JP2010161528A - 圧電振動片、圧電振動片を用いた圧電振動子、および圧電振動片を用いた圧電デバイス - Google Patents

圧電振動片、圧電振動片を用いた圧電振動子、および圧電振動片を用いた圧電デバイス Download PDF

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Abstract

【課題】圧電振動片の電極部または圧電基板をパッケージへ固定し、圧電振動片の電極部とパッケージのパッド部との電気的接続を図った後に、電気的接続および固定の良否、特に固定の良否について全数を検査すること。
【解決手段】マウント電極部4が水晶基板2の表面(または裏面)に形成されている場合、水晶基板2の裏面(または表面)からマウント電極部4を透かし見る非破壊試験により全数検査を実施するので、マウント電極部4の露出部42の状態を確認することができる。これにより、抜き取りで破壊試験を実施することによる不良の発生、つまり歩留りの低下を引き起こすことを防ぐことができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、圧電振動片、圧電振動片を用いた圧電振動子、および圧電振動片を用いた圧電デバイスに関する。
従来から、水晶などの圧電基板に、金(Au)などからなる電極部が形成された圧電振動片を、アルミナなどからなるパッケージに固定し、電極部とパッケージに形成されたパッド部とを電気的に接続する方法として、導電性接着剤を用いる方法がある。
一般的に、導電性接着剤と、圧電振動片に形成された金(Au)などからなる電極部との接着力に比べて、導電性接着剤と圧電振動片との接着力が強く耐衝撃性が優れている。このため、圧電振動片の電極部の端部に非電極部を形成することで、導電性接着剤と圧電振動片(圧電基板および電極部)との接着力の向上を図っている(たとえば、特許文献1参照)。
また、リード電極(電極部)およびこのリード電極に隣接する素板(圧電基板)面に跨る範囲に導電性接着剤を塗布しているものもある(たとえば、特許文献2参照)。
特開平9−246904号公報(2頁〜4頁、図2〜図3) 特開2000−138550号公報(2頁〜7頁、図3〜図4)
しかしながら、導電性接着剤を用いて、圧電振動片の電極部または圧電基板をパッケージへ固定し、圧電振動片の電極部とパッケージのパッド部との電気的接続を図った後に、電気的接続および固定の良否、特に固定の良否を確認するには、圧電振動片または圧電基板を剥がして確認するという破壊試験を抜き取りで実施するなどが必要になる。しかし、全数を検査することができなく、接着力不良の圧電振動子を完全に排除することは困難である。また、抜き取りで確認するため、破壊試験された圧電振動子は不良となり、歩留りが低下するという課題がある。
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決するためになされたものである。以下の形態または適用例により実現することが可能である。
[適用例1]本適用例にかかる圧電振動片は、圧電基板と、前記圧電基板の表面または裏面のいずれかに形成されたマウント電極部とを備え、前記マウント電極部は、導電性部材により形成された導通部と、前記導通部に囲まれて前記圧電基板が露出した複数の露出部とを有することを要旨とする。
これによれば、マウント電極部が圧電基板の表面(または裏面)に形成されている場合、圧電基板の裏面(または表面)からマウント電極部を透かし見ることができるので、マウント電極部の露出部の状態を確認することができる。
圧電振動片とこの圧電振動片を収納するパッケージとの固定を、圧電振動片のマウント電極部とパッケージの導通固定部との間で、たとえば導電性接着剤を用いて図った後に、圧電振動片の側から露出部を透かし見る非破壊試験で、露出部での導電性接着剤の広がり具合の良否判定を実施するので、この良否判定に基づいて導電性接着剤による圧電振動片の露出部とパッケージとの固定の接着力の良否を確認することができる。つまり、露出部に導電性接着剤が広がっていれば、圧電振動片のマウント電極部とパッケージの導通固定部との接着力を良と判断できる。これに加えて、複数の露出部への導電性接着剤の広がり具合の良否判定を実施するので、この良否判定に基づいて複数の露出部の間に形成されている導通部とパッケージの導通固定部との電気的接続の良否を確認することができる。たとえば隣接する複数の露出部に導電性接着剤が広がっていれば、複数の露出部の間に形成されている導通部に導電性接着剤が広がっていると判断できる。これにより、圧電振動片のマウント電極部とパッケージの導通固定部との電気的接続を良と判断できる。
