JP2010162096A - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 MRI装置において、SARの制限内で、脂肪プロトン信号を均一に良好に抑制し、病変組織と周辺組織間のコントラストを高める。
【解決手段】 脂肪プロトンの縦磁化を180度反転するBinominal IRパルス法を用いる。Binominal IRパルス法は、MRI装置で被検体を撮影する際に、BinominalパルスをInversion Recovery(IR)パルスとして用いることで、ある共鳴周波数を持つ核種の縦磁化を静磁場方向に保ち、他の共鳴周波数を持つ核種の縦磁化を静磁場と反対方向へ反転させる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、被検体中の水プロトン素や燐等からの核磁気共鳴(以下、「NMR」という)信号を測定し、核の密度分布や緩和時間分布等を画像化する核磁気共鳴イメージング(以下、「MRI」という)装置に関し、特に反転回復パルスを用いて特定の核種の信号を抑制する撮影シーケンスに関する。
MRI装置は、被検体、特に人体の組織を構成する原子核スピンが発生するNMR信号を計測し、その頭部、腹部、四肢等の形態や機能を2次元的に或いは3次元的に画像化する装置である。撮影においては、NMR信号には、傾斜磁場によって異なる位相エンコードが付与されるとともに周波数エンコードされて、時系列データとして計測される。計測されたNMR信号は、2次元又は3次元フーリエ変換されることにより画像に再構成される。
上記MRI装置を用いた画像診断では、病変組織と周辺組織との間の画像コントラストを高めるため脂肪プロトン信号を抑制した撮影方法が広く用いられている。
脂肪プロトン信号の抑制方法としては、T1緩和時間の差を利用したSTIR(Short Time Inversion Recovery)法(非特許文献1)、共鳴周波数の差を利用したCHESS(CHEmical Shift Selective)法(非特許文献2)、共鳴周波数の差により生じる位相差を利用したDixon法(非特許文献3)やBinominalパルス法(非特許文献4)などが単体手法としてある。また、これらを組み合わせ、共鳴周波数の差と位相差を利用したOpposed Fat Suppression法(非特許文献5)、T1緩和時間と共鳴周波数の差を利用したSPIR(Spectral Pre-saturation with Inversion Recovery)法(非特許文献6)などが複合手法としてある。しかしながら、T1緩和時間と共鳴周波数の差により生じる位相差とを複合的に組み合わせた例はこれまでに報告がない。
SPIR法は、SPEC-IR(SPECtral IR)とかSPECIAL(SPECtral Ir Attenuation of Lipid)と呼ばれ、選択的に脂肪プロトンの共鳴周波数で反転回復(IR;Inversion Recovery)パルスを印加し、脂肪プロトンの縦磁化のみを反転させる方法である。縦磁化が回復するのに時間がかかるため、CHESS法に比べ脂肪プロトン抑制効果が長続きする。そのため、繰り返し時間(TR)の短い高速撮影法を用いて一度のIRパルスで、脂肪プロトンからの信号が抑制された多数のエコー信号を取得することができる。但し、SPIR法は、撮影中に縦磁化が完全に消失しているわけではないので、後続する励起パルスによって横磁化を形成し、組織間コントラストは低下する。このため、造影剤によって病変のコントラストを高めた3次元撮影や3D Contrast Enhanced MR Angiographyで利用されている。頭部ではTOF-MRAやPC-MRAが用いられているが、胸腹部では体動があるため3D Contrast Enhanced MR Angiographyが有用となっている。胸部の造影撮影でBinominalパルス法とSPIR法を比較すると、Binominalパルス法は皮下脂肪プロトンの抑制効果が高く、病変組織に対する実質コントラスト比が有意に高かったが、脂肪プロトン抑制の均一性はやや劣ったという報告がある(非特許文献7)。
Fleckenstein JL,et al.,Fast short-tau inversion-recovery MR imaging.Radiology 1991;179(2):499-504 Jens Frahm,et al.,Chemical Shift Selective MR Imaging Using a Whole-Body Magnet.Radiology 1985;156:441-444 Dixon WT.Simple proton spectroscopic imaging. Radiology 1984;153:189-194 Hore PJ.Solvent Suppression in Fourier Trasorm Nuclear Magnetic Resonance.Journal of Magnetic Resonance 1983;55:283-300 Chan TW,et al. Combined chemical-shift and phase-selective imaging for fat suppression:theory and initial clinical experience. Radiology 1991;181(1): 41-47 Halligan S,et al. Magnetic resonance imaging of fistula-in-ano:STIR or SPIR. Br J Radiol 1998;71:141-145 Journal of Magnetic Resonance Imaging 2003;18: 310-314 MRI「超」講義第2版Q&Aで学ぶ原理と臨床応用、監訳 荒木力、メディカル・サイエンス・インターナショナル/MEDSi、p.313-314 JM. Pauly, JMR1989 U. Katscher MRM2003 K.Setsompop, MRM2006
