JP2010161988A - 蚊取り用素材 - Google Patents
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Abstract
【課題】大がかりな構成とすることなく、また、多種多様な使い方のできる蚊取り用素材を提供する。
【解決手段】平均直径が2000nm以下のナノ繊維からなるナノ繊維層120を基材110の少なくとも一つの面に形成することによって蚊取り用素材100とする。このとき、ナノ繊維には、蚊の好む物質として、例えば、乳酸、炭酸ガス放出性物質及び香料組成物の少なくとも1つを含有又は塗布さすることが好ましい。このような蚊取り用素材を用いて、カーテン、エプロン、衣服、壁紙、テント、電灯カバー、家畜小屋囲い部材などを製造する。
【選択図】図1
【解決手段】平均直径が2000nm以下のナノ繊維からなるナノ繊維層120を基材110の少なくとも一つの面に形成することによって蚊取り用素材100とする。このとき、ナノ繊維には、蚊の好む物質として、例えば、乳酸、炭酸ガス放出性物質及び香料組成物の少なくとも1つを含有又は塗布さすることが好ましい。このような蚊取り用素材を用いて、カーテン、エプロン、衣服、壁紙、テント、電灯カバー、家畜小屋囲い部材などを製造する。
【選択図】図1
Description
本発明は、ナノ繊維を用いた蚊取り用素材に関する。
従来より、蚊を捕獲するための装置や器材(これらを総称して蚊捕獲器という。)が多数提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
図8は、特許文献1に開示された従来の蚊捕獲器を説明するための図である。従来の蚊捕獲器は、図8に示すように、粘着剤を塗布したボウル状の網状体1と、該網状体1の内部に収納される二酸化炭素発生手段9と、網状体1の上端開口面を遮蔽するための板体5とを有した構成となっている。なお、板体5には開閉口6が設けられ、開閉口6によって、二酸化炭素発生手段9を出し入れ可能としている。
従来の蚊捕獲器は、二酸化炭素を発生させることよって蚊を誘引し、網状体1に接触した蚊を網状体1に塗布されている粘着剤2の粘着力で捕獲するというものである。
このため、従来の蚊捕獲器によれば、二酸化炭素の発生によって蚊を積極的に誘引することができ、蚊を効率的に捕獲することができる。
しかしながら、従来の蚊捕獲器は、図8に示すように、蚊捕獲器としては構成が大がかりなものとなり、設置場所も限られてしまうため、多種多様な使い方ができないという問題がある。
そこで、本発明は、上記した問題を解決するためになされたもので、大がかりな構成とすることなく、また、多種多様な使い方のできる蚊取り用素材を提供することを目的とする。また、このような蚊取り用素材を用いて製造された、蚊の捕獲機能を有するカーテン、エプロン、衣服、壁紙、テント、電灯カバー及び家畜小屋囲い部材を提供することを目的とする。
(1)本発明の蚊取り用素材は、平均直径が2000nm以下のナノ繊維からなるナノ繊維層を基材の少なくとも一つの面に形成してなることを特徴とする。
本発明の蚊取り用素材は、基材の少なくとも一つの面にナノ繊維層が形成されたものであり、該ナノ繊維層に蚊が止まることによって蚊を絡め取る(捕獲する)ものである。このように、本発明の蚊取り用素材は、基材の少なくとも一つの面にナノ繊維層を形成しただけの構成であるため、簡単に製造することができ、しかも、基材としては様々な材質を用いることができるので、様々な用途に使用することができる。また、殺虫剤を用いることなく蚊取り効果が得られるため、人体に安全な蚊取り素材となる。なお、捕獲した蚊は時間が経過すると乾燥するため、捕獲した蚊の本体を蚊取り用素材から容易に除去することができる。
(2)本発明の蚊取り用素材においては、前記ナノ繊維層の厚さは、1μm〜50μmの範囲内にあることが好ましい。