このようにして、露出部を透かし見る非破壊試験により全数検査を実施するので、抜き取りで破壊試験を実施することによる不良の発生、つまり歩留りの低下を引き起こすことなく、接着力不良および電気的接続不良の圧電振動片を排除することができる。
[適用例2]上記適用例にかかる圧電振動片において、前記マウント電極部は、前記圧電基板の表面および裏面に形成され、前記表面および前記裏面のマウント電極部は、それぞれ前記複数の露出部を有し、前記表面の複数の前記露出部のうち一の露出部と、前記裏面の複数の前記露出部のうち一の前記露出部とは、平面視して少なくとも一部が重なっていることが好ましい。
これによれば、マウント電極部を圧電基板の表面および裏面に形成した場合であっても、マウント電極部の導通部に囲まれて形成された露出部が、圧電基板の表面および裏面で対向して配置される組み合せを複数組備えているので、圧電基板の表面から裏面、または裏面から表面を、透かし見ることができる。これにより、対向して配置された露出部を透かし見る非破壊試験で、マウント電極部での導電性接着剤の良否判定を実施するので、この良否判定に基づいて、導電性接着剤による圧電振動片とパッケージとの固定の接着力の良否、および圧電振動片のマウント電極部とパッケージの導通固定部との電気的接続の良否を確認することができる。このようにして、露出部を透かし見る非破壊試験により全数検査を実施するので、抜き取りで破壊試験を実施することによる不良の発生、つまり歩留りの低下を引き起こすことなく、接着力不良および電気的接続不良の圧電振動片を排除することができる。
[適用例3]上記適用例にかかる圧電振動片において、前記圧電基板は、透光性を有していることが好ましい。
これによれば、露出部を透かし見る非破壊試験において視認しやすくなるので、接着力および電気的接続の良否を精度良く判定することができる。
[適用例4]上記適用例にかかる圧電振動片において、前記圧電基板は、水晶であることが好ましい。
これによれば、上述と同様の効果を奏することができる。
[適用例5]本適用例にかかる圧電振動子は、圧電基板と、前記圧電基板の表面または裏面のいずれかに形成されたマウント電極部と、前記圧電基板を収納するパッケージと、前記パッケージ内に形成された導通固定部とを備え、前記圧電基板は、前記パッケージ内に気密に封止され、前記マウント電極部は、前記導通固定部に固定され電気的に接続され、前記マウント電極部は、導電性部材により形成された導通部と、前記導通部に囲まれて前記圧電基板が露出した複数の露出部とを有することを要旨とする。
これによれば、マウント電極部が圧電基板の表面(または裏面)に形成されている場合、圧電基板の裏面(または表面)からマウント電極部を透かし見ることができるので、マウント電極部の露出部の状態を確認することができる。
圧電振動片とこの圧電振動片を収納するパッケージとの固定を、圧電振動片のマウント電極部とパッケージの導通固定部との間で、たとえば導電性接着剤を用いて図った後に、圧電振動片の側から露出部を透かし見る非破壊試験で、露出部での導電性接着剤の広がり具合の良否判定を実施するので、この良否判定に基づいて導電性接着剤による圧電振動片の露出部とパッケージとの固定の接着力の良否を確認することができる。つまり、露出部に導電性接着剤が広がっていれば、圧電振動片のマウント電極部とパッケージの導通固定部との接着力を良と判断できる。これに加えて、複数の露出部への導電性接着剤の広がり具合の良否判定を実施するので、この良否判定に基づいて複数の露出部の間に形成されている導通部とパッケージの導通固定部との電気的接続の良否を確認することができる。たとえば隣接する複数の露出部に導電性接着剤が広がっていれば、複数の露出部の間に形成されている導通部に導電性接着剤が広がっていると判断できる。これにより、圧電振動片のマウント電極部とパッケージの導通固定部との電気的接続を良と判断できる。
このようにして、露出部を透かし見る非破壊試験により全数検査を実施するので、抜き取りで破壊試験を実施することによる不良の発生、つまり歩留りの低下を引き起こすことなく、接着力不良および電気的接続不良の圧電振動片を排除することができる。
[適用例6]上記適用例にかかる圧電振動子において、前記マウント電極部は、前記圧電基板の表面および裏面に形成され、前記表面および前記裏面のマウント電極部は、それぞれ前記複数の露出部を有し、前記表面の複数の前記露出部のうち一の露出部と、前記裏面の複数の前記露出部のうち一の前記露出部とは、平面視して少なくとも一部が重なってことが好ましい。
