきわめて困難であるため、上記不正行為をより効果的に抑制することができる。
また、遊技制御基板101と投入メダルセンサ44との間に中継基板が1つのみであるが、複数の中継基板を経由する場合には、その間に存在するコネクタ接続全てについて抜脱を規制することが好ましく、このようにすることで遊技制御基板101と投入メダルセンサ44との間のいずれかのコネクタを不正な打ち込み器具等のコネクタに差し替えて接続し、遊技制御基板101の遊技制御部110にゲームの進行に関わる信号を不正に入出力させるといった不正行為を行うことが困難となるため、不正営業の実施等を効果的に防止できる。
また、ゲームの進行に応じて遊技制御基板101に対して信号を入力する第1の電子部品45、46、41、42L、42C、42R、44、3SL、3SC、3SR、81及びゲームの進行に応じて遊技制御基板101から信号が出力される第2の電子部品3ML、3MC、3MR、82のうち、投入メダルセンサ44と遊技制御基板101との間のコネクタ接続のみコネクタ規制部材を設けてコネクタ同士の接続の解除を規制している。すなわちその信号がなければ遊技を進行させることができない投入メダルセンサ44(投入メダルセンサ44からの信号が入力されなければ賭数を設定できずゲームを開始することが不可能となる)と遊技制御基板101との間のコネクタ接続のみコネクタ規制部材を設けてコネクタ同士の接続の解除を規制しており、他の電子部品と遊技制御基板101との間でコネクタ同士の接続を解除して打ち込み器具のコネクタに差し替えた場合でも、実質的に遊技を自動的にゲームを進行させることができなくなるため、最小限の規制で不正行為を防止することが可能となり、これらコネクタ同士の接続を解除するための部品点数を減らすことができる。
また、遊技制御部110とゲームの進行上必要な信号の入出力が行われる複数の電子部品とを接続する複数の信号線が、遊技制御基板101と操作部中継基板107との間では1本のケーブル600aで接続されているため、遊技制御基板101の基板側コネクタ610aとケーブル側コネクタ620aとのコネクタ接続、すなわち1カ所のコネクタ接続のみ接続の解除を規制することで、複数の信号線同士の接続の解除を規制することが可能となり、これらコネクタ接続の解除を規制するための部品を複数用意する必要がなく、これらの部品点数を削減できる。
遊技制御部110とゲームの進行上必要な信号の入出力が行われる複数の電子部品とを接続する複数の信号線が、複数のケーブルを介して接続される場合でも、基板側コネクタを近接する位置に配置するとともに、1つの部品でこれら複数の基板側コネクタと複数のケーブル側コネクタとの接続の解除を規制することで、これらコネクタ接続の解除を規制するための部品を複数用意する必要がなく、これらの部品点数を削減できる。
また、遊技制御基板101と操作部中継基板107とを接続するケーブル600aのケーブル側コネクタ611aと操作部中継基板107の基板側コネクタ621aとの接続の解除、操作部中継基板107と投入メダルセンサ44とを接続するケーブル601gのケーブル側コネクタ612gと操作部中継基板107の基板側コネクタ622gとの接続の解除が、1つのコネクタ規制部材650によって、同時に規制されるので、これら複数のコネクタ接続の解除を規制するための部品を複数用意する必要がなく、これらの部品点数を削減できる。
また、遊技制御部110のバックアップ電源が、遊技制御基板101からケーブル600a−操作部中継基板107−ケーブル601g−投入メダルセンサ44−ケーブル601g−操作部中継基板107−ケーブル600aを経由した後、遊技制御部110に供給されるようになっており、スロットマシン1に対する電力供給が遮断されている状態で、遊技制御基板101の基板側コネクタ620aとケーブル600aのケーブル側コネクタ610aとの接続、ケーブル600aのケーブル側コネクタ611aと操作部中継基板107の基板側コネクタ621aとの接続、操作部中継基板107の基板側コネクタ622gとケーブル601gのケーブル側コネクタ612gとの接続、のいずれかの接続を解除することで、バックアップ電源の供給ラインが切断され、遊技制御部110のRAM112のデータを保持できず、消失することとなる。すなわち遊技制御基板101と投入メダルセンサ44との間のコネクタ同士の接続が1カ所でも解除されると、遊技制御部110のRAM112に保持されているバックアップデータが消失するようになっている。
一方、打ち込み器具などの不正器具を接続するには、コネクタの抜き差しが必要となるが、打ち込み器具を使用し、不正に特別役の当選や遊技状態を設定しても、正規のコネクタと交換するためにコネクタの接続を解除することでRAM112のデータが初期化されてしまうので、打ち込み器具を使用して特別役が当選した状態や遊技者に有利な遊技状態に設定したスロットマシン1を、遊技店の営業開始時等において遊技客に提供するといった不正営業を防止することができる。
また、遊技制御部110の起動時に電断前の状態に復帰した場合には、CPU111が特別役の当選状況と遊技状態を示す電源投入コマンドを送信し、電源投入コマンドを演出制御部120が受信すると、特別役の当選状況及び遊技状態が液晶表示器4に表示されて報知される。
ここで、打ち込み器具などの不正器具を接続するには、一度電源を切る必要がある(電源を切らずにコネクタを外すと故障の原因となる)が、上記の構成により、無理矢理コネクタの接続を解除して打ち込み器具を使用し、不正に特別役の当選や遊技者に有利な遊技状態を設定しても、遊技制御部110を再起動させた際に、特別役に当選していることや有利な遊技状態に制御されていることが外部から容易に判別できてしまうので、打ち込み器具を使用して特別役が当選した状態や遊技者に有利な遊技状態に設定したスロットマシン1を、遊技店の営業開始時等において遊技客に提供するといった不正営業を効果的に抑止することができる。
本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形態様について説明する。
上記の実施の形態では、取付側部材510の係止部511、511を外方に弾性変形させた状態で、基板ケース200の裏面に形成された係止溝514、514に係合させることで、取付部材510が基板ケース200に取り付けられるとともに、取付側部材510が取り付けられた基板ケース200が取付ベース250(筐体)に対して取り外し不能に固定されると、取付側部材510の側片510d、510dが取付ベース250の側壁250b、250cの内面に当接し、狭持されて取付側部材510の両側片510d、510dの外方への変形が規制されるため、取付側部材510を基板ケース200から取り外すことが不可能となる構成となっていた。
これに対して、例えば、取付側部材の一部を基板ケース200の裏面でネジや取り外し可能な係止ピンで固定するとともに、基板ケース200を筐体(取付ベース)に取り外し不能に取り付けた際に、これらネジや係止ピンが隠蔽される構造とし、基板ケース200を筐体に対して取り付けることで、取付側部材の基板ケース200からの取り外しが規制される構成としてもよい。また、これ以外にも、取付側部材を基板ケース200に取り付けた状態で、基板ケース200を筐体に対して固着した後、取付側部材が基板ケース200から取り外せなくなる構成であれば、どのような構成を採っても良い。