高磁場MRI装置を用いた高速撮影ではSAR(Specific Absorption Rate、比吸収率、単位W/kg)が問題となる。ここで、SARは、半径r、電気伝導度σの均一な球体が、磁場強度B0のMRI装置に置かれた場合、
Figure 2010162096
と表せる。D(duty cycle)はシーケンス全体に対するRFパルスを出力している時間の割合である。この式から分かる通り、SARは磁場強度の2乗に比例し、duty cycleが高い(単位時間当たりのRFパルス印加数が多い)場合増加する。また、SARはRFフリップ角の2条に比例するため、反転パルスに利用される180°パルスは、励起パルスに利用される90°パルスに比べ4倍のエネルギーを蓄積する。
FDAのガイドライン(http://www.fda.gov/cdrh/ode/guidance/793.html)では、MRI装置の一般的SARは0.4W/kg(全身の平均値)または8.0W/kg(どんな組織1g以内においても)を超えてはならないとしている。また、頭部撮影については平均3.2W/kgまで許容されている(非特許文献8)。
したがって、高磁場では予想されるSARの増加を抑制し、一定のSARの範囲内で脂肪プロトン信号を均一に良好に抑制し、病変組織と周辺組織間のコントラストを高めることが重要である。
そこで、本発明の目的は、MRI装置において、SARの制限内で、脂肪プロトン信号を均一に良好に抑制し、病変と組織間のコントラストを高めることである。
上記の目的を達成するために、本発明のMRI装置は、脂肪プロトンの縦磁化を180度反転するBinominal IRパルス法を用いる。Binominal IRパルス法は、MRI装置で被検体を撮影する際に、BinominalパルスをInversion Recovery(IR)パルスとして用いることで、ある共鳴周波数を持つ核種の縦磁化を静磁場方向に保ち、他の共鳴周波数を持つ核種の縦磁化を静磁場と反対方向へ反転させる方法である。
具体的な構成は、高周波磁場パルスを発生する高周波磁場発生部と、傾斜磁場パルスを発生する傾斜磁場発生部と、所定のパルスシーケンスに基づいて、高周波磁場発生部と傾斜磁場発生部とを制御して、第1の核種と第2の核種とを有する被検体の撮影部位に、高周波磁場パルスと傾斜磁場パルスを印加して、撮影部位からのエコー信号の計測を制御する計測制御部と、を備え、パルスシーケンスは、第1の核種の縦磁化を180度反転するための複数の高周波磁場パルスを有する反転シーケンス部と、第2の核種からのエコー信号を計測する計測シーケンス部とを、所定の時間を間に挟んで成り、反転シーケンス部の複数の高周波磁場パルスは、2項係数を振幅強度比としてそれぞれ重みづけられて成るBinominal IRパルスであることを特徴とする。
より詳細には、Binominal IRパルスは、Binominalパルスとして、第1の核種の共鳴周波数を持ち、複数の核種を励起可能な送信バンド幅を持ち、交互に逆位相を持ち、予め計算された振幅強度比を持つ複数のRFパルスが、それぞれ、第1の核種と第2の核種の横磁化が同位相から逆位相になるまでの時間間隔で印加されるRFパルス群である。これにより、第1の核種の縦磁化を静磁場方向に保ち、第2の核種の縦磁化を反転させることができる。但し、Binominal IRパルスの振幅強度は、例えば1-1パルスはπ/2-π/2、1-2-1パルスはπ/4-π/2-π/4、1-3-3-1パルスはπ/8-3π/8-3π/8-π/8のようになる。ここで、振幅強度π/2とは、RFパルスの照射時間を適当に与えたとき、核種の磁化ベクトルを静磁場方向からπ/2[rad]だけ傾けて励起するのに必要なRFパルスの振幅強度[arbitrary unit]を意味する。
同様に、Binominalパルスとして、第2の核種の共鳴周波数を持ち、複数の核種を励起可能な送信バンド幅を持ち、互いに同位相を持ち、予め計算された強度比を持つ複数のRFパルス群を用いることで、第2の核種の縦磁化を静磁場方向に保ち、第1の核種の縦磁化を反転させることも可能である。
Binominal IRパルスを有する反転シーケンス部に続き、反転時間(TI、Inversion Time)だけ待ってから、RFパルスを伴うシーケンスを有する計測シーケンス部を実施する。反転時間としては、反転した核種の縦磁化がゼロまたはゼロ付近になるまでの時間とすることで、反転した核種の信号を排除した撮影を行なうことができる。撮影中に反転した核種の信号は縦緩和するため、反転した核種の信号がゼロになる時点またはその周辺の時間帯を位相方向またはスライス方向の0エンコードまたは大きさの小さいエンコードとして撮影を行なうことで、反転した核種の信号が再構成画像に描出されるのを抑制することができる。