これによれば、マウント電極部を圧電基板の表面および裏面に形成した場合であっても、マウント電極部の導通部に囲まれて形成された露出部が、圧電基板の表面および裏面で対向して配置される組み合せを複数組備えているので、圧電基板の表面から裏面、または裏面から表面を、透かし見ることができる。これにより、対向して配置された露出部を透かし見る非破壊試験で、マウント電極部での導電性接着剤の良否判定を実施するので、この良否判定に基づいて、導電性接着剤による圧電振動片とパッケージとの固定の接着力の良否、および圧電振動片のマウント電極部とパッケージの導通固定部との電気的接続の良否を確認することができる。このようにして、露出部を透かし見る非破壊試験により全数検査を実施するので、抜き取りで破壊試験を実施することによる不良の発生、つまり歩留りの低下を引き起こすことなく、接着力不良および電気的接続不良の圧電振動片を排除することができる。
[適用例7]上記適用例にかかる圧電振動子において、前記圧電基板は、透光性を有していることが好ましい。
これによれば、露出部を透かし見る非破壊試験において視認しやすくなるので、接着力および電気的接続の良否を精度良く判定することができる。
[適用例8]上記適用例にかかる圧電振動子において、前記圧電基板は、水晶であることが好ましい。
これによれば、上述と同様の効果を奏することができる。
[適用例9]本適用例にかかる圧電デバイスは、圧電基板と、前記圧電基板の表面または裏面のいずれかに形成されたマウント電極部と、前記圧電基板を収納するパッケージと、前記パッケージ内に形成された導通固定部と、前記圧電基板を駆動させる駆動回路とを備え、前記圧電基板は、前記パッケージ内に気密に封止され、前記マウント電極部は、前記導通固定部に固定され電気的に接続され、前記マウント電極部は、導電性部材により形成された導通部と、前記導通部に囲まれて前記圧電基板が露出した複数の露出部とを有することを要旨とする。
これによれば、マウント電極部が圧電基板の表面(または裏面)に形成されている場合、圧電基板の裏面(または表面)からマウント電極部を透かし見ることができるので、マウント電極部の露出部の状態を確認することができる。
圧電振動片とこの圧電振動片を収納するパッケージとの固定を、圧電振動片のマウント電極部とパッケージの導通固定部との間で、たとえば導電性接着剤を用いて図った後に、圧電振動片の側から露出部を透かし見る非破壊試験で、露出部での導電性接着剤の広がり具合の良否判定を実施するので、この良否判定に基づいて導電性接着剤による圧電振動片の露出部とパッケージとの固定の接着力の良否を確認することができる。つまり、露出部に導電性接着剤が広がっていれば、圧電振動片のマウント電極部とパッケージの導通固定部との接着力を良と判断できる。これに加えて、複数の露出部への導電性接着剤の広がり具合の良否判定を実施するので、この良否判定に基づいて複数の露出部の間に形成されている導通部とパッケージの導通固定部との電気的接続の良否を確認することができる。たとえば隣接する複数の露出部に導電性接着剤が広がっていれば、複数の露出部の間に形成されている導通部に導電性接着剤が広がっていると判断できる。これにより、圧電振動片のマウント電極部とパッケージの導通固定部との電気的接続を良と判断できる。
このようにして、露出部を透かし見る非破壊試験により全数検査を実施するので、抜き取りで破壊試験を実施することによる不良の発生、つまり歩留りの低下を引き起こすことなく、接着力不良および電気的接続不良の圧電振動片を排除することができる。
[適用例10]上記適用例にかかる圧電デバイスにおいて、前記マウント電極部は、前記圧電基板の表面および裏面に形成され、前記表面および前記裏面のマウント電極部は、それぞれ前記複数の露出部を有し、前記表面の複数の前記露出部のうち一の露出部と、前記裏面の複数の前記露出部のうち一の前記露出部とは、平面視して少なくとも一部が重なっていることが好ましい。
これによれば、マウント電極部を圧電基板の表面および裏面に形成した場合であっても、マウント電極部の導通部に囲まれて形成された露出部が、圧電基板の表面および裏面で対向して配置される組み合せを複数組備えているので、圧電基板の表面から裏面、または裏面から表面を、透かし見ることができる。これにより、対向して配置された露出部を透かし見る非破壊試験で、マウント電極部での導電性接着剤の良否判定を実施するので、この良否判定に基づいて、導電性接着剤による圧電振動片とパッケージとの固定の接着力の良否、および圧電振動片のマウント電極部とパッケージのパッド部との電気的接続の良否を確認することができる。このようにして、露出部を透かし見る非破壊試験により全数検査を実施するので、抜き取りで破壊試験を実施することによる不良の発生、つまり歩留りの低下を引き起こすことなく、接着力不良および電気的接続不良の圧電振動片を排除することができる。
[適用例11]上記適用例にかかる圧電デバイスにおいて、前記圧電基板は、透光性を有していることが好ましい。
これによれば、露出部を透かし見る非破壊試験において視認しやすくなるので、接着力および電気的接続の良否を精度良く判定することができる。