上記の実施の形態では、コネクタカバー520は、取付側部材510に対して1カ所の係止筒522のみで取り付けられていた。この構成は、コネクタカバー520及び取付側部材510の構造を簡素化できるという点では好ましい。これに対して、コネクタカバー520に係止筒522を複数箇所設けるとともに、取付側部材510にもそれぞれ対応する箇所に係止孔513aを設け、コネクタカバー520を複数箇所で取付側部材510に対して取り付けるようにしてもよい。このようにすることで、ケーブル側コネクタ610aの基板側コネクタ620aに対する抜脱をより強固に規制することができる。さらに、この場合には、ケーブル側コネクタ610aと基板側コネクタ620aとの接続部分を跨ぐ複数箇所でコネクタカバー520を複数箇所で取付側部材510に対して取り付けることが好ましく、このようにすれば、ケーブル側コネクタ610aの基板側コネクタ620aに対する抜脱を更に強固に規制することができる。
上記の実施の形態では、投入メダルセンサ44と遊技制御基板101との間のコネクタ接続のみコネクタ規制部材を設けてコネクタ同士の接続の解除を規制していた。これに対して、スタートスイッチ41と遊技制御基板101との間のコネクタ接続のみコネクタ規制部材を設けてコネクタ同士の接続の解除を規制するようにしてもよい。また、リールの回転開始後、リールの停止操作がなされるまでリールが停止する構成でないものであれば、ストップスイッチ42L、42C、42Rのいずれかと遊技制御基板101との間のコネクタ接続のみコネクタ規制部材を設けてコネクタ同士の接続の解除を規制するようにしてもよい。これらの場合も、上記した実施の形態と同様の効果が得られる。
上記の実施の形態では、バックアップ電源が、遊技制御基板101から投入メダルセンサ44を経由して再度遊技制御基板101に戻り、遊技制御部110に対して供給されることで、この間のコネクタ接続が解除された場合にRAM112のデータが消失するようになっていた。これに対して、ゲームの進行上必ず必要な信号の入出力がなされる電子部品(例えば、スタートスイッチ41や、リールの回転開始後、リールの停止操作がなされるまでリールが停止する構成でないものにおけるストップスイッチ42L、42C、42Rなど)を経由するものであっても、上記の実施の形態と同様の効果が得られる。
また、バックアップ電源を蓄積するコンデンサや電池などを、ゲームの進行上必ず必要な信号の入出力がなされる電子部品の取付基板やこれら電子部品の中継基板(操作部中継基板107など)に搭載し、これら取付基板や中継基板に搭載されたコンデンサや電池などからのバックアップ電源の供給ラインが、電子部品の信号線とともにケーブルを介して遊技制御基板に接続され、遊技制御部110に対して供給されるようにしてもよい。この場合でも、これら取付基板や中継基板と遊技制御基板101との間のコネクタ接続が解除された場合にRAM112のデータが消失することとなるため、上記と同様の効果を得られるうえに、遊技制御基板101には取付基板や中継基板に搭載されたコンデンサや電池などからケーブルを介してバックアップ電源が供給されることとなるため、ケーブルを抜いた際に遊技制御部110に対してバックアップ電源を供給し続けるためには、基板間を跨いでバックアップ電源の供給ラインを短絡させる必要があり、バックアップ電源を供給し続けた状態でコネクタ接続を解除することが非常に困難となるため、打ち込み器具の接続を効果的に防止することができる。
また、例えば、停電時においても常に特定の信号を出力する信号出力回路を搭載するとともに、停電時においても常に特定の信号を検出するとともに、特定の信号の検出が途切れた場合には、その旨を記憶する信号監視回路を遊技制御基板101に搭載し、この特定の信号の出力経路が遊技制御基板101からゲームの進行上必ず必要な信号の入出力がなされる電子部品を経由して遊技制御基板101に戻り、信号監視回路に入力される構成とし、遊技制御部110が起動時に、信号監視回路に特定の信号の検出が途切れた旨が記憶されているか否かを確認し、特定の信号の検出が途切れた旨が記憶されている場合に、前述した初期化1を実行し、RAM112に記憶されているデータをクリアするようにしてもよい。このようにした場合でも、打ち込み器具を使用して特別役が当選した状態に設定したスロットマシン1を、遊技店の営業開始時等において遊技客に提供するといった不正営業を防止することができる。
上記の実施の形態では、遊技制御部110の起動時に電断前の状態に復帰した場合には、CPU111が電源投入コマンドを送信し、電源投入コマンドを演出制御部120が受信することで、特別役の当選状況及び遊技状態が液晶表示器4にて報知されるようになっていた。これに対して、遊技制御部110の起動時に電断前の状態に復帰した場合に、遊技制御部110が直接制御するクレジット表示器52、遊技補助表示器12、ペイアウト表示器53にて特別役の当選の有無や遊技状態報知するようにしても、上記の実施の形態と同様の効果が得られる。また、遊技制御部110が直接制御する電子部品として特別役の当選や遊技状態を報知する告知LEDを設け、遊技制御部110の起動時に電断前の状態に復帰した場合に、告知LEDを用いて特別役の当選状況や遊技状態を報知するようにしても良い。
上記の実施の形態では、通常の遊技状態またはRT1(シングルボーナスに重ねて制御されている場合を含む)において、9択(1)〜(9)は、それぞれシングルボーナス(1)〜(3)の何れかと一緒に抽選対象役となっていたが、9択(1)〜(9)の何れかとシングルボーナス(1)〜(3)の何れかが同時に抽選対象となる場合と、9択(1)〜(9)のそれぞれが単独で抽選対象となる場合の両方が含まれていてもよい。
上記の実施の形態では、通常の遊技状態よりもリプレイ当選確率を高くするRTとして、ビッグボーナスの終了後に制御されるRT1と、通常遊技状態においてビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに当選したときに制御されるRT2とがあったが、これらのRTのうちの何れか一方のみを適用したスロットマシンを構成することもできる。また、RT1の含まれるものとしては、RT1の開始条件もビッグボーナスの終了に限るものではなく、レギュラーボーナスの終了としても、通常の遊技状態でビッグボーナスまたはレギュラーボーナス以外の所定のRT図柄(入賞表示結果であってもなくてもよい)が導出されたこととしてもよい。
通常の遊技状態よりもリプレイ当選確率を高くするRTとして、上記の実施の形態におけるRT2のみが適用されるスロットマシンでは、図16(b)の遊技状態/賭け数別当選役テーブルにおいて、RT1における各抽選対象役の判定値数を登録しておく必要がない。また、図19の抽選処理において、ステップS312、S313の処理を実行する必要がなく、ステップS311でRT2中フラグを設定した後に、そのままステップS314の処理に進むものとすればよい。
また、図20の入賞判定処理におけるステップS408とS410で、RT1カウンタの値を0に初期化するという処理が必要ない。さらに、図21の払出処理において、ステップS515、S516の処理を実行する必要がなく、ステップS512でシングルボーナス中フラグが設定されていないと判定された場合、ステップS513でシングルボーナス(1)〜(3)の何れかに入賞していると判定された場合、及びステップS514でシングルボーナス中フラグを消去した後に、そのままステップS517の処理に進むものとすればよい。
一方、通常の遊技状態よりもリプレイ当選確率を高くするRTとして、上記の実施の形態におけるRT1のみが適用されるスロットマシンでは、RT1においてビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに当選しても、そのままビッグボーナスの終了から485ゲームを消化するまでRT1に遊技状態が制御されることとなる。そして、賭け数2としてゲームを解消することを推奨する報知と、9択(1)〜(9)の何れかに当選していた場合の種類の報知は、遊技状態がRT1に制御され、且つビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの当選が持ち越されている場合に行うものとすることができる。