このように、ナノ繊維層の厚さを1μm〜50μmの範囲内にすることにより、比較的安価な製造コストで優れた蚊取り性能の蚊取り用素材を製造することができる。
(3)本発明の蚊取り用素材においては、前記ナノ繊維には、蚊の好む物質が含有又は塗布されていることが好ましい。
このように、ナノ繊維には、蚊の好む物質が含有又は塗布されているので、蚊を誘引する効果を高めることができ、蚊を効率的に捕獲することができる。
(4)本発明の蚊取り用素材においては、前記蚊の好む物質は、乳酸、炭酸ガス放出性物質及び香料組成物の少なくとも1つであることが好ましい。
これらの物質をナノ繊維に含有又は塗布させることによって、蚊を誘引する効果をより高めることができる。特に、乳酸及び炭酸ガスは蚊を誘引する効果が高いとされているので、これらの物質をナノ繊維に含有又は塗布させることによって、蚊を誘引する効果をより高めることができる。
(5)本発明の蚊取り用素材においては、前記炭酸ガス放出性物質は、石灰石粉末であることが好ましい。
炭酸ガス放出性物質として石灰石粉末を用い、これをナノ繊維に含有又は塗布させることにより、炭酸ガスを長期間放出させることができ、蚊を誘引する効果を長期間持続させることができる。
(6)本発明の蚊取り用素材においては、前記ナノ繊維は、黒色を呈することが好ましい。
これは、蚊の好む色が黒色であることを利用したものであり、ナノ繊維が黒色を呈することにより、蚊を誘引する効果を高めることができる。また、ナノ繊維に蚊の好む物質を含有又は塗布させるとともに、ナノ繊維を黒色とすることによって、蚊を誘引する効果をより高めることができる。
(7)本発明の蚊取り用素材においては、前記ナノ繊維は、エレクトロスピニング法又はメルトブロウン法によって製造されたナノ繊維であることが好ましい。
このような方法を用いることによって、所定の平均直径を有するナノ繊維の集合体からなるナノ繊維層を高い生産性で製造することができる。
(8)本発明の蚊取り用素材においては、前記基材は、シート状の基材からなることが好ましい。
シート状の基材からなる基材を用いて蚊取り用素材を製造することにより、製造された蚊取り用素材を様々な用途に用いることができる。なお、シート状の基材としては、布、紙など様々な材質のものを用いることができる。
(9)本発明の蚊取り用素材においては、前記基材は、網状の基材からなることもまた好ましい。
網状の基材からなる基材を用いて蚊取り用素材を製造することにより、シート状の基材からなる基材を用いて製造した蚊取り用素材とは異なった用途にも使用することができる。
(10)本発明の蚊取り用素材においては、前記網状の基材を構成する網構成部材に前記ナノ繊維層が形成されているとともに、前記網構成部材によって囲まれる各空間部にも前記ナノ繊維層が形成されることが好ましい。
これは、網状の基材の全面にナノ繊維層を形成するものである、このような蚊取り用素材において、網状の基材として、布などに比べて剛性の高い材質(例えば、金属又は合成樹脂など。)のものを用いることにより、蚊取り用素材の形状をそのまま保持することができ、また、基材が網状となっているので、通気性をも確保することができる。
(11)本発明の蚊取り用素材においては、前記網状の基材を構成する網構成部材に前記ナノ繊維層が形成されているとともに、前記網構成部材によって囲まれる各空間部には前記ナノ繊維層が形成されていないこともまた好ましい。
これは、網状の基材を構成する複数の網構成部材のみにナノ繊維層材が形成され、網構成部材によって囲まれる各空間部にはナノ繊維層が形成されないように構成されるものである。このような蚊取り用素材は、蚊取り用素材の反対側の見通しも可能であるので、例えば、家畜小屋などの囲い部材として使用することができる。
(12)本発明のカーテンは、上記(8)に記載の蚊取り用素材を用いて製造されたカーテンである。