[適用例12]上記適用例にかかる圧電デバイスにおいて、前記圧電基板は、水晶であることが好ましい。
これによれば、上述と同様の効果を奏することができる。
以下の実施形態では、圧電基板、圧電振動片、圧電振動子、および圧電デバイスとして、圧電材料の一種である水晶からなる水晶基板、水晶振動片、水晶振動子、および水晶発振器を一例に挙げて説明する。
(第1実施形態)
以下、第1実施形態の水晶振動片について、図1および図2を参照して説明する。
図1は、第1実施形態の水晶振動片を示す概略構成図である。図2は、第1実施形態の水晶振動片を示す概略斜視図である。
図1に示すように、水晶振動片1は、水晶基板2と、励振電極3と、マウント電極部4と、引出電極5とを備えている。そして、励振電極3と、マウント電極部4と、引出電極5とは、水晶基板2の表面に形成されている。励振電極3、マウント電極部4、および引出電極5は、金(Au)、銀(Ag)、またはアルミニウム(Al)からなる。そして、励振電極3、マウント電極部4、および引出電極5と、水晶基板2との間には、クロム(Cr)またはニッケル(Ni)などからなる下地層を形成していてもよい。
励振電極3、マウント電極部4、および引出電極5は、たとえばフォトリソグラフィー法を用いて、水晶基板2の表面にレジスト膜を形成した後、レジスト膜から露出した水晶基板2の表面にスパッタリングまたは蒸着などにより形成される。
マウント電極部4は、水晶基板2の表面に2個形成されている。マウント電極部4は、導電性部材により形成された導通部41と、水晶基板2が露出した露出部42とを有している。導通部41は、複数の露出部42を囲んでいる。
2個のマウント電極部4のうち、1個のマウント電極部4aは、引出電極5により励振電極3と繋げられ電気的に接続されている。そして、もう1個のマウント電極部4bは、引出電極5および励振電極3に電気的に独立している。
図2(a)に示すように水晶振動片1は、水晶基板2の表面および裏面それぞれに、励振電極3と、マウント電極部4(4a,4b)と、引出電極5とを備えている。そして、水晶基板2の裏面においての励振電極3、マウント電極部4(4a,4b)、および引出電極5の配置および電気的接続は、図1に示した水晶基板2の表面においての配置および電気的接続と同様である。つまり、水晶基板2の表面および裏面において、対向して配置されたマウント電極部4a,4bの組み合せを2組備えている。つまり、マウント電極部4の露出部42は、水晶基板2の表面および裏面において、対向して配置された組み合せを2組備えている。
水晶基板2の表面において、引出電極5により励振電極3と繋げられ電気的に接続されているマウント電極部4aは、水晶基板2の裏面において電気的に独立しているマウント電極部4bに、水晶基板2の側面に形成された側面電極4cにより電気的に接続されている。
そして、水晶基板2の裏面においても、水晶基板2の表面と同様にして、水晶基板2の裏面のマウント電極部4aは、水晶基板2の表面のマウント電極部4bに、水晶基板2の側面に形成された側面電極4cにより電気的に接続されている。水晶基板2の表面または裏面のいずれかに形成されたマウント電極部4(4a,4b)を用いて、たとえば水晶振動片1を収納するパッケージに固定および電気的接続が成される。
水晶基板2の表面または裏面において、マウント電極部4a,4b間に交流電流を流すことにより、引出電極5を介して、水晶基板2の表面に形成された励振電極3と、裏面に形成された励振電極3とに、正電荷および負電荷が交互に帯電させる。これにより、水晶基板2の表面と裏面との間において、電界の方向が変化する。この電界の発生方向に応じて、水晶基板2の表面および裏面との間で、水晶振動片1は圧電効果により振動(駆動)する。
以下、前記第1実施形態におけるマウント電極に関する変形例を記載する。
(変形例)
図2(b)は、図2(a)に示した水晶振動片1の変形例を示す図である。
図2(b)に示す水晶振動片1Aは、図2(a)に示した水晶振動片1に対して相違する点は、マウント電極部4が水晶基板2の表面に1個形成されている点である。
この場合、水晶基板2の裏面に形成されたマウント電極部4(4a,4b)を用いて、たとえば水晶振動片1Aを収納するパッケージに固定および電気的接続が成される。
したがって、本実施形態および変形例によれば、マウント電極部4が水晶基板2の表面(または裏面)に形成されている場合、水晶基板2の裏面(または表面)からマウント電極部4を透かし見ることができるので、マウント電極部4の露出部42の状態を確認することができる。