図23は、この変形例における遊技状態/賭け数別当選役テーブルの例を示す図である。この遊技状態/賭け数別当選役テーブルは、図16(b)のものに対してRT2における各抽選対象役の判定値数を除いたものであるが、この変形例では、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに当選してもRT2に遊技状態が制御されないため、通常の遊技状態またはRT1のゲームでも、前回以前のゲームからビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの当選が持ち越されている場合がある。
そこで、通常の遊技状態、RT1においては、賭け数に応じて各抽選対象役の判定値数が内部抽選において取得されることとなるが、前回以前のゲームからビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの当選が持ち越されている場合には、賭け数を3に設定してもビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに重ねて当選することはなく、9択(1)〜(9)の何れかと同時に、シングルボーナス(1)〜(3)の何れかに当選することはないものとなっている。
図24は、この変形例で、ステップS3において遊技制御基板101のCPU111が実行する抽選処理を詳細に示すフローチャートである。ステップS301〜S309までの処理、及びステップS315の処理は、図19に示した上記の実施の形態におけるステップS301〜S309、S315の処理と同じである。
ステップS308においてオーバーフローが生じた場合には、前回のゲーム以前にRAM112に設定されたレギュラーボーナス当選フラグまたはビッグボーナス当選フラグが持ち越されているかどうかを判定する(ステップS321)。レギュラーボーナス当選フラグもビッグボーナス当選フラグも持ち越されていなければ、そのままステップS325の処理に進む。
レギュラーボーナス当選フラグまたはビッグボーナス当選フラグが持ち越されている場合には、抽選対象役がシングルボーナス(1)+9択(4)、シングルボーナス(1)+9択(5)、シングルボーナス(1)+9択(6)、シングルボーナス(2)+9択(7)、シングルボーナス(2)+9択(8)、シングルボーナス(2)+9択(9)、シングルボーナス(3)+9択(1)、シングルボーナス(3)+9択(2)、シングルボーナス(3)+9択(3)の何れかであるかどうかを判定する(ステップS322)。
抽選対象役がシングルボーナス(1)+9択(4)、シングルボーナス(1)+9択(5)、シングルボーナス(1)+9択(6)、シングルボーナス(2)+9択(7)、シングルボーナス(2)+9択(8)、シングルボーナス(2)+9択(9)、シングルボーナス(3)+9択(1)、シングルボーナス(3)+9択(2)、シングルボーナス(3)+9択(3)の何れかであれば、抽選対象役に応じて9択(1)〜(9)の何れかの当選フラグを設定する(ステップS323)。そして、ステップS315の処理に進む。
抽選対象役がシングルボーナス(1)+9択(4)、シングルボーナス(1)+9択(5)、シングルボーナス(1)+9択(6)、シングルボーナス(2)+9択(7)、シングルボーナス(2)+9択(8)、シングルボーナス(2)+9択(9)、シングルボーナス(3)+9択(1)、シングルボーナス(3)+9択(2)、シングルボーナス(3)+9択(3)の何れでもなければ、抽選対象役がビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの何れかであるかどうかを判定する(ステップS324)。
抽選対象役がビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの何れかであれば、今回のゲームでは何の役の当選フラグも設定することなく、そのままステップS315の処理に進む。抽選対象役がビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの何れかであれば、ステップS325の処理に進む。
ステップS325では、抽選対象役の当選フラグをRAM112に設定する。ここで、抽選対象役がビッグボーナス及びレギュラーボーナスのいずれでもなく、既にレギュラーボーナス当選フラグまたはビッグボーナス当選フラグのいずれかが設定されていれば、既に設定されているレギュラーボーナス当選フラグまたはビッグボーナス当選フラグに重ねて、今回の抽選対象役の当選フラグを設定する。そして、ステップS315の処理に進む。
また、この変形例における入賞判定処理では、図20のステップS408とS410で、RT2中フラグを消去するという処理が必要ない。また、後述するように演出制御基板102のCPU121が入賞情報コマンドに基づいた処理を行わないため、入賞情報コマンドを生成/送信するというステップS413の処理を行う必要がない。この変形例における払出処理は、図21に示した上記の実施の形態におけるものと同じである。
図25は、上記の実施の形態のRT1のみがRT1として適用される変形例において演出制御基板102のCPU121が実行する処理を示すフローチャートである。ステップS601〜S604までの処理、及びステップS621の処理は、図22に示した上記の実施の形態におけるステップS601〜S604、S621の処理と同じである。但し、遊技制御基板101から入賞情報コマンドも送信されてくる場合には、受信したコマンドの種類が入賞情報コマンドであった場合にも、その他の種類のコマンドを受信したものとして処理が行われることとなる。
ステップS602で受信したコマンドの種類が当選状況通知コマンドであったと判定された場合には、当該当選状況通知コマンドが示す当選状況をRAM122の所定の領域に保存する(ステップS631)。なお、この変形例では、上記の実施の形態におけるステップS605のように、2ゲーム分の当選状況をRAM122に保存しておくということは必要なく、最新の当選状況のみをRAM122に保存しておくだけでよい。
次に、後述するステップS635でRAM122に保存した遊技状態とステップS611でRAM122に保存した当選状況とを参照して、今回のゲームにおける遊技状態がRT1であって、且つビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに当選していてる(前回以前のゲームからの持ち越しを含む)かどうかを判定する(ステップS632)。今回のゲームの遊技状態がRT1でないか、RT1であってもビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに当選していないときには、そのままステップS601の処理に戻る。
今回のゲームにおける遊技状態がRT1であって、且つビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに当選していてる場合には、さらに受信した当選状況通知コマンドの示す当選状況を参照して、9択(1)〜(9)の何れかに当選しているかどうかを判定する(ステップS633)。9択(1)〜(9)の何れかに当選していれば、そのうちの当選しているものの種類を示す情報を液晶表示器4に表示して、遊技者に報知する(ステップS634)。そして、ステップS601の処理に戻る。9択(1)〜(9)の何れにも当選していない場合には、そのままステップS601の処理に戻る。