Binominal IRパルスとしては、1-1パルス(振幅強度π/2-π/2)、1-2-1パルス(振幅強度π/4-π/2-π/4)、1-3-3-1パルス(振幅強度π/8-3π/8-3π/8-π/8)のようにRFパルス数を増加することにより、個々の振幅強度は低下するためSARは低減する。静磁場不均一の影響で反転した核種の横磁化が残留して計測する信号に混入することを防ぐため、Binominal IRパルスの後に残留横磁化を分散するためのスポイル傾斜磁場を印加することができる。Binominal IRパルスに続くRFパルスを伴うパルスシーケンスを複数回の繰り返し時間分だけ連続して行うことで高速撮影が可能となる。また、パルスシーケンスのSARを計算し、制限値を上回る場合に、Binominal IRパルスの分割数を増加するか、または、Binominal IRパルスを計測シーケンス部の単位シーケンスの繰り返し時間ごとに印加せずに一定の割合で間引くことによりSARを低減することができる。
本発明のMRI装置によれば、脂肪プロトンの縦磁化を180度反転するBinominal IRパルスを用いることによって、SARの制限内で脂肪プロトンからの信号を均一に良好に抑制し、病変組織と周辺組織間のコントラストを高めることができる。Binominal IRパルスの分割数を増やすとSARを低減でき、周波数選択性が向上することにより(上述の非特許文献4)、脂肪プロトン抑制の均一性も高められる。
SPIR(SPectral Inversion Recovery)法のシーケンス概念図 強度比1-1位相0-πのBinominal IRパルス 強度比1-2-1位相0-π-0のBinominal IRパルス 強度比1-3-3-1位相0-π-0-πのBinominal IRパルス 強度比1-1位相0-πのBinominal IRパルスを持つ高速Gradient Echoシーケンス図 本発明の動作フローの一例を示すフローチャート 本発明に係るMRI装置の一例を示すブロック図
以下、添付図面に従って本発明のMRI装置の好ましい実施形態について詳説する。なお、発明の実施形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
最初に、本発明に係るMRI装置の一例の全体概要を図7に基づいて説明する。図7は、本発明に係るMRI装置の一実施例の全体構成を示すブロック図である。このMRI装置は、NMR現象を利用して被検体701の断層画像を得るもので、図1に示すように、静磁場発生磁石702と、傾斜磁場コイル703及び傾斜磁場電源709と、送信RFコイル704及びRF送信部710と、受信RFコイル705及び信号検出部706と、信号処理部707と、計測制御部711と、全体制御部708と、表示・操作部713と、被検体701を搭載してその被検体701を静磁場発生磁石702の内部に出し入れするベッド712と、を備えて構成される。
静磁場発生磁石702は、垂直磁場方式であれば被検体701の体軸と直交する方向に、水平磁場方式であれば体軸方向に、それぞれ均一な静磁場を発生させるもので、被検体701の周りに永久磁石方式、常電導方式あるいは超電導方式の静磁場発生源が配置されている。
傾斜磁場コイル703は、MRI装置の座標系(静止座標系)であるX,Y,Zの3軸方向に巻かれたコイルであり、それぞれの傾斜磁場コイルは、それを駆動する傾斜磁場電源709に接続され電流が供給される。具体的には、各傾斜磁場コイルの傾斜磁場電源709は、それぞれ後述の計測制御部711からの命令に従って駆動されて、それぞれの傾斜磁場コイルに電流を供給する。これにより、X,Y,Zの3軸方向に傾斜磁場Gx,Gy,Gzが発生する。撮像時には、スライス面(撮像断面)に直交する方向にスライス傾斜磁場パルス(Gs)が印加されて被検体701に対するスライス面が設定され、そのスライス面に直交して且つ互いに直交する残りの2つの方向に位相エンコード傾斜磁場パルス(Gp)と周波数エンコード傾斜磁場パルス(Gf)が印加されて、エコー信号にそれぞれの方向の位置情報がエンコードされる。
送信RFコイル704は、被検体701に高周波磁場(以下、RFという)パルスを照射するコイルであり、RF送信部710に接続され高周波パルス電流が供給される。これにより、被検体701の生体組織を構成する原子の原子核スピンに核磁気共鳴が誘起される。具体的には、RF送信部710が、後述の計測制御部711からの命令に従って駆動されて、高周波パルスを振幅変調し、増幅した後に被検体701に近接して配置された送信RFコイル704に供給することにより、RFパルスが被検体701に照射される。
受信RFコイル705は、被検体701の生体組織を構成する原子核スピンのNMR現象により放出されるエコー信号(NMR信号)を受信するコイルであり、信号検出部706に接続されて受信したエコー信号を信号検出部706に送る。信号検出部706は、受信RFコイル705で受信したエコー信号の検出処理を行う。具体的には、RF送信コイル704から照射されたRFパルスによって誘起された被検体701の応答のエコー信号が被検体701に近接して配置された受信RFコイル705で受信され、後述の計測制御部711からの命令に従って、信号検出部706が、受信したエコー信号を増幅し、直交位相検波により直交する二系統の信号に分割し、それぞれを所定数(例えば128,256,512等)サンプリングし、各サンプリング信号をA/D変換してディジタル量に変換し、後述の信号処理部707に送る。 従って、エコー信号は所定数のサンプリングデータからなる時系列のデジタルデータ(以下、エコーデータという)として得られる。