水晶振動片1(1A)とこの水晶振動片1(1A)を収納するパッケージとの固定を、たとえば導電性接着剤を用いて図った後に、水晶振動片1(1A)の側から露出部42を透かし見る非破壊試験で、露出部42での導電性接着剤の広がり具合の良否判定を実施するので、この良否判定に基づいて導電性接着剤による水晶振動片1(1A)の露出部42とパッケージとの固定の接着力の良否を確認することができる。つまり、露出部42に導電性接着剤が広がっていれば、水晶振動片1(1A)のマウント電極部4とパッケージとの固定の接着力を良と判断できる。これに加えて、複数の露出部42への導電性接着剤の広がり具合の良否判定を実施するので、この良否判定に基づいて複数の露出部42の間に形成されている導通部41とパッケージとの電気的接続の良否を確認することができる。たとえば隣接する複数の露出部42に導電性接着剤が広がっていれば、複数の露出部42の間に形成されている導通部41に導電性接着剤が広がっていると判断できる。これにより、水晶振動片1(1A)のマウント電極部4とパッケージとの電気的接続を良と判断できる。
このようにして、露出部42を透かし見る非破壊試験により全数検査を実施するので、抜き取りで破壊試験を実施することによる不良の発生、つまり歩留りの低下を引き起こすことなく、接着力不良および電気的接続不良の水晶振動片1(1A)を排除することができる。
そして、マウント電極部4を水晶基板2の表面および裏面に形成した場合であっても、マウント電極部4の導通部41に囲まれて形成された露出部42が、水晶基板2の表面および裏面で対向して配置される組み合せを複数組備えているので、水晶基板2の表面から裏面、または裏面から表面を、透かし見ることができる。これにより、対向して配置された露出部42を透かし見る非破壊試験で、マウント電極部4での導電性接着剤の良否判定を実施するので、この良否判定に基づいて、導電性接着剤による水晶振動片1(1A)とパッケージとの固定の接着力の良否、およびマウント電極部4とパッケージとの電気的接続の良否を確認することができる。このようにして、露出部42を透かし見る非破壊試験により全数検査を実施するので、抜き取りで破壊試験を実施することによる不良の発生、つまり歩留りの低下を引き起こすことなく、接着力不良および電気的接続不良の水晶振動片1(1A)を排除することができる。
また、露出部42を透かし見る非破壊試験において視認しやすくなるので、接着力および電気的接続の良否を精度良く判定することができる。
(第2実施形態)
以下、第2実施形態の水晶振動子について、図3を参照して説明する。
図3は、第2実施形態の水晶振動子を示す概略構成図である。図3(a)はその概略平面図であり、図3(b)はその概略A−A断面図である。
第2実施形態の水晶振動子は、図1および図2に示した第1実施形態の水晶振動片を用いた水晶振動子である。このため、水晶振動片については、同一の符号を付与し、構成の説明を省略する。
水晶振動子10は、水晶振動片1と、パッケージ11と、蓋体12とを備えている。
パッケージ11は、ベース基板15と、積層基板14と、接合部13と、導通固定部17と、外部接続端子16と、収納室19とを備えている。
パッケージ11は、ベース基板15に積層基板14を積層し、積層基板14上にロウ剤またはガラスなどからなる接合部13を形成している。ベース基板15および積層基板14は、たとえば絶縁材料である酸化アルミニウム質からなるセラミックシートから形成されている。収納室19は、積層基板14を収納室19の形状に合わせて刳り貫かれ、ベース基板15に積層し、その後、焼結されることにより形成される。
導通固定部17は、収納室19内に2個備えている。導通固定部17は、収納室19内のベース基板15上に形成されている。導通固定部17は、ベース基板15上に、たとえばタングステンメタライズ、ニッケルメッキ、および金メッキの順に形成される。
外部接続端子16は、パッケージ11の外側であるベース基板15の下面、つまり収納室19と対向する面に、2個備えている。外部接続端子16は、ベース基板15の下面に形成されている。外部接続端子16は、ベース基板15上に、たとえばタングステンメタライズ、ニッケルメッキ、および金メッキの順に形成することにより得られる。
そして、外部接続端子16は、導通固定部17と電気的に接続され、たとえばベース基板15に配線(図示省略)が施されている。
水晶基板2の表面または裏面に形成されている2個のマウント電極部4(4a,4b)は、導電性接着剤18により導通固定部17に固定され電気的に接続されている。導電性接着剤18の量は、2個のマウント電極部4(4a,4b)と導通固定部17との接着力、耐衝撃性、アウトガスの発生周波数ズレ、CI値の変動、および経年変化などの特性、ならびに水晶基板2の表面または裏面上での2個のマウント電極部4(4a,4b)間の短絡防止などを考慮して適宜決められる。このようにして、水晶振動片1は、パッケージ11に形成された収納室19内に設置されている。導電性接着剤18は、シリコン系樹脂、エポキシ系樹脂、またはポリイミド系樹脂などからなり、銀(Ag)またはプラチナ(Pt)などの導電性粉末が配合されている。