また、ステップS602で受信したコマンドの種類が遊技状態コマンドであったと判定された場合には、当該遊技状態コマンドが示す遊技状態(すなわち、次のゲームで適用される遊技状態)をRAM122の所定の領域に保存する(ステップS635)。
次に、ステップS635でRAM122に保存した遊技状態とステップS611でRAM122に保存した当選状況とを参照して、次に開始されるゲームにおける遊技状態がRT1であって、且つビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの当選が次のゲームに持ち越されるかどうかを判定する(ステップS636)。次に開始されるゲームの遊技状態がRT1でないか、RT1であってもビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの当選が持ち越されないときには、そのままステップS601の処理に戻る。
次に開始されるゲームにおける遊技状態がRT1であって、且つビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの当選が次のゲームに持ち越される場合には、さらにステップS631で保存した当選状況を参照して、今回終了したゲームでリプレイ当選していたかどうかを判定する(ステップS637)。
リプレイ当選していなければ、当然リプレイ入賞をしていることはなく、遊技者の操作で次のゲームの賭け数を設定することとなるので、賭け数を2として次のゲームを開始させることを推奨する情報を液晶表示器4に表示する(ステップS638)。そして、ステップS601の処理に戻る。リプレイ当選していた場合も、取りこぼしなくリプレイ入賞しており、遊技者の操作で次のゲームの賭け数を設定することはないので、そのままステップS601の処理に戻る。
以上のように、この変形例では、ビッグボーナスの終了後に制御されるRT1は、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに当選しただけでは終了せず、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに入賞しない限り485ゲームの間だけ継続する。RT1は、遊技者の技術介入が適切である限りにおいてメダルの払出率の期待値が1を越える遊技状態であるため、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに当選しても、直ぐには入賞させずに可能な限りRT1を継続させる方が、トータルで遊技者の得られる利益が大きくなる。
ここで、RT1においてビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに当選しているときには、9択(1)〜(9)に当選すればその種類が報知されるというだけでなく、賭け数を2として次のゲームを開始させることを推奨することも液晶表示器4にて報知される。遊技者は、この賭け数の推奨報知に従って賭け数として2を設定すれば、当該ゲームでビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに入賞することはない。
このため、RT1においてビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに当選しているときにビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの入賞を敢えて避けるという面倒な手順で停止ボタン12L、12C、12Rを操作しなくても、RT1を容易に継続させることができるようになる。また、9択(1)〜(9)以外で当選し得るスイカ、チェリー、リプレイ(シングルボーナス(1)〜(3)は、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの当選が持ち越されているので当選し得ない)は、当選していれば停止ボタン12L、12C、12Rの操作手順に関わらずに入賞し得る役なので、9択(1)〜(9)のうちで当選しているものの種類が報知されない限りは目押しが全く不要となり、ゲームを迅速に進めることができるようになる。
また、賭け数を2として次のゲームを開始させることを推奨することが報知されるのは、既にビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに当選している場合で、新たにビッグボーナスやレギュラーボーナスに当選することのない場合であるので、推奨されるままに賭け数として2を設定してゲームを開始したとしても、遊技者に不利益が生じることはない。一方、RT1に遊技状態が制御されていてもビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに当選していないときには、賭け数を2として次のゲームを開始させることを推奨することは報知されない。この場合に、遊技者が賭け数として3を設定して次のゲームを開始させれば、内部抽選において新たにビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに当選する可能性が生じるので、遊技者は、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスというメリットを得ることができる。
しかも、ビッグボーナス及びレギュラーボーナスのそれぞれの当選確率と、入賞後に制御された遊技状態で獲得できるメダルの枚数の期待値を考えると、賭け数を3とすることで賭け数を2としたときよりも1ゲーム当たりで1枚のメダルを余分に消費しても、遊技者がトータルで得られる利益は、賭け数として2を設定したときよりも大きくなる。RT1で賭け数を3として順次ゲームを進めているうちにビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに当選したならば、ここで賭け数を2に切り替えてRT1の残りのゲームを進めることで、上記の賭け数2によるメリットが得られるようになる。
また、RT1でビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに当選しているゲームでは、9択(1)〜(9)のうちで当選しているものの種類が報知されるが、既にビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに当選しているため、9択(1)〜(9)よりも優先して導出されるシングルボーナス(1)〜(3)にまで同時に当選となることがない。このため、9択(1)〜(9)に入賞させるために、まずはシングルボーナス(1)〜(3)の入賞を避けるように停止ボタン12L、12C、12Rを操作するという面倒なことをしなくても、9択(1)〜(9)に入賞可能な手順で停止ボタン12L、12C、12Rを操作しさえすれば済むようになる。
さらに、賭け数を2としてゲームを開始させることを推奨する報知と、9択(1)〜(9)の何れかに当選していた場合におけるその種類の報知は、RT1のうちでもビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの当選が持ち越されているときにだけ行われるので、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに当選する時期によって遊技者がRT1で得られる利益が変わってくる。このため、RT1においてビッグボーナスまたはレギュラーボーナスにいかに早く当選するかにも遊技者を注目させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、この変形例においては、RT1でビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの当選が持ち越されていない場合に、賭け数を2としてゲームを開始させることを推奨する報知は行わないが、9択(1)〜(9)の何れかに当選していた場合にその種類の報知は行うものとすることもできる。この場合、報知された情報に従って遊技者が適切に停止ボタン12L、12C、12Rを操作し、9択(1)〜(9)を取りこぼしなく入賞させられるものと仮定すれば、実際上のメダルの払出率も1を上回るものとさせることができる。