計測制御部711は、被検体701の断層画像の再構成に必要なデータデータ収集のための種々の命令を、主に、傾斜磁場電源709と、RF送信部710と、信号検出部706に送信してこれらを制御する制御部である。具体的には、計測制御部711は、後述する全体制御部708の制御で動作し、ある所定のパルスシーケンスに基づいて、傾斜磁場電源709、RF送信部710及び信号検出部706を制御して、被検体701へのRFパルスと傾斜磁場パルスの印加及び被検体701からのエコー信号の検出を繰り返し実行し、被検体701の断層画像の再構成に必要なエコーデータを収集する。
全体制御部708は、計測制御部711の制御、及び、各種データ処理と処理結果の表示及び保存等の制御を行うものであってCPU及びメモリを内部に有する演算処理部と、光ディスク、磁気ディスク等の記憶部とを有して成る。具体的には、計測制御部711を制御してエコーデータの収集を実行させ、信号処理部707からのエコーデータが入力されると、演算処理部が信号処理、フーリエ変換による画像再構成等の処理を実行し、その結果である被検体701の断層画像を、後述の表示・操作部708に表示させると共に記憶部に記録する。
表示・操作部713は、被検体701の断層画像を表示するディスプレイと、MRI装置の各種制御情報や上記全体制御部708で行う処理の制御情報を入力するトラックボール又はマウス及びキーボード等の操作部と、から成る。この操作部はディスプレイに近接して配置され、操作者がディスプレイを見ながら操作部を通してインタラクティブにMRI装置の各種処理を制御する。
なお、図1において、送信側のRF送信コイル704と傾斜磁場コイル703は、被検体701が挿入される静磁場発生磁石702の静磁場空間内に、垂直磁場方式であれば被検体701に対向して、水平磁場方式であれば被検体701を取り囲むようにして設置されている。また、受信側の受信RFコイル705は、被検体701に対向して、或いは取り囲むように設置されている。
現在のMRI装置の撮像対象核種は、臨床で普及しているものとしては、被検体の主たる構成物質である水素原子核(プロトン)である。プロトン密度の空間分布や、励起状態の緩和時間の空間分布に関する情報を画像化することで、人体頭部、腹部、四肢等の形態または、機能を2次元もしくは3次元的に撮像する。
(本発明の概要)
次に、本発明の概要を説明する。本発明は、BinominalパルスをIRパルスとして用いる。具体的には、第1の核種の縦磁化を180度反転するための複数の高周波磁場パルスを有する反転シーケンス部と、第2の核種からのエコー信号を計測する計測シーケンス部とを、所定の時間を間に挟んで成るパルスシーケンスを用いる。さらに、反転シーケンス部の複数の高周波磁場パルスは、2項係数を振幅強度比としてそれぞれ重みづけられて成るBinominalパルス(以降は、このようなBinominalパルスをBinominal IRパルスという)とする。以下、第1の核種として脂肪プロトンを、第2の核種として水プロトンを例にして、つまり、被検体の脂肪プロトン信号を抑制した画像を撮影することを例にして、添付図面に基づいて、本発明を説明する。
最初に、脂肪プロトン信号抑制のための、Inversion Recovery法を用いたパルスシーケンス(以下、IRシーケンスという)による脂肪プロトンの縦磁化の時間変化の一例を図1に基づいて説明する。図1に示す通り、IRシーケンスに基づいて、時刻t=0で脂肪プロトンの縦磁化Mzを選択的に反転させる反転パルス(IRパルス)が印加されると、脂肪プロトンの縦磁化Mzは180度反転する。その直後から、反転した脂肪プロトンの縦磁化は、縦緩和により元の状態に戻り始めるが、縦磁化がゼロもしくはゼロ付近になるまでの反転回復時間(TI)だけ待ってから、繰り返し時間(TR2)の励起パルスを伴う計測シーケンスが実行されることで、脂肪プロトンからの信号が抑制され水プロトンからの信号が主体となるエコー信号が計測され、このエコー信号に基づいて水プロトンの分布画像が撮影される。このIRパルスを含むIRシーケンスの前半部が反転シーケンス部であり、反転回復時間(TI)を間に挟んで実行される計測シーケンスが計測シーケンス部である。計測制御部711は、このようにIRシーケンスに基づいて、IRパルスの印加とエコー信号の計測とを制御する。
次に、本発明の特徴である、IRパルスとしてのBinominalパルスであるBinominal IRパルスを説明する。
Binominalパルスとは、2項係数を振幅強度比としてそれぞれ重みづけられた複数の高周波磁場パルス(RFパルス)の集合のことである。Binominalパルスとしては、1-1パルス(振幅強度π/2-π/2)、1-2-1パルス(振幅強度π/4-π/2-π/4)、1-3-3-1パルス(振幅強度π/8-3π/8-3π/8-π/8)などを利用できる。このようなBinominalパルスを反転パルスとして用いるのがBinominal IRパルスであり、各RFパルスは水プロトンの共鳴周波数を持ち、水プロトンと脂肪プロトンの励起が可能な送信バンド幅を持つ。