これは、シート状の基材としてカーテン用の生地を用いて蚊取り用素材を製造し、該蚊取り用素材を用いてカーテンを製造するというものである。このようにして製造されたカーテンは、通常のカーテンとしての機能を有するとともに、カーテンとして吊しておくだけで、ナノ繊維によって蚊を捕獲することができる。なお、カーテンの場合は、カーテン用の生地の両面にナノ繊維層を形成することも可能であり、このようにすることによって、より一層、効率的に蚊を捕獲することができる。
(13)本発明のエプロンは、上記(8)に記載の蚊取り用素材を用いて製造されたエプロンである。
これは、シート状の基材としてエプロン用の生地を用いて蚊取り用素材を製造し、該蚊取り用素材を用いてエプロンを製造するというものである。このようにして製造されたエプロンは、通常のエプロンとしての機能を有するとともに、当該エプロンを着用しているだけで、ナノ繊維によって蚊を捕獲することができる。
(14)本発明の衣服は、上記(8)に記載の蚊取り用素材を用いて製造された衣服である。
これは、シート状の基材として衣服用の生地を用いて蚊取り用素材を製造し、該蚊取り用素材を用いて衣服を製造するというものである。このようにして製造された衣服は、通常の衣服としての機能を有するとともに、当該衣服を着用しているだけで、ナノ繊維によって蚊を捕獲することができる。
(15)本発明の壁紙は、上記(8)に記載の蚊取り用素材を用いて製造された壁紙である。
これは、シート状の基材として壁紙用の生地を用いて蚊取り用素材を製造し、該蚊取り用素材を用いて壁紙を製造するというものである。このようにして製造された壁紙は、通常の壁紙としての機能を有するとともに、当該壁紙を貼っておくだけで、ナノ繊維によって蚊を捕獲することができる。
(16)本発明のテントは、上記(8)に記載の蚊取り用素材を用いて製造されたテントである。
これは、シート状の基材としてテント用の生地を用いて蚊取り用素材を製造し、該蚊取り用素材を用いてテントを製造するというものである。このようにして製造されたテントは、通常のテントとしての機能を有するとともに、当該テントを張っておくだけで、ナノ繊維によって蚊を捕獲することができる。このため、本発明のテントをキャンプあるいは災害時などで使用する場合、近寄ってくる蚊を効率よく捕獲することができるので、テントでの生活を快適にすることができる。
(17)本発明の電灯カバーは、上記(8)に記載の蚊取り用素材を用いて製造された電灯カバーである。
これは、シート状の基材からなる蚊取り用素材を用いて電灯カバーを製造するというものである。このようにして製造された電灯カバーは、通常の電灯カバーとしての機能を有するとともに、当該電灯カバーを付けておくだけで、ナノ繊維によって蚊を捕獲することができる。
(18)本発明の家畜用囲い部材は、上記(9)に記載の蚊取り用素材を用いて製造された家畜小屋囲い部材である。
これは、網状の基材からなる蚊取り用素材を用いて家畜小屋囲い部材を製造するというものである。このようにして製造された家畜小屋囲い部材は、当該家畜小屋囲い部材を家畜小屋の周りに囲っておくだけで、ナノ繊維によって蚊を捕獲することができる。
以下、本発明の蚊取り用素材について、図に示す実施形態に基づいて説明する。
[実施形態1]
図1は、実施形態1に係る蚊取り用素材100の構成を示す図である。図1(a)は蚊取り用素材100の断面図であり、図1(b)は蚊取り用素材100におけるナノ繊維層120の部分断面を示す顕微鏡写真である。
図1は、実施形態1に係る蚊取り用素材100の構成を示す図である。図1(a)は蚊取り用素材100の断面図であり、図1(b)は蚊取り用素材100におけるナノ繊維層120の部分断面を示す顕微鏡写真である。
実施形態1に係る蚊取り用素材100は、可撓性を有するシート状の基材110と、基材110の少なくとも一方の面に形成されたナノ繊維層120とを備える。可撓性の基材110の材質は特に限定されるものではなく、蚊取り用素材100の用途(例えば、カーテン、エプロン、衣服、壁紙、テント、電灯カバーなど。)によって、布、紙など様々な材質のものを選択可能である。また、表面は平滑な面である必要はなく多少の凹凸があってもよい。