パッケージ11は、接合部13によって、蓋体12に接合されている。このようにして、パッケージ11と蓋体12と接合部13とによって、収納室19内に水晶振動片1が気密に封止されている。
蓋体12は、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)などの金属、またはこれら金属を配合した合金、または酸化アルミニウム質などからなるセラミック、あるいはガラスで形成されている。
水晶基板2の表面または裏面において、マウント電極部4(4a,4b)間に交流電流を流すことにより、引出電極5を介して、水晶基板2の表面に形成された励振電極3と、裏面に形成された励振電極3とに、正電荷および負電荷が交互に帯電させる。これにより、水晶基板2の表面と裏面との間において、電界の方向が変化する。この電界の発生方向に応じて、水晶基板2の表面および裏面との間で、水晶振動片1は圧電効果により振動する。このようにして構成された水晶振動子10は、2個の外部接続端子16間に交流電流を流すことにより駆動する。
したがって、本実施形態によれば、マウント電極部4が水晶基板2の表面(または裏面)に形成されている場合、水晶基板2の裏面(または表面)からマウント電極部4を透かし見ることができるので、マウント電極部4の露出部42の状態を確認することができる。
水晶振動片1とこの水晶振動片1を収納するパッケージ11との固定を、水晶振動片1のマウント電極部4とパッケージ11の導通固定部17との間で、たとえば導電性接着剤を用いて図った後に、水晶振動片1の側から露出部42を透かし見る非破壊試験で、露出部42での導電性接着剤の広がり具合の良否判定を実施するので、この良否判定に基づいて導電性接着剤による水晶振動片1の露出部42とパッケージ11との固定の接着力の良否を確認することができる。つまり、露出部42に導電性接着剤が広がっていれば、水晶振動片1のマウント電極部4とパッケージ11の導通固定部17との固定の接着力を良と判断できる。これに加えて、複数の露出部42への導電性接着剤の広がり具合の良否判定を実施するので、この良否判定に基づいて複数の露出部42の間に形成されている導通部41とパッケージ11の導通固定部17との電気的接続の良否を確認することができる。たとえば隣接する複数の露出部42に導電性接着剤が広がっていれば、複数の露出部42の間に形成されている導通部41に導電性接着剤が広がっていると判断できる。これにより、水晶振動片1のマウント電極部4とパッケージ11の導通固定部17との電気的接続を良と判断できる。
このようにして、露出部42を透かし見る非破壊試験により全数検査を実施するので、抜き取りで破壊試験を実施することによる不良の発生、つまり歩留りの低下を引き起こすことなく、接着力不良および電気的接続不良の水晶振動片1を排除することができる。
特に、水晶基板2の表面または裏面に2個のマウント電極部4(4a,4b)を備える場合、圧電基板が小型化するに伴い、隣接するマウント電極部4(4a,4b)間が狭くなり、導電性接着剤18がマウント電極部4(4a,4b)のそれぞれから食み出す(たとえば、特許文献2参照)ことで、マウント電極部4(4a,4b)間で短絡する問題がある。しかし、マウント電極部4(4a,4b)と導通固定部17との固定を、マウント電極部4(4a,4b)の複数の露出部42と導通固定部17との間で実施し、マウント電極部4(4a,4b)と導通固定部17との電気的接続を、マウント電極部4(4a,4b)の複数の露出部42の間に形成されている導通部41と、導通固定部17との間で実施する。これにより、マウント電極部4(4a,4b)のそれぞれからはみ出して、マウント電極部4(4a,4b)間で短絡することを防ぐことができる。
そして、マウント電極部4を水晶基板2の表面および裏面に形成した場合であっても、マウント電極部4の導通部41に囲まれて形成された露出部42が、水晶基板2の表面および裏面で対向して配置される組み合せを複数組備えているので、水晶基板2の表面から裏面、または裏面から表面を、透かし見ることができる。これにより、(対向して配置された)露出部42を透かし見る非破壊試験で、マウント電極部4での導電性接着剤の良否判定を実施するので、この良否判定に基づいて、(上述の効果と同様に、)導電性接着剤による水晶振動片1とパッケージ11との固定の接着力の良否、および水晶振動片1のマウント電極部4とパッケージ11の導通固定部との電気的接続の良否を確認することができる。このようにして、露出部42を透かし見る非破壊試験により全数検査を実施するので、抜き取りで破壊試験を実施することによる不良の発生、つまり歩留りの低下を引き起こすことなく、接着力不良および電気的接続不良の水晶振動片1を排除することができる。