これにより、RT1では、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの当選が持ち越されていない場合であっても、賭け数3を設定することでビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの当選の機会を得るという利益だけではなく、実際上のメダルの払出率でも遊技者が利益を得られるようにすることができる。また、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの当選が持ち越されているか否かに関わらずに、遊技者にとって有利な遊技状態であるはずのRT1では、通常の遊技状態との間で実際上のメダルの払出率にも大きな差を生じさせることができる。
また、この変形例においても、RT1は、遊技者の技術介入によりメダルの払い出し数の期待値が賭け数の設定に用いるメダルの数を上回る遊技状態となっていたが、各役の当選確率及び小役に当選したときの払い出しメダル枚数の設定によって遊技者の技術介入がなくてもメダルの払い出し数の期待値が賭け数の設定に用いるメダルの数を上回る遊技状態としてもよい。そして、賭け数を2としてゲームを開始させることを推奨する報知や、9択(1)〜(9)の何れかに当選していた場合におけるその種類の報知を行うことで、遊技者の技術介入によりさらにメダルの払い出し数の期待値が高くなるものとしてもよい。
さらに、この変形例においては、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに当選した後、遊技状態がRT1にある間は、リプレイ入賞した次のゲームを除いて常に賭け数を2としてゲームを開始させることを推奨する報知が行われ、9択(1)〜(9)の何れかに当選した場合にその種類の報知が行われるものとしていた。もっとも、RT1においてビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに当選した後、賭け数を2としてゲームを開始させることを推奨する報知と、9択(1)〜(9)の何れかに当選していた場合におけるその種類の報知が行われるゲーム数を所定ゲーム数に限るものとしてもよい。
この場合において、RT1においてビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに当選した後、所定ゲーム数を消化する前にビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに入賞してしまった場合には、所定ゲーム数までの残りゲーム数を、次のRT1でビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに当選した後に賭け数2を推奨する報知と9択(1)〜(9)の当選の報知を行うゲーム数に付加するものとしてもよい。
上記の実施の形態では、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの当選が持ち越されているRT2では、規定ゲーム数を消化するまで、賭け数を2としてゲームを開始させることを推奨する報知と、9択(1)〜(9)の何れかに当選していた場合にその種類の報知とが行われるものとなっていた。遊技状態がRT2に制御されているときは、必ずビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの当選が持ち越されている状態となっていたが、遊技状態がRT1に制御されているときには、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの当選が持ち越されていない。
ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの当選が持ち越されていないRT1では、賭け数を2としてゲームを開始させることを推奨する報知が行われないので賭け数を3としてゲームを開始させ、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの当選の機会を得ることができる。しかし、9択(1)〜(9)の何れかに当選していてもその種類が報知されないので、確率的に9択(1)〜(9)の当選時に9分の1の割合でしかこれに入賞させることができず、同時当選するシングルボーナス(1)〜(3)にも3分の1の割合でしか入賞させることができないものとなってしまうので、実際上のメダルの払出率(払い出しメダル数/賭け数の設定に用いるメダル数)が1を下回ってしまうこととなる。
そこで、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの当選が持ち越されていないRT1において、賭け数を2としてゲームを開始させることを推奨する報知は行わないが、9択(1)〜(9)の何れかに当選していた場合にその種類の報知は行うものとすることもできる。この場合、報知された情報に従って遊技者が適切に停止ボタン12L、12C、12Rを操作し、9択(1)〜(9)を取りこぼしなく入賞させられるものと仮定すれば、RT1において実際上のメダルの払出率も1を上回るものとさせることができる。
これにより、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの当選が持ち越されていないRT1では、賭け数3を設定することでビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの当選の機会を得るという利益だけではなく、実際上のメダルの払出率でも遊技者が利益を得られるようにすることができる。また、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの当選が持ち越されているか否かに関わらずに、遊技者にとって有利な遊技状態であるはずのRT1では、通常の遊技状態との間で実際上のメダルの払出率にも大きな差を生じさせることができる。
上記の実施の形態では、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの当選により制御されるRT2で規定ゲーム数を消化するまでのゲームにおいて、賭け数を2としてゲームを開始させることを推奨する報知を行うものとしていた。もっとも、通常の遊技状態及びRT1、並びにRT2で規定ゲーム数を消化した以後に、賭け数を3としてゲームを開始させることを推奨する報知(賭け数が3に制限されるレギュラーボーナスでは、賭け数を3としてのみゲームを開始させることができる旨の報知としてもよい)を行うものとしてもよい。
この場合、賭け数を3としてゲームを開始させることを推奨する報知(または賭け数を3としてのみゲームを開始させることができる旨の報知)が行われなかった、つまり推奨する賭け数の報知が行われていないということは、裏を返せば、賭け数を2としてゲームを開始させることが推奨されていることであり、ゲームの終了時に液晶表示器4にて何も表示されないことが、賭け数を2としてゲームを開始させることを推奨する報知を行っているものとなる。なお、何れのゲームに対しても、当該ゲームにおける状況に応じて推奨する賭け数(3または2)を報知するものとしてもよい。