ナノ繊維層120は、エレクトロスピニング法によって形成された、例えば、ポリエチレンテレフタレート製のナノ繊維121の集合体からなる(図1(b)参照。)。なお、ナノ繊維121は、平均直径を2000nm以下とすることが好ましいが、蚊の足に生えている繊毛よりもさらに細い1000nm以下(例えば、50nm〜800nm)とすることがより好ましい。また、ナノ繊維層120の厚さは、蚊取り性能(ナノ繊維に対する蚊の繊毛の絡まり易さ)を考慮するとある程度厚い方が好ましい半面、製造コストを考慮するとある程度薄い方が好ましいため、これら双方を考慮して、1μm〜50μmとすることが好ましく、3μm〜30μmとすることがより好ましく、5μm〜20μmとすることがさらに好ましい。
図2は、実施形態1に係る蚊取り用素材の製造方法を説明する図である。図2(a)は長尺の可撓性の基材110を示す斜視図であり、図2(b)は蚊取り用素材100を製造するための蚊取り用素材製造装置500の構成を模式的に示す図である。
蚊取り用素材製造装置500は、図2に示すように、ロール状に巻き取られた基材110を送り出すための送り出し側リール510と、ナノ繊維層が形成された蚊取り用素材100を巻き取るための巻き取りリール520と、送り出しリール510と巻き取りリール520との間に介在される送りリール531,532と、送りリール531と送りリール532との間に介在される電極540と、電極540の対向電極としての役目を果たすとともにナノ繊維原料タンク550に入っているナノ繊維原料560を噴射するノズル570と、噴射量などの制御を行うバルブ580と、電極540とノズル570との間に高圧の電圧を与える高圧電源590とを有する。
なお、ナノ繊維原料560は、溶媒に溶かして液体とした状態でナノ繊維原料タンク550に供給されている。このとき、ナノ繊維原料を溶媒に溶かした液体には、蚊の好む物質も混入させておく。蚊の好む物質としては、乳酸、炭酸ガス放出性物質、香料組成物などであり、これらの物質すべてを混入させるようにしてもよく、これらの物質の中から特定の物質を選択して混入させるようにしてもよい。
乳酸及び炭酸ガスは、蚊が特に好む物質の1つとされているので、これらの物質を含有させることは、蚊を誘引する効果を高めるうえで特に好ましい。炭酸ガス放出性物質としては、石灰石粉末を例示することができる。このように、石灰石粉末をナノ繊維に含有させることによって、炭酸ガスを長期間持続して放出させることができる。また、蚊の好む香料組成物としては、例えば、シトラール及びシトレラールを含むテルペン形アルデヒド、リモネン、テルピネンを含むテルペン系炭化水素、アルデヒドC−8、フェニルアセトアルデヒドなどを挙げることができる。
また、蚊の好む色は黒色であるとされているので、ナノ繊維が黒色を呈するようにするための物質(例えば、黒インクなど。)を、ナノ繊維原料を溶媒に溶かした液体に混入させておくことも好ましい。
このような構成において、送り出しリール510に取り付けられた基材110を送り出しながら、ナノ繊維原料を溶媒に溶かした液体をノズル570から基材110に向けて噴射させることにより、基材110の一方の面にナノ繊維層120が形成される。このとき、溶媒は、ノズル570から噴射されたのちに蒸発する。なお、電極540は、図示しないヒータによって加熱されており、仮に基材110に形成されたナノ繊維層に溶媒が残存した場合であっても、残存した溶媒はヒータの熱によって蒸発する。
以上のような工程を行うことによって、基材110の一方の面にナノ繊維層120が形成された蚊取り用素材100を製造することができる。なお、製造された蚊取り用素材100は、蚊の好む物質(乳酸、炭酸ガス放出性物質及び香料組成物の少なくとも1つ)がナノ繊維に含有された状態となっているので、蚊を誘引する効果の高い蚊取り用素材とすることができる。また、ナノ繊維121は黒色を呈するため、ナノ繊維層120全体が黒色となり、蚊を誘因する効果をより高めることができる。