Binominal IRパルスが1-1パルスでは、2つのRFパルスの振幅強度比が1:1であり、照射位相が0,π[rad]となるように構成される。Binominal IRパルスが1-1パルスのときの水プロトン(Water)と脂肪プロトン(Fat)の磁化ベクトルの動きを図2に示す。時刻t=0で1-1パルスの第1のRFパルス301を照射された、水プロトンと脂肪プロトンの磁化ベクトル201と202は、静磁場の方向であるz方向から、それに垂直なxy面内に励起される。但し、z軸の周りを水プロトンの共鳴周波数で回転する座標系をxyz座標系とし、第1のRFパルス301は+x方向に印加されたものとする(以下、同様)。水プロトンと脂肪プロトンの磁化ベクトル201と202は+y方向を向く。水プロトンと脂肪プロトンの共鳴周波数の差により互いの位相差が2π[rad]となるまでの時間をtとする。時刻t=τ/2では水プロトンと脂肪プロトンの横磁化203と204は逆位相となる。この時点で第2のRFパルス302が-xの位相で印加されると、印加直後の時刻t=τ/2+に水プロトンは正の縦磁化205となって+z方向を向き、脂肪プロトンは負の縦磁化206となって-z方向を向く。これにより、脂肪プロトンの縦磁化のみを180度反転できることになる。
同様に、Binominal IRパルスが1-2-1パルスでは、3つのRFパルスを振幅強度比が1:2:1であり、照射位相が0,π,0[rad]となるように構成される。Binominal IRパルスが1-2-1パルスのときの水プロトンと脂肪プロトンの磁化ベクトルの動きを図3に示す。時刻t=0で1-2-1パルスの第1のRFパルス311を+x方向に照射された、水プロトンと脂肪プロトンの磁化ベクトル211と212は、静磁場の方向である+z方向から、+y方向へ45°だけ傾いて励起される。時刻t=τ/2では水プロトンと脂肪プロトンの横磁化213と214は逆位相となる。この時点で第2のRFパルス312が-xの位相で印加されると、印加直後の時刻t=τ/2+に水プロトンは正の縦磁化215で、脂肪プロトンは負の縦磁化216となる。時刻t=τでは水プロトンと脂肪プロトンの横磁化217と218は逆位相となる。この時点で第3のRFパルス313が+x方向の位相で印加されると、印加直後の時刻t=τ+に水プロトンは正の縦磁化219となって+z方向を向き、脂肪プロトンは負の縦磁化220となって-z方向を向く。つまり、この場合でも、脂肪プロトンの縦磁化のみを180度反転できることになる。
同様に、Binominal IRパルスが1-3-3-1パルスでは、4つのRFパルスを振幅強度比が1:3:3:1であり、照射位相が0,π,0,π[rad]となるように構成される。Binominal IRパルスが1-3-3-1パルスのときの水プロトンと脂肪プロトンの磁化ベクトルの動きを図4に示す。時刻t=0で1-3-3-1パルスの第1のRFパルス321を照射された、水プロトンと脂肪プロトンの磁化ベクトル241と242は、静磁場の方向である+z方向から、+y方向へ22.5°だけ傾いて励起される。時刻t=τ/2では水プロトンと脂肪プロトンの横磁化243と244は逆位相となる。この時点で第2のRFパルス322が-x方向の位相で印加されると、印加直後の時刻t=τ/2+に水プロトンは正の縦磁化245で、脂肪プロトンは-y方向の磁化246となる。時刻t=τでは水プロトンと脂肪プロトンの磁化ベクトル247と248は逆位相となる。この時点で第3のRFパルス323が+x方向の位相で印加されると、印加直後の時刻t=τ+に水プロトンは正の縦磁化249で、脂肪プロトンは負の縦磁化250となる。時刻t=3τ/2では水プロトンと脂肪プロトンの横磁化251と252は逆位相となる。この時点で第4のRFパルス324が-x方向の位相で印加されると、印加直後の時刻t=3τ/2+に水プロトンは正の縦磁化253となって+z方向を向き、脂肪プロトンは負の縦磁化254となって-z方向を向く。つまり、この場合でも、脂肪プロトンの縦磁化のみを180度反転できることになる。
Binominal IRパルスとして1-1パルスを用いたIRスシーケンスを、図5を用いて説明する。計測制御部711は、Binominal IRパルスである1-1パルスを構成する第1パルス101とスライス選択傾斜磁場111を印加してスライス選択された領域の水プロトンと脂肪プロトンの縦磁化を共に90°励起する。この後、第2パルス102が照射されるまでのt時間に水プロトンの横磁化に比べ脂肪プロトンの横磁化の位相はπとなる。この時点で、計測制御部711は、第2パルス102とスライス選択傾斜磁場112を印加して、水プロトンの横磁化をフリップバックして正の縦磁化とし、脂肪プロトンの横磁化を負の縦磁化とする。次に、計測制御部711は、スポイル傾斜磁場113,121,131を印加して、静磁場不均一の影響により残留する水プロトンと脂肪プロトンの横磁化成分を分散する。以上迄がBinominal IRパルスを含む反転シーケンス部の構成である。本発明は周波数選択的にIRパルスを印加するSPIR法と違って、Binominal IRパルスと共にスライス選択傾斜磁場を用いることができるので、撮影範囲を分割してそれぞれの領域を脂肪抑制効果を維持できる時間だけ無駄なく撮影することができる。その結果、脂肪抑制効果を最適に保ちつつ効率的な撮影が可能となる。例えば、スライス間で同一の脂肪抑制効果を待つマルチスライス撮影を、周波数選択的IRパルス撮影で生じる待ち時間なく撮影することが可能である。