また、露出部42を透かし見る非破壊試験において視認しやすくなるので、接着力および電気的接続の良否を精度良く判定することができる。
(第3実施形態)
以下、第3実施形態の水晶発振器について、図4を参照して説明する。
図4は、第3実施形態の水晶発振器を示す概略構成図である。
第3実施形態の水晶発振器は、図1および図2に示した第1実施形態の水晶振動片を用いた水晶発振器である。このため、水晶振動片については、同一の符号を付与し、構成の説明を省略する。そして、第3実施形態の水晶発振器が、第2実施形態で示した水晶振動子と相違する点は、発振回路と、ボンディングワイヤとを備え、パッケージの構成が異なる点である。
水晶発振器20は、水晶振動片1と、パッケージ21と、水晶振動片1を駆動させる駆動回路を含むICチップ23と、金(Au)またはアルミニウム(Al)などからなるボンディングワイヤ26と、蓋体12とを備えている。
パッケージ21の構成が、第2実施形態で示したパッケージ11の構成と異なる点は、積層基板25,24と内部接続端子27とを備え、外部接続端子16を少なくとも3個備える点である。
パッケージ21は、ベース基板15の上に、積層基板25,24、積層基板14の順に積層し、その後、焼結されることにより形成される。
パッケージ21は、接合部13によって、蓋体12に接合されている。
内部接続端子27は、収納室19内のベース基板15上に形成されている。内部接続端子27は、ベース基板15上に、たとえばタングステンメタライズ、ニッケルメッキ、および金メッキの順に形成することにより得られる。
ICチップ23は、収納室19内のベース基板15上に、接着剤によって固定されている。ICチップ23は、ボンディングワイヤ26により、内部接続端子27に電気的に接続されている。内部接続端子27は、外部接続端子16および導通固定部17に電気的に接続され、たとえばベース基板15および積層基板25,24に配線(図示省略)が施されている。外部接続端子16は、少なくとも3個備え、それぞれ電源入力用、グランド用、および振動周波数出力用に用いられる。
このようにして構成された水晶発振器20は、電源入力用の外部接続端子16とグランド用の外部接続端子16の間に電圧を印加することにより、水晶振動片1を駆動させる駆動回路を含むICチップ23を駆動させる。これにより、水晶振動片1は振動する。そして、振動周波数出力用の外部接続端子16から、水晶振動片1の振動周波数を出力する。
したがって、本実施形態によれば、上述の実施形態と同様の効果を奏することができる。露出部42を透かし見る非破壊試験により全数検査を実施するので、抜き取りで破壊試験を実施することによりICチップ23およびボンディングワイヤ26などを無駄にしてしまうことを防ぐことができる。
なお、上記課題の少なくとも一部を解決できる範囲での変形、改良などは前述の実施形態に含まれるものである。
たとえば、露出部42の形状は、丸形状、三角形状、あるいは六角形状などであっても良い。また、露出部42の配置は、図5から図7に示すように、露出部42の形状により様々に配置されてもよく、導通部41により露出部42を囲んでいれば、規則的に配置されていなくてもよい。
そして、マウント電極部4が、水晶基板2の表面および裏面で対向して配置された組み合せを備えている場合において、露出部42の形状は、同一であることに限らず異なる形状の組み合せであってもよく、露出部42が水晶基板2の表面および裏面において対向して配置された組み合せを複数組備えていればよい。
また、前述の実施形態では、水晶基板2の表面および裏面にマウント電極部4を1個または2個備えた水晶振動片1を一例に挙げて説明したが、これに限るものではなく、マウント電極部4を水晶基板2の表面または裏面いずれかに1個以上備えていればよい。
そして、圧電デバイスとして水晶発振器を一例に挙げて説明したが、これに限るものではなく、圧電振動ジャイロなどのセンサ、または水晶フィルタ(MCF:Monolithic Crystal Filter)であってもよい。そして、圧電材料の一例として水晶を用いて説明したが、これに限るものではなく、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウムなどの圧電材料を利用することができる。また、圧電振動片の形状もフラットタイプに限らず、コンベックスタイプや、逆メサ型、および音叉型などの圧電振動片にも適用することができる。そして、水晶振動片の振動モードは、とくに限定されることなく、厚みすべりモード、屈曲振動モード、または弾性表面波モードなどであってもよい。