図3は、実施形態1に係る蚊取り用素材100のナノ繊維層120によって蚊が捕獲された状態を示す顕微鏡写真である。図3において、不規則に張り巡らされている細い繊維がナノ繊維121であり、写真のほぼ中央部には捕獲された蚊300が存在している。
蚊は昆虫であるため、6本の足及び2本の触角(ひげ)を有するが、ここでは、6本の足のうち2本の足311,312と、2本の触角のうちの一方の触角321に注目する。そして、これら2本の足311,312の楕円A1,A2で囲まれた部分及び触角321の楕円A3で囲まれた部分に注目すると、足311,312には繊毛311a,312aが多数生えており、触角321にも繊毛321aが多数生えており、これら繊毛311a,312a,321aがナノ繊維121に絡まっている。
図4は、図3における足311の一部を拡大した顕微鏡写真である。図4からは足311の繊毛311aがナノ繊維121に絡まっている様子がよくわかる。
図5は、図3における触角321の一部を拡大した顕微鏡写真である。図5(a)は触角321の一部を拡大した顕微鏡写真であり、図5(b)は図5(a)の円Bで囲まれた部分をさらに拡大して示す図である。
触角321には、図5(a)に示すように、多数の節が存在し、各節には多数の繊毛321aが突起のように生えている。また、図5(a)及び図5(b)からは繊毛321aがナノ繊維121に絡まっている様子がわかる。
なお、蚊300は吸血対象となる生き物(例えば人間)の一部(腕や足など)に止まった場合は、吸血の体制をとるために足を踏ん張ったり、触角を吸血対象に近づけたり動かしたりする動作を行うことが知られている。また、人間などの生き物だけではなく、衣服やカーテンなどに止まった場合にも、同様の動作を行うことが知られている。
したがって、実施形態1に係る蚊取り用素材100のナノ繊維層120に蚊が止まった場合にも、蚊はナノ繊維層120上で足を踏ん張ったり、触角321をナノ繊維層120に近づけたり動かしたりする動作を行う。
このため、蚊の足311,312の繊毛311a,312aはナノ繊維121に絡み、触角321の繊毛321aもナノ繊維121に絡むこととなる。そして、一旦、蚊の足311,312や触角321がナノ繊維121に絡まった状態となると、蚊が絡みを解こうとして足や触角をさらに動かそうとすれば、それぞれの繊毛311a,312a、繊毛321aは、より多くのナノ繊維121に絡むようになる。このような状態となると、蚊は再び飛び立つことはできない。
ところで、実施形態1に係る蚊取り用素材100は、様々な用途として用いることができる。その用途としては、カーテン、エプロン、衣服、壁紙、テント、電灯カバーなどを例示することができる。この場合、基材110は、それぞれの用途に応じた最適な材質を用いればよい。
例えば、カーテン用の生地を基材110として用いて、図2に示すような工程を行って蚊取り用素材100を製造すれば、当該蚊取り用素材100は、カーテンの素材として使用することができる。
このような蚊取り用素材100を用いて製造されたカーテンは、通常のカーテンとしての機能を有するとともに、カーテンとして吊しておくだけで、ナノ繊維層120によって蚊を捕獲する機能をも有する。なお、カーテンとしては、基材(カーテン用の生地)110の一方の面だけでなく他方の面、すなわちカーテンの生地の両面にナノ繊維層120を形成すれば、蚊を捕獲する効果をより一層大きなものとすることができる。
その他、蚊取り用素材で衣服、エプロン、壁紙、テント、電灯カバーを製造しようとする場合も同様であり、衣服、エプロン、壁紙、テント、電灯カバーとするために最適な生地を基材110として用いて、図2に示すような工程を行って蚊取り用素材100を製造すれば、当該製造された蚊取り用素材100は、衣服、エプロン、テント、壁紙、テント、電灯カバーの素材として使用することができる。