次に、計測制御部711は、反転シーケンス部に続き、反転回復時間(TI)だけ待ってから、計測シーケンス部を起動する。計測シーケンス部では、例えば、水プロトンの共鳴周波数を持つRFパルスを伴うシーケンスである短いTR(=TR2)の2次元又は3次元の高速Gradient Echoシーケンスを実施する。反転時間(TI)としては、反転した脂肪プロトンの縦磁化がゼロまたはゼロ付近になるまでの時間とすることで、反転した脂肪プロトンの信号が排除された画像を撮影できる。高速Gradient Echoシーケンスでは、計測制御部711は、RFパルス103とスライス選択傾斜磁場114により水プロトンを励起し、位相エンコード122を印加してから読み出し傾斜磁場132印加中にエコー信号134,135のサンプリングを行なう。なお、3次元シーケンスの場合はスライス選択傾斜磁場はスライスエンコードを含む。また、励起した横磁化の残留成分が後続する計測に影響を与えないようにするため、励起パルス103,104,105等の照射位相を一定のオフセットを持たせるなどして制御し、残留横磁化成分が分散されるようにすることができる。以下、計測制御部711は、スライスエンコード量と位相エンコード量を変えて計測を繰り返し、複数のエコー信号を計測する。
そして、計測制御部711は、上記反転シーケンス部、反転回復時間(TI)、及び、計測シーケンス部からなIRシーケンスを繰り返し時間(TR1)で1回以上繰り返し、画像再構成に必要な全てのエコー信号の計測を行う。
さらに、Binominal IRパルスによって反転した脂肪プロトンの縦磁化は縦緩和するため、脂肪プロトンの縦磁化がゼロになる時点またはその周辺の時間帯で、位相エンコードまたはスライスエンコードを0(ゼロ)または大きさの小さいエンコードとしてエコー信号の計測を行なうことで、脂肪プロトン信号が再構成画像に描出されるのを抑制することができる。
以上までが、本発明の概要の説明である。
(高速化方法)
次に、Binominal IRパルスを用いたIRシーケンスの高速化について説明する。
IRシーケンスの高速化のためには、計測シーケンス部において、単位シーケンスを繰り返し時間(TR2)で複数回繰り返して複数のエコー信号を計測する。具体的には、Binominal IRパルスに続く高速Gradient Echoシーケンスを、複数回のTR2分だけ連続して行い、Binominal IRパルスの印加を間引くことにで、より高速な撮影を行なうことができる。つまり、Gradient Echoシーケンスの1繰り返し時間(TR2)毎でなく、複数の繰り返し時間(TR2)毎に、Binominal IRパルスを実行することにより、高速な撮影を行なうことができる。
(SAR低減)
次に、Binominal IRパルスのSAR低減方法について説明する。
IRシーケンスのSARが、被検体の撮影部位が許容できるSARの制限値を上回る場合に、Binominal IRパルスの分割数(つまり、Binominal IRパルスを構成するRFパルスの数)を増加するか、または、Binominal IRパルスを、計測シーケンス部の単位シーケンスの繰り返し時間(TR2)毎に印加せずに、一定の割合で間引くことにより、SARを低減することができる。SARはフリップ角の2乗に比例しDuty Cycleに比例するので寄与の小さいDuty Cycleを無視すると、例えばIRパルスに180°パルスを用いるSPIRに比べ、Binominal IRパルスが1-1パルスの場合では、IRパルス部分のSARへの寄与が約50%(=(90/180)2x2)となり、1-2-1パルスの場合では38%(=(45/180)2x2+(90/180)2)、1-3-3-1パルスの場合では約31%(=(22.5/180)2x2+(67.5/180)2x2)となる。つまり、Binominal IRパルスの分割数を増加させるとBinominal IRパルスのSARを低減することができるので、被検体の撮影部位が許容できるSARの制限値に適合するように、Binominal IRパルスの分割数を調整すれば、Binominal IRパルスのSARを低減することが可能になり、Binominal IRパルスを用いて撮影できる条件範囲が拡大される。
(RF照射不均一の改善)
次に、RF照射不均一の改善方法について説明する。
3 Tesla以上の高磁場を持つMRI装置では、1.5 Teslaのものに比べ照射RF(B1)の波長が短縮するためRF照射が不均一となる。このような場合は、RFシミングが有効である。RFシミングは、複数の互いに独立な送信チャンネルを用いて、B1プロファイルを互いに異ならせて、複数のコイル素子をそれぞれ駆動する。送信チャンネル間では、RF形状は互いに同一とするが、異なる(静的)振幅と位相オフセットとし、コイル素子間のB1プロファイルの干渉で正味のB1プロファイルを望ましい形状とする。このようにして照射RFの均一性を改善した上で、本発明のBinominal IRパルスを使用することで高い脂肪プロトン抑制効果を得ることができる。