上記の実施の形態では、RT1または通常の遊技状態においては、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに当選するだけでRT2に遊技状態が制御されるものとなっていたが、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスと同時に所定の役(小役またはリプレイであって、単独では抽選対象役とならないものが好ましい)に当選するようにし、この所定の役に入賞したことを契機としてRT2に遊技状態を制御するものとしてもよい。例えば、所定の役として上記の実施の形態におけるリプレイとは別の種類の取りこぼしのない特殊リプレイを適用し、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスには特殊リプレイと同時にしか当選しないものとしてもよい。
また、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの取りこぼしで所定のリーチ目(これらの役に当選している場合以外は導出され得ない)またはチャンス目(これらの役に当選している場合に導出され得るとともに、他の当選状況でも導出され得る)が導出されたことを契機として、RT2に制御されるものとしてもよい。これらの場合、実際にRT2に制御する契機は所定の役の入賞やリーチ目の導出としているが、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに当選したゲームで生じる事象であるので、広義にはビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの当選でRT2に遊技状態を制御するものとも言うことができる。
上記の実施の形態では、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに内部抽選で当選することも、その当選に基づいて入賞することも、賭け数として3を設定したゲームであることを条件として可能になるものとしており、賭け数として2を設定したゲームでは、ビッグボーナスやレギュラーボーナスには当選も入賞も不可能なものとしていた。これに対して、賭け数として2を設定したゲームで、ビッグボーナスやレギュラーボーナスに当選可能なものとするが、この当選に基づいて入賞することが不可能なようにリール3L、3C、3Rの停止を制御するものとしてもよい。
この場合、何れにしても賭け数として2を設定したときにはビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに入賞することはないので、通常の遊技状態またはRT1でビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに当選していないときにも賭け数を2としてゲームを開始させることが遊技者にとって有利なものという点を除いては、上記の実施の形態と同じ効果を得ることができるものとなる。
上記の実施の形態では、レギュラーボーナス(ビッグボーナス中に提供された場合を含む)以外の遊技状態においては、リプレイ入賞後のゲームを除き遊技者の選択により賭け数として3または2を設定することでゲームを開始させることができた。もっとも、遊技者の選択により賭け数として1を設定することでゲームを開始させることができるようにしてもよい。賭け数として3または1、若しくは2または1を設定してゲームを開始させることができるようにしたり、1〜3の範囲で任意の賭け数を設定してゲームを開始させることができるようにしてもよい。
賭け数として3または1、若しくは2または1を設定してゲームを開始させることができるものとする場合、賭け数として1を設定する場合を上記の実施の形態における賭け数2を設定する場合に対応させ、賭け数として3または2を設定する場合を上記の実施の形態における賭け数3を設定する場合に対応させるものとすればよい。
また、1〜3の範囲で任意の賭け数を設定可能とする場合、賭け数3ではビッグボーナス及びレギュラーボーナスの抽選を行うが、賭け数2または1ではビッグボーナス及びレギュラーボーナスの抽選を行わず、賭け数3のゲームでのビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの当選が持ち越されていても、これらに入賞させないものとすることができる。或いは、賭け数3または2ではビッグボーナス及びレギュラーボーナスの抽選を行うが、賭け数1ではビッグボーナス及びレギュラーボーナスの抽選を行わず、賭け数3または2のゲームでのビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの当選が持ち越されていても、これらに入賞させないものとすることができる。
さらに、レギュラーボーナス(ビッグボーナス中に提供されたものを含む)においてゲームを開始させるために設定できる賭け数も、1〜3の範囲で任意の数を適用することができる。この場合、賭け数として2が設定されたときには、賭け数として3が設定されたときよりも内部抽選の当選確率を低下させ、賭け数として1が設定されたときには、賭け数として2が設定されたときよりもさらに内部抽選の当選確率を低下させるものとすることができる。また、賭け数として2が設定されたときには、賭け数として3が設定されたときよりも小役に入賞したときの払い出しメダル枚数を低下させ、賭け数として1が設定されたときには、賭け数として2が設定されたときよりもさらに小役に入賞したときの払い出しメダル枚数を低下させるものとすることができる。
上記の実施の形態では、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに当選してから規定ゲーム数のゲームを消化するまでにビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに入賞したときに、規定ゲーム数までの残りゲーム数が報知残数として設定され、次回にビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに当選したときに制御されるRT2で賭け数2の推奨の報知と9択(1)〜(9)の当選の報知が行われる規定ゲーム数に加算されるものとなっていた。もっとも、規定ゲーム数に加算されるゲーム数に制限は設けられてなく、例えば、RT2に制御されてからの消化ゲーム数が少ないうちにビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに入賞することが続くと、新たにセットされる規定ゲーム数が無限に大きくなってしまうこともあった。
これに対して、賭け数2の推奨の報知と9択(1)〜(9)の当選の報知が行われる規定ゲーム数に加算される報知残数には、一定の制限を設けるものとしてもよい。例えば、ステップS613ではRT2カウンタの値が規定ゲーム数の基本ゲーム数である30よりも大きいかどうかを判断し、30以下である場合には、ステップS614において30からRT2カウンタの値を減算した値を報知残数として設定するものとしてもよい。
或いは、何時のビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの入賞で設定された報知残数で規定ゲーム数が加算されたか否かに関わらず、一定のゲーム数までが新たなビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの当選時に報知算数として設定されるものとしてもよい。例えば、ステップS613ではRT2カウンタの値が規定ゲーム数の基本ゲーム数の2倍である60よりも大きいかどうかを判断し、60以下である場合には、ステップS614において60からRT2カウンタの値を減算した値を報知残数として設定するものとしてもよい。