このような蚊取り用素材100を用いて製造された衣服、エプロン、壁紙、テント、電灯カバーは、通常の衣服、エプロン、壁紙、テント、電灯カバーとしての機能を有することは勿論、これらを通常の用い方で使用するだけで、ナノ繊維によって蚊を捕獲する機能をも有する。なお、テントにおいてもカーテンと同様に、生地の両面にナノ繊維層を形成することによって、蚊を捕獲する効果をより一層大きなものとすることができる。
[実施形態2]
図6は、実施形態2に係る蚊取り用素材200について説明する図であり、図6(a)は蚊取り用素材200に用いられる網状の基材210の一部を示す平面図、図6(b)は基材210にナノ繊維層120が形成された蚊取り用素材200を示す平面図、図6(c)は図6(b)のA1−A1断面図であり、図6(d)は図6(b)のA2−A2断面図である。なお、網状の基材210は、図6(a)に示すように、多数の網構成部材(多数の横方向部材210a及び多数の縦方向部材210b)によって構成されている。
図6は、実施形態2に係る蚊取り用素材200について説明する図であり、図6(a)は蚊取り用素材200に用いられる網状の基材210の一部を示す平面図、図6(b)は基材210にナノ繊維層120が形成された蚊取り用素材200を示す平面図、図6(c)は図6(b)のA1−A1断面図であり、図6(d)は図6(b)のA2−A2断面図である。なお、網状の基材210は、図6(a)に示すように、多数の網構成部材(多数の横方向部材210a及び多数の縦方向部材210b)によって構成されている。
実施形態2に係る蚊取り用素材200は、図6に示すように、基材210が網状である点が実施形態1に係る蚊取り用素材100と異なる。基材210の材質は、特に限定されるものではなく、蚊取り用素材200の用途によって、様々な材質を用いることができるが、実施形態2に係る蚊取り用素材200においては、実施形態1に係る蚊取り用素材100において用いた基材110(布、紙など)に比べて剛性の高い材質(例えば、金属又は合成樹脂など)を用いるものとする。
なお、実施形態2に係る蚊取り用素材200は、図6に示すように、網状の基材210を構成する各網構成部材(各横方向部材210a及び各縦方向部材210b)のみではなく、これら横方向部材210a及び縦方向部材210bで囲まれる空間部210cにもナノ繊維層120が形成され、見た目には、基材210の全面にナノ繊維層120が形成されたものとなる。
実施形態2に係る蚊取り用素材200は、基材210がシート状の基材からなる場合と同様に、図2に示す蚊取り用素材製造装置500によって蚊取り用素材200を製造することができる。この場合、実施形態2に係る蚊取り用素材200を製造する際にも、実施形態1に係る蚊取り用素材100を製造する場合と同様に、ナノ繊維原料を溶媒に溶かした液体には、蚊の好む物質を混入させておくことが好ましい。
なお、実施形態2に係る蚊取り用素材200においては、基材210の材質を布や紙に比べて剛性の高いものとしているので、基材210をロール状にできない場合もある。このような場合は、電極540上に網状の基材210を載せて、ナノ繊維をノズル570から噴射させるようにすれば、基材210にナノ繊維層120を形成することができ、実施形態2に係る蚊取り用素材200を製造することができる。また、基材210の表面全面にナノ繊維層を形成するためには、基材210の隣接する横方向部材間の間隔及び隣接する縦方向部材間の間隔は10mm程度までが好ましい。
実施形態2に係る蚊取り用素材200は、基材210が布や紙材などに比べて剛性の高い材質(金属又は合成樹脂など)を用いているため、形状をそのまま保持することができ、かつ、基材210が網状となっているので、通気性をも確保することができる。したがって、実施形態2に係る蚊取り用素材200は、ある程度高い剛性を必要とし、かつ、通気性の確保の必要な場所に使用することができる。