RF照射不均一を改善するもう一つの方法はSpatially Selective Excitationである。すなわち、RFパルスと傾斜磁場を同時に印加し横磁化を空間的に変調する。複数の方向に時間的に変動する傾斜磁場と複雑なRFパルスを印加することで、横磁化を局在化させたり、複数の方向へ変調することができる。単一で一様な送信コイルによる多軸のSpatially Selective Excitationパルスによる横磁化は、RFパルス印加中の縦磁化成分が一定と仮定して、Small Tip-Angle Regimeで記述できる(非特許文献9)。但し、Spatially Selective Excitationは、傾斜磁場の同時印加が必要なことからRFパルスの印加時間が延長するので、オフレゾナンスや緩和により励起パターンの劣化が生じる問題がある。そこで、Spatially Selective ExcitationとParallel Imagingを結びつけた技術であるTransmit SENSEを用いる(非特許文献10)。複数の送信チャンネルはコイル素子ごとに独立なRF波形を同時に出力する。異なる送信感度は付加的な空間エンコーディングの役割を担い、k空間軌跡の低減によるデータ計測の間引きを可能にし、パルス印加時間が短縮する(非特許文献11)。RF照射不均一による脂肪プロトン抑制効果低下を防ぐため、このような技術と本発明のBinominal IRパルスを組み合わせて用いても良い。
(静磁場不均一の改善)
次に、静磁場不均一の改善方法について説明する。
3 Tesla以上の高磁場を持つMRI装置では、1.5 Teslaのものに比べ被検体挿入時に磁化率の影響などで静磁場の不均一が生じやすい。このような場合には、MRI装置に備わっている傾斜磁場シミングによって、静磁場不均一の空間的に勾配のないB0成分や1次勾配を持つ傾斜磁場成分、さらには2次以上の勾配を持つ傾斜磁場成分を補償することが可能であり、その上で本発明のBinoinal IRパルスを使用することで良好な脂肪プロトン抑制効果が可能となる。
(動作フロー)
次に、本発明の動作フローを図6に示すフローチャートに基づいて説明する。本フローチャートの各処理はプログラムとして予め磁気ディスク等の記憶部に記憶されおり、必要に応じて演算処理部が読み出して実行することにより実施される。以下、各ステップを詳細に説明する。
ステップ601で、操作者が表示・操作部713を介して、IRシーケンスを用いた撮影を行うための撮影条件を設定する。
ステップ602で、ステップ601で設定された撮影条件に基づいて、演算処理部が、Binominal IRパルスの分割数と印加割合等のIRシーケンスの撮影パラメータを設定する。具体的には、
ステップ602−1で、演算処理部は、設定された撮影条件に基づいて、Binominal IRパルスの分割数毎のSARを計算する。
ステップ602−2で、演算処理部は、予め磁気ディスク等の記憶部に記憶されている、被検体の撮影部位の許容SARを読み出して、計算した分割数毎のSARと比較する。
ステップ602−3で、許容SAR以下となるBinominal IRパルスの分割数が有れば、演算処理部は、その分割数でBinominal IRパルスを設定する。複数の分割数が可能であれば、最小の分割数を選択する。
ステップ602−4で、許容SAR以下となるBinominal IRパルスの分割数が無ければ、演算処理部は、最小SARとなる分割数でBinominal IRパルスを設定する。
ステップ602−5で、演算処理部は、Binominal IRパルスの印加割合を決定する。即ち、演算処理部は、計測シーケンス部における単位シーケンスを何回繰り返す毎にBinominal IRパルスを印加するか、その単位シーケンスの繰り返し回数(N)を設定する。ステップ602−3で許容SAR以下となるBinominal IRパルスの分割数が有る場合には、印加割合は撮影時間の許容範囲に応じて自由に設定できる。ステップ602−4で許容SAR以下となるBinominal IRパルスの分割数が無ければ、許容SAR以下となるようにBinominal IRパルスの印加割合を決定する。即ち、計測シーケンス部における単位シーケンスの繰り返し回数(N)を、許容SAR以下となるように設定する。その結果、Binominal IRパルスは、少なくとも[単位シーケンスの繰り返し時間(TR2)×N]の時間を空けて印加される。つまり、IRシーケンスの繰り返し時間(TR1)>[単位シーケンスの繰り返し時間(TR2)×N]となる。
ステップ602−6で、演算処理部は、前述した高速化法や、RF照射不均一の改善等が必要であれば、それらの設定を行う。
ステップ603で、演算処理部は、ステップ602で設定したIRシーケンスの撮影パラメータを計測制御部に通知する。
ステップ604で、計測制御部は、ステップ603で通知されたIRシーケンスの撮影パラメータに基づいて、IRシーケンスを起動して実際の撮影を行う。具体的には、
ステップ604−1で、ステップ602で設定された分割数のBinominal IRパルスを含む反転シーケンス部を実行し、
ステップ604−2で、反転回復時間(TI)だけ待ち、
ステップ604−3で、単位シーケンスをステップ602で設定された繰り返し数(N)だけ繰り返してエコー信号を計測する計測シーケンス部を実行する。
ステップ604−4で、画像再構成に必要なエコー信号の全てが計測されるまで、上記ステップ604−1〜604−3を繰り返す。
ステップ605で、演算処理部は、計測されたエコー信号を用いて画像を再構成し、表示・操作部713に再構成した画像を表示すると共に、記憶部に画像を記憶する。
以上迄が、本発明の動作フローの説明である。