このように、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに入賞したときの規定ゲーム数を無制限に次にビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに当選したときにセットされる規定ゲーム数へ持ち越すものとせず、持ち越されるゲーム数に制限を設けることで、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの入賞を設定する賭け数の選択により、或いは停止ボタン12L、12C、12Rの操作手順により回避するという遊技者の技術介入を担保することができる。
上記の実施の形態では、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの当選で遊技状態がRT2に制御されてから規定ゲーム数(基本ゲーム数に前回のビッグボーナスまたはレギュラーボーナス入賞時の報知残数を加算したゲーム数)を消化するまで、賭け数2の推奨の報知と9択(1)〜(9)の当選の報知を行うものとしていた。しかしながら、賭け数2の推奨の報知と9択(1)〜(9)の当選の報知を行うゲーム数は、必ずしもこのように決められるものに限らない。
例えば、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに当選したときに乱数抽選を行って、賭け数2の推奨の報知と9択(1)〜(9)の当選の報知を行うゲーム数を決定するものとしてもよい。乱数抽選によって決定されたゲーム数に前回のビッグボーナスまたは入賞時のゲーム数を加算するものとしてもよい。また、ビッグボーナスに当選したのかレギュラーボーナスに当選したのかに応じて異なるゲーム数を決定するものとしてもよい。RT1においてビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに当選したときには、RT1の消化ゲーム数(或いは残りゲーム数)に応じて賭け数2の推奨の報知と9択(1)〜(9)の当選の報知を行うゲーム数を決定するものとしてもよい。
また、内部抽選においてビッグボーナスまたはレギュラーボーナスと所定の小役またはリプレイに1ゲームで同時に当選するものとした場合には、賭け数2の推奨の報知と9択(1)〜(9)の当選の報知を行うゲーム数は、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスと同時に当選した役の種類に応じて決定するものとしてもよい。例えば、リプレイと同時に当選した場合には50ゲーム、チェリーと同時に当選した場合には30ゲーム、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに単独で当選した場合には15ゲームと決定するものとしてもよい。
さらに、消化ゲーム数が決定されたゲーム数に達するまで賭け数2の推奨の報知と9択(1)〜(9)の当選の報知を行うのではなく、9択(1)〜(9)の当選を報知したゲーム数が決定されたゲーム数に達するまで賭け数2の推奨の報知と9択(1)〜(9)の当選の報知を行うものとしてもよい。或いは、9択(1)〜(9)に実際に入賞したゲーム数が決定されたゲーム数に達するまで賭け数2の推奨の報知と9択(1)〜(9)の当選の報知を行うものとしてもよい。
上記の実施の形態では、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの当選で遊技状態がRT2に制御されてから規定ゲーム数を消化するまで、9択(1)〜(9)の何れかに当選していれば、必ず9択(1)〜(9)の当選の報知を行うものとしていた。しかしながら、9択(1)〜(9)の当選の報知は、必ずしも100%の割合で行う必要はなく、メダルの払い出し数の期待値が賭け数の設定に用いるメダルの数を上回る限りにおいて、任意の割合で行うことができる。9択(1)〜(9)の当選の報知を行う割合は、乱数抽選によって決定するものとしてもよい。また、報知を行う割合を決定するのではなく、9択(1)〜(9)のうちで当選の報知の対象となる役の種類を決定するものとしてもよい。
上記の実施の形態では、停止ボタン12L、12C、12Rの操作手順として考えられる全操作手順(3!×21×21×21)が9択(1)〜(9)にそれぞれ停止させるための操作手順として均等に振り分けられるものとなっており、また、9択(1)〜(9)の当選確率は互いに同じでものになっていた。このため、RT2において9択(1)〜(9)に当選しているときに当選したものの種類が報知されないゲームにおけるメダルの払い出し数の期待値は、停止ボタン12L、12C、12Rの全操作手順に対する9択(1)〜(9)のうちの当選しているものに入賞させるための操作手順の割合で計算しても、常に決まった操作手順で停止ボタン12L、12C、12Rが操作されることを前提として計算しても、9択(1)〜(9)の種類数で単純に計算しても、9択(1)〜(9)の各々の当選確率で重み付けして計算しても、同じ計算式で算出されるものとなっていた。
これに対して、9択(1)〜(9)の何れにも入賞し得ない操作手順があったりして停止ボタン12L、12C、12Rの全操作手順が9択(1)〜(9)にそれぞれ停止させるための操作手順として均等に振り分けられていないものとすることもでき、また、RT2における9択(1)〜(9)の当選確率を互いに異なるものとしても、本発明のスロットマシンを実現することは可能である。
このような場合において、RT2において9択(1)〜(9)の当選が報知されないときには、停止ボタン12L、12C、12Rの全操作手順に対する9択(1)〜(9)のうちの当選しているものに入賞させるための操作手順の割合で計算しても、常に決まった操作手順で停止ボタン12L、12C、12Rが操作されることを前提として計算しても、9択(1)〜(9)の種類数で単純に計算しても、9択(1)〜(9)の各々の当選確率で重み付けして計算しても、RT2における1ゲームあたりのメダルの払い出し数の期待値が賭け数の設定に用いるメダルの数よりも小さくなるようになっていればよい。
また、停止ボタン12L、12C、12Rのうちで遊技者が意識的に回避する特定の操作手順がある場合(例えば、右から左への逆押しを条件として、9択(1)〜(9)の何れにも当選していないとRT2を終了させてしまう出目が生じてしまうような場合)、9択(1)〜(9)の何れかに当選しているときに特定の操作手順で停止ボタン12L、12C、12Rが操作されることを条件として計算すればRT2における1ゲームあたりのメダルの払い出し数の期待値が賭け数の設定に用いるメダルの数よりも大きくなっても、特定の操作手順で停止ボタン12L、12C、12Rが操作されることを条件として計算すればRT2における1ゲームあたりのメダルの払い出し数の期待値が賭け数の設定に用いるメダルの数よりも小さくなるものであればよい。
上記の実施の形態では、RT1及びRT2におけるリプレイ当選確率は、通常の遊技状態におけるリプレイ当選確率に比べて大幅に高くなるものとなっていた。もっとも、9択(1)〜(9)の何れかに当選しているときに必ずこれらに入賞することを前提として計算したメダルの払出率の期待値が1を越え、9択(1)〜(9)の何れかに当選しているときにランダムに停止ボタン12L、12C、12Rが操作されたことを前提として計算したメダルの払出率の期待値が1を越えないのであれば、RT1及びRT2におけるリプレイ当選確率は、通常の遊技状態におけるリプレイ当選確率と実質的に変わらないものであってもよく(例えば、リプレイの判定値数の差を互いに1ずつしか設けない)、通常の遊技状態におけるリプレイ当選確率よりも低くなっていても構わない。