なお、実施形態2に係る蚊取り用素材200においては、基材210の一方の面のみにナノ繊維層120を形成した例を示したが、基材210の両面にナノ繊維層120を形成するようにしてもよい。
また、図6に示した基材210は、横方向部材及び縦方向部材が各交点において交互に上の位置及び下の位置となるように編まれた構造のものであったが、プレス打ち抜きやラス網などのように、一体成型によって製造されたものであってもよい。
実施形態2に係る蚊取り用素材200は、横方向部材210a及び縦方向部材210bで囲まれる空間部210cにもナノ繊維層が形成され、見た目には、基材210の全面にナノ繊維層120が形成されるような構造としたが、その変形例として、全面にナノ繊維を形成するのではなく、基材210を構成する横方向部材210a及び縦方向部材210bのみにナノ繊維層120を形成するようにしてもよい。
図7は、実施形態2の変形例に係る蚊取り用素材200’について説明する図である。図7(a)は蚊取り用素材200’の平面図であり、図7(b)は図7(a)のA1−A1断面図であり、図7(c)は図7(a)のA2−A2断面図である。なお、実施形態2の変形例に係る蚊取り用素材200’においては、基材として、図6(a)と同じ網状の基材210を用いるものとする。
蚊取り用素材200’は、図7に示すように、網状の基材210の各横方向部材210a及び各縦方向部材210b(図7(a)参照。)のみにナノ繊維層120が形成され、各網構成部材(各横方向部材210a及び各縦方向部材210b)で囲まれる空間部210cにはナノ繊維層120が形成されないような構造となっている。このような構造の蚊取り用素材200’は、蚊取り用素材200’の反対側の見通しも可能であるので、例えば、家畜小屋などの囲い部材として使用することができる。
なお、本発明は上記した各実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能となるものである。例えば、下記に示すような変形実施も可能である。
(1)実施形態1に係る蚊取り用素材100は、例えば、カーテン、エプロン、衣服、壁紙、テント、電灯カバーなどに使用することを想定して、布、紙などの生地を基材110として用いた例を示したが、本発明の蚊取り用素材は、上記各実施形態で述べた用途以外にも様々な用途があり、用途によって様々な基材を用いることができる。例えば、弾力性を有する部材を基材として用いることも可能である。
(2)実施形態2においては、網状の基材210として、金属又は合成樹脂など所定の剛性を有する部材を用いた例を示したが、これに限られるものではなく、実施形態1に係る蚊取り用素材100と同様に、布、紙などの生地を網状に形成したものを基材210として用いることも可能である。
(3)上記各実施形態に係る蚊取り用素材は、上記各実施形態で述べた用途以外にも様々な用途があり、例えば、陽射しを調整するブラインド、自動車の内装部材などにも使用することができる。
(4)上記各実施形態では、ナノ繊維原料を溶媒に溶かした液体に混入させることによって蚊の好む物質をナノ繊維に含有させるようにしたが、製造されたナノ繊維に蚊の好む物質を塗布(コーティング吸着)するようにしてもよい。
(5)上記各実施形態では、ナノ繊維の製造方法として、エレクトロスピニング法を用いた場合を例示したが、これに限られるものではなく、例えば、メルトブロウン法を用いてもよい。
(6)ナノ繊維121としては、ポリエチレンテレフタレートなどの合成繊維製のナノ繊維に限られるものではなく、例えば、バイオポリマ(シルク、コラーゲン、セルロース、キチン、キトサンなど)、ナイロン、ポリ乳酸、ポリウレタン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、ポリアクリル酸類及びこれらの誘導体などを用いたものであってもよい。
100,200,200’・・・蚊取り用素材、110・・・基材(シート状の基材)、120・・・ナノ繊維層、121・・・ナノ繊維、210・・・基材(網状の基材)、210a・・・横方向部材、210b・・・縦方向部材、210c・・・空間部、300・・・蚊、311,312・・・足、311a,312a・・・繊毛、321・・・触角、321a・・・繊毛、510・・・送り出しリール、520・・・巻き取りリール、531,532・・・送りリール、540…電極、550・・・ナノ繊維原料タンク、560・・・ナノ繊維原料、570・・・ノズル、580・・・バルブ、590・・・高圧電源
Claims (18)
- 平均直径が2000nm以下のナノ繊維からなるナノ繊維層を基材の少なくとも一つの面に形成してなることを特徴とする蚊取り用素材。
- 請求項1に記載の蚊取り用素材において、
前記ナノ繊維層の厚さは、1μm〜50μmの範囲内にあることを特徴とする蚊取り用素材。 - 請求項1又は2に記載の蚊取り用素材において、
前記ナノ繊維には、蚊の好む物質が含有又は塗布されていることを特徴とする蚊取り用素材。 - 請求項3に記載の蚊取り用素材において、
前記蚊の好む物質は、乳酸、炭酸ガス放出性物質及び香料組成物の少なくとも1つであることを特徴とする蚊取り用素材。 - 請求項4に記載の蚊取り用素材において、
前記炭酸ガス放出性物質は、石灰石粉末であることを特徴とする蚊取り用素材。 - 請求項1〜5のいずれかに記載の蚊取り用素材において、
前記ナノ繊維は、黒色を呈することを特徴とする蚊取り用素材。 - 請求項1〜6のいずれかに記載の蚊取り用素材において、
前記ナノ繊維は、エレクトロスピニング法又はメルトブロウン法によって製造されたナノ繊維であることを特徴とする蚊取り用素材。 - 請求項1〜7のいずれかに記載の蚊取り用素材において、
前記基材は、シート状の基材からなることを特徴とする蚊取り用素材。 - 請求項1〜7のいずれかに記載の蚊取り用素材において、
前記基材は、網状の基材からなることを特徴とする蚊取り用素材。 - 請求項9に記載の蚊取り用素材において、
前記網状の基材を構成する網構成部材に前記ナノ繊維層が形成されているとともに、前記網構成部材によって囲まれる各空間部にも前記ナノ繊維層が形成されることを特徴とする蚊取り用素材。 - 請求項9に記載の蚊取り用素材において、
前記網状の基材を構成する網構成部材に前記ナノ繊維層が形成されているとともに、前記網構成部材によって囲まれる各空間部には前記ナノ繊維層が形成されていないことを特徴とする蚊取り用素材。 - 請求項8に記載の蚊取り用素材を用いて製造されたカーテン。
- 請求項8に記載の蚊取り用素材を用いて製造されたエプロン。
- 請求項8に記載の蚊取り用素材を用いて製造された衣服。
- 請求項8に記載の蚊取り用素材を用いて製造された壁紙。
- 請求項8に記載の蚊取り用素材を用いて製造されたテント。
- 請求項8に記載の蚊取り用素材を用いて製造された電灯カバー。
- 請求項9に記載の蚊取り用素材を用いて製造された家畜小屋囲い部材。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US20210315193A1 (en) * | 2018-10-26 | 2021-10-14 | Human Centered And Bio-Inspired Ideas For Daily Life S.R.L. In Sigla Hubilife S.R.L. | Bio-robotic device for luring and killing hematophagous arthropods |
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-
2009
- 2009-01-16 JP JP2009008060A patent/JP2010161988A/ja not_active Withdrawn
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