また、圧電振動片の材料としては、水晶だけに限らず、タンタル酸リチウム(LiTaO3)、四ホウ酸リチウム(Li247)、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、酸化亜鉛(ZnO)、窒化アルミニウム(AlN)などの圧電体、または、シリコンなどの半導体であってもよい。
第1実施形態の水晶振動片を示す概略構成図。 第1実施形態の水晶振動片を示す概略斜視図。 第2実施形態の水晶振動子を示す概略構成図。 第3実施形態の水晶発振器を示す概略構成図。 マウント電極の変形例を示す図。 マウント電極の変形例を示す図。 マウント電極の変形例を示す図。
1…水晶振動片、2…水晶基板、3…励振電極、4,4a,4b…マウント電極、5…引出電極、10…水晶振動子、41…導通部、42…露出部。

Claims (12)

  1. 圧電基板と、
    前記圧電基板の表面または裏面のいずれかに形成されたマウント電極部とを備え、
    前記マウント電極部は、導電性部材により形成された導通部と、
    前記導通部に囲まれて前記圧電基板が露出した複数の露出部とを有することを特徴とする圧電振動片。
  2. 請求項1に記載の圧電振動片であって、
    前記マウント電極部は、前記圧電基板の表面および裏面に形成され、
    前記表面および前記裏面のマウント電極部は、それぞれ前記複数の露出部を有し、
    前記表面の複数の前記露出部のうち一の露出部と、前記裏面の複数の前記露出部のうち一の前記露出部とは、平面視して少なくとも一部が重なっていることを特徴とする圧電振動片。
  3. 請求項1または2に記載の圧電振動片であって、
    前記圧電基板は、透光性を有していることを特徴とする圧電振動片。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の圧電振動片であって、
    前記圧電基板は、水晶であることを特徴とする圧電振動片。
  5. 圧電基板と、
    前記圧電基板の表面または裏面のいずれかに形成されたマウント電極部と、
    前記圧電基板を収納するパッケージと、
    前記パッケージ内に形成された導通固定部とを備え、
    前記圧電基板は、前記パッケージ内に気密に封止され、
    前記マウント電極部は、前記導通固定部に固定され電気的に接続され、
    前記マウント電極部は、導電性部材により形成された導通部と、
    前記導通部に囲まれて前記圧電基板が露出した複数の露出部とを有することを特徴とする圧電振動子。
  6. 請求項5に記載の圧電振動子であって、
    前記マウント電極部は、前記圧電基板の表面および裏面に形成され、
    前記表面および前記裏面のマウント電極部は、それぞれ前記複数の露出部を有し、
    前記表面の複数の前記露出部のうち一の露出部と、前記裏面の複数の前記露出部のうち一の前記露出部とは、平面視して少なくとも一部が重なっていることを特徴とする圧電振動子。
  7. 請求項5または6に記載の圧電振動子であって、
    前記圧電基板は、透光性を有していることを特徴とする圧電振動子。
  8. 請求項5〜7のいずれか一項に記載の圧電振動子であって、
    前記圧電基板は、水晶であることを特徴とする圧電振動子。
  9. 圧電基板と、
    前記圧電基板の表面または裏面のいずれかに形成されたマウント電極部と、
    前記圧電基板を収納するパッケージと、
    前記パッケージ内に形成された導通固定部と、
    前記圧電基板を駆動させる駆動回路とを備え、
    前記圧電基板は、前記パッケージ内に気密に封止され、
    前記マウント電極部は、前記導通固定部に固定され電気的に接続され、
    前記マウント電極部は、導電性部材により形成された導通部と、
    前記導通部に囲まれて前記圧電基板が露出した複数の露出部とを有することを特徴とする圧電デバイス。
  10. 請求項9に記載の圧電デバイスであって、
    前記マウント電極部は、前記圧電基板の表面および裏面に形成され、
    前記表面および前記裏面のマウント電極部は、それぞれ前記複数の露出部を有し、
    前記表面の複数の前記露出部のうち一の露出部と、前記裏面の複数の前記露出部のうち一の前記露出部とは、平面視して少なくとも一部が重なっていることを特徴とする圧電デバイス。
  11. 請求項9または10に記載の圧電デバイスであって、
    前記圧電基板は、透光性を有していることを特徴とする圧電デバイス。
  12. 請求項9〜11のいずれか一項に記載の圧電デバイスであって、
    前記圧電基板は、水晶であることを特徴とする圧電デバイス。
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