以上説明したように、本発明のMRI装置によれば、脂肪プロトンの縦磁化を180度反転するBinominal IRパルスを用いることによって、SARの制限内で脂肪プロトンからの信号を均一に良好に抑制し、病変組織と周辺組織間のコントラストを高めることができる。また、Binominal IRパルスの分割数を増やすとSARを低減できるので、撮影部位が許容できるSARの制限値に応じて、Binominal IRパルスの分割数を調整することにより、撮影可能条件の範囲を広げられると共に、脂肪プロトン抑制の均一性も高められる。
以上迄が、本発明のMRI装置における、Binominal IRパルスを用いた脂肪プロトンからの信号抑制についての各実施形態の説明である。しかし、本発明のMRI装置は、上記実施形態の説明で開示された内容にとどまらず、本発明の趣旨を踏まえた上で他の形態を取り得る。
例えば、Binominal IRパルスを構成する各パルスの共鳴周波数を、水プロトン以外の他の核種の共鳴周波数とすれば、水プロトンの縦磁化を180度反転させて、当該他の核種の分布画像を取得することができる。
101,102 Binominal IRパルスの1-1パルス。101と102の印加時間間隔は水プロトンと脂肪プロトンの横磁化の位相が同位相から逆位相になるまでの時間t、103-105 励起RFパルス、111,112 IRパルスに伴うスライス選択傾斜磁場、114,115,116 スライス選択傾斜磁場、122,123,124 位相エンコード傾斜磁場、132,133 読み出しエンコード傾斜磁場(信号サンプリングはそれぞれこの間に行なう)、113,121,131 それぞれスライス方向、位相エンコード方向、読み出しエンコード方向のスポイル傾斜磁場、201,203,205,211,213,215,217,219,241,243,245,247,249,251,253 水プロトンの磁化ベクトル、202,204,206,212,214,216,218,220,242,244,246,248,250,252,254 脂肪プロトンの磁化ベクトル

Claims (6)

  1. 高周波磁場パルスを発生する高周波磁場発生部と、
    傾斜磁場パルスを発生する傾斜磁場発生部と、
    所定のパルスシーケンスに基づいて、前記高周波磁場発生部と前記傾斜磁場発生部とを制御して、第1の核種と第2の核種とを有する被検体の撮影部位に、前記高周波磁場パルスと前記傾斜磁場パルスを印加して、該撮影部位からのエコー信号の計測を制御する計測制御部と、を備え、
    前記パルスシーケンスは、前記第1の核種の縦磁化を180度反転するための複数の高周波磁場パルスを有する反転シーケンス部と、前記第2の核種からのエコー信号を計測する計測シーケンス部とを、所定の時間を間に挟んで成る磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記反転シーケンス部の複数の高周波磁場パルスは、2項係数を振幅強度比としてそれぞれ重みづけられて成るBinominal IRパルスであることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  2. 請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置において、
    前記計測シーケンス部は、単位シーケンスを1回又は複数回繰り返して複数のエコー信号を計測するものであることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  3. 請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置において、
    前記計測制御部は、前記被検体の撮影部位が許容できるSARに応じて、前記Binominal IRパルスを構成する高周波磁場パルスの数を変更することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  4. 請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置において、
    前記Binominal IRパルスは、前記第1の核種の共鳴周波数を持ち、前記第2の核種を励起可能な送信バンド幅を持ち、互いに同位相を持ち、所定の振幅強度比を持つ複数の高周波磁場パルスを有して成り、前記第2の核種の縦磁化を静磁場方向に保ち、前記第1の核種の縦磁化を反転させることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  5. 請求項4記載の磁気共鳴イメージング装置において、
    前記Binominal IRパルスは、1−1パルス、1−2−1パルス、1−3−3−1パルスのいずれかであることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  6. 請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置において、
    前記計測制御部は、前記180度反転された第1の核種の縦磁化が回復してゼロになる時点又はその近傍で、前記計測シーケンス部により、位相エンコード又はスライスエンコードがゼロ又はその近傍のエコー信号を計測することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
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