このように通常の遊技状態、RT1及びRT2におけるリプレイ当選確率を定めた場合であっても、RT1及びRT2においては9択(1)〜(9)の何れかに当選しているときにそのうちで当選しているものの種類が報知されるものとすることで、遊技者の技術介入によって、RT1及びRT2を遊技者にとって真に有利なものとなる遊技状態とすることができ、一方、9択(1)〜(9)の何れかに当選してもその種類が報知されない通常の遊技状態を遊技者にとって不利な遊技状態とすることができる。
上記の実施の形態では、RT2において規定ゲームを消化するまでのゲームは、賭け数を2に設定することを推奨する報知を液晶表示器4にて行っていたが、このような報知にも関わらず、普段は3枚賭けを設定してゲームを行うことに慣れている遊技者は、3枚賭けでゲームを始めてしまう場合がある。このように3枚賭けでゲームを始めると、ビッグボーナスやレギュラーボーナスに入賞してしまうことがあるので、RT2においてゲームで「赤7」または「白7」がテンパイ(2つのリールについて入賞ライン上に図柄が揃うこと)したときには、スピーカ7L、7R、7Uからの音声の出力、ランプ類の点灯、或いは液晶表示器4へのメッセージの表示などにより、ビッグボーナスやレギュラーボーナスに入賞してしまう虞があることを警告してもよい。
上記の実施の形態では、3つのリール3L、3C、3Rのうち一部が既に停止されている場合において、各遊技状態のそれぞれについての内部当選状態、停止済みのリールの停止位置に対して一意的に定められた停止制御テーブルを選択し、選択した停止制御テーブルに従ってリールの停止制御が行われるようになっていた。ここで、停止済みのリールの停止位置の代わりに、当該リールを停止させるために停止ボタン12L、12C、12Rが操作されたときの位置(すなわち、当該リールのステップ数)を適用するものとしてもよい。この場合も、上記の実施の形態における停止制御テーブルの選択と同様に、リールを停止させる際の制御が複雑化することがないという効果を得ることができる。
上記の実施の形態では、遊技状態に応じて定められた抽選対象役の判定値数を内部抽選用の乱数に順次加算していき、その加算の結果オーバーフローが生じた時点において抽選対象役として読み出されていた役に当選するものとしていた。これに対して、判定値数を取得した内部抽選用の乱数の値から順次減算して、減算の結果を新たな内部抽選用の乱数の値とするものとしてもよい。判定値数を内部抽選用の乱数の値から減算するときには、減算の結果にオーバーフロー(ここでは、減算結果がマイナスとなること)が生じたかどうかを判定するものとすることができる。また、遊技状態に応じた各役の判定値数に応じて、各役を当選と判定する判定値を定めた当選判定用テーブルをゲーム毎に作成し、取得した内部抽選用の乱数の値を各役の判定値と比較することで、内部抽選を行うものとしてもよい。
上記の実施の形態では、遊技状態がビッグボーナスにあってRAM112にビッグボーナス中フラグが設定されているゲームではスタートレバー11の操作時にRAM112にレギュラーボーナス中フラグが設定されているかどうかを判定し、レギュラーボーナス中フラグが設定されていなければ、これを設定してレギュラーボーナスに制御するものとしていた。こうしてビッグボーナスの入賞後に最初にレギュラーボーナスに制御する場合も、一回分のレギュラーボーナスが終了して未だビッグボーナスが終了していないときに再びレギュラーボーナスに制御する場合も、同じ処理を行えばよいものとしていた。
これに対して、ビッグボーナスに入賞したときにRAM112にビッグボーナス中フラグとともにレギュラーボーナス中フラグを設定し、ビッグボーナス中でレギュラーボーナスの終了条件が成立したときには該レギュラーボーナス中フラグを消去する。ここで、レギュラーボーナス中フラグが消去されたときにおいて、ビッグボーナスの終了条件が成立していないと判定されてビッグボーナス中フラグがRAM112に設定されている状態となっていれば、再びレギュラーボーナス中フラグをRAM112に設定して、そのまま新たなレギュラーボーナスに制御するものとしてもよい。この場合には、ビッグボーナスの入賞によりビッグボーナスが制御されたときに同時にレギュラーボーナスに制御することができ、また、一回分のレギュラーボーナスが終了して未だビッグボーナスが終了していないときに即座にレギュラーボーナスに復帰できることとなる。
また、ビッグボーナスの遊技状態は、ビッグボーナスの入賞で小役ゲームを提供し、さらに小役ゲームでのJACIN当選に基づいてJACIN(例えば、「ベル−JAC−JAC」で小役ゲーム中において内部抽選の対象役となる)に入賞することで、遊技状態をビッグボーナス中のレギュラーボーナスを提供するものとしてもよい。ビッグボーナス中に1セット分のレギュラーボーナスが終了し、未だ払出メダル枚数が465枚を越えていなければ、再び小役ゲームに制御するものとすることができる。
上記の実施の形態では、当選フラグの設定状況に基づいて停止制御テーブルを予め選択し、リール3L、3C、3Rの停止時において停止制御テーブルを参照して図柄の停止位置を決定し、当該停止位置でリールを停止させるテーブル方式でリール3L、3C、3Rの回転を停止させるスロットマシンを例として説明した。これに対して、停止条件が成立したときの現在の図柄位置と当選フラグの設定状況に基づいて、当選している役の図柄が揃うように引き込み制御を行ったり、当選していない役の図柄が揃わないように外し制御を行うコントロール方式でリール3L、3C、3Rの回転を停止させるスロットマシンにも本発明を適用することができる。
コントロール方式では、停止ボタン12L、12C、12Rの操作が検出されたときに、対応するリール3L、3C、3Rについてその時点で表示されている図柄から190ミリ秒の最大停止遅延時間の範囲内(表示されている図柄と引き込み分を含めて合計5コマの範囲)に、当選フラグの設定されている役の図柄があるかどうかを判定する。
当選フラグの設定されている役の図柄(重複当選時には、導出が優先される役の図柄から判断する)があれば、当該役を入賞させるための図柄を選択して入賞ライン(既に停止しているリールがあるときには、停止しているリール上の図柄とともに入賞の表示態様を構成可能な入賞ライン)上に導出させる。そうでなければ、いずれの役にも入賞させないための図柄を選択して導出させる。すなわち、このコントロール方式によりリール3L、3C、3Rの停止を制御する場合も、停止ボタン12L、12C、12Rの操作が検出されてから最大停止遅延時間の範囲で図柄を停止させることにより導出可能となる表示態様であって当選フラグの設定状況に応じた表示態様が、可変表示装置2の表示結果として導出されるものとなる。
上記の実施の形態では、可変表示装置2は、外周部に複数の図柄を所定順に配した3つのリール3L、3C、3Rを備えるものとし、これらのリール3L、3C、3Rの回転駆動によって図柄を可変表示させるものとしていた。しかしながら、液晶表示装置などの表示装置上で仮想的に図柄を可変表示させるものを、上記のような可変表示装置2の代わりに用いてもよい。
上記の実施の形態では、賭け数の設定や入賞に伴う遊技用価値の付与に用いる遊技媒体としてメダルを適用したスロットマシンを例として説明した。しかしながら、本発明を具現化するスロットマシンは、パチンコ遊技機で用いられている遊技球を遊技媒体として適用したスロットマシン(いわゆるパロット)であってもよい。遊技球を遊技媒体として用いる場合は、例えば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができる。